JP2017100469A - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、下記特許文献1には、エンジンとモータによって駆動力を発生するハイブリッド車両において、エンジンで消費した燃料費とモータで消費した電力費を計算し、ハイブリッド車両による燃料節約効果をユーザに知らせる技術が開示されている。
しかしながら、上述した従来技術では、取得した燃料価格や電力価格の情報を節約効果の報知に用いるに留まり、これらの価格情報をハイブリッド車両の制御に用いておらず改善の余地がある。
請求項2の発明にかかるハイブリッド車両の制御装置は、前記閾値設定部は、前記燃料の単位通貨当たりの走行可能距離に基づいて設定された前記要求閾値を、前記モータで使用する電力の単位通貨当たりの走行可能距離に基づいて更に補正する、ことを特徴とする。
請求項3の発明にかかるハイブリッド車両の制御装置は、前記ハイブリッド車両は、前記モータを駆動し前記エンジンを停止して走行している際に前記電力を蓄積するバッテリの充電率が所定の充電閾値以下となった場合に、前記エンジンにより発電機を駆動して電力を発生させ、前記閾値設定部は、前記燃料の単位通貨当たりの走行可能距離が短いほど前記充電閾値が小さくなるよう設定する、ことを特徴とする。
請求項4の発明にかかるハイブリッド車両の制御装置は、前記閾値設定部は、前記燃料の単位通貨当たりの走行可能距離に基づいて設定された前記充電閾値を、前記電力の単位通貨当たりの走行可能距離に基づいて更に補正する、ことを特徴とする。
請求項2の発明によれば、電力の単位通貨当たりの走行可能距離に基づいて要求閾値を補正するので、燃料に加えて電力の使用効率を考慮してエンジンの始動タイミングを設定することができ、ハイブリッド車両のエネルギーコスト効率を更に向上させる上で有利となる。特に、ハイブリッド車両では、燃料と電力の2種類のエネルギーを使用可能であるが、実際の単価に基づいてこれらを使い分けることにより、ハイブリッド車両のエネルギーコスト効率を最大化することができる。
請求項3の発明によれば、燃料の単位通貨当たりの走行可能距離が短いほど充電閾値が小さくなるよう設定するので、燃料を用いた走行のコスト効率が悪い場合にはエンジンの始動タイミングを遅らせることができ、燃料を効率的に使用する上で有利となる。
請求項4の発明によれば、電力の単位通貨当たりの走行可能距離に基づいて充電閾値を補正するので、燃料に加えて電力の使用効率を考慮してエンジンの始動タイミングを設定することができ、ハイブリッド車両のエネルギーコスト効率を更に向上させる上で有利となる。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態にかかるハイブリッド車両10の構成を示す説明図である。
ハイブリッド車両10は、走行システム20と、発電システム30と、燃料タンク40と、バッテリ50と、ECU70とを備えている。
アクセルセンサ61は、ドライバによるアクセルペダル(図示なし)の操作量を検出すえる。アクセルセンサ61の検出値は、アクセル開度値としてECU70に送信される。
表示部62は、例えばダッシュパネル等に設けられたディスプレイであり、ドライバに対してハイブリッド車両10の状態を表示する。表示部62はECU70によって制御されている。本実施の形態では、表示部62は、燃費や電費(単位燃料量または単位電力量当たりの走行距離)を表示するために用いられる。
通信部63は、通信回線を介してネットワーク上の情報機器と通信するためのインターフェースである。本実施の形態では、通信部63は、燃料や電力の単価(単位量当たりの価格)情報を取得するために用いられる。
ECU70は、CPU、制御プログラムなどを格納・記憶するROM、制御プログラムの作動領域としてのRAM、各種データを書き換え可能に保持するEEPROM、周辺回路等とのインターフェースをとるインターフェース部などを含んで構成される。
まず、ハイブリッド車両10の走行モードについて説明する。本実施の形態では、ハイブリッド車両10は以下の3種類の走行モードを適宜切り替えて走行する。
1.EV(Electric Vehicle)走行モード
エンジン25は停止し、モータ23の駆動力で車軸を回転させて走行するモードである。
2.シリーズ走行モード
エンジン25で発電機31を駆動しながら、モータ23の駆動力で車軸を回転させて走行するモードである。
EV走行モードからシリーズ走行モードへの移行は、例えば以下のような場合に行われる。
<パターン1>
ドライバからの要求が所定の要求閾値以上である場合。
例えば、ドライバが加速したい時にアクセルを大きく踏み込んだ場合などである。この場合、発電機31で発電した電力は、バッテリ50から供給される電力とともにモータ23に供給される。これにより、EV走行モード時よりもモータ23の出力を大きくすることができる。
ドライバからの要求とは、例えば要求出力値や要求トルク値、要求出力値を発生させるために必要な電力量、アクセル開度などである。本実施の形態では、ドライバからの要求を要求出力値を用いて判断する。要求出力値は、例えばアクセル開度(アクセルペダルの操作量)を変数とした要求出力値算出用の関数によって算出される値である。
<パターン2>
バッテリ50の充電率が所定の充電閾値以下となった場合
バッテリ50の充電率が低下して、このまま走行すると電欠状態となる可能性がある場合である。この場合、発電機31で発電した電力は、モータ23に供給されるとともに余剰分がバッテリ50に供給され充電に用いられる。
3.パラレル走行モード
エンジン25の駆動力およびモータ23の駆動力で車軸を回転させて走行するモードである。
特に、高速走行時等、エンジン25による車軸駆動の効率が高い場合にパラレル走行モードに移行する。なお、パラレル走行モード時にも、エンジン25の駆動力を発電機31に伝達して発電を行う(すなわち、エンジン25の駆動力を走行と発電とに振り分ける)ことが可能である。
図2は、ECU70の機能的構成を示す説明図である。
ECU70は、上記CPUが上記制御プログラムを実行することにより、要求出力値算出部702、燃費・電費算出部704、単価取得部706、閾値設定部708、駆動制御部710を実現する。
なお、上記要求出力値は請求項におけるドライバからの要求の一例である。ドライバからの要求として、アクセル開度や要求トルク、要求出力を発生させるために必要な電力量を用いてもよい。
より詳細には、燃費・電費算出部704は、車輪速センサ21Aから送信された車輪の回転量に基づいてハイブリッド車両10の走行距離を算出する。また、燃費・電費算出部704は、燃料センサ40Aの検出値を受信し、走行中の燃料使用量を算出する。さらに、燃費・電費算出部704は、BMU51から送信されたバッテリ50の充電率を受信し、走行中の電力使用量を算出する。
そして、過去の所定期間における走行距離を、この間の燃料使用量または電力使用量で除して燃費または電費を算出する。所定期間の長さは任意である。
なお、本実施の形態では、燃費の算出にはシリーズ走行モード中の燃料使用量のみを用いるものとする。すなわち、エンジン25により駆動輪を回転させる場合の燃費ではなく、エンジン25より発電機31を駆動させ発生した電力で走行する際の燃費(発電電力に換算した燃費)を算出するものとする。
また、実施の形態1では以降の処理で使用するのは燃費のみのため、燃費・電費算出部704は少なくとも燃費を算出できればよい。
また、燃費・電費算出部704は、単位燃料量および単位電力量当たりの走行距離ではなく、単位距離を走行するのに必要な燃料量および電力量(L/kmおよびkWh/km)を算出するようにしてもよい。
また、燃費・電費算出部704は、算出した燃費や電費を表示部62に表示する。これにより、ハイブリッド車両10の燃費や電費をドライバが確認することが可能となる。
本実施の形態では、単価取得部706は、通信部63を介して外部の単価情報提供サーバに接続して単価情報を取得するものとする。
より詳細には、単価取得部706は、燃料を給油した日付および給油場所情報(例えばカーナビゲーション装置に搭載されたGPSシステムにより特定した給油地の緯度経度情報)を単価情報提供サーバに送信する。単価情報提供サーバは、各給油所における過去の燃料単価情報を記憶しており、単価取得部706から送信された情報に基づいて給油時の燃料単価を検索し、単価取得部706に送信する。
また、単価取得部706は、電力を充電した日付および時間帯、充電場所情報(充電地の緯度経度情報)、および充電の種類(急速充電または普通充電)を単価情報提供サーバに送信する。単価情報提供サーバは、各充電スタンドにおける過去の電力単価情報や家庭用電力の時間帯別価格を記憶しており、単価取得部706から送信された情報に基づいて充電時の電力単価を検索し、単価取得部706に送信する。
なお、実施の形態1では以降の処理で使用するのは燃料の単価情報のみのため、単価取得部706は少なくとも燃料の単価を取得できればよい。
また、単価取得部706は、ネットワークを介して単価情報を取得するのではなく、例えば給油時や充電時にドライバが入力した単価情報を記憶しておいてもよい。
また、単価取得部706は、給油時や充電時における単価情報を取得するのではなく、現在の単価情報または将来の予測単価情報を取得してもよい。これは、今回の走行で燃料または電力が消費された場合には給油や充電が必要となる可能性があり、次回の給油や充電時の単価に基づいて後述する閾値を設定することも有効と考えられるためである。
ここで、通貨換算走行距離とは、燃費・電費算出部704で算出した燃費または電費(km/Lまたはkm/kWh)を、燃料または電力の単価(円/Lまたは円/kWh)で除した値であり、単位通貨(1円)で購入した燃料または電力で走行可能な距離(km/円)を示す。
図3Aの縦軸は要求出力値であり、横軸は時間である。グラフ中のカーブは、アクセルペダルの非踏み込み状態から最大踏み込み位置まで徐々に操作した場合の要求出力値の時間変化を示している。
例えば、燃料の通貨換算走行距離F=X0(基準値)である時を基準状態とし、この時の要求閾値をT0とする。この場合、EV走行モード中に要求出力値がT0以上となった際にエンジン25が始動し、シリーズ走行モードに移行する。
つぎに、燃料の通貨換算走行距離F=X1(<基準値X0)である場合、すなわち通貨換算走行距離が基準値X0よりも短い場合、閾値設定部708は要求閾値をT1(>T0)とする。よって、通貨換算走行距離F=X0の場合と比べて要求出力値が高くならないとエンジン25は始動しない。つまり、燃料を使用した走行のコスト効率が基準状態時よりも低い状態にあるため、閾値設定部708は基準状態時よりもエンジン25を始動しにくくして燃料の消費を抑えるようにしている。
つづいて、燃料の通貨換算走行距離F=X2(>基準値X0)である場合、すなわち通貨換算走行距離が基準値X0よりも長い場合、閾値設定部708は要求閾値をT2(<T0)とする。よって、通貨換算走行距離F=X0の場合と比べて要求出力値が低くてもエンジン25が始動する。つまり、燃料を使用した走行のコスト効率が基準状態時よりも高い状態にあるため、閾値設定部708は基準状態時よりもエンジン25を始動しやすくして燃料の消費を許容する。
例えば、燃料の通貨換算走行距離F=X0(基準値)である時を基準状態とし、この時の充電閾値をS0とする。この場合、EV走行モード中に充電率がS0以下となった際にエンジン25が始動し、シリーズ走行モードに移行する。
つぎに、燃料の通貨換算走行距離F=X1(<基準値X0)である場合、すなわち通貨換算走行距離が基準値X0よりも短い場合、閾値設定部708は充電閾値をS1(<S0)とする。よって、通貨換算走行距離F=X0の場合と比べて充電率がより低くならないとエンジン25は始動しない。つまり、燃料を使用した走行のコスト効率が基準状態時よりも低い状態にあるため、閾値設定部708は基準状態時よりもエンジン25を始動しにくくして燃料の消費を抑えるようにしている。
つづいて、燃料の通貨換算走行距離F=X2(>基準値X0)である場合、すなわち通貨換算走行距離が基準値X0よりも長い場合、閾値設定部708は充電閾値をS2(>S0)とする。よって、通貨換算走行距離F=X0の場合と比べて充電率が高い段階でエンジン25が始動する。つまり、燃料を使用した走行のコスト効率が基準状態時よりも高い状態にあるため、閾値設定部708は基準状態時よりもエンジン25を始動しやすくして燃料の消費を許容する。
この他、通貨換算走行距離Fを変数とした閾値算出用の関数を設定し、この関数を用いてそれぞれの閾値を算出してもよい。
この場合、単位距離当たりの必要通貨額が大きいほど、すなわち1km走行するのに必要な燃料費が高いほど、要求閾値を大きく、充電閾値は小さく設定する。
より詳細には、駆動制御部710は、モータ23を駆動してEV走行モードで走行している際に、ドライバからの要求出力値が要求閾値以上となった場合には、モータ23と共にエンジン25を駆動してシリーズ走行モードに移行する。
また、EV走行モードで走行している際にバッテリ50の充電率が充電閾値以下となった場合には、エンジン25を始動してシリーズ走行モードに移行する。
この他駆動制御部710は、要求出力値算出部702で算出した要求出力値に基づいてインバータ24に供給する電力を制御したり、エンジン25の点火機構や燃料系統などを制御してモータ23およびエンジン25の駆動を制御する。
図4の処理は、例えばハイブリッド車両10の起動時や走行中の所定時間ごとに実施する。
ECU70は、まず単価取得部706によって燃料の単価を取得する(ステップS300)。なお、既に燃料タンク40に蓄積されている燃料の単価は変動しないため、ステップS300の処理は少なくとも給油後に1度行えばよい。
つぎに、燃費・電費算出部704によってハイブリッド車両10の燃費を算出する(ステップS302)。燃費は、その時々の走行状態によって変動するため、ステップS302以降の処理は走行中所定時間ごとに実施するのが好ましい。
つづいて、閾値設定部708は、ステップS302で算出した燃費(単位燃料量当たりの走行距離、km/L)を、燃料の単価(円/L)で除して、通貨換算走行距離(km/円)を算出する(ステップS304)。
そして、算出した通貨換算走行距離を用いて要求閾値および充電閾値を設定して(ステップS306)、本フローチャートによる処理を終了する。
ECU70は、現在の走行モードがEV走行モードであるか否かを判断する(ステップS400)。EV走行モードでない場合は(ステップS400:No)、本フローチャートの適用範囲外であるためリターンする。
EV走行モードである場合は(ステップS400:Yes)、要求出力値算出部702がドライバのアクセル操作等に基づく要求出力値を算出する(ステップS402)。駆動制御部710は、要求出力値が要求閾値以上であるか否かを判断し、要求閾値以上である場合は(ステップS404:Yes)、ステップS410に移行して、エンジン25を始動させてシリーズ走行モードに移行させる(ステップS410)。
また、要求出力値が要求閾値以上でない場合(ステップS404:No)、駆動制御部710はBMU50Aから送信されたバッテリ50の充電率を参照し、充電率が第2の所定値以下か否かを判断する(ステップS408)。
充電率が第2の所定値以下の場合(ステップS408:Yes)、駆動制御部710は、エンジン25を始動させてシリーズ走行モードに移行させる(ステップS410)。また、充電率が第2の所定値以下ではない場合は(ステップS408:No)、そのままEV走行モードを継続して、ステップS400に戻って以降の処理をくり返す。
また、ハイブリッド車両10の制御装置は、燃料の通貨換算走行距離が短いほど要求閾値は大きくなるように、充電閾値は小さくなるように設定するので、燃料を用いた走行のコスト効率が悪い場合にはエンジン25の始動タイミングを遅らせることができ、燃料を効率的に使用する上で有利となる。
特に、燃料は日々の価格変動が大きく、通貨換算走行距離もその時々で変化する。燃料の通貨換算走行距離に基づいてエンジン25の始動タイミングを決定することにより、ハイブリッド車両10の走行性能とコスト効率とのバランスを向上させることができる。
実施の形態1では、シリーズ走行モードへの移行閾値の設定に燃料の通貨換算走行距離を反映させた。実施の形態2では、燃料の通貨換算走行距離に加えて、電力の通貨換算走行距離を反映させてシリーズ走行モードへの移行閾値を設定する。
なお、実施の形態2でもハイブリッド車両10の構成は実施の形態1と同様のため、詳細な説明を省略する。
一方、燃費・電費算出部704は、ハイブリッド車両10の燃費および電費、すなわち単位燃料量または単位電力量当たりの走行距離(km/Lまたはkm/kWh)の両方を算出する。詳細な処理は実施の形態1で説明した通りである。
また、単価取得部706は、燃料および電力の単位量当たりの価格(単価、円/Lまたは円/kWh)の両方を取得する。詳細な処理は実施の形態1で説明した通りである。
なお、通貨換算走行距離の算出方法は実施の形態1と同様である。
本実施の形態では、燃料の通貨換算走行距離Fを基準値として、電力の通貨換算走行距離Pと燃料の通貨換算走行距離Fとの差分に基づいて要求閾値および充電閾値を補正する。
反対に、電力の通貨換算走行距離Pが燃料の通貨換算走行距離Fよりも短い場合、すなわち1円で購入できる電力によって走行可能な距離の方が1円で購入できる燃料によって走行可能な距離よりも短い場合には、要求閾値をより小さい値へと補正する。
反対に、電力の通貨換算走行距離Pが燃料の通貨換算走行距離Fよりも短い場合、すなわち1円で購入できる電力によって走行可能な距離の方が1円で購入できる燃料によって走行可能な距離よりも短い場合には、充電閾値をより大きい値へと補正する。
図6Aの縦軸は要求出力値であり、横軸は時間である。グラフ中のカーブは、アクセルペダルの非踏み込み状態から最大踏み込み位置まで徐々に操作した場合の要求出力値の時間変化を示している。
例えば、電力の通貨換算走行距離P=燃料の通貨換算走行距離Fである時を基準状態とし、この時の要求閾値をT0とする。この場合、EV走行モード中に要求出力値がT0以上となった際にエンジン25が始動し、シリーズ走行モードに移行する。
つぎに、電力の通貨換算走行距離P>燃料の通貨換算走行距離Fである場合、すなわち電力の通貨換算走行距離Pが燃料の通貨換算走行距離Fよりも長い場合、閾値設定部708は要求閾値をT1(>T0)とする。よって、基準状態の場合と比べて要求出力値が高くならないとエンジン25は始動しない。つまり、燃料を使用した走行のコスト効率が電力を使用した走行のコスト効率よりも低い状態にあるため、閾値設定部708は基準状態時よりもエンジン25を始動しにくくして燃料の消費を抑えるようにしている。
つづいて、電力の通貨換算走行距離P<燃料の通貨換算走行距離Fである場合、すなわち電力の通貨換算走行距離Pが燃料の通貨換算走行距離Fよりも短い場合、閾値設定部708は要求閾値をT2(<T0)とする。よって、基準状態と比べて要求出力値が低くてもエンジン25が始動する。つまり、燃料を使用した走行のコスト効率が電力を使用した走行のコスト効率よりも高い状態にあるため、閾値設定部708は基準状態時よりもエンジン25を始動しやすくして燃料の消費を許容する。
例えば、電力の通貨換算走行距離P=燃料の通貨換算走行距離Fである時を基準状態とし、この時の充電閾値をS0とする。この場合、EV走行モード中に充電率がS0以下となった際にエンジン25が始動し、シリーズ走行モードに移行する。
つぎに、電力の通貨換算走行距離P>燃料の通貨換算走行距離Fである場合、すなわち電力の通貨換算走行距離Pが燃料の通貨換算走行距離Fよりも長い場合、閾値設定部708は充電閾値をS1(<S0)とする。よって、基準状態と比べて充電率がより低くならないとエンジン25は始動しない。つまり、燃料を使用した走行のコスト効率が電力を使用した走行のコスト効率よりも低い状態にあるため、閾値設定部708は基準状態時よりもエンジン25を始動しにくくして燃料の消費を抑えるようにしている。
つづいて、電力の通貨換算走行距離P<燃料の通貨換算走行距離Fである場合、すなわち電力の通貨換算走行距離Pが燃料の通貨換算走行距離Fよりも短い場合、閾値設定部708は充電閾値をS2(>S0)とする。よって、基準状態と比べて充電率が高い段階でエンジン25が始動する。つまり、燃料を使用した走行のコスト効率が電力を使用した走行のコスト効率よりも高い状態にあるため、閾値設定部708は基準状態時よりもエンジン25を始動しやすくして燃料の消費を許容する。
この他、電力の通貨換算走行距離Pおよび燃料の通貨換算走行距離Fを変数とした閾値算出用の2変数関数を設定し、この関数を用いてそれぞれの閾値を算出してもよい。
図7の処理は、例えばハイブリッド車両10の起動時や走行中の所定時間ごとに実施する。
ECU70は、まず単価取得部706によって燃料および電力の単価を取得する(ステップS600)。なお、既に燃料タンク40やバッテリ50に蓄積されている燃料や電力の単価は変動しないため、ステップS600の処理は少なくとも給油後や充電後に1度行えばよい。
つぎに、燃費・電費算出部704によってハイブリッド車両10の燃費および電費を算出する(ステップS602)。燃費および電費は、その時々の走行状態によって変動するため、ステップS602以降の処理は走行中所定時間ごとに実施するのが好ましい。
つづいて、閾値設定部708は、ステップS602で算出した燃費(単位燃料量当たりの走行距離、km/L)を燃料の単価(円/L)で除して燃料の通貨換算走行距離F(km/円)を、電費(単位電力量当たりの走行距離、km/kWh)を電力の単価(円/kWh)で除して電力の通貨換算走行距離P(km/円)を、それぞれ算出する(ステップS604)。
そして、算出した燃料の通貨換算走行距離Fおよび電力の通貨換算走行距離Pを用いて要求閾値および充電閾値を設定して(ステップS606)、本フローチャートによる処理を終了する。
なお、その後の駆動制御処理については、実施の形態1(図5)と同様である。
特に、ハイブリッド車両10は、燃料と電力の2種類のエネルギーを使い分けることができるが、これらを実際の単価に基づいて使い分けることにより、ハイブリッド車両10のエネルギーコスト効率を最大化することができる。
この場合、要求出力値が要求閾値以上となった場合には、モータ23とともにエンジン25の駆動力を車軸に伝達してより大きい出力を得られるようにする。
また、バッテリ50の充電率が充電閾値以下となった場合には、エンジン25の駆動力を車軸に伝達するとともに、エンジン25による駆動力の増加分モータ23の出力を低下させて電力の消費を抑える。また、エンジン25の駆動力の余剰分で発電機31を駆動させてバッテリ50を充電させるようにしてもよい。
Claims (4)
- モータとエンジンとを備え、前記モータを駆動して走行している際にドライバからの要求が所定の要求閾値以上となった場合に、前記モータと共に前記エンジンを駆動して走行するハイブリッド車両の制御装置であって、
前記エンジンで使用する燃料の単位通貨当たりの走行可能距離に基づいて、前記要求閾値を設定する閾値設定部を備え、
前記閾値設定部は、前記燃料の単位通貨当たりの走行可能距離が短いほど前記要求閾値が大きくなるよう設定する、
ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 - 前記閾値設定部は、前記燃料の単位通貨当たりの走行可能距離に基づいて設定された前記要求閾値を、前記モータで使用する電力の単位通貨当たりの走行可能距離に基づいて更に補正する、
ことを特徴とする請求項1記載のハイブリッド車両の制御装置。 - 前記ハイブリッド車両は、前記モータを駆動し前記エンジンを停止して走行している際に前記電力を蓄積するバッテリの充電率が所定の充電閾値以下となった場合に、前記エンジンにより発電機を駆動して電力を発生させ、
前記閾値設定部は、前記燃料の単位通貨当たりの走行可能距離が短いほど前記充電閾値が小さくなるよう設定する、
ことを特徴とする請求項1または2記載のハイブリッド車両の制御装置。 - 前記閾値設定部は、前記燃料の単位通貨当たりの走行可能距離に基づいて設定された前記充電閾値を、前記電力の単位通貨当たりの走行可能距離に基づいて更に補正する、
ことを特徴とする請求項3記載のハイブリッド車両の制御装置。
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