JP2021105438A - 車両用変速機 - Google Patents

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Abstract

【課題】ギヤ室からブリーザ室にオイルが侵入することを抑制でき、ブリーザ室から変速機ケースの外部にオイルが漏出することを抑制できる車両用変速機を提供すること。【解決手段】手動変速機2において、ブリーザプレート55は、ブリーザプレート55の下面から下方に突出する縦壁55Bを有し、縦壁55Bは、車幅方向で入力軸11軸の軸線C1とブリーザ孔43aの間に位置し、かつ、前後方向で左側支持部43に重なっている。車幅方向で縦壁55Bに対向するフロントケース6の左側壁6Lに凹部6bが形成されており、凹部6bと縦壁55Bとの間にブリーザ室56に連通する連通路57が形成されている。【選択図】図4

Description

本発明は、車両用変速機に関する。
車両に搭載されるトランスミッションにあっては、トランスミッションケースの内部の圧力が上昇したときに、圧力を逃がすため、外気とトランスミッションケースとを連通するブリーザ室を有する。
ところが、従来のブリーザ構造は、トランスミッションケースの上部に専用のブリーザ室を形成する必要があり、ブリーザ構造が複雑化してしまう。これに対して、シフトアンドセレクト軸を収容するシフトケースをブリーザ構造として利用することにより、ブリーザ構造を簡素化したものがある(特許文献1参照)。
このトランスミッションのブリーザ構造は、シフトアンドセレクト軸をシフトケースの車両の前後方向中央部よりも後方に設置し、上側開口部の内周部に、少なくともシフトアンドセレクト軸の下方を除いたシフトケース内の空間とトランスミッションケースの内部とを仕切るブリーザプレートを設置し、ブリーザ室を、ブリーザプレートよりも上方で、かつシフトアンドセレクト軸よりも車両の前後方向前方の空間から構成する。
ブリーザプレートには切欠き部が形成されており、シフトケースの内部とトランスミッションケースの内部が切欠き部によって連通されている。
これにより、上側開口部にブリーザプレートを設置するだけで、既存のシフトケースの内部にブリーザ室を形成することができ、ブリーザ室の構成を簡素化できる。
特許6308060号公報
このような従来の変速機にあっては、ブリーザプレートの切欠き部を通してシフトケースの内部にオイルが侵入するおそれがあり、未だ改善の余地がある。
本発明は、上記のような事情に着目してなされたものであり、ギヤ室からブリーザ室にオイルが侵入することを抑制でき、ブリーザ室から変速機ケースの外部にオイルが漏出することを抑制できる車両用変速機を提供することを目的とするものである。
本発明は、上部にケース側開口部が形成され、内部に、内燃機関の動力が伝達される複数の回転軸を収容するギヤ室を有する変速機ケースと、前記ケース側開口部を覆うように前記変速機ケースに取付けられ、前記ケース側開口部を通して前記変速機ケースの内部に連通する内部空間を有するシフトケースと、車両の幅方向に延び、軸線方向に移動自在、かつ、軸線周りに回転自在に前記シフトケースに取付けられたシフトアンドセレクト軸と、プレート側開口部を有して前記ケース側開口部の内周部に設けられ、前記プレート側開口部を通して前記シフトケースの内部空間と前記ギヤ室とを連通するブリーザプレートとを備え、前記回転軸が、前記ブリーザプレートの下方に設置され、複数の第1のギヤを有する第1の回転軸と、前記第1のギヤにそれぞれ噛み合う複数の第2のギヤを有し、前記シフトアンドセレクト軸の軸線方向の一端部に対して車両の幅方向で前記第1の回転軸と反対側に位置する第2の回転軸とを含み、前記第1の回転軸がその上部から下部に向かって前記シフトアンドセレクト軸の軸線方向の一端部側に回転するように構成され、前記シフトケースの内部の内部空間が、前記変速機ケースの外部と連通するブリーザ室を含んで構成される車両用変速機であって、前記シフトケースは、前記シフトアンドセレクト軸の軸線方向の一端部を支持し、内部に前記ブリーザ室が形成される筒状の支持部を有し、前記支持部は、前記ブリーザ室と前記変速機ケースの外部とを連通するブリーザ孔を有し、前記ブリーザプレートは、前記ブリーザプレートの下面から下方に突出する縦壁を有し、前記縦壁は、車両の幅方向で前記第1の回転軸の軸心と前記ブリーザ孔の間に位置し、かつ、車両の前後方向で前記支持部に重なっており、車両の幅方向で前記縦壁に対向する前記変速機ケースの側壁に凹部が形成されており、前記凹部と前記縦壁との間に前記ブリーザ室に連通する連通路が形成されていることを特徴とする。
このように上記の本発明によれば、ギヤ室からブリーザ室にオイルが侵入することを抑制でき、ブリーザ室から変速機ケースの外部にオイルが漏出することを抑制できる。
図1は、本発明の一実施例に係る車両用変速機の左側面図である。 図2は、本発明の一実施例に係る車両用変速機の上面図である。 図3は、図2のIII−III方向矢視断面図である。 図4は、図2のIV−IV方向矢視断面図である。 図5は、本発明の一実施例に係る車両用変速機のフロントケースの開口部付近を左前斜め上方から見た斜視図である。 図6は、図2のVI−VI方向矢視断面図である。 図7は、図2のVII−VII方向矢視断面図である。 図8は、図2のVIII−VIII方向矢視断面図である。 図9は、本発明の一実施例に係る車両用変速機のフロントケースの開口部付近の上面図である。 図10は、図2のX−X方向矢視断面図である。 図11は、本発明の一実施例に係る車両用変速機のブリーザプレートを左後方から見た斜視図である。 図12は、本発明の一実施例に係る車両用変速機のブリーザプレートの後面図である。 図13は、本発明の一実施例に係る車両用変速機のブリーザプレートの上面図である。 図14は、本発明の一実施例に係る車両用変速機のブリーザプレートの下面図である。 図15は、図2のIV−IV方向矢視断面図であり、変速段が1速−2速の状態を示す。
本発明の一実施の形態に係る車両用変速機は、上部にケース側開口部が形成され、内部に、内燃機関の動力が伝達される複数の回転軸を収容するギヤ室を有する変速機ケースと、ケース側開口部を覆うように変速機ケースに取付けられ、ケース側開口部を通して変速機ケースの内部に連通する内部空間を有するシフトケースと、車両の幅方向に延び、軸線方向に移動自在、かつ、軸線周りに回転自在にシフトケースに取付けられたシフトアンドセレクト軸と、プレート側開口部を有してケース側開口部の内周部に設けられ、プレート側開口部を通してシフトケースの内部空間とギヤ室とを連通するブリーザプレートとを備え、回転軸が、ブリーザプレートの下方に設置され、複数の第1のギヤを有する第1の回転軸と、第1のギヤにそれぞれ噛み合う複数の第2のギヤを有し、シフトアンドセレクト軸の軸線方向の一端部に対して車両の幅方向で第1の回転軸と反対側に位置する第2の回転軸とを含み、第1の回転軸がその上部から下部に向かってシフトアンドセレクト軸の軸線方向の一端部側に回転するように構成され、シフトケースの内部の内部空間が、変速機ケースの外部と連通するブリーザ室を含んで構成される車両用変速機であって、シフトケースは、シフトアンドセレクト軸の軸線方向の一端部を支持し、内部にブリーザ室が形成される筒状の支持部を有し、支持部は、ブリーザ室と変速機ケースの外部とを連通するブリーザ孔を有し、ブリーザプレートは、ブリーザプレートの下面から下方に突出する縦壁を有し、縦壁は、車両の幅方向で第1の回転軸の軸心とブリーザ孔の間に位置し、かつ、車両の前後方向で支持部に重なっており、車両の幅方向で縦壁に対向する変速機ケースの側壁に凹部が形成されており、凹部と縦壁との間にブリーザ室に連通する連通路が形成されている。
これにより、本発明の一実施の形態に係る車両用変速機は、ギヤ室からブリーザ室にオイルが侵入することを抑制でき、ブリーザ室から変速機ケースの外部にオイルが漏出することを抑制できる。
以下、本発明の一実施例に係る手動変速機について、図面を用いて説明する。
図1から図15は、本発明に係る一実施例の車両用変速機を示す図である。図1から図15において、上下前後左右方向は、車両に設置された状態の車両用変速機を基準とし、車両の前後方向を前後方向、車両の左右方向(車両の幅方向)を左右方向、車両の上下方向(車両の高さ方向)を上下方向とする。
まず、構成を説明する。
図1において、車両1には手動変速機2が搭載されており、手動変速機2は、内燃機関としてのエンジン4に接続された状態で車両1のフロアパネル1Aの下方に縦置きに設置されている。本実施例の手動変速機2は、本発明の車両用変速機を構成する。
図1、図2に示すように、手動変速機2は変速機ケース3を備えており、変速機ケース3は、クラッチハウジング(以下、単にクラッチハウジングという)5と、フロントケース6と、トランスファフロントケース7と、トランスファリヤケース8と、トランスファアクチュエータケース9と、シフトケース41とを備えている。
変速機ケース3は、前から順にクラッチハウジング5、フロントケース6、トランスファフロントケース7、トランスファリヤケース8、トランスファアクチュエータケース9が配置され、フロントケース6の上部にシフトケース41が配置され、相互に図示しないボルトによって結合されている。クラッチハウジング5の前端部は、図示しないボルトによってエンジン4に接続されている。
図3、図4に示すように、手動変速機2は、入力軸11、カウンタ軸12、出力軸13およびリバース軸14を有し、これら各軸は、車両1の前後方向に沿って平行に設置されている。
クラッチハウジング5には図示しないクラッチが収容されている。クラッチは、エンジン4と入力軸11とを接続することや切断することにより、エンジン4の動力を入力軸11に伝達したり、エンジン4の動力を入力軸11に伝達しない。
図3に示すように、クラッチハウジング5には隔壁29が設けられており、入力軸11の前側は、軸受28Aを介して隔壁29に回転自在に支持されている。フロントケース6には隔壁30が設けられている。隔壁30には出力軸13が貫通される開口部が形成されており、出力軸13は、軸受28Bを介して隔壁30に回転自在に支持されている。
トランスファフロントケース7には隔壁31が形成されており、変速機ケース3の内部は、隔壁29、30、31によってクラッチハウジング5によって囲まれるクラッチ室32とフロントケース6およびトランスファフロントケース7によって囲まれるギヤ室33とに仕切られている。
ギヤ室33には入力軸11、カウンタ軸12、出力軸13およびリバース軸14(リバース軸14は図示省略)が収容されている。
入力軸11には、エンジン4側から後方に向かって1速入力ギヤ11A、リバース入力ギヤ11R、2速入力ギヤ11B、4速入力ギヤ11Cおよび3速入力ギヤ11Dが設置されている。
1速入力ギヤ11A、リバース入力ギヤ11Rおよび2速入力ギヤ11Bは、入力軸11に固定されており、入力軸11と一体で回転する。4速入力ギヤ11Cおよび3速入力ギヤ11Dは、入力軸11に相対回転自在に連結されている。
出力軸13は、入力軸11の後端部に相対回転自在に連結されている。出力軸13の前端部には5速クラッチギヤ13Aが設けられており、5速クラッチギヤ13Aは、出力軸13の外周部に形成されたドグから構成される。
カウンタ軸12には、エンジン4側から後方に向かって1速カウンタギヤ12A、2速カウンタギヤ12B、4速カウンタギヤ12C、3速カウンタギヤ12Dおよびカウンタドライブギヤ12Eが設けられている。
4速カウンタギヤ12C、3速カウンタギヤ12Dおよびカウンタドライブギヤ12Eは、カウンタ軸12に固定されており、カウンタ軸12と一体で回転する。1速カウンタギヤ12A、2速カウンタギヤ12Bは、カウンタ軸12に相対回転自在に連結されている。
1速入力ギヤ11A、2速入力ギヤ11B、4速入力ギヤ11Cおよび3速入力ギヤ11Dは、それぞれ同じの変速段を構成する1速カウンタギヤ12A、2速カウンタギヤ12B、4速カウンタギヤ12Cおよび3速カウンタギヤ12Dに噛み合っている。
出力軸13にはカウンタドリブンギヤ13Bが一体回転自在に連結されており、カウンタ軸12のカウンタドライブギヤ12Eは、カウンタドリブンギヤ13Bに噛み合っている。
リバース軸14にはリバースギヤ14A(図4参照)と図示しないカウンタドライブギヤが設けられている。リバースギヤ14Aは、入力軸11のリバースギヤに噛み合っており、リバース軸のカウンタドライブギヤは、カウンタ軸12のリバースドリブンギヤ12Eに噛み合っている。
入力軸11の軸線方向で3速入力ギヤ11Dと4速入力ギヤ11Cの間には3−4速用の同期装置15が設置されている。ここで、軸線方向とは、軸の回転中心軸(軸心)の方向であり、本実施例の手動変速機2に設置される軸の全てに適用される。
3速−4速用の同期装置15は、ハブ15Aおよびスリーブ15Bを備えている。ハブ15Aは、入力軸11にスプライン嵌合されており、入力軸11と一体で回転する。スリーブ15Bは、ハブ15Aにスプライン嵌合されており、ハブ15Aと一体的に回転するとともに、ハブ15Aに対して入力軸11の軸線方向に移動自在となっている。
3速−4速用の同期装置15において、スリーブ15Bが中立位置から入力軸11の軸線方向の後側に移動すると、スリーブ15Bがハブ15Aと3速入力ギヤ11Dとを連結する。
これにより、前進3速段が成立し、エンジン4の動力が入力軸11から3−4速用の同期装置15、3速入力ギヤ11D、3速カウンタギヤ12D、カウンタ軸12、カウンタドライブギヤ12E、カウンタドリブンギヤ13Bを介して出力軸13に伝達される。
出力軸13は、いずれも図示しないリヤプロペラ軸、リヤディファレンシャル装置および左右のドライブシャフトを介して後輪に接続されている。このため、エンジン4の動力は、出力軸13からリヤプロペラ軸、リヤディファレンシャル装置および左右のドライブシャフトを介して後輪に伝達される。本実施例の車両1は、フロントエンジン・リヤドライブ車両である。
スリーブ15Bが中立位置から入力軸11の軸線方向の前側に移動すると、スリーブ15Bがハブ15Aと4速入力ギヤ11Cとを連結する。
これにより、前進4速段が成立し、エンジン4の動力が入力軸11から3速−4速用の同期装置15、4速入力ギヤ11C、4速カウンタギヤ12C、カウンタ軸12、カウンタドライブギヤ12E、カウンタドリブンギヤ13Bを介して出力軸13に伝達される。
入力軸11の軸線方向で5速クラッチギヤ13Aと3速入力ギヤ11Dの間には5速−リバース用の同期装置16が設置されている。
5速−リバース用の同期装置16は、ハブ16Aおよびスリーブ16Bを備えている。ハブ16Aは、入力軸11にスプライン嵌合されており、入力軸11と一体で回転する。スリーブ16Bは、ハブ15Aにスプライン嵌合されており、ハブ16Aと一体的に回転するとともに、ハブ16Aに対して入力軸11の軸線方向に移動自在となっている。
5速−リバース用の同期装置16において、スリーブ16Bが中立位置から入力軸11の軸線方向の後側に移動すると、スリーブ15Bがハブ16Aと5速クラッチギヤ13Aとを連結する。
これにより、入力軸11が出力軸13に直結されて前進5速段が成立し、エンジン4の動力が入力軸11から5速−リバース用の同期装置16、5速クラッチギヤ13Aを介して出力軸13に伝達される。一方で、5速−リバース用の同期装置16が中立位置から入力軸11の軸線方向の前側に移動すると、スリーブ16Bが3速入力ギヤ11Dに連結されず、動力が伝達されない。
カウンタ軸12の軸線方向で1速入力ギヤ11Aと2速入力ギヤ11Bの間には1速−2速用の同期装置17(図4参照)が設置されている。
1速−2速用の同期装置17は、同期装置15、16と同様の機能を有する図示しないハブおよびスリーブを備えている。
1速−2速用の同期装置17において、スリーブが中立位置からカウンタ軸12の軸線方向の前側に移動すると、スリーブがハブと1速カウンタギヤ12Aとを連結する。
これにより、前進1速段が成立し、エンジン4の動力が入力軸11から1速入力ギヤ11A、1速カウンタギヤ12A、1速−2速用の同期装置17、カウンタ軸12、カウンタドライブギヤ12E、カウンタドリブンギヤ13Bを介して出力軸13に伝達される。
1速−2速用の同期装置17において、スリーブが中立位置からカウンタ軸12の軸線方向の後側に移動すると、スリーブがハブと2速カウンタギヤ12Bとを連結する。
これにより、前進2速段が成立し、エンジン4の動力が入力軸11から2速入力ギヤ11B、2速カウンタギヤ12B、1速−2速用の同期装置17、カウンタ軸12、カウンタドライブギヤ12E、カウンタドリブンギヤ13Bを介して出力軸13に伝達される。
図4から図6に示すように、フロントケース6の上壁6Uには開口部6aが形成されている。図4、図6に示すように、フロントケース6の上部にはシフトケース41が取付けられており、シフトケース41は、開口部6aを覆っている。本実施例の開口部6aは、本発明のケース側開口部を構成し、フロントケース6の上壁6Uは、本発明の変速機ケースの上部を構成する。
図4に示すように、シフトケース41の内部には内部空間41Sが形成されており、内部空間41Sは、開口部6aを通してギヤ室33に連通している。
シフトケース41にはシフトアンドセレクト軸50が取付けられており、シフトアンドセレクト軸50は、車両1の幅方向(以下、単に車幅方向という)に延びている。
シフトケース41は、本体部42、筒状の左側支持部43および筒状の右側支持部44を有する。左側支持部43は、本体部42から左方に突出しており、軸受を介してシフトアンドセレクト軸50の左端部50a側を支持している。
右側支持部44は、本体部42から右方に突出しており、軸受を介してシフトアンドセレクト軸50の右端部50b側を支持している。具体的には、シフトアンドセレクト軸50は、軸線方向に移動自在、かつ、軸線50L周りに回転自在となるように軸受を介して左側支持部43と右側支持部44に支持されている。
本実施例の左端部50aは、本発明のシフトアンドセレクト軸の軸線方向の一端部を構成し、右端部50bは、シフトアンドセレクト軸の軸線方向の他端部を構成する。
図2、図4に示すように、シフトアンドセレクト軸50の右端部50bにはキャップ部材50Aが固定されており、キャップ部材50Aにはセレクトレバー50Bとシフトレバー50Cが取付けられている。
セレクトレバー50Bとシフトレバー50Cは、図示しないセレクトケーブルとシフトケーブルを介して図示しないシフトレバーに連結されている。シフトレバーは運転者によって操作されるレバーであって、運転者によってシフトレバーがセレクト操作されると、シフトアンドセレクト軸50がセレクトケーブルおよびセレクトレバー50Bによって軸線方向(セレクト方向)に移動される。
また、運転者によってシフトレバーがシフト操作されると、シフトアンドセレクト軸50がシフトケーブルおよびシフトレバー50Cによって軸線50周り(シフト方向)に回転される。
キャップ部材50Aと右側支持部44はダストブーツ52によって連結されている。ダストブーツ52は、右側支持部44に対してシフトアンドセレクト軸50が左方または右方に移動するのに伴ってシフトアンドセレクト軸50の軸線方向に伸縮し、右側支持部44の開口からシフトケース41の内部に塵等が侵入することを防止する。
図4、図7に示すように、シフトアンドセレクト軸50にはカム部材53が取付けられており、カム部材53は、シフトアンドセレクト軸50と一体でシフトアンドセレクト軸50の軸線方向に移動し、かつ、シフトアンドセレクト軸50の軸線50L周りに回転する。
図4に示すように、カム部材53にはフィンガー部53Aが設けられている。フィンガー部53Aは、カム部材53から下方に突出しており、複数のシフトヨーク18A、19A、20Aに選択的に嵌合する。
入力軸11の上方には1速−2速用のシフタ軸18、3速−4速用のシフタ軸19および5速−リバース用のシフタ軸20が設けられており、各シフタ軸18、19、20は、入力軸11と平行に前後方向に延びている。
1速−2速用のシフタ軸18には1速−2速用のシフトヨーク18Aと1速−2速用のシフトフォーク18Bが取付けられている。
3速−4速用のシフタ軸19には3速−4速用のシフトヨーク19Aと3速−4速用のシフトフォーク19B(図3参照)が取付けられている。
5速−リバース用のシフタ軸20には5速用のシフトヨーク20Aと、5速用のシフトフォーク20B(図3参照)と、リバース用の図示しない変速部材が取付けられている。
図5に示すように、シフトヨーク18A、19A、20Aは、前後方向に延びており、車幅方向に並んで設置されている。シフトヨーク18A、19A、20Aにはそれぞれ嵌合部18a、19a、20aが形成されており、カム部材53のフィンガー部53Aは、嵌合部18a、19a、20aに選択的に嵌合される。
1速−2速用のシフタ軸18のシフトフォーク18Bは、1速−2速用の同期装置17のスリーブに嵌合している。3速−4速用のシフタ軸19のシフトフォーク19Bは、3速−4速用の同期装置15のスリーブ15Bに嵌合している。
5速−リバース用のシフタ軸20の5速用のシフトフォーク19Bは、5速−リバース用の同期装置16のスリーブ16Bに嵌合している。
シフトアンドセレクト軸50がカム部材53と一体で軸線方向に移動すると、フィンガー部53Aがシフトヨーク18A、19A、20Aの嵌合部18a、19a、20aのいずれか1つに選択的に嵌合される。
そして、シフトアンドセレクト軸50がカム部材53と一体で軸線50L周りに回転すると、フィンガー部53Aが嵌合するシフトヨーク18A、19A、20Aのいずれか1つが軸線方向に移動する。
図4に示すように、シフトアンドセレクト軸50にはカム部材53を覆うようにインタロックプレート54が取付けられている。インタロックプレート54は、シフトアンドセレクト軸50と一体で軸線方向に移動し、かつ、シフトアンドセレクト軸50と相対回転する。
図4に示すように、シフトアンドセレクト軸50の軸線方向と直交する方向(後方または入力軸11の軸線方向)から手動変速機2を見た場合に、インタロックプレート54は、C字状に形成されている。
インタロックプレート54には横方向に延びるスリット54aが形成されている。フィンガー部53Aは、スリット54aを通してインタロックプレート54の外方(下方)に突出することにより、3つのシフトヨーク18A、19A、20Aのいずれか1つに嵌合する。
このとき、シフトヨークの残り2つは、インタロックプレート54に嵌合して、フィンガー部53Aに係合しない。すなわち、シフトヨークのフィンガー部53Aと嵌合しない残り2つは、スリット54aに対してシフトアンドセレクト軸50の軸線方向にずれた位置を維持する。
その後、シフトアンドセレクト軸50が軸線50L周りに回転すると、カム部材53のフィンガー部53Aに嵌合したシフトヨーク18A、19A、20Aのいずれか1つに連結されるシフトフォークが、同期装置15から同期装置17のいずれか1つを入力軸11の軸線方向に移動させる。
これにより、軸線方向に移動するシフトフォークに取付けられたスリーブ15B、16Bおよび1速−2速用の同期装置17のスリーブのいずれか1つが軸線方向に移動して4速入力ギヤ11Cまたは3速入力ギヤ11Dを入力軸11に連結するか、1速カウンタギヤ12Aまたは2速カウンタギヤ12Bをカウンタ軸12に連結するか、あるいは入力軸11を出力軸13に直結することにより、前進用の1速段から5速段のいずれかの変速段を成立させる。
このようにして動力伝達経路の切換え、すなわち、変速が行われる。なお、5速−リバース用のシフタ軸20の変速部材は、リバースギヤ14Aをリバース軸14に連結することにより、後進段を成立させるが、詳細な説明は省略する。
図6に示すように、インタロックプレート54には車幅方向に切り欠かれた切り欠き54bが形成されている。シフトケース41の本体部42にはガイドピン48が設けられており、ガイドピン48は、切り欠き54bに嵌合している。
これにより、インタロックプレート54は、ガイドピン48に沿ってシフトアンドセレクト軸50の軸線方向に案内され、シフトアンドセレクト軸50の軸線50L周りへの回転が規制される。
カム部材53には図示しないガイド溝が形成されており、ガイド溝は、シフトパターンに沿った形状に形成されている。ガイドピン48の先端は、ガイド溝に挿入されており、シフトアンドセレクト軸50がセレクト方向とシフト方向に移動するのに伴ってガイド溝がガイドピン48に沿って移動する。
そして、変速終了後に変速位置に応じたガイド溝の壁面にガイドピン48が当接することにより、シフトアンドセレクト軸50ががたついて正規の位置からずれることが防止される。
図3、図4に示すように、変速機ケース3には樹脂製で板厚の薄いブリーザプレート55が設けられており、ブリーザプレート55は、フロントケース6の開口部6aの内周部に設置されている(図6、図7参照)。
図3、図4に示すように、ブリーザプレート55には開口部55aが形成されている。図9、図13、図14に示すように、開口部55aは、ブリーザプレート55の中央部よりも後側に形成されており、矩形状に形成されている。本実施例の開口部55aは、本発明のプレート側開口部を構成する。
図4に示すように、ブリーザプレート55は、上下方向でフロントケース6とシフトケース41の境界に設置されており、開口部55aは、シフトケース41の内部空間41Sとギヤ室33とを連通している。
シフトケース41の内部空間41Sのうち、左側支持部43によって囲まれる内部空間がブリーザ室56を形成している。左側支持部43の上部にはブリーザ孔43aが形成されており、ブリーザ孔43aは、ブリーザ室56とシフトケース41の外部(すなわち、変速機ケース3の外部)とを連通している。
図4、図9に示すように、シフトヨーク18A、19A、20Aは、ブリーザプレート55の開口部55aを下方から覆うようにギヤ室33に設置されている。
図9に示すように、シフトヨーク18A、19A、20Aは、長手方向L1(入力軸11の軸線方向、前後方向)と短手方向L2(シフトアンドセレクト軸50の軸線方向、車幅方向)を有し、短手方向L2よりも長手方向L1が長くなるように前後方向に延びている。
図4に示すように、カム部材53とインタロックプレート54は、上下方向でブリーザプレート55の開口部55aを跨いで設置されている。
具体的には、カム部材53とインタロックプレート54の上側の部位は、シフトケース41の内部空間41Sに設置されており、フィンガー部53Aとインタロックプレート54の下側の部位は、ギヤ室33に設置されている。
開口部55aは、シフトアンドセレクト軸50が軸線方向に移動する場合や、軸線50L周りに回転する場合に、インタロックプレート54と接触しない必要最小限の大きさに形成されている。
ブリーザプレート55の下面には遮蔽壁55A(図11、図12参照)が設けられている。図4に示すように、遮蔽壁55Aは、入力軸11に対して右斜め上方に設けられている。
具体的には、遮蔽壁55Aは、ブリーザプレート55の右端部55r側(図12参照)の下面から1速−2速用のシフトヨーク18Aとシフトフォーク18Bに向かって延びており、前後方向でシフトヨーク18Aとシフトフォーク18Bと重なっている(図7参照)。
詳細には、遮蔽壁55Aは、ブリーザプレート55の右端部55r側の開口部55aの下面(図11、図12参照)から1速−2速用のシフトヨーク18Aとシフトフォーク18Bに向かって延びている。本実施例のブリーザプレート55の右端部55rは、本発明のブリーザプレートの車両の幅方向の端部を構成する。
図4において、手動変速機2を1速−2速用のシフタ軸18の軸線方向から見た場合に、遮蔽壁55Aの下端55uは、1速−2速用のシフタ軸18の上方に位置している。これに加えて、遮蔽壁55Aの下端55uは、1速−2速用のシフタ軸18と車幅方向で重なっている。換言すれば、遮蔽壁55Aの下端55uは、1速−2速用のシフタ軸18と上下方向で対向している。
遮蔽壁55Aは、ブリーザプレート55の右端部55r側の下面から下方に垂直に延びる第1の遮蔽壁部55m(図11、図12参照)と、第1の遮蔽壁部55mの下端から1速−2速用のシフトヨーク18Aとシフトフォーク18Bに向かって車幅方向の下方に延びる第2の遮蔽壁部55n(図11、図12参照)とを有する。
図4、図6、図7に示すように、フロントケース6には傾斜壁6A設けられている。図4に示すように、傾斜壁6Aは、開口部6aの下方のフロントケース6の右側壁6Rからブリーザプレート55の開口部55aに向かって突出しており、シフタ軸18、19、20の軸線方向に沿って図6、図7に示すように後下りに傾斜している。
図4に示すように、遮蔽壁55Aと傾斜壁6Aは、車幅方向で重なるように形成されている。換言すれば、遮蔽壁55Aと傾斜壁6Aは、上下方向に並んで設置され、遮蔽壁55Aは傾斜壁6Aよりも上方に配置されている。
図7に示すように、フロントケース6の傾斜壁6Aの傾斜方向の下端は、フロントケース6の隔壁30の上部に連結されている。フロントケース6の隔壁30には連通孔30aが形成されており、連通孔30aは、フロントケース6の内部とトランスファフロントケース7の内部とを連通している。
図4に示すように、傾斜壁6Aの下方のフロントケース6の右側壁6Rには湾曲壁部6rが形成されている。図15に示すように、湾曲壁部6rは、傾斜壁6Aの下部から連続して形成されており、3速入力ギヤ11Dと3速カウンタギヤ12Dの噛み合いの接線Sの方向(以下、接線方向ともいう)に位置している。
すなわち、湾曲壁部6rは、3速入力ギヤ11Dと3速カウンタギヤ12Dの噛み合いの接線S上に位置している。本実施例のフロントケース6の右側壁6Rは、本発明の傾斜壁の下方の変速機ケースの側壁を構成する。
本実施例の入力軸11は、本発明の回転軸および第1の回転軸を構成し、カウンタ軸12は、本発明の回転軸および第2の回転軸を構成する。出力軸13およびリバース軸14は、本発明の回転軸を構成する。入力ギヤ11A、11B、11C、11Dは、本発明の第1のギヤを構成し、カウンタギヤ12A、12B、12C、12Dは、本発明の第2のギヤを構成する。
ここで、図4に示すように、手動変速機2の後方視において、車両1が前進走行する場合に入力軸11は上部から下部に向かってシフトアンドセレクト軸50の左端部50a側に回転するように構成されている。すなわち、車両1の前進走行時において、入力軸11は反時計周りに回転する。
このため、入力ギヤ11A、11B、11C、11Dおよびカウンタギヤ12A、12B、12C、12Dを介して入力軸11に連結されるカウンタ軸12は、時計周りに回転する。
ブリーザプレート55の左端部には縦壁55Bが設けられており(図11、図12参照)縦壁55Bは、ブリーザプレート55の下面から下方に突出している。
縦壁55Bは、車幅方向で入力軸11の軸線C1とブリーザ孔43aの間に位置しており、前後方向で左側支持部43と重なっている(図8参照)。換言すれば、縦壁55Bと左側支持部43は、車幅方向に並んで設置されている。
図4、図5に示すように、左側支持部43側に位置するフロントケース6の左側壁6Lの上部には上下方向に延びる凹部6bが形成されており、凹部6bは、車幅方向で縦壁55Bに対向している。
図4に示すように、ブリーザプレート55の縦壁55Bと凹部6bの間に連通路57が形成されており、連通路57は、ブリーザ室56に連通している。本実施例のフロントケース6の左側壁6Lは、本発明の車両の幅方向で縦壁に対向する変速機ケースの側壁を構成する。
ブリーザ孔43aにはブリーザパイプ63の下端部が取付けられている。ブリーザパイプ63は、変速機ケース3の内部(すなわち、ギヤ室33)の圧力が低いときには、変速機ケース3の外部からブリーザ孔43a、ブリーザ室56および連通路57を通して変速機ケース3の内部に外気を取り入れる。
一方、ブリーザパイプ63は、ギヤ室33の圧力が高くなると、ブリーザ孔43a、ブリーザ室56および連通路57を介して変速機ケース3の外部とギヤ室33を連通し、ギヤ室33の圧力を連通路57、ブリーザ室56およびブリーザ孔43aを通して変速機ケース3の外部に逃がす。
ブリーザ孔43aは、車幅方向で連通路57よりもシフトアンドセレクト軸50の左端部50a側に形成されている。換言すれば、ブリーザ孔43aは、車幅方向で連通路57とシフトアンドセレクト軸50の左端部50aの間に設けられている。
シフトアンドセレクト軸50の左端部50a側には円形のメタルリング58が設けられており、図8に示すように、メタルリング58は、シフトアンドセレクト軸50の直径よりも大径に形成されている。
図4に示すように、左側支持部43は、左側支持部43の端部からシフトアンドセレクト軸50の右端部50b側に突出する突出壁部43Aを有する(図8参照)。
メタルリング58は、突出壁部43Aに接触しており、シフトケース41の内部空間41Sとブリーザ室56は、メタルリング58によって仕切ることができる。すなわち、シフトケース41の内部には左側支持部43とメタルリング58によって囲まれるブリーザ室56が形成されており、シフトケース41の内部空間41Sの一部がブリーザ室56を構成している。
なお、シフトアンドセレクト軸50が1速段と2速段に移動すると、メタルリング58は、突出壁部43Aから離れるが、この状態では、メタルリング58と突出壁部43Aの間の隙間は非常に小さい。
5速−リバース用のシフタ軸20とシフトヨーク20Aは、車両幅方向で入力軸11の軸線C1とブリーザプレート55の縦壁55Bの間に設置されている。なお、シフトヨーク20Aは、一部分が入力軸11の軸線C1と縦壁55Bの間に設置されているが、全部が入力軸11の軸線C1と縦壁55Bの間に設置されていてもよい。
また、各軸のレイアウトによっては、3速−4速用のシフタ軸19およびシフトヨーク19Aが入力軸11の軸線C1と縦壁55Bの間に設置されていてもよく、3速−4速用のシフタ軸19およびシフトヨーク19Aと、1速−2速用のシフタ軸18およびシフトヨーク18Aが入力軸11の軸線C1と縦壁55Bの間に設置されていてもよい。
5速−リバース用のシフタ軸20には変速スイッチ用カム59(図8、図9参照)が設けられている。シフトケース41の本体部42には変速スイッチ60が設けられている(図5、図9参照)。
変速スイッチ用カム59は、連通路57の下方に設置されており、ブリーザプレート55の縦壁55Bは、前後方向で変速スイッチ用カムと重なるようにブリーザプレート55から下方に延びている(図8参照)。
シフトアンドセレクト軸50が軸線50L周りに回転して5速−リバース用のシフタ軸20がリバース位置に移動した状態おいて、変速スイッチ用カム59が変速スイッチ60に接触する。
変速スイッチ60が変速スイッチ用カム59に接触すると、変速スイッチ60がオンとなり、シフトユニットに検出信号を出力する。シフトユニットは、この検出信号に基づいて車両1がリバース状態であるものと判断する。なお、車両1がリバース状態である間、変速スイッチ60は常にオンとなる。
図4、図6に示すように、シフトアンドセレクト軸50にはニュートラルスイッチ用カム61が設けられており、ニュートラルスイッチ用カム61は、シフトアンドセレクト軸50と一体で軸線方向および回転方向に移動する。
図2、図6に示すように、シフトケース41の本体部42にはニュートラルスイッチ62が設けられており、ニュートラルスイッチ62は、シフトアンドセレクト軸50を挟んでガイドピン48と反対側に設置されている。
ニュートラルスイッチ用カム61は、凹部61aを有し、シフトアンドセレクト軸50がニュートラル位置にある場合には、ニュートラルスイッチ62の先端が凹部61aに嵌合することにより、ニュートラルスイッチ62がオンとなる。
ニュートラルスイッチ62がオンの場合には、シフトユニットに検出信号を出力する。
シフトユニットは、この検出信号に基づいてエンジン4がニュートラル状態であるものと判断する。シフトユニットは、エンジン4がニュートラル状態であると判断した場合には、例えば、アイドリングストップ制御を実行する。
一方、シフトアンドセレクト軸50がニュートラル位置から回転すると、ニュートラルスイッチ用カム61の先端が凹部61aから外れてニュートラルスイッチ用カム61のカム面61Bに乗り上げる。これにより、ニュートラルスイッチ62がオフとなる。この場合には、所定の変速段が成立した状態となる。
図2、図7に示すように、シフトケース41にはディテント部材49が設けられており、ディテント部材49は、シフトアンドセレクト軸50を挟んでガイドピン48と反対側でかつ、車幅方向でニュートラルスイッチ62と並んで設置されている。
ディテント部材49は、シフトアンドセレクト軸50が軸線方向と軸線50L周りに回転するときに、カム部材53のカム面53Bに押し付け力を作用させる。これにより、シフトアンドセレクト軸50が軸線方向と軸線50L周りに移動するときの操作力を付与する。
このように本実施例のシフトケース41にはカム部材53およびインタロックプレート54に加えてディテント部材49、ニュートラルスイッチ用カム61およびニュートラルスイッチ62が設置されており、これらの部品の設置スペースを確保するために、ブリーザ室56の設置スペース(容積)が小さくなっている。
図11から図14に示すように、ブリーザプレート55には複数の突起55C、55D、55E、55F、55G、55Kが設けられている。
図11、図12に示すように、突起55Cは、ブリーザプレート55の後端で、かつ、車幅方向の中央部から上方に突出している。図6に示すように、突起55Cは、シフトケース41の後側の下部に当接している。
図11、図12に示すように突起55Dは、ブリーザプレート55の後端で、かつ、車幅方向の中央部から下方に突出している。図10に示すように、突起55Dは、フロントケース6の隔壁30の上端に当接している。
図11、図12、図14に示すように、突起55Eは、ブリーザプレート55の右端側で、かつ、遮蔽壁55Aの前側から下方に突出している。図6、図7に示すように、突起55Eは、傾斜壁6Aの上面に突き当てられている(図15参照)。
図13、図14に示すように、突起55Fは、ブリーザプレート55の前端部で、かつ、ブリーザプレート55の右端側から下方に突出している。突起55Fの下端には爪部55fが形成されており、爪部55fは、フロントケース6の上壁6Uの下面6uに引っ掛かっている(図6、図10参照)。本実施例のフロントケース6の上壁6Uの下面6uは、本発明の引っ掛かり部を構成する。
図11、図12に示すように、突起55Kは、ブリーザプレート55の左端部で、かつ、縦壁55Bの後側から下方に突出している。突起55Kの下端には爪部55kが形成されており、爪部55kは、図示していないがフロントケース6の上壁6Uの下面6uに引っ掛かっている。
図11から図14に示すように、突起55Gは、ブリーザプレート55の左端部から左方に突出している。図9に示すように、突起55Gは、フロントケース6の左側壁6Lの上端に当接している。
このようにブリーザプレート55は、突起55C、55D、55E、55Gがフロントケース6またはシフトケース41に当接するとともに、爪部55f、55kがフロントケース6の上壁6Uの下面6uに引っ掛かることにより、フロントケース6およびシフトケース41に位置決め固定されている。
図13、図14に示すように、ブリーザプレート55の後端で、かつ、車幅方向の両端には切り欠き55H、55Iが形成されており、シフトケース41の内部空間41Sとギヤ室33は、切り欠き55H、55Iを通して連通されている。
本実施例の手動変速機2は、入力軸11、カウンタ軸12および出力軸13が前方から後方に向かって下方に傾斜するように後下がりに傾斜している。ブリーザプレート55の上面にオイルが溜まると、オイルは、ブリーザプレート51に沿って後方に流れ、切り欠き55H、55Iを通してシフトケース41の内部空間41Sからギヤ室33に戻される。
次に、作用を説明する。
本実施例の手動変速機2は、上壁6Uに開口部6aが形成された変速機ケース3を有し、変速機ケース3は、エンジン4の動力が伝達される入力軸11、カウンタ軸12、出力軸13およびリバース軸14を収容するギヤ室33を有する。
また、手動変速機2は、フロントケース6の上壁6Uに形成された開口部6aを覆うようにフロントケース6に取付けられ、開口部6aを通して変速機ケース3の内部に連通する内部空間41Sを有するシフトケース41と、車幅方向に延びシフトケース41に取付けられたシフトアンドセレクト軸50とを有する。
また、手動変速機2は、開口部55aを有してフロントケース6の開口部6aの内周部に設けられ、開口部55aを通してシフトケース41の内部空間41Sとギヤ室33とを連通するブリーザプレート55を有し、シフトケース41の内部空間41Sが、変速機ケース3の外部と連通するブリーザ室56を含んで構成されている。
本実施例の手動変速機2によれば、車両1の後方から見た場合、反時計周りに回転する入力軸11の入力ギヤ11A、11B、11C、11Dと時計周りに回転するカウンタ軸12のカウンタギヤ12A、12B、12C、12Dによって掻き上げられたオイルが開口部6aを通してシフトケース41の内部空間41Sに侵入するおそれがある。
本実施例の手動変速機2は、開口部55aを下方から覆うようにギヤ室33に設置され、前後方向に延びる複数のシフトヨーク18A、19A、20Aと、シフトヨーク18A、19A、20Aにそれぞれ連結され、前後方向に延びるシフタ軸18、19、20と有する。
また、手動変速機2は、シフトアンドセレクト軸50に固定され、シフトヨーク18A、19A、20Aを押圧してシフタ軸18、19、20を軸線方向に移動させるフィンガー部53Aを有するカム部材53を有する。
これに加えて、手動変速機2は、カム部材53を挟み込むようにシフトアンドセレクト軸50に取付けられているとともに、フィンガー部53Aを突出させるスリット54aを有するインタロックプレート54を備えている。
インタロックプレート54は、上下方向で開口部55aを跨いで設置されており、ブリーザプレート55は、遮蔽壁55Aを有し、遮蔽壁55Aは、ブリーザプレート55の右端部55rの下面から1速−2速用のシフトヨーク18Aおよびシフタ軸18に向かって延び、前後方向で1速−2速用のシフトヨーク18Aおよびシフタ軸18と重なっている。
すなわち、ブリーザプレート55の開口部55aは、シフトヨーク18A、19A、20A、シフタ軸18、19、20、インタロックプレート54および遮蔽壁55Aによって覆われている。
これにより、入力ギヤ11A、11B、11C、11Dとカウンタギヤ12A、12B、12C、12D(以下、単にギヤ対という)によって掻き上げられたオイルを遮蔽壁55A、シフトヨーク18A、19A、20Aおよびシフタ軸18、19、20に衝突させて、オイルが開口部55aに侵入することを抑制できる(図15のオイルO1参照)。
また、インタロックプレート54によって開口部55aの流路を狭めることができるので、オイルが開口部55aに侵入することをより一層抑制できる。この結果、ブリーザ孔43aから変速機ケース3の外部にオイルが漏出することを防止できる。
また、本実施例の手動変速機2によれば、手動変速機2をシフタ軸18、19、20の軸線方向から見た場合に、遮蔽壁55Aの下端55uは、1速−2速用のシフタ軸18の上方に位置し、かつ、車幅方向で1速−2速用のシフトヨーク18Aおよびシフタ軸18と重なっている。
これにより、遮蔽壁55A、1速−2速用のシフトヨーク18Aおよびシフタ軸18を開口部55aの下方で近づけて設置でき、開口部55aに対するオイルの侵入経路を遮蔽壁55A、1速−2速用のシフトヨーク18Aおよびシフタ軸18によって一層狭めることができる。
このため、オイルが開口部55aに到達することをより一層困難にでき、オイルが開口部55aから内部空間41Sに侵入することをより効果的に抑制できる。この結果、ブリーザ孔43aから変速機ケース3の外部にオイルが漏出することをより効果的に防止できる。なお、遮蔽壁55Aの下端55uは、1速−2速用のシフトヨーク18Aの上方に位置してもよい。
また、本実施例の手動変速機2によれば、遮蔽壁55Aは、ブリーザプレート55の右端部55rの下面から下方に垂直に延びる第1の遮蔽壁部55mと、第1の遮蔽壁部55mの下端から1速−2速用のシフトヨーク18Aとシフトフォーク18Bに向かって車幅方向の下方に延びる第2の遮蔽壁部55nとを有する。
これにより、第1の遮蔽壁部55mと第2の遮蔽壁部55nによってインタロックプレート54の下方と開口部55aの下方を広い範囲で覆うことができる。このため、開口部55aに対するオイルの侵入経路を遮蔽壁55A、1速−2速用のシフトヨーク18Aおよびシフタ軸18によってより一層狭めることができる。
この結果、オイルが開口部55aに到達することをより一層困難にでき、オイルが開口部55aから内部空間41Sに侵入することをより効果的に抑制できる。
また、仮に、オイルが内部空間41Sに侵入した場合に、開口部55aから落下するオイルを、傾斜する第2の遮蔽壁部55nの上面に沿ってフロントケース6のギヤ室33に円滑に戻すことができる。
また、手動変速機2の変速時にシフトアンドセレクト軸50が軸線方向で右方に移動した場合、インタロックプレート54が第2の遮蔽壁部55nに干渉することを防止できる。このため、遮蔽壁55Aによってインタロックプレート54の下方と開口部55aの下方を広い範囲で覆いつつ、変速操作の妨げになることを防止できる。
また、本実施例の手動変速機2によれば、ブリーザプレート55は、ブリーザプレート55の上面から上方に突出する突起55Cと、ブリーザプレート55の下面から下方に突出する突起55D、55E、55F、55Kと、ブリーザプレート55の左端部から左方に突出する突起55Gとを有し、突起55C、55D、55E、55Gがフロントケース6またはシフトケース41に当接している。
これにより、突起55C、55D、55E、55Gによってブリーザプレート55をフロントケース6とシフトケース41に位置決め固定できる。このため、車両1の振動によってブリーザプレート55がフロントケース6とシフトケース41に対して変位することや変形することを防止できる。
したがって、シフトヨーク18A、19A、20Aおよびシフタ軸18、19、20に対して遮蔽壁55Aの位置がずれること等を防止でき、オイルが開口部55aに侵入することを抑制するという本来の効果を確実に得ることができる。
また、本実施例の手動変速機2によれば、突起55F、55Kの先端部に爪部55f、55kが設けられており、爪部55f、55kは、フロントケース6の上壁6Uの下面6uに引っ掛かっている。
これにより、車両1が振動した場合に、ブリーザプレート55がフロントケース6とシフトケース41に対して変位することをより効果的に防止できる。このため、シフトヨーク18A、19A、20Aおよびシフタ軸18、19、20に対して遮蔽壁55Aの位置がずれること等を防止でき、オイルが開口部55aに侵入することを抑制するという本来の効果をより確実に得ることができる。
また、本実施例の手動変速機2によれば、フロントケース6に傾斜壁6Aが設けられている。傾斜壁6Aは、開口部6aの下方のフロントケース6の右側壁6Rからブリーザプレート55の開口部55aに向かって突出しており、シフタ軸18、19、20の軸線方向に沿って後下りに傾斜している。これに加えて、突起55Eは、傾斜壁6Aの上面に突き当てられている。
これにより、遮蔽壁55Aに衝突して落下したオイルを傾斜壁6Aで捕捉して傾斜壁6Aに一時的に貯留できる(図15のオイルO2参照)。すなわち、傾斜壁6Aをキャッチタンクとして利用できる。
このため、変速機ケース3の底部に貯留されるオイルO(図15参照)の油面を低下させることができ、エンジン4の駆動時に最下方に位置するカウンタ軸12のカウンタギヤ12A、12B、12C、12Dが漬かるオイル量を低減できる。この結果、カウンタギヤ12A、12B、12C、12Dの攪拌抵抗を低減でき、エンジン4の燃費を向上できる。
また、変速機ケース3の底部に貯留されるオイルOの量を低減できるので、ギヤ対によって掻き上げられるオイル量を少なくでき、開口部55aに向かって飛散されるオイル量を予め低減できる。このため、オイルが開口部55aに侵入することをより効果的に抑制できる。
また、傾斜壁6Aに貯留されたオイルを傾斜壁6Aによってフロントケース6の隔壁30に形成された連通孔30aを通してトランスファフロントケース7の内部に案内できる(図7のオイルO3参照)。このため、トランスファフロントケース7に収容された出力軸13のカウンタドリブンギヤ13Bとカウンタ軸12のカウンタドライブギヤ12Eの噛み合い部を潤滑できる。
また、傾斜壁6Aに突起55Eが突き当てられているので、傾斜壁6Aを利用してブリーザプレート51の位置決めを行うことができる。
また、本実施例の手動変速機2によれば、遮蔽壁55Aと傾斜壁6Aは、車幅方向で重なるように形成されているので、ギヤ対によって掻き上げられ遮蔽壁55Aに衝突したオイルを傾斜壁6Aに円滑に案内して傾斜壁6Aに貯留させることができる。
このため、傾斜壁6Aによってより多くのオイルをトランスファフロントケース7に案内でき、カウンタドリブンギヤ13Bとカウンタ軸12のカウンタドライブギヤ12Eの噛み合い部をより効果的に潤滑できる。
具体的には、ギヤ対によって掻き上げられて遮蔽壁55Aに衝突してオイルO2を、第2の遮蔽壁部55nの下面に沿って右斜め上方に流すことにより、オイルO2を傾斜壁6Aに円滑に案内できる。
また、第2の遮蔽壁部55nの下面に沿って右斜め上方に流れるオイルO2を第2の遮蔽壁部55nの下端から上方に立ち上がる第1の遮蔽壁部55mによって剥離させることができる。
このため、より多くのオイルO3をトランスファフロントケース7に案内でき、カウンタドリブンギヤ13Bとカウンタ軸12のカウンタドライブギヤ12Eの噛み合い部をより効果的に潤滑できる。
また、本実施例の手動変速機2によれば、傾斜壁6Aの下方のフロントケース6の右側壁6Rに、傾斜壁6Aの下部から連続する湾曲壁部6rが形成されており、湾曲壁部6rは、3速入力ギヤ11Dと3速カウンタギヤ12Dの噛み合いの接線方向に位置している。
これにより、ギヤ対によって掻き上げられたオイルを湾曲壁部6rに衝突させて湾曲壁部6rで掻き落とすことができる(図15のオイルO7参照)。このため、オイルが開口部55aに到達することをより一層困難にでき、オイルが開口部55aから内部空間41Sに侵入することをより効果的に抑制できる。この結果、ブリーザ孔43aから変速機ケース3の外部にオイルが漏出することをより効果的に防止できる。
また、本実施例の手動変速機2によれば、図4に示すように、変速位置が3速−4速にある場合には、インタロックプレート54が開口部55aの車幅方向の中央に位置する。また、変速位置が1速−2速にある場合には、図15に示すように、インタロックプレート54が開口部55aの右側に位置する。
すなわち、変速位置が3速−4速にある場合には、インタロックプレート54と遮蔽壁55Aを車幅方向に近づけ、変速位置が1速−2速にある場合には、インタロックプレート54と遮蔽壁55Aを3速−4速にある場合に比べて車幅方向により一層近づけることができる。
このため、インタロックプレート54、遮蔽壁55A、1速−2速用のシフトヨーク18Aおよびシフタ軸18によって開口部55aに対するオイルの侵入経路をより一層狭めることができる。
また、変速位置が1速−2速にある場合には、インタロックプレート54と遮蔽壁55Aを上下方向に重ねることができ、インタロックプレート54と遮蔽壁55Aによってラビリンス形状にできる。このため、開口部55aに対するオイルの侵入経路をより一層狭めることができる。
また、本実施例の手動変速機2によれば、入力軸11は、ブリーザプレート55の下方に設置されており、カウンタ軸12は、シフトアンドセレクト軸50の左端部50aに対して車幅方向で入力軸11と反対側に位置し、入力軸11がその上部から下部に向かってシフトアンドセレクト軸50の左端部50a側(反時計周り)に向かって回転するように構成されている。
このため、本実施例の手動変速機2において、反時計周りに回転する入力軸11の入力ギヤ11A、11B、11C、11Dによって掻き上げられたオイルが連通路57を通してブリーザ室56に侵入するおそれがある。
本実施例の手動変速機2によれば、シフトケース41は、シフトアンドセレクト軸50の左端部50aを支持し、内部にブリーザ室56が形成される筒状の左側支持部43を有し、左側支持部43は、ブリーザ室56と変速機ケース3の外部とを連通するブリーザ孔43aを有する。
ブリーザプレート55は、ブリーザプレート55の下面から下方に突出する縦壁55Bを有し、縦壁55Bは、車幅方向で入力軸11の軸線C1とブリーザ孔43aの間に位置し、かつ、前後方向で左側支持部43に重なっている。
これに加えて、車幅方向で縦壁55Bに対向するフロントケース6の左側壁6Lに凹部6bが形成されており、凹部6bと縦壁55Bとの間にブリーザ室56に連通する連通路57が形成されている。
これにより、入力ギヤ11A、11B、11C、11Dによって掻き上げられたオイルを縦壁55Bに衝突させて、連通路57に到達し難くできる(図15のオイルO4参照)。このため、オイルがブリーザ室56に侵入することを困難にでき、ブリーザ孔43aから変速機ケース3の外部にオイルが漏出することを防止できる。
また、仮に、ブリーザ室56にオイルが侵入した場合には、ブリーザ室56から上下方向に延びる連通路57を通してギヤ室33にオイルを速やかに戻すことができる。このため、ブリーザ孔43aから変速機ケース3の外部にオイルが漏出することをより効果的に防止できる。この結果、ブリーザ孔43aから空気のみを排出でき、ブリーザ性能を向上できる。
また、本実施例の手動変速機2によれば、ブリーザ孔43aは、車幅方向で連通路57に対してシフトアンドセレクト軸50の左端部50a側に形成されている。
これにより、入力軸11に対し、ブリーザ孔43aを連通路57から遠くに設置できる。このため、入力ギヤ11A等によって掻き上げられたオイルが連通路57に到達することをより一層困難にできる。
この結果、オイルがブリーザ孔43aから漏出することをより効果的に防止でき、ブリーザ性能をより効果的に向上できる。
また、本実施例の手動変速機2によれば、シフトアンドセレクト軸50の左端部50a側に、シフトアンドセレクト軸50の直径よりも大径な円形のメタルリング58が設けられている。
左側支持部43は、左側支持部43の端部からシフトアンドセレクト軸50の右端部50bに突出する突出壁部43Aを有する。これに加えて、メタルリング58は、突出壁部43Aに接触しており、シフトケース41の内部空間41Sとブリーザ室56とを仕切っている。
これにより、万が一、ギヤ対によって掻き上げられたオイルが開口部55aを通してブリーザ室56に侵入しようとした場合に、オイルをメタルリング58によって遮り、ブリーザ室56に侵入し難くできる。
また、ブリーザ室56を連通路57の上方に設置することにより、連通路57の通路面積を小さくすれば、オイルがブリーザ室56に侵入することをより一層困難にでき、ブリーザ孔43aから変速機ケース3の外部にオイルが漏出することをより効果的に防止できる。
また、本実施例の手動変速機2によれば、5速−リバース用のシフタ軸20とシフトヨーク20Aの組が車幅方向で入力軸11の軸線C1と縦壁55Bの間に設置されている。
これにより、入力ギヤ11A、11B、11C、11Dによって掻き上げられたオイルが縦壁55Bに衝突する前に、5速−リバース用のシフタ軸20とシフトヨーク20Aに衝突させることができる(図15のオイルO5参照)。
このため、オイルがブリーザ室56に侵入することをより一層困難にでき、ブリーザ孔43aから変速機ケース3の外部にオイルが漏出することをより効果的に防止できる。
また、本実施例の手動変速機2によれば、5速−リバース用のシフタ軸20に、変速スイッチ60によって検出される変速スイッチ用カム59が設けられている。変速スイッチ用カム59は、連通路57の下方に設置されており、縦壁55Bは、前後方向で変速スイッチ用カム59と重なるようにブリーザプレート55から下方に延びている。
これにより、入力ギヤ11A等によって掻き上げられたオイルを連通路57の下方で変速スイッチ用カム59に衝突させることができ(図15のオイルO6参照)、オイルが連通路57に到達することをより一層困難にできる。
この結果、オイルがブリーザ孔43aから漏出することをより効果的に防止でき、ブリーザ性能をより効果的に向上できる。
なお、本実施例の変速スイッチ用カム59は、5速−リバース用のシフタ軸20に設けられているが、5速−リバース用のシフトヨーク20Aに設けられていてもよい。
また、本実施例のシフトケース41にはディテント部材49とニュートラルスイッチ62が設置されているので、変速機ケース3に対するシフトケース41の組付性を向上できる。
本発明の実施例を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正および等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
1...車両、2...手動変速機(車両用変速機)、3...変速機ケース、4...エンジン(内燃機関)、6A...傾斜壁、6a...開口部(ケース側開口部)、6b...凹部、6L...左側壁(車両の幅方向で縦壁に対向する変速機ケースの側壁)、6R...右側壁(傾斜壁の下方の変速機ケースの側壁)、6r...湾曲壁部、6U...上壁(変速機ケースの上部)、11...入力軸(回転軸、第1の回転軸)、11A,11B,11C,11D...入力ギヤ(第1のギヤ)、12A,12B,12C,12D...カウンタギヤ(第2のギヤ)、13...出力軸(回転軸)、14...リバース軸(回転軸)、18,19,20...シフタ軸、18A,19A,20A...シフトヨーク、33...ギヤ室、41...シフトケース、41S...内部空間、43a...ブリーザ孔、43...左側支持部(支持部)、43A...突出壁部、50...シフトアンドセレクト軸、50a...左端部(シフトアンドセレクト軸の軸線方向の一端部)、50L...軸線(シフトアンドセレクト軸の軸線)、51...ブリーザプレート、55...ブリーザプレート、55a...開口部(プレート側開口部)、55B...縦壁、56...ブリーザ室、57...連通路、58...メタルリング、59...変速スイッチ用カム、60...変速スイッチ、61、C1...軸心(第1の回転軸の軸心)

Claims (5)

  1. 上部にケース側開口部が形成され、内部に、内燃機関の動力が伝達される複数の回転軸を収容するギヤ室を有する変速機ケースと、
    前記ケース側開口部を覆うように前記変速機ケースに取付けられ、前記ケース側開口部を通して前記変速機ケースの内部に連通する内部空間を有するシフトケースと、
    車両の幅方向に延び、軸線方向に移動自在、かつ、軸線周りに回転自在に前記シフトケースに取付けられたシフトアンドセレクト軸と、
    プレート側開口部を有して前記ケース側開口部の内周部に設けられ、前記プレート側開口部を通して前記シフトケースの内部空間と前記ギヤ室とを連通するブリーザプレートとを備え、
    前記回転軸が、前記ブリーザプレートの下方に設置され、複数の第1のギヤを有する第1の回転軸と、前記第1のギヤにそれぞれ噛み合う複数の第2のギヤを有し、前記シフトアンドセレクト軸の軸線方向の一端部に対して車両の幅方向で前記第1の回転軸と反対側に位置する第2の回転軸とを含み、前記第1の回転軸がその上部から下部に向かって前記シフトアンドセレクト軸の軸線方向の一端部側に回転するように構成され、
    前記シフトケースの内部の内部空間が、前記変速機ケースの外部と連通するブリーザ室を含んで構成される車両用変速機であって、
    前記シフトケースは、前記シフトアンドセレクト軸の軸線方向の一端部を支持し、内部に前記ブリーザ室が形成される筒状の支持部を有し、
    前記支持部は、前記ブリーザ室と前記変速機ケースの外部とを連通するブリーザ孔を有し、
    前記ブリーザプレートは、前記ブリーザプレートの下面から下方に突出する縦壁を有し、
    前記縦壁は、車両の幅方向で前記第1の回転軸の軸心と前記ブリーザ孔の間に位置し、かつ、車両の前後方向で前記支持部に重なっており、
    車両の幅方向で前記縦壁に対向する前記変速機ケースの側壁に凹部が形成されており、
    前記凹部と前記縦壁との間に前記ブリーザ室に連通する連通路が形成されていることを特徴とする車両用変速機。
  2. 前記ブリーザ孔は、車両の幅方向で前記連通路よりも前記シフトアンドセレクト軸の軸線方向の一端部側に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用変速機。
  3. 前記シフトアンドセレクト軸の軸線方向の一端部側に、前記シフトアンドセレクト軸の直径よりも大径な円形のメタルリングが設けられており、
    前記支持部は、前記支持部の端部から前記シフトアンドセレクト軸の軸線方向の他端部側に突出する突出壁部を有し、
    前記メタルリングは、前記突出壁部に接触し、前記シフトケースの前記内部空間と前記ブリーザ室とを仕切り可能であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用変速機。
  4. 前記プレート側開口部に下方において前記ギヤ室に設置され、車両の前後方向に延びる複数のシフトヨークと、
    前記複数のシフトヨークにそれぞれ連結され、車両の前後方向に延びる複数のシフタ軸とを有し、
    前記複数のシフトヨークと前記複数のシフタ軸の組うちの少なくとも1組の前記シフトヨークと前記シフタ軸は、車両の幅方向で前記第1の回転軸の軸心と前記縦壁の間に設置されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車両用変速機。
  5. 前記1組の前記シフトヨークと前記シフタ軸のいずれか一方に、変速スイッチによって検出される変速スイッチ用カムが設けられており、
    前記変速スイッチ用カムは、前記連通路の下方に設置されており、
    前記縦壁は、車両の前後方向で前記変速スイッチ用カムと重なるように前記ブリーザプレートから下方に延びていることを特徴とする請求項4に記載の車両用変速機。
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