JP6079499B2 - 変速機のブリーザ構造 - Google Patents

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Description

本発明は、変速機ケースの内部空間と外部空間とを連通する変速機のブリーザ構造に関し、車両用変速機の技術分野に属する。
一般的に、車両用の変速機には、変速機ケースの内部空間と外部空間とを連通するブリーザ室が設けられており、変速機ケース内で上昇した圧力は、該変速機ケースの上壁部に設けられたブリーザ室を経由して変速機ケースの外側へ逃がされる。
ところが、車両走行中において、変速機ケース内に設けられたギヤ等の回転体が高速で回転すると、該回転体から放射状に飛散するオイルがブリーザ室に流入し、特に、オイルを飛散させる回転体の外周部近傍にブリーザ室の入口が配置されている場合は、該ブリーザ室へのオイルの流入量が多くなり、空気と共にブリーザ室を経由して変速機ケースの外側へ噴き出してしまうことがある。
この問題に対処するために、特許文献1には、パーキング機構を備えた変速機において、変速機ケース内に連通するブリーザ室の開口部と、変速機ケース内に配設されたギヤの外周部との間に、前記パーキング機構のパーキングロッドを配設する技術が開示されている。この特許文献1の技術によれば、変速機ケース内のギヤからブリーザ室の前記開口部に向かって飛散するオイルの一部をパーキングロッドに付着させることで、ブリーザ室へのオイルの侵入をある程度抑制することが可能である。
特許第4843698号公報
ところで、本願発明者は、車両走行中に変速機ケースの外側にオイルが噴き出す原因を鋭意検討した結果、変速機ケース内におけるギヤ等の回転体の高速回転に伴って、該回転体の外周部に、ブリーザ室に空気が流れ込むような動圧が生じ得ることを見出した。このような動圧が上昇すると、空気と共にオイルがブリーザ室に入り込みやすくなると共に、ブリーザ室に入り込んだオイルが変速機ケース内へ戻り難くなるため、ブリーザ室にオイルが徐々に蓄積されていき、最終的に、ブリーザ室から変速機ケースの外側へオイルが噴き出すことがある。
したがって、仮に特許文献1の技術を採用したところで、例えばブリーザ室の開口部が上記のような動圧が発生しやすい場所にある場合などには、この動圧によって空気と共にブリーザ室に向かって流れ込むオイルは、パーキングロッドに付着する一部のオイルを除いて、ブリーザ室に入り込んで蓄積され、最終的に変速機ケースの外側へ噴き出す可能性がある。
また、ブリーザ室の容積を拡大することで、ブリーザ室に流れ込む動圧の上昇を抑制することは可能であるが、この場合、変速機ケースの大型化を招いてしまう。
そこで、本発明は、変速機ケースの大型化を回避しつつ、変速機ケースの外側へオイルが噴き出すことを効果的に抑制することができる変速機のブリーザ構造を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、次のように構成したことを特徴とする。
まず、本願の請求項1に記載の発明は、
所定の回転軸に設けられた複数の回転体で構成される変速機構と、パーキング機構とを収容する変速機ケースと、
該変速機ケースの内部空間に連通する入口部と外部空間に連通する出口部とを有するブリーザ機構と、を備えた変速機のブリーザ構造であって、
前記ブリーザ機構は、軸方向に延びるように且つ軸方向一端側において前記入口部に連通するように前記変速機ケースの上壁部に形成されたブリーザ室を備え、
前記複数の回転体のうち軸方向位置が前記ブリーザ室と重なり且つオイルが供給される所定回転体から軸方向他端側にオフセットした位置において、前記変速機ケースの上壁部の内面に下向きに開放するスリット状の溝部が形成され、
該溝部に、前記パーキング機構を構成するパーキング部材の少なくとも一部が収容され、
該パーキング部材の上方に、前記ブリーザ室と前記溝部とを連通する連通部が設けられていることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の変速機のブリーザ構造において、
前記パーキング機構は、前記パーキング部材が係合することにより前記変速機の出力軸を固定するパーキングギヤと、該パーキングギヤと前記パーキング部材との係合が解除された状態において前記パーキング部材の係合解除方向の移動を規制する当接部と、を備え、
該当接部は、前記溝部内において前記所定回転体側と前記連通部側との間を隔てるように配設されていることを特徴とする。
さらに、請求項3に記載の発明は、前記請求項1又は請求項2に記載の変速機のブリーザ構造において、
前記変速機ケースの軸方向の前記一端側に、所定の駆動力要素を収容するハウジングが結合され、
前記変速機ケースにおける前記ハウジングとの合わせ面に、前記ブリーザ室の開口部が設けられ、
前記ハウジングにおける前記変速機ケースとの合わせ面に、前記入口部を形成し且つ前記開口部と前記出口部とに連通する凹部が設けられていることを特徴とする。
以上の構成により、本願各請求項の発明によれば、次の効果が得られる。
まず、本願の請求項1に記載の発明によれば、変速機ケースの上壁部に形成されたブリーザ室が、軸方向の一端側および他端側の2つの連通経路を介して変速機ケースの内部空間に連通している。そのため、車両走行中における変速機構の所定回転体の回転によって、該回転体の外周部からブリーザ室の一方の連通経路へ空気が流れ込むような動圧が生じても、この動圧をブリーザ室の他方の連通経路から逃がすことができる。したがって、ブリーザ室の容積を拡大しなくても、ブリーザ室へ空気を流入させる動圧の上昇を効果的に抑制することができる。これにより、変速機ケースの内部空間からブリーザ室へのオイルの流入を抑制できるとともに、ブリーザ室に入り込んだオイルが変速機ケースの内部空間に戻りやすくなるため、ブリーザ室におけるオイルの蓄積、ひいては、ブリーザ室を経由して変速機ケースの外側へオイルが噴き出すことを抑制できる。
さらに、ブリーザ室の軸方向他端側は、変速機ケースの上壁部に形成されたスリット状の溝部に連通しており、この連通部の下側には、溝部に収容されたパーキング部材が配置されている。また、溝部は、前記所定回転体から軸方向他端側にオフセットした位置に設けられている。そのため、前記所定回転体から飛散するオイルが溝部を通ってブリーザ室に入り込むことを効果的に抑制することができる。
また、請求項2に記載の発明によれば、パーキングギヤとパーキング部材との係合が解除された状態においてパーキング部材は当接部に当接しており、溝部内におけるパーキング部材上方の空間部では、所定回転体側と連通部側との間が前記当接部によって隔てられる。そのため、車両走行中において、仮に、所定回転体から溝部までオイルが飛散しても、このオイルは前記当接部によって遮られる。したがって、溝部を経由したブリーザ室へのオイルの流入を確実に抑制できる。
さらに、請求項3に記載の発明によれば、変速機ケースにおけるハウジングとの合わせ面にブリーザ室の開口部が設けられ、前記ハウジングにおける変速機ケースとの合わせ面に設けられた凹部を介して、ブリーザ室と変速機ケースの内部空間とが連通しているため、ブリーザ室の開口部を変速機ケースの内部空間に直接連通させる場合に比べて、ブリーザ室へのオイルの流入を効果的に抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る変速機を備えた変速機ユニットを車両後方側から見た概略図である。 変速機をトルクコンバータ側から見た側面図である。 図2のA−A線断面図である。 変速機のマニュアル操作機構をトルクコンバータ側から見た側面図である。 図4に示す構造の平面図である。 変速機ケースにおけるトルクコンバータのハウジングとの合わせ面の一部を示す図である。 変速機ケースの上壁部における第1ブリーザ室の内部及びその周辺部の構造を車両後方側から見た斜視図である。 パーキングポールを収容する溝部の内部及びその周辺部の構造を軸方向から見た断面図である。 パーキングポールとパーキングギヤとの係合が解除された状態を示す図8と同様の断面図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
[変速機ユニット]
図1は、本実施形態に係る変速機を備えた変速機ユニット1を車両後方側から見た概略図である。図1に示す変速機ユニット1は、エンジン横置き式のフロントエンジン・フロントドライブ車に搭載されるものである。
変速機ユニット1は、エンジン出力軸(図示せず)に連結されたトルクコンバータ3と、トルクコンバータ3の出力回転がタービンシャフト(図示せず)を介して入力される自動変速機20と、該変速機20から入力した動力を減速させて車軸10,11に伝達する差動装置6とがユニット化されたものである。変速機ユニット1のハウジング2は、トルクコンバータ3のハウジング4と、該ハウジング4の車幅方向反エンジン側の開口面に結合された変速機20の変速機ケース22と、該変速機ケース22の下側の開口面に結合されたオイルパン8とで構成されている。
[変速機の全体構成]
図2は、変速機20をトルクコンバータ3(図1参照)側から見た側面図である。図2に示すように、変速機ケース22には、運転者によるシフトレバー(図示せず)の操作に連動するマニュアル操作機構50と、該マニュアル操作機構50の動作に従って変速を行う変速機構30とが収容されている。
また、変速機ケース22には、トルクコンバータ3のタービンシャフトの軸心上に配置された入力軸32と、該入力軸32よりも車両後方側に配置された出力軸34とが収容されている。入力軸32及び出力軸34は、車幅方向に平行に配設されている。車両の前進走行中において、入力軸32は図2における反時計回り方向に回転し、出力軸34は図2における時計回り方向に回転する。
以下、説明の便宜上、入力軸32及び出力軸34の軸方向に関して、トルクコンバータ3側(図の右側)をフロント側、反トルクコンバータ3側(図の左側)をリヤ側として説明する。
[変速機構]
変速機構30は、入力軸32に設けられた複数の回転体で構成されている。具体的に、入力軸32には、クラッチ36、出力ギヤ40、及び複数の遊星歯車機構(図示せず)が設けられている。図2において破線で図示された出力ギヤ40は、クラッチ36のリヤ側に隣接して配設されている。
図3は、図2のA−A線断面図である。図3に示すように、クラッチ36は、出力軸34の車両前方側に配設されている。クラッチ36の外周部はクラッチドラム38(特許請求の範囲に記載された「所定回転体」に相当する。)で構成されている。クラッチドラム38の外周面には、オイルを径方向外側へ排出するための複数のオイル排出口38aが設けられている。車両走行中において、クラッチ36の摩擦板(図示せず)には、入力軸32に設けられた油路(図示せず)を通して潤滑および冷却のための多量のオイルが供給され、このオイルは、入力軸32と共に高速回転するクラッチドラム38から径方向外側へ放射状に飛散する。
出力軸34には、リヤ側から順にパーキングギヤ72、第1ギヤ42、第2ギヤ44が設けられている。
図2に示すように、第1ギヤ42は、入力軸32の出力ギヤ40に係合しており、第1ギヤ42は出力ギヤ40よりも大径である。これにより、入力軸32の出力は、減速されて出力軸34へ伝達される。図3に示すように、第1ギヤ42は、軸方向においてクラッチドラム38からリヤ側にオフセットして配設されている。なお、第1ギヤ42は、図3では実線で図示されているが、図2では外形の概略形状のみが一点鎖線および破線で図示されている。
図2及び図3に示すように、第2ギヤ44は、差動装置6のデフリングギヤ48に係合しており、デフリングギヤ48は第2ギヤ44よりも大径である。これにより、出力軸34の出力は、減速されて差動装置6に伝達される。第2ギヤ44は、軸方向位置がクラッチドラム38に重なるように配設されている。なお、デフリングギヤ48は、図2では実線で図示されているが、図3では外径の一部のみが二点鎖線で図示されている。
パーキングギヤ72は第1ギヤ42のリヤ側に固定されており、パーキングギヤ72は第1ギヤ42よりも小径である。そのため、車両走行中にクラッチドラム38から飛散するオイルは、第1ギヤ42によって遮られることでパーキングギヤ72に付着し難くなっている。
[マニュアル操作機構]
図4及び図5を参照しながら、マニュアル操作機構50について説明する。図4及び図5は、シフトレバーがパーキングレンジに位置する状態におけるマニュアル操作機構50を示している。
マニュアル操作機構50は、上下方向に延びるマニュアルシャフト51を有する。マニュアルシャフト51は、変速機ケース2に回転可能に支持されており、マニュアルシャフト51の上端部は変速機ケース2の外側へ突出して配設されている(図2参照)。マニュアルシャフト51の上端には連結プレート52が固定されており、連結プレート52の上面に、ケーブル(図示せず)を介してシフトレバーに連結された入力部53が固定されている。
シフトレバーが操作されると、マニュアルシャフト51が回動することによって、マニュアルシャフト51の下端部に設けられた操作部(図示せず)が油圧コントロールユニットのマニュアルバルブ(図示せず)を操作する。これによって、シフトレバーによって選択されたレンジに応じた油圧制御が実行される。
また、マニュアル操作機構50は、シフトレバー及びマニュアルシャフト51を各レンジ位置に位置決めするための位置決め機構60を備えている。
位置決め機構60は、マニュアルシャフト51に固定されたディテントプレート61と、各レンジ位置に対応するようにディテントプレート61の外周面に設けられた位置決め用の凹部61a,61b,61c,61dと、各凹部61a,61b,61c,61dに係合可能なローラ66と、ローラ66を回転可能に支持するディテントスプリング62aと、を備えている。
ディテントスプリング62aは、ボルト63,64によって変速機ケース2に固定されたブラケット62に一体に設けられており、ディテントスプリング62aの先端に、ローラ66が回転可能に取り付けられている。なお、図4及び図5では、発明の理解を容易にするために、ブラケット62におけるディテントスプリング62a以外の部分については外形のみが二点鎖線で図示されている。
このように構成された位置決め機構60により、シフトレバーにより選択されたレンジに対応するディテントプレート61の凹部61a,61b,61c,61dに、ローラ66が係合されると、当該レンジ位置にシフトレバー及びマニュアルシャフト51が位置決めされる。
さらに、マニュアル操作機構50は、運転者によりシフトレバーがパーキングレンジに操作されたときに車軸10,11の回転をロックするためのパーキング機構70を備えている。
パーキング機構70は、出力軸34に設けられた前記パーキングギヤ72と、パーキングギヤ72に係合可能な爪部74aを有するパーキングポール74と、パーキングポール74の先端部74bに係合可能なカム部材84と、カム部材84を支持するパーキングロッド80と、パーキングギヤ72とパーキングポール74との係合が解除された状態においてパーキングポール74の係合解除方向の移動を規制するストッパ79と、を備えている。
パーキングポール74の基端部は、車幅方向に延びるように変速機ケース22(図2参照)に取り付けられた支軸76に回転可能に支持されている。パーキングポール74は、基端部から車両前方側へ延びるように設けられている。パーキングポール74の長さ方向中間部には、前記爪部74aが下方に突出して設けられ、パーキングポール74の先端部74bに前記カム部材84が係合可能となっている。
パーキングポール74は、支軸76に取り付けられたリターンスプリング78(図2参照)により、支軸76周りに図4における反時計回り方向、すなわち、爪部74aとパーキングギヤ72との係合を解除する方向に付勢されている。なお、リターンスプリング78は、変速機ケース22に対する支軸76の抜け止め機能を兼ね備えている。
パーキングロッド80の一端部は前記ディテントプレート61に取り付けられており、パーキングロッド80の他端部にはストッパ82が固定されている。パーキングロッド80は、その長さ方向中間部から前記他端部にかけて車両前後方向に沿って車両後方側へ延びるように配設されている。
カム部材84は、パーキングロッド80にスライド可能に取り付けられ、且つ、パーキングロッド80の外周に嵌め付けられたスプリング86によってストッパ82に向かって付勢されている。
シフトレバーの操作により、ディテントプレート61がマニュアルシャフト51の軸周りに回動すると、これに伴うパーキングロッド80の動きに連動して、カム部材84がブラケット62に案内されながら車両前後方向にスライド移動する。
図4及び図5に示すようにシフトレバーがパーキングレンジに位置するとき、カム部材84は、パーキングポール74の先端部74bの上方に配置される。また、このとき、図4に示すように、カム部材84は、変速機ケース22に固定されたストッパ89によって上方への移動が規制される。これにより、パーキングポール74の先端部74bは、カム部材84によってリターンスプリング78の付勢力に逆らって押し下げられるため、パーキングポール74の爪部74aがパーキングギヤ72に係合する。このようなパーキングギヤ72とパーキングポール74との係合により、パーキングポール74及び出力軸34の回転はロックされ、差動装置6を介して出力軸34に駆動連結された車軸10,11の回転もロックされる。
シフトレバーがパーキングレンジからその他のレンジ(前進走行レンジ、後退走行レンジ又は中立レンジ)に切換操作されると、マニュアルシャフト51は図4及び図5における矢印a方向に回動し、これに連動して、カム部材84は、矢印b方向にスライド移動する。これにより、カム部材84とパーキングポール74の先端部74bとの係合が解除されて、パーキングポール74は、リターンスプリング78の付勢力により係合解除方向(図4における反時計回り方向)に回動して、パーキングギヤ72との係合が解除される。パーキングギヤ72とパーキングポール74との係合が解除されると、パーキングポール74の上面がストッパ79に当接し、パーキングポール74の更なる係合解除方向への回動が規制されるようになっている。
[ブリーザ機構]
変速機20は、変速機ケース22の内部空間24と外部空間とを連通するブリーザ機構100を備えている。これにより、変速機ケース22の内圧が上昇したときに、この内圧がブリーザ機構100を通して変速機ケース22の外側へ逃がされるようになっている。以下、ブリーザ機構100の構成について説明する。
図3、図6及び図7に示すように、ブリーザ機構100は、変速機ケース22の内部空間24に連通する入口部100aと、外部空間に連通する出口部100bと、変速機ケース22の上壁部23に形成された第1ブリーザ室90と、第1ブリーザ室90の前上方において変速機ケース22の上壁部23に形成された第2ブリーザ室94と、を備えている。
ブリーザ機構100の第1ブリーザ室90、第2ブリーザ室94及び出口部100bは変速機ケース22の上壁部23に形成されている。第1ブリーザ室90及び第2ブリーザ室94は、それぞれ、変速機ケース22におけるトルクコンバータ3のハウジング4との合わせ面22aから軸方向リヤ側に延びるように形成されている。すなわち、変速機ケース22の合わせ面22aに第1ブリーザ室90の開口部91と第2ブリーザ室94の開口部95とが形成されている。図6に示すように、出口部100bは、変速機ケース22の外側に突設されたブリーザパイプ96と第2ブリーザ室94とを連通するように変速機ケース22の上壁部23に形成されている。
一方、図3及び図6に示すように、ブリーザ機構100の入口部100aは、トルクコンバータ3のハウジング4の上壁部に形成されている。該ハウジング4における変速機ケース22との合わせ面4aには凹部4bが設けられている。該凹部4bは、変速機ケース22の合わせ面22aから下方へはみ出すように延設されており、この下方への延長部分によりブリーザ機構100の入口部100aが構成されている。
また、凹部4bは、第1ブリーザ室90の開口部91及び第2ブリーザ室94の開口部95に重なり合う位置に設けられている。これにより、該凹部4bを介して第1ブリーザ室90と第2ブリーザ室94とが互いに連通している。さらに、凹部4bは、第1ブリーザ室90の開口部91に重ね合わされる部分の下方に入口部100aが連なるように形成されている。これにより、凹部4bを介して第1ブリーザ室90と変速機ケース22の内部空間24とが連通している。
以上のようにブリーザ機構100が構成されていることにより、変速機ケース22の内部空間24から入口部100aを通ってハウジング4の凹部4bに導入された空気は、その一部が第1ブリーザ室90を経由した後、第2ブリーザ室94及び出口部100bを通って、ブリーザパイプ96から変速機ケース22の外側へ排出される。このように形成されたブリーザ機構100の空気排出経路に空気と共にオイルが流入しても、このオイルは、第1ブリーザ室90及び第2ブリーザ室94に一旦留まった後、変速機ケース22の内部空間24に戻ることができる。これにより、変速機ケース22の外側へのオイルの噴出が抑制される。
また、第1ブリーザ室90の開口部91は、ハウジング4の凹部4bを介して変速機ケース22の内部空間24に連通しているため、開口部91を変速機ケース22の内部空間24に直接連通させる場合に比べて、第1ブリーザ室90へのオイルの流入を効果的に抑制することができる。
図3及び図7に示すように、第1ブリーザ室90の内周面は円筒状に形成されている。第1ブリーザ室90の内周面には、軸方向リヤ側に向かって徐々に小径となるような抜き勾配が設けられている。したがって、第1ブリーザ室90の下面は、軸方向において開口部91に向かって徐々に低くなる傾斜面90aとなっている。これにより、第1ブリーザ室90に溜まったオイルは、停車時において自重により傾斜面90aを伝って大径の開口部91から排出されやすくなっており、第1ブリーザ室90から変速機ケース22の内部空間24へオイルが戻りやすくなっている。
ところで、図2に示すように、第1ブリーザ室90は、クラッチドラム38の後上方に配設されており、車両の前進走行中に図中反時計回り方向に回転するクラッチドラム38の外周部には、該クラッチドラム38の外周部から第1ブリーザ室90の開口部91へ向かう気流を形成するような動圧が生じ得る。また、上述したように、車両走行中にはクラッチドラム38の外周部から放射状に多量のオイルが飛散する。そのため、クラッチドラム38から飛散するオイルが、上記動圧によって空気と共に開口部91から第1ブリーザ室90に流入する可能性がある。このような動圧によるオイルの流入を抑制するために、本実施形態では、第1ブリーザ室90が次のように構成されている。
図3及び図7に示すように、第1ブリーザ室90のリヤ側端部には、変速機ケース22の上壁部23の内面に形成された溝部26に連通する連通部92が設けられている。溝部26の構成については後に説明する。
連通部92は、開口部91とは異なる経路を介して変速機ケース22の内部空間24に連通しているため、車両走行中にクラッチドラム38の外周部から開口部91を通って第1ブリーザ室90に流入する気流を形成するような上記動圧が生じても、この動圧を連通部92及び溝部26から内部空間24へ逃がすことができる。また、仮に連通部92から第1ブリーザ室90に流入する気流を形成するような動圧が生じても、この動圧を開口部91から内部空間24へ逃がすことができる。したがって、第1ブリーザ室90の容積を拡大しなくても、第1ブリーザ室90へ空気及びオイルを流入させる動圧の上昇を効果的に抑制することができる。
また、車両走行中に、第1ブリーザ室90において開口部91から連通部92に向かう流れの動圧が生じる場合、この動圧によって、第1ブリーザ室90内のオイルが連通部92から容易に排出されて、溝部26を通って内部空間24へ戻される。一方、停車中には、上述の抜き勾配のためにオイルが自重により開口部91から容易に排出されて、ハウジング4の凹部4bを通って内部空間24に戻される。
したがって、本実施形態によれば、変速機ケース22の内部空間24から第1ブリーザ室90へのオイルの流入を抑制できるとともに、第1ブリーザ室90に入り込んだオイルが内部空間24に排出されやすいため、第1ブリーザ室90におけるオイルの蓄積、ひいては、第1ブリーザ室90を経由して変速機ケース22の外側へオイルが噴き出すことを効果的に抑制できる。
以下、溝部26及びこれに関連する構成について説明する。溝部26は、クラッチドラム38から軸方向リヤ側にオフセットした位置において、車両前後方向に延びるように、下向きに開放するスリット状に形成されている。溝部26にはパーキングポール74の一部が収容されており、溝部26の軸方向両側の側面はパーキングポール74に沿って配置されている。
図8に示すように、パーキングポール74は、長さ方向における基端部から中間部にかけて溝部26に収容されている。該溝部26において、支軸76よりも車両前方側、且つ、パーキングポール74の上方の位置に連通部92が設けられている。このように、連通部92は、パーキングポール74によって下側から塞がれるように配設されているため、クラッチドラム38やパーキングギヤ72から飛散するオイルが連通部92を通って第1ブリーザ室90に入り込むことが抑制される。しかも、溝部26は、特にオイル飛散量が多いクラッチドラム38から軸方向にオフセットして配設されているため、溝部26及び連通部92を経由した第1ブリーザ室90へのオイルの流入を効果的に抑制できる。
また、溝部26内において、連通部92よりも車両前方側には、前記ストッパ79が溝部26の上面から下側に突設されている。図9に示すように、パーキングポール74とパーキングギヤ72との係合が解除された状態において、上述したようにパーキングポール74の上面はストッパ79に当接する。これにより、溝部26内におけるパーキングポール74の上方の空間部は、連通部92よりも車両前方側においてストッパ79によって塞がれる。ストッパ79の車両前方側にはクラッチドラム38が配置されているが、車両走行中において、溝部26内におけるパーキングポール74の上方の空間部は、ストッパ79によってクラッチドラム38側と連通部92側との間が隔てられているため、仮に、クラッチドラム38の外周部から溝部26までオイルが飛散しても、このオイルはストッパ79によって遮られる。したがって、溝部26及び連通部92を経由した第1ブリーザ室90へのオイルの流入を確実に抑制できる。
以上、上述の実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
例えば、上述の実施形態では、ブリーザ機構100の入口部100aに連通するブリーザ室90の開口部91が所定回転体38から軸方向一端側にオフセットして配置される場合について説明したが、本発明は、開口部91の軸方向位置が所定回転体38と重なることを必ずしも妨げないものとする。
また、本発明において、変速機が搭載される車両の種類は特に限定されるものでなく、例えば、エンジン縦置き式のフロントエンジン・リヤドライブ車に搭載される変速機、又は、ハイブリッド車若しくは電気自動車に搭載される変速機に本発明を適用することも可能である。
さらに、上述の実施形態では、変速機ケース22の軸方向一端側にトルクコンバータ3のハウジング4が結合される場合について説明したが、本発明において、変速機ケースに結合されるハウジングの種類は、所定の駆動力要素を収容するものであれば特に限定されるものでなく、例えば、ハイブリッド車若しくは電気自動車の走行駆動源としてのモータを収容するハウジングであってもよい。
以上のように、本発明によれば、パーキング部材を収容するスリット状の溝部にブリーザ室を連通させることで、ブリーザ室へのオイルの流入を抑制しつつ、ブリーザ室にかかる動圧を抑制することが可能になるため、パーキング機構を備えた自動変速機、或いはこれを搭載する車両の製造技術分野において、好適に利用される可能性がある。
1 変速機ユニット
2 変速機ユニットのハウジング
3 トルクコンバータ
4 トルクコンバータのハウジング
4a ハウジングの合わせ面
4b 合わせ面の凹部
6 差動装置
8 オイルパン
10,11 車軸
20 変速機
22 変速機ケース
22a 変速機ケースの合わせ面
24 変速機ケースの内部空間
26 溝部
30 変速機構
32 入力軸(回転軸)
34 出力軸
36 クラッチ
38 クラッチドラム(所定回転体)
40 出力ギヤ
42 第1ギヤ
44 第2ギヤ
48 デフリングギヤ
50 マニュアル操作機構
51 マニュアルシャフト
60 位置決め機構
70 パーキング機構
72 パーキングギヤ
74 パーキングポール
79 ストッパ(当接部)
80 パーキングロッド
84 カム部材
90 第1ブリーザ室
91 第1ブリーザ室の開口部
92 第1ブリーザ室の連通部
94 第2ブリーザ室
95 第2ブリーザ室の開口部
100 ブリーザ機構
100a ブリーザ機構の入口部
100b ブリーザ機構の出口部

Claims (3)

  1. 所定の回転軸に設けられた複数の回転体で構成される変速機構と、パーキング機構とを収容する変速機ケースと、
    該変速機ケースの内部空間に連通する入口部と外部空間に連通する出口部とを有するブリーザ機構と、を備えた変速機のブリーザ構造であって、
    前記ブリーザ機構は、軸方向に延びるように且つ軸方向一端側において前記入口部に連通するように前記変速機ケースの上壁部に形成されたブリーザ室を備え、
    前記複数の回転体のうち軸方向位置が前記ブリーザ室と重なり且つオイルが供給される所定回転体から軸方向他端側にオフセットした位置において、前記変速機ケースの上壁部の内面に下向きに開放するスリット状の溝部が形成され、
    該溝部に、前記パーキング機構を構成するパーキング部材の少なくとも一部が収容され、
    該パーキング部材の上方に、前記ブリーザ室と前記溝部とを連通する連通部が設けられていることを特徴とする変速機のブリーザ構造。
  2. 前記パーキング機構は、前記パーキング部材が係合することにより前記変速機の出力軸を固定するパーキングギヤと、該パーキングギヤと前記パーキング部材との係合が解除された状態において前記パーキング部材の係合解除方向の移動を規制する当接部と、を備え、
    該当接部は、前記溝部内において前記所定回転体側と前記連通部側との間を隔てるように配設されていることを特徴とする請求項1に記載の変速機のブリーザ構造。
  3. 前記変速機ケースの軸方向の前記一端側に、所定の駆動力要素を収容するハウジングが結合され、
    前記変速機ケースにおける前記ハウジングとの合わせ面に、前記ブリーザ室の開口部が設けられ、
    前記ハウジングにおける前記変速機ケースとの合わせ面に、前記入口部を形成し且つ前記開口部と前記出口部とに連通する凹部が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の変速機のブリーザ構造。
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