JP2021105272A - プレキャスト床版の施工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、プレキャスト床版からレベル調整ボルトを容易に取り外すことができるプレキャスト床版の施工方法を得ることを目的とする。【解決手段】プレキャスト床版の施工方法は、プレキャスト小梁40及びプレキャスト大梁30に接合されるとともに、プレキャスト小梁40及びプレキャスト大梁30に対する高さを調整するレベル調整ボルト64が着脱可能なプレキャスト床版50の施工方法であって、プレキャスト床版50に取り付けられたレベル調整ボルト64を、プレキャスト小梁40及びプレキャスト大梁30とプレキャスト床版50とを接合する現場打ち部52,54から外れた位置に設けられた仮受け部20,22で支持した状態で、現場打ち部52,54にコンクリートWを打設する。【選択図】図4

Description

本発明は、プレキャスト床版の施工方法に関する。
レベル調整ボルトが着脱可能に取り付けられたプレキャストコンクリート床版(以下、「プレキャスト床版」という)が知られている(例えば、特許文献1参照)。このプレキャスト床版は、レベル調整ボルトを介して梁に載置される。この状態で、レベル調整ボルトを回転させることにより、梁に対するプレキャスト床版のレベルが調整される。
特開2007−092438号公報
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、梁上においてレベル調整ボルトでプレキャスト床版載置を支持した状態で、梁とプレキャスト床版との隙間にコンクリートを充填し、硬化させる。そのため、梁とプレキャスト床版との隙間で硬化したコンクリートにレベル調整ボルトの先端部(下端部)が埋設されるため、プレキャスト床版からレベル調整ボルトを取り外すことが困難になる。
本発明は、上記の事実を考慮し、プレキャスト床版からレベル調整ボルトを容易に取り外すことができるプレキャスト床版の施工方法を得ることを目的とする。
請求項1に記載のプレキャスト床版の施工方法は、梁に接合されるとともに、前記梁に対する高さを調整するレベル調整ボルトが着脱可能なプレキャスト床版の施工方法であって、前記プレキャスト床版に取り付けられた前記レベル調整ボルトを、前記梁と前記プレキャスト床版との接合部から外れた位置に設けられた仮受け部で支持した状態で、前記接合部にコンクリートを打設する。
請求項1に係るプレキャスト床版の施工方法によれば、プレキャスト床版に取り付けられたレベル調整ボルトを、梁とプレキャスト床版との接合部から外れた位置に設けられた仮受け部で支持した状態で、接合部にコンクリートを打設する。これにより、梁とプレキャスト床版とがコンクリートを介して接合され、プレキャスト床版が梁に支持される。
ここで、プレキャスト床版に着脱可能に取り付けられたレベル調整ボルトは、前述したように、梁とプレキャスト床版との接合部から外れた位置に設けられた仮受け部によって支持される。これにより、梁とプレキャスト床版との接合部にコンクリートを打設したときに、レベル調整ボルトがコンクリートに埋設されることが抑制される。したがって、プレキャスト床版からレベル調整ボルトを容易に取り外すことができる。
請求項2に記載のプレキャスト床版の施工方法は、請求項1に記載のプレキャスト床版の施工方法において、前記接合部にコンクリートを打設した後に、該プレキャスト床版から前記レベル調整ボルトを取り外す。
請求項2に係るプレキャスト床版の施工方法によれば、梁とプレキャスト床版との接合部にコンクリートを打設した後に、プレキャスト床版からレベル調整ボルトを取り外す。つまり、梁とプレキャスト床版とがコンクリートを介して接合され、プレキャスト床版が梁に支持された後に、プレキャスト床版からレベル調整ボルトを取り外す。これにより、プレキャスト床版からレベル調整ボルトを容易に取り外すことができる。
請求項3に記載のプレキャスト床版の施工方法は、請求項1又は請求項2に記載のプレキャスト床版の施工方法において、前記プレキャスト床版の外周部に取り付けられた前記レベル調整ボルトを、前記梁の側面から突出する前記仮受け部で支持した状態で、前記梁の上面と前記プレキャスト床版の端面との前記接合部に前記コンクリートを打設する。
請求項3に係るプレキャスト床版の施工方法によれば、レベル調整ボルトは、プレキャスト床版の外周部に着脱可能に取り付けられる。このレベル調整ボルトは、梁の側面から突出する仮受け部で支持される。この状態で、梁の上面とプレキャスト床版の端面との接合部にコンクリートを打設する。これにより、梁の上面とプレキャスト床版の端面とがコンクリートを介して接合され、プレキャスト床版が梁に支持される。
ここで、プレキャスト床版の外周部に取り付けられたレベル調整ボルトは、前述したように、梁の側面から突出する仮受け部で支持される。これにより、梁の上面とプレキャスト床版の端面との接合部にコンクリートを打設したときに、レベル調整ボルトがコンクリートに埋設されることが抑制される。したがって、プレキャスト床版からレベル調整ボルトを容易に取り外すことができる。
また、プレキャスト床版の外周部にレベル調整ボルトを取り付けることにより、プレキャスト床版のレベルを効率的に調整することができる。したがって、プレキャスト床版の施工性が向上する。
請求項4に記載のプレキャスト床版の施工方法は、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のプレキャスト床版の施工方法において、前記プレキャスト床版を厚み方向に貫通する前記レベル調整ボルトを、該プレキャスト床版の上側から取り外す。
請求項4に係るプレキャスト床版の施工方法によれば、レベル調整ボルトは、プレキャスト床版を厚み方向に貫通する。このレベル調整ボルトは、プレキャスト床版の上側から取り外される。したがって、レベル調整ボルトをプレキャスト床版から容易に取り外すことができる。
以上説明したように、本発明に係るプレキャスト床版の施工方法によれば、プレキャスト床版からレベル調整ボルトを容易に取り外すことができる。
一実施形態に係るプレキャスト床版の施工方法によって施工されるプレキャスト床版を支持する架構を示す平面図である。 図1に示されるプレキャスト小梁とプレキャスト大梁との接合部を示す斜視図である。 図2の3−3線断面図である。 プレキャスト小梁上の現場打ち部にコンクリートを打設した状態を示す図3に対応する断面図である。 図3に示されるレベル調整部材を示す拡大断面図である。 図1に示されるプレキャスト大梁同士の接合部を示す斜視図である。
以下、図面を参照しながら、一実施形態に係るプレキャスト床版の施工方法について説明する。
(プレキャスト柱、プレキャスト大梁、プレキャスト小梁)
図1には、本実施形態に係る複数のプレキャスト床版50を支持する複数のプレキャストコンクリート柱10、複数のプレキャストコンクリート大梁30、及びプレキャストコンクリート小梁40が示されている。なお、図1には、プレキャスト床版50の外形が二点鎖線で示されている。
複数のプレキャストコンクリート柱(以下、「プレキャスト柱」という)10は、工場等において、プレキャストコンクリートによって形成されている。これらのプレキャスト柱10は、水平二方向に間隔を空けて配置されている。また、隣り合うプレキャスト柱10には、プレキャストコンクリート大梁(以下、「プレキャスト大梁」という)30が架設されている。
プレキャスト大梁30は、工場等において、ハーフプレキャストコンクリートによって形成されている。このプレキャスト大梁30には、梁主筋36及びせん断補強筋38(図2参照)が適宜配筋されている。また、対向するプレキャスト大梁30の材軸方向の中央部には、プレキャストコンクリート小梁(以下、「プレキャスト小梁」という)40が架設されている。
プレキャスト小梁40は、工場等において、ハーフプレキャストコンクリートによって形成されている。このプレキャスト小梁40には、梁主筋44及びせん断補強筋46(図2参照)が適宜配筋されている。
ここで、複数のプレキャスト大梁30及びプレキャスト小梁40は、平面視にて、矩形の枠状に配置されている。これらのプレキャスト大梁30及びプレキャスト小梁40によって、平面視にて矩形状の2つの枠状体(平面架構)12A,12Bが形成されている。各枠状体12A,12Bの角部には、プレキャスト床版50の設置時に、プレキャスト床版50を仮支持する仮受け部20,22がそれぞれ設けられている。
(プレキャスト床版)
プレキャスト床版50は、工場等においてプレキャストコンクリートによって形成されている。このプレキャスト床版50には、スラブ筋51(図2参照)が適宜配筋されている。また、プレキャスト床版50は、平面視にて、矩形状に形成されている。
プレキャスト床版50の各角部には、レベル調整ボルト64(図2,6参照)が着脱可能に取り付けられている。これらのレベル調整ボルト64を介して、プレキャスト床版50が仮受け部20,22に仮支持される。以下、仮受け部20,22の構成について説明する。
(仮受け部)
先ず、図2には、プレキャスト大梁30の材軸方向の中央部と、プレキャスト小梁40の端部との接合部が示されている。プレキャスト小梁40の端部は、プレキャスト大梁30の側面30Sに設けられた一対の受け部材32に支持されている。
一対の受け部材32は、プレキャスト大梁30の側面30Sから突出するとともに、プレキャスト大梁30の材軸方向(矢印X方向)に間隔を空けて配置されている。この一対の受け部材32の上部が、仮受け部20とされている。
具体的には、図4に示されるように、一対の受け部材32は、プレキャスト大梁30の側面30S側から見て、L字形状に形成されるとともに、互いに反対向きに配置されている。また、一対の受け部材32の下部には、互いに相手側へ向けて突出する一対の支持部34が設けられている。この一対の支持部34の間には、プレキャスト小梁40の下部が配置されている。
なお、一対の受け部材32とプレキャスト小梁40との隙間には、モルタル等の充填材48が充填されている。
プレキャスト小梁40の端部の上部には、一対の突出部42が設けられている。一対の突出部42は、プレキャスト小梁40の側面の上部から両側へ突出し、一対の支持部34の上に載置されている。これにより、プレキャスト小梁40の端部が、一対のプレキャスト大梁30に支持されている。
一対の受け部材32の上部は、仮受け部20とされている。図2に示されるように、仮受け部20の上面は、プレキャスト大梁30の上面30Uと面一とされている。この仮受け部20の上面には、受けプレート24が設けられている。
受けプレート24は、鋼板等によって矩形状に形成されている。また、図5に示されるように、受けプレート24の下面には、スタッド26が設けられている。このスタッド26を仮受け部20に埋設することにより、受けプレート24が仮受け部20に固定されている。この受けプレート24上に、プレキャスト床版50のレベル調整ボルト64が載置される。
次に、図6には、プレキャスト大梁30とプレキャスト柱10との接合部が示されている。プレキャスト大梁30の端部は、プレキャスト柱10の上面における外周部に載置されている。このプレキャスト大梁30の端部には、仮受け部22が設けられている。
仮受け部22は、プレキャスト大梁30の端部の側面30Sから突出している。この仮受け部22によって、隣り合うプレキャスト大梁30の端部の隙間が塞がれている。これにより、4本のプレキャスト大梁30で囲まれた空間R内にコンクリートを打設したときに、空間Rからコンクリートが漏れることが抑制される。つまり、仮受け部22は、空間Rの型枠としても機能する。
仮受け部22の上面には、受けプレート24が設けられている。受けプレート24の上には、プレキャスト床版50の角部に取り付けられたレベル調整ボルト64が載置される。
(現場打ち部)
図1に示されるように、プレキャスト床版50の外周部には、現場打ち部52,54が設けられる。図3に示されるように、現場打ち部52は、プレキャスト小梁40の上面40U上で隣り合うプレキャスト床版50の間に形成される。そして、図4に示されるように、現場打ち部(打継ぎ部)52にコンクリートWを打設することにより、隣り合うプレキャスト床版50の端面50E同士が接合されるとともに、プレキャスト床版50の端面50Eとプレキャスト小梁40の上面40Uとが接合される。
なお、プレキャスト小梁40の上面40Uとプレキャスト床版50の下面50Lとの間には、目地材58が設けられている。これにより、現場打ち部52に打設されたコンクリートWが、仮受け部20へ流れることが抑制される。また、現場打ち部52は、プレキャスト小梁40とプレキャスト床版50との接合部の一例である。
現場打ち部54は、プレキャスト大梁30の上面30U上で、隣り合うプレキャスト床版50の間に形成される。この現場打ち部54(打継ぎ部)には、前述した現場打ち部52と同様に、コンクリート(図示省略)が打設される。これにより、隣り合うプレキャスト床版50の端面50E同士が接合されるとともに、プレキャスト床版50の端面50Eとプレキャスト大梁30の上面30Uとが接合される。
ここで、仮受け部20,22は、現場打ち部52,54から外れた位置に設けられている。具体的には、図4に示されるように、仮受け部20は、プレキャスト大梁30の材軸方向の中央部の側面30Sから突出し、プレキャスト床版50の下側で、かつ、プレキャスト大梁30及びプレキャスト小梁40の側方(脇)に配置されている。これにより、現場打ち部52,54にコンクリートWを打設したときに、仮受け部20、及び仮受け部20上のレベル調整ボルト64に現場打ちコンクリートWが付着しないようになっている。
これと同様に、図6に示されるように、仮受け部22は、プレキャスト大梁30の端部の側面30Sから突出し、プレキャスト床版50の下側で、かつ、プレキャスト大梁30及びプレキャスト小梁40の側方(脇)に配置されている。これにより、現場打ち部52,54にコンクリートWを打設したときに、仮受け部22、及び仮受け部22上のレベル調整ボルト64に現場打ちコンクリートWが付着しないようになっている。
(レベル調整部材)
プレキャスト床版50の各角部には、レベル調整部材60が設けられている。なお、プレキャスト床版50の各角部に設けられるレベル調整部材60は、同様の構成とされている。したがって、以下では、仮受け部20に支持されるレベル調整部材60の構成について説明する。
図5に示されるように、レベル調整部材60は、雌ネジ部材62と、レベル調整ボルト64とを有している。雌ネジ部材62は、プレキャスト床版50に埋設されている。また、雌ネジ部材62は、円筒状に形成されており、プレキャスト床版50の角部を厚み方向に貫通している。この雌ネジ部材62によって、プレキャスト床版50に貫通孔が形成されている。また、雌ネジ部材62は、筒状部62A及び雌ネジ部62Bを有している。
筒状部62Aは、鋼管等によって形成されており、軸方向をプレキャスト床版50の厚み方向として配置されている。この筒状部62Aの下端部には、雌ネジ部62Bが設けられている。
雌ネジ部62Bは、例えば、高ナットによって形成されており、軸方向をプレキャスト床版50の厚み方向として配置されている。また、雌ネジ部62Bは、プレキャスト床版50に回転不能に固定されている。この雌ネジ部材62には、レベル調整ボルト64が着脱可能に取り付けられる。
レベル調整ボルト64は、例えば、プレキャスト床版50の厚みよりも全長が長い頭付きボルトとされる。このレベル調整ボルト64は、プレキャスト床版50の上面50U側から、雌ネジ部材62の筒状部62Aに挿入されるとともに、雌ネジ部62Bに締め込まれる。
また、レベル調整ボルト64は、プレキャスト床版50を厚み方向に貫通しており、その下端部(先端部)がプレキャスト床版50の下面50Lから下方へ突出されている。このレベル調整ボルト64の下端部は、受けプレート24の上面に支持されている。なお、レベル調整ボルト64の上端部は、プレキャスト床版50の上面から上方へ突出されている。
ここで、雌ネジ部材62(雌ネジ部62B)に対してレベル調整ボルト64が締め込まれると、プレキャスト床版50の下面50Lから突出するレベル調整ボルト64の突出量が増加する。一方、雌ネジ部材62に対してレベル調整ボルト64が緩められると、プレキャスト床版50の下面50Lから突出するレベル調整ボルト64の突出量が減少する。これにより、受けプレート24に対するプレキャスト床版50の高さHが調整される。また、雌ネジ部材62に対してレベル調整ボルトがさらに緩められると、二点鎖線で示されるように、雌ネジ部材62からレベル調整ボルト64が取り外される。つまり、プレキャスト床版50からレベル調整ボルト64が取り外される。
次に、本実施形態の係るプレキャスト床版の施工方法の一例について説明する。
(プレキャスト床版設置工程)
先ず、プレキャスト床版設置工程について説明する。図1には、平面視にて、矩形状に配置されたプレキャスト大梁30及びプレキャスト小梁40が示されている。この状態から、図示しない揚重機等によってプレキャスト床版50を吊り上げ、二点鎖線で示されるように、プレキャスト床版50をプレキャスト大梁30及びプレキャスト小梁40上に配置する。
次に、図2に示されるように、プレキャスト床版50の角部に取り付けられたレベル調整ボルト64を、プレキャスト大梁30とプレキャスト小梁40とが成す角部に設けられた仮受け部20上に載置する。また、図6に示されるように、プレキャスト床版50の角部に取り付けられたレベル調整ボルト64を、2本のプレキャスト大梁30が成す角部に設けられた仮受け部22上に載置する。
このようにして、プレキャスト床版50の4つの角部に取り付けられたレベル調整ボルト64を仮受け部20,22でそれぞれ支持する。
(レベル調整工程)
次に、レベル調整工程について説明する。レベル調整工程では、図3に示されるように、プレキャスト床版50の角部に取り付けられたレベル調整ボルト64を適宜回転させ、仮受け部20に対するプレキャスト床版50の高さH(図5参照)や水平度を適宜調整する。また、図示を省略するが、プレキャスト床版50の角部に取り付けられたレベル調整ボルト64を適宜回転させ、仮受け部22(図6参照)に対するプレキャスト床版50の高さや水平度を適宜調整する。
(コンクリート打設工程)
次に、コンクリート打設工程について説明する。コンクリート打設工程では、図1に示されるように、プレキャスト床版50の外周部に設けられた現場打ち部52,54にコンクリートを打設する。
具体的には、図4に示されるように、プレキャスト小梁40上の現場打ち部52にコンクリートWを打設する。この際、プレキャスト小梁40の上面40Uから仮受け部20の上面にコンクリートWが流れないように、例えば、プレキャスト小梁40の上面40Uとプレキャスト床版50の下面との隙間を目地材58等によって塞いでおく。
この状態で、コンクリートWを硬化させる。これにより、コンクリートWを介して、隣り合うプレキャスト床版50が接合されるとともに、コンクリートWを介してプレキャスト床版50とプレキャスト小梁40とが接合される。また、プレキャスト床版50が、コンクリートWを介してプレキャスト小梁40に支持される。これにより、プレキャスト床版50からレベル調整ボルト64を取り外し易くなる。
また、プレキャスト大梁30上の現場打ち部54(図1,6参照)にコンクリートを打設して硬化させる。これにより、コンクリートを介して、隣り合うプレキャスト床版50が接合されるとともに、コンクリートを介してプレキャスト床版50とプレキャスト大梁30とが接合される。また、プレキャスト床版50が、コンクリートを介してプレキャスト大梁30に支持される。これにより、プレキャスト床版50からレベル調整ボルト64を取り外し易くなる。
(レベル調整ボルト撤去工程)
次に、レベル調整ボルト撤去工程について説明する。レベル調整ボルト撤去工程では、図4に示されるように、レベル調整ボルト64を緩め、プレキャスト床版50の上側からレベル調整ボルト64を取り外す。その後、雌ネジ部材62にモルタルやグラウト等の図示しない充填材を充填し、プレキャスト床版50に形成された貫通孔を塞ぐ。なお、この充填材は、適宜省略可能である。
(効果)
次に、本実施形態の効果について説明する。
以上説明したように、本実施形態に係るプレキャスト床版の施工方法によれば、プレキャスト床版設置工程において、プレキャスト床版50の各角部のレベル調整ボルト64を、複数の仮受け部20,22でそれぞれ支持する。この状態で、プレキャスト小梁40及びプレキャスト大梁30上の現場打ち部52,54にコンクリートWを打設する。
これにより、プレキャスト床版50が、コンクリートWを介してプレキャスト小梁40及びプレキャスト大梁30にそれぞれ接合されるとともに、コンクリートWを介してプレキャスト小梁40及びプレキャスト大梁30に支持される。
ここで、図1及び図3に示されるように、仮受け部20は、プレキャスト大梁30及びプレキャスト小梁40とプレキャスト床版50との接合部である現場打ち部52,54から離れた位置に設けられる。これにより、コンクリート打設工程において、現場打ち部52,54にコンクリートWを打設したときに、仮受け部20に支持されたレベル調整ボルト64にコンクリートWが付着することが抑制される。
また、図4に示されるように、プレキャスト小梁40の上面40Uとプレキャスト床版50の下面50Lとの隙間は、目地材58によって塞がれている。これにより、現場打ち部52にコンクリートWを打設したときに、レベル調整ボルト64にコンクリートWが付着することがさらに抑制される。
したがって、レベル調整ボルト撤去工程において、プレキャスト床版50からレベル調整ボルト64を容易に取り外すことができる。
また、図1及び図6に示されるように、仮受け部22は、仮受け部20と同様に、プレキャスト大梁30とプレキャスト床版50との接合部である現場打ち部54から離れた位置に設けられる。これにより、コンクリート打設工程において、現場打ち部54にコンクリートを打設したときに、仮受け部22に支持されたレベル調整ボルト64にコンクリートが付着することが抑制される。
したがって、レベル調整ボルト撤去工程において、プレキャスト床版50からレベル調整ボルト64を容易に取り外すことができる。
さらに、レベル調整ボルト64は、プレキャスト床版50の角部に取り付けられる。これにより、プレキャスト床版50のレベルを効率的に調整することができる。したがって、プレキャスト床版50の施工性が向上する。
しかも、レベル調整ボルト64は、例えば、作業員によって、プレキャスト床版50の上側から取り外される。したがって、レベル調整ボルト64をプレキャスト床版50から容易に取り外すことができる。
(変形例)
次に、上記実施形態の変形例について説明する。
上記実施形態では、レベル調整ボルト64がプレキャスト床版50の角部に設けられるが、上記実施形態はこれに限らない。レベル調整ボルトの配置は適宜変更可能であり、レベル調整ボルトは、例えば、プレキャスト床版50の角部以外の外周部に設けても良い。具体的には、例えば、プレキャスト床版50の長辺又は短辺の中央部にレベル調整ボルトを設けても良い。この場合、レベル調整ボルトを受ける仮受け部の配置も適宜変更される。また、レベル調整ボルト64の数も適宜変更可能である。
また、上記実施形態では、レベル調整ボルト撤去工程において、プレキャスト床版50からレベル調整ボルト64を取り外すが、上記実施形態はこれに限らない。レベル調整ボルト64は、プレキャスト床版50から取り外さずに残置しても良い。また、レベル調整ボルト64(レベル調整部材60)の構成は、適宜変更可能である。
また、上記実施形態では、仮受け部20,22がプレキャスト大梁30に設けられるが、仮受け部は、プレキャスト小梁40やプレキャスト柱10に設けられても良い。また、仮受け部20,22の数や配置は、プレキャスト床版50に取り付けられるレベル調整ボルト64の数や配置に応じて、適宜変更可能である。
また、上記実施形態の枠状体12A,12Bは、プレキャスト大梁30及びプレキャスト小梁40によって形成されるが、上記実施形態はこれに限らない。枠状体は、複数のプレキャスト大梁で形成されても良いし、複数のプレキャスト小梁によって形成されても良い。
また、上記実施形態では、プレキャスト大梁30及びプレキャスト小梁40がハーフプレキャストコンクリートによって形成されるが、プレキャスト大梁及びプレキャスト小梁は、フルプレキャストコンクリートによって形成されても良い。また、梁は、鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造等に限らず、鉄骨造であっても良い。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に限定されるものでなく、一実施形態及び各種の変形例を適宜組み合わせて用いても良いし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
20 仮受け部
22 仮受け部
30 プレキャストコンクリート大梁(梁)
30U 上面(梁の上面)
30S 側面(梁の側面)
40 プレキャストコンクリート小梁(梁)
40U 上面(梁の上面)
50 プレキャスト床版
50E 端面(プレキャスト床版の端面)
52 現場打ち部(接合部)
52 現場打ち部(接合部)
64 レベル調整ボルト
W コンクリート

Claims (4)

  1. 梁に接合されるとともに、前記梁に対する高さを調整するレベル調整ボルトが着脱可能なプレキャスト床版の施工方法であって、
    前記プレキャスト床版に取り付けられた前記レベル調整ボルトを、前記梁と前記プレキャスト床版との接合部から外れた位置に設けられた仮受け部で支持した状態で、前記接合部にコンクリートを打設する、
    プレキャスト床版の施工方法。
  2. 前記接合部にコンクリートを打設した後に、該プレキャスト床版から前記レベル調整ボルトを取り外す、
    請求項1に記載のプレキャスト床版の施工方法。
  3. 前記プレキャスト床版の外周部に取り付けられた前記レベル調整ボルトを、前記梁の側面から突出する前記仮受け部で支持した状態で、前記梁の上面と前記プレキャスト床版の端面との前記接合部に前記コンクリートを打設する、
    請求項1又は請求項2に記載のプレキャスト床版の施工方法。
  4. 前記プレキャスト床版を厚み方向に貫通する前記レベル調整ボルトを、該プレキャスト床版の上側から取り外す、
    請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のプレキャスト床版の施工方法。
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