JP6690988B2 - 複合基礎構造の構築方法 - Google Patents
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そして、このような複合基礎構造の構築方法として、従来、鉄骨基礎の柱下鉄骨部位と鉄骨基礎梁を予め一体化しておき、その一体化した鉄骨基礎を地盤面から浮かせた所定位置に配置して、その状態で鉄骨基礎の下方側にコンクリートを打設して布基礎コンクリートフーチングを構築する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
前記複数の柱下鉄骨部位を地盤面側から浮かせた所定位置に配置する第1ステップと、
当該所定位置に配置した前記複数の柱下鉄骨部位の間に前記鉄骨基礎梁を亘らせて連結する第2ステップと、
当該鉄骨基礎梁により連結した前記複数の柱下鉄骨部位の下方側にコンクリートを打設して各柱下鉄骨部位を定着させる状態で前記独立基礎コンクリートフーチングを構築する第3ステップを備えている点にある。
そして、第1ステップで複数の柱下鉄骨部位を地盤面側から浮かせた所定位置に配置した後、第2ステップにおいて、それら複数の柱下鉄骨部位の間に鉄骨基礎梁を亘らせて連結するので、この連結作業の際に、鉄骨基礎梁を柱下鉄骨部位の姿勢保持部材として活用することができ、姿勢調整後における各柱下鉄骨部位の姿勢保持を確実かつ効率的に行うことができる。
その後、第3ステップにおいて、各柱下鉄骨部位の下方側にコンクリートを打設して各柱下鉄骨部位を定着させる状態で独立基礎コンクリートフーチングを構築するので、全体として複数の独立基礎コンクリートフーチングを備えた複合基礎構造を効率的に構築することが可能となる。
したがって、各柱下鉄骨部位の姿勢保持をより一層確実かつ効率的に行うことができるとともに、各柱下鉄骨部位どうしを連結する鉄骨基礎梁の姿勢保持も確実となり、その後の第3ステップを含めて、全体として複合基礎構造をより効率的に構築することが可能となる。
前記第2ステップにおいて、前記複数の柱下鉄骨部位どうしを前記鉄骨基礎梁で連結した後に前記仮支持材を撤去する点にある。
そして、第2ステップにおいて、柱下鉄骨部位どうしを鉄骨基礎梁で連結した後に仮支持材を撤去するので、仮支持材が独立基礎コンクリートフーチング内に埋設されることはなく、したがって、独立基礎コンクリートフーチングの断面欠損が回避されるとともに、仮支持材の再利用によるコストダウンが可能となる。
そして、撤去した仮支持材を後続する施工部位での第1ステップにおける仮支持材として再使用する工程を繰り返すので、作業に必要な仮支持材の個数を大幅に削減して更なるコストダウンを図ることができる。
本発明に係る複合基礎構造は、例えば、図1に示すように、地盤面1の上に設置される複数の鉄筋コンクリート製の独立基礎コンクリートフーチング2と、それら複数の独立基礎コンクリートフーチング2の上面に定着される鉄骨製の鉄骨基礎3などを備えて構成される。
鉄骨基礎3は、各独立基礎コンクリートフーチング2の上面に定着されて図外の建物の柱を支持する柱下鉄骨部位4と、その柱下鉄骨部位4どうしの間に亘らせて連結する鉄骨基礎梁5、更には、必要に応じて鉄骨基礎梁5どうしを連結する小梁(図示せず)などで構成され、各柱下鉄骨部位4の下側部分には、鉄骨基礎梁5を連結するための複数の連結用鉄骨部位4aが横側方へ突出する状態で連設されている。
各柱下鉄骨部位4の下面と連結用鉄骨部位4aの下面からは、先端に頭部を有する多数のスタッド8がそれぞれ下方へ向けて突設され、それら多数のスタッド8と仮設支柱6などが埋設される状態で、各柱下鉄骨部位4の下方に鉄筋コンクリート製の独立基礎コンクリートフーチング2が構築されている。
図2の(a)を参照して、まず、複合基礎構造の施工地盤部分を掘削し、地盤改良後に捨てコンクリートを打設して地盤面1を構築し、墨出し後に所定の位置にアンカーボルト7を埋設する。このように地盤を改良した場合、工事用アンカーボルト7を強固に姿勢保持するため、アンカーボルト7が地盤改良部分に埋設される状態で地盤内に埋設するのが好ましい。その後、仮設支柱6やスタッド8を下方に向けて連設した柱下鉄骨部位4を所定の位置に配置し、柱下鉄骨部位4の連結用鉄骨部位4aと地盤面1との間に仮支持材としてのジャッキ9を設置して、アンカーボルト7により仮設支柱6を固定するとともに、各柱下鉄骨部材4を所定位置に所定姿勢で配置する。
なお、各柱下鉄骨部材4の水平レベルに関しては、レベル調整用として予め地盤面1の上に施工しておいたモルタルなどのレベル調整手段(図示せず)を利用して行い、所定の建ち姿勢への調整と維持は、伸縮固定自在なジャッキ9を使用して行う。
このように、構築方法の第1ステップでは、図2の(a)に示すように、複数の柱下鉄骨部位4を地盤面1側から浮かせた所定位置に所定姿勢で配置する。
この鉄骨基礎梁5の連結に際しては、図3の右側に示すように、梁長さ方向が直交する複数の鉄骨基礎梁5にて4個の柱下鉄骨部位4を連結し、柱下鉄骨部位4と鉄骨基礎梁5からなる鉄骨基礎3が平面視で矩形になるようにしながら順次連結するのが好ましい。すなわち、鉄骨基礎3が平面視で矩形になるように連結することで、角部に位置する各柱下鉄骨部材4の姿勢が安定し、ジャッキ9の撤去後においても柱下鉄骨部位4と鉄骨基礎梁5の姿勢維持が確実となる。
このようにして、第3ステップでは、図2(c)に示すように、各柱下鉄骨部位4の下方側に各柱下鉄骨部位4を定着させる状態で独立基礎コンクリートフーチング2を構築するのである。
そして、第2ステップで撤去したジャッキ9は、例えば、図3に示すように、後続する施工部位(図3における左上方側の施工部位)での第1ステップにおいて、柱下鉄骨部位4を所定姿勢に維持するための新たなジャッキ9として再使用し、このような工程を繰り返しながら複合基礎構造を構築するのである。
(1)先の実施形態では、第1ステップにおいて、柱下鉄骨部位4と地盤面1との間に仮支持材としてのジャッキ9を設置し、ジャッキ9の設置により柱下鉄骨部位4を所定姿勢に調整および保持する方法を示したが、例えば、鉄骨基礎梁5を連結する際に所定姿勢に調整し、鉄骨基礎梁5の連結固定で姿勢保持することも可能である。
したがって、第1ステップにおける仮支持材としてのジャッキ9の設置は、必ずしも必要ではなく、第1ステップにおいて、このジャッキ9の設置を省略することもできる。
要するに、少なくとも梁長さ方向が異なる複数の鉄骨基礎梁5にて3個以上の柱下鉄骨部位4を連結すれば、柱下鉄骨部位4および鉄骨基礎梁5の姿勢を安定させるのに充分である。
また、上述したように、第1ステップでジャッキ9の設置を省略することもでき、また、ジャッキ9を撤去することなく、独立基礎コンクリートフーチング2内に埋設することも可能であるため、第2ステップにおける仮支持材としてのジャッキ9の撤去は必ずしも必要ではなく、このジャッキ9の撤去を省略することもできる。
そして、その柱下鉄骨部位4と鉄骨基礎梁5とを連結固定するのに、連結用鉄板10とボルト・ナット11を使用した例を示したが、例えば、溶接によって連結固定することもでき、また、仮支持材の一例としてジャッキ9を示したが、ジャッキ9以外にも、例えば、棒状体や管状体などを仮支持材として使用することもできる。
2 独立基礎コンクリートフーチング
3 鉄骨基礎
4 柱下鉄骨部位
5 鉄骨基礎梁
9 仮支持材
Claims (4)
- 複数の独立基礎コンクリートフーチングと、各独立基礎コンクリートフーチングの上面側に定着される鉄骨基礎の柱下鉄骨部位と、それら複数の柱下鉄骨部位どうしの間に亘らせて連結する鉄骨基礎梁とを備えた複合基礎構造の構築方法であって、
前記複数の柱下鉄骨部位を地盤面側から浮かせた所定位置に配置する第1ステップと、
当該所定位置に配置した前記複数の柱下鉄骨部位の間に前記鉄骨基礎梁を亘らせて連結する第2ステップと、
当該鉄骨基礎梁により連結した前記複数の柱下鉄骨部位の下方側にコンクリートを打設して各柱下鉄骨部位を定着させる状態で前記独立基礎コンクリートフーチングを構築する第3ステップを備えている複合基礎構造の構築方法。 - 前記第2ステップにおいて、少なくとも梁長さ方向が異なる複数の前記鉄骨基礎梁にて3個以上の前記柱下鉄骨部位を連結する請求項1に記載の複合基礎構造の構築方法。
- 前記第1ステップにおいて、前記柱下鉄骨部位と地盤面側との間に仮支持材を設置して各柱下鉄骨部位を前記所定位置に所定姿勢で配置し、
前記第2ステップにおいて、前記複数の柱下鉄骨部位どうしを前記鉄骨基礎梁で連結した後に前記仮支持材を撤去する請求項1または2に記載の複合基礎構造の構築方法。 - 前記第2ステップにおいて、少なくとも梁長さ方向が異なる複数の前記鉄骨基礎梁にて3個以上の前記柱下鉄骨部位を連結した後に前記仮支持材を撤去し、その撤去した仮支持材を後続する施工部位での第1ステップにおける仮支持材として再使用する工程を繰り返す請求項3に記載の複合基礎構造の構築方法。
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