JP2021104538A - 連続鋳造機のダミーバー、鋼の連続鋳造方法、鋼鋳片の製造方法及び鋼製品の製造方法。 - Google Patents
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しかし、このように複数の鋳型形状で鋳造を行う連続鋳造機では、ダミーバーヘッドが鋳型形状と一致していない場合、従来はダミーバーヘッドを鋳型形状と一致するものに交換する手法がとられている。また、鋳型形状に依らず同一のダミーバーヘッドを使用する方法として、鋳型短辺を可動式にした特殊な鋳型を用いることで鋳造開始時に常に同一の鋳型寸法とする方法(特許文献1参照)や、ダミーバーヘッドの一部を可動式にして鋳型に沿うように変形させる方法(特許文献2参照)がある。
また、特許文献1の方法は、鋳型形状に依らず同一のダミーバーヘッドを用いているが、鋳型自体の改造が必要となる。さらに、鋳型形状の違いが、鋳型コーナー部の面取りの有無のように、鋳型形状の寸法差異の小さい場合にはメリットが少なかった。
さらに、特許文献2の方法は、特許文献1と同様に鋳型形状に依らず同一のダミーバーヘッドを用いているものであるが、ダミーバーヘッドの改造が必要となる。さらに、可動機構が複雑となることから、鋳型コーナー部の面取りの有無のように鋳型形状の寸法差異が小さい場合には、専用のダミーバーの作製が困難であった。
本発明の一態様によれば、前述の一態様に係る鋼の連続鋳造方法により鋼の鋳片を製造する鋼鋳片の製造方法が提供される。
本発明の一態様によれば、前述の一態様に係る鋼鋳片の製造方法により鋳造された鋳片に、後処理を施し鋼製品とする鋼製品の製造方法が提供される。
本発明の一実施形態に係るダミーバー4は、図1に示すように、鋼を連続鋳造する連続鋳造機1に用いられるものである。連続鋳造機1は、特に限定されないが、本実施形態では一例として、鋳造方向に直交する断面形状が矩形であり、この断面形状が正方形に近いビレットやブルームを鋳造する。連続鋳造機1は、溶鋼が注入される鋳型2と、ピンチロールを含む複数のロール3と、ダミーバー4とを備える。複数のロール3は、鋳造される鋳片を長辺側で挟んだロール組を形成し、このロール組が鋳造方向に並んで複数設けられる。
ダミーバーヘッド5は、図3に示すように、ダミーバー4の挿入方向に平行な方向から視て、矩形状の形状を有する。本実施形態では、ダミーバー4は、図1に示すように、連続鋳造機1の機内に下方から挿入される。つまり、図2における上下方向及び図3における前後方向が、ダミーバー4の挿入方向に平行な方向となる。なお、ダミーバー4は、上記の例に限らず、連続鋳造機1の機内に上方から(即ち、鋳型2側から)挿入されるものであってもよい。
さらに、アタッチメント6の材質は、特に限定されないが、ダミーバーヘッド5と同様に、耐熱性と強度に優れるものが好ましく、コストの面からは鋼製であってもよい。
次に、本実施形態に係る鋼の連続鋳造方法について説明する。本実施形態では、用いる鋳型2の種類に応じて、ダミーバーヘッド5へのアタッチメント6の取り付け有無を決定する。具体的には、鋳型コーナー部21Aが面取りされた第1の鋳型2Aを用いて連続鋳造を行う場合には、ダミーバーヘッド5にアタッチメント6を取り付けない状態(アタッチメント6を取り外した状態)のダミーバー4を用いる。また、鋳型コーナー部21Bが面取りされていない第2の鋳型2Bを用いて連続鋳造を行う場合には、ダミーバーヘッド5にアタッチメント6を取り付けた状態のダミーバー4を用いる。
次いで、ダミーバーヘッド5の上側や、ダミーバーヘッド5と鋳型2との間に、冷材やシール材等が設けられた後、鋳型2に溶鋼が注入されることで、連続鋳造が開始される。本実施形態では、アタッチメント6を用いてコーナー部51の形状を調整することで、一つのダミーバーヘッド5であっても、鋳型コーナー部21の形状が異なる2種類の鋳型2(第1の鋳型2A及び第2の鋳型2B)それぞれに対して、鋳型2とダミーバーヘッド5との隙間を適切に管理することができる。このため、連続鋳造時のシール性を向上させることができる。
連続鋳造が開始された後は、ダミーバー4で鋳片が引き抜かれる。そして、所定位置まで鋳片が引き抜かれた後は、鋳片とダミーバー4が切り離され、連続鋳造が続けられる。
後処理とは、製鉄所等の鋼製品の製造工場において、鋳片が出発材となる後処理のすべてを含む。例えば、鋳片に対する傷の除去等の精整処理、鋳片を用いた熱間加工処理(鋼片への熱間鍛造や熱間圧延、鋼板、鋼管、条鋼への熱間圧延)や冷間加工処理(冷間圧延、冷間引抜き等の製造工程で、熱間加工処理後の工程である場合を含む)、これら熱間加工処理や冷間加工処理を施した鋼に対する熱処理、さらに、これら熱間加工処理、冷間加工処理、熱処理で得られた鋼を素材に対して溶接を伴う処理(溶接管や溶接H形鋼等の製造工程)や素材に対する表面処理(めっきや塗膜を有する鋼の製造工程)、これらの後処理のいずれかを経て得られた鋼の精整処理、検査処理等である。後処理を経て最終的に得られる鋼製品の具体例としては、棒鋼、鋼線材、厚鋼板、形鋼、熱延鋼板、冷延鋼板、鋼管や、これらにさらに、めっきや被膜形成を行っためっき鋼材、被膜付鋼材等が挙げられる。
以上で、特定の実施形態を参照して本発明を説明したが、これら説明によって発明を限定することを意図するものではない。本発明の説明を参照することにより、当業者には、開示された実施形態とともに種々の変形例を含む本発明の別の実施形態も明らかである。従って、特許請求の範囲に記載された発明の実施形態には、本明細書に記載したこれらの変形例を単独または組み合わせて含む実施形態も網羅すると解すべきである。
さらに、上記実施形態では、連続鋳造にて鋳造される鋳片がビレットやブルームであるとしたが、本発明はかかる例に限定されない。鋳片は、鋳造方向から視て90°程度の角であるコーナー部があるものであればよく、例えば、スラブ等の他の形状であってもよい。
(1)本発明の一態様に係る連続鋳造機1のダミーバー4は、鋳型コーナー部21Aが面取りされた第1の鋳型2A、及び鋳型コーナー部21Bが面取りされていない又は鋳型コーナー部21Bが第1の鋳型2Aよりも少ない面取り量で面取りされた第2の鋳型2Bの少なくとも2種類の鋳型2を交換して用いる鋼の連続鋳造機1において、連続鋳造の開始時に用いられる連続鋳造機1のダミーバー4であって、連続鋳造の開始時に、連続鋳造機1の鋳型2に挿入されるダミーバーヘッド5を備え、ダミーバーヘッド5は、鋳型コーナー部21に対応する部位であるコーナー部51が、第1の鋳型2Aの鋳型コーナー部21Aの形状に応じて面取りされた形状を有し、コーナー部51の面取り量を少なくするアタッチメント6をコーナー部に取り付け可能に構成される。
上記(2)の構成によれば、ロール3とアタッチメント6が接触しないため、ロール3の圧下力によるアタッチメント6の変形や損傷を防止することができる。
上記(3)の構成によれば、上記(1)又は(2)と同様な効果が得られる。
上記(4)の構成によれば、上記(1)の効果に伴い、安価且つ簡易に鋼の鋳片を製造できる。また、ダミーバー4として上記(2)の構成のものを用いれば、上記(2)の効果に伴い、さらに安価に鋼の鋳片を製造できる。
上記(5)の構成によれば、上記(3)の効果により、安価に鋼の鋳片を製造できるため、得られた鋳片に対して後処理を行って製造される鋼製品についても、鋳片の製造コスト削減分の、製造コストの削減ができることとなる。
実施例の結果、いずれの鋳型2の鋳造においても、ダミーバー4の連続鋳造機1の機内及び鋳型2への挿入を問題なく行うことができた。また、ダミーバーヘッド5と鋳型2とのシール性についても問題がないことを確認した。さらに、ロール3の圧下に起因するアタッチメント6の変形や破損も発生していないことを確認した。
2 鋳型
2A 第1の鋳型
2B 第2の鋳型
21,21A,21B 鋳型コーナー部
3 ロール
4 ダミーバー
5 ダミーバーヘッド
51 コーナー部
52 連結部
511 接続穴
6 アタッチメント
61 取り付け孔
7 ボルト
Claims (5)
- 鋳型コーナー部が面取りされた第1の鋳型、及び前記鋳型コーナー部が面取りされていない又は前記鋳型コーナー部が前記第1の鋳型よりも少ない面取り量で面取りされた第2の鋳型の少なくとも2種類の鋳型を交換して用いる鋼の連続鋳造機において、連続鋳造の開始時に用いられる連続鋳造機のダミーバーであって、
前記連続鋳造の開始時に、前記連続鋳造機の鋳型に挿入されるダミーバーヘッドを備え、
前記ダミーバーヘッドは、前記鋳型コーナー部に対応する部位であるコーナー部が、前記第1の鋳型の前記鋳型コーナー部の形状に応じて面取りされた形状を有し、前記コーナー部の面取り量を少なくするアタッチメントを前記コーナー部に取り付け可能に構成される、連続鋳造機のダミーバー。 - 前記ダミーバーヘッドは、前記鋳型への挿入方向から視て矩形状の形状を有し、
前記アタッチメントは、前記ダミーバーヘッドに取り付けられた状態で、前記ダミーバーヘッドの前記矩形状の長辺側の面が、前記ダミーバーヘッドよりも内側に位置する、請求項1に記載の連続鋳造機のダミーバー。 - 鋳型コーナー部が面取りされた第1の鋳型、及び前記鋳型コーナー部が面取りされていない又は前記鋳型コーナー部が前記第1の鋳型よりも少ない面取り量で面取りされた第2の鋳型の少なくとも2種類の鋳型を交換して用いる鋼の連続鋳造方法であって、
連続鋳造の開始時において、請求項1又は2に記載の連続鋳造機のダミーバーを用い、
前記第1の鋳型で前記連続鋳造を行う場合には、前記アタッチメントを取り外し状態の前記ダミーバーを用い、
前記第2の鋳型で前記連続鋳造を行う場合には、前記アタッチメントを取り付けた状態の前記ダミーバーを用いる、鋼の連続鋳造方法。 - 請求項3に記載の鋼の連続鋳造方法により鋼の鋳片を製造する鋼鋳片の製造方法。
- 請求項3に記載の鋼の連続鋳造方法により鋳造された鋳片に、後処理を施し鋼製品とする鋼製品の製造方法。
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