JP2021101601A - リング状ボンド磁石を用いた回転子及び回転子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
特にボンド磁石の場合にはその傾向は顕著であり、リング磁石としてボンド磁石を用いた場合の割れ対策が必要である。
リング状ボンド磁石は両端面側から樹脂からなるリング状の固定部材により固定され、さらにリング状の固定部材はシャフトに形成されたローレットによりシャフトに強固に固定されているので高速回転時にもリング状ボンド磁石は空回りすることがない。
一例として、磁粉としてR−T−B系急冷合金磁性粉末(Rは少なくとも一種の希土類元素であってNd、Prのいずれか一方を含む、TはFeとCo、Bは硼素であって一部をC(炭素)で置換できる)を用いた場合の好ましい範囲と実施例について次に述べる。
二つのピークを持つ磁石粉末を用いることで粒径の大きな磁石粉末の間隙に粒径の小さな磁石粉末が入り成形体の強度が向上する。
ここで平均粒子径は体積分布の算術平均径であり、レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定する。
まず従来技術について説明する。図3は従来の回転子5の構造を示す軸断面図であり、シャフトとリング状ボンド磁石の固定はインサート成形によっておこなわれる。図3において8はリング状磁石でありボンド磁石で構成される。6はシャフトであり円柱形状を有し、磁性体あるいは非磁性体の金属にて構成される。7は熱可塑性樹脂の固定部材(リング状)でありリング状ボンド磁石を両端から固定するとともにシャフトとリング状ボンド磁石の空隙に射出されシャフト6とリング状ボンド磁石8の同軸度を決定する。17はシャフト6とリング状ボンド磁石8の間に射出された熱可塑性樹脂を示している。図6はシャフト6とリング状ボンド磁石8との軸方向の位置関係を示す軸断面図である。図6に示すようにリング状ボンド磁石8の内周面120とシャフト6の間には一定のギャップがありこのギャップに熱可塑性樹脂は射出される。
100は金型において樹脂を射出するキャビティ部分のみを示している。
この際リング状ボンド磁石8とシャフト6の同軸度は、金型寸法精度に依存することとなる。一般的に金型の寸法公差を0.1mm以下にすることは困難であり、金型の寸法公差が回転子におけるシャフト6とリング状ボンド磁石8の同軸度を高くすることを困難にしていた。
図3に示す従来の回転子との大きな違いは、シャフトとリング状ボンド磁石の間に射出成形による熱可塑性樹脂が介在しないことである。シャフトの外径寸法とリング状ボンド磁石の内径寸法はその隙間で0.05mm以内になるように設定することが望ましい。
図7はリング状ボンド磁石3とシャフト2の軸方向の位置関係を示す軸断面図である。図7に示す様に、リング状ボンド磁石3の内周面125とシャフト2の間のギャップは極めて小さく、熱可塑性樹脂のこのギャップへの射出は行われないか行われても極めて少ない量となる。ここでいう極めて少ない量とは、本発明における課題としてあげた高温時に樹脂が膨張して、リング状ボンド磁石を内周面側から破壊しない程度の量であり、少なくともリング状ボンド磁石33とシャフト2の間のギャップをすべて埋めてしまう量ではない。
110は金型において樹脂を射出するキャビティ部分のみを示している。
この際リング状ボンド磁石3とシャフト2の同軸度は、リング状ボンド磁石3の内径寸法とシャフト2の外径寸法の寸法と寸法公差に依存することになる。
結果としてリング状ボンド磁石3が固定される。110はスプルーであり射出される樹脂の通り道である。スプルーの部分の樹脂はインサート成形された回転子を金型から取り外す際や取り外した後に除去される。
(B)は平目ローレットを配置した例であり14は平目ローレットである。(B)は固定部材がシャフト10に固着される位置に平目ローレットを配置した例である。一対の固定部材の位置それぞれに平目ローレット14が形成されている。
ローレットを形成することで固定部材とシャフトの固着が強固に行われる。
(C)は(A)のシャフトと同様の綾目ローレットになるが、固定部以外の軸方向中央部分にも綾目ローレット11を形成している。
(D)は(B)のシャフトと同様の平目ローレットになるが。固定部以外に軸方向中央部分にも平目ローレット12を形成している。
(C)(D)のシャフトを用いて本発明の回転子を形成する場合、磁石や固定部材の軸方向の長さが変わった場合でもローレットの長さの範囲内であれば回転子を形成することが可能である。
ローレット13は軸方向で固定部材と同じ位置にあり、ローレット13によってシャフト9は固定部材4に固着されている。なおシャフトとリング状ボンド磁石は接着剤で固着されていても良い。接着剤としては熱硬化性、2液性あるいは嫌気性などが挙げられる。
(B)は溝51の形状を断面3角形とした例である。(C)は(B)と同様に断面3角形の溝61を片側端面に形成した例である。(D)はU字状の溝71を形成した例である。(E)はリング状ボンド磁石の両端面の全面に渡って円弧状の凹部81を有した例である。(A)〜(E)はそれぞれリング状ボンド磁石の端面に凹部が形成されている。
2、6、9,10、11、12 シャフト
3、8 リング状ボンド磁石
4、7 固定部部材
5 従来の回転子
13、15 綾目ローレット
14、16 平目ローレット
17 樹脂
20、30 スプルー
40,50、60,70,80 リング状ボンド磁石
41、51、61、71、81 溝
90 貫通孔
100、110 金型キャビティ
120、125 リング状ボンド磁石内周面
Claims (6)
- シャフトと、前記シャフトに同軸となるリング状ボンド磁石と、前記ボンド磁石を両端面側から固定する一対の熱可塑性樹脂からなる固定部材とを有し、前記シャフトにはローレットが形成され、前記固定部材は前記シャフトに形成された前記ローレットの少なくとも周面を覆うように配置されるとともに、前記シャフトと前記リング状ボンド磁石の間には熱可塑性樹脂を介在しないことを特徴とする回転子。
- 前記ローレットは綾目ローレットであることを特徴とする請求項1に記載の回転子。
- 前記ローレットは平目ローレットであることを特徴とする請求項1に記載の回転子。
- 前記リング状ボンド磁石は、少なくとも片方の端面に凹部を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1に記載の回転子。
- 前記シャフトの外径と前記リング状ボンド磁石の内径の隙間は0.05mm以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1に記載の回転子。
- インサート成形用の金型に、リング状ボンド磁石の外周面側を基準にして配置する工程と、前記リング状ボンド磁石の内周面側にシャフトを挿入配置する工程と、前記リング状ボンド磁石の少なくとも1端面側から熱可塑性樹脂を射出し、固定部材を形成する工程を有することを特徴とする回転子の製造方法。
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