JP2021099032A - ディーゼルエンジンの吸気装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明に係るディーゼルエンジンの吸気装置によれば、シリンダヘッドに供給される吸入空気は、各気筒の吸気ポートの位置に対応して、各気筒の吸気ポートに均等に分配される。
本発明に係るディーゼルエンジンの吸気装置によれば、ツールパスに工具を通すことで、吸気装置の後側における例えばボルトの締め付け作業等を行うことができる。これにより、ディーゼルエンジンの組み立て作業性を向上させることができる。
前記構成によれば、吸気通路の外側に設けられた放熱フィンが、吸気装置の表面積を増やし、吸気通路を流れる吸入空気の放熱を促進する。これにより、吸入空気の温度上昇をより一層抑えることができる。そのため、吸入空気の密度をより一層高めることができ、吸入空気効率をより一層向上させることができる。これにより、ディーゼルエンジンの燃費や出力のより一層の向上を図り、黒煙の発生をより一層抑えることができる。
前記構成によれば、放熱フィンは、第1直角部および第2直角部により形成された縮流ゾーンの吸入空気の放熱を、縮流ゾーンの吸入空気の比較的近い位置で促進する。これにより、吸入空気の温度上昇を効率的に抑えることができる。そのため、吸入空気の密度をより一層高めることができ、吸入空気効率をより一層向上させることができる。これにより、ディーゼルエンジンの燃費や出力のより一層の向上を図り、黒煙の発生をより一層抑えることができる。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、本発明の実施形態に係る吸気装置を備えるディーゼルエンジンを示す図である。
図1に示すディーゼルエンジン(以下、説明の便宜上、単に「エンジン」ともいう。)1は、例えば小型の産業用ディーゼルエンジンであり、シリンダヘッド2と、シリンダブロック3と、冷却ファン4と、吸気装置10と、を備える。ディーゼルエンジン1は、過給機であるターボチャージャを備えている過給機型のエンジンであっても良いし、ターボチャージャを備えていない自然吸気型のエンジンであっても良い。図示例のディーゼルエンジン1は、例えば高出力な3気筒エンジンであり、建設機械、農業機械、芝刈り機等に搭載される。
図2は、図1に示すA−A線における吸気装置10の好ましい構造例を示す断面図である。
図1と図2に示すように、吸気装置10は、インレットフランジ20と、インレットマニホルド40と、を有する。インレットフランジ20とインレットマニホルド40とは、ともにアルミダイカスト製であり、L字型のパイプである。インレットフランジ20およびインレットマニホルド40は、例えば断面が円形状の吸気通路を有する。吸気装置10の吸気通路は、吸入空気Rをシリンダヘッド2に導く流路であり、インレットフランジ20の吸気通路28(図2参照)と、インレットマニホルド40の吸気通路48(図2参照)と、を含む。本実施形態の吸気通路28は、本発明の「第1吸気通路」の一例である。本実施形態の吸気通路48は、本発明の「第2吸気通路」の一例である。
まず、図1および図2を参照して、インレットフランジ20を説明する。インレットフランジ20は、一端部21と、他端部22と、中間部23と、を有する。中間部23は、一端部21と他端部22との中間位置に設けられている。図2に示すように、インレットフランジ20の一端部21は、吸入空気導入用の空気配管24の端部25に着脱可能に接続されている。空気配管24は、矢印で示す吸入空気Rを、インレットフランジ20の一端部21内に導入する。インレットフランジ20は、一端部21から中間部23を経て他端部22に至るまで、空気配管24を通して導かれた吸入空気Rをインレットマニホルド40に導くための吸気通路28を有する。
次に、図1および図2を参照して、インレットマニホルド40を説明する。インレットマニホルド40は、一端部41と、他端部42と、中間部43と、を有する。中間部43は、一端部41と他端部42との中間位置に設けられている。図2に示すように、インレットマニホルド40の一端部41は、フランジ部47を有する。フランジ部47は、インレットフランジ20の他端部22のフランジ部27に対して、締結ボルト44と図示しないガスケットとを用いて密着状態で締結されている。これにより、インレットマニホルド40の一端部41は、インレットフランジ20の他端部22に接続されている。インレットマニホルド40の他端部42は、フランジ部49を有する。フランジ部49は、シリンダヘッド2に対して締結ボルト45と図示しないガスケットとにより密着状態で締結されている。これにより、インレットマニホルド40の他端部42は、シリンダヘッド2の吸気ポート46側に接続されている。
図3は、図2に示す矢印Fの方向にみたときの吸気装置を表す断面図である。
図4は、図3に示すB−B線における吸気装置の空気通路の形状例を示す断面図である。
図3と図4に示すように、インレットマニホルド40の他端部42の内壁42Mには、凸部70が形成されている。凸部70は、凸部形状あるいは突起部ともいい、内壁42Mから吸気通路48の内側に向かって突出している。凸部70は、吸入空気Rを、上述した第1導入路部分61と第2導入路部分62と第3導入路部分63とに均等に分配するための吸入空気案内部である。凸部70は、図4に示すように、インレットマニホルド40の他端部42の内壁42Mにおいて、Y方向に沿って比較的長い形状を有し、空気抵抗を減らした流線形を有している。図3に示すように、凸部70は、好ましくは内壁42Mにおいて、山形に形成されている。これにより、図2において、吸入空気Rは、一端部41から中間部43を経て他端部42に達すると、凸部70により、第1導入路部分61と第2導入路部分62と第3導入路部分63とにそれぞれ均等に分配される。
図3に示すように、他端部42は、ツールパス75と、複数のボルト孔76と、を有する。ボルト孔76は、図2に示す締結ボルト45を通す孔である。ツールパス75は、凸部70の背後の領域を利用して設けられている。具体的には,ツールパス75は、吸気通路48の外側における凸部70の対応する位置に設けられている。ツールパス75は、貫通孔であり、例えばエア駆動により回すことができるツール(工具)を通す。作業者等は、ツールパス75に工具を通すことで、吸気装置10の後側にある例えばボルトの締め付け作業等を行うことができる。これにより、エンジンの組み立て作業性を向上させることができる。
図4に示すように、放熱手段としての放熱フィン80が、吸気装置10の外側の複数箇所に設けられている。放熱フィン80は、吸気装置10の表面積を増やし、吸気通路28、48を流れる吸入空気Rの放熱を促進する。放熱フィン80は、直角部30、50の付近、言い換えれば、例えば図2に示す吸入空気Rの縮流ゾーンT1,T2,T3に近い位置に設けられている。
図2に示すように、例えばターボチャージャやエアクリーナを介して供給された吸入空気Rが、吸入空気導入用の空気配管24から、インレットフランジ20の一端部21内に導入される。図2に表した吸入空気R1〜R5のように、インレットフランジ20に導入された吸入空気Rは、インレットフランジ20の吸気通路28と、インレットマニホルド40の吸気通路48と、を通過する。そして、図3および図4に示すように、吸気通路48に到達した吸入空気R5は、凸部70の存在により、第1導入路部分61と第2導入路部分62と第3導入路部分63とに向けて、吸入空気R6〜R8として、それぞれ均等に分配される。そして、吸入空気R6〜R8は、シリンダヘッド2の対応する各吸気ポート46へ送り込まれる。
例えば、吸気装置10は、インレットフランジ20と、インレットマニホルド40と、を必ずしも備えていなくともよく、インレットフランジとインレットマニホルドとが一体構造で形成されたインレットマニホルドを備えていても良い。
Claims (6)
- シリンダヘッドに接続され、吸入空気を前記シリンダヘッドに供給するディーゼルエンジンの吸気装置であって、
前記吸入空気を前記シリンダヘッドに導く吸気通路を有し、
前記吸気通路は、前記吸気通路の内壁が直角に曲がった直角部を有することを特徴とするディーゼルエンジンの吸気装置。 - 前記吸入空気を導入する空気配管に接続されたインレットフランジと、
前記インレットフランジと前記シリンダヘッドとの間に接続されたインレットマニホルドと、
を備え、
前記吸気通路は、
前記インレットフランジに形成され前記吸入空気を前記インレットマニホルドに導く第1吸気通路と、
前記インレットマニホルドに形成され前記第1吸気通路を通して導かれた前記吸入空気を前記シリンダヘッドに導く第2吸気通路と、
を含み、
前記直角部は、
前記第1吸気通路の内壁が直角に曲がった第1直角部と、
前記第2吸気通路の内壁が直角に曲がった第2直角部と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載のディーゼルエンジンの吸気装置。 - 前記インレットマニホルドは、前記第2吸気通路の内壁から前記第2吸気通路の内側に向かって突出した凸部であって前記吸入空気を前記シリンダヘッドの各気筒の吸気ポートに均等に分配するための凸部を有することを特徴とする請求項2に記載のディーゼルエンジンの吸気装置。
- 前記インレットマニホルドは、前記第2吸気通路の外側における前記凸部の対応する位置に設けられ工具を通すためのツールパスを有することを特徴とする請求項3に記載のディーゼルエンジンの吸気装置。
- 前記吸気通路の外側に設けられ表面積を増やし、前記吸気通路を流れる前記吸入空気の放熱を促進する放熱フィンを有することを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載のディーゼルエンジンの吸気装置。
- 前記放熱フィンは、前記第1直角部および前記第2直角部の付近に設けられていることを特徴とする請求項5に記載のディーゼルエンジンの吸気装置。
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