JP2021096247A - ポリチオール組成物の調製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】純度の高い3官能ポリチオール組成物および4官能ポリチオール組成物が得られ、これにより色、透明性、および屈折率に優れた光学レンズが得られるポリチオール組成物の調製方法の提供。【解決手段】ハロゲン化合物またはアルコール化合物をチオ尿素と反応させてチオウロニウム塩溶液を調製する段階と、前記チオウロニウム塩溶液に塩基性溶液を添加して加水分解する段階とを含み、前記加水分解段階における反応物をゲル透過クロマトグラフィーで測定したグラフにおいて、Aピークの面積が総ピーク面積を基準に0.5%〜8%のときに前記加水分解反応を終了させる。【選択図】図1

Description

実現例は、純度の高い3官能ポリチオール組成物および4官能ポリチオール組成物が得られ、これにより色、透明性、および屈折率に優れた光学レンズが得られるポリチオール組成物の調製方法に関するものである。
プラスチックを用いた光学材料は、ガラスのような無機材料からなる光学材料に比べて、軽量でありながら割れ難く染色性に優れているため、眼鏡レンズ、カメラレンズ等の光学材料として広く利用されている。中でも、ポリチオール化合物とポリイソシアネート化合物とを重合させたポリチオウレタン系重合体から製造される光学材料は、高屈折率、高アッベ数および高強度などの優れた物性を示すため、広く使用されている。
このような光学材料の物性を向上させるために、ポリチオウレタン系化合物の物性に影響を及ぼすポリチオール化合物の純度を向上させる研究が続けられている。一例として、特許文献1では、2メルカプトエタノールとエピクロロヒドリンとを反応させた後、これをチオ尿素と反応させてイソチオウロニウム塩を得て、これを加水分解してポリチオール化合物を調製する方法を開示しているが、副反応に起因する不純物が依然として存在している。
日本国特開1990−270859号公報
従って、実現例は、純度の高い3官能ポリチオール組成物および4官能ポリチオール組成物が得られ、これにより色、透明性、および屈折率に優れた光学レンズが得られるポリチオール組成物の調製方法を提供することとする。
一実現例によるポリチオール組成物の調製方法は、ハロゲン化合物またはアルコール化合物をチオ尿素と反応させてチオウロニウム塩溶液を調製する段階と、前記チオウロニウム塩溶液に塩基性溶液を添加して加水分解する段階とを含み、前記加水分解段階における反応物をゲル透過クロマトグラフィーで測定したグラフにおいて、Aピークの面積が総ピーク面積を基準に0.5%〜8%のときに前記加水分解反応を終了させる。
この際、前記Aピークは、前記グラフで最大ピーク(Bピーク)を基準に−0.37分±0.08分に位置するピークであり、前記ゲル透過クロマトグラフィーは、移動相としてテトラヒドロフランを使用し、カラムは2つが直列に連結され、前記カラム1つの長さが145mm〜155mmであり、直径が4.5mm〜4.7mmであり、前記カラムのポアサイズは44Å〜46Åであり、前記カラムの粒径が1.6μm〜1.8μmであり、流量は0.45ml/分〜0.55ml/分で、注入量は9.5μl〜10.5μlである条件で測定する。
一実現例によるポリチオール組成物は、下記化学式1で表されるポリチオールを含み、全組成物をゲル透過クロマトグラフィーで測定したグラフにおいて、Aピークの面積が総ピーク面積を基準に0.5%〜8%である。
[化1]
Figure 2021096247

この際、前記Aピークは、前記グラフで最大ピーク(Bピーク)を基準に−0.37分±0.08分に位置するピークであり、前記ゲル透過クロマトグラフィーの条件は前記と同様である。
一実現例による重合性組成物は、ポリチオール組成物とイソシアネート系化合物とを含み、前記ポリチオール組成物は、前記化学式1で表される3官能ポリチオールを含み、前記ポリチオール組成物をゲル透過クロマトグラフィーで測定したグラフにおいて、Aピークの面積が総ピーク面積を基準に0.5%〜8%である。この際、前記Aピークは、前記グラフで最大ピーク(Bピーク)を基準に−0.37分±0.08分に位置するピークであり、前記ゲル透過クロマトグラフィーの条件は前記と同様である。
一実現例によるポリチオール組成物の調製方法は、ハロゲン化合物またはアルコール化合物をチオ尿素と反応させてチオウロニウム塩溶液を調製する段階と、前記チオウロニウム塩溶液に塩基性溶液を添加して加水分解する段階とを含み、前記加水分解段階における反応物をゲル透過クロマトグラフィーで測定したグラフにおいて、Aピークの面積が総ピーク面積を基準に0.5%〜8%のときに前記加水分解反応を終了させる。
この際、前記Aピークは、前記グラフで最大ピーク(Bピーク)を基準に−0.4分±0.15分に位置するピークであり、前記ゲル透過クロマトグラフィーは、移動相としてテトラヒドロフランを使用し、カラムは2つが直列に連結され、前記カラム1つの長さが145mm〜155mmであり、直径が4.5mm〜4.7mmであり、前記カラムのポアサイズは44Å〜46Åであり、前記カラムの粒径が1.6μm〜1.8μmであり、流量は0.45ml/分〜0.55ml/分であり、注入量は9.5μl〜10.5μlである条件で測定する。
一実現例によるポリチオール組成物は、下記化学式2で表されるポリチオールを含み、全組成物をゲル透過クロマトグラフィーで測定したグラフにおいて、Cピークの面積が総ピーク面積を基準に0.5%〜8%である。
[化2]
Figure 2021096247

この際、前記Cピークは、前記グラフで最大ピーク(Dピーク)を基準に−0.4分±0.15分に位置するピークであり、前記ゲル透過クロマトグラフィーの条件は前記と同様である。
一実現例による重合性組成物は、ポリチオール組成物とイソシアネート系化合物とを含み、前記ポリチオール組成物は、前記化学式2で表される4官能ポリチオールを含み、前記ポリチオール組成物をゲル透過クロマトグラフィーで測定したグラフにおいて、Cピークの面積が総ピーク面積を基準に0.5%〜8%である。この際、前記Cピークは、前記グラフで最大ピーク(Dピーク)を基準に−0.4分±0.15分に位置するピークであり、前記ゲル透過クロマトグラフィーの条件は前記と同様である。
一実現例による光学レンズは、前記重合性組成物を加熱硬化して得られたものである。
実現例によるポリチオール組成物の調製方法は、純度の高い3官能ポリチオール組成物および4官能ポリチオール組成物を提供し得る。従って、純度の高いポリチオール組成物から得られたポリチオウレタンは、透明性および屈折率に優れるので、眼鏡レンズ、カメラレンズ等の各種プラスチック光学材料の製造に有用に使用され得る。
図1は、実施例1のポリチオール組成物についてゲル透過クロマトグラフィーを行って得たグラフを示すものである。 図2は、実施例2のポリチオール組成物についてゲル透過クロマトグラフィーを行って得たグラフを示すものである。 図3は、実施例3のポリチオール組成物についてゲル透過クロマトグラフィーを行って得たグラフを示すものである。 図4は、実施例4のポリチオール組成物についてゲル透過クロマトグラフィーを行って得たグラフを示すものである。
以下、実現例により発明を詳細に説明する。実現例は、以下で開示する内容に限定するものではなく、発明の要旨が変更されない限り、様々な形態に変形され得る。
本明細書において、ある部分がある構成要素を「含む」と言うことは、特に反する記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
本明細書に記載された構成成分の量、反応条件などを表すすべての数字および表現は、特別な記載がない限り、すべての場合に「約」という用語で修飾されるものと理解するべきである。
<ポリチオール組成物の調製方法>
本願発明は、3官能ポリチオール化合物の純度が高いポリチオール組成物(以下、「3官能ポリチオール組成物」と言う)および4官能ポリチオール化合物の純度が高いポリチオール組成物(以下、「4官能ポリチオール組成物」と言う)を調製する方法を提供する。
[3官能ポリチオール組成物の調製方法]
一実現例による3官能ポリチオール組成物の調製方法は、ハロゲン化合物またはアルコール化合物をチオ尿素と反応させてチオウロニウム塩溶液を調製する段階と、前記チオウロニウム塩溶液に塩基性溶液を添加して加水分解する段階とを含む。
一実現例によるポリチオール組成物の調製方法は、ハロゲン化合物またはアルコール化合物をチオ尿素と反応させてチオウロニウム塩溶液を調製する段階を含む。
まず、前記チオウロニウム塩溶液を調製する段階は、ハロゲン化合物およびアルコール化合物を反応させて3官能ポリオール化合物を調製し得る。
前記段階において前記アルコール化合物は、前記ハロゲン化合物1当量に対して、0.5当量〜3当量、1当量〜3当量、1.5当量〜3当量、または2当量〜3当量で反応させ得る。例えば、前記ハロゲン化合物:前記アルコール化合物を1:2の当量比で反応させ得る。
この際、反応触媒として金属性触媒、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどを触媒として使用し得る。前記触媒は、前記ハロゲン化合物1当量に対して0.5当量〜2当量、または0.5当量〜1当量で使用し得る。
前記ハロゲン化合物は、F、Cl、Br、I等を含み得、例えば、エピクロロヒドリンであり得るが、これに限定されるものではない。前記アルコール化合物は、例えば、2−メルカプトエタノールであり得るが、これに限定されるものではない。
次いで、前記3官能ポリオールをチオ尿素と酸性条件下で反応させてイソチオウロニウム塩を調製し得る。より具体的に、前記反応は還流下で行われ得る。
前記チオ尿素は、前記アルコール化合物1モルに対して3モル以上使用され得る。例えば、前記チオ尿素は、前記アルコール化合物1モルに対して3モル〜6モルまたは4.6モル〜5モルの量で使用され得る。
前記酸性条件を形成するためには、塩酸溶液、塩化水素ガスなどを使用し得るが、反応が十分に起こり得るのであれば、使用される酸性物質の種類を特に限定しない。例えば、塩化水素を使用すると、十分な反応速度が得られ、製品の着色も防止し得る。また、前記酸性物質は、前記アルコール化合物1モルに対して3モル以上、または3モル〜12モルの量で使用され得る。
前記還流は、90℃〜120℃または100℃〜110℃にて1時間〜10時間行われ得る。
前記チオウロニウム塩を調製する段階は、空気中または窒素雰囲気下で行うことができ、窒素雰囲気下で行われると、色の面で好ましいがこれに限定されるものではない。
一実現例によるポリチオール組成物の調製方法は、前記チオウロニウム塩溶液に塩基性溶液を添加して加水分解する段階を含む。
前記塩基性溶液は、有機塩基または無機塩基を含み得る。例えば、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸カリウム、炭酸ナトリウム、および酢酸ナトリウムを含む群より選択される1種以上の有機塩基、または、アンモニア、ヒドラジン、およびトリエチルアミンを含む群より選択される1種以上の無機塩基であり得る。具体的に、前記塩基性溶液は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、リン酸カリウム、炭酸ナトリウム、およびトリエチルアミンからなる群より選択された1種以上を含み得る。
一実現例によると、前記加水分解段階は、20℃〜70℃にて1時間以上行われ得る。例えば、前記加水分解段階は、20℃〜65℃、25℃〜60℃または30℃〜50℃にて1時間以上、2時間以上、1時間〜10時間、1時間〜9時間、または2時間〜9時間行われ得る。前記塩基性溶液の添加時間は、冷却施設、設備施設などを考慮して調節し得るが、塩基性溶液添加の際に前記温度範囲を満足すると、得られたポリチオール化合物の着色が容易に起こらない。
前記加水分解段階は、空気中または窒素雰囲気下で行われ、窒素雰囲気下で行われると、色の面で好ましいがこれに限定されるものではない。
一実現例によると、前記加水分解段階は、前記加水分解段階における反応物をゲル透過クロマトグラフィーで測定したグラフにおいて、Aピークの面積が総ピーク面積を基準に0.5%〜8%のときに前記加水分解反応を終了させる。
この際、前記Aピークは、前記グラフで最大ピーク(Bピーク)を基準に−0.37分±0.08分に位置するピークであり、前記ゲル透過クロマトグラフィーは、移動相としてテトラヒドロフランを使用し、カラムは2つが直列に連結され、前記カラム1つの長さが145mm〜155mmであり、直径が4.5mm〜4.7mmであり、前記カラムのポアサイズは44Å〜46Åであり、前記カラムの粒子サイズ(particle size)は1.6μm〜1.8μmであり、流量は0.45ml/分〜0.55ml/分、または0.5ml/分で、注入量は9.5μl〜10.5μl、または10μlである条件で測定する。前記カラムの粒子サイズは、粒径のことを指す。
具体的に、前記カラムはウォーターズ社(Waters Corp.)のACQUITY APC XT 45であり得る。
一実現例によると、前記加水分解段階で前記塩基性溶液を添加した後、5分〜15分間隔で前記反応物の一部を採取してGPCを測定し得る。例えば、前記加水分解段階で前記塩基性溶液を添加した後、5分〜13分、5分〜10分、または5分〜7分間隔で前記反応物の一部を採取してGPCを測定し得る。
一実現例によると、前記Aピークは、前記GPCグラフに表れた3官能ポリチオール化合物に対するピーク(Bピーク)を基準に、−0.37分±0.08分、−0.37分±0.06分、または−0.37分±0.05分であり得る。前記範囲を満足するときに加水分解段階を終了することにより、3官能ポリチオール化合物の不純物を効果的に除去して、3官能ポリチオール化合物の純度を向上させ得る。
一実現例によると、前記加水分解段階は、前記Aピークの面積が総ピーク面積を基準に5%未満のときに終了し得る。例えば、前記加水分解段階は、前記Aピークの面積が総ピーク面積を基準に、4%未満または3%未満のときに終了し得る。
一実現例によると、前記加水分解段階は、前記Aピークの面積が前記Bピークの面積を基準に、8%以下、8%未満、6%未満、5%未満、3%未満、0.5%〜8%、0.5%〜6%、0.5%〜5%、または0.5%〜3%のときに終了し得る。
一実現例によると、前記Bピークの成分は、下記化学式1で表される3官能ポリチオールを含み得る。
[化1]
Figure 2021096247

一実現例によると、前記化学式1で表される3官能ポリチオールは、前記ポリチオール組成物の総重量を基準に70重量%以上であり得る。例えば、前記化学式1で表される化合物は、前記ポリチオール組成物の総重量を基準に、73重量%以上、75重量%以上、78重量%以上、80重量%以上、83重量%以上、または85重量%以上であり得る。
一実現例によると、前記Aピークに該当する化合物(成分)は、前記ポリチオール組成物の総重量を基準に10重量%以下であり得る。例えば、Aピークの化合物は、前記ポリチオール組成物の総重量を基準に、8重量%未満、7.5重量%未満、または7重量%未満であり得る。
その後、必要に応じて追加の精製段階をさらに行っても良い。
具体的に、前記ポリチオール組成物に対して、酸洗浄、アルカリ洗浄、および水洗浄を含む群より選択される1種以上の精製段階を行っても良い。前記精製段階は繰り返し行われても良い。前記精製段階により、ポリチオール組成物中に残存する不純物などを除去し得るので、ポリチオール組成物の色を改善させ、これにより得られる光学材料の色を向上させ得る。
[4官能ポリチオール組成物の調製方法]
一実現例による4官能ポリチオール組成物の調製方法は、ハロゲン化合物またはアルコール化合物をチオ尿素と反応させてチオウロニウム塩溶液を調製する段階と、前記チオウロニウム塩溶液に塩基性溶液を添加して加水分解する段階とを含む。
一実現例によるポリチオール組成物の調製方法は、ハロゲン化合物またはアルコール化合物をチオ尿素と反応させてチオウロニウム塩溶液を調製する段階を含む。
まず、前記チオウロニウム塩溶液を調製する段階は、ハロゲン化合物とアルコール化合物を反応させてジオール化合物を調製し得る。
前記段階において前記アルコール化合物は、前記ハロゲン化合物1当量に対して、0.5当量〜2当量、1当量〜2当量、0.5当量〜1.5当量、または0.5当量〜1当量で反応させ得る。
この際、反応触媒として、第3級アミン、第4級アンモニウム塩、トリフェニルホスフィン、3価クロム系化合物などを使用し得る。例えば、トリエチルアミン、トリフェニルホスフィン、トリエチルアンモニウムクロリド、クロム(III)オクトエート等を使用し得る。
前記触媒は、前記ハロゲン化合物1当量に対して0.5当量〜2当量、または0.5当量〜1当量で使用し得る。
前記ハロゲン化合物は、F、Cl、Br、I等を含み得、例えば、エピクロロヒドリンであり得るが、これに限定されるものではない。前記アルコール化合物は、例えば、2−メルカプトエタノールであり得るが、これに限定されるものではない。
次いで、前記ジオール化合物を溶媒中で金属硫化物と反応させ、4官能のポリオール化合物を調製し得る。前記反応は、10℃〜50℃、具体的に20℃〜40℃の温度にて1時間〜10時間、1時間〜8時間、または1時間〜5時間行われ得る。前記金属硫化物は、例えば、硫化ナトリウム(NaS)であり得る。前記金属硫化物は、水溶液または固体状で使用し得る。前記金属硫化物は、前記ジオール化合物1当量に対して、0.4当量〜0.6当量、0.45当量〜0.57当量、または0.48当量〜0.55当量の量で使用し得る。
次いで、前記4官能ポリオール化合物をチオ尿素と酸性条件下で反応させてイソチオウロニウム塩を調製し得る。より具体的に、前記反応は還流下で行われ得る。
前記チオ尿素は、前記アルコール化合物1モルに対して3モル以上使用され得る。例えば、前記チオ尿素は、前記アルコール化合物1モルに対して、3モル〜6モルまたは4.6モル〜5モルの量で使用され得る。
前記酸性条件を形成するためには、塩酸溶液、塩化水素ガスなどを使用し得るが、反応が十分に起こり得るのであれば、使用される酸性物質の種類を特に限定しない。例えば、塩化水素を使用すると、十分な反応速度が得られ、製品の着色も防止し得る。また、前記酸性物質は、前記アルコール化合物1モルに対して、3モル以上、または3モル〜12モルの量で使用され得る。
前記還流は、90℃〜120℃または100℃〜110℃にて1時間〜10時間行われ得る。
前記チオウロニウム塩を調製する段階は、空気中または窒素雰囲気下で行うことができ、窒素雰囲気下で行われる場合、色の面で好ましいがこれに限定されるものではない。
一実現例によるポリチオール組成物の調製方法は、前記チオウロニウム塩溶液に塩基性溶液を添加して加水分解する段階を含む。
前記塩基性溶液は、有機塩基または無機塩基を含み得る。例えば、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸カリウム、炭酸ナトリウム、および酢酸ナトリウムを含む群より選択される1種以上の有機塩基、または、アンモニア、ヒドラジン、およびトリエチルアミンを含む群より選択される1種以上の無機塩基であり得る。具体的に、前記塩基性溶液は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、リン酸カリウム、炭酸ナトリウム、およびトリエチルアミンからなる群より選択された1種以上を含み得る。
一実現例によると、前記加水分解段階は、20℃〜70℃にて1時間以上行われ得る。例えば、前記加水分解段階は、20℃〜65℃、25℃〜60℃、または30℃〜50℃にて、1時間以上、2時間以上、1時間〜10時間、1時間〜9時間、または2時間〜9時間行われ得る。前記塩基性溶液の添加時間は、冷却施設、設備施設などを考慮して調節し得るが、塩基性溶液を添加する際に前記温度範囲を満足すると、得られたポリチオール化合物の着色が容易に起こらない。
前記加水分解段階は、空気中または窒素雰囲気下で行われ、窒素雰囲気下で行われると、色の面で好ましいがこれに限定されるものではない。
一実現例によると、前記加水分解段階は、前記加水分解段階における反応物をゲル透過クロマトグラフィーで測定したグラフにおいて、Cピークの面積が総ピーク面積を基準に0.5%〜8%のときに前記加水分解反応を終了させ得る。
この際、前記Cピークは、前記グラフで最大ピーク(Dピーク)を基準に−0.4分±0.15分に位置するピークであり、前記ゲル透過クロマトグラフィーは、移動相としてテトラヒドロフランを使用し、カラムは2つが直列に連結され、前記カラム1つの長さが145mm〜155mmであり、直径が4.5mm〜4.7mmであり、前記カラムのポアサイズは44Å〜46Åであり、前記カラムの粒子サイズ(particle size)は1.6μm〜1.8μmであり、流量は0.45ml/分〜0.55ml/分、または0.5ml/分であり、注入量は9.5μl〜10.5μl、または10μlである条件で測定する。前記カラムの粒子サイズは粒径のことを指す。
具体的に、前記カラムは、ウォーターズ社(Waters Corp.)のACQUITY APC XT 45であり得る。
一実現例によると、前記加水分解段階で前記塩基性溶液を添加した後、5分〜15分間隔で前記反応物の一部を採取してGPCを測定し得る。例えば、前記加水分解段階で前記塩基性溶液を添加した後、5分〜13分、5分〜10分、または5分〜7分間隔で前記反応物の一部を採取してGPCを測定し得る。
一実現例によると、前記Cピークは、前記GPCグラフで表れるポリチオール化合物に対するピーク(Dピーク)を基準に、−0.4分±0.15分、−0.4分±0.14分、−0.4分±0.13分、または−0.4分±0.10分であり得る。前記範囲を満足するときに加水分解段階を終了することにより、4官能ポリチオール化合物の不純物を効果的に除去して、4官能ポリチオール化合物の純度を向上させ得る。
一実現例によると、前記加水分解段階は、前記Cピークの面積が総ピーク面積を基準に5%未満のときに終了し得る。例えば、前記加水分解段階は、前記Cピークの面積が総ピーク面積を基準に4%未満、または3%未満のときに終了し得る。
一実現例によると、前記加水分解段階は、前記Cピークの面積が前記Dピークの面積を基準に、10%以下、10%未満、8%以下、8%未満、6%未満、5%未満、3%未満、0.5%〜10%、0.5%〜8%、0.5%〜6%、0.5%〜5%、または0.5%〜3%のときに終了し得る。
一実現例によると、前記Dピークの成分は、下記化学式2で表される4官能ポリチオールを含み得る。
[化2]
Figure 2021096247
一実現例によると、前記化学式2で表される4官能ポリチオールは、前記ポリチオール組成物の総重量を基準に70重量%以上であり得る。例えば、前記化学式2で表される化合物は、前記ポリチオール組成物の総重量を基準に、73重量%以上、75重量%以上、78重量%以上、80重量%以上、83重量%以上、または85重量%以上であり得る。
一実現例によると、前記Cピークに該当する化合物(成分)は、前記ポリチオール組成物の総重量を基準に10重量%以下であり得る。例えば、前記Cピークの化合物は、前記ポリチオール組成物の総重量を基準に、8重量%未満、7.5重量%未満、または7重量%未満であり得る。
その後、必要に応じて追加の精製段階をさらに行っても良い。前記精製段階は、3官能ポリチオール組成物の調製方法において説明した通りである。前記精製段階により、ポリチオール組成物中に残存する不純物などを除去し得るので、ポリチオール組成物の色を改善させ、これにより得られる光学材料の色を向上させ得る。
<ポリチオール組成物>
本願発明は、3官能ポリチオール化合物の純度が高いポリチオール組成物および4官能ポリチオール化合物の純度が高いポリチオール組成物を提供し得る。
[3官能ポリチオール組成物]
一実現例によるポリチオール組成物は、下記化学式1で表されるポリチオールを含み、全組成物をゲル透過クロマトグラフィーで測定したグラフにおいて、Aピークの面積が総ピーク面積を基準に0.5%〜8%である。
[化1]
Figure 2021096247

この際、前記Aピークは、前記グラフで最大ピーク(Bピーク)を基準に−0.37分±0.08分に位置するピークであり、前記ゲル透過クロマトグラフィーの条件は前記と同様である。
一実現例によると、前記ポリチオール組成物のJIS−K−0071−1規格によるAPHA(American Public Health Association)色数は、20未満、15以下、13以下、10以下、7以下、または5以下であり得る。
一実現例によると、前記ポリチオール組成物の色座標b*値は1.0以下、0.9以下、0.8以下、0.7以下、0.6以下、0.5以下、または0.4以下であり得る。
[4官能ポリチオール組成物]
一実現例によるポリチオール組成物は、下記化学式2で表される4官能ポリチオールを含み、全組成物をゲル透過クロマトグラフィーで測定したグラフにおいて、Cピークの面積が総ピーク面積を基準に0.5%〜8%である。
[化2]
Figure 2021096247

この際、前記Cピークは、前記グラフで最大ピーク(Dピーク)を基準に、−0.4分±0.15分に位置するピークであり、前記ゲル透過クロマトグラフィーの条件は前記と同様である。
一実現例によると、前記ポリチオール組成物のJIS−K−0071−1規格によるAPHA色数は、20未満、15以下、13以下、または10以下であり得る。
一実現例によると、前記ポリチオール組成物の色座標b*値は、1.0以下、0.9以下、0.8以下、0.7以下、0.6以下、または0.55以下であり得る。
<重合性組成物>
一実現例による重合性組成物は、ポリチオール組成物とイソシアネート系化合物とを含み、前記ポリチオール組成物は、前記化学式1で表される3官能ポリチオールを含み、前記ポリチオール組成物をゲル透過クロマトグラフィーで測定したグラフにおいて、Aピークの面積が総ピーク面積を基準に0.5%〜8%である。この際、前記Aピークは、前記グラフで最大ピーク(Bピーク)を基準に−0.37分±0.08分に位置するピークであり、前記ゲル透過クロマトグラフィーの条件は前記と同様である。
一実現例による重合性組成物は、ポリチオール組成物とイソシアネート系化合物とを含み、前記ポリチオール組成物は、前記化学式2で表される4官能ポリチオールを含み、前記ポリチオール組成物をゲル透過クロマトグラフィーで測定したグラフにおいて、Cピークの面積が総ピーク面積を基準に0.5%〜8%である。この際、前記Cピークは、前記グラフで最大ピーク(Dピーク)を基準に−0.4分±0.15分に位置するピークであり、前記ゲル透過クロマトグラフィーの条件は前記と同様である。
前記重合性組成物は、2官能または3官能のイソシアネート化合物を1種〜5種、1種〜3種、2種、または1種で含み得る。
前記イソシアネート化合物は例えば、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2−ジメチルペンタンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサンジイソシアネート、ブテンジイソシアネート、1,3−ブタジエン−1,4−ジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアナトメチルオクタン、ビス(イソシアナトエチル)カーボネート、ビス(イソシアナトエチル)エーテルなどの脂肪族イソシアネート化合物;イソホロンジイソシアネート、1,2−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、ジシクロヘキシルジメチルメタンイソシアネート、2,2−ジメチルジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネートなどの脂環式イソシアネート化合物;ビス(イソシアナトエチル)ベンゼン、ビス(イソシアナトプロピル)ベンゼン、ビス(イソシアナトブチル)ベンゼン、ビス(イソシアナトメチル)ナフタレン、ビス(イソシアナトメチル)ジフェニルエーテル、フェニレンジイソシアネート、エチルフェニレンジイソシアネート、イソプロピルフェニレンジイソシアネート、ジメチルフェニレンジイソシアネート、ジエチルフェニレンジイソシアネート、ジイソプロピルフェニレンジイソシアネート、トリメチルベンゼントリイソシアネート、ベンゼントリイソシアネート、ビフェニルジイソシアネート、トルイジンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3−ジメチルジフェニルメタン−4,4−ジイソシアネート、ビベンジル−4,4−ジイソシアネート、ビス(イソシアナトフェニル)エチレン、3,3−ジメトキシビフェニルメタン−4,4−ジイソシアネート、ヘキサヒドロベンゼンジイソシアネート、ヘキサヒドロジフェニルメタン−4,4−ジイソシアネート、o−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネートなどの芳香族イソシアネート化合物;ビス(イソシアナトエチル)スルフィド、ビス(イソシアナトプロピル)スルフィド、ビス(イソシアナトヘキシル)スルフィド、ビス(イソシアナトメチル)スルホン、ビス(イソシアナトメチル)ジスルフィド、ビス(イソシアナトプロピル)ジスルフィド、ビス(イソシアナトメチルチオ)メタン、ビス(イソシアナトエチルチオ)メタン、ビス(イソシアナトエチルチオ)エタン、ビス(イソシアナトメチルチオ)エタン、1,5−ジイソシアナト−2−イソシアナトメチル−3−チアペンタンなどの硫黄含有脂肪族イソシアネート化合物;ジフェニルスルフィド−2,4−ジイソシアネート、ジフェニルスルフィド−4,4−ジイソシアネート、3,3−ジメトキシ−4,4−ジイソシアナトジベンジルチオエーテル、ビス(4−イソシアナトメチルベンゼン)スルフィド、4,4−メトキシベンゼンチオエチレングリコール−3,3−ジイソシアネート、ジフェニルジスルフィド−4,4−ジイソシアネート、2,2−ジメチルジフェニルジスルフィド−5,5−ジイソシアネート、3,3−ジメチルジフェニルジスルフィド−5,5−ジイソシアネート、3,3−ジメチルジフェニルジスルフィド−6,6−ジイソシアネート、4,4−ジメチルジフェニルジスルフィド−5,5−ジイソシアネート、3,3−ジメトキシジフェニルジスルフィド−4,4−ジイソシアネート、4,4−ジメトキシジフェニルジスルフィド−3,3−ジイソシアネートなどの硫黄含有芳香族イソシアネート化合物;および2,5−ジイソシアナトチオフェン、2,5−ビス(イソシアナトメチル)チオフェン、2,5−ジイソシアナトテトラヒドロチオフェン、2,5−ビス(イソシアナトメチル)テトラヒドロチオフェン、3,4−ビス(イソシアナトメチル)テトラヒドロチオフェン、2,5−ジイソシアナト−1,4−ジチアン、2,5−ビス(イソシアナトチメチル)−1,4−ジチアン、4,5−ジイソシアナト−1,3−ジチオラン、4,5−ビス(イソシアナトメチル)−1,3−ジチオラン、4,5−ビス(イソシアナトメチル)−2−メチル−1,3−ジチオランなどの硫黄含有ヘテロ環式イソシアネート化合物からなる群より選択される1種以上であり得る。具体的に前記イソシアネート化合物は、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、およびシクロヘキサンジイソシアネートからなる群より選択される1種〜5種であり得るが、これに限定されるものではない。
前記イソシアネート化合物の重量平均分子量は、100g/mol〜900g/molまたは150g/mol〜800g/molであり得る。
前記重合性組成物は、前記ポリチオール化合物と、前記イソシアネート化合物を0.5〜1.5:1または0.8〜1.2:1のモル比で含み得る。
前記重合性組成物は、触媒をさらに含み得る。具体的に、前記触媒は、ジブチルスズジクロリド、ジメチルスズジクロリド、ジエチルスズジクロリド、ジプロピルスズジクロリド、ジイソプロピルスズジクロリド、およびジ−tert−ブチルスズジクロリドからなる群より選択された1種以上であり得る。
前記重合性組成物は、必要に応じて、内部離型剤、重合開始剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、青味剤(blueing agent)、鎖延長剤、架橋剤、光安定剤、酸化防止剤、充填剤などの添加剤をさらに含み得る。
前記内部離型剤は、例えば、パーフルオロアルキル基、ヒドロキシアルキル基またはリン酸エステル基を持つフッ素系非イオン界面活性剤と、ジメチルポリシロキサン基、ヒドロキシアルキル基またはリン酸エステル基を持つシリコーン系非イオン界面活性剤と、トリメチルセチルアンモニウム塩、トリメチルステアリルアンモニウム塩、ジメチルエチルセチルアンモニウム塩、トリエチルドデシルアンモニウム塩、トリオクチルメチルアンモニウム塩、ジエチルシクロヘキサドデシルアンモニウム塩などの第4級アルキルアンモニウム塩と、酸性リン酸エステルとからなる群より選択された1種以上を含み得る。
前記重合開始剤は、例えば、アミン系、リン系、有機スズ系、有機銅系、有機ガリウム、有機ジルコニウム、有機鉄系、有機亜鉛、有機アルミニウムなどが挙げられる。
前記熱安定剤は、例えば、金属脂肪酸塩系、リン系、鉛系、有機スズ系などが挙げられる。
前記紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチル酸系、シアノアクリレート系、オキサニリド系などが使用され得る。
前記青味剤は、可視光領域の中でオレンジ色から黄色の波長域に吸収帯を有し、樹脂からなる光学材料の色を調整する機能を有する。前記青味剤は、具体的に青から紫を示す物質を含み得るが、特に限定されるものではない。また、前記青味剤は、染料、蛍光増白剤、蛍光顔料、無機顔料などが挙げられるが、製造される光学部品に要求される物性や樹脂の色などに合わせて適宜選択し得る。前記青味剤は、それぞれ単独、または2種以上の組み合わせを使用し得る。前記青味剤は、重合性組成物に対する溶解性の観点および得られる光学材料の透明性の観点から、染料が好ましい。前記染料は吸収波長の観点から、具体的に、極大吸収波長が520nm〜600nmの染料であり得、より具体的に、極大吸収波長が540nm〜580nmの染料であり得る。また、化合物の構造の観点から、前記染料はアントラキノン系染料が好ましい。青味剤の添加方法は特に限定されず、予めモノマー系に添加し得る。具体的に、前記青味剤の添加方法は、モノマーに溶解しておく方法、または高濃度の青味剤を含有するマスター溶液を調製しておき、前記マスター溶液を使用するモノマーや他の添加剤で希釈して添加する方法など、様々な方法を使用し得る。
前記重合性組成物は、10℃にて24時間放置後の粘度が1000cps以上であり得る。具体的に、前記重合性組成物は、10℃にて24時間放置後の粘度が1000cps〜10000cps、または1500cps〜10000cpsであり得る。重合性組成物の10℃にて24時間放置後の粘度が前記範囲内の場合、前記組成物の反応性が大き過ぎて作業性が低下したり、前記組成物の反応性が小さ過ぎて調製収率が低くなったりする問題を防止し得る。
前記重合性組成物が、直径75mmおよび厚さ10mmの試験片で製造される場合、気泡発生率が0%〜10%であり得る。具体的に、前記重合性組成物が、直径75mmおよび厚さ10mmの試験片で製造時の気泡発生率が、0%〜8%、または0%〜5%であり得る。
<光学材料>
一実現例による光学レンズは、前記重合性組成物を加熱硬化して得られたものである。
具体的に、前記光学材料は、前記重合性組成物を硬化して得た成形体からなり得る。また、前記光学材料は、前記重合性組成物が重合および成形され製造され得る。
前記光学材料は、前記実現例による3官能または4官能ポリチオール組成物とポリイソシアネート化合物とを含む重合性組成物が重合(および硬化)されたポリチオウレタン系重合体を含み得る。前記重合反応において、SH基/NCO基の反応モル比は0.5〜3.0であり得、具体的には0.6〜2.0、または0.8〜1.3であり得る。前記範囲内であると、光学材料として要求される屈折率、耐熱性等の特性およびバランスを向上させ得る。
一実現例によると、前記3官能ポリチオール組成物から得られた光学材料の固相屈折率は1.63超〜1.71未満であり得る。例えば、前記光学材料の固相屈折率は1.64〜1.70または1.65〜1.69であり得る。
一実現例によると、前記3官能ポリチオール組成物から得られた光学材料の黄色指数(Y.I.)の値は、23.0未満であり得る。例えば、前記光学材料の黄色指数(Y.I.)の値は、15.0〜23.0、15.0〜22.0、15.0〜21.0、15.0〜20.0、15.0〜19.0または15.0〜18.0であり得る。
一実現例によると、前記4官能ポリチオール組成物から得られた光学材料の固相屈折率は1.63超〜1.71未満であり得る。例えば、前記光学材料の固相屈折率は、1.64〜1.70または1.65〜1.69であり得る。
一実現例によると、前記4官能ポリチオール組成物から得られた光学材料の黄色指数(Y.I.)の値は、23.0未満であり得る。例えば、前記光学材料の黄色指数(Y.I.)の値は、15.0〜23.0、15.0〜22.0、15.0〜21.0、15.0〜20.0、15.0〜19.0、15.0〜18.0、または16.0〜18.0であり得る。
前記光学材料は光学レンズであり得る。より具体的に、前記光学材料は、プラスチック光学レンズであり得る。また、前記光学材料は、製造時に使用するモールドの型を変えることにより様々な形状に製造され得る。具体的に、前記光学材料は、眼鏡レンズ、カメラレンズ、発光ダイオード(LED)等の形状であり得る。
実現例によると、前記重合性組成物から光学材料を製造する方法を提供する。具体的に、前記方法は、前記重合性組成物をモールドに注入した後、加熱硬化する段階を含み得る。
具体的に、前記光学材料は、前記重合性組成物を加熱硬化して得られた成形体からなり得る。また、前記光学材料は、重合性組成物が重合および成形され製造され得る。
まず、前記重合性組成物を減圧下で脱気(degassing)した後、光学材料成形用のモールドに注入する。このような脱気およびモールド注入は、例えば、5℃〜40℃の温度範囲で行われ、具体的に、5℃〜20℃の温度範囲で行われ得る。モールドに注入した後は、通常、低温から高温に徐々に加熱して重合を行う。前記重合反応の温度は、例えば、5℃〜200℃であり得、具体的に10℃〜150℃であり得る。また、反応速度を調節するために、ポリチオウレタンの調製に通常用いられる反応触媒が添加され得、その具体的な種類は前記例示した通りである。
その後、ポリチオウレタン系光学材料をモールドから分離する。
前記光学材料は、製造時に使用するモールドの型を変えることにより様々な形状であり得る。
前記方法から製造される光学材料の具体的な形状および物性は、前記例示した通りである。
(実施例)
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。実施例は、発明の要旨が変更されない限り、様々な形態に変形され得る。
(実施例1)
<3官能ポリチオール組成物の調製>
反応器内に、2−メルカプトエタノール200重量部、脱気水(溶存酸素濃度2ppm)200重量部、水酸化ナトリウム61.4重量部を混合した。エピクロロヒドリン118.4重量部を9℃〜13℃にてゆっくり滴下して3時間撹拌した。その後、前記反応器にチオ尿素360.5重量部および純度36%の塩酸666.8重量部を添加した後、110℃還流下で3時間撹拌して、チオウロニウム塩化反応を行った。反応器を45℃に冷却し、トルエン589.7重量部を添加して、26℃まで冷却した。次いで、33重量%の水酸化ナトリウム829重量部を徐々に滴下して添加しながら、下記の条件によるゲル透過クロマトグラフィー(GPC)を確認して加水分解を行った。この際、3官能ポリチオール化合物に対するピーク(Bピーク)を基準に−0.37分±0.08分に位置するAピークの面積が総ピーク面積を基準に8%未満のときに加水分解を終了した。
その後、36%塩酸234重量部を添加して33℃〜40℃にて30分間洗浄した。次いで、脱気水(溶存酸素濃度2ppm)530重量部を添加して35℃〜45℃にて30分間4回繰り返し洗浄した。その後、加熱減圧してトルエンおよび微量の水分を除去し、PTFEタイプのメンブレンフィルターで減圧ろ過して、3官能ポリチオール化合物を主成分とするポリチオール組成物250重量部を得た。
<GPC条件>
*装置:Waters APC system
*カラム:Acquity APC XT Column 45(直径4.6mm、長さ150mm)
*前記カラム2つが直列に連結
*移動相:テトラヒドロフラン(THF)
*流量:0.5ml/分
*合計測定時間:10分
*インジェクション体積:10μl
*検出器:RID(Refractive Index Detector、40℃)
図1は、実施例1のポリチオール組成物に対してGPCを行って得たグラフを示したものである。
下記表1は、前記実施例1の加水分解終了時点のピーク結果を示したものである。
Figure 2021096247
前記表1に示すように、実施例1は、3官能ポリチオール化合物に対するピーク(Bピーク)を基準に−0.37分±0.08分に位置するAピークの面積が総ピーク面積を基準に8%未満、つまり、1.61%のときに加水分解を終了した。
<光学材料の製造>
前記で調製したポリチオール組成物49.6重量部、m−キシリレンジイソシアネート50.4重量部、ジブチルスズジクロリド0.01重量部およびリン酸エステル離型剤(ZELEC(登録商標)、UN Stepan社)0.1重量部を均一に混合した後、600Paにおいて1時間脱泡工程を行った。その後、3μmテフロンフィルターにろ過した後、ガラスモールドとテープとからなるモールドに注入した。その後、前記モールドを25℃から120℃まで5℃/分の速度でゆっくり昇温した後、120℃にて18時間重合を行った。その後、モールドから離型して、120℃にて4時間さらに硬化してレンズの試験片を製造した。
(実施例2)
誤差範囲を考慮して、前記実施例1と同様にもう一度実験を行った。
図2は、実施例2のポリチオール組成物について、ゲル透過クロマトグラフィーを行って得たグラフを示したものである。
下記表2は、前記実施例2の加水分解終了時点のピーク結果を示したものである。
Figure 2021096247
前記表2に示すように、実施例2は、3官能ポリチオール化合物に対するピーク(Bピーク)を基準に−0.37分±0.08分に位置するAピークの面積が総ピーク面積を基準に8%未満、つまり、2.76%のときに加水分解を終了した。
(比較例1)
3官能ポリチオール化合物に対するピーク(Bピーク)を基準に−0.37分±0.08分に位置するAピークの面積が総ピーク面積を基準に8%超のときに加水分解を終了したことを除いては、前記実施例1と同様に実験した。
下記表3は、前記比較例1の加水分解終了時点のピーク結果を示したものである。
Figure 2021096247
前記表3に示すように、比較例1は、ポリチオール化合物に対するピーク(Bピーク)を基準に−0.37分±0.08分に位置するAピークの面積が総ピーク面積を基準に8%超、つまり、9.11%のときに加水分解を終了した。
(比較例2)
3官能ポリチオール化合物に対するピーク(Bピーク)を基準に−0.37分±0.08分に位置するAピークの面積が総ピーク面積を基準に0.5%未満のときに加水分解を終了したことを除いては、前記実施例1と同様に実験した。
下記表4は、前記比較例2の加水分解終了時点のピーク結果を示したものである。
Figure 2021096247
前記表4に示すように、比較例1は、ポリチオール化合物に対するピーク(Bピーク)を基準に−0.37分±0.08分に位置するAピークの面積が総ピーク面積を基準に0.5%未満、つまり、0.35%のときに加水分解を終了した。この際、前記加水分解工程の時間は約8時間以上であった。
(実施例3)
<4官能ポリチオール組成物の調製>
反応器内に、水43.0重量部、トリエチルアミン1.3重量部、および2−メルカプトエタノール73.0重量部を投入した後、温度を0℃に下げた。その後、15℃以下の温度にてエピクロロヒドリン88.0重量部を徐々に滴下添加して30℃にて1時間撹拌した。以降、25%の硫化ナトリウム水溶液145.0重量部を20℃〜25℃にてゆっくり滴下投入して3時間撹拌した。
その後、36%塩酸245.0重量部とチオ尿素149.0重量部とを投入し、110℃の温度にて還流下で3時間撹拌してチオウロニウム塩化反応を行った。
その後、50℃に冷却した後、トルエン200.0重量部および40%水酸化ナトリウム280.0重量部をゆっくり滴下添加しながらゲル透過クロマトグラフィー(GPC)を確認し、加水分解を行った。この際、4官能ポリチオール化合物に対するピーク(Dピーク)を基準に−0.4分±0.15分に位置するAピークの面積が総ピーク面積を基準に、10%未満のときに加水分解を終了した。
その後、36%塩酸120重量部を添加したトルエン溶液により33℃〜40℃にて30分間1回の洗浄を実施した。その後、脱気水(溶存酸素濃度2ppm)200重量部を添加して、35℃〜45℃にて30分間4回の洗浄を実施した。加熱減圧下でトルエンおよび微量の水分を除去した後、PTFEタイプのメンブレンフィルターで減圧ろ過して、4官能ポリチオール化合物を主成分とするポリチオール組成物125重量部を得た。GPC条件は前記と同様である。
図3は、実施例3のポリチオール組成物に対してGPCを行って得たグラフを示したものである。
下記表5は、前記実施例3の加水分解終了時点のピーク結果を示したものである。
Figure 2021096247
前記表5に示すように、実施例3は、4官能ポリチオール化合物に対するピーク(Dピーク)を基準に−0.4分±0.15分に位置するCピークの面積が総ピーク面積を基準に10%未満、つまり、6.96%のときに加水分解を終了した。
<光学材料の製造>
前記で調製したポリチオール組成物49.3重量部、m−キシリレンジイソシアネート50.7重量部、ジブチルスズジクロリド0.01重量部、およびリン酸エステル離型剤(ZELEC、UN Stepan社)0.1重量部を均一に混合した後、600Paにおいて1時間脱泡工程を行った。その後、3μmテフロンフィルターにろ過した後、ガラスモールドとテープとからなるモールドに注入した。その後、前記モールドを25℃から120℃まで5℃/分の速度でゆっくり昇温した後、120℃にて18時間重合を行った。その後、モールドから離型し、120℃にて4時間さらに硬化してレンズの試験片を製造した。
(実施例4)
誤差の範囲を考慮して、前記実施例3と同様にもう一度実験を行った。
図4は、実施例4のポリチオール組成物に対してゲル透過クロマトグラフィーを行って得たグラフを示したものである。
下記表6は、前記実施例4の加水分解終了時点のピーク結果を示したものである。
Figure 2021096247
前記表6に示すように、実施例4は、4官能ポリチオール化合物に対するピーク(Dピーク)を基準に−0.4分±0.15分に位置するCピークの面積が総ピーク面積を基準に10%未満、つまり、6.31%のときに加水分解を終了した。
(比較例3)
4官能ポリチオール化合物に対するピーク(Dピーク)を基準に−0.4分±0.15分に位置するCピークの面積が総ピーク面積を基準に10%超のときに加水分解を終了したことを除いては、前記実施例3と同様に実験した。
下記表7は、前記比較例3の加水分解終了時点のピーク結果を示したものである。
Figure 2021096247
前記表7に示すように、比較例3は、ポリチオール化合物に対するピーク(Dピーク)を基準に−0.4分±0.15分に位置するCピークの面積が総ピーク面積を基準に10%超、つまり、12.53%のときに加水分解を終了した。
(比較例4)
4官能ポリチオール化合物に対するピーク(Dピーク)を基準に−0.4分±0.15分に位置するCピークの面積が総ピーク面積を基準に1%未満のときに加水分解を終了したことを除いては、前記実施例3と同様に実験した。
下記表8は、前記比較例4の加水分解終了時点のピーク結果を示したものである。
Figure 2021096247
前記表8に示すように、比較例4は、ポリチオール化合物に対するピーク(Dピーク)を基準に−0.4分±0.15分に位置するCピークの面積が総ピーク面積を基準に1.0%未満、つまり、0.88%のときに加水分解を終了した。比較例4では、前記加水分解工程の時間が15時間以上超過した。
(評価例1:SH値の評価)
前記で調製した3官能ポリチオール組成物および4官能ポリチオール組成物のそれぞれについて、下記のように評価した。
ポリチオール組成物0.1gをビーカーに入れて、クロロホルム25mlを添加して10分間撹拌した。その後、メタノール10mlを添加して10分間撹拌した溶液を0.1Nのヨウ素標準溶液を用いて滴定した後、下記式によりSH値を計算した。
SH値(g/eq.)=試料重量(g)/{0.1×消費されたヨウ素の量(L)}
なお、SH値は(該当物質の分子量)/(SH官能基の数)であって、特定物質の重量当りのチオール官能基の数が分かる理論値である。しかし、実際のポリチオールは、不純物、水分、残留溶媒の影響により、測定値が理論値よりも高く表れる。これは、大部分の不純物が分子量に対するSH官能基の数が少ないためであり、不純物を多く含むほどSH値は上昇する。
(評価例2:液体屈折率の評価)
前記で調製した3官能ポリチオール組成物および4官能ポリチオール組成物のそれぞれについて、下記のように評価した。
前記で調製したポリチオール組成物について、京都電子工業社の液体屈折計(Refractometer)RA−600を利用して25℃にて測定した。
(評価例3:色評価)
前記で調製した3官能ポリチオール組成物および4官能ポリチオール組成物のそれぞれについて、下記のように評価した。
<APHA評価>
前記で調製したポリチオール組成物について、JIS K 0071−1規格に準拠して、標準溶液をAPHA5単位で調製した。対象組成物のAPHA色数を調製済みの標準溶液と目視で比較観察して、最も類似する色のAPHA色数を表示した。
<b*評価>
ポリチオール組成物の色をUV−Vis分光光度計(Lambda−365、PerkinElmer社)を用いて測定した。具体的に、石英セル(10mm×10mm)および光源D65/10°を用いて、380nm〜780nmの波長範囲にて1nm間隔で色を測定した。b*値が小さいほど色が良好である。
(評価例4:純度評価)
前記で調製した3官能ポリチオール組成物および4官能ポリチオール組成物のそれぞれについて、下記のように評価した。
前記で調製した3官能ポリチオール組成物に対するゲル透過クロマトグラフィーを行った結果生成されたピークにより、3官能ポリチオール化合物の含有量を測定した。4官能ポリチオール組成物についても同じ方法により行い、4官能ポリチオール化合物の含有量を測定した。
(評価例5:固体屈折率の評価)
前記で製造したレンズ試験片の固体屈折率をアッベ屈折計DR−M4(ATAGO社)を用いて、20℃にて測定した。
(評価例6:脈理評価)
脈理とは、組成物が硬化される際に硬化速度の差や反応速度の差によって局部的に相分離されて表れる外観不良のことを意味する。前記で製造したレンズ試験片を水銀灯の下で観察して、脈理がない場合は○、微細に部分脈理がある場合は△、脈理がひどい場合は×と表記した。
(評価例7:透明性の評価(白濁の有無))
前記で製造されたレンズ試験片について、以下のように白濁の有無を確認して透明性を評価した。具体的に、前記レンズを暗所でプロジェクターに照射して、レンズの曇りや不透明物質の有無を目視で確認した。レンズの曇りや不透明物質が存在しない場合は○、白濁がある場合は×と表記した。
(評価例8:黄色指数(Y.I.)評価)
前記で製造された厚さ9mm、φ75mmのレンズ試験片について、色差計、積分球分光測色計(SCINCO社)を用いて、色度座標xおよびyを測定した後、測定値を下記式に適用して黄色指数を計算した。
Y.I=(234x+106y+106)/y
前記評価例1〜8の結果を下記表9および10に示す。
表9は、3官能ポリチオール組成物に対する評価結果であり、表10は4官能ポリチオール組成物に対する評価結果である。
Figure 2021096247
Figure 2021096247
前記表9に示すように、実施例1および2で調製されたポリチオール組成物は、3官能ポリチオール化合物の純度が高く、SH値、液体屈折率、b*、およびAPHA色数がすべて優れていた。また、これを用いて製造された光学材料の固体屈折率、脈理、透明性、および黄色指数(Y.I)もすべて優れていることが分かる。また、比較例2では加水分解の工程時間が長すぎて、レンズの性能が向上されておらず、むしろ低下する傾向がある。
また、前記表10に示すように、実施例3および4で調製されたポリチオール組成物は、4官能ポリチオール化合物の純度が高く、SH値、液体屈折率、b*、およびAPHA色数がすべて優れていた。また、これを用いて製造された光学材料の固体屈折率、脈理、透明性、および黄色指数(Y.I)もすべて優れていることが分かる。また、比較例4では、加水分解の工程時間が長すぎて、レンズの性能が向上されておらず、むしろ低下する傾向がある。

Claims (12)

  1. ハロゲン化合物またはアルコール化合物をチオ尿素と反応させてチオウロニウム塩溶液を調製する段階と、
    前記チオウロニウム塩溶液に塩基性溶液を添加して加水分解する段階とを含み、
    前記加水分解段階における反応物をゲル透過クロマトグラフィーで測定したグラフにおいて、Aピークの面積が総ピーク面積を基準に0.5%〜8%のときに前記加水分解反応を終了させる、ポリチオール組成物の調製方法において、
    前記Aピークは、前記グラフで最大ピーク(Bピーク)を基準に−0.37分±0.08分に位置するピークであり、
    前記ゲル透過クロマトグラフィーは、移動相としてテトラヒドロフランを使用し、カラムは2つが直列に連結され、前記カラム1つの長さが145mm〜155mmであり、直径が4.5mm〜4.7mmであり、前記カラムのポアサイズは44Å〜46Åであり、前記カラムの粒径が1.6μm〜1.8μmであり、流量は0.45ml/分〜0.55ml/分であり、注入量は9.5μl〜10.5μlである条件で測定する、ポリチオール組成物の調製方法。
  2. 前記加水分解段階は、前記Aピークの面積が総ピーク面積を基準に5%未満のときおおび前記Bピークの面積を基準に8%未満のときに終了される、請求項1に記載のポリチオール組成物の調製方法。
  3. 前記加水分解段階で前記塩基性溶液を添加した後、5分〜15分間隔で前記反応物の一部を採取して前記ゲル透過クロマトグラフィーで測定する、請求項1に記載のポリチオール組成物の調製方法。
  4. 前記Bピークの成分が、下記化学式1で表される3官能ポリチオールを含み、
    [化1]
    Figure 2021096247

    前記化学式1で表される3官能ポリチオールが、前記ポリチオール組成物の総重量を基準に70重量%以上である、請求項1に記載のポリチオール組成物の調製方法。
  5. 前記加水分解段階が、20℃〜70℃にて1時間〜9時間行われる、請求項1に記載のポリチオール組成物の調製方法。
  6. 下記化学式1で表される3官能ポリチオールを含み、
    全組成物をゲル透過クロマトグラフィーで測定したグラフにおいて、Aピークの面積が総ピーク面積を基準に0.5%〜8%である、ポリチオール組成物において、
    [化1]
    Figure 2021096247

    前記Aピークは、前記組成物の最大ピーク(Bピーク)を基準に−0.37分±0.08分に位置するピークであり、
    前記ゲル透過クロマトグラフィーは、移動相としてテトラヒドロフランを使用し、カラムは2つが直列に連結され、前記カラム1つの長さが145mm〜155mmであり、直径が4.5mm〜4.7mmであり、前記カラムのポアサイズは44Å〜46Åであり、前記カラムの粒径が1.6μm〜1.8μmであり、流量は0.45ml/分〜0.55ml/分であり、注入量は9.5μl〜10.5μlである条件で測定する、ポリチオール組成物。
  7. ハロゲン化合物またはアルコール化合物をチオ尿素と反応させてチオウロニウム塩溶液を調製する段階と、
    前記チオウロニウム塩溶液に塩基性溶液を添加して加水分解する段階とを含み、
    前記加水分解段階における反応物をゲル透過クロマトグラフィーで測定したグラフにおいて、Cピークの面積が総ピーク面積を基準に0.5%〜8%のときに前記加水分解反応を終了させる、ポリチオール組成物の調製方法において、
    前記Cピークは、前記グラフで最大ピーク(Dピーク)を基準に−0.4分±0.15分に位置するピークであり、
    前記ゲル透過クロマトグラフィーは、移動相としてテトラヒドロフランを使用し、カラムは2つが直列に連結され、前記カラム1つの長さが145mm〜155mmであり、直径が4.5mm〜4.7mmであり、前記カラムのポアサイズは44Å〜46Åであり、前記カラムの粒径が1.6μm〜1.8μmであり、流量は0.45ml/分〜0.55ml/分であり、注入量は9.5μl〜10.5μlである条件で測定する、ポリチオール組成物の調製方法。
  8. 前記加水分解段階は、前記Cピークの面積が総ピーク面積を基準に5%未満であるときおよび前記Dピークの面積を基準に10%未満のときに終了される、請求項7に記載のポリチオール組成物の調製方法。
  9. 前記加水分解段階で前記塩基性溶液を添加した後、5分〜15分間隔で前記反応物の一部を採取して、前記ゲル透過クロマトグラフィーで測定する、請求項7に記載のポリチオール組成物の調製方法。
  10. 前記Dピークの成分が下記化学式2で表される4官能ポリチオールを含み、
    [化2]
    Figure 2021096247

    前記化学式2で表される4官能ポリチオールが、前記ポリチオール組成物の総重量を基準に70重量%以上である、請求項7に記載のポリチオール組成物の調製方法。
  11. 前記加水分解段階が、20℃〜70℃にて1時間〜9時間行われる、請求項7に記載のポリチオール組成物の調製方法。
  12. 下記化学式2で表される4官能ポリチオールを含み、
    全組成物をゲル透過クロマトグラフィーで測定したグラフにおいて、Cピークの面積が総ピーク面積を基準に0.5%〜8%である、ポリチオール組成物において、
    [化2]
    Figure 2021096247

    前記Cピークは、前記組成物の最大ピーク(Dピーク)を基準に−0.4分±0.15分に位置するピークであり、
    前記ゲル透過クロマトグラフィーは、移動相としてテトラヒドロフランを使用し、カラムは2つが直列に連結され、前記カラム1つの長さが145mm〜155mmであり、直径が4.5mm〜4.7mmであり、前記カラムのポアサイズは44Å〜46Åであり、前記カラムの粒径が1.6μm〜1.8μmであり、流量は0.45ml/分〜0.55ml/分であり、注入量は9.5μl〜10.5μlである条件で測定する、ポリチオール組成物。
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