JP2021095767A - 構造物 - Google Patents

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Abstract

【課題】跳出し部のたわみ量を低減することを目的とする。【解決手段】構造物10は、構造物本体40と、構造物本体40から跳ね出す跳出し部60,62と、立面視にて、跳出し部60,62の下部から構造物本体40側へ向けて斜め上方へ延びるとともに、跳出し部60,62にプレストレスを導入する斜め緊張材70と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、構造物に関する。
所定階から跳ね出す跳出し部(せり出し部)を備える免震構造物が知られている(例えば、特許文献1参照)。この種の構造物では、跳出し部の跳ね出し量を長くすることにより、フロア面積を広げることができる。
特開2015−175172号公報
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、跳出し部の跳ね出し量を長くすると、跳出し部のたわみ量が増加し、耐震性能が低下する可能性がある。
本発明は、上記の事実を考慮し、跳出し部のたわみ量を低減することを目的とする。
請求項1に記載の構造物は、構造物本体と、前記構造物本体から跳ね出す跳出し部と、立面視にて、前記跳出し部の下部から前記構造物本体側へ向けて斜め上方へ延びるとともに、前記跳出し部にプレストレスを導入する第一緊張材と、を備える。
請求項1に係る構造物によれば、構造物本体と、構造物本体から跳ね出す跳出し部とを備える。また、第一緊張材は、立面視にて、跳出し部の下部から構造物本体側へ向けて斜め上方へ延びる。この第一緊張材によって跳出し部にプレストレスが導入される。
ここで、跳出し部の跳ね出し量を長くすることにより、フロア面積を広くすることができる。一方、跳出し部の跳ね出し量を長くすると、跳出し部のたわみ量が増加し、耐震性能が低下する可能性がある。
この対策として本発明では、前述したように、第一緊張材によって跳出し部にプレストレスを導入することにより、跳出し部のたわみ量が低減される。したがって、本発明では、跳出し部の跳ね出し量を長くしつつ、跳出し部のたわみ量を低減することができる。
請求項2に記載の構造物は、請求項1に記載の構造物において、前記第一緊張材の上端部の周囲に配置され、立面視にて前記第一緊張材と交差する方向に延びるとともに、前記第一緊張材の前記上端部の周囲にプレストレスを導入する第二緊張材を備える。
請求項2に係る構造物によれば、第二緊張材は、第一緊張材の上端部の周囲に配置されるとともに、立面視にて第一緊張材と交差する方向に延びる。
ここで、緊張した第一緊張材によって跳出し部にプレストレスを導入すると、第一緊張材の上端部の周囲にひび割れ等が発生する可能性がある。
この対策として本発明では、第二緊張材によって、第一緊張材の上端部の周囲にプレストレスを導入する。これにより、第一緊張材の上端部の周囲のひび割れ等が抑制される。
請求項3に記載の構造物は、構造物本体と、前記構造物本体から跳ね出す跳出し部と、前記跳出し部の下部から上方へ延びるとともに、前記跳出し部にプレストレスを導入する第一緊張材と、前記第一緊張材の上端部の周囲に配置され、前記跳出し部から前記構造物本体側へ延びるとともに、前記跳出し部にプレストレスを導入する第二緊張材と、を備える。
請求項3に係る構造物によれば、構造物本体と、構造物本体から跳ね出す跳出し部とを備える。また、第一緊張材は、跳出し部の下部から上方へ延びる。この第一緊張材によって、跳出し部にプレストレスが導入される。また、第一緊張材の上端部の周囲には、第二緊張材が配置される。第二緊張材は、跳出し部から構造物本体側へ延びる。この第二緊張材によって、跳出し部にプレストレスが導入される。
ここで、跳出し部の跳ね出し量を長くすることにより、フロア面積を広くすることができる。一方、跳出し部の跳ね出し量を長くすると、跳出し部のたわみ量が増加し、耐震性能が低下する可能性がある。
この対策として本発明では、前述したように、第一緊張材及び第二緊張材によって跳出し部にプレストレスを導入することにより、跳出し部のたわみ量が低減される。したがって、本発明では、跳出し部の跳ね出し量を長くしつつ、跳出し部のたわみ量を低減することができる。
請求項4に記載の構造物は、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の構造物において、前記構造物本体を支持する複数の免震装置を備え、前記跳出し部は、前記免震装置のよりも外側へ跳ね出す。
請求項4に係る構造物によれば、構造物本体を支持する複数の免震装置を備える。
ここで、例えば、地震時に、構造物本体に作用する転倒モーメントによって免震装置に引抜き力が作用すると、免震装置が破損する可能性がある。
これに対して本発明では、跳出し部が免震装置よりも外側へ跳ね出している。そのため、跳出し部の重量によって、免震装置に作用する引抜き力が低減される。したがって、免震装置の破損が抑制される。
また、免震装置で支持された構造物本体に跳出し部を設けることにより、免震装置の数を低減しつつ、フロア面積を広げることができる。
以上説明したように、本発明によれば、跳出し部のたわみ量を低減することができる。
図1は、第一実施形態に係る構造物を示す立面図である。 図2は、図1の2−2線断面図である。 図3は、図1の3−3線断面図である。 図4は、図1の4−4線断面図である。 図5は、第二実施形態に係る構造物の跳出し部を示す立面図である。
(第一実施形態)
先ず、第一実施形態について説明する。
(構造物)
図1には、本実施形態に係る構造物10が示されている。構造物10は、免震構造物とされている。この構造物10は、基礎20と、複数の免震装置30と、構造物本体40と、複数の跳出し部60と、複数の斜め緊張材70と、複数の横緊張材80とを有している。
(基礎)
基礎20は、複数の杭22と、基礎スラブ24とを有している。複数の杭22は、地盤12に設けられている。これらの杭22の上には、基礎スラブ24が設けられている。基礎スラブ24は、地盤12を掘削した地下空間26に設けられている。地下空間26には、複数の免震装置30が設置される免震層28(免震ピット)が形成されている。
なお、基礎20は、支持体の一例である。また、杭22は、必要に応じて設ければ良く、適宜省略可能である。
(免震装置)
複数の免震装置30は、積層ゴム支承とされており、下側フーチング32を介して基礎スラブ24の上面に接合されている。また、複数の免震装置30の上には、構造物本体40が設けられている。これらの免震装置30によって、構造物本体40が基礎20に対して水平方向に移動可能に支持されている。
なお、免震装置30は、積層ゴム支承に限らず、例えば、滑り支承又は転がり支承等であっても良い。
(構造物本体)
構造物本体40は、複数階で構成されている。また、構造物本体40は、上下左右に連続する複数の外周架構42を有している。複数の外周架構42は、鉄筋コンクリート造の柱44及び梁46よって形成されている。また、複数の外周架構42の構面内には、鉄筋コンクリート造の外壁48がそれぞれ設けられている。複数の外壁48は、複数階に渡って上下方向に連続する連層壁とされている。また、複数の外壁48は、横方向(水平方向)にも連続している。
構造物本体40の最下階の床は、フラットスラブ50で形成されている。このフラットスラブ50は、複数の免震装置30によって支持されている。具体的には、フラットスラブ50は、免震装置30の上に載置されており、その下面が免震装置30の上端部(上側フランジ)に接合されている。
なお、本実施形態では、フラットスラブ50の下面と免震装置30の上端部(上側フランジ)との間の上側フーチングが省略されている。これにより、本実施形態では、上側フーチングがある場合と比較して、免震層28の階高が低くされている。
(跳出し部)
構造物本体40の両側には、跳出し部60,62がそれぞれ設けられている。各跳出し部60,62は、構造物本体40から外側へ跳ね出している。また、各跳出し部60,62は、外周の免震装置30よりも外側へ跳ね出している。さらに、各跳出し部60,62は、構造物本体40と同様に、外周架構(跳出し外周架構)42及び外壁48を有している。
一方の跳出し部60は、構造物本体40の二階から最上階に渡っている。この跳出し部60は、片持ち状態で構造物本体40に支持されている。また、跳出し部60の下側には、駐車場等に利用可能な屋外スペース64が形成されている。なお、一方の跳出し部60の二階及び三階では、2スパン分の外周架構42が跳ね出している。また、一方の跳出し部60の四階から最上階では、1スパン分の外周架構42が跳ね出している。
他方の跳出し部62は、構造物本体40における一方の跳出し部60と反対側に設けられている。この跳出し部62は、構造物本体40の一階から最上階に渡っている。この跳出し部62は、片持ち状態で構造物本体40に支持されている。なお、他方の跳出し部62の一階から最上階では、1スパン分の外周架構42が跳ね出している。
(斜め緊張材)
両側の跳出し部60,62には、複数の斜め緊張材70によってプレストレスがそれぞれ導入されている。なお、一方の跳出し部60の斜め緊張材70と、他方の跳出し部62の斜め緊張材70とは、同様の構成とされている。したがって、以下では、一方の跳出し部60の斜め緊張材70について説明し、他方の跳出し部62の斜め緊張材70について説明を適宜省略する。
斜め緊張材70は、例えば、PC鋼棒又はPC鋼線等のPC鋼材によって形成されている。また、斜め緊張材70は、跳出し部60の跳ね出し方向の先端側の下端部から、構造物本体40側へ向けて斜め上方へ延びており、その上端部70Uが構造物本体40に達している。
なお、本実施形態では、複数(5本)の斜め緊張材70が設けられているが、斜め緊張材70は、少なくとも1本あれば良く、その本数は適宜変更可能である。また、鉛直方向(又は水平方向)に対する斜め緊張材70の傾斜角度は、適宜変更可能である。
図1及び図2に示されるように、斜め緊張材70は、跳出し部60及び構造物本体40における外周架構42(柱44及び梁46)及び外壁48に埋設されている。より具体的には、図3に示されるように、例えば、跳出し部60及び構造物本体40の外壁48には、円筒状のシース管72が埋設されている。このシース管72の内部に斜め緊張材70がスライド可能に挿入されている。なお、図示を省略するが、柱44及び梁46にも、斜め緊張材70が挿入されるシース管が埋設されている。
斜め緊張材70の下端部70Lは、例えば、跳出し部60の下端部を構成する梁46の下面に、図示しない定着具によって定着(固定)されている。また、斜め緊張材70の上端部70Uは、構造物本体40の梁46の上面に、図示しない定着具によって定着(固定)されている。
なお、以下では、説明の便宜上、斜め緊張材70の上端部70Uが固定された梁46を梁46Pとする。梁46Pは、横に連続しており、構造物本体40と両側の跳出し部60,62とに渡っている。
斜め緊張材70は、緊張した状態で、跳出し部60及び構造物本体40に定着されている。これにより、跳出し部60及び構造物本体40に、斜め方向(矢印G方向)のプレストレスが導入されている。この斜め方向のプレストレスによって、跳出し部60のたわみ量が低減されている。
ここで、斜め緊張材70に緊張させると、斜め緊張材70の上端部70Uが定着された梁46Pに、部分的に大きな圧縮力が作用する。そのため、斜め緊張材70の上端部70Uの周囲において、構造物本体40にひび割れが発生し易くなる。この対策として本実施形態では、横緊張材80によって、斜め緊張材70の上端部70Uの周囲の梁46Pにプレストレスを導入している。
(横緊張材)
横緊張材80は、例えば、PC鋼棒又はPC鋼線等のPC鋼材によって形成されている。また、横緊張材80は、斜め緊張材70の上端部70Uの周囲に配置されており、立面視にて、斜め緊張材70と交差する交差方向(矢印C方向)に延びている。具体的には、横緊張材80は、斜め緊張材70の上端部70Uが定着された梁46Pに沿って配置されており、立面視にて、斜め緊張材70の上端部70Uとそれぞれ交差している。
なお、本実施形態では、複数(3本)の横緊張材80が設けられているが、横緊張材80は、少なくとも1本あれば良く、その本数は適宜変更可能である。また、立面視にて、斜め緊張材70に対する横緊張材80の傾斜角度は、適宜変更可能である。
横緊張材80は、連続する梁46Pに埋設されており、一方の跳出し部60の先端側から他方の跳出し部62の先端側に渡っている。より具体的には、図4に示されるように、梁46Pには、円筒状のシース管82が埋設されている。このシース管82の内部に横緊張材80がスライド可能に挿入されている。
横緊張材80の一端部80Aは、一方の跳出し部60の先端側に図示しない定着具によって定着(固定)されている。また、横緊張材80の他端部80Bは、他方の跳出し部62の先端側に、図示しない定着具によって定着(固定)されている。なお、連続する梁46Pの一端側及び他端側の周囲には、横緊張材80に対して傾斜する補強筋84が適宜埋設されている。
横緊張材80は、緊張した状態で、梁46Pに定着されている。これにより、斜め緊張材70の上端部70Uが定着された梁46Pに、交差方向(矢印C方向、横方向)のプレストレスが導入されている。この交差方向のプレストレスによって、斜め緊張材70の上端部70Uの周囲において、構造物本体40に発生するひび割れが抑制されている。
(作用)
次に、第一実施形態の作用について説明する。
本実施形態に係る構造物10によれば、構造物本体40は、複数の免震装置30を介して基礎20に支持されている。この構造物本体40の両側には、跳出し部60,62が設けられている。跳出し部60,62は、構造物本体40から外側へそれぞれ跳ね出しており、構造物本体40に片持ち状態で支持されている。また、跳出し部60,62は、基礎20よりも外側へ跳ね出しており、構造物本体40を介して基礎20に支持されている。
このように構造物本体40の両側に、基礎20よりも外側へ跳ね出す跳出し部60,62を設けることにより、構造物10のフロア面積を確保しつつ、基礎20の平面面積を小さくすることができる。したがって、基礎20の施工コストを削減することができる。
また、構造物本体40の二階以上から跳出し部60を跳ね出させることにより、構造物10のフロア面積を確保しつつ、跳出し部60の下側に駐車場等に利用可能な屋外スペース64を形成することができる。
さらに、本実施形態では、構造物本体40の一階のスラブがフラットスラブ50とされており、このフラットスラブ50の下面に複数の免震装置30の上端部(上側フランジ)が接合されている。
ここで、比較例として、構造物本体40の一階のスラブがフラットスラブ50ではなく、梁に支持にされた構造物では、例えば、梁の下面に免震装置30の上端部が接合される。しかしながら、この比較例では、梁の梁成分、免震層の階高が本実施形態の免震層28の階高よりも高くなる。そのため、比較例において、構造物本体40の一階の床レベルを本実施形態と同じにした場合、地盤12の根切り底が本実施形態よりも深くなり、地盤12の掘削量が増加する。換言すると、本実施形態では、構造物本体40の一階のスラブを支持する梁が存在しないため、地盤12の根切り底が比較例よりも浅くなり、地盤12の掘削量が低減される。
このように本実施形態では、構造物本体40の一階のスラブをフラットスラブ50とし、このフラットスラブ50に免震装置30の上端部を接合することにより、地盤12の掘削量が低減される。したがって、基礎20の施工コストをさらに低減することができる。
さらに、本実施形態では、フラットスラブ50と免震装置30との間の上側フーチングが省略されている。これにより、本実施形態では、フラットスラブ50と免震装置30との間に上側フーチングがある構成と比較して、免震層28の階高が低くなる。したがって、本実施形態では、地盤12の掘削量がさらに低減される。
また、前述したように、跳出し部60,62は、構造物本体40に片持ち状態で支持されるため、免震装置30の数が低減される。したがって、免震装置30のコストも削減することができる。
ここで、一般に、地震時に免震構造物に転倒モーメントが作用すると、免震構造物の外周部を支持する免震装置に引抜き力が作用し、免震装置が破損する可能性がある。
これに対して本実施形態では、跳出し部60,62が外周の免震装置30よりも外側へ跳ね出している。そのため、跳出し部60,62の重量によって、免震装置30に作用する引抜き力が低減される。したがって、免震装置30の破損が抑制される。
また、本実施形態では、構造物本体40の両側に跳出し部60,62が設けられている。これにより、本実施形態では、構造物本体40の片側にのみ跳出し部が設けられた構成と比較して、構造物本体40の重量バランスが良好になる。したがって、地震時に、構造物本体40に作用する転倒モーメントが低減される。
ところで、跳出し部60,62の跳ね出し量が長くなるに従って、構造物10のフロア面積が広くなる。しかし、跳出し部60,62の跳ね出し量が長くなると、跳出し部60,62のたわみ量が増加し、耐震性能が低下する可能性がある。
この対策として本実施形態では、跳出し部60,62に複数の斜め緊張材70を設けている。複数の斜め緊張材70は、立面視にて、跳出し部60,62の下部から構造物本体40側へ向けて斜め上方へ延びており、その上端部70Uが構造物本体40に達している。また、複数の斜め緊張材70は、緊張した状態で、跳出し部60,62及び構造物本体40に定着されている。これらの斜め緊張材70によって、跳出し部60,62に斜め方向(矢印G方向)のプレストレスが導入されている。
このように複数の斜め緊張材70によって跳出し部60,62に斜め方向のプレストレスを導入することにより、跳出し部60,62に作用する長期応力が相殺され、又は低減される。この結果、跳出し部60,62のたわみ量(クリープ変形等も含む)が低減される。したがって、本実施形態では、跳出し部60,62の跳ね出し量を長くしつつ、跳出し部60,62のたわみ量を低減することができる。
ここで、斜め緊張材70を緊張させると、斜め緊張材70の上端部70Uの周囲において、構造物本体40にひび割れが発生する可能性がある。
この対策として本実施形態では、斜め緊張材70の上端部70Uが定着される梁46Pに、複数の横緊張材80が設けられている。複数の横緊張材80は、複数の斜め緊張材70の上端部70Uの周囲に配置されている。また、複数の横緊張材80は、梁46Pに沿って配置され、立面視にて斜め緊張材70と交差する交差方向(矢印C方向)に延びている。さらに、複数の横緊張材80は、緊張した状態で跳出し部60,62に定着されている。これらの横緊張材80によって、梁46Pに交差方向のプレストレスが導入されている。
このように横緊張材80によって、梁46Pに交差方向のプレストレスを導入することにより、複数の斜め緊張材70の上端部70Uの周囲において、構造物本体40に発生するひび割れが抑制される。
さらに、横緊張材80の一端部80A及び他端部80Bが定着される跳出し部60,62の先端側は、補強筋84によってそれぞれ補強されている。これにより、跳出し部60,62の先端側に発生するひび割れも抑制される。
(第二実施形態)
次に、第二実施形態について説明する。なお、第二実施形態において、第一実施形態と同じ構成の部材等には、同符号を付して説明を適宜省略する。
図5に示されるように、第二実施形態に係る構造物10は、構造物本体40と、跳出し部60,62(図1参照)と、縦緊張材90と、横緊張材100とを備えている。なお、縦緊張材90は、第一緊張材の一例であり、横緊張材100は、第二緊張材の一例である。
(縦緊張材)
縦緊張材90は、例えば、PC鋼棒又はPC鋼線等のPC鋼材によって形成されている。また、縦緊張材90は、跳出し部60の跳ね出し方向の先端部の下端部から上方へ延びており、その上端部90Uが跳出し部60の上端部に達している。この縦緊張材90によって、跳出し部60の先端部に上下方向(矢印V方向)のプレストレスが導入されている。
具体的には、縦緊張材90は、跳出し部60の跳ね出し方向の先端部を形成する柱44に埋設されている。なお、以下では、説明の便宜上、縦緊張材90が埋設された柱44を柱44Pとする。
縦緊張材90は、柱44Pの材軸方向に沿って配置されるとともに、柱44Pの下端部から上端部に渡っている。この縦緊張材90の下端部90Lは、図示しない定着具によって柱44Pの下端部に定着(固定)されている。また、縦緊張材90の上端部90Uは、図示しない定着具によって柱44Pの上端部に定着(固定)されている。さらに、縦緊張材90は、緊張した状態で、柱44Pに定着されている。これにより、柱44Pに上下方向のプレストレスが導入されている。
(横緊張材)
横緊張材100は、例えば、PC鋼棒又はPC鋼線等のPC鋼材によって形成されている。また、横緊張材100は、縦緊張材90の上端部90Uの周囲に配置されている。さらに、横緊張材100は、跳出し部60の上端部から構造物本体40側へ略水平に延びており、その他端部が構造物本体40又は他方の跳出し部62(図1参照)に達している。この横緊張材100によって、跳出し部60の上端部にプレストレスが導入されている。
具体的には、横緊張材100は、柱44Pの上端部、当該上端部に接合された梁46に沿って配置されており、立面視にて、縦緊張材90と交差する交差方向に延びている。なお、以下では、説明の便宜上、横緊張材100が埋設された梁46を梁46Qとする。梁46Qは、横に連続しており、一方の跳出し部60から他方の跳出し部62(図1参照)に渡っている。
横緊張材100の一端部100Aは、柱44Pの上端部に、図示しない定着具によって定着(固定)されている。また、横緊張材100の他端部(図示省略)は、構造物本体40又は他方の跳出し部62に、図示しない定着具によって定着(固定)されている。さらに、横緊張材100は、緊張されている。これにより、跳出し部60の上端側に横方向(矢印H方向)のプレストレスが導入されている。
(作用)
次に、第二実施形態の作用について説明する。
図5に示されるように、本実施形態に係る構造物10によれば、縦緊張材90は、跳出し部60の跳ね出し方向の先端部を形成する柱44Pに埋設されている。この縦緊張材90は、柱44Pの下端部から上方へ延びており、柱44Pの上端部に達している。この縦緊張材90によって、跳出し部60の先端部に上下方向(矢印V方向)のプレストレスが導入されている。これにより、二点鎖線Xで示されるように、跳出し部60の先端部が上下方向に圧縮されている。
また、縦緊張材90の上端部90Uの周囲には、横緊張材100が配置されている。横緊張材100は、柱44Pの上端部から構造物本体40側へ延びている。この横緊張材100によって、跳出し部60に横方向(矢印H方向)のプレストレスが導入される。これにより、矢印Rで示されるように、跳出し部60の先端部が上方へ吊り上げられる。この結果、跳出し部60のたわみ量(クリープ変形も含む)が低減される。
このように縦緊張材90及び横緊張材100によって跳出し部60にプレストレスを導入することにより、跳出し部60のたわみ量が低減される。したがって、本実施形態では、跳出し部60の跳ね出し量を長くしつつ、跳出し部60のたわみ量を低減することができる。
また、縦緊張材90は柱44Pに埋設されており、横緊張材100は梁46Qに埋設されている。そのため、本実施形態では、例えば、第一実施形態のように、跳出し部60等の外周架構42及び外壁48に斜め緊張材70(図1参照)を斜めに埋設する場合と比較して、縦緊張材90及び横緊張材100の施工性が向上する。
なお、本実施形態では、縦緊張材90が跳出し部60の先端部に設けられている。しかし、縦緊張材90は、跳出し部60の先端部に限らず、例えば、跳出し部60の跳ね出し方向の中間部や基端部に設けられても良い。ただし、跳出し部60のたわみ量の効率的に低減する観点から、縦緊張材90は、跳出し部60の跳ね出し方向の中央よりも先端側に設けることが望ましい。
また、本実施形態では、横緊張材100が跳出し部60の上端部に設けられている。しかし、横緊張材100は、跳出し部60の上端部に限らず、跳出し部60の上下方向の中間部や、下端部に設けられても良い。ただし、跳出し部60のたわみ量を効率的に低減する観点から、横緊張材100は、跳出し部60の上下方向の中央よりも上側に設けることが望ましい。
(変形例)
次に、上記第一実施形態及び第二実施形態の変形例について説明する。なお、以下では、上記第一実施形態を例に各種の変形例について説明するが、これらの変形例は、上記第二実施形態にも適宜適用可能である。
上記第一実施形態では、横緊張材80が梁46Pの一端側から他端側に渡っている。しかし、横緊張材80は、例えば、斜め緊張材70の上端部70Uの周囲にのみ設けられても良い。また、横緊張材80は、梁46Pに限らず、柱44や外壁48に埋設されても良い。
また、上記第一実施形態では、横緊張材80が略水平に配置されている。しかし、横緊張材は、水平に限らず、水平に対して傾斜されても良い。この場合、横緊張材は、例えば、外周架構42(柱44、梁46)及び外壁48に適宜埋設される。さらに、第二緊張材としての横緊張材80は、省略可能である。
また、上記第一実施形態では、斜め緊張材70が跳出し部60(又は跳出し部62)と構造物本体40とに渡っている。しかし、斜め緊張材は、跳出し部60(又は跳出し部62)にのみ設けられても良い。これと同様に、横緊張材80は、跳出し部60(又は跳出し部62)と構造物本体40とに渡って設けられても良いし、跳出し部60(又は跳出し部62)にのみ設けられても良い。
また、上記第一実施形態では、構造物本体40の両側に跳出し部60,62が設けられている。しかし、跳出し部は、少なくとも1つあれば良く、例えば、構造物本体40の片側にのみ設けられても良い。
さらに、上記第一実施形態の構造物10は、基礎免震構造とされている。しかし、上記第一実施形態は、中間階免震構造の構造物にも適用可能である。また、上記第一実施形態は、免震構造物に限らず、非免震構造物にも適用可能である。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に限定されるものでなく、一実施形態及び各種の変形例を適宜組み合わせて用いても良いし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
10 構造物
40 構造物本体
60 跳出し部
62 跳出し部
70 斜め緊張材(第一緊張材)
70U 上端部(第一緊張材の上端部)
80 横緊張材(第二緊張材)
90 縦緊張材(第一緊張材)
100 横緊張材(第二緊張材)

Claims (4)

  1. 構造物本体と、
    前記構造物本体から跳ね出す跳出し部と、
    立面視にて、前記跳出し部の下部から前記構造物本体側へ向けて斜め上方へ延びるとともに、前記跳出し部にプレストレスを導入する第一緊張材と、
    を備える構造物。
  2. 前記第一緊張材の上端部の周囲に配置され、立面視にて前記第一緊張材と交差する方向に延びるとともに、前記第一緊張材の前記上端部の周囲にプレストレスを導入する第二緊張材を備える、
    請求項1に記載の構造物。
  3. 構造物本体と、
    前記構造物本体から跳ね出す跳出し部と、
    前記跳出し部の下部から上方へ延びるとともに、前記跳出し部にプレストレスを導入する第一緊張材と、
    前記第一緊張材の上端部の周囲に配置され、前記跳出し部から前記構造物本体側へ延びるとともに、前記跳出し部にプレストレスを導入する第二緊張材と、
    を備える構造物。
  4. 前記構造物本体を支持する複数の免震装置を備え、
    前記跳出し部は、前記免震装置よりも外側へ跳ね出す、
    請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の構造物。
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