JP2021095046A - ロック装置 - Google Patents

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松尾 茂樹
Shigeki Matsuo
茂樹 松尾
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Abstract

【課題】ストライカをロックするために必要な荷重を抑え、且つロック状態での音の発生を抑える。【解決手段】第1カム12に対してストライカ4から所定の荷重が入力して、第1カム12の第1頂部18が第2カム13の第2頂部21よりも上方へ越えると、第2カム13がロック方向へ傾動する。ロック方向へ傾動する第2カム13は、第2カム13の第2凸部13b及び第1カム12の第1凸部12cの形状によって、完全ロック位置よりも手前で第1カム12の第1端面19に当接する。第2カム13が完全ロック位置よりも手前で第1カム12の第1端面19に当接した状態では、第1カム12が完全係止位置よりも手前の中間係止位置でストライカ4を係止する係止状態となり、第2カム13が第1カム12の係止解除方向への傾動を規制するロック状態となる。【選択図】図4

Description

本開示は、ロック装置に関する。
特許文献1には、跳ね上げ式シートが記載されている。キャッチャーは、幅方向一対のキャッチプレートと、キャッチプレート間に狭持されたロックプレートと、後方でこのロックプレートに対向して設けられるフォークと、このフォークおよびロックプレート間に張設されたコイルスプリングと、キャッチプレートに積層される幅方向一対のラバー受け部材とからなっている。ロックプレートは、上下方向に延びたプレート本体と、このプレート本体の上部から後方に向かって突設された先端の先鋭な三角形状の三角突片とからなっている。フォークは、小判形のフォーク本体と、このフォーク本体の前縁部にロックプレートの三角突片に対向し、かつ、三角突片が嵌まり込むように形状設定された三角凹部と、この三角凹部の下方位置であって、フォーク本体の前縁部から後方に向かって凹設された、ストライカが嵌まり込む係止溝とを備えて形成されている。ロックプレートは、コイルスプリングの付勢力によってロックプレート支持軸回りに時計方向に向けて付勢されるとともに、フォークはフォーク支持軸回りに反時計方向に付勢され、これによって常時はロックプレートの三角突片がフォークの三角凹部に嵌まり込むようになっている。各キャッチプレートの外面側には、二股状ゴム片が取付け金具によって取り付けられている。この二股状ゴム片は、その二股部分が上方からキャッチ溝を跨ぐように取り付けられ、これによってストライカがキャッチ溝内に突入したときの衝撃が緩和されるようになっている。
特開2000−272391号公報
特許文献1に記載の跳ね上げ式シート(着座シート)では、キャッチャー(ロック装置)によってストライカをロックしたロック状態で車両が振動した際に、ストライカが二股状ゴム片を変形させてフォークを傾動させると、フォークの三角凹部がロックプレートの三角突片から離間する可能性があるので、その後、コイルスプリングの復元力によってフォークの三角凹部がロックプレートの三角突片へ近接する方向へ傾動した際に、フォークとロックプレートとの当接音が発生してしまう可能性がある。係る当接音の発生を防止するためには、二股状ゴム片を大きく弾性変形させた状態でストライカをロックすることによって、ロック状態で車両が振動した際のフォークの傾動を抑制することが考えられる。しかし、この場合、ストライカをロックする際に二股状ゴム片を大きく弾性変形させる必要があるので、ロックするために大きな荷重が必要になってしまい、ロックする作業が煩雑になってしまうおそれがある。
そこで、本開示は、ストライカをロックするために必要な荷重を抑え、且つロック状態での音の発生を抑えることが可能なロック装置の提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様は、車両のフロアまたはフロアに対して傾動可能な着座シートの一方の部材側に設けられ、他方の部材側のストライカを係止して着座シートをフロア側へ保持するロック装置であって、第1カムと第2カムと弾性部材とを備える。第1カムは、第1回転軸を中心として上記一方の部材側に回転自在に支持される第1本体部と、第1本体部から第1回転軸と交叉する方向へ延びてストライカを係止可能なフック部と、第1回転軸に対してフック部とは反対側に配置されて第1本体部から第1回転軸と交叉する方向へ突出する第1凸部とを有し、ストライカを係止しない非係止位置とストライカを係止する完全係止位置との間を傾動可能であり、ストライカからの荷重によって非係止位置から完全係止位置へ向かう係止方向へ傾動し、完全係止位置では第1凸部が第1回転軸よりも上下方向の一側に位置する。第2カムは、第1回転軸と平行な第2回転軸を中心として上記一方の部材側に回転自在に支持される第2本体部と、第2回転軸よりも上下方向の上記一側に配置されて第2本体部から第1カムの第1凸部側へ突出する第2凸部とを有し、係止方向とは反対の係止解除方向への第1カムの傾動を規制可能である。弾性部材は、上記一方の部材側に固定され、第1カムに係止されるストライカに対して上下方向の上記一側から当接して弾性変形する。第1カムは、第1凸部を第2カムの第2凸部へ近接させる係止解除方向へ付勢される。第2カムは、第2凸部を第1カムの第1凸部へ近接させるロック方向へ付勢される。第1カムの第1凸部は、第1頂部と、第1頂部から上下方向の他側へ延びる第1端面とを有する。第2カムの第2凸部は、第2頂部と、第2頂部から上下方向の上記一側へ延びる第2端面とを有する。第2カムは、第2頂部が非係止位置の第1カムの第1頂部よりも上下方向の上記一側に位置する非ロック位置と、非ロック位置からロック方向へ傾動して第2頂部が完全係止位置の第1カムの第1頂部よりも上下方向の上記他側に位置して第2端面が第1端面と対向する完全ロック位置との間を傾動可能であり、第1カムが非係止位置から係止方向へ傾動して第1カムの第1頂部が第2カムの第2頂部を上下方向の上記一側へ越えると、非ロック位置からロック方向へ傾動する。第1カムの第1凸部及び第2カムの第2凸部の形状は、第1カムに対してストライカから所定の荷重が入力し、第1カムが係止方向へ傾動して第1カムの第1頂部が第2カムの第2頂部を上下方向の上記一側へ越えて、第1カムが完全係止位置よりも手前の中間係止位置で止まってストライカを係止すると、第2カムが完全ロック位置に到達する前に中間係止位置の第1凸部の第1端面に当接して係止解除方向への第1カムの傾動を規制するロック状態となり、係る中間係止位置でのロック状態の第1カムに対してストライカから荷重が入力すると、入力する荷重に応じて第1カムが中間係止位置から係止方向へ傾動するとともに、第2カムの第2凸部が第1凸部の第1端面に沿ってロック方向へ傾動するように設定される。
上記構成では、ロック装置が車両のフロアまたはフロアに対して傾動可能な着座シートの一方の部材(例えば、着座シート)側に設けられ、ストライカが他方の部材(例えば、フロア)側に設けられる。着座シートをフロアに対して上方へ傾動させた状態から着座可能状態にするために、着座シートを下方のフロア側へ傾動させると、他方の部材側のストライカが一方の部材側のロック装置の非係止位置の第1カムに当接し、ストライカからの荷重によって第1カムが非係止位置から係止方向へ傾動する。第1カムが係止方向へ傾動し、ストライカが弾性部材に当接すると、ストライカは、弾性部材を弾性変形させながら第1カムを係止方向へ傾動させる。ストライカからの荷重によって第1カムが係止方向へ傾動し、第1カムの第1頂部が第2カムの第2頂部を上下方向の一側へ越えると、第2カムがロック方向へ傾動して、係止解除方向への第1カムの傾動を規制するロック状態となる。ロック状態では、弾性部材の復元力がストライカを介して第1カムのフック部に入力し、第1カムが係止解除方向へ付勢される。
着座シートを着座可能状態にするためにフロア側へ傾動させた際に、非係止位置の第1カムに対してストライカから所定の荷重が入力し、第1カムが非係止位置から係止方向へ傾動して、第1カムの第1頂部が第2カムの第2頂部を上下方向の一側へ越えると、第2カムがロック方向へ傾動して、第2カムの第2凸部が完全係止位置よりも手前の中間係止位置の第1カムの第1凸部の第1端面に当接する。中間係止位置の第1カムは、ストライカを係止した状態で係止解除方向への傾動が第2カムによって規制されてロック状態となる。このように、第1カムを完全係止位置へ傾動させることが可能な荷重よりも小さな荷重(上記所定の荷重)でロック状態にすることができるので、ストライカをロックするために必要な荷重を抑えることができる。
また、中間係止位置でのロック状態から、例えば、車両の振動等によって、ストライカが弾性部材を更に弾性変形させて、第1カムに対してストライカから荷重が入力すると、入力する荷重に応じて第1カムが中間係止位置から係止方向へ傾動するとともに、第2カムの第2凸部が第1凸部の第1端面に沿ってロック方向へ傾動する。このように、中間係止位置でのロック状態の第1カムに対してストライカから荷重が入力して第1カムが係止方向へ傾動しても、第2カムの第2凸部が第1凸部の第1端面に沿ってロック方向へ傾動するので、第2カムの第2端面からの第1カムの第1端面の離間を抑えることができる。このため、ロック状態でストライカから荷重が入力した際の第1カムと第2カムとの当接音の発生を抑えることができる。
従って、ストライカをロックするために必要な荷重を抑え、且つロック状態での音の発生を抑えることができる。
また、弾性部材の形状等を変更することなく、第1カムの第1凸部及び第2カムの第2凸部の形状を適切に設定することによって、ストライカをロックするために必要な荷重を抑え、且つロック状態での音の発生を抑えることができる。
本発明の第2の態様は、上記第1の態様のロック装置であって、第2カムの第2回転軸から第2端面までの距離は、第2頂部から上下方向の上記一側へ向かうほど長くなるように設定される。
上記構成では、第2カムの第2回転軸から第2端面までの距離が、第2頂部から上下方向の上記一側へ向かうほど長いので、第1カムが非係止位置から係止方向へ傾動し、第1カムの第1頂部が第2カムの第2頂部を上下方向の一側へ越えた後、第2カムがロック方向へ傾動して完全ロック位置に到達する前に、第2凸部の第2端面を第1凸部の第1端面に当接させることができる。
本発明の第3の態様は、上記第1の態様または上記第2の態様のロック装置であって、第2回転軸から完全係止位置における第1カムの第1端面までの距離は、第1頂部から上下方向の他側へ向かうほど短くなるように設定される。
上記構成では、第2回転軸から完全係止位置における第1カムの第1端面までの距離が、第1頂部から上下方向の上記他側へ向かうほど短いので、第1カムが非係止位置から係止方向へ傾動し、第1カムの第1頂部が第2カムの第2頂部を上下方向の一側へ越えた後、第2カムがロック方向へ傾動して完全ロック位置に到達する前に、第2凸部を第1凸部の第1端面に当接させることができる。
本発明の第4の態様は、上記第1の態様〜上記第3の態様のいずれかのロック装置であって、ストライカとの当接による弾性部材の弾性変形量は、第1カムが中間係止位置から完全係止位置へ向かうほど大きくなる。
上記構成では、ストライカとの当接による弾性部材の弾性変形量が、第1カムが中間係止位置から完全係止位置へ向かうほど大きくなる。すなわち、中間係止位置での弾性部材の弾性変形量は、完全係止位置での弾性部材の弾性変形量よりも小さいので、ロック状態にするために最低限必要な荷重(中間係止位置でロック状態にするために必要な荷重)を抑えることができる。
また、完全係止位置での弾性部材の弾性変形量は、中間係止位置での弾性部材の弾性変形量よりも大きいので、完全係止位置から係止方向への第1カムの傾動を抑制することができ、完全係止位置でのロック状態でストライカから荷重が入力した際の第1カムと第2カムとの当接音の発生を抑えることができる。
本開示によれば、ストライカをロックするために必要な荷重を抑え、且つロック状態での音の発生を抑えることができる。
本発開示に係るロック装置を適用した車両の着座シートの側面図である。 図1のIIの拡大図である。 本発明の第1実施形態に係るロック装置の非係止状態の第1カム及び第2カムの側面図である。 ロック装置の第1カム及び第2カムの側面図であって、(a)はロックする前の状態を、(b)は中間係止位置でのロック状態を、(c)は完全係止位置でのロック状態をそれぞれ示す。 本発明の第2実施形態に係るロック装置の第1カム及び第2カムの図4(c)に対応する側面図である。
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において、FRは車両の前方を、UPは上方をそれぞれ示す。また、以下の説明において、前後方向は車両の前後方向を意味し、左右方向は車両前方を向いた状態での左右方向を意味する。また、図3〜図5では、ベース部材11及びコイルスプリング14の図示を省略している。
図1に示すように、本実施形態に係るロック装置10は、フロア2に対して傾動可能な着座シート3を有する車両1に適用される。着座シート3は、その前端3a側が車幅方向に延びる回転軸を中心として車体側(本実施形態では、フロア2側)に回転自在に支持され、後端3b側が前上方へ傾動可能である。フロア2(他方の部材)には、車幅方向に延びるストライカ4が固定的に設けられる。本実施形態に係るロック装置10は、着座シート3(一方の部材)の後端下部に固定的に設けられ、フロア2側のストライカ4を係止して着座シート3をフロア2側へ保持する。着座シート3は、後端3b側を前上方へ傾動させることによって、例えば、フロア2の上方にスペースを確保することができ、前上方へ傾動させた後端3b側を後下方へ傾動させてフロア2側へ保持することによって、着座することが可能な着座可能状態にすることができる。
図2に示すように、ロック装置10は、着座シート3の後端下部に固定される左右1対のベース部材11(図2には、左側のベース部材11のみが図示されている。)と、ベース部材11に回転可能に支持される2つのカム(第1カム12及び第2カム13)と、コイルスプリング14と、ラバー(弾性部材)15とを備える。
左右のベース部材11は、左右に互いに離間した状態で相対向する板状部材であって、下方から上方へ切り欠かれたストライカ挿入凹部16をそれぞれ有する。
図2〜図4に示すように、第1カム12は、車幅方向と交叉する板状部材であって、左右のベース部材11間に配置され、車幅方向に延びる第1回転軸CL1を中心としてベース部材11に回転自在に支持される。すなわち、第1カム12は、ベース部材11を介して着座シート3側に回転自在に支持される。第1カム12は、ストライカ4を係止可能な部材であって、ストライカ4を係止しない非係止位置(図3参照)と、非係止位置から係止方向(図3における時計回り)へ大きく傾動してストライカ4を係止する完全係止位置(図4(c)参照)との間を傾動可能である。なお、以下の説明において、第1カム12に関する方向は、特に説明のない限り完全係止位置における方向を示す。
第1カム12は、第1回転軸CL1を中心としてベース部材11に回転自在に支持される第1本体部12aと、第1本体部12aから下方へ延びてから前方へ延びるフック部12bと、第1本体部12aから前方へ突出する第1凸部12cとを一体的に有する。フック部12bは、第1回転軸CL1よりも下方に位置し、第1本体部12aの下端27との間に前方へ開放されるストライカ保持溝17を区画する。第1凸部12cは、第1回転軸CL1よりも上方(上下方向の一側)に位置し(図4(c)参照)、前方へ突出する略山型に形成される。第1凸部12cは、第1頂部18と、第1頂部18から後側の下方(上下方向の他側)へ延びる第1端面19とを有する。本実施形態では、第1カム12の第1端面19は、第2カム13の後述する第2回転軸CL2を中心とした円弧状に形成される。第1本体部12aのうち第1凸部12cよりも上方の上端部には、コイルスプリング14の一端14a側が連結されるコイルスプリング支持部20が設けられる。第1カム12は、コイルスプリング14によって、係止方向とは反対の係止解除方向(図3における反時計回り)に付勢される。上方への荷重がストライカ4から第1カム12に入力すると、第1カム12は、コイルスプリング14の付勢力に抗して係止方向へ傾動する。
第2カム13は、車幅方向と交叉する板状部材であって、左右のベース部材11間の第1カム12の前方に配置され、車幅方向に延びる第2回転軸CL2を中心としてベース部材11に回転自在に支持される。すなわち、第2カム13は、ベース部材11を介して着座シート3側に回転自在に支持される。第2カム13は、ストライカ4を係止した状態の第1カム12の係止解除方向への傾動を規制可能な部材であって、後述する第2凸部13bが第1カム12の第1凸部12cよりも上方に位置する非ロック位置(図3参照)と、非ロック位置からロック方向(図3における時計回り)へ傾動して完全係止位置の第1カム12の係止解除方向への傾動を規制する完全ロック位置(図4(c)参照)との間を傾動可能である。なお、以下の説明において、第2カム13に関する方向は、特に説明のない限り完全ロック位置における方向を示す。
第2カム13は、第2回転軸CL2を中心としてベース部材11に回転自在に支持される第2本体部13aと、第2本体部13aから後方へ突出する第2凸部13bとを一体的に有する。第2凸部13bは、第2回転軸CL2よりも上方に位置し、後方へ突出する略山型に形成される。第2凸部13bは、第2頂部21と、第2頂部21から前側の上方へ延びる第2端面22とを有する。第2カム13の第2凸部13bは、第2回転軸CL2から第2端面22までの距離L1が第2頂部21から上方へ向かうほど長くなるように形成される(図3参照)。第2本体部13aのうち第2凸部13bよりも上方の上端部には、コイルスプリング14の他端14b側が連結されるコイルスプリング支持部23が設けられる。第2カム13は、コイルスプリング14によって、ロック方向に付勢される。なお、図3の一点鎖線26は、第2回転軸CL2を中心とした円弧である。
コイルスプリング14は、付勢部材であって、一端14a側が第1カム12のコイルスプリング支持部20に連結され、他端14b側が第2カム13のコイルスプリング支持部23に連結される。コイルスプリング14は、伸長した状態で第1カム12及び第2カム13に取り付けられ、第1カム12の第1凸部12cと第2カム13の第2凸部13bとを互いに近接させる方向へ常時付勢する。すなわち、第1カム12は、係止解除方向へコイルスプリング14によって付勢され、第2カム13は、ロック方向へコイルスプリング14によって付勢される。
ラバー15は、ベース部材11(着座シート3側)のうちストライカ挿入凹部16の上方に取付部材(図示省略)等によって固定される。ラバー15の下端部15aは、ベース部材11のストライカ挿入凹部16の上縁16aよりも下方へ突出している。
次に、着座シート3をフロア2に対して上方へ傾動させた状態から着座可能状態にするために、着座シート3を下方のフロア2側へ傾動させて、着座シート3側のロック装置10によってフロア2側のストライカ4をロックする(ロック装置10の第1カム12でストライカ4を係止して、第2カム13で第1カム12の係止解除方向への傾動を規制する)際の第1カム12及び第2カム13の動きについて説明する。
図3に示すように、ストライカ4をロックする前(ストライカ4からの荷重が第1カム12に対して入力する前)の荷重未入力状態では、第1カム12は、ストライカ保持溝17が下方へ開放されて、フック部12bがストライカ4を係止しない非係止位置に位置する。また、荷重未入力状態では、第2カム13は、第2凸部13bの第2頂部21が非係止位置の第1カム12の第1凸部12cの第1頂部18よりも上方に位置し、第2凸部13bが第1凸部12cの第1頂部18から上方へ延びる端面24(第1端面19とは反対側の端面24)に当接する非ロック位置に位置する。
着座シート3をフロア2に対して上方へ傾動させた状態から着座可能状態にするために、着座シート3を下方のフロア2側へ傾動させると、着座シート3側のロック装置10のベース部材11のストライカ挿入凹部16にフロア2側のストライカ4が下方から挿入され、第1カム12の第1本体部12aの下端27(ストライカ保持溝17の上方を区画する第1本体部12aの下端27)とストライカ4とが当接する。第1カム12とストライカ4とが当接して、荷重未入力状態の第1カム12に対してストライカ4からの荷重(着座シート3を傾動させてロック装置10を下方へ移動させる際の反力)が入力すると、係る荷重によって第1カム12が係止方向へ傾動する。第1カム12が係止方向へ傾動する際には、第1カム12の第1頂部18は、第2カム13の第2凸部13bの第2頂部21から下方へ延びる端面25(第2端面22とは反対側の端面25)に沿って第2頂部21側へ向かって移動する。第1カム12の係止方向への傾動に伴ってストライカ4がベース部材11のストライカ挿入凹部16に対して上方へ相対移動してラバー15に当接すると、ストライカ4は、ラバー15を弾性変形させながら第1カム12を係止方向へ傾動させる。すなわち、ラバー15は、ストライカ4に当接すると、ロック装置10を下方へ移動させる際(第1カム12を係止方向へ傾動させる際)の抵抗力を発生させる。図4(a)に示すように、第1カム12が係止方向へ傾動して、第1カム12の第1頂部18が第2カム13の第2頂部21へ到達した状態では、ラバー15は、ストライカ4に上方から当接して僅かに弾性変形している。第1カム12に対してストライカ4から所定の荷重が入力して、図4(b)に示すように、第1カム12の第1頂部18が第2カム13の第2頂部21よりも上方へ越えると、第2カム13がコイルスプリング14の付勢力によってロック方向へ傾動する。第2カム13の第2回転軸CL2から第2端面22までの距離L1が第2頂部21から上方へ向かうほど長いので、ロック方向へ傾動する第2カム13は、完全ロック位置よりも手前で第1カム12の第1端面19に当接する。第2カム13が完全ロック位置よりも手前で第1カム12の第1端面19に当接した状態では、第1カム12が、完全係止位置よりも手前の中間係止位置でフック部12bによってストライカ4を係止する係止状態となり、第2カム13が、第2凸部13bと第1カム12の第1端面19との摩擦によって第2カム13のロック方向への傾動が抑制されて停止し、第1カム12の係止解除方向への傾動を規制するロック状態となる。すなわち、第2カム13の第2凸部13b及び第1カム12の第1凸部12cの形状は、第2カム13が完全ロック位置よりも手前で第1カム12の第1端面19に当接してロック状態となり、第1カム12が中間係止位置で係止状態となるように設定される。これにより、着座シート3は、フロア2側へ保持された着座可能状態となる。中間係止位置でのロック状態では、第2カム13の第2端面22の下端側が第1カム12の第1端面19の上端側に対向して当接し、第2カム13の第2凸部13bの下方の第1カム12との間に空間28が区画される。空間28は、後述するように、中間係止位置でのロック状態からロック方向への第2カム13の更なる傾動を許容する。また、中間係止位置でのロック状態では、ラバー15は、ストライカ4に対して上方から当接し、第1カム12の第1頂部18が第2カム13の第2頂部21へ到達した状態(図4(a)に示す状態)のときよりも大きく弾性変形している。係るラバー15の弾性変形によって、ロック状態では、ラバー15の復元力がストライカ4を介して第1カム12のフック部12bに入力し、第1カム12が係止解除方向へ付勢され、係止方向への第1カム12の傾動が抑制される。なお、中間係止位置は、第1カム12の第1頂部18が第2カム13の第2頂部21を上方へ越えてから第1カム12が完全係止位置に到達するまでの傾動範囲に含まれる位置であって、上記所定の荷重の大きさに応じて異なる。
中間係止位置でのロック状態から、車両1が振動するなどして、ストライカ4がラバー15を更に弾性変形させて、第1カム12に対してストライカ4から荷重が入力すると、第1カム12が、ストライカ4からの荷重の大きさに応じて中間係止位置から係止方向(完全係止位置へ向かう方向)へ傾動するとともに、第2カム13が、第1カム12の傾動に応じてロック状態を保持したまま第1カム12の第1端面19に沿ってロック方向(完全ロック位置へ向かう方向)へ傾動する。第1カム12は、中間係止位置から係止方向へ傾動すると、ストライカ保持溝17の更に深い位置(フック部12bの基端側の位置)でストライカ4を係止する。第2カム13は、ロック方向へ傾動し、更に深い位置(完全ロック位置に近い位置)で第1カム12の係止解除方向への傾動を規制する。ロック状態の第1カム12に対してストライカ4から大きな荷重が入力し、図4(c)に示すように、第1カム12が完全係止位置に到達すると、第2カム13が完全ロック位置に到達したロック状態となる。完全係止位置(完全ロック位置)でのロック状態では、第2カム13の第2端面22が、第1カム12の第1端面19に対して中間係止位置でのロック状態のときよりも上下方向に大きな範囲で対向する。本実施形態では、完全係止位置でのロック状態では、第2カム13の第2端面22の上端側が、第1カム12の第1端面19に当接し、第2カム13の第2端面22の下端側が、第1カム12の第1端面19から離間している。また、完全係止位置でのロック状態では、ラバー15は、中間係止位置でのロック状態のときよりも更に大きく弾性変形している。係るラバー15の弾性変形によって、完全係止位置でのロック状態では、中間係止位置でのロック状態のときよりも大きなラバー15の復元力がストライカ4を介して第1カム12のフック部12bに入力し、第1カム12が係止解除方向へ付勢され、係止方向への第1カム12の傾動が抑制される。すなわち、ラバー15の弾性変形量は、第1カム12が中間係止位置から完全係止位置へ向かうほど大きくなる。
上記のように構成されたロック装置10では、第1カム12は、完全係止位置に到達する前の中間係止位置でストライカ4をロックすることができる。すなわち、第1カム12を完全係止位置まで傾動させることが可能な荷重よりも小さな荷重(中間係止位置まで傾動させることが可能な上記所定の荷重)でストライカ4をロックすることができるので、ストライカ4をロックするために必要な荷重を抑えることができる。
また、ラバー15の弾性変形量は、第1カム12が中間係止位置から完全係止位置へ向かうほど大きくなる。すなわち、中間係止位置でのラバー15の弾性変形量は、完全係止位置でのラバー15の弾性変形量よりも小さいので、第1カム12を完全係止位置まで傾動させることが可能な荷重よりも小さな荷重でストライカ4をロックすることができ、ストライカ4をロックするために最低限必要な荷重(中間係止位置でロック状態にするための荷重)を抑えることができる。
また、第2カム13の第2凸部13bは、第2回転軸CL2から第2端面22までの距離L1が第2頂部21から上方へ向かうほど長くなるように形成される。すなわち、第2凸部13bの第2回転軸CL2から第2端面22までの距離L1が上方から第2頂部21へ向かうほど短いので、荷重未入力状態から第1カム12の第1頂部18が第2頂部21に到達するまでの第1カム12の第1頂部18の移動距離を短く(第1カム12の傾動角度を小さく)することができ、荷重未入力状態から早期にロック状態にすることができる。このため、ストライカ4をロックするために最低限必要な荷重(中間係止位置でロック状態にするための荷重)を抑えることができる。
また、第1カム12が完全係止位置に到達する前の中間係止位置で、ストライカ4をロック可能である。そして、中間係止位置でのロック状態で車両1が振動するなどして第1カム12に対してストライカ4から荷重が入力して第1カム12が係止方向へ傾動しても、第2カム13の第2凸部13bが、ロック状態を保持したまま第1カム12の第1端面19に沿ってロック方向へ傾動するので、第2カム13の第2端面22からの第1カム12の第1端面19の離間を抑えることができる。このため、中間係止位置でのロック状態でストライカ4から荷重が入力した際の第1カム12と第2カム13との当接音の発生を抑えることができる。
また、完全係止位置でのラバー15の弾性変形量が、中間係止位置でのラバー15の弾性変形量よりも大きいので、完全係止位置から係止方向への第1カム12の傾動を、中間係止位置に配置されるときよりも抑制することができ、完全係止位置でのロック状態でストライカ4から荷重が入力した際の第1カム12と第2カム13との当接音の発生を抑えることができる。
また、第2カム13の第2回転軸CL2から第2端面22までの距離L1が、第2頂部21から上方へ向かうほど長いので、第1カム12が非係止位置から係止方向へ傾動し、第1カム12の第1頂部18が第2カム13の第2頂部21を上方へ越えた際に、第2カム13が完全ロック位置に到達する前に、第2カム13の第2端面22を、第1カム12の第1端面19に当接させることができる。このように、ラバー15の形状等を変更することなく、第1カム12の第1凸部12c及び第2カム13の第2凸部13bの形状を適切に設定することによって、ストライカ4をロックするために必要な荷重を抑え、且つロック状態での音の発生を抑えることができる。
従って、本実施形態によれば、ストライカ4をロックするために必要な荷重を抑え、且つロック状態での音の発生を抑えることができる。
なお、本実施形態では、第1カム12の第1端面19を、第2カム13の第2回転軸CL2を中心とした円弧状に形成したが、これに限定されるものではなく、第2カム13が第1カム12の傾動に応じて、ロック状態を保持したままロック方向へ傾動可能な形状であれば、他の形状であってもよい。
次に、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態のロック装置40は、第1カム12の第1凸部12c及び第2カム13の第2凸部13bの形状が第1実施形態と相違する。なお、第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
図5に示すように、ロック装置40は、着座シート3(図1参照)の後端下部に固定される左右のベース部材11(図1参照)と、ベース部材11に回転可能に支持される2つのカム(第1カム12及び第2カム13)と、コイルスプリング14と、ラバー15と、を備える。なお、以下の説明において、第1カム12及び第2カム13に関する方向は、特に説明のない限り完全係止位置でのロック状態(図5に示す状態)における方向を示す。
第1カム12の第1凸部12cは、第1頂部18と、第1頂部18から後側の下方(上下方向の他側)へ延びる第1端面41とを有する。第1凸部12cは、第2カム13の第2回転軸CL2から第1端面41までの距離L2が第1頂部18から下方へ向かうほど短くなるように形成される。なお、図5の一点鎖線42は、第2回転軸CL2を中心とした円弧である。
第2カム13の第2凸部13bは、第2頂部21と、第2頂部21から前側の上方(上下方向の一側)へ延びる第2端面43とを有する。本実施形態では、第2カム13の第2端面43は、第2回転軸CL2を中心とした円弧状に形成される。
着座シート3をフロア2に対して上方へ傾動させた状態から着座可能状態にするために、着座シート3を下方のフロア2側へ傾動させて、第1カム12に対してストライカ4から所定の荷重が入力し、第1カム12の第1頂部18が第2カム13の第2頂部21よりも上方へ越えると、第2カム13がコイルスプリング14の付勢力によってロック方向へ傾動する。第2カム13の第2回転軸CL2から第1カム12の第1端面41までの距離L2が第1頂部18から下方へ向かうほど短いので、ロック方向へ傾動する第2カム13は、完全ロック位置よりも手前で第1カム12の第1端面41に当接する。第2カム13が完全ロック位置よりも手前で第1カム12の第1端面41に当接した状態では、第1カム12が、完全係止位置よりも手前の中間係止位置でフック部12bによってストライカ4を係止する係止状態となり、第2カム13が、第2凸部13bと第1カム12の第1端面41との摩擦によって第2カム13のロック方向への傾動が抑制されて停止し、第1カム12の係止解除方向への傾動を規制するロック状態となる。すなわち、第2カム13の第2凸部13b及び第1カム12の第1凸部12cの形状は、第2カム13が完全ロック位置よりも手前で第1カム12の第1端面41に当接してロック状態となり、第1カム12が中間係止位置で係止状態となるように設定される。中間係止位置でのロック状態から、車両1が振動するなどして、ストライカ4がラバー15を更に弾性変形させて、第1カム12に対してストライカ4から荷重が入力した際には、上記第1実施形態と同様に、第1カム12が、ストライカ4からの荷重の大きさに応じて中間係止位置から係止方向(完全係止位置へ向かう方向)へ傾動するとともに、第2カム13が、第1カム12の傾動に応じてロック状態を保持したまま第1カム12の第1端面41に沿ってロック方向(完全ロック位置へ向かう方向)へ傾動する。
上記のように構成されたロック装置40では、第1カム12の第1凸部12cは、第2カム13の第2回転軸CL2から(完全係止位置における)第1端面41までの距離L2が第1頂部18から下方へ向かうほど短くなるように形成される。すなわち、第1凸部12cの第1頂部18から上方へ延びる端面24を前後に短くして、第1頂部18を後方へ配置することができるので、荷重未入力状態から第1カム12の第1頂部18が第2頂部21に到達するまでの第1カム12の第1頂部18の移動距離を短く(第1カム12の傾動角度を小さく)することができ、荷重未入力状態から早期にロック状態にすることができる。このため、ストライカ4をロックするために最低限必要な荷重(中間係止位置でロック状態にするための荷重)を抑えることができる。
また、第1カム12の第1凸部12cは、第2カム13の第2回転軸CL2から(完全係止位置における)第1端面41までの距離L2が第1頂部18から下方へ向かうほど短いので、第1カム12が非係止位置から係止方向へ傾動し、第1カム12の第1頂部18が第2カム13の第2頂部21を上方へ越えた際に、第2カム13が完全ロック位置に到達する前に、第2凸部13bを第1カム12の第1端面41に当接させることができる。このように、ラバー15の形状等を変更することなく、第1カム12の第1凸部12c及び第2カム13の第2凸部13bの形状を適切に設定することによって、ストライカ4をロックするために必要な荷重を抑え、且つロック状態での音の発生を抑えることができる。
また、第1カム12が完全係止位置に到達する前の中間係止位置で、ストライカ4をロック可能であり、中間係止位置でのロック状態で車両1が振動するなどしてストライカ4から大きな荷重が入力し、第1カム12が係止方向へ傾動しても、第2カム13の第2凸部13bが、ロック状態を保持したまま第1カム12の第1端面41に沿ってロック方向へ傾動するので、第2カム13の第2端面43からの第1カム12の第1端面41の離間を抑えることができる。このため、ロック状態でストライカ4から大きな荷重が入力した際の第1カム12と第2カム13との当接音の発生を抑えることができる。
従って、本実施形態によれば、ストライカ4をロックするために必要な荷重を抑え、且つロック状態での音の発生を抑えることができる。
なお、本実施形態では、第2カム13の第2端面43を、第2回転軸CL2を中心とした円弧状に形成したが、これに限定されるものではなく、第2カム13が第1カム12の傾動に応じて、ロック状態を保持したままロック方向へ傾動可能な形状であれば、他の形状であってもよい。
以上、本発明について、上記実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明は上記実施形態の内容に限定されるものではなく、当然に本発明を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例および運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論である。
例えば、上記第1実施形態及び上記第2実施形態では、第1カム12が非係止位置から係止方向へ傾動して、第1カム12の第1頂部18が第2カム13の第2頂部21へ到達する前にストライカ4をラバー15に当接させて、第1頂部18が第2頂部21へ到達した状態でラバー15を弾性変形させたが、これに限定されるものではなく、第1頂部18が第2頂部21へ到達した後にストライカ4をラバー15に当接させてラバー15を弾性変形させてもよい。
また、上記第1実施形態及び上記第2実施形態では、第1カム12と第2カム13との間にコイルスプリング14を設けたが、第1カム12及び第2カム13を付勢する方法はこれに限定されるものではない。例えば、第1カム12の第1回転軸CL1及び第2カム13の第2回転軸CL2の周囲にねじりばねをそれぞれ設け、係る2つのねじりばねによって、第1カム12の第1凸部12cを第2カム13の第2凸部13bへ近接させる係止解除方向へ付勢し、且つ第2カム13の第2凸部13bを第1カム12の第1凸部12cへ近接させるロック方向へ付勢してもよい。
また、上記第1実施形態及び上記第2実施形態では、車幅方向に延びるストライカ4をロックするようにロック装置10,40を配置したが、これに限定されるものではなく、例えば、前後方向に延びるストライカ4をロックするようにロック装置10,40を配置してもよい(第1回転軸CL1及び第2回転軸CL2が前後方向に延びるようにロック装置10,40を配置してもよい)。
また、上記第1実施形態及び上記第2実施形態では、ロック装置10,40を着座シート3側に設け、ストライカ4をフロア2側に設けたが、ロック装置10,40をフロア2(一方の部材)側に設け、ストライカ4を着座シート3(他方の部材)側に設けてもよい。この場合、下方が上下方向の一側となり、上方が上下方向の他側となってもよい。
また、上記第1実施形態及び上記第2実施形態では、着座シート3を、その前端3a側が車幅方向に延びる回転軸を中心として車体側に回転自在に支持され、後端3b側が前上方へ傾動可能な着座シート3としたが、これに限定されるものではなく、例えば、車幅方向外側が前後方向に延びる回転軸を中心として車体側に回転自在に支持され、車幅方向内側が車幅方向外側の上方へ傾動可能な着座シート3であってもよい。この場合、ロック装置10,40を着座シート3の車幅方向内側の下部に設けてもよい。
また、上記第1実施形態及び上記第2実施形態では、ストライカ4をロックする際に上記所定の荷重を入力して、第1カム12を非係止位置から中間係止位置へ傾動させて中間係止位置でロック状態にしたが、ストライカ4をロックする際に仮に第1カム12を完全係止位置まで傾動させることが可能な荷重(上記所定の荷重よりも大きな荷重)を入力した場合には、第1カム12は非係止位置から完全係止位置まで傾動してロック状態となる。
本開示に係るロック装置は、フロアに対して傾動可能な着座シートを有する車両に広く適用することができる。
1:車両
2:フロア
3:着座シート
4:ストライカ
10,40:ロック装置
12:第1カム
12a:第1本体部
12b:フック部
12c:第1凸部
13:第2カム
13a:第2本体部
13b:第2凸部
15:ラバー(弾性部材)
18:第1頂部
19,41:第1端面
21:第2頂部
22,43:第2端面

Claims (4)

  1. 車両のフロアまたは前記フロアに対して傾動可能な着座シートの一方の部材側に設けられ、他方の部材側のストライカを係止して前記着座シートを前記フロア側へ保持するロック装置であって、
    第1回転軸を中心として前記一方の部材側に回転自在に支持される第1本体部と、前記第1本体部から前記第1回転軸と交叉する方向へ延びて前記ストライカを係止可能なフック部と、前記第1回転軸に対して前記フック部とは反対側に配置されて前記第1本体部から前記第1回転軸と交叉する方向へ突出する第1凸部とを有し、前記ストライカを係止しない非係止位置と前記ストライカを係止する完全係止位置との間を傾動可能であり、前記ストライカからの荷重によって前記非係止位置から前記完全係止位置へ向かう係止方向へ傾動し、前記完全係止位置では前記第1凸部が前記第1回転軸よりも上下方向の一側に位置する第1カムと、
    前記第1回転軸と平行な第2回転軸を中心として前記一方の部材側に回転自在に支持される第2本体部と、前記第2回転軸よりも上下方向の前記一側に配置されて前記第2本体部から前記第1カムの前記第1凸部側へ突出する第2凸部とを有し、前記係止方向とは反対の係止解除方向への前記第1カムの傾動を規制可能な第2カムと、
    前記一方の部材側に固定され、前記第1カムに係止される前記ストライカに対して上下方向の前記一側から当接して弾性変形する弾性部材と、を備え、
    前記第1カムは、前記第1凸部を前記第2カムの前記第2凸部へ近接させる前記係止解除方向へ付勢され、
    前記第2カムは、前記第2凸部を前記第1カムの前記第1凸部へ近接させるロック方向へ付勢され、
    前記第1カムの前記第1凸部は、第1頂部と、前記第1頂部から上下方向の他側へ延びる第1端面とを有し、
    前記第2カムの前記第2凸部は、第2頂部と、前記第2頂部から上下方向の前記一側へ延びる第2端面とを有し、
    前記第2カムは、前記第2頂部が前記非係止位置の前記第1カムの前記第1頂部よりも上下方向の前記一側に位置する非ロック位置と、前記非ロック位置から前記ロック方向へ傾動して前記第2頂部が前記完全係止位置の前記第1カムの前記第1頂部よりも上下方向の前記他側に位置して前記第2端面が前記第1端面と対向する完全ロック位置との間を傾動可能であり、前記第1カムが前記非係止位置から前記係止方向へ傾動して前記第1カムの前記第1頂部が前記第2カムの前記第2頂部を上下方向の前記一側へ越えると、前記非ロック位置から前記ロック方向へ傾動し、
    前記第1カムの前記第1凸部及び前記第2カムの前記第2凸部の形状は、前記第1カムに対して前記ストライカから所定の荷重が入力し、前記第1カムが前記係止方向へ傾動して前記第1カムの前記第1頂部が前記第2カムの前記第2頂部を上下方向の前記一側へ越えて、前記第1カムが前記完全係止位置よりも手前の中間係止位置で止まって前記ストライカを係止すると、前記第2カムが前記完全ロック位置に到達する前に前記中間係止位置の前記第1凸部の前記第1端面に当接して前記係止解除方向への前記第1カムの傾動を規制するロック状態となり、係る前記中間係止位置でのロック状態の前記第1カムに対して前記ストライカから荷重が入力すると、入力する荷重に応じて前記第1カムが前記中間係止位置から前記係止方向へ傾動するとともに、前記第2カムの前記第2凸部が前記第1凸部の前記第1端面に沿って前記ロック方向へ傾動するように設定される
    ことを特徴とするロック装置。
  2. 請求項1に記載のロック装置であって、
    前記第2カムの前記第2回転軸から前記第2端面までの距離は、前記第2頂部から上下方向の前記一側へ向かうほど長くなるように設定される
    ことを特徴とするロック装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載のロック装置であって、
    前記第2回転軸から前記完全係止位置における前記第1カムの前記第1端面までの距離は、前記第1頂部から上下方向の前記他側へ向かうほど短くなるように設定される
    ことを特徴とするロック装置。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載のロック装置であって、
    前記ストライカとの当接による前記弾性部材の弾性変形量は、前記第1カムが前記中間係止位置から前記完全係止位置へ向かうほど大きくなる
    ことを特徴とするロック装置。
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