JP2021091959A - 酸性水性二成分銀−ビスマス合金電気めっき組成物及び方法 - Google Patents

酸性水性二成分銀−ビスマス合金電気めっき組成物及び方法 Download PDF

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Abstract

【課題】酸性水性二成分銀−ビスマス合金電気めっき組成物及びめっき処理方法を提供する。【解決手段】銀イオン源、ビスマスイオン源、及び5員環の芳香族複素環式窒素化合物を含む二成分銀−ビスマス合金電気めっき組成物である。前記組成物は、銀リッチな二成分銀−ビスマス合金の溶着を可能にするチオール官能基を備える5員環の複素環式窒素化合物を含む。銀リッチな銀−ビスマス溶着層は、マットから半光沢であり、均質であり、低い摩擦係数を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、酸性水性二成分銀−ビスマス合金電気めっき組成物、及び方法を目的とする。より具体的には、本発明は、酸性水性二成分銀−ビスマス合金電気めっき組成物、及び方法を目的とし、ここで酸性水性二成分銀−ビスマス合金電気めっき組成物は、低い電気接触抵抗及び良好な摩耗抵抗を有する銀リッチな二成分銀−ビスマス合金の電気溶着を可能にするチオール官能基を有する5員環の芳香族複素環式窒素化合物を含む。
銀及び銀合金めっき浴は、電子部品及び宝飾品の製造を目的とする用途において銀及び銀合金を基材に溶着させるのに非常に望ましい。その優れた電気的特性、特に低い電気接触抵抗のために実質的に純粋な銀が接点仕上げ材として用いられる。しかしながら、その機械的摩耗に対する劣った抵抗性、及び高い銀−銀摩擦係数のために、例えば電気コネクタのための接点仕上げ材としてのその使用は限定される。機械的摩耗に対する劣った抵抗性の結果、比較的少ない数のコネクタの挿入−脱挿入サイクルの後に、コネクタは物理的に破損する。高い摩擦係数はこの摩耗の問題に寄与する。コネクタが高い摩擦係数を有する場合、コネクタを挿入及び脱挿入するために必要な力は非常に高くなり、そのためコネクタが破損されるか、コネクタ設計の選択肢が制限される場合がある。銀−アンチモン及び銀−錫などの銀合金の溶着は、改善された耐摩耗性をもたらすが、特に長時間高温に曝露した後では、許容し得ないほどの劣った接触抵抗を有する。
多くの銀塩が実質的に非水溶性であり、水溶性の銀塩は、めっき浴中に一般的に存在する様々な化合物と不溶性塩を形成する場合が多いため、めっき産業は、実用的なめっき処理用途で十分に長い期間安定であり、且つ少なくとも前述の問題に対処する銀又は銀合金のめっき浴を配合する多くの課題に直面している。多くの銀及び銀合金のめっき浴が、実用的な用途を実現するためにシアン化合物を含む。しかしながら、シアン化合物は極めて有毒である。したがって、特別な廃水処理が必要となる。この結果、処理コストは増加する。更に、これらの浴はアルカリ範囲でのみ使用できるため、大半の金属はアルカリ環境では可溶性ではないので、合金化金属の種類は限定される。更に、基材をアルカリ浴に曝露することにより、基材表面の不動態化が生じ得、表面がめっき処理しにくくなる。
したがって、安定しており、酸性であり、低い電気接触抵抗、及び低い摩擦係数を有する溶着をもたらして改善された摩耗抵抗を提供する、銀合金めっき浴に対する必要性が存在する。
本発明は、銀イオン源、ビスマスイオン源、及び以下の一般式を有する5員環の芳香族複素環式窒素化合物を含む二成分銀−ビスマス合金電気めっき組成物を目的とし、
Figure 2021091959
式中、Q〜Qは置換若しくは非置換窒素、又は置換若しくは非置換炭素であり得るが、但し、Q〜Qのうち少なくとも2つは窒素であり、置換基としては、水素、(C〜C)アルキル、アミノ基、アミノアルキル基、カルボキシル、カルボキシ(C〜C)アルキル又はアルキルスルホネートが挙げられるが、これらに限定されず、pHは7未満である。
本発明はまた、基材上に二成分銀−ビスマス合金を電気めっき処理する方法であって、
a)基材を提供することと、
b)基材を、銀イオン源、ビスマスイオン源、及び以下の一般式を有する5員環の芳香族複素環式窒素化合物を含む二成分銀−ビスマス合金電気めっき組成物と接触させることであって、
Figure 2021091959
式中、Q〜Qは置換若しくは非置換窒素、又は置換若しくは非置換炭素であり得るが、但し、Q〜Qのうち少なくとも2つは窒素であり、置換基としては、水素、(C〜C)アルキル、アミノ基、アミノアルキル基、カルボキシル、カルボキシ(C〜C)アルキル又はアルキルスルホネートが挙げられるが、これらに限定されず、pHは7未満である、ことと:
c)二成分銀−ビスマス合金電気めっき組成物及び基材に電流を印加して、基材上に銀−ビスマス合金溶着層を電気めっき処理することと、を含む方法を目的とする。
本発明は、更に、基材の表面に隣接した二成分銀−ビスマス合金層を備える物品を目的とし、二成分銀−ビスマス合金層は、90%〜99%の銀と、1%〜10%のビスマスとを備え、1以下の摩擦係数を有する。
酸性環境中で、水性二成分銀−ビスマス合金電気めっき組成物中に、上記の式(I)を有する5員環の芳香族複素環式窒素化合物を含むことにより、銀リッチな二成分銀−ビスマス合金を基材上に溶着することが可能になり、その結果、銀リッチな二成分銀−ビスマス合金は実質的に良好な銀溶着の電気的特性、特に低い電気接触抵抗を有する。更に、銀リッチな二成分銀−ビスマス合金溶着層は、良好な機械的摩耗抵抗を有する。銀リッチな二成分銀−ビスマス溶着層は、均質であり、外観がマットから半光沢である。本発明の二成分銀−ビスマス合金電気めっき組成物は、安定である。
銀マトリックス中の個別のビスマスのセクタを示す、二成分銀−ビスマス合金の10,000倍の走査型電子顕微鏡画像である。 銀金属溶着層の表面の2Dプロフィロメトリ図であり、x軸及びy軸はマイクロメートル(μm)単位の目盛りが付けられている。 銀金属溶着層の表面の3Dプロフィロメトリ図であり、x軸、y軸、及びz軸はマイクロメートル(μm)単位の目盛りが付けられている。 本発明の銀−ビスマス合金溶着層の表面の2Dプロフィロメトリ図であり、合金は95%の銀及び5%のビスマスからなり、x軸、y軸、及びz軸はマイクロメートル(μm)単位の目盛りが付けられている。 本発明の銀−ビスマス合金溶着層の表面の3Dプロフィロメトリ図であり、合金は95%の銀及び5%のビスマスからなり、x軸、y軸、及びz軸はマイクロメートル(μm)単位の目盛りが付けられている。 本発明の銀−ビスマス合金溶着層の表面の2Dプロフィロメトリ図であり、合金は97%の銀及び3%のビスマスからなり、x軸、y軸、及びz軸はマイクロメートル(μm)単位の目盛りが付けられている。 本発明の銀−ビスマス合金溶着層の表面の3Dプロフィロメトリ図であり、合金は97%の銀及び3%のビスマスからなり、x軸、y軸、及びz軸はマイクロメートル(μm)単位の目盛りが付けられている。 本発明の銀−ビスマス合金溶着層の表面の2Dプロフィロメトリ図であり、合金は97%の銀及び3%のビスマスからなり、x軸、y軸、及びz軸はマイクロメートル(μm)単位の目盛りが付けられている。 本発明の銀−ビスマス合金溶着層の表面の3Dプロフィロメトリ図であり、合金は97%の銀及び3%のビスマスからなり、x軸、y軸、及びz軸はマイクロメートル(μm)単位の目盛りが付けられている。
本明細書全体を通して使用されるとき、略語は、文脈が明確に他に指示しない限り、以下の意味を有するものとする:℃=セルシウス度、ppm=100万分率、1ppm=1mg/L、g=グラム、mg=ミリグラム、L=リットル、mL=ミリリットル、mm=ミリメートル、cm=センチメートル、μm=マイクロメートル、DI=脱イオン、A=アンペア、ASD=アンペア/dm=めっき速度、DC=直流;v=ボルト(これは起電力のSI単位である)、mΩ=ミリオーム=接触抵抗、cN=センチニュートン=力の単位、N=ニュートン、COF=摩擦係数、rpm=1分間当たり回転数、s=秒、2D=二次元、3D=三次元、Ag=銀、Bi=ビスマス、Au=金、Cu=銅、Ag分子量=107.868g/モル、3,6−ジチア−1,8−オクタンジオールの分子量=182.3g/モル。
用語「アルキル」は、一般式C2n+1を有する有機官能基を意味し、式中、Cは炭素であり、Hは水素であり、nは整数である。用語「脂肪族」は、炭素原子が芳香環ではなく開鎖(アルカンにあるような)を形成する有機化合物に関連するか又はこれを表すことを意味する。合金を参照するときの用語「二成分」は、2種類の金属の均質混合物からなる金属固体を意味する。化学構造中の破線「−−−−」は、任意選択的な共有結合を意味する。用語「隣接する」は、2つの金属層が共通の界面を有するように直接接触することを意味する。用語「接触抵抗」は、適用される力の関数としての電気抵抗を意味する。用語「ニュートン」は、力のSI単位であり、これは1キログラムの質量に1メートル毎秒毎秒の加速を与える力に等しく、また100,000ダインと同等である。用語「摩擦係数」は、2つの物体間の摩擦力と、関与する物体間の垂直反作用と、の間の関係を示す値であり、F=μFによって示され、式中、Fは摩擦力、μは摩擦係数、Fは垂直力である。用語「垂直力」は、2つの物体間の接触面に対して垂直に適用される力を意味する。用語「個別の」は、個々に分離しており、互いに異なることを意味する。用語「セクタ」は、他の領域とは異なる領域又は部分を意味する。用語「マトリックス」は、周囲の金属又は大部分の金属、すなわち、金属合金の50%超を意味する。用語「但し(proviso)」は、条件又は制約を意味する。用語「トライボロジー」は、相対運動において相互作用する表面の科学及び工学を意味し、潤滑、摩擦、及び摩耗の原理の研究及び適用を含む。用語「冷間溶接」は、溶接される2つの部分の界面における融解又は加熱なしに接合が起き、接合部に溶融液体又は溶融相が存在しない固相溶接プロセスを意味する。用語「水性」は水、又は水系を意味する。用語「組成物」及び「浴」は、本明細書全体を通じて互換的に使用される。用語「溶着層」及び「層」は、本明細書全体を通じて互換的に使用される。用語「電気めっき」、「めっき」、及び「溶着」は、本明細書全体を通じて互換的に使用される。用語「マット」は、光沢がない又は艶がないことを意味する。用語「a」及び「an」は、本明細書全体を通じて単数及び複数の両方を指すことができる。特別の定めのない限り、全てのパーセント(%)値及び範囲は重量パーセントを指す。全ての数値範囲は、包含的であり、且ついかなる順序でも組み合わされ得るが、但し、そのような数値範囲を合計したものが100%となるように制約されることが論理的である場合を例外とする。
本発明は、水性酸性二成分銀−ビスマス合金電気めっき組成物を目的とし、水性酸性二成分銀−ビスマス合金電気めっき組成物は、銀イオン源、ビスマスイオン源、及び以下の一般式を有する5員環の芳香族複素環式窒素化合物を含み、
Figure 2021091959
式中、Q〜Qは置換若しくは非置換窒素、又は置換若しくは非置換炭素であり得るが、但し、Q〜Qのうち少なくとも3つは窒素であり、置換基としては、水素、(C〜C)アルキル、アミノ基、アミノアルキル基、カルボキシル基、カルボキシ(C〜C)アルキル又はアルキルスルホネートが挙げられるが、これらに限定されず、pHは7未満である。好ましくは、置換基は、水素、(C〜C)アルキル、NHなどの第1級アミノ基、NH−NHなどの第2級アミノ基、又はアミノ(C〜C)アルキルであり、更に好ましくは、置換基は水素、メチル、又はNHであり、より好ましくは、環の窒素が水素若しくはメチル基で置換されるか、又は環の窒素がNHで置換され、或いは環の炭素がNHで置換され、最も好ましくは、環の窒素が水素又はメチルで置換される。
マットから半光沢であり、均質で銀リッチな二成分銀−ビスマス合金溶着層は、低い電気接触抵抗などの実質的に良好な電気的特性を有する。銀リッチな二成分銀−ビスマス合金溶着層は、低い摩擦係数を有し、その結果、銀リッチな二成分銀−ビスマス合金層は、良好な機械的摩耗抵抗を有する。本発明の酸性水性二成分銀−ビスマス合金電気めっき組成物は安定である。水性二成分銀−ビスマス合金電気めっき組成物は、アンチモン、錫、銅、ニッケル、コバルト、カドミウム、金、鉛、インジウム、鉄、パラジウム、プラチナ、ロジウム、ルテニウム、テルル、タリウム、セレン、及び亜鉛などであるがこれらに限定されないいかなる追加の合金化金属も含まない。好ましくは、酸性水性銀−ビスマス合金電気めっき組成物は、シアン化物を含まない。
本発明の好ましい5員環の芳香族複素環式窒素化合物の例は以下のとおりである。
Figure 2021091959
3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、
Figure 2021091959
3−アミノ−1,2,4−トリアゾール−5−チオール、
Figure 2021091959
4−アミノ−3−ヒドラジノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、
Figure 2021091959
3−メルカプト−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール、
Figure 2021091959
1H−イミダゾール−2−チオール、及び
チオール官能基を有する5員環の芳香族複素環式窒素化合物の塩。より好ましくは、本発明のチオール官能基を有する5員環の芳香族複素環式窒素化合物は、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール−5−チオール、3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール、及びチオール官能基を有する5員環の芳香族複素環式窒素化合物の塩のうちの1つ以上から選択され、更により好ましくは、本発明のチオール官能基を有する5員環の芳香族複素環式窒素化合物は、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール−5−チオール、3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール、及び本発明のチオール官能基を有する5員環の芳香族複素環式窒素化合物の塩のうちの1つ以上から選択され、更に好ましくは、本発明のチオール官能基を有する5員環の芳香族複素環式窒素化合物は、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール、及び本発明のチオール官能基を有する5員環の芳香族複素環式窒素化合物の塩のうちの1つ以上から選択される。本発明のチオール官能基を有する5員環の芳香族複素環式窒素化合物の塩としては、ナトリウム、カリウム、及びリチウム塩、アンモニウム塩、テトラアルキルアンモニウム塩、マグネシウム塩、銀塩、並びにビスマス塩などのアルカリ金属塩が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明のチオール官能基を有する5員環の芳香族複素環式窒素化合物及びその塩は、水性酸環境において銀リッチな二成分銀−ビスマス合金の電気めっき処理を可能にするように十分な量で含まれる。好ましくは、本発明のチオール官能基を有する5員環の芳香族複素環式窒素化合物は、50ppm以上の量で、より好ましくは、100ppm〜100g/L、更に好ましくは100ppm〜20g/L、更により好ましくは100ppm〜10g/L、最も好ましくは100ppm〜5g/Lの量で含まれる。
本発明の水性酸銀−ビスマス合金電気めっき組成物は、銀イオン源を含む。銀イオン源は、ハロゲン化銀、グルコン酸銀、クエン酸銀、乳酸銀、硝酸銀、硫酸銀、アルカンスルホン酸銀、アルカノールスルホン酸銀、又はこれらの混合物などであるがこれらに限定されない銀塩によって提供され得る。ハロゲン化銀が用いられる場合、好ましくは、ハロゲン化物は塩化物である。好ましくは、銀塩は、硫酸銀、アルカンスルホン酸銀、硝酸銀、又はこれらの混合物であり、より好ましくは、銀塩は、硫酸銀、メタンスルホン酸銀、又はこれらの混合物である。銀塩の混合物も組成物に含まれ得る。銀塩は、一般的には市販されており、或いは文献に記載された方法により調製することもできる。好ましくは、銀塩は易水溶性である。
水性酸二成分銀−ビスマス合金電気めっき組成物に含まれる銀塩の量は、所望されるマットから半光沢で且つ均質な銀リッチな二成分銀−ビスマス合金溶着層を提供するのに十分な量であり、好ましくは、銀リッチな二成分銀−ビスマス合金溶着層の銀含有量は、90%〜99.8%の銀、更に好ましくは90%〜99.7%、最も好ましくは95%〜99.7%の銀を含有し、合金化金属の残部はビスマスであり、ここで不可避的な不純物は除外している。好ましくは、銀塩は、銀イオンを少なくとも10g/Lの濃度で提供するように組成物中に含まれ、より好ましくは、銀塩は、10g/L〜100g/Lの量の銀イオン濃度を提供する量で組成物中に含まれ、更に好ましくは、銀塩は、20g/L〜80g/Lの銀イオン濃度を提供する量で含まれ、最も好ましくは、銀塩は、20g/L〜60g/Lの濃度で銀イオンを提供する量で含まれる。
水性酸銀−ビスマス合金電気めっき組成物は、溶液中にBi3+イオンを含む電気めっき浴を提供するビスマスイオン源を含む。ビスマスイオン源としては、メタンスルホン酸ビスマス、エタンスルホン酸ビスマス、プロパンスルホン酸ビスマス、プロパンスルホン酸2−ビスマス、及びp−フェノールスルホン酸ビスマスなどのアルカンスルホン酸のビスマス塩、ヒドロキシメタンスルホン酸ビスマス、2−ヒドロキシエタン−1−スルホン酸ビスマス、及び2−ヒドロキシブタン−1−スルホン酸ビスマスなどのアルカノールスルホン酸のビスマス塩、並びに硝酸ビスマス、硫酸ビスマス、及び塩化ビスマスなどのビスマス塩が挙げられるがこれらに限定されない。ビスマス塩の混合物も組成物に含まれ得る。好ましくは、ビスマス塩は水溶性である。
水性酸二成分銀−ビスマス合金電気めっき組成物に含まれるビスマス塩の量は、所望されるマットから半光沢で且つ均質な銀リッチな二成分銀−ビスマス合金溶着層を提供するのに十分な量であり、好ましくは、銀リッチな二成分銀−ビスマス合金溶着層のビスマス含有量は、0.2%〜10%のビスマス、更に好ましくは0.3%〜10%のビスマス、最も好ましくは0.3%〜5%のビスマスを含有する。好ましくは、ビスマス塩は、ビスマス(III)イオンを50ppm〜10g/L、更に好ましくは100ppm〜5g/L、最も好ましくは200ppm〜5g/Lの量で提供するように、銀−ビスマス組成物に含まれる。こうしたビスマス塩は市販されており、或いは化学文献における開示に従って製造することもできる。これらは、一般的に、Aldrich Chemical Company(Milwaukee,Wisconsin)などの様々な供給源から市販されている。
好ましくは、本発明の水性酸銀−ビスマス合金電気めっき組成物においては、溶媒として含まれる水は、付随的な不純物を制限するために脱イオン及び蒸留のうちの少なくとも1つがなされる。
任意選択的に、組成物に導電性を提供するのを補助するために、二成分銀−ビスマス合金電気めっき組成物に酸が含まれてもよい。酸としては、酢酸、クエン酸などの有機酸、アリールスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、又はプロパンスルホン酸などのアルカンスルホン酸、フェニルスルホン酸又はトリルスルホン酸などのアリールスルホン酸、及び硫酸、スルファミン酸、塩酸、臭化水素酸、又はホウフッ化水素酸などの無機酸が挙げられるがこれらに限定されない。上記の酸の水溶性塩もまた、本発明の二成分銀−ビスマス合金電気めっき組成物に含まれ得る。好ましくは、酸は、酢酸、クエン酸、アルカンスルホン酸、アリールスルホン酸、又はこれらの塩であり、より好ましくは、酸は、酢酸、クエン酸、メタンスルホン酸、又はこれらの塩である。こうした塩としては、ナトリウム、カリウム、銀、ビスマス、マグネシウム、テトラアルキルアンモニウム、及びアンモニウム塩が挙げられるが、これらに限定されない。酸の混合物が用いられてもよいが、好ましくは、使用する場合は単一の酸が用いられる。酸は一般的に市販されており、或いは文献で既知の方法によって調製することもできる。こうした酸は、所望の導電性を提供するような量で含まれ得る。好ましくは、酸又はその塩は、少なくとも5g/L、より好ましくは10g/L〜250g/L、更により好ましくは30g/L〜150g/L、最も好ましくは30g/L〜125g/Lの量で含まれる。
水性酸性二成分銀−ビスマス合金電気めっき組成物のpHは7未満である。好ましくは、pHは0〜6であり、より好ましくは、pHは0〜5であり、更に好ましくは、pHは0〜3であり、更により好ましくは、pHは0〜2.5であり、最も好ましくは、pHは0〜2である。
任意選択的に、本発明の水性酸二成分銀−ビスマス合金電気めっき組成物にはpH調整剤が含まれてもよい。こうしたpH調整剤としては、無機酸、有機酸、無機塩基、又は有機塩基、及びこれらの塩が挙げられる。こうした酸としては、硫酸、塩酸、スルファミン酸、ホウ酸、リン酸、又はこれらの塩などの無機酸が挙げられるがこれらに限定されない。有機酸としては、酢酸、クエン酸、アミノ酢酸、及びアスコルビン酸、又はこれらの塩が挙げられるがこれらに限定されない。こうした塩としては、クエン酸三ナトリウムが挙げられるがこれに限定されない。水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムなどの無機塩基、並びに様々な種類のアミンなどの有機塩基を用いることができる。好ましくは、pH調整剤は、酢酸、クエン酸、アミノ酢酸、又はこれらの塩から選択され、最も好ましくは、酢酸、クエン酸、又はこれらの塩から選択される。pH調整剤は、必要に応じて所望のpH範囲を維持するための量で添加されてよい。
任意選択的に、しかし好ましくは、チオエーテルが本発明の水性酸二成分銀−ビスマス合金電気めっき組成物に含まれる。こうしたチオエーテルとしては、2,2’−チオジエタノール、4,4’−チオジフェノール、及び4,4’−チオビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、ジヒドロキシビス−スルフィド化合物、又はこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない。こうしたジヒドロキシビス−スルフィド化合物としては、2,4−ジチア−1,5−ペンタンジオール、2,5−ジチア−1,6−ヘキサンジオール、2,6−ジチア−1,7−ヘプタンジオール、2,7−ジチア−1,8−オクタンジオール、2、8−ジチア−1,9−ノナンジオール、2,9−ジチア−1,10−デカンジオール、2,11−ジチア−1,12−ドデカンジオール、5,8−ジチア−1,12−ドデカンジオール、2,15−ジチア−1,16−ヘキサデカンジオール、2,21−ジチア−1,22−ドエイコサンジオール、3,5−ジチア−1,7−ヘプタンジオール、3,6−ジチア−1,8−オクタンジオール、3,8−ジチア−1,10−デカンジオール、3,10−ジチア−1,8−ドデカンジオール、3,13−ジチア−1,15−ペンタデカンジオール、3,18−ジチア−1,20−エイコサンジオール、4,6−ジチア−1,9−ノナンジオール、4,7−ジチア−1,10−デカンジオール、4,11−ジチア−1,14−テトラデカンジオール、4,15−ジチア−1,18−オクタデカンジオール、4,19−ジチア−1,22−ドエイコサンジオール、5,7−ジチア−1,11−ウンデカンジオール、5,9−ジチア−1,13−トリデカンジオール、5,13−ジチア−1,17−ヘプタデカンジオール、5,17−ジチア−1,21−ウンエイコサンジオール(uneicosanediol)、及び1,8−ジメチル−3,6−ジチア−1,8−オクタンジオールが挙げられるがこれらに限定されない。好ましくは、ジヒドロキシビス−スルフィド化合物は、3,6−ジチア−1,8−オクタンジオール、3,8−ジチア−1,10−デカンジオール、2,4−ジチア−1,5−ペンタンジオール、2,5−ジチア−1,6−ヘキサンジオール、2,6−ジチア−1,7−ヘプタンジオール、2,7−ジチア−1,8−オクタンジオールから、より好ましくは、3,6−ジチア−1,8−オクタンジオール、2,4−ジチア−1,5−ペンタンジオール、2,5−ジチア−1,6−ヘキサンジオール、2,6−ジチア−1,7−ヘプタンジオール、又は2,7−ジチア−1,8−オクタンジオールから、更により好ましくは、3,6−ジチア−1,8−オクタンジオール、2,6−ジチア−1,7−ヘプタンジオール、又は2,7−ジチア−1,8−オクタンジオールから、最も好ましくは3,6−ジチア−1,8−オクタンジオールから選択される。
好ましくは、チオエーテル化合物は、少なくとも1モルのチオエーテル対1モルの銀、より好ましくは1〜5モルのチオエーテル対1モルの銀、更により好ましくは2〜4モルのチオエーテル対1モルの銀、最も好ましくは2.5〜4モルのチオエーテル対1モルの銀、の銀とのモル比で水性酸二成分銀−ビスマス合金電気めっき組成物に含まれ得る。
任意選択的に、しかし好ましくは、本発明の水性酸二成分銀−ビスマス合金電気めっき組成物は、脂肪族チオール末端化合物を含むことができる。こうした脂肪族チオール末端化合物としては、チオグリコール酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、システイン、メルカプトコハク酸、3−メルカプト−1−プロパンスルホン酸、2−メルカプトエタンスルホン酸、及びこれらの塩が挙げられるがこれらに限定されない。本発明の脂肪族チオール末端化合物の塩としては、ナトリウム及びカリウム塩などのアルカリ金属塩、又はアンモニウム塩が挙げられるがこれらに限定されない。
好ましくは、本発明の脂肪族チオール末端脂肪族化合物は、1g/L以上の量で含まれ、より好ましくは、脂肪族チオール末端化合物は、1g/L〜100g/L、最も好ましくは1g/L〜60g/Lの量で含まれる。
任意選択的に、本発明の水性酸銀−ビスマス合金電気めっき組成物には1つ以上の界面活性剤が含まれてもよい。こうした界面活性剤としては、カチオン性及びアニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、並びに両性界面活性剤などのイオン性界面活性剤が挙げられるがこれらに限定されない。界面活性剤は、0.05g/L〜30g/Lなどの従来量で含まれてよい。
アニオン性界面活性剤の例は、ジ(1,3−ジメチルブチル)スルホコハク酸ナトリウム、硫酸ナトリウム2−エチルヘキシル、ジアミルスルホコハク酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムである。カチオン性界面活性剤の例は、過フッ素化4級アミンなどの第4級アンモニウム塩である。
殺生物剤などの更なる任意選択的な添加剤が、本発明の銀−ビスマス合金電気めっき組成物に含まれてもよい。当該技術分野で周知される従来の殺生物剤が、本発明の銀−ビスマス合金電気めっき組成物に含まれてもよい。殺生物剤は、当業者に周知される従来量で含まれる。好ましくは、ならし剤(levelers)として機能する化合物は、本発明の銀−ビスマス合金電気めっき組成物から除外される。
好ましくは、本発明の酸性水性二成分銀−ビスマス合金電気めっき組成物は、水、銀イオン及び対アニオン、ビスマス(III)イオン及び対アニオン、以下の一般式を有する5員環の芳香族複素環式窒素化合物からなり、
Figure 2021091959
式中、Q〜Qは置換若しくは非置換窒素、又は置換若しくは非置換炭素であり得るが、但し、Q〜Qのうち少なくとも2つは窒素であり、置換基としては、水素、(C〜C)アルキル、アミノ基、アミノアルキル基、カルボキシル、カルボキシ(C〜C)アルキル又はアルキルスルホネート、任意選択的にチオエーテル、任意選択的に脂肪族チオール末端化合物又はその塩、任意選択的に酸又はその塩、任意選択的にpH調整剤、任意選択的に殺生物剤、及び任意選択的に界面活性剤が挙げられるが、これらに限定されず、pHは7未満である。
更に好ましくは、本発明の酸性水性二成分銀−ビスマス合金電気めっき組成物は、水、銀イオン及び対アニオン、ビスマス(III)イオン及び対アニオン、以下の一般式を有する5員環の芳香族複素環式窒素化合物からなり、
Figure 2021091959
式中、Q〜Qは置換若しくは非置換窒素、又は置換若しくは非置換炭素であり得るが、但し、Q〜Qのうち少なくとも2つは窒素であり、置換基としては、水素、(C〜C)アルキル、アミノ基、アミノアルキル基、カルボキシル、カルボキシ(C〜C)アルキル又はアルキルスルホネート、チオエーテル、任意選択的に脂肪族チオール末端化合物又はその塩、任意選択的に酸又はその塩、任意選択的にpH調整剤、任意選択的に殺生物剤、及び任意選択的に界面活性剤が挙げられるが、これらに限定されず、pHは0〜6である。
より好ましくは、本発明の酸性水性二成分銀−ビスマス合金電気めっき組成物は、水、銀イオン及び対アニオン、ビスマス(III)イオン及び対アニオン、以下の一般式を有する5員環の芳香族複素環式窒素化合物からなり、
Figure 2021091959
式中、Q〜Qは置換若しくは非置換窒素、又は置換若しくは非置換炭素であり得るが、但し、Q〜Qのうち少なくとも2つは窒素であり、置換基としては、水素、(C〜C)アルキル、アミノ基、アミノアルキル基、カルボキシル、カルボキシ(C〜C)アルキル又はアルキルスルホネート、ジヒドロキシビス−スルフィド化合物、脂肪族チオール末端化合物又はその塩、酸又はその塩、任意選択的にpH調整剤、任意選択的に殺生物剤、及び任意選択的に界面活性剤が挙げられるが、これらに限定されず、pHは0〜6である。
更により好ましくは、本発明の酸性水性二成分銀−ビスマス合金電気めっき組成物は、水、銀イオン及び対アニオン、ビスマス(III)イオン及び対アニオン、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール−5−チオール、3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール、1H−イミダゾール−2−チオール、チオール官能基を有する5員環の芳香族複素環式窒素化合物の塩、及びこれらの混合物からなる群から選択される化合物、ジヒドロキシビス−スルフィド化合物、チオグリコール酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、システイン、メルカプトコハク酸、3−メルカプト−1−プロパンスルホン酸、2−メルカプトエタンスルホン酸、及びこれらの塩からなる群から選択される脂肪族チオール末端化合物、酸又はその塩、任意選択的にpH調整剤、任意選択的に殺生物剤、並びに任意選択的に界面活性剤からなり、pHは0〜3である。
本発明の酸性水性二成分銀−ビスマス合金電気めっき組成物は、二成分銀−ビスマス合金層を、導電性及び半導体基材の両方の様々な基材上に溶着させるために用いられ得る。好ましくは、銀−ビスマス合金層が溶着される基材は、ニッケル、ニッケル合金、銅、及び銅合金基材である。こうしたニッケル合金基材としては、ニッケル−リン及びニッケル−ホウ素が挙げられるがこれらに限定されない。こうした銅合金基材としては、黄銅及び青銅が挙げられるがこれらに限定されない。
めっき中の電気めっき組成物の温度は、室温〜70℃、好ましくは30℃〜60℃、より好ましくは40℃〜60℃の範囲であり得る。二成分銀−ビスマス合金電気めっき組成物は、好ましくは、電気めっき処理中は連続的な攪拌下にある。
本発明の酸性水性二成分銀−ビスマス合金電気めっき法は、基材を提供することと、本発明の酸性水性二成分銀−ビスマス合金電気めっき組成物を提供することと、基材を組成物中に浸漬させるか、又は組成物を基材に噴霧することなどによって基材を酸性水性二成分銀−ビスマス合金電気めっき組成物と接触させることと、従来の整流器で電流を印加することであって、基材がカソードとして機能し、対電極又はアノードが存在する、ことと、を含む。アノードは、二成分銀−ビスマス合金を電気めっき処理するために用いられる任意の従来の可溶性又は不溶性アノードであってよい。二成分銀−ビスマス合金は、基材表面に隣接して溶着され、基材表面はニッケル、ニッケル合金、銅、又は銅合金である。
本発明の酸性水性二成分銀−ビスマス合金電気めっき組成物は、広範な電流密度範囲にわたる、マットから半光沢で且つ均質な銀リッチな銀−ビスマス合金層の溶着を可能にする。銀リッチな二成分銀−ビスマス合金は、合金中の不可避的な不純物は除外して、90%〜99.8%の銀及び0.2%〜10%のビスマス、好ましくは90%〜99.7%の銀及び0.3%〜10%のビスマス、最も好ましくは95%〜99.7%の銀及び0.3%〜5%のビスマスを含む。
本発明のマットから半光沢で且つ均質な銀リッチな銀−ビスマス合金を電気めっき処理するための電流密度は、0.1ASD以上の範囲であってよい。好ましくは、電流密度は0.5ASD〜70ASD、更に好ましくは1ASD〜40ASD、より好ましくは1ASD〜30ASD、更により好ましくは1ASD〜15ASDの範囲である。
本発明の二成分銀−ビスマス合金層の厚さは、銀−ビスマス合金層の機能、及びそれがめっき処理される基材の種類に応じて変化してよい。好ましくは、二成分銀−ビスマス合金層は、1μm以上の範囲にわたる。更に好ましくは、二成分銀−ビスマス合金層は、1μm〜100μm、より好ましくは1μm〜50μm、更により好ましくは1μm〜10μm、最も好ましくは1μm〜5μmの厚さを有する。
本発明の酸性水性二成分銀−ビスマス合金電気めっき組成物は、銀−ビスマス合金層が挙げられ得る様々な基材をめっき処理するために使用され得ることが想定されるが、好ましくは、本発明の酸性水性二成分銀−ビスマス合金電気めっき組成物は、実質的な接触力及び摩耗が勝ることが予期される場合に、電気コネクタの上部層又はコーティングを電気めっき処理するために用いられる。銀リッチな二成分銀−ビスマス合金溶着層は、従来のコネクタ上に見出される従来の銀コーティングに対する非常に望ましい代替品である。銀−ビスマス合金溶着層は、低い電気接触抵抗を有する。更に、本発明の銀−ビスマス合金溶着層は、低いCOF、好ましくは1以下、より好ましくは0.6以下のCOFを有する。本発明の銀−ビスマス合金溶着層のCOFは、好ましくは40%の、又は実質的に純粋な銀溶着層よりも低いCOFを有し、そのため本発明の二成分銀−ビスマス合金は、実質的に純粋な銀に勝る摩耗抵抗の実質的な改善を有する。金属溶着層の表面摩耗は、当該技術分野で周知される従来の摩擦及びプロフィロメトリ測定に従って判定することができる。
以下の実施例は、本発明を更に例示するために含まれるが、その範囲を限定することを意図しない。
二成分銀−ビスマス合金電気めっき処理実施例1〜22:
電気めっき処理プロセス
特に断りのない限り、全ての事例において、電気めっき基材は5cm×5cmの黄銅(銅70%、亜鉛30%)切り取り試片であった。電気めっき処理の前に、5ASDの電流密度のDCを用いて、80℃のRONACLEAN(商標)GP−300 LF Electrolytic Cleanerアルカリ性デグリーサ(DuPontから入手可能)中で、切り取り試片を30秒間電解清浄した。電解清浄後、切り取り試片をDI水ですすぎ、10%硫酸中で30秒間活性化させ、再びDI水ですすぎ、続いて電気めっき浴内に置いた。電気めっき処理は、1ASDの電流密度のDCを用いて6分間実施した(印加された実際の電流は0.56Aである)。電気めっき処理は、正方形のガラスビーカ中で白金めっきチタンアノードを用いて実施した。攪拌は、長さ5cmのTEFLON(商標)コーティング攪拌棒によって、回転速度400rpmで提供した。電気めっき処理は温度55℃で実施した。二成分銀−ビスマス合金溶着層は厚さ約6μmであった。全ての二成分銀−ビスマス合金電気めっき浴は水系であった。各浴に、所望の体積になるまで水を添加した。水酸化カリウム又はメタンスルホン酸で電気めっき浴のpHを調整した。
Bowman(Schaumburg,IL)から入手可能なBowman Series P X−Ray Fluorimeter(XRF)を使用して、電気めっき処理された二成分銀−ビスマス合金の厚さ及び元素組成を測定した。株式会社日立製作所(日本国東京都千代田区)、Fischer GmbH(Sindelfingen,Germany)及びVeeco(Plainview,New York,USA)から入手可能な銀及びビスマスの純元素厚さ標準を用いてXRFを較正し、Bowman Series P X−Ray Fluorimeterを伴うソフトウェアパッケージを用いて純元素標準を基本パラメータ(FP)計算と組み合わせることによって、合金の組成及び厚さを計算した。
接触抵抗測定
Starrett DFC−20デジタル力ゲージ(Athol,MA,USA)を装備したStarrett MTH−550手動力テスタースタンドを含む注文設計した機器を用いて接触抵抗を評価した。デジタル力ゲージは、直径2.5mmの半球状先端部を有する金めっき銅のプローブを装備していた。金めっきプローブと対象の銀合金でめっき処理された平坦な切り取り試片との接触の電気抵抗を、接触力が変化したときに4線式抵抗測定を用いて測定した。電流源は、10mAで動作するKeithley製6220 DC Current Sourceであり、電圧計は、Keithley製2182A Nanovoltmeter(Cleveland,OH,USA)であった。これらの機器は、精度を最大にするために熱電補償モードで動作させた。
摩耗抵抗測定
線形往復運動台を装備したAnton Paar TRB3ピンオンディスク摩擦計(Anton Paar GmbH(Graz,Austria)から入手可能)を用いて摩擦測定を実施した。全ての試験は1Nの荷重、10mmのストローク長、及び5mm/秒のスライド速度を用いて実施した。全ての試験は「ライク−オン−ライク(like−on−like)」で実施した。これはつまり、平坦な切り取り試片及び球形のボールをそれぞれ同じ銀(SILVER GLO(商標)3K Bright Silverめっき浴、DuPontから入手可能なシアン化物系製品)又は銀−ビスマス合金の金属溶着層でめっき処理したという意味である。使用したボールは、C260黄銅(銅70%、亜鉛30%)製であり、直径5.55mmであり、約5μmの銀で電気めっき処理されていた。平坦切り取り試片もC260黄銅製であり、約2μmの銀又は銀−ビスマス合金で電気めっき処理されていた。試験中、摩擦計を用いて摩擦係数を監視した。摩耗痕跡深さを、レーザプロフィロメトリを用いて測定した。測定は、各事例で指定されるとおりに100又は500サイクルのいずれかに対して実施した。
サイクルは摩擦計の1往復であった。サンプルを、一方向に移動させて、続いて方向を反転させて摩擦計をその元の位置に戻し、サンプルはその間を通して1Nの荷重下にあり、また球形のボールと接触していた。これが1サイクルであった。
プロフィロメトリ測定を、Keyence製VK−X Laser Scanning Confocal Microscope(Keyence Corporation of America(Elmwood Park,NJ)から入手可能)を用いて実施した。摩耗痕跡を、倍率200倍のレーザプロフィロメトリを用いて測定した。Keyence製VK−X Multianalyzerソフトウェアを用いて、これらの測定値から3D及び2Dプロフィロメトリ図を生成した。
実施例1(本発明)
以下の組成の水性酸二成分銀−ビスマス合金電気めっき浴を調製した。
20g/Lの銀イオンを供給するためのメタンスルホン酸銀
3,6−ジチア−1,8−オクタンジオール:102g/L
0.8g/Lのビスマスイオンを供給するためのメタンスルホン酸ビスマス
システイン:1.4g/L
3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール:1.5g/L
pHは1.6に調整
めっき処理後、電気溶着コーティングは半光沢となり、組成は銀98.9%及びビスマス1.1%であった。
実施例2(本発明)
以下の組成の水性酸二成分銀−ビスマス合金電気めっき浴を調製した。
20g/Lの銀イオンを供給するためのメタンスルホン酸銀
3,6−ジチア−1,8−オクタンジオール:102g/L
5g/Lのビスマスイオンを供給するためのメタンスルホン酸ビスマス
システイン:9g/L
2−メルカプト−1,2,4−トリアゾール:400ppm
pHは2に調整
めっき処理後、電気溶着コーティングは金属様且つ半光沢となり、組成は銀95%及びビスマス5%であった。図1は、銀マトリックス中で輝点によって示される個別のビスマスのゾーンを示す、二成分銀−ビスマス合金の倍率10,000倍の走査型電子顕微鏡画像である。
実施例3(本発明)
以下の組成の水性酸二成分銀−ビスマス合金電気めっき浴を調製した。
20g/Lの銀イオンを供給するためのメタンスルホン酸銀
3,6−ジチア−1,8−オクタンジオール:102g/L
5g/Lのビスマスイオンを供給するためのメタンスルホン酸ビスマス
3−メルカプト−1−プロパンスルホン酸塩、ナトリウム塩:13.2g/L
3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール:400ppm
pHは2に調整
めっき処理後、電気溶着コーティングは金属様且つ半光沢となり、組成は銀96%及びビスマス4%であった。
実施例4(本発明)
以下の組成の水性酸二成分銀−ビスマス合金電気めっき浴を調製した。
20g/Lの銀イオンを供給するためのメタンスルホン酸銀
3,6−ジチア−1,8−オクタンジオール:102g/L
5g/Lのビスマスイオンを供給するためのメタンスルホン酸ビスマス
3−メルカプト−1−エタンスルホン酸塩、ナトリウム塩:12.2g/L
3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール:400ppm
pHは2に調整
めっき処置後、電気溶着コーティングは金属様且つ半光沢となり、組成は銀96%及びビスマス4%であった。
実施例5(本発明)
以下の組成の水性酸二成分銀−ビスマス合金電気めっき浴を調製した。
20g/Lの銀イオンを供給するためのメタンスルホン酸銀
3,6−ジチア−1,8−オクタンジオール:102g/L
5g/Lのビスマスイオンを供給するためのメタンスルホン酸ビスマス
メルカプトコハク酸:11.1g/L
3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール:400ppm
pHは2に調整
めっき処理後、電気溶着コーティングは金属且つマット様となり、組成は銀98%及びビスマス2%であった。
実施例6(本発明)
以下の組成の水性酸二成分銀−ビスマス合金電気めっき浴を調製した。
20g/Lの銀イオンを供給するためのメタンスルホン酸銀
3,6−ジチア−1,8−オクタンジオール:102g/L
5g/Lのビスマスイオンを供給するためのメタンスルホン酸ビスマス
システイン:9g/L
3−メルカプト−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール:400ppm
pHは2に調整
めっき処理後、電気溶着コーティングは金属様且つ半光沢となり、組成は銀95%及びビスマス5%であった。
実施例7(本発明)
以下の組成の水性酸二成分銀−ビスマス合金電気めっき浴を調製した。
20g/Lの銀イオンを供給するためのメタンスルホン酸銀
3,6−ジチア−1,8−オクタンジオール:34g/L
メルカプトコハク酸:35g/L
2g/Lのビスマスイオンを供給するためのメタンスルホン酸ビスマス
3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール:400ppm
pHは2に調整
めっき処理後、電気溶着コーティングは金属様且つ半光沢となり、組成は銀97%及びビスマス3%であった。
実施例8(本発明)
以下の組成の水性酸二成分銀−ビスマス合金電気めっき浴を調製した。
20g/Lの銀イオンを供給するためのメタンスルホン酸銀
3,6−ジチア−1,8−オクタンジオール:34g/L
メルカプトコハク酸:35g/L
2g/Lのビスマスイオンを供給するためのメタンスルホン酸ビスマス
3−メルカプト−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール:400ppm
pHは2に調整
めっき処理後、電気溶着コーティングは金属様且つ半光沢となり、組成は銀97%及びビスマス3%であった。
実施例9(本発明)
以下の組成の水性酸二成分銀−ビスマス合金電気めっき浴を調製した。
20g/Lの銀イオンを供給するためのメタンスルホン酸銀
3,6−ジチア−1,8−オクタンジオール:34g/L
メルカプトコハク酸:35g/L
2g/Lのビスマスイオンを供給するためのメタンスルホン酸ビスマス
1H−イミダゾール−2−チオール:400ppm
pHは2に調整
めっき処理後、電気溶着コーティングは金属様且つ半光沢となり、組成は銀97%及びビスマス3%であった。
実施例10(比較実施例)
以下の組成の水性酸二成分銀−ビスマス合金電気めっき浴を調製した。
20g/Lの銀イオンを供給するためのメタンスルホン酸銀
10g/Lのビスマスイオンを供給するためのメタンスルホン酸ビスマス
メタンスルホン酸:150g/L
PLURONIC(商標)L−44界面活性剤(BASFより購入):10g/L
O−クロロベンズアルデヒド:100ppm
3,6−ジチア−1,8−オクタンジオール:80g/L
pH<1
めっき処置後、電気溶着コーティングは金属様且つ半光沢であり、組成は銀46%及びビスマス54%であった。
実施例11(比較実施例)
以下の組成の水性酸二成分銀−ビスマス合金電気めっき浴を調製した。
20g/Lの銀イオンを供給するためのメタンスルホン酸銀
3,6−ジチア−1,8−オクタンジオール:102g/L
5g/Lのビスマスイオンを供給するためのメタンスルホン酸ビスマス
システイン:9g/L
4−アミノ−1,2,4−トリアゾール:400ppm
pHは2に調整
めっき処理後、電気溶着コーティングは金属且つマット様となり、組成は銀97%及びビスマス3%であった。
実施例12(比較実施例)
以下の組成の水性酸二成分銀−ビスマス合金電気めっき浴を調製した。
20g/Lの銀イオンを供給するためのメタンスルホン酸銀
3,6−ジチア−1,8−オクタンジオール:102g/L
5g/Lのビスマスイオンを供給するためのメタンスルホン酸ビスマス
システイン:9g/L
1,2,4−トリアゾール:400ppm
pHは2に調整
めっき処理後、電気溶着コーティングは金属且つマット様となり、組成は銀97%及びビスマス3%であった。
実施例13(比較実施例)
以下の組成の水性アルカリ性のシアン化物系銀電気めっき浴を調製した。
40g/Lの銀イオンを供給するためのシアン化銀カリウム
シアン化カリウム:120g/L
炭酸カリウム:15g/L
セレノシアン酸カリウム;7mg/L
めっき処理後、電気溶着コーティングは金属且つ光沢様となり、組成は銀100%であった。
実施例14(比較実施例)
以下の組成の水性アルカリ性のシアン化物系二成分銀−アンチモン電気めっき浴を調製した。
40g/Lの銀イオンを供給するためのシアン化銀カリウム
シアン化カリウム:120g/L
炭酸カリウム:15g/L
セレノシアン酸カリウム;6mg/L
酒石酸カリウムナトリウム:10g/L
クエン酸三カリウム:19g/L
酒石酸カリウムアンチモン:7.8g/L
めっき処理後、電気溶着コーティングは金属且つ光沢様となり、組成は銀98%及びアンチモン2%であった。
実施例15
接触抵抗測定
試験を、約3μmの比較実施例13からの銀、比較実施例14からの銀−アンチモン合金(銀98%、アンチモン2%)、並びに上記の実施例2、8、及び9(本発明)で開示される水性酸二成分銀−ビスマス合金電気めっき浴からの二成分銀−ビスマス合金で電気めっき処理した平坦なニッケル切り取り試片を用いて実施した。測定の前に、切り取り試片を150℃のオーブン内で100時間加熱した。切り取り試片の接触抵抗を以下の表1に示す。
Figure 2021091959
実施例16(比較実施例)
実施例13(比較)に記載される浴を用いて電気めっき処理された銀金属溶着層上で摩耗抵抗測定を実施した。試験は100サイクル実施した。図2は、x軸に沿って600μm〜800μm、y軸に沿って+2μm〜−5μmの銀の大規模な表面摩耗を示す、銀溶着層の2Dプロフィロメトリ図である。図3は、100サイクル後に銀溶着層の顕著な表面摩耗を更に実証する、銀溶着層の3Dプロフィロメトリ図である。ボールの検査は材料の堆積を示し、また、摩耗痕跡の終端において顕著なプラウ形成が観察され、これは摩耗プロセス中の冷間溶接を示した。実験全体を通して摩擦係数は約1.6であると決定された。摩擦係数は、摩擦力を測定し、続いて摩擦力を報告された下向き力で除算して摩擦係数を得る、摩擦計上のセンサによって測定された。
実施例17(比較実施例)
実施例10(比較)に記載される浴を用いて電気めっき処理された銀−ビスマス合金溶着層上で摩耗抵抗測定を実施した。試験は500サイクル実施した。実験全体を通して摩擦係数は約0.3であると決定された。しかしながら、観測された摩耗痕跡は、顕著な摩耗を示した上記の実施例16で観察されたものと実質的に同じであった。
実施例18(比較実施例)
実施例11(比較)に記載される浴を用いて電気めっき処理された銀−ビスマス合金溶着層上で摩耗抵抗測定を実施した。試験は500サイクル実施した。実験全体を通して摩擦係数は約0.7であると決定された。しかしながら、観測された摩耗痕跡は、顕著な摩耗を示した上記の実施例16で銀金属に関して観察されたものと実質的に同じであった。
実施例19(比較実施例)
実施例12(比較)に記載される浴を用いて電気めっき処理された銀−ビスマス合金溶着層上で摩耗抵抗測定を実施した。試験は500サイクル実施した。実験全体を通して摩擦係数は約0.7であると決定された。しかしながら、観測された摩耗痕跡は、甚大な摩耗を示した上記の実施例16で観察されたものと実質的に同じであった。
実施例20(本発明)
実施例2(本発明)に記載される浴を用いて電気めっき処理された銀−ビスマス合金溶着層上で摩耗抵抗測定を実施した。試験は500サイクル実施した。図4は、サンプルの幅に沿って銀−ビスマス合金の観測可能な摩耗を全く示さない、銀−ビスマス合金溶着層の2Dプロフィロメトリ図である。図5は、500サイクル後に銀−ビスマス合金溶着層の観測可能な表面摩耗を更に全く示さない、銀−ビスマス合金溶着層の3Dプロフィロメトリ図である。球形のボールの検査は材料の堆積を全く示さず、また、摩耗痕跡の終端において観察可能なプラウ形成は全く存在せず、これは摩耗プロセス中に冷間溶接が全く起きなかったことを示した。実験全体を通して摩擦係数は約0.6であると決定された。これらの結果は、比較実施例を上回る顕著な改善を示した。
実施例21(本発明)
実施例8(本発明)に記載される浴を用いて電気めっき処理された銀−ビスマス合金溶着層上で摩耗抵抗測定を実施した。試験は500サイクル実施した。図6は、サンプルの幅に沿って銀−ビスマス合金の小規模な摩耗を示すが、比較実施例と比較して顕著に低い、銀溶着層の2Dプロフィロメトリ図である。図7は、500サイクル後に銀−ビスマス溶着層の小規模な摩耗を更に示す、銀−ビスマス合金溶着層の3Dプロフィロメトリ図である。球形のボールの検査は材料の堆積を全く示さず、また、摩耗痕跡の終端においてプラウ形成は全く観察されず、これは摩耗プロセス中に冷間溶接が全く起きなかったことを示した。実験全体を通して摩擦係数は約0.9であると決定された。これらの結果は、比較実施例を上回る顕著な改善を示した。
実施例22(本発明)
実施例10(本発明)に記載される浴を用いて電気めっき処理された銀−ビスマス合金溶着層上で摩耗抵抗測定を実施した。試験は500サイクル実施した。図8は、サンプルの幅に沿って銀−ビスマス合金の極微な摩耗を示す、銀溶着層の2Dプロフィロメトリ図である。図9は、500サイクル後に銀−ビスマス溶着層の極微な表面摩耗を更に示す、銀−ビスマス合金溶着層の3Dプロフィロメトリ図である。球形のボールの検査は材料の堆積を全く示さず、また、摩耗痕跡の終端においてプラウ形成は全く観察されず、これは摩耗プロセス中に冷間溶接が全く起きなかったことを示した。実験全体を通して摩擦係数は約0.5であると決定された。これらの結果は、比較実施例を上回る顕著な改善を示した。

Claims (11)

  1. 銀イオン源、ビスマスイオン源、及び以下の一般式を有する5員環の芳香族複素環式窒素化合物を含む二成分銀−ビスマス合金電気めっき組成物であって、
    Figure 2021091959
    式中、Q〜Qは置換若しくは非置換窒素、又は置換若しくは非置換炭素であり得るが、但し、Q〜Qのうち少なくとも2つは窒素であり、置換基としては、(C〜C)アルキル、アミノ基、アミノアルキル基、カルボキシル、カルボキシ(C〜C)アルキル、又はアルキルスルホネートが挙げられるが、これらに限定されず、pHは7未満である、二成分銀−ビスマス合金電気めっき組成物。
  2. 前記5員環の芳香族複素環式窒素化合物は、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール−5−チオール、3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール、1H−イミダゾール−2−チオール、前記5員環の芳香族複素環式窒素化合物の塩、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の二成分銀−ビスマス合金電気めっき組成物。
  3. チオエーテル又はその混合物を更に含む、請求項1に記載の二成分銀−ビスマス合金電気めっき組成物。
  4. 前記チオエーテルは、ヒドロキシビス−スルフィド化合物である、請求項3に記載の二成分銀−ビスマス合金電気めっき組成物。
  5. 脂肪族チオール末端化合物又はその混合物を更に含む、請求項1に記載の二成分銀−ビスマス合金電気めっき組成物。
  6. 前記脂肪族チオール末端化合物は、チオグリコール酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、システイン、メルカプトコハク酸、3−メルカプト−1−プロパンスルホン酸、2−メルカプトエタンスルホン酸、前記脂肪族チオール末端化合物の塩、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項5に記載の二成分銀−ビスマス合金電気めっき組成物。
  7. 基材上に二成分銀−ビスマス合金を電気めっき処理する方法であって、
    a)前記基材を提供することと、
    b)前記基材を、銀イオン源、ビスマスイオン源、及び以下の一般式を有する5員環の芳香族複素環式窒素化合物を含む二成分銀−ビスマス合金電気めっき組成物と接触させることであって、
    Figure 2021091959
    式中、Q〜Qは置換若しくは非置換窒素、又は置換若しくは非置換炭素であり得るが、但し、Q〜Qのうち少なくとも2つは窒素であり、置換基としては、(C〜C)アルキル、アミノ基、アミノアルキル基、カルボキシル、カルボキシ(C〜C)アルキル、又はアルキルスルホネートが挙げられるが、これらに限定されず、pHは7未満である、ことと、
    c)前記二成分銀−ビスマス合金電気めっき組成物及び基材に電流を印加して、前記基材上に二成分銀−ビスマス溶着層を電気めっき処理することと、を含む、方法。
  8. 前記5員環の芳香族複素環式窒素化合物は、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール−5−チオール、3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール、1H−イミダゾール−2−チオール、前記5員環の芳香族複素環式窒素化合物の塩、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項7に記載の方法。
  9. 前記二成分銀−ビスマス合金電気めっき組成物は、チオエーテル又はその混合物を更に含む、請求項7に記載の方法。
  10. 前記二成分銀−ビスマス合金電気めっき組成物は、脂肪族チオール末端化合物又はその混合物を更に含む、請求項7に記載の方法。
  11. 基材の表面に隣接した二成分銀−ビスマス合金層を備える物品であって、前記二成分銀−ビスマス合金層は、90%〜99.8%の銀と、0.2%〜10%のビスマスと、を備え、1以下の摩擦係数を有する、物品。
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