JP2021091797A - 硬化性(メタ)アクリレート系樹脂組成物及び塗装物品 - Google Patents

硬化性(メタ)アクリレート系樹脂組成物及び塗装物品 Download PDF

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Hitoshi Matsunami
斉 松浪
貴幸 津曲
Takayuki Tsumagari
貴幸 津曲
祐介 齊ノ内
Yusuke Sainouchi
祐介 齊ノ内
山口 剛
Takeshi Yamaguchi
山口  剛
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Abstract

【課題】耐擦傷性、光学透明性(全光線透過率、ヘイズ)、屈曲性及び汚染除去性の全てが改善された樹脂組成物を提供することを目的とする。【解決手段】(A)ポリシロキサン又はフッ素非含有多官能ウレタン(メタ)アクリレート、(B)1以上の水酸基含有ポリシロキサン系化合物、多価イソシアネート系化合物及び水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物の反応物であるポリシロキサン構造含有ウレタン(メタ)アクリレート(エチレン性不飽和二重結合を6以上含有)であるポリシロキサン含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物、(C)パーフルオロアルキレンオキシド誘導体(分子量400以上)とイソシアナトアルキル(メタ)アクリレート化合物との反応物であるフッ素含有ウレタン(メタ)アクリレート及び(D)フッ素含有(メタ)アクリレートを98〜99:0.1〜0.2:0.5〜1.0:0.3〜0.5の質量比で含有する硬化性樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、硬化性(メタ)アクリレート系樹脂組成物及び塗装物品に関する。
従来、地球環境保護への動きは急速に高まり、例えば、木材及び紙等の従来の基材からプラスチック基材へと、塗装基材において大きな変化をもたらした。また、プラスチック基材においても、ダイオキシン、環境ホルモン等の問題から塩化ビニル、ポリスチレン等からPET、PP、PEへと変化しつつある。このような基材の変遷により、プラスチックの弱点ともいうべき耐擦傷性を補うべく、コーティング剤の設計においても変化が求められた(例えば、特許文献1〜4等)。
特開2013−173927号公報 特開2010−132769号公報 特開2007−099883号公報 特開2015−110697号公報
しかし、光学フィルムコーティング材料においては、耐擦傷性のみならず、光学透明性(全光線透過率、ヘイズ)、屈曲性及び汚染除去性において、さらなる改善が求められている。
本願発明では、耐擦傷性、光学透明性(全光線透過率、ヘイズ)、屈曲性及び汚染除去性の全てがさらに改善された硬化性(メタ)アクリレート系樹脂組成物、このような組成物によって形成された塗装物品を提供することを目的とする。
本願は以下の発明(1)から(5)を含む。
(1)(A)ポリシロキサン構造又はフッ素を含有しない多官能ウレタン(メタ)アクリレート、
(B)1個又は2個以上の水酸基を有するポリシロキサン系化合物(b1)、多価イソシアネート系化合物(b2)及び水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(b3)の反応物であるポリシロキサン構造含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物であって、エチレン性不飽和二重結合を6個以上含有するポリシロキサン構造含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物、
(C)分子量が400以上であるパーフルオロアルキレンオキシド誘導体と、イソシアナトアルキル(メタ)アクリレート化合物との反応物であるフッ素含有ウレタン(メタ)アクリレート、及び
(D)フッ素含有(メタ)アクリレートを含有し、
前記成分(A)、(B)、(C)及び(D)の質量比が、98〜99:0.1〜0.2:0.5〜1.0:0.3〜0.5で表される範囲であることを特徴とする硬化性(メタ)アクリレート系樹脂組成物。
(2)前記成分(A)は、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート又はペンタエリスリトールトリアクリレートと、イソホロンジイソシアネート又はトリレンジイソシアネート又はメチレンビス(シクロヘキシレン)=ジイソシアネートとの反応物、及び、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート又はペンタエリスリトールトリアクリレートと、イソホロンジイソシアネート又はトリレンジイソシアネート又はメチレンビス(シクロヘキシレン)=ジイソシアネートのヌレート体との反応物である上記の硬化性(メタ)アクリレート系樹脂組成物。
(3)前記成分(B)は、式(1)で表されるポリシロキサン化合物と、ジイソシアネートのヌレート体と、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート又はペンタエリスリトールトリアクリレートとの反応物である上記の硬化性(メタ)アクリレート系樹脂組成物。
Figure 2021091797
〔式中、Ra及びRcは、それぞれ独立に、炭化水素基又はヘテロ原子を含む有機基を表す。Rbは、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基又はフェニル基を表す。mは10以上の整数である。nは、1〜3の整数である。〕
(4)前記成分(C)は、式(2)で表されるフッ素含有モノアルコール化合物と、イソシアナトアルキル(メタ)アクリレート化合物との反応物である上記の硬化性(メタ)アクリレート系樹脂組成物。
f−A−OH (2)
(式中、Rfは、O、SまたはN原子を含有していてもよい直鎖又は分岐状のパーフルオロアルキル基あるいはポリフルオロアルキル基を表す。Aは、炭素数1〜6のアルキレン基を表す。)
(5)被塗物及び該被塗物の表面に形成された、上記の硬化性(メタ)アクリレート系樹脂組成物の膜を備える塗装物品。
本発明によれば、硬化性(メタ)アクリレート系樹脂組成物において、耐擦傷性、光学透明性(全光線透過率、ヘイズ)、屈曲性及び汚染除去性の全てをさらに改善することができる硬化性(メタ)アクリレート系樹脂組成物を提供することができ、これによって、高硬化性の塗膜及び塗装物品を提供することができる。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」及び「(メタ)アクリル酸」とは、それぞれ「アクリレート及びメタクリレートからなる群より選ばれる少なくとも1種」及び「アクリル酸及びメタクリル酸からなる群より選ばれる少なくとも1種」を意味する。
また、例示した化合物はいずれも、1種又は2種以上組み合わせて使用することができる。
本願の硬化性(メタ)アクリレート系樹脂組成物は、
(A)ポリシロキサン構造又はフッ素を含有しない多官能ウレタン(メタ)アクリレート、
(B)1個又は2個以上の水酸基を有するポリシロキサン系化合物(b1)、多価イソシアネート系化合物(b2)及び水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(b3)の反応物であるポリシロキサン構造含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物であって、エチレン性不飽和二重結合を6個以上含有するポリシロキサン構造含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物、
(C)分子量が400以上のパーフルオロアルキレンオキシド誘導体と、イソシアナトアルキル(メタ)アクリレート化合物との反応物であるフッ素含有ウレタン(メタ)アクリレート、及び
(D)フッ素含有(メタ)アクリレートを含む。これらの成分(A)、(B)、(C)及び(D)の質量比は、98〜99:0.1〜0.2:0.5〜1.0:0.3〜0.5で表される範囲である。
このような組成を有することにより、硬化性(メタ)アクリレート系樹脂組成物は、耐擦傷性(鉛筆硬度、耐スチールウール性)、耐屈曲性(カール性、マンドレル)、光学特性(全光線透過率、ヘイズ)、防汚性(接触角、マジックインキ繰り返し除去性)の全てにおいて、優れた特性を有する硬化塗膜を形成することができる。
(成分A:ポリシロキサン構造又はフッ素を含有しない多官能ウレタン(メタ)アクリレート)
この多官能ウレタン(メタ)アクリレートは、(メタ)アクリロイル基を有する水酸基含有の(メタ)アクリル系単量体(a1)とポリイソシアネート系化合物(a2)との反応物が挙げられる。ここで、多官能とは、2以上、好ましくは3以上の(メタ)アクリロイル基を有することを意味する。
(a1)(メタ)アクリロイル基を有する水酸基含有の(メタ)アクリル系単量体
(メタ)アクリロイル基を有する水酸基含有の(メタ)アクリル系単量体(a1)は、(メタ)アクリロイル基を1以上、水酸基を1以上有する単量体であればよく、2以上の(メタ)アクリロイル基及び/又は2以上の水酸基を有していてもよい。このような単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジグリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、2,2,5,5−テトラヒドロキシメチルシクロペンタノントリ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、N,N,N’,N’−テトラキス(β−ヒドロキシエチル)エチレンジアミントリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。なかでも、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等が好ましい。
(a2)ポリイソシアネート系化合物
ポリイソシアネート系化合物(a2)としては、例えば、芳香族系、脂肪族系、脂環式系等のポリイソシアネート、例えば、ジイソシアネート類及びジイソシアネート単量体のポリイソシアネート類等が挙げられる。なかでもトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添化ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリフェニルメタンポリイソシアネート、変性ジフェニルメタンジイソシアネート、水添化キシリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートエステル、シクロヘキシレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレンビス(シクロヘキシレン)=ジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、フェニレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジントリイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジクロロ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネート等のポリイソシアネート又はこれらポリイソシアネートの3量体又は多量体、ビューレット型ポリイソシアネート、水分散型ポリイソシアネート(例えば、日本ポリウレタン工業(株)製の「アクアネート100」、「アクアネート110」、「アクアネート200」、「アクアネート210」等)、これらポリイソシアネートとポリオールとの反応生成物等、トリレンジイソシアネート及び4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの粗製物、カルボジイミド変性の4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート等の変性物等が挙げられる。中でも、1分子中にイソシアネート基を3個以上有するイソシアネート系化合物、特に、ポリイソシアネートの3量体又は多量体化合物であることが、塗膜硬度、耐擦傷性、耐溶剤性及びブリードの原因となる未反応の低分子量成分を少なくできる点でより好ましい。例えば、イソホロンジイソシアネート、メチレンビス(シクロヘキシレン)=ジイソシアネート等が好ましい。
成分(A)は、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート又はペンタエリスリトールトリアクリレートと、イソホロンジイソシアネート又はトリレンジイソシアネート又はメチレンビス(シクロヘキシレン)=ジイソシアネートとの反応物等が好ましく、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとイソホロンジイソシアネートとの反応物、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートと(2,4−、2,6−)トリレンジイソシアネートとの反応物、ペンタエリスリトールトリアクリレートとイソホロンジイソシアネートとの反応物、ペンタエリスリトールトリアクリレートとメチレンビス(シクロヘキシレン)=ジイソシアネートとの反応物、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとメチレンビス(シクロヘキシレン)=ジイソシアネートとの反応物等がより好ましい。
複数の(メタ)アクリロイル基を有する水酸基含有の(メタ)アクリル系単量体(a1)とポリイソシアネート系化合物(a2)との反応は、当該分野で公知の条件を適宜設定して進行させることができる。例えば、これらの反応を促進する目的で、ジブチルチンジラウレート等の金属系触媒、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7等のアミン系触媒等の存在下、50℃〜80℃の温度範囲で攪拌することが好ましく、60℃〜70℃の温度範囲がより好ましい。
ポリシロキサン構造又はフッ素を含有しない多官能ウレタン(メタ)アクリレートの質量平均分子量は、500〜20,000が挙げられ、800〜150,000が好ましく、1,000〜10,000がより好ましい。
本願において、質量平均分子量は、標準ポリスチレン分子量換算による質量平均分子量であり、高速液体クロマトグラフィー(日本ウォーターズ社製、「Waters 2695(本体)」と「Waters 2414(検出器)」)に、カラム:Shodex GPC KF−806L(排除限界分子量:2×107、分離範囲:100〜2×107、理論段数:10,000段/本、充填剤材質:スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、充填剤粒径:10μm)の3本直列を用いることにより測定された値である。
(成分B:ポリシロキサン構造含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物)
成分Bは、1個又は2個以上の水酸基を有するポリシロキサン系化合物(b1)、多価イソシアネート系化合物(b2)及び水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(b3)を反応させてなるポリシロキサン構造含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物であって、エチレン性不飽和二重結合を6個以上含有するポリシロキサン構造含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物である。
(b1)1個又は2個の水酸基を有するポリシロキサン系化合物
このポリシロキサン系化合物(b1)としては、水酸基を1個又は2個以上含有するポリシロキサン系化合物であれば、当該分野で公知のポリシロキサン系化合物を用いることができる。
例えば、以下の式(1)で示される片末端に水酸基を有するポリシロキサン系化合物が挙げられる。
Figure 2021091797
〔式中、Ra及びRcは、それぞれ独立に、炭化水素基又はヘテロ原子を含む有機基を表す。Rbは、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基又はフェニル基を表す。mは10以上の整数である。nは、1〜3の整数である。〕
bのアルキル基としては、炭素数が1から6が挙げられる。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。シクロアルキル基としては、炭素数3から7が挙げられる。例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基等が挙げられる。
a及びRcの炭化水素基は、例えば、炭素数1〜100、好ましくは炭素数1〜25又は1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12の二価又は三価の炭化水素基が挙げられる。
二価の炭化水素基としては、アルキレン基、シクロアルキレン基、二価の芳香族炭化水素基等が挙げられる。アルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基等が挙げられる。シクロアルキレン基としては、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基等が挙げられる。芳香族炭化水素基としては、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基、アントリレン基、フェナントリレン基、ビナフチレン基等が挙げられる。
ヘテロ原子を含む有機基としては、酸素原子、窒素原子、硫黄原子又はこれらの組合せを1以上含む基が挙げられ、例えば、オキシアルキレン基、ポリオキシアルキレン基、ポリカプロラクトン基、アミノ基等が挙げられる。この基の末端には、水酸基を含まないことが好ましい。
a、Rb及びRcは、置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アミノ基、メルカプト基、スルファニル基、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリルオキシ基、アリール基、ヘテロアリール基等が挙げられる。これらの置換基を有する場合、Ra、Rb及びRcの炭素数は、置換する前の各基の炭素数を示す。
mは、例えば、30〜200が挙げられ、40〜120が好ましい。
nは、1であることが好ましい。
ポリシロキサン系化合物(b1)は、質量平均分子量が2,000以上であるものが挙げられる。なかでも、2,000〜150,000が好ましく、2,000〜10,000がより好ましく、2,500〜6,000がさらに好ましい。この範囲の質量平均分子量とすることにより、防汚性能及び耐薬品性を発揮させるとともに、組成物中において他成分、溶剤、水等との相溶性を確保することができ、硬化塗膜のヘイズを低くすることができる。
このようなポリシロキサン系化合物は、信越化学工業社製の「X−22−170DX」、「X−22−170BX」、「X−22−176DX」、「X−22−176F」、「X−22−176GX―A」等の市販品を用いることができる。
(b2)多価イソシアネート系化合物
多価イソシアネート系化合物(b2)としては、成分Aにおけるポリイソシアネート系化合物(a2)と同様のものが挙げられる。
なかでも、1分子中にイソシアネート基を3個以上有するイソシアネート系化合物であることが好ましい。特に、塗膜硬度、耐擦傷性、耐薬品性の点で、ポリイソシアネートの3量体又は多量体化合物がより好ましく、イソシアヌレート構造含有多価イソシアネート系化合物がさらに好ましい。なかでも、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等が好ましい。
(b3)水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物
水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(a3)としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、脂肪酸変性−グリシジル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイル−オキシプロピルメタクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。なかでも、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが好ましい。
ポリシロキサン構造含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物は、エチレン性不飽和二重結合を6個以上含有し、10個以上含有することが好ましい。エチレン性不飽和二重結合の上限は、15個が挙げられ、10個以下が好ましい。
エチレン性不飽和二重結合の数は、上述したポリシロキサン系化合物(b1)、多価イソシアネート系化合物(b2)及び水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(b3)の反応条件を適宜設定することにより調整することができる。そのために、例えば、まず、ポリシロキサン系化合物(b1)と多価イソシアネート系化合物(b2)とを反応させ、所定のイソシアネート当量以下になったことを確認し、次いで、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(b3)を反応させる2段階反応とすることなどが挙げられる。
また、エチレン性不飽和二重結合は、エチレン性不飽和モノマーを添加することにより調整してもよい。このようなモノマーとしては、(メタ)アクリル酸化合物、ビニル基含有化合物等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸化合物としては、アクリル酸アミド類、アルキル(メタ)アクリレート類、アミノアルキル(メタ)アクリレート類、アミノアルキル(メタ)アクリレートの4級塩類、アルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート類、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの酸無水物付加物類、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類、アルキルジオールジ(メタ)アクリレート類、ポリオールポリ(メタ)アクリレート類、アルキレンオキサイド付加ポリオールポリ(メタ)アクリレート類等が挙げられる。ビニル基含有化合物としては、酢酸ビニル、N−ビニルアセトアミド、ビニルピロリドン、ビニルアルキルエーテル類、ビニルスルホン酸、ビニルスルホン酸の塩類等が挙げられる。
エチレン性不飽和モノマーは、ポリシロキサン構造含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物100質量部に対して、0.02質量部〜100質量部が挙げられ、0.02質量部〜80質量部が好ましく、0.1質量部〜50質量部より好ましく、0.1質量部〜40質量部が特に好ましく、1質量部〜30質量部がより一層好ましい。
成分(B)は、式(1)で表されるポリシロキサン系化合物と、ジイソシアネート(例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等)のヌレート体と、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート又はペンタエリスリトールトリアクリレートとの反応物等が好ましい。
例えば、ポリシロキサン構造含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物の質量平均分子量は、3000〜10000が挙げられ、3500〜7500が好ましい。
(成分C:フッ素含有ウレタン(メタ)アクリレート)
フッ素含有ウレタン(メタ)アクリレートは、質量平均分子量が400以上であるパーフルオロアルキレンオキシド誘導体と、イソシアネートとを反応させることによって得ることができる。ここでのパーフルオロアルキレンオキシド誘導体としては、HFPO(ヘキサフルオロプロピレンオキシド)、テトラフルオロエチレンオキシド等を1以上有していればよい。パーフルオロアルキレンオキシド誘導体においては、連続するパーフリオロアルキル基の炭素数が6以下であることが好ましい。質量平均分子量の上限は、1000以下であることが好ましく、800以下であることがより好ましい。イソシアネートとしては、イソシアナトアルキル(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。ここでのアルキル基は、炭素数6以下が好ましい。例えば、パーフルオロアルキレンオキシド誘導体としては、以下の化合物が挙げられる。
CF3−(CF2)n−O−CF(CF3)−CF2−O−CF(CF3)−CH2OH
CF3−CF2−CF2−CF2−O−CF2−CF2−O−CF2−CH2OH
CF3−(CF2)n−O−CF2−CF2−O−CF2−CF2−O−CF2−CH2OH
(式中nは、1〜3の整数である。)
このような反応物は、例えば、フッ素含有アルコール(c1)とイソシアナトアルキル(メタ)アクリレート化合物(c2)とを反応させることにより得ることができる。
(c1)フッ素含有アルコール
フッ素含有アルコールとしては、フッ素原子を含有する限り、フッ素含有ジオール化合物でもよいが、式(2)で表されるフッ素含有モノアルコール化合物であることが好ましい。
f−A−OH (2)
(式中、Rfは、O、SまたはN原子を含有していてもよい直鎖又は分岐状のパーフルオロアルキル基あるいはポリフルオロアルキル基を表す。Aは、炭素数1〜6のアルキレン基を表す。)
式(2)で表される含フッ素アルコールとしては、2,3,3,3−テトラフルオロ−2−[1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(テトラフルオロエトキシ)プロポキシ] −1−プロパノール、2,3,3,3−テトラフルオロ−2−[1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(ヘプタフルオロプロポキシ)プロポキシ] −1−プロパノール、2,3,3,3−テトラフルオロ−2−[1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(ノナフルオロブトキシ)プロポキシ] −1−プロパノール、2,2,−ジフルオロ−2−[1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(ノナフルオロブトキシ)エトキシ] −1−プロパノール、1H,1H−パーフルオロ−3,6,9−トリオキサドデカン−1−オール、1H,1H−パーフルオロ−3,6,9−トリオキサウンデカン−1−オール、1H,1H−パーフルオロ−3,6,9−トリオキサトリデカン−1−オール等が挙げられる。また、特許第4674604号、WO2007/080949号に記載のフッ素アルコールを用いてもよい。
フッ素含有ジオール化合物としては、例えば、1H,1H,11H,11H−パーフルオロ−3,6,9−トリオキサウンデカン−1,11−ジオール等が挙げられる。
(c2)イソシアナトアルキル(メタ)アクリレート化合物
イソシアナトアルキル(メタ)アクリレート化合物としては、イソシアナトメチル(メタ)アクリレート、イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、イソシアナトプロピル(メタ)アクリレート、イソシアナトブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。入手の容易さから、市販品である昭和電工製品カレンズAOI(登録商標)、カレンズMOI等が好ましい。
フッ素含有アルコール(c1)とイソシアナトアルキル(メタ)アクリレート化合物(c2)とは、例えば、(c1)と(c2)とを1.00モル:1.00〜2.40モルの仕込み量で反応させることができる。また、この反応を促進させるために、例えば、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、ジルコニウムエチルアセトアセテート等の有機ジルコニウム化合物類、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン等の第3級アミン類、ジブチルスズジラウリレート、ジオクチルスズジラウリレート等のジラウリレート化合物、含窒素複素環式化合物触媒(例えば、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデカ−7−エン又はN,N−ジメチル−4−アミノピリジン等)を触媒として用いることができる。反応温度は30〜120℃、反応時間は0.5〜10時間が挙げられる。反応においては、適宜、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のようなケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素化合物を用いてもよい。
(成分D:フッ素含有(メタ)アクリレート)
フッ素含有(メタ)アクリレートとしては、(メタ)アクリロイルオキシ基とフッ素原子とを有するモノマーであればよく、例えば、式(3)で表される化合物が挙げられる。
CH2=C(R1)−CO−O−R2−RF (3)
1は、水素原子又はメチル基を表す。R2は、アルキレン基、シクロアルキレン基又はこれらの組合せを表す。RFは、パーフルオロアルキル基、パーフルオロシクロアルキル基又はこれらの組合せを表す。
アルキレン基は、炭素数1〜12が挙げられ、例えば、メチレン、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基等が挙げられる。シクロアルキレン基としては、炭素数3〜20が挙げられ、例えば、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基等が挙げられる。
パーフルオロアルキル基としては、炭素数1〜12が挙げられ、例えば、パーフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロイソプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロsec−ブチル基、パーフルオロtert−ブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基等が挙げられる。パーフルオロシクロアルキレン基としては、炭素数3〜20が挙げられ、例えば、パーフルオロシクロヘキシル基、パーフルオロシクロペンチル基、パーフルオロシクロヘプチル基、パーフルオロアダマンチル基等が挙げられる。
フッ素含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、パーフルオロエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロブチル(メタ)アクリレート、パーフルオロペンチル(メタ)アクリレート、パーフルオロヘキシル(メタ)アクリレート、パーフルオロイソ−プロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロイソ−ブチル(メタ)アクリレート、パーフルオロtert−ブチル(メタ)アクリレート、パーフルオロsec−ブチル(メタ)アクリレート、パーフルオロイソ−ペンチル(メタ)アクリレート、パーフルオロイソ−ヘキシル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロペンチル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレート、パーフルオロエチルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロプロピルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロブチルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロペンチルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロイソ−プロピルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロイソ−ブチルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロtert−ブチルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロsec−ブチルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロイソ−ペンチルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロイソ−ヘキシルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロペンチルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロエチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロプロピルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロブチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロペンチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロイソ−プロピルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロイソ−ブチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロtert−ブチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロsec−ブチル(メタ)エチルアクリレート、パーフルオロイソ−ペンチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロイソ−ヘキシルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロペンチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロエチルプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロプロピルプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロブチルプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロペンチルプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロヘキシルプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロイソ−プロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロイソ−ブチルプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロtert−ブチルプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロsec−ブチル(メタ)プロピルアクリレート、パーフルオロイソ−ペンチルプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロイソ−ヘキシルプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロペンチルプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシルプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロエチルブチル(メタ)アクリレート、パーフルオロプロピルブチル(メタ)アクリレート、パーフルオロブチルブチル(メタ)アクリレート、パーフルオロペンチルブチル(メタ)アクリレート、パーフルオロヘキシルブチル(メタ)アクリレート、パーフルオロイソ−プロピルブチル(メタ)アクリレート、パーフルオロイソ−ブチルブチル(メタ)アクリレート、パーフルオロtert−ブチルブチル(メタ)アクリレート、パーフルオロsec−ブチル(メタ)ブチルアクリレート、パーフルオロイソ−ペンチルブチル(メタ)アクリレート、パーフルオロイソ−ヘキシルブチル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロペンチルブチル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシルブチル(メタ)アクリレート、パーフルオロエチルペンチル(メタ)アクリレート、パーフルオロプロピルペンチル(メタ)アクリレート、パーフルオロブチルペンチル(メタ)アクリレート、パーフルオロペンチルペンチル(メタ)アクリレート、パーフルオロヘキシルペンチル(メタ)アクリレート、パーフルオロイソ−プロピルペンチル(メタ)アクリレート、パーフルオロイソ−ブチルペンチル(メタ)アクリレート、パーフルオロtert−ブチルペンチル(メタ)アクリレート、パーフルオロsec−ブチル(メタ)ペンチルアクリレート、パーフルオロイソ−ペンチルペンチル(メタ)アクリレート、パーフルオロイソ−ヘキシルペンチル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロペンチルペンチル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシルペンチル(メタ)アクリレート、パーフルオロエチルヘキシル(メタ)アクリレート、パーフルオロプロピルヘキシル(メタ)アクリレート、パーフルオロブチルヘキシル(メタ)アクリレート、パーフルオロペンチルヘキシル(メタ)アクリレート、パーフルオロヘキシルヘキシル(メタ)アクリレート、パーフルオロイソ−プロピルヘキシル(メタ)アクリレート、パーフルオロイソ−ブチルヘキシル(メタ)アクリレート、パーフルオロtert−ブチルヘキシル(メタ)アクリレート、パーフルオロsec−ブチル(メタ)ヘキシルアクリレート、パーフルオロイソ−ペンチルヘキシル(メタ)アクリレート、パーフルオロイソ−ヘキシルヘキシル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロペンチルヘキシル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシルヘキシル(メタ)アクリレート、パーフルオロエチルヘプチル(メタ)アクリレート、パーフルオロプロピルヘプチル(メタ)アクリレート、パーフルオロブチルヘプチル(メタ)アクリレート、パーフルオロペンチルヘプチル(メタ)アクリレート、パーフルオロヘキシルヘプチル(メタ)アクリレート、パーフルオロイソ−プロピルヘプチル(メタ)アクリレート、パーフルオロイソ−ブチルヘプチル(メタ)アクリレート、パーフルオロtert−ブチルヘプチル(メタ)アクリレート、パーフルオロsec−ブチル(メタ)ヘプチルアクリレート、パーフルオロイソ−ペンチルヘプチル(メタ)アクリレート、パーフルオロイソ−ヘキシルヘプチル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロペンチルヘプチル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシルヘプチル(メタ)アクリレート、パーフルオロエチルオクチル(メタ)アクリレート、パーフルオロプロピルオクチル(メタ)アクリレート、パーフルオロブチルオクチル(メタ)アクリレート、パーフルオロペンチルオクチル(メタ)アクリレート、パーフルオロヘキシルオクチル(メタ)アクリレート、パーフルオロイソ−プロピルオクチル(メタ)アクリレート、パーフルオロイソ−ブチルオクチル(メタ)アクリレート、パーフルオロtert−ブチルオクチル(メタ)アクリレート、パーフルオロsec−ブチル(メタ)オクチルアクリレート、パーフルオロイソ−ペンチルオクチル(メタ)アクリレート、パーフルオロイソ−ヘキシルオクチル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロペンチルオクチル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシルオクチル(メタ)アクリレート、パーフルオロエチルノニル(メタ)アクリレート、パーフルオロプロピルノニル(メタ)アクリレート、パーフルオロブチルノニル(メタ)アクリレート、パーフルオロペンチルノニル(メタ)アクリレート、パーフルオロヘキシルノニル(メタ)アクリレート、パーフルオロイソ−プロピルノニル(メタ)アクリレート、パーフルオロイソ−ブチルノニル(メタ)アクリレート、パーフルオロtert−ブチルノニル(メタ)アクリレート、パーフルオロsec−ブチル(メタ)ノニルアクリレート、パーフルオロイソ−ペンチルノニル(メタ)アクリレート、パーフルオロイソ−ヘキシルノニル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロペンチルノニル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシルノニル(メタ)アクリレート、パーフルオロエチルデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロプロピルデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロブチルデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロペンチルデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロヘキシルデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロイソ−プロピルデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロイソ−ブチルデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロtert−ブチルデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロsec−ブチル(メタ)デシルアクリレート、パーフルオロイソ−ペンチルデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロイソ−ヘキシルデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロペンチルデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシルデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロエチルウンデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロプロピルウンデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロブチルウンデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロペンチルウンデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロヘキシルウンデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロイソ−プロピルウンデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロイソ−ブチルウンデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロtert−ブチルウンデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロsec−ブチル(メタ)ウンデシルアクリレート、パーフルオロイソ−ペンチルウンデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロイソ−ヘキシルウンデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロペンチルウンデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシルウンデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロエチルドデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロプロピルドデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロブチルドデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロペンチルドデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロヘキシルドデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロイソ−プロピルドデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロイソ−ブチルドデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロtert−ブチルドデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロsec−ブチル(メタ)ドデシルアクリレート、パーフルオロイソ−ペンチルドデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロイソ−ヘキシルドデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロペンチルドデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシルドデシル(メタ)アクリレートが挙げられる。
なかでも、入手の容易さから、末端(メタ)アクリル変性パーフルオロポリエーテル系添加剤(商品名:KY−1203、信越化学工業株式会社製)及び(商品名:オプツールDAC−HP、ダイキン工業株式会社製)が好ましい。
これらの成分(A)、(B)、(C)及び(D)は、質量比が、98〜99:0.1〜0.2:0.5〜1.0:0.3〜0.5で表される範囲であることが好ましい。このような範囲とすることにより、耐擦傷性、光学透明性(全光線透過率、ヘイズ)、屈曲性及び汚染除去性の全てをさらに改善することができる。
本発明の硬化性(メタ)アクリレート系樹脂組成物には、さらに、エチレン性不飽和モノマー、重合開始剤、光重合開始剤、帯電防止剤、フィラー、染顔料、油、可塑剤、ワックス類、乾燥剤、分散剤、湿潤剤、乳化剤、ゲル化剤、安定剤、消泡剤、レベリング剤、チクソトロピー性付与剤、酸化防止剤、難燃剤、帯電防止剤、充填剤、補強剤、艶消し剤、架橋剤等を配合してもよい。これらは、当該分野で通常用いられているもののいずれを用いてもよい。また、必要に応じて、有機溶媒を含んでいてもよい。
エチレン性不飽和モノマーとしては、上述したものと同様のものが挙げられる。
エチレン性不飽和モノマーは、ポリシロキサン構造含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物100質量部に対して、10質量部〜1000質量部が挙げられ、50質量部〜800質量部が好ましく、100質量部〜500質量部より好ましく、200質量部〜400質量部が特に好ましく、200質量部〜300質量部がより一層好ましい。
光重合開始剤としては、光の作用によりラジカルを発生するものであれば特に限定されず、例えば、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピレンフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパン−1、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメトクロライド(オクテルケミカルズ社製、「Quantacure QTX」)、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、「イルガキュア2959」)等が挙げられる。
光重合開始剤は、硬化性(メタ)アクリレート系樹脂組成物(樹脂分濃度100質量%)100質量部に対して、0.01質量部〜50質量部が挙げられ、0.05質量部〜30質量部が好ましく、0.25質量部〜10質量部より好ましい。
また、光重合開始剤とともに、光重合開始助剤を併用してもよい。光重合開始助剤として、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、2−ジメチルアミノエチル安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、2,4−ジエチルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン等が挙げられる。
帯電防止剤としては、第四級アンモニウム塩のカチオン型帯電防止剤、脂肪族スルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルコールアルキレンオキサイド付加物硫酸エステル塩、高級アルコールリン酸エステル塩、高級アルコールアルキレンオキサイド付加物リン酸エステル塩から選ばれる少なくとも一種類のアニオン型帯電防止剤、高級アルコールアルキレンオキサイド付加物、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステルから選ばれる少なくとも一種類のノニオン型帯電防止剤等が挙げられる。なかでも、カチオン型帯電防止剤が好ましい。帯電防止剤の添加量は、適宜調整すればよい。
有機溶媒としては、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アセトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、セロソルブ類、ジアセトンアルコール等が挙げられる。
(塗装物品)
硬化性(メタ)アクリレート系樹脂組成物は、被塗物として、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリシクロペンタジエン等のポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル、ABS樹脂、アクリル系樹脂等)、ガラス、紙、木材、セメント、石材、モルタル材、ゴム、金属、セラミックス等の基材に塗布することにより、その表面に硬化性(メタ)アクリレート系樹脂組成物の膜を備える塗装物品とすることができる。このような塗装物品は、例えば、家電製品、自動車、建築物等の外装材、日用品、建材等の種々のものとすることができる。
特に、硬化性(メタ)アクリレート系樹脂組成物は、塗膜とするために、被塗物に塗布した後、遠紫外線、紫外線、近紫外線、赤外線等の光線、X線、γ線等の活性エネルギー線を照射し、架橋/重合させて、硬化させることにより得ることができる。架橋/重合された樹脂組成物は、耐擦傷性に優れ、光学透明性(全光線透過率、ヘイズ)、屈曲性及び汚染除去性、帯電防止性等を有しているため、プラスチック等の基材表面の保護、吸埃の防止をすることができる。また、防曇性が優れており、プラスチック類だけでなく眼鏡、鏡等の防曇にも利用することができる。
樹脂組成物を、塗膜とする場合、その厚みは、1μm〜2000μmが挙げられ、5μm〜1000μmが好ましく、1μm〜100μmがより好ましい。また、活性エネルギー線を照射する前に、50℃を超える温度、好ましくは60℃以上、より好ましくは70℃以上、100℃以下の温度範囲で、1分〜5分間又は3分〜5分間乾燥することが好ましい。
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。本発明の硬化性(メタ)アクリレート系樹脂組成物及び被塗物は、具体的には以下のようにして製造する。なお、本願において固形分濃度は、重量割合で示す。
(成分A1−1:ポリシロキサン構造又はフッ素を含有しない多官能ウレタン(メタ)アクリレートの製造)
温度計、撹拌機、水冷コンデンサー、窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート(a2)(イソシアネート基含有量37.8%)190g(0.85モル)、2,6−ジ−tert−ブチルクレゾール0.4g、ジブチルスズジラウリレート0.02gを仕込み、70℃でペンタエリスリトールトリアクリレート(ペンタエリスリトールトリアクリレートとペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物(水酸基価125.4mgKOH/g)810g(0.58モル)(a1)を約1時間で滴下した。反応が開始すると激しく発熱するため、随時冷却しながら、70℃にて4時間反応させた。オリゴマーの赤外吸収スペクトルを測定し、イソシアネート基の吸収スペクトル(2280cm−1)が消失した時点で反応を終了させた。これによって、多官能ウレタンアクリレート[A1−1](固形分濃度100%、質量平均分子量:1,700)を得た。
(成分A1−2:ポリシロキサン構造又はフッ素を含有しない多官能ウレタン(メタ)アクリレートの製造)
温度計、撹拌機、水冷コンデンサー、窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、メチレンビス(4,1−シクロヘキシレン)=ジイソシアネート(a2)(イソシアネート基含有量32.0%)190g(0.72モル)、2,6−ジ−tert−ブチルクレゾール0.4g、ジブチルスズジラウリレート0.02gを仕込み、70℃でペンタエリスリトールトリアクリレート(ペンタエリスリトールトリアクリレートとペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物(水酸基価125.4mgKOH/g)810g(0.58モル)(a1)を約1時間で滴下した。反応が開始すると激しく発熱するため、随時冷却しながら、70℃にて4時間反応させた。オリゴマーの赤外吸収スペクトルを測定し、イソシアネート基の吸収スペクトル(2280cm−1)が消失した時点で反応を終了させた。これによって、多官能ウレタンアクリレート系化合物[A1−2](固形分濃度100%、質量平均分子量:1,900)を得た。
(成分B−1:ポリシロキサン構造含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物)
温度計、撹拌機、水冷コンデンサー、窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体(b2)(イソシアネート基含有量23.4%)129g、式(1)で示されるポリシロキサン系化合物(b1)(Raはメチレン基又はブチレン基、Rbはメチル基、Rcは、−C36OC24−、mは平均80、nは1、水酸基価10.0mgKOH/g、質量平均分子量5,611)67g、2,6−ジ−tert−ブチルクレゾール0.4gを仕込み、70℃で3時間反応させた。残存イソシアネート基が15%となった時点で、さらに、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(b3)〔ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(水酸基価58.5mgKOH/g)〕804g、ジブチルスズジラウリレート0.1gを仕込み、70℃で3時間反応させた。イソシアネート基が消失した時点で反応を終了させ、ポリシロキサン構造又はフッ素を含有しない多官能ウレタン(メタ)アクリレート[A2]とポリシロキサン基含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物[B−1]との混合物[A2:B−1=90:10](固形分濃度100%、粘度(60℃):9Pa・S)を得た。これを、トルエン/メチルエチルケトン=1/1の溶液にて固形分濃度を30%に調整した。
Figure 2021091797
(成分C−1:フッ素含有ウレタン(メタ)アクリレート)
撹拌装置、還流冷却管、滴下ロート、温度計及び窒素ガス吹き込み口を備えた1000mLの反応容器に、イソシアネート基と(メタ)アクリロイル基をもつイソシアネート基含有モノマーであるカレンズAOI(2−イソシアナトエチルアクリレート:昭和電工株式会社製;商品名)58.5g(0.41モル)、酢酸ブチル220g、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.056g(200ppm)を仕込み、撹拌下で50〜60℃に昇温した。反応容器内の溶液温度が50〜60℃に維持し、CHEMINOX PO−3−OH(Unimatec社製:2,3,3,3−テトラフルオロ−2−[1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(ヘプタフルオロプロポキシ)プロポキシ]−1−プロパノール)を220g仕込み、重合開始剤であるジルコニア系触媒(ZC−150)0.006g(50ppm)を添加し、撹拌下で50〜60℃にて、15時間反応させた。オリゴマーの赤外吸収スペクトルを測定し、イソシアネート基の吸収スペクトル(2280cm-1)が消失した時点で反応を終了させ、フッ素含有ウレタン(メタ)アクリレート化合物[C−1](固形分濃度56%)を得た。その後、室温にまで冷却し、酢酸ブチルにて固形分濃度20%に調整した。
(成分D−1:フッ素含有(メタ)アクリレート)
成分D−1として、末端(メタ)アクリル変性パーフルオロポリエーテル系添加剤(商品名:KY−1203、信越化学工業株式会社製)を用いた。
(成分A':ポリシロキサン構造又はフッ素を含有しない多官能ウレタン(メタ)アクリレート系化合物)
温度計、撹拌機、水冷コンデンサー、窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、ヘキサメチレンジイソシアネート(イソシアネート基含有量44.7%)50g(0.85モル)と2,6−ジ−tert−ブチルクレゾール0.4g、ジブチルスズジラウリレート0.02gを仕込み、70℃でジペンタエリスリトールペンタアクリレート(0.58モル)(ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(水酸基価58.5mgKOH/g)950gとして仕込む)を約1時間で滴下した。反応が開始すると激しく発熱するため随時冷却しながら、70℃にて4時間反応させてオリゴマーの赤外吸収スペクトルを測定し、イソシアネート基の吸収スペクトル(2280cm−1)が消失した時点で反応を終了させた。ウレタンアクリレート系化合物[A'](固形分濃度100%、質量平均分子量:2,500)を得た。
(成分B':ポリシロキサン構造含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物)
温度計、撹拌機、水冷コンデンサー、窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体(b2)69.1g(イソシアネート基含有量21.0%)、上記式(1)で示されるポリシロキサン系化合物(b1)(RaはC24OC36−、Rbはメチル基、Rcは−C36OC24−、n=1、質量平均分子量6000)172.6g、メチルイソブチルケトン500g、重合禁止剤としてハイドロキノンメチルエーテル1.0g、反応触媒としてジブチルスズジラウレート0.1gを仕込み、60℃で3時間反応させ、残存イソシアネートが4.0%になったところでジペンタエリスリトールペンタアクリレート(b3)〔ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(水酸基価50mgKOH/g)〕を258.3g仕込み、そのまま反応を継続し、イソシアネート基が消失した時点で反応を終了し、ポリシロキサン構造又はフッ素を含有しない多官能ウレタン(メタ)アクリレート[A2]とポリシロキサン基含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物[B']との混合物[A2:B'=90:10]溶液を得た(固形分濃度50%)
(成分C':フッ素含有ウレタン(メタ)アクリレート化合物)
撹拌装置、還流冷却管、滴下ロート、温度計及び窒素ガス吹き込み口を備えた1000mLの反応容器に、イソシアネート基と(メタ)アクリロイル基をもつイソシアネート基含有モノマーであるカレンズAOI(2−イソシアナトエチルアクリレート:昭和電工株式会社製;商品名)96g(0.68モル)、酢酸ブチル100g、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.026g(200ppm)を仕込み、撹拌下で50〜60℃に昇温した。反応容器内の溶液温度が50〜60℃に維持し、CHEMINOX FA−4(Unimatec社製、2−(パーフルオロブチル)エタノール)を200g仕込み、重合開始剤であるジルコニア系触媒(ZC−150)0.006g(50ppm)を添加し、撹拌下、50〜60℃にて15時間反応させてオリゴマーの赤外吸収スペクトルを測定し、イソシアネート基の吸収スペクトル(2280cm−1)が消失した時点で反応を終了。フッ素含有ウレタン(メタ)アクリレート化合物[C’](固形分濃度75%)を得た。その後、室温にまで冷却し、酢酸ブチルにて固形分濃度20%に調整した。
実施例1及び2並びに比較例
成分A、B、C及びDを表1に示した組成比(Net質量比:wt%)で混合した、硬化性(メタ)アクリレート系樹脂組成物100部(固形分30部)に、光重合開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(BASFジャパン社製、「イルガキュア184」)1.2部を添加、混合して硬化性(メタ)アクリレート系樹脂組成物を得た。得られた硬化性(メタ)アクリレート系樹脂組成物を希釈溶媒としてトルエン/MIBK(メチルイソブチルケトン)/MEK(メチルエチルケトン)=30/30/10を用いて、固形分濃度30%の硬化性(メタ)アクリレート系樹脂組成物を得た。
得られた硬化性(メタ)アクリレート系樹脂組成物を、イソプロピルアルコールで表面を2度拭いた易接着PET(A−4300)(厚み125μm)上に#16バーコーターを用いて、乾燥後の膜厚が10μmとなるように塗工し、80℃で3分間乾燥した。その後、無電極ランプ(Hバルブ)にて、ラインスピード:5.4m/min、照射量:600mJ/cm2、Peak照度:1,500mW/cm2で紫外線照射を行い、硬化塗膜を形成した。
上記で得られた硬化塗膜について、以下の評価を行った。
(1.塗膜外観)
硬化塗膜の外観を目視で評価した。
(2.耐擦傷性)
(鉛筆硬度)
硬化塗膜について、JIS K 5400に準じて(荷重:750g)、鉛筆硬度を測定した。3Hが3/5以上を合格とした。
(耐SW性)
井元製作所製ラビングテスターにて、1kg重の負荷をかけたスチールウール(#0000)で10往復、擦ることにより行った。目視により観察したとき、傷が付かなかったものを〇、少し傷が付いたものを△、傷が付いたものを×とする3段階で評価した。
(3.耐屈曲性)
(硬化収縮性)
硬化後、直ちに塗膜を、膜厚:10μm、10cm×10cm角に切り取り、一晩放置した。端面4点の跳ね上げ高さを測定し、平均値を算出した。1.5cm未満を合格とした。
(マンドレル試験)
硬化塗膜をマンドレル試験機にてクラックが入るまでの屈曲性を測定した。直径20mmのマンドレルで塗膜のわれ又は剥がれが生じないものを合格とした。
(4.光学特性(全光線透過率、ヘイズ))
硬化塗膜(易接着PET(A−4300)上)をコニカミノルタ製分光測色計CM−3600Aにて全光線透過率及びヘイズを測定した。
全光線透過率:89%以上 合格(A-4300:89.34上)
ヘイズ :1.0以下 合格(A-4300: 0.70上)
(5.防汚性)
(接触角)
硬化塗膜を協和界面科学株式会社製 全自動接触角計「DMo−701」にて純水、オレイン酸、ヘキサデカンの接触角を測定した。
水 :100度以上を合格とした
オレイン酸 : 50度以上を合格とした
ヘキサデカン: 60度以上を合格とした
(マジックインキ繰り返し除去性A、B)
A.硬化塗膜の表面に市販の油性ペン(油性ペン:マッキー、ZEBRA社製)を接触させ、1分後、表面のインクをティッシュ(大王製紙株式会社製、エリエール)で3回、円を描くように拭いた後の状態を目視で確認、除去できる回数をカウントした。11回以上(10回<)除去できれば合格とした。
B.別途、耐SW性試験(1kg重の負荷をかけたスチールウール(#0000)で10往復)で擦った表面に、同様に市販の油性ペン(油性ペン:マッキー、ZEBRA社製)を接触させ、1分後、表面のインクをティッシュ(大王製紙株式会社製、エリエール)で3回、円を描くように拭いた後の状態を目視で確認、除去できる回数をカウントした。11回以上(10回<)除去できれば合格とした。
Figure 2021091797
Figure 2021091797
Figure 2021091797
Figure 2021091797
本発明は、塗料、粘着剤、接着剤、粘接着剤、剥離剤、インク、保護コーティング剤、アンカーコーティング剤、磁性粉コーティングバインダー、サンドブラスト用被膜、版材など、各種の被膜形成材料、コーティング材料として非常に有用である。

Claims (5)

  1. (A)ポリシロキサン構造又はフッ素を含有しない多官能ウレタン(メタ)アクリレート、
    (B)1個又は2個以上の水酸基を有するポリシロキサン系化合物(b1)、多価イソシアネート系化合物(b2)及び水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(b3)の反応物であるポリシロキサン構造含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物であって、エチレン性不飽和二重結合を6個以上含有するポリシロキサン構造含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物、
    (C)分子量が400以上であるパーフルオロアルキレンオキシド誘導体と、イソシアナトアルキル(メタ)アクリレート化合物との反応物であるフッ素含有ウレタン(メタ)アクリレート、及び
    (D)フッ素含有(メタ)アクリレートを含有し、
    前記成分(A)、(B)、(C)及び(D)の質量比が、98〜99:0.1〜0.2:0.5〜1.0:0.3〜0.5で表される範囲であることを特徴とする硬化性(メタ)アクリレート系樹脂組成物。
  2. 前記成分(A)は、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート又はペンタエリスリトールトリアクリレートと、イソホロンジイソシアネート又はトリレンジイソシアネート又はメチレンビス(シクロヘキシレン)=ジイソシアネートとの反応物及びジペンタエリスリトールペンタアクリレート又はペンタエリスリトールトリアクリレートと、イソホロンジイソシアネート又はトリレンジイソシアネート又はメチレンビス(シクロヘキシレン)=ジイソシアネートのヌレート体との反応物である請求項1に記載の硬化性(メタ)アクリレート系樹脂組成物。
  3. 前記成分(B)は、式(1)で表されるポリシロキサン系化合物と、ジイソシアネートのヌレート体と、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート又はペンタエリスリトールトリアクリレートとの反応物である請求項1に記載の硬化性(メタ)アクリレート系樹脂組成物。
    Figure 2021091797
    〔式中、Ra及びRcは、それぞれ独立に、炭化水素基又はヘテロ原子を含む有機基を表す。Rbは、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基又はフェニル基を表す。mは10以上の整数である。nは、1〜3の整数である。〕
  4. 前記成分(C)は、式(2)で表されるフッ素含有モノアルコール化合物と、イソシアナトアルキル(メタ)アクリレート化合物との反応物である請求項1から3のいずれか1つに記載の硬化性(メタ)アクリレート系樹脂組成物。
    f−A−OH (2)
    (式中、Rfは、O、SまたはN原子を含有していてもよい直鎖又は分岐状のパーフルオロアルキル基あるいはポリフルオロアルキル基を表す。Aは、炭素数1〜6のアルキレン基を表す。)
  5. 被塗物及び
    該被塗物の表面に形成された、請求項1〜4のいずれか1つに記載の硬化性(メタ)アクリレート系樹脂組成物の膜を備える塗装物品。
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