JP2021091289A - タイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】トレッド部の踏面にスタッドピンが植設されたタイヤにおいて、氷上性能を向上しながら、乾燥路面における騒音性能を向上することを可能にしたタイヤを提供する。【解決手段】トレッド部1の踏面にスタッドピンPを植設したタイヤにおいて、スタッドピンPのチップ部24のピン形状を長手方向を有する形状にし、ピン形状の長手方向がタイヤ幅方向と成す角度が0°〜10°である複数の第1スタッドピンP1に対して、ピン形状の長手方向がタイヤ幅方向と成す角度が第1スタッドピンP1よりも大きい複数の第2スタッドピンP2をタイヤ周方向に点在させる。【選択図】図2

Description

本発明は、トレッド部の踏面にスタッドピンが植設されたタイヤに関する。
北欧やロシア等の厳冬地域では、冬季タイヤとしてスタッドタイヤが主に使用されている。スタッドタイヤでは、トレッド部にスタッドピンを植設するための複数の植え込み穴を設け、これら植え込み穴に対してスタッドピンを植設するようにしている(例えば、特許文献1を参照)。このようなスタッドピンは、氷雪路面を走行する際は、氷雪路面を掻く効果を発揮するので、氷上性能を向上することができる。一方で、スタッドピンは、氷雪路面以外(特に乾燥した舗装路面)を走行する場合には、硬いスタッドピンが舗装路面に当たるためピンノイズが発生して、乾燥路面における騒音性能を悪化させる要因になる虞がある。そして、厳冬地域の冬季であっても、少なくない頻度で氷雪路面以外の舗装路面(乾燥路面)を走行する機会がある。そのため、スタッドタイヤにおいて、氷雪路面における走行性能(特に、氷上トラクション性能)を効果的に発揮しながら、乾燥路面における騒音性能を向上するための対策が求められている。
特開2018‐187960号公報
本発明の目的は、トレッド部の踏面にスタッドピンが植設されたタイヤにおいて、氷上性能を向上しながら、乾燥路面における騒音性能を向上することを可能にしたタイヤを提供することにある。
上記目的を達成する本発明のタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備え、前記トレッド部の踏面に複数のスタッドピンを植設したタイヤにおいて、各スタッドピンは、トレッド部に設けられた取付孔内に挿入されるボディ部と、トレッド部の表面から突出するチップ部とで構成されており、前記チップ部を各スタッドピンの上面側から見た時に前記チップ部の上面が構成するピン形状が長手方向を有する形状であり、前記複数のスタッドピンには、前記長手方向がタイヤ幅方向と成す角度が0°〜10°である複数の第1スタッドピンと、前記長手方向がタイヤ幅方向と成す角度が前記第1スタッドピンよりも大きい複数の第2スタッドピンが含まれており、前記複数の第1スタッドピンに対して前記複数の第2スタッドピンがタイヤ周方向に点在していることを特徴とする。
本発明では、上述のようにピン形状の長手方向が異なる向きになるように配置されたスタッドピンが混在して設けられているため、スタッドピンによる優れた氷上性能を確保しながら、乾燥路面における騒音(ピンノイズ)を効果的に抑制することができる。具体的には、ピン形状の長手方向が異なる角度で配置された上述の第1スタッドピンと第2スタッドピンとでは、それぞれに起因して発生するピンノイズの周波数が異なるので、第1スタッドピンと第2スタッドピンが共存することで周波数分散効果によって騒音を低減することができる。また、第1スタッドピンと第2スタッドピンが混在することで、複数の方向にエッジ効果を発揮することができるので、氷上性能を向上するにも有利になる。
本発明においては、トレッド部の踏面をタイヤ幅方向に3等分にしたとき、3等分された各領域にそれぞれ第1スタッドピンおよび第2スタッドピンが1つ以上配置されていることが好ましい。これにより、タイヤ幅方向に第1スタッドピンおよび第2スタッドピンの両方が分散して配置されるので、タイヤ幅方向の全域において第1スタッドピンと第2スタッドピンを共存させる効果を効果的に確保することができる。即ち、優れた氷上性能を確保しながら、乾燥路面における騒音(ピンノイズ)を効果的に抑制するには有利になる。
本発明においては、タイヤ周方向に最も近接する第2スタッドピン間のタイヤ周方向に沿った離間距離が接地長の1.0%〜100.0%の範囲内であることが好ましい。これにより、接地領域内に少なくとも1つの第2スタッドピンが配置されるので、乾燥路面における騒音(ピンノイズ)を抑制する効果を確実に得ることができる。
本発明においては、タイヤ赤道線上における間隔がタイヤ接地長の1/4となるように配置された一対のタイヤ子午線の間に区画される領域を帯状領域とし、複数の帯状領域をタイヤ周方向に沿って1度ずつずらしてタイヤ全周に亘って配列したとき、複数の帯状領域のすべてにおいて各帯状領域に含まれるスタッドピンの本数nはタイヤ全周におけるスタッドピンの総数Nの4.0%以下であり、且つ、複数の帯状領域の2/3以上において当該帯状領域に含まれるスタッドピンの本数nは総数Nの2.0%以上であり、各帯状領域に前記第2スタッドピンが少なくとも1本設けられていることが好ましい。このようにスタッドピンを配置することで、優れた氷上性能を確保しながら、乾燥路面における騒音(ピンノイズ)を効果的に抑制するには有利になる。特に、すべての帯状領域において、スタッドピンの総数Nに対するスタッドピンの本数nの割合が4.0%以下に抑えられているので、乾燥路面を走行する際にスタッドピンが路面と接触するときの衝撃を抑制して、ピンノイズの発生を抑制することができる。その一方で、スタッドピンの総数Nに対するスタッドピンの本数nの割合が2.0%以上という適度な範囲に設定された帯状領域がタイヤ全周に十分に設けられているので、氷上性能を良好に発揮することができる。また、各帯状領域に第2スタッドピンが1本以上設けられているので、第1スタッドピンと第2スタッドピンを共存させる効果を効果的に確保することができる。
本発明においては、スタッドピンの総数が135本〜250本であることが好ましい。このように適度な本数のスタッドピンを設けることで、氷上性能を効果的に発揮しながら、乾燥路面における騒音性能を向上するには有利になる。
本発明においては、複数の帯状領域の中に、当該帯状領域に含まれるスタッドピンの本数nが総数Nの3.0%以上である集中領域が1箇所以上、且つ、複数の帯状領域のうちの1/3以下に存在することが好ましい。このように、スタッドピンの本数が多く氷上性能に優れる集中領域を設けることで、氷上性能の更なる向上を図ることができる。一方で、集中領域の数を複数の帯状領域のうちの1/3以下に抑えているので、集中領域を設けても乾燥路面における騒音性能を良好に確保することができる。
本発明のタイヤは回転方向が指定されたタイヤであることが好ましく、トレッド部の外表面に、タイヤ赤道の一方側のトレッド端からタイヤ幅方向内側に向かって回転方向に傾斜しながら延在してタイヤ赤道に到達するラグ溝と、タイヤ赤道の他方側のトレッド端からタイヤ幅方向内側に向かって回転方向に傾斜しながら延在してタイヤ赤道に到達するラグ溝とが、タイヤ周方向に交互に配列されていることが好ましい。このようなトレッドパターン(所謂V溝を基調としたパターン)を採用することで、スタッドピンがタイヤ周方向に直線状に配列されにくくなるので、ピンノイズを抑制するには有利になる。
本発明においては、第1スタッドピンおよび第2スタッドピンのうち設置数が少ない方の平均突出量Px と、設置数が多い方の平均突出量Py とが、Px >Py の関係を満たすことが好ましい。更に、平均突出量Px と平均突出量Py とが、Px ≧1.05×Py の関係を満たすことが好ましい。これにより、設置数が少ない方のスタッドピンに起因する騒音の振動数が増大するので、設置数が多い方のスタッドピンに起因する騒音が増幅されることを防ぎ、特定のピンノイズを分散させることができる。
本発明のタイヤは、空気入りタイヤであることが好ましいが、非空気式タイヤであってもよい。空気入りタイヤの場合は、その内部に空気、窒素等の不活性ガスまたはその他の気体を充填することができる。
本発明において、「接地長」とは、タイヤを正規リムにリム組みして正規内圧(空気入りタイヤの場合)を充填した状態で平面上に垂直に置いて正規荷重を加えたときに形成される接地領域のタイヤ赤道上におけるタイヤ周方向の長さである。また、「接地端」とは、前述の接地領域のタイヤ軸方向の両端部である。「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えば、JATMAであれば標準リム、TRAであれば“Design Rim”、或いはETRTOであれば“Measuring Rim”とする。「正規内圧」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表“TIRE ROAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES”に記載の最大値、ETRTOであれば“INFLATION PRESSURE”であるが、タイヤが乗用車用である場合には250kPaとする。「正規荷重」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば最大負荷能力、TRAであれば表“TIRE ROAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES”に記載の最大値、ETRTOであれば“LOAD CAPACITY”であるが、タイヤが乗用車用である場合には前記荷重の70%に相当する荷重とする。
本発明の実施形態からなる空気入りタイヤの子午線断面図である。 本発明の実施形態からなる空気入りタイヤのトレッド面を示す正面図である。 トレッド部に植設したスタッドピンの一例を模式的に示す断面図である。 本発明の実施形態からなるスタッドピンのピン形状を示す模式図である。 帯状領域ごとのスタッドピンの本数の変化を模式的に示す説明図である。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明の空気入りタイヤは、図1に示すように、トレッド部1と、このトレッド部1の両側に配置された一対のサイドウォール部2と、サイドウォール部2のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部3とを備えている。図1において、符号CLはタイヤ赤道を示し、符号Eは接地端を示す。図1は子午線断面図であるため描写されないが、トレッド部1、サイドウォール部2、ビード部3は、それぞれタイヤ周方向に延在して環状を成しており、これにより空気入りタイヤのトロイダル状の基本構造が構成される。以下、図1を用いた説明は基本的に図示の子午線断面形状に基づくが、各タイヤ構成部材はいずれもタイヤ周方向に延在して環状を成すものである。
左右一対のビード部3間にはカーカス層4が装架されている。このカーカス層4は、タイヤ径方向に延びる複数本の補強コードを含み、各ビード部3に配置されたビードコア5の廻りに車両内側から外側に折り返されている。また、ビードコア5の外周上にはビードフィラー6が配置され、このビードフィラー6がカーカス層4の本体部と折り返し部とにより包み込まれている。一方、トレッド部1におけるカーカス層4の外周側には複数層(図1では2層)のベルト層7が埋設されている。各ベルト層7は、タイヤ周方向に対して傾斜する複数本の補強コードを含み、かつ層間で補強コードが互いに交差するように配置されている。これらベルト層7において、補強コードのタイヤ周方向に対する傾斜角度は例えば10°〜40°の範囲に設定されている。更に、ベルト層7の外周側にはベルト補強層8が設けられている。ベルト補強層8は、タイヤ周方向に配向する有機繊維コードを含む。ベルト補強層8において、有機繊維コードはタイヤ周方向に対する角度が例えば0°〜5°に設定されている。
本発明は、トレッド部1の踏面にスタッドピンPが植設されたタイヤにおけるスタッドピンPの配置等に関するものであるので、タイヤの基本構造(断面構造)や、トレッド部1の表面に形成される溝や陸部の構造(トレッドパターン)は特に限定されない。即ち、本発明は、上述の一般的な断面構造の空気入りタイヤに適用することができるが、その基本構造は上述のものに限定されない。
図2は、本発明の空気入りタイヤの一例のトレッド面を示す。図2の例では、タイヤ幅方向に沿って延在する複数本のラグ溝11と、タイヤ周方向に沿って延在する複数本の周方向溝12とによって、複数の陸部13が区画されたトレッドパターンを有する。図示の例において、ラグ溝11は、タイヤ幅方向に対して傾斜して延在し、一端がタイヤ赤道CL上に位置し、他端がタイヤ幅方向の一方側の接地端Eを超えて延在する第一ラグ溝11aと、タイヤ幅方向に対して傾斜して延在し、一端がタイヤ赤道CL上に位置し、他端がタイヤ幅方向の他方側の接地端Eを超えて延在する第二ラグ溝11bとを含む。第一ラグ溝11aおよび第二ラグ溝11bは、タイヤ赤道CL上において、第一ラグ溝11aの一端と第二ラグ溝11bの一端とがタイヤ周方向に交互に並び、且つ、第一ラグ溝11aと第二ラグ溝11bとが略V字状を成すように配置されている。特に、回転方向Rが指定されたタイヤの場合には、第一ラグ溝11aおよび第二ラグ溝11bのそれぞれのタイヤ赤道CL側の端部が接地端E側の端部よりも回転方向R側に位置しているとよい。このような略V字状の溝を基調とすると、スタッドピンPがタイヤ周方向に直線状に配列されにくくなるので、ピンノイズを抑制するには有利になる。
周方向溝12は、各ラグ溝11の長さ方向の中途部において、タイヤ周方向に隣り合うラグ溝11どうしを連結するように、タイヤ周方向に対して傾斜して延在している。周方向溝12のタイヤ幅方向内側にはセンター陸部13aが区画され、周方向溝12のタイヤ幅方向外側にはショルダー陸部13b(ショルダーブロック)が区画される。更に、図示の例では、各周方向溝12の長さ方向の中途部に、一端が周方向溝12に連通し、周方向溝12からタイヤ赤道CL側に向かって延在し、他端がセンター陸部13a内で終端する補助溝14が設けられている。また、各陸部13には複数本のサイプ14が設けられている。スタッドピンPは、任意の陸部13に植設することができる。
スタッドピンPは、トレッド部1の踏面に設けられたスタッドピン用の植え込み穴に植設される。スタッドピンPの植設は、植え込み穴を拡張した状態でその穴内にスタッドピンPを挿入した後、植え込み穴の拡張を解除することで行われる。図3は、スタッドピンPをトレッド部1の植え込み穴に植設した状態を模式的に示す断面図である。図示の例はスタッドピンPとして、ダブルフランジタイプのスタッドピンPを記載しているが、シングルフランジタイプ等の別の構造のスタッドピンPを使用することもできる。
図3に例示するように、スタッドピンPは、円柱状の胴部21、踏面側フランジ部22、底側フランジ部23、およびチップ部24により構成されている。踏面側フランジ部22と底側フランジ部23は胴部21よりも径が大きくなっており、踏面側フランジ部22は胴部21の踏面側(タイヤ径方向外側)に形成され、底側フランジ部23は胴部21の底側(タイヤ径方向内側)に形成されている。チップ部24は、ピン軸(スタッドピンPの中心)において踏面側フランジ部22からタイヤ径方向外側に突き出している。チップ部24は、スタッドピンPがトレッド部1に植設された状態で踏面よりも突き出るため、氷雪路面に対して食い込むことができ、氷上トラクション性を発揮する。チップ部24は、例えばアルミニウム等で構成される他の部分(胴部21、踏面側フランジ部22、底側フランジ部23)よりも硬質な材料(例えばタングステン化合物)で構成されている。尚、本発明では、後の説明でスタッドピンPの本数を規定しているが、チップ部24の少なくとも一部が後述の帯状領域内に存在すれば、当該帯状領域に含まれる本数として数えるものとする。
本発明では、図4に示すように、チップ部24をスタッドピンPの上面から見た時の形状をピン形状と呼ぶ。本発明のスタッドピンP(チップ部24)のピン形状は、長手方向を有する形状である。本発明のスタッドピンP(チップ部24)のピン形状は長手方向を有する形状であれば特に限定されない。例えば、図4(a)に示すピン形状は楕円形であり、長径の延長方向が長手方向である。図4(b)に示すピン形状は長方形であり、長辺の延長方向が長手方向である。図4(c)に示すピン形状は、2つの六角形が1つの辺を介して接合された形状である。図4(c)の例のような複雑な形状であっても、一般的に長手方向を有する形状と認識可能であれば、本発明の長手方向を有するピン形状に該当する。尚、図4(c)の例では、図の横方向(図中の破線の延長方向)が長手方向である。
本発明では、スタッドピンP(チップ部24)の長手方向がタイヤ幅方向と成す角度(以下、長手方向の角度という)がすべてのスタッドピンPで共通しておらず、トレッド部1に設けられた複数のスタッドピンには、長手方向の角度θ1が0°〜10°である複数の第1スタッドピンP1と、長手方向の角度θ2が第1スタッドピンP1の長手方向の角度θ1よりも大きい複数の第2スタッドピンP2が含まれている。そして、複数の第1スタッドピンP1からなる群と複数の第2スタッドピンP2からなる群とがそれぞれトレッド面の異なる領域に別々に設けられるのではなく、複数の第1スタッドピンP1と複数の第2スタッドピンP2とが混在しており、特に、複数の第1スタッドピンP1に対して複数の第2スタッドピンP2がタイヤ周方向に点在するように配置されている。
このようにピン形状の長手方向が異なる向きになるように配置されたスタッドピンP(第1スタッドピンP1および第2スタッドピンP2)が混在して設けられているため、スタッドピンPによる優れた氷上性能を確保しながら、乾燥路面における騒音(ピンノイズ)を効果的に抑制することができる。即ち、ピン形状の長手方向が異なる角度で配置された上述の第1スタッドピンP1と第2スタッドピンP2とでは、それぞれに起因して発生するピンノイズの周波数が異なるので、第1スタッドピンP1と第2スタッドピンP2が共存することで周波数分散効果によって騒音を低減することができる。また、第1スタッドピンP1と第2スタッドピンP2が混在することで、複数の方向にエッジ効果を発揮することができるので、氷上性能を向上するにも有利になる。
第1スタッドピンP1および第2スタッドピンP2は、上述のように長手方向の角度θ1,θ2によって区別される。そのため、第1スタッドピンP1および第2スタッドピンP2は、チップ部の向き(長手方向の角度)を変えて植設した同一形状のスタッドピンPであってもよい。或いは、第1スタッドピンP1および第2スタッドピンP2は、形状の異なる複数種類のスタッドピンPであってもよい。
前述のように第1スタッドピンP1の長手方向の角度θ1は0°〜10°である。これに対して、第2スタッドピンP2の長手方向の角度θ2は、第1スタッドピンP1の長手方向の角度θ1よりも大きければ特に限定されないが、好ましくは30°〜90°、より好ましくは45°〜85°であるとよい。このように第1スタッドピンP1および第2スタッドピンP2の長手方向の角度を設定することで、騒音を低減する効果と氷上性能を向上する効果をバランスよく発揮することができる。
本発明では、長手方向の角度が異なるスタッドピンPが混在していることが有効であるので、第1スタッドピンP1および第2スタッドピンP2の他に、更に、長手方向が別角度に設定されたスタッドピンPを設けてもよい。言い換えると、第2スタッドピンP2に分類されるスタッドピンPには、上述の角度範囲内であれば、長手方向の角度が異なる複数のスタッドピンPの群が含まれていてもよい。
図2に示すように、トレッド部1の表面に形成されるトレッドパターンに依らず、タイヤ赤道CL上における間隔がタイヤ接地長の1/4となるように配置された一対のタイヤ子午線の間に区画される領域を帯状領域Aと定義する(例えば、図2の斜線部を参照)。そして、図5に模式的に示すように、複数の帯状領域A(A1,A2,A3・・・)をタイヤ周方向に沿って1度ずつずらしてタイヤ全周に亘って配列し、各帯状領域A(A1,A2,A3・・・)の中に含まれるスタッドピンPの本数nを測定する。尚、図5は、帯状領域Aの配列を模式的に示すものであり、トレッド部1に形成されるトレッドパターンの詳細やスタッドピンPの具体的な配置は省略している。また、符号A3以降の帯状領域Aは省略している。図中の符号Rはタイヤ周方向(タイヤ回転方向)を表す。
このように定義された複数の帯状領域Aのすべてにおいて、各帯状領域Aに含まれるスタッドピンPの本数nはタイヤ全周におけるスタッドピンPの総数Nの4.0%以下に設定されている。例えば、図5に示す例では、スタッドピンPの本数nは7本以下となっている。図5の例では、総数N=190本を想定しており、総数Nの4.0%は7.6本であるので、図5の例は、上述の条件を満たしている。また、図2の例についても、総数N=190本とすると、一点鎖線で囲んだ3箇所の帯状領域A(斜線部)は、いずれもスタッドピンPの本数nは7本以下であり、上述の条件を満たしている。一方で、複数の帯状領域Aのうちの2/3以上において、当該帯状領域Aに含まれるスタッドピンPの本数nはスタッドピンPの総数Nの2.0%以上に設定されている。例えば、総数N=190本の場合、総数Nの2.0%は3.8本であるので、図5の例では、4本以上のスタッドピンPが設けられた帯状領域Aが複数の帯状領域Aのうちの2/3以上であれば上述の条件を満たしていることになる。このように、すべての帯状領域Aにおいて、スタッドピンPの総数Nに対するスタッドピンPの本数nの割合が4.0%以下に低く抑えられているので、乾燥路面を走行する際にスタッドピンPが路面と接触するときに生じる騒音を抑制することができる。その一方で、スタッドピンPの総数Nに対するスタッドピンPの本数nの割合が2.0%以上という適度な範囲に設定された帯状領域Aがタイヤ全周に十分に設けられているので、氷上性能を良好に発揮することができる。
帯状領域Aには第1スタッドピンP1および第2スタッドピンP2の両方が含まれるとよい。特に、第1スタッドピンP1が主体として設けられて、第2スタッドピンP2が混在している場合には、帯状領域Aに第2スタッドピンP2が1本以上設けられているとよい。このように複数の帯状領域Aのそれぞれに他のスタッドピン(第1スタッドピンP1)と長手方向の角度が異なるスタッドピン(第2スタッドピンP2)が含まれることで、第2スタッドピンP2を混在させることによる騒音低減の効果を確実に発揮することが可能になる。
複数の帯状領域Aの中でも、当該帯状領域Aに含まれるスタッドピンPの本数nがスタッドピンPの総数Nの3.0%以上である領域を集中領域A′として区別すると、この集中領域A′はタイヤ周上に1箇所以上存在することが好ましい。尚、図5に示す例では、上述のように総数N=190本を想定しており、総数Nの3.0%は5.7本であるので、図5の例では、6本以上のスタッドピンPが設けられた帯状領域Aが集中領域A′に該当することになる。また、図2に示す3箇所の帯状領域A(斜線部)では、スタッドピンPの本数nが6本または7本の箇所が集中領域A′に該当する。尚、図2においてスタッドピンPの本数nが7本の箇所は後述の密集領域A″にも該当するため、図中の符号はA(A″)と表示しているが、この箇所も集中領域A′に該当する。複数の集中領域A′を設ける場合は、集中領域A′を複数の帯状領域Aのうちの1/3以下に抑えることが好ましい。集中領域A′は、スタッドピンPの本数nが他の帯状領域Aよりも多く氷上性能に優れるので、このような集中領域A′を設けることで氷上性能の更なる向上を図ることができる。一方で、集中領域A′の数を複数の帯状領域Aのうちの1/3以下に抑えているので、集中領域A′を設けても乾燥路面における騒音性能を良好に発揮することができる。集中領域A′の数が複数の帯状領域Aのうちの1/3を超えると、走行時のショック感の原因となり得るスタッドピンPが多く存在する集中領域A′が増加するため、騒音性能を良好に発揮することが難しくなる。
更に、集中領域A′の中でも、当該帯状領域に含まれるスタッドピンPの本数nがスタッドピンPの総数Nの3.5%以上である領域を密集領域A″として区別すると、この密集領域A″がタイヤ周上に1箇所以上存在していることが好ましい。尚、図5に示す例では、上述のように総数N=190本を想定しており、総数Nの3.5%は6.7本であるので、図5の例では、7本以上のスタッドピンPが設けられた帯状領域Aが集中領域A′に該当することになる。また、図2に示す3箇所の帯状領域A(斜線部)では、スタッドピンPの本数nが7本の箇所が集中領域A″に該当する。複数の密集領域A″を設ける場合は、タイヤ周方向に隣り合う密集領域A″どうしの間隔がタイヤ接地長の100%以上であることが好ましい。密集領域A″は、集中領域A′のなかでも特に氷上性能に優れるので、氷上性能の更なる向上を図ることができる。一方で、密集領域A″どうしの間隔をタイヤ接地長よりも大きくしているので、タイヤ転動時に接地面内に存在する密集領域A″は1箇所以下になり、密集領域A″を設けても乾燥路面における騒音性能を良好に発揮することができる。密集領域A″どうしの間隔が接地長の100%未満であると、走行時のノイズ増大の原因となり得るスタッドピンPが多く存在する密集領域A″が接地面内に複数存在する場合が発生するため、騒音性能を良好に発揮することが難しくなる。尚、密集領域A″どうしの間隔とは、隣り合う密集領域A″の間で対向するタイヤ子午線間のタイヤ周方向に沿った長さである。
スタッドピンPは上述のように配列すればよいが、タイヤ全体におけるスタッドピンPの総数が好ましくは135本〜250本、より好ましくは135本〜200本であるとよい。このようにタイヤ全体に適度な本数のスタッドピンPを設けることで、氷上性能を効果的に発揮しながら、騒音性能を良好に発揮するには有利になる。スタッドピンPの総数が135本未満であると、氷上トラクション性能を十分に向上することができない。スタッドピンPの総数が250本を超えるとであると、騒音性能を十分に発揮することができない。
図2に示すように、トレッド部1の踏面(タイヤ幅方向両側の接地端Eの間の範囲)をタイヤ幅方向に3等分した領域のうち、タイヤ赤道CL上に位置する領域をセンター領域Ceとし、センター領域Ceのタイヤ幅方向両側に位置する一対の領域をそれぞれショルダー領域Shとしたとき、スタッドピンPの本数nが3本以上である帯状領域Aでは、センター領域Ceおよび一対のショルダー領域Shのそれぞれに少なくとも1本のスタッドピンPが存在することが好ましい。このようにタイヤ幅方向にスタッドピンPを分散して配置することで、タイヤ幅方向の全域で効率的に氷雪路面を掻く力を得ることができ、氷上性能を向上するには有利になる。また、タイヤ幅方向のユニフォミティを良好にすることもできる。例えば、スタッドピンPの総数Nが135本である場合、スタッドピンPの本数nが総数Nの2.0%以上である帯状領域Aでは、スタッドピンPの本数nは3本以上である(135本×0.020=2.7本)。この場合に、上述のスタッドピンPの分散配置を採用すると、複数の帯状領域Aのうちの2/3以上において、スタッドピンPがセンター領域Ceおよび一対のショルダー領域Shのそれぞれに少なくとも1本ずつ分散して配置されることになる。従って、氷上性能を向上するには非常に有効である。
上記のようにトレッド部1の踏面(タイヤ幅方向両側の接地端Eの間の範囲)をタイヤ幅方向に3等分したとき、3等分された各領域(センター領域Ceおよび一対のショルダー領域Sh)にそれぞれ第1スタッドピンP1および第2スタッドピンP2が1つ以上配置されていることが好ましい。これにより、タイヤ幅方向に第1スタッドピンP1および第2スタッドピンP2の両方が分散して配置されるので、タイヤ幅方向の全域において第1スタッドピンP1と第2スタッドピンP2を共存させる効果を効果的に確保することができる。即ち、優れた氷上性能を確保しながら、乾燥路面における騒音(ピンノイズ)を効果的に抑制するには有利になる。
また、接地領域内に第1スタッドピンP1および第2スタッドピンP2がそれぞれ1本以上存在することが好ましい。例えば、第1スタッドピンP1が大半を占めており、多数の第1スタッドピンP1に対して少数の第2スタッドピンP2が混在している場合には、接地領域内に少なくとも1本の第2スタッドピンP2が含まれることが好ましい。特に、タイヤ周方向に最も近接する第2スタッドピンP2間のタイヤ周方向に沿った離間距離Lが接地長の1.0%〜100.0%の範囲内であることが好ましい。これにより、接地領域内に少なくとも1つの第2スタッドピンP2が配置されるので、乾燥路面における騒音(ピンノイズ)を抑制する効果を確実に得ることができる。離間距離Lが接地長の1.0%未満であると、第2スタッドピンP2どうしが接近しすぎるためピンノイズを悪化させる虞がある。離間距離Lが接地長の100.0%を超えると、接地領域内に第2スタッドピンP2が含まれなくなるため、第1スタッドピンP1および第2スタッドピンP2を共存させる効果が十分に得られなくなる。
スタッドピンPの突出量hは均一であってもよいが、第1スタッドピンP1および第2スタッドピンP2のうち設置数が少ない方の突出量hの平均値を平均突出量Px とし、設置数が多い方の突出量hの平均値を平均突出量Py としたとき、これらが、好ましくはPx >Py の関係を満たし、より好ましくはPx ≧1.05×Py の関係を満たすとよい。このようにスタッドピンPの突出量hを設定することで、設置数が少ない方のスタッドピンPに起因する騒音の振動数が増大するので、設置数が多い方のスタッドピンPに起因する騒音が増幅されることを防ぎ、特定のピンノイズを分散させることができる。
以下、実施例によって本発明を更に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
タイヤサイズが205/55R16 94Tであり、図1に例示する基本構造を有し、図2のトレッドパターンを基調とし、表1〜2に示すように構造を設定した従来例1、比較例1〜2、実施例1〜15の18種類の空気入りタイヤを作製した。
表1〜2において、「総数N」は、タイヤ全体に設けられたスタッドピンの総数であり、「n」は各帯状領域に含まれるスタッドピンの本数である。「第1スタッドピンの有無」および「第2スタッドピンの有無」の欄について、トレッド部の踏面をタイヤ幅方向に3等分した各領域における有無を「一方側のショルダー領域における有無/センター領域における有無/他方側のショルダー領域における有無」のように表示した。「第1スタッドピンに対する第2スタッドピンの割合」は、トレッド部に設けられた第1スタッドピンの設置数に対する第2スタッドピンの設置数の割合(%)である。尚、表に示した例のうち第2スタッドピンを含む例ではいずれも、第2スタッドピンの設置数が第1スタッドピンの設置数よりも小さくなっている。「長手方向の平均角度」の欄については、第1スタッドピンおよび第2スタッドピンのそれぞれのピン形状の長手方向がタイヤ幅方向に対して成す角度の平均値を表示した。「第2スタッドピンの離間距離L」は、タイヤ周方向に最も近接する前記第2スタッドピン間のタイヤ周方向に沿った離間距離であり、接地長に対する割合(%)で表示した。
「帯状領域におけるnの最大値」については、本発明で定義される上限値の条件(総数Nの4.0%=0.04N)と、各タイヤにおける測定値と、これらの大小関係を表示した。特に、大小関係については、測定値が上限条件(0.04N)以下である場合を「〇」、測定値が上限条件(0.04N)を超える場合を「×」で示した。「標準配置領域」とは、スタッドピンの本数nがスタッドピンの総数Nの2.0%以上の条件を満たす帯状領域を意味する。この「標準配置領域」については、本発明で定義される下限値の条件(総数Nの2.0%=0.02N)と、標準配置領域の有無と、全帯状領域に対する標準配置領域の割合を表示した。「集中領域」については、本発明で定義される下限値の条件(総数Nの3.0%=0.03N)と、集中領域の有無と、全帯状領域に対する集中領域の割合を表示した。「帯状領域における第2スタッドピンの有無」については、各帯状領域に1本以上の第2スタッドピンが含まれる場合を「有」、各帯状領域に第2スタッドピンが含まれない場合を「無」で示した。「Px /Py 」とは、第1スタッドピンおよび第2スタッドピンのうち設置数が多い方(表に示した例では第1スタッドピン)の平均突出量Py に対する設置数が少ない方(表に示した例では第2スタッドピン)の平均突出量Px の比である。
尚、上述の18種類の空気入りタイヤ(従来例1、比較例1〜2、実施例1〜15)については、接地長は120mmで共通であった。即ち、各例において、帯状領域のタイヤ周方向長さ(タイヤ接地長の1/4)は30mmである。
これら空気入りタイヤについて、下記の評価方法により、氷上制動性能、乾燥路面における騒音性能を評価し、その結果を表1〜2に併せて示した。
氷上制動性能
各試験タイヤをETRTO標準リム(リムサイズ16×6.5J)に組み付けて、車両指定空気圧を充填し、排気量1.4Lの前輪駆動車に装着し、氷雪路面からなるテストコース(直線路)にて、初速25km/hにおいてブレーキをかけて、速度が20km/hから5km/mになるまでの制動距離を測定した。評価結果は、測定値の逆数を用い、従来例1の値を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど制動距離が短く、氷上制動性能に優れることを意味する。尚、指数値が「98」以上であれば、従来例1と同等レベルの良好な氷上制動性能が得られたことを意味する。
乾燥路面における騒音性能
各試験タイヤをETRTO標準リム(リムサイズ16×6.5J)に組み付けて、空気圧を250kPaとし、排気量1.4Lの前輪駆動車に装着し、乾燥路面からなるテストコース(アスファルト路)にて、ピンノイズについて、テストドライバーによる官能評価を行った。評価結果は、従来例1の値を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほどピンノイズが小さく、乾燥路面における騒音性能に優れることを意味する。
Figure 2021091289
Figure 2021091289
表1から明らかなように、実施例1〜15はいずれも、従来例1と比較して、氷上制動性能を良好に発揮しながら、乾燥路面における騒音性能を向上し、これら性能を高度に両立した。一方、比較例1は、第1スタッドピンに対して第2スタッドピンが混在していないため、乾燥路面における騒音性能が悪化した。比較例2は、第1スタッドピンの長手方向の角度が大きすぎるため、氷上制動性能が悪化した。
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 ベルト補強層
11 ラグ溝
12 周方向溝
13 陸部
14 補助溝
15 サイプ
P スタッドピン
P1 第1スタッドピン
P2 第2スタッドピン
A 帯状領域
A′ 集中領域
A″ 密集領域
Ce センター領域
Sh ショルダー領域
CL タイヤ赤道
E 接地端

Claims (9)

  1. タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備え、前記トレッド部の踏面に複数のスタッドピンを植設したタイヤにおいて、
    各スタッドピンは、トレッド部に設けられた取付孔内に挿入されるボディ部と、トレッド部の表面から突出するチップ部とで構成されており、
    前記チップ部を各スタッドピンの上面側から見た時に前記チップ部の上面が構成するピン形状が長手方向を有する形状であり、
    前記複数のスタッドピンには、前記長手方向がタイヤ幅方向と成す角度が0°〜10°である複数の第1スタッドピンと、前記長手方向がタイヤ幅方向と成す角度が前記第1スタッドピンよりも大きい複数の第2スタッドピンが含まれており、前記複数の第1スタッドピンに対して前記複数の第2スタッドピンがタイヤ周方向に点在していることを特徴とするタイヤ。
  2. 前記トレッド部の踏面をタイヤ幅方向に3等分にしたとき、3等分された各領域にそれぞれ前記第1スタッドピンおよび前記第2スタッドピンが1つ以上配置されていることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ。
  3. タイヤ周方向に最も近接する前記第2スタッドピン間のタイヤ周方向に沿った離間距離が接地長の1.0%〜100.0%の範囲内であることを特徴とする請求項1または2に記載のタイヤ。
  4. タイヤ赤道線上における間隔がタイヤ接地長の1/4となるように配置された一対のタイヤ子午線の間に区画される領域を帯状領域とし、複数の帯状領域をタイヤ周方向に沿って1度ずつずらしてタイヤ全周に亘って配列したとき、
    前記複数の帯状領域のすべてにおいて各帯状領域に含まれるスタッドピンの本数nはタイヤ全周におけるスタッドピンの総数Nの4.0%以下であり、且つ、前記複数の帯状領域の2/3以上において当該帯状領域に含まれるスタッドピンの本数nは前記総数Nの2.0%以上であり、
    各帯状領域に前記第2スタッドピンが少なくとも1本設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ。
  5. 前記スタッドピンの総数が135本〜250本であることを特徴とする請求項1〜4に記載のタイヤ。
  6. 前記複数の帯状領域の中に、当該帯状領域に含まれるスタッドピンの本数nが前記総数Nの3.0%以上である集中領域が1箇所以上、且つ、前記複数の帯状領域のうちの1/3以下に存在することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のタイヤ。
  7. 回転方向が指定されたタイヤであって、前記トレッド部の外表面に、タイヤ赤道の一方側のトレッド端からタイヤ幅方向内側に向かって前記回転方向に傾斜しながら延在してタイヤ赤道に到達するラグ溝と、タイヤ赤道の他方側のトレッド端からタイヤ幅方向内側に向かって前記回転方向に傾斜しながら延在してタイヤ赤道に到達するラグ溝とが、タイヤ周方向に交互に配列されたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のタイヤ。
  8. 前記第1スタッドピンおよび前記第2スタッドピンのうち設置数が少ない方の平均突出量Px と、設置数が多い方の平均突出量Py とが、Px >Py の関係を満たすことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のタイヤ。
  9. 前記平均突出量Px と前記平均突出量Py とが、Px ≧1.05×Py の関係を満たすことを特徴とする請求項8に記載のタイヤ。
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