以下に、実施形態について図面を参照して説明する。各実施形態は、発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示している。図面は模式的又は概念的なものであり、各図面の寸法及び比率等は必ずしも現実のものと同一とは限らない。本発明の技術的思想は、構成要素の形状、構造、配置等によって特定されるものではない。
尚、以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付す。参照符号を構成する文字の後の数字は、同じ文字を含んだ参照符号によって参照され、且つ同様の構成を有する要素同士を区別するために使用される。同じ文字を含んだ参照符号で示される要素を相互に区別する必要がない場合、これらの要素はそれぞれ文字のみを含んだ参照符号により参照される。
[1]第1実施形態
以下に、第1実施形態に係る半導体記憶装置1について説明する。
[1−1]構成
図1は、第1実施形態に係る半導体記憶装置1を含むメモリシステムSYSの構成例を示している。図1に示すように、メモリシステムSYSは、半導体記憶装置1と、メモリコントローラ2とを含む。半導体記憶装置1は、例えばNANDフラッシュメモリである。メモリシステムSYSは、図示しない外部のホスト機器に接続され、ホスト機器からの命令に応じて、データの記憶や読み出し等の動作を実行する。
半導体記憶装置1とメモリコントローラ2とは、例えばNANDバスで接続される。NANDバスによる通信は、例えば信号DQ0〜7、DQS、/DQS、/CE、CLE、ALE、/WE、RE、/RE、/WP、及び/RBを含む。
信号DQ0〜7は、例えば8ビットの信号であり、半導体記憶装置1とメモリコントローラ2との間で送受信される。信号DQ0〜7は、半導体記憶装置1とメモリコントローラ2との間で送受信されるデータの実体であり、コマンド、アドレス、及びデータのいずれかを含み得る。
信号DQS及び/DQSは、半導体記憶装置1とメモリコントローラ2との間で送受信される。信号DQS及び/DQSは、信号DQ0〜7を受信する際の動作タイミングを制御するために用いられる。
信号/CEは、メモリコントローラ2から半導体記憶装置1に送信される。信号/CEは、半導体記憶装置1を選択状態又は非選択状態にするための信号である。例えば、メモリコントローラに複数の半導体記憶装置が接続されている場合、メモリコントローラ2は信号/CEを用いて動作させる半導体記憶装置を選択することが出来る。信号/CEが“H”レベルの場合、メモリコントローラ2は半導体記憶装置1を非選択状態にする。信号/CEが“L”レベルの場合、メモリコントローラ2は半導体記憶装置1を選択状態にする。
信号CLE、ALE、/WE、RE、/RE、及び/WPのそれぞれは、メモリコントローラ2から半導体記憶装置1に送信される。信号CLEは、信号DQ0〜7がコマンドであることを通知する信号である。信号ALEは、信号DQ0〜7がアドレスであることを通知する信号である。信号/WEは、半導体記憶装置1に信号DQ0〜7を取り込むことを指示する信号である。信号RE及び/REは、半導体記憶装置1に信号DQ0〜7を出力することを指示する信号である。また、信号RE及び/REは、信号DQ0〜7を出力する際に、半導体記憶装置1の動作タイミングを制御する。信号/WPは、半導体記憶装置1に書き込み及び消去動作を禁止させる信号である。
信号/RBは、半導体記憶装置1からメモリコントローラ2へと送信される。信号/RBは、半導体記憶装置1がレディ状態(外部からの命令を受け付ける状態)であるか、ビジー状態(外部からの命令を受け付けない状態)であるかを示す信号である。
図2は、半導体記憶装置1の構成例を示している。図2に示すように、半導体記憶装置1は、外部から供給された電圧VCC、VCCQ及びVSSを用いて動作する。VCCは、例えば2.5V程度の電圧である。VCCQは、例えば1.2V程度の電圧である。本実施形態においては、VCCはVCCQよりも高い電圧である。VSSは、例えば、0Vの接地電圧である。また、半導体記憶装置1は、入出力モジュール10、ロジック制御回路11、レジスタ12、シーケンサ13、メモリセルアレイ14,ロウデコーダ15、センスアンプ16、ドライバセット17、及び電源回路18を備えている。電圧VCC(電圧VCCから生成される後述の電圧VDD、VDD1、及びVDD2)は、例えば、ロジック制御回路11、レジスタ12、シーケンサ13、メモリセルアレイ14,ロウデコーダ15、センスアンプ16、ドライバセット17、及び電源回路18に供給される。電圧VCCQは、例えば、入出力モジュール10の少なくとも一部に供給される。
入出力モジュール10は、信号DQ0〜7、信号DQS、及び信号/DQSを送受信する。入出力モジュール10は、データバスに接続される。データバスは、半導体記憶装置1内でデータの送受信に用いられる配線の集合であり、例えば入出力モジュール10、レジスタ12及びセンスアンプ16が接続される。入出力モジュール10は、信号DQ0〜7内のコマンド及びアドレスをレジスタ12に転送する。入出力モジュール10は、書き込みデータ及び読み出しデータをセンスアンプ16と送受信する。入出力モジュール10は、信号DQS及び/DQSを、信号RE及び/REに基づいて生成する。
ロジック制御回路11は、信号/CE、CLE、ALE、/WE、RE、/RE、及び/WPを受信し、信号/RBを送信する。ロジック制御回路11は、受信した信号に基づいた信号を、入出力モジュール10及びシーケンサ13へ送信する。
レジスタ12は、入出力モジュール10を介して受信したコマンド及びアドレスを一時的に保持する。レジスタ12は、アドレスをロウデコーダ15及びセンスアンプ16に転送する。また、レジスタ12は、コマンドをシーケンサ13に転送する。
シーケンサ13は、半導体記憶装置1全体の動作を制御する。例えば、シーケンサ13は、レジスタ12からコマンドを受信し、受信したコマンドに基づいて読み出し動作等を実行する。また、シーケンサ13は、ロジック制御回路11の制御に基づいて、入出力モジュール10を制御する。
メモリセルアレイ14は、データを不揮発に保持する。メモリセルアレイ14は、複数のビット線BL、複数のワード線WL、及び複数のメモリセルMCを含む。複数のメモリセルMCは、例えばロウ方向とカラム方向とに配列して設けられる。複数のビット線BLは、カラム方向に対応して設けられ、同一のカラムに対応する複数のメモリセルMCと接続される。複数のワード線WLは、ロウ方向に対応して設けられ、同一のロウに対応する複数のメモリセルMCと接続される。
ロウデコーダ15は、レジスタ12からアドレス中のロウアドレスを受信し、当該ロウアドレスに基づく行のメモリセルMCを選択する。そして、選択された行のメモリセルMCには、ロウデコーダ15を介してドライバセット17からの電圧が転送される。
センスアンプ16は、データの読み出し時には、メモリセルMCからビット線BLに読み出された読み出しデータをセンスし、センスした読み出しデータを入出力モジュール10に転送する。センスアンプ16は、データの書き込み時には、ビット線BLを介して書き込まれる書き込みデータをメモリセルMCに転送する。またセンスアンプ16は、レジスタ12からアドレス中のカラムアドレスを受信し、当該カラムアドレスに基づくカラムのデータを出力する。
ドライバセット17は、メモリセルアレイ14、ロウデコーダ15及びセンスアンプ16の動作に用いられる電圧を生成する。
電源回路18は、半導体記憶装置1で用いられる電源電圧を生成する。例えば、電源回路18は、電圧VCCを用いて、入出力モジュール10で用いられる各種電圧を生成する。
図3は、電源回路18の構成例を示している。図3に示すように、電源回路18は、レギュレータ20、レギュレータ21、及びレギュレータ22を含む。レギュレータ20は、電圧VCCから、電圧VDDを生成する。レギュレータ21は、電圧VCCから、電圧VDD1を生成する。レギュレータ22は、電圧VCCから、電圧VDD2を生成する。電圧VDD、VDD1、及びVDD2の詳細は後述する。
図4は、入出力モジュール10の構成例を示している。図4に示すように、入出力モジュール10は、入出力ユニット30−0乃至30−9、入出力制御回路40、並びにパッド50−0乃至50−9を含む。入出力ユニット30のそれぞれは、対応するパッド50と接続される。入出力ユニット30−0乃至30−7は、それぞれ信号DQ0乃至DQ7に対応する。入出力ユニット30−8は、信号DQSに対応する。入出力ユニット30−9は、信号/DQSに対応する。入出力ユニット30−0乃至30−7は、データバスと接続される。入出力ユニット30−8及び30−9は、ロジック制御回路11と接続される。入出力制御回路40は、ロジック制御回路11から信号STBYを受信する。信号STBYは、信号/CEに基づく信号である。入出力制御回路40は、信号STBYに基づいて、入出力ユニット30−0乃至30−9を制御する。
図5は、入出力ユニット30の構成例を示している。図5に示すように、入出力ユニット30は、入力回路31及び出力回路32を含む。入力回路31と出力回路32とは、パッド50とデータバスとの間に並列に接続される。パッド50に信号が入力される場合、入力回路31はパッド50に入力された信号を受信し、受信した信号をデータバスに転送する。パッド50から信号が出力される場合、出力回路32はデータバスの信号を受信し、受信した信号をパッド50に出力する。入力回路31及び出力回路32のそれぞれは、入出力制御回路40によって制御される。
図6は、出力回路32の構成例を示している。図6に示すように、出力回路32は、ロジック部60、プリドライバ70、及びメインドライバ80を含む。
ロジック部60は、信号STBYに基づいて、出力回路32に入力された信号又はスタンバイ用の電圧をプリドライバ70に出力する。ロジック部60は、ANDゲート61及びORゲート62を含む。ANDゲート61は、信号SPと信号/STBYとをAND演算し、演算結果をノードN2に出力する。ORゲート62は、信号SNと信号STBYとをOR演算し、演算結果をノードN4に出力する。信号SP及びSNは、例えばデータバスから出力回路32に入力された信号である。
プリドライバ70は、信号STBYに基づいて、ロジック部60から入力された信号又はスタンバイ用の電圧をメインドライバ80に出力する。プリドライバ70は、トランジスタTR1乃至TR6を含む。トランジスタTR1、トランジスタTR4、及びトランジスタTR5は、例えばP型のMOSFET(PMOS)である。トランジスタTR2、トランジスタTR3、トランジスタTR6は、例えばN型のMOSFET(NMOS)である。
トランジスタTR1のソースとバックゲートとのそれぞれには、電圧VCCQが印加される。トランジスタTR1のゲートはノードN2に接続される。トランジスタTR2のドレインは、トランジスタTR1のドレインに接続される。トランジスタTR2のソースは、ノードN1に接続される。トランジスタTR2のバックゲートは、接地される。トランジスタTR2のゲートには、信号S2が印加される。トランジスタTR3のソースとバックゲートとのそれぞれは、接地される。トランジスタTR3のドレインは、ノードN1に接続される。トランジスタTR3のゲートは、ノードN2に接続される。トランジスタTR4のソースとバックゲートとのそれぞれには、電圧VDD1が印加される。トランジスタTR4のドレインは、ノードN1に接続される。トランジスタTR4のゲートには、信号S1が印加される。
トランジスタTR5のソースとバックゲートとのそれぞれには、電圧VCCQが印加される。トランジスタTR5のドレインは、ノードN3に接続される。トランジスタTR5のゲートは、ノードN4に接続される。トランジスタTR6のソースとバックゲートとは、接地される。トランジスタTR6のドレインは、ノードN3に接続される。トランジスタTR6のゲートは、ノードN4に接続される。
メインドライバ80は、プリドライバの出力に基づいて、パッド50に電圧を出力する、又はメインドライバ80の出力ノードをハイインピーダンス状態にする。メインドライバ80は、トランジスタTR7及びトランジスタTR8を含む。トランジスタTR7のソースとバックゲートとのそれぞれには、電圧VCCQが印加される。トランジスタTR7のドレインは、パッド50に接続される。トランジスタTR7のゲートは、ノードN1に接続される。トランジスタTR8のソースとバックゲートとのそれぞれは、接地される。トランジスタTR8のドレインは、パッド50に接続される。トランジスタTR8のゲートは、ノードN3に接続される。トランジスタTR7のドレイン及びトランジスタTR8のドレインは、メインドライバ80の出力ノードでもある。メインドライバ80の出力インピーダンスは、トランジスタTR7又はトランジスタTR8のオン抵抗に基づく。また、出力回路32の出力インピーダンスは、メインドライバ80の出力インピーダンスに基づく。
出力回路32には、複数の電圧が供給される。ロジック部60には、電圧VDDが供給される。プリドライバ70には、電圧VCCQと、電圧VCCQとは異なる電圧とが供給される。電圧VCCQとは異なる電圧は、例えば電圧VDD1である。メインドライバ80には、電圧VCCQが供給される。また、信号STBY、/STBY、S1、及びS2は、入出力制御回路40によって出力される信号である。なお、信号STBYは入出力制御回路40を介さずに入出力ユニット30に入力されても良い。
図7は、入出力制御回路40の構成を示している。図7に示すように、入出力制御回路40は、インバータ41、レベルシフタ42及びレベルシフタ43を含む。インバータ41は、信号STBYを論理反転させた信号/STBYを出力する。レベルシフタ42は、信号/STBYの“H”レベルの電圧を電圧VDD1にシフトさせた信号S1を出力する。レベルシフタ43は、信号/STBYの“H”レベルの電圧を電圧VDD2にシフトさせた信号S2を出力する。
[1−2]動作
次に、第1実施形態に係る半導体記憶装置1の動作について説明する。なお、第1実施形態では、電圧VCCが電圧VDD、VDD1、及びVDD2よりも大きく、電圧VDD1が電圧VDDよりも大きく、電圧VDD2が電圧VDD及びVDD1よりも大きく、電圧VDD2が電圧VCCQとトランジスタTR2の閾値電圧との合計以上であるものと仮定する。第1実施形態に係る半導体記憶装置1に含まれる出力回路32は、信号STBYの論理レベルに応じて異なる動作を行う。以降、各種信号の詳細と出力回路32の動作について、順に説明する。
図8は、第1実施形態に係る半導体記憶装置1が送受信する各種信号の一例を示したタイミングチャートである。図8は、複数の出力回路32がメモリコントローラ2に信号を出力する際の信号DQS、/DQS、DQ0〜7、/CE、/RE、及びREの動作の一例を示している。時刻t0において、信号/CEは“H”レベルであり、半導体記憶装置1は非選択状態とされている。信号STBYは“H”レベルであり、出力回路32それぞれの出力ノードはハイインピーダンス状態となっている。時刻t1において、メモリコントローラ2は信号/CEを“H”レベルから“L”レベルへと遷移させる。信号/CEが“L”レベルとなったことで、半導体記憶装置1は選択状態となる。その後、時刻t2において、選択状態となった半導体記憶装置1のロジック制御回路11は、信号/CEに基づいて信号STBYを“H”レベルから“L”レベルへと遷移させる。信号STBYが“L”レベルに遷移したことで、出力回路32のそれぞれは信号を出力することが可能な状態となる。その後、複数の出力回路32から、メモリコントローラ2から受信した信号RE及び/REに基づいて、信号DQS、/DQS、及びDQ0〜7が順次出力される。その後、半導体記憶装置1がデータの出力を完了すると、メモリコントローラ2は時刻t3において、信号/CEを“H”レベルに遷移させる。信号/CEが“H”レベルとなったことに基づいて、時刻t4においてロジック制御回路11は、信号STBYを“H”レベルに遷移させる。信号STBYが“H”レベルに遷移すると、出力回路32の出力ノードはハイインピーダンス状態になる。本動作の詳細については後述する。
このように、第1実施形態に係る半導体記憶装置1は、信号STBYが“L”レベルの間に、信号DQS、/DQS、及び信号DQ0〜7を送信する。また、半導体記憶装置1は、信号STBYが“H”レベルの間に、信号DQS、/DQS、及び信号DQ0〜7に対応する各出力回路32の出力ノードをハイインピーダンス状態とする。
図9は、第1実施形態に係る半導体記憶装置1における各種信号の論理レベルと電圧との関係を示している。尚、信号STBYは、チップイネーブル信号/CEに基づいた信号である。図9に示すように、第1実施形態に係る半導体記憶装置1は、第1の状態と第2の状態とになり得る。
第1の状態では、信号STBY、/STBY、S1、及びS2が、それぞれ“H”レベル、“L”レベル、“L”レベル、及び“L”レベルに制御される。このとき、出力回路32の出力ノードは、ハイインピーダンス状態になる。以下では、第1の状態のことを、出力回路32のスタンバイ状態と呼ぶ。つまり、信号STBYが“H”レベルの場合、出力回路32はスタンバイ状態となる。
第2の状態では、信号STBY、/STBY、S1、及びS2が、それぞれ“L”レベル、“H”レベル、“H”レベル、及び“H”レベルに制御される。このとき、出力回路32は、信号SP及びSNに基づいた信号を出力可能な状態になる。以下では、第2の状態のことを、出力回路32のアクティブ状態と呼ぶ。つまり、信号STBYが“L”レベルの場合、出力回路32はアクティブ状態となる。
以上のように、入出力モジュール10内の各出力回路32は、信号STBYによってスタンバイ状態又はアクティブ状態に制御され得る。尚、信号STBYの“H”レベルは、電圧VDDに対応する。信号STBYの“L”レベルは、電圧VSSに対応する。信号/STBYの“H”レベルは、電圧VSSに対応する。信号/STBYの“L”レベルは、電圧VDDに対応する。信号S1の“H”レベルは、電圧VDD1に対応する。信号S1の“L”レベルは、電圧VSSに対応する。信号S2の“H”レベルは、電圧VDD2に対応する。信号S2の“L”レベルは、電圧VSSに対応する。
図10は、第1実施形態に係る半導体記憶装置1に含まれる出力回路32の第1の状態における動作の一例を示している。第1の状態では、信号STBYは“H”レベルであるから、出力回路32はスタンバイ状態である。スタンバイ状態の出力回路32について、ロジック部60、プリドライバ70、メインドライバ80の順に説明する。
ロジック部60の動作について説明する。ANDゲート61には、“L”レベルの信号/STBYが入力される。よって、ANDゲート61は、信号SPの論理レベルに関わらず、ノードN2に“L”レベルを出力する。ANDゲート61が出力する“L”レベルは、例えば電圧VSSである。ORゲート62には、“H”レベルの信号STBYが入力される。よって、ORゲート62は、信号SNの論理レベルに関わらず、ノードN4に“H”レベルを出力する。ORゲート62が出力する“H”レベルは、例えば電圧VCCQである。
プリドライバ70の動作について説明する。PMOSトランジスタTR4は、ゲートに電圧VSSの信号S1が印加されたため、オン状態となる。NMOSトランジスタTR3は、ゲートにノードN2から“L”レベルが印加されたため、オフ状態となる。NMOSトランジスタTR2は、ゲートに電圧VSSの信号S2が印加されたため、オフ状態となる。PMOSトランジスタTR1は、ゲートにノードN2から“L”レベルが印加されたためオン状態となるが、ドレインに接続されているトランジスタTR2がオフ状態となっており電流が流れないため、実質的にオフ状態となる。この結果、オン状態となったトランジスタTR4によって、ノードN1の電圧が電圧VDD1に定められる。PMOSトランジスタTR5は、ゲートにノードN4から“H”レベルが印加されたため、オフ状態となる。NMOSトランジスタTR6は、ゲートにノードN4から“H”レベルが印加されたため、オン状態となる。この結果、オン状態となったトランジスタTR6によって、ノードN3の電圧が電圧VSSに定められる。
メインドライバ80の動作について説明する。PMOSトランジスタTR7は、ゲートにノードN1から電圧VDD1が印加されたため、オフ状態となる。NMOSトランジスタTR8は、ゲートにノードN3から電圧VSSが印加されたため、オフ状態となる。この結果、出力回路32の出力ノードはハイインピーダンス状態となる。
このように、スタンバイ状態の出力回路32は、トランジスタTR7及びトランジスタTR8がオフ状態となり、出力回路32の出力ノードがハイインピーダンス状態となる。このとき、PMOSトランジスタTR7のゲートには電圧VDD1が印加されている。
図11は、第1実施形態に係る半導体記憶装置1に含まれる出力回路32の第2の状態における動作の一例を示している。第2の状態では、信号STBYは“L”レベルであるため、出力回路32はアクティブ状態である。図10に示した例では、アクティブ状態の出力回路32は“L”レベルを出力している。ロジック部60、プリドライバ70、メインドライバ80の順に説明する。
ロジック部60の動作について説明する。第2の状態において、信号STBYは“L”レベルであり、信号/STBYは“H”レベルである。ANDゲート61は、信号SPの論理レベルと、信号/STBYの“H”レベルとをAND演算し、演算結果をノードN2に出力する。図10に示した例では、信号SPは“L”レベルであるため、ANDゲート61は、ノードN2に“L”レベルを出力する。ANDゲート61が出力する“L”レベルは、例えば電圧VSSである。ORゲート62は、信号SNの論理レベルと、信号STBYの“L”レベルとをOR演算し、演算結果をノードN4に出力する。図10に示した例では、信号SNは“L”レベルであるため、ORゲート62は、ノードN4に“L”レベルを出力する。ORゲート62が出力する“L”レベルは、例えば電圧VSSである。
プリドライバ70の動作について説明する。PMOSトランジスタTR4は、ゲートに電圧VDD1の信号S1が印加されたため、オフ状態となる。PMOSトランジスタTR1は、ゲートにノードN2から“L”レベルが印加されているため、オン状態となる。NMOSトランジスタTR2のゲートには、電圧VDD2の信号S2が印加されたため、オン状態となる。PMOSトランジスタTR31は、ゲートにノードN2から“L”レベルが印加されているため、オフ状態となる。この結果、電圧VCCQがオン状態となったPMOSトランジスタTR1及びNMOSトランジスタTR2を介してノードN1に伝達される。ここで、NMOSトランジスタTR2のゲートに印加されている電圧VDD2は、トランジスタTR2の閾値電圧と電圧VCCQとの合計よりも大きい。従って、PMOSトランジスタTR1のソースから供給される電圧VCCQは、NMOSトランジスタTR2による閾値ドロップ(Vth drop)によって低下することなく、そのままノードN1に伝達される。PMOSトランジスタTR5は、ゲートにノードN4から“L”レベルが印加され、ゲート−ソース間電圧が閾値電圧よりも大きいため、オン状態となる。NMOSトランジスタTR6は、ゲートにノードN4から“L”レベルが印加され、ゲート−ソース間電圧が略0Vであるため、オフ状態となる。この結果、ノードN3にはオン状態となったPMOSトランジスタTR5を介して電圧VCCQが印加される。
メインドライバ80の動作について説明する。PMOSトランジスタTR7は、ゲートにノードN1から電圧VCCQが印加され、ゲート−ソース間電圧が略0Vであるため、オフ状態となる。NMOSトランジスタTR8は、ゲートにノードN3から電圧VCCQが印加され、ゲート−ソース間電圧が閾値電圧よりも大きいため、オン状態となる。この結果、パッド50にはオン状態となったトランジスタTR8を介して、電圧VSSが印加される。
図12は、第1実施形態に係る半導体記憶装置1に含まれる出力回路32の第2の状態における動作の一例を示している。図11に示した例では、アクティブ状態の出力回路32は“H”レベルを出力している。ロジック部60、プリドライバ70、メインドライバ80の順に説明する。
ロジック部60の動作について説明する。第2の状態において、信号STBYは“L”レベルであり、信号/STBYは“H”レベルである。ANDゲート61は、信号SPの論理レベルと、信号/STBYの“H”レベルとをAND演算し、演算結果をノードN2に出力する。図11に示した例では、信号SPは“H”レベルであるため、ANDゲート61は、ノードN2に“H”レベルを出力する。ANDゲート61が出力する“H”レベルは、例えば電圧VCCQである。ORゲート62は、信号SNの論理レベルと、信号STBYの“L”レベルとをOR演算し、演算結果をノードN4に出力する。図11に示した例では、信号SNは“H”レベルであるため、ORゲート62は、ノードN4に“H”レベルを出力する。ORゲート62が出力する“H”レベルは、例えば電圧VCCQである。
プリドライバ70の動作について説明する。トランジスタTR4は、ゲートに電圧VDD1の信号S1が印加されたため、オフ状態となる。トランジスタTR1のゲート−ソース間電圧が略0Vであるため、トランジスタTR1はオフ状態となる。トランジスタTR2のゲートには、トランジスタTR2の閾値電圧と電圧VCCQとの合計よりも大きい電圧である電圧VDD2が印加されている。しかし、トランジスタTR1がオフ状態のため、トランジスタTR2はノードN1に電圧を印加しない。トランジスタTR3は、ゲート−ソース間電圧が閾値電圧よりも大きいため、オン状態となる。この結果、オン状態となったトランジスタTR3を介して、ノードN1には電圧VSSが供給される。トランジスタTR5は、ゲート−ソース間電圧が略0Vであるため、オフ状態となる。トランジスタTR6は、ゲート−ソース間電圧が閾値電圧よりも大きいため、オン状態となる。この結果、オン状態となったトランジスタTR6を介して、ノードN3には電圧VSSが印加される。
メインドライバ80の動作について説明する。トランジスタTR7は、ゲート−ソース間電圧が閾値電圧よりも大きいため、オン状態となる。トランジスタTR8は、ゲート−ソース間電圧が略0Vであるため、オフ状態となる。この結果、パッド50にはオン状態となったトランジスタTR7を介して、電圧VCCQが印加される。
図11及び図12を参照して説明したように、第1実施形態に係る半導体記憶装置1に含まれる出力回路32は、アクティブ状態において、ノードN1の電圧を電圧VCCQ又は電圧VSSに制御し、出力ノードに“H”レベル又は“L”レベルを出力することが出来る。
[1−3]第1実施形態の効果
以上で説明した第1実施形態に係る半導体記憶装置1に依れば、スタンバイ状態におけるリーク電流を抑制することが出来る。以下に、第1実施形態に係る半導体記憶装置1の効果の詳細について説明する。
半導体記憶装置からメモリコントローラへ信号を送信する際、信号品質を保つために、インピーダンスマッチングが行われる。具体的には、出力回路の出力インピーダンスと、伝送線路の特性インピーダンスと、受信回路の入力インピーダンスとのそれぞれが等しくなるように、出力回路と、伝送線路と、受信回路とのそれぞれが設けられる。高速に通信を行うためには、低いインピーダンスでインピーダンスマッチングを行うことが好ましい。
出力回路の出力インピーダンスを小さくするためには、メインドライバの電流供給能力を向上させる方法が考えられる。具体的には、例えば、サイズの大きいトランジスタをメインドライバに用いることが考えられる。しかし、トランジスタのサイズを大きくすると、半導体基板上に占めるトランジスタの面積が大きくなり、トランジスタのリーク電流が増加する場合がある。メインドライバの電流供給能力を向上させるその他の方法としては、閾値電圧の低いトランジスタをメインドライバに用いることも考えられる。閾値電圧の低いトランジスタは、閾値電圧の高いトランジスタに比べて、同じサイズであっても電流供給能力が大きくなる。このため、閾値電圧の低いトランジスタをメインドライバに用いることで、面積の増加を抑制しつつ電流供給能力を高めることが出来る。しかし、閾値電圧の低いトランジスタを用いると、閾値電圧の高いトランジスタを用いる場合と比べて、リーク電流が増加する場合がある。
また、トランジスタのリーク電流は、トランジスタの特性と、トランジスタのバイアス状態とによって変化し得る。トランジスタの特性は、例えば製造プロセスによって異なる。リーク電流が最小になるバイアス条件が、強い逆バイアスの場合、弱い逆バイアスの場合、ゼロバイアスの場合、及び弱い順バイアスの場合のいずれになるかは、トランジスタの特性に依存する。例えば、トランジスタTR7が逆バイアス状態になると、ゼロバイアス状態と比べてリーク電流が小さくなる。
そこで、第1実施形態に係る半導体記憶装置1では、スタンバイ状態において、ノードN1に電圧VDD1を印加している。電圧VDD1は、電圧VCCQよりも高い電圧である。よって、PMOSトランジスタTR7は、ソースに電圧VCCQが印加され、ゲートに電圧VCCQよりも高い電圧VDD1が印加されるため、逆バイアス状態となる。これにより、第1実施形態に係る半導体記憶装置1では、スタンバイ状態において、トランジスタTR7のリーク電流を抑制することが出来る。トランジスタTR7のリーク電流が抑制されることで、半導体記憶装置1の消費電力を抑制することが出来る。
また、リーク電流の増加を抑制する方法として、リーク電流が流れる電流経路に、電流遮断能力に優れたトランジスタスイッチを挿入する方法も考えられる。具体的には、例えば、トランジスタTR7のソースにトランジスタスイッチを介して電圧VCCQを印加する方法が考えられる。スタンバイ状態において、トランジスタスイッチをオフ状態にすることで、リーク電流が流れることを抑制することが出来る。しかし、電源電圧と出力回路との間にトランジスタスイッチを設けた場合、出力回路の出力インピーダンスは、トランジスタスイッチのオン抵抗とメインドライバの出力抵抗との合計となる。電流遮断能力に優れたトランジスタスイッチは、一般的なトランジスタに比べて、オン抵抗が大きくなる場合がある。電流遮断能力に優れたトランジスタスイッチを、オン抵抗が小さくなるように設けると、大きな面積を占有する場合がある。
これに対して、第1実施形態に係る半導体記憶装置1では、スタンバイ状態において、メインドライバ80を構成するPMOSトランジスタTR7及びNMOSトランジスタTR8のうちPMOSトランジスタTR7のゲート電圧を制御することで、リーク電流の増加を抑制している。具体的には、トランジスタTR2とトランジスタTR4とを制御することで、スタンバイ状態におけるノードN1の電圧を制御している。トランジスタTR4は、スタンバイ時にノードN1に電圧VDD1を与えることが出来るサイズで設けられる。トランジスタTR2は、アクティブ状態において、信号SPに基づいてノードN1の電圧を電圧VCCQ又は電圧VSSにすることが出来るサイズで設けられる。トランジスタTR2及びTR4は、電源電圧VCCQとメインドライバ80との間にスイッチを設ける場合と比べて、小さいサイズで設けることが出来る。すなわち、リーク電流を抑制するための回路を追加することによる回路面積の増加を抑制することが出来る。
また、第1実施形態に係る半導体記憶装置1では、スタンバイ時にトランジスタTR1がオン状態となりノードN1に電圧VDD1を供給することとあわせて、トランジスタTR2がオフ状態となるように制御される。
半導体基板上にトランジスタを設ける場合、ソース又はドレインとして機能する拡散領域は、例えばウェル領域内に設けられる。例えばP型のMOSFETの場合、ソース又はドレインとして機能する拡散領域はP型であり、拡散領域が設けられるウェル領域はN型である。拡散領域とウェル領域との間に存在するPN接合は、PN接合の閾値電圧よりも高い電圧差が印加されるとオン状態となり、電流経路として機能し得る。
第1実施形態に係る半導体記憶装置1では、スタンバイ状態において、トランジスタTR2がオフ状態に制御されることで、トランジスタTR1のドレインに電圧VDD1が印加されることを抑制している。これにより、電圧VDD1の大きさが電圧VCCQとPN接合の閾値電圧との合計よりも大きい場合であっても、トランジスタTR1のドレインとして機能する拡散領域に存在するPN接合がオン状態となり電流が流れることを抑制出来る。
また、第1実施形態に係る半導体記憶装置1では、アクティブ状態においてNMOSトランジスタTR2をオン状態に制御する際に、ゲートに電圧VCCQとトランジスタTR2の閾値電圧との合計よりも大きい電圧VDD2を印加している。NMOSトランジスタTR2は、そのゲートに電圧VDD2を印加することで、トランジスタTR1を介してドレインに供給された電圧VCCQを、いわゆる閾値ドロップ(Vth drop)なく、ソースに接続されたノードN1にそのまま転送することが出来る。これにより、トランジスタTR1、トランジスタTR2、及びトランジスタTR3は、トランジスタTR2をオン状態に制御している間は、電圧VCCQ又は電圧VSSを出力するインバータとして動作することが出来る。
[1−4]第1実施形態の変形例
第1実施形態に係る半導体記憶装置1において、電圧VCCQ、VDD、VDD1、及びVDD2の高低は、トランジスタの特性に応じて適宜変更され得る。また、各種電圧の高低関係に応じて、信号を兼用させても良い。トランジスタのリーク電流が小さくなるゲート電圧は、トランジスタの特性に応じて様々な場合が考えられる。例えば、強い逆バイアス状態とすることでリーク電流が抑制出来る場合は、強い逆バイアス状態となるように電圧VDD1の値を定めれば良い。
また、例えばトランジスタがGIDL(Gate-Induced Drain Leakage)が多い特性を有する場合、強い逆バイアス状態とすると、弱い逆バイアス状態よりもリーク電流が増加する場合がある。この場合は、弱い逆バイアス状態となるように電圧VDD1の値を定めれば良い。また、例えばトランジスタがGIDLの顕著な特性を有する場合、弱い順バイアス状態の方が、逆バイアス状態及びゼロバイアス状態よりも、リーク電流が小さくなる場合がある。この場合は、弱い順バイアス状態となるように電圧VDD1の値を定めれば良い。
これら複数の場合について、それぞれ例を挙げる。例えば、強い逆バイアス状態とする場合、電圧VDD1は、例えば電圧VDDよりも高い電圧に設定される。例えば、弱い逆バイアス状態とする場合、電圧VDD1は、例えば電圧VDDよりも低く、且つ電圧VCCQよりも高い電圧に設定される。例えば、弱い順バイアス状態とする場合、電圧VDD1は、例えば電圧VCCQよりも低く、且つ電圧VDD1と電圧VCCQとの差がトランジスタTR7の閾値電圧よりも小さい電圧に設定される。
このように、電圧VDD1は様々な大きさに設定され得る。信号S1は、“H”レベルの電圧が電圧VDD1以上の信号に兼ねさせても良い。例えば、電圧VDD1が電圧VDD以下の場合、信号S1の代わりに、信号/STBYを用いてもよい。また、例えば電圧VDD1が電圧VDD2以下の場合、信号S1の代わりに、信号S2を用いても良い。信号S1を信号S1以外の信号で兼用する場合は、レベルシフタ42を省略しても良い。また、信号S1を信号S1以外の信号で兼用し、且つ電圧VDD1が電圧VDDと等しい場合は、レギュレータ21を省略しても良い。
また、電圧VDD2及び信号S2についても、トランジスタの特性と各種電圧の高低関係に応じて、適宜変更が可能である。電圧VDD2は、電圧VCCQとトランジスタTR2の閾値電圧との合計よりも大きい電圧であれば良い。例えば、電圧VDDが、電圧VCCQとトランジスタTR2の閾値電圧との合計以上の場合、信号S2の代わりに信号/STBYを用いても良い。例えば、電圧VDD1が、電圧VCCQとトランジスタTR2の閾値電圧との合計以上の場合、信号S2の代わりに信号S1を用いても良い。また、信号S2を信号S2以外の信号で代用した場合、レギュレータ22及びレベルシフタ43を省略しても良い。
図13は、第1実施形態の変形例に係る半導体記憶装置に含まれる出力回路32の構成を示している。変形例に係る出力回路32は、第1実施形態に係る出力回路32と比べて、電圧VDD1の代わりに電圧VDDが用いられ、信号S1及びS2の代わりに信号/STBYが用いられている。変形例に係る半導体記憶装置は、第1実施形態に係る半導体記憶装置1と比べて、レギュレータ21及びレギュレータ22、並びにレベルシフタ42及び43を省略することが出来る。これにより、リーク電流を抑制するための回路を設けることによる面積の増加をさらに抑制することが出来る。
[2]第2実施形態
第2実施形態に係る半導体記憶装置1は、第1実施形態に係る半導体記憶装置1に対して、電源回路18、プリドライバ71、及び入出力制御回路40の構成が異なる。以下に、第2実施形態に係る半導体記憶装置1について、第1実施形態と異なる点を説明する。
[2−1]構成
図14は、第2実施形態に係る半導体記憶装置1の備える電源回路18の構成の一例を示している。図14に示すように、第2実施形態に係る電源回路18は、第1実施形態に係る電源回路18におけるレギュレータ21及び22が、それぞれネガティブチャージポンプ23及び24に置き換えられた構成を有している。
ネガティブチャージポンプ23は、電圧VCCから、電圧VSS1を生成する。ネガティブチャージポンプ24は、電圧VCCから、電圧VSS2を生成する。電圧VSS1及びVSS2のそれぞれは、VSSよりも低い負の電圧である。
図15は、第2実施形態に係る出力回路32の構成例を示している。図15に示すように、第2実施形態に係る出力回路32において、プリドライバ71は、トランジスタTR11乃至TR16を含む。トランジスタTR11、TR13、及びTR14は、例えばP型のMOSFETである。トランジスタTR12、TR15、及びTR16は、例えばN型のMOSFETである。
トランジスタTR11のソースとバックゲートとのそれぞれには、電圧VCCQが印加される。トランジスタTR11のゲートはノードN2に接続される。トランジスタTR11のドレインはノードN1に接続される。トランジスタTR12のソースとバックゲートとのそれぞれは、接地される。トランジスタTR12のゲートはノードN2に接続される。トランジスタTR12のドレインはノードN1に接続される。
トランジスタTR13のソースとバックゲートとのそれぞれには、電圧VCCQが印加される。トランジスタTR13のゲートはノードN4に接続される。トランジスタTR13のドレインはノードN3に接続される。トランジスタTR14のソースはノードN3に接続される。トランジスタTR14のバックゲートには、電圧VCCQが印加される。トランジスタTR14のゲートには、信号S4が印加される。信号S4は、入出力制御回路40によって出力される信号である。
トランジスタTR15のドレインは、トランジスタTR14のドレインと接続される。トランジスタTR15のソースとバックゲートとのそれぞれは、接地される。トランジスタTR15のゲートは、ノードN4と接続される。トランジスタTR16のソースとバックゲートとのそれぞれには、電圧VSS1が印加される。トランジスタTR16のゲートには信号S3が印加される。信号S3は、入出力制御回路40によって出力される信号である。トランジスタTR16のドレインはノードN3に接続される。
図16は、第2実施形態に係る入出力制御回路40の構成例を示している。図16に示すように、第2実施形態に係る入出力制御回路40は、第1実施形態に係る入出力制御回路40におけるレベルシフタ42及び43が、それぞれレベルシフタ44及び45に置き換えられた構成を有している。
レベルシフタ44は、信号STBYの“L”レベルの電圧を電圧VSS1にシフトさせた信号S3を出力する。レベルシフタ45は、信号STBYの“L”レベルの電圧を電圧VSS2にシフトさせた信号S4を出力する。第2実施形態に係る半導体記憶装置1のその他の構成は、第1実施形態と同様である。
[2−2]出力回路32の動作
次に、第2実施形態に係る半導体記憶装置1における出力回路32の動作について説明する。なお、第2実施形態では、電圧VSS1及びVSS2が、電圧VSSよりも低い負の電圧であり、電圧VSS2の絶対値が電圧VSS1の絶対値よりも大きく、電圧VSS2の絶対値がトランジスタTR14の閾値電圧の絶対値以上であるものと仮定する。
図17は、第2実施形態に係る半導体記憶装置1における各種信号の論理レベルと電圧との関係を示している。信号S3の“H”レベルは、電圧VDDに対応する。信号S3の“L”レベルは、電圧VSS1に対応する。信号S4の“H”レベルは、電圧VDDに対応する。信号S4の“L”レベルは、電圧VSS2に対応する。
まず、第2実施形態に係るプリドライバ71の、第1の状態における動作について説明する。第1の状態では、出力回路32はスタンバイ状態であり、ノードN2の論理レベルは“L”レベル、ノードN4の論理レベルは“H”レベルとなっている。
トランジスタTR11は、ゲートに“L”レベルが印加されたため、オン状態となる。トランジスタTR12は、ゲートに“L”レベルが印加されたため、オフ状態となる。この結果、オン状態となったトランジスタTR11によって、ノードN1の電圧が電圧VCCQに定められる。
トランジスタTR16は、ゲートに電圧VDDの信号S3が印加されたため、オン状態となる。トランジスタTR13は、ゲートに“H”レベルが印加されたため、オフ状態となる。トランジスタTR14は、ゲートに電圧VDDの信号S4が印加されたため、オフ状態となる。トランジスタTR15は、トランジスタTR13及びTR14がオフ状態のため、オフ状態となる。この結果、オン状態となったトランジスタTR16によって、ノードN3の電圧は電圧VSS1に定められる。
このようにプリドライバ71が動作した結果、第1の状態において、メインドライバ80のトランジスタTR7及びTR8のそれぞれはオフ状態となり、出力回路32の出力ノードはハイインピーダンス状態となる。このとき、トランジスタTR8のゲートには電圧VSS1が印加されている。
続いて、第2実施形態に係るプリドライバ71の、第2の状態における動作について、出力回路32が“L”レベルを出力している場合と、出力回路32が“H”レベルを出力している場合とについて、順に説明する。
第2の状態では、出力回路32はアクティブ状態であり、ノードN2の論理レベルは信号SPの論理レベルと等しく、ノードN4の論理レベルは信号SNの論理レベルと等しい。まず、ノードN2の論理レベルが“L”レベル、且つノードN4の論理レベルが“L”レベルの場合について説明する。
トランジスタTR11は、ゲートに“L”レベルが印加されたため、オン状態となる。トランジスタTR12は、ゲートに“L”レベルが印加されたため、オフ状態となる。この結果、オン状態となったTR11によって、ノードN1の電圧が電圧VCCQに定められる。
トランジスタTR16は、ゲートに電圧VSS1の信号S3が印加されたため、オフ状態となる。トランジスタTR13は、ゲートに“L”レベルが印加されたため、オン状態となる。トランジスタTR15は、ゲートに“L”レベルが印加されたため、オフ状態となる。トランジスタTR14は、ゲートに、電圧VSSよりもトランジスタTR14の閾値電圧以上低い電圧である電圧VSS2の信号S4が印加されている。しかし、トランジスタTR15がオフ状態のため、トランジスタTR14はノードN3に電圧を印加しない。この結果、オン状態となったトランジスタTR13によって、ノードN3の電圧が電圧VCCQに定められる。
このようにプリドライバ71が動作した結果、第2の状態において、メインドライバ80のトランジスタTR7はオフ状態となり、メインドライバ80のトランジスタTR8はオン状態となり、出力回路32は電圧VSSの“L”レベルを出力することが出来る。
続いて、第2の状態において、ノードN2の論理レベルが“H”レベル、且つノードN4の論理レベルが“H”レベルの場合について説明する。
トランジスタTR11は、ゲートに“H”レベルが印加されたため、オフ状態となる。トランジスタTR12は、ゲートに“H”レベルが印加されたため、オン状態となる。この結果、オン状態となったトランジスタTR12によって、ノードN1の電圧が電圧VSSに定められる。
トランジスタTR16は、ゲートに電圧VSS1の信号S3が印加されたため、オフ状態となる。トランジスタTR13は、ゲートに“H”レベルの信号が印加されたため、オフ状態となる。トランジスタTR14は、ゲートに電圧VSSよりもトランジスタTR14の閾値電圧以上低い電圧である電圧VSS2の信号S4が印加されている。トランジスタTR15は、ゲートに“H”レベルが印加されている。このため、トランジスタTR14及びTR15はオン状態となる。この結果、オン状態となったトランジスタTR14及びTR15によって、ノードN3の電圧は電圧VSSに定められる。
このようにプリドライバ71が動作した結果、第2の状態において、メインドライバ80のトランジスタTR7はオン状態となり、メインドライバ80のトランジスタTR8はオフ状態となり、出力回路32は電圧VCCQの“H”レベルを出力することが出来る。
上記説明したように、第2実施形態に係る半導体記憶装置1における出力回路32は、アクティブ状態において、ノードN3の電圧を電圧VSS又は電圧VCCQに制御し、出力ノードに“L”レベル又は“H”レベルを出力することが出来る。
[2−3]第2実施形態の効果
以上のように、第2実施形態に係る半導体記憶装置1は、スタンバイ状態において、ノードN3に負の電圧である電圧VSS1を印加している。これにより、第2実施形態に係る半導体記憶装置1では、スタンバイ状態におけるトランジスタTR8が逆バイアス状態になり、トランジスタTR8のリーク電流を抑制することが出来る。その結果、第2実施形態に係る半導体記憶装置1は、第1実施形態と同様に、スタンバイ状態における半導体記憶装置1の消費電力を抑制することが出来る。
なお、第2実施形態に係る半導体記憶装置1において、電圧VSS1及びVSS2の高低は、トランジスタの特性に応じて適宜変更され得る。また、各種電圧の高低関係に応じて、信号を兼用させても良い。例えば、トランジスタTR8が弱い順バイアスとなるように、電圧VSS1を電圧VSSよりも高く、トランジスタTR8の閾値電圧よりも低い電圧に設定しても良い。この場合、ネガティブチャージポンプ23の代わりにレギュレータを用いて電圧VSS1を生成しても良い。また、この場合、信号S3の代わりに信号STBY又は信号S4を用いても良い。
[3]第3実施形態
第3実施形態に係る半導体記憶装置1は、第1実施形態に係る半導体記憶装置1に対して、プリドライバ72及び入出力制御回路40の構成が異なる。以下に、第3実施形態に係る半導体記憶装置1について、第1実施形態と異なる点を説明する。
[3−1]構成
図18は、第3実施形態に係る出力回路32の構成例を示している、図18に示すように、第3実施形態に係る出力回路32においてプリドライバ72は、第1実施形態に係るプリドライバ70におけるトランジスタTR4が、電流源CS1、抵抗R1、及びトランジスタTR9に置き換えられた構成を有している。
電流源CS1には電圧VDD1が印加され、信号STBYに基づいて、ノードN1に電流を供給する。抵抗R1の一端は、ノードN1に接続される。トランジスタTR9のドレインは、抵抗R1の他端に接続される。トランジスタTR9のソースとバックゲートとのそれぞれは、接地される。トランジスタTR9のゲートには、信号S5が印加される。信号S5は、入出力制御回路40によって出力される信号である。
図19は、第3実施形態に係る入出力制御回路40の構成例を示している。図19に示すように、第3実施形態に係る入出力制御回路40は、第1実施形態に係る入出力制御回路40に、インバータ46が追加された構成を有している。インバータ46は、信号S1を論理反転させた信号S5を出力する。第3実施形態に係る半導体記憶装置1のその他の構成は、第1実施形態と同様である。
[3−2]出力回路32の動作
次に、第3実施形態に係る半導体記憶装置1における出力回路32の動作について説明する。なお、第3実施形態では、第1実施形態で説明した時と同様、電圧VCCが電圧VDD、VDD1、及びVDD2よりも大きく、電圧VDD1が電圧VDDよりも大きく、電圧VDD2が電圧VDD及びVDD1よりも大きく、電圧VDD2が電圧VCCQとトランジスタTR2の閾値電圧との合計以上であるものと仮定する。
図20は、第3実施形態に係る半導体記憶装置1における各種信号の論理レベルと電圧との関係を示している。信号S5の“H”レベルは、電圧VDD1に対応する。信号S5の“L”レベルは、電圧VSSに対応する。
また、電流源CS1は、信号STBYが“H”レベルの場合、ノードN1に電流を供給する。電流源CS1は、信号STBYが“L”レベルの場合、ノードN1に電流を供給せず、ノードN1と電気的に非接続の状態になる。
第3実施形態に係るプリドライバ72の、第1の状態における動作について説明する。第1の状態では、出力回路32はスタンバイ状態であり、トランジスタTR1、TR2、TR3、及びTR5はオフ状態であり、トランジスタTR6はオン状態である。
電流源CS1は、信号STBYが“H”レベルであるため、電圧VDD1からノードN1へ電流を供給する。トランジスタTR9は、ゲートに電圧VDD1の信号S5が印加されたため、オン状態となる。この結果、電流源CS1によって電圧VDD1から供給された電流は、抵抗R1とトランジスタTR9とを介して、電圧VSSへと流れる。抵抗R1に電流が流れることにより、抵抗R1の両端に電圧差が生じる。抵抗R1の両端に生じた電圧差によって、ノードN1の電圧が、例えば電圧VCCQよりも大きく、電圧VDD1以下の電圧である電圧VDD3となる。また、オン状態となったトランジスタTR6によって、ノードN3の電圧は電圧VSSに定められる。
このようにプリドライバ72が動作した結果、第1の状態において、メインドライバ80のトランジスタTR7及びTR8のそれぞれはオフ状態となり、出力回路32の出力ノードはハイインピーダンス状態となる。このとき、トランジスタTR7のゲートには電圧VDD3が印加されている。
続いて、第3実施形態に係るプリドライバ72の、第2の状態における動作について説明する。第2の状態では、出力回路32はアクティブ状態である。
電流源CS1は、信号STBYが“L”レベルであるため、ノードN1に電流を供給せず、ノードN1と電気的に非接続の状態となる。トランジスタTR9は、ゲートに電圧VSSの信号S5が印加されたため、オフ状態となる。この結果、ノードN1の電圧は、トランジスタTR1、TR2、及びTR3によって定められ、ノードN3の電圧は、トランジスタTR5及びTR6によって定められる。すなわち、第2の状態において第3実施形態に係るプリドライバ72は、第2の状態における第1実施形態に係るプリドライバ70と同様に動作する。
例えば、第2の状態において、ノードN2の論理レベルが“L”レベル、ノードN4の論理レベルが“L”レベルの場合、トランジスタTR1、TR2、及びTR5がオン状態となり、トランジスタTR3及びTR6がオフ状態となる。この結果、ノードN1の電圧は電圧VCCQとなり、ノードN3の電圧は電圧VCCQとなる。また、例えば第2の状態において、ノードN2の論理レベルが“H”レベル、ノードN4の論理レベルが“H”レベルの場合、トランジスタTR1、TR2、及びTR5がオフ状態となり、トランジスタTR3及びTR6がオン状態となる。この結果、ノードN1の電圧は電圧VSSとなり、ノードN3の電圧は電圧VSSとなる。
このように、第3実施形態に係る半導体記憶装置1における出力回路32は、アクティブ状態において、ノードN1の電圧を電圧VCCQ又は電圧VSSに制御し、出力ノードに“L”レベル又は“H”レベルを出力することが出来る。
[3−3]第3実施形態の効果
以上のように、第3実施形態に係る半導体記憶装置1は、スタンバイ状態において、ノードN1に電圧VCCQ以上の電圧VDD3を印加している。第3実施形態に係る半導体記憶装置1では、スタンバイ状態におけるトランジスタTR7が逆バイアス状態になり、トランジスタTR7のリーク電流を抑制することが出来る。その結果、第3実施形態に係る半導体記憶装置1は、第1実施形態と同様に、スタンバイ状態における半導体記憶装置1の消費電力を抑制することが出来る。
なお、第3実施形態に係る半導体記憶装置1において、電圧VDD1、VDD2、及びVDD3の高低は、トランジスタの特性に応じて適宜変更され得る。また、電流源CS1が供給する電流の量及び抵抗R1の抵抗値も、トランジスタの特性に応じて適宜変更され得る。また、各種電圧の高低関係に応じて、信号を兼用させても良い。
例えば、トランジスタTR7が弱い順バイアスとなるように、電圧VDD3を電圧VCCQよりも低い電圧に設定しても良い。この場合、電圧VDD3を設定するために、例えば電流源CS1が供給する電流量を変更しても良いし、抵抗R1の抵抗値を変更しても良いし、電流源CS1の電流量及び抵抗R1の抵抗値とあわせて電圧VDD1の大きさを変更しても良い。
[4]第4実施形態
第4実施形態に係る半導体記憶装置1は、第2実施形態に係る半導体記憶装置1に対して、プリドライバ73及び入出力制御回路40の構成が異なる。以下に、第3実施形態に係る半導体記憶装置1について、第2実施形態と異なる点を説明する。
[4−1]構成
図21は、第4実施形態に係る出力回路32の構成例を示している、図21に示すように、第4実施形態に係る出力回路32においてプリドライバ73は、第2実施形態に係るプリドライバ71におけるトランジスタTR16が、電流源CS2、抵抗R2、及びトランジスタTR17に置き換えられた構成を有している。
電流源CS2には電圧VSS1が印加され、信号STBYに基づいて、ノードN3から電圧VSS1へ電流を供給する。抵抗R2の一端は、ノードN3に接続される。トランジスタTR17のドレインは、抵抗R2の他端に接続される。トランジスタTR17のソースとバックゲートとのそれぞれには、電圧VCCQが印加される。トランジスタTR17のゲートには、信号S6が印加される。信号S6は、入出力制御回路40によって出力される信号である。
図22は、第4実施形態に係る入出力制御回路40の構成例を示している。図22に示すように、第4実施形態に係る入出力制御回路40は、第2実施形態に係る入出力制御回路40に、インバータ47が追加された構成を有している。インバータ47は、信号S3を論理反転させた信号S6を出力する。第4実施形態に係る半導体記憶装置1のその他の構成は、第2実施形態と同様である。
[4−2]出力回路32の動作
次に、第4実施形態に係る半導体記憶装置1における出力回路32の動作について説明する。なお、第4実施形態では、第2実施形態で説明した時と同様、電圧VSS1及びVSS2が、電圧VSSよりも低い負の電圧であり、電圧VSS2の絶対値が電圧VSS1の絶対値よりも大きく、電圧VSS2の絶対値がトランジスタTR14の閾値電圧の絶対値以上であるものと仮定する。
図23は、第4実施形態に係る半導体記憶装置1における各種信号の論理レベルと電圧との関係を示している。信号S6の“L”レベルは、電圧VSS1に対応する。信号S6の“H”レベルは、電圧VDDに対応する。
また、電流源CS2は、信号STBYが“H”レベルの場合、ノードN3から電圧VSS1に電流を供給する。電流源CS2は、信号STBYが“L”レベルの場合、ノードN3から電圧VSS1に電流を供給せず、ノードN3と電気的に非接続の状態になる。
まず、第4実施形態に係るプリドライバ73の、第1の状態における動作について説明する。第1の状態では、出力回路32はスタンバイ状態であり、トランジスタTR11はオン状態であり、トランジスタTR12、TR13、TR14、及びTR15はオフ状態である。
電流源CS2は、信号STBYが“H”レベルであるため、ノードN3から電圧VSS1へ電流を供給する。トランジスタTR17は、ゲートに電圧VSS1の信号S6が印加されたため、オン状態となる。この結果、電圧VCCQからトランジスタTR17及び抵抗R2を介してノードN3へ流れた電流が、電流源CS2によってノードN3から電圧VSS1と供給される。抵抗R2に電流が流れたことにより、抵抗R2の両端に電圧差が生じる。抵抗R2の両端に生じた電圧差によって、ノードN3の電圧が、負の電圧であり、電圧VSS1よりも高い電圧VSS3となる。また、オン状態となったトランジスタTR11によって、ノードN1の電圧は電圧VCCQに定められる。
このようにプリドライバ73が動作した結果、第1の状態において、メインドライバ80のトランジスタTR7及びTR8のそれぞれはオフ状態となり、出力回路32の出力ノードはハイインピーダンス状態となる。このとき、トランジスタTR8のゲートには電圧VSS3が印加されている。
続いて、第4実施形態に係るプリドライバ73の、第2の状態における動作について説明する。第2の状態では、出力回路32はアクティブ状態である。
電流源CS2は、信号STBYが“L”レベルであるため、ノードN3から電圧VSS1へ電流を供給せず、ノードN3と電気的に非接続の状態となる。トランジスタTR17は、ゲートに電圧VDDの信号S6が印加されたため、オフ状態となる。この結果、ノードN3の電圧は、トランジスタTR13、TR14、及びTR15によって定められる。すなわち、第2の状態において第4実施形態に係るプリドライバ73は、第2の状態における第2実施形態に係るプリドライバ71と同様に動作する。
例えば、第2の状態において、ノードN2の論理レベルが“L”レベル、ノードN4の論理レベルが“L”レベルの場合、トランジスタTR11及びTR13がオン状態となり、トランジスタTR12、TR14、及びTR15がオフ状態となる。この結果、ノードN1の電圧は電圧VCCQとなり、ノードN3の電圧は電圧VCCQとなる。また、例えば第2の状態において、ノードN2の論理レベルが“H”レベル、ノードN4の論理レベルが“H”レベルの場合、トランジスタTR11及びTR13がオフ状態となり、トランジスタTR12、TR14、及びTR15がオン状態となる。この結果、ノードN1の電圧は電圧VSSとなり、ノードN3の電圧は電圧VSSとなる。
このように、第4実施形態に係る半導体記憶装置1における出力回路32は、アクティブ状態において、ノードN3の電圧を電圧VCCQ又は電圧VSSに制御し、出力ノードに“L”レベル又は“H”レベルを出力することが出来る。
[4−3]第4実施形態の効果
以上のように、第4実施形態に係る半導体記憶装置1は、スタンバイ状態において、ノードN3に負の電圧である電圧VDD3を印加している。第4実施形態に係る半導体記憶装置1では、スタンバイ状態におけるトランジスタTR8が逆バイアス状態になり、トランジスタTR8のリーク電流を抑制することが出来る。その結果、第4実施形態に係る半導体記憶装置1は、第2実施形態と同様に、スタンバイ状態における半導体記憶装置1の消費電力を抑制することが出来る。
なお、第4実施形態に係る半導体記憶装置1において、電圧VSS1、VSS2、及びVSS3の高低は、トランジスタの特性に応じて適宜変更され得る。また、電流源CS2が供給する電流の量及び抵抗R2の抵抗値も、トランジスタの特性に応じて適宜変更され得る。また、各種電圧の高低関係に応じて、信号を兼用させても良い。
例えば、トランジスタTR8が弱い順バイアスとなるように、電圧VSS3を電圧VSSよりも高い電圧に設定しても良い。この場合、電圧VSS3を設定するために、例えば電流源CS2が供給する電流量を変更しても良いし、抵抗R2の抵抗値を変更しても良いし、電流源CS2の電流量及び抵抗R2の抵抗値とあわせて電圧VSS1の大きさを変更しても良い。
[5]第5実施形態
第5実施形態に係る半導体記憶装置1は、第1実施形態に係る半導体記憶装置1に対して、電源回路18、プリドライバ74、及び入出力制御回路40の構成が異なる。以下に、第5実施形態に係る半導体記憶装置1について、第1実施形態と異なる点を説明する。
[5−1]構成
第5実施形態に係る半導体記憶装置1が備える電源回路18は、第1実施形態に係る半導体記憶装置1が備える電源回路18に対して、レギュレータ22が省略された構成を有する。
図24は、第5実施形態に係る出力回路32の構成例を示している。図24に示すように、第5実施形態に係る出力回路32において、プリドライバ74は、トランジスタTR21乃至TR24並びにレベルシフタ91を含む。トランジスタTR21及びTR23は、例えばP型のMOSFETである。トランジスタTR22及びTR24は、例えばN型のMOSFETである。
トランジスタTR21のソースとバックゲートとのそれぞれには、電圧VDD1が印加される。トランジスタTR21のドレインは、ノードN1に接続される。トランジスタTR22のソースとバックゲートとのそれぞれは、接地される。トランジスタTR22のドレインは、ノードN1に接続される。レベルシフタ91は、ノードN2の論理レベルに基づいた信号を、トランジスタTR21のゲート及びトランジスタTR22のゲートに印加する。トランジスタTR23のソースとバックゲートとのそれぞれには、電圧VCCQが印加される。トランジスタTR23のゲートは、ノードN4に接続される。トランジスタTR23のドレインは、ノードN3に接続される。トランジスタTR24のソースとバックゲートとのそれぞれは、接地される。トランジスタTR24のゲートは、ノードN4に接続される。トランジスタTR24のドレインは、ノードN3に接続される。
第5実施形態に係る半導体記憶装置1に含まれる入出力制御回路40は、第1実施形態に係る半導体記憶装置1に含まれる入出力制御回路40に対して、レベルシフタ42及び43が省略された構成を有する。第5実施形態に係る半導体記憶装置1のその他の構成は、第1実施形態と同様である。
[5−2]出力回路32の動作
次に、第5実施形態に係る半導体記憶装置1における出力回路32の動作について説明する。なお、第5実施形態では、電圧VDD1が、電圧VCCQよりも高い電圧であるものと仮定する。
まず、第5実施形態に係るプリドライバ74の、第1の状態における動作について説明する。第1の状態では、出力回路32はスタンバイ状態であり、ノードN2の論理レベルは“L”レベル、ノードN4の論理レベルは“H”レベルとなっている。
レベルシフタ91は、ノードN2の“L”レベルに基づいて、トランジスタTR21のゲート及びトランジスタTR22のゲートに、電圧VSSの“L”レベルを出力する。トランジスタTR21は、ゲートに“L”レベルが印加されたため、オン状態となる。トランジスタTR22は、ゲートに“L”レベルが印加されたため、オフ状態となる。この結果、オン状態となったトランジスタTR21によって、ノードN1の電圧は電圧VDD1に定められる。
トランジスタTR23は、ゲートに“H”レベルが印加されたため、オフ状態となる。トランジスタTR24は、ゲートに“H”レベルが印加されたため、オン状態となる。この結果、オン状態となったトランジスタTR24によって、ノードN3の電圧は電圧VSSに定められる。
このようにプリドライバ74が動作した結果、第1の状態において、メインドライバ80のトランジスタTR7及びTR8のそれぞれはオフ状態となり、出力回路32の出力ノードはハイインピーダンス状態となる。このとき、トランジスタTR7のゲートには、電圧VDD1が印加されている。
続いて、第5実施形態に係るプリドライバ74の、第2の状態における動作について、出力回路32が“L”レベルを出力している場合と、出力回路32が“H”レベルを出力している場合とについて、順に説明する。
第2の状態では、出力回路32はアクティブ状態であり、ノードN2の論理レベルは信号SPの論理レベルと等しく、ノードN4の論理レベルは信号SNの論理レベルと等しい。まず、ノードN2の論理レベルが“L”レベル、且つノードN4の論理レベルが“L”レベルの場合について説明する。
レベルシフタ91は、ノードN2の“L”レベルに基づいて、トランジスタTR21のゲート及びトランジスタTR22のゲートに、電圧VSSの“L”レベルを出力する。トランジスタTR21は、ゲートに“L”レベルが印加されたため、オン状態となる。トランジスタTR22は、ゲートに“L”レベルが印加されたため、オフ状態となる。この結果、オン状態となったトランジスタTR21によって、ノードN1の電圧は電圧VDD1に定められる。
トランジスタTR23は、ゲートに“L”レベルが印加されたため、オン状態となる。トランジスタTR24は、ゲートに“L”レベルが印加されたため、オフ状態となる。この結果、オン状態となったトランジスタTR23によって、ノードN3の電圧は電圧VCCQに定められる。
このようにプリドライバ74が動作した結果、第2の状態において、メインドライバ80のトランジスタTR7はオフ状態となり、メインドライバ80のトランジスタTR8はオン状態となり、出力回路32は電圧VSSの“L”レベルを出力することが出来る。
続いて、ノードN2の論理レベルが“H”レベル、且つノードN4の論理レベルが“H”レベルの場合について説明する。
レベルシフタ91は、ノードN2の“H”レベルに基づいて、トランジスタTR21のゲート及びトランジスタTR22のゲートに、電圧VDD1の“H”レベルを出力する。トランジスタTR21は、ゲートに“H”レベルが印加されたため、オフ状態となる。トランジスタTR22は、ゲートに“H”レベルが印加されたため、オン状態となる。この結果、オン状態となったトランジスタTR22によって、ノードN1の電圧は電圧VSSに定められる。
トランジスタTR23は、ゲートに“H”レベルが印加されたため、オフ状態となる。トランジスタTR24は、ゲートに“H”レベルが印加されたため、オン状態となる。この結果、オン状態となったトランジスタTR24によって、ノードN3の電圧は電圧VSSに定められる。
このようにプリドライバ74が動作した結果、第2の状態において、メインドライバ80のトランジスタTR7はオン状態となり、メインドライバ80のトランジスタTR8はオフ状態となり、出力回路32は電圧VCCQの“H”レベルを出力することが出来る。
上記説明したように、第5実施形態に係る半導体記憶装置1における出力回路32は、アクティブ状態において、ノードN1の電圧を電圧VSS又は電圧VDD1に制御し、出力ノードに“L”レベル又は“H”レベルを出力することが出来る。
[5−3]第5実施形態の効果
以上のように、第5実施形態に係る半導体記憶装置1は、スタンバイ状態において、ノードN1に電圧VCCQ以上の電圧VDD1を印加している。第5実施形態に係る半導体記憶装置1では、スタンバイ状態におけるトランジスタTR7が逆バイアス状態になり、トランジスタTR7のリーク電流を抑制することが出来る。その結果、第5実施形態に係る半導体記憶装置1は、第1実施形態と同様に、スタンバイ状態における半導体記憶装置1の消費電力を抑制することが出来る。
なお、電圧VDD1の高低は、トランジスタの特性に応じて適宜変更されうる。例えば、トランジスタTR7が弱い順バイアスとなるように、電圧VDD1を電圧VCCQよりも低い電圧に設定しても良い。
[6]第6実施形態
第6実施形態に係る半導体記憶装置1は、第2実施形態に係る半導体記憶装置1に対して、電源回路18、プリドライバ75、及び入出力制御回路40の構成が異なる。以下に、第6実施形態に係る半導体記憶装置1について、第2実施形態と異なる点を説明する。
[6−1]構成
第6実施形態に係る半導体記憶装置1が備える電源回路18は、第2実施形態に係る半導体記憶装置1が備える電源回路18に対して、ネガティブチャージポンプ24が省略された構成を有する。
図25は、第6実施形態に係る出力回路32の構成例を示している。図25に示すように、第6実施形態に係る出力回路32において、プリドライバ75は、トランジスタTR25乃至TR28並びにレベルシフタ92を含む。トランジスタTR25及びTR27は、例えばP型のMOSFETである。トランジスタTR26及びTR28は、例えばN型のMOSFETである。
トランジスタTR25のソースとバックゲートとのそれぞれには、電圧VCCQが印加される。トランジスタTR25のゲートは、ノードN2に接続される。トランジスタTR25のドレインは、ノードN1に接続される。トランジスタTR26のソースとバックゲートとのそれぞれは、接地される。トランジスタTR26のゲートは、ノードN2に接続される。トランジスタTR24のドレインは、ノードN1に接続される。トランジスタTR27のソースとバックゲートとのそれぞれには、電圧VCCQが印加される。トランジスタTR27のドレインは、ノードN3に接続される。トランジスタTR28のソースとバックゲートとのそれぞれには、電圧VSS1が印加される。トランジスタTR28のドレインは、ノードN3に接続される。レベルシフタ92は、ノードN4の論理レベルに基づいた信号を、トランジスタTR27のゲート及びトランジスタTR28のゲートに印加する。
第6実施形態に係る半導体記憶装置1に含まれる入出力制御回路40は、第2実施形態に係る半導体記憶装置1に含まれる入出力制御回路40に対して、レベルシフタ44及び45が省略された構成を有する。第6実施形態に係る半導体記憶装置1のその他の構成は、第2実施形態と同様である。
[6−2]出力回路32の動作
次に、第6実施形態に係る半導体記憶装置1における出力回路32の動作について説明する。なお、第6実施形態では、電圧VSS1が負の電圧であるものと仮定する。
まず、第6実施形態に係るプリドライバ75の、第1の状態における動作について説明する。第1の状態では、出力回路32はスタンバイ状態であり、ノードN2の論理レベルは“L”レベル、ノードN4の論理レベルは“H”レベルとなっている。
トランジスタTR25は、ゲートに“L”レベルが印加されたため、オン状態となる。トランジスタTR26は、ゲートに“L”レベルが印加されたため、オフ状態となる。この結果、オン状態となったトランジスタTR25によって、ノードN1の電圧は電圧VCCQに定められる。
レベルシフタ92は、ノードN4の“H”レベルに基づいて、トランジスタTR27のゲート及びトランジスタTR28のゲートに、電圧VCCQの“H”レベルを出力する。トランジスタTR27は、ゲートに“H”レベルが印加されたため、オフ状態となる。トランジスタTR28は、ゲートに“H”レベルが印加されたため、オン状態となる。この結果、オン状態となったトランジスタTR28によって、ノードN3の電圧は電圧VSS1に定められる。
このようにプリドライバ75が動作した結果、第1の状態において、メインドライバ80のトランジスタTR7及びTR8のそれぞれはオフ状態となり、出力回路32の出力ノードはハイインピーダンス状態となる。このとき、トランジスタTR8のゲートには、電圧VSS1が印加されている。
続いて、第6実施形態に係るプリドライバ75の、第2の状態における動作について、出力回路32が“L”レベルを出力している場合と、出力回路32が“H”レベルを出力している場合とについて、順に説明する。
第2の状態では、出力回路32はアクティブ状態であり、ノードN2の論理レベルは信号SPの論理レベルと等しく、ノードN4の論理レベルは信号SNの論理レベルと等しい。まず、ノードN2の論理レベルが“L”レベル、且つノードN4の論理レベルが“L”レベルの場合について説明する。
トランジスタTR25は、ゲートに“L”レベルが印加されたため、オン状態となる。トランジスタTR26は、ゲートに“L”レベルが印加されたため、オフ状態となる。この結果、オン状態となったトランジスタTR25によって、ノードN1の電圧は電圧VCCQに定められる。
レベルシフタ92は、ノードN4の“L”レベルに基づいて、トランジスタTR27のゲート及びトランジスタTR28のゲートに、電圧VSS1の“L”レベルを出力する。トランジスタTR27は、ゲートに“L”レベルが印加されたため、オン状態となる。トランジスタTR28は、ゲートに“L”レベルが印加されたため、オフ状態となる。この結果、オン状態となったトランジスタTR27によって、ノードN1の電圧は電圧VCCQに定められる。
このようにプリドライバ75が動作した結果、第2の状態において、メインドライバ80のトランジスタTR7はオフ状態となり、メインドライバ80のトランジスタTR8はオン状態となり、出力回路32は電圧VSSの“L”レベルを出力することが出来る。
続いて、ノードN2の論理レベルが“H”レベル、且つノードN4の論理レベルが“H”レベルの場合について説明する。
トランジスタTR25は、ゲートに“H”レベルが印加されたため、オフ状態となる。トランジスタTR26は、ゲートに“H”レベルが印加されたため、オン状態となる。この結果、オン状態となったトランジスタTR26によって、ノードN1の電圧は電圧VSSに定められる。
レベルシフタ92は、ノードN4の“H”レベルに基づいて、トランジスタTR27のゲート及びトランジスタTR28のゲートに、電圧VCCQの“H”レベルを出力する。トランジスタTR27は、ゲートに“H”レベルが印加されたため、オフ状態となる。トランジスタTR28は、ゲートに“H”レベルが印加されたため、オン状態となる。この結果、オン状態となったトランジスタTR28によって、ノードN1の電圧は電圧VSS1に定められる。
このようにプリドライバ75が動作した結果、第2の状態において、メインドライバ80のトランジスタTR7はオン状態となり、メインドライバ80のトランジスタTR8はオフ状態となり、出力回路32は電圧VCCQの“H”レベルを出力することが出来る。
上記説明したように、第6実施形態に係る半導体記憶装置1における出力回路32は、アクティブ状態において、ノードN3の電圧を電圧VSS1又は電圧VCCQに制御し、出力ノードに“L”レベル又は“H”レベルを出力することが出来る。
[6−3]第6実施形態の効果
以上のように、第6実施形態に係る半導体記憶装置1は、スタンバイ状態において、ノードN3に負の電圧である電圧VSS1を印加している。第6実施形態に係る半導体記憶装置1では、スタンバイ状態におけるトランジスタTR8が逆バイアス状態になり、トランジスタTR8のリーク電流を抑制することが出来る。その結果、第6実施形態に係る半導体記憶装置1は、第2実施形態と同様に、スタンバイ状態における半導体記憶装置1の消費電力を抑制することが出来る。
なお、電圧VSS1の高低は、トランジスタの特性に応じて適宜変更されうる。例えば、トランジスタTR8が弱い順バイアスとなるように、電圧VSS1を正の電圧に設定しても良い。
[7]その他の変形例等
上記実施形態では、出力回路32がスタンバイ状態とアクティブ状態との2つの状態を取り得る場合を例示したが、出力回路32の動作する状態はこれらに限定されない。出力回路32は、スタンバイ状態及びアクティブ状態とは異なる状態となっても良い。また、上記実施形態では、出力回路32が信号/CEに基づく信号STBYによって制御される場合を例示したが、出力回路32を制御する信号は信号STBYに限定されない。出力回路32は、例えば信号STBY以外の信号に基づいて動作しても良い。
上記実施形態では、半導体記憶装置1は外部から供給された電圧を用いて動作し、入出力モジュール10は電源回路18で生成された電圧を用いて動作する場合を例示した。これらの電圧は、例えば電源線と呼ばれる配線によって各回路ブロックへ供給されても良い。例えば、半導体記憶装置1は、電圧VCCQの電源線、電圧VSSの電源線、電圧VDDの電源線、電圧VDD1の電源線、及び電圧VDD2の電源線等を含んでも良い。また、例えば、電圧VCCQを供給する電源線には、電圧VCCQを用いて動作する回路が複数接続されても良い。
上記実施形態では、プリドライバ70が、PN接合がオン状態となることを抑制するトランジスタを含む場合について例示した。第1実施形態に係る半導体記憶装置1に含まれるトランジスタTR2及び第2実施形態に係る半導体記憶装置1に含まれるトランジスタTR14のそれぞれは、PN接合がオン状態となることを抑制するトランジスタの一例である。プリドライバ70の構成は、PN接合がオン状態となることを抑制するトランジスタを含む構成に限定されない。例えば、スタンバイ状態においてメインドライバ80に含まれるトランジスタを順バイアス状態とする場合は、PN接合がオン状態となることを抑制するトランジスタを省略してプリドライバ70を構成しても良い。
上記実施形態では、メインドライバ80が、トランジスタTR7及びTR8を含む場合について例示したが、メインドライバ80の構成はこれに限定されない。図26は、第1実施形態の変形例に係る半導体記憶装置1に含まれるメインドライバ80の構成例を示している。図26に示すように、第1実施形態の変形例に係る半導体記憶装置1に含まれるメインドライバ80は、第1実施形態に係る半導体記憶装置1に含まれるメインドライバ80に対して、抵抗R3及びR4をさらに含んでいる。抵抗R3は、トランジスタTR7のドレインと、メインドライバ80の出力ノードとの間に設けられる。抵抗R4は、トランジスタTR8のドレインと、メインドライバ80の出力ノードとの間に設けられる。このように構成することで、第1実施形態の変形例に係る半導体記憶装置1に含まれるメインドライバ80の出力インピーダンスは、トランジスタTR7のオン抵抗及び抵抗R3の抵抗値又はトランジスタTR8のオン抵抗及び抵抗R4の抵抗値に基づく。
トランジスタのオン抵抗は、トランジスタの動作している状態、例えばドレイン−ソース間電圧やゲート−ソース間電圧によって変化し得る。抵抗の抵抗値は、トランジスタのオン抵抗と比べて、抵抗両端に印加された電圧差の大小による影響を受けにくい。よって、トランジスタと抵抗とで出力インピーダンスを定めることで、トランジスタの動作状態の変化に伴う出力インピーダンスの変動を抑制することが出来る。第1実施形態に含まれるメインドライバ80は、このように変更することが可能である。また、その他の実施形態に含まれるメインドライバ80についても、同様に変更することが可能である。
上記実施形態で例示したプリドライバ70は、例えば複数のインバータをさらに含んでも良い。図27は、第1実施形態の変形例に係る半導体記憶装置1に含まれるプリドライバ76の構成例を示している。図27に示すように、第1実施形態の変形例に係る半導体記憶装置1に含まれるプリドライバ76は、第1実施形態に含まれるプリドライバ70に対して、トランジスタTR31乃至TR38をさらに含む。トランジスタTR31、TR33、TR35、及びTR37のそれぞれは、例えばP型のMOSFETである。トランジスタTR32、TR34、TR36、及びTR38のそれぞれは、例えばN型のMOSFETである。
トランジスタTR31のソースとバックゲートとには、電圧VCCQが印加される。トランジスタTR32のソースとバックゲートとは、接地される。トランジスタTR31のゲート及びトランジスタTR32のゲートのそれぞれは、ノードN2と接続される。トランジスタTR33のソースとバックゲートとには、電圧VCCQが印加される。トランジスタTR34のソースとバックゲートとは、接地される。トランジスタTR33のゲート及びトランジスタTR34のゲートのそれぞれは、トランジスタTR31のドレイン及びトランジスタTR32のドレインのそれぞれと接続される。トランジスタTR33のドレイン及びトランジスタTR34のドレインのそれぞれは、トランジスタTR1のゲート及びトランジスタTR3のゲートと接続される。
トランジスタTR35のソースとバックゲートとには、電圧VCCQが印加される。トランジスタTR36のソースとバックゲートとは、接地される。トランジスタTR35のゲート及びトランジスタTR36のゲートのそれぞれは、ノードN4と接続される。トランジスタTR37のソースとバックゲートとには、電圧VCCQが印加される。トランジスタTR38のソースとバックゲートとは、接地される。トランジスタTR37のゲート及びトランジスタTR38のゲートのそれぞれは、トランジスタTR35のドレイン及びトランジスタTR36のドレインのそれぞれと接続される。トランジスタTR37のドレイン及びトランジスタTR38のドレインのそれぞれは、トランジスタTR5のゲート及びトランジスタTR6のゲートと接続される。
プリドライバ76の構成は、第1実施形態に含まれるプリドライバ70にインバータを追加した構成と言い換えることも出来る。具体的には、トランジスタTR31及びTR32は、インバータを構成している。トランジスタTR33及びTR34は、インバータを構成している。トランジスタTR35及びTR36は、インバータを構成している。トランジスタTR37及びTR38は、インバータを構成している。ANDゲート61の出力と、トランジスタTR1のゲート及びトランジスタTR3のゲートとの間に、2つのインバータが直列に設けられている。ORゲート62の出力と、トランジスタTR5のゲート及びトランジスタTR6のゲートとの間に、2つのインバータが直列に設けられている。
このようにプリドライバ76を構成することで、アクティブ状態において、ノードN1の電圧及びノードN3の電圧を制御する能力を高めることが出来る。例えば、信号が直列接続された複数のインバータを通過することで、信号の立ち上がりと立ち下がりとを整えることが出来る。また、例えばインバータを構成するトランジスタのサイズが、ロジック部60側からメインドライバ80側へ転送するにつれて大きくなるように、複数のインバータを設けることで、段階的にインバータの駆動力を増すことが出来る。段階的にインバータの駆動力を増すことで、例えばメインドライバ80のトランジスタTR7及びTR8のサイズが大きく寄生容量が大きい場合であっても、ノードN1の電圧及びノードN3の電圧を制御することが出来る。
上記実施形態で示した出力回路32は、ロジック部とプリドライバとメインドライバとの組を、複数含んでも良い。図28は、第1実施形態の変形例に係る半導体記憶装置1に含まれる出力回路32の構成例を示している。第1実施形態の変形例に含まれる出力回路32は、ロジック部60−0とプリドライバ70−0とメインドライバ80−0との組と、ロジック部60−1とプリドライバ70−1とメインドライバ80−1との組と、ロジック部60−2とプリドライバ70−2とメインドライバ80−2との組と、ロジック部60−3とプリドライバ70−3とメインドライバ80−3との組とを含む。メインドライバ80−0の出力ノードと、メインドライバ80−1の出力ノードと、メインドライバ80−2の出力ノードと、メインドライバ80−3の出力ノードとのそれぞれは、パッド50に共通接続される。出力回路32の出力インピーダンスは、例えば、ロジック部とプリドライバとメインドライバとの組をアクティブにする個数が変更されることによって、制御されても良い。
上記実施形態では、半導体記憶装置1がNANDフラッシュメモリの場合を例に説明したが、これに限定されない。上記実施形態で説明された出力回路32は、信号を出力する構成を有する装置の全般に適用され得る。
上記実施形態では、スタンバイ状態において消費電力を抑制出来ることを説明した。消費電力の抑制は、例えばプリドライバでも実現し得る。例えば、メインドライバ80のトランジスタTR7及びTR8に、閾値電圧の低いトランジスタを用いた場合、閾値電圧の高いトランジスタと比べて、トランジスタのサイズを小さくすることが出来、トランジスタのゲートにおける寄生容量を小さくすることが出来る。プリドライバを構成するトランジスタは、メインドライバ80のトランジスタTR7及びTR8それぞれのゲートの電圧を制御可能なサイズで設けられる。トランジスタTR7及びTR8のサイズが小さい場合、プリドライバを構成するトランジスタのサイズも小さくすることが出来る。プリドライバを構成するトランジスタのサイズが小さくなると、大きいサイズのトランジスタで構成した場合と比べて、信号を転送する際に消費する消費電力を抑制することが出来る。
上記実施形態では、GIDLによってリーク電流が増加する場合を例示した。GIDLは、トランジスタのゲート電極とドレイン電極とが重なって設けられた領域で、バンド間トンネリングによって生じる電流である。GIDLは、例えばゲートとドレインとの間に逆バイアスが印加された場合に顕著となる場合がある。トランジスタのリーク電流に関わる現象は、GIDLに限定されない。
本明細書において、トランジスタのゲート−ソース間電圧が閾値電圧を超えた状態を、トランジスタが“オン状態”にあると表現する。また、オン状態は“強い順バイアス状態”と言い換えることも出来る。トランジスタのゲート−ソース間電圧が、閾値電圧よりも小さい状態を、トランジスタが“弱い順バイアス状態”にあると表現する。トランジスタのゲート−ソース間電圧が、略0Vである状態を、トランジスタが“ゼロバイアス状態”にあると表現する。トランジスタのゲート−ソース間電圧が、閾値電圧とは逆の極性で印加されているとき、トランジスタが“逆バイアス状態”にあると表現する。逆バイアスの大きさによって、“強い逆バイアス状態”と“弱い逆バイアス状態”とを、相対的に表現することも出来る。弱い順バイアス状態、ゼロバイアス状態、及び逆バイアス状態のそれぞれにおいて、トランジスタはオフ状態である。
ここで、閾値電圧が−0.6VのP型のMOSFETについて、ソースに1.8Vが印加されている場合を例に説明する。ゲートの電圧が0Vの場合、ゲート−ソース間電圧は−1.8Vであり、オン状態であり、強い順バイアス状態である。ゲートの電圧が1.5Vの場合、ゲート−ソース間電圧は−0.3Vであり、弱い順バイアス状態である。ゲートの電圧が1.8Vの場合、ゲート−ソース間電圧は0Vであり、ゼロバイアス状態である。ゲートの電圧が2.1Vの場合、ゲート−ソース間電圧は0.3Vであり、逆バイアス状態である。ゲートの電圧が3.6Vの場合、ゲート−ソース間電圧は1.8Vであり、逆バイアス状態である。ゲートの電圧が3.6Vの場合と、ゲートの電圧が2.1Vの場合とを比較することで、ゲートの電圧が3.6Vの場合は強い逆バイアス状態、ゲートの電圧が2.1Vの場合は弱い逆バイアス状態であると表現することも出来る。
ここで、閾値電圧が0.6VのN型のMOSFETについて、ソースが接地されている場合を例に説明する。ゲートの電圧が1.8Vの場合、ゲート−ソース間電圧は1.8Vであり、オン状態であり、強い順バイアス状態である。ゲートの電圧が0.3Vの場合、ゲート−ソース間電圧は0.3Vであり、弱い順バイアス状態である。ゲートの電圧が0Vの場合、ゲート−ソース間電圧は0Vであり、ゼロバイアス状態である。ゲートの電圧が−0.3Vの場合、ゲート−ソース間電圧は−0.3Vであり、逆バイアス状態である。ゲートの電圧が−1.8Vの場合、ゲート−ソース間電圧は−1.8Vであり、逆バイアス状態である。ゲートの電圧が−0.3Vの場合と、ゲートの電圧が−1.8Vの場合とを比較することで、ゲートの電圧が−1.8Vの場合は強い逆バイアス状態、ゲートの電圧が−0.3Vの場合は弱い逆バイアス状態であると表現することも出来る。
本明細書において、トランジスタがオフ状態の場合において、トランジスタのソース−ドレイン間を流れる電流をリーク電流と称する。例えば、トランジスタが弱い順バイアス状態にある場合、トランジスタがゼロバイアス状態にある場合、トランジスタが弱い逆バイアス状態にある場合、及びトランジスタが強い逆バイアス状態にある場合のいずれにおいても、トランジスタのソース−ドレイン間を流れる電流をリーク電流と称する。
本明細書において“接続”は、電気的に接続されている事を示し、例えば間に別の素子を介することを除外しない。また、“電気的に接続される”は、電気的に接続されたものと同様に動作することが可能であれば、絶縁体を介していても良い。
本明細書において、トランジスタのソース及びドレインのそれぞれは、トランジスタの端と呼ばれても良い。例えば、トランジスタの第1端はソース又はドレインであり、トランジスタの第2端はドレイン又はソースである。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが出来る。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。