JP2021088792A - 複合革紐 - Google Patents

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【課題】 天然革紐に極めて近い外観を持ち、引張強度が大きく、保型性に優れ、柔らかく取り扱いやすい複合革紐を提供する。【解決手段】 天然繊維または化学繊維で構成された組紐であってその断面が扁平な形状である芯部A、該芯部Aを包被し天然皮革で構成された鞘部Bとからなる複合革紐であって、前記鞘部Bが前記芯部Aを包被するにおいて形成される合わせ目が長手方向に延在している複合革紐とする。【選択図】 図1

Description

本発明は、天然革紐様の外観を有する複合革紐に関する。
皮革を細条に加工して作られる革紐は、捕球具、靴紐、編織素材、組紐等様々な用途に用いられている。皮革は天然素材であるため部位による強度ばらつきも大きく、その構造は不織布に類似しているため、高分子が配向結晶化した有機繊維と比べると引張強度が小さい。また、水分や紫外線などによる劣化も懸念される。さらに、革紐用皮革には通常の皮革よりも大きな引張強度が求められるが、現在それを製造するタンナーは世界でも少なくなってきており今後の供給に不安があることから、代替素材が求められてきた。
従来から、極細繊維を不織布構造とし、ポリウレタン樹脂を含浸した素材が合成皮革として広く用いられており、細条に加工されたものが革紐の代替として用いられているが、天然皮革の外観とは言いがたく天然皮革が持つ高級感に欠けるとともに、天然皮革の構造上の類似性に起因して低強度という問題は解決されていない。
一方で、細条皮革でもって繊維を被覆した革紐が知られている。例えば、特許文献1および特許文献2に開示された発明・考案では、繊維束を芯材とし細条皮革を螺旋状に巻着したものが知られている。しかしながら、細条皮革は螺旋状に巻かれているため長手方向に応力がかかった場合には合わせ目が開いてしまう問題があり、また、その断面形状は円形となるため、皮革を細条に加工した革紐とは外観が異なっていて高級感が損なわれるとともに、緊縛に用いる用途、例えば捕球具の部材を緊縛する紐に用いる場合、使用時に滑りが発生し保型性が損なわれる。また、曲げ弾性が断面方向で一様であるために結び目の美観が悪かったり、結び目がほどけやすいことがあった。
特許文献3に開示された発明・考案には、ナイロン糸を縒りあわせて芯糸とし、細条革紐に合成樹脂糊料を塗布して前記芯糸を巻き込み、その後、圧縮成形する方法が開示されている。断面形状は円形とはならないものの、芯糸は縒りあわされた繊維であるため断面はいびつな楕円形状に近いものとなり、また、幅方向で厚みが均一となる部分がないか殆どないために曲げ応力が厚みの厚い部分に集中しやすく、繰り返し伸縮・曲げ伸ばしによって接着部の剥離を生じやすい。また芯糸がナイロン糸の撚糸であるため元々の、また安定な、断面形状は円形であるところ圧縮後の形状を保形するには合成樹脂糊料によって保形する必要があり、柔軟性に劣り、この素材で捕球具の部材を緊縛する際、穴に通す作業に不都合を生じ、また、剛性が大きいために穴と穴との間で紐が補給具の部材から乖離して盛り上がってしまい、美観に劣るものとなる。
特開昭64−45835号公報 実用新案公告昭56−55265号公報 実用新案公告昭49−37792号公報
本発明は、かかる従来の背景に鑑み、天然革紐に極めて近い外観を持ち、引張強度が大きく、保型性に優れ、柔らかく取り扱いやすい複合革紐を提供せんとするものである。
本発明は、上記目的を達成するために下記の構成を有する。
(1)天然繊維または化学繊維で構成された組紐であってその断面が扁平な形状である芯部A、該芯部Aを包被し天然皮革で構成された鞘部Bとからなる複合革紐であって、前記鞘部Bが前記芯部Aを包被するにおいて形成される合わせ目が長手方向に延在している複合革紐。
(2)前記芯部Aを構成する組紐が平打組紐または角打組紐であることを特徴とする前記(1)記載の複合革紐。
(3)前記芯部Aを構成する天然繊維または化学繊維が高強力繊維であることを特徴とする前記(1)または(2)記載の複合革紐。
(4)前記高強力繊維が高強力ナイロン繊維であることを特徴とする前記(3)記載の複合革紐。
(5)前記芯部Aを構成する組紐と前記鞘部Bを構成する天然皮革とが弾性接着剤によって固着されていることを特徴とする前記(1)〜(4)の何れかに記載の複合革紐。
(6)その断面において、短辺に対する長辺の長さの比率が1.5〜3.5であることを特徴とする前記(1)〜(5)の何れかに記載の複合革紐。
(7)その断面の形状が、角丸長方形であることを特徴とする前記(1)〜(6)の何れかに記載の複合革紐。
(8)芯部Aを構成する組紐の破断強度が鞘部Bを構成する天然皮革の破断強度よりも大きいことを特徴とする前記(1)〜(7)の何れかに記載の複合革紐。
(9)断面に外接し、面積が最小となる長方形を想定したとき、前記合わせ目が前記長方形の長辺の両端から長辺の長さの10%内側の領域に対応する部分には存在していないことを特徴とする前記(1)〜(8)の何れかに記載の複合革紐。
(10)断面に外接し、面積が最小となる長方形を想定したとき、その長辺の1つに対応する部分が起毛されていることを特徴とする前記(1)〜(9)の何れかに記載の複合革紐。
(11)捕球具の部材の連結または補給具の補強に前記(1)〜(10)の何れかに記載の複合革紐が用いられた捕球具。
(12)前記の複合革紐が通される孔の全部または一部の形状が長方形、角丸長方形または楕円形であることを特徴とする前記(11)に記載の補給具。
(13)前記(1)〜(10)の何れかに記載の複合革紐が用いられた靴紐。
(14)前記(1)〜(10)の何れかに記載の複合革紐が用いられた編みバッグ。
(15)前記(1)〜(10)の何れかに記載の複合革紐が用いられた編革紐または組紐。
本発明によれば、天然革紐に極めて近い外観を持ち、引張強度が大きく、保型性に優れ、天然皮革が剥離しにくく、柔らかく取り扱いやすい複合革紐を得ることができる。
本発明の複合革紐を製造する工程の例を説明するための図である。 本発明の複合革紐の一例の断面構造を表す模式図である。
本発明は、天然皮革が持つ課題および従来の天然革紐代替素材の欠点を解消することについて鋭意検討した結果、天然繊維または化学繊維で構成された組紐であってその断面が扁平な形状である芯部A、該芯部Aを包被し天然皮革で構成された鞘部Bとからなる複合革紐であって、前記鞘部Bが前記芯部Aを包被するにおいて形成される合わせ目が長手方向に延在している複合革紐とすることで、天然革紐に極めて近い外観を持ち、引張強度が大きく、保型性に優れ、天然皮革が剥離しにくく、柔らかく取り扱いやすくできることを見出したものである。
本発明に用いられる天然皮革としては、牛、豚、馬、羊、山羊、鹿、ダチョウ、カンガルー、トカゲ、蛇、ワニの皮革が好ましく用いられ、特に好ましくは牛革が用いられるが、天然皮革としてはこれらに限定されるものではない。天然皮革は適当な色に染色すると意匠性が向上するので好ましい。また、天然皮革表面をワックス、アクリル、ラッカー、シリコーン、ウレタン等でコーティングしても差し支えない。
繊維の形態としては、紡績糸およびフィラメント糸のどちらでも用いることができるが、引張強度が高いフィラメント糸を用いることがより好ましい。
芯部Aは天然繊維または化学繊維で構成された組紐である。繊維のみで組紐が構成されていても良く、また、本発明の目的を阻害しない範囲において樹脂が含浸されていても良い。柔軟性を得る観点からは、樹脂は使用しないか、使用しても少ない量とすることが好ましい。一方で、天然皮革を包被する際の組紐との接着性を改善する目的で樹脂を用いることがありうる。
天然繊維としては、綿、カポック、麻、亜麻、大麻、苧麻、羊毛、アルパカ、カシミヤ、モヘヤ、シルクなどが挙げられる。化学繊維としては、再生繊維、半合成繊維、合成繊維が挙げられ、再生繊維とは、ビスコース、キュプラ、ポリノジック、ハイウエットモジュラスレーヨン、溶剤紡糸セルロース繊維などが挙げられる。半合成繊維とは、アセテート、ジアセテート、トリアセテート、などが挙げられる。合成繊維とは、ポリエステル、ポリアミド、アクリル、ビニロン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、プロミックス、m−アラミド、p−アラミド、ポリエチレン、ポリアリレート、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾールなどが挙げられる。天然繊維および化学繊維においては、2種以上の繊維が用いられていても良く、また、天然繊維と化学繊維は組み合わせて用いても良い。また、天然繊維および化学繊維の引張強度としては5cN/dtex以上のものが好適に用いられる。この引張強度としては7cN/dtex以上であることが更に好ましい。一方、この引張強度について上限はないが、高すぎると複合革紐とした際に風合いが硬くなってしまうので、20cN/dtex以下とすることが好ましい。本発明の複合革紐は天然革紐が強度において劣る点を芯部で補助するため、天然繊維および化学繊維の引張強度は高ければ高い方が望ましく、また、天然皮革の破断強度より大きいことが望ましく、また、一般に複合革紐の引張強度は天然革紐の引張強度よりも大きくなるように繊維は選択される。また、後述する鞘部Bを構成する天然皮革の引張強度よりも芯部Aを構成する組紐の引張強度の方が大きいことが好ましい。そのため、いわゆる高強力繊維が好ましく用いられる。高強力繊維としては5cN/dtex以上の化学繊維が好適に用いられる。5cN/dtex以上の化学繊維は多種存在するが、その中でも柔らかさと引張強度のバランスが良いポリアミド繊維が好ましく用いられる。
また、芯部Aは組紐であるが、組紐はその形状から平打組紐、丸打組紐、角打組紐の3種類に大別されるところ、本発明に用いる組紐はその断面が扁平な形状をしていることが求められることから、平打組紐または角打組紐を用いた場合はそのもの自体が扁平な形状をしているので好ましい。なお、本発明において組紐の断面が「扁平」とは複合革紐の中における状態を意味する。扁平な形状は、長方形あるいは角丸長方形、すなわち2本平行線の両端が二つの半円形によって閉じられた図形、が代表的な形状である。好ましくは、組紐の断面に外接し、面積が最小となる長方形を想定したとき、長辺と短辺の長さの比(長辺/短辺)が1.5から3.5、好ましくは、2から3であり、また、さらに好ましくは該外接長方形の面積を100としたとき該外接長方形中に組紐断面が占める面積が50以上、好ましくは60以上、さらに好ましく70以上、特に好ましく80以上である。また、該外接長方形の長辺において長辺の端から辿ってみたとき組紐の断面が最初に接した点から最後に接した点までの距離は該長辺の長さの30%以上であることが好ましく、より好ましくは40%以上である。組紐の断面が扁平な形状となることで、外観が天然皮革に極めて近い形状となり、またそれを保つことができ、また、繰り返し伸縮・曲げ伸ばしにおいて応力の集中が抑制される。このため接着面において鞘部Bである天然皮革の剥離が起こりにくい。
本発明に用いられる組紐は、4つ打ち以上、即ち4本以上の繊維で構成されていることが好ましく、5本以上の繊維で構成されていることがさらに好ましい。組紐は二重構造(芯鞘構造)とすることもできるが、目的に応じて選択すれば良い。但し、あまりに厚くなると革紐としての扱い性が低下する。また、二重構造で無い方が断面を矩形としやすいので好ましい。
なお、本発明は芯部Aとして組紐を用いるが、単に繊維束を引き揃えて成形しただけでは芯部と鞘部の接着の際に、繊維束がばらけてしまい、工程通過性が低下する。ばらけることを防止するために撚りをかけた場合は、繊維断面が丸くなってしまう。組紐とすることで複合革紐の品位としても良好なものとでき、また、工程通過性や機械的な特性も良好なものとなる。
鞘部Bは天然皮革で構成されている。
天然皮革は表が銀面、裏が床面と言われている。天然皮革による革紐の断面形状は通常は平行四辺形あるいは長方形の形状をしており、長辺である銀面または床面の短辺に対する割合は約200%であることが多いため、本発明の複合革紐においても長辺に対する短辺の割合を約200%とすると、天然革紐の外観に類似するためより好適に用いられる。
本発明の複合革紐は芯部Aが鞘部Bによって包被されている。包被する手段としては、特に制限はなく、公知の方法を用いることは可能である。また、包被は鞘部Bを構成する天然皮革に接着剤を付与して行うことが簡便である。
本発明に好適に用いることができる接着剤は、複合革紐としての取り扱い性が向上することから、ゴム弾性を有する接着剤、いわゆる弾性接着剤を用いることが好ましい。弾性接着剤は、フィルムとしたときの引張弾性率(ヤング率)として1.0〜100N/mmであるものを用いることが好ましく、反応系、溶液系、固形系いずれでも良い。エポキシ系、ビニール系、ゴム系、シリコーン系、変性シリコーン系、ポリウレタン系が好ましく用いられるが、これらに限定されるものではない。
次に、図面を参照しつつ具体的に例を挙げて説明する。しかし、本発明は係る例に限定して解釈されるものではない。
まず、芯部A1を構成する天然繊維または化学繊維の組紐を準備する組紐を得る方法自体には特に制限はなく公知の方法を用いて得ることができる。平打組紐または角打組紐を作製すれば断面が扁平であるものを容易に得ることができることは前記したとおりである。
次に、鞘部B2を構成する天然皮革を準備する。天然皮革は複合革紐としたときに前記芯部を包被できればその幅は任意であるが、包被後に切断することは困難であるので、予め所要の幅、具体的には複合革紐の周長に対応する幅、にスリットして調製することが好ましい。このように調製された天然皮革の片面に接着剤(図示せず)、好ましくは弾性接着剤、を付与し、接着剤の付与面に前記の組紐を載置し、次いで組紐を包み込んで複合革紐3を得る。接着剤の特性に応じて包み込んだあと熱処理を施しても良い。
天然皮革で組紐を包被するにおいては、包被の際に形成される天然皮革の合わせ目が長手方向に延在するように包被される。このようにすることで、長手方向に応力がかかったとしても鞘部Bの合わせ目が開くことがなく、また、良好な外観を獲得できる。また、包被を行う際に複合組紐を捻る方向に応力が残留することがないので、取り扱い性も向上する。
また、包被の際の鞘部Bの合わせ目4は、複合革紐の断面に外接し、面積が最小となる長方形を想定したとき、該合わせ目が前記長方形の長辺の両端から長辺の長さの10%内側の領域に対応する部分には存在しないことが好ましい。すなわち、合わせ目が複合革紐の角部に近いところに設けられていないので、複合革紐に応力がかかったとしても合わせ目から鞘部Bが剥離することを防ぐことができる。なお、図2においては、鞘部Bの合わせ目4が丁度、鞘部Bの幅方向での縁が向かい合う形で閉じて形成されているが、一方の縁が他方の縁にオーバーラップしていても構わない。むしろ作業性や耐屈曲性の観点から好ましい場合がある。この場合、合わせ目は上になる側の鞘部Bの縁とする。
複合革紐の長辺と短辺の長さの比(長辺/短辺)が1.5から3.5、好ましくは、2から3であり、また、さらに好ましくは該外接長方形の面積を100としたとき該外接長方形中に複合革紐断面が占める面積が50以上、好ましく60以上さらに好ましく70以上、特に好ましく80以上である。また、該外接長方形の長辺において長辺の端から辿ってみたとき複合革紐の断面が最初に接した点から最後に接した点までの距離(d)は該長辺の長さの30%以上であることが好ましく、より好ましくは40%以上である。このような形状とすることで、天然革紐といっそう遜色のない外観とすることができると共に、捕球具など部材の補強に用いるには複合革紐の長辺を部材に沿わせることでその弾性から生じるループあるいは革紐の盛り上がりの大きさを抑えることができ、また、靴紐として用いたときには長辺同士が接し、また、長辺がループの内側に来るよう結ぶことで、結び目の美観が良好となり、かつ、解けにくい結び目となる。なお、本発明において、複合革紐の長辺と短辺の長さとは前記外接長方形の長辺と短辺の長さをいう。
長辺と短辺の長さの比は少なくとも5箇所、好ましく10箇所、の断面において求め、その算術平均値として求められる。また、断面を観測する箇所は、試料の長さに応じて、長手方向に適切な間隔、例えば均等な間隔、を以て設定される。
得られた複合革紐は適宜ロール状などの形状に巻き取られることができる。また、適当な長さに裁断されて用いられる。
本発明の複合革紐は、好ましく、その断面の形状は角丸長方形である。また好ましく、長辺と短辺の長さの比率が1.5〜3.5である。このような複合革紐を用いて緊縛すると、ゆるみが生じにくく保型性が高い。また、本発明の複合革紐は、天然皮革の外観により近づけるため、床面を模して、片面、好ましく長辺に対応する辺のひとつ、を起毛してもよい。なお、複合革紐の長辺、短辺は、複合革紐の断面に外接し、面積が最小となる長方形を想定したとき、それぞれ、その長辺に対応する部分、その短辺に対応する部分として求められる。
本発明により得られた複合革紐は、天然革紐と類似の外観を持ち、引張強度が大きく、保型性に優れ、柔らかく取り扱いやすく、手を収容する捕球具の連結および/または補強、靴紐、革編みバッグ、編革紐または組紐等として好ましく用いられる。
本発明により得られた芯鞘型複合革紐を用いて、各部を連結および/または補強する手を収容する捕球具において、革紐を通す穴の形状が通常は丸型であるが、長方形または角丸長方形または楕円形にすることにより経時にともなう緩みが生じにくく、かつ反転しにくいため保型性が高く、捕球具の用により好適に用いることができる。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明する。なお、実施例中の物性は次の方法で測定した値である。
(1)剥離性:試料をデマッチャ―式繰返し疲労試験機(インテック株式会社製IT-04118-1)につかみ間隔10cm、伸長距離2mm、試験速度60回往復/分の条件で、繰り返し伸縮を行い、試料である複合革紐の鞘部を構成する天然皮革の接合部が分離するまでの回数を測定した。
(実施例1)
470T―48フィラメントの高強力ナイロン糸(引張強度6.5cN/dtex)を2本引き揃えたものを4本芯として用い、また同じ470T−48フィラメントの高強力ナイロン糸を2本引き揃えたものを7本用い、7つ打ちとして成紐を行い平組紐とした後、クロロプレン系接着剤エバーグリップ5390M(東亜合成株式会社)を含浸・風乾した。続いて幅1.2mm、厚さ1mmの天然皮革の床面にエバーグリップ5390Mを塗布した後、組紐を床面中央に位置させ、銀面を外側にして皮革外側を折り込み、皮革で組紐が露出しないように完被覆した。完成した複合革紐の組紐の外接長方形の長辺/短辺比は2.4、外接長方形の面積を100としたとき該外接長方形中に組紐断面が占める面積は90。該外接長方形の長辺において長辺の端から辿ってみたとき組紐の断面が最初に接した点から最後に接した点までの距離は該長辺の長さの44%であった。
(実施例2)
470T―48フィラメントの高強力ナイロン糸(引張強度6.5cN/dtex)を2本引き揃えたものを4本芯として用い、また同じ470T−48フィラメントの高強力ナイロン糸を2本引き揃えたものを7本用い、7つ打ちとして成紐を行い平組紐とした後、クロロプレン系接着剤エバーグリップ5390M(東亜合成株式会社)を含浸・風乾した。続いて幅0.8mm、厚さ0.5mmの天然皮革の床面にエバーグリップ5390Mを塗布した後、組紐を床面中央に位置させ、銀面を外側にして皮革外側を折り込み、皮革で組紐が露出しないように完被覆した。完成した複合革紐の組紐の外接長方形の長辺/短辺比は2.5、外接長方形の面積を100としたとき該外接長方形中に組紐断面が占める面積は81。該外接長方形の長辺において長辺の端から辿ってみたとき組紐の断面が最初に接した点から最後に接した点までの距離は該長辺の長さの46%であった。
(比較例1)
470T−48フィラメントの高強力ナイロン糸を22本引き揃えた後、クロロプレン系接着剤エバーグリップ5390Mを含浸・風乾した。続いて幅1.2mm、厚さ1mmの天然皮革の床面にエバーグリップ5390Mを塗布した後、組紐を床面中央に位置させ、銀面を外側にして皮革外側を折り込み、皮革で引き揃え繊維が露出しないように被覆した。
(比較例2)
470T−48フィラメントの高強力ナイロン糸を22本引き揃えた後、S方向に100回/m撚りを加えた後、クロロプレン系接着剤エバーグリップ5390Mを含浸・風乾した。続いて幅1.2mm、厚さ1mmの天然皮革の床面にエバーグリップ5390Mを塗布した後、組紐を床面中央に位置させ、銀面を外側にして皮革外側を折り込み、皮革で撚糸が露出しないように被覆した。
Figure 2021088792
1 芯部A
2 鞘部B
3 複合革紐
4 鞘部Bの合わせ目
5 複合革紐の断面に外接し、面積が最小の長方形
d 複合革紐が外接長方形の長辺に接する部分の長さ

Claims (15)

  1. 天然繊維または化学繊維で構成された組紐であってその断面が扁平な形状である芯部A、該芯部Aを包被し天然皮革で構成された鞘部Bとからなる複合革紐であって、前記鞘部Bが前記芯部Aを包被するにおいて形成される合わせ目が長手方向に延在している複合革紐。
  2. 前記芯部Aを構成する組紐が平打組紐または角打組紐であることを特徴とする請求項1記載の複合革紐。
  3. 前記芯部Aを構成する天然繊維または化学繊維が高強力繊維であることを特徴とする請求項1または2記載の複合革紐。
  4. 前記高強力繊維が高強力ナイロン繊維であることを特徴とする請求項3記載の複合革紐。
  5. 前記芯部Aを構成する組紐と前記鞘部Bを構成する天然皮革とが弾性接着剤によって固着されていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の複合革紐。
  6. その断面において、短辺に対する長辺の長さの比率が1.5〜3.5であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の複合革紐。
  7. その断面の形状が、角丸長方形であることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の複合革紐。
  8. 芯部Aを構成する組紐の破断強度が鞘部Bを構成する天然皮革の破断強度よりも大きいことを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の複合革紐。
  9. 断面に外接し、面積が最小となる長方形を想定したとき、前記合わせ目が前記長方形の長辺の両端から長辺の長さの10%内側の領域に対応する部分には存在していないことを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の複合革紐。
  10. 断面に外接し、面積が最小となる長方形を想定したとき、その長辺の1つに対応する部分が起毛されていることを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載の複合革紐。
  11. 捕球具の部材の連結または補給具の補強に請求項1〜10の何れかに記載の複合革紐が用いられた捕球具。
  12. 前記の複合革紐が通される孔の全部または一部の形状が長方形、角丸長方形または楕円形であることを特徴とする請求項11記載の補給具。
  13. 請求項1〜10の何れかに記載の複合革紐が用いられた靴紐。
  14. 請求項1〜10の何れかに記載の複合革紐が用いられた編みバッグ。
  15. 請求項1〜10の何れかに記載の複合革紐が用いられた編革紐または組紐。
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