JP2021088639A - 樹脂組成物、その硬化物、繊維強化プラスチック及び繊維強化プラスチックの難燃化方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】難燃性に優れた繊維強化プラスチックを提供するのに好適な樹脂組成物、その硬化物、繊維強化プラスチック及び繊維強化プラスチックの難燃化方法を提供する。【解決手段】(A)エポキシ樹脂、(B)芳香族アミン、脂肪族アミン又は酸無水物の中から選ばれる少なくとも一種である硬化剤、及び(C)下記式(1で表される含リン化合物の中から選ばれる少なくとも一種を含有する樹脂組成物。【選択図】なし
Description
本発明は、繊維強化プラスチックのマトリックス樹脂として好適に使用される樹脂組成物、該樹脂組成物の硬化物、該樹脂組成物を用いて製造した繊維強化プラスチック、及び該樹脂組成物を用いた繊維強化プラスチックの難燃化方法に関する。
繊維強化プラスチックは、建築資材、自動車、電機部品などの広範囲な用途に使用されている。繊維強化プラスチックのマトリックス樹脂として、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂などがあげられるが、速硬化可能で、耐熱性に優れるなどの点からエポキシ樹脂が好ましい。
しかしながら、繊維強化プラスチックは、主成分が樹脂素材であるため用途に応じて難燃剤を使用することが必要であった。
しかしながら、繊維強化プラスチックは、主成分が樹脂素材であるため用途に応じて難燃剤を使用することが必要であった。
近年、世界的な環境問題、人体に対する安全性についての関心の高まりと共に、電気・電子製品については、難燃性に加えて、より少ない有害性、より高い安全性という要求が増大している。即ち、有害性ガスや発煙の発生が少ないことが要望されている。
臭素系難燃剤は、良好な難燃性を有するものの、燃焼時に有害なハロゲン化水素(臭化水素)ガスを発生するため、その使用が抑制されつつある。そのため、通常のエポキシ樹脂に非ハロゲン系難燃剤、例えば、窒素化合物、リン化合物、或いは無機化合物等を配合した組成物が開発されている。しかしながら、これら難燃付与性添加剤は、難燃化効果が不十分であったり、エポキシ樹脂の硬化に悪影響を及ぼしたり、硬化組成物のガラス転移温度等物性を低下させたりする等の問題がある。
例えば、リン系難燃剤としては、トリフェニルホスフェートが種々の樹脂に広く用いられており、特許文献1には、高分子量タイプである2価フェノールとフェノールからなるリン系難燃剤をエポキシ樹脂に用いることが提案されている。
しかし、これらの難燃剤で充分な難燃性を付与するには多量に配合する必要があり、多量に配合して難燃性を満足すると、ガラス転移温度が低下し、逆に、ガラス転移温度を高くするために、難燃剤の配合量を少量にすると、難燃性が不足する。また、特許文献2には、反応性のリン酸エステル化合物を用いることが提案されているが、リン酸エステルが樹脂中に組み込まれると吸湿し易くなったり、一部が3次元構造になってエポキシ樹脂の粘度が増大し、作業性が大きく低下したりするため、実用的ではなかった。
しかし、これらの難燃剤で充分な難燃性を付与するには多量に配合する必要があり、多量に配合して難燃性を満足すると、ガラス転移温度が低下し、逆に、ガラス転移温度を高くするために、難燃剤の配合量を少量にすると、難燃性が不足する。また、特許文献2には、反応性のリン酸エステル化合物を用いることが提案されているが、リン酸エステルが樹脂中に組み込まれると吸湿し易くなったり、一部が3次元構造になってエポキシ樹脂の粘度が増大し、作業性が大きく低下したりするため、実用的ではなかった。
一方特許文献3及び4などには、特定の含リン化合物が記載されているが、自動車、電気材料に使用されることは記載されているものの、繊維強化プラスチック用途において優れた効果を示すことに関しては記載されていない。
従って、本発明が解決しようとする課題は、難燃性に優れた繊維強化プラスチックを提供することのできる樹脂組成物を提供することである。
そこで本発明者等は鋭意検討し、エポキシ樹脂、特定の硬化剤及び特定の含リン化合物を含有する樹脂組成物が前記目的を達成することを見出した。
即ち、本発明は、(A)エポキシ樹脂、(B)芳香族アミン、脂肪族アミン及び酸無水物の中から選ばれる少なくとも一種である硬化剤、及び(C)下記式(1)で表される含リン化合物の中から選ばれる少なくとも一種を含有する樹脂組成物を提供するものである。
また、前記樹脂組成物から得られる硬化物を提供するものである。
さらに、前記樹脂組成物を用いて得られる繊維強化プラスチックを提供するものである。
さらに、繊維強化プラスチックの難燃化方法を提供するものである。
本発明によれば、速硬化で、難燃性に優れるため航空・宇宙用材料などの用途に用いることができる繊維強化プラスチックに好適に使用することができる。
以下に、本発明の樹脂組成物について説明する。
本発明で使用される(A)成分であるエポキシ樹脂は、分子中にエポキシ基を少なくとも2つ有するものであり、分子構造、分子量等に特に制限なく、公知のエポキシ樹脂の中から適宜選択することができる。
前記エポキシ樹脂としては、ハイドロキノン、レゾルシン、ピロカテコール、フロログルクシノールなどの単核多価フェノール化合物のポリグリシジルエーテル化合物;ジヒドロキシナフタレン、ビフェノール、メチレンビスフェノール(ビスフェノールF)、メチレンビス(オルトクレゾール)、エチリデンビスフェノール、イソプロピリデンビスフェノール(ビスフェノールA)、イソプロピリデンビス(オルトクレゾール)、テトラブロモビスフェノールA、1,3−ビス(4−ヒドロキシクミルベンゼン)、1,4−ビス(4−ヒドロキシクミルベンゼン)、1,1,3−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,2,2−テトラ(4−ヒドロキシフェニル)エタン、チオビスフェノール、スルホビスフェノール、オキシビスフェノール、フェノールノボラック、オルソクレゾールノボラック、エチルフェノールノボラック、ブチルフェノールノボラック、オクチルフェノールノボラック、レゾルシンノボラック、テルペンフェノール等の多核多価フェノール化合物のポリグリシジルエーテル化合物;ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、チオグリコール、ジシクロペンタジエンジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン(水素化ビスフェノールA)、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ビスフェノールA−アルキレンオキシド付加物などの多価アルコール化合物のポリグリシジルエーテル化合物;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、コハク酸、グルタル酸、スベリン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸、トリマー酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、テトラヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸等の脂肪族、芳香族又は脂環族多塩基酸のグリシジルエステル化合物及びグリシジルメタクリレートの単独重合体又は共重合体;N,N−ジグリシジルアニリン、ビス(4−(N−メチル−N−グリシジルアミノ)フェニル)メタン、ジグリシジルオルトトルイジン、N,N−ビス(2,3−エポキシプロピル)−4−(2,3−エポキシプロポキシ)−2−メチルアニリン、N,N−ビス(2,3−エポキシプロピル)−4−(2,3−エポキシプロポキシ)アニリン、N,N,N’,N’−テトラ(2,3−エポキシプロピル)−4,4−ジアミノジフェニルメタン等のグリシジルアミノ基を有するエポキシ化合物;ビニルシクロヘキセンジエポキシド、シクロペンタンジエンジエポキサイド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート等の環状オレフィン化合物のエポキシ化物;エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化スチレン−ブタジエン共重合物等のエポキシ化共役ジエン重合体;トリグリシジルイソシアヌレート等の複素環化合物があげられる。
また、これらのエポキシ樹脂は、末端イソシアネートのプレポリマーにより内部架橋されたもの、あるいは多価の活性水素化合物(多価フェノール、ポリアミン、カルボニル基含有化合物、ポリリン酸エステル等)で高分子量化したものでもよい。
前記エポキシ樹脂は単独で用いても、2種以上を併用して用いてもよい。
また、これらのエポキシ樹脂は、末端イソシアネートのプレポリマーにより内部架橋されたもの、あるいは多価の活性水素化合物(多価フェノール、ポリアミン、カルボニル基含有化合物、ポリリン酸エステル等)で高分子量化したものでもよい。
前記エポキシ樹脂は単独で用いても、2種以上を併用して用いてもよい。
本発明の樹脂組成物においては、所望の粘度に調整するために、(A)エポキシ樹脂と共に反応性希釈剤を併用することができる。
このような反応性希釈剤としては、エポキシ樹脂組成物を硬化させた時の、硬化物の耐熱性やガラス転移温度の低下を抑制する観点から、エポキシ基を少なくとも1つ有する希釈剤を使用することが好ましく、本願においてはエポキシ基を少なくとも1つ有する希釈剤は(A)成分の一部とみなす。
このような反応性希釈剤としては、エポキシ樹脂組成物を硬化させた時の、硬化物の耐熱性やガラス転移温度の低下を抑制する観点から、エポキシ基を少なくとも1つ有する希釈剤を使用することが好ましく、本願においてはエポキシ基を少なくとも1つ有する希釈剤は(A)成分の一部とみなす。
前記反応性希釈剤に含まれるエポキシ基の数は、1つでも2つ以上でもよく、特に限定されるものではない。エポキシ基の数が1個の反応性希釈剤としては、例えば、n−ブチルグリシジルエーテル、C12−C14のアルキルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、スチレンオキシド、フェニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、p−sec−ブチルフェニルグリシジルエーテル、t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート、及び3級カルボン酸グリシジルエステル等があげられる。エポキシ基が2個の反応性希釈剤としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、及びネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル等があげられる。エポキシ基が3個の反応性希釈剤としては、例えば、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、及びグリセリントリグリシジルエーテル等があげられる。
前記(A)成分であるエポキシ樹脂としては、低価格で入手可能なものであることから、ビスフェノールAジグリシジルエーテルなどのビスフェノール型エポキシ樹脂が好ましく使用される。
次に、本発明に用いられる(B)成分である硬化剤について説明する。(B)硬化剤としては、脂肪族アミン類、芳香族アミン類、及び酸無水物類である。
前記脂肪族アミン類としては、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、4,4‘−ジアミノジシクロヘキシルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジプロピレントリアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルプロパン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)スルホン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルエーテル、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、イソホロンジアミン、ノルボルネンジアミン、メタキシレンジアミン、N−アミノエチルピペラジン、メンセンジアミン等があげられる。また、これらアミン類の変性物であっても良い。アミンの変性方法としては、カルボン酸との脱水縮合、エポキシ樹脂との付加反応、イソシアネートとの付加反応、マイケル付加反応、マンニッヒ反応、尿素との縮合反応、ケトンとの縮合反応などが挙げられる。これらは、単独で使用することもできるし、任意の割合で組み合わせて使用することもできる。
前記芳香族アミン類としては、ジエチルトルエンジアミン、1−メチル−3,5−ジエチル−2,4−ジアミンベンゼン、1−メチル−3,5−ジエチル−2,6−ジアミノベンゼン、1,3,5−トリエチル−2,6−ジアミノベンゼン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、及び3,5,3’、5’−テトラメチル−4,4‘−ジアミノジフェニルメタンなどがあげられる。また、これらアミン類の変性物であっても良い。アミンの変性方法としては、カルボン酸との脱水縮合、エポキシ樹脂との付加反応、イソシアネートとの付加反応、マイケル付加反応、マンニッヒ反応、尿素との縮合反応、ケトンとの縮合反応などが挙げられる。これらは、単独で使用することもできるし、任意の割合で組み合わせて使用することもできる。
前記酸無水物類としては、無水ハイミック酸、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水メチルハイミック酸、無水コハク酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸−無水マレイン酸付加物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、水素化メチルナジック酸無水物、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、メチルブテニルテトラヒドロ無水フタル酸、ドデセニル無水フタル酸等があげられる。
前記(B)成分である硬化剤として市販品を使用することができる。前記脂肪族アミン類の市販品としては、例えば、ジェファーミンD230(ハンツマン社製)などがあげられ、前記芳香族アミン類の市販品としては、例えば、カヤハードAA((株)日本化薬製)などがあげられ、前記酸無水物類の市販品としては、例えば、カヤハードCC、カヤハードMCD(以上(株)日本化薬製);リカジットTH、リカジットHH、リカジットMH−700、リカジットSA(以上新日本理化(株))製);エピクロンB−570、エピクロンB−650、エピクロンEXB−4400(以上(株)DIC製);HN−2200、HN−5500(以上日立化成(株)製)などがあげられる。
前記(B)成分で硬化剤の(A)エポキシ樹脂に対する配合量は、特に限定されるものではないが、エポキシ樹脂中のエポキシ基1当量に対し、エポキシ基と反応性を有する基(一級又は二級アミノ基、酸無水物基)が0.6〜1.5当量になるように配合することが好ましく、0.8〜1.2当量になるように配合することがより好ましい。
本発明においては、上記(B)硬化剤と共に、必要に応じて公知のエポキシ樹脂硬化促進剤を併用することができる。これらの硬化促進剤の具体例としては、トリフェニルホスフィン等のホスフィン類;テトラフェニルホスホニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルホスホニウム−o,o−ジエチルホスホロンジチオエート、トリ−n−ブチルメチルホスホニウム−o,o’−ジメチルホスフェート等のホスホニウム塩;2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール等のイミダゾール類;前記イミダゾール類と、トリメリット酸、イソシアヌル酸、ホウ素等との塩であるイミダゾール塩類;1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムハイドロゲンサルフェート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムメチルサルフェート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムエチルサルフェート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラクロロアンモニウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムハロゲンサルフェート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラクロロアルミネート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムハイドロゲンサルフェート、1−ブチル−3−エチルイミダゾリウムチオシアネート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムチオシアネート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムメタンスルホネート、1-エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラクロロアルミネート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムチオシアネート、1−メチルイミダゾリウムハイドロゲンサルフェート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロアンチモネート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート等のイミダゾリウム類;ベンジルジメチルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等のアミン類;トリメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩類;3−(p−クロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア、3−フェニル−1,1−ジメチルウレア、イソホロンジイソシアネート−ジメチルウレア、トリレンジイソシアネート−ジメチルウレア等のウレア類;三フッ化ホウ素と、アミン類やエーテル化合物等との錯化合物;1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)フェノール塩、DBUオクチル塩、DBUオレイン酸塩、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5(DBN)オクチル酸塩等を例示することができる。
これらの硬化促進剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物におけるエポキシ樹脂硬化促進剤の含有量は特に制限なく、樹脂組成物の用途に応じて適宜設定することができる。
これらの硬化促進剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物におけるエポキシ樹脂硬化促進剤の含有量は特に制限なく、樹脂組成物の用途に応じて適宜設定することができる。
前記(C)成分である下記式(1)で表される含リン化合物について説明する。
上記式(1)中、mは1〜7であることが好ましく、2〜5であることがより好ましい。mが10より大きい数の場合には、含リン化合物を製造する際に、粘度が高くなって製造が困難となるので好ましくない。
上記式(1)中、R1及びR2は、アルキル基又はアリール基であるもの、あるいは、何れも−NR4R5であるものが容易に製造できるため好ましく使用される。
上記式(1)中、R1、R2、R4、R5、R6で表されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、第三ブチル基、アミル基、イソアミル基、第三アミル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、第三オクチル基、ノニル基、デシル基等があげられる。また、上記R1、R2、R4、R5で表されるアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等があげられる。
上記式(1)中、R3で表される炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、第三ブチル基、アミル基、イソアミル基、第三アミル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、第三オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;メチレン基、エチレン基、プロピレン基、エタンジイル基、オクタンジイル基等のアルカンジイル基;メタントリイル、1,1,2−エタントリイル基等のアルカントリイル基;1,1,2,2−エタンテトライル等のアルカンテトライル基;ハイドロキノン、レゾルシン、ピロカテコール、フロログルクシノール等の単核多価フェノール化合物から水酸基を除いた残基;ジヒドロキシナフタレン、ビフェノール、メチレンビスフェノール(ビスフェノールF)、メチレンビス(オルトクレゾール)、エチリデンビスフェノール、イソプロピリデンビスフェノール(ビスフェノールA)、イソプロピリデン(オルトクレゾール)、テトラブロモビスフェノールA、1,3−ビス(4−ヒドロキシクミル)ベンゼン、1,4−ビス(4−ヒドロキシクミル)ベンゼン、1,1,3−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,2,2−テトラ(4−ヒドロキシフェニル)エタン、チオビスフェノール、スルホニルビスフェノール、オキシビスフェノール、フェノールノボラック、オルソクレゾールノボラック、エチルフェノールノボラック、ブチルフェノールノボラック、オクチルフェノールノボラック、レゾルシンノボラック、テルペンフェノール等の多核多価フェノール化合物から水酸基を除いた残基があげられる。
本発明に使用される(C)成分である含リン化合物は、製造するための原料が容易に入手可能であるという観点から、上記式(1)中、Xが酸素原子であり、且つYが酸素原子であることが好ましい。
本発明に使用される(C)成分である含リン化合物は、(C)成分中におけるリン含有量をあげることができるとの観点から、上記式(1)中、R1及びR2が共にアルキル基であるもの、あるいは、R1及びR2が共に−NR4R5であって、かつR4が水素原子、R5がアルキル基であるものが好ましい。とりわけ、R1及びR2が共に−NR4R5であって、かつR4が水素原子、R5がアルキル基であるものが好ましい。
本発明の樹脂組成物を硬化させた硬化物の物性の観点から、本発明で用いられる(C)成分の含リン化合物は、骨格に芳香環を少なくとも1個含む化合物であることが好ましく、上記式(1)中、R3が、下記一般式(2−1)、(2−2)、(2−4)、(2−5)、及び(2−6)から選択される何れかの構造を有する官能基である化合物が好ましい化合物としてあげられる。
但し、前記式(2−2)中のnは0〜3の整数、oは0〜50の整数を表し、R11は、水素原子、又は炭素数が1〜4のアルキル基を表し、R12は、酸素原子又は硫黄原子を含んでもよい炭化水素基(例えば、メチレン基、エチリデン基、プロピリデン基等)を表し、Zは水酸基、又は下記一般式(2−3)で表される官能基であり、*は結合手を表す。
これら好ましくあげられる化合物の中でもさらに、R3が(2−1)又は(2−2)であるものが好ましく、特に、R3が(2−1)且つR7が水素原子であるものが好適なものとしてあげられる。
本発明の樹脂組成物中における上記(C)含リン化合物の配合量は、特に限定されるものではないが、樹脂組成物の(A)成分、(B)成分、(C)成分、後述する(D)成分の合計100質量部に対する(C)成分の配合量が1〜100質量部となる量であることが好ましく、10〜50質量部となる量であることがより好ましい。(C)成分の配合量が1質量部となる量より少ない場合には、樹脂組成物の難燃性が著しく低下する場合がある。一方、(C)成分の配合量が100質量部となる量より多い場合には、樹脂組成物の耐水性が著しく低下する場合がある。
本発明の樹脂組成物には、(C)成分である含リン化合物以外の難燃剤〔(D)成分〕を使用することができ、例えば、(C)成分以外の含リン化合物、含窒素化合物、及び含ホウ素化合物,ハロゲン化合物、ケイ素化合物、無機化合物などがあげられる。特に、環境負荷を考えた場合には、分子骨格にリン原子を有する(C)成分以外の含リン化合物が好適に使用される。
上記(C)成分以外の含リン化合物としては、例えば、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート等の脂肪族リン酸エステル;トリフェニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、ジクレジルフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、イソプロピルフェニルジフェニルホスフェート、ビス(イソプロピルフェニル)フェニルホスフェート、トリス(トリメチルフェニル)ホスフェート、トリス(t−ブチルフェニル)ホスフェート、ヒドロキシフェニルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート等の芳香族リン酸エステル;レゾルシノールポリフェニルホスフェート、1,3−フェニレンビス(2,6−ジメチルフェニルホスフェート)、レゾルシノールポリ(ジ−2,6−キシリル)ホスフェート、ビスフェノールAポリクレジルホスフェート、ハイドロキノンポリ(2,6−キシリル)ホスフェート並びにこれらの縮合物等の縮合リン酸エステル;リン酸アンモニウム、リン酸メラミン等のリン酸塩;ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸メラミン等の縮合リン酸塩;トリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウム、トリス(メチルエチルホスフィン酸)アルミニウム、ビス(ジエチルホスフィン酸)亜鉛、ビス(メチルエチルホスフィン酸)亜鉛、ビス(ジフェニルホスフィン酸)亜鉛、トリホスフィン酸亜鉛、ビス(ジエチルホスフィン酸)チタニル、テトラキス(ジエチルホスフィン酸)チタン、ビス(メチルエチルホスフィン酸)チタニル、テトラキス(ジフェニルホスフィン酸)チタン、テトラホスフィン酸チタニル等のホスフィン酸の金属塩;ジフェニルホスフィン酸フェニル、ジフェニルホスフィン酸メチル、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド(以下DOPOと表記する)、10−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナントレン−10−オキシド等のホスフィン酸エステル;DOPOとアクリル酸エステルの付加反応生成物、DOPOとエポキシ樹脂の付加反応生成物、HCAとハイドロキノンの付加反応生成物等のDOPO変性型化合物;ジフェニルビニルホスフィンオキサイド、トリフェニルホスフィンオキサイド、トリアルキルホスフィンオキサイド、トリス(ヒドロキシアルキル)ホスフィンオキサイドなどのホスフィンオキサイド系化合物;ヘキサシクロトリフォスファゼン、ヘキサフェニルシクロトリフォスファゼン等のフォスファゼン誘導体;赤リンなどがあげられる。
これらの(C)成分以外の含リン化合物の中でも、ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸メラミン、トリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウム、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナントレン−10−オキシド(HCA)、10−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナントレン−10−オキシド(三光(株)製のHCA−HQ)、ヘキサフェニルシクロトリフォスファゼン、又は、下記式(6−1)〜(6−11)の何れかで表される難燃剤であることが更に好ましい。
上記式(6−1)におけるgは1〜50の整数;式(6−2)におけるhは1〜20の整数を表す;
式(6−3)〜(6−5)におけるa、b、cは、それぞれ独立して、1〜5の整数を表す;
式(6−6)及び(6−7)におけるd、eは、それぞれ独立して、1〜10の整数を表す;
式(6−8)におけるfは、1〜50の整数を表し、式(6−11)におけるAは水素原子、又は−OR17を表し、R17は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
式(6−3)〜(6−5)におけるa、b、cは、それぞれ独立して、1〜5の整数を表す;
式(6−6)及び(6−7)におけるd、eは、それぞれ独立して、1〜10の整数を表す;
式(6−8)におけるfは、1〜50の整数を表し、式(6−11)におけるAは水素原子、又は−OR17を表し、R17は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
式(6−11)におけるA中のR17で表される炭素数1〜6のアルキル基としては、上記式(1)中のR1〜R4及びR6で表されるアルキル基として例示したもの中の、炭素数が1〜6のものがあげられる。
上記含リン化合物の中では、難燃性の効果が非常に優れているという点で、トリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウム、10−(2,5−フォスファフェナントレン−10−オキシドが特に好ましい。
上記含窒素化合物としては、窒化珪素、窒化アルミ、トリアジン系化合物とシアヌール酸又はイソシアヌール酸の塩を形成する化合物があげられる。トリアジン系化合物とシアヌール酸又はイソシアヌール酸との塩とは、トリアジン系化合物とシアヌール酸又はイソシアヌール酸との付加物であり、通常は1対1(モル比)、場合により2対1(モル比)の組成を有する付加物である。トリアジン系化合物のうち、シアヌール酸又はイソシアヌール酸と塩を形成しないものは除外される。
上記トリアジン系化合物の例としては、メラミン、モノ(ヒドロキシメチル)メラミン、ジ(ヒドロキシメチル)メラミン、トリ(ヒドロキシメチル)メラミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、2−アミド−4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジンなどがあげられる。
上記ホウ素化合物としては、例えば、ホウ酸(オルトホウ酸、メタホウ酸など)、ホウ酸塩(四ホウ酸ナトリウムなどのアルカリ金属ホウ酸塩、メタホウ酸バリウムなどのアルカリ土類金属塩、ホウ酸亜鉛などの遷移金属塩など)、縮合ホウ酸(塩)(ピロホウ酸、四ホウ酸、五ホウ酸、八ホウ酸又はこれらの金属塩など)、窒化ホウ素などがあげられる。これらの含ホウ素化合物は、含水物(例えば、含水四ホウ酸ナトリウムであるホウ砂など)であってもよい。これらの含ホウ素化合物は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ハロゲン化合物としては、例えば、テトラブロモビスフェノールA、テトラブルもビスフェノールAのカーボネートオリゴマー、テトラブロモビスフェノールAビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールAビス(2−ブロモエチルエーテル)、テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテルとブロム化ビスフェノール付加物等のテトラブロモビスフェノールA誘導体;デカブロモジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニルエーテル、エチレンビステトラブロモフタルイミド、ヘキサブロモシクロドデカン、1,2−ビス(ペンタブロモフェニル)エタン、2,3−ジブロモプロピルペンタブロモフェニルエーテル、1,2−ビス(2,4,6−トリブロモフェノキシ)エタン、2,4,6−トリス(2,4,6−トリブロモフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、臭素化ポリスチレン、ポリ臭素化スチレン、ペンタブロモベンジルアクリレート(モノマー)等の臭素系芳香族化合物;塩素化パラフィン;塩素化ナフタレン;トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(2,3−ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(ブロモクロロプロピル)ホスフェート、トリス(2,3−ジブロモピロピル)ホスフェート、トリス(ブロモクロロフェニル)ホスフェート、2,3−ジブロモプロピル−2,3−ジクロロプロピルホスフェート、トリス(トリブロモフェニル)ホスフェート、トリス(ジブロモフェニル)ホスフェート、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェートなどの含ハロゲン系リン酸エステルなどがあげられる。
上記無機化合物としては、例えば、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ベーマイト、黒鉛などがあげられる。
また、(D)成分として市販されている難燃剤としては、リン酸エステル(例えば、(株)ADEKA製FP−600、及びPFR)、リン含有フェノキシ樹脂(例えば、新日本日鐵化学(株)製のフェノトートERF−001M30、及びTX−0924K30等)、水酸基含有リン酸エステル(例えば、大八化学工業(株)製のDAIGUARD−580、及びDAIGUARD−610等)、HCA誘導体(例えば、三光(株)製のHCA−HQ、M−Ester、及びME−P8等)、複合型の難燃剤であるイントメッセント難燃剤(例えば、(株)ADEKA製のFP−2100JC、FP−2200S、FP−2500S)、リン酸エステルのアルミニウム塩(例えば、クラリアント社製のExolit OP-1230、臭素系難燃剤(例えば、(株)DIC製EPICLON152などがあげられる。
本発明において(D)成分の使用量としては、これを使用する場合においては、(C)成分であるリン化合物100質量部に対して、1〜1000質量部であることが好ましく、10〜500質量部であることがより好ましく、30〜300質量部であることが更に好ましい。特に、環境への負荷を考慮して、ハロゲン化合物等の使用が必要な場合であってもその使用量は可能な限り少量に抑えることが好ましい。
(D)成分である難燃剤中にリン原子が含んでいる場合の(D)成分の使用量としては、樹脂組成物の(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分の合計質量における、(C)成分由来のリン含有量が0.1〜5質量%となる量であることが好ましく、0.5〜3質量部となる量であることがより好ましい。リン含有量が0.1質量%となる量より少ない場合には、エポキシ樹脂組成物の難燃性が著しく低下する場合がある。一方、リン含有量が5質量%となる量より多い場合は、エポキシ樹脂組成物の耐水性が著しく低下する場合がある。
本発明の樹脂組成物には、エポキシ樹脂と共に他の樹脂を使用することができる。他の樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン樹脂、熱硬化イミド樹脂、シアネート樹脂などがあげられる。これらの中での、エポキシ樹脂は好ましい樹脂としてあげることができる。
本発明の樹脂組成物は、必要に応じて、粘度調整剤として有機溶剤を含有している場合がある。この場合の有機溶剤としては、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;エチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;メタノール、エタノール等のアルコール類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類等があげられる。
本発明の樹脂組成物は、必要に応じて、無機充填剤を含有する場合がある。このような無機充填剤としては、例えば、溶融シリカ、結晶シリカ等のシリカ;水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、モリブデン酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸ケイ素、ケイ酸カルシウム、チタン酸カリウム、べリリア、ジルコニア、ジルコン、フォステライト、ステアタイト、スピネル、ムライト、チタニア等の紛体、又はこれらを球形化したビーズ、及びガラス繊維等があげられる。これらの無機充填剤は、単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
また、本発明の樹脂組成物には、必要に応じて、前記無機充填剤以外の添加剤を含有する場合がある。上記添加剤としては、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ベンジルアルコール、コールタール等の非反応性の希釈剤(可塑剤);ガラス繊維、パルプ繊維、合成繊維、セラミック繊維等の繊維質充填剤;ガラスクロス、アラミドクロス、カーボンファイバー等の補強材;顔料;γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−N’−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤;キャンデリラワックス、カルナウバワックス、木ろう、イボタロウ、みつろう、ラノリン、鯨ろう、モンタンワックス、石油ワックス、脂肪族ワックス、脂肪族エステル、脂肪族エーテル、芳香族エステル、芳香族エーテル等の潤滑剤;増粘剤;チキソトロピック剤;酸化防止剤;光安定剤;紫外線吸収剤;消泡剤;防錆剤;コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ等の常用の添加剤をあげることができる。本発明においては、更に、キシレン樹脂、石油樹脂等の粘着性の樹脂類を併用することもできる。
本発明の樹脂組成物は、炭素繊維、ガラス繊維等を強化繊維とする繊維強化プラスチックのマトリックス樹脂として好適である。強化繊維の種類は特に限定されず、例えば炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、シリコーンカーバイド繊維等を単独で用いてもよいし、2種類以上のハイブリッド繊維として用いてもよい。
上記した強化繊維の形態としては、高強度・高弾性率繊維を一方向に配列させたいわゆるトウシートや、前記繊維糸状を一方向又は二方向に配列させた一方向性織物や二方向性織物、三方向に配列させた三軸織物、多方向に配列させた多軸織物等が挙げられる。トウシートにおいては、基材への樹脂含浸性を向上させるために、ストランド間に適度の隙間を確保するように前記繊維を配列するとよい。
本発明の樹脂組成物を使用した繊維強化プラスチックを成形するための方法は、特に限定されるものではないが、例えば、押し出し成形法、ブロー成形法、圧縮成形法、真空成形法、射出成形法、RTM(Resin Transfer Molding)成形、VaRTM(Vaccum assist Resin Transfer Molding)成形、積層成形、ハンドレイアップ成形、フィラメントワインディング成形、ファイバーtoコンポジット成形等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物を用いて得られる繊維強化プラスチックは、各種の用途に利用することができる。例えば、自動車、船舶及び鉄道車両等の移動体の構造材、ドライブシャフト、板バネ、風車ブレード、圧力容器、フライホイール、製紙用ローラー、屋根材、ケーブル、及び補修補強材料等の一般産業用途;胴体、主翼、尾翼、動翼、フェアリング、カウル、ドア、座席、内装材、モーターケース、アンテナ等の航空宇宙用途;ゴルフシャフト、釣り竿、テニスやバドミントンのラケット用途、ホッケー等のスティック用途、及びスキーポール用途等のスポーツ用途が挙げられる。
次に、本発明の実施例及び比較例により、さらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
尚、以下の実施例等における%は、特に記載がない限り質量基準である。
尚、以下の実施例等における%は、特に記載がない限り質量基準である。
下記〔表1〕〜〔表4〕に記載された配合を用いて、下記に示す評価を実施した。尚、実施例及び比較例において使用される配合成分を下記に示す。
EP−4100E:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量:190g/eq.)、(株)ADEKA製
ED−509E:反応型希釈剤(エポキシ当量:210g/eq.)、(株)ADEKA製
ED−523T:反応型希釈剤(エポキシ当量:140g/eq.)、(株)ADEKA製
KAYAHARD AA:4,4´- メチレンビス(2−エチルアニリン)、(株)日本化薬製
エタキュア100プラス:ジエチルメチルベンゼンジアミン、アルベマール社製
DDS:ジアミノジフェニルスルホン
IPDA:イソホロンジアミン
MXDA:メタキシリレンジアミン
D−230:ポリオキシプロピレンジアミン、ハンツマン社製(JEFFARMIN)
HN−2000:3or4−メチル−1,2,3,6-テトラヒドロ無水フタル酸、日立化成製
OP−1230:アルミニウムトリス(エチルホスホネート)、クラリアント社製(Exolit)
EPICRON 152:臭素型エポキシ樹脂、DIC(株)製、エポキシ当量:360g/eq.
TPP:トリフェニルホスフィン
2E4MZ:2−エチル−4−メチルイミダゾール
EHC−30:硬化促進剤、(株)ADEKA製
PX−2B:テトラブチルホスホニウム ブロマイド、日本化学工業(株)製
ED−509E:反応型希釈剤(エポキシ当量:210g/eq.)、(株)ADEKA製
ED−523T:反応型希釈剤(エポキシ当量:140g/eq.)、(株)ADEKA製
KAYAHARD AA:4,4´- メチレンビス(2−エチルアニリン)、(株)日本化薬製
エタキュア100プラス:ジエチルメチルベンゼンジアミン、アルベマール社製
DDS:ジアミノジフェニルスルホン
IPDA:イソホロンジアミン
MXDA:メタキシリレンジアミン
D−230:ポリオキシプロピレンジアミン、ハンツマン社製(JEFFARMIN)
HN−2000:3or4−メチル−1,2,3,6-テトラヒドロ無水フタル酸、日立化成製
OP−1230:アルミニウムトリス(エチルホスホネート)、クラリアント社製(Exolit)
EPICRON 152:臭素型エポキシ樹脂、DIC(株)製、エポキシ当量:360g/eq.
TPP:トリフェニルホスフィン
2E4MZ:2−エチル−4−メチルイミダゾール
EHC−30:硬化促進剤、(株)ADEKA製
PX−2B:テトラブチルホスホニウム ブロマイド、日本化学工業(株)製
〔成形性〕
500mLディスポカップに、下記〔表1〕〜〔表4〕に記載された成分を配合(単位はg)加え、25℃にて5分間スパチュラで撹拌した。その後、遊星式攪拌機を使用して更に撹拌し、樹脂組成物を得た。
真空パックに100gの炭素繊維(UT70−20G、東レ(株)製)を設置し、次いで、真空パックを真空吸引した。その後、真空ポンプを通じて前記樹脂組成物50gを真空パックに注入し、該樹脂組成物を含浸させて繊維強化プラスチック用組成物を得た。得られた繊維強化プラスチック用組成物を25℃で2時間静置後、150℃の恒温槽に2時間静置することによって硬化させ、繊維強化プラスチックを得た。
ここで、得られた繊維強化プラスチックの断面を観察し、均一に含浸しているものを○、していないものを×とした
500mLディスポカップに、下記〔表1〕〜〔表4〕に記載された成分を配合(単位はg)加え、25℃にて5分間スパチュラで撹拌した。その後、遊星式攪拌機を使用して更に撹拌し、樹脂組成物を得た。
真空パックに100gの炭素繊維(UT70−20G、東レ(株)製)を設置し、次いで、真空パックを真空吸引した。その後、真空ポンプを通じて前記樹脂組成物50gを真空パックに注入し、該樹脂組成物を含浸させて繊維強化プラスチック用組成物を得た。得られた繊維強化プラスチック用組成物を25℃で2時間静置後、150℃の恒温槽に2時間静置することによって硬化させ、繊維強化プラスチックを得た。
ここで、得られた繊維強化プラスチックの断面を観察し、均一に含浸しているものを○、していないものを×とした
〔難燃性〕
前記により得られた繊維強化プラスチックを10mm角に裁断し、ピンセットで保持した状態でライターを用いて角に着火した。自己消火したものを○、燃焼しきったものを×とした。
前記により得られた繊維強化プラスチックを10mm角に裁断し、ピンセットで保持した状態でライターを用いて角に着火した。自己消火したものを○、燃焼しきったものを×とした。
上記実施例により示された通り、本願発明の樹脂組成物は、得られた繊維強化プラスチックへの成形性に優れ、難燃性に優れた樹脂組成物であることが明らかである。
本発明の樹脂組成物は、特に難燃性に優れていることから、航空・宇宙用の繊維強化プラスチック用の樹脂組成物として使用することができ、産業上極めて有意義である。
Claims (9)
- (A)エポキシ樹脂、(B)芳香族アミン、脂肪族アミン及び酸無水物の中から選ばれる少なくとも一種である硬化剤、及び(C)下記式(1)で表される含リン化合物の中から選ばれる少なくとも一種を含有する樹脂組成物。
- 前記式(1)中、R1及びR2がそれぞれ独立して、アルキル基又はアリール基である、請求項1に記載された樹脂組成物。
- 前記式(1)中、R1及びR2が共に−NR4R5である、請求項1に記載された樹脂組成物。
- 前記式(1)中、X及びYが共に酸素原子である、請求項1〜3の何れかに記載された樹脂組成物。
- 前記式(1)中、R3が、芳香環を少なくとも1個有する炭化水素基である、請求項1〜4の何れかに記載の樹脂組成物。
- 前記式(1)中、R3が、下記一般式(2−1)、(2−2)、(2−4)、(2−5)、及び(2−6)から選択される何れかの構造を有する官能基である、請求項5に記載された樹脂組成物;
但し、前記式(2−3)中のR1及びR2は、上記式(1)のそれと同様の基を表す;
- 請求項1〜6の何れかに記載の樹脂組成物を硬化させてなる、硬化物。
- 請求項1〜6の何れかに記載の樹脂組成物及び強化繊維を含有する繊維強化プラスチック用樹脂組成物。
- 請求項1〜6の何れかに記載の樹脂組成物と強化繊維とを混合して繊維強化プラスチック用組成物を得、得られた繊維強化プラスチック用組成物を硬化させる、繊維強化プラスチックの難燃化方法。
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JP2019218701A JP2021088639A (ja) | 2019-12-03 | 2019-12-03 | 樹脂組成物、その硬化物、繊維強化プラスチック及び繊維強化プラスチックの難燃化方法 |
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WO2023157750A1 (ja) * | 2022-02-16 | 2023-08-24 | 株式会社Adeka | 繊維強化プラスチック用樹脂組成物、及び繊維強化プラスチック |
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