JP2021088514A - 毛髪処理剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 特に炭酸塩を含有する毛髪処理剤に起因するダメージ毛に対して十分に満足できる修復効果が得られ、それによりダメージ毛の良好な感触、まとまり、褪色抑制を期待できる毛髪処理剤を提供する。【解決手段】 下記(A)成分を含有する第1剤と下記(B)成分を含有する第2剤を含んで構成され、毛髪に対する前記第1剤の適用後に前記第2剤を適用するものである毛髪処理剤。(A)油性成分及び/又は平均分子量1000以上の蛋白質加水分解物(B)平均分子量200以下のペプチド又は蛋白質加水分解物【選択図】 なし

Description

本発明は毛髪処理剤に関し、より詳しくは、それぞれ所定の成分を含有する第1剤と第2剤を含んで構成され、ダメージ毛に対して第1剤と第2剤を順次に適用する毛髪処理剤に関する。
なお、本発明で言う平均分子量とは、いずれも「数平均分子量」である。
酸化染毛処理、毛髪脱色処理あるいは毛髪脱染処理によって毛髪がダメージを受けることは良く知られている。また、パーマネントウエーブ処理を受けた毛髪も、上記の酸化染毛処理等の場合とは原因が異なるが、やはりダメージを受けることが知られている。
そこで、ダメージを受けた毛髪の修復等を目的として、各種のヘアケア剤やヘアトリートメントが提案されている。
特表2009−521438号公報 特表2013−523937号公報 特開2007−326869号公報
上記特許文献1は特定の湿潤剤、特定のヘアトリートメント成分及び水を含む溶液系からなるヘアトリートメント組成物に関し、例えば、その実施例15のシルクヘアトリートメントは、ヘアトリートメント成分として0.42%のコラーゲンアミノ酸を含有している。
上記特許文献2が開示するヘアコンディショニング製品は、少なくとも1種の窒素含有アクリルモノマーを含むタンパク質−アクリレート共重合体を主要成分としており、そのタンパク質がコラーゲンアミノ酸であるアクリレート共重合体〔CROTEIN(登録商標)CAA S/F〕を例示している。
上記特許文献3は魚鱗由来加水分解コラーゲンに関し、その実施品1、2に係る皮膚用化粧水は、魚鱗由来加水分解コラーゲンと、毛髪のコンディショニング成分として周知の油性成分を数種含有している。なお、幾つかの比較品では魚鱗由来加水分解コラーゲンに代えて牛皮由来加水分解コラーゲン等を用いている。
以上の特許文献1〜3が開示するように、ヘアトリートメント、ヘアコンディショニング、ヘアケア等と呼ばれる毛髪処理剤はダメージケア成分として 蛋白質、ペプチド又はアミノ酸や各種の油性成分を配合し、あるいはこれらの成分を組合わせて配合する場合がある。しかし、従来のこれらの毛髪処理剤からは必ずしも十分に満足できるダメージ毛の修復効果が得られていない。特に、炭酸塩を用いた毛髪処理剤に起因するダメージ毛に対する修復効果があるものは、これまでなかった。
本願発明者は、これらのダメージケア成分には、ダメージ毛の修復において異なる役割があるのではないか、と考えた。そして異なる種類のダメージケア成分をダメージ毛に対して混合物として同時に適用するのではなく、ダメージケア成分の異なる役割に応じて所定の順序で適用することで、ダメージ毛に対する新たな修復効果を実現できる可能性に想到した。
そこで本発明は、特に炭酸塩を含有する毛髪処理剤に起因するダメージ毛に対して十分に満足できる修復効果が得られ、それによりダメージ毛の良好な感触、まとまり、褪色抑制を期待できる毛髪処理剤を提供することを、解決すべき技術的課題とする。
(第1発明の構成)
本願第1発明は、下記(A)成分を含有する第1剤と下記(B)成分を含有する第2剤を含んで構成され、毛髪に対する前記第1剤の適用後に前記第2剤を適用するものである毛髪処理剤である。
(A)油性成分及び/又は平均分子量1000以上の蛋白質加水分解物
(B)平均分子量200以下のペプチド又は蛋白質加水分解物
なお、第1剤の適用と第2剤の適用の間に水洗いを挟んでも良く、挟まなくても良い。
(第2発明の構成)
本願第2発明においては、前記第1発明に係る毛髪処理剤の第2剤における(B)成分の含有量が、0.001〜2質量%である。
(第3発明の構成)
本願第3発明においては、前記第1発明又は第2発明に係る毛髪処理剤が、毛髪に対する第1剤の適用後、少なくとも10秒を経過してから、より好ましくは30秒を経過してから、更に好ましくは60秒を経過してから第2剤を適用するものである。
(第4発明の構成)
本願第4発明においては、前記第1発明〜第3発明のいずれかに係る毛髪処理剤における(B)成分のペプチド又は蛋白質加水分解物がコラーゲン由来のものである。
(第5発明の構成)
本願第5発明においては、前記第1発明〜第4発明のいずれかに係る毛髪処理剤が、酸化染毛処理、毛髪脱色処理、毛髪脱染処理又はパーマネントウエーブ処理を受けたダメージ毛に適用するものである。
(第1発明の効果)
(A)、(B)両成分は共にコンディショニング成分であるが、ダメージ毛に対する両成分の具体的な効果は完全には重複しない蓋然性が高い。その結果、従来の1剤式ヘアケア剤における両成分の併用(ダメージ毛への同時適用)は一定の相補的効果を期待できるものである。しかし前記したように、これらのダメージ毛修復効果は、必ずしも十分に満足できるものではない。
第1発明では、ダメージ毛に対して(A)油性成分及び/又は平均分子量1000以上の蛋白質加水分解物を含有する第1剤をまず適用し、その後(B)平均分子量200以下のペプチド又は蛋白質加水分解物を含有する第2剤を適用するため、良好な感触、まとまり、褪色抑制等の毛髪ダメージ修復効果を十分に期待できる。ダメージ毛に対して(A)成分と(B)成分を同時に作用させた場合には、後述する比較例6で実証されるように、以上の効果は十分には得られない。
以上の第1発明の効果が得られる理由は明白には解明していないが、次のように推定している。即ち、(A)成分の適用により、ダメージ毛の内部に(B)成分の定着を促進する「足場」のような定着サイトが作られる。その後に(B)成分を適用すると、定着サイトの存在によりダメージ毛に対する(B)成分の定着率が高くなり、良好な感触、まとまり、褪色抑制等の修復効果を十分に得ることができる。
なお、(A)成分における「油性成分」は多種多様な広範囲の物質群を含むカテゴリーであって、本願発明者は、全ての種類の油性成分について個々に上記の効果を確認した訳ではない。しかし、上記のように第1発明の効果には(A)油性成分の疎水性が関与していると推定しており、従って当該効果は油性成分について一般的に成り立つ蓋然性が高いと考えている。
ダメージ毛に対して(A)成分と(B)成分を同時に作用させた場合に十分な修復効果が得られない理由は、(B)成分の適用時において上記定着サイトが予め十分には形成されていないためであると考えている。
(第2発明の効果)
第1発明における前記(B)成分の含有量は限定されないが、0.001〜2質量%の範囲内とすることが好ましい。
(第3発明の効果)
ダメージ毛に対する第1剤、第2剤の適用の間に、少なくとも10秒を経過していることが好ましい。そのことにより、ダメージ毛の表面に定着サイトが予め十分に形成されると推定され、良好な感触効果が得られる。
なお、上記の少なくとも10秒(例えば、60秒)を経過する間の適宜なタイミングにおいて、処理毛髪の水洗を行うことが、より好ましい。
(第4発明の効果)
(B)成分としては、構成アミノ酸としてプロリンやヒドロキシプロリンが比較的多く、感触面での効果が高いという理由から、コラーゲン由来のものが特に好ましい。
(第5発明の効果)
本発明の毛髪処理剤は通常の健常毛に適用することもできるが、好ましくはダメージ毛に適用される。具体的な適用対象としては、酸化染毛処理、毛髪脱色処理、毛髪脱染処理又はパーマネントウエーブ処理を受けたダメージ毛が挙げられる。
以下に本発明の実施形態をその最良の形態を含めて説明する。本発明の技術的範囲は以下の実施形態によって限定されない。
〔毛髪処理剤〕
本発明の毛髪処理剤は、少なくとも第1剤及び第2剤を含んで構成される複数剤式であって、第1剤及び第2剤の他に適宜な組成の第3剤等を含んで構成されても良い。その用途としては、例えばヘアケア剤、ヘアコンディショナー、ヘアトリートメント等として使用される他、シャンプー、直接染料を用いる染毛料、ヘアスタイリング剤等としても使用することができる。
上記の3剤式とする場合には、例えば、第1剤(先に適用する剤)と第2剤(2番目に適用する剤)に(A)成分を含有させ、第3剤(3番目に適用する剤)に(B)成分を含有させることが好ましい。更にこの場合、第1剤に含有させる(A)成分を平均分子量1000以上の蛋白質加水分解物とし、第2剤に含有させる(A)成分を植物油とすることが好ましい。
毛髪に対する第1剤と第2剤の適用量比は、両剤における(A)成分、(B)成分それぞれの含有量にも関係するため、限定されない。しかし、一般的には、第1剤:第2剤=1:10〜10:1の範囲内の適用量比とすることが好ましい。
毛髪処理剤の第1剤及び第2剤の剤型は特段に限定されず、任意に選択可能である。例えばクリーム状、乳液状等の乳化物、液状、ジェル状、ムース状等の剤型にして用いることができる。乳化物においても、O/W型 、W/O型等を選択可能である。ムース状においても、エアゾール、ノンエアゾール等とすることができ、ノンエアゾールとして、スクイズフォーマー式やポンプフォーマー式等の種々の形態をとることができる。
〔第1剤〕
毛髪処理剤の第1剤は、(A)成分である油性成分及び/又は平均分子量1000以上の蛋白質加水分解物を含有するが、特に好ましくは油性成分である。その油性成分としては、例えば、高級アルコール、シリコーン類、油脂、ロウ、炭化水素、高級脂肪酸、アルキルグリセリルエーテル及びエステルが挙げられるが、特に、毛髪の感触やまとまりの点から高級アルコールが好ましく、褪色抑制の点から植物油が好ましい。
高級アルコールとしては、セチルアルコール( セタノール)、ベヘニルアルコール、2−ヘキシルデカノール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、オレイルアルコール、アラキルアルコール、2−オクチルドデカノール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、デシルテトラデカノール及びラノリンアルコールを例示できる。特にセタノール、ベヘニルアルコーール、ステアリルアルコールを用いることが好ましい。
シリコーン類としては、ジメチルポリシロキサン(ジメチコン)、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、末端水酸基変性ジメチルポリシロキサン(ジメチコノール)、650〜10000の平均重合度を有する高重合シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン(例えば、(PEG/PPG/ブチレ/ジメチコン)コポリマー)、アミノ変性シリコーン、ベタイン変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン及びフッ素変性シリコーンを例示できる。
油脂としては、植物油及び動物油が挙げられる。植物油としては、アボカド油、マンゴー種子脂、オリーブ油、ツバキ油、シア脂、カカオ脂、アーモンド油、サフラワー油、ヒマワリ油、大豆油、綿実油、ゴマ油、トウモロコシ油、ナタネ油、コメヌカ油、コメ胚芽油、ブドウ種子油、マカダミアナッツ油、ヒマシ油、ヤシ油及び月見草油を例示できる。
動物油としては、肝油、鯨油、鮫油、ラード(豚脂)及びヘット(牛脂)を例示できる。
ロウとしては、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、モクロウ、コメヌカロウ、モンタンロウ、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスを例示できる。
炭化水素としては、パラフィン、オレフィンオリゴマー、ポリイソブテン、水添ポリイソブテン、ミネラルオイル、スクワラン、ポリブテン、ポリエチレン、ワセリンを例示できる。
高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、ラノリン脂肪酸を例示できる。
アルキルグリセリルエーテルとしては、バチルアルコール、キミルアルコール、セラキルアルコール、及びイソステアリルグリセリルエーテルを例示できる。
エステルとしては、アジピン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ステアリル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸イソトリデシル、パルミチン酸2 − エチルへキシル、リシノール酸オクチルドデシル、10〜30の炭素数を有する脂肪酸からなるコレステリル/ ラノステリル、乳酸セチル、酢酸ラノリン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、カプリン酸セチル、トリカプリル酸グリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、コハク酸ジオクチル、コハク酸ジエトキシエチル、2−エチルヘキサン酸セチルを例示できる。
平均分子量1000以上の蛋白質加水分解物としては、加水分解コラーゲン、加水分解ケラチン、加水分解ダイズ、加水分解コムギ、加水分解シルク、加水分解コメタンパク、加水分解アーモンドタンパク、加水分解コンキオリンを例示できる。毛髪処理剤の第1剤における(A)成分の含有量は特段に限定されないが、その下限値として好ましくは0.01質量%、より好ましくは0.1質量%、更に好ましくは1質量%であり、その上限値として好ましくは20質量%、より好ましくは15質量%、更に好ましくは10質量%である。
〔第2剤〕
毛髪処理剤の第2剤は、(B)成分である平均分子量200以下のペプチド又は蛋白質加水分解物を含有する。ここに「ペプチド」とは、蛋白質の加水分解物から分離された、主としてアミノ酸のオリゴマーからなる分画を指しており、「蛋白質加水分解物」とは、一定の蛋白質を加水分解処理した後の、いわゆる粗タンパクや灰分を含んだ状態の混合物、あるいはこれを精製したタンパクを言う。
(B)成分である平均分子量200以下のペプチド又は蛋白質加水分解物は、コラーゲン由来のものであることが、プロリンやヒドロキシプロリンを多く含むと言う理由から、特に好ましい。
毛髪処理剤の第2剤における(B)成分の含有量は特段に限定されないが、その下限値として好ましくは0.0001質量%、より好ましくは0.0005質量%、更に好ましくは0.001質量%であり、その上限値として好ましくは5質量%、より好ましくは4質量%、更に好ましくは2質量%である。
〔第1剤、第2剤における上記以外の成分〕
毛髪処理剤の第1剤、第2剤には、本発明の効果を阻害しない限りにおいて、任意の成分を配合することができる。当該任意成分としては、例えば、溶剤、界面活性剤、糖、防腐剤、キレート化剤、安定剤、pH調整剤、植物抽出物、生薬抽出物、カチオン化多糖を含むカチオン化ポリマー、カルボキシビニルポリマー等の水溶性高分子、ビタミン、香料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、無機塩等を例示できる。第1剤、第2剤における任意成分の含有量は限定されず、適宜に決定することができる。これらの任意成分の内、主な幾つかの成分について、以下に順次述べる。
(溶剤)
溶剤としては、水及び有機溶媒を例示できる。有機溶媒としては、エタノール、イソプロパノール、ベンジルアルコール、ベンジルオキシエタノール、グリコール、グリセリンを例示できる。グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、イソプレングリコール、1,3−ブチレングリコールを例示できる。グリセリンとしては、グリセリン、ジグリセリン、及びポリグリセリンを例示できる。
(界面活性剤)
界面活性剤は、例えば乳化剤、各成分を可溶化させる可溶化剤等として配合される。組成物の粘度を調整したり、粘度安定性を向上させたりするためにも配合される。界面活性剤としては、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム( セトリモニウムクロリド) 、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウムサッカリン、セチルトリメチルアンモニウムサッカリン、塩化メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム、及びメチル硫酸ベヘニルトリメチルアンモニウムを例示できる。
アニオン性界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン等のアルキル硫酸エステル塩、POEラウリルエーテル硫酸ナトリウム等のアルキルエーテル硫酸エステル塩、ステアロイルメチルタウリンナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、テトラデセンスルホン酸ナトリウム、POEラウリルエーテルリン酸及びその塩、N−ラウロイルグルタミン酸塩類、N−ラウロイルメチル−β−アラニン塩類を例示できる。
両性界面活性剤としては、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン等の各種ベタイン類の他、ラウロアンホ酢酸ナトリウム及びココアンホ酢酸ナトリウム等を例示できる。
非イオン性界面活性剤としては、エーテル型非イオン性界面活性剤、エステル型非イオン性界面活性剤、脂肪族アルカノールアミドを例示できる。
エーテル型非イオン性界面活性剤としては、POEセチルエーテル( セテス)、 POEステアリルエーテル(ステアレス)、POEベヘニルエーテル、POE オレイルエーテル(オレス)、POEラウリルエーテル(ラウレス)、POEオクチルドデシルエーテルを例示できる。
エステル型非イオン性界面活性剤としては、モノステアリン酸POEグリセリン、モノミリスチン酸POEグリセリン、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、親油型モノオレイン酸グリセリン、自己乳化型モノステアリン酸グリセリン、モノラウリン酸デカグリセリルを例示できる。
脂肪族アルカノールアミドとして、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドを例示できる。
糖としてはソルビトール、マルトース、N−アセチルグルコサミンを例示できる。防腐剤としてはパラベン、メチルパラベン、安息香酸ナトリウム、フェノキシエタノールを例示できる。キレート化剤としてはエチレンジアミン四酢酸(EDTA)及びその塩類、ジエチレントリアミン五酢酸及びその塩類、ヒドロキシエタンジホスホン酸(エチドロン酸、HEDP)及びその塩類を例示できる。
以下に本発明の実施例及び比較例を説明する。本発明の技術的範囲はこれらの実施例及び比較例によって限定されない。
〔毛髪処理剤の調製〕
末尾の表1、2に示す実施例1〜20及び比較例1〜7係る毛髪処理剤の第1剤及び第2剤を常法に従って調製した。表1に示す実施例及び比較例は共に高級アルコールを配合していてクリーム状であったが、表2に示す各実施例は乳液状であった。これらの表において、本発明の(A)成分であるものには「(A)」、(B)成分であるものには「(B)」と、それぞれ成分名の左側欄外に付記した。成分名の左側欄外に「(a)」と付記した成分は(A)成分に対する比較用の成分、「(b)」と付記した成分は(B)成分に対する比較用の成分である。
なお、表中の「方法」と記載した欄に例えば「I→II」と記載した例では、評価対象であるダメージ毛に対して第1剤→第2剤の順に適用したことを示し、「II→I」と記載した例では、評価対象であるダメージ毛に対して第2剤→第1剤の順に適用したことを示す。これらの実施例、比較例では、両剤の処理の中間において、表の「中間水洗」の欄に示すように、実施例12を除き、後述する3分間放置の間に水洗(すすぎ)を行っている。
なお「I+II」と記載した例は第1剤と第2剤を適用直前に混合して同時に適用したことを示す。
〔毛髪処理剤の評価方法〕
酸化染毛剤の第1剤に用いるアルカリ剤として、28%アンモニア水を4質量%、及び炭酸水素アンモニウムを4質量%配合した2剤式酸化染毛剤による処理を3回繰返した毛束サンプル(ビューラックス社製の長さ10cmの黒毛の毛束)を用いて、各実施例及び各比較例に係る毛髪処理剤を評価した。
各実施例において、第1剤を毛束サンプル1g当り3gとなるように塗布してから30℃で3分間放置した。その後、毛束に付着した第1剤を水ですすいだ後、 第2剤を毛束の1g当り3gとなるように塗布してから、30℃で3分間放置した。処理後に水で洗い流し、続いて毛束を温風で乾燥し、乾燥後の毛束について毛先の感触、まとまりをそれぞれ以下の評価基準に基づいて評価した。
比較例1においては上記の第1剤処理のみを行って水で洗い流し、毛束を温風で乾燥してから評価し、比較例3においては上記の第2剤処理のみを行って水で洗い流し、毛束を温風で乾燥してから評価し、比較例4においては上記の第2剤処理を行ってから第1剤処理を行い、比較例6においては第1剤処理と第2剤処理を同時に行った。
〔毛髪処理剤の評価基準〕
「感触」の評価は、毛束の毛先を触ることで潤い度合いを評価した。「まとまり」の評価は、毛束の毛先の広がりを目視で評価した。評価が優れる場合を5点、評価が良好である場合を4点、評価が可である場合を3点、評価がやや不良である場合を2点、評価が不良である場合を1点として5名のパネラーが採点し、各パネラーの採点の平均値を算出した。
平均値が4.6点以上であればポイント「5」、平均値が4.6点未満で3.6点以上であればポイント「4」、平均値が3.6点未満で2.6点以上であればポイント「3」、平均値が2.6点未満で1.6点以上であればポイント「2」、平均値が1.6点未満であればポイント「1」とした。各実施例、比較例の評価結果を表の「感触」「まとまり」の欄に示す。
「褪色抑制」の評価は、各実施例、比較例の毛髪処理剤で上記のように処理したサンプル毛束について、2週間分に相当するシャンプーを繰り返したときの毛束の色を評価した。その際、同上の酸化染毛処理をしてからトリートメント処理をしていないサンプル毛束を比較用のコントロールとした。
コントロールに対して色の差を5名のパネラーが採点し、色の差が少ない場合を5点 色の差が大きいときを1点として、各パネラーの採点の平均値を算出し、各パネラーの採点の平均値を算出して、上記「感触」、「まとまり」の場合と同じ方法でポイントを定めた。各実施例、比較例の評価結果を表の「褪色抑制」の欄に示す。
Figure 2021088514
Figure 2021088514
〔3剤式毛髪処理剤の処方例〕
末尾の表3に本発明に係る3剤式毛髪処理剤の処方例を示す。表3中、第1剤の組成は「I」の表記、第2剤の組成は「II」の表記、第3剤の組成は「III」の表記によって示す。
Figure 2021088514
本発明によれば、特に炭酸塩を含有する毛髪処理剤に起因するダメージ毛に対して十分に満足できる修復効果が得られ、それによりダメージ毛の良好な感触、まとまり、褪色抑制を期待できる毛髪処理剤が提供される。

Claims (5)

  1. 下記(A)成分を含有する第1剤と下記(B)成分を含有する第2剤を含んで構成され、毛髪に対する前記第1剤の適用後に前記第2剤を適用するものである毛髪処理剤。
    (A)油性成分及び/又は平均分子量1000以上の蛋白質加水分解物
    (B)平均分子量200以下のペプチド又は蛋白質加水分解物
  2. 前記毛髪処理剤の第2剤における(B)成分の含有量が0.001〜2質量%である請求項1に記載の毛髪処理剤。
  3. 毛髪に対する第1剤の適用後、少なくとも10秒を経過してから第2剤を適用するものである請求項1又は請求項2に記載の毛髪処理剤。
  4. 前記(B)成分のペプチド又は蛋白質加水分解物がコラーゲン由来のものである請求項1〜請求項3のいずれかに記載の毛髪処理剤。
  5. 酸化染毛処理、毛髪脱色処理、毛髪脱染処理又はパーマネントウエーブ処理を受けたダメージ毛に適用するものである請求項1〜請求項4のいずれかに記載の毛髪処理剤。

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