JP2021088375A - 個食炊飯用包装容器及び炊飯米入り密封容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】炊飯米が容器底部にべたつくことを防止しつつ、良好な食味を有することができ、かつ、効率良く炊飯することができる個食炊飯用包装容器を提供する。また、この個食炊飯用包装容器を用いて製造される炊飯米入り密封容器を提供する。【解決手段】少なくとも米と水とを収容した状態で加熱することにより、米飯を炊飯可能な個食炊飯用包装容器であって、底面部と、前記底面部の周囲から立設する側壁部とを備えており、前記底面部は、粗面部を有し、前記粗面部は、前記底面部の内側面から突出し、所定間隔をあけて配置される複数の微小な凸部から形成されていることを特徴とする個食炊飯用包装容器。【選択図】図2
Description
本発明は、個食炊飯用包装容器及び炊飯米入り密封容器に関する。
従来から様々な容器入りのインスタント食品が知られている。例えば、湯を注いで、所定時間経過後に食することができるものや、電子レンジで加熱して食することができるもの、水を注いで、電子レンジで加熱して食することができるもの等様々なものが知られている。
特に、近年、インスタント食品として、米飯を個食炊飯用包装容器に入れて無菌包装した、いわゆる無菌包装食品が普及しつつある。米飯を包装した無菌包装食品においては、例えば、図7の断面図に示すような個食炊飯用包装容器100に、米と水とを収容し、該包装容器ごと加熱して炊飯する製造方法が用いられている。
しかしながら、包装容器に、米と水とを収容して包装容器ごと炊飯することにより製造された米飯の無菌包装食品は、炊飯米が容器底部にべたついて容易に取り出すことが難しく、また、食味についても必ずしも満足できるレベルではなく、まだまだ改良の余地があるというものであった。また、炊飯工程において効率良く炊飯することできる包装容器の開発も望まれている。
本発明は、このような問題を解消するためになされたものであり、炊飯米が容器底部にべたつくことを防止しつつ、良好な食味を有することができ、かつ、効率良く炊飯することができる個食炊飯用包装容器を提供することを目的とする。また、この個食炊飯用包装容器を用いて製造される炊飯米入り密封容器を提供することを目的とする。
本発明の前記目的は、少なくとも米と水とを収容した状態で加熱することにより、米飯を炊飯可能な個食炊飯用包装容器であって、底面部と、前記底面部の周囲から立設する側壁部とを備えており、前記底面部は、粗面部を有し、前記粗面部は、前記底面部の内側面から突出し、所定間隔をあけて配置される複数の微小な凸部から形成されていることを特徴とする個食炊飯用包装容器により達成される。
また、上記個食炊飯用包装容器に関し、前記底面部の外側面には、前記各凸部に対応する位置に、前記底面部の内側面に向けてくぼむ凹部が形成されていることが好ましい。
また、前記凹部は、前記凸部の頂部に向けてくぼむ構造を有することが好ましい。
また、前記凸部は、前記底面部の略全域に亘って形成されていることが好ましい。
また、各凸部の高さ寸法は、生米の幅寸法に対して、0.3倍以上0.8倍以下の範囲であることが好ましい。
また、一の凸部と、該一の凸部の周りに隣接配置される他の各凸部との頂点間寸法は、生米の幅寸法に対して、0.3倍以上2.3倍以下の範囲であることが好ましい。
また、各凸部は、平面視格子状に配列することができる。
また、前記粗面部を構成する複数の前記凸部は、第1凸部と、前記第1凸部よりも表面積が大きい第2凸部との集合として構成されていることが好ましい。
また、前記底面部の周囲から立設する前記側壁部の上端部には、水平方向外側に延びるフランジ部を形成してもよい。
また、本発明の前記目的は、上述の個食炊飯用包装容器と、前記個食炊飯用包装容器に収容される炊飯米と、前記個食炊飯用包装容器の上部開口に配置され、前記個食炊飯用包装容器内を密封するシール部とを備える炊飯米入り密封容器により達成される。
この炊飯米入り密封容器に関して、前記炊飯米の炊飯倍率は、2.3以上2.6以下となるように構成することができる。
本発明によれば、炊飯米が容器底部にべたつくことを防止しつつ、良好な食味を有することができ、かつ、効率良く炊飯することができる個食炊飯用包装容器を提供することを目的とする。また、この個食炊飯用包装容器を用いて製造される炊飯米入り密封容器を提供することを目的とする。
以下、本発明の実施形態に係る個食炊飯用包装容器について添付図面を参照して説明する。なお、各図は、構成の理解を容易ならしめるために部分的に拡大・縮小している。図1は、本発明の一実施形態に係る個食炊飯用包装容器1を示す平面図であり、図2は、そのA−A断面における概略構成断面図である。また、図3は、図2の要部拡大図であり、図4は、図1の要部拡大図である。本発明に係る個食炊飯用包装容器1は、少なくとも米と水とを収容した状態で加熱することにより、米飯を炊飯可能な包装容器である。ここで、本発明における米とは、例えば、精白米、玄米、雑穀米等を含む概念である。
本発明に係る個食炊飯用包装容器1は、例えば、合成樹脂シートを用いて、プレス成形や射出成形、真空成形等により作製される容器である。この個食炊飯用包装容器1は、可撓性を備えるように構成することができる。合成樹脂シートとしては、例えば、非発泡ポリスチレン、発砲ポリスチレン、非発泡ポリプロピレン、発砲ポリプロピレン、非発泡ポリエチレン、発泡ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート等の熱可撓性プラスチックを適正な硬度と強靭性を有するようにシート状に形成したものを用いることができる。
個食炊飯用包装容器1は、上面が開口する形状を有しており、図1等に示すように、円形の底面部2と、当該底面部2の周囲(周縁)から上方に向けて立設する側壁部3と、当該側壁部3の上端部(開口部)の周囲に設けられるフランジ部4とを備えている。
底面部2は、個食炊飯用包装容器1の底面を構成する部位である。この底面部2の厚みは、例えば、0.5mm以上5.0mm以下の範囲に設定することが好ましい。また、底面部2の直径は、収容される米や水の量によって適宜設定することができるが、例えば、一人前用(例えば、重量150gの炊飯米)の個食炊飯用包装容器1を構成する場合には、例えば、50mm以上120mm以下の範囲に設定することが好ましい。
この底面部2は、図1〜図4に示すように、粗面部5を備えている。この粗面部5は、底面部2の内側面から収容空間側に向けて突出し、所定間隔をあけて配置される複数の微小な凸部51から形成されている。これら複数の微小な凸部51は、底面部2の略全域に亘って、格子状に配列されている。なお、各凸部51同士の間には、間隙部52が形成されている。ここで、各凸部51は、平面視において、その底部における幅寸法L1が、生米の幅寸法に対して、0.3倍以上1.5倍以下の範囲となるように構成することが好ましい。また、各凸部51の高さ寸法H(底面部2の内側表面から頂部までの高さ寸法)が、生米の幅寸法に対して、0.3倍以上0.8倍以下の範囲となるように構成することが好ましい。また、一の凸部51と、当該一の凸部51の周りに隣接配置される他の各凸部51との頂点間寸法L2は、生米の幅寸法に対して、0.3倍以上2.3倍以下の範囲となるように構成することが好ましい。本実施形態においては、凸部51の配列構造として格子状配列を採用しているので、互いに横方向及び縦方向に隣接する各凸部51同士の頂点間の寸法L2が、生米の幅寸法に対して、0.3倍以上2.3倍以下の範囲となるように構成することが好ましい。なお、図3に示すように、凸部51同士の間に、底面部2の平坦な内側表面2aが現れるように構成する場合には、底面部2の内側表面との各凸部51(51a,51b)の裾野部分の境界間の寸法L3は、生米の幅寸法よりも小さい寸法となるように構成することが好ましく、特に、生米の幅寸法に対して、0.3倍以上0.8倍以下の範囲となるように構成することが好ましい。
ここで、生米の幅寸法とは、一粒の生米の短手方向の最大幅を意味する。また、例えば、複数個(例えば、25粒、50粒、100粒等)の生米のそれぞれについて最大幅を計測し、その平均値を生米の幅寸法とすることもできる。
また、図2の断面図に示すように、本実施形態においては、底面部2の外側面には、上述の各凸部51に対応する位置に、底面部2の内側面に向けてくぼむ凹部6が形成されている。各凹部6は、対応する各凸部51の頂部に向けてくぼむ構造を備えている。ここで、各凹部6は、その開口部の幅寸法が0.5mm以上5mm以下の範囲となるように構成することが好ましい。また、各凹部6の深さは、0.05mm以上5mm以下の範囲となるように構成することが好ましい。
また、粗面部5を構成する複数の凸部51は、第1凸部51aと第2凸部51bとの集合として構成されている。第2凸部51bは、第1凸部51aよりも表面積が大きい凸部51として構成されている。また、各第1凸部51aと各第2凸部51bは、横方向及び縦方向に沿って交互に配列されている。
本実施形態においては、図3や図4に示すように、各第1凸部51aは半球状に、各第2凸部51bは半楕円球状に構成されている。換言すると、第1凸部51aを平面視において円形状輪郭を有する形態として構成し、第2凸部51bを平面視において楕円形状輪郭を有する形態として構成している。また、半球状の各第1凸部51aの最大幅(底面部2との接続部分における幅)は、半楕円球状の各第2凸部51bの短径方向の幅(底面部2との接続部分における幅)と略同一寸法となるように構成されている。
また、各第1凸部51aに対応する位置であって、底面部2の外側面に形成される各凹部6の内面形状は、半球状に形成されている。同様に、各第2凸部51bに対応する位置であって、底面部2の外側面に形成される各凹部6の内面形状は、の半楕円球状の第2凸部51bに沿う半楕円球状に形成されている。
また、図4に示すように、例えば、横方向に並ぶ一の凸部群511に着目した場合、この一の凸部群511において配列される楕円形状輪郭を有する各第2凸部51bは、その短径方向が横方向(一の凸部群511の配列方向)に沿うように配置されており、上記一の凸部群511の上方側(或いは、下方側)に隣接して横方向に並ぶ他の凸部群512において配列される各第2凸部51bは、その長径の方向が横方向(他の凸部群512の配列方向)に沿うように配置されている。また、一の凸部群511及び他の凸部群512に着目して、各第1凸部51a及び各第2凸部51bは、横方向に沿って互い違いに配置されている。
側壁部3は、個食炊飯用包装容器1の側面を構成する部位であり、上述のように底面部2の周囲(周縁)から上方に向けて立ち上がるように構成されている。この側壁部3は、図2の断面図に示すように、底面部2から上方に行くに従って外方に広がるように形成されている。この側壁部3の厚みは、上記底面部2の厚みと同じ寸法として構成することが好ましい。また、側壁部3の高さは、収容される米や水の量によって適宜設定することができるが、例えば、一人前用の個食炊飯用包装容器1を構成する場合には、例えば、20mm以上100mm以下の範囲に設定することが好ましい。
フランジ部4は、パッケージの外装となるシール部(図示せず)が熱溶着により貼り付けられる部位であり、側壁部3の上端部から水平方向外側に延びる面(シール部との貼着面)を有するように構成されている。フランジ部4は、平面視リング状に形成されている。このフランジ部4の厚みに関しては、上記底面部2の厚みと同じ寸法として構成することができるが、シール部を熱融着する際の破損防止を考慮して、底面部2の厚みよりも大きく設定することが好ましい。
次に、本発明に係る個食炊飯用包装容器1を用いて無菌包装の炊飯米入り密封容器を製造する方法の一例について図5を用いて説明する。図5は、炊飯米入り密封容器を製造する装置の模式図である。この装置9は、個食炊飯用包装容器1を供給する包装容器供給装置91と、ベルトコンベア等の搬送装置92と、米を個食炊飯用包装容器1に供給する米供給装置93と、水を個食炊飯用包装容器1に供給する水供給装置94と、炊飯室95と、シール装置96と、加熱滅菌装置97とを備えている。搬送装置92は、炊飯室95内を通過するように構成されている。なお、炊飯米入り密封容器における炊飯米を炊き込みご飯として構成する場合には、個食炊飯用包装容器1が炊飯室95内に導かれる前段階で、炊き込みご飯用の具材を個食炊飯用包装容器1に供給可能な具材供給装置を別途設ける。
まず、包装容器供給装置91の作用により、個食炊飯用包装容器1を一個ずつ搬送装置92の搬送面上に供給する。次いで、米供給装置93及び水供給装置94を介して、搬送面上に供給された各個食炊飯用包装容器1に対して、所定量の米と水とを供給する。米と水とを収容した各個食炊飯用包装容器1は、搬送装置92によって順次炊飯室95内に導かれ、当該炊飯室95にて所定時間加熱されることにより、炊飯される。
炊飯が完了後、個食炊飯用包装容器1は、シール装置96に搬送され、クリーンな環境下で個食炊飯用包装容器1のフランジ部4にシール部を被せて個食炊飯用包装容器1の上部開口を塞いで熱溶着し、個食炊飯用包装容器1は密封される。その後、加熱滅菌装置97において、例えば、100℃〜120℃で個食炊飯用包装容器1を加熱することにより、常温で1週間程度の保存が可能な無菌包装の炊飯米入り密封容器が完成する。
本発明に係る炊飯米入り密封容器は、炊飯米を収容する個食炊飯用包装容器1が、底面部2の内側面から突出し、所定間隔をあけて配置される複数の微小な凸部51から形成される粗面部5を備えているため、容器内部に収容されている炊飯米と底面部2との密着力を弱めることが可能となり、シール部を取り外して炊飯米を食する際に、炊飯米が底面部2表面にべたつかず、容易に取り出すことを可能にする。
また、個食炊飯用包装容器1が、上述の粗面部5を備えることにより、底面部2における内側面の表面積が増大することとなる。これにより、炊飯時に底面部2に供給される熱を、個食炊飯用包装容器1に収容される米及び水に効果的に付与することが可能となる。つまり、炊飯時の伝熱量を大きくすることができるので、効率良く炊飯することが可能となる。
また、特に、上記実施形態において、底面部2の外側面には、各凸部51に対応する位置に、底面部2の内側面に向けてくぼむ凹部6が形成されている。このような構成により、底面部2の外側面の表面積も増大することになるため、炊飯時において、個食炊飯用包装容器1の外部から当該容器が吸収する熱量を大きくすることが可能となり、より一層、効率良く炊飯することが可能となる。
また、上記実施形態においては、底面部2の外側面に形成される各凹部6は、対応する各凸部51の頂部に向けてくぼむように構成されている。このような構成を採用することにより、各凹部6の内面と各凸部51の外面との距離を小さくすることができるため、個食炊飯用包装容器1の外部から供給される熱を効率良く底面部2の内側面側に伝達することが可能となり、伝熱ロスを減じて、個食炊飯用包装容器1の内側に収容される米及び水を加熱することができる。
また、粗面部5は、複数の微小な凸部51を備えているため、底面部2に接触する米粒に関し、炊飯時において、底面部2と米粒との接触面積を減じることができ、かつ、炊飯時に底面部2と米との間に水が存在する状況を作り出すことができる。その結果、炊飯されたご飯が底面部2の表面に付きにくくすることができると共に、底面部2の近傍に存在する米に対しても適切な水及び温度を付与することが可能となり、炊飯されたご飯の食味を良くすることができる。
特に、各凸部51の高さ寸法Hが、生米の幅寸法に対して、0.3倍以上0.8倍以下の範囲となるように設定することにより、炊飯時において米が水分を吸収して膨張する際に、米の表面が底面部2の表面に引っ付くことを効果的に抑制することができ、また、炊き上がり時に、炊き上がったご飯と底面部2との間に、空間部を形成することができるため、喫食時に容器からご飯を容易に取り出すことが可能となる。なお、各凸部51の高さ寸法Hが、生米の幅寸法に対して、0.8倍を超えた値になると、底面部2の凸部51同士の間隙部52において、生米が起立した状態で載置される場合が生じることになる。このような場合、凸部51の表面に米の表面が広い範囲で接触するリスクが生じ、炊飯米がべたつくおそれがある。また、各凸部51の高さ寸法Hが、生米の幅寸法に対して、0.3倍未満の値に設定すると、炊飯過程において、膨張した米が底面部2の表面に接触するリスクが高くなり、炊飯米がべたつくおそれがある。
また、各凸部51同士の頂点間の寸法L2が、生米の幅寸法に対して、0.3倍以上2.3倍以下の範囲となるように設定することにより、一粒の生米に接触する底面部2の面積を効果的に低減させつつ、炊飯時に、底面部2と底面部2上に載置される米との間に水が存在する状況を効果的に作り出すことができるため、上述の炊飯されたご飯が底面部2の表面に付きにくくすることができるという効果、及び、食味を良くするという効果をより一層高めることができる。なお、各凸部51同士の頂点間の寸法L2を、生米の幅寸法に対して0.3倍未満に設定すると、一粒の生米に接触する凸部51の個数が増加してしまい、結果として、底面部2に接触する一粒の生米当たりの面積が増大してしまい、炊飯米がべたつくリスクが高くなる。また、各凸部51同士の頂点間の寸法L2を、生米の幅寸法に対して2.3倍を超える寸法に設定すると、凸部51以外の部分(凸部51同士の間に存在する底面部2の平坦な内側表面2a)に接触する生米の個数が増加するリスクが高くなり、炊飯米がべたつくおそれがある。
また、図3に示すように、凸部51同士の間に、底面部2の平坦な内側表面2aが現れるように構成する場合において、底面部2の内側表面との各凸部51(51a,51b)の裾野部分の境界間の寸法L3が、生米の幅寸法に対して、0.3倍以上0.8倍以下の範囲となるように設定することにより、一粒の生米に接触する底面部2の面積を効果的に低減させつつ、炊飯時に、底面部2と底面部2上に載置される米との間に水が存在する状況をより効果的に作り出すことができるため、上述の炊飯されたご飯が底面部2の表面に付きにくくすることができるという効果、及び、食味を良くするという効果をより一層高めることができる。なお、寸法L3を、生米の幅寸法に対して0.3倍未満に設定すると、一粒の生米に接触する凸部51の個数が増加してしまい、結果として、底面部2に接触する一粒の生米当たりの面積が増大してしまい、炊飯米がべたつくリスクが高くなる。また、寸法L3を、生米の幅寸法に対して0.8倍を超える寸法に設定すると、凸部51以外の部分(凸部51同士の間に存在する底面部2の平坦な内側表面2a)に接触する生米の個数が増加するリスクが高くなり、炊飯米がべたつくおそれがある。
また、本実施形態においては、粗面部5を、第1凸部51aと、第1凸部51aよりも表面積が大きい第2凸部51bとの集合として構成し、第1凸部51aと第2凸部51bとが交互に配列している。このような構成により、炊飯時において、底面部2の表面と米粒とが接触する面積をより効果的に減じさせることができると共に、底面部2の表面積を大きくして、炊飯時の伝熱量を増大させ、より一層効率良く炊飯することが可能となる。
また、本実施形態においては、各第1凸部51aに対応する位置であって、底面部2の外側面に形成される各凹部6の内面形状は、半球状に形成され、同様に、各第2凸部51bに対応する位置であって、底面部2の外側面に形成される各凹部6の内面形状は、半楕円球状に形成されている。このような構成によって、底面部2の外側面の表面積をより一層増大させることができるため、炊飯時において、個食炊飯用包装容器1の外部から当該容器が吸収する熱量をより一層大きくすることが可能となり、極めて効率良く炊飯することが可能となる。
ここで、無菌包装の炊飯米入り密封容器に収容される炊飯後のご飯(炊飯米)は、炊飯倍率が、2.1以上2.6以下となるように炊き上げることが好ましい。特に、炊飯倍率が、2.3以上2.6以下となるように構成することが好ましい。なお、炊飯倍率とは、生米の重量に対する炊飯の後の米飯の重量の比率を意味する。つまり、炊飯前の生米の重量を1としたときの、炊き上がったご飯の重量比を示すものである。一般的な炊飯米の炊飯倍率は、2.1以上2.2以下であるが、炊飯倍率を2.3以上2.6以下の範囲にすることにより、例えば、炊飯倍率が2.1である炊飯米と、炊飯倍率が2.3である炊飯米とを同一重量で比べた場合、カロリーを約10%程度低下させることが可能となり、健康志向の強い商品として、ユーザーに提供することができる。なお、炊飯倍率を2.3以上2.6以下の炊飯米は、水分量が多いことからべたつきやすい炊飯米となるが、上記のように、個食炊飯用包装容器1は粗面部5を備えていることから、炊飯倍率が2.3以上2.6以下の炊飯米であっても、底面部2表面に付きにくくすることができ、また、2.1以上2.2以下の炊飯倍率を有する炊飯米と同等の食味を得ることができる。
以上、本発明の一実施形態に係る個食炊飯用包装容器1について説明したが、個食炊飯用包装容器1の具体的構成は、上記実施形態に限定されない。上記実施形態においては、個食炊飯用包装容器1が有する底面部2は、平面視円形に形成されているが、このような構成に特に限定されず、例えば、平面視において、四角形、五画形、六画形等の多角形であってもよく、楕円形であってもよい。
また、上記実施形態においては、粗面部5を構成する複数の凸部51を、第1凸部51aと、第1凸部51aよりも表面積が大きい第2凸部51bとの集合として構成されているが、このような構成に特に限定されず、全ての凸部51が、同一の表面積を有する同形状の形態を有するように構成してもよい、具体的には、全ての凸部51が、例えば、平面視において円形状輪郭を有する形態となるように構成してもよく、或いは、平面視において楕円形状輪郭を有する形態となるように構成してもよい。
また、上記実施形態においては、第1凸部51aの形態を、平面視において円形状輪郭を有するように構成しているが、平面視において楕円形状輪郭を有する第2凸部51bの表面積よりも小さい表面積を有する楕円形状輪郭を有する凸部51として構成してもよい。同様に、上記実施形態においては、第2凸部51bの形態を、平面視において楕円形状輪郭を有するように構成しているが、平面視において円形状輪郭を有する第1凸部51aの表面積よりも大きい表面積を有する円形状輪郭を有する凸部51として構成してもよい。
また、上記実施形態においては、各凸部51を平面視において格子状に配列する構成を備えているが、このような構成に特に限定されず、例えば、各凸部51を、千鳥状、ランダム状等に配列してもよい。このような配列構造を採用する場合であっても、一の凸部51と、当該一の凸部51の周りに隣接配置される他の各凸部51との頂点間寸法L2は、生米の幅寸法に対して、0.3倍以上2.3倍以下の範囲となるように構成することが好ましい。なお、各凸部51の底部における幅寸法L1についても、上述のように、生米の幅寸法に対して、0.3倍以上1.5倍以下の範囲となるように構成することが好ましい。また、凸部51同士の間に、底面部2の平坦な内側表面2aが現れるように構成する場合には、底面部2の内側表面との各凸部51(51a,51b)の裾野部分の境界間の寸法L3も、上述のように、生米の幅寸法に対して、0.3倍以上0.8倍以下の範囲となるように構成することが好ましい。
また、上記実施形態においては、側壁部3の上端部(開口部)の周囲にフランジ部4を設けるように構成しているが、このようなフランジ部4を省略して個食炊飯用包装容器1を構成してもよい。このような構成を採用する場合、側壁部3の上端部がシール部との貼着面を構成する。
また、上記実施形態においては、図3に示すように、凸部51同士の間に、底面部2の平坦な内側表面2aが現れるように個食炊飯用包装容器1を構成しているが、このような構成に限定されず、例えば、図6に示すように、底面部2の内側表面に平坦な部分が存在しないように構成してもよい。
1 個食炊飯用包装容器
2 底面部
3 側壁部
4 フランジ部
5 粗面部
51 凸部
51a 第1凸部
51b 第2凸部
511 一の凸部群
512 他の凸部群
6 凹部
2 底面部
3 側壁部
4 フランジ部
5 粗面部
51 凸部
51a 第1凸部
51b 第2凸部
511 一の凸部群
512 他の凸部群
6 凹部
Claims (11)
- 少なくとも米と水とを収容した状態で加熱することにより、米飯を炊飯可能な個食炊飯用包装容器であって、
底面部と、前記底面部の周囲から立設する側壁部とを備えており、
前記底面部は、粗面部を有し、
前記粗面部は、前記底面部の内側面から突出し、所定間隔をあけて配置される複数の微小な凸部から形成されていることを特徴とする個食炊飯用包装容器。 - 前記底面部の外側面には、前記各凸部に対応する位置に、前記底面部の内側面に向けてくぼむ凹部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の個食炊飯用包装容器。
- 前記凹部は、前記凸部の頂部に向けてくぼむことを特徴とする請求項2に記載の個食炊飯用包装容器。
- 前記凸部は、前記底面部の略全域に亘って形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれに記載の個食炊飯用包装容器。
- 前記各凸部の高さ寸法は、生米の幅寸法に対して、0.3倍以上0.8倍以下の範囲であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の個食炊飯用包装容器。
- 一の凸部と、該一の凸部の周りに隣接配置される他の各凸部との頂点間寸法は、生米の幅寸法に対して、0.3倍以上2.3倍以下の範囲であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の個食炊飯用包装容器。
- 前記各凸部は、平面視格子状に配列されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の個食炊飯用包装容器。
- 前記粗面部を構成する複数の前記凸部は、第1凸部と、前記第1凸部よりも表面積が大きい第2凸部との集合として構成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の個食炊飯用包装容器。
- 前記底面部の周囲から立設する前記側壁部の上端部には、水平方向外側に延びるフランジ部が形成されていることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の個食炊飯用包装容器。
- 前記請求項1から9のいずれかに記載の個食炊飯用包装容器と、前記個食炊飯用包装容器に収容される炊飯米と、前記個食炊飯用包装容器の上部開口に配置され、前記個食炊飯用包装容器内を密封するシール部とを備える炊飯米入り密封容器。
- 前記炊飯米の炊飯倍率は、2.3以上2.6以下であることを特徴とする請求項10に記載の炊飯米入り密封容器。
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