以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、図面では、同一または相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
[給水システムの全体構成]
図1は、本実施形態におけるシステムの構成概略の一例を示す図である。本実施形態のシステム1000は、ポンプ装置の一例である給水装置10の各種状態の監視、管理、および設定変更等を行うことができるように構成されている。システム1000は、給水装置10と、給水装置10を監視するための監視装置210と、給水装置10と通信可能な外部表示器80と、給水装置10における各種状態を管理するための管理装置310と、を備える。給水装置10は、ポンプにて水供給源176(例えば、水道本管や受水槽)の水を加圧して、主にマンション、オフィスビル、商業施設、又は学校等の建物170(給水対象)に水を供給する。また、給水装置10は、少なくともひとつの設定変更可能な制御パラメータを有し、当該制御パラメータに基づいて各種制御を行う。
監視装置210(外部機器)と給水装置10とは、信号線184にて接続され、監視装置210は、給水装置10が制御パラメータに基づいて出力する接点信号を用いて給水装置10の状態をユーザーが監視できるように構成されている。ここで、本明細書における
ユーザーには、例えば、建物170の管理人や所有者、給水装置10が給水する水を使用する住居人等が含まれる。監視装置210は、給水装置10の外部入出力信号の「接続先」の一例に当たる。本実施形態では、給水装置10はポンプ室100に設置され、監視装置210はポンプ室100とは別の監視室200に設置される。監視室200は、ポンプ室100と同一の建物内の別のフロアであってもよいし、ポンプ室100と別の建物に設けられてもよい。ただし、こうした例に限定されず、監視装置210は、ポンプ室100に設置されてもよい。また、監視装置210は、複数の給水装置10を監視してもよい。
外部表示器(外部端末)80は、スマートフォン、携帯電話、パソコン、又は、タブレットなどの汎用端末機器もしくは、専用端末機器である。汎用端末機器を採用した場合には、これらの機器に、外部表示器80として作用するための専用のアプリケーションソフトウエアをインストールさせてもよい。この場合には、専用のアプリケーションソフトウエアをユーザーやメンテナンス作業者のレベル又は目的に沿って複数用意してもよい。給水装置10は、外部表示器(外部端末)80と有線または無線により通信可能であって、外部表示器80は、給水装置10の各種状態の表示や各種設定値の設定変更、各種操作等を行うことができる。また、外部表示器80は、ネットワーク300を介して管理装置310に接続される。
管理装置310は、一例として、所定の地域に設置された複数の給水装置10を遠隔で管理するサーバー端末である。管理装置310は、遠隔で給水装置10の制御パラメータを管理するために使用される。例えば、管理装置310は、遠隔監視サービスとして機器の保守、点検、異常時の緊急対応等を提供する業者が管理運営するサーバー端末である。本実施形態では、管理装置310は、インターネットのようなネットワーク300を通じて複数の給水装置10の外部表示器80または外部と通信可能な通信機器(不図示)に接続される。管理装置310には、複数の給水装置10を管理するための情報、たとえば、複数の給水装置10のうちの任意の給水装置10を識別するためのIDと、当該IDに関連付けられた給水装置10毎の制御パラメータ、装置情報、異常情報、メンテナンス情報、運転関連情報、および、故障履歴などが記憶される。また、管理装置310は、給水装置10の制御パラメータを含む各種パラメータを遠隔から変更できる。更に、管理装置310は、給水装置10毎の設置場所、連絡先、所有者、管理者、制御パラメータの変更履歴、運転履歴、故障履歴、および作業履歴などの各種情報を管理すると共に、地域毎に派遣可能な作業員情報(作業員の派遣範囲、作業員の習得レベル、作業可能な製品群等)を保有するとよい。
[給水装置の給水方式]
ここで、本実施形態における給水装置10の給水方式について図2、図3を用いて説明する。図2、図3のいずれの例においても、建物170内の監視室200に監視装置210が設けられている。なお、本実施形態では、以下に示す給水方式は、給水装置10の制御パラメータによって変更できる。
図2は給水装置10の給水方式が受水槽方式である例を示す図である。図2に示す例では、給水装置10は、吸込側(一次側)に、1つの受水槽160が接続される受水槽1槽式で使用されている。ただし、給水装置10は、一次側に2つ以上の受水槽が接続されてもよい。水供給源である受水槽160と給水装置10の吸込口10Aとは、導入管171によって連通している。受水槽方式では、給水装置10は、水供給源である図示しない水道本管から受水槽160にためられた水をポンプにて加圧し、建物170の各給水栓172に水を供給する。
受水槽160には、受水槽160内の水位レベルを検出する水位計、具体的には電極式レベルスイッチ162が設けられている。本実施形態では、受水槽160内の水位が、ポ
ンプを強制的に停止させる渇水水位よりも高い減水水位レベル以下で「減水状態」となり、更に水位が低くなりポンプを強制的に停止させる所定の水位レベル(渇水水位レベル)以下となったら「渇水状態」となる。更に、受水槽160から水が溢れる虞がある所定の水位レベル(満水水位レベル)以上となったら「満水状態」となる。なお、制御部65は減水を検出するか否かの設定値を有し、制御部65が減水を検出しない場合は、水槽の水位が渇水水位レベル以上満水の水位レベル未満であれば、水位情報は「正常状態」である。一方、制御部65が減水を検出する場合は、水槽の水位が減水水位レベル以上満水水位レベル未満であれば、水位情報は「正常状態」である。
電極式レベルスイッチ162による検出信号は、詳細を後述する給水装置10の制御部65(I/O部70)に入力される。電極式レベルスイッチ162は、一例として、受水槽160内に配置される複数の電極棒162a〜162eを備えている。複数の電極棒162a〜162eは、それぞれが水位検知器であって、コモン電極棒162a、及び、低い水位を検出できる順に、渇水水位レベルの検出のための電極棒162b、市水流入弁163を開放する開水位の水位レベルの検出のための電極棒162c、市水流入弁163を閉止する閉水位の水位レベルの検出のための電極棒162d、満水水位レベルの検出のための電極棒162eとなっている。なお、電極式レベルスイッチ162は、5本の電極棒162a〜162eを有するものに限られず、3本、4本、または6本以上の電極棒を有してもよい。その場合でも、最も低い水位レベルを検出できる電極棒にて渇水水位レベルを検出し、最も高い水位レベルを検出できる電極棒にて満水水位レベルを検出するとよい。また、市水流入弁163を開放するための水位レベルは、市水流入弁163を閉止するための水位レベルよりも低い水位レベルとするとよい。
ここで、電極式レベルスイッチ162においては、各電極棒162b〜162eと最も長いコモン電極棒162aとの間の抵抗値の変化を検出することにより、水槽内の水位が各電極棒162b〜162eの下端よりも高い位置にあることを検出するようになっている。すなわち、受水槽160の水位が各電極棒162b〜162eの下端よりも高くなって電極棒162b〜162eとコモン電極棒162aの間が水により導通されたときに各水位レベルの検出信号を出力する。
受水槽160には、電極式レベルスイッチ162に代えて、もしくは加えて、受水槽160内の水位レベルを検出する水位計であるフロートスイッチが設けられていてもよい。フロートスイッチによる検出信号は、給水装置10の制御部65に入力される。なお、フロートスイッチは、渇水の水位レベル、市水流入弁163の開水位レベルおよび閉水位レベル、又は満水の水位レベルを検出するため、複数設けられてもよい。なお、本実施形態では、電極式レベルスイッチ162のどの電極でどの水位を検出するか、また、止水流入弁163のありなし等は、給水装置10の制御パラメータによって変更できる。
図3は給水装置10の給水方式が直結給水方式である例を示す図である。図3に示す例では、給水装置10は、水道本管173の本管圧を利用しポンプにて増圧することにより給水対象である給水栓172へ水を供給する直結給水直送式で使用されている。水道本管173と連通する流入管174には、圧力センサ175が設けられている。圧力センサ175は、ポンプの流入圧である水道本管173の圧力を測定するための圧力測定器である。以下、「流入圧」は、圧力センサ175によって検出される圧力値を示すものとする。圧力センサ175による検出信号は、給水装置の制御部65(I/O部70)に入力される。本実施形態では、流入圧(水道本管173の圧力)が一定以下(例えば制御パラメータで流入圧低下の検出値として、設定コードA10に値7mAqが設定される)となり所定の時間経過(例えば、制御パラメータで流入圧低下の検出時間として設定コードA11に値10秒間が設定される)したら、「流入圧低下状態」となる。その後、流入圧が一定以上(例えば制御パラメータで流入圧低下復帰の検出値として設定コードA12に値10
mAq以上が設定される)となり所定の時間経過(例えば、制御パラメータで流入圧低下復帰の検出時間として設定コードA13に値15秒間が設定される)したら、流入圧低下状態が解消される。これら流入圧低下の異常を検出復帰に関するしきい値は、制御パラメータにて変更できる。
なお、給水装置10の給水方式としては、ポンプにて増圧した水を建物170の屋上のタンク(高置水槽)に一旦貯留し、自然流下にて給水を行う高置水槽方式が採られてもよい。高置水槽方式では、受水槽方式にて説明したのと同様に、高置水槽内の水位を検出する水位計として、「満水」「渇水」の水位を検知する電極棒が設けられて高置水槽の「満水状態」、「渇水状態」などが検出されるとよい。
[給水装置の構成]
続いて、本実施形態の給水装置10の具体的な構成を説明する。図4は本実施形態に係る給水装置と外部表示器との一例を模式的に示す平面図である。図示するように給水装置10では、ベース20の上に、2台のポンプ30A,30Bと、これらポンプ30A,30Bの中間に配置される圧力タンク50とが載置されている。また、給水装置10は、ポンプ30A,30Bの吐出側に接続される吐出配管40と、圧力タンク50の上部に設置される制御盤60とを具備して構成されている。以下各構成部品について説明する。
ベース20は、ポンプ30A,30B等の各機器をその上に取り付けて基礎に固定するための台であって、略矩形の平板状で、長手方向の両側辺は下方向に折り曲げられた後に外方向に折り曲げられることで、L字状の固定辺23,23を構成している。
給水装置10は、ポンプ30A,30Bを駆動するモータ33A,33Bを備えている。ポンプ30A,30Bは、吸込口35A,35Bが設けられ、またポンプ30A,30Bの上面には吐出し口設けられている。なお、吸込口35A,35Bは、給水装置10の吸込口10Aに当たり、直結給水方式の場合には、吸込口35A,35Bが流入管174に逆流防止装置(不図示)を介して接続される。また、ポンプ30A,30Bは、ポンプ過熱を検知するための温度検知器である温度センサ36A,36Bが取り付けられている。
吐出配管40はポンプ30A,30Bの吐出し合流管であり、小水量を検知する流量検知器の一種であるフロースイッチ49A,49B、及びチェッキ弁(逆止弁)47A,47Bを介して、両ポンプ30A,30Bの吐出し口37A,37Bに、接続されている。ポンプ30A,30Bは、並列運転を行う。またチェッキ弁47A,47Bによって、ポンプ30A,30Bが停止したときに吐出配管40内の水がポンプ30A,30B側に逆流しない。また吐出配管40は圧力タンク50に連結し、さらに吐出配管40には配管内圧力を検出する圧力センサ48が取り付けられている。そして圧力タンク50とチェッキ弁47A,47Bの効果によって、ポンプ30A,30Bが停止した後の吐出配管40内の圧力は、水が使用されない限り一定圧力に保持される。以下、「吐出し圧力」は、圧力センサ48により検出される圧力値を示すものとする。
なお、本実施例ではポンプ30A,30Bとポンプ2台の構成だが、ポンプ台数は1台もしくは3台以上の複数台の構成としてもよい。
制御盤60は、ケース61を備え、そのケース61内に、不図示の電源端子、ポンプ毎の漏電遮断器、ノイズフィルタ、誘導雷サージ吸収素子、およびリアクトル等を収容し、更には、ポンプの運転制御を行う各種電気回路からなる制御部65を収容して構成されている。
[制御部のブロック構成]
図5Aは、本実施形態の構成の一例を説明するためのブロック構成図である。なお、図5Aでは、給水装置10の制御部65と共に、監視装置210、管理装置310、及び外部表示器80、280が機能ブロックで示されている。給水装置10の制御部65は、制御用メモリ(記憶部)66と、演算部69と、I/O部(入力部および出力部)70と、運転パネル79と、通信部73と、を備えている。運転パネル79は、設定部71及び表示部72を備え、ユーザーインターフェースとして機能する。なお、制御部65は、CPU、メモリ等を備え、ソフトウェアを用いて所定の機能を実現するマイクロコンピュータとして構成されてもよいし、専用の演算処理を行うハードウェア回路として構成されてもよい。また、制御部65は、1つの基板で構成されるものに限定されず、たとえば通信部73、運転パネル79が別々の基板であってもよい。その場合は、制御部65と通信部73、運転パネル79はシリアル通信や信号線等の有線もしくは無線通信にて接続される。
設定部71は、外部操作により、各種パラメータ(設定情報)を設定するのに使用される(設定入力)。具体的には、設定部71は不図示の操作ボタンやタッチパネル等を備え、設定部71において設定された各種パラメータは、制御用メモリ66に記憶される。一例として、ユーザーや作業者は、設定部71を介して、停止圧力、始動圧力、外部出力が出力する信号の内容、及び、その他制御に必要な情報を設定情報として入力(設定入力)し、設置現場にて変更できるようになっている。
表示部72は、制御用メモリ66に格納されている制御パラメータ等の各種データや、現在のポンプ30A,30Bの運転状況(運転情報)、例えばポンプ30A,30Bのそれぞれの運転または停止、運転周波数、電流、流入圧力、吐出し圧力、モータ部33A,33Bを駆動するインバータのトリップ、吸入圧力低下警報、及び、受水槽警報等を表示する。
本実施形態では、表示部72として、7セグメントLED及び表示灯などの簡易な表示器を採用することができる。ただし、表示部72は、こうした例に限定されず、ドットマトリクス方式による液晶表示器などであってもよい。また、外部表示器80として、タッチ入力方式または押圧ボタン方式を用いた液晶画面での高機能表示器を採用することができる。この場合、表示部72には簡易な情報を表示でき、外部表示器80には大きな情報量の情報を表示できる。こうした構成により、外部表示器80に、制御部65によるポンプ30A,30Bの運転状況に関した情報など(例えば、目標圧SV、現在圧PV、ポンプ30A,30Bの運転・停止、及び、ポンプ30A,30Bの回転速度など)を同一画面上に表示することによって、給水装置に不慣れなユーザーも誤解することなく、給水装置10の状態を認識したり、設定変更を行うことができる。また、給水装置10は、機械室またはポンプ室などの電気的なノイズの多い環境に設置されることがある。こうした場合に備えて、表示部72として、液晶表示やタッチパネルよりも電気的ノイズに強い7セグメントLEDや表示灯、機械的な押圧ボタンなどにて構成された表示器が使用されてもよい。これにより、外部環境から発生される電気的なノイズによって外部表示器80の液晶表示やタッチパネル操作に異常が発生した場合でも、表示部72により給水装置10の運転に必要な最低限度の表示および操作を行うことができる。したがって、給水装置10を電気的ノイズの多い環境下にも設置することができる。
なお、制御部65に運転パネル79または表示部72が設けられずに、外部表示器80のみが設けられてもよい。この場合、上述した運転パネル79の機能は外部表示器80にて全て実施可能とする。給水装置10には表示器自体を設ける必要がなくなるので、給水装置10全体のコストを更に下げることが可能である。
制御用メモリ66には、給水装置10を制御するための制御プログラム、給水装置10の装置情報、故障履歴、運転履歴、及び、設定部71もしくは外部表示器80等を通じて
入力された制御パラメータ等が格納されている。故障発生時には故障履歴、定期的に給水装置10の運転履歴等の情報が制御用メモリ66に記憶される。また、制御用メモリ66は、現在の制御パラメータおよび/または当該パラメータに基づくユーザー情報とが記憶される第1記憶領域66a(第1の記憶手段)を備える。更に、制御用メモリ66は、所定の変更要求がなされたときに、当該変更要求によって変更となる、制御パラメータおよび/またはユーザー情報と、を記憶する第2記憶領域66b(第2の記憶手段)を備える。ここで、「変更要求によって変更となる制御パラメータ」は、制御パラメータの変更要求がなされている対象(例えば制御コード)、および、当該変更要求による対象の変更値(例えば再割り当て値)を意味する。変更要求によって変更となる制御パラメータは、変更要求による変更が確定されるまでは現在の制御パラメータと少なくとも一部が異なる情報を示す。
制御用メモリ66としては、ROM、HDD、EEPROM、FeRAM、及び、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、RAM等の揮発性メモリが使用される。制御用メモリ66には、各種データ、例えば演算部69における演算結果のデータ(運転時間、積算値等)、圧力値(流入圧力、吐出し圧力)、設定部71を通じて入力された設定値情報、及びI/O部70を通じて入力される、またはI/O部70を通じて出力されるデータ等が格納される。
通信部73は、有線通信または無線通信によって外部表示器80と通信可能なように構成されている。無線通信としては、例えば近距離無線通信(NFC:Near Field Communication)の技術を利用することができる。また、Bluetooth(登録商標)およびWi−Fiなど、任意の方式の無線通信を利用することができる。ただし、NFCは、制御部65と外部表示器80とを近づけるだけで通信を完了させることができる点で有利である。また、有線通信としては、例えば制御部65にUSB(Universal Serial Bus)のような外部接続端子が設けられ、ここに外部表示器80が接続されることによって通信がなされてもよいし、RS422,RS232C,RS485等のシリアル通信を用いてもよい。
I/O部(入出力部)70としては、ポート等が使用される。I/O部70は、圧力センサ48からの信号、及びフロースイッチ49A,49Bからの信号等を受け入れ、I/O部70は、入力された信号を演算部69へ送る。演算部69としては、CPUが使用される。演算部69は、制御用メモリ66に格納されているプログラム及び各種データ、並びにI/O部70から入力される信号に基づいて、ポンプ30A,30Bを運転するための各種データの設定、及び、演算等を行い、I/O部70から制御指令が出力される。
また、上記したように、I/O部70は、給水装置10が受水槽方式で使用されるときには電極式レベルスイッチ162からの信号が入力され、給水装置10が直結給水方式で使用されるときには圧力センサ175からの信号が入力される。I/O部70は、少なくとも1つの端子を含む入力端子70bを有し、その他の信号、例えば圧力センサ48、フロースイッチ49A、49B、温度センサ36A、36Bからの信号が入力される。
I/O部70とポンプ30A,30Bを駆動するインバータとは、RS422,RS232C,RS485等の通信手段により互いに接続される。I/O部70からインバータは、各種設定値や周波数指令値、発停信号(運転・停止信号)などの制御信号がインバータへ送られ、インバータからI/O部70へは、実際の周波数値や電流値等の運転状況(運転情報)が逐次送られる。
なお、I/O部70とポンプ30A,30Bを駆動するインバータとの間で送受信される制御信号としては、アナログ信号および/またはデジタル信号を用いることができる。
例えば、回転周波数等にはアナログ信号を用い、運転停止指令等にはデジタル信号を用いることができる。また、30A,30Bの可変速制御を行わない場合、インバータがなくてもよい。
また、I/O部70は、少なくとも1つの端子を含む外部出力端子70aを有し、外部出力端子70aは、例えば、端子台であって制御部65を構成する基板に実装されている。外部出力端子70aに接続される配線は、監視装置210の入力部214の対応する入力端子214aと接続される。例えば、外部出力端子70aからは、給水装置10の運転関連情報を示す接点信号が出力される。本実施形態では、外部出力端子70aは、7つの外部表示用端子A1,A2,B1,B2,B3,C1,C2を含む。外部表示用端子A1,A2,B1,B2,B3,C1,C2のそれぞれから出力する信号の内容は、設置現場ごとの要求に応じて給水装置10の出荷時に、該当する制御パラメータにて設定される。つまり、複数の端子A1,A2,B1,B2,B3,C1,C2の各端子のそれぞれに割り当てられた制御パラメータに、給水装置10の各種状態に対応して出力すべき信号の内容を示す信号種別が設定され、当該設定された信号種別に基づいて外部表示用端子A1,A2,B1,B2,B3,C1,C2は信号を外部に出力する。
制御部65に接続される監視装置210は、図5Aに示すように、表示部213と、入力部214、出力部215、演算部216、通信部217とを備えている。入力部214は、少なくとも1つの入力端子(ポート)214aを有し、給水装置10の外部出力端子70aと信号線184にて有線接続されて外部出力端子70aからの信号が入力される。表示部213は、入力部214に入力された情報に基づいて、給水装置10の状態を表示する。出力部215は、少なくとも1つの出力端子(ポート)を有し、入力部214に入力された信号を給水装置10などの外部へ出力する。演算部216は、制御プログラム及び各種データ等に基づいて監視装置210の各種制御を実行する。通信部217は、外部表示器280と通信を行い、外部表示器280は、監視装置210の各種状態並びに、給水装置10の各種状態を表示する。こうした監視装置210により、監視装置210が設置された監視室200において給水装置10の状態を監視することができる。なお、外部表示器280は、後述する外部表示器80と同等もしくは同じ機能を有し、また、外部表示器280と外部表示器80は、同じ端末を用いてもよい。
監視装置210は、一例として、給水装置10の外部出力端子70aからの信号に基づいて単にランプを点灯/消灯させる簡易な構成とすることができる。この場合、ランプが表示部213の一例に当たる。また、監視装置210は、一例として、CPU、メモリ等を備え、ソフトウェアを用いて所定の機能を実現するマイクロコンピュータとして構成されてもよいし、専用の演算処理を行うハードウェア回路として構成されてもよい。こうした場合、監視装置210は、外部出力端子70aからの入力信号に基づいて給水装置10の状態の履歴をメモリに記憶してもよい。また、監視装置210は、単一の装置によって構成されるものに限定されず、一例として互いに離隔して設けられた複数の装置によって構成されてもよい。
外部表示器80(外部端末)は、操作表示部80Aを有し、給水装置10の通信部73と通信して給水装置10に関する各種データを表示・変更可能なように構成されている。具体的には、外部表示器80は、制御用メモリ66に記憶された各種データを給水装置10の通信部73から受信し操作表示部80Aに表示する。また、外部表示器80は、ユーザーが操作表示部80Aを操作して入力した各種データの変更要求を給水装置10の通信部73へ送信する。操作表示部80Aは、タッチ入力方式または押圧ボタン方式を用いた液晶画面での高機能表示器を採用することができる。この場合、給水装置10の表示部72には簡易な情報を表示させ、外部表示器80には大きな情報量の情報を表示させてもよい。こうした構成により、外部表示器80は、制御用メモリ66に記憶された各種データ
のうち複数の情報を、操作表示部80Aの同一画面上に表示することができる。よって、操作表示部80Aでのみ操作表示するよりも、給水装置10に不慣れなユーザーも誤解することなく、給水装置10の状態を認識したり、設定入力を行うことができる。
なお、上述した運転パネル79の機能は、外部表示器80にて全て実施可能としてもよい。こうすれば、給水装置10が操作しにくい場所(例えば、運転パネル79が操作者の足元あたり)に設置されていても給水装置10の状態確認や設定値情報の変更等の操作が容易となる。また、上述した外部表示器80の機能は、運転パネル79にて全て実施可能としてもよい。
制御部65に外部表示器80を介して接続される管理装置310は、一例として図5Aに示すように、CPU等の演算部369と、通信部373と、メモリ等の記憶部366と、モニタ等の表示部380を備えている。なお、管理装置310は、サーバー端末であって、CPU(Central Processing Unit)、メモリ等を備え、ソフトウェアを用いて所定の機能を実現するマイクロコンピュータにて構成されてもよいし、パソコンなどの汎用機器にて構成されてもよい。また、管理装置310は、単一の装置によって構成されるものに限定されず、一例として互いに離隔して設けられた複数の装置によって構成されてもよい。
演算部369は、記憶部366に格納されているプログラム及び各種データ等に基づいて、給水装置10を管理するための各種データの設定、及び演算等を行う。例えば、演算部369は、給水装置10の制御パラメータの設定変更が要求されたときに、当該制御パラメータの値を決定する再割り当て作成部1040と、制御パラメータに基づくユーザー情報を作成するユーザー情報作成部1010を有する。ここで、ユーザー情報には、外部機器から制御部65へ入力される信号に関連する情報(例えば、電極式レベルスイッチ162の検出水位や配線等)、制御部65から外部機器へ出力される信号に関連する情報(例えば、外部出力や配線等)、および、パラメータ変更に伴う費用、作業工程、作業工数等が含まれるとよい。
通信部373は、ネットワーク300を通じて外部表示器80と通信可能なように構成されている。なお、本実施形態では、管理装置310は、外部表示器80を通じて給水装置10を管理するものとしている。しかし、こうした例に限定されず、管理装置310(通信部373)は、有線通信または無線通信で給水装置10の通信部73と直接通信可能に構成されてもよい。
記憶部366には、データベースとしての各種情報が格納される。データベースとしての各種情報としては、一例として、給水装置の機種ごとのメンテナンス情報、ならびに管理している給水装置ごとのIDと当該IDに関連付けられた装置情報、制御パラメータとして設定情報、運転関連情報、故障履歴、及びメンテナンス履歴などが挙げられる。また、記憶部366には、再割り当て作成部1040にて各種条件によって選択されるための複数の制御パラメータや、ユーザー情報作成部1010にて各種条件によって選択されるための複数のユーザー情報(例えば結線図)が予め記憶されていてもよい。記憶部366は、その記憶領域に、現在の制御パラメータおよび/または当該パラメータに基づくユーザー情報が記憶される第1記憶領域366a(第1の記憶手段)と、制御パラメータの変更が要求されたときに、変更される制御パラメータおよび/または当該パラメータに基づくユーザー情報を記憶する第2記憶領域366b(第2の記憶手段)を備える。なお、これらの制御パラメータは、給水装置ごとのIDに関連付けられて記憶される。
管理装置310は、現在の制御パラメータとユーザー情報とを第1記憶領域366aに記憶する。そして、給水装置10の制御パラメータの設定変更が要求されたとき、演算部
369が再割り当て作成部1040にて変更する制御パラメータを決定し、当該決定された制御パラメータと、ユーザー情報作成部1010にて作成した、再割り当て作成部1040にて決定された制御パラメータに基づくユーザー情報とを第2記憶領域366bに記憶する。
図5Bは、給水装置10の制御パラメータを表示または/および設定変更するモードの状態還移を示す。上述の運転パネル79、外部表示器80、表示部213、外部表示器280、表示部380等は、システム1000の操作者が給水装置10の状態や制御パラメータ等を表示または/および変更できる複数のモードを有し、当該モードは、全ての制御パラメータのうち少なくともひとつの制御パラメータの表示または/および変更を制限する第1モードと、第1モードよりも表示または/および変更が制限される制御パラメータが少ない第2モードを有する。つまり、第1モードで表示または/および変更できる制御パラメータは、第2モードで表示または/および変更できる制御パラメータよりも少ない。
給水装置10の状態や制御パラメータ等を表示または/および変更するためのモードの初期モードは第1モードであって、操作者によるパスワードの入力や指紋認証等の個人特定手段等の予め決められた所定の制限解除操作にて第1モードから第2モードへと移り、作業者による無操作による時間経過や所定の初期化操作等にて第2モードから第1モードへ戻る。パスワードやパスワードの入力手順等の制限解除操作方法は特定の操作者のみに開示され、第1モードは制限解除操作方法が開示されていないユーザー等でも用いることができ、第2モードは制限解除操作方法が開示された作業員や管理者等だけが用いることのできるモードである。以降、第1モードの操作者を第1操作者と記し、第2モードへの制限解除操作が可能な操作者を第2操作者と記す。
図6は、制御部65における電子回路や各部品が実装された基板の要部概略図である。制御部65の基板上には、I/O部70として、外部出力端子70aと、入力端子70bとの各種端子が実装されている。本実施形態では、入力端子70bは、電極式レベルスイッチ162の電極棒が検出する信号の何れかが入力される入力端子E11〜E15,E31〜E33、フロースイッチ49A,49Bが検出する信号の何れかが入力される入力端子FS1,FS2、圧力センサ48,175が検出する信号の何れかが入力される入力端子PS1,PS2を含む。これらの端子は、端子台やコネクタによって構成され、制御部65の外部からの各種信号線が配線される。制御部65は、複数の端子の各端子のそれぞれに割り当てられた制御パラメータに、接続先の外部機器から入力される信号の内容を示す信号種別が設定され、当該設定された信号種別に基づいて入力される信号の内容を識別する。
外部表示用端子A1〜B3端子台であって、当該端子台が実装された基板上に外部出力端子70aを識別するための識別標識(ARマーカー)M1が印刷されている。外部表示用端子C1,C2は端子台であって、当該端子台が実装された基板上に外部出力端子70aを識別するための識別標識M2が印刷されている。入力端子E11〜E33は端子台であって、当該端子台が実装された基板上に入力端子E11〜E33を識別するための識別標識M3が印刷されている。入力端子FS1,FS2はコネクタであって、当該コネクタが実装された基板上に入力端子FS1,FS2を識別するための識別標識M4が印刷されている。入力端子PS1,PS2はコネクタであって、当該コネクタが実装された基板上に入力端子PS1,PS2を識別するための識別標識M5が印刷されている。
識別標識M1〜M5は、各端子の両側に配置され、各端子を他の端子と区別する情報が記録されている。例えば、識別標識M1は、外部表示用端子A1〜B3の端子の数や端子名、配置順等が含まれるQRコード(登録商標)であって、外部表示用端子A1〜B3の
両側に配置される。外部表示器80は、更に、識別標識M1〜M5および各端子を含む制御部65を撮像する撮像装置を備え、撮像した各端子の画像と識別標識M1〜M5より取得した情報と給水装置10から取得した情報に基づいたグラフィックや文字情報とを合成して操作表示部80Aに表示する。
図7A〜図7Dに、給水装置10の制御用メモリ66に記憶される制御パラメータの一例を記す。本実施形態では、これらの設定変更可能な制御パラメータの少なくとも一部は、外部表示器80、並びに外部表示器80を通じて、管理装置310の記憶部366にも記憶されている。図7Aは、給水方式に関する制御パラメータである。図7Bは、I/O部70の各端子に関する制御パラメータである。図7Cは、図7Bの設定値に関する制御パラメータである。図7Dは、I/O部70の各端子の配置順に関する制御パラメータである。以下、図7A〜図7Dに示されているデータテーブルのそれぞれを、データテーブルA〜Dという。ここで、現在の制御パラメータを保存する第1記憶領域66a(第1の記憶手段)はデータテーブルA〜Dを有し、当該データテーブルの値が、外部入出力等を含むポンプ制御に用いられる。また、変更後の制御パラメータを保存する第2記憶領域66b(第2の記憶手段)は、データテーブルA〜Dを有し当該データテーブルに変更される制御パラメータを保存してもよいし、変更される制御パラメータの項目を示す設定コードとその値のみを保存してもよい。
図7Aに示すデータテーブルAは、制御パラメータである設定コードP10の設定値と給水方式に関する各情報との関係の一例を示す図である。本実施形態では、設定値情報として、直結給水方式であるか受水槽方式であるか、また受水槽方式において受水槽が一槽式または二槽式であるか、直結給水方式において直結給水直送式または直結給水高置水槽方式であるか、が設定される。具体的には、制御部65は、設定コードP10の値が値1である時に、図2に示す構成で使用されると判断し、設定コードP10の値が値3である時に、図3に示す構成で使用されると判断する。また、本実施形態では、給水方式に関連して、ユーザーによって電極式レベルスイッチ162における電極棒の本数、及び市水流入弁163の制御方法等が制御パラメータの設定変更にて変更され、当該設定された制御方法に基づいて入力端子E11〜E15、E31〜E33に接続される電極棒162a〜162eが決定される。
図7Bに示すデータテーブルBは、各端子の信号の種別を設定する制御パラメータの設定値の一例である。本実施形態では、制御パラメータの設定値情報として各端子の信号の内容を示す信号種別(入出力信号種別)を有する。入出力信号種別は、I/O部70における端子毎に設定コードが割り付けられており、ユーザーは、当該設定コードの「値」を変更することで、どの端子からどの内容を示す信号を入出力するか、を設定できる。また、データテーブルBには、図7Bに示すように、端子名、端子の種別、ARマーカー等が設定変更可能な制御パラメータとして記憶されてもよい。
図7Cに示すデータテーブルCは、図7Bの「値」と、信号の内容を示す信号種別(入出力信号種別)との関係を示す制御パラメータである。具体的には、図7Bにて、設定コードP11に値1が設定されている。図7Cで値1は、信号種別1が「運転一括」のため、端子A1からは運転一括信号が出力される。また、データテーブルCには、図7Cに示すように、複数の信号の種別が変更可能な制御パラメータとして記憶されてもよい。
ここで、信号種別1設定された値に対応した、出力すべき信号の内容の一例について説明する。なお、以下の例では、図7Cに示されていない信号の種別も含まれている。
「運転一括」に対応する信号の内容は、ポンプ30A,30Bの少なくとも一方が運転しているときにON信号が出力され、ポンプ30A,30Bが共に停止しているときにOFF信号が出力される信号である。
「故障一括」に対応する信号の内容は、給水装置10に何らかの故障が検出されているときにON信号が出力され、給水装置10に故障が検出されていないときにOFF信号が出力される信号である。
「満水」、「減水」、「渇水」に対応する信号の内容は、それぞれ、給水方式が受水槽方式の場合に、受水槽160が満水状態、減水状態、渇水状態であるときにON信号が出力され、満水状態、減水状態、渇水状態でないときにOFF信号が出力される信号である。
「No.1ポンプの運転」、「No.1ポンプの故障」に対応する信号の内容は、それぞれ、ポンプ30Aについて、運転しているとき、故障が検出されているときにON信号が出力され、停止しているとき、故障が検出されていないときにOFF信号が出力される信号である。
「No.2ポンプの運転」、「No.2ポンプの故障」に対応する信号の内容は、それぞれ、ポンプ30Bについて、運転しているとき、故障が検出されているときにON信号が出力され、停止しているとき、故障が検出されていないときにOFF信号が出力される信号である。
「流入圧低下」に対応する信号の内容は、給水方式が直結給水方式の場合に、圧力センサ175にて計測する流入圧が所定の閾値よりも低下した状態が所定時間継続した状態であるときにON信号が出力され、流入圧低下状態ではないとき、または、流入圧が所定の圧力以上に復帰した状態が所定時間継続したときにOFF信号が出力される信号である。
高置水槽の「満水」、「渇水」に対応する信号の内容は、それぞれ、給水方式が高置水槽方式の場合に、図示しない高置水槽が満水状態、渇水状態であるときにON信号が出力され、高置水槽が満水状態、渇水状態ではないときにOFF信号が出力される信号である。
また、信号種別1に設定された値に対応する入力される信号(信号種別3=入力)の内容の例を以下に示す。
「フロースイッチ1」「フロースイッチ2」に設定された端子には、それぞれ、フロースイッチ49A、49Bにて検出された信号が入力される。
「圧力センサ1」「圧力センサ2」に設定された端子には、それぞれ、圧力センサ48、175にて検出された信号が入力される。
「温度センサ1」「温度センサ2」に設定された端子には、それぞれ、温度センサ36A、36Bにて検出された信号が入力される。
「満水水位」、「減水水位」、「渇水復帰水位」、「渇水水位」に設定された端子には、それぞれ、給水方式が受水槽方式の場合に、満水水位の電極棒162eの信号、減水水位の電極棒162dの信号、渇水復帰水位の電極棒162cの信号、渇水水位の電極棒162bにて検出された信号が入力される。
図7Dに示すデータテーブルDは、各端子の配置順の情報の一例を示す。例えば、図7Dは、外部出力端子70aの配置順を示している。そのほか、入力端子E11〜E15、E31〜E33、入力端子FS1、FS2、入力端子PS1、PS2等の各種端子も同様に配置順が記憶されてもよい。
[給水装置10による給水制御]
制御部65による給水装置10の給水制御の一例について説明する。ポンプ30A,30Bが停止している状態で吐出し圧力が所定の始動圧力にまで低下すると、制御部65はポンプ30A,30Bの少なくとも一方を始動させる。具体的には、制御部65はポンプ30A,30Bの駆動を開始するようにモータ部33A,33B(インバータを備える場合にはインバータ)に指令を出す。ポンプ30A,30Bの運転中は、設定された圧力(設定圧)により推定末端圧力一定制御または目標圧力一定制御などの制御が行われる。具体的には推定末端圧力一定制御の場合は、ポンプ30A,30Bの回転数と設定圧による目標圧力制御カーブとを用いてポンプ30A,30Bの吐出し圧力に対する目標圧(SV
)を設定し、目標圧力一定制御の場合は、設定圧を目標圧(SV)とする。また、吐出し圧力を現在圧(PV)とする。そして、SVとPVの偏差にてPI演算またはPID演算を行いポンプ30A,30Bの指令回転数が設定される。なお、直結給水にて推定末端圧力一定制御を行う場合、流入圧力に基づいて目標圧力制御カーブを補正してもよい。具体的には目標圧力制御カーブを流入圧力だけ加算し、目標圧(SV)を算出する。また、制御部65は、本実施形態のようにポンプが複数台ある場合は、同時に起動可能なポンプ台数(ポンプ並列運転台数)にて水量に応じたポンプの台数制御も行う。本実施形態の給水装置10は、設定圧、ポンプ台数および推定末端圧一定制御を行うか圧力一定制御を行うか、等のポンプ制御に関する制御パラメータも設定変更が可能である。
ポンプ30A,30Bの運転中に建物での水の使用が少なくなると、フロースイッチ49A,49Bは、過少水量を検出し、その検出信号を制御部65に送る。制御部65は、この検出信号を受けるとポンプ30A,30Bに指令を出してポンプ30A,30Bを所定回転数で運転させる。そして、制御部65は、吐出し圧力が所定の運転停止圧力に達することにより圧力タンク50に蓄圧したと判断すると、ポンプ30A,30Bを停止(小水量停止)させる。ポンプ30A,30Bが小水量停止した後に、再び建物内で水が使用されると吐出し圧力が始動圧力以下まで低下しポンプ30A,30Bが始動する。なお、本実施形態のようにポンプが複数台ある場合には、始動するポンプ30A,30Bをローテーションさせ、ポンプ30A,30B内に水が滞留するのを防ぐことが好ましい。また、小水量を検知する方法としては、フロースイッチ49A,49Bを用いずに、モータ部33A,33Bの電流値による低負荷や締切圧力等その他の手段を用いてもよい。
また、本実施形態では、制御部65は、制御用メモリ66に記憶された制御パラメータ、たとえば図7A〜図7Dの各種情報を参照することにより、給水方式等を判断する。特に受水槽方式の場合には、制御パラメータから受水槽の数、及び電極式レベルスイッチ162の電極の数などの情報を判断して受水槽制御を実行する。具体的には、制御部65は、制御パラメータから受水槽1槽式、電極棒の数が5本であると判断すると、入力端子E14に接続される電極棒が水面より露出したときには、受水槽160の水位が渇水水位よりも低くなったと判断して水位状態を渇水状態とする。渇水状態で制御部65は、ポンプ30A,30Bを強制停止すると共に渇水警報を発し、その後、入力端子E13に接続される電極棒の一部が水没したときには、渇水復帰水位以上と判断して、ポンプ30A,30Bの強制停止と渇水警報を共に解除する。また、制御部65は、入力端子E11に接続される電極棒の一部が水没したときには、受水槽160の水位が満水水位よりも高くなったと判断して、水位状態を満水状態とし、満水警報を発する。また、制御部65は、入力端子E12に接続される電極棒が水面より露出したときには、受水槽160の水位が減水水位よりも低くなったと判断して、水位状態を減水状態とし、減水警報を発し、その後、入力端子E1に接続される電極棒の一部が水没したときには、減水復帰水位以上と判断して、減水状態並びに減水水位警報を解除する。制御部65は、満水状態、減水状態、渇水状態の何れも発生していない場合に、水位状態は正常状態とする。
[制御パラメータの設定]
次に、システム1000における制御パラメータの設定について説明する。給水装置10が記憶する制御パラメータの設定変更時に、制御パラメータに基づいたユーザー情報を表示することで、ユーザーは当該設定変更に伴って影響する内容を確認できる。また、本実施形態では、ユーザー情報を参照したユーザーによる所定の操作を経てから制御パラメータの設定変更が確定される。給水装置10等のポンプ装置において、制御パラメータの設定コードとその値をユーザーに開示して、ユーザーが制御パラメータの値を容易に変更できるものとすると、ポンプ装置に不慣れなユーザーによって誤った値に設定変更され、最悪の場合断水してしまうおそれがある。そのため、誤設定を防ぐセキュリティを確保することが好ましい。そこで、本実施形態では、第1操作者と第2操作者とで異なる開示内
容を表示する。制御パラメータの設定コードや具体的な値をユーザーが認識する必要なく設定変更することができる。つまり、第1操作者には制御パラメータの設定コードや具体的な値に代えてまたは加えてユーザー情報を開示し、第2操作者には制御パラメータの設定コードや具体的な値を開示する。そのため、誤設定を防ぐセキュリティを確保できる。また、制御パラメータが変更された場合に、メンテナンス作業等を行う作業員に変更情報が共有されないと、ユーザーからの問い合わせや作業員による作業が煩雑になり得る。本実施形態では、制御パラメータの変更履歴を管理装置310が記憶するため、保守、点検、異常時の緊急対応等の作業時に作業員が変更情報を確認することができる。
本実施形態では、入出力部の外部出力端子70aおよび/または入力端子70b(以下、単に「端子」ともいう)の一部に異常が生じたときに入出力信号種別を再設定する際の際の手法について説明する。給水装置10では、装置の経年劣化または落雷などのために、端子の一部に異常が生じてしまう場合がある。本実施形態のシステム1000では、こうした異常が生じたときに、ユーザーが外部表示器80に表示されるユーザー情報を参照し所定の操作をすることにより、給水装置10が記憶する端子の入出力信号種別の制御パラメータを再設定することができるように構成されている。
給水装置10は、装置の経年劣化または落雷などのために、信号を入力または出力する端子が正しい信号を入出力できなくなる等の異常が生じてしまうおそれがある。一部の端子のみに当該異常が生じた場合には、入出力部、または入出力部を有する制御部65全体を交換することなく、異常が生じた端子の入出力信号種別を変更できる制御パラメータを再設定して装置を使用できる可能性がある。しかしながら、ポンプ装置において容易に制御パラメータを変更できるものとすると、ポンプ装置に不慣れな者によって誤って設定変更され、ポンプ30A,Bが正しく作動しない等給水に影響してしまうおそれがある。そのため、本実施形態では、ユーザーが該当する設定コードを確認して外部入出力に関する制御パラメータを変更する代わりに、外部入出力に関する結線情報をユーザー情報として作成し、当該ユーザー情報を外部表示器80に表示する。そして、ユーザー情報を確認したユーザーに変更するか否かの選択をさせ、ユーザーが変更を選択したら、制御部65は、通信にて該当する制御パラメータを変更される。そうすることで、ユーザーは制御パラメータを意識することなく、入出力信号種別を所望する構成に変更することができる。ここで、ユーザー情報として表示する外部入出力に関する結線情報は、外部機器である受水槽160から制御部65へ入力される水位信号に関連する情報、または/および、制御部65から外部機器である監視装置210へ出力される出力信号に関連する情報である。
さらに、制御部65が雷等によって装置における入出力信号種別の設定情報が消失された場合には新品に交換される。この交換時に、従来の装置では、複数の端子のそれぞれについて1つずつ入出力信号種別を再設定することが求められ、設定作業が煩雑となる。そこで、所定の変更要求によって、管理装置310は記憶された制御パラメータの変更履歴に基づいて、外部入出力に関する結線情報をユーザー情報として作成し、制御部65に送信する。制御部65は、当該ユーザー情報を外部表示器80に表示する。そして、ユーザー情報を確認したユーザーまたは作業員に変更するか否かの選択をさせ、ユーザーまたは作業員が変更を選択したら、通信により制御部65は、該当する制御パラメータが設定変更される。そうすることで、ユーザーまたは作業員は制御パラメータを意識することなく、入出力信号種別を所望する構成に変更することができ、制御パラメータを運転パネル79等から設定変更するよりも早く復旧させることができる。
図8A並びに図8Bを用いて、システム1000におけるI/O部70の入出力信号種別を再設定する際の動作を説明する。
図8Aは、システム1000におけるI/O部70の入出力信号種別を再設定する際の主な機能を示す機能ブロック図である。図8Bは、システム1000におけるI/O部7
0の入出力信号種別を再設定する際の動作の一例を示す図である。図8Bは、システム1000にて実行され、例えば、端子の一部に故障が生じたときやユーザーからの端子状態の表示要求により実行される。
本実施形態では、図8Aに示すように、制御部65は、制御パラメータに基づく制御(例えば、吐出し圧力制御、受水槽制御、および、外部出力等)を実行するポンプ制御手段530を有する。管理装置310は、管理する複数の給水装置10毎の、制御パラメータを管理する制御パラメータ管理手段511と、制御パラメータの変更履歴を作成する変更履歴作成手段512と、を有する。外部表示器80は、ユーザーが給水装置10の制御パラメータの変更を確定するための変更確定入力手段521と、ユーザーが故障端子を入力するための異常端子特定手段522と、所定のユーザー情報を表示するユーザー情報表示手段523とを有する。更に、管理装置310は、制御パラメータの再割り当て作成手段501と、ユーザー情報作成手段502を有する。
外部表示器80は、ユーザーからの外部出力端子に関するユーザー情報の表示要求等の所定のタイミングにて、管理装置310から制御パラメータの現在値を取得(ステップSB02)する。そして、操作表示部80Aに詳細を図9Bに示す異常情報の入力画面を表示(ステップSB04)し、ユーザーからの異常情報の入力を待機する(ステップSB10:No)。ステップSB10で、図9Bを参照して後述する選択部807a1〜807c2の少なくともひとつと異常入力ボタン809が選択される(ステップSB10:Yes)と、外部表示器80は、選択された端子の異常情報を管理装置310に送信する(ステップSB12)。上述したように、一部の端子のみに異常が生じた場合には、入出力部、または入出力部を有する制御部全体を交換することなく、複数の端子から入力または出力する信号の種別である入出力信号種別を再設定して装置を使用できる可能性がある。そのため、ステップSB10の端子の異常入力は制御パラメータの変更要求として機能する。
管理装置310は、外部表示器80からステップSB12にて送信された端子の異常情報を受信すると、当該受信した異常情報に基づいて、制御パラメータの再割り当てを作成する。具体的には、管理装置310の再割り当て作成手段501は、I/O部70の複数の端子の入出力信号種別の再割り当てを作成する(ステップSC20)。再割り当て作成手段501は、ユーザーの変更要求に応じて変更する制御パラメータを作成する。具体的には、端子の異常入力を変更要求として入力した再割り当て作成手段501は、外部表示器80からの異常情報に基づいて、異常が生じた端子を除外して、複数の端子の入出力信号種別の再割り当てを作成するとよい。たとえば、ユーザーによって、外部表示用端子B1に異常が生じたことを示す入力が外部表示器80になされたものとする。この場合、当該情報を外部表示器80から受信したら再割り当て作成手段501は、外部表示用端子B1から出力する信号種別の割り当てを外し、外した信号種別を別の外部表示用端子に割り当てるものとしてもよい。
本実施形態では、再割り当て作成手段501による制御パラメータの再割り当ての一例として、現在信号種別が割り当てられていない外部表示用端子C1に、外部表示用端子B1から出力されていた信号種別(「満水」によりON出力をする信号)を割り当てるものとする。具体的には、本実施形態では、管理装置310の記憶部366は、給水装置10の制御用メモリ66に記憶されているデータテーブルA〜Dと同様のデータを有している。管理装置310が外部表示用端子B1に異常が生じたことを示す情報を外部表示器80から受信すると、再割り当て作成手段501は、記憶部366に記憶されているデータテーブルBを参照して、現在に外部表示用端子B1の値(設定コードP13の値)に満水を示す「3」が割り当てられていることを確認する。続いて、管理装置310は、外部表示用端子B1の値が「0」となり、外部表示用端子A1〜C2において値に「0」(割り当
てなし)が設定されている端子(一例として外部表示用端子C1)の値(一例として設定コードP16の値)が「3」となるように、再割り当て情報を作成する。なお、管理装置310は、外部表示用端子B1の値が、割り当てなしに対応する値「0」に代えて、異常を示す値「999」に変更されるようにしてもよい。こうした再割り当て作成手段501による制御パラメータの再割り当てにより、異常が生じた端子以外の端子については入出力される信号種別が変わらないため、給水装置10がI/O部70の入出力信号種別を再設定したときにI/O部70と監視装置210との配線変更を最小限にすることができる。
続いて、管理装置310は、作成した制御パラメータの再割り当てに基づいてユーザー情報を作成し(ステップSC22)、作成したユーザー情報を外部表示器80に送信する(ステップSC24)。このように本実施形態では、管理装置310は、ユーザーによって制御パラメータの変更確定がなされる前には、再割り当ての制御パラメータを外部表示器80に送信せず、再割り当ての制御パラメータに基づくユーザー情報を外部表示器80に送信する。そして、外部表示器80は、管理装置310から受信したユーザー情報を第2の記憶手段に記憶する(ステップSB28)。
外部表示器80は、第2の記憶手段に記憶したユーザー情報を操作表示部80Aに表示する(ステップSB30)。ステップSB30でのユーザー情報の表示は、「第1の表示ステップ」での表示の一例に当たる。ステップSB30では、ユーザー情報は、ダウンロードおよび印刷の両方が制限されたアクセス権が設定される。つまり、給水装置10における制御パラメータの設定変更前の操作表示部80Aにおけるユーザー情報の表示の際には、ユーザー情報のダウンロードおよび印刷の両方が不可となるように制限される。
また、本実施形態では、操作表示部80Aは、ステップSB30で表示したユーザー情報を基に、制御パラメータを変更するか否かをユーザーが確定することができる確定入力手段(図10Bの変更確定ボタン830)を有している。変更確定入力手段を使用してユーザーによって変更確定入力が入力されると(ステップSB34)、外部表示器80から管理装置310へ変更確定入力を示す情報が送信される(ステップSB36:Yes)。このように外部表示器80がユーザーによる確定入力を受け付ける確定入力手段を有することにより、制御パラメータの意図しない変更を抑制できる。また、管理装置310の遠隔監視サービスを提供する業者は、この変更確定入力のタイミングを用いて、発生する料金や利用規約等をユーザーに示すことができる。これにより、管理装置310から遠隔にて制御パラメータを変更する際に、業者とユーザー間のトラブルを防止することができる。
外部表示器80から管理装置310へ変更確定入力を示す情報が送信されると(ステップSB36)、管理装置310は、変更確定入力を受信したことを記憶部366に記憶し、再割り当ての制御パラメータを送信データに変換する(ステップSC40)。そして、管理装置310は、再割り当ての制御パラメータを外部表示器80に送信する(ステップSC42)。ここで、管理装置310からは、再割り当てによって変更する制御パラメータのみが送信されてもよいし、変更する制御パラメータを含む一連の制御パラメータが送信されてもよい。このように本実施形態では、管理装置310は、ユーザーによって制御パラメータの変更確定がなされた後に再割り当ての制御パラメータを外部表示器80に送信する。つまり、管理装置310は、まず、再割り当ての制御パラメータに基づくユーザー情報を外部表示器80に送信し(ステップSC22)、ユーザーによる制御パラメータの変更確定(ステップSB34:Yes)の後に、再割り当ての制御パラメータを外部表示器80に送信する(ステップSC42)。外部表示器80は、管理装置310から再割り当ての制御パラメータを受信すると、受信した再割り当ての制御パラメータを表示することなく、給水装置10へと送信する(SB50)。なお、管理装置310と給水装置1
0とがネットワーク等を介して直接通信できる場合、管理装置310は、外部表示器80を介さずに直接、変更する制御パラメータを給水装置10へと送信してもよい。
続いて、給水装置10は、受信した再割り当ての制御パラメータに応じて、制御用メモリ66に記憶されている設定パラメータを変更し(ステップSA60)、変更の完了を示す変更完了信号を外部表示器80に送信する(ステップSA62)。
外部表示器80は、変更完了信号を受信すると、受信した変更完了信号を管理装置310に送信する(ステップSB70)。管理装置310は、変更完了信号を受信したら、再割り当ての制御パラメータを確定し(ステップSC72)、変更履歴を作成する(ステップSC74)。なお、管理装置310と給水装置10とがネットワーク等を介して直接通信できる場合、給水装置10は、外部表示器80を介さずに直接、変更完了信号を管理装置310へと送信してもよい。
また、外部表示器80は、ステップS62Aで変更完了信号を受信したら、変更が完了した制御パラメータに基づくユーザー情報を操作表示部80Aに表示する(ステップSB80)。ステップSB80でのユーザー情報の表示は、「第2の表示ステップ」での表示の一例に当たる。ステップSB80では、ユーザー情報は、ユーザーに対してダウンロードおよび/または印刷が許可されたアクセス権が設定され表示される。つまり、給水装置10における制御パラメータの設定変更後の操作表示部80Aにおけるユーザー情報の表示の際には、ユーザー情報のダウンロードおよび/印刷が許可される。これにより、ユーザーはユーザー情報を自身のパソコン(記憶装置)や紙媒体にて管理することができる。
制御パラメータの変更が完了していないステップSB30ではユーザー情報のダウンロードおよび印刷の両方を不可とし、制御パラメータの変更が完了したステップSB80で、ユーザー情報のダウンロードおよび/または印刷が許可される。給水装置10は、ポンプ室などの電気的ノイズを受ける、電波が届きにくい、また、ポンプ30A,30Bの振動の影響を受ける、等の通信環境が悪い状態で設置されることがある。そのため、ユーザーが変更確定をした後、ステップSB36〜ステップSB62の何れかのステップにて制御部65への制御パラメータの変更が失敗することが懸念される。しかしながら、本実施形態では、ステップSB62の変更完了を受信した後に、ステップSB80でダウンロードおよび/または印刷が許可されるため、ユーザーは、制御部65にて実行されている制御パラメータに基づいたユーザー情報を別の記憶装置や紙媒体にて管理することができる。
また、本実施形態では、操作表示部80Aは、操作表示部80Aに履歴表示を行うか否かをユーザーが要求することができる履歴表示要求手段を有している。履歴表示要求手段を使用してユーザーによって履歴表示要求がなされると(ステップSB90:Yes)、変更履歴の送信を要求するための変更履歴送信要求信号を管理装置310に送信する(ステップSB92)。そして、変更履歴要求信号を受信した管理装置310は、ステップSC74で作成した変更履歴を外部表示器80に送信し(ステップSC100)、変更履歴を受信した外部表示器80は、受信した変更履歴に基づいて操作表示部80Aの表示を行う(ステップSB110)。
このように、本実施形態は、ポンプ30A,30Bと、設定変更可能な制御パラメータに基づいてポンプ制御を行う制御部65と、を備えた給水装置10と、表示部である給水装置10の外部表示部80と、管理装置310と、を備えるシステム1000が、給水装置10の制御パラメータを管理する管理方法を提供している。当該管理方法は、所定の変更要求(例えば、ステップSB10の入出力端子の異常情報の入力)がなされたときに、当該変更要求によって変更される制御パラメータと前記変更される制御パラメータに基づ
くユーザー情報と、を記憶部366に記憶する記憶ステップと、変更される制御パラメータに基づいたユーザー情報を、外部表示器80に表示する第1の表示ステップ(ステップSB30)と、を含む。そして、第1の表示ステップにてユーザー情報を表示した後に、制御部65の制御パラメータを変更する変更ステップ(ステップSA60)と、を含む。システム1000は、第1の表示ステップによって示されたユーザー情報を基に、ユーザーが前記制御パラメータを変更するか否かを確定する確定入力手段(変更確定ボタン830)を含み、確定入力手段による確定入力を受け付ける確定入力受付ステップ(ステップSB34)にて制御パラメータの変更が確定されたとき、制御部65は変更ステップ(ステップSA60)を実行する。
次に、制御パラメータと制御パラメータに基づくユーザー情報について説明する。
ユーザー情報は、外部表示器80において、制御パラメータに関連してユーザーに影響すると懸念される内容をユーザーに表示するために使用される。このため、以下では、外部表示器80における表示の説明と共に、制御パラメータとユーザー情報とを説明する。
外部表示器80は、表示情報として、端子の配置を示すグラフィックと、端子が入出力する信号の種別(入出力信号種別)と、を併せて表示する。外部表示器80は、ユーザー情報表示手段523を有する。ユーザー情報表示手段523は、給水装置10の制御パラメータに基づいたグラフィックを操作表示部80Aに表示する。
図9A、図9Bは、システム1000における表示の一例を示している。図9Aは、制御パラメータの表示の一例を示す図である。図9Bは、ユーザー情報の表示の一例を示している。具体的には、図9Aでは、制御パラメータ並びにその値が表示され、図9Bは、制御パラメータである設定コードP11〜P17が図9Aに示す値であるときのユーザー情報の表示の一例に当たる。第1モードでは図9Bが表示され、第2モードでは図9Bに加えてまたは代えて図9Aが表示される。
図9Bは、図8BのステップSB10での外部表示器80によるユーザー情報の表示の一例を示している。
図9Bは、外部出力端子70aの配置と当該外部出力端子70aから出力される信号種別(入出力信号種別)とのグラフィック表示を示す。これらの外部出力端子70aの配置と入出力信号種別とは、制御部65から外部機器である監視装置210へ出力される出力信号に関連するユーザー情報の一例に当たる。上記したように、これらのユーザー情報は、ユーザー情報作成手段502にて作成される。ユーザー情報作成手段502は、各設定コードおよび設定値に関連付けた複数のユーザー情報をユーザー情報群として有しており、所定のタイミングで、当該ユーザー情報群の中から表示するユーザー情報を選択する。変更要求によって変更される制御パラメータに信号種別が含まれるとき、ユーザー情報作成部502にて作成されるユーザー情報は、外部出力端子70aの複数の端子の配置順と当該配置順におけるそれぞれの信号種別を示す結線図であるとよい。具体的には、ユーザー情報作成手段502は、先ず、外部出力端子70a各端子の配置の順番を制御用メモリ66のデータテーブルDの情報を基に作図し、次に、配置順と同じ順番に並べた入出力信号種別をデータテーブルBの情報を基に作図する。このように、ユーザー情報作成手段502にて図9に示すグラフィックがユーザー情報として作図される。ユーザー情報作成手段502は、当該作成したユーザー情報を、制御パラメータの設定コードとその値に関連付けてユーザー情報群として保有する。もしくは、外部表示器80は、ユーザー情報作成手段502にて作成される全ての外部出力端子70aの配置順および入出力信号種別に対応する複数のグラフィックを予めユーザー情報群として有してもよい。
ここで、端子のグラフィック表示としては、端子を識別するための識別情報をグラフィック表示することが含まれるとよい。こうしたユーザー情報の表示により、ユーザーは、
図9Aに示すような制御パラメータの設定コードおよびその値のみが表示された操作表示部80Aを確認するのに比して、制御部65と監視装置210との配線を容易に認識できる。なお、図9Bおよび後述する表示の示す例では、外部出力端子70aの信号の配置および入出力信号種別を示しているが、これに代えてまたは加えて、入力端子70bの信号の配置および入出力信号種別も同様に表示されてもよい。
操作表示部80Aにおける表示について詳細に説明する。図9Bに示す例では、外部出力端子70aの各端子の配置順をグラフィック表示する端子グラフィック部802、外部出力端子70aにおける給水装置10内の導通を結線で示す結線図グラフィック部806、及び外部出力端子70aのそれぞれから出力される信号の内容を示す信号種別を文字情報で示す信号種別文字情報部808が、外部表示器80の操作表示部80Aに表示されている。なお、信号種別文字情報部808は、例えば、給水装置10から取得したデータテーブルBの情報に基づくと共にデータテーブルCの各値に基づいて表示されるとよい。
端子グラフィック部802に示す外部出力端子70aの各端子の配置順は、図6に示す実際の基板上の端子の配置と同じ並び順で示している。これにより、ユーザー情報を参照することで、正しい配線を行うことが容易となる。具体的には、端子グラフィック部802では、外部出力端子70aの配置のグラフィック表示として、図7DのデータテーブルDの並びと同様の順番、つまり、外部表示用端子A1,A2、外部表示用端子A1,A2のコモン端子ACM、外部表示用端子B1,B2,B3、外部表示用端子B1,B2,B3のコモン端子BCM、外部表示用端子C1,C2、および外部表示用端子C1,C2のコモン端子CCMの順で並べて表示されている。なお、端子グラフィック部802は、実際の給水装置10における外部表示用端子A1,A2,B1,B2,B3,C1,C2,ACM,BCM,CCMの配置の順番と一致する又は対応する配置でグラフィック表示されるとよい。また、端子の配置順は、設定情報ではなく装置情報として外部表示器80または/および制御部65に記憶された固定の値でも構わない。また、図9Bに示す例では、端子グラフィック部802の隣に、「外部表示用端子」と文字情報で示す端子種別文字情報部804が表示されている。端子種別文字情報部804は、例えば、ステップSB02にて取得したデータテーブルBの端子の種別の各値に基づいて表示されるとよい。これにより、端子グラフィック部802の表示が外部表示用端子を示していることがユーザーに分かり易くなる。
図9Bに示す例では、端子グラフィック部802は、図形と文字とを使用して外部出力端子70aをグラフィック表示しているが、こうした例に限定されず、例えば実際の給水装置10の外部出力端子70aの画像を使用して外部出力端子70aをグラフィック表示してもよい。また、外部表示器80は、拡張現実(AR:Augmented Reality)を利用し
て、外部出力端子70aをグラフィック表示してもよい。具体的には、制御部65は、外部出力端子70aが実装された基板上に外部出力端子70aを識別するための識別標識M1,M2が印刷されている。識別標識M1,M2が外部出力端子70aの側に配置されることで、撮像した外部表示器80は、外部出力端子70aの配置順や大きさ等を識別できる。外部表示器80は、更に、識別標識M1,M2と外部出力端子70aとを含む制御部65を撮像する撮像装置を備え、撮像した外部出力端子70aの画像と、識別標識M1,M2より取得した情報と、給水装置10から取得した情報に基づいた結線図グラフィック部806と、信号種別文字情報部808と、を合成して操作表示部80Aに表示する。さらに、外部表示器80は、操作表示部80Aに設けられたAR表示ボタン810が押されると拡張現実を利用して外部出力端子70aをグラフィック表示し、操作表示部80Aに設けられたAR解除ボタン812が押されると拡張現実による表示を解除して端子グラフィック部802を用いて外部出力端子70aをグラフィック表示してもよい。また、拡張現実を利用して外部出力端子70aをグラフィック表示する際には、「A1」、「A2」、「B1」、「B2」、「B3」、「C1」、「C2」といった外部出力端子70aを識
別するための文字情報と、結線図グラフィック部806と、信号種別文字情報部808とのうち、少なくとも1つが撮像した外部出力端子70aの画像と併せて示されるとよい。
図9Cに示すように、外部表示器80は、拡張現実を利用した表示方法として、以下のステップを有する。
(ステップ141)
入出力部70の何れかの端子を撮像する撮像ステップ。このとき、撮像する入出力部に対応する識別標識(ARマーカー)M1,M2も撮像する。
(ステップ142)
当該撮像された入出力部70の端子の画像に、入出力部70における信号の配置を示すグラフィック(端子グラフィック部802)と、信号の種別(端子種別文字情報部804、結線図グラフィック部806、信号種別文字情報部808)と、を合成する画像合成ステップ。
具体的には、撮像された入出力部70の各端子の画像と端子グラフィック部802の各端子が重なるように合成され、当該合成された端子グラフィック部802の横には、端子種別文字情報部804、結線図グラフィック部806および信号種別文字情報部808のうち、少なくともひとつが併せて表示されるよう合成される。また、本ステップでは、後述する強調表示部849も併せて合成されるとよい。
(ステップ143)
当該合成された前記入出力部の画像を表示する表示ステップ。
制御部65は、入出力部70と同じ基板上に、入出力部70の各入力端子に対応する識別標識M1,M2を有するため、上述の撮像ステップでは、撮像する端子と当該端子に対応する識別標識M1,M2が同時に撮像できる。そして、合成ステップで、撮像した識別標識M1,M2に基づいた情報を入出力部70の画像に合成する。なお、本実施形態では、識別標識M1,M2は、図6に示すように、対応する端子の両側に配置される。これにより、撮像する端子と当該端子に対応する識別標識M1,M2とを同時に撮像するのが容易となる。一実施形態では、識別標識は、対応する端子の両端に配置されるのに限らず、ステップ141にて同一の画像にて撮像できるよう対応する端子の近傍に配置されればよい。
結線図グラフィック部806は、外部出力端子70aと給水装置10内の導通による結線状態を示す結線図をグラフィック表示する。具体的には、図9に示す例では、結線図グラフィック部806として、外部表示用端子A1,A2は、コモン端子ACMと導通するか否かのON/OFF信号を示し、外部表示用端子B1,B2,B3は、コモン端子BCMと導通するか否かのON/OFF信号を示し、外部表示用端子C1,C2は、コモン端子CCMと導通するか否かのON/OFF信号を示す。結線図グラフィック部806は、例えば、ステップSB02にて取得したデータテーブルBのコモンの各値に基づいて表示されるとよい。
信号種別文字情報部808は、端子グラフィック部802に隣接して表示されている。具体的には、図9に示す例では、ステップSB02にて取得したデータテーブルBのP11〜P17の各値に基づいて、外部表示用端子A1から「運転一括」を示す信号が出力され、外部表示用端子A2から「故障一括」を示す信号が出力され、外部表示用端子B1から「満水」の信号が出力され、外部表示用端子B2から「減水」を示す信号が出力され、外部表示用端子B3から「渇水」示す信号が出力され、外部表示端子C1,C2には出力信号が割り当てられていないことが示されている。このように、端子グラフィック部802を実際の給水装置10における外部表示用端子A1,A2,ACM,B1,B2,B3,BCM,C1,C2,CCMの配置の順番と一致する又は対応する順番にて表示し、なお且つ、端子グラフィック部802に隣接して、外部出力端子70aから出力される信号
の内容を示す信号種別が併せて表示されることにより、ユーザーは、給水装置10の外部出力端子70aと監視装置210との配線作業並びに配線の接続確認を容易に行うことができる。
外部表示器80は、端子グラフィック部802、結線図グラフィック部806、及び信号種別文字情報部808のうちの少なくともひとつにおいて、現在ON状態の外部出力端子70aに対応する信号種別を強調表示部849で強調表示する。導通状態であるON信号を意味する強調表示部849は、例えば、ステップSA0にて取得した値に基づいて表示されるとよい。具体的には、ここでは、制御部65で、A1の端子がON信号を出力しているため、「運転一括」の文字を太枠線で強調表示する。これにより、ユーザーは、外部表示器80を見て、外部表示用端子A1がON信号を出力していることを容易に理解することができる。なお、強調表示では、強調表示部849の太枠に代えてまたは加えて、点灯や点滅、フォントや文字の大きさ、表示色、等でOFF状態の端子と区別できればよい。強調表示部849は、現在ON状態の外部出力端子70aと、現在OFF状態の外部出力端子70aとを区別してグラフィック表示するものであり、外部出力端子70aが出力する信号の状態をグラフィック表示する「入出力情報表示」の一例に当たる。
また、操作表示部80Aには、外部出力端子70aに対応する選択部807a1〜807c2と、端子異常入力ボタン809と、が設けられ、選択部807a1〜807c2の何れかの選択と、端子異常入力ボタン809とが選択されると、外部表示器80は、選択された端子の異常情報が入力されたと判断する。なお、異常入力ボタン809は、操作表示部80Aに常時設けられるものに限定されず、ユーザーによって外部表示器80に所定の操作がなされることによって操作表示部80Aに表示されるものとしてもよい。
なお、外部表示器80に表示される外部出力端子70aの信号の種別等で用いられる名称は、管理装置310、制御用メモリ66および/または外部表示器80に、設定値情報として記憶されてもよいし、装置情報として固定の値として記憶されてもよい。ただし、設定値情報として記憶されている場合、表示の変更等が容易となる。このように、ユーザー情報作成手段は、制御パラメータであるデータテーブルA〜Dの各値に基づいて表示用情報を作成する。
図10A、図10Bは、システム1000における表示の一例を示している。
図10Aは、管理装置310の再割り当て作成手段501によって作成された再割り当ての制御パラメータの表示の一例を示す図である。図10Bは、ユーザー情報の表示の一例を示している。具体的には、図10Aでは、制御パラメータ並びにその値が表示され、図10Bは、制御パラメータである設定コードP11〜P17が図9Aに示す値であるときのユーザー情報の表示の一例に当たる。第1モードでは図9Bが表示され、第2モードでは図10Bに加えてまたは代えて図9Aが表示される。図10Bは、外部表示器80による図8BのステップSB30での表示の一例を示す図である。
図10Aは、図8BのステップSB30時点で第2の記憶手段に記憶した制御パラメータを、外部表示器80にて第2モードで表示した例を示している。図10Aに示すように、第2モードでは、制御パラメータの設定コードとその設定値を表示する。更に、第2モードでは、設定コードとその設定値に加えて後述するユーザー情報を表示してもよい。
図10Aに示す各値は、図8Bを参照して説明した再割り当て作成手段501によって再割り当てされた制御パラメータを示している。再割り当て作成手段501は、図8BのステップSB10にて入力された情報に基づいて、図7Cに示す値の中から図7Bの設定コードに適切な値を選定する。例えば、図9Bに示す選択部807b1が選択され且つ端子異常入力ボタン809が押下されることで端子B1が異常端子に選択された場合、当該
端子B1に対応する設定コードP13に割り付けられた出力を他の端子(ここでは、出力なしに設定されている端子C1)に割り付ける。具体的には、ステップSCで再割り当て作成手段501は、図9Aに示す例から以下(1)(2)に示す制御パラメータが変更される。(設定コードと各値は図7B、図7C参照)
(1)設定コードP13の値が満水を示す「3」から異常端子を示す「999」へと変更。
(2)設定コードP16の値が出力なしを示す「0」から満水を示す「3」へと変更。
管理装置310のユーザー情報作成手段502は、この再割り当て制御パラメータに基づいて、外部表示器80の操作表示部80Aにて表示するためのユーザー情報を作成する。一例として、ユーザー情報作成手段502は、上記した図9Aと同様に、再割り当ての制御パラメータに基づいてユーザー情報の表示を作成する。更に、ユーザー情報作成手段502並びにユーザー情報表示手段523によって作成される図10Bに示すユーザー情報は、現在の給水装置10における制御パラメータからの変化部分を示す情報を含んでもよい。これにより、変更される外部出力をより明確にすることで、ユーザーの変更を行うか否かの判断ミスや結線ミスを防止することができる。
図10Bに示す例では、図9Bに示す例と同様に、端子グラフィック部802、結線図グラフィック部806、および信号種別文字情報部808が、外部表示器80の操作表示部80Aに表示されている。なお、図9と重複する部分については説明を省略する。図10に示す例では、端子グラフィック部802における異常が生じた外部表示用端子に対して異常表示部822が併せて示されている。具体的には、ここでは、端子B1に異常が生じているため、「B1」の文字に二重線が重ねられて異常が示されている。異常表示部822は、管理装置310から受信したユーザー情報に基づいて表示される。つまり、本実施形態では、ユーザー情報は、異常が生じた外部表示用端子を示す情報を含む。
また、図10Bに示す例では、信号種別文字情報部808に強調表示部824,826が併せて示されることにより、再割り当てによって新たに変更される入出力信号種別が強調表示されている。具体的には、ここでは、端子B1から出力されていた満水信号を示す「満水」の文字に二重線(強調表示部824)が重ねられて割り当てが削除されることが示されており、端子C1から新たに出力される満水信号を示す「満水」の文字が太枠(強調表示部826)で強調表示されている。強調表示部824,826は、ステップSC24にて管理装置310から受信したユーザー情報に基づいて表示される。強調表示部824,826は、現在の給水装置10における制御パラメータからの変化部分を示すものの一例に当たる。つまり、本実施形態では、ユーザー情報は、現在の給水装置10における制御パラメータからの変化部分を示す情報を含む。こうした強調表示部824,826によって、ユーザーは、入出力信号種別の再割り当てを容易に確認することができる。
図11は、外部表示器80による図8BのステップSB80での表示の一例を示す図である。図11において、図10Bと重複する部分については説明を省略する。図11は、図10Bに示す変更確定ボタン830、変更キャンセルボタン832に代えて、ユーザー情報をダウンロードするためのダウンロードボタン840と、ユーザー情報を印刷するための印刷ボタン842とが表示される。本実施形態では、図8を参照して説明したように、ユーザーによって制御パラメータの変更確定(ステップSB34)がなされる前であるステップSB30での表示(第1の表示ステップ)では、ユーザー情報のダウンロードおよび/または印刷が制限される。これにより、ユーザーは、実際には変更されていない制御パラメータに基づくユーザー情報をダウンロード・印刷して参照し、誤って給水装置10を操作または配線等することを防止できる。そして、ユーザーによる制御パラメータの変更確定(ステップSB34:Yes)後であるステップSB80での表示(第2の表示ステップ)では、ダウンロードボタン840と印刷ボタン842とが操作表示部80Aに
表示されてユーザー情報のダウンロードおよび/または印刷が可能となる。これにより、ユーザーは確定した制御パラメータに基づくユーザー情報をデータや紙媒体にて保存できる。
なお、外部表示器80の第2モードの表示では、図11に示すユーザー情報に対応する制御パラメータの設定コードとその値も表示される。具体的には、当該表示は、図8BのステップSB80時点での制御パラメータの設定コードとその値が表示され、例えば、図10Aと同様の表示である。
図12は、外部表示器80による図8BのステップS110での表示の一例を示す図である。図12に示す例では、外部表示器80の操作表示部80Aの上方の領域に、変更を行った日時を文字情報で示す変更日時情報部871、作業者を文字情報で示す作業者情報部872が、併せて示されている。また、操作表示部80Aには、異常が生じた端子の入力、および入出力信号種別の変更を文字情報で示す変更情報表示部873が示されている。なお、これらの情報は、管理装置310の変更履歴作成手段512にて記憶部366に記憶されるとよい。また、図12に示す例では、操作表示部80Aの下方の領域に、変更後のI/O部70における各端子の信号種別の配置順を示すグラフィックと、変更後の入出力信号種別の文字情報とが併せて表示されている。これらの表示は、図12に示す例では、図10Bに示す例と同様に、端子グラフィック部802、端子種別文字情報部804、および信号種別文字情報部808が使用されている。また、異常が生じた端子B1については、異常が生じていることを異常表示部822で強調して表示している。同様に、以降の外部表示器80における給水装置10の状態を示す表示状態の表示では、異常表示部822が表示されてもよい。こうすれば、ユーザーは、外部表示器80における表示を見て端子の異常を認識することができる。なお、外部表示器80による異常表示部822の表示は、制御用メモリ66に記憶されている故障履歴またはメンテナンス履歴を参照することにより行われてもよいし、データテーブルBにおける異常が生じたことを示す設定値を参照することにより行われてもよい。
なお、変更履歴の表示においても、第1モードでは、図12に示すように、変更された設定コードとその値を表示するのに代えて、変更された端子名と信号種別を変更情報表示部873にて表示し、第2モードで変更された設定コードとその値を表示してもよい。
以上説明したシステム1000では、所定の変更要求がなされたときに、変更される制御パラメータ(上記の例では再割り当ての制御パラメータ)と、当該制御パラメータに基づくユーザー情報と、を管理装置310に記憶し、変更される制御パラメータに基づいたユーザー情報を、表示部(上記の例では、外部表示器80に操作表示部80Aに)に表示する。これにより、制御パラメータの設定変更時に、当該設定変更に伴ってユーザーに影響すると懸念される内容をユーザーへ示すことができ、ユーザーが当該設定へ項に伴う影響に容易に対処することができる。
また、上記したシステム1000では、外部表示器80を通じて端子の異常が入力され、入力された情報に基づいて管理装置310が入出力信号種別の再割り当てを作成する。そして、給水装置10の制御部65は、作成された再割り当てに基づいて入出力信号種別を変更する。こうしたシステム1000によれば、I/O部70における端子に異常が生じた場合に、容易に対処することができる。
なお、システム1000における給水装置10の制御部65、外部表示器80、または管理装置310は、制御部65のメンテナンスに関する情報を報知できるように構成されてもよい。この場合、端子の異常が入力(特定)された場合、または制御部65によって入出力信号種別の変更が行われた場合には、次回のメンテナンス時期が早くなると判断し
、当該メンテナンス時期をメンテナンス情報として報知するものとしてもよい。たとえば、制御部65は、端子の異常が生じていない場合には、使用時間として前回の制御部65の交換からの時間を使用期間としてカウントし、当該のカウントが第1の時間(例えば5年)が経過したときにメンテナンス時期に到達したと判断して制御部65の交換を促すように、表示部72に表示を行う。一方、制御部65は、端子の異常が生じて入出力信号種別が変更された場合には前回の制御部65の交換からの時間を使用期間としてカウントし、当該使用期間が第1の時間よりも短い第2の時間(例えば3年)が経過したときにメンテナンス時期に到達したと判断して制御部65の交換を促すように、表示部72に表示を行う。こうした表示により、制御部65のメンテナンスを実際の制御部65の状況に応じて適切に報知することができる。
図5Aに示すようにシステム1000は、I/O部70の複数の端子のうち異常が生じた端子を特定するための異常端子特定部1002と、入出力信号種別の再割り当てを作成する再割り当て作成部1040と、を備える。なお、図5Aに示す例では、異常端子特定部1002と、再割り当て作成部1040とは、管理装置310に設けられるものとしているが、こうした例に限定されない。つまり、異常端子特定部1002と再割り当て作成部1040との少なくとも一方は、管理装置310に設けられるのに代えて、または加えて、外部表示器80と給水装置10との少なくとも一方に設けられてもよい。
ここで、図8Bに示す例では、外部表示器80からの異常情報を受信する通信部373および/または当該受信した異常情報を処理する演算部369等が異常端子特定部1002に相当する。また、図8Bに示す例では、ステップSC3の処理を実行する演算部369等が再割り当て作成部1004に相当する。なお、異常端子特定部1002としては、ユーザーによる外部表示器80への入力に基づいて端子の異常を特定するものに限定されず、給水装置10または管理装置310への入力に基づいて端子の異常が特定されてもよい。
また、異常端子特定部1002としては、ユーザーの入力によって端子の異常を特定するものに限定されず、給水装置10、外部表示器80、または管理装置310のいずれかにおいて、以下の例に示す方法にて自動的に端子の異常が特定されるものとしてもよい。自動的に端子の異常を特定する場合、当該異常の特定が制御パラメータの変更要求として機能するとよい。
システム1000にて自動的に端子の異常を特定する方法の第1の例として、監視装置210の出力部215と給水装置10のI/O部70とが有線または無線で接続され、監視装置210の入力部214に給水装置10から入力された信号が、給水装置10にフィードバックされてもよい。こうすれば、給水装置10は、自身が送信したはずの信号が正しく監視装置210に入力されているか否かを判定することができる。そして、給水装置10は、自身が送信したはずの信号と監視装置210からフィードバックされる信号とが異なる場合には、対象の端子について異常が生じていると特定することができる。
また、システム1000にて自動的に端子の異常を特定する方法の第2の例として、監視装置210は、入力部214に給水装置10から入力された信号を外部表示器280に送信するものとしてもよい。そして、外部表示器80は、給水装置10のI/O部70から出力される(はずの)信号を給水装置10から受信し、監視装置210の入力部214に入力された信号を外部表示器280から受信する。これにより、外部表示器80は、給水装置10から出力されるはずの信号が正しく監視装置210に入力されているか否かを判定することができる。そして、外部表示器80は、給水装置10から出力されるはずの信号と監視装置210に入力される信号とが異なる場合には、対象の端子について異常が生じていると特定することができる。
さらに、システム1000にて自動的に端子の異常を特定する方法の第3の例として、管理装置310は、給水装置10のI/O部70から出力される(はずの)信号を給水装置10から受信し、監視装置210の入力部214に入力された信号を外部表示器280から受信してもよい。こうすれば、第2の例における外部表示器80と同様に、管理装置310は、給水装置10から出力されるはずの信号が正しく監視装置210に入力されているか否かを判定することができ、対象の端子について異常が生じていることを特定することができる。
(変形例1)
図13Aは、上記した本実施形態のシステム1000における変形例を示す機能ブロック図である。図13Bは、上記した本実施形態のシステム1000における制御パラメータを再設定する際の動作の変形例を示す図である。図13A,図13Bでは、図8A,図8Bと重複する説明は省略する。
図8Aでは管理装置310が有する再割り当て作成手段501並びにユーザー情報作成手段502を、図13Aでは制御部65が有する。
図13Bでは、外部表示器80に異常情報が入力されると(ステップSB10)、外部表示器80は、管理装置310への異常入力に基づく異常情報の送信に代えて、または加えて、給水装置10へ異常情報を送信している(ステップSB12A)。なお、管理装置310は、異常情報を受信すると、当該異常情報を記憶部366に記憶して管理するとよい。そして、給水装置10は、外部表示器80から異常情報を受信すると、異常情報を制御用メモリ66に記憶すると共に、当該受信した異常情報に基づいて、制御パラメータの再割り当てを作成する(ステップSA20A)。給水装置10の制御部65は、上記した図8BのステップSC20における管理装置310の処理と同様に、制御パラメータの再割り当てを作成するとよい。つまり、具体的には、制御部65は、外部表示器80からの異常情報に基づいて、異常が生じた端子を除外して、複数の端子の入出力信号種別の再割り当てを作成するとよい。そして、給水装置10の制御部65は、作成した再割り当ての制御パラメータに基づいてユーザー情報を作成し(ステップSA22A)、作成したユーザー情報を外部表示器80に送信する(ステップSA24A)。そして、外部表示器80は、給水装置10から受信したユーザー情報を第2の記憶手段に記憶する(ステップSB28)。
続いて、外部表示器80は、第2の記憶手段に記憶したユーザー情報を操作表示部80Aに表示し(ステップSB30)、変更確定入力がなされると(ステップSB34)、給水装置10から受信したユーザー情報と変更確定入力を示す信号を管理装置310へ送信する(ステップSB36A)。管理装置310は、変更確定入力を記憶部366に記憶し(ステップSC40A)、承認信号を外部表示器80へと送信する(ステップSC42A)。そして、外部表示器80は、受信した承認信号を給水装置10へ送信し(ステップSB50A)、承認信号を受信した給水装置10において制御パラメータが変更される(ステップSA60)。
このように、制御パラメータの再割り当ては、給水装置10において作成されてもよい。こうした例においても、図8Bを参照して説明した例と同様の効果を奏することができる。ここで、変形例1においては、ステップSA20Aの処理を実行する給水装置10の制御部65が、「再割り当て作成部」に相当する。
なお、図13に示す例では、ユーザーによって変更確定入力がなされたときに(ステップSB34:Yes)、外部表示器80から管理装置310へと変更確定を示す情報が送
信されるものとした。しかしながら、こうした例に限定されず、変更確定を示す情報に代えて、または加えて、外部表示器80から管理装置310へユーザー情報が送信されてもよいし、外部表示器80から管理装置310へ再割り当ての制御パラメータが送信されてもよい。外部表示器80から管理装置310へ再割り当ての制御パラメータを送信する場合、ステップSA24Aにおいてユーザー情報と共に再割り当ての制御パラメータが送信されるものとしてもよいし、ユーザーによって変更確定入力がなされたときに外部表示器80が給水装置10から再割り当ての制御パラメータを取得するものとしてもよい。なお、変更確定前に外部表示器80から管理装置310へユーザー情報または再割り当ての制御パラメータが送信される場合、管理装置310は、送信されたユーザー情報または再割り当ての制御パラメータに基づいて、承認信号を送信するか否かを判定してもよい。
(変形例2)
図14Aは、上記した本実施形態のシステム1000における変形例を示す機能ブロック図である。図14Bは、上記した本実施形態のシステム1000における制御パラメータを再設定する際の動作の変形例を示す図である。図14A、図14Bでは、図8A、図8Bと重複する説明は省略する。
図8Aでは管理装置310が有する再割り当て作成手段501並びにユーザー情報作成手段502を、図14Aでは外部表示器80が有する。
図14では、外部表示器80に異常情報が入力されると(ステップSB10)、外部表示器80は、当該入力された情報に基づいて、制御パラメータの再割り当てを作成する(ステップSB20B)。外部表示器80は、上記した図8BのステップSC20における管理装置310の処理と同様に、制御パラメータの再割り当てを作成するとよい。つまり、具体的には、外部表示器80は、ユーザーから入力された異常が生じた端子を除外して、複数の端子の入出力信号種別の再割り当てを作成するとよい。そして、外部表示器80は、作成した再割り当ての制御パラメータに基づいてユーザー情報を作成し(ステップSB22B)、作成したユーザー情報を第2の記憶手段に記憶する(ステップSB28)。続いて、外部表示器80は、第2の記憶手段に記憶したユーザー情報を操作表示部80Aに表示し(ステップSB30)、変更確定入力がなされると(ステップSB34)、作成した再割り当ての制御パラメータと変更確定入力とを管理装置310へ送信する(ステップSB40B)。管理装置310は、受信した再割り当ての制御パラメータと変更確定入力とを記憶部366に記憶する(ステップSC40B)。そして、管理装置310から外部表示器80に承認信号が送信されると(ステップSC42B)、図8Bに示す動作と同様に、外部表示器80から給水装置10へ再割り当ての制御パラメータが送信され(ステップSB50)、給水装置10において入出力信号種別が変更される(ステップSA60)。なお、管理装置310は、外部表示器80から再割り当ての制御パラメータと変更確定入力とを受信したときに、再割り当ての制御パラメータに問題がないか確認して承認信号を送信するとよい。
このように、制御パラメータの再割り当ては、外部表示器80において作成されてもよい。こうした例においても、図8A、図8Bを参照して説明した例と同様の効果を奏することができる。ここで、変形例2においては、ステップSB20Bの処理を実行する外部表示器80が「再割り当て作成部」に相当する。
(変形例3)
上記したシステム1000では、給水装置10は、外部表示器80を通じて管理装置310と通信可能に構成されるものとしたが、こうした例に限定されず、例えば給水装置10はネットワーク300を介して管理装置310と直接通信可能に構成されてもよい。
図15Aは、上記した本実施形態のシステム1000における変形例を示す機能ブロック図である。図15Bは、こうした変形例のシステム1000における制御パラメータを再設定する際の動作の一例を示す図である。
図8Aでは制御部65は外部表示器80(およびネットワーク300)を介して管理装置310と通信していたが、図15Aでは制御部65はネットワーク300を介して管理装置310と直接に通信可能に接続される。なお、図13Aおよび図14Aの例においても、制御部65はネットワーク300を介して管理装置310と直接に通信可能に接続されてもよい。
図15Bに示す例は、概ね図8Bに示す例と同一であり、図8Bに示す例のステップSC42,SB50に代えてステップSC42Cが実行され、ステップSB70に代えてステップSA64Cが実行される。つまり、管理装置310は、外部表示器80から変更確定入力を受信して(ステップSB36)、再割り当ての制御パラメータを送信データに変換すると(ステップSC40)、再割り当ての制御パラメータを給水装置10へ直接送信する(ステップSC42C)。再割り当ての制御パラメータを受信した給水装置10は、制御パラメータを変更し(ステップSA60)、制御パラメータの変更の完了を示す変更完了信号を外部表示器80に送信する(ステップSA62)と共に管理装置310へ直接送信する(ステップSA64C)。このように、再割り当ての制御パラメータが管理装置310から給水装置10へ直接に送信されることにより、外部表示器80による給水装置10の意図しない又は不正な設定変更を防止できる。
(変形例4)
上記したシステム1000では、制御パラメータに基づくユーザー情報が、外部表示器80の操作表示部80Aに表示されるものとした。しかしながら、ユーザー情報の表示は、操作表示部80Aに代えてまたは加えて、制御部65の表示部72、管理装置310の表示部380、外部表示器280のうちの少なくともひとつにてなされてもよい。また、第1モードにおける表示および/または変更は、外部表示器80、制御部65の表示部72、管理装置310の表示部380、外部表示器280の全てにて実行可能であって、第2モードにおける表示および/または変更は、外部表示器80、制御部65の表示部72、管理装置310の表示部380、外部表示器280のうちの何れか(たとえば、表示部72、表示部380のみ)で実行可能であってもよい。
(変形例5)
図16は、外部表示器80による図8BのステップSB30(第1の表示ステップ)での表示の変形例を示す図である。なお、図16では、操作表示部80Aが横長となっているが、言うまでもなく操作表示部80Aのアスペクト比等は任意である。図16に示す例では、制御部65の現在の制御パラメータに基づいたユーザー情報を示す変化前ユーザー情報表示部910と、再割り当ての制御パラメータに基づいたユーザー情報を示す変化後ユーザー情報表示部920と、が操作表示部80Aに併せて示されている。ここで、変化前ユーザー情報表示部910は、図9Bにおけるユーザー情報の表示と同様であり、変化後ユーザー情報表示部920は、図10Bにおけるユーザー情報の表示と同様である。変化前ユーザー情報表示部910および変化後ユーザー情報表示部920について、図9Bおよび図10Bと重複する説明は省略する。
また、図16に示す例では、変更前ユーザー情報表示部910と変更後ユーザー情報表示部920とのそれぞれが、現在(変更前)のユーザー情報と変更後のユーザー情報であることを文字情報で示す文字情報部930が操作表示部80Aに示されている。このように、変更前ユーザー情報表示部910と変更後ユーザー情報表示部920とが操作表示部80Aに併せて示されることで、ユーザーは、制御パラメータの変更による変化をより容
易に認識することができる。
図16に示す例では、図10Bに示す例と同様に、変更確定ボタン830および変更キャンセルボタン832が操作表示部80Aに示されている。また、図16に示す例では、ユーザーが制御パラメータを変更する際のオプションを選択するための変更オプションボタン834が操作表示部80Aに示されている。この変更オプションボタン834は、ユーザーが、制御パラメータの変更に伴うオプションを追加することができるオプション入力手段の一例に当たる。
ユーザーによって変更オプションボタン834が操作されると、図16の下方に示すように、オプション情報表示部840として、ユーザーが制御パラメータを変更する際のオプションを選択するための情報(オプション情報)が操作表示部80Aに表示されるとよい。一例として、オプション情報は、上記したユーザー情報と同様に、再割り当ての制御パラメータに基づいてユーザー情報作成手段502にて作成されて外部表示器80に送信される。一例として、ユーザー情報作成手段502は、管理装置310の記憶部366に予め記憶された制御パラメータとオプション情報とが関連付けられたデータテーブルを参照することで、再割り当ての制御パラメータに対応するオプション情報を作成する。図16に示す例では、操作者が選択可能な追加オプションとして、制御パラメータの変更と、制御パラメータの変更後の配線接続と、を作業員へ依頼するか否かを選択できる。これにより、操作者は、自身で制御パラメータの変更の確定を判断し、配線接続を行うか、作業員へ依頼するか、を選択することができる。なお、作業員へ依頼する項目として制御パラメータの変更が選択された場合には、変更確定ボタン830が選択不可とされるとよい。これにより、制御パラメータの変更が作業員へ依頼されたにもかかわらず、操作者によって制御パラメータの確定入力がなされてしまうことを防止できる。
図17は、外部表示器80における、変更確定ボタン830、変更キャンセルボタン832または変更オプションボタン834の選択フローを示す。この選択フローは、例えば外部表示器80において図8BのステップSB30が実行されているときに行われる。外部表示器80は、例えば図10Bに示すような表示をしている(ステップS210)ときにユーザー選択がなされると(ステップS220)、当該ユーザー選択に応じて処理を実行する。
例えば、外部表示器80は、ユーザーによって変更キャンセルボタン832が選択されたときには(ステップS220:「変更キャンセル」)、再割り当てされた制御パラメータを確定することなく、つまり制御部65の第1記憶領域66aに記憶された制御パラメータを変更することなく、操作表示部80Aの表示を所定の初期画面へ戻す処理を実行する(ステップS230)。これにより、ユーザーが制御パラメータの変更を望まないときなどには、制御パラメータの変更をキャンセルすることができる。
また、外部表示器80は、ユーザーによって変更オプションボタン834が選択されたときには(ステップS220:「変更オプション」)、図16を参照して説明されたように、ユーザーが制御パラメータを変更する際のオプションを選択するための情報(オプション情報)が操作表示部80Aに表示されるとよい。そして、操作者によって作業員へ依頼する選択がなされた状態で変更確定ボタン830が操作されると、外部表示器80は、作業員へ作業依頼がなされたことを示す信号を、管理装置310に送信する(ステップS240)とよい。また、管理装置310は、ユーザーによるオプションの選択について記憶部366に記憶するとよい。なお、図17では示していないが、オプション情報が操作表示部80Aに表示されている際には、オプションの選択をキャンセルすることができるように構成されてもよい。オプションの選択がキャンセルされた場合には、初期画面へ戻って図17に示すフローを終了するものとしてもよいし、ステップS210に戻るものと
してもよい。
さらに、外部表示器80は、ユーザーによって変更確定ボタン830が選択されたときには(ステップS220:「変更確定処理」)、再割り当てされた制御パラメータを確定する変更確定処理を実行し(ステップS250)、フローを終了する。変更確定処理は、上記した図8BのステップSB36以下の処理が具体的な一例に当たる。変更確定処理により、制御部65の第1記憶領域66aに記憶された制御パラメータが、再割り当てされた制御パラメータへ更新される。
このように、図17に示すフローでは、変更オプションボタン834と、変更確定ボタン830とが、どちらか一方を選択可能に構成されている。換言すれば、ユーザーが制御パラメータの変更に伴う作業を依頼できるオプション入力と、ユーザーが制御パラメータを変更するか否かを確定することができる確定入力とは、どちらか一方が選択可能に構成される。変更オプションボタン834が選択されたときには、変更確定ボタン830を選択不可とするとよい。これにより、操作者が誤った操作をすることを防止できる。
管理装置310は、上述したように、給水装置10毎の設置場所、連絡先、所有者、管理者、制御パラメータの変更履歴、運転履歴、故障履歴および作業履歴などの各種情報を管理すると共に、地域毎に派遣可能な作業員情報(作業員の派遣範囲、作業員の習得レベル、作業可能な製品群等)を保有する。そのため、オプションの設定によって外部表示器80から作業員へ作業依頼がなされたことを示す信号を受信した管理装置310は、依頼された作業内容、給水装置10の設置場所、および、作業員情報に基づいて作業員を選択し、当該選択された作業員に、再割り当ての制御パラメータ、制御パラメータに基づくユーザー情報、および制御パラメータの変更履歴を添付して作業依頼を行う。これにより、作業員は作業内容を予め把握して現場に向かうことができるため作業時間を短縮できる。
また、上述したように、管理装置310は、端子の異常が入力(特定)された場合、または制御部65によって入出力信号種別の変更が行われた場合には、次回のメンテナンス時期が早くなると判断する。つまり、管理装置310は、制御パラメータの変更に伴って制御部65のメンテナンス時期の判断を行う。管理装置310は、メンテナンス時期が所定の範囲内にある給水装置10に作業員を派遣する場合、当該判断したメンテナンス時期と現在の使用期間のカウントを作業依頼時に作業者に報知する。これにより、当該報知された作業者はメンテナンスの提案または/および実施することができ、異常を未然に防ぐことができる。
なお、上述では、信号種別を変更する場合のユーザー情報について説明したが、ユーザー情報作成手段が有するユーザー情報群には、その他、運転や故障に関する他の制御パラメータにおけるユーザー情報も含まれる。ユーザー情報群に含まれるユーザー情報の一例として、ここでは、図3の説明時に記した流入圧低下に関する制御パラメータA10〜A13に関連付けられるユーザー情報を記す。制御パラメータの設定コードA10〜A13とその値に対応するユーザー情報は「流入圧が7mAq以下で10秒間が経過したら、流入圧低下状態が発生する。」「流入圧低下発生後に流入圧が10mAq以上となり15秒間が経過したら、流入圧低下状態が解消される。」といった文字情報でもよいし、横軸が時間で縦軸が流入圧力のグラフ等に設定コードA10〜A13の値を記してもよい。そして、流入圧低下に関する制御パラメータの変更要求がなされたときに、ユーザー情報作成手段502は、当該変更要求によって変更される制御パラメータとその値に基づいたユーザー情報をユーザー情報群から選択し、外部表示器80が当該選択されたユーザー情報を表示する。
以上説明した本実施形態は、以下の形態としても記載することができる。
[形態1]形態1によれば、ポンプと、設定変更可能な制御パラメータに基づいてポンプ制御を行う制御部と、表示部と、を備えるシステムの前記制御パラメータを変更する方法が提案され、前記システムは、前記表示部に表示可能なユーザー情報群を有するユーザー情報作成手段を有し、前記方法は、所定の変更要求がなされたときに、前記ユーザー情報作成手段は、当該変更要求によって変更される制御パラメータに対応するユーザー情報を前記ユーザー情報群の中から選択し、前記表示部が当該選択されたユーザー情報を表示する第1の表示ステップ、を含む。形態1によれば、表示部に表示されるユーザー情報を見ながら、制御パラメータの設定変更を容易に行うことができる。
[形態2]形態2によれば、形態1において、前記第1の表示ステップにて前記ユーザー情報を表示した後に前記制御部の前記制御パラメータを変更する変更ステップを更に含む。
[形態3]形態3によれば、形態2において、前記システムは、前記第1の表示ステップによって表示されたユーザー情報を基に、ユーザーが前記制御パラメータを変更するか否かを確定することができる確定入力手段を有し、前記方法は、前記確定入力手段による確定入力を受け付ける確定入力受付ステップを含み、前記確定入力受付ステップにて前記制御パラメータの変更が確定されたとき、前記制御部は前記変更ステップを実行する。形態3によれば、形態2によれば、ユーザーは、表示部に表示されるユーザー情報を確認してから、確定入力手段により制御パラメータの設定変更を行うことができる。
[形態4]形態4によれば、形態3において、前記確定入力手段は前記表示部に設けられる。一例として、確定入力手段は、表示部に仮想的なボタンなどとして表示することができる。
[形態5]形態5によれば、形態2から4において、前記変更ステップを実行後に、確定されたユーザー情報を、前記表示部に表示する第2の表示ステップを更に含む。形態5によれば、制御パラメータを設定変更したときに、確定されたユーザー情報を確認することができる。
[形態6]形態6によれば、形態5において、前記ユーザー情報は、アクセス権の設定が可能であって、前記第1の表示ステップで、前記ユーザー情報は、ダウンロードおよび印刷の両方が制限されたアクセス権が設定され、前記第2の表示ステップで、前記ユーザー情報は、ダウンロードおよび/または印刷が許可されたアクセス権が設定される。形態6によれば、制御パラメータの変更がなされる前にはユーザー情報のダウンロードおよび印刷の両方が制限され、制御パラメータの変更が完了した後にユーザー情報のダウンロードおよび/または印刷が許可される。これにより、制御パラメータが変更されていないにもかかわらず、誤って参照されることを抑制できる。
[形態7]形態7によれば、形態1から6において、前記表示部は、第1の画面と第2の画面とを有し、前記ユーザー情報は、前記第1の画面で表示され、前記第1の画面で表示されるユーザー情報に対応する制御パラメータが、前記第2の画面で表示される。形態7によれば、第1の画面においてユーザー情報を確認することができ、第2の画面においてユーザー情報に対応する制御パラメータを確認することができる。
[形態8]形態8によれば、形態7において、前記第2の画面における前記制御パラメータの表示は、前記ユーザー情報と異なるアクセス権の認証を経て実行される。形態8によれば、アクセス権に応じて、ユーザー情報に対応する制御パラメータを表示することができる。
[形態9]形態9によれば、形態1から8において、前記第1の表示ステップは、前記変更される制御パラメータに基づいたユーザー情報と共に、前記制御部の現在の制御パラメータに基づいたユーザー情報を前記表示部に表示する。形態9によれば、現在の制御パラメータに基づくユーザー情報と、変更される制御パラメータに基づくユーザー情報と、を確認して制御パラメータの設定変更を行うことができる。
[形態10]形態10によれば、形態1から9において、前記ユーザー情報を作成する情報作成ステップを更に含み、前記第1の表示ステップは、前記情報作成ステップにて作成されたユーザー情報を前記表示部に表示する。
[形態11]形態11によれば、形態1から10において、前記制御部は、複数の端子を有する入出力部を備え、前記制御部は、前記複数の端子の各端子に割り当てられた前記制御パラメータに、接続先の外部機器から入力される信号の内容または前記システムの状態に対応して出力すべき信号の内容を示す信号種別が設定され、前記方法は、当該変更要求によって変更される制御パラメータに前記信号種別が含まれるとき、前記ユーザー情報作成部にて作成されるユーザー情報は、前記複数の端子のそれぞれの前記信号種別を示す結線図を含む。形態11によれば、変更される制御パラメータに基づいた端子の結線図を表示部に表示することができる。
[形態12]形態12によれば、形態11において、前記方法は、前記システムが前記複数の端子の前記信号種別を再割り当てするための前記制御パラメータを作成する再割り当て作成ステップを含み、前記再割り当て作成ステップの後に作成されるユーザー情報は、前記複数の端子それぞれに前記再割り当てされた信号種別を示す結線図を含む。形態12によれば、再割り当てされた端子の結線図を表示部に表示することができる。
[形態13]形態13によれば、形態1から12において、前記システムは、前記複数の端子のうち異常が生じた端子を特定する異常端子特定手段を有し、前記再割り当て作成ステップでは、前記異常端子特定手段で特定された端子を除外して前記再割り当てを作成する。形態13によれば、異常が生じた端子を除外して、複数の端子の信号種別を再割り当てすることができる。
[形態14]形態14によれば、形態13において、前記再割り当て作成ステップでは、前記異常端子特定手段で特定された端子に対して、出力なし、または端子の異常を示す信号種別を割り当てる。
[形態15]形態15によれば、形態13または14において、前記再割り当て作成ステップでは、前記異常端子特定手段で特定された端子以外の端子について、少なくとも一部の端子に対して、再割り当て前と同一の信号種別を割り当てる。形態15によれば、異常が生じた端子以外の端子について、配線変更の手間を軽減することができる。
[形態16]形態16によれば、形態1から15において、前記第1の表示ステップで、前記異常端子特定手段で特定された端子は、他の端子と異なる表示方法にて表示される。形態16によれば、異常が生じた端子を容易に認識することができる。
[形態17]形態17によれば、形態2に記載の特徴を含む方法において、前記制御部が、前記変更ステップで変更した前記制御パラメータを外部に送信する送信ステップと、管理装置が、前記制御部によって送信された変更後の前記制御パラメータに関する情報を記憶する記憶ステップと、を更に含む。形態17によれば、管理装置において、変更後の制御パラメータに関する情報を管理することができる。
[形態18]形態18によれば、形態1から17において、前記方法は、前記制御部のメンテナンスに関する情報を報知するメンテナンス報知ステップを含み、前記メンテナンス報知ステップでは、前記変更ステップによる前記制御パラメータの変更がなされた場合には次回のメンテナンス時期が早くなるように前記情報を報知する。形態18によれば、制御パラメータの変更に応じてメンテナンス時期を報知することができる。
[形態19]形態19によれば、形態1から18において、前記表示部は、前記制御パラメータに基づいたユーザー情報を記憶する記憶部を有する。形態19によれば、表示部において、ユーザー情報を記憶することができる。
[形態20]形態20によれば、形態1から19において、前記システムは、前記ポンプと前記制御部とを有するポンプ装置と、当該ポンプ装置を管理するための管理装置と、を備え、前記管理装置は、前記制御パラメータに基づいたユーザー情報を記憶する記憶部を有する。形態20によれば、管理装置において、ユーザー情報を記憶することができる。
[形態21]形態21によれば、形態1から19において、前記制御部は、前記制御パラメータに基づいたユーザー情報を記憶する記憶部を有する。形態21によれば、制御部において、ユーザー情報を記憶することができる。
[形態22]形態22によれば、ポンプと、設定変更可能な制御パラメータに基づいてポンプ制御を行う制御部と、表示部と、管理装置と、を備えるシステムの前記制御パラメータを管理する管理方法が提案され、前記管理方法は、所定の変更要求がなされたときに、当該変更要求によって変更される制御パラメータに基づいたユーザー情報を前記表示部に表示する第1の表示ステップを含み、前記システムは、前記第1の表示ステップによって示されたユーザー情報を基に、ユーザーが前記制御パラメータを変更するか否かを確定することができる確定入力手段と、前記ユーザーが前記制御パラメータの変更に伴う作業を依頼できるオプション入力手段と、を有し、前記確定入力手段と前記オプション入力手段とは、前記第1の表示ステップにてどちらか一方を選択可能に構成される。形態22によれば、操作者が誤った操作をすることを防止することができ、制御パラメータの設定変更を容易に行うことができる。
[形態23]形態23によれば、形態22において、前記作業には、少なくとも前記制御パラメータの変更が含まれ、前記管理方法は、前記作業として前記制御パラメータの変更が選択された場合には、前記確定入力手段を選択不可とする。形態23によれば、制御パラメータの変更を依頼したにもかかわらず、ユーザーによって制御パラメータが変更されることを防止できる。
[形態24]形態24によれば、形態22または23において、前記管理方法は、前記確定入力手段が選択されたら、確定入力を受け付ける確定入力受付ステップを実行し、オプション入力手段が選択されたら、前記作業を前記管理装置に送信するステップを実行する。形態24によれば、確定入力手段またはオプション入力手段の選択に応じてステップを実行することができる。
[形態25]形態25によれば、形態22から24において、前記管理方法は、前記管理装置が、前記オプション入力手段が選択されることにより送信された前記作業と、作業員情報と、に基づいて作業員を選択し、当該選択した作業員に、前記変更要求によって変更される制御パラメータと、当該制御パラメータに基づくユーザー情報と、前記制御パラメータの変更履歴と、のうち少なくとも1つの情報を含む作業依頼を行う。形態25によれば、オプション入力手段の選択による作業と、作業員情報と、に基づいて選択された作業員に対して、作業依頼を行うことができる。
[形態26]形態26によれば、ポンプと、設定変更可能な制御パラメータに基づいてポンプ制御を行う制御部と、表示部と、を備えるシステムの表示方法が提案され、前記システムは、前記制御パラメータの設定コードおよび設定値に関連付けられたユーザー情報群の中から所定のユーザー情報を選択するユーザー情報作成手段を有し、前記表示部は、前記制御パラメータを異なる表示で開示する複数の表示モードを有し、前記複数の表示モードは、前記制御パラメータに基づいて前記ユーザー情報作成手段が選択するユーザー情報を開示する第1モードと、前記制御パラメータの前記設定コードおよび前記設定値を開示する第2モードと、を含む。形態26によれば、表示部に所望の表示を行うことができる。
[形態27]形態27によれば、形態26において、前記表示モードは、ユーザーによる所定の制限解除操作がなされたときに、前記第1モードから前記第2モードへと移り、ユーザーによる所定の操作がなされたとき、および/またはユーザーによる無操作状態が所定時間継続したときに、前記第2モードから前記第1モードへと移る。形態27によれば、ユーザーによる操作がないときには第1モードとすることができ、例えばシステムに不慣れな者に対して制御パラメータの設定コードおよび設定値が開示されることを抑制できる。
[形態28]形態28によれば、形態26または27において、前記表示方法は、前記制御パラメータの変更履歴を表示部に表示するステップを含み、前記第1モードでは、前記変更履歴に対応したユーザー情報を表示し、前記第2モードでは、前記変更履歴の前記設定コードおよび前記設定値を表示する。形態28によれば、第1モードまたは第2モードにおいて制御パラメータの変更履歴を確認することができる。
[形態29]形態29によれば、形態26から28において、前記制御部は、複数の端子を有する入出力部を備え、前記制御部は、前記複数の端子の各端子に割り当てられた前記制御パラメータに、接続先の外部機器から入力される信号の内容または前記システムの状態に対応して出力すべき信号の内容を示す信号種別が設定され、前記制御パラメータに前記信号種別が含まれるとき、前記ユーザー情報は、前記複数の端子の配置の順番と前記信号種別とが示された結線図を含む。形態29によれば、結線図を表示部に表示することができる。
[形態30]形態30によれば、ポンプと、設定変更可能な制御パラメータに基づいてポンプ制御を行う制御部と、を備えるポンプ装置を管理するための管理装置が提案され、前記管理装置は、前記ポンプ装置における現在の制御パラメータと当該制御パラメータに基づくユーザー情報とが記憶される第1の記憶手段と、所定の変更要求がなされたときに、当該変更要求によって変更される制御パラメータと当該制御パラメータに基づくユーザー情報とが記憶される第2の記憶手段と、前記第2の記憶手段に記憶されたユーザー情報を表示部に送信可能な通信部と、を備える。形態30によれば、変更される制御パラメータに基づくユーザー情報を表示部に表示することができる。これにより、制御パラメータの設定変更を容易に行うことができる。
[形態32]形態31によれば、形態30において、前記通信部は、前記表示器が前記管理装置の前記第2の記憶手段に記憶されたユーザー情報を表示した後に、前記制御部の前記制御パラメータを前記第2の記憶手段に記憶された前記制御パラメータに変更するよう指示を出力する。形態31によれば、表示部における表示を確認した後に、制御パラメータの設定変更を行うことができる。
[形態32]形態32によれば、形態31において、前記通信部は、前記表示部に表示さ
れるユーザー情報を基にユーザーが前記制御パラメータを変更することを確定した確定入力を受け付けられるように構成され、前記確定入力が受け付けられたとき、前記制御部の前記制御パラメータを前記第2の記憶手段に記憶された前記制御パラメータに変更するよう指示を出力する。
[形態33]形態33によれば、ポンプと、設定変更可能な制御パラメータに基づいてポンプ制御を行う制御部と、表示部と、記憶部と、を備えるシステムが提案され、前記システムは、前記記憶部は、所定の変更要求がなされたときに、変更される制御パラメータと、当該制御パラメータに基づくユーザー情報と、を記憶し、前記表示部は、前記変更される制御パラメータに基づいたユーザー情報を表示する。形態33によれば、表示部に表示されるユーザー情報を見ながら、制御パラメータの設定変更を容易に行うことができる。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその均等物が含まれることはもちろんである。また、上述した課題の少なくとも一部を解決できる範囲、または、効果の少なくとも一部を奏する範囲において、特許請求の範囲および明細書に記載された各構成要素の任意の組み合わせ、または、省略が可能である。