JP2021080424A - ポリスチレン系樹脂発泡板及びその製造方法 - Google Patents

ポリスチレン系樹脂発泡板及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた耐熱性及び断熱性を有しつつ、太陽光の照射にともなう加熱による発泡板表面の膨らみを抑制し、かつ、優れた寸法安定性を有するポリスチレン系樹脂発泡板及びその製造方法を提供すること。【解決手段】耐熱ポリスチレン系樹脂を、物理発泡剤、黒鉛と共に混練して押出発泡することによって得られるポリスチレン系樹脂発泡板であって、該ポリスチレン系樹脂発泡板の厚みが10〜150mmであり、見掛け密度が25〜40kg/m3であり、該耐熱ポリスチレン系樹脂がビカット軟化温度105℃以上のスチレン−(メタ)アクリル酸共重合体を含み、該物理発泡剤が、ハロゲン化オレフィンを含み、該発泡板中のハロゲン化オレフィンの含有量が、基材樹脂1kgあたり0.1〜0.6molであり、該ポリスチレン系樹脂発泡板の表層部における気泡膜中のハロゲン化オレフィンの含有量が基材樹脂1kgあたり0.1mol以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリスチレン系樹脂発泡板及びその製造方法に関するものである。
ポリスチレン系樹脂発泡板は、優れた断熱性及び機械的強度を有することから建築用断熱材等として広く使用されている。このようなポリスチレン系樹脂発泡板は、一般に押出機中でポリスチレン樹脂を加熱溶融した後、得られた溶融物に物理発泡剤を混練して得られる発泡性溶融混練物を押出機先端に付設されたフラットダイ等から低圧域に押出発泡することにより製造されている。
上記のポリスチレン系樹脂発泡板を建築用断熱材として用いる場合、建築現場では、通常、一時的に屋外の平坦な場所に平積み状態で載置されて順次施工に用いられる。ここで、例えば夏場の高温環境下で長時間屋外に平積み状態で載置した場合、太陽の熱により発泡板表面が熱せられることにより、膨れ、寸法変化や変形するおそれがあり改善の余地を有するものであった。
一方、ポリスチレン系樹脂押出発泡板の耐熱性を改良する手段としては、これまでに種々の提案がなされている。例えば、特許文献1〜3には、スチレン系樹脂とスチレン−(メタ)アクリル酸共重合体を併せて用いることにより耐熱性を向上させたスチレン系樹脂押出発泡体が提案されている。
特表2007−284634号公報 特開2006−28292号公報 特開2006−62274号公報
ここで、一般的に、スチレン系樹脂とスチレン−(メタ)アクリル酸共重合体を用いたスチレン系樹脂押出発泡体は、従来のポリスチレン樹脂(GPPS)のみからなる押出発泡体に比べて耐熱性は向上するものの、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体はスチレン系樹脂との相溶性が悪く、特に熱伝導率を低下させる目的で黒鉛を添加した場合には特に製造が難しくなる傾向があった。また、相溶性の悪化に伴い、安定した気泡の形成が困難になるため、例えば、長時間屋外に置かれた際、太陽光の照射にともなう加熱等により発泡板表面に膨れが発生し易くなるおそれや寸法変化が生じやすくなるおそれがあり、さらなる改善の余地があった。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、優れた耐熱性及び断熱性を有しつつ、太陽光の照射にともなう加熱による発泡板表面の膨らみを抑制し、かつ、優れた寸法安定性を有するポリスチレン系樹脂発泡板及びその製造方法を提供することを課題とする。
本発明は、以下に記載のポリスチレン系樹脂発泡板及びその製造方法を提供する。
<1>耐熱ポリスチレン系樹脂を主成分とする基材樹脂を、物理発泡剤、黒鉛と共に混練して押出発泡することによって得られるポリスチレン系樹脂発泡板であって、
該ポリスチレン系樹脂発泡板の厚みが10〜150mmであり、見掛け密度が25〜40kg/mであり、該耐熱ポリスチレン系樹脂がビカット軟化温度105℃以上のスチレン−(メタ)アクリル酸共重合体からなり、該物理発泡剤が、ハロゲン化オレフィンを含み、該発泡板中のハロゲン化オレフィンの含有量が、基材樹脂1kgあたり0.1〜0.6molであり、該ポリスチレン系樹脂発泡板の表層部における気泡膜中のハロゲン化オレフィンの含有量が基材樹脂1kgあたり0.1mol以下であることを特徴とするポリスチレン系樹脂発泡板。
<2>前記ポリスチレン系樹脂発泡板中の物理発泡剤の含有量が基材樹脂1kgあたり0.5〜0.8molであることを特徴とする<1>に記載のポリスチレン系樹脂発泡板。
<3>前記ポリスチレン系樹脂発泡板における表層部の厚み方向平均気泡径が50〜200μmであり、表層部の気泡の気泡変形率(厚み方向平均気泡径/平面方向平均気泡径)が0.7〜1であることを特徴とする<1>又は<2>に記載のポリスチレン系樹脂発泡板。
<4>前記ポリスチレン系樹脂発泡板の独立気泡率が90%以上であることを特徴とする<1>から<3>のいずれかに記載のポリスチレン系樹脂発泡板。
<5>前記スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体の(メタ)アクリル酸単位の割合が1〜8質量%であることを特徴とする<1>から<4>のいずれかに記載のポリスチレン系樹脂発泡板。
<6>前記ポリスチレン系樹脂発泡板を90℃雰囲気下で22時間加熱した際の体積寸法変化率が5%以内であることを特徴とする<1>から<5>のいずれかに記載のポリスチレン系樹脂発泡板。
<7>耐熱ポリスチレン系樹脂を主成分とする基材樹脂を、物理発泡剤、黒鉛と共に混練してなる発泡性溶融樹脂組成物を押出発泡させて板状に成形する工程を含む<1>から<6>のいずれかに記載のポリスチレン系樹脂発泡板の製造方法であって、該耐熱ポリスチレン系樹脂がビカット軟化温度105℃以上のスチレン−(メタ)アクリル酸共重合体からなり、該物理発泡剤が、ハロゲン化オレフィンを含み、ハロゲン化オレフィンの添加量が、基材樹脂1kgあたり0.1〜0.6molであることを特徴とするポリスチレン系樹脂発泡板の製造方法。
本発明によれば、優れた耐熱性及び断熱性を有しつつ、太陽光の照射にともなう加熱による発泡板表面の膨らみを抑制し、かつ、優れた寸法安定性を有するポリスチレン系樹脂発泡板とすることができる。
以下に、本発明のポリスチレン系樹脂発泡板について説明する。本発明のポリスチレン系樹脂発泡板は、耐熱ポリスチレン系樹脂を物理発泡剤、黒鉛と共に混練して押出発泡することによって得られるポリスチレン系樹脂発泡板である。また、耐熱ポリスチレン系樹脂はスチレン−(メタ)アクリル酸共重合体からなり、物理発泡剤はハロゲン化オレフィンを含むものである。
本発明で用いる基材樹脂は、耐熱ポリスチレン系樹脂を主成分とするものである。なお、主成分とは、基材樹脂中に耐熱ポリスチレン系樹脂を50質量%を超える比率で含有することを意味する。
<耐熱ポリスチレン系樹脂>
本発明で用いる耐熱ポリスチレン系樹脂は、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体からなるものである。
<スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体>
本発明で用いるスチレン−(メタ)アクリル酸共重合体としては、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、また、これらの混合物が例示される。
また、成形性等を改良するために、メタクリル酸メチルやアクリル酸ブチル等のメタクリル酸アルキルエステル及び/又はアクリル酸アルキルエステルが第三成分として少量共重合されることもある。なお、本発明においては、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸−メタアクリル酸共重合体、及びそれらの2以上の混合物を総称してスチレン−(メタ)アクリル酸共重合体という。
上記スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体のビカット軟化温度は105℃以上である。スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体のビカット軟化温度を上記範囲にすることにより、ポリスチレン系樹脂発泡板の耐熱性を向上させることができる。かかる観点からは、ビカット軟化温度が108℃以上であることが好ましい。なお、ビカット軟化温度は、JIS K7206:2016(試験荷重はA法、伝熱媒体の昇温速度は50±5℃/時の条件)にて求められる。なお、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体が2種以上のスチレン−(メタ)アクリル酸共重合体を含む場合には、予め2種以上のスチレン−(メタ)アクリル酸共重合体を混合して試験片を作製し、ビカット軟化温度を測定するものとする。
また、上記スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体中の(メタ)アクリル酸単位の割合は1〜8質量%であることが好ましい。スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体中の(メタ)アクリル酸単位の割合を上記範囲とすることにより、ポリスチレン(GPPS)と比較して耐熱性が向上するとともに、高い酸素指数を維持させることができる。上記観点から1〜6質量%が好ましく、2〜4質量%がより好ましい。
なお、本発明において、耐熱性を向上させるとともに、高い酸素指数を維持させるという観点からは、耐熱ポリスチレン系樹脂中の上記必須のスチレン−(メタ)アクリル酸共重合体の割合が80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体のみからなることがさらに好ましい。
上記基材樹脂には、上記耐熱ポリスチレン系樹脂以外のポリスチレン系樹脂を含有させることができる。上記耐熱ポリスチレン系樹脂以外のポリスチレン系樹脂としては、通常、ポリスチレン系樹脂発泡体に用いられるポリスチレン系樹脂であり、ビカット軟化温度が105℃未満であれば特に制限なく用いることができ、例えば、ポリスチレン(GPPS)、耐衝撃性ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリスチレンとポリフェニレンエーテルとの混合物等が挙げられる。また、これらのポリスチレン系樹脂は2種以上を混合して用いてもよい。なお、上記ポリスチレン系樹脂は、スチレン成分が50モル%以上のものであり、好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは95モル%以上である。上記耐熱ポリスチレン系樹脂以外のポリスチレン系樹脂は、基材樹脂中に40質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることがさらに好ましく、5質量%以下であることが特に好ましい。上記ポリスチレン系樹脂が2種以上のポリスチレン系樹脂からなる場合には、予め2種以上のポリスチレン系樹脂を混合して試験片を作製し、ビカット軟化温度を測定するものとする。
上記耐熱ポリスチレン系樹脂、上記ポリスチレン系樹脂及び上記耐熱ポリスチレン系樹脂と上記ポリスチレン系樹脂との混合物は、ガラス転移温度が1つのピークとして現れることが好ましい。耐熱ポリスチレン系樹脂を構成するスチレン−(メタ)アクリル酸共重合体中の(メタ)アクリル酸単位の割合が1〜6質量%である場合には、上記耐熱ポリスチレン系樹脂と上記ポリスチレン系樹脂との混合物、2種以上の上記耐熱ポリスチレン系樹脂同士の混合物及びそれらの混合物は、ガラス転移温度が1つのピークとして現れる。なお、ガラス転移温度は、次のように求められる。JIS K7121(1987)に記載の「一定の熱処理を行った後、ガラス転移温度を測定する場合」(試験片の状態調節における加熱速度と冷却速度は、いずれも10℃/分とする。)を採用し、熱流束示差走査熱量測定装置を使用し、加熱速度10℃/分で得られるDSC曲線に基づいて測定される中間点ガラス転移温度をガラス転移温度とする。
<ポリエチレンテレフタレート系樹脂>
また、本発明においては、上記基材樹脂中に耐熱ポリスチレン系樹脂とともにポリエチレンテレフタレート系樹脂を含有させることができる。ポリエチレンテレフタレート系樹脂は、ジカルボン酸成分単位としてテレフタル酸成分単位と、ジオール成分単位としてエチレングリコール成分単位とを主たる成分単位として有するポリエステル系樹脂である。さらに、ポリエチレンテレフタレート系樹脂の結晶性を制御するために、ジカルボン酸成分、ジオール成分としてその他の成分単位が用いられてもよい。
ポリエチレンテレフタレート系樹脂のその他のジカルボン酸成分としては、ジカルボン酸あるいはそのエステル形成性誘導体が使用できる。エステル形成性誘導体としては、例えば、炭素数1〜4程度のアルキルエステル等のエステル誘導体、ジアンモニウム塩等の塩、ジクロリド等の酸ハロゲン化物等を挙げることができる。該ポリエチレンテレフタレート系樹脂中のジカルボン酸成分単位としては、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、フタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、3,4’−ジフェニルジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸又はその酸無水物等の誘導体、又はシュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸等の脂肪族ジカルボン酸又はその誘導体、又は1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、デカリンジカルボン酸、テトラリンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸が挙げられる。これらのジカルボン酸成分は、単独で使用してもよく2種以上を複合して使用してもよい。
また、ポリエチレンテレフタレート系樹脂のその他のジオール成分としては、脂肪族系および芳香族系ジオール(二価のフェノールを含む)或いはそのエステル形成性誘導体を使用することができ、具体的には、プロピレングリコール、トリメチレングリコール
、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,6−シクロヘキサンジオール等の脂環式ジオール、ビスフェノールA等の芳香族ジオール、又は3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン(以下、スピログリコールという)や(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−5−エチル−5−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキサン(以下、ジオキサングリコールという)等の環状エーテル骨格を有するジオールを挙げることができる。これらのジオール成分は、単独使用でもよく2種以上を複合して使用してもよい。
ポリエチレンテレフタレート系樹脂としては、上記の中でも、その他のジオール成分単位として、環状エーテル骨格を有するジオール成分単位を含有するものが好ましく、これらの環状エーテル骨格を有するジオール成分の合計量はジオール成分中10モル%以上であることが好ましく、ジオール成分中15〜60モル%であることがより好ましく、20〜50モル%であることがさらに好ましい。
また、ポリエチレンテレフタレート系樹脂は、その他のジオール成分単位として、環状アセタール骨格を有するジオール成分単位を含有するものがより好ましい。該環状アセタール骨格を有するジオール成分単位としては、スピログリコール又はジオキサングリコールが好ましい。
また、その他のジオール成分単位として、シクロヘキサンジメタノール成分単位、ネオペンチルグリコール成分単位から選択される一種類以上を含むものも好ましい。なお、シクロヘキサンジメタノール等の脂環式ジオール成分単位の含有量はジオール成分中25〜40モル%であることが好ましい。
ポリエチレンテレフタレート系樹脂の結晶性の程度は、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸の他にイソフタル酸等を使用してそれらジカルボン酸成分単位のモル比を変える方法や、ジオール成分としてエチレングリコールの他にシクロヘキサンジメタノール、スピログリコール等を使用してそれらジオール成分単位のモル比を変える方法等により調整することができる。
ポリエチレンテレフタレート系樹脂は、例えば少量の安息香酸、ベンゾイル安息香酸、メトキシポリエチレングリコール等の単官能化合物から誘導される成分単位によって分子末端を封止されていてもよい。また、ピロメリット酸、トリメリット酸、トリメシン酸、グリセリン、ペンタエリスリトール等の多官能化合物から誘導される成分単位を少量含んでいてもよい。
また、上記ポリエチレンテレフタレート系樹脂は、JIS K7122−1987に基づいて測定される樹脂の融解に伴う融解熱量(以下、単に融解熱量ともいう)が5J/g未満(0を含む)のポリエチレンテレフタレート系樹脂であることが好ましい。ここで、融解熱量が5J/g未満(0を含む)であるポリエチレンテレフタレート系樹脂とは、非晶性又は低結晶性のポリエチレンテレフタレート系樹脂であることを意味する。押出機内にて熱可塑性樹脂を発泡温度まで冷却する前にポリエチレンテレフタレート系樹脂の結晶化が開始してしまうことを抑制する観点から、ポリエチレンテレフタレート系樹脂の融解熱量は、2J/g未満(0を含む)が好ましく、1J/g未満(0を含む)がより好ましい。
なお、JIS K7122−1987に基づく融解熱量は、熱流束示差走査熱量測定装置(以下、DSC装置という。)を使用し、試験片を加熱速度10℃/分で300℃まで加熱した後、冷却速度10℃/分で30℃まで冷却して試験片の状態調節を行った後、試験片を加熱速度10℃/分で300℃まで加熱することにより得られるDSC曲線に基づいて測定される。
上記ポリエチレンテレフタレート系樹脂は、上記スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体を含む基材樹脂中に40質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることがより好ましく、0質量%であることがさらに好ましい。
また、本発明のポリスチレン系樹脂発泡板では、本発明の目的を阻害しない範囲内において、上記スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体を含む基材樹脂中に、上記ポリスチレン系樹脂及び上記ポリエチレンテレフタレート系樹脂の他に、ポリオレフィン樹脂、スチレン系エラストマーやポリフェニレンエーテル樹脂等の他の重合体を含有してもよい。なお、そのような他の重合体の使用量は、上記基材樹脂中に10質量%を上限とすることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、0質量%であることがさらに好ましい。
本発明のポリスチレン系樹脂発泡板は、少なくともスチレン−(メタ)アクリル酸共重合体を含むポリスチレン系樹脂を物理発泡剤、黒鉛と共に混練して押出発泡することによって得られるものである。
<黒鉛>
黒鉛は、ポリスチレン系樹脂発泡板の熱伝導率を低下させ、優れた断熱性を得るために添加するものであり、板状、鱗片状、薄片状、球状、粒状、不定形状、針状等の各種形状の粉末を用いることができ、特に球状、鱗片状のものを好適に用いることができる。また、黒鉛の平均粒径は、より高い断熱性向上効果を得るという観点から、0.1〜100μmが好ましく、1〜20μmがより好ましい。なお、黒鉛の平均粒子径は、黒鉛の粉末を水中に分散させ、レーザー回折散乱法等により測定することができる。
黒鉛の含有量は、基材樹脂100質量部に対して、0.1〜10質量部含有することが好ましく、0.2〜2質量部含有することがより好ましく、0.3〜1質量部含有することがさらに好ましい。黒鉛の含有量が上記範囲であれば、ポリスチレン系樹脂発泡板の熱伝導率を低下させ、優れた断熱性を得やすくなる。
<物理発泡剤>
本発明のポリスチレン系樹脂発泡板の製造に用いられる物理発泡剤は、少なくともハロゲン化オレフィンを含むものである。該ハロゲン化オレフィンは、上記ポリスチレン系樹脂との相容性が高く、上記ポリスチレン系樹脂に対するガス透過性が比較的遅く、不燃性ガスであり、熱伝導率を低く維持することが可能である。該ハロゲン化オレフィンを含む物理発泡としては、ハロゲン化プロペンやハイドロフルオロブテンを用いることができ、具体的には、1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO1234ze)、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HFO1233zd)、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO1234yf)、1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン(HFO−1336mzz)等が挙げられる。これらの中でも1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO1234ze)、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HFO1233zd)から選択される1種以上が好ましい。
また、ポリスチレン系樹脂発泡板中のハロゲン化オレフィンの含有量は、基材樹脂1kgあたり0.1〜0.6molである。ポリスチレン系樹脂発泡板中のハロゲン化オレフィンの含有量を上記範囲とすることにより、ポリスチレン系樹脂との相溶性を良好にすることができ、燃焼性を低くしつつ熱伝導率を低く維持することができる。かかる観点から、ポリスチレン系樹脂発泡板中のハロゲン化オレフィンの含有量は、基材樹脂1kgあたり0.1〜0.4molが好ましく、0.1〜0.3molがより好ましい。なお、上記ポリスチレン系樹脂発泡板中のハロゲン化オレフィンの含有量は、発泡板製造31日後の発泡板の中央部から切り出したサンプルにより測定した値である。
さらに、ポリスチレン系樹脂発泡板の表層部における気泡膜中のハロゲン化オレフィンの含有量は、基材樹脂1kgあたり0.1mol以下である。ポリスチレン系樹脂発泡板の表層部における気泡膜中のハロゲン化オレフィンの含有量を上記範囲とすることにより、発泡板表面の膨らみをさらに抑制することができる。かかる観点から、ポリスチレン系樹脂発泡板の表層部における気泡膜中のハロゲン化オレフィンの含有量は、基材樹脂1kgあたり0.08mol以下が好ましく、0.06mol以下がより好ましい。なお、本発明において、ポリスチレン系樹脂発泡板の表層部とは、発泡板の表面から厚み方向中央に向かって3mmまでの深さを意味する。また、上記表層部における気泡膜中のハロゲン化オレフィンの含有量は、発泡板製造31日後の発泡板の表面から、独立気泡を含まないように厚み方向中央部に向かって約3mmの深さまで薄くスライスしたサンプルを用いて測定した値である。
また、本発明においては、物理発泡剤として上記必須のハロゲン化オレフィンとともに他の物理発泡剤を併用することができる。他の物理発泡剤としては、従来公知のオゾン破壊係数がゼロ(0)である発泡剤が好ましく、長期にわたる高い断熱性の維持を考慮した場合、空気よりも熱伝導率が低く、かつ上記ポリスチレン系樹脂に対するガス透過性が比較的遅いものが好ましい。上記発泡剤としては、炭素数3〜5の脂肪族炭化水素、具体的には、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ネオペンタン等が挙げられ、炭素数3〜6の脂環式炭化水素、具体的には、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。これらの中でも、ガス透過性が遅く発泡性に優れるノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、シクロペンタンがより好ましく、さらに取り扱い性に優れるノルマルブタン、イソブタンが好ましく、特にイソブタンが好ましい。
また、ガス透過性が速い発泡剤として、例えば、塩化アルキル、アルコール類、エーテル類、ケトン類、二酸化炭素、水等を用いることができる。これらの発泡剤の中でも炭素数1〜3の塩化アルキル、炭素数1〜4の脂肪族アルコール、アルキル鎖の炭素数が1〜3のエーテル類、二酸化炭素、水等が好ましい。具体的には、炭素数1〜3の塩化アルキルとしては、例えば塩化メチル、塩化エチル等が挙げられる。炭素数1〜4の脂肪族アルコールとしては、例えばメタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、アリールアルコール、クロチルアルコール、プロパギルアルコール等が挙げられる。アルキル鎖の炭素数が1〜3のエーテル類としては、例えばジメチルエーテル、エチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチレンジメチルエーテル等が挙げられる。特に、ガス透過性が速く、発泡板から早期に散逸し、その取り扱い性に優れることから、塩化メチル、ジメチルエーテル、二酸化炭素、水から選択される1種以上が好ましく、オゾン層を破壊することがなく、地球を温暖化させることもないことから、ジメチルエーテル、二酸化炭素、水から選択される1種以上がより好ましい。なお、上記物理発泡剤は、単独又は2種以上を併用して用いることができる。
ポリスチレン系樹脂発泡板中の物理発泡剤の含有量は、基材樹脂1kgあたり0.4〜0.9molであることが好ましく、0.5〜0.8molであることがより好ましく、0.6〜0.7molであることがさらに好ましい。物理発泡剤の含有量をこの範囲とすることにより、熱伝導率を低く維持し、見掛け密度が低いポリスチレン系樹脂発泡板とすることができる。なお、上記ポリスチレン系樹脂発泡板中の物理発泡剤の含有量は、発泡板製造31日後の発泡板の中央部から切り出したサンプルにより測定した値であり、上記ポリスチレン系樹脂に対するガス透過速性が比較的遅い発泡剤の含有量を意味する。
さらに、本発明のポリスチレン系樹脂発泡板には、必要に応じて他の添加剤を配合することができる。他の添加剤としては、例えば、難燃剤、難燃助剤、気泡調整剤、顔料、染料等の着色剤、熱安定剤、充填剤等の各種の添加剤を挙げることができる。
本発明のポリスチレン系樹脂発泡板に配合できる難燃剤としては、臭素系難燃剤を好適に用いることができる。臭素系難燃剤としては、臭素化ビスフェノール系難燃剤、臭素化イソシアヌレート系難燃剤又は臭素化されたブタジエン−スチレン共重合体系難燃剤等が挙げられる。
臭素化ビスフェノール系難燃剤は、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、又はこれらの誘導体の臭素化物であり、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモ−2−メチルプロピルエーテル)とテトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)等が挙げられる。
臭素化イソシアヌレート系難燃剤は、イソシアヌル酸又はイソシアヌル酸誘導体の臭素化物であり、モノ(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート等が挙げられる。
臭素化ブタジエン−スチレン共重合体としては、ブロック共重合体、ランダム共重合体又はグラフト共重合体等、従来公知のものがそのまま使用でき、ポリスチレン−臭素化ポリブタジエン共重合体等が挙げられる。具体的には、ランクセス社のEmerald3000、ICL−IP社のFR122P等の市販品が入手可能である。
臭素系難燃剤の総配合量は、所望の難燃性に応じて適宜決定されるものであるが、JIS A9521:2017の附属書Cの試験方法Aの燃焼性規格を満足するポリスチレン系樹脂押出発泡体を得るためには、基材樹脂100質量部に対して1〜10質量部配合することが好ましく、より好ましくは2〜8質量部である。臭素系難燃剤の総配合量が上記の範囲内であれば、難燃剤が発泡性を阻害することなく、良好な表面状態の押出発泡体を得ることができる。
難燃助剤としては、例えば2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン、2,3−ジエチル−2,3−ジフェニルブタン、3,4−ジメチル−3,4−ジフェニルヘキサン、3,4−ジエチル−3,4−ジフェニルヘキサン、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン、2,4−ジフェニル−4−エチル−1−ペンテン等のジフェニルアルカンやジフェニルアルケン、ポリ−1,4−ジイソプロピルベンゼン等のポリアルキル化芳香族化合物、トリフェニルホスフェート、クレジルジ−2,6−キシレニルホスフェート、三酸化アンチモン、五酸化二アンチモン、硫酸アンモニウム、すず酸亜鉛、シアヌル酸、イソシアヌル酸、トリアリルイソシアヌレート、メラミンシアヌレート、メラミン、メラム、メレム等の窒素含有環状化合物、シリコーン系化合物、酸化ホウ素、ホウ酸亜鉛、硫化亜鉛等の無機化合物、赤リン系、ポリリン酸アンモニウム、フォスファゼン、次亜リン酸塩等のリン系化合物等が挙げられる。これらの化合物は単独又は2種以上を混合して使用できる。
上記難燃助剤の配合量は基材樹脂100質量部に対し、ジフェニルアルカンやジフェニルアルケンの場合は0.05〜1質量部、好ましくは0.1〜0.5質量部の範囲で使用することができ、その他の難燃助剤の場合は0.5〜5質量部、好ましくは1〜4質量部の範囲で使用することができる。
気泡調整剤としては、例えば、タルク、カオリン、マイカ、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、クレー、ベントナイト、ケイソウ土等の無機物粉末、アゾジカルボジアミド等の従来公知の化学発泡剤等を用いることができる。これらの中でも、難燃性を阻害することがなく気泡径を調整することが容易であるタルクを好適に用いることができる。特にJIS Z8901:2006年に規定される粒径が0.1〜20μm、更に0.5〜15μmの大きさのタルクが好ましい。気泡調整剤の添加量は、気泡調整剤の種類、目的とする気泡径等によって適宜調整可能であるが、基材樹脂100質量部に対し、0.01〜8質量部、更に0.01〜5質量部、特に0.05〜3質量部が好ましい。
以下に、本発明のポリスチレン系樹脂発泡板の製造方法の一実施形態について詳述する。本発明のポリスチレン系樹脂発泡板の製造方法では、少なくともスチレン−(メタ)アクリル酸共重合体を含むポリスチレン系樹脂からなる基材樹脂及び黒鉛と、必要に応じて、難燃剤、気泡調整剤、熱安定剤、難燃助剤等の添加剤を押出機に供給して加熱、混練し、更に、少なくともハロゲン化オレフィンを含む物理発泡剤を押出機中に圧入し、混練して得られた発泡性溶融樹脂組成物をフラットダイ等のダイを通して高圧の押出機内より低圧域(通常は大気中)に押出して発泡させるとともに、ダイの出口に配置された成形型(平行又は入口から出口に向かって緩やかに拡大するよう設置された上下2枚のポリテトラフルオロエチレン樹脂等からなる板で構成される賦形装置や成形ロール等の成形具)を通過させることによって板状に賦形して板状のポリスチレン系樹脂発泡板(原板)を作製する。そして、さらにこの原板を切削加工することにより、所定の幅及び長さを調整してポリスチレン系樹脂発泡板を製造することができる。
上記添加剤の基材樹脂への配合方法としては、所定割合の添加剤を基材樹脂と共に押出機上流に設けられている供給部に供給し、押出機中にて混練する方法を採用することができる。その他、押出機途中に設けられた供給部より溶融基材樹脂中に添加剤を供給する方法も採用することができる。なお、添加剤を押出機に供給する場合、添加剤と基材樹脂とをドライブレンドしたものを押出機に供給する方法や、添加剤マスターバッチや添加剤溶融混練物を予め作製し、基材樹脂とともに押出機に供給する方法を採用することができる。特に、分散性の点から添加剤マスターバッチを作製し押出機に供給する方法を採用することが好ましい。
本発明方法により得られるポリスチレン系樹脂発泡板は、通常、建築用断熱板として使用されるため、JIS A9521:2017の5.1で規定される熱伝導率の規格と、JIS A9521:2017の附属書Cの試験方法Aに記載の押出ポリスチレンフォーム断熱材を対象とする燃焼性規格を同時に満たすように定めることが要求される。
以下、本発明のポリスチレン系樹脂押出発泡板の物性について説明する。
(厚み)
本発明のポリスチレン系樹脂発泡板は、その使用目的から厚みが10〜150mmの範囲である。厚みが薄すぎる場合には、特に断熱材として使用する場合に要求される断熱性が不十分となる虞があり、厚みが厚すぎる場合には発泡成形が難しくなる虞がある。かかる観点から厚みは15〜120mmが好ましく、20〜100mmがより好ましい。
(見掛け密度)
本発明のポリスチレン系樹脂発泡板の見掛け密度は25〜40kg/cmの範囲である。見掛け密度が小さすぎる場合は、押出発泡断熱板を製造すること自体が困難となる場合があり、用途によっては機械的強度が不十分なものとなる可能性がある。一方、見掛け密度が大きすぎる場合は、押出発泡断熱板の厚みを相当厚くしない限り、充分な断熱性を発揮させることが困難となる場合があり、また軽量性の点からも好ましくない。かかる観点から見掛け密度は30〜35kg/cmが好ましい。なお、上記見掛け密度はJIS A9521:2017に記載の「6.8 密度」に基づき測定することができる。
(平均気泡径)
本発明のポリスチレン系樹脂発泡板において、表層部分の厚み方向平均気泡径は50〜200mm、好ましくは80〜120μmの範囲であり、中心部分の厚み方向平均気泡径は60〜210mm、好ましくは90〜130mmの範囲である。ここで、本発明における中心部分の平均気泡径とは、成形後、切削して得られる発泡板の表面から厚み方向中央に向かって3mmを超える深部の気泡の気泡径を意味し、表層部分の平均気泡径とは、成形後、切削して得られる発泡板の表面から厚み方向中央に向かって3mmまでの深さの気泡の気泡径を意味する。一般に、厚み方向の平均気泡径が大きいほど、ポリスチレン系樹脂押出発泡体は機械的強度に優れたものとなり、断熱性は低下する傾向にある。一方、平均気泡径が上記の範囲において小さいほど、機械的強度は低下し、断熱性は向上する傾向にある。平均気泡径を上記範囲内とすることにより、一層高い断熱性を有するとともに、優れた機械的強度を有するポリスチレン系樹脂発泡板とすることができる。
中心部厚み方向平均気泡径の測定方法は以下の通りである。発泡板厚み方向の平均気泡径(DTc:μm)は、発泡板の長さ方向垂直断面(発泡板の長さ方向に平行であり、かつ幅方向の中央部で二等分した垂直断面)の厚み方向に2等分する中心部(発泡板の厚み方向に2等分する線を中心とし、中心から幅方向に上下5mmずつの部分)において、写真中のセル数が200から500個程度になるように拡大倍率を50倍から200倍程度の範囲で調整した拡大写真を得、各々の写真上において、ナノシステム株式会社製の画像処理ソフトNS2K−prоを用いて、各気泡の厚み方向の気泡径を求め、算術平均値を厚み方向の平均気泡径(DTc)とする。また、発泡板長さ方向の平均気泡径(DLc:μm)は、厚み方向の平均気泡径と同じ断面写真から長さ方向の気泡径を求め、算術平均値することにより長さ方向の平均気泡径(DLc)とする。
一方、発泡板幅方向の平均気泡径(DWc:μm)は、発泡板の幅方向垂直断面(発泡板の長さ方向と直交する垂直断面)の厚み方向に2等分する中心部において、写真中のセル数が200から500個程度になるように拡大倍率を50倍から200倍程度の範囲で調整した拡大写真を得、各々の写真上において、ナノシステム株式会社製の画像処理ソフトNS2K−prоを用いて、各気泡の幅方向の気泡径を求め、それらの算術平均値を幅方向の平均気泡径(DWc)とする。また、発泡板の水平方向の平均気泡径(DHc:μm)は、DLcとDWcの相加平均値とする。
表層部分厚み方向の平均気泡径(DTs:μm)、表層部分長さ方向の平均気泡径(DLs:μm)及び表層部分幅方向の平均気泡径(DWs:μm)は、成形後、切削して得られる発泡板の表面から厚み方向中央に向かって3mmまでの深さについて、上記中心部厚み方向平均気泡径(DTc)、中心部長さ方向の平均気泡径(DLc)及び中心部分幅方向の平均気泡径(DWc)それぞれの測定方法と同様にして得ることができる。また、発泡板の水平方向の平均気泡径(DHs:μm)は、DLsとDWsの相加平均値とする。
(気泡変形率)
更にポリスチレン系樹脂発泡板においては、表層部気泡変形率が0.7〜1であり、中心部気泡変形率が0.9〜1.1であることが好ましい。中心部気泡変形率とは、上記測定方法により求められたDTcをDHcで除すことにより算出される値(DTc/DHc)であり、表層部分平均気泡変形率とは、上記測定方法により求められたDTsをDHsで除すことにより算出される値(DTs/DHs)である。該気泡変形率が1よりも小さいほど気泡は扁平であり、1よりも大きいほど縦長であることを意味する。気泡変形率が上記範囲内にあることにより、機械的強度に優れ、かつ、より高い断熱性を有するポリスチレン系樹脂発泡板とすることができる。
(独立気泡率)
独立気泡率は、優れた断熱性や機械的強度等の物性を得る観点から70%以上が好ましく、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上である。なお、独立気泡率:S(%)は、ASTM D2856−70に記載されている手順Cに準拠し、東芝ベックマン株式会社製の空気比較式比重計930型等を使用して測定される試験片の実容積(独立気泡の容積と樹脂部分の容積との和):Vx(cm)から、下記式(1)により算出できる。
S(%)=(Vx−W/ρ)×100/(Va−W/ρ)・・・(1)
但し、上記式中の、Va、W、ρは以下の通りである。
Va: 測定に使用した試験片の見掛け容積(cm
W: 試験片の質量(g)
ρ: 試験片を構成する樹脂組成物の密度(g/cm
樹脂組成物の密度ρ(g/cm)は、試験片の質量W(g)及び測定に使用した試験片を加熱プレスにより気泡を脱泡させてから冷却する操作を行い、得られたサンプルの体積(cm)から求めることができる。
(熱伝導率)
本発明のポリスチレン系樹脂発泡板の製造後7日経過後の熱伝導率は、0.0280W/(m・K)以下であることが好ましく、0.0260W/(m・K)以下であることがより好ましく、0.0240W/(m・K)以下であることがさらに好ましい。発泡板の熱伝導率が上記範囲内であると、優れた断熱性を有するポリスチレン系樹脂発泡板を得ることができる。なお、上記熱伝導率は、製造直後のポリスチレン系樹脂発泡板から縦200mm×横200mm×厚み任意の表皮が存在しない試験片を切り出し、温度23℃、湿度50%の雰囲気下に7日保存した試験片について、JIS A 1412−2(1999年)記載の平板熱流計法(熱流計2枚方式、高温側38℃、低温側8℃、平均温度23℃)に準拠して測定することができる。
(酸素指数)
本発明の難燃性の指標として酸素指数が24%以上であることが好ましい。酸素指数が上記範囲であれば、難燃性に優れるポリスチレン系樹脂発泡板とすることができる。かかる観点から酸素指数は26%以上がより好ましく、27%以上がさらに好ましい。なお、酸素指数は、JIS K 7201−2:2007に記載の酸素指数法による高分子材料の試験方法により測定することができる。
(寸法変化率)
本発明のポリスチレン系樹脂発泡板の寸法変化率は、厚み方向、幅方向、長さ方向の各々において、90℃雰囲気下で22時間加熱した際の寸法変化率が5%以内、好ましくは4%以内、より好ましくは3%以内である。90℃の寸法変化率が上記範囲であれば、寸法変化が小さいため、例えば、ポリスチレン系樹脂発泡板を夏場の太陽光の下に平積みで載置した場合であっても、寸法が変化しにくく施工性に優れる。なお、上記加熱寸法変化率は、加熱による収縮及び膨張による寸法の変化率を意味する。具体的には、寸法変化率が5%以内とは、−5%以上でありかつ+5%以下であることを意味する。
上記寸法変形率の測定は、以下の方法により求めることができる。まず、発泡板の長さ方向に平行であり、かつ幅方向の中央部で二等分し、該二等分により露出した面を含む中央部から長さ100mm、横100mm、厚み50mmの直方体形状の試験片を切り出し、この試験片をさらに23℃で一日以上安置した後、ノギスで試験片の縦、横の各部位の寸法を測定する。次いで、寸法測定後の試験片を所定の温度にてオーブンで22時間加熱し、次いで、加熱後の試験片を23℃で一日安置した後、加熱前と同じ箇所の寸法を測定する。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1〜6及び比較例1〜3で使用した基材樹脂を構成するポリスチレン系樹脂及びポリエチレンテレフタレート系樹脂を以下に示す。ポリスチレン系樹脂を構成するスチレン−(メタ)アクリル酸共重合体は表1に示すものを用いた。
Figure 2021080424
なお、ポリスチレン系樹脂のビカット軟化温度は、JIS K7206:2016に基づいて、A50法、伝熱媒体の昇温速度は50±5℃/時の条件で測定した。ポリスチレン系樹脂のビカット軟化温度の測定には、表1に示す原料ポリスチレン系樹脂のペレットを230℃で5MPaに加圧することにより気泡が混入しないようにして、縦20mm×横20mm×厚み3mmの試験片を作製し、該試験片をアニーリング処理せずに測定に用いた。測定装置としては、株式会社上島製作所製「HDT/VSPT試験装置 MODEL TM−4123」を使用した。
また、ポリエチレンテレフタレート系樹脂は、PET系樹脂1〔三菱瓦斯化学社製 Altester30(ジカルボン酸成分:テレフタル酸=100 グリコール成分:SPG/EG=30/70、融解熱量0J/g)〕を用いた。
さらに、上記基材樹脂以外の添加剤は、以下のものを用いた。
難燃剤:臭素化ブタジエン−スチレン系共重合体(ランクセス社製、Emerald Innovation3000(E3000))
気泡調整剤:タルク(村松産業(株)製、商品名:ハイフィラー#12)
輻射抑制剤:黒鉛(レジノカラー工業株式会社社製、商品名:SBF-T-1683、鱗片状黒鉛粉末、平均粒径17μm 40%マスターバッチ)、酸化チタン:日弘ビックス株式会社製
また、物理発泡剤は以下のものを用いた。
物理発泡剤1:イソブタン(i−Bu)
物理発泡剤2:ハロゲン化オレフィン(1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HFO1233zd))
物理発泡剤3:ハロゲン化オレフィン(1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO1234ze))
物理発泡剤4:水
物理発泡剤5:エタノール(EtOH)
物理発泡剤6:ジメチルエーテル(DME)
物理発泡剤7:二酸化炭素(CO
上記基材樹脂、添加剤各々を下記表2及び表3に示す配合割合で押出機に供給し、さらに上記物理発泡剤を物理発泡剤供給口より供給し、溶融混練して、溶融混練物を押出機の先端のダイリップから、表2、表3に示す条件で大気圧下に押出した後、賦形装置(ガイダー)により所定の形状(板状)に成形し、幅300mm×厚み30mmである断面形状の発泡体とした後、カッターで長さ方向が2000mmとなるように切断し、かつ厚み方向の両表面及び幅方向両端部を切削することにより、幅280mm×長さ2000mm×厚み25mmの実施例1〜6及び比較例1〜3のポリスチレン系樹脂発泡板を製造した。
Figure 2021080424
Figure 2021080424
また、製造したポリスチレン系樹脂発泡板について、以下の各項目について測定、評価を行った。その結果を表2、表3に示す。
<気泡構造>
(気泡径)
中心部厚み方向の平均気泡径(DTc)、表層部厚み方向の平均気泡径(DTs)については、上記方法により測定した。すなわち、発泡板の長さ方向に平行であり、かつ幅方向の中央部で二等分した垂直断面のサンプルを得て、拡大倍率50倍の拡大写真を得、写真上において、ナノシステム株式会社製の画像処理ソフトNS2K−proを用いて、中心部気泡の厚み方向の気泡径及び表層部気泡の厚み方向の気泡径を計測した。それを3サンプルについて計測し、それらの値を算術平均することにより中心部気泡の厚み方向の平均気泡径及び表層部気泡の厚み方向の平均気泡径を求めた。
(気泡変形率)
中心部の気泡変形率は、上記測定方法により求められたDTcをDHcで除すことにより算出される値(DTc/DHc)として求めた。表層部の気泡変形率は、上記測定方法により求められたDTsをDHsで除すことにより算出される値(DTs/DHs)として求めた。
(独立気泡率)
ポリスチレン系樹脂発泡板の中央部付近の計5箇所からカットサンプルを切り出して測定試料とし、各々の測定試料について独立気泡率を測定し、5箇所の独立気泡率の算術平均値を採用した。サンプルの独立気泡率を、ASTM−D2856−70の手順Cにより空気比較式比重計(東芝ベックマン(株)製 型式:930型)を使用して測定して上記式(1)から求め、5箇所の算術平均値を独立気泡率とした。
<見掛け密度>
見掛け密度の測定は、JIS K 7222:2005に基づいて行なった。各ポリスチレン系樹脂発泡板の幅方向中央部及び幅方向両端部付近の計3箇所から厚みが全厚みの直方体のサンプルを切り出して各々のサンプルについて見掛け密度を測定し、3箇所の測定値の平均値を見掛け密度とした。
<発泡状態>
発泡体を目視により以下の基準で評価した。
良好:発泡体に過大な穴がなく、表面が平滑である。
不良:発泡体に過大な穴が発生した、表面が平滑でない、又は発泡体に過大な穴が発生したとともに表面が平滑でない。
<発泡断熱板中のハロゲン化オレフィンの含有量>
まず、成形後切削して得られた幅280mm×長さ2000mm×厚み25mmの製造直後の発泡板を23℃、湿度50%の雰囲気下に31日保存した後、発泡板の幅方向及び厚み方向に2等分する点が中心となるように発泡板から15mm(幅)×50mm(長さ)×15mm(厚み)のサンプルを切り出した。このサンプルをトルエン50ml(シクロペンタン0.02gを含有する)溶液の入った蓋付き試料ビン中に入れ蓋を閉めた後、充分に撹拌し発泡断熱板中のハロゲン化オレフィンをトルエン中に溶解させた溶液を測定用試料とし、この溶液をマイクロシリンジにて2μl取り、ガスクロマトグラフに注入しクロマトグラムを得た。ガスクロマトグラフの条件は以下の通りである。
使用機器:(株)島津製作所製GC−14B
カラム:ステンレス製φ3×3000mm
カラム充填剤:シリコンDC550
カラム温度:40℃
検出器:FID
検出限界:0.01質量%
得られたガスクロマトグラムより、ハロゲン化オレフィン成分のピーク面積を読み取り、ピーク面積と発泡剤成分の量との検量線により、ハロゲン化オレフィンの含有量を算出した。
<発泡板中の発泡剤の含有量>
上記発泡断熱板中のハロゲン化オレフィンの含有量の測定方法と同様の方法により、サンプル作製、クロマトグラフ分析を行い、各発泡剤の含有量を算出し、発泡板中の発泡剤の含有量を求めた。なお、この測定で求められる発泡剤の含有量は、透過速度が比較的遅い発泡剤の含有量である。よって、本実施例における発泡板中の発泡剤の含有量は、イソブタンとハロゲン化オレフィンとの合計の含有量を意味する。
<発泡板表層部における気泡膜中のハロゲン化オレフィンの含有量>
まず、成形後切削して得られた幅280mm×長さ2000mm×厚み25mmの製造直後の発泡板を23℃、湿度50%の雰囲気下に31日保存した後、無作為に選択された発泡板の表面から独立気泡を破壊するように薄くスライスする操作を厚み方向中央に向かって3mmの深さまで繰り返し行い、この操作により約1.0gの試料を得た。得られた試料について、発泡断熱板中のハロゲン化オレフィンの含有量と同様の方法によりクロマトグラフ分析を行い、発泡板表層部における気泡膜中のハロゲン化オレフィンの含有量を求めた。
<寸法変化率>
サンプルの厚み方向、幅方向、長さ方向の各々について、80℃寸法変化率を以下のようにして測定した。寸法変形率の測定は、まず、発泡板の長さ方向に平行であり、かつ幅方向の中央部で二等分し、該二等分により露出した面を含む中央部から長さ100mm、横100mm、厚み25mmの直方体形状の試験片を切り出し、この試験片をさらに23℃で一日以上安置した後、ノギスで試験片の厚み方向、幅方向及び長さ方向の各部位の寸法を測定した。次いで、寸法測定後の試験片をそれぞれ80℃のオーブンで22時間加熱し、次いで、加熱後の試験片を23℃で一日安置した後、加熱前と同じ箇所の寸法を測定し、厚み方向、幅方向及び長さ方向の加熱前後の寸法変化率を以下の式からそれぞれ求めた。
寸法変化率=(加熱後の試験片の寸法/加熱前の試験片の寸法−1)×100
上記操作を3つの試験片について行い、厚み方向、幅方向及び長さ方向のそれぞれについて算術平均した値を厚み方向、幅方向及び長さ方向の寸法変化率とした。
上記80℃寸法変化率とオーブンの温度を85℃又は90℃とした以外は同様にして、85℃寸法変化率及び90℃寸法変化率を求めた。
<熱伝導率>
熱伝導率の測定は、製造後7日経過したポリスチレン系樹脂発泡板の中央部から長さ200mm×幅200mm×厚み25mm(表皮が存在しない)の試験片を切り出し、JIS A 1412−2(1999年)記載の平板熱流計法(熱流計2枚方式、高温側38℃、低温側8℃、平均温度23℃)に準拠して熱伝導率を測定した。
<白熱灯による表面照射試験>
蓄熱による表面の膨れの有無を検証するために、成形後切削して得られた幅280mm×長さ2000mm×厚み25mmの製造直後の発泡板を23℃、湿度50%の雰囲気下に31日保存した後、発泡板から無作為に幅及び長さを200mm角にカットしたサンプル(厚みは25mmのまま)を100型レフ白熱灯90Wから125mmの距離に設置して420秒照射しサンプル表面の状態を観察した。上記操作を3つのサンプルについて測定し、全てのサンプルにおいて表面が熱による変形がない場合を「変形なし」、1つでも変形が見られた場合を「表面が熱で膨れた」と評価した。
<酸素指数>
難燃性の指標として酸素指数をJIS K7201−2(2007)に記載の酸素指数法による高分子材料の試験方法により、スガ試験機株式会社製の難燃性試験機(ON−1型)を使用して測定した。
<評価結果>
表2、3に示す測定結果及び評価結果より、実施例1〜6の押出発泡板は、比較例1〜3の押出発泡板と比較して、加熱による膨れの発生が抑制され、寸法変化率に関して優れていることが確認された。
これらの結果から、本発明のポリスチレン系樹脂発泡板は、優れた耐熱性及び断熱性を有しつつ、太陽光の照射にともなう加熱による発泡板表面の膨らみを抑制し、かつ、優れた寸法安定性を有するポリスチレン系樹脂発泡板であることが確認された。

Claims (7)

  1. 耐熱ポリスチレン系樹脂を主成分とする基材樹脂を、物理発泡剤、黒鉛と共に混練して押出発泡することによって得られるポリスチレン系樹脂発泡板であって、
    該ポリスチレン系樹脂発泡板の厚みが10〜150mmであり、見掛け密度が25〜40kg/mであり、該耐熱ポリスチレン系樹脂がビカット軟化温度105℃以上のスチレン−(メタ)アクリル酸共重合体からなり、該物理発泡剤が、ハロゲン化オレフィンを含み、該発泡板中のハロゲン化オレフィンの含有量が、基材樹脂1kgあたり0.1〜0.6molであり、該ポリスチレン系樹脂発泡板の表層部における気泡膜中のハロゲン化オレフィンの含有量が基材樹脂1kgあたり0.1mol以下であることを特徴とするポリスチレン系樹脂発泡板。
  2. 前記ポリスチレン系樹脂発泡板中の物理発泡剤の含有量が基材樹脂1kgあたり0.5〜0.8molであることを特徴とする請求項1に記載のポリスチレン系樹脂発泡板。
  3. 前記ポリスチレン系樹脂発泡板における表層部の厚み方向平均気泡径が50〜200μmであり、表層部の気泡の気泡変形率(厚み方向平均気泡径/平面方向平均気泡径)が0.7〜1であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリスチレン系樹脂発泡板。
  4. 前記ポリスチレン系樹脂発泡板の独立気泡率が90%以上であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のポリスチレン系樹脂発泡板。
  5. 前記スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体の(メタ)アクリル酸単位の割合が1〜8質量%であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のポリスチレン系樹脂発泡板。
  6. 前記ポリスチレン系樹脂発泡板を90℃雰囲気下で22時間加熱した際の寸法変化率が5%以内であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のポリスチレン系樹脂発泡板。
  7. 耐熱ポリスチレン系樹脂を主成分とする基材樹脂を、物理発泡剤、黒鉛と共に混練してなる発泡性溶融樹脂組成物を押出発泡させて板状に成形する工程を含む請求項1から6のいずれか一項に記載のポリスチレン系樹脂発泡板の製造方法であって、
    該耐熱ポリスチレン系樹脂がビカット軟化温度105℃以上のスチレン−(メタ)アクリル酸共重合体からなり、該物理発泡剤が、ハロゲン化オレフィンを含み、ハロゲン化オレフィンの添加量が、基材樹脂1kgあたり0.1〜0.6molであることを特徴とするポリスチレン系樹脂発泡板の製造方法。
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