JP2021072391A - 成形装置、成形方法、および物品の製造方法 - Google Patents

成形装置、成形方法、および物品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 インプリント材の塗布が完了してから時間が経過すると基板上のインプリント材の形状は変化していくが、異なる形状に対して同じ条件で押圧してしまうと、パターン転写後の組成物の膜厚にばらつきが生じてしまう可能性がある。【解決手段】 モールドの接触領域を基板上の組成物に押印することで、前記接触領域が接触した前記基板上のショット領域を成形する成形装置において、基板上に組成物が塗布されてから押印処理が行われるまでの経過時間に応じて、押印処理の際の条件を決定し、当該条件で押圧処理が行われるように制御する。これにより、インプリント材供給後の経過時間の差による液滴の拡がり具合の差に起因する残膜厚のばらつきを低減することができる。【選択図】 図4

Description

本発明は、成形装置、成形方法及び物品の製造方法に関するものである。
インプリント技術は、ナノスケールの微細パターンの転写を可能にする技術であり、半導体デバイスや磁気記憶媒体の量産用ナノリソグラフィ技術の1つとして注目されている。インプリント技術を用いたインプリント装置では、微細な凹凸パターンが形成されたモールド(原版)を基板上のインプリント材(組成物)に接触させる(押し付ける)。そして、モールドと基板上のインプリント材とを接触させた状態でインプリント材を硬化させてからモールドを引き離すことで、基板上にパターンを形成することができる。
特許文献1には、このようなインプリント装置として、基板上の複数ショット分のインプリント領域にあらかじめインプリント材をノズルから吐出し塗布したのちに、連続してパターンを形成する方法が開示されている。この方法によれば、1ショット毎にインプリント材を塗布する工程とパターンを形成する工程とを繰り返す方法と比べ、スループットを向上することができる。
特開2011―61029号公報
ところで特許文献1のような、あらかじめ複数ショット分のインプリント領域にインプリント材を塗布する方法では、パターンを形成する順番によって、インプリント材の塗布が完了してからインプリント処理が行われるまでの経過時間が異なることになる。そしてこのようなインプリント材はノズルから吐出されると、時間が経過するにつれ重力やインプリント材の表面張力などの影響により、図7(a)から図7(c)のように、徐々に基板上で形状が変化することが知られている。図7(a)は吐出後、時間ta経過した図、図7(b)は時間tb経過した図、図7(c)は吐出後、時間tc経過した図である(ta<tb<tc)。つまり図7(a)(b)(c)に示す時間経過の順に、液滴が広がり基板上の面積が広くなるとともに、基板40上の高さが低くなっていく。
そのため、組成物にモールドを接触させる際に、図7の各状態に対し同じ条件で押印するとパターン転写後の組成物の膜厚(残膜厚RLT:Residual Layer Thickness)にばらつきが生じる可能性がある。このような組成物はフォトリソ工程におけるマスク等として用いられるため、膜厚ばらつきが生じていると、製造される半導体デバイスの性能に悪影響を与えることが考えられる。
上記目的を達成するために、本発明の成形装置は、モールドの接触領域を基板上の組成物に押印することで、前記接触領域が接触した前記基板上のショット領域を成形する成形装置であって、前記モールドを保持するモールド保持部と、前記基板を保持する基板保持部と、前記モールド保持部および前記基板保持部の少なくとも一方を駆動し、前記モールドの前記接触領域を前記基板上の組成物に接触させる駆動部と、前記基板上のショット領域に塗布された組成物に、前記モールドの前記接触領域を押印する押印処理が行われるように前記駆動部を制御する制御部と、を有し、前記制御部は、前記基板上に組成物が塗布されてから前記押印処理が行われるまでの経過時間に応じて、前記押印処理の条件を決定する、ことを特徴とする。
本発明によれば、基板上に組成物が塗布されてから押圧処理が行われるまでの経過時間に応じて押圧条件を決定することで、組成物の膜厚ばらつきを低減することができ、良好な半導体デバイスを製造するのに有利な構成を提供することができる。
インプリント装置の構成を示す概略図である。 接触処理時のモールドと基板との様子を示す図である。 本発明に係るインプリント処理の流れを説明するフローチャートである。 第1の実施形態の押印時の様子を説明する図である。 第2の実施形態の押印時の様子を説明する図である。 第3の実施形態の押印時の様子を説明する図である。 基板上に塗布された後のインプリント材の様子を説明する図である。 物品の製造方法を説明するための図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について説明する。本発明は、モールドを用いて基板上の組成物を成形する成形装置に適用されうる。成形装置としてはインプリント装置および平坦化装置が挙げられる。インプリント装置は、凹凸パターンを有するモールドを用いて基板上に組成物(インプリント材)のパターンを形成する装置である。また、平坦化装置は、平面形状を有するモールドを基板上の組成物に接触させることにより当該組成物の表面を平坦にする装置である。以下の実施形態では、成形装置として、インプリント装置を例示して説明する。なお、各図において、同一の部材ないし要素については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
<第1の実施形態>
本発明に係る本実施形態のインプリント装置1について説明する。一般に、インプリント装置は、基板上に供給されたインプリント材と型とを接触させ、インプリント材に硬化用のエネルギーを与えることにより、型の凹凸パターンが転写された硬化物のパターンを形成する装置である。本実施形態のインプリント装置1は、半導体デバイスなどの製造に使用され、凹凸パターンが形成されたモールド3を用いて、基板5のショット領域上に供給されたインプリント材に当該パターンを転写するインプリント処理を行う。インプリント装置1は、パターンが形成されたモールド3を基板上のインプリント材に接触させた状態(押印状態)で当該インプリント材を硬化する。そして、インプリント装置1は、モールド3と基板5との間隔を広げ、硬化したインプリント材からモールド3を剥離(離型)することによって、基板上にインプリント材のパターンを形成することができる。
インプリント材には、硬化用のエネルギーが与えられることにより硬化する硬化性組成物(未硬化状態の樹脂と呼ぶこともある)が用いられる。硬化用のエネルギーとしては、電磁波、熱等が用いられる。電磁波としては、例えば、その波長が10nm以上1mm以下の範囲から選択される、赤外線、可視光線、紫外線などの光である。
硬化性組成物は、光の照射により、あるいは、加熱により硬化する組成物である。このうち、光により硬化する光硬化性組成物は、重合成化合物と光重合開始材とを少なくとも含有し、必要に応じて非重合成化合物または溶剤を含有してもよい。非重合成化合物は、増感剤、水素供与体、内添型離型剤、界面活性剤、酸化防止剤、ポリマ成分などの群から選択される少なくとも一種である。
インプリント材は、液体噴射ヘッドのようなディスペンサ7(塗布部)により、液滴状、あるいは複数の液滴が繋がってできた島状となって基板上に付与されてもよい。インプリント材の粘度(25℃における粘度)は、例えば、1mPa・s以上100mPa・s以下である。
基板5としては、ガラス、セラミックス、金属、半導体、樹脂等が用いられ、必要に応じて、その表面に基板とは別の材料からなる部材が形成されていてもよい。基板5としては、具体的に、シリコンウェハ、化合物半導体ウェハ、石英ガラスなどである。また、インプリント材の付与前に、必要に応じて、インプリント材と基板との密着性を向上させるための密着層を設けてもよい。
<インプリント装置の構成>
図1は、本実施形態のインプリント装置1の構成を示す概略図である。本実施形態において、インプリント装置1は、光(紫外線)の照射によってインプリント材を硬化させる光硬化法を採用するが、これに限定されるものではなく、例えば入熱によってインプリント材を硬化させる熱硬化法を採用することもできる。なお、以下の各図において、モールド3に対する光(紫外線)の照射軸と平行な方向にXYZ座標系におけるZ軸をとり、Z軸に垂直な平面内で互いに直行する方向にX軸およびY軸をとるものとする。
インプリント装置1は、例えば、照明部2と、モールド3を保持するインプリントヘッド4と、基板5を保持して移動可能な基板ステージ6(基板保持部)とを有している。さらに、インプリント装置1は、インプリント材を基板上に液滴状に供給する液体噴射ヘッドのように構成されたディスペンサ7(供給部)と、変形部8と、制御部9とを有している。照明部2、インプリントヘッド4、およびディスペンサ7は、構造体12によって支持されている。また、制御部9は、例えばCPU9aやメモリ9bなどを有し、インプリント装置1の各部を統括的に制御する(インプリント処理を制御する)。
照明部2は、インプリント処理の際、構造体12およびインプリントヘッドに形成された開口部10を介して、モールド3および基板上のインプリント材に紫外線を照射し、硬化部として機能する。照明部2は、例えば、光源と、光源から射出された紫外線をインプリント処理に最適な光に調整するための照明光学系とを含みうる。照明光学系は、レンズ等の光学素子、アパーチャ(開口)、照射と遮光とを切り替えるシャッタ等を含みうる。
インプリントヘッド4は、形状補正機構4a(倍率補正機構)と、モールドチャック4bと、水平駆動機構4cと、鉛直駆動機構4dとを含み、モールド3を保持して移動可能なモールド保持部として機能しうる。形状補正機構4aは、モールド3の外周部側面の領域に対してそれぞれ対向するように設置された複数のフィンガを有し、これらのフィンガを駆動してモールド3に圧縮力を加えることにより、モールド3のパターン領域31の形状を目標形状に補正する。ここで、形状補正機構4aの構成は、これに限定されず、例えば、モールド3に対して引張力を加える構成としてもよい。または、モールドチャック4b自体を駆動させることでモールド3とモールドチャック4bとの接触面にせん断力を与える構成としてもよい。
モールドチャック4bは、真空吸着力や静電吸着力などによりモールド3を引き付けて保持する。また、水平駆動機構4cは、モールドチャック4b(即ちモールド3)をXY方向に駆動する駆動系であり、鉛直駆動機構4dは、モールドチャック4b(即ちモールド3)をZ方向に駆動する駆動系である。水平駆動機構4cおよび鉛直駆動機構4dには、リニアモータやエアリンダ等のアクチュエータが採用されうる。鉛直駆動機構4dは、θ方向(Z軸周りの回転方向)におけるモールド3の位置を調整する調整機能や、モールド3の傾きを調整するチルト機能などを有するように構成されてもよい。
インプリントヘッド4(モールドチャック4b)により保持されるモールド3は、例えば外形が概略矩形であり、通常、石英など紫外線を透過することが可能な材料で作製されている。モールド3の基板側の面(パターン面)には、例えば数十μm程度の段差を有するメサ形状に構成され、基板上のインプリント材に接触させる接触領域が設けられる。本実施形態のインプリント装置1で使用されるモールド3では、当該接触領域は、デバイスパターン(回路パターン)として基板上のインプリント材に転写すべき凹凸パターンが形成されたパターン領域31である。一方、平坦化装置に使用されるモールドでは、当該接触領域は、凹凸パターンが形成されていない平面でありうる。また、モールド3には、パターン領域31を変形しやすくするため、パターン領域31とその周辺の厚みが薄くなるように、パターン面の反対側の面にキャビティ32(凹部)が形成される。このキャビティ32は、インプリントヘッド4によってモールド3が保持されることで略密閉された空間となる。キャビティ32は、配管8aを介して変形部8に接続されている。
変形部8は、モールド3に力を加えることにより、モールド3のパターン領域31を、基板5に向けて撓むように変形させる。図2は、モールド3のパターン領域31と基板5との拡大図であり、接触処理時のモールドと基板との様子を示している。変形部8は、インプリントヘッド4によって保持されたモールド3のキャビティ32の内部の圧力を変更することにより、モールド3のパターン領域31を、その中心部が基板5に向けて突出するように撓んだ凸形状に変形させる。例えば、変形部8は、モールド3と基板5とを近づけてモールド3のパターン領域31と基板上のインプリント材Rとを接触させる際、配管8aを介してキャビティ32の内部に圧縮空気を供給し、キャビティ32の内部の圧力をその外部の圧力よりも高くする。これにより、モールド3のパターン領域31が凸形状に変形し、モールド3とインプリント材とを当該中心部から外側に向けて徐々に接触させることができる。その結果、モールド3と基板5との間における気泡の残存を低減させ、インプリント処理によってインプリント材に形成されたパターンの欠損を低減させることができる。そして、キャビティ32内部の圧力を調整することにより、パターン領域31の凸形状の撓み具合を制御することができる。
基板ステージ6は、例えば基板チャック6aと基板駆動部6bとを含み、基板5を保持して移動可能に構成される。基板チャック6aは、例えば真空吸着力や静電吸着力などにより基板5を引き付けて保持する。基板駆動部6bは、定盤13上で基板チャック6a(即ち基板5)をXY方向に駆動する駆動系である。基板駆動部6bは、Z方向やθ方向(Z軸周りの回転方向)における基板5の位置を調整する調整機能や、基板5の傾きを調整するチルト機能などを有するように構成されてもよい。
また、基板ステージ6のXY方向の位置は計測部11によって計測される。計測部11は、例えば、構造体12によって支持された干渉計を含み、基板チャック6aの端部に設けられたミラー6cに向けて計測光を照射し、当該ミラー6cで反射された計測光を検出することで、基板ステージ6の位置を計測することができる。図1では、計測部11が1つしか示されていないが、例えば、計測部11は、基板ステージ6のXY方向の位置、回転量およびチルト量を計測することができるように複数設けられうる。
ここで、インプリント装置1は、不図示のアライメント光学系によって、基板5(または基板チャック6a)に形成されたアライメントマークをモールド3を介して観察し、モールド3と基板5との位置ずれ情報を取得することができる。また、インプリント装置1は、高さ計測部14によって、基板5の上面までの距離を計測することができる。モールド3のパターン面と高さ計測部14との相対高さに関する情報は事前に取得されているため、高さ計測部14による計測結果と当該情報とに基づいて、モールド3のパターン面と基板5の上面との距離を計算により求めることができる。つまり、この距離の値から、押印処理中であるのか、離型処理中であるのか、離型処理後であるのか、を検知することができる。さらに、インプリント装置1には、モールド3を基板5に接触させたときにかかる押圧力を測定する圧力センサ(不図示)も設けられている。この圧力センサで取得される押圧力の値により、正常に接触しパターン形成が行われているか等、押印処理中の状態を確認することもできる。
以上説明した本実施形態におけるインプリント装置1のインプリント処理では、スループット向上のために、基板5の複数のショット領域にディスペンサ7により液滴状にインプリント材を一括して供給する。その後、処理対象のショット領域(対象ショット領域)上のインプリント材にモールドを順番に接触(押印)させてパターンを形成する手法を用いる。
このような、あらかじめ複数ショット分のインプリント領域に一括してインプリント材を塗布する方法では、パターンを形成する順番によって、インプリント材の塗布が完了してからインプリント処理が行われるまでの経過時間が異なることになる。そしてインプリント材はノズルから吐出されると、時間が経過するにつれ重力やインプリント材の表面張力などの影響により、図7(a)から図7(c)のように、徐々に基板上で形状が変化することが知られている。図7(a)は吐出後、時間ta経過した図、図7(b)は時間tb経過した図、図7(c)は吐出後、時間tc経過した図である(ta<tb<tc)。つまり図7(a)(b)(c)に示す時間経過の順に、液滴が広がり基板上の面積が広くなるとともに、基板40上の高さが低くなっていく。
そのため、組成物にモールドを接触させる際に、図7の各状態に対し同じ条件で押印するとパターン転写後の組成物の膜厚(残膜厚RLT:Residual Layer Thickness)にばらつきが生じる可能性がある。このような組成物はフォトリソ工程におけるマスク等として用いられるため、膜厚ばらつきが生じていると、製造される半導体デバイスの性能に悪影響を与えることが考えられる。
そこで、本実施形態では、基板上に組成物が塗布されてから、接触処理が行われるまでの経過時間に応じて、押印処理の条件を適宜制御することにより、膜厚ばらつきを低減させている。具体的には、本実施形態では、経過時間に応じてモールド3のパターン領域31の変形部8による変形量を制御することで、膜厚ばらつきを低減させる。
図3は、インプリント処理の流れを説明するフローチャートである。かかる処理は、制御部9がインプリント装置1の各部を統括的に制御することで行われる。
ステップS1では、制御部9は、基板5を外部の基板搬送部(不図示)などにより基板ステージ6へ搬送させ、吸着保持するように制御する(基板ロード)。
ステップS2では、制御部9は、ディスペンサ7を用いて、複数のショット領域にインプリント材を塗布するように制御する。
ステップS3では、制御部9は、モールド3のパターン領域31の下側にこれからインプリント処理を行う予定の基板5の対象ショット領域が位置するように基板ステージ6およびインプリントヘッド4の少なくとも一方が駆動するように制御する。
ステップS4では、制御部9は、ショット領域ごとに、基板上にインプリント材が塗布されてから、接触処理が行われるまでの経過時間に応じた押印条件を決定する。具体的には、経過時間が長くなるにつれ、変形部8によるパターン領域31の撓み量(変形量)が小さくなるような押印条件が用いられるように決定する。なおインプリント材が塗布されてからの経過時間は、実際に経過時間を測定しなくともよく、一括で塗布された複数のショット領域の押印順番により経過時間を推定してもよい。すなわち、塗布後の押印順番が後になるにつれて、パターン領域31の撓み量(変形量)が小さくなるように押印条件を決定してもよい。
ステップS5では、制御部9は、ステップS4で決定したショット領域ごとの押印条件を用いて、モールド3のパターン領域31と基板5のインプリント材とを接触させる(押印工程)。具体的には、制御部9は、押印条件に応じて変形部8にモールド3のパターン領域31を基板5に向けて撓むように凸形状に変形させる。そして変形部8によるパターン領域31の変形量を制御しながら、モールド3と基板5との間隔が狭まるようにインプリントヘッド4にモールド3をZ軸方向に駆動させる。このとき、制御部9は、パターン領域31の全体がインプリント材に接触したときにパターン領域31(パターン面)が平面形状になるように、変形部8によりモールド3に加えられる力(即ち、モールド3のキャビティ32に加えられる圧力)を制御する。これにより、モールド3のパターン領域31とインプリント材とを、パターン領域31の中心部から外側に向けて徐々に接触させ、モールド3と基板5との間における気泡の残存を低減させることができる。
ステップS6では、制御部9は、アライメント光学系(不図示)で基板5とモールド3とにそれぞれ設けられたアライメントマークの相対位置関係を計測し、モールド3と基板5との位置ずれ情報を取得する。そして、制御部9は、取得された相対位置ずれが低減するように、基板ステージ6およびインプリントヘッド4の少なくとも一方が駆動するように制御し、基板5とモールド3との位置合わせを行う。
ステップS7では、制御部9は、照明部2から紫外線を照射させショット領域に位置するインプリント材を硬化させる(露光工程)。
ステップS8では、制御部9は、モールド3のパターン領域31を硬化したインプリント材から離型する。具体的には、キャビティ32で構成される空間の圧力を調整しながらインプリントヘッド4にモールド3をZ軸方向に駆動させることで、モールド3をインプリント材から離型させる。なお、離型時にはインプリント材はすでに硬化しているため、離型時のキャビティ32の空間の圧力は一律でよい。
ステップS9では、制御部9は、S2で一括してインプリント材が塗布された塗布済みショット領域のうち押印処理が行われていないショット領域があるかを判断し、押印処理が行われていないショット領域がある場合には、S3に戻る。一方インプリント材が塗布済みだが押印処理が行われていないショット領域がない場合には、S10に進み、基板内にまだ押印処理を行う必要があるショット領域が存在するかを判断し、ある場合にはS2に戻りインプリント処理を継続する。一方、基板内に他にインプリント処理を行うショット領域がない場合には、S11に進む。
ステップS11では、制御部9は、基板5を外部の基板搬送部などにより基板ステージ6から搬出させる(基板アンロード)。
ステップS12では、制御部9は、次に処理すべき基板があるかを判定し、処理すべき基板がある場合には、S1に戻り、処理すべき基板がない場合には処理を完了する。
図4は、本実施形態にかかる押印時の様子を説明する図であり、ステップS4で決定された押印条件によってパターン領域を変形させている様子を示している。基板5上に左から順にショット領域5A、5B、5Cの3カ所のショット領域が互いに隣接するように配置されている。これらのショット領域は、5A,5B,5Cの順に連続してインプリント材20を供給した後、5A,5B,5Cの順に連続して接触処理が行われる。尚、ここでは、一例として3カ所のショット領域が互いに隣接している場合を示したが、処理するショット領域は2カ所以上の複数であれば数は限定されない。また、ショット領域の配置についても、複数のショット領域が互いに隣接している場合のみならず間隔をあけて配置されている場合など、特に限定されない。更に、インプリント材20を各ショット領域に供給する順番、及び、各ショット領域にインプリント処理を行う順番は、特に限定するものではなく、任意の組合せを採りうる。
図4(a)は、ディスペンサ7により基板5の3カ所のショット領域5A,5B,5Cの順に連続してインプリント材20を液滴状で供給した直後を示している(t=0)。図4(b)は、ショット領域5Aのインプリント材20にパターンを転写するためにモールド3のパターン領域31を接触させる処理を開始する時点(t=ta)を示している。この時のショット領域5Aのインプリント材20は供給されて時間がそれほど経過していないため、盛り上がった液滴の状態となっている。モールド3のパターン領域31を基板5に向けて撓むように凸形状に変形させてインプリント材20に接触させている。その後、モールド3と基板5との間隔が狭め、パターン領域31(パターン面)が平面形状になるように、インプリント材20を押し拡げる。そして照明部2よりインプリント材20に紫外線を照射して硬化させた後、モールド3と基板5との間隔を広げ、硬化したインプリント材20からモールド3を離型する。これにより、ショット領域5Aにインプリント材20の凹凸パターンが形成される。
続いて、図4(c)は、ショット領域5Bのインプリント材20にパターンを転写するためにモールド3を接触させる処理を開始する時点を示している。この時のショット領域5Bのインプリント材20は、基板5上に供給された後、ショット領域5Aの一連のインプリント処理の時間が経過している(t=tb)。そのため、重力やインプリント材の表面張力などの影響により、インプリント材20は供給直後の液滴の状態から拡がり、液滴あたりの基板上の面積が広くなると共に基板からの高さが低くなっている。この状態のインプリント材20にショット領域5Aの場合と同様に、モールド3のパターン領域31を基板5に向けて撓むように凸形状に変形させてインプリント材20に接触させる。但し、ショット領域5Aにモールド3を接触させる場合と比較して、パターン領域31の撓み量が小さくなるように変形させる。これは、ショット領域5Bのインプリント材20はモールド3を接触させるとき、5Aの場合よりも拡がった状態であるため、パターン領域31の撓み量を5Aの場合と同じにすると、インプリント材20を押しすぎ薄く拡がり過ぎて、残膜厚が薄くなるためである。ここで、図4(c)に示す厚さhfがインプリント材20の残膜厚に相当する。
このように、パターン領域31の撓み量がショット領域5Aの押印時より小さくなるように変形させて、ショット領域5Bのインプリント材20にモールド3を接触させ押印することにより、残膜厚をショット領域5Aの場合と同程度にすることができる。この後、インプリント材20に紫外線を照射して硬化させ、モールド3と基板5との間隔を広げ、硬化したインプリント材20からモールド3を離型すると、ショット領域5Bにインプリント材20の凹凸パターンが形成される。
図4(d)は、ショット領域5Cのインプリント材20にパターンを転写するためにモールド3を接触させる処理を開始する時点を示している(t=tc)。ショット領域5Cのインプリント材20は、基板5上に供給された後、5A、5Bの2カ所のインプリント処理の時間が経過しているため、5Bのインプリント材20にモールド3が接触する時よりもさらに液滴が拡がった状態になっている。そこで、ショット領域5Cのインプリント材20にモールド3を接触させるとき、5Bの場合と比較して、パターン領域31の撓み量がさらに小さくなるように変形させる。これにより、残膜厚をショット領域5A、5Bの場合と同程度にすることができる。以後、他ショット領域と同様の処理によりショット領域5Cにインプリント材20の凹凸パターンが形成される。
すなわち、本実施形態は、基板上にインプリント材が塗布されてから、押印処理が行われるまでの経過時間に応じて、モールド3の撓み量を制御している。これにより、インプリント材供給後の経過時間の差による液滴の拡がり具合の差に起因する残膜厚のばらつきを低減することができる。そして、形成後のインプリント構造物をフォトリソ工程におけるマスク等として用いたとしても、基板内における膜厚ばらつきは低減されているため、製造される半導体デバイスの性能にも影響を及ぼさないといえる。
なお、本実施形態のインプリント装置1では、固定された基板5に対し、インプリントヘッド4によりモールド3をZ方向に駆動して、モールド3と基板上のインプリント材とを接触させる構成としているが、これとは反対の構成もありうる。即ち、固定されたモールド3に対し、基板ステージ6により基板5をZ方向に駆動して、モールド3と基板上のインプリント材とを接触させる構成としてもよい。あるいは、インプリントヘッド4および基板ステージ6によりモールド3と基板5とを相対的にZ方向に駆動して、モールド3と基板上のインプリント材とを接触させる構成としてもよい。つまり、モールド3と基板5との間隔を相対的に変化させる構成であればよい。
また、本実施形態では、スループット向上のために複数のショット領域に一括してインプリント材を塗布したのちの押印処理の例を用いて説明したが、ショット領域ごとにインプリント材を塗布する場合においても、経過時間により押印条件を制御してもよい。
<第2の実施形態>
第1の実施形態では、インプリント材を塗布したのち、押印処理が行われるまでの経過時間に応じて、モールド3の撓み量を制御する例を説明した。本実施形態では、モールド3の撓み量の制御に加え、経過時間に応じて、モールドをインプリント材に押し付ける際の速度を調整する場合について説明する。なお、本実施形態では、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明を行い、同様な箇所については説明を省略する。
本実施形態では図3のステップS9において、制御部9は、インプリント材を塗布したのち、押印処理が行われるまでの経過時間に応じた押印条件として、ショット領域ごとにモールド3の撓み量および、モールドを押し付ける速度が異なるように決定する。具体的には、経過時間が長くなるにつれ、変形部8によるパターン領域31の撓み量(変形量)が小さくなるとともに、押し付ける速度が遅くなる押印条件が用いられるように決定する。
図5は、モールド3をインプリント材20に接触させ、インプリント材20を押し付ける途中において、モールド3のパターン領域31とインプリント材20の近傍を拡大したものである。このうち、図5(a)は図4(b)のショット領域5Aにモールド3のパターン領域31aを接触させた直後のインプリント材が充填していく様子を示した図である。また、図5(b)は図4(c)のショット領域5Cにモールド3のパターン領域31aを接触させた直後のインプリント材が充填していく様子を示した図である。
第1の実施形態で説明したように図5(b)のショット領域5Cのタイミングは、図5(a)のショット領域5Aのタイミングよりインプリント材塗布後の時間経過が長いので、モールド3のパターン領域31を基板5に向けて凸形状に撓ませる量を小さくしている。パターン領域31には、微細な凹凸パターン31aがパターン領域31の表面の垂直方向に設けられている。図5(a)のショット領域5Aを押印処理するタイミングでは、パターン領域31の撓み量を大きくしているため、凹凸パターン31aの壁面はインプリント材の面に対して大きな角度をもって接触が開始される。そのため、モールド3を押し付けていくと、インプリント材20を凹凸パターン31aの凹部に斜め方向に押し込むような力が働き、インプリント材20が凹凸パターン31a凹部に入り込み易くなっており、図5(a)の状態は、充填性が向上した状態といえる。
一方、図5(b)のショット領域5Cを押印処理するタイミングでは、パターン領域31の撓み量を小さくしているため、凹凸パターン31aの壁面はインプリント材20に対して垂直に近い角度で接触が開始される。そのため、モールド3を押し付けていくと、インプリント材20を凹凸パターン31aの凹部に斜め方向に押し込む力は働き難く、インプリント材20が凹凸パターン31a凹部に入り込み難い状態であるといえる。インプリント材20がモールド3の凹凸パターン31a凹部に十分に入り込まないと、転写されたパターンに気泡が残り欠陥となる可能性があるため好ましくない。但し、凹凸パターン31aは非常に微細であるため、インプリント材20の表面張力による毛細管現象により、押印処理に時間をかければインプリント材20は凹凸パターン31aの凹部に入り込んでいく。そのため、本実施形態においては、基板上にインプリント材が塗布されてから、押印処理が行われるまでの経過時間が長くなるにつれ、押印処理時のモールド3をインプリント材20に押し込んでいくときの速度を遅くするように制御している。これにより、ショット領域5Cを押印処理する際のパターン領域31の撓み量でも、毛細管現象によりインプリント材20が凹凸パターン31aの凹部に入り込ませることができ、気泡の残りによるパターンの欠陥を低減することができる。
以上のように、本実施形態は、基板上にインプリント材が塗布されてから、押印処理が行われるまでの経過時間すなわちモールドの撓み量に応じて、インプリント材20とモールド3が接触した後にモールドがインプリント材を押し付ける速度を遅くする。これにより、インプリント材供給後の経過時間の差による液滴の拡がり具合の差に起因する残膜厚のばらつきを低減するとともに、転写されたパターンに気泡が残る欠陥の発生を低減することができる。そして、形成後のインプリント構造物をフォトリソ工程におけるマスク等として用いたとしても、基板内における膜厚ばらつきは低減されているため、製造される半導体デバイスの性能にも影響を及ぼさないといえる。
<第3の実施形態>
第1の実施形態及び第2の実施形態では、インプリント材を塗布したのち押印処理が行われるまでの経過時間に応じて、モールド3の撓み量を制御する例を説明した。本実施形態では、経過時間に応じて、モールドをインプリント材に接触した後の押圧力を制御する場合について説明する。なお、本実施形態では、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明を行い、同様な箇所については説明を省略する。
本実施形態では図3のステップS9において、制御部9は、インプリント材を塗布したのち、押印処理が行われるまでの経過時間に応じた押印条件として、ショット領域ごとの押印力が異なるように決定する。具体的には、経過時間が長くなるにつれ、押圧力が小さくなるような押印条件が用いられるように決定する。
図6は、本実施形態のモールド3の位置と押印力の関係を模式的に示したものである。ここで示す押圧力は、インプリント装置1に設けられた、モールド3を基板5に接触させたときにかかる押圧力を測定する圧力センサ(不図示)により測定することができる。
図6は、横軸をモールド3のパターン領域31の下面と基板の上面の最短距離h、縦軸を押印力Fとして示している。線61は、図4のショット領域5Aを押印する際(t=ta)に検知される押圧力の変化を示している。線62は、図4のショット領域5Bを押印する際(t=tb)に検知される押圧力の変化を示している。線63は、図4のショット領域5Cを押印する際(t=tc)に検知される押圧力の変化を示している。
ショット領域5A、5B、5Cでは、基板5上にインプリント材20を供給完了した後、モールド3がインプリント材20に接触開始するまでの時間経過が異なる。そのため、モールド3がインプリント材20に接触する時点のインプリント材20の液滴の拡がり状態が異なり、インプリント材20の液滴の基板からの高さにも差ができる。モールド3がインプリント材20に接触する時点のインプリント材20の液滴の基板からの高さ、即ち、パターン領域31の下面と基板の上面の最短距離を、各ショット領域5A、5B、5Cに対してそれぞれha、hb、hcとすると、ha>hb>hcとなる。
インプリント材20にモールド3を近づけていったとき、押印力Fはインプリント材20とモールド3が接触した時点から発生する。その後、さら距離hを近づけていくと押印力Fは単調増加で大きくなる。ここで、ある距離hfまでインプリント材20をモールド3で押し付けた時、求めるパターンの転写状態が得られるとする。インプリント材20にモールド3が接触する時点のインプリント材20の液滴の基板からの高さが低いショット領域ほど小さい押印力Fで距離hfに達するため、ショット領域5C、5B、5Aの順に小さい押印力Fで距離hfに達し、求めるパターン転写状態となる。
この時の各ショット領域5A、5B、5Cに対する押印力をそれぞれFaf、Fbf、Fcfとする。ここで仮に、ショット領域5C、5Bで押印力を5Aと同じFafまで負荷したとすると、インプリント材20は距離hfまで押付けられた後、さらに押し付けられるので距離hがhfよりも小さくなり、その結果インプリント材20の残膜厚が薄くなってしまう。そのため本実施形態ではショット領域5B、5Cは5Aに比べ、インプリント材の供給完了後モールドが接触開始するまでの時間経過に応じて、インプリント材に紫外線を照射して硬化させる直前の押印力がショット領域5Aよりも小さくなるように制御する。つまり経過時間が長くなるにつれて、紫外線硬化させる直前の押圧力が小さくなるように制御する。
言い換えると、経過時間が長くなるにつれ、少ない押圧力が負荷されるタイミングで紫外線を照射させてインプリント材を硬化させる。すなわち、圧力センサが所定の値を超えた際に、紫外線でインプリント材を硬化するように制御する構成とし、経過時間が長くなるにつれて所定の値を小さくなるようにする。これにより、所望の押圧力のタイミングでインプリント材が硬化され、目標となる距離hfのインプリント材の膜厚とすることができる。これによりインプリント材の残膜厚のばらつきを低減することができる。
すなわち、本実施形態は、基板上にインプリント材が塗布されてから、押印処理が行われるまでの経過時間に応じて、紫外線を照射して硬化させる直前のモールド3の押圧力を制御している。これにより、インプリント材供給後の経過時間の差による液滴の拡がり具合の差に起因する残膜厚のばらつきを低減することができる。そして、形成後のインプリント構造物をフォトリソ工程におけるマスク等として用いたとしても、基板内における膜厚ばらつきは低減されているため、製造される半導体デバイスの性能にも影響を及ぼさないといえる。
なお、本実施形態の押圧力の制御は、第1および第2の実施形態の構成と組み合わせて用いることもできる。
<物品の製造方法の実施形態>
本発明の実施形態にかかる物品の製造方法は、例えば、半導体デバイス等のマイクロデバイスや微細構造を有する素子等の物品を製造するのに好適である。かかる製造方法は、他の周知の工程(酸化、成膜、蒸着、ドーピング、平坦化、エッチング、レジスト剥離、ダイシング、ボンディング、パッケージング等)を含む。本実施形態の物品の製造方法は、従来の方法に比べて、物品の性能・品質・生産性・生産コストの少なくとも1つにおいて有利である。
インプリント装置を用いて成形した硬化物のパターンは、各種物品の少なくとも一部に恒久的に、或いは各種物品を製造する際に一時的に、用いられる。物品とは、電気回路素子、光学素子、MEMS、記録素子、センサ、或いは、型等である。電気回路素子としては、DRAM、SRAM、フラッシュメモリ、MRAMのような、揮発性或いは不揮発性の半導体メモリや、LSI、CCD、イメージセンサ、FPGAのような半導体素子等が挙げられる。型としては、インプリント用のモールド等が挙げられる。
硬化物のパターンは、上記物品の少なくとも一部の構成部材として、そのまま用いられるか、或いは、レジストマスクとして一時的に用いられる。基板の加工工程においてエッチング又はイオン注入等が行われた後、レジストマスクは除去される。
次に、物品の具体的な製造方法について説明する。図8(a)に示すように、絶縁体等の被加工材2zが表面に形成されたシリコンウェハ等の基板1zを用意し、続いて、インクジェット法等により、被加工材2zの表面にインプリント材3zを付与する。ここでは、複数の液滴状になったインプリント材3zが基板上に付与された様子を示している。
図8(b)に示すように、インプリント用の型4zを、その凹凸パターンが形成された側を基板上のインプリント材3zに向け、対向させる。図8(c)に示すように、インプリント材3zが付与された基板1zと型4zとを接触させ、圧力を加える。インプリント材3zは型4zと被加工材2zとの隙間に充填される。この状態で硬化用のエネルギーとして光を型4zを通して照射すると、インプリント材3zは硬化する。
図8(d)に示すように、インプリント材3zを硬化させた後、型4zと基板1zを引き離すと、基板1z上にインプリント材3zの硬化物のパターンが形成される。この硬化物のパターンは、型の凹部が硬化物の凸部に、型の凸部が硬化物の凹部に対応した形状になっており、即ち、インプリント材3zに型4zの凹凸パターンが転写されたことになる。
図8(e)に示すように、硬化物のパターンを耐エッチングマスクとしてエッチングを行うと、被加工材2zの表面のうち、硬化物が無いか或いは薄く残存した部分が除去され、溝5zとなる。図8(f)に示すように、硬化物のパターンを除去すると、被加工材2zの表面に溝5zが形成された物品を得ることができる。ここでは硬化物のパターンを除去したが、加工後も除去せずに、例えば、半導体素子等に含まれる層間絶縁用の膜、つまり、物品の構成部材として利用してもよい。
なお、型4zとして、凹凸パターンを設けた回路パターン転写用の型を用いた例について述べたが、凹凸パターンがない平面部を有する型(ブランクテンプレート)であってもよい。ブランクテンプレートは、平面部によって基板上の組成物を平坦化するように成形する平坦化処理(成形処理)を行う平坦化装置(成形装置)に用いられる。平坦化処理は、基板上に供給された組成物にブランクテンプレートの平坦部を接触させた状態で、光の照射によって、或いは、加熱によって組成物を硬化させる工程を含む。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
成形装置の一例として、基板の上のインプリント材をモールド(型)により成形(成型)して、基板にパターン成形を行うインプリント装置について説明したが、インプリント装置に限定されるものではない。成形装置の一例として、型として凹凸パターンがない平面部を有するモールド(ブランクテンプレート)を用いて、基板上の組成物を平坦化するように成形する平坦化処理(成形処理)を行う平坦化装置であっても良い。
3 モールド
4 インプリントヘッド
5 基板
6 基板ステージ
9 制御部

Claims (13)

  1. モールドの接触領域を基板上の組成物に押印することで、前記接触領域が接触した前記基板上のショット領域を成形する成形装置であって、
    前記モールドを保持するモールド保持部と、
    前記基板を保持する基板保持部と、
    前記モールド保持部および前記基板保持部の少なくとも一方を駆動し、前記モールドの前記接触領域を前記基板上の組成物に接触させる駆動部と、
    前記基板上のショット領域に塗布された組成物に、前記モールドの前記接触領域を押印する押印処理が行われるように前記駆動部を制御する制御部と、を有し、
    前記制御部は、前記基板上に組成物が塗布されてから前記押印処理が行われるまでの経過時間に応じて、前記押印処理の条件を決定する、
    ことを特徴とする成形装置。
  2. 前記制御部は、複数の前記ショット領域に連続して押印処理を行う際に、押印処理の順番に応じて、ショット領域ごとの前記押印処理の条件を決定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の成形装置。
  3. 前記モールドに力を加えることにより、前記接触領域を前記基板に向けて撓むように変形させる変形部をさらに有し、
    前記制御部は、前記変形部による前記接触領域の変形量を、前記経過時間に応じて制御することを特徴とする請求項1または2に記載の成形装置。
  4. 前記制御部は、前記経過時間が長くになるにつれて、前記変形部による前記接触領域の変形量が小さくなるように制御することを特徴とする請求項3に記載の成形装置。
  5. 前記制御部は、前記駆動部による前記モールドと前記基板上の組成物を接触させた際の速度を、前記経過時間に応じて制御することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の成形装置。
  6. 前記制御部は、前記経過時間が長くなるにつれて、前記速度が遅くなるように前記駆動部を制御することを特徴とする請求項5に記載の成形装置。
  7. 組成物を硬化させるエネルギーを与える硬化部をさらに有し、
    前記制御部は、前記押印処理の際に前記硬化部で前記接触領域に接触する組成物を硬化させるように制御することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の成形装置。
  8. 前記モールドの前記接触領域を前記基板上の組成物に押印する際の押圧力を測定する圧力センサをさらに有し、
    前記制御部は、前記経過時間に応じて、前記硬化部で前記組成物を硬化させる直前の押圧力を制御することを特徴とする請求項7に記載の成形装置。
  9. 前記制御部は、前記圧力センサで測定される押圧力が所定の値を超えた際に、前記硬化部で前記組成物を硬化させるように制御するものであり、
    前記経過時間が長くなるにつれて、前記所定の値は小さくなるように制御することを特徴とする請求項8に記載の成形装置。
  10. 前記基板保持部に保持された基板に対して、組成物を塗布する塗布部をさらに有し、
    前記制御部は、前記塗布部により複数の前記ショット領域に一括して組成物を塗布するように制御することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の成形装置。
  11. モールドの接触領域を基板上の組成物に押印することで、前記接触領域が接触した前記基板上のショット領域にパターンを形成する成形装置で行われる成形方法であって、
    前記モールドを押印する際の押印条件を決定する決定工程と、
    前記決定工程で決定された押印条件を用いて、前記ショット領域の組成物に前記接触領域を押印する押印工程と、を有し、
    前記決定工程では、前記押印条件を、組成物が前記ショット領域に塗布されてから、当該ショット領域に押印処理が行われるまでの経過時間に応じて決定する
    ことを特徴とする成形方法。
  12. 前記決定工程では、複数の前記ショット領域に連続して押印工程を行う際に、前記複数のショット領域に対する押印処理の順番に応じて、前記複数のショット領域のそれぞれの押印条件を決定する
    ことを特徴とする請求項11に記載の成形方法。
  13. 請求項1乃至10のいずれか1項に記載の成形装置を用いて基板上の組成物を成形する工程と、
    前記工程で成形された前記基板を加工する工程と、を含み、
    加工された前記基板から物品を製造することを特徴とする物品の製造方法。
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