JP2016039182A - インプリント装置、物品の製造方法及びインプリント方法 - Google Patents

インプリント装置、物品の製造方法及びインプリント方法 Download PDF

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Abstract

【課題】モールドの破損の可能性を低減するのに有利なインプリント装置を提供する。
【解決手段】基板上のインプリント材にモールドを接触させた状態で前記基板上のインプリント材を硬化させることにより前記基板上にパターンを形成するインプリント処理を行うインプリント装置であって、前記モールドのパターン面が前記基板側に凸形状に変形するように、前記モールドの前記基板に対向する面における圧力を調整する調整部と、前記インプリント処理を制御する制御部と、を有し、前記制御部は、前記モールドを前記基板上のインプリント材に接触させる前に前記パターン面の形状が凸形状となるように、前記調整部を介して前記面における圧力を第1圧力値に設定し、前記モールドを前記基板上のインプリント材に接触させて押し付けている間に前記パターン面の変形量が小さくなるように、前記調整部を介して前記面における圧力を前記第1圧力値よりも小さい第2圧力値に設定することを特徴とするインプリント装置を提供する。
【選択図】図3

Description

本発明は、インプリント装置、物品の製造方法及びインプリント方法に関する。
半導体デバイスやMEMSなどの微細化の要求が進み、従来のフォトリソグラフィ技術に加え、基板上の未硬化樹脂をモールド(型)で成形して樹脂のパターンを基板上に形成する微細加工技術が注目されている。かかる技術は、インプリント技術と呼ばれ、基板上に数ナノメートルオーダーの微細な構造体(パターン)を形成することができる。例えば、インプリント技術の1つとして、光硬化法がある。
光硬化法を採用したインプリント装置では、まず、基板のショット領域(インプリント領域)に光硬化性樹脂を供給(塗布)し、かかる樹脂とモールドを接触させる。そして、光を照射して樹脂を硬化させ、基板上の硬化した樹脂からモールドを引き離すことで、樹脂のパターンが基板上に形成される。インプリント装置では、一般的に、内部が大気雰囲気であるため、モールドと基板上の樹脂とを接触させると、かかる樹脂に気泡が混入する場合がある。気泡が混入した状態で樹脂を硬化させると、基板上に形成されるパターンに欠陥が生じる可能性が高くなる。
そこで、モールドの裏面の圧力を制御してモールドの表面(パターン面)を基板側に凸形状に変形させながら、モールドと基板上の樹脂とを接触させる技術が提案されている(特許文献1参照)。かかる技術によれば、モールドと基板上の樹脂との間の気体をパターン領域の内側から外側に押し出す(除去する)ことができる。そのため、樹脂に混入する気体(気泡)を減少させ、基板上に形成されるパターンの欠陥の発生を低減することができる。
また、パーシャルフィールドと呼ばれる、所謂、基板の縁部を含む不完全形状のショット領域(上の樹脂)に対してモールドを接触させるのに有効な技術も提案されている(特許文献2参照)。かかる技術では、モールドと基板上の樹脂と接触する領域の重心(図心)と不完全形状のショット領域の重心とを一致させるように、基板に対してモールドを傾けた状態でモールドと樹脂とを接触させている。これにより、モールドと樹脂との接触領域が重心から均等に広がるため、モールドのパターンへの樹脂の充填時間を抑えながら、基板上に形成されるパターンに生じる欠陥を低減することができる。
特表2009−518207号公報 特開2013−58517号公報
特許文献2の技術のように、基板に対してモールドを傾けた状態でモールドと樹脂とを接触させる場合、モールドを基板上の樹脂に押し付ける押印処理が終了するまでに、モールドと基板とがほぼ平行になる状態にモールドの姿勢を戻す必要がある。モールドの姿勢を戻す際に、モールドを基板側に凸形状に変形させた状態でモールドの姿勢を戻すと、モールドと基板との間に樹脂が介在していない領域でモールドが基板側に大きく変形し、モールドと基板とが接触してモールドが破損してしまう。特に、不完全形状のショット領域では、基板上で樹脂が供給されないエリアであるインバリッドエリアが接触領域に含まれるため、この近傍のモールドの部分が大きく変形して、基板の縁部にモールドが接触してしまう可能性が高くなる。
本発明は、このような従来技術の課題に鑑みてなされ、モールドの破損の可能性を低減するのに有利なインプリント装置を提供することを例示的目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一側面としてのインプリント装置は、基板上のインプリント材にモールドを接触させた状態で前記基板上のインプリント材を硬化させることにより前記基板上にパターンを形成するインプリント処理を行うインプリント装置であって、前記モールドのパターン面が前記基板側に凸形状に変形するように、前記モールドの前記基板に対向する面における圧力を調整する調整部と、前記インプリント処理を制御する制御部と、を有し、前記制御部は、前記モールドを前記基板上のインプリント材に接触させる前に前記パターン面の形状が凸形状となるように、前記調整部を介して前記面における圧力を第1圧力値に設定し、前記モールドを前記基板上のインプリント材に接触させて押し付けている間に前記パターン面の変形量が小さくなるように、前記調整部を介して前記面における圧力を前記第1圧力値よりも小さい第2圧力値に設定することを特徴とする。
本発明の更なる目的又はその他の側面は、以下、添付図面を参照して説明される好ましい実施形態によって明らかにされるであろう。
本発明によれば、例えば、モールドの破損の可能性を低減するのに有利なインプリント装置を提供することができる。
本発明の一側面としてのインプリント装置の構成を示す概略図である。 第1の実施形態のインプリント処理における接触処理及び押印処理を説明するためのフローチャートである。 第1の実施形態の接触処理及び押印処理による具体的な効果を説明するための図である。 第2の実施形態のインプリント処理における接触処理及び押印処理を説明するためのフローチャートである。 第2の実施形態の接触処理及び押印処理による具体的な効果を説明するための図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について説明する。なお、各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の一側面としてのインプリント装置1の構成を示す概略図である。インプリント装置1は、物品としての半導体デバイスなどのデバイスの製造に用いられるリソグラフィ装置である。インプリント装置1は、基板上のインプリント材(未硬化の樹脂)にモールド(型)を接触させた状態で基板上のインプリント材を硬化させることにより基板上にパターンを形成するインプリント処理を行う。インプリント装置1は、本実施形態では、光硬化法を採用する。以下では、基板上の樹脂に対して紫外線を照射する照射系の光軸に平行な方向をZ軸とし、Z軸に垂直な平面内で互いに直交する2方向をX軸及びY軸とする。
インプリント装置1は、図1に示すように、照射部2と、モールド保持部3と、基板ステージ4と、樹脂供給部5と、制御部6と、検出部22と、筐体23と、圧力調整部29とを有する。また、インプリント装置1は、モールド7を装置外部からインプリント装置1(モールド保持部3)へ搬送するモールド搬送機構と、基板11を装置外部からインプリント装置1(基板ステージ4)へ搬送する基板搬送機構とを有する。
照射部2は、インプリント処理において、モールド7を介して、基板11の上の樹脂14に紫外線(即ち、樹脂14を硬化させるための光)8を照射する。照射部2は、光源9と、光源9からの紫外線8をインプリント処理に適切な光に調整するための光学素子10とを含む。本実施形態では、光硬化法を採用しているため、インプリント装置1は、照射部2を有している。但し、熱硬化法を採用する場合には、インプリント装置1は、照射部2に代えて、樹脂(熱硬化性樹脂)を硬化させるための熱源を有することになる。
モールド7は、矩形の外周形状を有し、基板11に対向する面に3次元状に形成されたパターン(回路パターンなどの基板11に転写すべき凹凸パターン)7aを含む。モールド7は、紫外線8を透過させることが可能な材料、例えば、石英で構成される。
モールド7は、基板11に対向する面とは反対側の面(紫外線8が入射する入射面)に、モールド7の変形を容易にするためのキャビティ(凹部)7bを有する。キャビティ7bは、円形の平面形状を有する。キャビティ7bの厚さ(深さ)は、モールド7の大きさや材質に応じて設定される。
キャビティ7bは、モールド保持部3に設けられた開口17と連通し、開口17には、開口17の一部とキャビティ7bとで囲まれる空間12を密閉空間とするための光透過部材13が配置されている。空間12の圧力は、圧力調整部29によって調整される。例えば、モールド7と基板上の樹脂14とを接触させる際に、圧力調整部29によって、空間12の圧力を外部の圧力よりも高くして、パターン7aが形成されたパターン面PSを基板11に対して凸形状に撓ませる。換言すれば、圧力調整部29は、モールド7のパターン面PSが基板側に凸形状に変形するように、モールド7の基板11に対向する面における圧力を調整する。これにより、モールド7は、パターン7aの中心部から基板上の樹脂14に接触するため、パターン7aと樹脂14との間に気体(空気)が閉じ込められることが抑制され、パターン7aに樹脂14を効率的に充填させることができる。
モールド保持部3は、真空吸着力や静電力によってモールド7を引き付けて保持するモールドチャック15と、モールドチャック15を保持してモールド7(モールドチャック15)を移動させるモールド駆動部16とを含む。モールドチャック15及びモールド駆動部16は、照射部2からの紫外線8が基板上の樹脂14に照射されるように、中心部(内側)に開口17を有する。
モールド駆動部16は、基板上の樹脂14へのモールド7の押し付け(押印処理)、又は、基板上の樹脂14からのモールド7の引き離し(離型処理)を選択的に行うように、モールド7をZ軸方向に移動させる。モールド駆動部16に適用可能なアクチュエータは、例えば、リニアモータやエアシリンダを含む。モールド駆動部16は、モールド7を高精度に位置決めするために、粗動駆動系や微動駆動系などの複数の駆動系から構成されていてもよい。また、モールド駆動部16は、Z軸方向だけではなく、X軸方向やY軸方向にモールド7を移動可能に構成されていてもよい。更に、モールド駆動部16は、モールド7のθ(Z軸周りの回転)方向の位置やモールド7の傾きを調整するためのチルト機能を有するように構成されていてもよい。
インプリント装置1における押印処理及び離型処理は、本実施形態のように、モールド7をZ軸方向に移動させることで実現してもよいが、基板11(基板ステージ4)をZ軸方向に移動させることで実現させてもよい。また、モールド7と基板11の双方を相対的にZ軸方向に移動させることで、押印処理及び離型処理を実現してもよい。
基板11は、例えば、単結晶シリコン基板やSOI(Silicon on Insulator)基板を含む。基板11には、モールド7のパターン7aで成形される樹脂14が供給(塗布)される。
基板ステージ4は、基板11を保持して移動可能である。モールド7と基板上の樹脂14とを接触させた状態において、基板ステージ4を移動させることでモールド7と基板11との位置合わせ(アライメント)を行う。基板ステージ4は、真空吸着力や静電力によって基板11を引き付けて保持する基板チャック19と、基板チャック19を機械的に保持してXY面内で移動可能とする基板駆動部20とを含む。また、基板チャック19には、位置決めの際に用いられる基準マーク21が配置されている。
基板駆動部20に適用可能なアクチュエータは、例えば、リニアモータやエアシリンダを含む。基板駆動部20は、基板11を高精度に位置決めするために、粗動駆動系や微動駆動系などの複数の駆動系から構成されていてもよい。また、基板駆動部20は、X軸方向やY軸方向だけではなく、Z軸方向に基板11を移動可能に構成されていてもよい。更に、基板駆動部20は、基板11のθ(Z軸周りの回転)方向の位置や基板11の傾きを調整するためのチルト機能を有するように構成されていてもよい。
樹脂供給部5は、基板11の上に未硬化の樹脂14を供給(塗布)する。本実施形態では、樹脂14は、紫外線8が照射されることで硬化する性質を有する紫外線硬化性樹脂である。樹脂14は、半導体デバイスの製造工程などの各種条件に応じて選択される。また、樹脂供給部5から供給される樹脂14の供給量は、例えば、基板11に形成される樹脂14のパターンの厚さ(残膜の厚さ)や樹脂14のパターンの密度などに応じて設定される。
検出部22は、第1検出部27と、第2検出部28とを含む。第1検出部27は、例えば、アライメントスコープを含み、モールド7に形成されたアライメントマークと、基板11に形成されたアライメントマークとのX軸方向及びY軸方向の各方向への位置ずれを検出する。換言すれば、第1検出部27は、XY面内におけるモールド7と基板11との位置ずれを検出する。第2検出部28は、例えば、CCDカメラなどの撮像装置を含み、モールド7と基板上の樹脂14との接触状態やモールド7のパターン7aへの樹脂14の充填状態を画像情報として取得する。
制御部6は、CPUやメモリなどを含むコンピュータで構成され、メモリに格納されたプログラムに従ってインプリント装置1の全体を制御する。制御部6は、インプリント装置1の各部の動作及び調整などを制御することで基板上にパターンを形成するインプリント処理を制御する。制御部6は、インプリント装置1の他の部分と一体で(共通の筐体内に)構成してもよいし、インプリント装置1の他の部分とは別体で(別の筐体内に)構成してもよい。
筐体23は、基板ステージ4を載置するベース定盤24と、モールド保持部3を固定するブリッジ定盤25と、ベース定盤24から延設され、ブリッジ定盤25を支持するための支柱26とを含む。
インプリント装置1におけるインプリント処理について説明する。まず、基板搬送機構によって搬送された基板11を基板ステージ4(基板チャック19)に保持(固定)させて、基板11が樹脂供給部5の下の樹脂供給位置に位置するように基板ステージ4を移動させる。そして、樹脂供給部5によって、基板11の所定のショット領域(インプリント領域)に樹脂14を供給する。
次に、樹脂14を供給した基板11の所定のショット領域がモールド7の下に位置するように基板ステージ4を移動させる。そして、モールド駆動部16によって、モールド7を基板11に近づく方向に移動させて、モールド7と基板上の樹脂14とを接触させ(接触処理)、更に、基板上の樹脂14にモールド7を押し付ける(押印処理)。これにより、モールド7のパターン7aに樹脂14が充填される。
次いで、モールド7を基板上の樹脂14に接触させて押し付けた状態において、照射部2からの紫外線8を、モールド7を介して樹脂14に照射し、基板11の上の樹脂14を硬化させる(硬化処理)。
次に、モールド駆動部16によって、モールド7を基板11から離れる方向に移動させて、基板上の硬化した樹脂14からモールド7を引き離す(離型処理)。これにより、基板11のショット領域に、モールド7のパターン7aに対応する3次元形状の樹脂14のパターンが形成される。
これらの処理を、基板ステージ4の移動によってショット領域を変更しながら繰り返すことで、基板11の全面、即ち、基板11の全てのショット領域に樹脂14のパターンを形成することができる。
図2を参照して、本実施形態のインプリント処理における接触処理及び押印処理について詳細に説明する。かかる処理は、上述したように、制御部6がインプリント装置1の各部を統括的に制御することで行われる。ここでは、パーシャルフィールドと呼ばれる基板の縁部を含む不完全形状のショット領域に対するインプリント処理における接触処理及び押印処理について説明する。不完全形状のショット領域に対するインプリント処理では、基板11に対してモールド7を傾けた状態でモールド7と基板上の樹脂14とを接触させるため、本発明がより効果的となる。
S101では、モールド7を変形させる。具体的には、圧力調整部29によって、モールド7のキャビティ7bの圧力を調整して、モールド7のパターン面PSが基板側に凸形状となるようにモールド7を変形させる。モールド7のパターン面PSを基板側に凸形状にすることによって、かかる凸形状の頂点から樹脂14に接触(点接触)させることが可能となる。従って、モールド7と基板上の樹脂14との接触領域が凸形状の頂点から放射状に広がり、樹脂14に気泡が混入することを防止することができる。
本実施形態では、圧力調整部29によってモールド7のキャビティ7bの圧力を調整することでモールド7のパターン面PSを基板側に凸形状に変形させているが、それ以外の方法でモールド7のパターン面PSを変形させてもよい。例えば、モールド7に曲げの力を与えてパターン面PSを変形させてもよい。
S102では、基板11に対してモールド7を傾ける。本実施形態では、制御部6は、圧力調整部29によって設定されるモールド7のキャビティ7bの圧力値、モールド7の形状及び物性などに基づいて、モールド7のパターン面PSの変形形状、即ち、凸形状を予測する。そして、予測した凸形状の頂点の位置(モールド7のパターン面PSの先端)と不完全形状のショット領域の重心の位置とが一致するように、モールド駆動部16によってモールド7の姿勢、即ち、基板11に対するモールド7の傾きを調整する。不完全形状のショット領域では、基板11に対してモールド7を平行にした状態でモールド7と基板上の樹脂14とを接触させると、モールド7のパターン面PSの先端が不完全形状のショット領域の重心の位置から大きく外れてしまうことが多い。そこで、モールド7のパターン面PSの先端と不完全形状のショット領域の重心の位置とが一致するように、基板11に対してモールド7の傾きを調整する必要がある。
本実施形態では、モールド駆動部16によってモールド7を移動させることで、基板11に対してモールド7を傾けている。但し、基板駆動部20によって基板11を移動させることで、或いは、モールド駆動部16及び基板駆動部20によってモールド7及び基板11の両方を移動させることで、モールド7と基板11との間に傾きをもたせてもよい。
S103では、パターン面PSを凸形状に変形させたモールド7と基板上の樹脂14とを接触させる接触処理を行う。具体的には、上述したように、モールド7を基板11に近づく方向に移動させ、モールド7と基板11との間の距離を縮めることで、モールド7と基板上の樹脂14とを接触させる。モールド7と基板上の樹脂14との接触は、例えば、第2検出部28によって取得された画像情報に基づいて判定される。また、モールド駆動部16に設けられた圧力センサを用いてモールド7と基板上の樹脂14との接触を判定してもよい。この場合、圧力センサがモールド7と基板上の樹脂14との接触による圧力を検出したタイミングでモールド7と樹脂14とが接触したと判定する。
S104では、モールド7と基板上の樹脂14との接触位置を調整する。押印処理が終了したときのモールド7と樹脂14との接触領域は、基板11のショット領域ごとに異なる。本実施形態では、モールド7と樹脂14とを不完全形状のショット領域の重心の位置から接触させるために、S102において、モールド7のパターン面PSの先端とショット領域の重心の位置とが一致するように、基板11に対してモールド7を傾けている。但し、モールド駆動部16の位置決め精度やモールド7のパターン面PSの変形形状の予測誤差などの様々な要因によって、モールド7と樹脂14との接触開始点が不完全形状のショット領域の重心の位置からずれる可能性がある。従って、S104では、モールド7のパターン面PSの先端とショット領域の重心の位置とが一致するように、モールド駆動部16や基板駆動部20によってモールド7や基板11を移動させて、モールド7と基板上の樹脂14との接触位置を調整する。
S105では、基板11に対するモールド7の傾きを戻しながら、モールド7のパターン面PSの変形量を制御する。具体的には、凸形状に変形させたモールド7のパターン面PSの先端から基板上の樹脂14に接触させるために基板11に対して意図的に傾けたモールド7を、モールド駆動部16によって、モールド7と基板11とが平行になるように調整する。この際、モールド7のパターン面PSの変形量が小さくなる(緩和される)ように、パターン面PSの変形量を制御する。本実施形態では、上述したように、圧力調整部29によってモールド7のキャビティ7bの圧力を調整することでモールド7のパターン面PSを基板側に凸形状に変形させている。従って、圧力調整部29によってモールド7のキャビティ7bの圧力を低下させることで、モールド7のパターン面PSの変形量を小さくすることができる。
本実施形態では、モールド7を基板上の樹脂14に接触させてから樹脂14に対するモールド7の押し付けが終了するまでの間に、モールド7のキャビティ7bの圧力を大気圧にまで戻している。モールド7のキャビティ7bの圧力を低下させる具体的な制御は、基板上の樹脂14にモールド7を押し付ける押印工程に応じて決定することができる。本実施形態では、基板11に対するモールド7の傾き(角度)とモールド7のキャビティ7bの圧力とを同期させるように、圧力調整部29を制御している。換言すれば、基板11に対するモールド7の傾きを戻すためのモールド駆動部16の動作の開始とともにモールド7のキャビティ7bの圧力を低下させ、かかる動作が終了するまでの間にキャビティ7bの圧力が大気圧になるまで連続的に低下させている。但し、モールド7のパターン面PSの変形量を制御する工程において、基板11に対するモールド7の傾きとモールド7のキャビティ7bの圧力とを全て同期させる必要はない。例えば、基板11に対するモールド7の傾きを戻すためのモールド駆動部16の動作の開始とともにモールド7のキャビティ7bの圧力を大気圧まで低下させてもよい。
S106では、基板上の樹脂14にモールド7を押し付ける押印処理を行う。押印処理は、モールド7のパターン7aへの樹脂14の充填に要する時間を短縮する、即ち、充填速度を速くするために行う。従来技術では、押印処理において、モールド7が基板11に接触してモールド7が破損する可能性が高くなる。一方、本実施形態では、基板上の樹脂14にモールド7を押し付ける押印処理の前に、モールド7のキャビティ7bの圧力の低下を開始している。従って、本実施形態では、従来技術と比較して、押印処理におけるモールド7のパターン面PSの変形量が小さくなり、モールド7が基板11に接触する可能性を低減することができる。
S107では、モールド7と基板11との位置合わせ(アライメント)を行う。具体的には、第1検出部27によって検出されるモールド7と基板11との位置ずれが低減するように、モールド駆動部16及び基板駆動部20によってモールド7及び基板11を移動させる。モールド7と基板11との位置合わせは、モールド7と基板11との位置ずれが許容範囲に収まるまで行う。モールド7と基板11との位置ずれが許容範囲に収まったらモールド7と基板11との位置合わせを終了し、上述した硬化処理に移行する。
ここで、図3(a)及び図3(b)を参照して、図2に示す本実施形態の接触処理及び押印処理による具体的な効果について説明する。図3(a)及び図3(b)は、押印処理を開始する前、即ち、基板11に対してモールド7の傾きを戻した状態(S105の終了時)を示す図である。図3(a)は、従来技術におけるモールド7のパターン面PSの近傍を示し、図3(b)は、本実施形態におけるモールド7のパターン面PSの近傍を示している。但し、図3(a)及び図3(b)では、説明を理解しやすくために、X方向及びY方向とZ方向との長さの比を変えて示している。
図3(a)を参照するに、圧力値Pは、モールド7を基板上の樹脂14に接触させる前にパターン面PSの形状が凸形状となるように、圧力調整部29によって、モールド7のキャビティ7bに設定される第1圧力値である。エッジ50は、基板11の縁部である。不完全形状のショット領域に対する押印処理では、モールド7のパターン面PSは、基板11のエッジ50と向かい合うことになる。インバリッドエリア51は、基板11の外周部に位置し、基板上で樹脂14が供給されないエリアである。インバリッドエリア51では、モールド7のパターン面PSが樹脂14と接触してないため、パターン面PSは、樹脂14の影響を受けずに変形しやすくなる。
図3(a)に示すように、従来技術では、基板11に対するモールド7の傾きを戻し終わるまで、モールド7のキャビティ7bの圧力値Pを変更していない(即ち、圧力値Pから小さくしていない)。これは、モールド7のキャビティ7bの圧力を高いまま維持する(即ち、圧力値Psを維持する)ことで、モールド7と基板11との間で生じる樹脂14に対する圧力が高まり、モールド7に対する樹脂の充填速度が速くなるからである。但し、インバリッドエリア51におけるモールド7と基板11との間の隙間は数十nmであるのに対して、基板上の樹脂14から基板11のエッジ50までの距離は数十mmである。従って、モールド7のキャビティ7bの圧力が高い状態で基板11に対するモールド7の傾きを戻すと、インバリッドエリア51におけるモールド7のパターン面PSが基板側に大きく変形し、基板11のエッジ50とパターン面PSとが接触する可能性が高くなる。
そこで、本実施形態では、図3(b)に示すように、基板11に対するモールド7の傾きを戻しながら、圧力調整部29によって、モールド7のキャビティ7bの圧力を圧力値Pから圧力値(第2圧力値)Pに変更(設定)している。換言すれば、モールド7を基板上の樹脂14に接触させて押し付けている間にモールド7のパターン面PSの変形量が小さくなるように、モールド7のキャビティ7bの圧力を圧力値Pよりも小さい圧力値Pに設定している。このように、モールド7と基板上の樹脂14とが接触する前のモールド7のキャビティ7bの圧力値Pと、S105の終了時のキャビティ7bの圧力値Pとの関係を、P>Pにしている。圧力値Pは、モールド7のパターン面PSの変形量が予め定められた量よりも大きくなるように、例えば、接触処理においてモールド7と基板上の樹脂14とが点接触するように設定されている。また、圧力値Pは、モールド7を基板上の樹脂14に接触させて押し付けている間にモールド7が基板11と接触しないように設定されている。圧力値P及びPは、モールド7の形状や材質に基づいた数値解析、或いは、実験などにより予め求めておくとよい。本実施形態では、インバリッドエリア51におけるモールド7のパターン面PSの変形が小さくなるため、基板11のエッジ50とパターン面PSとが接触する可能性を低減することができる。
また、本実施形態では、基板上の樹脂14に対するモールド7の押し付けが終了するまでの間にモールド7のパターン面PSの変形量がゼロとなるように、モールド7のキャビティ7bの圧力を制御している。具体的には、圧力調整部29によって、モールド7のキャビティ7bの圧力を、圧力値Pよりも小さい圧力値(第3圧力値)Pに変更(設定)している。
モールド7が基板11に接触しない場合でも、モールド7と基板11の周辺との距離が短いと、基板11の周辺に存在するごみが静電気などによってパターンPSに吸着される可能性がある。特に、基板11の周辺は、基板11の表面に比べてごみが存在している可能性が高い。本実施形態では、モールド7のパターン面PSの変形量が小さくなることで、パターン面PSと基板11の周辺との距離が長くなるため、例えば、同面板などに存在するごみが静電気によってパターン面PSに吸着される可能性も低減することができる。
本実施形態では、モールド駆動部16の駆動情報、例えば、基板上の樹脂14をモールド7で成形するために基板11に対してモールド7を相対的に移動させてからの時間に応じて、モールド7のキャビティ7bの圧力を圧力値Pから圧力値Pに変更している。但し、モールド7と基板11との間の距離を検出する距離検出部を設け、かかる距離検出部によって検出されるモールド7と基板11との間の距離に応じて、モールド7のキャビティ7bの圧力を圧力値Pから圧力値Pに変更してもよい。また、第2検出部28によって取得された画像情報、即ち、モールド7と基板上の樹脂14との接触状態に応じて、モールド7のキャビティ7bの圧力を圧力値Pから圧力値Pに変更してもよい。例えば、モールド7と基板上の樹脂14とが接触してから予め定められた時間内に、モールド7のキャビティ7bの圧力を圧力値Pから圧力値Pに変更してもよい。また、モールド7と基板上の樹脂14とが接触したタイミングにおいて、モールド7のキャビティ7bの圧力を圧力値Pから圧力値Pに変更してもよい。なお、モールド7のキャビティ7bの圧力を制御するために、モールド7と基板上の樹脂14との接触状態を計算や解析によって予測したデータ、或いは、モールド7と基板上の樹脂14との接触状態の実験データなどを蓄積したライブラリを設けてもよい。
このように、本実施形態では、モールド7と基板上の樹脂14とが接触した状態において、モールド7のパターン面PSを基板側に凸形状に変形させる力を緩和させながら樹脂14に対してモールド7を押し付けている。これにより、押印処理におけるモールド7のパターン面PSの変形量が小さくなり、モールド7と基板11とが接触する可能性を低減することができる。従って、インプリント装置1は、モールド7の破損の可能性を低減するのに有利であり、安全に対する高い信頼性を実現することができる。
<第2の実施形態>
第1の実施形態では、パーシャルフィールド、即ち、不完全形状のショット領域に対するインプリント処理における接触処理及び押印処理について説明した。本実施形態では、フルフィールドと呼ばれる基板の内部の完全形状のショット領域に対するインプリント処理における接触処理及び押印処理について説明する。
図4を参照して、本実施形態のインプリント処理における接触処理及び押印処理について詳細に説明する。かかる処理は、上述したように、制御部6がインプリント装置1の各部を統括的に制御することで行われる。完全形状のショット領域に対するインプリント処理では、押印工程において、モールド7のパターン面PSの全面が基板上の樹脂14に押し付けられる。
S201では、モールド7を変形させる。具体的には、S101と同様に、圧力調整部29によって、モールド7のキャビティ7bの圧力を調整して、モールド7のパターン面PSが基板側に凸形状となるようにモールド7を変形させる。ここでは、圧力調整部29は、モールド7のキャビティ7bの圧力を圧力値Pに設定する。
S202では、パターン面PSを凸形状に変形させたモールド7と基板上の樹脂14とを接触させる接触処理を行う。具体的には、S103と同様に、モールド7を基板11に近づく方向に移動させ、モールド7と基板11との間の距離を縮めることで、モールド7と基板上の樹脂14とを接触させる。本実施形態では、モールド7のパターン面PSの先端とショット領域の重心の位置とが一致している。従って、第1の実施形態では、モールド7と基板上の樹脂14とを接触させる前に基板11に対してモールド7を傾けていたが、本実施形態では、モールド7と基板11とを平行に維持したままモールド7と樹脂14とを接触させる。
S203では、モールド7のパターン面PSの変形量を制御する。具体的には、モールド7のパターン面PSの変形量が小さくなる(緩和される)ように、パターン面PSの変形量を制御する。本実施形態では、圧力調整部29によってモールド7のキャビティ7bの圧力を圧力値Pから圧力値Pよりも小さい圧力値Pに変更(設定)することで、モールド7のパターン面PSの変形量を小さくする。押印工程を開始する前のモールド7のキャビティ7bの圧力値をP、押印工程を終了したときのモールド7のキャビティ7bの圧力値をPとすると、圧力調整部29は、P>P>Pの関係を満たすように、キャビティ7bの圧力値Pを設定する。
S204では、モールド7と基板上の樹脂14との接触位置を調整する。本実施形態においても、モールド駆動部16の位置決め精度やモールド7のパターン面PSの変形形状の予測誤差などの様々な要因によって、モールド7と樹脂14との接触開始点が完全形状のショット領域の重心の位置からずれる可能性がある。従って、S204では、モールド7のパターン面PSの先端とショット領域の重心の位置とが一致するように、モールド駆動部16や基板駆動部20によってモールド7や基板11を移動させて、モールド7と基板上の樹脂14との接触位置を調整する。本実施形態では、モールド7のキャビティ7bの圧力を圧力値Pから圧力値Pに変更し、モールド7と基板11との間に樹脂が介在していない領域でモールド7のパターン面PSが基板側に大きく変形してしまうことを抑制している。従って、モールド7と基板上の樹脂14との接触位置を調整する際に、モールド7と基板11とが接触する可能性を低減することができる。
S205では、基板上の樹脂14にモールド7を押し付ける押印処理を行う。押印処理は、モールド7のパターン7aへの樹脂14の充填に要する時間を短縮する、即ち、充填速度を速くするために行う。本実施形態では、基板上の樹脂14にモールド7を押し付ける押印工程の前に、モールド7のキャビティ7bの圧力の低下を開始している。従って、本実施形態では、押印処理におけるモールド7のパターン面PSの変形量が小さくなり、モールド7が基板11に接触する可能性を低減することができる。
S206では、モールド7と基板11との位置合わせ(アライメント)を行う。具体的には、S107と同様に、第1検出部27によって検出されるモールド7と基板11との位置ずれが低減するように、モールド駆動部16及び基板駆動部20によってモールド7及び基板11を移動させる。モールド7と基板11との位置合わせは、モールド7と基板11との位置ずれが許容範囲に収まるまで行う。モールド7と基板11との位置ずれが許容範囲に収まったらモールド7と基板11との位置合わせを終了し、上述した硬化処理に移行する。
ここで、図5(a)及び図5(b)を参照して、図4に示す本実施形態の接触処理及び押印処理による具体的な効果について説明する。図5(a)及び図5(b)は、押印処理を開始する前、具体的には、モールド7と基板上の樹脂14との接触位置の調整を開始する前(S204の開始前)の状態を示す図である。図5(a)は、従来技術におけるモールド7のパターン面PSの近傍を示し、図5(b)は、本実施形態におけるモールド7のパターン面PSの近傍を示している。但し、図5(a)及び図5(b)では、説明を理解しやすくために、X方向及びY方向とZ方向との長さの比を変えて示している。
図5(a)を参照するに、圧力値Pは、上述したように、モールド7を基板上の樹脂14に接触させる前にパターン面PSの形状が凸形状となるように、圧力調整部29によって、モールド7のキャビティ7bに設定される圧力値である。基板上の樹脂14のZ方向の厚さは数十nmであるのに対して、モールド7のパターン面PSの変形量は数十μmである。従って、基板上の樹脂14と接触していないモールド7の一部が基板11と接触してしまう可能性がある。また、モールド7と基板11との間にごみが存在している場合、基板上の樹脂14に強い力でモールド7を押し付けると、モールド7や基板11に傷が生じて破損してしまう可能性がある。
そこで、本実施形態では、図5(b)に示すように、モールド7と基板上の樹脂14との接触位置を調整する前に、圧力調整部29によって、モールド7のキャビティ7bの圧力を圧力値Pから圧力値Pに変更(設定)している。このように、モールド7と基板上の樹脂14とが接触する前のモールド7のキャビティ7bの圧力値Pと、S204の開始前のキャビティ7bの圧力値Pとの関係を、P>Pにしている。圧力値Pは、モールド7を基板上の樹脂14に接触させて押し付けている間にモールド7が基板11と接触しないように設定されている。圧力値Pは、モールド7の形状や材質に基づいた数値解析、或いは、実験などにより予め求めておくとよい。これにより、基板上の樹脂14と接触していないモールド7の一部の変形量が小さくなるため、モールド7と基板11とが接触する可能性を低減することができる。また、モールド7と基板11との間にごみが存在している場合であっても、モールド7の変形量が小さくなっているため、モールド7や基板11に傷が生じて破損してしまう可能性を低減することができる。
また、本実施形態では、第1の実施形態と同様に、基板上の樹脂14に対するモールド7の押し付けが終了するまでの間にモールド7のパターン面PSの変形量がゼロとなるように、モールド7のキャビティ7bの圧力を制御している。具体的には、圧力調整部29によって、モールド7のキャビティ7bの圧力を、圧力値Pよりも小さい圧力値Pに変更(設定)している。
本実施形態では、モールド駆動部16の駆動情報、例えば、基板上の樹脂14をモールド7で成形するために基板11に対してモールド7を相対的に移動させてからの時間に応じて、モールド7のキャビティ7bの圧力を圧力値Pから圧力値Pに変更している。但し、モールド7と基板11との間の距離を検出する距離検出部を設け、かかる距離検出部によって検出されるモールド7と基板11との間の距離に応じて、モールド7のキャビティ7bの圧力を圧力値Pから圧力値Pに変更してもよい。また、第2検出部28によって取得された画像情報、即ち、モールド7と基板上の樹脂14との接触状態に応じて、モールド7のキャビティ7bの圧力を圧力値Pから圧力値Pに変更してもよい。例えば、モールド7と基板上の樹脂14とが接触してから予め定められた時間内に、モールド7のキャビティ7bの圧力を圧力値Pから圧力値Pに変更してもよい。また、モールド7と基板上の樹脂14とが接触したタイミングにおいて、モールド7のキャビティ7bの圧力を圧力値Pから圧力値Pに変更してもよい。なお、モールド7のキャビティ7bの圧力を制御するために、モールド7と基板上の樹脂14との接触状態を計算や解析によって予測したデータ、或いは、モールド7と基板上の樹脂14との接触状態の実験データなどを蓄積したライブラリを設けてもよい。
このように、本実施形態では、モールド7と基板上の樹脂14とが接触した状態において、モールド7のパターン面PSを基板側に凸形状に変形させる力を緩和させながら樹脂14に対してモールド7を押し付けている。これにより、押印処理におけるモールド7の変形量が小さくなり、モールド7と基板11とが接触する可能性を低減することができる。従って、インプリント装置1は、モールド7の破損の可能性を低減するのに有利であり、安全に対する高い信頼性を実現することができる。
<第3の実施形態>
物品としてのデバイス(半導体デバイス、磁気記憶媒体、液晶表示素子等)の製造方法について説明する。かかる製造方法は、インプリント装置1を用いてパターンを基板(ウエハ、ガラスプレート、フィルム状基板等)に形成する工程を含む。かかる製造方法は、パターンを形成された基板を処理する工程を更に含む。当該処理ステップは、当該パターンの残膜を除去するステップを含みうる。また、当該パターンをマスクとして基板をエッチングするステップなどの周知の他のステップを含みうる。本実施形態における物品の製造方法は、従来に比べて、物品の性能、品質、生産性及び生産コストの少なくとも1つにおいて有利である。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
1:インプリント装置 6:制御部 7:モールド 11:基板 29:圧力調整部

Claims (13)

  1. 基板上のインプリント材にモールドを接触させた状態で前記基板上のインプリント材を硬化させることにより前記基板上にパターンを形成するインプリント処理を行うインプリント装置であって、
    前記モールドのパターン面が前記基板側に凸形状に変形するように、前記モールドの前記基板に対向する面における圧力を調整する調整部と、
    前記インプリント処理を制御する制御部と、を有し、
    前記制御部は、前記モールドを前記基板上のインプリント材に接触させる前に前記パターン面の形状が凸形状となるように、前記調整部を介して前記面における圧力を第1圧力値に設定し、前記モールドを前記基板上のインプリント材に接触させて押し付けている間に前記パターン面の変形量が小さくなるように、前記調整部を介して前記面における圧力を前記第1圧力値よりも小さい第2圧力値に設定することを特徴とするインプリント装置。
  2. 前記制御部は、前記モールドと前記基板上のインプリント材とが接触してから予め定められた時間内に、前記調整部を介して前記面における圧力を前記第1圧力値から前記第2圧力値に変更することを特徴とする請求項1に記載のインプリント装置。
  3. 前記制御部は、前記モールドと前記基板上のインプリント材とが接触したタイミングにおいて、前記調整部を介して前記面における圧力を前記第1圧力値から前記第2圧力値に変更することを特徴とする請求項2に記載のインプリント装置。
  4. 前記モールドと前記基板上のインプリント材との接触状態を検出する検出部を更に有し、
    前記制御部は、前記検出部によって検出された接触状態に応じて、前記調整部を介して前記面における圧力を前記第1圧力値から前記第2圧力値に変更することを特徴とする請求項2又は3に記載のインプリント装置。
  5. 前記制御部は、前記基板上のインプリント材を前記モールドで成形するために前記モールドと前記基板とを相対的に移動させてからの時間に応じて、前記調整部を介して前記面における圧力を前記第1圧力値から前記第2圧力値に変更することを特徴とする請求項1に記載のインプリント装置。
  6. 前記制御部は、前記モールドと前記基板との間の距離に応じて、前記調整部を介して前記面における圧力を前記第1圧力値から前記第2圧力値に変更することを特徴とする請求項1に記載のインプリント装置。
  7. 前記モールドと前記基板との間の距離を検出する検出部を更に有することを特徴とする請求項6に記載のインプリント装置。
  8. 前記制御部は、前記調整部を介して前記面における圧力を前記第1圧力値から前記第2圧力値に連続的に変更することを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれか1項に記載のインプリント装置。
  9. 前記制御部は、前記基板上のインプリント材に対する前記モールドの押し付けが終了するまでの間に前記パターン面の変形量がゼロとなるように、前記調整部を介して前記面における圧力を前記第2圧力値よりも小さい第3圧力値に設定することを特徴とする請求項1乃至8のうちいずれか1項に記載のインプリント装置。
  10. 前記制御部は、前記基板に対して前記モールドを傾けた状態で前記モールドと前記基板上のインプリント材を接触させ、前記モールドに対する前記モールドの傾きを戻す間に、前記調整部を介して前記面における圧力を前記第1圧力値から前記第2圧力値に変更することを特徴とする請求項1乃至9のうちいずれか1項に記載のインプリント装置。
  11. 前記第1圧力値は、前記パターン面の変形量が予め定められた量よりも大きくなるように設定され、
    前記第2圧力値は、前記モールドを前記基板上のインプリント材に接触させて押し付けている間に前記モールドが前記基板と接触しないように設定されていることを特徴とする請求項1乃至10のうちいずれか1項に記載のインプリント装置。
  12. 請求項1乃至11のうちいずれか1項に記載のインプリント装置を用いてパターンを基板に形成する工程と、
    前記工程で前記パターンを形成された前記基板を処理する工程と、
    を含むことを特徴とする物品の製造方法。
  13. 基板上のインプリント材にモールドを接触させた状態で前記基板上のインプリント材を硬化させることにより前記基板上にパターンを形成するインプリント方法であって、
    前記モールドを前記基板上のインプリント材に接触させる前に、前記モールドのパターン面が前記基板側に凸形状に変形するように、前記モールドの前記基板に対向する面における圧力を第1圧力値に設定する工程と、
    前記モールドを前記基板上のインプリント材に接触させる工程と、
    前記モールドを前記基板上のインプリント材に接触させている間に前記パターン面の変形量が小さくなるように、前記面における圧力を前記第1圧力値よりも小さい第2圧力値に設定する工程と、
    を有することを特徴とするインプリント方法。
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