JP2021070798A - 抗ウィルス性部材及び抗ウィルス性部材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】液体中に含まれているウィルスを、光触媒を使用せずに確実に不活性化させることができる抗ウィルス性部材を提供する。【解決手段】基材10表面に光触媒機能を持たない粒状の抗ウィルス剤30を含む(メタ)アクリレート系樹脂及びポリシロキサン系樹脂から選ばれる少なくとも1種以上からなる膜状の樹脂層20が形成され、上記樹脂層の表面の面粗さ(JIS B0601による算術平均粗さ)は、Ra=0.03〜10μmであり、上記樹脂層の表面の水の接触角は30°以上、90°未満であることを特徴とする抗ウィルス性部材1。【選択図】図1

Description

本発明は、抗ウィルス性部材及び抗ウィルス性部材の製造方法に関する。
近年、病原体である種々の微生物を媒介とした感染症が短時間で急激に広がる、いわゆる「パンデミック」が問題になっており、SARS(重症急性呼吸器症候群)や、ノロウィルス、鳥インフルエンザ等のウィルス感染による死者も報告されている。
そこで、様々のウィルスに対して抗ウィルス活性を発揮する抗ウィルス剤の開発が活発に行われており、実際に様々な部材に抗ウィルス活性を有するPd等の金属や有機化合物からなる抗ウィルス剤を含む樹脂等を塗布したり、抗ウィルス剤が担持された材料を含む部材を製造することが行われている。
特許文献1には、銅担持酸化物と撥水性樹脂バインダからなり、水の接触角が90°から150°の抗ウィルス性塗膜が開示されている。
特許文献2には、酸化チタン及び亜酸化銅からなる光触媒とアクリル系樹脂などのバインダからなる抗ウィルスコーティング組成物が開示されている。
特許文献3には、表層樹脂層の表面粗さは、測定長さ12.5mmの条件で、JIS B 0601に基づく算術平均粗さ(Ra)が0.1〜10μmである光触媒が担持された化粧板が開示されている。
特開2015−205998号公報 国際公開第2014/141600号 特開2017−78331号公報
しかしながら、光触媒を担持した抗ウィルス性部材の場合は、光触媒の酸化力により比較的短時間で、ウィルスを不活性化させることができるが、光触媒は洗剤などで失活することがある。また、光触媒は、紫外線などで励起する必要があり、光触媒以外の無機、有機抗ウィルス剤を用いる方が実用的な場合がある。このような場合に、光触媒と同程度の抗ウィルス活性が望まれており、特に、くしゃみや咳などのウィルス保持者から排出されるウィルスを含んだ唾液、汗、鼻水などの液体が壁などに付着した場合に、確実にウィルスを不活性化する必要がある。
本発明の目的は、液体中に含まれているウィルスを、光触媒を使用せずに確実に不活性化させることができる抗ウィルス性部材を提供することである。
本発明者らは鋭意、研究した結果、抗ウィルス剤として光触媒を使用しない場合は、抗ウィルス剤とウィルスを含む液体とを十分に接触させる必要があることを見出した。
特に、抗ウィルス性部材の表面を構成する樹脂膜としてアクリル系樹脂及びポリシロキサン系樹脂から選ばれる少なくとも1種を用い、かつ、抗ウィルス剤として粒状のものをこの樹脂の中に含ませることで樹脂表面の面粗さ(JIS B0601による算術平均粗さ)をRa=0.03〜10μmに調整して、水の接触角が30°以上、90°未満となるように表面エネルギーを調整することでウィルス含んだ液体とのぬれ性を向上させることができることを見出し、確実にウィルスを不活性化できる抗ウィルス部材を完成した。
すなわち、本発明は、基材表面に光触媒機能を持たない粒状の抗ウィルス剤を含む(メタ)アクリレート系樹脂及びポリシロキサン系樹脂から選ばれる少なくとも1種以上からなる膜状の樹脂層が形成され、上記樹脂層の表面の面粗さ(JIS B0601による算術平均粗さ)は、Ra=0.03〜10μmであり、上記樹脂層の表面の水の接触角は30°以上、90°未満であることを特徴とする抗ウィルス性部材である。
本発明の抗ウィルス性部材では、膜状の樹脂層として(メタ)アクリレート系樹脂及びポリシロキサン系樹脂から選ばれる少なくとも1種以上からなる膜状の樹脂層を採用し、この樹脂層中に粒状の抗ウィルス剤を含ませることにより、樹脂層の表面の面粗さ(JIS B0601による算術平均粗さ)をRa=0.03〜10μmに調整することで、樹脂層の水の接触角を30°以上、90°未満になるように調製している。
これにより、水との抗ウィルス剤を含む樹脂層とのぬれ性を向上させ、抗ウィルス剤とウィルスとの接触確率を高くすることで、光触媒を使わなくても、ウィルスを確実に不活性化させることができる。
なお、本発明のウィルス性部材において、水の接触角は樹脂層を構成する樹脂の種類、樹脂層の表面粗さにより調整される。
本発明の抗ウィルス性部材では、光触媒機能を持たず、粒状であれば、抗ウィルス剤としては、有機系抗ウィルス剤及び/又は無機系抗ウィルス剤を使用できる。
粒状であることが必要である理由は、(メタ)アクリル系樹脂及びポリシロキサン系樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂と混合して膜状に成形することで、樹脂の表面に凹凸を形成して、面粗さ(JIS B0601による算術平均粗さ)Raを0.03〜10μm程度に調整することができるからである。
本発明の抗ウィルス性部材では、抗ウィルス剤は光触媒機能を持たないので、抗ウィルス剤が光触媒機能を持つ場合と比較して、樹脂層が劣化しにくい。
本発明の抗ウィルス性部材では、粒状の抗ウィルス剤の平均粒子径としては、0.01〜10μmであることが望ましい。
樹脂層の表面粗さ(JIS B0601による算術平均粗さ)、Raを0.03〜10μmに調整しやすいからである。樹脂層の表面粗さは、基材の表面の凹凸によっても影響されるので、基材の表面粗さを考慮して、添加する粒状の抗ウィルス剤の平均粒子径を調整することが望ましい。
本発明の抗ウィルス性部材では、上記抗ウィルス剤は、光触媒機能を持たない有機系抗ウィルス剤及び/又は光触媒機能を持たない無機系抗ウィルス剤であることが望ましい。
本発明では、光触媒のように酸化力が高くなくても、抗ウィルス剤との接触確率を高くすることで、確実にウィルスを不活性化させることができる。
本発明の抗ウィルス性部材では、上記抗ウィルス剤は、銅イオン及び銅化合物を含まないことが望ましい。
銅イオンや銅化合物を含む場合、着色しやすく、樹脂層の意匠性が低下することがあるからである。
本発明における抗ウィルス剤は光触媒機能を持たない金属化合物及び金属イオンでイオン交換されたゼオライトからなる群から選択される少なくとも1種であることが望ましい。
金属酸化物としては、銅イオンや銅化合物を含まないものであってもよい。銅イオンや銅化合物は有色のものが多いため、紫外線硬化樹脂の硬化物を膜状に形成すると、基材表面の色彩が損なわれるからである。抗ウィルス剤としては、抗ウィルス機能を持つ無機リン酸化合物、無機ケイ酸化合物や銀イオン置換ゼオライトなどが好適である。
なお、銅イオンや銅化合物を含んでいても基材表面の色彩に影響を与えない場合は、抗ウィルス剤として銅化合物を含んでいてもよい。具体的には、酸化銅、亜酸化銅、水酸化銅などを用いることができる。
上記金属化合物としては、金属酸化物、無機リン酸化合物、無機ケイ酸化合物を挙げることができる。金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化銀、酸化鉛などを使用することができる。また、無機リン酸化合物としては、リン酸亜鉛や、リン酸ジルコニウム、リン酸ハフニウム、リン酸チタニウム等のチタン族元素のリン酸化合物、リン酸アルミニウム、ヒドロキシアパタイト(リン酸塩鉱物)等の無機リン酸化合物;ケイ酸マグネシウム、シリカゲル、アルミノケイ酸塩、セピオライト(含水ケイ酸マグネシウム)、モンモリロナイト(ケイ酸塩鉱物)、ゼオライト(アルミノケイ酸塩)等の無機ケイ酸化合物などを使用できる。なお、無機系抗ウィルス剤として、シリカに担持した銀は抗菌作用を有するが、表面積が小さく、またシリカ自身には抗ウィルス性能が無いため、銀担持シリカは抗ウィルス剤としては機能しない。一方、ゼオライトは表面積が大きく、ゼオライト自身にも抗ウィルス機能があるため、銀担持のシリカよりも銀イオンで置換したゼオライトの方が望ましい。
また、上記有機系抗ウィルス剤は、トリアジン、アゾール、スルホン酸系界面活性剤、及び、ビス型第四級アンモニウム塩からなる群から選択される少なくとも1種であることが望ましい。
上記有機系抗ウィルス剤としては、例えば、イミダゾール、トリアゾール、チアゾール及びベンゾイミダゾールなどのアゾール、トリアジン、クロロフェネシン、チモール、サリチル酸及びそれらの誘導体、安息香酸、安息香酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸エステル、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、ジンクピリチオン、ビス型ピリジニウム塩、ビス型キノリニウム塩、ビス型チアゾリウム塩等が挙げられる。
これらの有機化合物は、使用温度である25℃付近で粒状を呈している。
本発明の抗ウィルス性部材では、上記膜状の樹脂層中にメチル(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジアクリレート及びシクロヘキシルメタクリレートからなる群から選択される少なくとも1種以上の(メタ)アクリレートと、光重合開始剤を含むことが望ましい。
これらの樹脂は、硬化前のアクリレート系樹脂の粘度を下げることができるからである。
本発明の(メタ)アクリレート系樹脂は、5個以上のアクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートからなることが望ましい。このような(メタ)アクリレートは、高分子鎖が強固なネットワークを形成し、硬度が高く耐摩耗性に優れているからである。
このため、靴による踏みつけ及び擦れや、機械清掃時の回転ブラシによる過酷な摩耗条件でも抗ウィルス剤が脱落せず、抗ウィルス性能が経時劣化しにくい。
本発明の抗ウィルス性部材において、上記メチル(メタ)アクリレート、上記ジメチロール−トリシクロデカンジアクリレート、上記シクロヘキシルメタクリレートの重量割合は、それぞれ、全(メタ)アクリレート中50〜70重量%、5〜20重量%、1〜5重量%であることが望ましい。
本発明の抗ウィルス性部材では、上記膜状の樹脂層中にレべリング剤を含んでいてもよい。レベリング剤としては、シリコーン系レベリング剤、とりわけ非揮発性シリコーンを好適に用いることができる。非揮発性であることにより、レベリング効果が高く、指滑り性も優れたものになる。非揮発性シリコーンとしてはポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン、アミノ官能置換基のあるポリシロキサン、ポリエーテルシロキサンコポリマー及びそれらの混合物が挙げられる。非揮発性シリコーンの添加量は、全(メタ)アクリレートの固形分100重量部に対して、固形分0.002〜0.007重量部が好適である。
本発明の抗ウィルス性部材で使用される(メタ)アクリレート系樹脂としては、多官能(メタ)アクリレートであることが望ましい。特に分子内に5個以上のアクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートは、硬度を向上させる役目を有する。このような多官能(メタ)アクリレートとしては、具体的にはジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、及びこれら2種以上の混合物が挙げられる。
本発明では、上記(メタ)アクリレート系樹脂として、多官能ウレタン(メタ)アクリレート樹脂を用いてもよい。多官能ウレタン(メタ)アクリレート系樹脂は、硬度が高く、靱性も改善されるため、摩耗やクラックが発生しにくく、摩耗条件においても、粒状の抗ウィルス剤の脱落が無く、抗ウィルス性能の経時劣化がない。
本発明において、多官能ウレタン(メタ)アクリレート系樹脂は、多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーからなることが望ましく、上記多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、3個以上の(メタ)アクリロイル基を有し、水酸基を持つ多官能(メタ)アクリレートモノマー及び/又は多官能アクリレートオリゴマーとイソシアネートモノマー又は有機ポリイソシアネートとからなることが望ましい。
上記イソシアネートモノマーとしてはトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどが挙げられ、有機ポリイソシアネートはイソシアネートモノマーから合成されるアダクトタイプ、イソシアヌレートタイプ、ビュレットタイプのポリイソシアネートなどが挙げられる。
3個以上の(メタ)アクリロイル基を有し、水酸基を持つ多官能アクリレートモノマー及び/又はオリゴマーとしてはジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等が挙げられる。これらの多官能アクリレートモノマー及び/又はオリゴマーは、その水酸基がイソシアネートモノマー又は有機ポリイソシアネートと結合して、架橋点が多い多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを形成でき、その硬化物は3次元的な架橋を実現でき、硬度、靱性に優れるからである。上記アクリロイル基は5個以上が特に望ましい。
本発明における膜状の樹脂層を構成する樹脂としては、ポリシロキサン系樹脂が望ましい。本発明に使用できるポリシロキサン系樹脂はポリシロキサン構造を主鎖とした樹脂である。
ポリシロキサン系樹脂の製造方法としては、特に限定されず、有機合成化学協会誌 Vol.58 No.10 (2000)「シロキサン・シラノールの有機化学」にあるように、クロロアルキルシランを酸や塩基を触媒として脱水縮合させて重合させて、ポリシロキサン系樹脂を製造する方法が最もよく知られた方法である。
このような方法以外でも、例えば、ポリシロキサン構造を主鎖として末端に反応性硬化基を持ち、水によって硬化できるようなシリコーン樹脂を、後述する触媒を用いて重合させてポリシロキサン系樹脂としてもよい。なお、反応性硬化基は、水のような活性水素基含有化合物と反応することによりシラノール基を生成する構造を有する官能基である。脱離する保護基の種類によって、脱アルコール型、脱オキシム型、脱酢酸型、脱アミド型、脱アセトン型などがある。
シリコーン樹脂の硬化触媒としては、有機錫、無機錫、チタン触媒、ビスマス触媒、金属錯体、白金触媒、塩基性化合物及び有機燐酸化物などが使用される。有機錫の具体例としては、ジブチル錫ジラウリレート、ジオクチル錫ジマレート、ジブチル錫フタレート、オクチル酸第一錫、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫塩と正珪酸エチルとの反応生成物等が挙げられる。
本発明の膜状の樹脂層を構成する樹脂は、(メタ)アクリレート系樹脂及びポリシロキサン系樹脂を共存させてもよい。
本発明の抗ウィルス性部材において、抗ウィルス剤を含む樹脂層の厚みは、0.1μm〜20μmが望ましい。
本発明の抗ウィルス性部材では、上記膜状の樹脂層は、リン酸エステル基を有する(メタ)アクリレートを含んでいてもよく、具体的には、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−ジヒドロホスフェート、ジ−(2−(メタ)アクリロイルオキシ)ヒドロゲンホスフェート、エチレンオキサイド変性リン酸ジメタクリレート等が挙げられる。リン酸エステル基の存在により、金属やセラミック(ガラス含む)への密着性が向上するものと推察される。
本発明の抗ウィルス性部材の製造方法は、基材表面に、光触媒機能を持たない抗ウィルス剤を含む未硬化の(メタ)アクリレート系樹脂及びポリシロキサン系樹脂から選ばれる少なくとも1種以上の樹脂からなる抗ウィルス組成物を膜状に被覆した後、上記樹脂を硬化させて樹脂層とする樹脂硬化工程を含み、上記樹脂硬化工程では樹脂層の表面粗さ(JIS B0601による算術平均粗さ)が、Ra=0.03〜10μmとし、上記樹脂層の表面の水の接触角を30°以上、90°未満となるように、上記樹脂を硬化させることを特徴とする。
本発明の抗ウィルス性部材の製造方法は、本発明の抗ウィルス組成物を用いて本発明の抗ウィルス性部材を製造する方法といえる。
本発明の抗ウィルス性部材の製造方法において、抗ウィルス組成物は有機溶媒を含まないことが望ましい。
この場合、抗ウィルス組成物を乾燥させることなく紫外線や加熱で硬化させることができ、また、人体に有害な溶剤が揮発することが無い。
また、本発明の抗ウィルス性部材の製造方法において、抗ウィルス組成物は水を含まないことが望ましい。抗ウィルス組成物の硬化膜に孔ができたり、気泡が発生しやすく、また、硬化膜の強度も低下しやすいからである。
図1は、本発明のウィルス部材を含む抗ウィルス性部材の一例を模式的に示す断面図である。
(発明の詳細な説明)
本発明の抗ウィルス性部材は、基材表面に光触媒機能を持たない粒状の抗ウィルス剤を含む(メタ)アクリレート系樹脂及びポリシロキサン系樹脂から選ばれる少なくとも1種以上からなる膜状の樹脂層が形成され、樹脂層の表面の面粗さ(JIS B0601による算術平均粗さ)は、Ra=0.03〜10μmであり、樹脂層の表面の水の接触角は30°以上、90°未満であることを特徴とする。
以下に、本発明のウィルス部材を含む抗ウィルス性部材について図面を用いて説明する。
図1は、本発明のウィルス部材を含む抗ウィルス性部材の一例を模式的に示す断面図である。
図1に示すように、抗ウィルス部材1は、基材10と、基材10の表面に固着形成された抗ウィルス剤30を含む樹脂層20とを有する。
本発明の抗ウィルス性部材において、基材の材料は、特に限定されるものでなく、例えば、金属、ガラス等のセラミック、樹脂、繊維織物、木材等が挙げられる。
また、本発明の抗ウィルス性部材では、基材は、建築物内部の内装材、壁材、窓ガラス、ドア、事務機器、家具等としてもよく、特に、不動産に固定された部材を基材とすることが望ましい。
本発明の抗ウィルス性部材では、膜状の樹脂層として(メタ)アクリレート系樹脂及びポリシロキサン系樹脂から選ばれる少なくとも1種以上からなる膜状の樹脂層を採用し、この樹脂層中に粒状の抗ウィルス剤を含ませることにより、樹脂層の表面の面粗さ(JIS B0601による算術平均粗さ)をRa=0.03〜10μmに調整することで、樹脂層の表面の水の接触角を30°以上、90°未満になるように調製している。
これにより、水との抗ウィルス剤を含む樹脂層とのぬれ性を向上させ、抗ウィルス剤とウィルスとの接触確率を高くすることで、光触媒を使わなくても、ウィルスを確実に不活性化させることができる。
本発明の抗ウィルス性部材では、樹脂層の表面の面粗さは、Ra=0.05〜0.55μmであることが望ましい。
本発明の抗ウィルス性部材では、樹脂層の表面の水の接触角は、62°〜85°であることが望ましい。
なお、本発明のウィルス性部材において、水の接触角は樹脂層を構成する樹脂の種類、樹脂層の表面粗さにより調整される。
本発明の抗ウィルス性部材では、抗ウィルス剤は、光触媒機能を持たず、粒状であればよい。抗ウィルス剤としては、有機系抗ウィルス剤及び/又は無機系抗ウィルス剤を使用できる。
粒状であることが必要である理由は、(メタ)アクリル系樹脂及びポリシロキサン系樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂と混合して膜状に成形することで、樹脂の表面に凹凸を形成して、面粗さRaを0.03〜10μm程度に調整することができるからである。
本発明の抗ウィルス性部材では、抗ウィルス剤は光触媒機能を持たないので、抗ウィルス剤が光触媒機能を持つ場合と比較して、樹脂層が劣化しにくい。
本発明の抗ウィルス性部材では、粒状の抗ウィルス剤の平均粒子径としては、0.01〜10μmであることが望ましく、0.05〜5μmであることがより望ましい。
樹脂層の表面粗さ(JIS B0601による算術平均粗さ)、Raを0.03〜10μmに調整しやすいからである。樹脂層の表面粗さは、基材の表面の凹凸によっても影響されるので、基材の表面粗さを考慮して、添加する粒状の抗ウィルス剤の平均粒子径を調整することが望ましい。
また、本発明の抗ウィルス性部材において、抗ウィルス剤は、光触媒機能を持たない有機系抗ウィルス剤及び/又は光触媒機能を持たない無機系抗ウィルス剤が望ましい。
本発明の抗ウィルス性部材では、抗ウィルス剤は、銅イオン及び銅化合物を含まないことが望ましい。
銅イオンや銅化合物を含む場合、着色しやすく、樹脂層の意匠性が低下することがあるからである。
また、上記無機系抗ウィルス剤は、光触媒機能を持たない金属化合物及び金属イオンで置換したゼオライトからなる群から選択される少なくとも1種であることが望ましい。
金属酸化物としては、銅イオンや銅化合物を含まないものであってもよい。銅イオンや銅化合物は有色のものが多いため、紫外線硬化樹脂の硬化物を膜状に形成すると、基材表面の色彩が損なわれるからである。抗ウィルス剤としては、抗ウィルス機能を持つ無機リン酸化合物、無機ケイ酸化合物や銀イオン置換ゼオライトなどが好適である。
なお、銅イオンや銅化合物を含んでいても基材表面の色彩に影響を与えない場合は、抗ウィルス剤として銅化合物を含んでいてもよい。具体的には、酸化銅、亜酸化銅、水酸化銅などを用いることができる。
金属化合物としては、金属酸化物、無機リン酸化合物、無機ケイ酸化合物を挙げることができる。金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化銀、酸化鉛などを使用することができる。また、無機リン酸化合物としては、リン酸亜鉛や、リン酸ジルコニウム、リン酸ハフニウム、リン酸チタニウム等のチタン族元素のリン酸化合物、リン酸アルミニウム、ヒドロキシアパタイト(リン酸塩鉱物)等の無機リン酸化合物;ケイ酸マグネシウム、シリカゲル、アルミノケイ酸塩、セピオライト(含水ケイ酸マグネシウム)、モンモリロナイト(ケイ酸塩鉱物)、ゼオライト(アルミノケイ酸塩)等の無機ケイ酸化合物などを使用できる。なお、無機系抗ウィルス剤として、シリカに担持した銀は抗菌作用を有するが、表面積が小さく、またシリカ自身には抗ウィルス性能が無いため、銀担持シリカは抗ウィルス剤としては機能しない。一方、ゼオライトは表面積が大きく、ゼオライト自身にも抗ウィルス機能があるため、銀担持のシリカよりも銀イオンで置換したゼオライトの方が望ましい。
また、有機系抗ウィルス剤は、トリアジン、アゾール、スルホン酸系界面活性剤、及び、ビス型第四級アンモニウム塩からなる群から選択される少なくとも1種であることが望ましい。
有機系抗ウィルス剤としては、例えば、イミダゾール、トリアゾール、チアゾール及びベンゾイミダゾールなどのアゾール、トリアジン、クロロフェネシン、チモール、サリチル酸及びそれらの誘導体、安息香酸、安息香酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸エステル、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、ジンクピリチオン、ビス型ピリジニウム塩、ビス型キノリニウム塩、ビス型チアゾリウム塩等が挙げられる。
これらの有機化合物は、使用温度である25℃付近で粒状を呈している。
次に、本発明の抗ウィルス性部材における(メタ)アクリレート系樹脂及びポリシロキサン系樹脂から選ばれる少なくとも1種以上からなる膜状の樹脂層について説明する。
本発明の樹脂層については、(メタ)アクリレート系樹脂を用いた場合は、未硬化の(メタ)アクリレートモノマー/オリゴマーと光重合開始剤と各種添加剤と抗ウィルス剤とを含んだ抗ウィルス組成物を用いて基材表面に膜状に被膜形成した後、紫外線を照射することにより、光重合開始剤は、開裂反応、水素引き抜き反応、電子移動等の反応を起こし、これにより生成した光ラジカル分子、光カチオン分子、光アニオン分子等が未硬化の紫外線硬化樹脂を構成するモノマーやオリゴマーを攻撃してモノマーやオリゴマーの重合反応や架橋反応が進行し、抗ウィルス剤を含む(メタ)アクリレートの硬化物が形成される。
本発明の抗ウィルス性部材で使用される(メタ)アクリレート系樹脂としては、多官能(メタ)アクリレートであることが望ましい。特に分子内に5個以上のアクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートは、硬度を向上させる役目を有する。このような多官能(メタ)アクリレートとしては、具体的にはジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、及びこれら2種以上の混合物が挙げられる。
本発明では、(メタ)アクリレート系樹脂として、多官能ウレタン(メタ)アクリレート樹脂を用いてもよい。多官能ウレタン(メタ)アクリレート系樹脂は、硬度が高く、靱性も改善されるため、摩耗やクラックが発生しにくく、摩耗条件においても、粒状の抗ウィルス剤の脱落が無く、抗ウィルス性能の経時劣化がない。
本発明において、多官能ウレタン(メタ)アクリレート系樹脂は、多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーからなることが望ましく、多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、3個以上の(メタ)アクリロイル基を有し、水酸基を持つ多官能(メタ)アクリレートモノマー及び/又は多官能アクリレートオリゴマーとイソシアネートモノマー又は有機ポリイソシアネートとからなることが望ましい。
イソシアネートモノマーとしてはトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどが挙げられ、有機ポリイソシアネートはイソシアネートモノマーから合成されるアダクトタイプ、イソシアヌレートタイプ、ビュレットタイプのポリイソシアネートなどが挙げられる。
3個以上の(メタ)アクリロイル基を有し、水酸基を持つ多官能アクリレートモノマー及び/又はオリゴマーとしてはジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等が挙げられる。これらの多官能アクリレートモノマー及び/又はオリゴマーは、その水酸基がイソシアネートモノマー又は有機ポリイソシアネートと結合して、架橋点が多い多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを形成でき、その硬化物は3次元的な架橋を実現でき、硬度、靱性に優れるからである。アクリロイル基は5個以上が特に望ましい。
また、ポリシロキサン系樹脂の未硬化のモノマーである、アルキルクロロシランを酸、塩基存在下で加水分解重合反応させてポリシロキサン系樹脂とすることもでき、また、ポリシロキサン構造を主鎖として末端に反応性硬化基を持ち、水によって硬化できるようなシリコーン樹脂を用いて、触媒により重合させて、ポリシロキサン系樹脂とすることもできる。
本発明における膜状の樹脂層を構成する樹脂としては、ポリシロキサン系樹脂が望ましい。本発明に使用できるポリシロキサン系樹脂はポリシロキサン構造を主鎖とした樹脂である。
ポリシロキサン系樹脂の製造方法としては、特に限定されず、有機合成化学協会誌 Vol.58 No.10 (2000)「シロキサン・シラノールの有機化学」にあるように、クロロアルキルシランを酸や塩基を触媒として脱水縮合させて重合させて、ポリシロキサン系樹脂を製造する方法が最もよく知られた方法である。
このような方法以外でも、例えば、ポリシロキサン構造を主鎖として末端に反応性硬化基を持ち、水によって硬化できるようなシリコーン樹脂を、後述する触媒を用いて重合させてポリシロキサン系樹脂としてもよい。なお、反応性硬化基は、水のような活性水素基含有化合物と反応することによりシラノール基を生成する構造を有する官能基である。脱離する保護基の種類によって、脱アルコール型、脱オキシム型、脱酢酸型、脱アミド型、脱アセトン型などがある。
シリコーン樹脂の硬化触媒としては、有機錫、無機錫、チタン触媒、ビスマス触媒、金属錯体、白金触媒、塩基性化合物及び有機燐酸化物などが使用される。有機錫の具体例としては、ジブチル錫ジラウリレート、ジオクチル錫ジマレート、ジブチル錫フタレート、オクチル酸第一錫、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫塩と正珪酸エチルとの反応生成物等が挙げられる。
本発明の膜状の樹脂層を構成する樹脂は、(メタ)アクリレート系樹脂及びポリシロキサン系樹脂を共存させてもよい。
本発明の抗ウィルス性部材において、抗ウィルス剤を含む樹脂層の厚みは、0.1μm〜20μmが望ましい。
本発明の抗ウィルス性部材では、樹脂層は、リン酸エステル基を有する(メタ)アクリレートを含んでいてもよく、具体的には、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−ジヒドロホスフェート、ジ−(2−(メタ)アクリロイルオキシ)ヒドロゲンホスフェート、エチレンオキサイド変性リン酸ジメタクリレート等が挙げられる。リン酸エステル基の存在により、金属やセラミック(ガラス含む)への密着性が向上するものと推察される。
本発明の抗ウィルス性部材では、メチル(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジアクリレート及びシクロヘキシルメタクリレートからなる群から選択される少なくとも1種以上の(メタ)アクリレートと、光重合開始剤を含むことが望ましい。
これらの樹脂は、硬化前のアクリレート系樹脂の粘度を下げることができるからである。
本発明の(メタ)アクリレート系樹脂は、5個以上のアクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートからなることが望ましい。このような(メタ)アクリレートは、高分子鎖が強固なネットワークを形成し、硬度が高く耐摩耗性に優れているからである。
このため、靴による踏みつけ及び擦れや、機械清掃時の回転ブラシによる過酷な摩耗条件でも抗ウィルス剤が脱落せず、抗ウィルス性能が経時劣化しにくい。
本発明の抗ウィルス性部材において、メチル(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジアクリレート、シクロヘキシルメタクリレートの重量割合は、それぞれ、全(メタ)アクリレート中50〜70重量%、5〜20重量%、1〜5重量%であることが望ましい。
本発明の抗ウィルス性部材では、樹脂中にレべリング剤を含んでいてもよい。レベリング剤としては、シリコーン系レベリング剤、とりわけ非揮発性シリコーンを好適に用いることができる。非揮発性であることにより、レベリング効果が高く、指滑り性も優れたものになる。非揮発性シリコーンとしてはポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン、アミノ官能置換基のあるポリシロキサン、ポリエーテルシロキサンコポリマー及びそれらの混合物が挙げられる。非揮発性シリコーンの添加量は、全(メタ)アクリレートの固形分100重量部に対して、固形分0.002〜0.007重量部が好適である。
本発明の抗ウィルス性部材によれば、例えば、建築物内部の内装材、壁材、窓ガラス、ドア、台所用品等や、事務機器や家具等や、種々の用途に用いられる化粧板等に、表面に形成されたパターン、色彩、意匠、色調等を変えることなく、抗ウィルス機能を付加することができる。
次に、上記した抗ウィルス性部材の製造方法について説明する。
本発明の抗ウィルス性部材の製造方法は、基材表面に、光触媒機能を持たない抗ウィルス剤を含む未硬化の(メタ)アクリレート系樹脂及びポリシロキサン系樹脂から選ばれる少なくとも1種以上の樹脂からなる抗ウィルス組成物を膜状に被覆した後、上記樹脂を硬化させて樹脂層とする樹脂硬化工程を含み、上記樹脂硬化工程では樹脂層の表面粗さ(JIS B0601による算術平均粗さ)を、Ra=0.03〜10μmとし、上記樹脂層の表面の水の接触角を30°以上、90°未満とすることを特徴とする。
本発明の抗ウィルス性部材の製造方法において、樹脂硬化工程は、(1)抗ウィルス組成物調整工程、(2)塗布工程及び(3)硬化工程を含んでいてもよい。
各工程について以下に説明する。
(1)抗ウィルス組成物調整工程
本発明の抗ウィルス性部材を製造する際には、まず、光触媒機能を有さない粒状の抗ウィルス剤と、未硬化の(メタ)アクリレート系樹脂及びポリシロキサン系樹脂から選ばれる少なくとも1種以上からなる樹脂と必要に応じて分散媒と光重合開始剤とを含む抗ウィルス組成物を調製する。
未硬化の(メタ)アクリレート系樹脂及びポリシロキサン系樹脂から選ばれる少なくとも1種以上からなる樹脂、並びに、粒状の抗ウィルス剤の平均粒子径は、抗ウィルス組成物が硬化して樹脂層となった際に、樹脂層の表面の面粗さ(JIS B0601による算術平均粗さ)Raが0.03〜10μmとなり、かつ樹脂層の表面の水の接触角を30°以上、90°未満となるように、適宜選択することが望ましい。
このような抗ウィルス組成物を用いることにより、ウィルスを含む水溶液との濡れ性を改善して、ウィルスと抗ウィルス剤との接触確率を上げ、ウィルスを効率的に不活性化させることができる抗ウィルス性部材を製造することができる。
なお、水の接触角は抗ウィルス剤を含む樹脂層を構成する樹脂と樹脂層の表面粗さによって調整することができる。
抗ウィルス組成物における抗ウィルス剤は、光触媒機能を持たず、粒状であればよい。抗ウィルス剤としては、有機系抗ウィルス剤及び/又は無機系抗ウィルス剤を使用できる。
粒状であることが必要である理由は、(メタ)アクリル系樹脂及びポリシロキサン系樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂と混合して膜状に成形することで、樹脂の表面に凹凸を形成して、面粗さ(JIS B0601による算術平均粗さ)Raを0.03〜10μm程度に調整することができるからである。
また、抗ウィルス剤は光触媒機能を持たないので、製造後の抗ウィルス部材において、抗ウィルス剤が光触媒機能を持つ場合と比較して樹脂層が劣化しにくい。
抗ウィルス組成物における粒状の抗ウィルス剤の平均粒子径としては、0.01〜10μmであることが望ましい。
製造後の抗ウィルス性部材における樹脂層の表面粗さ(JIS B0601による算術平均粗さ)Raを0.03〜10μmに調整しやすいからである。樹脂層の表面粗さは、基材の表面の凹凸によっても影響されるので、基材の表面粗さを考慮して、添加する粒状の抗ウィルス剤の平均粒子径を調整することが望ましい。
抗ウィルス組成物における抗ウィルス剤は、光触媒機能を持たない有機系抗ウィルス剤及び/又は光触媒機能を持たない無機系抗ウィルス剤が望ましい。
抗ウィルス組成物における抗ウィルス剤は、銅イオン及び銅化合物を含まないことが望ましい。
銅イオンや銅化合物を含む場合、着色しやすく、樹脂層の意匠性が低下することがあるからである。
抗ウィルス組成物における無機系抗ウィルス剤は、光触媒機能を持たない金属化合物及び金属イオンで置換したゼオライトからなる群から選択される少なくとも1種であることが望ましい。
金属酸化物としては、銅イオンや銅化合物を含まないものであってもよい。銅イオンや銅化合物は有色のものが多いため、紫外線硬化樹脂の硬化物を膜状に形成すると、基材表面の色彩が損なわれるからである。抗ウィルス剤としては、抗ウィルス機能を持つ無機リン酸化合物、無機ケイ酸化合物や銀イオン置換ゼオライトなどが好適である。
なお、銅イオンや銅化合物を含んでいても基材表面の色彩に影響を与えない場合は、抗ウィルス剤として銅化合物を含んでいてもよい。具体的には、酸化銅、亜酸化銅、水酸化銅などを用いることができる。
金属化合物としては、金属酸化物、無機リン酸化合物、無機ケイ酸化合物を挙げることができる。金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化銀、酸化鉛などを使用することができる。また、無機リン酸化合物としては、リン酸亜鉛や、リン酸ジルコニウム、リン酸ハフニウム、リン酸チタニウム等のチタン族元素のリン酸化合物、リン酸アルミニウム、ヒドロキシアパタイト(リン酸塩鉱物)等の無機リン酸化合物;ケイ酸マグネシウム、シリカゲル、アルミノケイ酸塩、セピオライト(含水ケイ酸マグネシウム)、モンモリロナイト(ケイ酸塩鉱物)、ゼオライト(アルミノケイ酸塩)等の無機ケイ酸化合物などを使用できる。なお、無機系抗ウィルス剤として、シリカに担持した銀は抗菌作用を有するが、表面積が小さく、またシリカ自身には抗ウィルス性能が無いため、銀担持シリカは抗ウィルス剤としては機能しない。一方、ゼオライトは表面積が大きく、ゼオライト自身にも抗ウィルス機能があるため、銀担持のシリカよりも銀イオンで置換したゼオライトの方が望ましい。
抗ウィルス組成物における有機系抗ウィルス剤は、トリアジン、アゾール、スルホン酸系界面活性剤、及び、ビス型第四級アンモニウム塩からなる群から選択される少なくとも1種であることが望ましい。
有機系抗ウィルス剤としては、例えば、イミダゾール、トリアゾール、チアゾール及びベンゾイミダゾールなどのアゾール、トリアジン、クロロフェネシン、チモール、サリチル酸及びそれらの誘導体、安息香酸、安息香酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸エステル、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、ジンクピリチオン、ビス型ピリジニウム塩、ビス型キノリニウム塩、ビス型チアゾリウム塩等が挙げられる。
これらの有機化合物は、使用温度である25℃付近で粒状を呈している。
抗ウィルス組成物における(メタ)アクリレート系樹脂としては、多官能(メタ)アクリレートであることが望ましい。特に分子内に5個以上のアクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートは、硬度を向上させる役目を有する。このような多官能(メタ)アクリレートとしては、具体的にはジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、及びこれら2種以上の混合物が挙げられる。
本発明では、(メタ)アクリレート系樹脂として、多官能ウレタン(メタ)アクリレート樹脂を用いてもよい。多官能ウレタン(メタ)アクリレート系樹脂は、硬度が高く、靱性も改善されるため、摩耗やクラックが発生しにくく、摩耗条件においても、粒状の抗ウィルス剤の脱落が無く、抗ウィルス性能の経時劣化がない。
多官能ウレタン(メタ)アクリレート系樹脂は、多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーからなることが望ましく、上記多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、3個以上の(メタ)アクリロイル基を有し、水酸基を持つ多官能(メタ)アクリレートモノマー及び/又は多官能アクリレートオリゴマーとイソシアネートモノマー又は有機ポリイソシアネートとからなることが望ましい。
イソシアネートモノマーとしてはトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどが挙げられ、有機ポリイソシアネートはイソシアネートモノマーから合成されるアダクトタイプ、イソシアヌレートタイプ、ビュレットタイプのポリイソシアネートなどが挙げられる。
3個以上の(メタ)アクリロイル基を有し、水酸基を持つ多官能アクリレートモノマー及び/又はオリゴマーとしてはジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等が挙げられる。これらの多官能アクリレートモノマー及び/又はオリゴマーは、その水酸基がイソシアネートモノマー又は有機ポリイソシアネートと結合して、架橋点が多い多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを形成でき、その硬化物は3次元的な架橋を実現でき、硬度、靱性に優れるからである。上記アクリロイル基は5個以上が特に望ましい。
抗ウィルス組成物におけるポリシロキサン系樹脂としては、ポリシロキサン系樹脂の未硬化のモノマーである、アルキルクロロシランを酸、塩基存在下で加水分解重合反応させてポリシロキサン系樹脂とすることもでき、また、ポリシロキサン構造を主鎖として末端に反応性硬化基を持ち、水によって硬化できるようなシリコーン樹脂を用いて、触媒により重合させて、ポリシロキサン系樹脂とすることもできる。
ポリシロキサン系樹脂の製造方法としては、特に限定されず、有機合成化学協会誌 Vol.58 No.10 (2000)「シロキサン・シラノールの有機化学」にあるように、クロロアルキルシランを酸や塩基を触媒として脱水縮合させて重合させて、ポリシロキサン系樹脂を製造する方法が最もよく知られた方法である。
このような方法以外でも、例えば、ポリシロキサン構造を主鎖として末端に反応性硬化基を持ち、水によって硬化できるようなシリコーン樹脂を、後述する触媒を用いて重合させてポリシロキサン系樹脂としてもよい。なお、反応性硬化基は、水のような活性水素基含有化合物と反応することによりシラノール基を生成する構造を有する官能基である。脱離する保護基の種類によって、脱アルコール型、脱オキシム型、脱酢酸型、脱アミド型、脱アセトン型などがある。
シリコーン樹脂の硬化触媒としては、有機錫、無機錫、チタン触媒、ビスマス触媒、金属錯体、白金触媒、塩基性化合物及び有機燐酸化物などが使用される。有機錫の具体例としては、ジブチル錫ジラウリレート、ジオクチル錫ジマレート、ジブチル錫フタレート、オクチル酸第一錫、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫塩と正珪酸エチルとの反応生成物等が挙げられる。
本発明の膜状の樹脂層を構成する樹脂は、(メタ)アクリレート系樹脂及びポリシロキサン系樹脂を共存させてもよい。
本発明の抗ウィルス性部材に用いられる基材として金属やセラミックを使用する場合は、未硬化のアクリレート系の樹脂中には、さらにリン酸エステル基を持つ(メタ)アクリレート化合物を含有していてもよい。
抗ウィルス組成物における分散媒の種類は特に限定されるものではないが、安定性を考慮した場合にはアルコール類や水を使用できる。アルコール類としては、粘性を下げる事を考慮して、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール等のアルコール類が挙げられる。これらのアルコールのなかでは、粘度が高くなりにくいメチルアルコール、エチルアルコールが望ましく、アルコールと水との混合液が望ましい。
また、メチルエチルケトンや酢酸エチルなどの有機溶媒を使用してもよい。
なお、分散媒として水を使用すると(メタ)アクリレートや光重合開始剤がエマルジョンとなってしまい、塗布した際に均一な膜を形成できないという問題が発生してしまうため、水を使用して(メタ)アクリレートや光重合開始剤等をエマルジョン化することは望ましくない。
また、抗ウィルス組成物を調製する際の、最も望ましい形態としては、分散媒を使用せずに、無溶剤で抗ウィルス組成物を調製する形態が挙げられる。
無溶剤で抗ウィルス組成物を調製した場合、後に分散媒を乾燥させる乾燥工程を行うことなく、塗布後に紫外線を照射することで、短時間に(メタ)アクリレートモノマー/オリゴマーを硬化することができる。また、分散媒として有機溶媒を使用すると、抗ウィルス組成物の塗布時及び硬化後でも有機溶媒が揮発して、作業者や抗ウィルス性部材を配置した空間に居住する人間の健康に悪影響を与える可能性がある。そのため、健康面からも無溶剤であることが望ましい。
抗ウィルス組成物の粘度を下げるために、メチル(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジアクリレート、及びシクロヘキシルメタクリレートからなる群から選択される少なくとも1種以上の(メタ)アクリレートを添加することが望ましい。
抗ウィルス組成物では、メチルメタクリレート(MMA)を粘度調整剤として含むことが望ましく、抗ウィルス組成物の粘度は10mPa・s/25℃未満に調整されることが望ましい。MMAは組成物全重量中50〜70重量%配合するのが望ましい。
また、本発明の抗ウィルス組成物及びその硬化中に2官能性(メタ)アクリレートとしてジメチロール−トリシクロデカンジアクリレート、単官能(メタ)アクリレートとしてシクロヘキシルメタクリレートを含んでいてよい。これらは抗ウィルス組成物の粘度を低減させることができ、また、硬化後の硬化収縮も小さくすることができる。
抗ウィルス組成物における光重合開始剤は、具体的にはアルキルフェノン系、アシルフォスフィンオキサイド系、分子内水素引き抜き型、及び、オキシムエステル系からなる群から選択される少なくとも1種が望ましい。
アルキルフェノン系の光重合開始剤としては、例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホニル)フェニル]−1−ブタノン等が挙げられる。
アシルフォスフィンオキサイド系の光重合開始剤としては、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。
分子内水素引き抜き型の光重合開始剤としては、例えば、フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステル、オキシフェニルサクサン、2−[2−オキソ−2−フェニルアセトキシエトキシ]エチルエステルトオキシフェニル酢酸と2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルエステルとの混合物等が挙げられる。
オキシムエステル系の光重合開始剤としては、例えば、1.2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)等が挙げられる。
上記抗ウィルス組成物中の抗ウィルス剤の含有割合は、2〜30重量%が望ましく、未硬化の(メタ)アクリレート系樹脂及び/又はポリシロキサン系樹脂の含有割合は、15〜60重量%が望ましく、もし、分散媒が必要な場合は、分散媒の含有割合は、1〜80重量%が望ましい。
上記抗ウィルス組成物には、必要に応じて、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、接着促進剤、レオロジー調整剤、レベリング剤、消泡剤等が配合されていてもよい。レベリング剤としては、シリコーン系レベリング剤、とりわけ非揮発性シリコーンを好適に用いることができる。非揮発性であることにより、レベリング効果が高く、指滑り性も優れたものになる。非揮発性シリコーンとしてはポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン、アミノ官能置換基のあるポリシロキサン、ポリエーテルシロキサンコポリマー及びそれらの混合物が挙げられる。非揮発性シリコーンの添加量は、全(メタ)アクリレートの固形分100重量部に対して、固形分0.002〜0.007重量部が好適である。
(2)塗布工程
次に、基材表面に、抗ウィルス組成物を膜状に被覆する。
上記塗布方法としては、例えば、スポンジローラー、刷毛、モップ、スキージーなどを利用して抗ウィルス組成物を基材表面に塗布することができる。
基材としては、例えば、金属、ガラス等のセラミック、樹脂、繊維織物、木材等が挙げられる。
(3)硬化工程
硬化工程では、抗ウィルス組成物中の上記未硬化の樹脂を硬化させることにより膜状の樹脂層を作成する。
樹脂を硬化させる方法としては、樹脂の種類に応じて適宜選択することが望ましく、例えば、紫外線照射、加熱、加水分解反応、20%〜100%の湿度を有する空気に接触させる方法等が挙げられる。
紫外線照射により樹脂を硬化させる場合には、紫外線を照射の条件は、1〜300mW/cm、1〜800秒であることが望ましい。
また、加熱により樹脂を硬化させる場合には、80℃〜180℃で加熱することが望ましい。
さらに、クロロアルキルシランを原料として使用して加水分解重合を行う場合は、塩酸や水酸化ナトリウムなどの酸、塩基の存在下で反応させることが望ましい。
また、末端に反応性硬化基を持ち、水によって硬化できるようなシリコーン樹脂を、触媒を用いてポリシロキサン系樹脂とする場合は、湿度20%〜100%の空気に接触させることで空気中の水と末端の反応性硬化基が反応して重合反応が進行することが望ましい。
(その他の工程)
なお、抗ウィルス組成物が分散媒を含む場合には、抗ウィルス組成物を塗布した後、乾燥させ、分散媒を蒸発、除去し、抗ウィルス組成物を基材表面に仮固定させるとともに、抗ウィルス組成物の乾燥収縮により、粒状の抗ウィルス剤を抗ウィルス組成物の表面から露出させることができる。
乾燥条件としては、60〜100℃、0.5〜5.0分が望ましい。
また、抗ウィルス組成物をポリエチレンテレフタレートなどの基材フィルムに塗布した後、これを乾燥させて抗ウィルス剤を含む樹脂膜の転写フィルムを製造し、抗ウィルス組成物の膜が基材に接触するように転写フィルムを載置して、加圧した後、基材フィルムを剥がして、未硬化の樹脂を硬化させてもよい。
(実施例1)
MMA(メチルメタクリレート)250重量部と、分子内に5個以上のアクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートとして、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート及びヘキサアクリレート混合物(商品名:KAYARAD DPHA、日本化薬株式会社製、固形分100%、ペンタ比率約40%)100重量部と、2官能(メタ)アクリレートとしてジメチロール−トリシクロデカンジアクリレート(商品名:ライトアクリレートDCP−A、共栄社化学株式会社製、粘度130〜170mPa・s/25℃)を80重量部と、単官能(メタ)アクリレートとしてシクロヘキシルメタクリレート(商品名:ライトエステルCH、共栄社化学株式会社製)を20重量部と、光重合開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン(商品名:Irgacure184、BASF社製、固形分100%)を13.5重量部と、レベリング剤としてアクリル基を有するポリエステル変性ポリジメチルシロキサンの溶液(商品名:BYK−UV3570、ビッグケミー・ジャパン株式会社製)を1.35重量部とを配合して、(メタ)アクリル系樹脂からなる無溶剤型紫外線硬化樹脂組成物を得る。
次に、無溶剤型紫外線硬化樹脂組成物100重量部に対して平均粒子径0.5μmのリン酸亜鉛を15重量部添加して、三本ローラーで混練して抗ウィルス組成物を得る。
得られた抗ウィルス組成物を500mm×500mmの大きさの白色光沢メラミン化粧板上に、ラバースキージを用いてコートした。膜厚は3μmである。
この後、紫外線照射装置(COATTEC社製 MP02)を用い、30mW/cmの照射強度で80秒間紫外線を照射することにより、基材である白色メラミン化粧板表面にリン酸亜鉛を含むアクリル系樹脂からなる硬化物が膜状に形成された実施例1に係る抗ウィルス性部材を得る。
(実施例2)
(1)多官能ウレタン(メタ)アクリレートとして、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとヘキサメチレンジイソシアネートとを必須成分として構成される数平均分子量が600〜800のピークと2000〜3000のピークを有する10官能ウレタンアクリレート化合物(製品名 KUA−10H、ケーエスエム株式会社製 固形分100%)を100重量部、イミダゾール系の抗ウィルス剤(日本曹達(株) 商品名 バイオカット BM−100F)を50重量部、光重合開始剤として、Irgacure184(BASFジャパン株式会社製、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)を4.5重量部、LUCIRINTPO(BASFジャパン株式会社製、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド)を4.5重量部、粘度を低減させるためにMMA(メチルメタクリレート)250重量部とを配合して、無溶剤の抗ウィルス組成物を得る。電子顕微鏡による計測では、イミダゾール系の抗ウィルス剤の平均粒子径は8.5μmである。
(2)実施例1と同様に、白色メラミン化粧板表面に(1)の抗ウィルス組成物をコートして、イミダゾール系の抗ウィルス剤を含むウレタンアクリレート紫外線硬化樹脂からなる硬化物が膜状に形成された実施例2に係る抗ウィルス性部材を得る。
(実施例3)
(1)シリコーン樹脂として脱アルコール型シリコーン樹脂を180重量部、脱水剤としてA−171(ジーイー東芝シリコーン株式会社製、製品名)3.5重量部及びSH−6040(東レ・ダウコーニング株式会社製、製品名)5重量部、シリコーン樹脂の硬化触媒としてSCAT−1(三共有機合成株式会社製、製品名)0.3重量部と平均粒子径3μmの銀イオン置換ゼオライト((株)シナネンゼオミック製 商品名 ゼオミック)を30重量部配合して抗ウィルス組成物を得る。
(2)(1)の抗ウィルス組成物を白色化粧板ラバースキージで塗布して、23℃、50%RH(湿度50%)下で7日間重合反応させて、厚さ3μmのポリシロキサン樹脂膜が形成された実施例3に係る抗ウィルス性部材を得る。
(実施例4)
(1)実施例1の(メタ)アクリル系樹脂からなる無溶剤型紫外線硬化樹脂組成物100重量部に乳鉢で粉砕して平均粒子径0.2μmとしたビス型ピリジニウム塩(タマ化学工業 商品名 ハイジェニア)を30重量部添加する他は、実施例1と同様に抗ウィルス性を示す紫外線硬化樹脂からなる硬化物が膜状に形成された実施例4に係る抗ウィルス性部材を得る。
(比較例1)
銀置換ゼオライトに代えて、平均粒径100nm(0.1μm)の銀コロイドを用いた以外は、実施例3と同様にして比較例1に係る抗ウィルス性部材を得る。
(比較例2)
リン酸亜鉛に代えて、平均粒径20μmの酸化亜鉛を用いた以外は実施例1と同様にして比較例2に係る抗ウィルス性部材を得る。
(比較例3)
(1)アナターゼ型の酸化チタン100重量部、メチルエチルケトン800重量部、リン酸エステル型アニオン界面活性剤50重量部を混合する。
(2)亜酸化銅粒子100重量部、メチルエチルケトン2500重量部、リン酸エステル型アニオン界面活性剤50重量部を混合する。
(3)光ラジカル重合型アクリレート樹脂(商品名:UCECOAT7200 ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ダイセル・オルネクス社製)と光重合開始剤(IGM社製 Omnirad500)を重量比98:2で混合し、ホモジナイザーを用い、8000rpmで30分間撹拌。
(4)(1)の混合物455重量部と(2)の混合物27重量部と(3)の混合物245重量部を混合して抗ウィルスコート液とする。
(5)(4)の液を基材である白色メラミン化粧板表面に塗布して乾燥後、紫外線照射装置(COATTEC社製 MP02)を用い、30mW/cmの照射強度で80秒間紫外線を照射することにより、基材である白色メラミン化粧板表面に亜酸化銅と光触媒を含む紫外線硬化樹脂の硬化物からなる硬化膜が形成された比較例3に係る抗ウィルス性部材を得た。
(比較例4)
厚さ0.2mmのチタン紙(酸化チタン含有量15重量%)の一方の表面にパターンをグラビア印刷する。このチタン紙をメラミン樹脂溶液中に浸漬し、溶液の温度20℃、浸漬時間2分となるように、チタン紙にメラミン樹脂を含浸させた。
メラミン樹脂溶液を含浸させたチタン紙は、乾燥機に(ESPEC社製、OVEN PH−201)より、温度100℃で30秒間乾燥させた。乾燥後、910mm×1820mmに切断し、パターン層用メラミン樹脂含浸紙を得た。
厚さ0.2mmのオーバーレイ紙(タルク含有量0.5重量%)に、アクリルシリコーン樹脂エマルジョン(チタン工業株式会社製 PCU−103)を、固形分重量に換算して77g/mとなるように含浸させた。アクリルシリコーン樹脂エマルジョンを含浸させたオーバーレイ紙は、乾燥機により、温度100℃で30秒間乾燥させた。乾燥後、910mm×1820mmに切断し、耐酸化性樹脂シートを得た。
厚み0.3mmのフェノール樹脂含浸コア紙を4枚積層し、その上に、チタン紙に印刷された色彩面が上記コア紙とは反対側となるように上記パターン層用メラミン樹脂含浸紙を積層し、プレス機のプレス面とパターン層用メラミン樹脂含浸紙との間にPETからなる離型クッション材を介在させて、温度143℃、プレス圧80kg/cm、プレス時間(昇温時間を含む)50分で熱圧着した。
さらにその上に耐酸化性樹脂シートを積層して、耐酸化性樹脂シートとプレス機との間に、転写により凹陥模様が形成されるように、凸状模様が形成され、さらにアルミナ粒子を用いたサンドブラストにより、下記する表面粗さ測定器による下記条件下での測定において、JIS B 0601に基づく算術平均粗さ(Ra)が1.2μmとなるステンレス賦型板を介在させ、温度143℃、プレス圧80kg/cm、プレス時間(昇温時間を含む)50分で熱圧着した。
これにより、基板の片面に表面に深さ10〜40μmの凹陥模様が形成され、レーザ顕微鏡を用いた測定において、JIS B 0601(1994)に基づく算術平均粗さ(Ra)が1.2μmの表面粗さを持つ耐酸化性樹脂層を形成することができた。
平均粒子径0.5μmのCu−TiOの光触媒を水に分散したスラリー(固形分濃度25重量%)と、シリカゾル(SiO濃度:3重量%)とを、4.5:5.5の重量割合(固形分重量)で含むメタノール混合溶液(光触媒濃度0.05重量%)を調製した。上記工程で得られた基板の耐酸化性樹脂層の表面に、スプレーを用いて上記メタノール混合溶液を塗布し、25℃で12時間乾燥させることにより、シリカゾルの乾燥体を介して上記光触媒が担持された比較例4に係る抗ウィルス性部材を製造する。
担持された光触媒の固形分重量は、0.11g/mとした。
(ネコカリシウィルスを用いた抗ウィルス性評価)
この抗ウィルス性試験は以下のように実施する。
各実施例及び各比較例で得られた抗ウィルス性部材の抗ウィルス性を評価するために、JIS Z 2801 抗菌加工製品−抗菌性試験方法・抗菌効果を改変した手法を用いた。改変点は、「試験菌液の接種」を「試験ウィルスの接種」に変更する点である。ウィルスを使用することによる変更点についてはすべてJIS L 1922繊維製品の抗ウィルス性試験方法に基づき変更する。測定結果は各実施例及び各比較例で得られた抗ウィルス性部材についてJIS L 1922付属書Bに基づき、CRFK細胞への感染能力を失ったネコカリシウィルス濃度をネコカリシウィルス不活度として表示する。ここで、ウィルス濃度の指標として、CRFK細胞に対して不活性化されたウィルスの濃度(ウィルス不活度)を使用し、このウィルス不活度に基づいて抗ウィルス活性値を算出する。
以下、手順を具体的に記載する。
(1)各実施例及び各比較例に係る抗ウィルス性部材を、1辺50mm角の正方形に切り出して試験試料とし、当該試験試料を滅菌済プラスチックシャーレに置き、試験ウィルス液(>10PFU/mL)を0.4mL接種する。
試験ウィルス液は10PFU/mLのストックを精製水で10倍希釈したものを使用した。
(2)対照資料として50mm角のポリエチレンフイルムを用意し、試験試料と同様にウィルス液を接種した。
(3)接種したウィルスの液を、フィルムを載置することなく、そのまま、10℃で24時間反応させる。
(4)接種直後、SCDLP培地10mLを加え、ウィルス液を洗い流す。JIS L 1922付属書Bに基づいてウィルスの感染値を求める。
(5)以下の計算式を用いて抗ウィルス活性値を算出する。
Mv=Log(Vb/Vc)
Mv:抗ウィルス活性値
Log(Vb):ポリエチレンフイルムの所定時間反応後の感染値の対数値
Log(Vc):試験試料の所定時間反応後の感染値の対数値
参考規格 JIS L 1922、JIS Z 2801
測定方法は、プラーク測定法によった。
また、試験ウィルスはFeline calcivirus; Strain :F−9 ATCC VR−782を用いる。
各実施例及び各比較例に係る試験試料を用いて、上記「ネコカリシウィルスを用いた抗ウィルス性評価」と同様の方法で抗ウィルス活性値を算出する。結果を表1に示す。
(表面粗さの測定)
各実施例及び各比較例に係る抗ウィルス性部材について、レーザ顕微鏡(Olympus製 LEXT OLS 4000)を用いて算術平均粗さRaを測定した。測定方法はJIS B0601(1994)に従った。結果を表1に示す。
測定条件は以下の通りである。
対物レンズ:×100
測定長さ:128μm
測定回数:n=3
データのフィルタ処理(うねり除去)
カットオフ値λc=80μm
(樹脂層の水の接触角の測定)
各実施例及び各比較例に係る抗ウィルス性部材について、樹脂層の表面の水の接触角を以下の装置および条件で測定した。結果を表1に示す。
測定装置:DropMaster500画像処理式・固液界面解析システム(協和界面科学製)
試験液:高速液体クロマトグラフ用蒸留水(富士フイルム和光純薬製)
測定面:抗ウィルス剤粒子が固定されている樹脂層の表面
試験数:n=5
滴下量:1.5μL
測定環境:23℃/50%RH 常圧
測定時間:10秒後
Figure 2021070798
上記抗ウィルス活性の評価方法は、接種したウィルス液にフィルムを被せないため、壁面などに付着した体液中のウィルスに対する抗ウィルス活性をより現実に近い状態で測定することができる。
表1に示すように、実施例1〜4に係る抗ウィルス性部材は、接触角が30°以上90°未満であり、高い抗ウィルス活性を示す。
比較例1の抗ウィルス部材は、接触角が100°と大きく、抗ウィルス液が十分に抗ウィルス剤と接触しないため、抗ウィルス活性が低下する。
また、比較例2の抗ウィルス部材は、接触角が28°と小さいのであるが、抗ウィルス活性が低い。この理由が明確ではないが、接触角が低すぎると、液滴が平坦になり、ウィルスの流動性が低下してしまうためではないかと推定している。比較例3及び4の抗ウィルス部材は、接触角が93°と大きく、抗ウィルス液が十分に抗ウィルス剤と接触しないため、抗ウィルス活性が低下する。比較例3は、光触媒を使用しているため、光触媒の撥水作用により、Raの値が0.03〜10μmであったとしても、接触角が大きくなると思われる。比較例4は、アクリルシリコーン樹脂と光触媒の撥水性の影響が大きく、Raの値が0.03〜10μmであったとしても、やはり接触角が大きくなる。
以上の結果から、表面を構成する樹脂膜としてアクリル系樹脂及びポリシロキサン系樹脂から選ばれる少なくとも1種を用い、かつ、抗ウィルス剤として粒状のものをこの樹脂の中に含ませることで樹脂表面の面粗さをRa=0.03〜10μmに調整して、水の接触角が30°以上、90°未満となるように表面エネルギーを調整することでウィルス含んだ液体とのぬれ性を改善し、確実にウィルスを不活性化できることが分かる。
1 抗ウィルス性部材
10 基材
20 樹脂層
30 抗ウィルス剤

Claims (9)

  1. 基材表面に光触媒機能を持たない粒状の抗ウィルス剤を含む(メタ)アクリレート系樹脂及びポリシロキサン系樹脂から選ばれる少なくとも1種以上からなる膜状の樹脂層が形成され、前記樹脂層の表面の面粗さ(JIS B0601による算術平均粗さ)は、Ra=0.03〜10μmであり、前記樹脂層の表面の水の接触角は30°以上、90°未満であることを特徴とする抗ウィルス性部材。
  2. 前記粒状の抗ウィルス剤の平均粒子径は0.01〜10μmである請求項1に記載の抗ウィルス性部材。
  3. 前記抗ウィルス剤は、光触媒機能を持たない有機系抗ウィルス剤及び/又は光触媒機能を持たない無機系抗ウィルス剤である請求項1又は2に記載の抗ウィルス性部材。
  4. 前記抗ウィルス剤は、銅イオン及び銅化合物を含まない請求項1〜3のいずれか1項に記載の抗ウィルス性部材。
  5. 前記膜状の樹脂層中に、メチル(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジアクリレート及びシクロヘキシルメタクリレートからなる群から選択される少なくとも1種以上の(メタ)アクリレートと、光重合開始剤とを含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の抗ウィルス性部材。
  6. 前記膜状の樹脂層中に、レベリング剤を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の抗ウィルス性部材。
  7. 前記膜状の樹脂層中に、リン酸エステル基を有する(メタ)アクリレートを含む請求項1〜6のいずれか1項に記載の抗ウィルス性部材。
  8. 前記(メタ)アクリレート系樹脂が多官能ウレタン(メタ)アクリレート樹脂である請求項1〜7のいずれか1に記載の抗ウィルス性部材。
  9. 基材表面に、光触媒機能を持たない抗ウィルス剤を含む未硬化の(メタ)アクリレート系樹脂及びポリシロキサン系樹脂から選ばれる少なくとも1種以上の樹脂からなる抗ウィルス組成物を膜状に被覆した後、前記樹脂を硬化させて樹脂層とする樹脂硬化工程を含み、
    前記樹脂硬化工程では樹脂層の表面粗さ(JIS B0601による算術平均粗さ)が、Ra=0.03〜10μmとし、前記樹脂層の表面の水の接触角を30°以上、90°未満となるように、前記樹脂を硬化させることを特徴とする抗ウィルス性部材の製造方法。
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