JP2021054768A - 抗ウィルス性部材、抗ウィルス性部材の製造方法及び抗ウィルス組成物 - Google Patents

抗ウィルス性部材、抗ウィルス性部材の製造方法及び抗ウィルス組成物 Download PDF

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晃章 横田
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Abstract

【課題】 抗ウィルス性が経時劣化しない抗ウィルス性部材を提供する。【解決手段】 基材と、上記基材の表面に膜状に固着形成された抗ウィルス組成物の硬化物とからなる抗ウィルス性部材であって、上記抗ウィルス組成物の硬化物は、光触媒機能を持たない抗ウィルス剤と、紫外線硬化樹脂とを含み、上記紫外線硬化樹脂は、多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーからなり、上記多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、3個以上の(メタ)アクリロイル基及び水酸基を有する第1多官能(メタ)アクリレートモノマー並びに3個以上の(メタ)アクリロイル基及び水酸基を有する第1多官能(メタ)アクリレートオリゴマーからなる群から選択される少なくとも1種の多官能(メタ)アクリレートと、イソシアネートモノマー及び有機ポリイソシアネートからなる群から選択される少なくとも1種のイソシアネートとからなることを特徴とする抗ウィルス性部材。【選択図】 図1

Description

本発明は、抗ウィルス性部材、抗ウィルス性部材の製造方法及び抗ウィルス組成物に関する。
近年、病原体である種々の微生物を媒介とした感染症が短時間で急激に広がる、いわゆる「パンデミック」が問題になっており、SARS(重症急性呼吸器症候群)や、ノロウィルス、鳥インフルエンザ等のウィルス感染による死者も報告されている。
そこで、様々のウィルスに対して抗ウィルス活性を発揮する抗ウィルス剤の開発が活発に行われており、実際に様々な部材に抗ウィルス活性を有するPd等の金属を用いた無機系の抗ウィルス剤や有機化合物からなる抗ウィルス剤を含む樹脂等を塗布したり、抗ウィルス剤が担持された材料を含む部材を製造することが行われている。
特許文献1には、光ラジカル重合型アクリレート樹脂(ダイセル・オルネクス社製 UCECOAT7200:物質名 ジペンタエリスリトールテトラアクリレート)中に銅化合物を分散させて、基材上に固着させた抗ウィルス性部材が開示されているが、このような抗ウィルス性部材を床や壁などに用いると、時間と共に抗ウィルス性能が低下するという問題がみられた。
特許文献2には、アクリル樹脂やイソシアネート硬化用アクリル樹脂とジイソシアネート(実施例中では旭化成ケミカルズ株式会社の商品名で「デュラネート(登録商標)」と表記)を反応させた熱硬化性のウレタン樹脂中に亜酸化銅が分散された抗ウィルス組成物がコートされた抗ウィルスコート部材が開示されているが、やはり抗ウィルス性能の経時劣化という問題がみられた。
特許文献3には、アクリル樹脂やウレタン樹脂エマルジョンなどのバインダ中に無機リン酸化合物などの無機固体酸を含む抗ウィルス組成物を開示するが、やはり抗ウィルス性能の経時劣化という問題がみられた。
なお、特許文献4には、熱硬化性のアクリル−ウレタン樹脂に第4級アンモニウム塩からなる有機抗ウィルス剤を混合した建材が開示されているが、やはり抗ウィルス性能の経時劣化という問題がみられた。
国際公開第2019/74121号 国際公開第2014/132606号 国際公開第2017/150063号 特開2013−71031号公報
以上、説明のようにこれまでの無機系の抗ウィルス剤を含む抗ウィルスコート組成物により抗ウィルスコートされた部材は、抗ウィルス性が経時劣化しやすいという問題がみられた。
本発明の目的は、抗ウィルス性が経時劣化しない抗ウィルス性部材を提供することである。
本発明らは鋭意研究した結果、抗ウィルス性の経時劣化の原因は、摩耗による抗ウィルス剤の脱落にあることを知見した。また、摩耗による抗ウィルス剤の脱落を防ぐ手段を研究し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の抗ウィルス性部材は、基材と、上記基材の表面に膜状に固着形成された抗ウィルス組成物の硬化物とからなる抗ウィルス性部材であって、上記抗ウィルス組成物の硬化物は、光触媒機能を持たない抗ウィルス剤と、紫外線硬化樹脂とを含み、上記紫外線硬化樹脂は、多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーからなり、上記多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、3個以上の(メタ)アクリロイル基及び水酸基を有する第1多官能(メタ)アクリレートモノマー並びに3個以上の(メタ)アクリロイル基及び水酸基を有する第1多官能(メタ)アクリレートオリゴマーからなる群から選択される少なくとも1種の多官能(メタ)アクリレートと、イソシアネートモノマー及び有機ポリイソシアネートからなる群から選択される少なくとも1種のイソシアネートとからなることを特徴とする。
本発明の抗ウィルス性部材では、紫外線硬化樹脂が、多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーからなるため、硬度が高く、靱性も高い。従って、抗ウィルス性部材に摩耗やクラックが発生しにくい。そのため、抗ウィルス剤の脱落が少なく、抗ウィルス性能の経時劣化が生じにくい。
本発明の抗ウィルス性部材及び抗ウィルス性組成物は、抗ウィルス剤として光触媒機能を持たない抗ウィルス剤を含むので、紫外線硬化樹脂を劣化させない。抗ウィルス剤としては、有機系抗ウィルス剤や、光触媒機能を持たない無機系抗ウィルス剤が挙げられる。
本発明の抗ウィルス性部材及び抗ウィルス性組成物では、多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、3個以上の(メタ)アクリロイル基及び水酸基を有する第1多官能(メタ)アクリレートモノマー並びに3個以上の(メタ)アクリロイル基及び水酸基を有する第1多官能(メタ)アクリレートオリゴマーからなる群から選択される少なくとも1種のアクリレートと、イソシアネートモノマー及び有機ポリイソシアネートからなる群から選択される少なくとも1種のイソシアネートとからなる。
これらの多官能(メタ)アクリレートは、その水酸基がイソシアネートモノマー又は有機ポリイソシアネートと結合して、架橋点が多い多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーをすることが形成でき、その硬化物では3次元的な架橋が形成され、硬度、靱性が高くなる。これらの多官能(メタ)アクリレートに含まれるアクリロイル基は5個以上が特に好ましい。
本発明の抗ウィルス性部材では、上記抗ウィルス組成物の硬化物は、第2多官能(メタ)アクリレートモノマー及び第2多官能(メタ)アクリレートオリゴマーからなる群から選択される少なくとも1種の多官能(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。
これらの多官能(メタ)アクリレートは、抗ウィルス組成物の硬化物の硬度、靱性を調製することができる。
本発明の抗ウィルス性部材では、上記抗ウィルス組成物の硬化物は、多価アルコールを含むことが好ましい。
多価アルコールにより、分子鎖の長さを調整して強度、靱性等を調整できる。
本発明の抗ウィルス性部材では、上記抗ウィルス組成物の硬化物は、光重合開始剤を含むことが好ましい。
抗ウィルス組成物が、光重合開始剤を含むと、本発明の抗ウィルス性部材を製造する際に、抗ウィルス組成物に紫外線を照射することにより紫外線硬化樹脂を硬化させることができる。
本発明の抗ウィルス性部材及び抗ウィルス性組成物では、抗ウィルス剤は、光触媒機能を持たない有機系抗ウィルス剤及び/又は光触媒機能を持たない無機系抗ウィルス剤であることが好ましい。
光触媒機能を持たない無機系抗ウィルス剤は光触媒機能を持たない金属化合物及び金属イオンでイオン交換されたゼオライトからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
金属化合物としては、金属酸化物、無機リン酸化合物、無機ケイ酸化合物を挙げることができる。
金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化銀、酸化鉛などを使用することができる。
また、無機リン酸化合物としては、リン酸亜鉛や、リン酸ジルコニウム、リン酸ハフニウム、リン酸チタニウム等のチタン族元素のリン酸化合物、リン酸アルミニウム、ヒドロキシアパタイト(リン酸塩鉱物)等の無機リン酸化合物;ケイ酸マグネシウム、シリカゲル、アルミノケイ酸塩、セピオライト(含水ケイ酸マグネシウム)、モンモリロナイト(ケイ酸塩鉱物)、ゼオライト(アルミノケイ酸塩)等の無機ケイ酸化合物等を使用できる。
金属イオンで置換したゼオライトとしては、銀イオン置換ゼオライト等を使用できる。
なお、無機系抗ウィルス剤として、シリカに担持した銀は抗菌作用を有するが、表面積が小さく、またシリカ自身には抗ウィルス性能が無いため、銀担持シリカは抗ウィルス剤としては機能しない。一方、ゼオライトは表面積が大きく、ゼオライト自身にも抗ウィルス機能があるため、銀担持のシリカよりも銀イオンで置換したゼオライトの方が好ましい。従って、本発明で使用される抗ウィルス剤からは、銀担持シリカは除かれることが好ましい。
また、無機系抗ウィルス剤は、銅イオン及び銅化合物を含まないものであってもよい。銅イオンや銅化合物は有色のものが多いため、抗ウィルス性組成物を膜状に形成して硬化させると、基材表面の色彩が損なわれるからである。
なお、銅イオンや銅化合物を含んでいても基材表面の色彩に影響を与えない場合は、抗ウィルス剤として銅化合物を含んでいてもよい。具体的には、酸化銅、亜酸化銅、水酸化銅などを用いることができる。
また、光触媒機能を持たない有機系抗ウィルス剤は、トリアジン、アゾール、スルホン酸系界面活性剤、及び、ビス型第四級アンモニウム塩からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
光触媒機能を持たない有機系抗ウィルス剤としては、例えば、イミダゾール、トリアゾール、チアゾール及びベンゾイミダゾールなどのアゾール、トリアジン、ハロカルバン、クロロフェネシン、塩化リゾチーム、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、イソプロピルメチルフェノール、チモール、ヘキサクロロフェン、ベルベリン、チオキソロン、サリチル酸及びそれらの誘導体、安息香酸、安息香酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸エステル、パラクロルメタクレゾール、塩化ベンザルコニウム、フェノキシエタノール、イソプロピルメチルフェノール、石炭酸、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、ヘキサクロロフェン、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、チアントール、ヒノキチオール、トリクロサン、トリクロロヒドロキシジフェニルエーテル、クロルヘキシジングルコン酸塩、フェノキシエタノール、レゾルシン、アズレン、サリチル酸、ジンクピリチオン、モノニトログアヤコールナトリウム、ウイキョウエキス、サンショウエキス、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンゼトニウム及びウンデシレン酸誘導体、アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩、ビス型ピリジニウム塩、ビス型キノリニウム塩、ビス型チアゾリウム塩等が挙げられる。
本発明の抗ウィルス性部材では、抗ウィルス組成物の硬化物は、レべリング剤を含むことが好ましい。レベリング剤としては、シリコーン系レベリング剤、とりわけ非揮発性シリコーンを好適に用いることができる。非揮発性であることにより、レベリング効果が高く、指滑り性も優れたものになる。
本発明の抗ウィルス性部材では、上記抗ウィルス組成物の硬化物は、リン酸エステル基を有するアクリレートを含むことが好ましい。
リン酸エステル基の存在により、抗ウィルス組成物の硬化物の金属やセラックへの密着性が向上するものと推察される。
本発明の抗ウィルス性部材の製造方法は、基材の表面に光触媒機能を持たない抗ウィルス剤と、未硬化の紫外線硬化樹脂とを含む抗ウィルス組成物を膜状に塗布した後、紫外線を照射して上記抗ウィルス組成物を硬化する抗ウィルス性部材の製造方法であって、上記紫外線硬化樹脂が、多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーからなり、上記多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、3個以上の(メタ)アクリロイル基及び水酸基を有する第1多官能(メタ)アクリレートモノマー並びに3個以上の(メタ)アクリロイル基及び水酸基を有する第1多官能(メタ)アクリレートオリゴマーからなる群から選択される少なくとも1種のアクリレートと、イソシアネートモノマー及び有機ポリイソシアネートからなる群から選択される少なくとも1種のイソシアネートとからなることを特徴とする。
本発明の抗ウィルス性部材の製造方法により、上記本発明の抗ウィルス性部材を製造することができる。
本発明の抗ウィルス性部材の製造方法では、上記抗ウィルス組成物は、第2多官能(メタ)アクリレートモノマー及び第2多官能(メタ)アクリレートオリゴマーからなる群から選択される少なくとも1種の多官能(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。
このような多官能(メタ)アクリレートは、抗ウィルス組成物の硬化物の硬度、靱性を調製することができる。
本発明の抗ウィルス性部材の製造方法では、上記抗ウィルス組成物は、多価アルコールを含むことが好ましい。
多価アルコールにより、分子鎖の長さを調整して強度、靱性等を調整できる。
本発明の抗ウィルス性部材の製造方法では、上記抗ウィルス組成物は、光重合開始剤を含むことが好ましい。
抗ウィルス組成物が光重合開始剤を含むと、紫外線を照射することにより紫外線硬化樹脂を硬化させることができる。
本発明の抗ウィルス性部材の製造方法では、上記抗ウィルス組成物は、有機溶媒を含まないことが好ましい。また、上記抗ウィルス組成物は、水を含まないことが好ましい。
抗ウィルス組成物が有機溶媒や水を含まない場合、抗ウィルス組成物を膜状に塗布した後、抗ウィルス組成物を乾かさずに、抗ウィルス組成物を硬化させることができる。
本発明の抗ウィルス性部材の製造方法では、上記抗ウィルス剤は、光触媒機能を持たない有機系抗ウィルス剤及び/又は光触媒機能を持たない無機系抗ウィルス剤であることが好ましい。また、本発明の抗ウィルス性部材の製造方法では、上記抗ウィルス剤は光触媒機能を持たない金属化合物、金属イオンでイオン交換されたゼオライトから選択される少なくとも1種であることが好ましい。
金属化合物としては、銅イオンや銅化合物を含まないものが好ましい。銅イオンや銅化合物は有色であるため、抗ウィルス組成物を膜状に形成すると、基材表面の色彩が損なわれるからである。
本発明の抗ウィルス組成物は、光触媒機能を持たない抗ウィルス剤と、紫外線硬化樹脂とを含む抗ウィルス組成物であって、上記紫外線硬化樹脂は、多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーからなり、上記多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、3個以上の(メタ)アクリロイル基及び水酸基を有する第1多官能(メタ)アクリレートモノマー並びに3個以上の(メタ)アクリロイル基及び水酸基を有する第1多官能(メタ)アクリレートオリゴマーからなる群から選択される少なくとも1種の多官能(メタ)アクリレートと、イソシアネートモノマー及び有機ポリイソシアネートからなる群から選択される少なくとも1種のイソシアネートとからなることを特徴とする。
本発明の抗ウィルス組成物を用いることで、本発明の抗ウィルス性部材を製造することができる。
本発明の抗ウィルス組成物は、さらに第2多官能(メタ)アクリレートモノマー及び第2多官能(メタ)アクリレートオリゴマーからなる群から選択される少なくとも1種の多官能(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。
多官能(メタ)アクリレートは、紫外線硬化樹脂の硬度、靱性を調製することができる。
本発明の抗ウィルス組成物は、さらに多価アルコールを含むことが好ましい。
多価アルコールにより、分子鎖の長さを調整して強度、靱性等を調整できる。
本発明の抗ウィルス組成物は、さらに光重合開始剤を含むことが好ましい。
抗ウィルス組成物が、光重合開始剤を含むと、本発明の抗ウィルス組成物に紫外線を照射することにより紫外線硬化樹脂を硬化させることができる。
本発明の抗ウィルス組成物では、上記抗ウィルス剤は、光触媒機能を持たない有機系抗ウィルス剤及び/又は光触媒機能を持たない無機系抗ウィルス剤であることが好ましい。
また、本発明の抗ウィルス組成物では、上記抗ウィルス剤は光触媒機能を持たない金属化合物、金属イオンでイオン交換されたゼオライトから選択される少なくとも1種であることが好ましい。
金属化合物としては、銅イオン及び銅化合物を含まないものが好ましい。銅イオンや銅化合物は有色であるため、抗ウィルス組成物を膜状に形成して硬化させると、基材表面の色彩が損なわれるからである。
本発明の抗ウィルス組成物は、さらにレベリング剤を含むことが好ましい。レベリング剤としては、シリコーン系レベリング剤、とりわけ非揮発性シリコーンを好適に用いることができる。非揮発性であることにより、レベリング効果が高く、指滑り性も優れたものになる。
本発明の抗ウィルス組成物では、リン酸エステル基を有するアクリレートを含むことが好ましい。リン酸エステル基の存在により、抗ウィルス組成物の硬化物の金属やセラックへの密着性が向上するものと推察される。
本発明の抗ウィルス組成物は、有機溶媒を含まないことが好ましい。また、本発明の抗ウィルス組成物は、水を含まないことが好ましい。
抗ウィルス組成物が有機溶媒や水を含まない場合、抗ウィルス組成物を用いて抗ウィルス性部材を製造する際に、抗ウィルス組成物を膜状に塗布した後、抗ウィルス組成物を乾かさずに、抗ウィルス組成物を硬化させることができる。
図1は、本発明の抗ウィルス性部材の一例を模式的に示す断面図である。
(発明の詳細な説明)
本発明の抗ウィルス性部材は、基材表面に固着形成されてなる。
基材の材料は、特に限定されるものでなく、例えば、金属、ガラス等のセラミック、樹脂、繊維織物、木材等が挙げられる。
また、本発明の抗ウィルス性部材が固着形成された基材は、建築物内部の内装材、壁材、窓ガラス、ドア、事務機器、家具等としてもよい。
以下に、本発明の抗ウィルス性部材について図面を用いて説明する。
図1は、本発明の抗ウィルス性部材の一例を模式的に示す断面図である。
図1に示すように、抗ウィルス性部材1は、基材10としての化粧版と、基材10の表面に膜状に固着形成された抗ウィルス組成物の硬化物20とからなる。
抗ウィルス組成物の硬化物20は、光触媒機能を持たない抗ウィルス剤30と、紫外線硬化樹脂とを含んでいる。
抗ウィルス性部材1において、抗ウィルス組成物の厚さは、0.1μm〜20μmであることが好ましい。
抗ウィルス組成物の厚さが、0.1μm未満であると、耐摩耗性が不充分になりやすくなる。
抗ウィルス組成物の厚さが、20μmを超えると、抗ウィルス性が上限に近づくのでコスト対パフォーマンスが低下する。
次に、本発明の抗ウィルス性部材1における抗ウィルス組成物の硬化物20について説明する。
上記の通り、抗ウィルス組成物の硬化物20は、光触媒機能を持たない抗ウィルス剤30と、紫外線硬化樹脂とを含む。
紫外線硬化樹脂は、多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーからなる。
従って、硬度が高く、靱性も高い。従って、抗ウィルス性部材に摩耗やクラックが発生しにくい。そのため、抗ウィルス剤の脱落が少なく、抗ウィルス性能の経時劣化が生じにくい。
さらに、多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、3個以上の(メタ)アクリロイル基及び水酸基を有する第1多官能(メタ)アクリレートモノマー並びに3個以上の(メタ)アクリロイル基及び水酸基を有する第1多官能(メタ)アクリレートオリゴマーからなる群から選択される少なくとも1種のアクリレートと、イソシアネートモノマー及び有機ポリイソシアネートからなる群から選択される少なくとも1種のイソシアネートとからなる。
これらの多官能(メタ)アクリレートは、その水酸基がイソシアネートモノマー又は有機ポリイソシアネートと結合して、架橋点が多い多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーをすることが形成でき、その硬化物では3次元的な架橋が形成され、硬度、靱性が高くなる。これらの多官能(メタ)アクリレートに含まれるアクリロイル基は5個以上が特に好ましい。
第1多官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等が挙げられる。
第1多官能(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートの各モノマーが2個から100個程度重合したものが好ましい。
イソシアネートモノマーとしては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどが挙げられ、有機ポリイソシアネートはイソシアネートモノマーから合成されるアダクトタイプ、イソシアヌレートタイプ、ビュレットタイプのポリイソシアネート等が挙げられる。
抗ウィルス組成物の硬化物20は、第2多官能(メタ)アクリレートモノマー及び第2多官能(メタ)アクリレートオリゴマーからなる群から選択される少なくとも1種の多官能(メタ)アクリレートを含んでいてもよい。
第2多官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジシクロペンタニルジアクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジアクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジアクリレート、アリル化シクロヘキシルジアクリレート、イソシアヌレートジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリアクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、1,10−デカンジオールジメタクリレート、グリセリンジメタクリレート、ジメチロールートリシクロデカンジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリメタクリレート等が挙げられる。これらのアクリレートのなかでは、官能基数の多いアクリレートほど表面硬度が高くなるので、官能基数の多いアクリレートが好ましい。
これらは単独又は2種以上を混合して使用してもよい。また、これらをオリゴマー化したものを第2多官能(メタ)アクリレートオリゴマーとして使用することができる。
第2多官能(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、ウレタンアクリレートオリゴマー、エポキシアクリレートオリゴマー、ポリエステルアクリレートオリゴマー、アクリルアクリレートオリゴマーなどが挙げられ、これらを単独あるいは2種以上を混合して使用しても良い。
これらの多官能(メタ)アクリレートは、抗ウィルス組成物の硬化物20の硬度、靱性を調製することができる。
抗ウィルス組成物の硬化物20は、第2多官能(メタ)アクリレートモノマー及び第2多官能アクリレートオリゴマー100重量部に対し、多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを20〜80重量部含むことが好ましい。
第2多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの含有割合が、20重量部未満であると耐摩耗性や硬度はさらに向上するが強靱性が低下する傾向にあり、強靭性が重視される用途には不向きとなる。
第2多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの含有割合が、80重量部を超えると強靭性はさらに向上するが耐摩耗性や硬度が低下する傾向にあり、耐摩耗性や硬度が重視される用途には不向きとなる。
抗ウィルス組成物の硬化物20は、さらにリン酸エステル基を有するアクリレートを含むことが好ましい。
このようなアクリレートとしては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−ジヒドロホスフェート、ジ−(2−(メタ)アクリロイルオキシ)ヒドロゲンホスフェート、エチレンオキサイド変性リン酸ジメタクリレート等が挙げられる。
リン酸エステル基の存在により、抗ウィルス組成物の硬化物の金属やセラッミク(ガラス含む)への密着性が向上するものと推察される。
抗ウィルス組成物の硬化物20は、さらにメチルメタアクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジアクリレート、シクロヘキシルメタクリレートから選ばれる少なくとも1種以上のアクリレートを含むことが好ましい。
これらのアクリレートは、本発明の抗ウィルス組成物の粘度を下げることができる。
メチルメタアクリレートは、全(メタ)アクリレートに対し50〜70重量%含まれることが好ましく、ジメチロール−トリシクロデカンジアクリレートは、全(メタ)アクリレートに対し5〜20重量%含まれることが好ましく、シクロヘキシルメタクリレートは、全(メタ)アクリレートに対し1〜5重量%含まれることが好ましい。
抗ウィルス組成物の硬化物20は、光重合開始剤を含むことが好ましい。
抗ウィルス組成物が、光重合開始剤を含むと、抗ウィルス性部材1を製造する際に、抗ウィルス組成物に紫外線を照射することにより、光重合開始剤は、開裂反応、水素引き抜き反応、電子移動等の反応を起こし、これにより生成した光ラジカル分子、光カチオン分子、光アニオン分子等が上記オリゴマーを攻撃してオリゴマーの重合反応や架橋反応が進行する。
その結果、紫外線硬化樹脂を硬化させることができる。
光重合開始剤としては、アルキルフェノン系光重合開始剤、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤、分子内水素引き抜き型光重合開始剤、オキシムエステル系光重合開始剤等を挙げることができる。
アルキルフェノン系光重合開始剤としては、例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホニル)フェニル]−1−ブタノン等が挙げられる。
アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤としては、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。
分子内水素引き抜き型光重合開始剤としては、例えば、フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステル、オキシフェニルサクサン、2−[2−オキソ−2−フェニルアセトキシエトキシ]エチルエステルトオキシフェニル酢酸と2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルエステルとの混合物等が挙げられる。
オキシムエステル系光重合開始剤としては、例えば、1.2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)等が挙げられる。
抗ウィルス組成物の硬化物20は、多価アルコールを含むことが好ましい。
多価アルコールにより、分子鎖の長さを調整して強度、靱性等を調整できる。
多価アルコールとしては、アクリルポリオール類、ポリエステルポリオール類、ポリカーボネートポリオール類、エチレングリコール、プロピレングリコールなどが挙げられる。
抗ウィルス組成物の硬化物20は、レべリング剤を含むことが好ましい。レベリング剤としては、シリコーン系レベリング剤、とりわけ非揮発性シリコーンを好適に用いることができる。非揮発性であることにより、レベリング効果が高く、指滑り性も優れたものになる。
非揮発性シリコーンとしてはポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン、アミノ官能置換基のあるポリシロキサン、ポリエーテルシロキサンコポリマー及びそれらの混合物が挙げられる。非揮発性シリコーンの添加量は、全(メタ)アクリレートの固形分100重量部に対して、固形分0.002〜0.007重量部が好適である。
抗ウィルス剤30は光触媒機能を持たない。そのため、光触媒機能により紫外線硬化樹脂を劣化させない。
抗ウィルス剤30は、光触媒機能を持たない有機系抗ウィルス剤及び/又は光触媒機能を持たない無機系抗ウィルス剤であることが好ましい。また、本発明の抗ウィルス性部材では、上記抗ウィルス剤は光触媒機能を持たない金属化合物、金属イオンでイオン交換されたゼオライトから選択される少なくとも1種であることが好ましい。
有機系抗ウィルス剤としては、トリアジン、アゾール、スルホン酸系界面活性剤、ビス型第四級アンモニウム塩等が挙げられる。
このような有機系抗ウィルス剤としては、例えば、イミダゾール、トリアゾール、チアゾール及びベンゾイミダゾールなどのアゾール、トリアジン、ハロカルバン、クロロフェネシン、塩化リゾチーム、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、イソプロピルメチルフェノール、チモール、ヘキサクロロフェン、ベルベリン、チオキソロン、サリチル酸及びそれらの誘導体、安息香酸、安息香酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸エステル、パラクロルメタクレゾール、塩化ベンザルコニウム、フェノキシエタノール、イソプロピルメチルフェノール、石炭酸、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、ヘキサクロロフェン、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、チアントール、ヒノキチオール、トリクロサン、トリクロロヒドロキシジフェニルエーテル、クロルヘキシジングルコン酸塩、フェノキシエタノール、レゾルシン、アズレン、サリチル酸、ジンクピリチオン、モノニトログアヤコールナトリウム、ウイキョウエキス、サンショウエキス、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンゼトニウム及びウンデシレン酸誘導体、アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩、ビス型ピリジニウム塩、ビス型キノリニウム塩、ビス型チアゾリウム塩等が挙げられる。
金属化合物としては、金属酸化物、無機リン酸化合物、無機ケイ酸化合物等を挙げることができる。金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化銀、酸化鉛等を使用することができる。また、無機リン酸化合物としては、リン酸亜鉛、リン酸ジルコニウム、リン酸ハフニウム、リン酸チタニウム等のチタン族元素のリン酸化合物、リン酸アルミニウム、ヒドロキシアパタイト(リン酸塩鉱物)等の無機リン酸化合物;ケイ酸マグネシウム、シリカゲル、アルミノケイ酸塩、セピオライト(含水ケイ酸マグネシウム)、モンモリロナイト(ケイ酸塩鉱物)、ゼオライト(アルミノケイ酸塩)等の無機ケイ酸化合物などを使用できる。
金属化合物としては、銅イオンや銅化合物を含まないものが好ましい。銅イオンや銅化合物は有色であるため、抗ウィルス組成物を膜状に形成すると、基材表面の色彩が損なわれるからである。
なお、銅イオンや銅化合物を含んでいても基材表面の色彩に影響を与えない場合は、抗ウィルス剤として銅化合物を含んでいてもよい。具体的には、酸化銅、亜酸化銅、水酸化銅などを用いることができる。
金属イオンでイオン交換されたゼオライトとしては、銀イオン置換ゼオライトが好ましい。
なお、無機系抗ウィルス剤として、シリカに担持した銀は抗菌作用を有するが、表面積が小さく、またシリカ自身には抗ウィルス性能が無いため、銀担持シリカは抗ウィルス剤としては機能しない。一方、ゼオライトは表面積が大きく、ゼオライト自身にも抗ウィルス機能があるため、銀担持のシリカよりも銀イオンで置換したゼオライトの方が抗ウィルス剤として好ましい。従って、本発明で使用される抗ウィルス剤からは、銀担持シリカは除かれることが好ましい。
次に、本発明の抗ウィルス性部材の製造方法について説明する。
本発明の抗ウィルス性部材の製造方法では、基材の表面に光触媒機能を持たない抗ウィルス剤を含む未硬化の紫外線硬化樹脂とを含む抗ウィルス組成物を膜状に塗布した後、紫外線を照射して上記抗ウィルス組成物を硬化する。
以下、各工程について詳述する。
(1)基材の準備
まず、抗ウィルス性部材の基材を準備する。本事例では、基材は化粧板である。
(2)抗ウィルス組成物の準備
次に、抗ウィルス組成物を準備する。
抗ウィルス組成物は、光触媒機能を持たない抗ウィルス剤と、未硬化の紫外線硬化樹脂とを含む。
抗ウィルス剤の好ましい種類は、上記抗ウィルス性部材1を構成する抗ウィルス剤30の好ましい材料と同じである。
すなわち、抗ウィルス剤30は、光触媒機能を持たない有機系抗ウィルス剤及び/又は光触媒機能を持たない無機系抗ウィルス剤であることが好ましい。また、本発明の抗ウィルス性部材では、上記抗ウィルス剤は光触媒機能を持たない金属化合物、金属イオンでイオン交換されたゼオライトから選択される少なくとも1種であることが好ましい。
有機系抗ウィルス剤としては、トリアジン、アゾール、スルホン酸系界面活性剤、ビス型第四級アンモニウム塩等が挙げられる。
このような有機系抗ウィルス剤としては、例えば、イミダゾール、トリアゾール、チアゾール及びベンゾイミダゾールなどのアゾール、トリアジン、ハロカルバン、クロロフェネシン、塩化リゾチーム、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、イソプロピルメチルフェノール、チモール、ヘキサクロロフェン、ベルベリン、チオキソロン、サリチル酸及びそれらの誘導体、安息香酸、安息香酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸エステル、パラクロルメタクレゾール、塩化ベンザルコニウム、フェノキシエタノール、イソプロピルメチルフェノール、石炭酸、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、ヘキサクロロフェン、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、チアントール、ヒノキチオール、トリクロサン、トリクロロヒドロキシジフェニルエーテル、クロルヘキシジングルコン酸塩、フェノキシエタノール、レゾルシン、アズレン、サリチル酸、ジンクピリチオン、モノニトログアヤコールナトリウム、ウイキョウエキス、サンショウエキス、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンゼトニウム及びウンデシレン酸誘導体、アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩、ビス型ピリジニウム塩、ビス型キノリニウム塩、ビス型チアゾリウム塩等が挙げられる。
金属化合物としては、金属酸化物、無機リン酸化合物、無機ケイ酸化合物等を挙げることができる。金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化銀、酸化鉛等を使用することができる。また、無機リン酸化合物としては、リン酸亜鉛、リン酸ジルコニウム、リン酸ハフニウム、リン酸チタニウム等のチタン族元素のリン酸化合物、リン酸アルミニウム、ヒドロキシアパタイト(リン酸塩鉱物)等の無機リン酸化合物;ケイ酸マグネシウム、シリカゲル、アルミノケイ酸塩、セピオライト(含水ケイ酸マグネシウム)、モンモリロナイト(ケイ酸塩鉱物)、ゼオライト(アルミノケイ酸塩)等の無機ケイ酸化合物などを使用できる。
金属化合物としては、銅イオンや銅化合物を含まないものが好ましい。銅イオンや銅化合物は有色であるため、抗ウィルス組成物を膜状に形成すると、基材表面の色彩が損なわれるからである。
なお、銅イオンや銅化合物を含んでいても基材表面の色彩に影響を与えない場合は、抗ウィルス剤として銅化合物を含んでいてもよい。具体的には、酸化銅、亜酸化銅、水酸化銅などを用いることができる。
金属イオンでイオン交換されたゼオライトとしては、銀イオン置換ゼオライトが好ましい。
なお、無機系抗ウィルス剤として、シリカに担持した銀は抗菌作用を有するが、表面積が小さく、またシリカ自身には抗ウィルス性能が無いため、銀担持シリカは抗ウィルス剤としては機能しない。一方、ゼオライトは表面積が大きく、ゼオライト自身にも抗ウィルス機能があるため、銀担持のシリカよりも銀イオンで置換したゼオライトの方が抗ウィルス剤として好ましい。従って、本発明で使用される抗ウィルス剤からは、銀担持シリカは除かれることが好ましい。
未硬化の紫外線硬化樹脂は、多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーからなる。
多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、3個以上の(メタ)アクリロイル基及び水酸基を有する第1多官能(メタ)アクリレートモノマー並びに3個以上の(メタ)アクリロイル基及び水酸基を有する第1多官能(メタ)アクリレートオリゴマーからなる群から選択される少なくとも1種のアクリレートと、イソシアネートモノマー及び有機ポリイソシアネートからなる群から選択される少なくとも1種のイソシアネートとからなる。
第1多官能(メタ)アクリレートモノマー、第1多官能(メタ)アクリレートオリゴマー、イソシアネートモノマー及び有機ポリイソシアネートとして好ましい種類は、上記抗ウィルス性部材1を構成する第1多官能(メタ)アクリレートオリゴマー、イソシアネートモノマー及び有機ポリイソシアネートの好ましい種類と同じである。
すなわち、第1多官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等が挙げられる。
第1多官能(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートの各モノマーが2個から100個程度重合したものが好ましい。
イソシアネートモノマーとしては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどが挙げられ、有機ポリイソシアネートはイソシアネートモノマーから合成されるアダクトタイプ、イソシアヌレートタイプ、ビュレットタイプのポリイソシアネート等が挙げられる。
抗ウィルス組成物は、さらに第2多官能(メタ)アクリレートモノマー及び第2多官能(メタ)アクリレートオリゴマーからなる群から選択される少なくとも1種の多官能(メタ)アクリレートを含んでいてもよい。
これらの好ましい種類は、上記抗ウィルス性部材1の説明で記載した第2多官能(メタ)アクリレートモノマー及び第2多官能(メタ)アクリレートオリゴマーの好ましい種類と同じである。
すなわち、すなわち、第2多官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジシクロペンタニルジアクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジアクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジアクリレート、アリル化シクロヘキシルジアクリレート、イソシアヌレートジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリアクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、1,10−デカンジオールジメタクリレート、グリセリンジメタクリレート、ジメチロールートリシクロデカンジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリメタクリレート等が挙げられる。これらのアクリレートのなかでは、官能基数の多いアクリレートほど表面硬度が高くなるので、官能基数の多いアクリレートが好ましい。
これらは単独又は2種以上を混合して使用してもよい。また、これらをオリゴマー化したものを第2多官能(メタ)アクリレートオリゴマーとして使用することができる。
第2多官能(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、ウレタンアクリレートオリゴマー、エポキシアクリレートオリゴマー、ポリエステルアクリレートオリゴマー、アクリルアクリレートオリゴマーなどが挙げられ、これらを単独あるいは2種以上を混合して使用しても良い
これらの多官能(メタ)アクリレートは、抗ウィルス組成物を硬化させた際に、その硬化物の硬度、靱性を調製することができる。
抗ウィルス組成物は、さらにさらにリン酸エステル基を有するアクリレートを含むことが好ましい。
このようなアクリレートとしては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−ジヒドロホスフェート、ジ−(2−(メタ)アクリロイルオキシ)ヒドロゲンホスフェート、エチレンオキサイド変性リン酸ジメタクリレート等が挙げられる。
リン酸エステル基の存在により、抗ウィルス組成物を硬化させた際に、その硬化物の金属やセラックへの密着性が向上するものと推察される。
抗ウィルス組成物は、さらにメチルメタアクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジアクリレート、シクロヘキシルメタクリレートから選ばれる少なくとも1種以上のアクリレートを含むことが好ましい。
これらのアクリレートは、抗ウィルス組成物の粘度を下げることができる。
メチルメタアクリレートは、全(メタ)アクリレートに対し50〜70重量%含まれることが好ましく、ジメチロール−トリシクロデカンジアクリレートは、全(メタ)アクリレートに対し5〜20重量%含まれることが好ましく、シクロヘキシルメタクリレートは、全(メタ)アクリレートに対し1〜5重量%含まれることが好ましい。
なお、抗ウィルス組成物の粘度は、10mPa・s(25℃)未満に調整することが好ましい。
抗ウィルス組成物は、さらに多価アルコール、光重合開始剤及びレベリング剤を含んでいてもよい。
これらの好ましい種類は、上記抗ウィルス性部材1で説明した多価アルコール、光重合開始剤及びレベリング剤の好ましい種類と同じである。
すなわち、すなわち、光重合開始剤としては、アルキルフェノン系光重合開始剤、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤、分子内水素引き抜き型光重合開始剤、オキシムエステル系光重合開始剤等を挙げることができる。
アルキルフェノン系光重合開始剤としては、例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホニル)フェニル]−1−ブタノン等が挙げられる。
アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤としては、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。
分子内水素引き抜き型光重合開始剤としては、例えば、フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステル、オキシフェニルサクサン、2−[2−オキソ−2−フェニルアセトキシエトキシ]エチルエステルトオキシフェニル酢酸と2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルエステルとの混合物等が挙げられる。
オキシムエステル系光重合開始剤としては、例えば、1.2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)等が挙げられる。
多価アルコールとしては、アクリルポリオール類、ポリエステルポリオール類、ポリカーボネートポリオール類、エチレングリコール、プロピレングリコールなどが挙げられる。
レベリング剤としては、シリコーン系レベリング剤、とりわけ非揮発性シリコーンを好適に用いることができる。
抗ウィルス組成物は、水や有機溶媒等の分散媒を含んでいてもよく、含んでいなくても良い。
抗ウィルス組成物が、有機溶媒を含む場合、有機溶媒の種類はアルコール類が好ましい。
アルコール類としては、粘性を下げる事を考慮して、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール等のアルコール類が挙げられる。これらのアルコールのなかでは、粘度が高くなりにくいメチルアルコール、エチルアルコールが好ましく、アルコールと水との混合液が好ましい。
また、メチルエチルケトンや酢酸エチルなどの有機溶媒を使用してもよい。
抗ウィルス組成物が分散媒を含まない場合、後述する「(3)塗布工程」において、抗ウィルス組成物を膜状に塗布した後、抗ウィルス組成物を乾かさずに、抗ウィルス組成物を硬化させることができる。
また、抗ウィルス組成物が水を含むと、紫外線硬化樹脂等の成分がエマルジョンとなってしまい、塗布した際に均一な膜を形成できないという問題が発生することがある。そのため、抗ウィルス組成物は水を含まないことが好ましい。
また、抗ウィルス組成物が有機溶媒を含むと、塗布時及び硬化後でも有機溶媒が揮発して臭いが発生する場合がある。そのため、抗ウィルス組成物は有機溶媒を含まないことが好ましい。
抗ウィルス組成物は、必要に応じて、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、接着促進剤、レオロジー調整剤、消泡剤などを含んでいても良い。
抗ウィルス組成物において、抗ウィルス剤の含有割合は2〜30重量%であることが好ましく、未硬化の紫外線硬化樹脂の含有割合は15〜60重量%であることが好ましい。また、抗ウィルス組成物に分散媒を加える場合、その含有割合は1〜80重量%であることが好ましい。
(3)塗布工程
次に、基材の表面に抗ウィルス組成物を膜状に塗布する。
塗布方法としては、例えば、スポンジローラー、刷毛、モップ、スキージーなどを利用して抗ウィルス組成物を基材表面に塗布することができる。
なお、均一に抗ウィルス組成物を塗布するために、抗ウィルス組成物はエマルジョン状態でないことが好ましい。
(4)硬化工程
次に、紫外線を照射して、抗ウィルス組成物を硬化させる。
紫外線を照射の条件は、特に限定されないが、その条件は、1〜300mW/cm、1〜800秒であることが望ましい。
(その他の工程)
なお、抗ウィルス組成物が分散媒を含む場合には、上記(3)塗布工程の後に、抗ウィルス組成物を乾燥させ、分散媒を蒸発、除去し、抗ウィルス組成物を基材表面に仮固定させると共に、抗ウィルス組成物の乾燥収縮により、抗ウィルス剤を抗ウィルス組成物の表面から露出させることができる。
乾燥条件としては、60〜100℃、0.5〜5.0分が望ましい。
(実施例1)
ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(米国サートマー社製 商品名SR399 固形分100%)100重量部とイソシアネートモノマー(日本ポリウレタン工業株式会社製 商品名コロネートHX 固形分100%)114重量部をMEK溶剤中(固形分30%)30℃で30分攪拌・反応させ、赤外吸収分析でイソシアネート基のピークが3分の2になった時点で反応を終了させる。このように作製したアクリル変性イソシアネート中にエチレングリコール12重量部添加し、10℃で30分攪拌・反応させた後、60℃で30分攪拌・反応させ、2−ヒドロキシエチルアクリレート(共栄社化学株式会社製 商品名ライトエステルHOA 固形分100%)0.4重量部を添加させることで反応を停止させてウレタンアクリレートを得る。
次に、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(新中村化学工業株式会社製 商品名ADPH固形分100%)100重量部に対しウレタンアクリレートを50重量部(固形分比)、リン酸亜鉛粉末(純正化学社製)30重量部を配合し、開始剤としてIrgacure184(チバ・スペシャルティ・ケミカル株式会社製)を5重量部加え、固形分30%となるように溶媒として酢酸エチルを加えることにより実施例1に係る抗ウィルス組成物を得る。
次いで、実施例1に係る抗ウィルス組成物を500mm×500mmの大きさの白色メラミン板上に、ラバースキージを用いてコートした。膜厚は3μmとする。
その後、紫外線照射装置(COATTEC社製 MP02)を用い、30mW/cmの照射強度で80秒間紫外線を照射することにより、基材である白色メラミン板にリン酸亜鉛を含むウレタンアクリレート紫外線硬化樹脂からなる抗ウィルス組成物の硬化物が膜状に形成された実施例1に係る抗ウィルス性部材を得る。
(実施例2)
ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとヘキサメチレンジイソシアネートとを必須成分として構成される数平均分子量が600〜800のピークと2000〜3000のピークを有する10官能ウレタンアクリレート化合物(製品名 KUA−10H、ケーエスエム株式会社製 固形分100%)を100重量部、銀イオン置換ゼオライト((株)シナネンゼオミック製 商品名 ゼオミック)を50重量部、光重合開始剤として、Irgacure184(BASFジャパン株式会社製、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)を4.5重量部、LUCIRINTPO(BASFジャパン株式会社製、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド)を4.5重量部、粘度を低減させるためにMMA(メチルメタクリレート)250重量部とを配合して、無溶剤の抗ウィルス組成物を得る。
実施例1と同様に、実施例2に係る抗ウィルス組成物を白色メラミン板上にコートして、銀イオン置換ゼオライトを含むウレタンアクリレート紫外線硬化樹脂からなる抗ウィルス組成物の硬化物が膜状に形成された実施例2に係る抗ウィルス性部材を得る。
(実施例3)
リン酸亜鉛粉末(純正化学社製)30重量部に代えて、イミダゾール系の抗微生物剤(日本曹達(株) 商品名 バイオカットBM−100F)を20重量部用いた以外は実施例1と同様にして実施例3に係る抗ウィルス組成物を得る。
実施例1と同様に、実施例3に係る抗ウィルス組成物を白色メラミン板上にコートして、イミダゾール系の抗ウィルス剤を含むウレタンアクリレート紫外線硬化樹脂からなる抗ウィルス組成物の硬化物が膜状に形成された実施例3に係る抗ウィルス性部材を得る。
(比較例1)
酢酸銅の濃度が0.7wt%になるように、酢酸銅(II)・一水和物粉末(富士フィルム和光純薬社製)を純水に溶解させた後、マグネチックスターラーを用い、600rpmで15分撹拌して酢酸銅水溶液を調製した。混合組成物は、光ラジカル重合型アクリレート樹脂(ダイセル・オルネクス社製 UCECOAT7200 ジペンタエリスリトールテトラアクリレート)と光重合開始剤(IGM社製 Omnirad500)を重量比98:2で混合し、ホモジナイザーを用い、8000rpmで30分間撹拌して紫外線硬化樹脂液を調製した。上記0.7wt%酢酸銅水溶液と紫外線硬化樹脂液及びコロイダルシリカ(日産化学社製 メタノールシリカゾル 固形分30%)を重量比4.5:2.4:1.0で混合し、マグネチックスターラーを用い、600rpmで2分撹拌して比較例1に係る抗ウィルス組成物を調製した。なお、IGM社製のOmnirad500は、BASF社のIRGACURE500と同じもので、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンとベンゾフェノンとの混合物である。この光重合開始剤は、水に不溶であり、紫外線により還元力を発現する。
次いで、比較例1に係る抗ウィルス組成物を500mm×500mmの大きさの白色メラミン板上に、刷毛で膜状に塗布し、この後、白色メラミン板を80℃で3分間乾燥させ、さらに紫外線照射装置(COATTEC社製 MP02)を用い、30mW/cmの照射強度で80秒間紫外線を照射することにより、基材である白色メラミン板に銅化合物を含む紫外線硬化樹脂の硬化物が形成された比較例1に係る抗ウィルス性部材を得る。
(比較例2)
リン酸亜鉛と、不揮発分が30%のウレタンエマルジョンバインダーとを、固形分重量比で1:1になるように混合し、比較例2に係る抗ウィルス組成物とする。
次いで、比較例2に係る抗ウィルス組成物を、500mm×500mmの大きさの白色メラミン板上に、抗ウィルス組成物を刷毛で膜状に塗布し、105℃で乾燥して、比較例2に係る抗ウィルス性部材を得る。
(比較例3)
イソシアネート硬化用の2官能のアクリル樹脂としての商品名アクリディック(登録商標)A801(DIC株式会社製)とヘキサメチレンジイソシアネート(商品名:デュラネートTPA100(旭化成ケミカルズ株式会社製))とを、イソシアネート基と水酸基がNCO:OH=1:1となるように混合した。次に、この混合物に対して、メチルエチルケトンを用いて加熱残分が20質量%となるように希釈を行うことにより、熱硬化性樹脂を調製する。
上記熱硬化性樹脂100重量部に亜酸化銅100質量部、メチルエチルケトン1000質量部、リン酸エステル型アニオン界面活性剤30質量部を混合して比較例3に係る抗ウィルス組成物を製造する。
次に、比較例3に係る抗ウィルス組成物を500mm×500mmの大きさの白色メラミン板上に、刷毛で膜状に塗布し、100℃で乾燥、硬化して、比較例3に係る抗ウィルス性部材を製造する。
(比較例4)
メタクリル酸メチル100重量部、リン酸亜鉛20重量部、光重合開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン(商品名Irgacure184、BASF社製、固形分100%)を3重量部と分散媒としてメチルエチルケトンを30重量部加えて、比較例4に係る抗ウィルス組成物を得る。
比較例4に係る抗ウィルス組成物を白色メラミン板上に刷毛で膜状に塗布して10分間乾燥させた後、紫外線照射装置(COATTEC社製 MP02)を用い、30mW/cmの照射強度で80秒間紫外線を照射することにより、基材である白色メラミン板に銅化合物を含む紫外線硬化樹脂の硬化物が形成された比較例4に係る抗ウィルス性部材を得る。
(比較例5)
塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム(東邦化学工業株式会社製 商品名 カチナールCTC−70ET)をアクリル・ウレタン塗料(楠本化成(株)製 商品名 NeoPac)に対して3重量%添加含有し、希釈用シンナーで希釈調整し、白色メラミン板に刷毛で膜状に塗布して、60分間乾燥させた後、加熱炉で加熱温度80℃、加熱時間60分の加熱処理を施して比較例5に係る抗ウィルス性部材を得る。
(抗ウィルス性部材の膜性状の評価)
得られた各抗ウィルス性部材について、目視により白色メラミン板の色調を確認する。また、光学顕微鏡(キーエンス社製 マイクロスコープ VHX−5000)により、表面の凹凸の有無を確認した。結果を表1に示す。
(ネコカリシウィルスを用いた抗ウィルス性評価)
抗ウィルス性試験は以下のように実施した。
各実施例及び各比較例で得られた抗ウィルス性部材の後述する加速試験前後の抗ウィルス性を評価するために、JIS Z 2801 抗菌加工製品−抗菌性試験方法・抗菌効果を改変した手法を用いる。改変点は、「試験菌液の接種」を「試験ウィルスの接種」に変更する点である。ウィルスを使用することによる変更点についてはすべてJIS L 1922繊維製品の抗ウィルス性試験方法に基づき変更する。測定結果は各実施例及び各比較例で得られた抗ウィルス性部材についてJIS L 1922付属書Bに基づき、CRFK細胞への感染能力を失ったネコカリシウィルス濃度をネコカリシウィルス不活度として表示する。ここで、ウィルス濃度の指標として、CRFK細胞に対して不活性化されたウィルスの濃度(ウィルス不活度)を使用し、このウィルス不活度に基づいて抗ウィルス活性値を算出する。
以下、手順を具体的に記載する。
(1)各実施例及び各比較例で得られた抗ウィルス性部材を、1辺50mm角の正方形に切り出した試験試料を滅菌済プラスチックシャーレに置き、試験ウィルス液(>10PFU/mL)を0.4mL接種する。
試験ウィルス液は10PFU/mLのストックを精製水で10倍希釈したものを使用する。
(2)対照資料として50mm角のポリエチレンフイルムを用意し、試験試料と同様にウィルス液を接種する。
(3)接種したウィルスの液の上から40mm角のポリエチレンを被せ、試験ウィルス液を均等に接種させた後、25℃で所定時間反応させる。
(4)接種直後又は反応後、SCDLP培地10mLを加え、ウィルス液を洗い流す。JIS L 1922付属書Bによってウィルスの感染値を求める。
(5)以下の計算式を用いて抗ウィルス活性値を算出する。
Mv=Log(Vb/Vc)
Mv:抗ウィルス活性値
Log(Vb):ポリエチレンフイルムの所定時間反応後の感染値の対数値
Log(Vc):試験試料の所定時間反応後の感染値の対数値
参考規格 JIS L 1922、JIS Z 2801
測定方法は、プラーク測定法によった。
また、試験ウィルスはFeline calcivirus; Strain :F−9 ATCC VR−782を用いる。
(加速試験)
水道水を含ませたマイクロファイバークロスを用いて150Pa、11000回の加速試験を行う。この加速試験は1日3回ふき取りを行う想定で、約3年分の経時変化に相当する。
加速試験前後の各実施例及び各比較例に係る試験試料を用いて、上記「ネコカリシウィルスを用いた抗ウィルス性評価」と同様の方法で抗ウィルス活性値を算出する。結果を表1に示す。
Figure 2021054768
実施例1〜3に係る抗ウィルス組成物は、3個以上の(メタ)アクリロイル基及び水酸基を有する第1多官能(メタ)アクリレートモノマーとジイソシアネートが反応して形成されるウレタンアクリレートであり、架橋点が多くなるため、硬度、靱性が高く、耐摩耗性、クラック耐性に優れるため、加速試験後でも実用的な抗ウィルス性能を維持することができる。また、ウレタンアクリレートは、レべリング性に優れ、膜表面が平滑であり、均一な膜を形成することができる。
さらに、抗ウィルス剤として銅イオンや銅化合物を含んでいないため膜状にコートしても基材表面の色彩が変わらない。
比較例1に係る抗ウィルス組成物は、アクリロイル基が4つの多官能アクリレートを含むが、ウレタンアクリレートは含まず、得られた抗ウィルス性部材は、耐摩耗性が低く、加速試験後に抗ウィルス性能が低下してしまうことが分かる。また、銅を含むため抗ウィルス組成物の硬化物は青みがかっており、基材の表面の色彩が損なわれている。
比較例2に係る抗ウィルス組成物は、ウレタンエマルジョンバインダーを乾燥、熱硬化させたものであり、硬化物の表面に凹凸が見られ、また、直鎖の高分子であるため、三次元的なネットワーク構造が形成されず、得られた抗ウィルス性部材は、耐摩耗性に劣る。このため、加速試験後に抗ウィルス性能が低下してしまう。
比較例3に係る抗ウィルス組成物は、熱硬化性のウレタン樹脂を用いており、イソシアネート基と水酸基がNCO/OH=1であることから、硬化剤として機能するアクリル樹脂分子1個に対してヘキサメチレンジアミン分子1個が結合する直鎖高分子となるため、架橋時の高分子鎖のネットワークの形成が不充分である。そのため、得られた抗ウィルス性部材は耐摩耗性が低く、加速試験後に抗ウィルス性能が低下してしまうことが分かる。また、亜酸化銅を用いており、抗ウィルス組成物の硬化物が着色している。
比較例4に係る抗ウィルス組成物は、メタクリル酸メチルの重合体であり、高分子鎖が直鎖状であるため、ネットワークの形成が不充分である。そのため、得られた抗ウィルス性部材は耐摩耗性が低く、加速試験後に抗ウィルス性能が低下してしまう。
比較例5に係る抗ウィルス組成物は、熱硬化性のアクリル−ウレタン樹脂を使用しており、高分子鎖のネットワークの形成が不充分である。そのため、得られた抗ウィルス組成物は、耐摩耗性が低く、加速試験後に抗ウィルス性能が低下してしまう。
以上の結果から、本発明の抗ウィルス組成物を用いることで、耐摩耗性に優れ、経時的に抗ウィルス性能が低下しない抗ウィルス性部材を得ることができることが判明した。
1 抗ウィルス性部材
10 基材
20 抗ウィルス組成物の硬化物
30 抗ウィルス剤

Claims (29)

  1. 基材と、
    前記基材の表面に膜状に固着形成された抗ウィルス組成物の硬化物とからなる抗ウィルス性部材であって、
    前記抗ウィルス組成物の硬化物は、光触媒機能を持たない抗ウィルス剤と、紫外線硬化樹脂とを含み、
    前記紫外線硬化樹脂は、多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーからなり、
    前記多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、3個以上の(メタ)アクリロイル基及び水酸基を有する第1多官能(メタ)アクリレートモノマー並びに3個以上の(メタ)アクリロイル基及び水酸基を有する第1多官能(メタ)アクリレートオリゴマーからなる群から選択される少なくとも1種の多官能(メタ)アクリレートと、イソシアネートモノマー及び有機ポリイソシアネートからなる群から選択される少なくとも1種のイソシアネートとからなることを特徴とする抗ウィルス性部材。
  2. 前記抗ウィルス組成物の硬化物は、第2多官能(メタ)アクリレートモノマー及び第2多官能(メタ)アクリレートオリゴマーからなる群から選択される少なくとも1種の多官能(メタ)アクリレートを含む請求項1に記載の抗ウィルス性部材。
  3. 前記抗ウィルス組成物の硬化物は、多価アルコールを含む請求項1又は2に記載の抗ウィルス性部材。
  4. 前記抗ウィルス組成物の硬化物は、光重合開始剤を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の抗ウィルス性部材。
  5. 前記抗ウィルス剤は、光触媒機能を持たない有機系抗ウィルス剤及び/又は光触媒機能を持たない無機系抗ウィルス剤である請求項1〜4のいずれか1項に記載の抗ウィルス性部材。
  6. 前記抗ウィルス剤は、光触媒機能を持たない金属化合物及び金属イオンでイオン交換されたゼオライトから選択される少なくとも1種である請求項1〜5のいずれか1項に記載の抗ウィルス性部材。
  7. 前記抗ウィルス剤は、銅イオン及び銅化合物を含まない請求項1〜6のいずれか1項に記載の抗ウィルス性部材。
  8. 前記抗ウィルス組成物の硬化物は、レベリング剤を含む請求項1〜7のいずれか1項に記載の抗ウィルス性部材。
  9. 前記抗ウィルス組成物の硬化物は、リン酸エステル基を有するアクリレートを含む請求項1〜8のいずれか1項に記載の抗ウィルス性部材。
  10. 基材の表面に光触媒機能を持たない抗ウィルス剤と、未硬化の紫外線硬化樹脂とを含む抗ウィルス組成物を膜状に塗布した後、紫外線を照射して前記抗ウィルス組成物を硬化する抗ウィルス性部材の製造方法であって、
    前記紫外線硬化樹脂が、多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーからなり、
    前記多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、3個以上の(メタ)アクリロイル基及び水酸基を有する第1多官能(メタ)アクリレートモノマー並びに3個以上の(メタ)アクリロイル基及び水酸基を有する第1多官能(メタ)アクリレートオリゴマーからなる群から選択される少なくとも1種のアクリレートと、イソシアネートモノマー及び有機ポリイソシアネートからなる群から選択される少なくとも1種のイソシアネートとからなることを特徴とする抗ウィルス性部材の製造方法。
  11. 前記抗ウィルス組成物は、第2多官能(メタ)アクリレートモノマー及び第2多官能(メタ)アクリレートオリゴマーからなる群から選択される少なくとも1種の多官能(メタ)アクリレートを含む請求項10に記載の抗ウィルス性部材の製造方法。
  12. 前記抗ウィルス組成物は、多価アルコールを含む請求項10又は11に記載の抗ウィルス性部材の製造方法。
  13. 前記抗ウィルス組成物は、光重合開始剤を含む請求項10〜12のいずれか1項に記載の抗ウィルス性部材の製造方法。
  14. 前記抗ウィルス組成物は、有機溶媒を含まない請求項10〜13のいずれか1項に記載の抗ウィルス性部材の製造方法。
  15. 前記抗ウィルス組成物は、水を含まない請求項10〜14のいずれか1項に記載の抗ウィルス性部材の製造方法。
  16. 前記抗ウィルス剤は、光触媒機能を持たない有機系抗ウィルス剤及び/又は光触媒機能を持たない無機系抗ウィルス剤である請求項10〜15のいずれか1項に記載の抗ウィルス性部材の製造方法。
  17. 前記抗ウィルス剤は、光触媒機能を持たない金属化合物及び金属イオンでイオン交換されたゼオライトから選択される少なくとも1種である請求項10〜16のいずれか1項に記載の抗ウィルス性部材の製造方法。
  18. 前記抗ウィルス剤は、銅イオン及び銅化合物を含まない請求項10〜17のいずれか1項に記載の抗ウィルス性部材の製造方法。
  19. 光触媒機能を持たない抗ウィルス剤と、紫外線硬化樹脂とを含む抗ウィルス組成物であって、
    前記紫外線硬化樹脂は、多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーからなり、
    前記多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、3個以上の(メタ)アクリロイル基及び水酸基を有する第1多官能(メタ)アクリレートモノマー並びに3個以上の(メタ)アクリロイル基及び水酸基を有する第1多官能(メタ)アクリレートオリゴマーからなる群から選択される少なくとも1種の多官能(メタ)アクリレートと、イソシアネートモノマー及び有機ポリイソシアネートからなる群から選択される少なくとも1種のイソシアネートとからなることを特徴とする抗ウィルス組成物。
  20. さらに第2多官能(メタ)アクリレートモノマー及び第2多官能(メタ)アクリレートオリゴマーからなる群から選択される少なくとも1種の多官能(メタ)アクリレートを含む請求項19に記載の抗ウィルス組成物。
  21. さらに多価アルコールを含む請求項19又は20に記載の抗ウィルス組成物。
  22. さらに光重合開始剤を含む請求項19〜21のいずれか1項に記載の抗ウィルス組成物。
  23. 前記抗ウィルス剤は、光触媒機能を持たない有機系抗ウィルス剤及び/又は光触媒機能を持たない無機系抗ウィルス剤である請求項19〜22のいずれか1項に記載の抗ウィルス組成物。
  24. 前記抗ウィルス剤は、光触媒機能を持たない金属化合物及び金属イオンでイオン交換されたゼオライトから選択される少なくとも1種である請求項19〜23のいずれか1項に記載の抗ウィルス組成物。
  25. 前記抗ウィルス剤は、銅イオン及び銅化合物を含まない請求項19〜24のいずれか1項に記載の抗ウィルス組成物。
  26. さらにレベリング剤を含む請求項19〜25のいずれか1項に記載の抗ウィルス組成物。
  27. 前記抗ウィルス組成物は、リン酸エステル基を有するアクリレートを含む請求項19〜26のいずれか1項に記載の抗ウィルス組成物。
  28. 前記抗ウィルス組成物は、有機溶媒を含まない請求項19〜27のいずれか1項に記載の抗ウィルス組成物。
  29. 前記抗ウィルス組成物は、水を含まない請求項19〜28のいずれか1項に記載の抗ウィルス組成物。
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