JP6892032B1 - 化粧シート及び化粧材 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い耐傷性及び抗ウイルス性を有する化粧シートを提供する。【解決手段】化粧シート1は、着色層2と透明樹脂層4と表面保護層5と、がこの順に積層され、表面保護層5は透明樹脂層4側から順に下層5bと上層5aとを備える。上層5aは抗ウイルス剤を含み、厚さが5μm以上10μm以下の範囲内であり、マルテンス硬さが200N/mm2以上である。下層5bは、厚さが5μm以上15μm以下の範囲内であり、マルテンス硬さが100N/mm2以上であり上層5aのマルテンス硬さ以下の範囲内である。透明樹脂層4のマルテンス硬さは50N/mm2以上であり、下層5bのマルテンス硬さ以下の範囲内である。さらに、抗ウイルス剤の添加量は、上層の固形分に対して0.2室量部以上10質量部以下であり、抗ウイルス剤の平均粒径は、上層の厚さの0.5倍以上2倍以下であり、1μm以上10μm以下の範囲内にある。【選択図】図1

Description

本発明は、化粧シート及び化粧材に関する。
従来、ポリ塩化ビニル製の化粧シートに代わる化粧シートとしてオレフィン系樹脂を使用した化粧シートが多く提案されている。オレフィン系樹脂を使用した化粧シートは、耐擦傷性が悪く、従来のポリ塩化ビニルシートに劣っているものであった(例えば、特許文献1参照。)。
特開2014−188941号公報 特開2019−181924号公報
近年、抗ウイルス性能の需要が高まり、抗ウイルス製品の開発が急務となっている。
しかしながら、化粧シートが摩耗したり、傷ついたりすることにより、最表面がすり減り、抗ウイルス性が低下するという課題があった。
そこで、この発明は、上記従来の未解決の課題に着目してなされたものであり、高い耐傷性を備え、且つ抗ウイルス性を有する化粧シート及び化粧材を提供することを目的としている。
上記目的を達成するべく、本発明の一態様によれば、着色層と、透明樹脂層と、表面保護層と、がこの順に積層され、表面保護層は、透明樹脂層側に設けられた下層と、下層の上に形成された上層とを有し、上層は抗ウイルス剤を含み、厚さが5μm以上10μm以下の範囲内であり、マルテンス硬さが200N/mm以上であり、下層は、厚さが5μm以上15μm以下の範囲内であり、マルテンス硬さが100N/mm以上であり上層のマルテンス硬さ以下の範囲内であり、透明樹脂層のマルテンス硬さは50N/mm以上であり下層のマルテンス硬さ以下の範囲内であり、抗ウイルス剤の添加量は、上層の固形分に対して0.2質量部以上10質量部以下であり、抗ウイルス剤の平均粒径は、上層の厚さの0.5倍以上2倍以下であり、抗ウイルス剤の平均粒径は、1μm以上10μm以下の範囲内にあることを特徴としている。
また、本発明の他の態様によれば、基材と、基材の少なくとも一方の面側に設けられた、上記態様の化粧シートを備えることを特徴としている。
本発明によれば、高い耐傷性を備え、且つ抗ウイルス性を有する化粧シート及び化粧材を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る化粧シート及び化粧材の一例を模式的に示す断面図である。
以下に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
ここで、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各厚みの比率などは現実のものとは異なる。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状などが下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
<構成>
本発明の一実施形態に係る化粧シート1は、図1に示すように、着色熱可塑性樹脂層からなる原反層としての着色層2と、絵柄層(絵柄模様層)3と、透明熱可塑性樹脂層からなる透明樹脂層4と、表面保護層5とを備え、着色層2の一方の面に、絵柄層3と、透明樹脂層4と、表面保護層5とがこの順に積層されている。また、本実施形態に係る化粧シート1は、意匠性を向上させるために透明樹脂層4の表面保護層5側の面には、エンボス模様4aが形成されている。さらに、本実施形態に係る化粧シート1は、抗ウイルス性を持たせるために、表面保護層5に抗ウイルス剤が添加されている。
本実施形態の化粧シート1は、図1に示すように、着色層2の他方の面に、接着剤層7を介して基材8を貼り合わせることにより、化粧材10を構成している。基材8として、例えば、木質ボード類、無機質ボード類、金属板などを用いることができる。
<着色層2>
着色層2は、化粧シート1の基材となる層である。本実施形態では、着色層2として、着色熱可塑性のポリオレフィン系樹脂を用いることができる。ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体、プロピレン−α−オレフィン共重合体等のポリオレフィン樹脂や、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体金属中和物(アイオノマー)等のオレフィン系共重合体樹脂等のポリオレフィン系樹脂のうち、単独又は2種以上の混合物、共重合体、複合体、積層体等を使用できる。
ポリオレフィン系樹脂としては、これらの多くの種類から、化粧シート1の使用目的等に応じて適宜選択して使用すればよい。特に、一般的な用途に最も好適なのは、ポリプロピレン系樹脂、すなわち、プロピレンを主成分とする単独又は共重合体である。例えば、ホモポリプロピレン樹脂、ランダムポリプロピレン樹脂、ブロックポリプロピレン樹脂等を単独又は適宜配合したり、それらに更にアタクチックポリプロピレンを適宜配合した樹脂等を使用したりすることができる。また、プロピレン以外のオレフィン系単量体を含む共重合体であってもよく、例えば、ポリプロピレン結晶部を有し、且つプロピレン以外の炭素数2〜20のα−オレフィン、好ましくはエチレン、ブテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1又はオクテン−1のコモノマーの1種又は2種以上を15モル%以上含有するプロピレン−α−オレフィン共重合体等を例示できる。また、通常ポリプロピレン系樹脂の柔軟化に用いられている低密度ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−プロピレン共重合ゴム、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体又はその水素添加物等の改質剤を適宜添加できる。
着色層2には、必要に応じて、例えば、着色剤、充填剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、滑剤、難燃剤、抗菌剤、防黴剤、減摩剤、光散乱剤及び艶調整剤等の各種の添加剤から選ばれる1種以上の添加剤を添加してもよい。
着色層2の厚さは、40μm以上150μm以下の範囲内であることが好ましく、50μm以上130μm以下であることがより好ましい。着色層2の厚さが40μm以上である場合、下地となる床材等の凹凸や段差などを吸収して化粧シート1の施工仕上がりを良好にすることができる。また、着色層2の厚さが150μm以下である場合、着色層2を必要以上に厚く形成することがなく、化粧シート1の製造コストを削減することができる。
<絵柄層3>
絵柄層3は、着色層2上に形成され、意匠性を付与するための絵柄を付加するための層であり、必要に応じて設けられる。絵柄層3は、着色層2の着色で代用できる場合には、省略も可能である。絵柄層3は、染料又は顔料等の着色剤を適当なバインダ樹脂とともに適当な希釈溶媒中に溶解又は分散してなる印刷インキ又は塗料等を用いて形成される。印刷インキ又は塗料等は、例えば、グラビア印刷法又はオフセット印刷法等の各種印刷法や、グラビアコート法又はロールコート法等の各種塗工法等によって塗布される。また、バインダ樹脂としては、例えば、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、塩化酢酸ビニル系樹脂、ポリイミド系樹脂、硝化綿等、或いはそれらの混合物等を用いることができるが、勿論これらに限定されない。また、絵柄としては、任意の絵柄を用いることができ、例えば、木目柄、石目柄、布目柄、抽象柄、幾何学模様、文字、記号、単色無地等、或いはそれらの組み合わせ等を用いることできる。また、化粧シート1の隠蔽性を向上するために、絵柄層3と着色層2との層間に、二酸化チタンや酸化鉄等の不透明顔料を多く含む不透明な印刷インキや塗料による隠蔽層を設けてもよい。
絵柄層3の厚さは、1μm以上10μm以下の範囲内であることが好ましい。絵柄層3の厚さが1μm以上である場合、印刷を明瞭にすることができる。絵柄層3の厚さが10μm以下である場合、化粧シート1を製造する際の印刷作業性が向上し、かつ製造コストを抑制することができる。
また、絵柄層3には、各種機能を付与するために、例えば、体質顔料、可塑剤、分散剤、界面活性剤、粘着付与剤、接着助剤、乾燥剤、硬化剤、硬化促進剤及び硬化遅延剤等の機能性添加剤を添加してもよい。
また、絵柄層3は、例えば化粧シート1が貼りつけられる下地の色・模様を隠蔽するためにべた塗りされた着色層と意匠性を付与するための絵柄を付加するための絵柄模様層とを有していてよい。
<透明樹脂層4>
透明樹脂層4の樹脂材料としては、ポリオレフィン系樹脂が好適に用いられる。ポリオレフィン系樹脂としては、着色層2に適用した熱可塑性ポリオレフィン系樹脂を適用することができる。ポリオレフィン系樹脂としては、着色層2と同様に、多くの種類から、化粧シートの使用目的等に応じて適宜選択して使用すればよく、特に、一般的な用途に最も好適なのは、ポリプロピレン系樹脂、すなわち、プロピレンを主成分とする単独又は共重合体である。
透明樹脂層4には、必要に応じて、例えば、着色剤、充填剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、滑剤、難燃剤、抗菌剤、防黴剤、減摩剤、光散乱剤及び艶調整剤等の各種の添加剤から選ばれる1種以上が添加されていてもよい。なお、透明樹脂層4は、化粧シート1の表面(上面)から絵柄層3の絵柄を透視可能な程度の透明性(無色透明、有色透明、半透明)を有することが好ましい。
また、透明樹脂層4は、表面保護層5と同様に、抗ウイルス性を向上させる抗ウイルス剤を含んでもよい。表面保護層5に抗ウイルス剤を含むことにより、化粧シート1の最表面において抗ウイルス性を保つことができる。透明樹脂層4及び表面保護層5の双方に抗ウイルス剤が含まれることにより、表面保護層5が摩耗により透明樹脂層4が露出しても抗ウイルス性を有する。このことから、表面保護層5及び透明樹脂層4の双方に抗ウイルス剤を含むことがより好ましい。透明樹脂層4に含まれる抗ウイルス剤は、表面保護層5に含まれる抗ウイルス剤と同様である。抗ウイルス剤については後述する。
さらに、透明樹脂層4は、マルテンス硬さが50N/mm以上となるように設定する。例えば、透明樹脂層4を構成する樹脂の主成分を高結晶性ホモプロプレン樹脂とすることで、透明樹脂層4のマルテンス硬さが50N/mm以上に設定できる。
ここで、本実施形態では、主成分とは、構成する樹脂成分100質量部に対し80質量部以上、好ましくは90質量部以上含むことを指す。
透明樹脂層4のマルテンス硬さの上限については、化粧シート1として使用可能な硬さであれば特に限定はないが、好ましくは後述の下層5bのマルテンス硬さ以下である。透明樹脂層4のマルテンス硬さを下層5bのマルテンス硬さ以下にすることで、密着性が向上する。透明樹脂層4のマルテンス硬さは、さらに、接触する下層5bのマルテンス硬さとの差が150N/mm以下であることがより好ましい。すなわち、透明樹脂層4と下層5bとのマルテンス硬さとの差を150N/mm以下にすることで、界面でのマルテンス硬さの傾斜が小さく設定されて、密着性の点でさらに有利である。なお、透明樹脂層4のマルテンス硬さを50N/mm未満とした場合、耐傷性が低下し好ましくない。
透明樹脂層4の厚さは、例えば20μm以上200μm以下の範囲内とする。
透明樹脂層4には、表面保護層5側の面に、意匠性を付与するためにエンボス模様4aが形成されていてもよい。通常はエンボス加工によって凹凸模様を形成する。エンボス加工方法は特に限定されない。エンボス模様4aの凹凸形状としては、例えば、木目板導管溝、右板表面凹凸(花崗岩劈開面など)、布表面テクスチャア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝などがある。
<表面保護層5>
表面保護層5は、透明樹脂層4上に形成される層であり、化粧シート1に耐候性、耐傷性、耐汚染性、意匠性などの機能を付与するために設けられた層である。また、表面保護層5には、抗ウイルス性を実現するため抗ウイルス剤が添加されている。
表面保護層5は、透明樹脂層4の上に積層された下層5bと、下層5bの上に積層された上層5aとを含み、それぞれの層を、硬化型樹脂の種類に応じて、既知のコーティング装置、熱乾燥装置および紫外線照射装置を用いて塗布および塗膜の硬化を行うことで形成する。抗ウイルス剤は、上層5aに添加されている。これに加え上層5aには、塩素を含む成分が添加されていない。これは抗ウイルス剤としての銀系添加剤の銀成分と、塩素との接触による変色を防止するためである。
表面保護層5は、曲げ加工性、耐候性、耐傷付性や清掃性に関してその優劣を左右する重要な役割をもつ。表面保護層5は、硬化型樹脂(硬化性樹脂)を主成分とする。すなわち樹脂成分が実質的に硬化型樹脂から構成されることが好ましい。実質的とは、例えば樹脂全体を100質量部とした場合に80質量部以上を指す。
硬化型樹脂としては、電離放射線硬化性樹脂と熱硬化性樹脂とが好適に用いられる。電離放射線硬化性樹脂としては、各種モノマーや市販されているオリゴマーなど、公知のものを用いることができ、例えば、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PET3A)、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PET4A)、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)等の多官能モノマーや、紫光UV−1700B(日本合成化学製)のような多官能オリゴマー、もしくはこれらの混合物を用いることが好ましい。
使用する電離放射線硬化性樹脂、特に後述する上層5aに使用する電離放射線硬化性樹脂としては、一分子中に4個以上の官能基を含むことが好ましい。一分子中の官能基数が4未満だと、硬化物の硬度が不足し十分な耐傷性を得ることができないおそれがある。また、官能基数は20以下であることが好ましい。官能基数が20より大きい場合、材料としての汎用性が低くコストが高くなるおそれがある。また、質量平均分子量は、500以上5,000以下の範囲内が好ましい。質量平均分子量が500未満だと、架橋密度が高くなり、耐割れ性が低下するおそれがある。また、質量平均分子量が5,000を超えると、溶解性が低下し、意匠性が悪くなるおそれがある。
熱硬化性樹脂は、例えば、以下に述べる水酸基を含むポリマー(ポリオール)とイソシアネート化合物を熱により硬化させることで形成される。
上記ポリオール化合物は、特に限定されるものではないが、例えば、分子構造の伸張などによる機械特性的特徴を付与するために用いてもよく、例えば各種アクリルポリオール、各種ポリエステルポリオール、各種ポリエーテルポリオール、各種ポリカーボネートポリオール、各種カプロラクトンジオールなどから、適宜選択して用いられる。
イソシアネート化合物としては、上記同様、特に限定されるものではないが、例えばトルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、水添ジフェニルメタンジイソシアネート(H12MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、水添キシリレンジイソシアネート(H6XDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等が挙げられる。
表面保護層5には、必要に応じて、耐侯剤、可塑剤、安定剤、充填剤、分散剤、染料、顔料等の着色剤、溶剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、光安定剤、ブロッキング防止剤、触媒捕捉剤、着色剤、光散乱剤および艶調整剤等の各種添加剤等を含んでもよい。また、抗菌剤、防カビ剤等の機能性添加剤等を含んでもよい。
〔上層5a〕
表面保護層5の上層5aは、層厚が5μm以上10μm以下の範囲内であり、マルテンス硬さが200N/mm以上の樹脂層である。上層5aの厚さが5μm以上であれば、耐傷性、耐摩耗性、耐候性等、各種耐性が向上する。上層5aの厚さが10μm以下であれば、必要以上に多くの量の樹脂材料を使用する必要がなくコストを低減することができる。また、マルテンス硬さを200N/mm未満とした場合、耐傷性が低下し好ましくない。
例えば、上層5aを構成する樹脂成分の主材料として電離放射線硬化性樹脂を使用することで、上層5aのマルテンス硬さを200N/mm以上とすることが可能である。なお、上層5aのマルテンス硬さは200N/mm以上であればよいが、耐割れ性を確保する観点から300N/mm以下が好ましい。マルテンス硬さを300N/mmより大きくした場合、耐割れ性が低下し好ましくない。
また、乾燥後の塗布量が5μm以上10μm以下の範囲内となるように、上層5a用の塗工液を塗布することで、上層5aの層厚を5μm以上10μm以下の範囲内に設定することができる。なお、上層5aの層厚を10μmより厚くした場合、硬化不良となる可能性があり好ましくない。また、上層5aの層厚を5μm未満とした場合、耐傷性が低下し好ましくない。
上層5aを構成する樹脂成分の主材料は、硬さや耐傷性を確保する点から電離放射線硬化性樹脂が好ましいが、硬さや耐傷性に加えて耐候性を確保する点から電離放射線硬化性樹脂と熱硬化性樹脂を混合した混合組成物であってもよい。その場合には、上層5a全体の質量に対する熱硬化性樹脂の比率が5質量%以上50質量%以下の範囲内が好ましい。また、マルテンス硬さを200N/mm以上とすることができれば、上層5aを構成する樹脂成分の主材料を熱硬化性樹脂としてもよい。
また、上層5aには、界面活性剤が添加されていてもよい。界面活性剤は、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤又は非イオン性界面活性剤の少なくとも一種を含んでいる。界面活性剤が添加されていることにより、銀系抗ウイルス剤と上層5aのバインダ中の相溶性が良好となり、塗工中の抗ウイルス剤の沈殿等による濃度のばらつきが抑制された化粧シートを得ることができる。
〔抗ウイルス剤〕
表面保護層5の上層5aに含まれる抗ウイルス剤は、銀系材料であることが好ましい。抗ウイルス剤としては、無機化合物のゼオライト、アパタイト、ジルコニアなどの物質に銀イオン、銅イオン、亜鉛イオンのいずれかの金属イオンを取り込んで形成した抗菌性ゼオライト、抗菌性アパタイト、抗菌性ジルコニア等の無機系抗菌剤が使用できる、また抗ウイルス剤としてジンクピリジオン、2−(4−チアゾリル)−ベンゾイミダゾール、10、10−オキシビスフェノキサノジン、有機チツソイオウハロゲン系、ピリジン−2−チオール−オキシド等が使用できるが、抗ウイルス効果の点で銀系抗ウイルス剤が優れている。
また、抗ウイルス剤は銀系材料が無機材料に担持されている構成であってもよい。これにより、抗ウイルス効果の持久性の優れた化粧シート1を得ることができる。
上層5aにおける抗ウイルス剤の添加量は、上層5aの固形分に対して0.2質量部以上10質量部以下の範囲内である。抗ウイルス剤の添加量が0.2質量部以上である場合、抗ウイルス剤が効果的に作用し、抗ウイルス性が向上する。抗ウイルス剤の添加量が10質量部以下である場合、耐傷性が向上する。
抗ウイルス剤の平均粒径は、表面保護層5の厚さの0.5倍以上2倍以下であることが望ましい。すなわち、抗ウイルス剤の平均粒径をΦ、表面保護層の厚さをDとしたときに、0.5≦Φ≦2Dの関係が成り立つことが望ましい。抗ウイルス剤の平均粒径が表面保護層5の0.5倍以上2倍以下である場合、抗ウイルス剤との接触面積の拡大、及び抗ウイルス剤自体の表面積拡大により抗ウイルス性が良好になる。
また、抗ウイルス剤の平均粒径は、1μm以上10μm以下であることが望ましい。抗ウイルス剤の平均粒径が1μm以上である場合、表面保護層5と抗ウイルス剤との接触面積が向上し、抗ウイルス性が良好になる。抗ウイルス剤の平均粒径が10μm以下である場合、耐傷性が向上する。
また、抗ウイルス剤の粒径の分布は複数のピークを有していることが好ましい。具体的には、抗ウイルス剤の粒径は2つのピークを有し、2つのピークは、1μm以上5μm以下の範囲である第1ピークと、5μm以上10μm以下の範囲である第2ピークとを含んでいることが好ましい。ここで、抗ウイルス剤の粒径の第2ピークは、第1ピークより大きい値とする。抗ウイルス剤の粒径のピークは複数存在していることにより、抗ウイルス剤の充填密度がより向上し、抗ウイルス剤をより多く添加することができる。このため、抗ウイルス剤との接触面積が拡大し、抗ウイルス自体の表面積も拡大することにより、抗ウイルス性が向上する。
また、本実施形態に係る化粧シート1において、例えば耐汚染性向上策として、化粧シート1の最表面(上層5a)にシリコン系成分(例えばシリコン樹脂)やフッ素系成分(例えばフッ素樹脂)を設けてもよい。
〔シリコン樹脂〕
シリコン樹脂を用いる場合は、周囲との密着性や相溶性の問題から変性シリコンを用いることが好ましい。上層5aを構成する硬化型樹脂が紫外線硬化型樹脂又は電子線硬化型樹脂から形成される場合には、変性シリコンは、電離放射線反応性の変性シリコン樹脂であることが好ましい。また上層5aを構成する硬化型樹脂が熱硬化型樹脂から形成される場合には、変性シリコンは、熱反応性の変性シリコン樹脂であることが好ましい。また、上層5aを構成する硬化型樹脂が電離放射線硬化型樹脂及び熱硬化型樹脂の混合から形成される場合には、上記変性シリコンは、電離放射線反応性及び熱反応性の少なくとも一方からなる変性シリコン樹脂であることが好ましい。
変性シリコンは、反応性変性シリコンと非反応性シリコンとに分類できる。熱反応性の変性シリコンとしては、モノアミン変性シリコン、ジアミン変性シリコン、エポキシ変性シリコン、カルビノール変性シリコン、カルボキシ変性シリコン、メルカプト変性シリコン、シラノール変性シリコン、アルコール変性シリコン、ジオール変性シリコンが例示出来る。また、電離放射線反応性の変性シリコンとしては、アクリル変性シリコン、メタクリル変性シリコンが例示できる。また、非反応性変性シリコンであるポリエーテル変性シリコン、アラルキル変性シリコン、長鎖アルキル変性シリコン、高級脂肪酸エステル変性シリコンが例示出来る。またこれらの変性シリコン製造メーカとしては信越化学工業株式会社、東レ・ダウコーニング株式会社、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社、旭化成ワッカーシリコーン株式会社などが挙げられる。
〔フッ素樹脂〕
フッ素樹脂は最小レベルの表面張力を示すことが広く知られており、耐汚染材料として好適である。上層5aが含有するフッ素樹脂としては、例えば、四フッ化エチレン樹脂、四フッ化エチレン―エチレン共重合体、ポリビニリデンフルオライドなどが挙げられ、これら以外にも多くの誘導体を用いることができる。またこれらのフッ素樹脂のメーカとしてはダイキン工業株式会社、三井・デュポンフロロケミカル株式会社などが挙げられる。上層5aが含有するフッ素樹脂の量は、10質量部以上100質量部以下が好ましい。より好ましくは20質量部以上である。ここで、フッ素樹脂自体が硬化型樹脂であっても良い。すなわち、フッ素樹脂の一部が、表面保護層5(上層5a、下層5b)の主成分である硬化型樹脂の一部を兼ねていても良い。例えば、下層5bの樹脂成分全部がフッ素樹脂であっても良い。
このように、本実施形態に係る化粧シート1において、表面保護層5の最表層、すなわち上層5aに、シリコン系成分又はフッ素系成分のうち少なくともいずれか一方が含まれていてもよい。これにより、化粧シート1の耐汚染性を向上することができる。耐汚染性が向上されると、ウイルスが化粧シート1の表面に長期間存在することを抑制することができ、結果として、抗ウイルス性をさらに向上させることができる。
また、化粧シート1の各層の接着強度を向上するために、透明樹脂層4と表面保護層5の下層5bとの層間に、イソシアネート系硬化剤を使用する2液硬化型ウレタン系接着剤を含む接着層を設けてもよい。
〔下層5b〕
表面保護層5の下層5bは、層厚が5μm以上15μm以下の範囲内、好ましくは5μm以上10μm以下の範囲内であり、マルテンス硬さが100N/mm以上の樹脂層である。下層5bの層厚は、上層5aの層厚以上であることが好ましい。また、下層5bのマルテンス硬さは、上層5aのマルテンス硬さ以下にすることで、耐割れ性が向上し好ましい。なお、マルテンス硬さを100N/mm未満とした場合、耐傷性が低下し好ましくない。
例えば、下層5bを構成する樹脂成分の主材料として電離放射線硬化性樹脂若しくは熱硬化性樹脂を使用することで、下層5bのマルテンス硬さを100N/mm以上とすることが可能である。ただし、電離放射線硬化性樹脂に比べ、熱硬化性樹脂の方が透明樹脂層4への密着性がよいため、下層5bを構成する樹脂成分の主材料は熱硬化性樹脂が好ましい。
下層5bを構成する樹脂成分の主材料を熱硬化性樹脂とする場合、熱硬化性樹脂を、水酸基を含むポリマー(ポリオール)とイソシアネート硬化剤から構成することが好ましい。この場合、特に、水酸基を含むポリマー(ポリオール)としてアクリルポリオールを採用することが好ましい。アクリルポリオールとイソシアネート硬化剤の配合比は、アクリルポリオールの水酸基(OH基)とイソシアネート硬化剤のイソシアネート基(NCO基)のモル比である、NCO/OH比より決定する。NCO/OH比は、1以上5以下の範囲内が好ましい。より好ましくは、1以上3以下の範囲内である。
下層5bを構成する熱硬化性樹脂を、アクリルポリオールとイソシアネート硬化剤から構成する場合、熱硬化性樹脂のガラス転移点Tgが50℃以上であり、配合するアクリルポリオールの質量平均分子量が20,000以上200,000以下の範囲内であることが好ましい。
熱硬化性樹脂のガラス転移点Tgが50℃未満の場合、下層5bとして目的とするマルテンス硬さが確保できない場合があったり、シート作製時における塗工が困難になったりする可能性がある。また、ガラス転移点Tgは、105℃以下であることが好ましい。ガラス転移点Tgを105℃より高くする場合、材料としての汎用性が低くコストが高くなるおそれがある。
アクリルポリオールの質量平均分子量が20,000未満の場合、シート作製時における塗工が困難になる場合がある。また質量平均分子量が200,000を越えると、溶解性が低下し、意匠性が悪くなるおそれがある。
また、乾燥後の塗布量が5μm以上15μm以下の範囲内、好ましくは5μm以上10μm以下の範囲内となるように、下層5b用の塗工液を塗布することで、下層5bの層厚を5μm以上15μm以下の範囲内、好ましくは5μm以上10μm以下の範囲内に設定することができる。なお、下層5bの層厚を5μm未満とした場合、耐傷性が低下し好ましくない。
また、下層5bは、上層5aと同様に抗ウイルス剤及び界面活性剤を含んでいてもよい。このとき、下層5bに含まれる抗ウイルス剤は、上層5aに含まれる抗ウイルス剤と同様の材料でもよいし、また上層5aに含まれる抗ウイルス剤とは異なる材料でもよい。
<接着剤層7>
接着剤層7は、化粧材10の着色層2において絵柄層3とは反対の面側に設けられる基材8との接着に用いられる接着剤との密着性を向上させるために、必要に応じて施されるものである。例えば、基材8が木質系材料で形成されている場合には、接着剤として、酢酸ビニルエマルジョン系、2液硬化型ウレタン系等の接着剤が使用されるため、接着剤層7は、これらの接着剤に合わせた樹脂設計とすることが望ましい。例えば、ウレタン系、アクリル系、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系、ポリエステル系等を用いることができる。特に、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートとの配合による2液硬化型ウレタン系のプライマー剤等が好ましい。また、例えば、シリカや硫酸バリウム、炭酸カルシウム等の無機質粉末を添加すると、巻取保存時のブロッキングの防止や投錨効果による接着力の向上に有効である。
<基材8>
基材8としては、南洋材合板、パーティクルボード、中密度繊維板(以後MDF)、日本農林規格に規定される普通合板等が使用可能である。また、木紛添加オレフィン系樹脂からなる基材も使用可能である。基材8の厚さは3mm以上25mm以下程度が好適である。なお基材8は、アルミなどの金属やプラスチックなどの樹脂、またはそれらの複合材料であっても良い。基材8を形成することにより、重歩行時における靴のかかとや小石による傷の発生を抑制可能な化粧材10を提供することができる。
<実施形態の作用・効果>
実施形態の作用・効果は、次の通りである。
(1)本実施形態に係る化粧シート1は、表面保護層5のマルテンス硬さを高く設定すると共に、表面保護層5の上層5aの層厚を5μm以上10μm以下の範囲内にし、下層5bの層厚を5μm以上15μm以下の範囲内に設定し、さらに、表面保護層5のマルテンス硬さ及び層厚を規定することに加えて、透明樹脂層4のマルテンス硬さを50N/mmとすることで、より確実に耐傷性を向上させることができる。さらに、表面保護層5の上層5aには、抗ウイルス剤を添加しているため高い抗ウイルス性を実現することができ、結果的に、高い耐傷性及び高い抗ウイルス性を有する化粧シート1を実現することができる。
(2)化粧シート1の抗ウイルス剤の添加量は、表面保護層5の上層5aの固形分に対して0.2質量部以上10質量部以下としているため、化粧シート1全体への強度に影響を与えず、より高い抗ウイルス性を実現することができる。
(3)抗ウイルス剤の平均粒径を、上層5aの厚さの0.5倍以上2倍以下としたため、抗ウイルス剤と上層5aとの接触面積の拡大、及び抗ウイルス剤自体の表面積拡大により良好な抗ウイルス性を実現できる。
また、抗ウイルス剤の平均粒径を1μm以上10μm以下としたため、抗ウイルス剤と上層5aとの接触面積の拡大、及び抗ウイルス剤自体の表面積拡大により良好な抗ウイルス性を実現できる。
(4)抗ウイルス剤の粒径は、複数のピークを有するため、抗ウイルス剤の充填密度がより向上し、抗ウイルス剤をより多く添加することができ、その結果、抗ウイルス剤との接触面積が拡大し、抗ウイルス自体の表面積も拡大することにより、抗ウイルス性を向上させることができる。
(5)化粧シート1を用いて化粧材10を構成するため、この化粧材10を、例えば、建築物の内外装や建具、家具等また、床等に適用することによって、耐傷性と共に抗ウイルス性を持たせることができる。
本発明に係る化粧シート1の効果を確認するために行った実施例を具体的に説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例及び比較例の試験体の作製>
(実施例1)
高結晶性ホモポリプロピレン樹脂100質量部に対して、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(イルガノックス1010;BASF社製)を0.5質量部、トリアジン系紫外線吸収剤(CYASORB UV−1164;SUNCHEM製)を0.5質量部、NOR型光安定剤(Tinuvin XT850 FF;BASF社製)を0.5質量部それぞれ配合した樹脂を、押出機を用いて溶融押出しして、厚さ100μmの透明な高結晶性ポリプロピレンシートからなる、シート状の透明樹脂層4を製膜した。なお、押出時に温調管理することで、マルテンス硬さを70N/mmとした。得られた透明樹脂層4の両面にコロナ処理を施し、シート表面の濡れ張力を40dyn/cm以上とした。
他方、隠蔽性のある80μmのポリエチレンシート(着色層2)の一方の面に、2液型ウレタンインキ(V180;東洋インキ(株)製)を用いてグラビア印刷方式にて絵柄印刷を施して絵柄層3を設け、また、着色層2の他方の面にプライマーコートを施した。
しかる後、着色層2の絵柄層3の面上に、透明樹脂層4をドライラミネート用接着剤(タケラックA540;三井化学(株)製;塗布量2g/m)を介してドライラミネート法にて貼り合わせた。この貼り合わせたシートの透明樹脂層4の表面にエンボス模様4aを施した。
エンボス模様4aを施した透明樹脂層4に、下記の表面保護層形成用組成物を使用し、熱硬化組成物(乾燥後塗布量(乾燥後の膜厚で記載する。以下同様)5μm)、光硬化組成物(乾燥後塗布量5μm)を順次積層することで、熱硬化層(下層5b)と光硬化層(上層5a)の2層からなる表面保護層5を形成し、総厚195μmからなる実施例1の化粧シート1を得た。
〔熱硬化組成物〕
熱硬化組成物は、下記のポリオール溶液Aに、下記の硬化剤、光沢調整剤、紫外線吸収剤、光安定剤を配合して構成した。
・ポリオール溶液A
撹拌機、窒素導入管及び還流冷却管を備えた4つ口フラスコ内に、メチルメタクリレートを80g、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを20g導入し、酢酸エチル100gを加えて溶解し、油浴上で窒素雰囲気下において撹拌した。これに0.2gのα,α’−アゾビスイソブチロニトリルを配合することで重合を開始し、60℃の油浴上で5時間加熱撹拌を続けて、無色、粘調なポリオール溶液Aを得た。
配合:80質量部
・硬化剤
品名:デュラネート TPA−100(旭化成株式会社製)
配合:5質量部
・光沢調整剤(無機粒子)
品名:サイロホービック702(富士シリシア化学株式会社製)
性状:不定形、平均粒子径4μm、吸油量170mL/100g
配合:10質量部
・紫外線吸収剤
品名:Tinuvin 400(BASF社製)
配合:5.0質量部
・光安定剤
品名:Tinuvin 123(BASF社製)
配合:2.0質量部
・希釈溶剤
品名:酢酸エチル
配合:50質量部
〔光硬化組成物〕
光硬化組成物は、下記のUV樹脂に、下記の抗ウイルス剤、光開始剤、光沢調整剤、光安定剤を配合して構成した。
・UV樹脂
品名:UA−33H
性状:分子量1400、官能基数9
配合:90質量部
・抗ウイルス剤
銀系無機抗菌剤(株式会社タイショーテクノス製、TB−B100)を使用。
アクリル系樹脂組成物に平均粒径5μmの銀系無機抗菌剤を0.2質量部添加した。なお、抗ウイルス剤の有効成分は無機材料により担持されている。このとき、抗ウイルス剤の粒径の第1ピークは3μmとし、第2のピークを7μmとした。
・光開始剤
品名:イルガキュア184
配合:8質量部
・光沢調整剤(無機粒子)
品名:サイロホービック702(富士シリシア化学(株)製)
性状:不定形、平均粒子径4μm、吸油量170mL/100g
配合:10質量部
・光安定剤
品名:Tinuvin 123(BASF社製)
配合:2.0質量部
・希釈溶剤
品名:酢酸エチル
配合:60質量部
(実施例2)
実施例1の表面保護層上層5aの乾燥後塗布量を10μmに置き換えた以外は、全て実施例1と同様にして実施例2の化粧シート1を得た。
(実施例3)
実施例1の表面保護層下層5bの乾燥後塗布量を10μmに置き換えた以外は、全て実施例1と同様にして実施例3の化粧シート1を得た。
(実施例4)
抗ウイルス剤の添加量を10質量部に変更した以外は実施例1と同様の方法で、実施例4の化粧シート1を得た。
(比較例1)
抗ウイルス剤の添加量を0.1質量部に変更した以外は実施例1と同様の方法で、比較例1の化粧シート1を得た。
(比較例2)
抗ウイルス剤の添加量を11質量部に変更した以外は実施例1と同様の方法で、比較例2の化粧シート1を得た。
(比較例3)
抗ウイルス剤の平均粒径を0.5μmに変更した以外は実施例1と同様の方法で、比較例3の化粧シート1を得た。
(比較例4)
抗ウイルス剤の平均粒径を13μmに変更した以外は実施例1と同様の方法で、比較例4の化粧シート1を得た。
(比較例5)
抗ウイルス剤の平均粒径を1.5μmに変更した以外は実施例1と同様の方法で、比較例5の化粧シート1を得た。
(比較例6)
抗ウイルス剤の粒径の第1ピークを10μmに変更し、第2ピークを20μmに変更した以外は実施例1と同様の方法で、比較例6の化粧シート1を得た。
(比較例7)
抗ウイルス剤の粒径の第1ピークを0.5μmに変更し、第2ピークを11μmに変更した以外は実施例1と同様の方法で、比較例7の化粧シート1を得た。
(比較例8)
抗ウイルス剤の粒径の第1ピークを3μmに変更し、第2ピークを12μmに変更した以外は実施例1と同様の方法で、比較例8の化粧シート1を得た。
<評価判定>
作製した実施例1〜4及び比較例1〜8における各化粧シート1について、以下の方法で、抗ウイルス性能及び耐傷性の評価を行った。
(抗ウイルス性能)
ISO21702に準じた方法で、抗ウイルス試験を実施した。50mm四方の供試試料を滅菌シャーレ内に置き、0.4mLのウイルス液を試料上に接種した。このとき、ウイルス液は、エンペローブウイルス(インフルエンザウイルス)を含むウイルス液を使用した。その後、試料上に40mm四方のポリエチレンフィルムを被せた。シャーレに蓋をした後、温度25℃・湿度90%以上の条件で、試料とウイルスを接種させた。所定時間(24時間)後、10mLのSCDLP培地をシャーレに注ぎ、ウイルスを洗い出した。洗い出し液は、プラーク法にてウイルス感染価を測定した。
〔ウイルス感染価の測定(プラーク法)〕
宿主細胞を6ウェルプレート上に単層培養し、階段希釈した洗い出し液をウェルに0.1mLずつ接種した。5%CO2・温度37℃の条件で1時間培養し、細胞にウイルスを吸着させた後、6ウェルプレートに寒天培地を注いで更に2〜3日培養した。培養後、細胞を固定・染色し、形成したプラークの数を計測した。
〔ウイルス感染価の算出〕
以下の式に伴い、試料1cm当たりのウイルス感染価を算出した。
V=(10×C×D×N)/A
V:試料1cm当たりのウイルス感染価(PFU/cm
C:計測したプラーク数
D:プラークを計測したウェルの希釈倍率
N:SCDLP量
A:試料とウイルスの接触面積(ポリエチレンフィルムの面積)
〔抗ウイルス活性値の算出〕
以下の式に伴い、抗ウイルス活性値を算出した。ここで、抗ウイルス活性値が2log10以上の場合、抗ウイルス効果ありと判定した。
抗ウイルス活性値=log(Vb)−log(Vc)
Log(Vb):24時間後の無加工試料1cm当たりのウイルス感染価の常用対数値
Log(Vc):24時間後の抗ウイルス加工試料1cm当たりのウイルス感染価の常用対数値
算出した抗ウイルス活性値を以下の「◎」、「〇」、「×」の3段階で評価した。
〔評価基準〕
◎:抗ウイルス活性値3log10以上である場合
○:抗ウイルス活性値2log10以上である場合
×:抗ウイルス活性値2log10未満である場合
〔評価結果〕
評価結果を表1に示す。
(耐傷性)
作製した実施例1〜4及び比較例1〜8における化粧シート1について、鉛筆硬度試験を行った。具体的には、実施例1〜4及び比較例1〜8における化粧シートを、JIS K 5600に規定される鉛筆硬度試験器にかけ、傷の付き方を確認し、鉛筆硬度を測定した。鉛筆硬度を以下の「◎」、「〇」、「×」の3段階で評価した。なお、鉛筆硬度の測定は、作製した実施例1〜4及び比較例1〜8における化粧シートを、基材8としての、厚さ3mmのMDF(Medium Density Fiberboard 中密度繊維板)(広葉樹タイプ)と接着剤層7を介して貼り合わせた床用の化粧材10を用いて評価した。
〔評価基準〕
◎:鉛筆硬度が3H以上である場合
○:鉛筆硬度が2HからHである場合
×:鉛筆硬度がHより小さい場合
〔評価結果〕
評価結果を表1に示す。
Figure 0006892032
表1中に表されるように、実施例1〜4及び比較例1〜8の評価結果から、抗ウイルス剤の添加量は、上層5aの固形分に対して0.2質量部以上10質量部以下という所定の範囲内であれば、抗ウイルス性を実現することができるが、添加量が0.2質量部より少ない(比較例1)と抗ウイルス性を実現することができず、また10質量部より大きい(比較例2)と抗ウイルス性は実現できるが、耐傷性が得られないことがわかる。また、抗ウイルス剤の添加量が、所定の範囲内の値であっても、抗ウイルス剤の平均粒径が1μm以上10μm以下の範囲外であり、平均粒径の下限値1μmを下回る場合(比較例3)には、良好な鉛筆硬度を得ることができるものの、抗ウイルス性を実現できず、逆に抗ウイルス剤の平均粒径が、平均粒径の上限値10μmを上回る場合(比較例4)には、抗ウイルス性を実現できるものの、良好な鉛筆硬度を得ることができない。
また、抗ウイルス剤の平均粒径が1μm以上10μm以下の範囲内であっても上層5aの厚さDに対する平均粒径が0.5倍以上2倍以下の範囲外である場合(比較例5)は、良好な抗ウイルス性を実現できないことがわかる。さらに、抗ウイルス剤の添加量や、平均粒径等が所定の範囲内の値であっても、抗ウイルス剤の粒径が1μm以上5μm以下の範囲内に第1ピークを有さず、且つ粒径が5μm以上10μm以下の範囲内に第2ピークを有さず、所定範囲それぞれを上回る値をピーク値として有する場合(比較例6)、また、抗ウイルス剤の粒径が1μm以上5μm以下の範囲内に第1ピークを有しているが、粒径が5μm以上10μm以下の範囲内には第2ピークを有さず、この所定範囲を上回る値が2つ目のピーク値となる場合(比較例8)には、抗ウイルス性を実現できるものの良好な鉛筆硬度を得ることができず、さらに、抗ウイルス剤の粒径が1μm以上5μm以下の範囲内に第1ピークを有さず、且つ粒径が5μm以上10μm以下の範囲内に第2ピークを有さず、1μmを下回る値を1つ目のピークとして有し、10μmを上回る値を2つ目のピークとして有する場合(比較例7)には、抗ウイルス性を実現することができず且つ良好な鉛筆硬度を得られないことが確認された。
なお、耐傷性を実現するためには、上層5aは、厚さが5μm以上10μm以下の範囲内であり、マルテンス硬さが200N/mm以上であり、下層5bは、厚さが5μm以上15μm以下の範囲内であり、マルテンス硬さが100N/mm以上であり上層5aのマルテンス硬さ以下の範囲内であり、透明樹脂層4のマルテンス硬さは50N/mm以上であり下層5bのマルテンス硬さ以下の範囲内であることが好ましいことは、特許文献2で確認されている。
以上、本発明の実施形態及び実施例を説明したが、本発明の壁紙は、上記の実施形態及び実施例に限定されるものではなく、発明の特徴を損なわない範囲において種々の変更が可能である。
1 化粧シート
2 着色層
3 絵柄層
4 透明樹脂層
5 表面保護層
5a 上層
5b 下層
7 接着剤層
8 基材
10 化粧材

Claims (8)

  1. 着色層と、
    透明樹脂層と、
    表面保護層と、がこの順に積層され、
    前記表面保護層は、前記透明樹脂層側に設けられた下層と、当該下層の上に形成された上層とを有し、
    当該上層は抗ウイルス剤を含み、厚さが5μm以上10μm以下の範囲内であり、マルテンス硬さが200N/mm以上であり、
    前記下層は、厚さが5μm以上15μm以下の範囲内であり、マルテンス硬さが100N/mm以上であり前記上層のマルテンス硬さ以下の範囲内であり、
    前記透明樹脂層のマルテンス硬さは50N/mm以上であり前記下層のマルテンス硬さ以下の範囲内であり、
    前記抗ウイルス剤の添加量は、前記上層の固形分に対して0.2質量部以上10質量部以下であり、
    前記抗ウイルス剤の平均粒径は、前記上層の厚さの0.5倍以上2倍以下であり、
    前記抗ウイルス剤の平均粒径は、1μm以上10μm以下の範囲内にあることを特徴とする化粧シート。
  2. 前記抗ウイルス剤は、銀系材料であることを特徴とする請求項1に記載の化粧シート。
  3. 前記抗ウイルス剤の粒径分布は、複数のピークを有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の化粧シート。
  4. 前記抗ウイルス剤は、無機材料により担持されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の化粧シート。
  5. 前記表面保護層は、界面活性剤を含むことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の化粧シート。
  6. 前記界面活性剤は、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤又は非イオン性界面活性剤の少なくともいずれか一種を含むことを特徴とする請求項5に記載の化粧シート。
  7. 前記着色層と前記透明樹脂層との間に絵柄模様層を有することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の化粧シート。
  8. 基材と、
    前記基材の少なくとも一方の面側に設けられた、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の化粧シートを備えることを特徴とする化粧材。
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