JP2021070604A - マグネシア・カーボン質耐火物の製造方法 - Google Patents

マグネシア・カーボン質耐火物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 マグネシア・カーボン質耐火物のさらなる緻密化によりマグネシア・カーボン反応をさらに抑制し、組織の損傷を抑制することができるマグネシア・カーボン質耐火物の製造方法を提供すること。【解決手段】 マグネシア・カーボン質耐火物の製造方法は、配合物を混錬、成形して成形体を得る成形工程と、成形体を非酸化雰囲気中800〜1500℃で焼成して焼成体を得る非酸化雰囲気焼成工程と、焼成体にコールタールピッチを含浸してマグネシア・カーボン質耐火物を得る含浸工程とを含み、配合物はマグネシア原料とカーボン原料とバインダーとを含み、マグネシア原料の15〜35質量%は粒径が0.3mm未満、残部は粒径が0.3mm以上であり、バインダーの添加量は、マグネシア原料とカーボン原料の合計含有量100質量%に対して外掛0.5質量%以上3質量%未満であり、コールタールピッチの180℃における粘度が0.06Pa・s以下である。【選択図】 なし

Description

本開示は、鉄鋼精錬プロセス装置に使用されるマグネシア・カーボン質耐火物の製造方法に関する。
鉄鋼精錬プロセス装置には、マグネシア原料と、カーボン原料を主成分とし、バインダーと酸化防止剤等の少量添加物を含むマグネシア・カーボン質耐火物が広く使用されている。鉄鋼精錬プロセス装置は極めて高い温度で稼働されるため、マグネシア原料中の酸化マグネシウム(MgO)とカーボン原料中のカーボンの酸化還元反応(マグネシア・カーボン反応)が生じ、組織の損傷が問題である。
マグネシア・カーボン反応は(式1)で記載される平衡反応である。
MgO(s)+C(s)=Mg(g)+CO(g) (式1)
したがって、マグネシア・カーボン反応で生じるMg(g)やCO(g)がマグネシア・カーボン質耐火物中に留まれば平衡状態が保たれ、反応の進行が抑制される。近年、マグネシア・カーボン質耐火物の緻密化によってマグネシア・カーボン反応の進行を抑制する試みが行われている。特許文献1は、25℃における粘度が200〜1400mPa・sの有機バインダー(バインダー)を配合してマグネシア−カーボン系煉瓦(マグネシア・カーボン質耐火物)を緻密化することによりマグネシア・カーボン反応を抑制することを開示する。特許文献2は、成形体を還元雰囲気下で焼成し、残炭率が30質量%以上の有機物を焼成済成形体内に含浸処理することにより炭素含有耐火物(マグネシア・カーボン質耐火物)の破壊エネルギーを向上させ、亀裂進展を抑制することを開示する。
特開2013−180945号公報 特開2018−021226号公報
しかし、いずれの特許文献が開示するマグネシア・カーボン質耐火物も、気孔の残存は避けられず、マグネシア・カーボン反応の抑制が十分ではない。
本開示のいくつかの態様は上記実状を鑑みてなされたものであり、マグネシア・カーボン質耐火物のさらなる緻密化によりマグネシア・カーボン反応をさらに抑制し、組織の損傷を抑制することができるマグネシア・カーボン質耐火物の製造方法を提供することを目的とする。
(1)本開示の一の態様は、配合物を混錬、成形して成形体を得る成形工程と、成形体を非酸化雰囲気中800〜1500℃で焼成して焼成体を得る非酸化雰囲気焼成工程と、焼成体にコールタールピッチを含浸してマグネシア・カーボン質耐火物を得る含浸工程とを含み、配合物はマグネシア原料とカーボン原料とバインダーとを含み、マグネシア原料の15〜35質量%は粒径が0.3mm未満、残部は粒径が0.3mm以上であり、バインダーの添加量は、マグネシア原料とカーボン原料の合計含有量100質量%に対して外掛0.5質量%以上3質量%未満であり、コールタールピッチの180℃における粘度が0.06Pa・s以下であることを特徴とするマグネシア・カーボン質耐火物の製造方法に関する。本開示の一の態様のマグネシア・カーボン質耐火物の製造方法により、マグネシア・カーボン質耐火物をさらに緻密化することができ、その結果、マグネシア・カーボン反応をさらに抑制し、組織の損傷を抑制することができる。具体的には、得られたマグネシア・カーボン質耐火物を非酸化雰囲気中1500℃で3時間焼成すると、通気率を50×10−16以下に抑制することができる。
(2)本開示の一の態様では、バインダーがフェノール樹脂であり、成形工程が、配合物を混練、成形後、さらに200〜300℃で熱処理する熱処理工程を含むことが好ましい。この熱処理によりバインダーであるフェノール樹脂の重合が進み、緻密な成形体を得ることができる。
(3)本開示の一の態様では、含浸工程が、成形体にコールタールピッチを含浸後、300〜450℃で1〜5時間熱処理してコールタールピッチ揮発成分を除去する揮発工程をさらに含むことが好ましい。揮発工程は鉄鋼精錬プロセス装置よりも低温であるため、コールタールピッチ揮発成分を穏やかに除去し、組織の損傷を抑制することができる。
(4)本開示の一の態様では、成形工程の成形圧力が147MPa以上であることが好ましい。これにより緻密な成形体を得ることができる。
(5)本開示の一の態様では、含浸工程の含浸圧力は0.8MPa以上であることが好ましい。また、コールタールピッチの固定炭素量は40質量%以上であることが好ましい。このような条件でコールタールピッチを含浸することにより、緻密でマグネシア・カーボン反応が大幅に抑制されたマグネシア・カーボン質耐火物を得ることができる。
以下、本開示の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本開示の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成のすべてが本開示の解決手段として必須であるとは限らない。
本実施形態のマグネシア・カーボン質耐火物の製造方法は、配合物を混錬、成形して成形体を得る成形工程と、成形体を非酸化雰囲気中800〜1500℃で焼成して焼成体を得る非酸化雰囲気焼成工程と、焼成体にコールタールピッチを含浸してマグネシア・カーボン質耐火物を得る含浸工程とを含み、配合物はマグネシア原料とカーボン原料とバインダーとを含み、マグネシア原料の15〜35質量%は粒径が0.3mm未満であり、残部は粒径が0.3mm以上であり、バインダーの添加量は、マグネシア原料とカーボン原料の合計含有量100質量%に対して外掛0.5質量%以上3質量%未満であり、コールタールピッチの180℃における粘度が0.06Pa・s以下である。
<マグネシア原料>
マグネシア原料は酸化マグネシウム(MgO)の供給源である。マグネシア原料は一般にマグネシア・カーボン質耐火物に使用されるものであればよく、例えば、電融マグネシア、海水マグネシア、天然マグネシア、焼結マグネシア等が挙げられる。マグネシア原料のMgO純度は98質量%以上が好ましい。この場合、マグネシア・カーボン質耐火物の耐食性が向上する。マグネシア原料の粒度分布としては、マグネシア原料の15〜35質量%は0.3mmふるい通過分(粒径0.3mm未満)、残部(65〜85質量%)は0.3mmふるい残留分(粒径0.3mm以上)であることが好ましく、マグネシア原料の20〜30質量%は0.3mmふるい通過分(粒径0.3mm未満)、残部(70〜80質量%)は0.3mmふるい残留分(粒径0.3mm以上)であることがより好ましい。マグネシア原料の粒度分布をこの範囲にすることにより、緻密でありながらコールタールピッチの含浸性に優れる細孔径組織を得ることができる。0.3mmふるい通過分(粒径0.3mm未満)が15質量%を下回るとマグネシア微粉による気孔の充填が不足し、大きな気孔径が増加するため、成形体の緻密性が低下する。一方、35質量%を上回ると充填性が悪く、成形性が低下するため、成形体の緻密性が低下する。
<カーボン原料>
カーボン原料はカーボンの供給源である。カーボン原料は一般にマグネシア・カーボン質耐火物に使用されるものであればよく、例えば、鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛、土状黒鉛等の天然黒鉛や人造黒鉛、膨張黒鉛、カーボンブラック等が挙げられる。カーボン原料の含有量は、マグネシア原料とカーボン原料の合計含有量100質量%に対して5〜20質量%が好ましい。5質量%未満ではマグネシア・カーボン質耐火物の耐熱スポーリング性が低下し、20質量%超では耐食性が低下する。カーボン原料のC純度は一般にマグネシア・カーボン質耐火物に使用されるものであればよく、85質量%から99質量%までがよく使用され、94質量%以上が好ましい。94質量%以上の場合、マグネシア・カーボン質耐火物の耐食性が向上する。
<バインダー>
バインダーはフェノール樹脂を使用することができる。フェノール樹脂としては熱硬化性(レゾール型)又は熱可塑性(ノボラック型)が挙げられる。バインダーの添加量は、マグネシア原料とカーボン原料の合計含有量100質量%に対して外掛0.5質量%以上3質量%未満が好ましく、外掛1質量%以上2質量%未満がより好ましい。バインダーの粘度は、25℃において0.2〜1.4Pa・sが好ましい。フェノール樹脂の添加量と粘度を上記範囲にすることにより、緻密なマグネシア・カーボン質耐火物を得ることができる。
<少量添加物>
配合物は、一般にマグネシア・カーボン質耐火物に使用されるものであれば少量添加物をさらに含んでもよい。少量添加物としては、例えば、酸化防止剤、カーボンブラック、粉末ピッチ等が挙げられる。酸化防止剤としては、例えば、Al、Si、BC、SiC、Al−Si合金、Al−Mg合金等が挙げられる。
<成形工程>
成形工程の成形圧力は147MPa以上が好ましい。これにより、より緻密な成形体を得ることができる。
<熱処理工程>
成形工程は、配合物を混練、成形後、200〜300℃で熱処理する熱処理工程をさらに含んでもよい。熱処理工程によりバインダーであるフェノール樹脂の重合が進み、より緻密な成形体を得ることができる。
<非酸化雰囲気焼成工程>
非酸化雰囲気焼成工程では、成形体を非酸化雰囲気中800〜1500℃で焼成する。焼成温度は950〜1500℃がより好ましく、1150〜1350℃が特に好ましい。非酸化雰囲気は、例えば、コークスブリーズを成形体とともにさやに詰めて焼成することによって生成してもよいし、非酸化性ガスを充填してもよい。非酸化雰囲気焼成工程により、含浸前気孔率が体積比で9%以下、かつ、水銀圧入法による気孔径分布において、気孔径6μm以下の気孔体積が全気孔体積の70%以上90%未満の焼成体を得ることができる。気孔率、気孔径分布がこの範囲の焼成体はコールタールピッチの含浸に適する。
<含浸工程>
含浸工程では、焼成体に、180℃における粘度が0.06Pa・s以下のコールタールピッチを含浸する。180℃におけるコールタールピッチの粘度は0.04Pa・s以下がより好ましい。含浸条件は、180〜270℃、0.8MPa以上が好ましい。焼成体は含浸前に含浸温度域まで予熱しておくことが好ましい。コールタールピッチの固定炭素量は40質量%以上が好ましい。含浸工程により、より緻密なマグネシア・カーボン質耐火物を得ることができる。
<揮発工程>
含浸工程は、成形体にコールタールピッチを含浸後、300〜450℃で1〜5時間熱処理してコールタールピッチ揮発成分を除去する揮発工程をさらに含んでもよい。揮発工程は鉄鋼精錬プロセス装置よりも低温であるため、コールタールピッチ揮発成分を穏やかに除去し、組織の損傷を抑制することができる。
上記以外の製造条件は、通常のマグネシア・カーボン質耐火物の製造方法と同様である。
<通気率>
本実施形態のマグネシア・カーボン質耐火物の製造方法を用いて得られたマグネシア・カーボン質耐火物を、鉄鋼精錬プロセス装置での使用の模擬として、非酸化雰囲気中1500℃で3時間焼成すると、通気率を50×10−16以下に抑制することができる。このように、本実施形態のマグネシア・カーボン質耐火物の製造方法を用いると、マグネシア・カーボン質耐火物をより緻密化し、マグネシア・カーボン反応をさらに抑制し、組織の損傷を大幅に抑制することができる。マグネシア・カーボン質耐火物を非酸化雰囲気中1500℃で3時間焼成した後の通気率は20×10−16以下がより好ましく、10×10−16以下が特に好ましい。
以下、本開示の実施例について詳細に説明する。
[試料の作製]
配合物を混錬、成形後、250℃で24時間熱処理(熱処理工程)して成形体を得る成形工程と、成形体をコークスブリーズとともにさやに詰め、電気炉で加熱して非酸化雰囲気中で焼成し、焼成体を得る非酸化雰囲気焼成工程と、焼成体にコールタールピッチを含浸する含浸工程を行い、マグネシア・カーボン質耐火物の試料を得た。成形工程の配合物の配合割合及びマグネシア原料を構成する電融マグネシアの粒度分布、非酸化雰囲気焼成工程の焼成温度並びに含浸工程のコールタールピッチの180℃での粘度を表1に示す。
Figure 2021070604
実施例1〜8、比較例2〜3は非酸化雰囲気焼成工程の焼成温度、
実施例9、比較例4〜5はコールタールピッチの180℃での粘度、実施例5、10〜11、比較例6〜7は電融マグネシアの粒度分布及び比較例8はフェノール樹脂の添加量を変化させ、比較例1は非酸化雰囲気焼成工程と含浸工程を行わなかった。
[評価方法]
各試料について、以下の評価を行った。
<含浸前気孔率及び気孔径分布>
非酸化雰囲気焼成後、コールタールピッチ含浸前の焼成体について、含浸前気孔率を、JIS R 2205−1992(耐火れんがの見掛気孔率の測定方法)に従って測定した。また、含浸前気孔径分布を、水銀ポロシメーターを用いて測定した。
<含浸率>
含浸前の気孔体積に対するコールタールピッチの含浸率を、含浸前後の質量変化率ΔW、コールタールピッチの密度ρ、含浸前気孔率AP、含浸前かさ比重BDより、以下の式で求めた。
含浸率=(ΔW/ρ)÷(AP/BD)×100
含浸率が高いほど気孔が充填され、緻密化されていることを示す。
<通気率>
コールタールピッチ含浸後の試料を非酸化雰囲気中1500℃で3時間焼成した。これは、マグネシア・カーボン質耐火物の鉄鋼精錬プロセス装置での使用を模擬したものである。使用模擬後の試料について、通気率を、JIS R2115:2008(耐火物の通気率の試験方法)に従って測定した。通気率が小さいほどMg(g)やCO(g)の散逸が抑制され、マグネシア・カーボン反応の進行が抑制されることを示す。
<マグネシア・カーボン(MgO−C)反応指数>
コールタールピッチ含浸後の試料を非酸化雰囲気中1500℃で3時間焼成して、鉄鋼精錬プロセス装置での使用を模擬した後、真空焼結炉を用いて真空中1700℃で30分熱処理を行った。真空熱処理後の質量減少を、比較例1の質量減少を100とする指数(マグネシア・カーボン反応指数)で表した。指数が小さいほど質量減少が小さく、マグネシア・カーボン反応の進行に伴うMg(g)やCO(g)の散逸が抑制されることを示す。
<スラグ溶損指数>
コールタールピッチ含浸後の試料について、スラグ溶損指数を、回転ドラムアーク加熱侵食試験で測定した。侵食剤にはCaO/SiO質量比が3.0の合成スラグを用い、1700℃、5時間の侵食試験を行った。試験後の試料を稼働面に垂直な方向に切断して溶損面積を測定し、比較例1の溶損面積を100とする指数(スラグ溶損指数)で耐食性を評価した。指数が小さいほど溶損面積が小さく、耐食性に優れることを示す。
<耐熱スポーリング性(耐熱スポール指数)>
コールタールピッチ含浸後の試料について、耐熱スポーリング性を、急熱急冷試験で評価した。コールタールピッチ含浸後の試料から40×40×160mmの形状の試験片を切り出し、還元雰囲気中1000℃で3時間、事前焼成し試験片とした。試験片を1650℃の溶銑に60秒間浸漬(急熱)した後、冷水に15秒間浸漬(急冷)する工程を2回繰り返した。急熱急冷試験前後の弾性率を測定し、以下の式より弾性率低下率を算出した。弾性率は試験片の長手方向(160mm長さ方向)の超音波伝播速度より求めた。
弾性率低下率=(試験前の弾性率−試験後の弾性率)/試験前の弾性率×100
比較例1の弾性率低下率を100とする指数(耐熱スポール指数)で耐熱スポーリング性を評価した。指数が小さいほど亀裂の発生が少なく、耐熱スポーリング性に優れることを示す。
[評価結果]
評価結果を表2に示す。
Figure 2021070604
実施例はいずれも含浸率が80%以上、通気率が50×10−16以下、マグネシア・カーボン反応指数が80以下、スラグ溶損指数が90以下、耐熱スポール指数が81以下であるのに対し、比較例はいずれも含浸率が80%未満、通気率が50×10−16超、マグネシア・カーボン反応指数が80超、スラグ溶損指数が84以上、耐熱スポール指数が65〜100である。実施例は緻密性、マグネシア・カーボン反応の抑制、耐食性、耐熱スポーリング性に優れる。
<非酸化雰囲気焼成工程の焼成温度>
比較例2〜3に対して実施例1〜8は含浸率、通気率、マグネシア・カーボン反応指数で優れており、非酸化雰囲気焼成工程の焼成温度は800〜1500℃が好ましい。中でも、実施例3〜8は含浸率が84%以上、通気率が20×10−16以下、マグネシア・カーボン反応指数が70以下、スラグ溶損指数が81以下であり、非酸化雰囲気焼成工程の焼成温度は950〜1500℃がより好ましく、実施例5〜6は含浸率が91%超、通気率が10×10−16以下、マグネシア・カーボン反応指数が60以下、スラグ溶損指数が77未満であり、非酸化雰囲気焼成工程の焼成温度は1150〜1350℃が特に好ましい。
<コールタールピッチの粘度>
比較例4〜5に対して実施例5、実施例9は含浸率、通気率、マグネシア・カーボン反応指数、スラグ溶損指数で優れており、コールタールピッチの180℃での粘度は0.06Pa・s以下が好ましく、0.04Pa・s以下がより好ましい。
<電融マグネシアの粒度分布>
比較例6〜7に対して実施例5、実施例10〜11は含浸率、通気率、マグネシア・カーボン反応指数、スラグ溶損指数で優れており、電融マグネシアの粒度分布は、電融マグネシアの15〜35質量%は0.3mmふるい通過分(粒径0.3mm未満)、残部(65〜85質量%)は0.3mmふるい残留分(粒径0.3mm以上)であることが好ましい。実施例10〜11に対して実施例5は含浸率、通気率、マグネシア・カーボン反応指数、スラグ溶損指数で特に優れており、電融マグネシアの粒度分布は、電融マグネシアの20〜30質量%は0.3mmふるい通過分(粒径0.3mm未満)、残部(70〜80質量%)は0.3mmふるい残留分(粒径0.3mm以上)であることが特に好ましい。
<フェノール樹脂の添加量>
比較例8に対して実施例5、実施例11は含浸率、通気率、マグネシア・カーボン反応指数、スラグ溶損指数で優れており、フェノール樹脂の添加量はマグネシア原料とカーボン原料の合計含有量100質量%に対して外掛0.5質量%以上3質量%未満が好ましく、外掛1質量%以上2質量%未満がより好ましい。
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本開示の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。したがって、このような変形例はすべて本開示の範囲に含まれる。例えば、明細書において、少なくとも一度、より広義又は同義な異なる用語とともに記載された用語は、明細書のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えられることができる。また、本実施形態の製造装置等の構成及び動作も本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形が可能である。

Claims (7)

  1. 配合物を混錬、成形して成形体を得る成形工程と、
    前記成形体を非酸化雰囲気中800〜1500℃で焼成して焼成体を得る非酸化雰囲気焼成工程と、
    前記焼成体にコールタールピッチを含浸してマグネシア・カーボン質耐火物を得る含浸工程とを含み、
    前記配合物はマグネシア原料とカーボン原料とバインダーとを含み、
    前記マグネシア原料の15〜35質量%は粒径が0.3mm未満、残部は粒径が0.3mm以上であり、
    前記バインダーの添加量は、前記マグネシア原料と前記カーボン原料の合計含有量100質量%に対して外掛0.5質量%以上3質量%未満であり、
    前記コールタールピッチの180℃における粘度が0.06Pa・s以下であることを特徴とするマグネシア・カーボン質耐火物の製造方法。
  2. 請求項1に記載のマグネシア・カーボン質耐火物の製造方法において、
    前記バインダーがフェノール樹脂であり、
    前記成形工程が、前記配合物を混練、成形後、200〜300℃で熱処理する熱処理工程をさらに含むことを特徴とするマグネシア・カーボン質耐火物の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載のマグネシア・カーボン質耐火物の製造方法において、
    前記含浸工程が、前記成形体に前記コールタールピッチを含浸後、300〜450℃で1〜5時間熱処理してコールタールピッチ揮発成分を除去する揮発工程をさらに含むことを特徴とするマグネシア・カーボン質耐火物の製造方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のマグネシア・カーボン質耐火物の製造方法において、
    前記成形工程の成形圧力が147MPa以上であることを特徴とするマグネシア・カーボン質耐火物の製造方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のマグネシア・カーボン質耐火物の製造方法において、
    前記含浸工程の含浸圧力が0.8MPa以上であることを特徴とするマグネシア・カーボン質耐火物の製造方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載のマグネシア・カーボン質耐火物の製造方法において、
    前記コールタールピッチの固定炭素量が40質量%以上であることを特徴とするマグネシア・カーボン質耐火物の製造方法。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載のマグネシア・カーボン質耐火物の製造方法において、
    前記マグネシア・カーボン質耐火物は、非酸化雰囲気中1500℃で3時間焼成した後の通気率が50×10−16以下であることを特徴とするマグネシア・カーボン質耐火物の製造方法。
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