JP2021069776A - 消火栓装置 - Google Patents
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Abstract
Description
まずは、各実施の形態の基本的概念について説明する。各実施の形態は、概略的に、消火栓装置に関するものである。
次に、各実施の形態の具体的内容について説明する。なお、各実施形態の説明図に符号900で示した線は、消火栓装置の筐体の高さ方向の中心を示す。
最初に、実施の形態1について説明する。この実施の形態では、消火栓装置は消火器を収納する消火器収納部を備えており、消火栓装置の縦方向において火災検知器が消火器収納部の上方側に設けられている形態である。
まず、本実施の形態の消火栓装置の構成について説明する。図1は、消火栓装置の設置状態を示す図であり、また、図2は、消火栓装置の正面図であり、また、図3は、消火栓扉及び保守扉を開いた状態の消火栓装置の正面図であり、図4は、消火栓扉及び保守扉を開いた状態の消火栓装置の側面図である。なお、図1は、トンネルにおける車両が走行する方向と直交する断面から見た状態が図示されている。また、図4では、消火栓装置100の側面の一部が破断して内部が視認可能となった状態が図示されている。
筐体1は、消火栓装置100の本体であり、具体的には、消火栓装置100の外形を形成するものである。この筐体1の具体的な構成は任意であるが、例えば、平面視において横方向(Y軸方向)に延在する箱形状のものである。なお、ここで図示されている例では、筐体1は、箱形状となっているが、これに限らず、例えば、筐体1の前方側(+X方向)以外については、枠体(つまり、骨組みのみ)として構成してもよい。また、筐体1は、例えば、消火器収納部11、消火栓部12、及びパネル部1A1、1A2を備える。
消火器収納部11は、消火器を収納する空間であり、消火器扉111によって開閉可能となっている。本実施形態においては、消火器扉111の一部に透明な窓を設けており、収納状態の消火器外部から視認可能としている。
消火栓部12は、消火栓装置100の構成要素を収納する空間であり、消火栓扉121、及び保守扉122によって開閉可能となっている。また、消火栓部12は、図3に示すように、ホース収納空間13、及び配管類収納空間14を備える。
ホース収納空間13は、前述のホース収納部であり、具体的には、放水ホース131を収納する空間であり、例えば、横方向(Y軸方向)において、区画壁13Aによって配管類収納空間14側と区画されている空間であり、また、区画壁13Bによって図2の消火器収納部11側と区画されている空間である。そして、横方向(Y軸方向)において区画壁13Aから区画壁13Bに至る幅の略中央がホース収納空間13の横方向の中心である収納部中心130となる。なお、この収納部中心130については、説明の便宜上、一点鎖線にて図示されている。
配管類収納空間14は、内部配管141等を収納する空間である。図1の外部配管95が消火栓接続口142に接続されている。図示しないポンプ設備により、外部配管95から消火用水が消火栓接続口142を介して内部配管141に供給される。内部配管141は当該消火用水を、放水ホース131に供給するための配管である。また、内部配管141及び消火栓接続口142は、収納部中心130を基準にして、横方向の一方側(+Y方向)に設けられている「供給手段」を構成する。また、トンネル内には消火栓装置が例えば50m間隔で複数台設置されるが、このうち200m間隔に1台は給水栓144を備えている。給水栓144は消防隊の消火活動のための消火用水を供給するものであり、例えば、給水栓に消防用放水ホースを接続し、バルブハンドル148を回転操作することによりバルブを開いて開栓し、続いてポンプ起動スイッチ146を起動操作すると、防災センサー等に設置されている不図示の防災受信盤へポンプ起動信号が送信され、防災受信盤はこれを受信すると不図示のポンプを起動制御して外部配管95から給水栓144へ消火用水が供給されるようになる。外部配管95からは分岐配管を介して放水ホース131及び給水栓144の両方へ(或いは選択された一方へ)消火用水が供給できるようになっている。この分岐配管は内部配管141を構成する。ポンプ起動スイッチ146は、常時は保守扉122の裏側に位置して隠れており、一般の利用者が操作しないようにしている。このような給水栓144を備えた消火栓装置100における給水栓144、ポンプ起動スイッチ146、バルブハンドル148も「供給手段」を構成するものである。
パネル部1A1、1A2は、筐体1における前方側(+X方向)における消火器扉111、消火栓扉121、及び保守扉122を避けた位置に固定して設けられている部分である。なお、このパネル部1A1、1A2における前方側(+X方向)の面は、例えば、監視領域であるトンネル内と対向しており、また、YZ平面に平行な面となっており、前述の「パネル面」に相当する。特に、パネル部1A1における前方側(+X方向)の面が、「第1パネル面」に相当し、また、パネル部1A2における前方側(+X方向)の面が、「第2パネル面」に相当する。本実施形態において、パネル部1A1、1A2は消火器扉111、消火栓扉121及び保守扉122と、監視領域側の面を略面一となるようにしている。なお、パネル部1A1、1A2は消火栓扉121、保守扉122と同様に扉構造としてもよい。
図5は、図4の一部の拡大図であり、また、図6は、図2のA−A断面図である。なお、火災検知器81A自体は、公知の火災検知器を適用することができるので、図6においては、一部の構成要素(傾斜基板814を支持する部材等)が、説明の便宜省略されている。また、火災検知器81Aは、横方向(Y軸方向)における当該火災検知器81Aの中心820を基準にして対称となっているので、図面左側の構成要素にみに符号を付して説明する。
図2の赤色表示灯82Aは、通報装置であって表示部であり、具体的には、消火栓装置100の位置を表示して知らせるための装置である。この赤色表示灯82Aの具体的な構成は任意であるが、例えば、光源と、光源からの光を監視領域側へ透過する赤色のカバー部材とを備え、カバー部材が監視領域側に露出している。赤色表示灯82Aは、例えば、筐体1におけるパネル部1A2に設けられており、また、筐体1における図3の収納部中心130よりも横方向における他方側(−Y方向)に設けられている。また、赤色表示灯82Aは、例えば、縦方向(gZ軸方向)において火災検知器81Aと高さが略同じ位置に設けられている。なお、ここでの「高さが略同じ位置」とは、赤色表示灯82Aの露出部と、火災検知器81Aの突出部とが縦方向(Z軸方向)において略同じ高さとなっていることを示す概念である。この場合、赤色表示灯82Aの露出部の表示部分の高さ寸法を火災検知器81Aの突出部の高さ寸法以下とすると火災検知器81Aが設置されている側の側方(−Y方向)からの赤色表示灯82Aの表示部の視認性が阻害されるため、赤色表示灯82Aの表示部の高さ寸法を火災検知器81Aの突出部の高さ寸法よりも相対的に大きくしてもよい。
図2の手動発信機83Aは、通報装置であって操作部であり、具体的には、火災の発生を知らせるための装置であって、不図示の防災センタに設置されている防災受信盤に火災発生信号を電気的に送信する契機を発生させる装置であり、利用者に押下された場合に防災受信盤に対して火災発生信号を電気的に送信する装置である。この手動発信機83Aの具体的な構成は任意であるが、例えば、押しボタン等を備えている。また、手動発信機83Aは、例えば、筐体1におけるパネル部1A2に設けられており、また、筐体1における図3の収納部中心130よりも横方向における他方側(−Y方向)に設けられている。
図2の応答ランプ84Aは、通報装置であって表示部であり、具体的には、火災発生信号を不図示の防災センタ側に設置されている防災受信盤で受信して応答したことを知らせる装置である。この応答ランプ84Aの具体的な構成は任意であるが、例えば、光源等を備えている。また、応答ランプ84Aは、例えば、筐体1におけるパネル部1A2に設けられており、また、筐体1における図3の収納部中心130よりも横方向における他方側(−Y方向)に設けられている。
次に、火災検知器81A、赤色表示灯82A、手動発信機83A、及び応答ランプ84A(以下、これらの機器を「対象機器」と称する)の配線作業について説明する。この配線作業は任意であるので、概要のみ説明する。具体的には、公知の端子盤又は端子台を任意の位置(実施の形態1では、例えば、筐体1の内部にける火災検知器81Aの後方側(−X方向))に設け、各対象機器に電気的に接続されている導電線(例えば、信号線、あるいは、電力供給線)を当該端子盤又は端子台に配線することにより、この対象機器を当該端子盤又は端子台を介して所定の機器(例えば、防災受信盤等)と電気的に接続する。そして、ここでは、各対象機器が相互に近傍に設けられているので、配線作業を単純化することが可能となる。端子盤又は端子台は、例えば防水ケースに収容して結線部を露滴等から防護する。
次に、このように構成された消火栓装置100の動作について説明する。赤色表示灯82Aは、パネル部1A2からの露出部から監視領域側へ常時赤色光を出力することにより、消火栓装置100の位置を表示して利用者へ知らせる。また、火災発生時等にこれを発見した利用者が手動発信機83Aを押下した場合、防災受信盤へ火災発生信号が送信される(手動通報)。また、火災発生信号を防災受信盤で受信した後に、当該防災受信盤から消火栓装置100に応答信号が送信され、消火栓装置100の応答ランプ84Aを発光させる。また、消火栓装置100の周辺で火災が発生した場合、火災検知器81Aは、当該火災を検知し、防災受信盤へ火災検知信号を送信する(自動通報)。また、消火栓装置100の周辺の利用者が、図2の消火栓扉121を開いて放水するための所定操作(例えば、ポンプ起動スイッチ146とは別に設けられたスイッチレバーの操作)を行った場合、この操作に応じて図1の外部配管95側からの消火用水が、図3の消火栓接続口142、内部配管141を介して放水ホース131に供給され、当該放水ホース131のノズル132から放水可能となる。
このように本実施の形態によれば、火災検知器81A、赤色表示灯82A、手動発信機83A、及び応答ランプ84Aが、相互に近傍に設けられていることにより、例えば、火災検知器81A、赤色表示灯82A、手動発信機83A、及び応答ランプ84Aの配線の引き回しを単純化することができ、配線作業を単純化し、またメンテナンス性を向上することが可能となる。
次に、実施の形態2について説明する。この実施の形態では、火災検知器及び赤色表示灯が、縦方向において相互に高さが異なる位置に設けられている形態である。なお、実施の形態2では、本実施の形態で特徴的な構成についてのみ説明し、実施の形態1で説明した構成と同様な構成については、説明を省略する(他の実施の形態も同様とする)。また、実施の形態2の各要素は、特記する場合を除いて、実施の形態1の同一名称の要素と同様であることとする(他の実施の形態も同様とする)。
本実施の形態の消火栓装置の構成について説明する。なお、本実施の形態の消火栓装置の配線作業及び動作は、実施の形態1の消火栓装置100の配線作業及び動作と同様であるので、説明を省略する(他の実施の形態も同様とする)。図7は、消火栓装置の正面図であり、また、図8は、消火栓扉及び保守扉を開いた状態の消火栓装置の正面図である。
筐体2は、例えば、消火器収納部21、消火栓部22、及びパネル部2Aを備える。なお、パネル部2Aにおける前方側(+X方向)の面が、「パネル面」に相当する。
消火栓部22は、図8に示すように、ホース収納空間23、及び配管類収納空間24を備える。
図7の火災検知器81Bは、例えば、赤色表示灯82B、手動発信機83B、及び応答ランプ84Bの近傍に設けられており、また、パネル部2Aに設けられており、また、筐体2における図8の収納部中心230よりも横方向における他方側(−Y方向)に設けられている。火災検知器81Bは、例えば、図7の赤色表示灯82B等の上方側(+Z方向)に設けられている。
図7の赤色表示灯82B、手動発信機83B、及び応答ランプ84Bは、通報装置であり、例えば、パネル部2Aに設けられており、また、筐体2における図8の収納部中心230よりも横方向における他方側(−Y方向)に設けられている。また、通報装置のうち少なくとも赤色表示灯82B(図7の形態にあっては通報装置の全部)は、例えば、縦方向(Z軸方向)において火災検知器81Bと高さが異なる位置に設けられており、赤色表示灯82Bの露出部の表示部分(のZ方向最上部から最下部までの長さ)の少なくとも一部(図7の形態にあっては全部)が火災検知器81Bの突出部(のZ方向最上部から最下部までの長さ)に高さ方向で相互に重複していない配置、つまり、側面視で(+Y又は−Y側から見たときに)、赤色表示灯82Bの露出部の表示部分の少なくとも一部が高さ方向(Z軸方向)で火災検知器81Bの突出部に重ならない配置としている。
このように本実施の形態によれば、赤色表示灯82Bについての、消火栓装置200の横方向からの視認性を向上させることが可能となる。そして、各通報装置は火災検知器81Bの下方(−Z方向)に配置しているので、いずれかの通報装置がパネル部2Aからやや突出していても、路面91から上方へ立ち上がる火災炎が火災検知器81Bの有効視野空間内に入るので、また火災検知器の横方向には死角が生じないので確実に火災を検知することができる。また、本実施の形態によれば、実施の形態1の効果と同様な効果(つまり、例えば、配線作業性やメンテナンス性の向上効果、被水防止効果)も奏するが、実施の形態1で詳述したので、ここでの説明は省略する。
次に、実施の形態3について説明する。この実施の形態では、火災検知器が消火栓部に設けられている形態である。
本実施の形態の消火栓装置の構成について説明する。図9は、消火栓装置の正面図であり、また、図10は、消火栓扉及び保守扉を開いた状態の消火栓装置の正面図である。
筐体3は、例えば、図9に示すように、消火器収納部31、消火栓部32、及びパネル部3A1、3A2を備える。なお、パネル部3A1、3A2における前方側(+X方向)の面は、例えば、監視領域であるトンネル内と対向しており、また、YZ平面に平行な面となっており、前述の「パネル面」に相当する。特に、パネル部3A1における前方側(+X方向)の面が、「第1パネル面」に相当し、また、パネル部3A2における前方側(+X方向)の面が、「第2パネル面」に相当する。
消火栓部32は、図10に示すように、ホース収納空間33、及び配管類収納空間34を備える。
図9の火災検知器81Cは、例えば、赤色表示灯82C、手動発信機83C、及び応答ランプ84Cの近傍に設けられており、また、パネル部3A1に設けられており、また、筐体3における図10の収納部中心330よりも横方向における他方側(−Y方向)に設けられている。
図9の赤色表示灯82C、手動発信機83C、及び応答ランプ84Cは、通報装置であり、例えば、パネル部3A2に設けられており、また、筐体3における図10の収納部中心330よりも横方向における他方側(−Y方向)に設けられている。また、赤色表示灯82Cは、例えば、縦方向(Z軸方向)において火災検知器81Cと高さが略同じ位置に設けられている。ここで、消火栓部32以外の部分、即ち消火栓部32の−Y方向側の消火器収納部31及び通報装置を設けたパネル部3A2を含むユニットは、火災検知器を設けない従来の消火栓装置の一般的構成を適用している。
このように本実施の形態によれば、消火栓部32に火災検知器81Cを設けているので、消火栓部32以外の消火器収納部及び通報装置を設けたパネル部を含むユニットを従来と共通の構成とすることができ、生産効率を向上する。また、本実施の形態によれば、実施の形態1の効果と同様な効果(つまり、例えば、配線作業性やメンテナンス性の向上効果、被水防止効果)も奏するが、実施の形態1で詳述したので、ここでの説明は省略する。
次に、実施の形態4について説明する。この実施の形態では、火災検知器がパネル面の上方側に載置されており、且つ、火災検知器の光入射部及び、当該光入射部以外の部分の少なくとも一部が、パネル面よりも監視領域側に設けられている形態である。
本実施の形態の消火栓装置の構成について説明する。図11及び図12は、消火栓装置の設置状態を示す図であり、図13は、消火栓装置の正面図であり、また、図14は、消火栓扉及び保守扉を開いた状態の消火栓装置の正面図であり、図15は、消火栓扉及び保守扉を開いた状態の消火栓装置の側面図である。なお、図15では、消火栓装置400の側面の一部が破断して内部が視認可能となって状態が図示されている。
筐体4は、例えば、図13に示すように、消火器収納部41、消火栓部42、及びパネル部4A2を備える。なお、パネル部4A2における前方側(+X方向)の面が、「パネル面」に相当し、特に、「第2パネル面」に相当する。図13及び後述する図14、図15においてパネル部4A1(第1パネル面)とパネル部4A2(第2パネル面)はZ軸に平行となっている。
消火栓部42は、図14に示すように、ホース収納空間43、及び配管類収納空間44を備える。
取付箱700は、火災検知器81Dを筐体4に取り付けるための部材である。この取付箱700の具体的な構成は任意であるが、例えば、火災検知器81Dの透光部812A及び当該透光部812Aの周辺部以外の一部(例えば、図6の本体811)を収容して筐体4に取り付けるためのものである。また、取付箱700は、例えば、パネル部4A1を備える。
パネル部4A1は、取付箱700における前方側(+X方向)に設けられている部分であり、また、図15に示すように、筐体4における前方側(+X方向)の面よりも更に前方側(+X方向)に設けられている部分である。なお、パネル部4A1における前方側(+X方向)の面が、「パネル面」に相当し、特に、「第1パネル面」に相当する。
図13の火災検知器81Dは、例えば、赤色表示灯82D、手動発信機83D、及び応答ランプ84Dの近傍に設けられており、また、筐体4における図14の収納部中心430よりも横方向における他方側(−Y方向)に設けられている。火災検知器81Dは、例えば、筐体4のパネル部4A2よりも上方側(+Z方向)に設けられており、且つ、火災検知器81Dは、図15の筐体4のパネル部4A2における前方側(+X方向)の面よりも消火栓装置400の前方側(+X方向)の面よりも前方側(+X方向)に設けられている。
図13の赤色表示灯82D、手動発信機83D、及び応答ランプ84Dは、通報装置であり、例えば、筐体4における図14の収納部中心430よりも横方向における他方側(−Y方向)に設けられている。また、通報装置のうち少なくとも赤色表示灯82D(図13の形態にあっては通報装置の全部)は、例えば、縦方向(Z軸方向)において火災検知器81Dと高さが異なる位置に設けられており、赤色表示灯82Dの露出部の表示部分の少なくとも一部(図13の形態にあっては全部)が火災検知器81Dの突出部に高さ方向で相互に重複していない配置としている。
このように本実施の形態によれば、火災検知器81Dはパネル部4A2の上方側に載置されていることにより、例えば、火災検知器81Dを比較的高い位置に設けることができるので、火災の検知精度又は検知範囲を向上又は拡大させることが可能となる。即ち、例えば監視領域の下部側(路面91側)の車両のヘッドライトからの光を近距離から火災検知器81Dが受光することによる火災検知精度の低下を抑制し、また例えば消火栓装置400前方付近での停止車両による死角の発生を低減し、更に、例えば火災検知器81Dを低い位置に設置することによる監視領域上方側の火災検出感度低下(検知範囲の縮小)を防止することが可能となる。また、火災検知器81Dの透光部812A及び当該火災検知器81Dの透光部812A以外の部分の少なくとも一部は、パネル部4A1よりも監視領域側(+X方向)に位置するように設けられていることにより、図11に示すように、例えばトンネル壁面93の曲率の影響を避けて、同壁面に干渉しない位置に火災検知器81Dを設けることができる。また、例えば、図12に示すように、消火栓装置400を監視員通路92の刳り貫き部に埋め込み設置する場合は、監視員通路92上の通行を妨げない位置に火災検知器81Dを配置することが可能となる。また、本実施の形態によれば、実施の形態1の効果と同様な効果(つまり、例えば、配線作業性やメンテナンス性の向上効果、被水防止効果)も奏するが、実施の形態1で詳述したので、ここでの説明は省略する。
次に、実施の形態5について説明する。この実施の形態では、火災検知器及び通報装置が、ホース収納部の横方向の中心を基準にして一方側に設けられている形態である。
本実施の形態の消火栓装置の構成について説明する。図16は、消火栓扉及び保守扉を開いた状態の消火栓装置の正面図である。
筐体5は、例えば、消火器収納部51、消火栓部52、及びパネル部5A1、5A2を備える。なお、パネル部5A1、5A2における前方側(+X方向)の面は、例えば、監視領域であるトンネル内と対向しており、また、YZ平面に平行な面となっており、前述の「パネル面」に相当する。特に、パネル部5A1における前方側(+X方向)の面が、「第1パネル面」に相当し、また、パネル部5A2における前方側(+X方向)の面が、「第2パネル面」に相当する。
消火栓部52は、ホース収納空間53、及び配管類収納空間54を備える。
火災検知器81Eは、例えば、赤色表示灯82E、手動発信機83E、及び応答ランプ84Eの近傍に設けられており、また、パネル部5A1に設けられており、また、筐体5における収納部中心530よりも横方向における一方側(+Y方向)に設けられている。火災検知器81Eは、例えば、縦方向(Z軸方向)において内部配管141の上方側(+Z方向)に設けられている。
赤色表示灯82E、手動発信機83E、及び応答ランプ84Eは、通報装置であり、例えば、また、パネル部5A2に設けられており、筐体5における収納部中心530よりも横方向における一方側(−Y方向)に設けられている。また、赤色表示灯82Eは、例えば、縦方向(Z軸方向)において火災検知器81Eと高さが略同じ位置に設けられている。
このように本実施の形態によれば、内部配管141及び消火栓接続口142がホース収納空間53の収納部中心530を基準にして横方向の一方側(+Y方向)に設けられており、また、火災検知器81E、赤色表示灯82E、手動発信機83E、及び応答ランプ84Eがホース収納空間53の収納部中心530を基準にして横方向の一方側(−Y方向)に設けられていることにより、例えば、内部配管141、消火栓接続口142、火災検知器81E、赤色表示灯82E、手動発信機83E、及び応答ランプ84Eのメンテナンスを、消火栓装置500の一方側(+Y方向)のみで行うことができるので、メンテナンス性を向上させることが可能となる。また、供給手段近傍に設けられた電気的構成要素であるポンプ起動スイッチ146(消防隊用給水栓からの放水を開始するための起動スイッチ)を備える場合には、ポンプ起動スイッチ146についても火災検知器81E及び通報装置の近傍に位置することになるため、火災検知器81E及び通報装置とあわせて電気的なメンテナンスを行うことが容易になる。
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の詳細に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏したりすることがある。
また、上述した構成は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、任意の単位で機能的または物理的に分散又は統合して構成できる。
また、上記各実施の形態については、以下の効果も奏する。例えば、実施の形態1の消火栓装置100においては、筐体1の内部における火災検知器81Aの後方側(−X方向))に公知の端子盤又は端子台を設けた場合に、当該端子盤又は端子台の前方側(+X方向)に火災検知器81Aが設けられることになるので、端子盤又は端子台周辺のデッドスペースを有効活用することが可能となる。また、実施の形態2の消火栓装置200においては、消火器収納部21に比較的長い消火器を収容することが可能となる。また、実施の形態3、4の消火栓装置300、400においては、従来の消火栓装置(例えば、火災感知器が設けられていない消火栓装置)に対する比較的少ない設計変更にて、本願の消火栓装置300、400を提供することが可能となる。また、実施の形態4の消火栓装置400においては、図12の監視員通路92の刳り貫き部に消火栓装置400を設けた場合、火災検知器81Dを監視員通路92を避けた位置に設けることが可能となる。また、実施の形態5の消火栓装置500においては、供給手段と各対象機器を筐体5の一方側(+Y方向)にまとめることができるので、当該一方側で電気的なメンテナンス及び給水に関するメンテナンスを行うことができ、メンテナンス性を向上させることが可能となる。
また、上記実施の形態1では、赤色表示灯82Aが火災検知器81Aの有効視野空間に入らないものと説明したが、これに限らず、例えば、消火栓装置100における火災検知器81A以外の一部の構成要素(例えば、パネル部1A1、1A2等)、あるいは、全ての構成要素が火災検知器81Aの有効視野空間に入らないように構成してもよい。
また、上記実施の形態1では、図1の赤色表示灯82Aが火災検知器81Aの有効視野空間に入らない程度に突出するものと説明したが、これに限らない。例えば、赤色表示灯82Aを突出させずに、筐体1のパネル部1A2と同一平面上に設けてもよいし、パネル部1A2に対して凹ませて設けてもよいし、あるいは、赤色表示灯82Aの視認性を向上させる観点から、火災検知器81Aの有効視野空間に入る程度突出させてもよい。この場合、例えば、赤色表示灯82Aの前方側(+X方向)への突出量が、火災検知器81Aの前方側(+X方向)への突出量よりも大きくなるように、構成してもよい。
また、上記各実施の形態では、表示灯を赤色表示灯として説明したが、例えば、法律、規則、又は要求仕様に基づいて、表示灯の色を任意に変更してもよい。例えば、表示灯の発光色を緑色に変更して、赤色表示灯ではなく緑色表示灯として構成してもよいし、他の色を発光させるように構成してもよい。
また、上記実施の形態では、「ホース収納部の横方向の中心」が、図3の横方向(Y軸方向)において区画壁13Aから13Bに至る幅の略中央であるものと説明したが、ここで、「区画壁」13A、13Bは必ずしも物理的な壁面である必要はなく、他の適宜の区画構造や、仮想的な区画境界を含むものである。また、「ホース収納部の横方向の中心」について以下のように解釈してもよい。具体的には、ホース収納部が区画壁によって区画されていない場合は、消火栓装置内に巻かれた状態で収納されている放水ホースの巻かれた部分のY軸方向における両端の距離の略中心を「ホース収納部の横方向の中心」と解釈してもよい。より具体的には、放水ホースの巻かれた部分における横方向(Y軸方向)における一方側(+Y方向)の端と他方側(−Y方向)の端との相互間の真ん中を通る縦方向(Z軸方向)に沿った仮想的な線を、「ホース収納部の横方向の中心」と解釈してもよい。また、放水ホースの巻かれた部分における略中心(巻き取り中心)を通る縦方向(Z軸方向)に沿った仮想的な線を、「ホース収納部の横方向の中心」と解釈してもよい。また、放水ホースの収まり具合等を考慮して、消火栓装置の設計時にホース収納空間の中心を定義することが想定されるが、この定義されたホース収納空間の中心を「ホース収納部の横方向の中心」と解釈してもよい。
また、上記実施の形態の構成、及び変形例の特徴を、任意に組み合わせてもよい。
付記1の消火栓装置は、トンネル内に設置される消火栓装置であって、光入射部を介して前記トンネル内の監視領域からの光を受光して火災を検知する火災検知器と、通報装置と、前記監視領域に面するパネル面と、を備え、前記火災検知器は、前記パネル面から前記監視領域側に前記光入射部を突出して配置され、前記通報装置は、少なくとも当該通報装置の一部を前記パネル面から前記監視領域側に露出して配置され、更に、前記火災検知器及び前記通報装置は、相互に近傍に設けられている。
付記1に記載の消火栓装置によれば、火災検知器及び通報装置が、相互に近傍に設けられていることにより、例えば、火災検知器及び通報装置の配線の引き回しを単純化することができ、配線作業を単純化し配線作業効率を向上し、火災検知器と通報装置の配線確認等の作業も効率的に行うことが可能となる。
1A1 パネル部
1A2 パネル部
1B 筐体側取付部
2 筐体
2A パネル部
3 筐体
3A1 パネル部
3A2 パネル部
4 筐体
4A1 パネル部
4A2 パネル部
5 筐体
5A1 パネル部
5A2 パネル部
11 消火器収納部
12 消火栓部
13 ホース収納空間
13A 区画壁
13B 区画壁
14 配管類収納空間
21 消火器収納部
22 消火栓部
23 ホース収納空間
24 配管類収納空間
31 消火器収納部
32 消火栓部
33 ホース収納空間
34 配管類収納空間
41 消火器収納部
42 消火栓部
43 ホース収納空間
44 配管類収納空間
51 消火器収納部
52 消火栓部
53 ホース収納空間
54 配管類収納空間
81A 火災検知器
81B 火災検知器
81C 火災検知器
81D 火災検知器
81E 火災検知器
82A 赤色表示灯
82B 赤色表示灯
82C 赤色表示灯
82D 赤色表示灯
82E 赤色表示灯
83A 手動発信機
83B 手動発信機
83C 手動発信機
83D 手動発信機
83E 手動発信機
84A 応答ランプ
84B 応答ランプ
84C 応答ランプ
84D 応答ランプ
84E 応答ランプ
91 路面
92 監視員通路
93 トンネル壁面
94 収容部
95 外部配管
100 消火栓装置
111 消火器扉
121 消火栓扉
122 保守扉
130 収納部中心
131 放水ホース
132 ノズル
141 内部配管
142 消火栓接続口
144 給水栓
146 ポンプ起動スイッチ
148 バルブハンドル
200 消火栓装置
230 収納部中心
300 消火栓装置
330 収納部中心
400 消火栓装置
430 収納部中心
500 消火栓装置
530 収納部中心
700 取付箱
701 取付金具
810A 検知限界面
810B 検知限界面
811 本体
811A 検知器側取付部
811B 取付ボルト
812 外カバー
812A 透光部
813 主基板
814 傾斜基板
815 検知素子
820 中心
900 中心
θ 角
α 角
Claims (6)
- トンネル内に設置される消火栓装置であって、
光入射部を介して前記トンネル内の監視領域からの光を受光して火災を検知する火災検知器と、
通報装置と、
前記監視領域に面するパネル面と、
を備え、
前記火災検知器は、前記パネル面から前記監視領域側に前記光入射部を突出して配置され、
前記通報装置は、少なくとも当該通報装置の一部を前記パネル面から前記監視領域側に露出して配置され、更に、
前記火災検知器及び前記通報装置は、相互に近傍に設けられている、
消火栓装置。 - 前記消火栓装置の外部から消火用水が供給される供給手段と、
前記供給手段に供給された消火用水を放水するための消火用ホースを収納するホース収納部と、を備えており
前記供給手段は、前記消火栓装置の設置状態において前記ホース収納部の横方向の中心を基準にして、横方向の一方側に設けられており、
前記火災検知器及び前記通報装置は、前記ホース収納部の横方向の中心を基準にして、横方向の他方側に設けられている、
請求項1に記載の消火栓装置。 - 前記消火栓装置の外部から消火用水が供給される供給手段と、
前記供給手段に供給された消火用水を放水するための消火用ホースを収納するホース収納部と、を備えており
前記供給手段は、前記消火栓装置の設置状態において前記ホース収納部の横方向の中心を基準にして、横方向の一方側に設けられており、
前記火災検知器及び前記通報装置は、前記ホース収納部の横方向の中心を基準にして、横方向の一方側に設けられている、
請求項1に記載の消火栓装置。 - 前記パネル面は、前記火災検知器が配置される第1パネル面と、前記通報装置が配置される第2パネル面と、を備えており、
前記火災検知器は、前記第2パネル面の上方側に載置され、
前記火災検知器の前記光入射部及び、当該光入射部以外の部分の少なくとも一部は、少なくとも前記第1パネル面よりも前記監視領域側に位置するように設けられている、
請求項1から3の何れか一項に記載の消火栓装置。 - 前記火災検知器及び前記通報装置は、前記消火栓装置の設置状態における縦方向において相互に高さが異なる位置に設けられている、
請求項1から4の何れか一項に記載の消火栓装置。 - 前記消火栓装置の構成要素の外形は、前記火災検知器の前記光入射部に対する有効視野空間に入らない、
請求項1から5の何れかに記載の消火栓装置。
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