JP2021068774A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】保持容量を増大させる半導体装置の製造方法を提供すること。【解決手段】液晶装置100の製造方法は、基板10s上にハードマスクHM1を形成する工程と、ハードマスクHM1と離間して一対のレジストマスクRE1を形成する工程と、ハードマスクHM1および一対のレジストマスクRE1を介して、基板10sをエッチングしてトレンチTR1,TR2を形成する工程と、トレンチTR1,TR2内に容量素子16を形成する工程と、を備える。【選択図】図11
Description
本発明は、半導体装置の製造方法に関する。
従来、半導体装置の1つとして、画素のスイッチング素子にトランジスターを備えたアクティブ駆動型の液晶装置が知られていた。このような液晶装置をプロジェクターなどの光変調手段に用いると、直視型の液晶装置に比べて液晶装置への入射光が増大する。入射光が増大することによって、トランジスター領域において光リーク電流が発生しやすくなる。光リーク電流は、画素の電位保持を阻害して、ちらつきや画素単位の表示ムラといった表示品質の劣化を生じさせる場合がある。そこで、このような表示品質の劣化を抑えるために、保持容量を増大させる試みが成されている。
例えば、特許文献1には、補助容量素子を備えた表示装置が開示されている。また、特許文献2には、基板に対して垂直方向に形成された溝内に、画素付加容量が形成された液晶表示装置が開示されている。
しかしながら、特許文献1および特許文献2に記載の表示装置では、画素の微細化が進むと、保持容量を確保することが難しいという課題があった。詳しくは、画素を微細化すると、容量素子を設けるためのトレンチを配置するスペースも小さくなる。そのため、トレンチを深くして保持容量を確保する方策が考えられるが、深いトレンチを製造するにはマイクロローディング効果による制限があった。すなわち、従来よりも半導体装置の保持容量を増大させる製造方法が求められていた。
半導体装置の製造方法は、絶縁部材上にハードマスクを形成する工程と、ハードマスクと離間してレジストマスクを形成する工程と、ハードマスクおよびレジストマスクを介して、絶縁部材をエッチングして溝を形成する工程と、溝内に第1容量電極、容量絶縁層、および第2容量電極を形成する工程と、を備える。
上記の半導体装置の製造方法は、レジストマスクを形成する工程において、ハードマスクの両側にレジストマスクを形成し、溝を形成する工程において、ハードマスクの両側に溝を形成することが好ましい。
上記の半導体装置の製造方法は、トランジスターの半導体層を形成する工程を備え、第1容量電極は、半導体層の一方のソースドレイン領域を延在して形成されることが好ましい。
上記の半導体装置の製造方法において、第1容量電極は、半導体層の他方のソースドレイン領域と電気的に接続される第1配線と重なるように形成され、半導体層は、トランジスターのゲート電極と電気的に接続される第2配線と重なるように形成されることが好ましい。
上記の半導体装置の製造方法は、ハードマスクを形成する工程の前に、絶縁部材に凹部を形成する工程を備え、ハードマスクを形成する工程において、凹部内に無機膜を成膜してから、エッチバックによってハードマスクを凹部の側面に沿って形成することが好ましい。
ここで、以下の各図においては、必要に応じて、相互に直交する座標軸としてXYZ軸を付し、各矢印が指す方向を+方向とし、+方向と反対の方向を−方向とする。なお、+Z方向を上方、−Z方向を下方ということもあり、+Z方向から見ることを平面視あるいは平面的という。さらに、以下の説明において、例えば基板に対して、「基板上に」との記載は、基板の上に接して配置される場合、基板の上に他の構造物を介して配置される場合、または基板の上に一部が接して配置され、一部が他の構造物を介して配置される場合のいずれかを表すものとする。
1.第1実施形態
本実施形態では、半導体装置として、画素ごとにトランジスターとしての薄膜トランジスター(Thin Film Transistor)を備えたアクティブ駆動型の液晶装置を例示する。なお、以降、薄膜トランジスターをTFTと略していう。この液晶装置は、例えば、投射型表示装置の光変調装置の他、投射型のHUD(Head-Up Display)、直視型のHMD(Head Mounted Display)、パーソナルコンピューター、デジタルカメラ、液晶テレビなどの電子機器に用いることができるものである。なお、半導体装置は、液晶装置以外にも様々な分野で適用可能であって、例えば、ダイナミックランダムアクセスメモリー(DRAM)のような記憶素子にも適用することができる。
本実施形態では、半導体装置として、画素ごとにトランジスターとしての薄膜トランジスター(Thin Film Transistor)を備えたアクティブ駆動型の液晶装置を例示する。なお、以降、薄膜トランジスターをTFTと略していう。この液晶装置は、例えば、投射型表示装置の光変調装置の他、投射型のHUD(Head-Up Display)、直視型のHMD(Head Mounted Display)、パーソナルコンピューター、デジタルカメラ、液晶テレビなどの電子機器に用いることができるものである。なお、半導体装置は、液晶装置以外にも様々な分野で適用可能であって、例えば、ダイナミックランダムアクセスメモリー(DRAM)のような記憶素子にも適用することができる。
1.1.液晶装置の構成
本実施形態に係る液晶装置の構成について、図1から図3を参照して説明する。図1は、第1実施形態に係る半導体装置としての液晶装置の構成を示す概略平面図である。図2は、液晶装置の構造を示す模式断面図である。図3は、液晶装置の電気的な構成を示す等価回路図である。ここで、図2は、図1の線分H−H’を含み、YZ平面に沿う断面を示している。
本実施形態に係る液晶装置の構成について、図1から図3を参照して説明する。図1は、第1実施形態に係る半導体装置としての液晶装置の構成を示す概略平面図である。図2は、液晶装置の構造を示す模式断面図である。図3は、液晶装置の電気的な構成を示す等価回路図である。ここで、図2は、図1の線分H−H’を含み、YZ平面に沿う断面を示している。
図1および図2に示すように、本実施形態の液晶装置100は、素子基板10、素子基板10と対向配置された対向基板20、および素子基板10と対向基板20との間に挟持された液晶を含む液晶層50を備えている。
素子基板10の基板10sには、例えば、ガラス基板、石英基板などの基板が用いられる。対向基板20の基板20sには、例えば、ガラス基板、石英基板などの透明基板が用いられる。
素子基板10は、平面的な形状が対向基板20よりも大きい。素子基板10と対向基板20とは、対向基板20の外縁に沿って配置されたシール材40を介して接合されている。素子基板10と対向基板20との隙間に、正または負の誘電異方性を有する液晶が封入されて、液晶層50が設けられている。
シール材40の内側には、マトリクス状に配列した複数の画素Pを含む表示領域Eが設けられている。シール材40と表示領域Eとの間には、表示領域Eを取り囲んで見切り部24が設けられている。表示領域Eの周囲には、表示に寄与しない、図示しないダミー画素領域が設けられている。
素子基板10には、複数の外部接続端子104が配列した端子部が設けられている。該端子部に沿った第1辺部とシール材40との間にデータ線駆動回路101が設けられている。また、第1辺部に対向する第2辺部に沿ったシール材40と表示領域Eとの間に検査回路103が設けられている。
第1辺部と直交し、互いに対向する第3辺部および第4辺部に沿ったシール材40と表示領域Eとの間には、走査線駆動回路102が設けられている。また、第2辺部のシール材40と検査回路103との間には、2つの走査線駆動回路102をつなぐ複数の配線107が設けられている。
これらデータ線駆動回路101および走査線駆動回路102につながる配線は、第1辺部に沿って配列した複数の外部接続端子104に電気的に接続されている。なお、検査回路103の配置は上記に限定されない。
ここで、本明細書では、第1辺部に沿う方向は±X方向である。また、第1辺部と直交し、互いに対向する第3辺部および第4辺部に沿う方向は、±Y方向となる。また、±X方向および±Y方向と直交し、素子基板10および対向基板20の法線方向が±Z方向となる。
図2に示すように、基板10sの液晶層50側の表面には、画素Pごとに設けられた透光性の画素電極15およびスイッチング素子である、トランジスターとしてのTFT30、信号配線、およびこれらを被覆する配向膜18が設けられている。TFT30および画素電極15は、画素Pの構成要素である。素子基板10は、基板10s、基板10s上に設けられた画素電極15、TFT30、信号配線、および配向膜18を含む。画素電極15はTFT30に対応して設けられている。
基板20sの液晶層50側の表面には、見切り部24、これを被覆して成膜された絶縁層25、絶縁層25を被覆して設けられた共通電極としての対向電極21、および対向電極21を被覆する配向膜22が設けられている。本実施形態における対向基板20は、少なくとも見切り部24と、対向電極21および配向膜22とを含む。なお、本実施形態では、共通電極を対向電極21として対向基板20側に配置した例を示したが、これに限定されない。
図1に示すように、見切り部24は、表示領域Eを取り囲むと共に、平面的に走査線駆動回路102および検査回路103と重なる位置に設けられている。これにより対向基板20側からこれらの回路に入射する光が遮蔽されて、光の入射による回路の誤動作が防止される。また、不必要な迷光が表示領域Eに入射しないように遮蔽されて、表示領域Eの表示において高いコントラストが確保される。
絶縁層25は、例えば、光透過性を有する酸化シリコンなどの無機材料から成る。絶縁層25は、見切り部24を被覆すると共に、液晶層50側の表面が平坦となるように設けられている。
対向電極21は、例えばITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)などの透明導電膜から成り、絶縁層25を被覆すると共に、対向基板20の四隅に設けられた上下導通部106に電気的に接続されている。上下導通部106は、素子基板10側の配線に電気的に接続されている。
画素電極15を被覆する配向膜18、および対向電極21を被覆する配向膜22は、液晶装置100の光学設計に基づいて選定される。配向膜18,22の形成材料としては、酸化シリコンなどの無機配向膜、およびポリイミドなどの有機配向膜が挙げられる。
このような液晶装置100は、例えば透過型である。透過型の液晶装置100には、電圧が印加されない時の画素Pの透過率が電圧印加時の透過率よりも大きいノーマリーホワイトモードや、電圧が印加されない時の画素Pの透過率が電圧印加時の透過率よりも小さいノーマリーブラックモードの光学設計が採用される。素子基板10と対向基板20とを含む液晶パネルにおいて、光の入射側と出射側とにそれぞれ偏光素子が光学設計に応じて配置されている。
本実施形態では、以降、配向膜18,22として上述した無機配向膜と、負の誘電異方性を有する液晶とを用い、ノーマリーブラックモードの光学設計が適用された例について説明する。
次に、液晶装置100の電気的な構成について述べる。図3に示すように、液晶装置100は、少なくとも表示領域Eにおいて互いに絶縁されて直交する信号配線として、第1配線であるデータ線6、第2配線である走査線3、データ線6に沿って平行に配置された容量線8を、それぞれ複数有している。走査線3は±X方向に延在している。データ線6および容量線8は±Y方向に延在している。なお、容量線8が延在する方向は±Y方向に限定されない。
走査線3、データ線6および容量線8と、これらの信号配線類とにより区分された領域に、画素電極15、TFT30および容量素子16が設けられ、これらが画素Pの画素回路を構成している。画素電極15、TFT30、および容量素子16は、画素Pごとに配置されている。
画素電極15は、TFT30における一方のソースドレイン領域である画素電極側ソースドレイン領域に電気的に接続される。走査線3はTFT30のゲートに電気的に接続される。詳しくは、データ線6は、TFT30における他方のソースドレイン領域であるデータ線側ソースドレイン領域に電気的に接続される。走査線3は、同一行に設けられたTFT30のオン、オフを一斉に制御する機能を有している。TFT30のソースドレイン領域を含む半導体層については後述する。
データ線6は、上述したデータ線駆動回路101に電気的に接続されて、データ線駆動回路101から供給される画像信号D1,D2,…,Dnを画素Pに供給する。走査線3は、上述した走査線駆動回路102に電気的に接続されて、走査線駆動回路102から供給される走査信号SC1,SC2,…,SCmを各画素Pに供給する。
データ線駆動回路101からデータ線6に供給される画像信号D1から画像信号Dnは、この順番に線順次にて供給されてもよく、互いに隣り合う複数のデータ線6同士に対してグループごとに供給されてもよい。走査線駆動回路102は、走査線3に対して、走査信号SC1から走査信号SCmを所定のタイミングでパルス的に線順次にて供給する。
液晶装置100においては、スイッチング素子であるTFT30は、走査信号SC1から走査信号SCmの入力によって一定期間だけオン状態とされる。これにより、データ線6から供給される画像信号D1から画像信号Dnが、所定のタイミングで画素電極15に書き込まれる。そして、画素電極15を介して液晶層50に書き込まれた所定レベルの画像信号D1から画像信号Dnは、画素電極15と、液晶層50を介して対向配置された対向電極21との間で一定期間保持される。
保持された画像信号D1から画像信号Dnがリークするのを防止するため、画素電極15と対向電極21との間に設けられた液晶容量に対して、並列に容量素子16が電気的に接続される。容量素子16は、TFT30の後述する半導体層と容量線8との間の層に設けられている。半導体層および容量素子16の詳細については後述する。
ここで、図3では図示を省略しているが、データ線6には、上述した検査回路103が電気的に接続される。そのため、液晶装置100の製造工程において、検査回路103を介して上記画像信号を検出し、液晶装置100の動作不具合などを確認することが可能である。
次に、液晶装置100における画素Pの構成について、図4を参照して説明する。図4は、画素の配置を示す概略平面図である。
図4に示すように、液晶装置100における画素Pは、表示領域Eにおいて±X方向および±Y方向にマトリクス状に配置される。画素Pは、例えば、平面視で略四角形の開口領域OPを有している。開口領域OPは、±X方向および±Y方向に延在し、格子状に設けられた遮光性の非開口領域CLに囲まれている。
±X方向に延在する非開口領域CLには、上述した走査線3が設けられている。走査線3には遮光性の導電部材が用いられており、走査線3によって非開口領域CLの一部が構成されている。
±Y方向に延在する非開口領域CLには、上述したデータ線6が設けられている。データ線6にも遮光性の導電部材が用いられており、データ線6によって非開口領域CLの一部が構成されている。
非開口領域CLは、素子基板10に設けられた、走査線3、データ線6、TFT30、および容量線8などによって構成される。さらに、非開口領域CLは、対向基板20において、上述した見切り部24と同層に設けられ、格子状にパターニングされたブラックマトリクスである遮光部を含んでもよい。
±X方向に延在する非開口領域CLにおいて、各画素Pに対応する±X方向の中程には、上述したTFT30を±Y方向に挟んでコンタクトホールが設けられている。そのため、該コンタクトホールが設けられた領域は、非開口領域CLの±Y方向の幅が、他と比べて大きくなっている。また、±Y方向に隣り合う画素Pの間の非開口領域CLには、上述した容量素子16が設けられている。上記コンタクトホールや容量素子16を含む画素Pの詳細な構造については後述する。
画素Pごとに、平面視で略正方形の画素電極15が設けられている。画素電極15は、外縁が非開口領域CLと重なるように開口領域OPに設けられている。画素電極15は、画素Pに対応してマトリクス状に複数配置されている。
本実施形態の液晶装置100は、上述したように透過型であって、対向基板20側から光が入射することを前提としている。そのため、素子基板10は、TFT30に対して、直接的に入射する光のみならず、入射光に由来する回折光や反射光などをも低減する構造を備えている。また、液晶装置100は保持容量が増大した容量素子16を備えている。
なお、液晶装置100への光の入射方向は、対向基板20側からに限定されず、素子基板10側からとしてもよい。また、液晶装置100は、入射する光を画素Pごとに集光させるマイクロレンズなどの集光手段を、光が入射する側の基板に備える構成であってもよい。
1.2.素子基板の構成
液晶装置100に備わる素子基板10の構造について、図5および図6を参照して説明する。図5は、素子基板の構造を示す模式断面図である。図6は、素子基板におけるトレンチの構造を示す斜視図である。ここで、図5では、図4における線分A1−A2、線分C1−C2、および線分B1−B2の各々を含み、±Z方向に沿う3つの断面を並べて示している。また、図5では、配向膜18の図示を省略している。図6では、基板10sおよび2つのトレンチのみを図示している。
液晶装置100に備わる素子基板10の構造について、図5および図6を参照して説明する。図5は、素子基板の構造を示す模式断面図である。図6は、素子基板におけるトレンチの構造を示す斜視図である。ここで、図5では、図4における線分A1−A2、線分C1−C2、および線分B1−B2の各々を含み、±Z方向に沿う3つの断面を並べて示している。また、図5では、配向膜18の図示を省略している。図6では、基板10sおよび2つのトレンチのみを図示している。
図5に示すように、液晶装置100の素子基板10は、基板10s、走査線3、半導体層30Sとゲート電極30Gとを含むTFT30、容量素子16、データ線6、および後述する複数の層間絶縁層を備えている。素子基板10の基板10sは、2つのトレンチTR1,TR2を有している。基板10s上には、複数の層として、第1層から第6層が積層されている。なお、線分A1−A2のうち±Y方向に沿う部分は、平面的にトレンチTR1と重なっている。
素子基板10における複数の層は、下方から順に、走査線3を含む第1層、半導体層30Sを含む第2層、ゲート電極30Gを含む第3層、データ線6を含む第4層、容量配線としての容量線8を含む第5層、および画素電極15を含む第6層を有している。
第1層と第2層との間には第1層間絶縁層11aが、第2層と第3層との間にはゲート絶縁層11bおよび容量絶縁層16bが、第3層と第4層との間には第2層間絶縁層11cが、第4層と第5層との間には第3層間絶縁層12が、第5層と第6層との間には第4層間絶縁層13が、それぞれ設けられている。これにより、各層間における短絡の発生が防止される。
基板10s上の第1層には走査線3が設けられている。走査線3は、平面視にて図4に示した非開口領域CLに設けられている。走査線3は、±X方向に延在する部位と該部位から±Y方向に突出する部位とを有している。
走査線3には、遮光性および導電性を有する公知の形成材料が採用可能である。そのため、走査線3は、主に下方から半導体層30Sに入射する光を遮光する機能を有している。本実施形態では、走査線3の形成材料としてタングステンシリサイドを用いる。走査線3の厚さは、特に限定されないが、例えば約150nmである。なお、本明細書においては、±Z方向における各層の厚さを単に厚さともいう。
走査線3と第2層との間には、第1層間絶縁層11aが設けられている。第1層間絶縁層11aは、走査線3とTFT30とを絶縁する。また、第1層間絶縁層11aは、トレンチTR1,TR2内まで延在して設けられる。
第1層間絶縁層11aの形成材料には、シリコン系酸化膜などが採用される。該形成材料としては、例えば、酸化シリコン(None-doped Silicate Glass:NSG)や窒化シリコンなどが挙げられる。本実施形態では、第1層間絶縁層11aの形成材料として酸化シリコンを用いる。第1層間絶縁層11aの厚さは、特に限定されないが、例えば約200nmである。
第1層上の第2層および第3層には、TFT30が設けられている。TFT30は、第2層に設けられた半導体層30Sと、第3層に設けられたゲート電極30Gと、を有している。TFT30の半導体層30Sには、LDD(Lightly Doped Drain)構造が形成されている。
半導体層30Sは、平面視にて図4に示した非開口領域CLに設けられている。詳しくは、半導体層30Sは、非開口領域CLにおける±X方向と±Y方向とが交差する部位に対応して、±X方向から±Y方向に屈曲している。半導体層30Sのうち、一方のソースドレイン領域s5の一部、一方のLDD領域s4、チャネル領域s3、他方のLDD領域s2、および他方のソースドレイン領域s1は、平面視にて走査線3と重なる位置に±X方向に沿って延在している。
半導体層30Sのうち、一方のソースドレイン領域s5は、平面視にて±X方向から±Y方向へと屈曲して±Y方向に沿って延在している。一方のソースドレイン領域s5における±Y方向に延在する部位の一部は、平面的にデータ線6と重なる位置にあり、トレンチTR1,TR2の内部にも設けられている。±Y方向に延在する一方のソースドレイン領域s5の一部は、容量素子16の下部容量電極である第1容量電極としても機能する。
半導体層30Sは、チャネル領域s3を挟んで電気的に抵抗が高いLDD領域s2,s4を有している。これにより、オフ時のリーク電流が抑制される。オフ時におけるリーク電流抑制の観点では、容量素子16や画素電極15が電気的に接続される一方のソースドレイン領域s5とチャネル領域s3との接合部分に、LDD領域s4が含まれる構成とすればよい。半導体層30Sは、例えば、非晶質シリコン膜に、結晶化処理が施されたポリシリコン膜から成る。半導体層30Sの厚さは、特に限定されないが、例えば約50nmである。
半導体層30Sを被覆してゲート絶縁層11bが設けられている。ゲート絶縁層11bは、後述する容量絶縁層16bと共に半導体層30Sとゲート電極30Gとの間にあって、半導体層30Sとゲート電極30Gとを絶縁する。ゲート絶縁層11bは、例えば、2種類の酸化シリコンから成る2重構造である。ゲート絶縁層11bの厚さは、特に限定されないが、例えば約75nmである。
ゲート絶縁層11bの一部、および一方のソースドレイン領域s5の一部を被覆して容量絶縁層16bが設けられている。容量絶縁層16bのうち平面的にチャネル領域s3と重なる部位は、ゲート絶縁層11bと共に、半導体層30Sとゲート電極30Gとを絶縁する。容量絶縁層16bのうち一方のソースドレイン領域s5と重なる部位は、容量素子16の誘電体層として機能する。
容量絶縁層16bには、誘電体材料が用いられる。誘電体材料としては、例えば、酸化ハフニウム、酸化アルミニウム、酸化シリコン、窒化シリコン、および酸化タンタルなどが挙げられ、これらの膜を単層または複数層組み合わせて用いる。本実施形態では、容量絶縁層16bの誘電体材料として窒化シリコンを用いる。容量絶縁層16bの厚さは、ゲート絶縁層11bの厚さよりも薄いことが好ましく、例えば約20nmである。
第3層には、半導体層30Sのチャネル領域s3と±Z方向に対向して、ゲート電極30Gが設けられている。ゲート電極30Gは、第1ゲート電極g1および第2ゲート電極g2から成る。第1ゲート電極g1は、チャネル領域s3の上方に、ゲート絶縁層11bおよび容量絶縁層16bを介して配置される。第2ゲート電極g2は、第1ゲート電極g1の上方に配置される。
第1ゲート電極g1の形成材料には、縮退半導体である導電性のポリシリコン、金属シリサイド、金属あるいは金属化合物などを用いる。本実施形態では、第1ゲート電極g1は、導電性のポリシリコン膜とタングステンシリサイド膜との2層構造である。第1ゲート電極g1の厚さは、特に限定されないが、例えば約150nmである。
ここで、本実施形態においては、以降、導電性のポリシリコン膜とは、燐原子が注入されて導電性が付与されたポリシリコン膜を指すこととする。なお、注入される原子は燐原子に限定されない。
第2ゲート電極g2の形成材料には、タングステンシリサイドなどの遮光性を有する金属化合物を用いる。第2ゲート電極g2の厚さは、特に限定されないが、例えば約60nmである。
第2ゲート電極g2は、一対のコンタクトホールCNT1を介して走査線3と電気的に接続されている。一対のコンタクトホールCNT1は、第1層間絶縁層11a、ゲート絶縁層11b、容量絶縁層16b、および第1ゲート電極g1を貫通している。一対のコンタクトホールCNT1は、半導体層30Sの一部を挟んで±Y方向に対向して配置される。
トレンチTR1,TR2は、平面視にて±X方向に隣り合う画素Pの間にあって、上述した非開口領域CLに収まるように設けられている。詳しくは、図6に示すように、トレンチTR1,TR2は、平面視にて長辺が±Y方向に沿う略長方形状の溝であり、±X方向に対向して配置されている。トレンチTR1,TR2は、±Y方向の両端部が溝として互いに連結されて一体化され、平面的に略額縁状を成している。なお、トレンチTR1,TR2の±Y方向の両端部は、互いに連結されていることに限定されない。トレンチTR1,TR2は、互いに連結されずにそれぞれ独立して設けられていてもよい。
トレンチTR1,TR2は、XY平面に沿う底面と±Z方向に沿う側面とを含み、上方が開かれている。トレンチTR1,TR2は、特に限定されないが、例えば±Z方向の深さが約1.5μmであり、±X方向の幅が約0.3μmである。
図5に戻り、トレンチTR1,TR2内には、上述した、第1層間絶縁層11a、一方のソースドレイン領域s5、および容量絶縁層16bに加えて、上部容量電極16cが配置されている。これらの各層と上部容量電極4とによって容量素子16が形成されている。容量素子16は、保持容量を増大させて、画素電極15における電位保持特性を向上させる。
トレンチTR1とトレンチTR2との間の基板10s上には、ハードマスクHM1が設けられている。ハードマスクHM1は、トレンチTR1,TR2の形成に用いたエッチマスクである。ハードマスクHM1の形成材料は、基板10sの形成材料に対して選択比が得られれば特に限定されない。具体的には、例えば、導電性のポリシリコン、タングステンシリサイドなどの金属シリサイド、金属あるいは金属化合物などが採用可能である。本実施形態では、ハードマスクHM1として導電性のポリシリコン膜を用いる。
第1層間絶縁層11aは、トレンチTR1,TR2の側面および底面と、ハードマスクHM1の上方とを被覆して設けられている。第1層間絶縁層11a上には、容量素子16の下部容量電極となる、一方のソースドレイン領域s5の一部が設けられている。一方のソースドレイン領域s5は、トレンチTR1,TR2の側面および底面やハードマスクHM1の上方に沿って延在している。
トレンチTR1,TR2内を含む一方のソースドレイン領域s5を被覆して、容量素子16の誘電体層となる容量絶縁層16bが設けられている。つまり、容量素子16の誘電体層は、ゲート絶縁層11bが担うのではなく、容量絶縁層16bが担っている。
上述したようにTFT30におけるゲートの絶縁は、酸化シリコン膜のゲート絶縁層11bと、窒化シリコン膜の容量絶縁層16bとが担っている。これに対して、容量素子16の容量絶縁層16bは、窒化シリコン膜のみで構成される。換言すれば、ゲート電極30Gと半導体層30Sとの間には、ゲート絶縁層11bと容量絶縁層16bとの2層が介在している。そして、下部容量電極である一方のソースドレイン領域s5と上部容量電極16cとの間には、容量絶縁層16bのみが単層で介在している。本実施形態では、上述したようにゲート絶縁層11bの厚さに対して、容量絶縁層16bの厚さを薄くしている。
容量絶縁層16bを被覆すると共に、トレンチTR1,TR2内を埋めるように上部容量電極16cが設けられ、さらに上部容量電極16c上に上部容量電極4が設けられている。上部容量電極16cおよび上部容量電極4は、本発明の第2容量電極の一例である。
上部容量電極16cは、第1ゲート電極g1と同一の層からパターニングによって設けられる。上部容量電極4は、第2ゲート電極g2と同一の層からパターニングによって設けられる。なお、容量素子16は、トレンチTR1,TR2内に加えて、トレンチTR1,TR2の上方の縁やハードマスクHM1の上方にも一部設けられている。
ゲート電極30Gおよび上部容量電極4などの上方には、これらを被覆して第2層間絶縁層11cが設けられている。第2層間絶縁層11cは、TFT30と平面的に重なる位置にも設けられている。第2層間絶縁層11cは、例えば、TEOS(Tetraethyl Orthosilicate)膜、NSG膜、燐(P)を含むPSG(Phosphosilicate Glass)膜、ホウ素(B)を含むBSG(Borosilicate Glass)膜、およびホウ素と燐とが含まれるBPSG(Borophosphosilicate Glass)膜などのシリコン系酸化膜の1種類以上を用いて設けられる。本実施形態では、第2層間絶縁層11cの形成材料として酸化シリコンを用いる。第2層間絶縁層11cの厚さは、特に限定されないが、例えば約400nmである。
第2層間絶縁層11cには、コンタクトホールCNT2,CNT3が設けられている。コンタクトホールCNT2,CNT3は、第2層間絶縁層11cおよびゲート絶縁層11bを貫通して半導体層30Sに到達している。詳しくは、コンタクトホールCNT2は、半導体層30Sの他方のソースドレイン領域s1と、上層のデータ線6とを電気的に接続する。コンタクトホールCNT3は、半導体層30Sの一方のソースドレイン領域s5と、中継層7とを電気的に接続する。
第3層上の第4層には、第2層間絶縁層11cなどを被覆して、データ線6および中継層7が設けられている。データ線6は、上述したように、画素Pの非開口領域CLにおいて±Y方向に延在している。データ線6は、コンタクトホールCNT2を介して、半導体層30Sの他方のソースドレイン領域s1と電気的に接続される。
中継層7は、平面視にて独立した島状に設けられている。中継層7は、コンタクトホールCNT3を介して、半導体層30Sの一方のソースドレイン領域s5と電気的に接続される。
データ線6および中継層7の形成材料としては、導電性を有する低抵抗配線材料が採用される。該低抵抗配線材料としては、特に限定されないが、例えばアルミニウム(Al)、チタン(Ti)などの金属やその金属化合物が挙げられる。本実施形態のデータ線6および中継層7は、チタン(Ti)層/窒化チタン(TiN)層/アルミニウム(Al)層/窒化チタン(TiN)層の4層構造である。データ線6および中継層7の厚さは、特に限定されないが、例えば約350nmである。
データ線6および中継層7などを被覆して第3層間絶縁層12が設けられている。第3層間絶縁層12には、例えば、第1層間絶縁層11aと同様な形成材料が採用される。本実施形態では、第3層間絶縁層12に酸化シリコンを用いる。第3層間絶縁層12の厚さは、特に限定されないが、例えば約400nmである。
第3層間絶縁層12には、コンタクトホールCNT4,CNT5が設けられている。コンタクトホールCNT4は、第2層間絶縁層11cおよび第3層間絶縁層12を貫通して、容量素子16の上部容量電極4と、第3層間絶縁層12の上方の容量線8とを電気的に接続する。
コンタクトホールCNT5は、第3層間絶縁層12を貫通して、中継層7と、第3層間絶縁層12の上層の中継層9とを電気的に接続する。
第4層上の第5層には、容量線8および中継層9が設けられている。容量線8は、平面視にて±Y方向に延在するデータ線6と重なる。容量線8は、図示を省略するが、上述した対向基板20の上下導通部106と電気的に接続される。そのため、容量線8は、対向電極21と電気的に接続されて共通電位が与えられる。これにより、容量線8によって、データ線6や走査線3の電位の影響が画素電極15に及ぶことが抑えられる。容量線8は、コンタクトホールCNT4を介して、容量素子16の上部容量電極16cおよび上部容量電極4とも電気的に接続される。
中継層9は、平面視にて独立した島状に設けられている。中継層9は、コンタクトホールCNT5を介して中継層7と電気的に接続される。
容量線8および中継層9には、データ線6と同様な、導電性を有する低抵抗配線材料が採用される。本実施形態では、容量線8および中継層9は、チタン(Ti)層/窒化チタン(TiN)層/アルミニウム(Al)層/窒化チタン(TiN)層の4層構造である。容量線8および中継層9の厚さは、特に限定されないが、例えば約250nmである。
容量線8および中継層9を被覆して第4層間絶縁層13が設けられている。第4層間絶縁層13の形成材料としては、例えば、第1層間絶縁層11aと同様なシリコン系酸化膜が挙げられる。本実施形態では、第4層間絶縁層13に酸化シリコンを用いる。第4層間絶縁層13の厚さは、特に限定されないが、例えば約300nmである。
第4層間絶縁層13には、コンタクトホールCNT6が設けられている。コンタクトホールCNT6は、中継層9と、第4層間絶縁層13の上層の画素電極15とを電気的に接続する。コンタクトホールCNT6は、平面視にて一対のコンタクトホールCNT1のうちの+Y方向の一方と重なっている。
第5層上の第6層には、画素電極15が設けられている。画素電極15は、コンタクトホールCNT6、中継層9、コンタクトホールCNT5、中継層7、およびコンタクトホールCNT3を介して、容量素子16の下部容量電極を兼ねる、一方のソースドレイン領域s5と電気的に接続される。画素電極15は、例えばITOやIZOなどの透明導電膜を成膜した後、パターニングすることによって設けられる。本実施形態では、画素電極15にITOを用いる。画素電極15の厚さは、特に限定されないが、例えば約145nmである。
図示を省略するが、画素電極15を被覆して配向膜18が設けられている。素子基板10の配向膜18、および上述した対向基板20の配向膜22は、酸化シリコンなどの無機材料を、斜方向などの所定の方向から蒸着して柱状に成長させたカラムの集合体から成る。また、図2に示した液晶層50に含まれる液晶分子は、配向膜18,22に対して負の誘電異方性を有している。
1.3.液晶装置の製造方法
本実施形態に係る半導体装置としての液晶装置100の製造方法について、図7から図36を参照して説明する。図7は、液晶装置の製造方法のうち、素子基板の製造方法を示す工程フロー図である。図8は、素子基板の製造方法のうち、トレンチの製造方法を示す工程フロー図である。図9から図12は、トレンチの製造方法を示す模式断面図である。図13、図15、図16、図18、図20、図21、図22、図23、図25、図27、図29、図31、図33、および図34は、素子基板の製造方法を示す模式断面図である。図14、図17、図19、図24、図26、図28、図30、図32、図35、および図36は、素子基板の製造方法を示す概略平面図である。なお、以下の説明においては図5も参照することとする。
本実施形態に係る半導体装置としての液晶装置100の製造方法について、図7から図36を参照して説明する。図7は、液晶装置の製造方法のうち、素子基板の製造方法を示す工程フロー図である。図8は、素子基板の製造方法のうち、トレンチの製造方法を示す工程フロー図である。図9から図12は、トレンチの製造方法を示す模式断面図である。図13、図15、図16、図18、図20、図21、図22、図23、図25、図27、図29、図31、図33、および図34は、素子基板の製造方法を示す模式断面図である。図14、図17、図19、図24、図26、図28、図30、図32、図35、および図36は、素子基板の製造方法を示す概略平面図である。なお、以下の説明においては図5も参照することとする。
ここで、図9から図12以外の上記模式断面図では、図5と同様にして、図4に示した線分A1−A2、線分C1−C2、および線分B1−B2に対応する3つの断面を並べて示している。図9から図12の上記模式断面図では、上記の線分C1−C2に対応する断面を示している。また、上記の概略平面図では、図4に示した1個の開口領域OPの周辺を拡大して示している。以降、特に断りがない限り、概略平面図の説明においては平面視した状態を述べることとする。
本実施形態の液晶装置100の製造方法は、以下に述べる素子基板10の製造方法を含み、素子基板10の製造方法に備わる工程以外では公知の技術が採用可能である。そのため、以下の説明では、素子基板10の製造方法についてのみ述べることとする。また、素子基板10の製造方法においても、特に断りがない限り公知の技術が採用可能である。
図7に示すように、本実施形態の素子基板10の製造方法は、工程S1から工程S12を備えている。また、工程S1は、図8に示したトレンチTR1,TR2の製造方法である工程S101から工程S104を含んでいる。以下、工程S1から工程S12の各工程について説明する。なお、図7および図8に示した工程フローは一例であって、これに限定されるものではない。
工程S1では、基板10s上に走査線3およびトレンチTR1,TR2を形成する。まず、基板10s上に走査線3を設ける。走査線3は、±X方向に延在する部位と、上記部位から±Y方向に突出する部位とを有する。±Y方向に突出する部位には、一対のコンタクトホールCNT1が設けられる。走査線3の形成には、例えば、フォトリソグラフィー法によるパターニングを用いる。
次いで、基板10sにトレンチTR1,TR2を設ける。トレンチTR1,TR2の製造方法は、図8に示した工程S101から工程S104を備えている。
工程S101では、図9に示すように、絶縁部材である基板10s上にハードマスクHM1を形成する。ハードマスクHM1の形成方法としては、公知の方法が採用可能である。例えば、ハードマスク層を設けた後に、パターニングによってハードマスクHM1を設ける。そして工程S102へ進む。
工程S102では、図10に示すように、レジスト層の形成とパターニングとによって、レジストマスクRE1を形成する。具体的には、ハードマスクHM1の±X方向の両側に、ハードマスクHM1に対して±X方向に離間して、一対のレジストマスクRE1を設ける。レジストマスクRE1の形成には、公知の方法が採用可能である。例えば、ポジ型の感光性レジストを用いて、スピンコート法、ロールコート法などでレジスト層を設ける。次いで、所望のレジストマスクRE1の配置および形状に対応したフォトマスクを介して、レジスト層を露光して現像する。レジスト層を露光して現像することで、レジスト層のうち、フォトマスクによって遮光された領域以外の領域が露光されて除去される。そして工程S103へ進む。
工程S103では、図11に示すように、ハードマスクHM1および一対のレジストマスクRE1を介して基板10sにエッチングを施し、溝であるトレンチTR1,TR2を形成する。エッチングには乾式エッチングを用いる。このとき、一対のレジストマスクRE1とハードマスクHM1とがエッチマスクとして機能する。これにより、ハードマスクHM1の±X方向の両側にトレンチTR1,TR2が設けられる。
一対のレジストマスクRE1は、ハードマスクHM1を±X方向に挟んで対向配置されている。一対のレジストマスクRE1が±X方向に離間する距離は、レジスト層における現像時の露光解像度によって制約される。したがって、一対のレジストマスクRE1の間にハードマスクHM1を配置せずにトレンチを設ける場合には、該トレンチの±X方向の幅は露光解像度によって下限値が決まる。これに対して、本実施形態では、一対のレジストマスクRE1の間にハードマスクHM1を配置するため、上記下限値よりも小さい幅のトレンチTR1,TR2を設けることができる。そして工程S104へ進む。
工程S104では、図12に示すようにレジストマスクRE1を除去する。レジストマスクRE1の除去には、乾式または湿式の公知のレジスト剥離方法が採用可能である。
以上により、図13および図14に示すように、基板10sに走査線3およびトレンチTR1,TR2が設けられる。なお、走査線3およびトレンチTR1,TR2を形成する順番は上記に限定されず、トレンチTR1,TR2を形成した後に走査線3を形成してもよい。そして、図7に示した工程S2へ進む。
工程S2では、図15に示すように、走査線3、ハードマスクHM1、およびトレンチTR1,TR2の内部を含む基板10s上に、第1層間絶縁層11aをベタ状に設ける。第1層間絶縁層11aの形成には、例えば、モノシラン(SiH4)、2塩化シラン(SiH2Cl2)、オルト珪酸テトラエチエル(TEOS)、アンモニア(NH3)などの処理ガスを用いた、常圧CVD(Chemical Vapor Deposition)法、減圧CVD法、あるいはプラズマCVD法などを用いる。
このとき、トレンチTR1,TR2内も第1層間絶縁層11aによって被覆されて、トレンチTR1,TR2の±X方向の幅が狭まるよう形成条件を調節する。これにより、トレンチTR1,TR2内に設けられる容量素子16などによってトレンチTR1,TR2が埋め込まれる。そのため、上層に設けられるデータ線6などがトレンチTR1,TR2に由来する凹みに落ち込むことがなくなり、データ線6などの断線を防止することができる。なお、トレンチTR1,TR2の±X方向の幅が十分に小さい場合には、トレンチTR1,TR2内への第1層間絶縁層11aの被覆は省略してもよい。そして工程S3へ進む。
工程S3では、トレンチTR1,TR2内を含む第1層間絶縁層11a上にポリシリコン層を設ける。ポリシリコン層は、非晶質のポリシリコン膜であり、形成には減圧CVD法などを用いる。次いで、図16に示すように、ポリシリコン層をパターニングして半導体層30Sを設ける。
図17に示すように、半導体層30Sは、±X方向から±Y方向に屈曲して設けられる。図示を省略するが、半導体層30Sは、非開口領域CLと重ねられて配置される。そして工程S4へ進む。
工程S4では、図18に示すように、半導体層30Sおよび第1層間絶縁層11a上に、ゲート絶縁層11bをベタ状に設ける。ゲート絶縁層11bとして、例えば、2種類の酸化シリコンからなる2重構造を採用する場合には、ポリシリコン膜を熱酸化して得られる第1酸化シリコン膜を設けた後、減圧CVD法を用いて700℃から900℃の高温条件下で第2酸化シリコン膜を設ける。このとき、トレンチTR1,TR2内もゲート絶縁層11bで被覆される。そして工程S5に進む。
工程S5では、容量素子16の下部容量電極である一方のソースドレイン領域s5を形成する。まず、図19に示すように、トレンチTR1,TR2の内部および縁を除く領域にレジストREを設ける。レジストREが配置されない領域は、半導体層30Sの一方のソースドレイン領域s5のうち、容量素子16の下部容量電極として機能する部位に相当する。
次いで、半導体層30Sに対してイオン注入を行う。まず、レジストREが配置されていない領域である、トレンチTR1,TR2の内部および縁の半導体層30Sに導電性を付与する。このとき、イオンは、半導体層30Sに対して、ゲート絶縁層11bを介して注入される。これにより、トレンチTR1,TR2の内部および縁の半導体層30Sが、一方のソースドレイン領域s5となる。注入されるイオンは、例えば、燐(P)である。
次いで、図20に示すように、湿式エッチングによって、レジストREが配置されていないトレンチTR1,TR2の内部および縁のゲート絶縁層11bを除去する。その後、レジストREを全て除去する。そして工程S6に進む。
工程S6では、絶縁層16xを形成する。絶縁層16xは、後工程にて容量絶縁層16bとなる層である。図21に示すように、トレンチTR1,TR2の内部および縁における一方のソースドレイン領域s5上と、ゲート絶縁層11b上とに、ベタ状に絶縁層16xを設ける。具体的には、窒化シリコンを用いて、減圧CVD法やプラズマCVD法などによって絶縁層16xを設ける。そして工程S7へ進む。
工程S7では、第2導電層16yおよび第3導電層4xを形成する。第2導電層16yは、後工程にて第1ゲート電極g1および上部容量電極16cとなる層である。第3導電層4xは、後工程にて第2ゲート電極g2および上部容量電極4となる層である。
まず、絶縁層16x上に、第2導電層16yをベタ状に設ける。具体的には、減圧CVD法によって多結晶シリコン膜を設けた後、該多結晶シリコン膜に燐を注入してから拡散させて、導電性のポリシリコン膜とする。第2導電層16y中の燐原子の濃度は、1×1019個/cm3以上とする。このとき、第2導電層16yによってトレンチTR1,TR2内が埋め込まれるようにする。
次いで、図22に示すように、半導体層30Sを挟んで±Y方向に対向する一対のコンタクトホールCNT1を設ける。一対のコンタクトホールCNT1は、第2導電層16y、絶縁層16x、ゲート絶縁層11b、および第1層間絶縁層11aを貫通して、走査線3まで到達する。一対のコンタクトホールCNT1の形成には、例えば、乾式エッチングを用いる。
次いで、図23および図24に示すように、第2導電層16y上に第3導電層4xをベタ状に設ける。このとき、第3導電層4xと共に、一対のコンタクトホールCNT1を埋めるように設けて、走査線3と第3導電層4xとを電気的に接続する。そして工程S8へ進む。
工程S8では、図25に示すように、ゲート電極30Gおよび容量素子16などを形成する。具体的には、乾式エッチングを用いて、絶縁層16x、第2導電層16y、および第3導電層4xをパターニングする。
これにより、ゲート絶縁層11b上に、容量絶縁層16bを介して、第1ゲート電極g1および第2ゲート電極g2から成るゲート電極30Gが設けられる。このとき、平面視にて、ゲート電極30Gおよび上部容量電極4以外の領域では、窒化シリコンの絶縁層16xを除去する。これにより、半導体層30Sにおける水素化が容易となる。すなわち、半導体層30S上において、半導体層30Sのゲート電極30Gおよびゲート電極30G下方の容量絶縁層16bと重ならない領域では、窒化シリコンが設けられていないことになる。
上記パターニングによって、トレンチTR1,TR2内を含む領域に、第1容量電極としての一方のソースドレイン領域s5の一部、容量絶縁層16b、第2容量電極としての上部容量電極16cおよび上部容量電極4から成る容量素子16も設けられる。
図26に示すように、ゲート電極30Gは、平面視にて島状に配置され、一対のコンタクトホールCNT1と重なる部位と、図示しない半導体層30Sと重なる部位を有している。
上部容量電極4は、±Y方向に延在する非開口領域CLと重なるように、±Y方向に延在して設けられる。上部容量電極4は、上方に設けられるデータ線6と重なる、±Y方向に延在する本体部4aと、本体部4aから−X方向に突出する突出部4bとを有している。突出部4bは、半導体層30Sのうち±X方向に延在する部位と重なる。容量絶縁層16bおよび上部容量電極16cは、上部容量電極4と重なるように配置される。そして工程S9へ進む。
工程S9では、図27に示すように、イオン注入によって半導体層30Sに、他方のソースドレイン領域s1、LDD領域s2,s4、チャネル領域s3、および一部の一方のソースドレイン領域s5を設ける。具体的には、半導体層30Sに対して、中濃度のイオン注入、およびそれに続く高濃度のイオン注入を実施する。
まず、中濃度のイオン注入によって、チャネル領域s3を±X方向に挟むLDD領域s2,s4を設ける。次いで、図28に示すレジストREのパターンにて、半導体層30SのLDD領域s2,s4およびチャネル領域s3をマスクして、それ以外の半導体層30Sに高濃度のイオン注入を施す。これによって、ソースドレイン領域s1,s5が設けられる。これにより、容量素子16の下部容量電極は、半導体層30Sの一方のソースドレイン領域s5を延在して設けられる。また、半導体層30Sは走査線3と重なるように設けられる。そして工程S10へ進む。
工程S10では、第2層間絶縁層11cなどを形成する。まず、第2ゲート電極g2、上部容量電極4、および上方に露出したゲート絶縁層11b上に、第2層間絶縁層11cを設ける。第2層間絶縁層11cである酸化シリコンの形成方法としては、例えば、モノシラン、2塩化シラン、TEOS、TEB(Triethyl Borate)などを用いた、常圧CVD法、減圧CVD法、あるいはプラズマCVD法などが挙げられる。
次いで、約1000℃の加熱によって、不純物活性化アニールを施す。その後、水素プラズマ処理を実施する。これにより、半導体層30Sの欠陥が水素で終端されスイッチング素子の特性が向上する。
次いで、図29および図30に示すように、乾式エッチングによりコンタクトホールCNT2,CNT3を設ける。コンタクトホールCNT2,CNT3は、ゲート絶縁層11bおよび第2層間絶縁層11cを貫通して、半導体層30Sまで到達する。平面視にて、コンタクトホールCNT2は他方のソースドレイン領域s1と重なり、コンタクトホールCNT3はLDD領域s4と隣り合う一方のソースドレイン領域s5の部位と重なる。そして工程S11へ進む。
工程S11では、データ線6、中継層7を形成する。このとき、図31に示すように、データ線6および中継層7によって、コンタクトホールCNT2,CNT3を埋めるようにして設ける。
図32に示すように、データ線6は、±Y方向に延在して設けられ、図示しない一方のソースドレイン領域s5のうち±Y方向に延在する部位と重なる。すなわち、データ線6は、トレンチTR1,TR2および容量素子16と平面視で重なるように、±Y方向に延在して設けられる。データ線6は、±X方向に延在する非開口領域CLと重なる、+X方向に突出した部位を有している。該部位にはコンタクトホールCNT2が設けられる。
中継層7は、データ線6とは独立した島状に設けられ、コンタクトホールCNT3を介して半導体層30Sの一方のソースドレイン領域s5と電気的に接続される。中継層7は、±X方向に延在し、下方の半導体層30Sの一部と重なる本体部7aと、本体部7aから±Y方向に突出する突出部7bと、を有している。
データ線6と半導体層30Sの他方のソースドレイン領域s1とは、コンタクトホールCNT2を介して電気的に接続される。中継層7と半導体層30Sの一方のソースドレイン領域s5とは、コンタクトホールCNT3を介して電気的に接続される。そして工程S12へ進む。
工程S12では、データ線6より上層を形成する。まず、データ線6、中継層7、および上方に露出した第2層間絶縁層11c上に、第3層間絶縁層12をベタ状に設ける。第3層間絶縁層12は、例えば、酸化シリコン膜を用い、プラズマCVD法によって設けられる。
次いで、図33に示すように、乾式エッチングによってコンタクトホールCNT4,CNT5を設ける。コンタクトホールCNT4は、第3層間絶縁層12および第2層間絶縁層11cを貫通して、容量素子16の上部容量電極4まで到達する。コンタクトホールCNT5は、第3層間絶縁層12を貫通して、中継層7まで到達する。
次いで、容量線8、中継層9を形成する。このとき、図34に示すように、容量線8および中継層9によって、コンタクトホールCNT4,CNT5を埋めるようにして設ける。
容量線8は、コンタクトホールCNT4を介して、上部容量電極4と電気的に接続される。中継層9は、コンタクトホールCNT5、中継層7、およびコンタクトホールCNT3を介して、半導体層30Sの一方のソースドレイン領域s5と電気的に接続される。
図35に示すように、容量線8は、±Y方向に延在する非開口領域CLと重なるように、±Y方向に延在して設けられる。容量線8は、下方に設けられるデータ線6と重なる、±Y方向に延在する本体部8aと、本体部8aから−X方向に突出する突出部8bと、本体部8aから突出部8bと反対側の+X方向に突出する他の突出部8cと、を有している。突出部8bは、半導体層30Sのうち±X方向に延在する部位と重なる。突出部8bには、コンタクトホールCNT4が設けられる。他の突出部8cは、半導体層30Sと+X方向に隣り合う、図示しない他の半導体層30Sと重なる。
中継層9は、容量線8とは独立した島状に設けられ、コンタクトホールCNT5と重なっている。中継層9は、±X方向に延在し、下方の半導体層30Sの一部と重なる本体部9aと、本体部9aから±Y方向に突出する突出部9bと、を有している。
次いで、容量線8、中継層9、および上方に露出した第3層間絶縁層12上に、第4層間絶縁層13をベタ状に設ける。第4層間絶縁層13は、例えば、酸化シリコン膜を用い、プラズマCVD法によって設けられる。第3層間絶縁層12を設けた後、下層の構成に起因する凹凸を緩和するために、CMP(Chemical&Mechanical Polishing)処理などの平坦化処理を施す。
次いで、乾式エッチングによって、第4層間絶縁層13を貫通して中継層9を露出させるコンタクトホールCNT6を設ける。その後、図36に示すように、第4層間絶縁層13上に開口領域OPと対応する画素電極15を設ける。このとき、コンタクトホールCNT6を埋めるように設ける。コンタクトホールCNT6は、中継層9の+Y方向の突出部9bに電気的に接続される。これにより、画素電極15は、コンタクトホールCNT6、中継層9、コンタクトホールCNT5、中継層7、およびコンタクトホールCNT3を介して、半導体層30Sの一方のソースドレイン領域s5と電気的に接続される。
素子基板10の製造方法のうち、以降の工程には公知の技術が採用可能であり、説明を省略する。以上に述べた製造方法により、素子基板10および液晶装置100が製造される。
上述した容量素子16の形成方法は、液晶装置100などの電気光学装置における容量素子の他、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などにも適用が可能である。
本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
液晶装置100の保持容量を増大させることができる。詳しくは、レジストマスクのみを介してトレンチを形成する場合に、該トレンチの幅は、レジストマスクの露光解像度によって下限値が制限される。これに対して、一対のレジストマスクRE1とハードマスクHM1とを介してトレンチTR1,TR2を形成する。そのため、レジストマスクRE1とハードマスクHM1とが±X方向において離間する距離を、上記下限値より小さくすることが可能となる。すなわち、トレンチTR1,TR2の±X方向の幅が上記下限値よりも小さくなり、従来よりも微細な幅のトレンチTR1,TR2が形成される。これによって、トレンチTR1,TR2内に、容量素子16を形成することができる。すなわち、液晶装置100の保持容量を増大させる製造方法を提供することができる。
トレンチTR1,TR2は、平面的に非開口領域CLに配置される。トレンチTR1,TR2は、幅が小さく保持容量が大きいため、非開口領域CLが開口領域OPを侵食しにくい。これにより、保持容量を確保した上で、液晶装置100における開口率を従来よりも向上させることができる。
ハードマスクHM1に対して、−X方向にトレンチTR1が、+X方向側にトレンチTR2が、それぞれ形成される。すなわち、レジストマスクRE1の露光解像度に制限される±X方向の幅において、2つのトレンチTR1,TR2を形成することが可能となる。そのため、容量素子16の面積が拡大されて、保持容量をさらに増大させることができる。
半導体層30Sの一方のソースドレイン領域s5を、容量素子16の下部容量電極である第1容量電極と一体に形成することが可能となる。そのため、液晶装置100の製造工程を簡略化することができる。
平面的に、容量素子16はデータ線6と重ねて配置され、半導体層30Sは走査線3およびデータ線6と重ねられて配置される。そのため、液晶装置100の微細化に容易に対応することができる。
2.第2実施形態
本実施形態では、第1実施形態と同様に、半導体装置として画素ごとにトランジスターとしてのTFTを備えたアクティブ駆動型の液晶装置を例示する。本実施形態に係る液晶装置は、第1実施形態の液晶装置100に対して、素子基板の構成を異ならせたものである。そのため、第1実施形態と同一の構成部位については、同一の符号を使用し、重複する説明は省略する。
本実施形態では、第1実施形態と同様に、半導体装置として画素ごとにトランジスターとしてのTFTを備えたアクティブ駆動型の液晶装置を例示する。本実施形態に係る液晶装置は、第1実施形態の液晶装置100に対して、素子基板の構成を異ならせたものである。そのため、第1実施形態と同一の構成部位については、同一の符号を使用し、重複する説明は省略する。
2.1.素子基板の構成
本実施形態の液晶装置に備わる素子基板210の構造について、図37を参照して説明する。図37は、第2実施形態に係る液晶装置における素子基板の構造を示す模式断面図である。なお、第2実施形態に係る液晶装置は、第1実施形態の液晶装置100と同様な画素の配置を有している。そのため、図37では、液晶装置100の素子基板10における図5に相当する3つの断面を図示する。
本実施形態の液晶装置に備わる素子基板210の構造について、図37を参照して説明する。図37は、第2実施形態に係る液晶装置における素子基板の構造を示す模式断面図である。なお、第2実施形態に係る液晶装置は、第1実施形態の液晶装置100と同様な画素の配置を有している。そのため、図37では、液晶装置100の素子基板10における図5に相当する3つの断面を図示する。
図37に示すように、本実施形態の液晶装置における素子基板210は、3つのトレンチTR21,22,23、および一対の遮光壁77を備えている。トレンチTR21,TR22,TR23は、第1実施形態のトレンチTR1,TR2と同様に、±X方向に隣り合う画素Pの間の非開口領域CLに配置されている。一対の遮光壁77は、半導体層30Sを挟んで±Y方向に対向している。一対の遮光壁77は、コンタクトホールCNT7に設けられている。本実施形態の素子基板210は、第1実施形態の素子基板10に対してこれらの点と、トレンチTR21,TR22,TR23、および一対の遮光壁77の製造方法が異なっている。
トレンチTR21,TR22,TR23は、平面視にて±X方向に隣り合う画素Pの間にあって、上述した非開口領域CLに収まるように設けられている。詳しくは、トレンチTR21,TR22,TR23は、平面視にて長辺が±Y方向に沿う略長方形状の溝であり、±X方向にそれぞれが対向して配置されている。トレンチTR21,TR22,TR23は、±Y方向の両端部が溝として互いに連結されて一体に設けられている。
トレンチTR21,TR22,TR23は、XY平面に沿う底面と±Z方向に沿う側面とを含み、上方が開かれている。トレンチTR21,TR22,TR23の±Y方向の両端部は、互いに連結されていることに限定されず、それぞれ独立して設けられていてもよい。
トレンチTR21,TR22,TR23内には、第1層間絶縁層11a、一方のソースドレイン領域s5、および容量絶縁層16bに加えて、上部容量電極16cが配置されている。これらの各層と上部容量電極4とによって容量素子216が形成されている。容量素子216は、保持容量を増大させて、画素電極15における電位保持特性を向上させる。
トレンチTR21とトレンチTR22との間、およびトレンチTR22とトレンチTR23との間の基板10s上には、ハードマスクHM2が設けられている。ハードマスクHM2は、トレンチTR21,TR22,TR23の形成に用いたエッチマスクである。ハードマスクHM2の形成材料には、第1実施形態のハードマスクHM1と同様な形成材料が採用可能である。
コンタクトホールCNT7内に設けられた一対の遮光壁77は、第1層間絶縁層11a、ゲート絶縁層11b、および第2層間絶縁層11cを貫通して、走査線3と電気的に接続される。第4層の中継層207は、コンタクトホールCNT7を介して、第2層間絶縁層11cを貫通して、第2ゲート電極g2と電気的に接続される。中継層207は、データ線6と同一材料を含む。つまり、中継層207には、データ線6と同様に、上述した金属やその金属化合物を用いる。
これにより、第2ゲート電極g2は、コンタクトホールCNT7を介して、走査線3と電気的に接続される。すなわち、TFT30のゲート電極30Gと走査線3とは、コンタクトホールCNT7を介して電気的に接続される。
半導体層30Sの一方のソースドレイン領域s5は、コンタクトホールCNT3を介して、中継層217に電気的に接続される。中継層217には、データ線6および中継層207と同様な形成材料を用いる。中継層217は、第3層間絶縁層12を貫通するコンタクトホールCNT9を介して中継層209と電気的に接続される。
中継層209には、同じく第5層の容量線8と同様な形成材料が採用される。中継層209は、上方の第4層間絶縁層13を貫通するコンタクトホールCNT6を介して、画素電極15と電気的に接続される。
上述した構成以外の素子基板210の構成は、第1実施形態の素子基板10の構成と同様である。
2.2.液晶装置の製造方法
次に、本実施形態の液晶装置の製造方法について説明する。本実施形態の液晶装置の製造方法は、素子基板210の製造方法を含み、素子基板210の製造方法に備わる工程以外では公知の技術が採用可能である。また、素子基板210の製造方法は、第1実施形態の素子基板10の製造方法と重複する工程を含む。そのため、以下の説明では、素子基板210の製造方法における特有の工程についてのみ述べることとする。なお、以下の製造方法においては、特に断りがない限り公知の技術が採用可能である。
次に、本実施形態の液晶装置の製造方法について説明する。本実施形態の液晶装置の製造方法は、素子基板210の製造方法を含み、素子基板210の製造方法に備わる工程以外では公知の技術が採用可能である。また、素子基板210の製造方法は、第1実施形態の素子基板10の製造方法と重複する工程を含む。そのため、以下の説明では、素子基板210の製造方法における特有の工程についてのみ述べることとする。なお、以下の製造方法においては、特に断りがない限り公知の技術が採用可能である。
本実施形態の素子基板210の製造方法について、図38から図55を参照して説明する。図38は、素子基板の製造方法のうち、トレンチの製造方法を示す工程フロー図である。図39から図44は、トレンチの製造方法を示す模式断面図である。図45、図46、図48、図49、図51、図53、および図54は、素子基板の製造方法を示す模式断面図である。図47、図50、図52、および図55は、素子基板の製造方法を示す概略平面図である。なお、素子基板210の製造方法は、第1実施形態の素子基板10と類似の工程を有しているため、以下の説明では、図37に加えて図7も参照することとする。
ここで、図39から図44以外の上記模式断面図では、図37と同様にして、図4に示した線分A1−A2、線分C1−C2、および線分B1−B2に対応する3つの断面を並べて示している。図39から図44の上記模式断面図では、上記の線分C1−C2に対応する断面を示している。また、上記の概略平面図では、図4に示した1個の開口領域OPの周辺を拡大して示している。以降、特に断りがない限り、概略平面図の説明においては平面視した状態を述べることとする。
本実施形態の素子基板210の製造方法は、図7の工程フローのうち、工程S1におけるトレンチの製造方法が異なる。詳しくは、図38に示すように、素子基板210の製造方法は、トレンチTR21,TR22,TR23の製造方法である工程S201から工程S205を含んでいる。なお、図38に示した工程フローは一例であって、これに限定されるものではない。
工程S201では、走査線3を形成した後、基板10s上にトレンチTR21,TR22,TR23を形成する。まず、図39に示すように、絶縁部材である基板10sに凹部250を設ける。すなわち、ハードマスクを形成する工程S202の前に、凹部250を設ける。
凹部250の形成には乾式エッチングを用いる。凹部250は、底面255と、±X方向に対向する側面251,253とを含んでいる。そして工程S202へ進む。
工程S202では、まず図40に示すように、凹部250を含む基板10s上に無機膜としてのハードマスク層HM2xを成膜する。このとき、凹部250の側面251,253を含む凹部250内にも、ハードマスク層HM2xを設ける。
次いで、図41に示すように、一対のハードマスクHM2を設ける。詳しくは、ハードマスク層HM2xが形成された領域を全面エッチバックして、凹部250の側面251,253に沿う領域以外のハードマスク層HM2xを除去する。これによって、側面251,253に沿うハードマスク層HM2xが、側面251,253に沿う一対のハードマスクHM2として設けられる。そして工程S203へ進む。
工程S203では、図42に示すように、レジスト層を設けてパターニングすることによって、レジストマスクRE2を形成する。具体的には、凹部250に対する±X方向の両側に、凹部250に対して±X方向に離間して、一対のレジストマスクRE2を設ける。レジストマスクRE2には、第1実施形態のレジストマスクRE1と同様な、形成方法および形成材料が採用可能である。そして工程S204へ進む。
工程S204では、図43に示すように、一対のハードマスクHM2および一対のレジストマスクRE2を介して基板10sをエッチングし、溝であるトレンチTR21,TR22,TR23を形成する。エッチングには乾式エッチングを用いる。このとき、一対のレジストマスクRE2と一対のハードマスクHM2がエッチマスクとして機能する。これにより、凹部250の±X方向の両側にトレンチTR21,TR23が、一対のハードマスクHM2の間にトレンチTR22が設けられる。
一対のレジストマスクRE2は、凹部250を±X方向に挟んで対向配置されている。一対のレジストマスクRE2が±X方向に離間する距離は、レジスト層における現像時の露光解像度によって制約される。したがって、一対のレジストマスクRE2の間にハードマスクHM2を配置せずにトレンチを設ける場合には、該トレンチの±X方向の幅は露光解像度によって下限値が決まる。これに対して、本実施形態では、一対のレジストマスクRE2の間に凹部250を配置する。そのため、凹部250とレジストマスクRE2との間と、一対のハードマスクHM2の間とに、3つのトレンチTR21,TR22,TR23を設けることができる。そして工程S205へ進む。
工程S205では、図44に示すようにレジストマスクRE2を除去する。レジストマスクRE2の除去には、第1実施形態と同様な方法を用いる。
以上により、基板10sに走査線3およびトレンチTR21,TR22,TR23が設けられる。なお、走査線3およびトレンチTR21,TR22,TR23を形成する順番は上記に限定されず、トレンチTR21,TR22,TR23を形成した後に走査線3を形成してもよい。
本実施形態の素子基板210の製造では、上記以外の、第1実施形態の工程S2から工程S6までに対応する工程を第1実施形態と同様に行う。
次に、図45に示すように、絶縁層16x上に第2導電層16yおよび第3導電層4xをベタ状に設ける。なお、素子基板210では、第2ゲート電極g2となる第3導電層4xと走査線3とを、第3導電層4xと同一材料のコンタクトホールでは電気的に接続しない。
次に、図46に示すように、ゲート電極30Gおよび容量素子216などを設ける。当工程は、第1実施形態の工程S8に相当する。具体的には、乾式エッチングを用いて、絶縁層16x、第2導電層16y、および第3導電層4xをパターニングする。
図47に示すように、ゲート電極30Gは、上部容量電極4などとは独立して島状に設けられる。上部容量電極4は、±Y方向に延在して設けられる。なお、図示を省略するが、第2ゲート電極g2下方の、第1ゲート電極g1および容量絶縁層16bは、ゲート電極30Gと重ねられて配置されている。また、上部容量電極16cは、上部容量電極4と重ねられて配置されている。
このとき、第1実施形態と同様にして、ゲート電極30Gおよび上部容量電極4以外の領域では、窒化シリコンの絶縁層16xを除去する。すなわち、半導体層30S上において、半導体層30Sのゲート電極30Gおよびゲート電極30G下方の容量絶縁層16bと重ならない領域では、窒化シリコンが設けられていないことになる。
次に、図48に示すように、第1実施形態と同様にして、半導体層30Sに他方のソースドレイン領域s1、LDD領域s2,s4、チャネル領域s3、および一部の一方のソースドレイン領域s5を設ける。当工程は、第1実施形態の工程S9に相当する。
次に、第2ゲート電極g2、上部容量電極4、および上方に露出したゲート絶縁層11b上に、第2層間絶縁層11cを設ける。次いで、約1000℃の不純物活性化アニールを施した後、水素プラズマ処理を実施する。当工程は、第1実施形態の工程S10に相当する。
次いで、図49に示すように、乾式エッチングにより一対のコンタクトホールCNT70を含むコンタクトホールCNT7を設ける。コンタクトホールCNT70は、一対の遮光壁77を設けるための貫通孔である。一対のコンタクトホールCNT70は、第1層間絶縁層11a、ゲート絶縁層11b、および第2層間絶縁層11cを貫通して、走査線3まで到達する。一対のコンタクトホールCNT70は、半導体層30Sの一部を挟んで±Y方向に対向して配置される。コンタクトホールCNT7のうち一対のコンタクトホールCNT70以外の部位は、第2層間絶縁層11cを貫通して第2ゲート電極g2まで到達する。
図50に示すように、コンタクトホールCNT7は、半導体層30Sを挟んで±Y方向に対向する一対のコンタクトホールCNT70を含む。コンタクトホールCNT7は、一対のコンタクトホールCNT70以外の部位が、半導体層30Sと交差して±Y方向に沿って配置されている。
次に、データ線6、中継層207、中継層217を設ける。当工程は、第1実施形態の工程S11に相当する。具体的には、図51に示すように、データ線6、中継層207、および中継層217を設ける際に、コンタクトホールCNT2,CNT3、および一対のコンタクトホールCNT70を含むコンタクトホールCNT7を埋めるようにして設ける。コンタクトホールCNT7のコンタクトホールCNT70には、一対の遮光壁77が設けられる。
図52に示すように、データ線6は、±Y方向に延在して設けられ、図示しない一方のソースドレイン領域s5のうち±Y方向に延在する部位と重なる。すなわち、データ線6は、トレンチTR21,TR22,TR23および容量素子216と重なるように、±Y方向に延在して設けられる。データ線6には、±X方向に延在する非開口領域CLと重なる、+X方向に突出した部位を有している。該部位にはコンタクトホールCNT2が設けられる。
中継層207は、データ線6と独立した島状に設けられ、コンタクトホールCNT7を介して走査線3および第2ゲート電極g2と電気的に接続される。中継層207は、±X方向に延在し、図示しない下方の半導体層30Sの一部と重なる本体部と、本体部から±Y方向に突出する突出部と、を有している。
中継層217は、データ線6および中継層207と独立した島状に設けられる。コンタクトホールCNT3を介して、中継層217と半導体層30Sの他方のソースドレイン領域s5とが電気的に接続される。
次に、第1実施形態と同様にして、データ線6より上層を設ける。当工程は、第1実施形態の工程S12に相当する。まず、データ線6、中継層217、中継層207、および上方に露出した第2層間絶縁層11c上に、第3層間絶縁層12をベタ状に設ける。
次いで、図53に示すように、乾式エッチングによってコンタクトホールCNT4,CNT9を設ける。コンタクトホールCNT4は、第3層間絶縁層12および第2層間絶縁層11cを貫通して、容量素子216の上部容量電極4まで到達する。コンタクトホールCNT9は、第3層間絶縁層12を貫通して、中継層217まで到達する。
次いで、容量線8、中継層209を設ける。具体的には、図54に示すように、容量線8および中継層209を設ける際に、コンタクトホールCNT4,CNT9を埋めるようにして設ける。
中継層209は、容量線8とは独立した島状に設けられ、コンタクトホールCNT9を介して中継層217と電気的に接続される。中継層209は、±X方向に延在し、下方の半導体層30Sの一部と重なる本体部209aと、本体部9aから±Y方向に突出する突出部209bと、を有している。
中継層209は、コンタクトホールCNT9、中継層217、およびコンタクトホールCNT3を介して、半導体層30Sの一方のソースドレイン領域s5と電気的に接続される。
次いで、容量線8、中継層209、および上方に露出した第3層間絶縁層12上に、第4層間絶縁層13をベタ状に設ける。その後、第4層間絶縁層13にCMP処理などの平坦化処理を施す。
次いで、乾式エッチングによって、第4層間絶縁層13を貫通して中継層209を露出させる貫通孔を設ける。その後、図47に示すように、第4層間絶縁層13上に開口領域OPと対応する画素電極15を設ける。このとき、上記貫通孔を埋めるようにコンタクトホールCNT6も設ける。画素電極15は、コンタクトホールCNT6、中継層209、コンタクトホールCNT9、中継層217、およびコンタクトホールCNT3を介して、半導体層30Sの一方のソースドレイン領域s5と電気的に接続される。
素子基板210の製造方法のうち、以降の工程には公知の技術が採用可能であり、説明を省略する。以上に述べた製造方法により、素子基板210および素子基板210を備えた液晶装置が製造される。
本実施形態によれば、第1実施形態の効果に加えて以下の効果を得ることができる。
エッチバックによって、凹部250の側面251,253に一対のハードマスクHM2が設けられる。そのため、ハードマスクHM2とレジストマスクRE2との間、換言すれば、凹部250の両側にトレンチTR21,TR23が設けられる。これに加えて、凹部250の側面251,253の間、すなわち凹部250内にトレンチTR22が設けられる。そのため、一対のレジストマスクRE2の間に3つのトレンチTR21,TR22,TR23が設けられる。これにより、保持容量をさらに増大させることができる。
第1実施形態の素子基板10では、一対の貫通孔H1と、貫通孔H2,H3とを別工程で設けていたのに対し、一対の貫通孔H1に相当する一対の貫通孔H70と、貫通孔H2,H3などを一工程で設けている。そのため、貫通孔を設けるエッチング工程を削減することが可能となり、製造工程をさらに簡略化することができる。
一対の遮光壁77によってTFT30に入射する光が低減され、TFT30に対する遮光性をさらに向上させることができる。また、一対の遮光壁77を介して、ゲート電極30Gに走査線3と同じ共通電位を付与することができる。
3.変形例
3.1.電子機器
上記実施形態の液晶装置が適用される電子機器について、投射型表示装置を例示する。図56は、変形例に係る電子機器としての投射型表示装置の構成を示す概略図である。
3.1.電子機器
上記実施形態の液晶装置が適用される電子機器について、投射型表示装置を例示する。図56は、変形例に係る電子機器としての投射型表示装置の構成を示す概略図である。
図56に示すように、本変形例の電子機器としての投射型表示装置1000は、光源としてのランプユニット1001、色分離光学系としてのダイクロイックミラー1011,1012、電気光学パネルである3個の液晶装置1B,1G,1R、3個の反射ミラー1111,1112,1113、3個のリレーレンズ1121,1122,1123、色合成光学系としてのダイクロイックプリズム1130、投射光学系としての投射レンズ1140を備えている。
ランプユニット1001では、例えば、放電型の光源を採用している。光源の方式はこれに限定されず、発光ダイオード、レーザーなどの固体光源を採用してもよい。
ランプユニット1001から射出された光は、2個のダイクロイックミラー1011,1012によって、各々異なる波長域の3色の色光に分離する。3色の色光とは、略赤色の光、略緑色の光、略青色の光である。以降の説明において、上記略赤色の光を赤色光Rともいい、上記略緑色の光を緑色光Gともいい、上記略青色の光を青色光Bともいう。
ダイクロイックミラー1011は、赤色光Rを透過させると共に、赤色光Rよりも波長が短い、緑色光Gおよび青色光Bを反射させる。ダイクロイックミラー1011を透過した赤色光Rは、反射ミラー1111で反射され、液晶装置1Rに入射する。ダイクロイックミラー1011で反射された緑色光Gは、ダイクロイックミラー1012によって反射された後、液晶装置1Gに入射する。ダイクロイックミラー1011で反射された青色光Bは、ダイクロイックミラー1012を透過して、リレーレンズ系1120へ射出される。
リレーレンズ系1120は、リレーレンズ1121,1122,1123、反射ミラー1112,1113を有している。青色光Bは、緑色光Gや赤色光Rと比べて光路が長いため、光束が大きくなりやすい。そのため、リレーレンズ1122を用いて光束の拡大を抑えている。リレーレンズ系1120に入射した青色光Bは、反射ミラー1112で反射されると共に、リレーレンズ1121によってリレーレンズ1122の近傍で収束される。そして、青色光Bは、反射ミラー1113およびリレーレンズ1123を経て、液晶装置1Bに入射する。
投射型表示装置1000における、光変調装置である液晶装置1R,1G,1Bには、第1実施形態の半導体装置としての液晶装置100が適用されている。そのため、液晶装置1R,1G,1Bにおいて、保持容量が増大して画素Pの電位保持能力を向上させることができる。なお、液晶装置1R,1G,1Bとして、第1実施形態以外の液晶装置を適用してもよい。
液晶装置1R,1G,1Bのそれぞれは、投射型表示装置1000の上位回路と電気的に接続される。これにより、赤色光R、緑色光G、青色光Bの階調レベルを指定する画像信号がそれぞれ外部回路から供給され、上位回路で処理される。これにより、液晶装置1R,1G,1Bが駆動されて、それぞれの色光が変調される。
液晶装置1R,1G,1Bによって変調された赤色光R、緑色光G、青色光Bは、ダイクロイックプリズム1130に3方向から入射する。ダイクロイックプリズム1130は、入射した赤色光R、緑色光G、青色光Bを合成する。ダイクロイックプリズム1130において、赤色光Rおよび青色光Bは90度に反射され、緑色光Gは透過する。そのため、赤色光R、緑色光G、青色光Bは、カラー画像を表示する表示光として合成され、投射レンズ1140に向かって射出される。
投射レンズ1140は、投射型表示装置1000の外側を向いて配置されている。表示光は、投射レンズ1140を介して拡大されて射出され、投射対象であるスクリーン1200に投射される。
本変形例では、電子機器として投射型表示装置1000を例示したが、これに限定されない。本発明の半導体装置の製造方法が適用される半導体装置は、例えば、投射型のHUD(Head-Up Display)、直視型のHMD(Head Mounted Display)、パーソナルコンピューター、デジタルカメラ、液晶テレビなどの電子機器に適用されてもよい。
以下に、実施形態から導き出される内容を記載する。
半導体装置の製造方法は、絶縁部材上にハードマスクを形成する工程と、ハードマスクと離間してレジストマスクを形成する工程と、ハードマスクおよびレジストマスクを介して、絶縁部材をエッチングして溝を形成する工程と、溝内に第1容量電極、容量絶縁層、および第2容量電極を形成する工程と、を備える。
この構成によれば、半導体装置の保持容量を増大させることができる。詳しくは、レジストマスクのみを介して溝を形成する場合に、該溝の幅は、レジストマスクの露光解像度によって下限値が制限される。これに対して、レジストマスクとハードマスクとを介して溝を形成するため、レジストマスクとハードマスクとが離間する距離を上記下限値より小さくすることが可能となる。すなわち、溝の幅が上記下限値よりも小さくなり、従来よりも微細な幅の溝が形成される。これによって、溝内に、第1容量電極、容量絶縁層、および第2容量電極から成る容量素子を形成することができる。すなわち、半導体装置の保持容量を増大させる製造方法を提供することができる。
上記の半導体装置の製造方法は、レジストマスクを形成する工程において、ハードマスクの両側にレジストマスクを形成し、溝を形成する工程において、ハードマスクの両側に溝を形成することが好ましい。
この構成によれば、ハードマスクの両側に溝が形成される。すなわち、レジストマスクの露光解像度に制限される幅において、2つの溝を形成することが可能となる。そのため、容量素子の面積が拡大されて保持容量をさらに増大させることができる。
上記の半導体装置の製造方法は、トランジスターの半導体層を形成する工程を備え、第1容量電極は、半導体層の一方のソースドレイン領域を延在して形成されることが好ましい。
この構成によれば、半導体層の一方のソースドレイン領域を、容量素子の一方の容量電極である第1容量電極と一体に形成することが可能となる。そのため、半導体装置の製造工程を簡略化することができる。
上記の半導体装置の製造方法において、第1容量電極は、半導体層の他方のソースドレイン領域と電気的に接続される第1配線と重なるように形成され、半導体層は、トランジスターのゲート電極と電気的に接続される第2配線と重なるように形成されることが好ましい。
この構成によれば、容量素子と半導体層とが、別々の配線と重ねられて配置される。そのため、半導体装置の微細化に容易に対応することができる。
上記の半導体装置の製造方法は、ハードマスクを形成する工程の前に、絶縁部材に凹部を形成する工程を備え、ハードマスクを形成する工程において、凹部内に無機膜を成膜してから、エッチバックによってハードマスクを凹部の側面に沿って形成することが好ましい。
この構成によれば、エッチバックによって、凹部の両方の側面に無機膜がハードマスクとして形成される。そのため、溝を形成する工程において、ハードマスクとレジストマスクとの間に溝が形成され、凹部の両側面の間、換言すれば凹部内にも溝が形成される。これにより、保持容量をさらに増大させることができる。
3…第2配線としての走査線、4,16c…上部容量電極、6…第1配線としてのデータ線、10s…絶縁部材としての基板、16,216…容量素子、16b…容量絶縁層、30…トランジスターとしてのTFT、30G…ゲート電極、30S…半導体層、100…半導体装置としての液晶装置、250…凹部、251,253…側面、HM1,HM2…ハードマスク、HM2x…無機膜としてのハードマスク層、RE1,RE2…レジストマスク、s1…他方のソースドレイン領域、s5…一方のソースドレイン領域、TR1,TR2,TR21,TR22,TR23…溝としてのトレンチ。
Claims (5)
- 絶縁部材上にハードマスクを形成する工程と、
前記ハードマスクと離間してレジストマスクを形成する工程と、
前記ハードマスクおよび前記レジストマスクを介して、前記絶縁部材をエッチングして溝を形成する工程と、
前記溝内に第1容量電極、容量絶縁層、および第2容量電極を形成する工程と、を備える半導体装置の製造方法。 - 前記レジストマスクを形成する工程において、前記ハードマスクの両側に前記レジストマスクを形成し、
前記溝を形成する工程において、前記ハードマスクの両側に前記溝を形成する、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。 - トランジスターの半導体層を形成する工程を備え、
前記第1容量電極は、前記半導体層の一方のソースドレイン領域を延在して形成される、請求項1または請求項2に記載の半導体装置の製造方法。 - 前記第1容量電極は、前記半導体層の他方のソースドレイン領域と電気的に接続される第1配線と重なるように形成され、
前記半導体層は、前記トランジスターのゲート電極と電気的に接続される第2配線と重なるように形成される、請求項3に記載の半導体装置の製造方法。 - 前記ハードマスクを形成する工程の前に、前記絶縁部材に凹部を形成する工程を備え、
前記ハードマスクを形成する工程において、前記凹部内に無機膜を成膜してから、エッチバックによって前記ハードマスクを前記凹部の側面に沿って形成する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
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