JP2020177126A - 電気光学装置、電気光学装置の製造方法および電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】トランジスターにおける光リーク電流の発生を抑制する電気光学装置、電気光学装置の製造方法および電子機器を提供すること。【解決手段】液晶装置100は、TFT30と、TFT30に電気的に接続された容量素子16と、画素Pの開口領域OPに沿う側壁41cを有し、TFT30と重なる位置に設けられた第2層間絶縁膜11cと、第2層間絶縁膜11cの側壁41cに囲まれた領域に、第2層間絶縁膜11cよりも屈折率の高い第3層間絶縁膜12と、を備え、容量素子16は、側壁41cに沿って設けられている。【選択図】図5
Description
本発明は、電気光学装置、電気光学装置の製造方法および電子機器に関する。
従来、電気光学装置の1つとして、画素電極のスイッチング素子にトランジスターを備えたアクティブ駆動型の液晶装置が知られていた。このような液晶装置をプロジェクターなどの光変調手段に用いると、直視型の液晶装置に比べて液晶装置への入射光が増大する。入射光の増大によって、トランジスターの領域において光リーク電流が発生しやすくなる。そのため、光リーク電流によって画素の電位保持が困難になり、ちらつきの発生や画素単位の表示ムラの発生といった表示品質の劣化を生じさせる問題がある。そこで、光リーク電流の発生を抑制するために各種の検討が成されている。
例えば、特許文献1には、電気光学装置において、半導体層に対して部分的に重なる平面部と側壁部とを有する上部容量電極が開示されている。また、特許文献2には、電気光学装置において、半導体層と部分的に重なると共に、画素電極側LDD(Lightly Doped Drain)領域に沿う溝内にも形成された蓄積容量が開示されている。あるいは、特許文献3には、半導体装置において、層間絶縁膜の側壁に沿って設けられた第1保持容量および第2保持容量が開示されている。
しかしながら、特許文献1、特許文献2に記載の電気光学装置、および特許文献3に記載の半導体装置では、トランジスターにおける光リーク電流の発生を抑制することが難しいという課題があった。詳しくは、近年、プロジェクターが投射する画像の明るさを向上させるために、光源に固体光源が採用されて、電気光学装置または半導体装置への入射光の増大が顕著となっている。そのため、従来の電気光学装置または半導体装置では増大する入射光への対応が難しく、光リーク電流が発生しやすくなる場合があった。すなわち、トランジスターにおける光リーク電流の発生を抑制する電気光学装置が求められていた。
本願の電気光学装置は、トランジスターと、トランジスターに電気的に接続された容量素子と、画素の開口領域に沿う側壁を有し、トランジスターと重なる位置に設けられた層間絶縁膜と、層間絶縁膜の側壁に囲まれた領域に、該層間絶縁膜よりも屈折率の高い絶縁膜と、を備え、容量素子は、層間絶縁膜の側壁に沿って設けられている。
上記の電気光学装置は、第1方向に延在するデータ線と、第1方向と交差する第2方向に延在する走査線と、を備え、容量素子は、データ線および走査線と重なるように設けられた本体部と、データ線と隣り合うデータ線との間において第1方向に突出する突出部と、を有し、容量素子の外縁は、画素の開口領域に沿って設けられていることが好ましい。
上記の電気光学装置において、層間絶縁膜の側壁は、第1方向および第2方向に沿って設けられ、当該第1方向および当該第2方向に沿って設けられた側壁に沿って容量素子が設けられていることが好ましい。
上記の電気光学装置は、側壁を有する凹部が設けられた基板を備え、凹部の側壁は、層間絶縁膜の側壁に沿って設けられ、容量素子は、凹部の側壁に沿って設けられていることが好ましい。
上記の電気光学装置は、トランジスターと重なる位置に容量素子が設けられていることが好ましい。
上記の電気光学装置は、トランジスターと重なる位置に、層間絶縁膜の側壁側に開口を有する空洞を有し、容量素子は、空洞に設けられていることが好ましい。
上記の電気光学装置において、容量素子は、容量電極を有することが好ましい。
上記の電気光学装置は、トランジスターの半導体層と重なるように設けられた容量線を備え、容量線は、容量素子の容量電極と層間絶縁膜上で電気的に接続されることが好ましい。
本願の電子機器は、上記の電気光学装置を備える。
本願の電気光学装置の製造方法は、トランジスターを覆うように層間絶縁膜を形成する工程と、層間絶縁膜の画素の開口領域に対応する領域をエッチングして側壁を形成する工程と、層間絶縁膜を覆うように第1導電膜と、誘電体膜と、第2導電膜とを順に成膜する工程と、第1導電膜、誘電体膜および第2導電膜を同時にエッチングして、層間絶縁膜上および層間絶縁膜の側壁に沿って第1容量電極、容量絶縁膜および第2容量電極を有する容量素子を形成する工程と、層間絶縁膜の側壁で囲まれた領域に、層間絶縁膜よりも屈折率の高い絶縁膜を、容量素子と接するように形成する工程と、を備える。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。以下に説明する実施の形態は、本発明の一例を説明するものである。本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形例も、本発明に含まれる。
ここで、以下の各図においては、各部材を認識可能な程度の大きさにするため、各部材の尺度を実際とは異ならせしめている。また、以下の各図において、必要に応じて、相互に直交する座標軸としてXYZ軸を付し、各矢印が指す方向を+方向とし、+方向と反対の方向を−方向とする。なお、+Z方向を上方、−Z方向を下方ということもあり、+Z方向から見ることを平面視あるいは平面的という。さらに、以下の説明において、例えば基板に対して、「基板上に」との記載は、基板の上に接して配置される場合、基板の上に他の構造物を介して配置される場合、または基板の上に一部が接して配置され、一部が他の構造物を介して配置される場合のいずれかを表すものとする。
1.第1実施形態
本実施形態では、電気光学装置として、画素ごとにトランジスターとしての薄膜トランジスター(Thin Film Transistor)を備えたアクティブ駆動型の液晶装置を例に挙げて説明する。なお、以降、薄膜トランジスターをTFTと略していう。この液晶装置は、例えば、後述する電子機器としての投射型表示装置において、光変調装置として好適に用いることができるものである。
本実施形態では、電気光学装置として、画素ごとにトランジスターとしての薄膜トランジスター(Thin Film Transistor)を備えたアクティブ駆動型の液晶装置を例に挙げて説明する。なお、以降、薄膜トランジスターをTFTと略していう。この液晶装置は、例えば、後述する電子機器としての投射型表示装置において、光変調装置として好適に用いることができるものである。
1.1.液晶装置の構成
本実施形態に係る電気光学装置としての液晶装置の構成について、図1から図3を参照して説明する。図1は、第1実施形態に係る電気光学装置としての液晶装置の構成を示す概略平面図である。図2は、図1のH−H’線に沿った液晶装置の構造を示す模式断面図である。図3は、液晶装置の電気的な構成を示す等価回路図である。
本実施形態に係る電気光学装置としての液晶装置の構成について、図1から図3を参照して説明する。図1は、第1実施形態に係る電気光学装置としての液晶装置の構成を示す概略平面図である。図2は、図1のH−H’線に沿った液晶装置の構造を示す模式断面図である。図3は、液晶装置の電気的な構成を示す等価回路図である。
図1および図2に示すように、本実施形態の液晶装置100は、素子基板10と、素子基板10と対向配置された対向基板20と、素子基板10および対向基板20の間に挟持された液晶を含む液晶層50と、を有している。
素子基板10の基板10sには、例えば、ガラス基板、石英基板などの基板が用いられる。対向基板20の基板20sには、例えば、ガラス基板、石英基板などの透明基板が用いられる。
素子基板10は、平面視における形状が対向基板20よりも大きい。素子基板10と対向基板20とは、対向基板20の外縁に沿って配置されたシール材40を介して接合されている。素子基板10と対向基板20との隙間に、正または負の誘電異方性を有する液晶が封入されて、液晶層50が設けられている。
シール材40の内側には、マトリクス状に配列した複数の画素Pを含む表示領域Eが設けられている。シール材40と表示領域Eとの間には、表示領域Eを取り囲んで見切り部24が設けられている。表示領域Eの周囲には、表示に寄与しない、図示しないダミー画素領域が設けられている。
素子基板10には、複数の外部接続端子104が配列した端子部が設けられている。該端子部に沿った第1辺部とシール材40との間にデータ線駆動回路101が設けられている。また、第1辺部に対向する第2辺部に沿ったシール材40と表示領域Eとの間に検査回路103が設けられている。
第1辺部と直交し、互いに対向する第3辺部および第4辺部に沿ったシール材40と表示領域Eとの間には、走査線駆動回路102が設けられている。また、第2辺部のシール材40と検査回路103との間には、2つの走査線駆動回路102を繋ぐ複数の配線107が設けられている。
これらデータ線駆動回路101、走査線駆動回路102に繋がる配線は、第1辺部に沿って配列した複数の外部接続端子104に接続されている。なお、検査回路103の配置は上記に限定されない。
ここで、本明細書では、第1辺部に沿った方向が±X方向となり、第1辺部と直交し、互いに対向する第3辺部および第4辺部に沿った方向が±Y方向となる。また、±X方向および±Y方向と直交し、素子基板10および対向基板20の法線方向が±Z方向となる。
図2に示すように、基板10sの液晶層50側の表面には、画素Pごとに設けられた透光性の画素電極15およびスイッチング素子であるTFT30と、信号配線と、これらを被覆する配向膜18とが設けられている。TFT30および画素電極15は、画素Pの構成要素である。素子基板10は、基板10s、基板10s上に設けられた画素電極15、TFT30、信号配線および配向膜18を含む。
基板20sの液晶層50側の表面には、見切り部24と、これを被覆して成膜された絶縁層25と、絶縁層25を被覆して設けられた共通電極としての対向電極21と、対向電極21を被覆する配向膜22とが設けられている。本実施形態における対向基板20は、少なくとも見切り部24、対向電極21および配向膜22を含む。なお、本実施形態では、共通電極を対向電極21として対向基板20側に配置した例を示したが、これに限定されない。
図1に示すように、見切り部24は、表示領域Eを取り囲むと共に、平面的に走査線駆動回路102および検査回路103と重なる位置に設けられている。これにより対向基板20側からこれらの回路に入射する光が遮蔽されて、光の入射による回路の誤動作が防止される。また、不必要な迷光が表示領域Eに入射しないように遮蔽されて、表示領域Eの表示において高いコントラストが確保される。
絶縁層25は、例えば、光透過性を有する酸化シリコンなどの無機材料から成る。絶縁層25は、見切り部24を被覆すると共に、液晶層50側の表面が平坦となるように設けられている。
対向電極21は、例えばITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)などの透明導電膜から成り、絶縁層25を被覆すると共に、対向基板20の四隅に設けられた上下導通部106に電気的に接続されている。上下導通部106は、素子基板10側の配線に電気的に接続されている。
画素電極15を被覆する配向膜18、および対向電極21を被覆する配向膜22は、液晶装置100の光学設計に基づいて選定される。配向膜18,22の形成材料としては、酸化シリコンなどの無機配向膜、ポリイミドなどの有機配向膜が挙げられる。
このような液晶装置100は、例えば透過型であって、電圧が印加されない時の画素Pの透過率が、電圧印加時の透過率よりも大きいノーマリーホワイトモードや、電圧が印加されない時の画素Pの透過率が、電圧印加時の透過率よりも小さいノーマリーブラックモードの光学設計が採用される。素子基板10と対向基板20とを含む液晶パネルにおいて、光の入射側と出射側とにそれぞれ偏光素子が光学設計に応じて配置されている。
本実施形態では、以降、配向膜18,22として前述した無機配向膜と、負の誘電異方性を有する液晶とを用い、ノーマリーブラックモードの光学設計が適用された例について説明する。
次に、図3を参照して、液晶装置100の電気的な構成について説明する。図3に示すように、液晶装置100は、少なくとも表示領域Eにおいて互いに絶縁されて直交する信号配線として、第2走査線3、データ線6、データ線6に沿って平行に配置された容量線8を、それぞれ複数有している。データ線6は、第1方向としての+Y方向に延在している。第2走査線3は、該第1方向と交差する第2方向としての+X方向に延在している。なお、図3では、容量線8を±Y方向に沿って延在するように示したが、これに限定されない。
第2走査線3、データ線6および容量線8と、これらの信号配線類により区分された領域に、画素電極15、TFT30および容量素子16が設けられ、これらが画素Pの画素回路を構成している。画素電極15とTFT30と容量素子16とは、画素Pごとに配置されている。
第2走査線3はTFT30のゲートに電気的に接続され、データ線6はTFT30のデータ線側ソースドレイン領域であるソース領域に電気的に接続されている。第2走査線3は、同一行に設けられたTFT30のオン、オフを一斉に制御する機能を有している。画素電極15は、TFT30の画素電極側ソースドレイン領域であるドレイン領域に電気的に接続されている。
データ線6は、上述したデータ線駆動回路101に電気的に接続されており、データ線駆動回路101から供給される画像信号D1,D2,…,Dnを画素Pに供給する。第2走査線3は、上述した走査線駆動回路102に電気的に接続されており、走査線駆動回路102から供給される走査信号SC1,SC2,…,SCmを各画素Pに供給する。
データ線駆動回路101からデータ線6に供給される画像信号D1から画像信号Dnは、この順番に線順次にて供給してもよく、互いに隣り合う複数のデータ線6同士に対してグループごとに供給してもよい。走査線駆動回路102は、第2走査線3に対して、走査信号SC1から走査信号SCmを所定のタイミングでパルス的に線順次にて供給する。
液晶装置100は、スイッチング素子であるTFT30が走査信号SC1から走査信号SCmの入力により、一定期間だけオン状態とされる。これにより、データ線6から供給される画像信号D1から画像信号Dnが、所定のタイミングで画素電極15に書き込まれる。そして、画素電極15を介して液晶層50に書き込まれた所定レベルの画像信号D1から画像信号Dnは、画素電極15と、液晶層50を介して対向配置された対向電極21との間で一定期間保持される。
保持された画像信号D1から画像信号Dnがリークするのを防止するため、画素電極15と対向電極21との間に設けられた液晶容量に対して、並列に容量素子16が電気的に接続されている。容量素子16は、TFT30の半導体層と容量線8との間の層に設けられている。容量素子16の詳細については後述する。
ここで、図3では図示を省略しているが、データ線6には、上述した検査回路103が接続されている。そのため、液晶装置100の製造工程において、上記画像信号を検出して、液晶装置100の動作不具合などを確認することが可能である。
次に、液晶装置100における画素Pの構成について、図4を参照して説明する。図4は、画素の配置を示す概略平面図である。
図4に示すように、液晶装置100における画素Pは、表示領域Eにおいて±X方向および±Y方向にマトリクス状に配置されている。画素Pは、例えば、平面視で略四角形の開口領域OPを有している。開口領域OPは、±X方向および±Y方向に延在し、格子状に設けられた遮光性の非開口領域CLに囲まれている。
±X方向に延在する非開口領域CLには、上述した第2走査線3が設けられている。第2走査線3には遮光性の導電部材が用いられており、第2走査線3によって非開口領域CLの一部が構成されている。
±Y方向に延在する非開口領域CLには、上述したデータ線6が設けられている。データ線6にも遮光性の導電部材が用いられており、データ線6によって非開口領域CLの一部が構成されている。
非開口領域CLは、素子基板10に設けられた、第2走査線3およびデータ線6に加えて、後述する第1走査線、容量線8などを含めて構成されている。さらに、非開口領域CLは、対向基板20において、図2に示した見切り部24と同層に設けられ、格子状にパターニングされたブラックマトリクスである遮光部を含んでもよい。
非開口領域CLの交差部付近には、図3に示したTFT30や容量素子16の一部が設けられている。遮光性を有する非開口領域CLの交差部付近にTFT30を設けることにより、開口領域OPにおける開口率を確保している。画素Pの詳細な構造については後述するが、交差部付近にTFT30や容量素子16などを設けるために、交差部付近の非開口領域CLの幅は、他の部分に比べて大きくなっている。
画素Pごとに、平面視で略正方形の画素電極15が設けられている。画素電極15は、外縁が非開口領域CLと重なるように開口領域OPに設けられている。画素電極15は、画素Pに対応して、マトリクス状に複数配置されている。
本実施形態の液晶装置100は、上述したように透過型であって、対向基板20側から光が入射することを前提としている。そのため、素子基板10は、TFT30に対して、直接的に入射する光のみならず、入射光に由来する回折光や反射光などをも低減する構造を備えている。また、液晶装置100は大容量化した容量素子16を備えている。
なお、液晶装置100への光の入射方向は、対向基板20側からに限定されず、素子基板10側からとしてもよい。また、液晶装置100は、入射する光を画素Pごとに集光させるマイクロレンズなどの集光手段を、光が入射する側の基板に備える構成としてもよい。
1.2.素子基板の構成
液晶装置100に備わる素子基板10の構造について、図5を参照して説明する。図5は、素子基板の構造を示す模式断面図である。なお、図5では、図4における、A−A’線に沿った断面と、B−B’線に沿った断面とを並べて示している。また、図5では、配向膜18の図示を省略している。
液晶装置100に備わる素子基板10の構造について、図5を参照して説明する。図5は、素子基板の構造を示す模式断面図である。なお、図5では、図4における、A−A’線に沿った断面と、B−B’線に沿った断面とを並べて示している。また、図5では、配向膜18の図示を省略している。
図5に示すように、液晶装置100の素子基板10は、半導体層30aとゲート電極30gとを含むトランジスターとしてのTFT30、第1走査線5、第2走査線3、容量素子16、データ線6、後述する複数の層間絶縁膜、およびトレンチTRを備えている。素子基板10の基板10s上には、複数の層として、第1層から第7層が積層されている。なお、本実施形態の素子基板10では、ゲート電極30gは第2走査線3の一部として構成されている。
素子基板10に設けられた複数の層は、下方から順に、第1走査線5を含む第1層、半導体層30aを含む第2層、第2走査線3およびゲート電極30gを含む第3層、容量素子16を含む第4層、データ線6を含む第5層、容量線8を含む第6層、画素電極15を含む第7層を有している。ここで、第2走査線3が、本発明の走査線の一例である。
第1層と第2層との間には第1層間絶縁膜11aが、第2層と第3層との間にはゲート絶縁膜11bが、第3層と第4層との間には第2層間絶縁膜11cが、第4層と第5層との間には第3層間絶縁膜12が、第5層と第6層との間には第4層間絶縁膜13が、第6層と第7層との間には第5層間絶縁膜14が、それぞれ設けられている。これによって、各層間における短絡の発生が防止される。ここで、第2層間絶縁膜11cが、本発明の層間絶縁膜の一例であり、第3層間絶縁膜12が本発明の絶縁膜の一例である。
基板10s上の第1層には、第1走査線5が設けられている。第1走査線5は、平面視にて図4に示した非開口領域CLに設けられ、半導体層30aに対応して±Y方向に突出する部位と±X方向に延在する部位とを有している。
第1走査線5には、遮光性および導電性を有する公知の形成材料が採用可能である。そのため、第1走査線5は、主に下方から半導体層30aに入射する光を遮光する機能を有している。本実施形態では、第1走査線5の形成材料としてタングステンシリサイドを用いる。第1走査線5の厚さは、特に限定されないが、例えば約150nmである。
第1走査線5と第2層との間には、第1層間絶縁膜11aが設けられている。第1層間絶縁膜11aは、第1走査線5とTFT30とを絶縁する。
第1層間絶縁膜11aにはシリコン系酸化膜などが採用され、具体的には、例えば酸化シリコン(None-doped Silicate Glass:NSG)や窒化シリコンなどが挙げられる。本実施形態では、第1層間絶縁膜11aの形成材料として酸化シリコンを用いる。第1層間絶縁膜11aの膜厚は、特に限定されないが、例えば約200nmである。
第1層上の第2層および第3層には、TFT30が設けられている。TFT30は、第2層に設けられた半導体層30aと、第3層に設けられたゲート電極30gと、を有している。TFT30の半導体層30aには、LDD(Lightly Doped Drain)構造が形成されている。
半導体層30aは、第2層において±Y方向に延在して設けられている。半導体層30aは、例えば、非晶質シリコン膜に、結晶化処理が施されたポリシリコン膜から成り、チャネル領域、高濃度ソース領域、高濃度ドレイン領域、LDD領域である接続層としての低濃度ソース領域および低濃度ドレイン領域を有している。
半導体層30aに、チャネル領域を挟んで電気的に抵抗が高いLDD領域を設けることにより、オフ時のリーク電流が抑制される。オフ時におけるリーク電流抑制の観点では、容量素子16や画素電極15が電気的に接続される高濃度ドレイン領域とチャネル領域との接合部分に、LDD領域が含まれる構成とすればよい。半導体層30aの膜厚は、特に限定されないが、例えば約50nmである。
半導体層30aを被覆してゲート絶縁膜11bが設けられている。ゲート絶縁膜11bは、半導体層30aとゲート電極30gとの間にあって、半導体層30aとゲート電極30gとを絶縁する。ゲート絶縁膜11bは、例えば、2種類の酸化シリコンから成る2重構造である。ゲート絶縁膜11bの膜厚は、特に限定されないが、例えば約75nmである。
第3層には、半導体層30aのチャネル領域と±Z方向に対向して、ゲート電極30gが設けられている。ゲート電極30gは、例えば、導電性のポリシリコン、金属シリサイド、金属あるいは金属化合物などを用いて形成される。本実施形態では、ゲート電極30gは、導電性のポリシリコン膜とタングステンシリサイド膜との2層構造である。ゲート電極30gの膜厚は、特に限定されないが、例えば約150nmである。
ここで、本実施形態においては、以降、導電性のポリシリコン膜とは、燐原子がドープされて導電性が付与されたポリシリコン膜を指すこととする。なお、ドープされる原子は燐原子に限定されない。
ゲート電極30gは、上述したように、第2走査線3の一部として構成されている。詳しくは、平面視にて半導体層30aを±X方向に挟んで設けられた、一対のコンタクトホールCNT1によって、第1走査線5と第2走査線3とが電気的に接続されている。第2走査線3は、ゲート電極30gが設けられた部位が半導体層30aの上方と交差し、それ以外の部位が±X方向に延在している。第2走査線3には、第1走査線5と同様な形成材料が採用可能である。
ゲート電極30gおよび第2走査線3の上方には、これらを被覆して第2層間絶縁膜11cが設けられている。すなわち、第2層間絶縁膜11cは、TFT30と平面的に重なる位置にも設けられている。第2層間絶縁膜11cは、例えば、NSG膜、燐(P)を含むPSG(Phosphosilicate Glass)膜、ホウ素(B)を含むBSG(Borosilicate Glass)膜、ホウ素と燐とが含まれるBPSG(Borophosphosilicate Glass)膜などのシリコン系酸化膜の1種類以上を用いて形成される。本実施形態では、第2層間絶縁膜11cの形成材料として酸化シリコンを用いる。第2層間絶縁膜11cの膜厚は、特に限定されないが、例えば約400nmである。
第2層間絶縁膜11cには、コンタクトホールCNT2,CNT3、トレンチTRが設けられている。コンタクトホールCNT2,CNT3は、第2層間絶縁膜11cおよびゲート絶縁膜11bを貫通して半導体層30aに到達している。詳しくは、コンタクトホールCNT2は、半導体層30aの図示しない高濃度ドレイン領域と、後述する容量素子16の容量下部電極16aとを電気的に接続する。また、コンタクトホールCNT3は、ゲート絶縁膜11b、第2層間絶縁膜11cおよび第3層間絶縁膜12を貫通して、半導体層30aの図示しない高濃度ソース領域とデータ線6とを電気的に接続する。
トレンチTRは、平面的に、上述した画素Pの開口領域OPに沿うように、開口領域OPと略重なる位置に設けられている。トレンチTRは、凹部43および画素Pの開口領域OPに沿う側壁41a,41b,41cを含む。詳しくは、第2層間絶縁膜11cは側壁41cを有し、第1層間絶縁膜11aおよびゲート絶縁膜11bは側壁41bを有している。基板10sには凹部43が設けられ、凹部43は、側壁41aを有している。凹部43の側壁41aは、側壁41b,41cに沿って設けられている。すなわち、トレンチTRは、側壁41b,41cと、側壁41aを含む凹部43とにより構成される。
ここで、基板10sは、凹部43を有する形態に限定されない。すなわち、トレンチTRは、凹部43を含む構成に限定されず、基板10sにまで食い込んで設けられなくてもよい。
第3層上の第4層には、容量素子16が設けられている。容量素子16は、容量電極としての、容量下部電極16aおよび容量上部電極16cを有している。容量素子16では、下方の基板10s側から上方に向かって順に、容量下部電極16a、誘電体層16b、容量上部電極16cが積層されている。また、容量素子16は、凹部43の下方の面である底面に接して突出部162を有している。突出部162の詳細については後述する。
容量素子16は、画素電極15における電位保持特性を向上させる機能を有している。容量素子16は、半導体層30aを覆うと共に、第2層間絶縁膜11cの側壁41c、第1層間絶縁膜11aおよびゲート絶縁膜11bの側壁41b、および凹部43の側壁41aに沿って設けられている。
容量素子16は、TFT30と電気的に接続されている、詳しくは、上述したように、容量下部電極16aは、コンタクトホールCNT2によって、半導体層30aの高濃度ドレイン領域と電気的に接続される。容量下部電極16aは、導電膜を成膜した後に、該導電膜をパターニングすることによって設けられる。容量下部電極16aには、例えば、導電性のポリシリコン膜や窒化チタン膜が採用可能である。本実施形態では、容量下部電極16aとして導電性のポリシリコン膜を用いる。容量下部電極16aの膜厚は、特に限定されないが、例えば約60nmである。
容量下部電極16a上には、容量下部電極16aを被覆して誘電体層16bが設けられている。誘電体層16bは、誘電体材料を用いて設けられる。誘電体材料としては、例えば、酸化ハフニウム、酸化アルミニウム、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化タンタルなどが挙げられ、これらの膜を単層または組み合わせて用いる。本実施形態では、誘電体層16bの誘電体材料として窒化シリコンを用いる。誘電体層16bの膜厚は、特に限定されないが、例えば約20nmである。
誘電体層16b上には、誘電体層16bを被覆して容量上部電極16cが設けられている。容量上部電極16cは、容量下部電極16aと同様な導電膜を成膜した後に、該導電膜をパターニングすることによって設けられる。本実施形態では、容量上部電極16cとして導電性のポリシリコン膜を用いる。容量上部電極16cの膜厚は、特に限定されないが、例えば約60nmである。
なお、容量下部電極16aの一部分は、上層の誘電体層16bおよび容量上部電極16cで被覆されずに、後述するコンタクトホールCNT4aと電気的に接続されている。
容量素子16を被覆すると共にトレンチTRの内部を埋めるように、第3層間絶縁膜12が設けられている。詳しくは、第3層間絶縁膜12は、容量素子16の上方に加えて、第2層間絶縁膜11cの側壁41c、ゲート絶縁膜11bおよび第1層間絶縁膜11aの側壁41b、凹部43の側壁41aに囲まれた領域であるトレンチTR内にも設けられている。
第3層間絶縁膜12の形成材料には、絶縁性を有し、第2層間絶縁膜11c、ゲート絶縁膜11b、第1層間絶縁膜11a、基板10sよりも屈折率が高い形成材料を用いる。本実施形態では、第3層間絶縁膜12にシリコン酸窒化膜を用いる。第3層間絶縁膜12を用いることから、側壁41a,41b,41cに加えて、容量上部電極16cに対しても、第3層間絶縁膜12の屈折率を高くすることが可能となる。
第3層間絶縁膜12には、コンタクトホールCNT3,CNT4a,CNT4bが設けられている。コンタクトホールCNT3は、半導体層30aの高濃度ソース領域と、第3層間絶縁膜12の上層のデータ線6とを電気的に接続する。コンタクトホールCNT3は、上層で電気的に接続されるデータ線6と一緒に、貫通孔を埋めるようにして設けられる。
コンタクトホールCNT4aは、データ線6と同層に設けられる中継層7aと、容量素子16の容量下部電極16aとを電気的に接続する。中継層7aは、後述する、第4層間絶縁膜13のコンタクトホールCNT5a、および第5層間絶縁膜14のコンタクトホールCNT6などを介して画素電極15と電気的に接続される。コンタクトホールCNT4aは、上層で電気的に接続される中継層7aと一緒に、貫通孔を埋めるようにして設けられる。
コンタクトホールCNT4bは、データ線6と同層に設けられる中継層7bと、容量素子16の容量上部電極16cとを電気的に接続する。中継層7bは、後述する、第4層間絶縁膜13のコンタクトホールCNT5bを介して、共通電位が与えられる容量線8と電気的に接続される。コンタクトホールCNT4bは、上層で電気的に接続される中継層7bと一緒に、貫通孔を埋めるようにして設けられる。
第4層上の第5層には、データ線6および中継層7a,7bが設けられている。データ線6は、上述したように、画素Pの非開口領域CLにおいて±Y方向に延在している。データ線6は、コンタクトホールCNT3と電気的に接続される。そのため、データ線6は、コンタクトホールCNT3を介して、半導体層30aの高濃度ソース領域と電気的に接続される。
中継層7a,7bは、平面視にて各々独立した島状に設けられている。中継層7aは、コンタクトホールCNT4aと電気的に接続されている。中継層7bは、コンタクトホールCNT4bと電気的に接続されている。
データ線6および中継層7a,7bの形成材料としては、導電性を有する低抵抗配線材料であれば特に限定されないが、例えば、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)などの金属やその金属化合物が挙げられる。本実施形態では、データ線6および中継層7a,7bは、チタン(Ti)層/窒化チタン(TiN)層/アルミニウム(Al)層/窒化チタン(TiN)層の4層構造である。これらの膜厚は、特に限定されないが、例えば約350nmである。
データ線6および中継層7a,7bを被覆して第4層間絶縁膜13が設けられている。第4層間絶縁膜13には、例えば、第1層間絶縁膜11aと同様な形成材料が採用される。本実施形態では、第4層間絶縁膜13に酸化シリコンを用いる。第4層間絶縁膜13の膜厚は、特に限定されないが、例えば約400nmである。
第4層間絶縁膜13には、コンタクトホールCNT5a,5bが設けられている。コンタクトホールCNT5aは、中継層7aと、第4層間絶縁膜13の上層の中継層9aとを電気的に接続する。コンタクトホールCNT5aは、上層で電気的に接続される中継層9aと一緒に、貫通孔を埋めるようにして設けられる。
コンタクトホールCNT5bは、容量線8と中継層7bとを電気的に接続する。コンタクトホールCNT5bは、上層で電気的に接続される容量線8と一緒に、貫通孔を埋めるようにして設けられる。
第5層上の第6層には、容量線8および中継層9aが設けられている。容量線8は、平面視にて、±Y方向に延在するデータ線6と重なると共に、TFT30の半導体層30aと重なるように設けられている。容量線8は、図示を省略するが、上述した対向基板20の上下導通部106と電気的に接続される。そのため、容量線8は、対向電極21と電気的に接続されて共通電位が与えられる。これにより、容量線8によって、データ線6や第2走査線3の電位の影響が画素電極15に及ぶことが抑えられる。
また、容量線8は、コンタクトホールCNT5b、中継層7bおよび第2層間絶縁膜11c上のコンタクトホールCNT4bを介して、容量素子16の容量上部電極16cと電気的に接続される。
中継層9aは、平面視にて独立した島状に設けられている。中継層9aは、コンタクトホールCNT5aと電気的に接続されている。
容量線8および中継層9aの形成材料としては、データ線6と同様に、導電性を有する低抵抗配線材料であれば特に限定されないが、例えば、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)などの金属やその金属化合物が挙げられる。本実施形態では、容量線8および中継層9aは、チタン(Ti)層/窒化チタン(TiN)層/アルミニウム(Al)層/窒化チタン(TiN)層の4層構造である。これらの膜厚は、特に限定されないが、例えば約250nmである。
容量線8および中継層9aを被覆して第5層間絶縁膜14が設けられている。第5層間絶縁膜14の形成材料としては、例えば、第1層間絶縁膜11aと同様なシリコン系酸化膜が挙げられる。本実施形態では、第5層間絶縁膜14に酸化シリコンを用いる。第5層間絶縁膜14の膜厚は、特に限定されないが、例えば約300nmである。
第5層間絶縁膜14には、コンタクトホールCNT6が設けられている。コンタクトホールCNT6は、中継層9aと、第5層間絶縁膜14の上層の画素電極15とを電気的に接続する。コンタクトホールCNT6は、上層で電気的に接続される画素電極15と一緒に、貫通孔を埋めるようにして設けられる。
第6層上の第7層には、画素電極15が設けられている。画素電極15は、コンタクトホールCNT6、中継層9a、コンタクトホールCNT5a、中継層7aおよびコンタクトホールCNT4aを介して、容量素子16の容量下部電極16aと電気的に接続される。画素電極15は、例えばITOやIZOなどの透明導電膜を成膜した後、パターニングすることによって設けられる。本実施形態では、画素電極15にITOを用いる。画素電極15の膜厚は、特に限定されないが、例えば約145nmである。
図示を省略するが、画素電極15を被覆して配向膜18が設けられている。素子基板10の配向膜18、および上述した対向基板20の配向膜22は、酸化シリコンなどの無機材料を、斜方向などの所定の方向から蒸着して柱状に成長させたカラムの集合体から成る。また、図2に示した液晶層50に含まれる液晶分子は、配向膜18,22に対して負の誘電異方性を有している。
1.3.液晶装置の製造方法
本実施形態に係る液晶装置100の製造方法について、図6から図21を参照して説明する。図6は、液晶装置の製造方法のうち、素子基板の製造方法を示す工程フロー図である。図7、図9、図11、図12、図15、図17、図19は、素子基板の製造方法を示す模式断面図である。図8、図10、図13、図14、図16、図18、図20、図21は、素子基板の製造方法を示す概略平面図である。以下の説明においては図5も参照することとする。なお、図6に示した工程フローは一例であって、これに限定されるものではない。また、上記の模式断面図では、図4に示した線分A−A’および線分B−B’における断面を並べて示している。さらに、上記の概略平面図では、図4に示した1個の開口領域OPの周辺を拡大して示している。
本実施形態に係る液晶装置100の製造方法について、図6から図21を参照して説明する。図6は、液晶装置の製造方法のうち、素子基板の製造方法を示す工程フロー図である。図7、図9、図11、図12、図15、図17、図19は、素子基板の製造方法を示す模式断面図である。図8、図10、図13、図14、図16、図18、図20、図21は、素子基板の製造方法を示す概略平面図である。以下の説明においては図5も参照することとする。なお、図6に示した工程フローは一例であって、これに限定されるものではない。また、上記の模式断面図では、図4に示した線分A−A’および線分B−B’における断面を並べて示している。さらに、上記の概略平面図では、図4に示した1個の開口領域OPの周辺を拡大して示している。
本実施形態の液晶装置100の製造方法は、以下に述べる素子基板10の製造方法を含み、素子基板10の製造方法に備わる工程以外では公知の技術が採用可能である。そのため、以下の説明では、素子基板10の製造方法についてのみ述べることとする。また、素子基板10の製造方法においても、特に断りがない限り公知の技術が採用可能である。
図6に示すように、本実施形態の素子基板10の製造方法は、工程S1から工程S9を備えている。以下、工程S1から工程S9の各工程について説明する。
工程S1では、図7に示すように、基板10s上に第1走査線5、第1層間絶縁膜11a、TFT30、および第2走査線3などを設ける。換言すれば、工程S1にて第1層から第3層を形成する。まず、基板10s上に第1走査線5を形成する。第1走査線5は、±X方向に延在する部位と、後述する半導体層30aと平面的に重なるような、上記部位から±Y方向に突出する部位とを有する。第1走査線5の形成には、例えば、フォトリソグラフィー法によるパターニング形成を用いる。
次いで、第1走査線5を含む第1層上に第1層間絶縁膜11aをベタ状に形成する。第1層間絶縁膜11aの形成には、例えば、モノシラン(SiH4)、2塩化シラン(SiCl2H2)、TEOS(Tetraethyl Orthosilicate)、アンモニアなどの処理ガスを用いた、常圧CVD法、減圧CVD法、あるいはプラズマCVD法などを用いる。
次いで、第1層間絶縁膜11a上に、ポリシリコン膜から成る半導体層30aを形成する。半導体層30aは、第1走査線5における±Y方向に突出する部位と略重なるように、±Y方向に延在している。半導体層30aの形成では、例えば、非晶質シリコン膜に550℃以上の高温処理を施して結晶化させる。
次いで、半導体層30aを含む第2層を覆ってゲート絶縁膜11bを形成する。ゲート絶縁膜11bとして、例えば、2種類の酸化シリコンからなる2重構造を採用する場合には、シリコンの半導体膜を熱酸化して得られる第1酸化シリコン膜を形成した後、減圧CVD法を用いて700℃から900℃の高温条件で第2酸化シリコン膜を形成する。
次いで、半導体層30aを±X方向に挟んで、第1層間絶縁膜11aおよびゲート絶縁膜11bを貫通する一対の貫通孔を形成する。一対の貫通孔の形成には、例えば、乾式エッチングが採用可能である。一対の貫通孔には、後述する第2走査線3を形成する際に、一対のコンタクトホールCNT1が形成される。
次いで、ゲート絶縁膜11b上に、ゲート電極30gを含む第2走査線3を形成する。図8に示すように、第2走査線3は、±X方向に延在している。ゲート電極30gは、第2走査線3と半導体層30aとが平面的に交差する領域に形成されている。ゲート電極30gは、半導体層30aの図示しないチャネル領域を平面的に重なるように、±X方向に延在する第2走査線3から−Y方向に突出して配置される。これによって、半導体層30aおよびゲート電極30gを含むTFT30が形成される。
第2走査線3およびゲート電極30gと一緒に、上記一対の貫通孔を埋めるようにして一対のコンタクトホールCNT1も形成する。コンタクトホールCNT1は、第1走査線5と第2走査線3とを電気的に接続する。コンタクトホールCNT1が半導体層30aを挟んで配置されるため、半導体層30aに対して、Z軸と交差する斜め方向から入射する光が低減される。そして工程S2へ進む。
工程S2では、第2走査線3およびTFT30を覆うように第2層間絶縁膜11cを形成する。第2層間絶縁膜11cである酸化シリコンの形成方法としては、例えば、モノシラン、2塩化シラン、TEOS、TEB(Triethyl Borate)などを用いた、常圧CVD法、減圧CVD法、あるいはプラズマCVD法などが挙げられる。なお、第2層間絶縁膜11cの表面には、ゲート電極30gを含むTFT30を被覆することで凹凸が生じることから、この後に形成される電極や配線などのパターニング性を考慮して該凹凸を緩和するCMP(Chemical&Mechanical Polishing)処理などの平坦化処理を施す。そして工程S3へ進む。
工程S3では、第2層間絶縁膜11cの画素Pの開口領域OPに対応する領域をエッチングして、側壁41cを含むトレンチTRを形成する。詳しくは、図9に示すように、第1層間絶縁膜11a、ゲート絶縁膜11bおよび第2層間絶縁膜11cを貫通し、基板10sの凹部43を含むトレンチTRを形成する。トレンチTRの形成には、例えば、ハードマスクを用いた湿式エッチングを用いる。なお、トレンチTRにおいて、基板10sにおける凹部43は必須の構成ではなく、トレンチTRは基板10sに食い込んで形成されなくてもよい。これにより、側壁41b,41cおよび側壁41aを含む凹部を有するトレンチTRが形成される。
工程S3では、トレンチTRに加えて貫通孔166を形成する。貫通孔166は、コンタクトホールCNT2を形成するために、第2層間絶縁膜11cおよびゲート絶縁膜11bを貫通する。貫通孔166の形成には、例えば、乾式エッチングが採用可能である。
図10に示すように、第2層間絶縁膜11cの側壁41cは、第1方向である+Y方向および第2方向である+X方向に沿って設けられる。また、貫通孔166は、平面視にて半導体層30aの+Y方向の端部に配置される。なお、図10において、各部材は、第2層間絶縁膜11cを透過させて図示している。そして工程S4へ進む。
工程S4では、第2層間絶縁膜11cを覆うように第1導電膜と、誘電体膜と、第2導電膜とを順に成膜する。詳しくは、図11に示すように、第2層間絶縁膜11cの上方およびトレンチTRの内側を被覆して、第1導電膜160aを形成し、次いで誘電体膜160bを形成し、次いで第2導電膜160cを形成する。本実施形態では、第1導電膜160aおよび第2導電膜160cには導電性のポリシリコン膜を用い、誘電体膜160bには窒化シリコン膜を用いる。
第1導電膜160a、誘電体膜160bおよび第2導電膜160cを成膜する際に、貫通孔166を埋めるようにしてコンタクトホールCNT2も形成する。コンタクトホールCNT2は、半導体層30aの図示しない高濃度ドレイン領域と第1導電膜160aとを電気的に接続する。そして工程S5へ進む。
工程S5では、第1導電膜160a、誘電体膜160bおよび第2導電膜160cを同時にエッチングする。これによって、第2層間絶縁膜11c上および第2層間絶縁膜11cの側壁41cに沿って、第1容量電極としての容量下部電極16a、容量絶縁膜としての誘電体層16b、および第2容量電極としての容量上部電極16cを有する容量素子16を形成する。すなわち、工程S4で成膜した、第1導電膜160aの一部が容量下部電極16aとなり、誘電体膜160bの一部が誘電体層16bとなり、第2導電膜160cの一部が容量上部電極16cとなる。なお、ここでいう同時とは、同一工程および同一装置にて処理を行うことを指す。
詳しくは、容量素子16の所望のパターンに応じて第2導電膜160c上にレジストを形成し、エッチングによってパターニングを施す。このとき、図12に示すように、トレンチTRの底面の一部に、容量素子16の突出部162が形成されるようにレジストREを配置する。このようにレジストREを配置することによって、容量素子16における、TFT30の上方に配置される本体部161と、トレンチTR内の側壁41a,41b,41cに配置される側面部163との電気的な接続が良好に確保される。つまり、突出部162が形成されないようにレジストREを配置すると、本体部161と側面部163とが繋がる角の部位において断線が生じやすくなる。なお、突出部162は、本体部161と側面部163との電気的な接続が確保されるように、トレンチTRの底面の一部に形成されればよい。したがって、例えば、上記角の部位と対向する位置には、レジストREを配置しなくてもよい。
これによって容量素子16が形成される。図13に示すように、容量素子16は、本体部161、突出部162および側面部163から成る。本体部161は、第2走査線3および図示しないデータ線6と重なるように、第2走査線3およびデータ線6が平面的に交差する位置に設けられる。つまり、非開口領域CLにおいて、第2走査線3およびデータ線6が平面的に交差する位置の各々に、1個ずつ本体部161が配置される。
突出部162は、データ線6と隣り合うデータ線6との間において、+Y方向に突出している。詳しくは、突出部162は、本体部161からトレンチTR側に突出して形成される。側面部163は、トレンチTRにおける容量素子16の外縁であって、図4に示した画素Pの開口領域OPに沿って設けられている。つまり、容量素子16の側面部163は、+Y方向および+X方向に沿って設けられた側壁41cに沿って、開口領域OPを囲んで設けられる。これによって、側面部163は、1個の本体部161に対応して1個設けられる。なお、突出部162の形状および位置は、本体部161と側面部163との電気的な接続が確保可能であれば上記に限定されない。
次いで、図14に示すように、本体部161の+X方向の端部にホールパターン169を形成する。詳しくは、まず、容量素子16の形成に用いたレジストREを剥離する。その後、図示しないレジストを配置して、容量素子16のうちの容量上部電極16cおよび誘電体層16bを除去することで、容量下部電極16aが上方に露出したホールパターン169とする。ホールパターン169には、後工程にて、容量下部電極16aとデータ線6とを電気的に接続するコンタクトホールCNT4aが形成される。そして工程S6へ進む。
工程S6では、第2層間絶縁膜11cの側壁41cで囲まれた領域を含むトレンチTR内、および第4層と第5層との間に、第2層間絶縁膜11cよりも屈折率が高い絶縁膜としての第3層間絶縁膜12を、容量素子16と接するように形成する。第3層間絶縁膜12は、例えば、シリコン酸窒化膜を用いて、プラズマCVD法によって形成される。第3層間絶縁膜12を成膜した後、CMP(Chemical&Mechanical Polishing)処理などの平坦化処理を施す。
次いで、ドライエッチングによって、図15に示すように貫通孔167,168,170を形成する。貫通孔167では、第3層間絶縁膜12、第2層間絶縁膜11cおよびゲート絶縁膜11bを貫通して、半導体層30aを上方に露出させる。貫通孔168では、第3層間絶縁膜12を貫通して、容量上部電極16cを上方に露出させる。貫通孔170では、工程S5で形成したホールパターン169の容量下部電極16aを上方に露出させる。
図16に示すように、貫通孔167は、半導体層30aの−Y方向の端部に配置される。貫通孔168は、本体部161の−X方向の端部に配置される。貫通孔170は、ホールパターン169に対応する位置である、本体部161の+X方向の端部に配置される。そして工程S7へ進む。
工程S7では、図17に示すように、データ線6および中継層7a,7bを含む第5層を形成する。データ線6および中継層7a,7bを形成する際に、貫通孔167,168,170を埋めるようにしてコンタクトホールCNT3,CNT4a,CNT4bも形成する。貫通孔167にはコンタクトホールCNT3が形成され、貫通孔168にはコンタクトホールCNT4bが形成され、貫通孔170にはコンタクトホールCNT4aが形成される。
コンタクトホールCNT3は、データ線6と半導体層30aの図示しない高濃度ソース領域とを電気的に接続する。コンタクトホールCNT4aは、中継層7aと容量下部電極16aとを電気的に接続する。コンタクトホールCNT4bは、容量上部電極16cと中継層7bとを電気的に接続する。
図18に示すように、データ線6は、非開口領域CLにおいて±Y方向に延在して配置される。中継層7aと中継層7bとは、データ線6を挟んで±X方向に対向して、データ線6から独立して島状に配置される。そして工程S8へ進む。
工程S8では、第5層上に第4層間絶縁膜13を形成した後、容量線8などを含む第6層を形成する。第4層間絶縁膜13は、例えば、酸化シリコン膜を用い、プラズマCVD法によって形成される。
次いで、ドライエッチングによって、第4層間絶縁膜13を貫通して中継層7a,7bを露出させる貫通孔を形成する。そして、図19に示すように、中継層7aと電気的に接続するコンタクトホールCNT5aを形成する。コンタクトホールCNT5aは、中継層9aと中継層7aとを電気的に接続する。同様にして、中継層7bと電気的に接続するコンタクトホールCNT5bを形成する。コンタクトホールCNT5bは、容量線8と中継層7bとを電気的に接続する。これによって、容量線8は、中継層7bなどを介して容量上部電極16cと電気的に接続される。
図20に示すように、容量線8は、非開口領域CLにおいて±Y方向に延在すると共に、コンタクトホールCNT5bと電気的に接続するために−X方向に突出して形成される。中継層9aは、中継層7aと平面的に略重なる位置に容量線8から独立して島状に配置される。そして工程S9へ進む。
工程S9では、第6層上に第5層間絶縁膜14を形成した後、画素電極15を含む第7層を形成する。第5層間絶縁膜14の形成には公知の技術が採用可能である。次いで、ドライエッチングによって、第5層間絶縁膜14を貫通して中継層9aを露出させる貫通孔を形成する。そして、図21に示すように、開口領域OPを覆う画素電極15と、上記貫通孔を埋めるようなコンタクトホールCNT6とを形成する。
素子基板10の製造方法のうち、以降の工程には公知の技術が採用可能であり、説明を省略する。以上に述べた製造方法により、素子基板10および液晶装置100が製造される。
以上に述べたように、本実施形態に係る電気光学装置としての液晶装置100および液晶装置100の製造方法によれば、以下の効果を得ることができる。
TFT30における光リーク電流の発生を抑制することができる。詳しくは、画素Pの開口領域OPに沿って第2層間絶縁膜11cの側壁41cが設けられ、さらに側壁41cに沿って容量素子16の側面部163が設けられる。そのため、容量素子16の面積は、従来と比べて大幅に拡大される。また、第2層間絶縁膜11cの側壁41cに囲まれた領域であるトレンチTRの内側に第3層間絶縁膜12が設けられる。第3層間絶縁膜12の屈折率は、第2層間絶縁膜11cの屈折率よりも高い。したがって、画素Pの開口領域OPから入射した光は、屈折率差によって反射され、第2層間絶縁膜11c中へは侵入しにくくなる。すなわち、開口領域OPから入射した光は、第2層間絶縁膜11cの側壁41cの内側において第3層間絶縁膜12内を導かれるようにして進行して、TFT30に対する光の侵入が抑えられる。これらにより、TFT30における光リーク電流の発生を抑制する液晶装置100を提供することができる。
突出部162によって、容量素子16の本体部161と容量素子16の外縁である側面部163とが連続して形成される。そのため、画素Pの開口領域OPに沿って、従来よりも大容量の容量素子16を容易に設けることができる。また、データ線6と第2走査線3とによってTFT30に入射する光を低減することができる。
第2層間絶縁膜11cの側壁41cが+Y方向および+X方向に沿って設けられ、側壁41cに沿って容量素子16の側面部163が設けられる。そのため、側壁41cに対して、+Y方向および+X方向からTFT30へ入射する光を抑えることができる。
凹部43の側壁41aに沿って容量素子16の側面部163が設けられるため、基板10s側からTFT30に回り込んで入射する光が低減される。そのため、TFT30における光リーク電流の発生をさらに抑制することができる。
容量素子16が容量下部電極16aおよび容量上部電極16cを有することから、画像信号D1から画像信号Dnのリークを防止することができる。
容量線8が容量素子16の容量上部電極16cと第2層間絶縁膜11c上で電気的に接続されることから、容量線8に共通電位を与えることによって、データ線6や第2走査線3などの電位の影響を画素電極15に及びにくくすることができる。
液晶装置100の製造方法において、TFT30を覆うように形成された第2層間絶縁膜11cにおいて、側壁41cが形成されて、側壁41cに沿った容量素子16が形成される。また、第2層間絶縁膜11cの側壁41cで囲まれた領域に、第2層間絶縁膜11cよりも屈折率が高い第3層間絶縁膜12が形成される。これによって、TFT30における光リーク電流の発生を抑制する液晶装置100を製造することができる。
2.第2実施形態
本実施形態では、第1実施形態と同様に、電気光学装置として画素ごとにトランジスターとしてのTFTを備えたアクティブ駆動型の液晶装置を例に挙げて説明する。この液晶装置は、例えば、後述する電子機器としての投射型表示装置において、光変調装置として好適に用いることができるものである。なお、本実施形態に係る液晶装置は、第1実施形態の液晶装置100に対して、素子基板の構成を異ならせたものである。そのため、第1実施形態と同一の構成部位については、同一の符号を使用し、重複する説明は省略する。
本実施形態では、第1実施形態と同様に、電気光学装置として画素ごとにトランジスターとしてのTFTを備えたアクティブ駆動型の液晶装置を例に挙げて説明する。この液晶装置は、例えば、後述する電子機器としての投射型表示装置において、光変調装置として好適に用いることができるものである。なお、本実施形態に係る液晶装置は、第1実施形態の液晶装置100に対して、素子基板の構成を異ならせたものである。そのため、第1実施形態と同一の構成部位については、同一の符号を使用し、重複する説明は省略する。
2.1.素子基板の構成
本実施形態の液晶装置に備わる素子基板110の構造について、図22および図23を参照して説明する。図22は、第2実施形態に係る液晶装置における画素の配置を示す概略平面図である。図23は、素子基板の構造を示す模式断面図である。なお、図23では、図22における、C−C’線に沿った断面およびB−B’線に沿った断面を並べて示している。また、図23では、配向膜18の図示を省略している。
本実施形態の液晶装置に備わる素子基板110の構造について、図22および図23を参照して説明する。図22は、第2実施形態に係る液晶装置における画素の配置を示す概略平面図である。図23は、素子基板の構造を示す模式断面図である。なお、図23では、図22における、C−C’線に沿った断面およびB−B’線に沿った断面を並べて示している。また、図23では、配向膜18の図示を省略している。
本実施形態に係る液晶装置の画素Pは、図22に示すように、第1実施形態と同様に、表示領域EにおいてX方向およびY方向にマトリクス状に配置されている。画素Pは、例えば、平面視で略四角形の開口領域OPを有している。開口領域OPは、±X方向および±Y方向に延在し、格子状に設けられた遮光性の非開口領域CLに囲まれている。
図23に示すように、本実施形態の素子基板110は、TFT30と平面視で重なる位置であるTFT30の下方にも容量素子16が設けられている。素子基板110では、第2層間絶縁膜11cの側壁41c側に、つまりトレンチTRの内側に、開口を有する空洞としてのスリットSLが設けられている。本実施形態では、容量素子16は、TFT30の上方の本体部161やトレンチTRの内側の側面部163などに加えて、スリットSLにも設けられている。素子基板110は、この点が第1実施形態の素子基板10と異なっている。
詳しくは、素子基板110は、第1走査線5の下方にスリットSLを有している。平面的に隣り合うスリットSL同士は、内壁113によって区分されて連通していない。内壁113は、例えば、タングステン(W)で形成されている。
スリットSLの内側および内壁113のスリットSLに面する領域には、スリット絶縁膜111が設けられている。スリット絶縁膜111は、例えば、窒化シリコンで形成され、スリットSL内の容量素子16と内壁113との間において短絡の発生を防止する。また、スリット絶縁膜111は、スリットSL内の容量素子16および内壁113と、第1走査線5との間にも設けられて導通を遮断している。さらに、スリット絶縁膜111は、スリットSL内の容量素子16および内壁113と、基板10sとの間にも設けられている。
スリットSL内の容量素子16は、トレンチTR内の容量素子16と連続して形成され、TFT30上方の容量素子16と一体に形成される。これにより、本実施形態における容量素子16の面積は、第1実施形態と比べてスリットSL内に形成される分がさらに増大する。
2.2.液晶装置の製造方法
次に、本実施形態の液晶装置の製造方法について説明する。本実施形態の液晶装置の製造方法は、素子基板110の製造方法を含み、素子基板110の製造方法に備わる工程以外では公知の技術が採用可能である。また、素子基板110の製造方法は、第1実施形態の素子基板10の製造方法を含む。そのため、以下の説明では、素子基板110の製造方法における特有の工程についてのみ述べることとする。なお、以下の製造方法においては、特に断りがない限り公知の技術が採用可能である。
次に、本実施形態の液晶装置の製造方法について説明する。本実施形態の液晶装置の製造方法は、素子基板110の製造方法を含み、素子基板110の製造方法に備わる工程以外では公知の技術が採用可能である。また、素子基板110の製造方法は、第1実施形態の素子基板10の製造方法を含む。そのため、以下の説明では、素子基板110の製造方法における特有の工程についてのみ述べることとする。なお、以下の製造方法においては、特に断りがない限り公知の技術が採用可能である。
本実施形態の素子基板110の製造方法について、図24から図31を参照して説明する。図24、図26、図28、図30は、素子基板の製造方法を示す模式断面図である。図25、図27、図29は、素子基板の製造方法を示す概略平面図である。図31は、スリットの配置を示す概略平面図である。なお、以下の説明では、図23も参照することとする。
素子基板110の製造方法は、素子基板10の製造方法における工程S1の前に、スリットSLに付帯した構成を形成する工程を有している。以下、該工程について具体的に述べる。
まず、図24に示すように、基板10s上に内壁113などを形成する。具体的には、基板10s上にベタ状に窒化シリコン膜を形成して、スリット絶縁膜111の一部を形成する。スリット絶縁膜111の厚さは、特に限定されないが、10nmから30nmとする。その後、スリット絶縁膜111上に、ベタ状に酸化シリコン膜115を形成する。酸化シリコン膜115の厚さは、特に限定されないが、例えば約500nmとする。その後、図22に示した非開口領域CLの画素電極15と重ならない領域に、溝部を設ける。溝部は画素電極15に対応して、格子状に配置される。溝部では、酸化シリコン膜115を除去して上方にスリット絶縁膜111を露出させる。
次いで、溝部の内壁の側面にスリット絶縁膜111の一部を形成する。スリット絶縁膜111の厚さは、特に限定されないが、10nmから30nmとする。そして、スリット絶縁膜111を形成した溝部の内側に、タングステンにて内壁113を形成する。内壁113の厚さは、酸化シリコン膜115と同等とする。
次いで、酸化シリコン膜115および内壁113の上方に、スリット絶縁膜111をベタ状に形成する。スリット絶縁膜111の厚さは、特に限定されないが、10nmから30nmとする。
これによって、基板10s上にスリット絶縁膜111を介して酸化シリコン膜115と内壁113とが配置される。酸化シリコン膜115と内壁113との間、および酸化シリコン膜115と内壁113との上方にも、スリット絶縁膜111が配置される。内壁113は、図25に示すように、平面視にて格子状に形成される。
次に、図26に示すように、第1走査線5およびスリットSLなどを形成する。具体的には、スリット絶縁膜111上に、タングステンシリサイド膜を設ける。タングステンシリサイド膜の厚さは、特に限定されないが、例えば約150nmである。該タングステンシリサイド膜の一部は、後述するパターニングによって第1走査線5と成る。
その後、素子基板110における画素Pの略中央に、パターニングによって開口部HOを設ける。開口部HOは、酸化シリコン膜115の上方のスリット絶縁膜111および上記タングステンシリサイド膜のみを貫通する貫通孔である。すなわち、開口部HOの上方には、酸化シリコン膜115が露出する。開口部HOの形状は、特に限定されないが、例えば直径が100nmから300nmの略円形である。
その後、フッ酸またはバッファードフッ酸を用いてウェットエッチングを施す。これによって、開口部HOから酸化シリコン膜115にエッチング液が到達して、酸化シリコン膜115が除去される。これに対して、上記タングステンシリサイド膜、スリット絶縁膜111および内壁113は除去されずに残る。これにより、酸化シリコン膜115が存在した部位に、スリットSLを含む空間が形成される。そして、上記タングステンシリサイド膜をパターニングして第1走査線5とする。
第1走査線5は、図27に示すように、格子状に配置された内壁113と略重なるように配置される。なお、図27では、スリット絶縁膜111の図示を省略している。
次に、図28および図29に示すように、半導体層30a、第2走査線3などを形成する。具体的には、第1走査線5を含む第1層上に第1層間絶縁膜11aをベタ状に形成する。第1層間絶縁膜11aの形成には、例えば、プラズマCVD法を用いる。このとき、開口部HOの上方を第1層間絶縁膜11aにて被覆する。その後、第1実施形態の素子基板10の製造方法と同様にして、一対のコンタクトホールCNT1、半導体層30a、ゲート絶縁膜11bおよびゲート電極30gを含む第2走査線3を形成する。
次に、図30に示すように、トレンチTR、第1導電膜160a、誘電体膜160bおよび第2導電膜160cなどを成膜する。具体的には、第1実施形態の素子基板10における製造方法の工程S2と同様にして、第2走査線3およびTFT30を覆うように第2層間絶縁膜11cを形成する。その後、上記製造方法の工程S3と同様にして、トレンチTRを形成する。これにより、トレンチTRは、側壁41a,41b,41cおよび凹部43を有すると共に、スリットSLと連通する。
そして、上記製造方法の工程S4と同様にして、第1導電膜160aと、誘電体膜160bと、第2導電膜160cとを順に成膜する。詳しくは、第2層間絶縁膜11cの上方、トレンチTRの内側およびスリットSL内を被覆するように減圧CVD法を用いて、第1導電膜160aを成膜し、次いで誘電体膜160bを成膜し、次いで第2導電膜160cを成膜する。
以上によって、図31に示すように、平面視にて開口領域OPに隣接する領域にスリットSLが形成される。換言すれば、1個の画素Pに対応する1個の開口領域OPを囲むようにスリットSLが配置される。また、スリットSLは、図25に示した内壁113に沿って配置される。ここで、内壁113は、平面視にて、隣り合う開口領域OPを区分するように非開口領域CLに配置されればよく、非開口領域CLの±X方向および±Y方向の中央に配置されなくてもよい。
以降の工程は、第1実施形態の素子基板10における製造方法の工程S5以降と同様にして行う。なお、トレンチTR内へ第3層間絶縁膜12を設ける際には、スリットSL内へ第3層間絶縁膜12が付き回らずにスリットSL内に空間が残存してもよい。
以上に述べたように、本実施形態に係る電気光学装置としての液晶装置および液晶装置の製造方法によれば、第1実施形態における効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
TFT30の下方の、TFT30と重なる位置に容量素子16が設けられていることから、TFT30に下方から入射する光をさらに抑えることができる。
空洞であるスリットSLによってTFT30と重なる位置に、容易に容量素子16を設けることができる。また、スリットSL内にも容量素子16が設けられることから、容量素子16の面積をさらに増大させることができる。
3.第3実施形態
3.1.電子機器
本実施形態の電子機器について、投射型表示装置を例に挙げ、図32を参照して説明する。図32は、第3実施形態に係る電子機器としての投射型表示装置の構成を示す概略図である。
3.1.電子機器
本実施形態の電子機器について、投射型表示装置を例に挙げ、図32を参照して説明する。図32は、第3実施形態に係る電子機器としての投射型表示装置の構成を示す概略図である。
図32に示すように、本実施形態の電子機器としての投射型表示装置1000は、光源としてのランプユニット1001、色分離光学系としてのダイクロイックミラー1011,1012、電気光学パネルである3個の液晶装置1B,1G,1R、3個の反射ミラー1111,1112,1113、3個のリレーレンズ1121,1122,1123、色合成光学系としてのダイクロイックプリズム1130、投射光学系としての投射レンズ1140を備えている。
ランプユニット1001では、例えば、放電型の光源を採用している。光源の方式はこれに限定されず、発光ダイオード、レーザーなどの固体光源を採用してもよい。
ランプユニット1001から射出された光は、2個のダイクロイックミラー1011,1012によって、各々異なる波長域の3色の色光に分離する。3色の色光とは、略赤色の光、略緑色の光、略青色の光である。以降の説明において、上記略赤色の光を赤色光Rともいい、上記略緑色の光を緑色光Gともいい、上記略青色の光を青色光Bともいう。
ダイクロイックミラー1011は、赤色光Rを透過させると共に、赤色光Rよりも波長が短い、緑色光Gおよび青色光Bを反射させる。ダイクロイックミラー1011を透過した赤色光Rは、反射ミラー1111で反射され、液晶装置1Rに入射する。ダイクロイックミラー1011で反射された緑色光Gは、ダイクロイックミラー1012によって反射された後、液晶装置1Gに入射する。ダイクロイックミラー1011で反射された青色光Bは、ダイクロイックミラー1012を透過して、リレーレンズ系1120へ射出される。
リレーレンズ系1120は、リレーレンズ1121,1122,1123、反射ミラー1112,1113を有している。青色光Bは、緑色光Gや赤色光Rと比べて光路が長いため、光束が大きくなりやすい。そのため、リレーレンズ1122を用いて光束の拡大を抑えている。リレーレンズ系1120に入射した青色光Bは、反射ミラー1112で反射されると共に、リレーレンズ1121によってリレーレンズ1122の近傍で収束される。そして、青色光Bは、反射ミラー1113およびリレーレンズ1123を経て、液晶装置1Bに入射する。
投射型表示装置1000における、光変調装置である液晶装置1R,1G,1Bには、第1実施形態の電気光学装置としての液晶装置100が適用されている。また、液晶装置1R,1G,1Bとして、第1実施形態以外の液晶装置を適用してもよい。
液晶装置1R,1G,1Bのそれぞれは、投射型表示装置1000の上位回路と電気的に接続される。これにより、赤色光R、緑色光G、青色光Bの階調レベルを指定する画像信号がそれぞれ外部回路から供給され、上位回路で処理される。これにより、液晶装置1R,1G,1Bが駆動されて、それぞれの色光が変調される。
液晶装置1R,1G,1Bによって変調された赤色光R、緑色光G、青色光Bは、ダイクロイックプリズム1130に3方向から入射する。ダイクロイックプリズム1130は、入射した赤色光R、緑色光G、青色光Bを合成する。ダイクロイックプリズム1130において、赤色光Rおよび青色光Bは90度に反射され、緑色光Gは透過する。そのため、赤色光R、緑色光G、青色光Bは、カラー画像を表示する表示光として合成され、投射レンズ1140に向かって射出される。
投射レンズ1140は、投射型表示装置1000の外側を向いて配置されている。表示光は、投射レンズ1140を介して拡大されて射出され、投射対象であるスクリーン1200に投射される。
本実施形態では、電子機器として投射型表示装置1000を例示したが、本発明の電気光学装置が適用される電子機器はこれに限定されない。例えば、投射型のHUD(Head-Up Display)、直視型のHMD(Head Mounted Display)、パーソナルコンピューター、デジタルカメラ、液晶テレビなどの電子機器に適用されてもよい。
以上に述べたように、本実施形態に係る投射型表示装置1000によれば、以下の効果を得ることができる。
トランジスターにおける光リーク電流の発生が抑制され、表示品質が向上した投射型表示装置1000を提供することができる。
以下に、実施形態から導き出される内容を記載する。
電気光学装置は、トランジスターと、トランジスターに電気的に接続された容量素子と、画素の開口領域に沿う側壁を有し、トランジスターと重なる位置に設けられた層間絶縁膜と、層間絶縁膜の側壁に囲まれた領域に、該層間絶縁膜よりも屈折率の高い絶縁膜と、を備え、容量素子は、層間絶縁膜の側壁に沿って設けられている。
この構成によれば、トランジスターにおける光リーク電流の発生を抑制することができる。詳しくは、画素の開口領域に沿って層間絶縁膜の側壁が設けられ、さらに該側壁に沿って容量素子が設けられる。そのため、容量素子の面積は、従来と比べて大幅に拡大される。また、層間絶縁膜の側壁に囲まれた領域に絶縁膜が設けられる。絶縁膜の屈折率は、層間絶縁膜の屈折率よりも高い。したがって、画素の開口領域から入射した光は、屈折率差によって反射され、層間絶縁膜中へは侵入しにくくなる。すなわち、開口領域から入射した光は、層間絶縁膜の側壁の内側において絶縁膜内を導かれるようにして進行して、トランジスターに対する光の侵入が抑えられる。これらにより、トランジスターにおける光リーク電流の発生を抑制する電気光学装置を提供することができる。
上記の電気光学装置は、第1方向に延在するデータ線と、第1方向と交差する第2方向に延在する走査線と、を備え、容量素子は、データ線および走査線と重なるように設けられた本体部と、データ線と隣り合うデータ線との間において第1方向に突出する突出部と、を有し、容量素子の外縁は、画素の開口領域に沿って設けられていることが好ましい。
この構成によれば、突出部によって、容量素子の本体部と外縁とが連続して形成される。そのため、画素の開口領域に沿って、従来よりも大容量の容量素子を容易に設けることができる。また、データ線と走査線とによってトランジスターに入射する光を低減することができる。
上記の電気光学装置において、層間絶縁膜の側壁は、第1方向および第2方向に沿って設けられ、当該第1方向および当該第2方向に沿って設けられた側壁に沿って容量素子が設けられていることが好ましい。
この構成によれば、層間絶縁膜の側壁に対して、第1方向および第2方向からトランジスターへ入射する光を抑えることができる。
上記の電気光学装置は、側壁を有する凹部が設けられた基板を備え、凹部の側壁は、層間絶縁膜の側壁に沿って設けられ、容量素子は、凹部の側壁に沿って設けられていることが好ましい。
この構成によれば、凹部の側壁に沿って容量素子が設けられるため、基板側からトランジスターに回り込んで入射する光が低減される。そのため、トランジスターにおける光リーク電流の発生をさらに抑制することができる。
上記の電気光学装置は、トランジスターと重なる位置に容量素子が設けられていることが好ましい。
この構成によれば、容量素子によって、トランジスターに入射する光をさらに抑えることができる。
上記の電気光学装置は、トランジスターと重なる位置に、層間絶縁膜の側壁側に開口を有する空洞を有し、容量素子は、空洞に設けられていることが好ましい。
この構成によれば、空洞によってトランジスターと重なる位置に、容易に容量素子を設けることができる。また、空洞内にも容量素子が設けられることから、容量素子の面積をさらに増大させることができる。
上記の電気光学装置において、容量素子は、容量電極を有することが好ましい。
この構成によれば、画像信号のリークを防止することができる。
上記の電気光学装置は、トランジスターの半導体層と重なるように設けられた容量線を備え、容量線は、容量素子の容量電極と層間絶縁膜上で電気的に接続されることが好ましい。
この構成によれば、容量線に共通電位を与えることによって、データ線や走査線の電位の影響を画素電極に及びにくくすることができる。
電子機器は、上記の電気光学装置を備える。
この構成によれば、トランジスターにおける光リーク電流の発生が抑制され、表示品質が向上した電子機器を提供することができる。
電気光学装置の製造方法は、トランジスターを覆うように層間絶縁膜を形成する工程と、層間絶縁膜の画素の開口領域に対応する領域をエッチングして側壁を形成する工程と、層間絶縁膜を覆うように第1導電膜と、誘電体膜と、第2導電膜とを順に成膜する工程と、第1導電膜、誘電体膜および第2導電膜を同時にエッチングして、層間絶縁膜上および層間絶縁膜の側壁に沿って第1容量電極、容量絶縁膜および第2容量電極を有する容量素子を形成する工程と、層間絶縁膜の側壁で囲まれた領域に、層間絶縁膜よりも屈折率の高い絶縁膜を、容量素子と接するように形成する工程と、を備える。
この構成によれば、トランジスターを覆うように形成された層間絶縁膜において、側壁が形成されて、該側壁に沿った容量素子が形成される。また、層間絶縁膜の側壁で囲まれた領域に、層間絶縁膜よりも屈折率が高い絶縁膜が形成される。これによって、トランジスターにおける光リーク電流の発生を抑制する電気光学装置を製造することができる。
3…走査線としての第2走査線、6…データ線、8…容量線、10s…基板、11c…層間絶縁膜としての第2層間絶縁膜、12…絶縁膜としての第3層間絶縁膜、16…容量素子、16a…第1容量電極としての容量下部電極、16b…容量絶縁膜としての誘電体層、16c…第2容量電極としての容量上部電極、30…トランジスターとしてのTFT、30a…半導体層、41c…側壁、43…凹部、100…電気光学装置としての液晶装置、160a…第1導電膜、160b…誘電体膜、160c…第2導電膜、161…本体部、162…突出部、163…容量素子の外縁としての側面部、1000…電子機器としての投射型表示装置、OP…開口領域、P…画素、SL…空洞としてのスリット。
Claims (10)
- トランジスターと、
前記トランジスターに電気的に接続された容量素子と、
画素の開口領域に沿う側壁を有し、前記トランジスターと重なる位置に設けられた層間絶縁膜と、
前記層間絶縁膜の前記側壁に囲まれた領域に、該層間絶縁膜よりも屈折率の高い絶縁膜と、を備え、
前記容量素子は、前記層間絶縁膜の前記側壁に沿って設けられている電気光学装置。 - 第1方向に延在するデータ線と、
前記第1方向と交差する第2方向に延在する走査線と、を備え、
前記容量素子は、前記データ線および前記走査線と重なるように設けられた本体部と、前記データ線と隣り合うデータ線との間において前記第1方向に突出する突出部と、を有し、
前記容量素子の外縁は、前記画素の開口領域に沿って設けられている、請求項1に記載の電気光学装置。 - 前記層間絶縁膜の前記側壁は、前記第1方向および前記第2方向に沿って設けられ、
当該第1方向および当該第2方向に沿って設けられた前記側壁に沿って前記容量素子が設けられている、請求項2に記載の電気光学装置。 - 側壁を有する凹部が設けられた基板を備え、
前記凹部の前記側壁は、前記層間絶縁膜の前記側壁に沿って設けられ、
前記容量素子は、前記凹部の前記側壁に沿って設けられている、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電気光学装置。 - 前記トランジスターと重なる位置に前記容量素子が設けられている、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電気光学装置。
- 前記トランジスターと重なる位置に、前記層間絶縁膜の前記側壁側に開口を有する空洞を有し、
前記容量素子は、前記空洞に設けられている、請求項5に記載の電気光学装置。 - 前記容量素子は、容量電極を有する、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の電気光学装置。
- 前記トランジスターの半導体層と重なるように設けられた容量線を備え、
前記容量線は、前記容量素子の前記容量電極と前記層間絶縁膜上で電気的に接続される、請求項7に記載の電気光学装置。 - 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の電気光学装置を備えた電子機器。
- トランジスターを覆うように層間絶縁膜を形成する工程と、
前記層間絶縁膜の画素の開口領域に対応する領域をエッチングして側壁を形成する工程と、
前記層間絶縁膜を覆うように第1導電膜と、誘電体膜と、第2導電膜とを順に成膜する工程と、
前記第1導電膜、前記誘電体膜および前記第2導電膜を同時にエッチングして、前記層間絶縁膜上および前記層間絶縁膜の前記側壁に沿って第1容量電極、容量絶縁膜および第2容量電極を有する容量素子を形成する工程と、
前記層間絶縁膜の前記側壁で囲まれた領域に、前記層間絶縁膜よりも屈折率の高い絶縁膜を、前記容量素子と接するように形成する工程と、を備えた電気光学装置の製造方法。
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