JP2020204690A - 電気光学装置、および電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】十分な保持容量と、高い遮光性とを備え、コンパクトな構成の電気光学装置を提供すること。【解決手段】液晶装置100の素子基板10は、データ線と走査線3との交差に対応して設けられたトランジスターと、画素の4辺に沿って形成されたトレンチ4と、トレンチ4の側面に沿って設けられる第1の容量電極81b,81dと、トランジスターの半導体層28が、第1の容量電極81b,81dと重なるように延在して設けられた第2の容量電極29b,29dとを備える。【選択図】図8B
Description
本発明は、電気光学装置、および当該電気光学装置を備えた電子機器に関する。
従来、電気光学装置の1つとして、画素電極のスイッチング素子にトランジスターを備えたアクティブ駆動型の液晶装置が知られていた。このような液晶装置をプロジェクターなどの光変調装置に用いた場合、直視型の液晶装置に比べて液晶装置への入射光が増大する。入射光の増大は、トランジスター領域における光リーク電流を誘発する。光リーク電流が発生すると、画素容量に保持している表示データが失われてしまい、ちらつきや、表示ムラといった表示不良が発生してしまう問題があった。この問題に鑑み、発明者等は、画素容量を増やす技術を提案している。
例えば、特許文献1では、プレーナー型トランジスターのドレイン端子に接続する、画素容量を増やすための付加容量構造を提案していた。詳しくは、画素の一辺に溝を形成し、溝の内壁を利用して容量構造を形成していた。また、特許文献2では、画素の角部に、画素容量を増加するための付加容量構造を形成していた。
しかし、昨今のプロジェクターの高輝度化に伴い、従来の放電ランプからレーザー光源などの固体光源化が進み、光変調装置として用いられる液晶装置には、より多くの光量の光が入射するようになっている。このため、画素容量を増やすことに加えて、トランジスターへの光の侵入を防ぐ遮光構造も必要となっている。発明者等は、特許文献3の技術も提案している。特許文献3では、トランジスターの上層に複数の付加容量構造を形成することに加えて、遮光構造も形成していた。
しかしながら、特許文献3のように、画素容量を増やすために複数の容量構造を追加したり、遮光構造を形成することにより、構造や工程が複雑化してしまうという課題があった。特に、特許文献3における付加容量構造の形成には、10工程以上の専用の追加工程が必要であり、コストの増加要因となっていた。
本願の電気光学装置は、第1方向に沿って延在する第1データ線と、第1方向と交差する第2方向に沿って延在する第1走査線と、第1データ線と第1走査線との交差に対応して設けられたトランジスターと、第1データ線と隣り合う第2データ線と、第1走査線と隣り合う第2走査線と、第1データ線、第2データ線、第1走査線および第2走査線に沿って延在する溝と、溝の側面に沿って設けられる第1容量電極と、トランジスターの半導体層が、第1容量電極と重なるように延在して設けられた第2容量電極とを備える。
また、第1容量電極は、溝の一方の側面に沿って設けられた第1部分と、溝の他方の側面に沿って設けられた第2部分と、第1部分と第2部分とを電気的に接続する第1接続部分と、隣りの画素に設けられた容量電極と電気的に接続される第2接続部分とを有することが好ましい。
また、第2接続部分は、平面視で第1走査線と第2走査線との間に設けられていることが好ましい。
また、第2容量電極は、溝の一方の側面に沿って設けられた第1部分と、溝の他方の側面に沿って設けられた第2部分と、半導体層が第1走査線と重なる領域から第1方向に突出するように設けられ、第1部分と第2部分とを電気的に接続する接続部分とを有することが好ましい。
また、溝は、基板に設けられていることが好ましい。
また、トランジスターのゲート電極と電気的に接続された遮光部を備え、遮光部は、半導体層の両側に設けられたコンタクトホールを介して、半導体層と基板との間に設けられた第1走査線と電気的に接続されることが好ましい。
本願の電子機器は、上記記載の電気光学装置を備えることが好ましい。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。以下に説明する実施の形態は、本発明の一例を説明するものである。本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形例も、本発明に含まれる。
ここで、以下の各図においては、各部材を認識可能な程度の大きさにするため、各部材の尺度を実際とは異ならせしめている。また、以下の各図において、必要に応じて、相互に直交する座標軸としてXYZ軸を付し、各矢印が指す方向を+方向とし、+方向と反対の方向を−方向とする。なお、+Z方向を上方、−Z方向を下方ということもあり、+Z方向から見ることを平面視あるいは平面的という。さらに、以下の説明において、例えば基板に対して、「基板上に」との記載は、基板の上に接して配置される場合、基板の上に他の構造物を介して配置される場合、または基板の上に一部が接して配置され、一部が他の構造物を介して配置される場合のいずれかを表すものとする。
1.実施形態1
本実施形態では、電気光学装置として、画素ごとにトランジスターとしての薄膜トランジスター(Thin Film Transistor)を備えたアクティブ駆動型の液晶装置を例に挙げて説明する。なお、以降、薄膜トランジスターをTFTと略していう。この液晶装置は、例えば、後述する電子機器としての投射型表示装置において、光変調装置として好適に用いることができるものである。
本実施形態では、電気光学装置として、画素ごとにトランジスターとしての薄膜トランジスター(Thin Film Transistor)を備えたアクティブ駆動型の液晶装置を例に挙げて説明する。なお、以降、薄膜トランジスターをTFTと略していう。この液晶装置は、例えば、後述する電子機器としての投射型表示装置において、光変調装置として好適に用いることができるものである。
1.1.液晶装置の構成
本実施形態に係る電気光学装置としての液晶装置の構成について、図1から図3を参照して説明する。図1は、実施形態1に係る電気光学装置としての液晶装置の構成を示す概略平面図である。図2は、図1のH−H’線に沿った液晶装置の構造を示す模式断面図である。図3は、液晶装置の電気的な構成を示す等価回路図である。
本実施形態に係る電気光学装置としての液晶装置の構成について、図1から図3を参照して説明する。図1は、実施形態1に係る電気光学装置としての液晶装置の構成を示す概略平面図である。図2は、図1のH−H’線に沿った液晶装置の構造を示す模式断面図である。図3は、液晶装置の電気的な構成を示す等価回路図である。
図1および図2に示すように、本実施形態の液晶装置100は、素子基板10と、素子基板10と対向配置された対向基板20と、素子基板10および対向基板20の間に挟持された液晶を含む液晶層50と、を有している。
素子基板10の基板10sには、例えば、ガラス基板、石英基板などの基板が用いられる。対向基板20の基板20sには、例えば、ガラス基板、石英基板などの透明基板が用いられる。
素子基板10は、平面視における形状が対向基板20よりも大きい。素子基板10と対向基板20とは、対向基板20の外縁に沿って配置されたシール材40を介して接合されている。素子基板10と対向基板20との隙間に、正または負の誘電異方性を有する液晶が封入されて、液晶層50が設けられている。
シール材40の内側には、マトリクス状に配列した複数の画素Pを含む表示領域Eが設けられている。シール材40と表示領域Eとの間には、表示領域Eを取り囲んで見切り部24が設けられている。表示領域Eの周囲には、表示に寄与しない、図示しないダミー画素領域が設けられている。
素子基板10には、複数の外部接続端子104が配列した端子部が設けられている。該端子部に沿った第1辺部とシール材40との間にデータ線駆動回路101が設けられている。また、第1辺部に対向する第2辺部に沿ったシール材40と表示領域Eとの間に検査回路103が設けられている。
第1辺部と直交し、互いに対向する第3辺部および第4辺部に沿ったシール材40と表示領域Eとの間には、走査線駆動回路102が設けられている。また、第2辺部のシール材40と検査回路103との間には、2つの走査線駆動回路102を繋ぐ複数の配線107が設けられている。
これらデータ線駆動回路101、走査線駆動回路102に繋がる配線は、第1辺部に沿って配列した複数の外部接続端子104に接続されている。なお、検査回路103の配置は上記に限定されない。
ここで、本明細書では、第1辺部に沿った方向が±X方向となり、第1辺部と直交し、互いに対向する第3辺部および第4辺部に沿った方向が±Y方向となる。また、±X方向および±Y方向と直交し、素子基板10および対向基板20の法線方向が±Z方向となる。
図2に示すように、基板10sの液晶層50側の表面には、画素Pごとに設けられた透光性の画素電極15およびスイッチング素子である±X方向TFT30と、信号配線と、これらを被覆する配向膜18とが設けられている。TFT30および画素電極15は、画素Pの構成要素である。素子基板10は、基板10s、基板10s上に設けられた画素電極15、TFT30、信号配線および配向膜18を含む。
基板20sの液晶層50側の表面には、見切り部24と、これを被覆して成膜された絶縁層25と、絶縁層25を被覆して設けられた共通電極としての対向電極21と、対向電極21を被覆する配向膜22とが設けられている。本実施形態における対向基板20は、少なくとも見切り部24、対向電極21および配向膜22を含む。なお、本実施形態では、共通電極を対向電極21として対向基板20側に配置した例を示したが、これに限定されない。
図1に示すように、見切り部24は、表示領域Eを取り囲むと共に、平面的に走査線駆動回路102および検査回路103と重なる位置に設けられている。これにより対向基板20側からこれらの回路に入射する光が遮蔽されて、光の入射による回路の誤動作が防止される。また、不必要な迷光が表示領域Eに入射しないように遮蔽されて、表示領域Eの表示において高いコントラストが確保される。
絶縁層25は、例えば、光透過性を有する酸化シリコンなどの無機材料から成る。絶縁層25は、見切り部24を被覆すると共に、液晶層50側の表面が平坦となるように設けられている。
対向電極21は、例えばITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)などの透明導電膜から成り、絶縁層25を被覆すると共に、対向基板20の四隅に設けられた上下導通部106に電気的に接続されている。上下導通部106は、素子基板10側の配線に電気的に接続されている。
画素電極15を被覆する配向膜18、および対向電極21を被覆する配向膜22は、液晶装置100の光学設計に基づいて選定される。配向膜18,22の形成材料としては、酸化シリコンなどの無機配向膜、ポリイミドなどの有機配向膜が挙げられる。
このような液晶装置100は、例えば透過型であって、電圧が印加されない時の画素Pの透過率が、電圧印加時の透過率よりも大きいノーマリーホワイトモードや、電圧が印加されない時の画素Pの透過率が、電圧印加時の透過率よりも小さいノーマリーブラックモードの光学設計が採用される。素子基板10と対向基板20とを含む液晶パネルにおいて、光の入射側と出射側とにそれぞれ偏光素子が光学設計に応じて配置されている。
本実施形態では、以降、配向膜18,22として前述した無機配向膜と、負の誘電異方性を有する液晶とを用い、ノーマリーブラックモードの光学設計が適用された例について説明する。
次に、図3を参照して、液晶装置100の電気的な構成について説明する。図3に示すように、液晶装置100は、少なくとも表示領域Eにおいて互いに絶縁されて直交する信号配線として、走査線3、データ線6、データ線6に沿って平行に配置された容量線8を、それぞれ複数有している。データ線6は、第1方向としての+Y方向に延在している。走査線3は、該第1方向と交差する第2方向としての+X方向に延在している。なお、図3では、容量線8を±Y方向に沿って延在するように示したが、これに限定されない。
X軸に沿って延在する走査線3と、Y軸に沿って延在するデータ線6とで区画された領域が画素Pとなる。画素Pには、画素電極15、TFT30、および2つの容量素子16,17が設けられている。
なお、第1方向としての±Y方向に沿って延在するデータ線を第1データ線としたときに、当該第1データ線と±X方向に隣り合うデータ線を第2データ線という。また、第2方向としての±X方向に沿って延在する走査線を第1走査線としたときに、当該第1走査線と±Y方向に隣り合う走査線を第2走査線という。
なお、第1方向としての±Y方向に沿って延在するデータ線を第1データ線としたときに、当該第1データ線と±X方向に隣り合うデータ線を第2データ線という。また、第2方向としての±X方向に沿って延在する走査線を第1走査線としたときに、当該第1走査線と±Y方向に隣り合う走査線を第2走査線という。
走査線3はTFT30のゲートに電気的に接続され、データ線6はTFT30のデータ線側ソースドレイン領域であるソース領域に電気的に接続されている。走査線3は、同一行に設けられたTFT30のオン、オフを一斉に制御する機能を有している。画素電極15は、TFT30の画素電極側ソースドレイン領域であるドレイン領域に電気的に接続されている。
データ線6は、上述したデータ線駆動回路101に電気的に接続されており、データ線駆動回路101から供給される画像信号D1,D2,…,Dnを画素Pに供給する。走査線3は、上述した走査線駆動回路102に電気的に接続されており、走査線駆動回路102から供給される走査信号SC1,SC2,…,SCmを各画素Pに供給する。
データ線駆動回路101からデータ線6に供給される画像信号D1から画像信号Dnは、この順番に線順次にて供給してもよく、互いに隣り合う複数のデータ線6同士に対してグループごとに供給してもよい。走査線駆動回路102は、走査線3に対して、走査信号SC1から走査信号SCmを所定のタイミングでパルス的に線順次にて供給する。
液晶装置100は、スイッチング素子であるTFT30が走査信号SC1から走査信号SCmの入力により、一定期間だけオン状態とされる。これにより、データ線6から供給される画像信号D1から画像信号Dnが、所定のタイミングで画素電極15に書き込まれる。そして、画素電極15を介して液晶層50に書き込まれた所定レベルの画像信号D1から画像信号Dnは、画素電極15と、液晶層50を介して対向配置された対向電極21との間で一定期間保持される。
保持された画像信号D1から画像信号Dnがリークするのを防止するため、画素電極15と対向電極21との間に設けられた液晶容量に対して、並列に容量素子16,17が電気的に接続されている。容量素子16の一端は、TFT30のドレインに電気的に接続している。ドレインは、画素電極15にも電気的に接続している。容量素子16の他端は、容量線8に電気的に接続している。容量素子16と並列接続されている容量素子17も、同様に接続されている。
ここで、図3では図示を省略しているが、データ線6には、上述した検査回路103が接続されている。そのため、液晶装置100の製造工程において、上記画像信号を検出して、液晶装置100の動作不具合などを確認することが可能である。
1.2.素子基板の構成
図4Aは、画素の平面図である。図4Bは、画素の断面図であり、詳しくは、画素を構成する素子基板の断面図である。図4Bでは、図4Aにおける、A−A’線に沿った断面と、B−B’線に沿った断面とを並べて示している。また、図4Bでは、配向膜の図示を省略している。
図4Aは、画素の平面図である。図4Bは、画素の断面図であり、詳しくは、画素を構成する素子基板の断面図である。図4Bでは、図4Aにおける、A−A’線に沿った断面と、B−B’線に沿った断面とを並べて示している。また、図4Bでは、配向膜の図示を省略している。
図4Bに示すように、素子基板10は、ベースとなる基板10s上に、複数の機能層を積層した構成となっている。
詳しくは、基板10s上に、走査線3を含む第1層、半導体層28を含む第2層、ゲート電極30gを含む第3層、データ線6を含む第4層、容量線8を含む第5層、画素電極15を含む第6層の順に積層されている。
第1層と第2層との間には第1層間絶縁層51が、第2層と第3層との間にはゲート絶縁層53が、第3層と第4層との間には第2層間絶縁層54が、第4層と第5層との間には第3層間絶縁層55が、第5層と第6層との間には第4層間絶縁層56が、それぞれ設けられている。これらにより、各層間における短絡の発生が防止される。
詳しくは、基板10s上に、走査線3を含む第1層、半導体層28を含む第2層、ゲート電極30gを含む第3層、データ線6を含む第4層、容量線8を含む第5層、画素電極15を含む第6層の順に積層されている。
第1層と第2層との間には第1層間絶縁層51が、第2層と第3層との間にはゲート絶縁層53が、第3層と第4層との間には第2層間絶縁層54が、第4層と第5層との間には第3層間絶縁層55が、第5層と第6層との間には第4層間絶縁層56が、それぞれ設けられている。これらにより、各層間における短絡の発生が防止される。
図4Aにおいて、これらの機能層を構成する配線や、電極などの多くは、平面的に複数の画素Pを区画する非開口領域CLに設けられている。非開口領域CLは、±X方向に延在する走査線を含む直線部分と、±Y方向に延在するデータ線を含む直線部分とが、交差して格子状となっている部分である。
ここでは、素子基板10の断面形状を主体に説明する。配線や、電極などの平面形状については、後述の製造方法の段落で説明する。
ここでは、素子基板10の断面形状を主体に説明する。配線や、電極などの平面形状については、後述の製造方法の段落で説明する。
図4Bに戻る。A−A’断面を主体に説明する。
基板10sの第1層には、走査線3が設けられている。
走査線3には、遮光性および導電性を有する公知の形成材料が採用可能である。そのため、走査線3は、主に下方から半導体層28に入射する光を遮光する機能を有している。本実施形態では、走査線3の形成材料としてタングステンシリサイドを用いる。走査線3の厚さは、特に限定されないが、例えば約150nmである。
基板10sの第1層には、走査線3が設けられている。
走査線3には、遮光性および導電性を有する公知の形成材料が採用可能である。そのため、走査線3は、主に下方から半導体層28に入射する光を遮光する機能を有している。本実施形態では、走査線3の形成材料としてタングステンシリサイドを用いる。走査線3の厚さは、特に限定されないが、例えば約150nmである。
走査線3と第2層との間には、第1層間絶縁層51が設けられている。第1層間絶縁層51は、下地絶縁層であり、走査線3とTFT30を含む半導体層28とを絶縁する。
第1層間絶縁層51にはシリコン系酸化膜などが採用され、具体的には、例えば酸化シリコン(None-doped Silicate Glass:NSG)や窒化シリコンなどが挙げられる。本実施形態では、第1層間絶縁層51の形成材料として酸化シリコンを用いる。層厚は、特に限定されないが、例えば約200nmである。なお、層厚とは、機能膜を成膜した際の膜厚と同義である。
第1層間絶縁層51にはシリコン系酸化膜などが採用され、具体的には、例えば酸化シリコン(None-doped Silicate Glass:NSG)や窒化シリコンなどが挙げられる。本実施形態では、第1層間絶縁層51の形成材料として酸化シリコンを用いる。層厚は、特に限定されないが、例えば約200nmである。なお、層厚とは、機能膜を成膜した際の膜厚と同義である。
第1層間絶縁層51の上には、誘電層52が設けられている。
誘電層52の材料は、例えば、酸化ハフニウム、酸化アルミニウム、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化タンタルなどが挙げられ、これらの膜を単層または組み合わせて用いる。本実施形態では、誘電層52の誘電体材料として窒化シリコンを用いる。層厚は、特に限定されないが、例えば約20nmである。
誘電層52の材料は、例えば、酸化ハフニウム、酸化アルミニウム、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化タンタルなどが挙げられ、これらの膜を単層または組み合わせて用いる。本実施形態では、誘電層52の誘電体材料として窒化シリコンを用いる。層厚は、特に限定されないが、例えば約20nmである。
誘電層52の上には、第2層の半導体層28が形成されている。好適例において、半導体層28は、非晶質シリコン膜に、結晶化処理が施されたポリシリコン膜を用いている。半導体層28には、LDD(Lightly Doped Drain)構造によるTFT30が形成されている。
TFT30には、チャネル領域30c、低濃度ソース領域、低濃度ドレイン領域、高濃度ソース領域30s、高濃度ドレイン領域30dが形成されている。詳しくは、±X方向に沿って−X方向から+X方向に向かって、高濃度ソース領域30s、低濃度ソース領域、チャネル領域30c、低濃度ドレイン領域、高濃度ドレイン領域30dの順番で形成されている。なお、半導体層28の層厚は、特に限定されないが、例えば約50nmである。
TFT30には、チャネル領域30c、低濃度ソース領域、低濃度ドレイン領域、高濃度ソース領域30s、高濃度ドレイン領域30dが形成されている。詳しくは、±X方向に沿って−X方向から+X方向に向かって、高濃度ソース領域30s、低濃度ソース領域、チャネル領域30c、低濃度ドレイン領域、高濃度ドレイン領域30dの順番で形成されている。なお、半導体層28の層厚は、特に限定されないが、例えば約50nmである。
ここで、第2層から、第1層を介して基板10sに向かって溝としてのトレンチ4が形成されている。トレンチ4内にも、前述の誘電層52や半導体層28が延在している。これらを使って、トレンチ4には、2つの容量素子16,17が形成されている。なお、トレンチ4、および2つの容量素子16,17の詳細については、後述する。
半導体層28を被覆してゲート絶縁層53が設けられている。ゲート絶縁層53は、半導体層28とゲート電極30gとの間にあって、半導体層28とゲート電極30gとを絶縁する。ゲート絶縁層53は、例えば、2種類の酸化シリコンから成る2層構造である。ゲート絶縁層53の層厚は、特に限定されないが、例えば約75nmである。
第3層には、TFT30のチャネル領域30cに重なるように、ゲート電極30gが設けられている。ゲート電極30gは、例えば、導電性のポリシリコン、金属シリサイド、金属あるいは金属化合物などを用いて形成される。本実施形態では、ゲート電極30gは、導電性のポリシリコン膜とタングステンシリサイド膜との2層構造である。ゲート電極30gの層厚は、特に限定されないが、例えば約150nmである。
B−B’断面において、第3層にはコンタクトホールCNT1が形成されている。コンタクトホールCNT1は、第1層の走査線3とゲート電極30gとを電気的に接続している。コンタクトホールCNT1の材質は、ゲート電極30gと同じである。
また、2つのコンタクトホールCNT1の間において、第1層間絶縁層51の上には、容量配線81aが形成されている。容量配線81aは、±X方向において隣の画素の容量素子との電気的な接続部分となる。容量配線81aは、例えば、導電性のポリシリコン膜から形成される。
また、2つのコンタクトホールCNT1の間において、第1層間絶縁層51の上には、容量配線81aが形成されている。容量配線81aは、±X方向において隣の画素の容量素子との電気的な接続部分となる。容量配線81aは、例えば、導電性のポリシリコン膜から形成される。
第3層のゲート電極30g、コンタクトホールCNT1の上には、第2層間絶縁層54が形成されている。
第2層間絶縁層54は、例えば、NSG膜、燐(P)を含むPSG(Phosphosilicate Glass)膜、ホウ素(B)を含むBSG(Borosilicate Glass)膜、ホウ素と燐とが含まれるBPSG(Borophosphosilicate Glass)膜などのシリコン系酸化膜の1種類以上を用いて形成される。本実施形態では、第2層間絶縁層54の形成材料として酸化シリコンを用いる。第2層間絶縁層54の層厚は、特に限定されないが、例えば約400nmである。
第2層間絶縁層54は、例えば、NSG膜、燐(P)を含むPSG(Phosphosilicate Glass)膜、ホウ素(B)を含むBSG(Borosilicate Glass)膜、ホウ素と燐とが含まれるBPSG(Borophosphosilicate Glass)膜などのシリコン系酸化膜の1種類以上を用いて形成される。本実施形態では、第2層間絶縁層54の形成材料として酸化シリコンを用いる。第2層間絶縁層54の層厚は、特に限定されないが、例えば約400nmである。
第2層間絶縁層54には、コンタクトホールCNT2,CNT3が形成されている。コンタクトホールCNT2は、第2層のTFT30の高濃度ソース領域30sと、データ線6とを接続する。コンタクトホールCNT3は、TFT30の高濃度ドレイン領域30dと中継層61とを電気的に接続する。
第2層間絶縁層54の上には、第4層のデータ線6、および中継層61が形成されている。データ線6、中継層61、およびコンタクトホールCNT2,CNT3の形成材料としては、導電性を有する低抵抗配線材料であれば特に限定されないが、例えば、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)などの金属やその金属化合物が挙げられる。本実施形態では、データ線6、および中継層61は、チタン(Ti)層、窒化チタン(TiN)層、アルミニウム(Al)層、窒化チタン(TiN)層が積層された4層構造である。これらの層厚は、特に限定されないが、例えば約350nmである。
ここで、データ線6、および中継層61は、遮光層の役割も兼ねている。A−A’断面に示すように、TFT30の±X方向における両側面にはコンタクトホールCNT2,CNT3が壁状に立ち上っている。さらに、TFT30の上方にはデータ線6が庇状にゲート電極30gを覆っている。このように、遮光性の高い金属層からなるデータ線6、および中継層61でTFT30を囲う構成とすることで、TFT30への迷光などの入射を防いでいる。さらに、コンタクトホールCNT1は、画素の角部に形成されるため、半導体層28に対して、画素の開口側から斜めに入射する光を防ぐ遮光部となっている。
データ線6、中継層61の上には、第3層間絶縁層55が形成されている。第3層間絶縁層55の材料は、第1層間絶縁層51と同様である。本実施形態では、第3層間絶縁層55に酸化シリコンを用いている。層厚は、特に限定されないが、例えば約400nmである。
第3層間絶縁層55には、コンタクトホールCNT4が形成されている。コンタクトホールCNT4は、第4層の中継層61と、第5層の中継層62とを電気的に接続する。
第3層間絶縁層55には、コンタクトホールCNT4が形成されている。コンタクトホールCNT4は、第4層の中継層61と、第5層の中継層62とを電気的に接続する。
第3層間絶縁層55の上には、容量線8、および中継層62が形成されている。容量線8には、共通電位が供給されており、図示を省略するが、上述した対向基板20の上下導通部106と電気的に接続されている。
容量線8、および中継層62の材料としては、データ線6と同様に、導電性を有する低抵抗配線材料であれば特に限定されないが、例えば、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)などの金属やその金属化合物が挙げられる。本実施形態では、チタン(Ti)層、窒化チタン(TiN)層、アルミニウム(Al)層、窒化チタン(TiN)層の4層構造である。層厚は、特に限定されないが、例えば約250nmである。
容量線8、および中継層62の材料としては、データ線6と同様に、導電性を有する低抵抗配線材料であれば特に限定されないが、例えば、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)などの金属やその金属化合物が挙げられる。本実施形態では、チタン(Ti)層、窒化チタン(TiN)層、アルミニウム(Al)層、窒化チタン(TiN)層の4層構造である。層厚は、特に限定されないが、例えば約250nmである。
容量線8、および中継層62の上には、第4層間絶縁層56が形成されている。第4層間絶縁層56の材料としては、例えば、第1層間絶縁層51と同様なシリコン系酸化膜が挙げられる。本実施形態では、酸化シリコンを用いる。層厚は、特に限定されないが、例えば約300nmである。
第4層間絶縁層56には、コンタクトホールCNT5が形成されている。コンタクトホールCNT5は、第5層の中継層62と、第6層の画素電極15とを電気的に接続する。
第4層間絶縁層56には、コンタクトホールCNT5が形成されている。コンタクトホールCNT5は、第5層の中継層62と、第6層の画素電極15とを電気的に接続する。
第4層間絶縁層56の上には、画素電極15が形成されている。画素電極15は、コンタクトホールCNT5、中継層62、コンタクトホールCNT4、中継層61、およびコンタクトホールCNT3を介して、TFT30の高濃度ドレイン領域30dと電気的に接続する。また、画素電極15は、トレンチ4の容量素子16,17の一端にも電気的に接続される。詳しくは、半導体層28のトレンチ4方向に延在する部分が配線29となり、容量素子16,17の容量電極29d,29bに共通電位を供給する。なお、容量素子16,17の詳細は、後述する。
画素電極15は、例えばITOやIZOなどの透明導電膜を成膜した後、パターニングすることによって設けられる。本実施形態では、画素電極15にITOを用いる。画素電極15の層厚は、特に限定されないが、例えば約145nmである。
画素電極15は、例えばITOやIZOなどの透明導電膜を成膜した後、パターニングすることによって設けられる。本実施形態では、画素電極15にITOを用いる。画素電極15の層厚は、特に限定されないが、例えば約145nmである。
図2に戻る。
画素電極15の上には、配向膜18が形成される。なお、図4Bでは図示を省略している。素子基板10の配向膜18、および対向基板20の配向膜22は、酸化シリコンなどの無機材料を、斜方向などの所定の方向から蒸着して柱状に成長させたカラムの集合体で形成している。また、液晶層50に含まれる液晶分子は、配向膜18,22に対して負の誘電異方性を有している。
画素電極15の上には、配向膜18が形成される。なお、図4Bでは図示を省略している。素子基板10の配向膜18、および対向基板20の配向膜22は、酸化シリコンなどの無機材料を、斜方向などの所定の方向から蒸着して柱状に成長させたカラムの集合体で形成している。また、液晶層50に含まれる液晶分子は、配向膜18,22に対して負の誘電異方性を有している。
1.3.液晶装置の製造方法
本実施形態に係る液晶装置100の製造方法について、図5から図15A、図15Bを参照して説明する。図5は、液晶装置の製造方法のうち、素子基板の製造方法を示す工程フロー図である。図6A〜図11Aは、素子基板の製造過程を示す平面図である。図6B〜図11Bは、素子基板の製造過程を示す断面図である。各断面図では、図4Aにおける線分A−A’断面、および線分B−B’断面と同じ断面を図示している。
本実施形態に係る液晶装置100の製造方法について、図5から図15A、図15Bを参照して説明する。図5は、液晶装置の製造方法のうち、素子基板の製造方法を示す工程フロー図である。図6A〜図11Aは、素子基板の製造過程を示す平面図である。図6B〜図11Bは、素子基板の製造過程を示す断面図である。各断面図では、図4Aにおける線分A−A’断面、および線分B−B’断面と同じ断面を図示している。
液晶装置100の製造方法のうち、本実施形態における特徴部を含む素子基板10の製造方法を主体に説明する。
素子基板10は、基本的に、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、フォトリソグラフィ法、スパッタリング法、エッチング法、およびCMP(Chemical. Mechanical Planarization)法など、公知の半導体プロセスで用いられる方法や、これらを組み合せることにより製造することが可能である。以下、好適な製造方法を主体に説明するが、同等な構造を形成可能で、かつ、当該構成における機能、特性を満たせれば、他の製造方法を用いても良い。
素子基板10は、基本的に、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、フォトリソグラフィ法、スパッタリング法、エッチング法、およびCMP(Chemical. Mechanical Planarization)法など、公知の半導体プロセスで用いられる方法や、これらを組み合せることにより製造することが可能である。以下、好適な製造方法を主体に説明するが、同等な構造を形成可能で、かつ、当該構成における機能、特性を満たせれば、他の製造方法を用いても良い。
図6A、図6Bを用いて説明する。
工程S1では、まず、基板10s上に走査線3を形成する。平面視において、走査線3は、±X方向に延在しており、隣の画素との交差部分で±Y方向に突出する部位が形成されている。延在部と突出部とで十字状部が形成され、当該十字状部により、周囲の4つの画素が区画されている。走査線3の形成には、フォトリソグラフィ法によるパターニング形成を用いる。
次に、走査線3を含む第1層上に第1層間絶縁層51をベタ状に形成する。第1層間絶縁層51の形成には、例えば、モノシラン(SiH4)、2塩化シラン(SiCl2H2)、TEOS(Tetraethyl Orthosilicate)、アンモニアなどの処理ガスを用いた、常圧CVD法、減圧CVD法、またはプラズマCVD法などを用いる。
工程S1では、まず、基板10s上に走査線3を形成する。平面視において、走査線3は、±X方向に延在しており、隣の画素との交差部分で±Y方向に突出する部位が形成されている。延在部と突出部とで十字状部が形成され、当該十字状部により、周囲の4つの画素が区画されている。走査線3の形成には、フォトリソグラフィ法によるパターニング形成を用いる。
次に、走査線3を含む第1層上に第1層間絶縁層51をベタ状に形成する。第1層間絶縁層51の形成には、例えば、モノシラン(SiH4)、2塩化シラン(SiCl2H2)、TEOS(Tetraethyl Orthosilicate)、アンモニアなどの処理ガスを用いた、常圧CVD法、減圧CVD法、またはプラズマCVD法などを用いる。
次に、リング状の溝であるトレンチ4を形成する。トレンチ4は、平面的に、画素の開口部に沿った略正方形状の四角環状をなしている。断面において、トレンチ4の深さは、走査線3よりも深く、基板10sに達し、掘り込んでいる。トレンチ4の形成には、ドライエッチング法を用いる。好適例においてトレンチ4の幅は200nm、深さは2000nmとした。
次に、第1層間絶縁層51の上に、第1導電膜5を形成する。好適例として、第1導電膜5には、導電性のポリシリコン膜を用いている。第1導電膜5の形成には、減圧CVD法で燐がドープされた多結晶シリコン膜を堆積した後に、燐拡散を行い、半導体中に燐原子が1×1019個/cm3以上の濃度で含まれる様に形成する。第1導電膜5は、トレンチ4の内面にも形成される。詳しくは、トレンチ4の側面4a、底面4b、側面4cにも、第1導電膜5が形成される。
次に、第1層間絶縁層51の上に、第1導電膜5を形成する。好適例として、第1導電膜5には、導電性のポリシリコン膜を用いている。第1導電膜5の形成には、減圧CVD法で燐がドープされた多結晶シリコン膜を堆積した後に、燐拡散を行い、半導体中に燐原子が1×1019個/cm3以上の濃度で含まれる様に形成する。第1導電膜5は、トレンチ4の内面にも形成される。詳しくは、トレンチ4の側面4a、底面4b、側面4cにも、第1導電膜5が形成される。
図7A、図7Bを用いて説明する。
次に、第1容量電極を構成する容量配線81a,81c、および容量電極81b,81dを形成する。詳しくは、容量配線81a,81cとなる部分にレジストを形成した後、全面をドライエッチングする。これにより、レジスト部分以外の第1導電膜5、およびトレンチ4の底面4bの第1導電膜5が除去されて、図7Bに示すように、容量配線81a,81c、およびトレンチ4の溝の両側面に、容量電極81b,81dが形成される。
容量配線81aは第2接続部分であり、平面的に隣り合う2つの画素に跨る2つの容量電極81bの間を電気的に接続する。容量配線81cは第1接続部分であり、容量配線81aをトレンチ4内まで延在するように、トレンチ4の底面に形成されており、容量電極81bと容量電極81dとを電気的に接続する。すなわち、容量配線81a,81cは、±X方向に隣り合う2つの画素に跨って2つのトレンチ4にそれぞれ設けられた容量電極81b,81dを電気的に接続する。また、容量配線81a,81cは、平面視で隣り合う2本の走査線3の間に形成されている。
次に、第1容量電極を構成する容量配線81a,81c、および容量電極81b,81dを形成する。詳しくは、容量配線81a,81cとなる部分にレジストを形成した後、全面をドライエッチングする。これにより、レジスト部分以外の第1導電膜5、およびトレンチ4の底面4bの第1導電膜5が除去されて、図7Bに示すように、容量配線81a,81c、およびトレンチ4の溝の両側面に、容量電極81b,81dが形成される。
容量配線81aは第2接続部分であり、平面的に隣り合う2つの画素に跨る2つの容量電極81bの間を電気的に接続する。容量配線81cは第1接続部分であり、容量配線81aをトレンチ4内まで延在するように、トレンチ4の底面に形成されており、容量電極81bと容量電極81dとを電気的に接続する。すなわち、容量配線81a,81cは、±X方向に隣り合う2つの画素に跨って2つのトレンチ4にそれぞれ設けられた容量電極81b,81dを電気的に接続する。また、容量配線81a,81cは、平面視で隣り合う2本の走査線3の間に形成されている。
次に、誘電層52を全面に対してベタ状に形成する。誘電層52の形成方法には、プラズマCVD法を用いる。図7Bに示すように、誘電層52は、トレンチ4の内面にも形成される。詳しくは、トレンチ4内の容量電極81b,81dの上層、およびトレンチ4内の底面4bにも、誘電層52が形成される。
図8A、図8Bを用いて説明する。
工程S2では、まず、誘電層52の上に、半導体層28を形成する。半導体層28は、減圧CVD法により非晶質シリコン膜を形成した後、550℃以上の高温処理を施して結晶化させた多結晶膜である。平面的に、半導体層28は、走査線3に重なるように、2つの画素に跨って±X方向に沿って延在しており、+X側の末端がトレンチ4側に突出している。換言すれば、半導体層28が走査線3と重なる領域から、末端で+Y方向に突出している。図8AのA−A’断面は、この半導体層28の+X側の末端を+Y方向に切断した断面を取っており、当該断面が図8BのA−A’断面に図示されている。
次に、半導体層28を含む第2層の上にゲート絶縁層53を形成する。ゲート絶縁層53は、シリコンの半導体膜を熱酸化して得られる第1酸化シリコン膜を形成した後、減圧CVD法を用いて、700℃から900℃の高温を印可し、第2酸化シリコン膜を形成することで、2層構成の絶縁層としている。
工程S2では、まず、誘電層52の上に、半導体層28を形成する。半導体層28は、減圧CVD法により非晶質シリコン膜を形成した後、550℃以上の高温処理を施して結晶化させた多結晶膜である。平面的に、半導体層28は、走査線3に重なるように、2つの画素に跨って±X方向に沿って延在しており、+X側の末端がトレンチ4側に突出している。換言すれば、半導体層28が走査線3と重なる領域から、末端で+Y方向に突出している。図8AのA−A’断面は、この半導体層28の+X側の末端を+Y方向に切断した断面を取っており、当該断面が図8BのA−A’断面に図示されている。
次に、半導体層28を含む第2層の上にゲート絶縁層53を形成する。ゲート絶縁層53は、シリコンの半導体膜を熱酸化して得られる第1酸化シリコン膜を形成した後、減圧CVD法を用いて、700℃から900℃の高温を印可し、第2酸化シリコン膜を形成することで、2層構成の絶縁層としている。
図8BのA−A’断面に示すように、半導体層28の端部は容量素子と電気的に接続する配線、および容量素子の電極となっている。詳しくは、トレンチ4側に突出した部分が配線29、トレンチ4内に入りこむ接続部分が配線29aとなる。配線29aは、トレンチ4内の側面4aに沿った容量電極29bに電気的に接続している。容量電極29bは、底面4bに沿った配線29cを介して、容量電極29dと電気的に接続している。
図8Cを交えて説明する。図8Cは、図8AのC−C’断面の断面図である。
ここまでの工程で、容量素子16,17の基本構成が完成するため、ここで容量素子16,17の詳細について説明する。
前述したように、配線29、配線29aにより、トレンチ4内の容量電極29b、配線29c、容量電極29dがTFT30のドレインと電気的に接続するが、配線29、配線29aが形成されているのは、図8Aにおける半導体層28の端部のみであり、トレンチ4の他の部分には形成されていない。
図8Cは、配線29がない部分におけるトレンチ4の断面図であり、当該図に示すように、容量電極29b、容量電極29dは、単独の電極となっている。また、トレンチ4の底面4bに沿った配線29cは形成されていない。
ここまでの工程で、容量素子16,17の基本構成が完成するため、ここで容量素子16,17の詳細について説明する。
前述したように、配線29、配線29aにより、トレンチ4内の容量電極29b、配線29c、容量電極29dがTFT30のドレインと電気的に接続するが、配線29、配線29aが形成されているのは、図8Aにおける半導体層28の端部のみであり、トレンチ4の他の部分には形成されていない。
図8Cは、配線29がない部分におけるトレンチ4の断面図であり、当該図に示すように、容量電極29b、容量電極29dは、単独の電極となっている。また、トレンチ4の底面4bに沿った配線29cは形成されていない。
トレンチ4内には、2つの容量素子16,17が形成されている。容量素子16は、容量電極81dと、容量電極29dとの間に、誘電層52dを挟持した構成である。容量電極81dは、トレンチ4の深さに応じた幅を持つ帯状の電極であり、平面的には四角環状である。容量電極29dも、トレンチ4の深さに応じた幅を持つ帯状の電極であり、平面的には四角環状である。
つまり、容量素子16は、トレンチ4の四角環状の長さで、トレンチ4の深さに応じた幅を持つ、四角環状の容量素子である。容量素子16の電荷蓄積容量は、誘電層52の誘電率、層厚が共通である場合、容量電極81d,29dの重なり面積で決まる。容量電極81d,29dの重なり面積は、画素の全周と略同じ長さとなるため、画素の一辺に容量構造を形成していた従来の液晶装置よりも、電荷蓄積容量を増やすことができる。
つまり、容量素子16は、トレンチ4の四角環状の長さで、トレンチ4の深さに応じた幅を持つ、四角環状の容量素子である。容量素子16の電荷蓄積容量は、誘電層52の誘電率、層厚が共通である場合、容量電極81d,29dの重なり面積で決まる。容量電極81d,29dの重なり面積は、画素の全周と略同じ長さとなるため、画素の一辺に容量構造を形成していた従来の液晶装置よりも、電荷蓄積容量を増やすことができる。
容量素子17は、容量電極81bと、容量電極29bとの間に、誘電層52bを挟持した構成である。容量電極81bは、トレンチ4の深さに応じた幅を持つ帯状の電極であり、平面的には四角環状である。容量電極29bも、トレンチ4の深さに応じた幅を持つ帯状の電極であり、平面的には四角環状である。平面的に、容量素子17は、容量素子16の外周において、容量素子17を囲う四角環状をなしている。
容量素子16を囲って四角環状に形成された容量素子17の長さは、容量素子16よりも長いため、電荷蓄積容量も容量素子16よりも大きくなる。さらに、トレンチ4内に形成された2つの容量素子16,17は、並列接続されているため、両者の電荷蓄積容量は加算されて、十分な電荷蓄積容量を確保できる。
容量素子16を囲って四角環状に形成された容量素子17の長さは、容量素子16よりも長いため、電荷蓄積容量も容量素子16よりも大きくなる。さらに、トレンチ4内に形成された2つの容量素子16,17は、並列接続されているため、両者の電荷蓄積容量は加算されて、十分な電荷蓄積容量を確保できる。
ここで、図3を交えながら、容量素子16,17への電気的な配線態様を整理する。
容量素子16,17の一端に相当する容量電極29b,29dは、配線29、配線29aを経由して、TFT30のドレインと電気的に接続する。なお、容量電極29b,29dは、第2容量電極の第1部分、第2部分に相当する。配線29,29a,29cは、第2容量電極の接続部分に相当する。
容量素子16,17の他端に相当する容量電極81b,81dは、第1接続部分に相当する容量配線81cにより電気的に接続される。平面的に外縁の容量電極81bは、第2接続部分に相当する容量配線81aにより、隣の画素の容量電極81bと電気的に接続する。このように、容量電極81b,81dは、容量配線81a,81cを介して±X方向に沿った画素行間において電気的に接続され、表示領域の外で共通電位に接続する。なお、容量電極81b,81dは、第1容量電極の第1部分、第2部分に相当する。
容量素子16,17の一端に相当する容量電極29b,29dは、配線29、配線29aを経由して、TFT30のドレインと電気的に接続する。なお、容量電極29b,29dは、第2容量電極の第1部分、第2部分に相当する。配線29,29a,29cは、第2容量電極の接続部分に相当する。
容量素子16,17の他端に相当する容量電極81b,81dは、第1接続部分に相当する容量配線81cにより電気的に接続される。平面的に外縁の容量電極81bは、第2接続部分に相当する容量配線81aにより、隣の画素の容量電極81bと電気的に接続する。このように、容量電極81b,81dは、容量配線81a,81cを介して±X方向に沿った画素行間において電気的に接続され、表示領域の外で共通電位に接続する。なお、容量電極81b,81dは、第1容量電極の第1部分、第2部分に相当する。
図5に戻る。図9A、図9Bを交えて説明する。
工程S3では、トランジスターとしてのTFT30を形成する。
まず、ゲート絶縁層53から走査線3までの間に、ドライエッチング法などにより、コンタクトホールCNT1を形成する。また、並行して、ゲート電極30gを形成する。平面的に、コンタクトホールCNT1は画素の角部に形成される。ゲート電極30gは、TFT30のチャネル領域30cに重ねて形成される。
ゲート電極30g、およびコンタクトホールCNT1は、減圧CVD法により、燐がドープされた多結晶シリコン膜を堆積して導電性のポリシリコン膜を形成した後、タングステンシリサイド膜を積層した2層構造としている。
次に、イオン注入装置によりイオン注入を行い、LDD構造を有するTFT30を形成する。なお、コンタクトホールCNT1は、画素の角部に形成されるため、半導体層28に対して、画素の開口側から斜めに入射する光を防ぐ遮光部となっている。
工程S3では、トランジスターとしてのTFT30を形成する。
まず、ゲート絶縁層53から走査線3までの間に、ドライエッチング法などにより、コンタクトホールCNT1を形成する。また、並行して、ゲート電極30gを形成する。平面的に、コンタクトホールCNT1は画素の角部に形成される。ゲート電極30gは、TFT30のチャネル領域30cに重ねて形成される。
ゲート電極30g、およびコンタクトホールCNT1は、減圧CVD法により、燐がドープされた多結晶シリコン膜を堆積して導電性のポリシリコン膜を形成した後、タングステンシリサイド膜を積層した2層構造としている。
次に、イオン注入装置によりイオン注入を行い、LDD構造を有するTFT30を形成する。なお、コンタクトホールCNT1は、画素の角部に形成されるため、半導体層28に対して、画素の開口側から斜めに入射する光を防ぐ遮光部となっている。
図10A、図10Bを用いて説明する。
工程S4では、遮光層としても機能するデータ線6、中継層61を形成する。
まず、ゲート電極30g、およびコンタクトホールCNT1の上に、第2層間絶縁層54をベタ状に形成する。形成方法は、第1層間絶縁層51と同様である。第2層間絶縁層54を形成した後、水素プラズマ処理を行う。
次に、第2層間絶縁層54上から半導体層28までの間に、ドライエッチング法などにより、コンタクトホールCNT2,3を形成する。続いて、データ線6、および中継層61を形成する。データ線6、および中継層61は、CVD法や、フォトリソグラフィ法などを用いて形成する。データ線6は、±Y方向に沿って延在しており、走査線3と重なる部分で−X方向に突出している。当該突出部の−X方向に、走査線3に重ねて島状の中継層61が形成されている。
工程S4では、遮光層としても機能するデータ線6、中継層61を形成する。
まず、ゲート電極30g、およびコンタクトホールCNT1の上に、第2層間絶縁層54をベタ状に形成する。形成方法は、第1層間絶縁層51と同様である。第2層間絶縁層54を形成した後、水素プラズマ処理を行う。
次に、第2層間絶縁層54上から半導体層28までの間に、ドライエッチング法などにより、コンタクトホールCNT2,3を形成する。続いて、データ線6、および中継層61を形成する。データ線6、および中継層61は、CVD法や、フォトリソグラフィ法などを用いて形成する。データ線6は、±Y方向に沿って延在しており、走査線3と重なる部分で−X方向に突出している。当該突出部の−X方向に、走査線3に重ねて島状の中継層61が形成されている。
図11A、図11Bを用いて説明する。
工程S5では、容量線8、中継層62、および画素電極15を形成する。
まず、データ線6、および中継層61の上に、第3層間絶縁層55をベタ状に形成する。形成方法は、第1層間絶縁層51と同様である。第3層間絶縁層55を形成した後、CMP法を用いて平坦化処理を行う。
次に、第3層間絶縁層55上から中継層61までの間に、ドライエッチング法などにより、コンタクトホールCNT4を形成する。続いて、容量線8、および中継層62を形成する。容量線8、および中継層62は、CVD法や、フォトリソグラフィ法などを用いて形成する。容量線8は、±Y方向に沿って延在しており、走査線3と重なる部分で−X方向に突出している。当該突出部の−X方向に、走査線3に重ねて島状の中継層62が形成されている。
工程S5では、容量線8、中継層62、および画素電極15を形成する。
まず、データ線6、および中継層61の上に、第3層間絶縁層55をベタ状に形成する。形成方法は、第1層間絶縁層51と同様である。第3層間絶縁層55を形成した後、CMP法を用いて平坦化処理を行う。
次に、第3層間絶縁層55上から中継層61までの間に、ドライエッチング法などにより、コンタクトホールCNT4を形成する。続いて、容量線8、および中継層62を形成する。容量線8、および中継層62は、CVD法や、フォトリソグラフィ法などを用いて形成する。容量線8は、±Y方向に沿って延在しており、走査線3と重なる部分で−X方向に突出している。当該突出部の−X方向に、走査線3に重ねて島状の中継層62が形成されている。
図4A、図4Bに戻る。
次に、容量線8、中継層62の上に、第4層間絶縁層56をベタ状に形成する。形成方法は、第1層間絶縁層51と同様である。第4層間絶縁層56を形成した後、CMP法を用いて平坦化処理を行う。
次に、第4層間絶縁層56上から中継層62までの間に、ドライエッチング法などにより、コンタクトホールCNT5を形成する。
そして、第4層間絶縁層56の上に、スパッタリング法、フォトリソ法などにより、第4層間絶縁層56の上に、画素電極15を形成する。
次に、容量線8、中継層62の上に、第4層間絶縁層56をベタ状に形成する。形成方法は、第1層間絶縁層51と同様である。第4層間絶縁層56を形成した後、CMP法を用いて平坦化処理を行う。
次に、第4層間絶縁層56上から中継層62までの間に、ドライエッチング法などにより、コンタクトホールCNT5を形成する。
そして、第4層間絶縁層56の上に、スパッタリング法、フォトリソ法などにより、第4層間絶縁層56の上に、画素電極15を形成する。
以上、述べたように、本実施形態に係る液晶装置100、およびその製造方法によれば、以下の効果を得ることができる。
液晶装置100は、平面的に、画素の開口部に沿った四角環状のトレンチ4内に、当該環状に沿った2つのリング状の容量素子16,17を備えている。さらに、TFT30の周囲には、複数の遮光部が形成されており、TFT30への光の入射を防いでいる。詳しくは、TFT30の下層には走査線3が設けられている。TFT30の±X方向の両側面にはコンタクトホールCNT2,CNT3が壁状に立ち上っている。TFT30の上方にはデータ線6、中継層61が形成されている。特に、データ線6は、庇状にゲート電極30gを覆っている。その上層には、容量線8、中継層62が形成されている。そして、画素の角部に形成されたコンタクトホールCNT1は、TFT30に対して、画素の開口側から斜めに入射する光を防ぐ。
よって、高輝度の光源からより多くの光量が入射しても、複数の遮光部によりTFT30への光の入射を防止することができ、さらに、従来よりも大きい十分な付加容量を備えた液晶装置100を提供することができる。
よって、高輝度の光源からより多くの光量が入射しても、複数の遮光部によりTFT30への光の入射を防止することができ、さらに、従来よりも大きい十分な付加容量を備えた液晶装置100を提供することができる。
製造工程においては、半導体層28を延在して配線29として用いることで、容量素子16,17の電極とするなど、TFT30の製造工程と、容量素子16,17の製造工程との共通化を図っている。これにより、容量素子16,17を形成するための専用工程は、トレンチ4を形成する工程と、容量電極81b,81d、容量配線81aを形成する工程くらいであり、他の工程は、TFT30を含む通常の素子基板の製造工程と変わらない。さらに、遮光部の形成には、専用工程は設けられていない。
よって、付加容量構造の形成に、10工程以上の専用の追加工程を必要としていた従来の製造方法と異なり、より少ない製造工程で同等以上の保持容量を形成可能な液晶装置100の製造方法を提供することができる。工程数が少なくて済むため、製造コストも低減できる。
よって、付加容量構造の形成に、10工程以上の専用の追加工程を必要としていた従来の製造方法と異なり、より少ない製造工程で同等以上の保持容量を形成可能な液晶装置100の製造方法を提供することができる。工程数が少なくて済むため、製造コストも低減できる。
トレンチ4は、走査線3を含む第1層よりも下層に形成され、最深部は基板10sに達している。平面的には、画素の開口部に沿った四角環状の溝であり、コンパクトな構成となっている。また、遮光部を構成するデータ線6、中継層61、コンタクトホールCNT1,CNT2,CNT3、容量線8、および中継層62は、第1層から第5層に掛けて高さ方向に形成されている。また、遮光部を構成する各部位は、通常の素子基板の構成部位である。
このように、画素の周縁部や、基板10sを含む高さ方向のスペースを有効活用することで、2つの容量素子16,17を内包したトレンチ4、および遮光部という、必要最低限の構成部位により、簡素でコンパクトな構成の液晶装置100を提供することができる。また、簡素でコンパクトな構成でありながらも、十分な保持容量と、高い遮光性とを両立している。
このように、画素の周縁部や、基板10sを含む高さ方向のスペースを有効活用することで、2つの容量素子16,17を内包したトレンチ4、および遮光部という、必要最低限の構成部位により、簡素でコンパクトな構成の液晶装置100を提供することができる。また、簡素でコンパクトな構成でありながらも、十分な保持容量と、高い遮光性とを両立している。
2.実施形態2
続いて、実施形態2の液晶装置について説明する。本実施形態の液晶装置は、実施形態1の液晶装置100の素子基板の構成を異ならせたものである。そのため、実施形態1と同一の構成部位については、同一の符号を使用し、重複する説明は省略する。
続いて、実施形態2の液晶装置について説明する。本実施形態の液晶装置は、実施形態1の液晶装置100の素子基板の構成を異ならせたものである。そのため、実施形態1と同一の構成部位については、同一の符号を使用し、重複する説明は省略する。
2.1.素子基板の構成
図12Aは、画素の平面図であり、図4Aと対応している。図12Bは、画素の断面図であり、図4Bと対応している。図12A、図12BにおけるA−A’断面、B−B’断面も、図4Aと同じ部分の断面を示している。以下、図12A、図12Bを主体に、図4A、図4Bを交えて説明する。
図12Aは、画素の平面図であり、図4Aと対応している。図12Bは、画素の断面図であり、図4Bと対応している。図12A、図12BにおけるA−A’断面、B−B’断面も、図4Aと同じ部分の断面を示している。以下、図12A、図12Bを主体に、図4A、図4Bを交えて説明する。
本実施形態の素子基板110では、遮光構造が強化されている。それ以外は、実施形態の素子基板10と同様である。以下、素子基板10との相違点を中心に説明する。
まず、図12Aの平面図は、図4Aの平面図と同じである。図12BのA−A’断面では、第3層のゲート電極30gまでの積層構造は、図4BのA−A’断面と同じである。図4Bではゲート電極30gの上は第2層間絶縁層54となっていたが、図12Aではゲート電極30gの上に遮光部71が形成される。また、遮光部71の追加に伴い、コンタクトホールCNT12,13の長さが長くなっている。コンタクトホールCNT12は、TFT30の高濃度ソース領域30sとデータ線6とを電気的に接続する。コンタクトホールCNT13は、TFT30の高濃度ドレイン領域30dと中継層61とを電気的に接続する。つまり、図4BのコンタクトホールCNT2,3よりも、図12BのコンタクトホールCNT12,13の方が長くなっている。なお、トレンチ4内に形成された2つの容量素子16,17の構成は、実施形態1と同じである。
まず、図12Aの平面図は、図4Aの平面図と同じである。図12BのA−A’断面では、第3層のゲート電極30gまでの積層構造は、図4BのA−A’断面と同じである。図4Bではゲート電極30gの上は第2層間絶縁層54となっていたが、図12Aではゲート電極30gの上に遮光部71が形成される。また、遮光部71の追加に伴い、コンタクトホールCNT12,13の長さが長くなっている。コンタクトホールCNT12は、TFT30の高濃度ソース領域30sとデータ線6とを電気的に接続する。コンタクトホールCNT13は、TFT30の高濃度ドレイン領域30dと中継層61とを電気的に接続する。つまり、図4BのコンタクトホールCNT2,3よりも、図12BのコンタクトホールCNT12,13の方が長くなっている。なお、トレンチ4内に形成された2つの容量素子16,17の構成は、実施形態1と同じである。
図4BのB−B’断面ではコンタクトホールCNT1は、ゲート絶縁層53から走査線3の間に形成されていたが、図12BのB−B’断面ではコンタクトホールCNT11はゲート絶縁層53の上層の第2層間絶縁層54aから走査線3の間に形成される。なお、素子基板110では、第2層間絶縁層が2層構成となっており、第2層間絶縁層54a、第2層間絶縁層54bの順に積層されている。これにより、コンタクトホールCNT11の長さが長くなっている。換言すれば、図4BのコンタクトホールCNT1よりも、図12BのコンタクトホールCNT11方が、長くなっている。また、図4BのコンタクトホールCNT1はゲート電極30gと同じ材料で形成されていたが、図12BのコンタクトホールCNT11、および遮光部71は、より遮光性に優れた金属膜で構成されている。詳しくは、アルミニウム合金膜を用いている。なお、同等な遮光性を有する金属膜であれば良く、例えば、窒化チタン膜とアルミニウム膜とが二層から四層に積層した膜や、アモルファスタングステンシリサイド(WSi)であっても良い。
これらが、実施形態1の素子基板10と、本実施形態の素子基板110との主な相違点であり、これにより遮光構造が強化されている。
詳しくは、ゲート電極30gの上に、金属性の遮光壁である遮光部71が形成されたことにより、ゲート電極30g、およびTFT30への光の侵入をより低減することができる。TFT30の±X方向における両側面にはコンタクトホールCNT12,CNT13が壁状に立ち上っている。コンタクトホールCNT12,13が長くなることは、遮光壁の高さが高くなることと同義であるため、遮光機能は高くなる。TFT30の上方にはデータ線6が庇状に遮光部71を覆っている。さらに、コンタクトホールCNT11は、画素の角部に形成されているため、半導体層28に対して、画素の開口側から斜めに入射する光を防ぐ遮光部となっている。コンタクトホールCNT11も長くなっているため、当該部による遮光壁も高くなり、より遮光機能は高くなっている。
詳しくは、ゲート電極30gの上に、金属性の遮光壁である遮光部71が形成されたことにより、ゲート電極30g、およびTFT30への光の侵入をより低減することができる。TFT30の±X方向における両側面にはコンタクトホールCNT12,CNT13が壁状に立ち上っている。コンタクトホールCNT12,13が長くなることは、遮光壁の高さが高くなることと同義であるため、遮光機能は高くなる。TFT30の上方にはデータ線6が庇状に遮光部71を覆っている。さらに、コンタクトホールCNT11は、画素の角部に形成されているため、半導体層28に対して、画素の開口側から斜めに入射する光を防ぐ遮光部となっている。コンタクトホールCNT11も長くなっているため、当該部による遮光壁も高くなり、より遮光機能は高くなっている。
2.2.液晶装置の製造方法
次に、素子基板110の製造方法について、実施形態1の素子基板10と異なる点を主体に説明し、重複する説明は省略する。素子基板110の製造工程は、素子基板10と共通する部分が多いため、図5の工程フローを交えて説明する。
次に、素子基板110の製造方法について、実施形態1の素子基板10と異なる点を主体に説明し、重複する説明は省略する。素子基板110の製造工程は、素子基板10と共通する部分が多いため、図5の工程フローを交えて説明する。
まず、図5の工程S1、工程S2について、素子基板110の製造方法と、素子基板10の製造方法とは共通である。つまり、半導体層28、および容量素子16,17が形成される図8A、図8Bの態様までは、素子基板110と、素子基板10との製造方法とは同一である。
工程S3について、図13A、図13Bを主体に、図9A、図9Bを交えて説明する。
工程S3において、素子基板10ではコンタクトホールCNT1を形成していたが、素子基板110ではコンタクトホールの形成は行わず、ゲート絶縁層53の上にゲート電極30gのみを形成する。これ以外は、TFT30の形成工程を含めて、実施形態1の説明と同様である。
工程S3において、素子基板10ではコンタクトホールCNT1を形成していたが、素子基板110ではコンタクトホールの形成は行わず、ゲート絶縁層53の上にゲート電極30gのみを形成する。これ以外は、TFT30の形成工程を含めて、実施形態1の説明と同様である。
工程S4について、図14A、図14Bを主体に、図9A、図9Bを交えて説明する。
工程S4では、遮光部71、およびコンタクトホールCNT11を形成する。
まず、ゲート電極30g、およびゲート絶縁層53の上に第2層間絶縁層54aをベタ状に形成する。第2層間絶縁層54aの材質、および形成方法は、第1層間絶縁層51と同様である。第2層間絶縁層54aを形成した後、水素プラズマ処理を行う。
工程S4では、遮光部71、およびコンタクトホールCNT11を形成する。
まず、ゲート電極30g、およびゲート絶縁層53の上に第2層間絶縁層54aをベタ状に形成する。第2層間絶縁層54aの材質、および形成方法は、第1層間絶縁層51と同様である。第2層間絶縁層54aを形成した後、水素プラズマ処理を行う。
次に、第2層間絶縁層54a上からゲート電極30gの間に、ドライエッチング法などにより、コンタクトホール状の穴を形成する。並行して、第2層間絶縁層54a上から走査線3の間に、ドライエッチング法などにより、コンタクトホールCNT11を形成する。図9Bに示すように、素子基板10のコンタクトホールCNT1はゲート絶縁層53から走査線3までの間に形成されていたが、素子基板110のコンタクトホールCNT11は第2層間絶縁層54a上から形成されているため、第2層間絶縁層54aの厚さ分、長くなっている。図14Aに示すように、平面的に遮光部71は、ゲート電極30gと略同じサイズに形成されており、ゲート電極30gを覆っている。ゲート電極30gは、コンタクトホールCNT11を介して走査線3と電気的に接続している。
図15A、図15Bを用いて説明する。
次に、遮光部71、コンタクトホールCNT11、および第2層間絶縁層54aの上に、第2層間絶縁層54bを形成する。第2層間絶縁層54bは、2層構造からなる第2層間絶縁層の上層の絶縁層である。第2層間絶縁層54bの材質、および形成方法は、第1層間絶縁層51と同様である。
次に、第2層間絶縁層54b上から半導体層28までの間に、ドライエッチング法などにより、コンタクトホールCNT12,13を形成する。続いて、データ線6、および中継層61を形成する。データ線6、および中継層61の材質、形成方法、および平面形状は、実施形態1での説明と同じである。遮光部71の追加に伴い、コンタクトホールCNT12,13の長さが長くなっている点が、実施形態1のコンタクトホールCNT2,3と異なる。
次に、遮光部71、コンタクトホールCNT11、および第2層間絶縁層54aの上に、第2層間絶縁層54bを形成する。第2層間絶縁層54bは、2層構造からなる第2層間絶縁層の上層の絶縁層である。第2層間絶縁層54bの材質、および形成方法は、第1層間絶縁層51と同様である。
次に、第2層間絶縁層54b上から半導体層28までの間に、ドライエッチング法などにより、コンタクトホールCNT12,13を形成する。続いて、データ線6、および中継層61を形成する。データ線6、および中継層61の材質、形成方法、および平面形状は、実施形態1での説明と同じである。遮光部71の追加に伴い、コンタクトホールCNT12,13の長さが長くなっている点が、実施形態1のコンタクトホールCNT2,3と異なる。
図16A、図16Bを用いて説明する。
工程S5について、素子基板110の製造方法と、素子基板10の製造方法とは共通である。まず、データ線6、および中継層61の上に、第3層間絶縁層55を形成する。次に、第3層間絶縁層55上から中継層61までの間に、コンタクトホールCNT4を形成する。続いて、容量線8、および中継層62を形成する。
工程S5について、素子基板110の製造方法と、素子基板10の製造方法とは共通である。まず、データ線6、および中継層61の上に、第3層間絶縁層55を形成する。次に、第3層間絶縁層55上から中継層61までの間に、コンタクトホールCNT4を形成する。続いて、容量線8、および中継層62を形成する。
図12A、図12Bに戻る。
次に、容量線8、中継層62の上に、第4層間絶縁層56を形成する。次に、第4層間絶縁層56上から中継層62までの間に、コンタクトホールCNT5を形成する。そして、第4層間絶縁層56の上に、画素電極15を形成する。
次に、容量線8、中継層62の上に、第4層間絶縁層56を形成する。次に、第4層間絶縁層56上から中継層62までの間に、コンタクトホールCNT5を形成する。そして、第4層間絶縁層56の上に、画素電極15を形成する。
以上、述べたように、本実施形態に係る素子基板110、およびその製造方法によれば、実施形態1での効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
素子基板110では、遮光構造が強化されている。詳しくは、ゲート電極30gの上に、金属性の遮光壁である遮光部71が形成されたことにより、ゲート電極30g、およびTFT30への光の侵入をより低減することができる。TFT30の下層には走査線3が設けられている。TFT30の±X方向における両側面にはコンタクトホールCNT12,CNT13が壁状に立ち上っている。コンタクトホールCNT12,13は、実施形態1のコンタクトホールCNT2,3よりも、遮光壁が高くなっているため、遮光機能も高くなっている。TFT30の上方にはデータ線6が庇状に遮光部71を覆っている。さらに、画素の角部に形成されたコンタクトホールCNT11は、半導体層28に対して、画素の開口側から斜めに入射する光を防ぐ遮光部となっている。コンタクトホールCNT11は、実施形態1のコンタクトホールCNT1よりも高くなっているため、当該部による遮光壁も高くなり、より遮光機能は高くなっている。
従って、高輝度の光源からより多くの光量が入射しても、複数の遮光部によりTFT30への光の入射を防止することができ、さらに、従来よりも大きい十分な付加容量を備えた液晶装置100を提供することができる。
また、製造工程において、遮光構造を形成する際に追加となった工程は、第2層間絶縁層54bの形成工程くらいであり、他の工程は、実施形態1の素子基板10の製造工程と変わらない。
よって、付加容量構造の形成に、10工程以上の専用の追加工程を必要としていた従来の製造方法と異なり、より少ない製造工程で同等以上の保持容量を形成可能な液晶装置100の製造方法を提供することができる。工程数が少なくて済むため、製造コストも低減できる。従って、十分な保持容量と高い遮光性とを備え、簡素でコンパクトな構成の液晶装置100を提供することができる。
よって、付加容量構造の形成に、10工程以上の専用の追加工程を必要としていた従来の製造方法と異なり、より少ない製造工程で同等以上の保持容量を形成可能な液晶装置100の製造方法を提供することができる。工程数が少なくて済むため、製造コストも低減できる。従って、十分な保持容量と高い遮光性とを備え、簡素でコンパクトな構成の液晶装置100を提供することができる。
3.実施形態3
3.1.電子機器
本実施形態の電子機器について、投射型表示装置を例に挙げ、図17を参照して説明する。図17は、実施形態3に係る電子機器としての投射型表示装置の構成を示す概略図である。
3.1.電子機器
本実施形態の電子機器について、投射型表示装置を例に挙げ、図17を参照して説明する。図17は、実施形態3に係る電子機器としての投射型表示装置の構成を示す概略図である。
図17に示すように、本実施形態の電子機器としての投射型表示装置1000は、光源としてのランプユニット1001、色分離光学系としてのダイクロイックミラー1011,1012、電気光学パネルである3個の液晶装置1B,1G,1R、3個の反射ミラー1111,1112,1113、3個のリレーレンズ1121,1122,1123、色合成光学系としてのダイクロイックプリズム1130、投射光学系としての投射レンズ1140を備えている。
ランプユニット1001では、例えば、放電型の光源を採用している。光源の方式はこれに限定されず、発光ダイオード、レーザーなどの固体光源を採用してもよい。
ランプユニット1001から射出された光は、2個のダイクロイックミラー1011,1012によって、各々異なる波長域の3色の色光に分離する。3色の色光とは、略赤色の光、略緑色の光、略青色の光である。以降の説明において、上記略赤色の光を赤色光Rともいい、上記略緑色の光を緑色光Gともいい、上記略青色の光を青色光Bともいう。
ダイクロイックミラー1011は、赤色光Rを透過させると共に、赤色光Rよりも波長が短い、緑色光Gおよび青色光Bを反射させる。ダイクロイックミラー1011を透過した赤色光Rは、反射ミラー1111で反射され、液晶装置1Rに入射する。ダイクロイックミラー1011で反射された緑色光Gは、ダイクロイックミラー1012によって反射された後、液晶装置1Gに入射する。ダイクロイックミラー1011で反射された青色光Bは、ダイクロイックミラー1012を透過して、リレーレンズ系1120へ射出される。
リレーレンズ系1120は、リレーレンズ1121,1122,1123、反射ミラー1112,1113を有している。青色光Bは、緑色光Gや赤色光Rと比べて光路が長いため、光束が大きくなりやすい。そのため、リレーレンズ1122を用いて光束の拡大を抑えている。リレーレンズ系1120に入射した青色光Bは、反射ミラー1112で反射されると共に、リレーレンズ1121によってリレーレンズ1122の近傍で収束される。そして、青色光Bは、反射ミラー1113およびリレーレンズ1123を経て、液晶装置1Bに入射する。
投射型表示装置1000における、光変調装置である液晶装置1R,1G,1Bには、実施形態1の電気光学装置としての液晶装置100が適用されている。また、液晶装置1R,1G,1Bとして、実施形態1以外の液晶装置を適用してもよい。
液晶装置1R,1G,1Bのそれぞれは、投射型表示装置1000の上位回路と電気的に接続される。これにより、赤色光R、緑色光G、青色光Bの階調レベルを指定する画像信号がそれぞれ外部回路から供給され、上位回路で処理される。これにより、液晶装置1R,1G,1Bが駆動されて、それぞれの色光が変調される。
液晶装置1R,1G,1Bによって変調された赤色光R、緑色光G、青色光Bは、ダイクロイックプリズム1130に3方向から入射する。ダイクロイックプリズム1130は、入射した赤色光R、緑色光G、青色光Bを合成する。ダイクロイックプリズム1130において、赤色光Rおよび青色光Bは90度に反射され、緑色光Gは透過する。そのため、赤色光R、緑色光G、青色光Bは、カラー画像を表示する表示光として合成され、投射レンズ1140に向かって射出される。
投射レンズ1140は、投射型表示装置1000の外側を向いて配置されている。表示光は、投射レンズ1140を介して拡大されて射出され、投射対象であるスクリーン1200に投射される。
本実施形態では、電子機器として投射型表示装置1000を例示したが、本発明の電気光学装置が適用される電子機器はこれに限定されない。例えば、投射型のHUD(Head-Up Display)、直視型のHMD(Head Mounted Display)、パーソナルコンピューター、デジタルカメラ、液晶テレビなどの電子機器に適用されてもよい。
以上に述べたように、本実施形態に係る投射型表示装置1000によれば、以下の効果を得ることができる。
トランジスターにおける光リーク電流の発生が抑制され、表示品質が向上した投射型表示装置1000を提供することができる。
以下に、実施形態から導き出される内容を記載する。
本願の電気光学装置は、第1方向に沿って延在する第1データ線と、第1方向と交差する第2方向に沿って延在する第1走査線と、第1データ線と第1走査線との交差に対応して設けられたトランジスターと、第1データ線と隣り合う第2データ線と、第1走査線と隣り合う第2走査線と、第1データ線、第2データ線、第1走査線および第2走査線に沿って延在する溝と、溝の側面に沿って設けられる第1容量電極と、トランジスターの半導体層が、第1容量電極と重なるように延在して設けられた第2容量電極とを備える。
この構成によれば、溝は、隣り合う走査線、および隣り合うデータ線に沿って形成されている。つまり、画素の4辺に沿って溝が形成されている。換言すれば、画素の開口部に沿って四角環状の溝が形成されている。そして、溝の側面には、第1容量電極が形成されており、第1容量電極と重なるように第2容量電極が形成されている。これにより、溝の中に、画素容量の付加容量構造を形成することができる。当該付加容量は、画素の外周と略同じ長さとなるため、大きな容量を確保することができる。さらに、周囲の走査線、およびデータ線によって、遮光構造も形成することができる。
従って、高輝度の光源からより多くの光量が入射しても、遮光構造によりトランジスターへの光の入射を防止するとともに、十分な付加容量を備えた電気光学装置を提供することができる。
従って、高輝度の光源からより多くの光量が入射しても、遮光構造によりトランジスターへの光の入射を防止するとともに、十分な付加容量を備えた電気光学装置を提供することができる。
さらに、製造工程においては、トランジスターの半導体層を溝の中に延在して第2容量電極とするなど、トランジスターの製造工程と、容量素子の製造工程とを共通化することができる。よって、製造工程を簡素化することができる。
また、溝は、画素の開口部に沿った四角環状の溝であり、コンパクトな構成となっている。遮光構造の一部となるデータ線は、一般的にトランジスターの上層に形成されるため、高さ方向においては、最下層の溝、トランジスター、データ線の順番に形成される。このように、画素の周縁部や、高さ方向のスペースを有効活用することで、容量素子を内包した溝、および遮光部を形成することができる。
よって、十分な保持容量と、高い遮光性とを両立した、簡素でコンパクトな構成の電気光学装置を提供することができる。
また、溝は、画素の開口部に沿った四角環状の溝であり、コンパクトな構成となっている。遮光構造の一部となるデータ線は、一般的にトランジスターの上層に形成されるため、高さ方向においては、最下層の溝、トランジスター、データ線の順番に形成される。このように、画素の周縁部や、高さ方向のスペースを有効活用することで、容量素子を内包した溝、および遮光部を形成することができる。
よって、十分な保持容量と、高い遮光性とを両立した、簡素でコンパクトな構成の電気光学装置を提供することができる。
また、第1容量電極は、溝の一方の側面に沿って設けられた第1部分と、溝の他方の側面に沿って設けられた第2部分と、第1部分と第2部分とを電気的に接続する第1接続部分と、隣りの画素に設けられた容量電極と電気的に接続される第2接続部分とを有することが好ましい。
これによれば、溝の中に、2つの容量素子を形成することができる。詳しくは、第1部分と第2容量電極との間で1つの容量素子が形成され、第2部分と第2容量電極との間で1つの容量素子が形成される。よって、保持容量は2倍となるため、表示不良を低減することができる。
また、第2接続部分は、平面視で第1走査線と第2走査線との間に設けられていることが好ましい。
これによれば、走査線の延在方向に隣り合う画素における溝間を第2接続部分で電気的に接続することができる。
また、第2容量電極は、溝の一方の側面に沿って設けられた第1部分と、溝の他方の側面に沿って設けられた第2部分と、半導体層が第1走査線と重なる領域から第1方向に突出するように設けられ、第1部分と第2部分とを電気的に接続する接続部分とを有することが好ましい。
これによれば、接続部分により、溝の中に形成された第1部分と第2部分とを電気的に接続することができる。
また、溝は、基板に設けられていることが好ましい。
これによれば、溝は、走査線が形成されている層よりも深く形成されているため、側面に沿って形成される第1部分、第2部分の幅を広くできる。これにより、電極の面積が増えるため、保持容量を増やすことができる。
また、トランジスターのゲート電極と電気的に接続された遮光部を備え、遮光部は、半導体層の両側に設けられたコンタクトホールを介して、半導体層と基板との間に設けられた第1走査線と電気的に接続されることが好ましい。
これによれば、ゲート電極の上に形成された遮光部は、コンタクトホールにより、第1走査線と電気的に接続する。
本願の電子機器は、上記記載の電気光学装置を備えることが好ましい。
これによれば、トランジスターにおける光リーク電流の発生が抑制され、表示品質が向上した電子機器を提供することができる。
3…走査線、4…トレンチ、6…データ線、8…容量線、16,17…容量素子、28…半導体層、29,29a,29c…配線、29b,29d…容量電極、30…TFT、30c…チャネル領域、30g…ゲート電極、51…第1層間絶縁層、52,52b,52d…誘電層、53…ゲート絶縁層、54…第2層間絶縁層、61,62…中継層、71…遮光部、81a…容量配線、81b,81d…容量電極、100…液晶装置、1000…投射型表示装置。
Claims (7)
- 第1方向に沿って延在する第1データ線と、
前記第1方向と交差する第2方向に沿って延在する第1走査線と、
前記第1データ線と前記第1走査線との交差に対応して設けられたトランジスターと、
前記第1データ線と隣り合う第2データ線と、
前記第1走査線と隣り合う第2走査線と、
前記第1データ線、前記第2データ線、前記第1走査線および前記第2走査線に沿って延在する溝と、
前記溝の側面に沿って設けられる第1容量電極と、
前記トランジスターの半導体層が、前記第1容量電極と重なるように延在して設けられた第2容量電極と、を備える電気光学装置。 - 前記第1容量電極は、前記溝の一方の側面に沿って設けられた第1部分と、
前記溝の他方の側面に沿って設けられた第2部分と、
前記第1部分と前記第2部分とを電気的に接続する第1接続部分と、
隣りの画素に設けられた容量電極と電気的に接続される第2接続部分とを有する、請求項1に記載の電気光学装置。 - 前記第2接続部分は、平面視で前記第1走査線と前記第2走査線との間に設けられている、請求項2に記載の電気光学装置。
- 前記第2容量電極は、前記溝の一方の側面に沿って設けられた第1部分と、
前記溝の他方の側面に沿って設けられた第2部分と、
前記半導体層が前記第1走査線と重なる領域から前記第1方向に突出するように設けられ、前記第1部分と前記第2部分とを電気的に接続する接続部分とを有する、請求項1に記載の電気光学装置。 - 前記溝は、基板に設けられている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電気光学装置。
- 前記トランジスターのゲート電極と電気的に接続された遮光部を備え、
前記遮光部は、前記半導体層の両側に設けられたコンタクトホールを介して、前記半導体層と前記基板との間に設けられた前記第1走査線と電気的に接続される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電気光学装置。 - 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の電気光学装置を備えた電子機器。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2019111842A JP2020204690A (ja) | 2019-06-17 | 2019-06-17 | 電気光学装置、および電子機器 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2019111842A JP2020204690A (ja) | 2019-06-17 | 2019-06-17 | 電気光学装置、および電子機器 |
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JP (1) | JP2020204690A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20220271066A1 (en) * | 2019-08-06 | 2022-08-25 | Sony Group Corporation | Transistor array substrate, method of manufacturing transistor array substrate, liquid crystal display apparatus, and electric equipment |
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2019
- 2019-06-17 JP JP2019111842A patent/JP2020204690A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US20220271066A1 (en) * | 2019-08-06 | 2022-08-25 | Sony Group Corporation | Transistor array substrate, method of manufacturing transistor array substrate, liquid crystal display apparatus, and electric equipment |
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