JP2021066586A - エレベーター調速機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 調速機ロープが調速機プーリーから脱落することを防止して、正常な調速機ロープの保持動作を確保するために、複雑化することなく、極力簡素かつ汎用的で後付け改修も容易な構成のエレベーター調速機を提供する。【解決手段】 この調速機7は、乗りかごの下降速度が所定過速度に達したとき可動把持要素26と固定シューの間に調速機ロープ10を挟み込んで制動する保安機構を構成するものである。この調速機7には、調速機プーリー8の上側の半周にわたって調速機ロープ10に対面する位置に側壁49が対向して配設されている。この側壁49は、調速機プーリー8を軸支する軸受ブラケット22,23の軸方向に対する最大外形幅Wよりも狭い内部空間幅U,Vで囲まれた構成である。この側壁49は、調速機プーリー8の上側の半周にわたって調速機ロープ脱落防止カバー40を形成する閉塞部材41〜43を備えた。【選択図】図3

Description

本発明は、保安機構としてのエレベーター調速機に関する。
背景技術として、特許文献1がある。この公報には、昇降体に連結された調速用ロープ(以下、単に「ロープ」ともいう)と、前記ロープが巻き掛けられた綱車と、前記綱車の回転速度に応じて遠心力により前記綱車の径方向外側に向って拡がる振子と、前記ロープを把持するキャッチウェート(以下、「可動把持要素」ともいう)と、回転軸の周りに回転可能に構成され、前記キャッチウェートと係合することにより前記キャッチウェートを支持し、前記回転軸の周りに第1の回転方向に回転することにより前記キャッチウェートの支持を解除するフックとを有し、前記振子は前記綱車の径方向外側に向って拡がることによって前記昇降体の非常停止速度において前記フックと当接して前記フックによる前記キャッチウェートの支持を解除するエレベーター調速機を備えたエレベーター装置が記載されている。
しかしながら、特許文献1に記載されたエレベーター調速機にはつぎのような問題点がある。調速機作動時、すなわち、かごが過速下降となり可動把持部(キャッチウェート)が落ちて、固定シュー(当て板)とで下降側のロープを拘束したとき、調速機プーリー(以下、単に「プーリー」ともいう)からロープが脱落する現象(以下、「脱落現象」ともいう)がある。
この脱落現象は、調速機作動時に、プーリーの反対側に位置する上昇側のロープが自身の慣性力により浮き上がる。このため、プーリーからロープは離れてしまう。このようなプーリーからロープが脱落する現象は、昇降路の高さが大きくなり、ロープの重量が大きい場合や、エレベーターの定格速度が大きく調速機動作の規定速度が大きい場合、顕著に発生し易い。
このような場合、ロープの慣性力は非常に大きくなるため、上昇側のロープは激しく飛び跳ね、プーリーからロープが脱落する。このようなとき、その復旧に多大な労力を要する。これを避けるため、プーリーの溝を深くするか、半径方向に鍔を広げる、といった形状改善には、鋳物で形成されるプーリーの型枠に係る不可避の制約があって現実的でない。なお、このような脱落現象を防止するため、プーリーに調速機ロープ脱落防止カバー(以下、「ロープ脱落防止カバー」ともいう)を設けているものも知られている。
また、特許文献2には、ロープは激しく飛び跳ね防止のために、かご又はつり合いおもりの下降速度が過速となった場合に下降側の調速機ロープを拘束する従来の第一のロープキャッチ装置と、更に、上昇側の調速機ロープを拘束する第二のロープキャッチ装置とを設けたエレベーター調速機が記載されている。
すなわち、第一のロープキャッチと第二のロープキャッチを形成するレバーを一本のロッドの中間を回転軸で支持して、相互に逆方向に上下するレバーで形成して第一、第二のロープキャッチとする。第一のロープキャッチ頭部は第二のロープキャッチ頭部より重くするか或いは、レバーを長くしておく。更に調速機ロープの保持力を発生させる押圧ばねを夫々に嵌めておく。このように、特許文献2のエレベーター調速機は、かご又はつり合いおもりが過速となった場合に、第一のロープキャッチと第二のロープキャッチとで調速機ロープの下降側と上昇側の両方を同時に拘束して保持する。
WO2017/130264 特開平7−76471号公報
しかしながら、特許文献2のエレベーター調速機は、かご又はつり合いおもりが過速となった場合に、第一のロープキャッチと第二のロープキャッチとで調速機ロープの下降側と上昇側の両方を同時に拘束、保持する構成である。そのために、合計2組のロープキャッチ装置を備えた結果、当然に複雑な構成となるという欠点があった。また、上述の「ロープ脱落防止カバー」を有効に機能させるためには、プーリーの外径に調速機ロープの直径(太さ)を厳密に考慮した形状設計を要するので、僅かでも直径の異なるプーリーには適合させ難く、汎用性に欠けるという問題もあった。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、調速機ロープが調速機プーリーから脱落することを防止して、正常な調速機ロープの保持動作を確保するために、複雑化することなく、極力簡素かつ汎用的で後付け改修も容易な構成のエレベーター調速機を提供することにある。
上記課題を解決する本発明は、乗りかごの下降速度が所定過速度に達したとき可動把持要素と固定シューの間に調速機ロープを挟み込んで制動するエレベーター調速機であって、調速機プーリーの上側の半周にわたって調速機ロープに対面する位置に側壁を対向して配設したものである。
本発明によれば、調速機ロープが調速機プーリーから脱落することを防止して、正常な調速機ロープの保持動作を確保するために、複雑化することなく、極力簡素かつ汎用的で後付け改修も容易な構成のエレベーター調速機を提供できる。
本発明の実施形態に係るエレベーター調速機を適用するエレベーターの概略構成図である。 図1に示したエレベーター調速機の具体的な構成を示す正面図である。 図2に示したエレベーター調速機の側面図である。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。以下の説明において、本発明の実施形態に係るエレベーター調速機を調速機と略すことがある。
図1は、本発明の実施形態に係る調速機を適用するエレベーターの概略構成図である。図1に示すように、エレベーターは、昇降路上部に設置された巻上機を有し、巻上機のトラクションシーブ1に巻き掛けた主索2の一端部に乗りかご3が連結され、主索2の他端部に釣り合いおもり4が連結されている。乗りかご3は、昇降路内に設置された一対のガイドレール5A,5Bに沿って昇降移動可能に構成され、釣り合いおもり4は昇降路内に設置された他の一対のガイドレール6A,6Bに沿って昇降移動可能に構成されている。
また調速機7は、昇降路の上部に配置された調速機プーリー8と、昇降路の下方側に設置された張り調速機プーリー9と、の間に、無端状に調速機ロープ10が巻き掛けられた構成を有している。乗りかご3の下部には非常ブレーキ12が配置され、乗りかご3に取り付けられた作動レバー11の一端が非常ブレーキ12の作動体側に連結され、作動レバー11の他端にはロープ10が連結されている。
また、調速機7は、乗りかご3の下降速度が所定過速度(例えば、定格速度の1.4倍を超えない速度)に達すると、乗りかご3に設けた作動レバー11を介して非常ブレーキ7を動作させ、乗りかご3が機械的に非常停止させるように構成されている。図2及び図3を用いて、図1に示した調速機7について、より詳細に説明する。
図2は図1に示した調速機7の具体的な構成を示す正面図である。図3は、図2に示した調速機7の側面図である。図2及び図3に示すように、プーリー8は、フレーム30上の軸受ブラケット22,23に固定された支軸14に回転可能に支持されている。上述したように乗りかご3に取り付けられた作動レバー11の一端にロープ10が連結されているため、乗りかご3と一緒にロープ10が移動するとき、プーリー8は支軸14を中心にして回転される。
図2に示すように、支軸14を中心にして、プーリー8の上側の半周を取り巻くように、調速機ロープ脱落防止カバー40がフレーム30にボルト止めされている。このロープ脱落防止カバー40は、3分割された閉塞部材41〜43を1つずつフレーム30にボルト止めした後、相互もボルト止めして固定する。その結果、ロープ脱落防止カバー40は、実質上一体化されるので堅牢性が高められる。
ロープ脱落防止カバー40は、3分割された閉塞部材41〜43を軸受ブラケット22,23又は、その土台となるフレーム30に結合して組み立て完成する構造である。3分割された閉塞部材41〜43は、個別に取り付け位置を微調整可能な長穴41a,42a,43aを備えている。
3分割された閉塞部材41〜43は、プーリー8の外周のうち最上に位置する点Qを中心として外周に沿った両方向に等間隔で振り分けて位置決めされた3点P,Q,Rを基準に並べて配設される構成である。このように、3点P,Q,Rは、脱落防止機能を備えた脱落防止部として、各脱落防止部P,Q,R間の距離を均一にすることで、効率的にロープ10の脱落を防止できる配置となっている。これによれば、上昇側で激しく飛び跳ねてプーリー8からロープ10が脱落しようとする事態を最も効果的に抑制できる。
閉塞部材43は、長孔43aをフレーム30の最上部又はその近傍にボルト止めする際、プーリー8の外周に1点Qで最接近するので、その隙間をロープ10の直径(太さ)の3/4に管理する位置決めが比較的容易である。その位置決めにおいて、個別に取り付け位置を微調整可能な長穴41a,42a,43aが効力を発揮する。
同様に、閉塞部材41は、長孔41aをフレーム30の左上部にボルト止めする際、プーリー8の外周に1点Pで最接近させながら位置決めできる。閉塞部材42も、長孔42aをフレーム30の右上部にボルト止めする際、プーリー8の外周に1点Rで最接近させながら位置決めできる。
このように、閉塞部材41〜43を1つずつ位置決めしながら、フレーム30にボルト止めを終えたならば、その後に、閉塞部材41の上部に穿設された長孔41bと、閉塞部材43の上部に穿設された長孔43bと、ボルト止で結合する。同様に、閉塞部材42の上部に穿設された長孔42bと、閉塞部材43の上部に穿設された長孔43bと、ボルト止で結合する。このように組み立て完成したロープ脱落防止カバー40の内側の垂直面には、図3に示すように、側壁49が形成されている。
側壁49は、プーリー8を軸支する軸受ブラケット22,23の軸方向Xに対する最大外形幅Wよりも狭い内部空間幅U,Vで囲まれた構成である。つまり、この調速機7には、プーリー8の上側の半周にわたってロープ10に対面する位置に側壁49が対向して配設されている。この側壁49は、軸方向Xの脱落スペースを無くすことにより、ロープ10の脱落を阻止するように構成されている。
また、ロープ脱落防止カバー40は、プーリー8の上側の半周にわたって、閉塞部材41〜43を一体化するように組立結合して形成されている。これによれば、軸方向Xのみならず、プーリー8の外周を支軸14から放射方向に脱落しようとするロープ10の逃げ場を塞ぐ作用効果を発揮する。その結果、ロープ10の脱落防止効果をなお一層高められる。
図2に戻って、プーリー8の支軸14の外周部には支軸14の両側に延びて、かつ、プーリー8と一緒に回転するアーム17が設けられており、このアーム17の両端部に略円弧状に形成された振子15,16の回動軸33,34がそれぞれ可回転的に連結されている。振子15における回動軸33の位置は偏寄しており、その一端部15aは他端部15bよりも重くなっている。なお、スポーク形状の印象からアーム17と称しているが、必ずしも腕のような棒状である必要はない。
同様に振子16における回動軸34の位置も偏寄しており、その一端部16aと他端部16bを有しており、一端部16aは、他端側16bよりも重くなっている。プーリー8と一緒にアーム17が回転すると、振子15,16も共に回転するが、振子15,16の一端部15a,16a側は遠心力を受けて他端部15b,16b側よりも支軸14から離れるように回動軸33,34で回動する。
振子16の一端部16aに近い側には、その一端部16aが支軸14から離れる方向へ変位する量を制限する速度調整ばね18が配置されている。この速度調整ばね18は、アーム17の一部と振子15の他端部15bに近い間に配置されている。
このため、振り子15,16に作用する遠心力が速度調整ばね18の抵抗力を超えたとき、速度調整ばね18が弾性変形し、振り子15,16がアーム17との連結部である回動軸33,34を中心に回動することになる。なお、振り子15と振り子16とは、それぞれの回動軸33,34から所定半径位置を連結棒19で連動するように係合されているので、両者の回動角度は一致する。
また、振り子16の他端部16bには、振子16における回動軸34との対向に突出した爪部20が形成されている。爪部20は、遠心力により振り子15,16が回動軸33,34を中心に回動して振り子16の他端部16bが支軸14に接近する方向に変位すると、後述するラチェット21の歯部21aに係合する。
支軸14に回転可能に支持されたラチェット21は、ほぼ円板状に形成されており、その一方の平面が振子15,16に対向している。ラチェット21の外周面には、複数の歯部21aが離散的に形成されている。振子16が回動して一端部16aが遠心力で外側に広がると、他端部16bが内側に移動して、ラチェット21の歯部21aに振子16の爪部20が係合する。この係合時に動作するシュー機構24は、固定シュー25と、キャッチウェートなどの可動把持要素26と、ロッド27と、把持ばね28と、フック29などを有して構成されている。
固定シュー25は、フレーム30に固定されており、ロープ10の一方側で対向している。これに対してロープ10の他方側に配置された可動把持要素26は、ロッド27の軸方向一端に回動可能に取り付けられている。また、可動把持要素26の自由端側は、ロープ10の他方側から、挟み込み可能に固定シュー25と対向して配置されている。
また、可動把持要素26が取り付けられたロッド27の一端側には、ばね座32が設けられている。ロッド27の軸方向他端は、固定プレート31を介してフレーム30に支持されている。また、固定プレート31と、ばね座32と、の間に配置された把持ばね28に、ロッド27が挿入されている。なお、ばね座32は、把持ばね28の両端のうち自由端側である。
したがって、圧縮ばねである把持ばね28は、ロッド27のばね座32を介して可動把持要素26を固定シュー25側へ付勢している。フック29は、回動軸35によって、フレーム30に回動可能に支持されている。フック29は、その一端部がラチェット21の方向に延在された腕部29aを有している。この腕部29aは、ラチェット21の側面に設けられたラチェットピン21bに係合している。
ラチェット21が回転しない状態では、腕部29aとラチェットピン21bの係合状態が保持され、同時に、ピン26aとフック部29bの係合状態も保持されている。このため、可動把持要素26は図2に示すような傾きを有した状態に保持されており、その自由端部が固定シュー25から離れている。
後述するように、可動把持要素26は、乗りかご3の下降速度が所定過速度に達したとき、過速度検出機能により、通常の支持ロック状態が解除される部材である。その結果、保安機構が非常ブレーキを作動させる。次に、調速機7の保安動作について説明する。
通常時、例えば乗りかご3が下降すると、乗りかご3と一緒にロープ10も同方向に移動してプーリー8を回転させる。これにより、振子15,16に遠心力が作用する。乗りかご3の下降速度が所定過速度に達したとき、振子15,16の遠心力が速度調整ばね18の抵抗力を越えると、振子15,16が回動軸33,34を中心にして回動する。
図示を省略するが、調速機7が作動してロープ10を把持した状態を簡単に説明する。乗りかご3の下降速度が所定過速度に達すると、回動した振子16の他端部16bに設けられる爪部20が、ラチェット21の歯部21aに係合し、ラチェット21を図2において反時計回りへ回転させる。このようにラチェット21が回転すると、ラチェットピン21bを介してフック29が回動軸35を中心にして時計回りに回動する。
これに応じてフック部29bと可動把持要素ピン26aとの係合が解除され、可動把持要素26の自由端側は自重で落下し、可動把持要素26と固定シュー25が対向してロープ10を挟み込む。この状態で可動把持要素26は把持ばね28により固定シュー25方向に付勢されているため、可動把持要素26と固定シュー25間にロープ10が挟持されて制動する。これにより、図1において、ロープ10の移動が停止した状態で乗りかご3が下降を継続する結果、ロープ10に連結された作動レバー11が引き上げられ、非常ブレーキ12を作動させて、乗りかご3が機械的に非常停止される。
このように、調速機7が作動してロープ10を固定シュー25と可動把持要素26間に把持した状態となる。このとき把持ばね28は、ロッド27のばね座32を介して可動把持要素26を固定シュー25側へ付勢しており、可動把持要素26とロッド27は、ほぼ直線的に保持された状態で固定シュー25側に可動把持要素26を押圧している。
以上説明したように、調速機7は、乗りかご3の下降速度が所定過速度に達したときキャッチウェートなどの可動把持要素26と固定シュー25間にロープ10を挟み込んで制動する調速機において、プーリー8の上側の半周にわたってロープ10に対面する位置に側壁49を対向して設備したものである。
このような構成の調速機7は、側壁49が、プーリー8から軸方向Xに脱落しようとするロープ10の逃げ場を塞ぐ作用効果を発揮する。すなわち、ロープ10は、図2の矢印で示す上昇側の点R近辺で激しく飛び跳ねた場合、プーリー8から脱落するところ、閉塞部材42の符号42Rで示す部分が阻止する。その結果、ロープ10がプーリー8から脱落することを防止できる。
閉塞部材42に連続するように、閉塞部材43,41も、プーリー8の上側の半周を取り巻くように配設されている。これら閉塞部材41〜43は、実質一体的なロープ脱落防止カバー40を形成しており、脱落しようとするロープ10の逃げ場を塞ぐ作用効果を良好に発揮する。
本発明の実施形態に係るエレベーター調速機7は、以下のように総括できる。
[1]このエレベーター調速機7は、乗りかご3の下降速度が所定過速度に達したとき可動把持要素26と固定シュー25の間にロープ10を挟み込んで制動する構成により、エレベーターの保安機構を作動させるものである。
この調速機7には、プーリー8の上側の半周にわたって、ロープ10に対面する位置に側壁49が対向して配設されている。この側壁49を用いない場合、ロープ脱落防止のため、調速機プーリーの形状について、その溝を深くするか、半径方向に鍔を広げる、といった形状を変形させる改善策では、調速機プーリーを形成する鋳物固有の制約があって現実的でない。
この調速機7によれば、プーリー8の上側の半周にわたって、ロープ10に対面する位置に対向して配設された側壁49が、プーリー8から軸方向Xに脱落しようとするロープ10の逃げ場を塞ぐ作用効果を発揮する。その結果、ロープ10がプーリー8から脱落することを防止して、正常なロープ10の保持動作を確保できる。そのため、この調速機7の側壁49は、複雑化することなく、極力簡素かつ汎用的である。また、ほとんどのエレベーター調速機に対し、既存のものに対して側壁49を後付けする改修工事も容易である。
[2]上記[1]において、側壁49は、プーリー8を軸支する軸受ブラケット22,23の軸方向Xに対する最大外形幅Wよりも狭い内部空間幅U,Vで囲まれた構成である。換言すると、ロープ脱落防止カバー40の側面部の幅寸法Vが調速機7本体の幅寸法Wより小さい構造である。これによれば、軸方向Xの脱落スペースを無くすことにより、ロープ10の脱落防止効果を一層高められる。
[3]上記[2]において、側壁49は、プーリー8の上側の半周にわたってロープ脱落防止カバー40を形成する閉塞部材41〜43を備えた。これによれば、軸方向Xのみならず、プーリー8の外周を支軸14から放射方向に脱落しようとするロープ10の逃げ場を塞ぐ作用効果を発揮する。その結果、ロープ10の脱落防止効果をなお一層高めた。
[4]上記[3]において、ロープ脱落防止カバー40は、3分割された閉塞部材41〜43を軸受ブラケット22,23に結合して組み立て完成する構造であり、3分割された閉塞部材41〜43は、個別に取り付け位置を微調整可能な長穴41a,42a,43aを備えた。
従来の調速機は、プーリー8の外周に巻きかけられたロープ10の表面と、そこを覆うロープ脱落防止カバーとの隙間を、ロープ10の直径に対して3/4に位置決め調整する必要がある。そのため、プーリー8の半周分を一体構造で覆うロープ脱落防止カバーは、位置決め調整に相当の困難を伴うばかりか、汎用性にも欠ける。
このため、従来の調速機は、プーリー8の直径が僅かでも異なれば、それに適合させるために専用のロープ脱落防止カバーを用意する必要が生じる上に、位置決め調整が不正確であれば、ロープ10の脱落防止効果を良好に得ることができなかった。このことは、コストアップ要因となっていた。
これに対し、上記[4]の調速機7によれば、ロープ脱落防止カバー40が、3分割された閉塞部材41〜43を結合して組み立て完成する構造である。しかも、その3分割された閉塞部材41〜43は、長穴41a,42a,43aにより、個別に取り付け位置を微調整可能である。その結果、組み立て完成させる際の位置決め調整が容易であり、汎用性も高められ、後付け改修工事にも適用可能である。
[5]上記[4]において、3分割された閉塞部材41〜43は、カバー相互を結合する構成である。これによれば、3分割された閉塞部材41〜43を組み立て完成時、個別に取り付け位置を微調整した後で、カバー相互の結合させることにより堅牢化できる。
[6]上記[4]において、3分割された閉塞部材41〜43は、プーリー8の外周のうち最上に位置する点Qを中心として外周に沿った両方向に等間隔で振り分けて位置決めされた3点P,Q,Rを基準に並べて配設される構成である。これによれば、回転方向の上昇側、特に図2の点R,Q,Pの順に激しく飛び跳ねてプーリー8からロープ10が脱落しようとする事態を最も効果的に抑制できる。
なお、上記[1],[2]は、ロープ10に対面する位置に対向して配設された側壁49を特定した。また、上記[3]〜[6]は、側壁49を含めたロープ脱落防止カバー40を特定した。さらに、下記[7]は、調速機7を実現するための構成を、より具体的に特定したものである。
[7]上記[1]〜[6]の何れかにおいて、調速機7は、ロープ10と、プーリー8と、振子15,16と、可動把持要素26と、フック29とを有して構成されても良い。ロープ10は、乗りかご3に連結されている。プーリー8には、ロープ10が巻き掛けられている。
振子15,16は、プーリー8の回転速度に応じた遠心力により、プーリー8の径方向外側に向って拡がる。可動把持要素26は、接続部37の周りに回動可能に構成され、ロープ10を把持する。フック29は、可動把持要素26と係合することにより可動把持要素26を支持する一方、回動軸35の周りを回動することにより可動把持要素26の支持を解除する。
調速機7は、乗りかご3が所定速度を超える非常停止速度において、振子15,16がプーリー8の径方向外側に向って拡がる。振子15,16は、その拡がる動作に応じて、フック29を作動させる。振り子15,16に作動されたフック29は、そのフック29による可動把持要素26の支持を解除する。その結果、保安機構は、調速機7によって検出された異常事態、すなわち乗りかご3の下降速度が規定を超えたことを検出して非常ブレーキ12を作動させる。このような調速機7は、既存のエレベーターに適合しているので、後付け改修工事にも適する。
なお、本発明は、上述した実施例に限定するものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上述した実施例は本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定するものではない。またある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることが可能である。
3 乗りかご、7 エレベーター調速機、8 調速機プーリー、10 調速機ロープ、25 固定シュー、26 可動把持要素(キャッチウェート)、49 側壁

Claims (7)

  1. 乗りかごの下降速度が所定過速度に達したとき可動把持要素と固定シューの間に調速機ロープを挟み込んで制動するエレベーター調速機であって、
    調速機プーリーの上側の半周にわたって前記調速機ロープに対面する位置に側壁を対向して配設した、
    エレベーター調速機。
  2. 前記側壁は、前記調速機プーリーを軸支する軸受ブラケットの軸方向に対する最大外形幅よりも狭い内部空間幅で囲まれた、
    請求項1に記載のエレベーター調速機。
  3. 前記側壁は、前記調速機プーリーの上側の半周にわたって調速機ロープ脱落防止カバーを形成する閉塞部材を備えた、
    請求項2に記載のエレベーター調速機。
  4. 前記調速機ロープ脱落防止カバーは、3分割された閉塞部材を軸受ブラケットに結合して組み立て完成する構造であり、前記3分割された閉塞部材は、個別に取り付け位置を微調整可能な長穴を備えた、
    請求項3に記載のエレベーター調速機。
  5. 前記3分割された閉塞部材は、カバー相互を結合する構成である、
    請求項4に記載のエレベーター調速機。
  6. 前記3分割された閉塞部材は、前記調速機プーリーの外周のうち最上に位置する点を中心として前記外周に沿った両方向に等間隔で振り分けて位置決めされた3点を基準に並べて配設された、
    請求項4に記載のエレベーター調速機。
  7. 前記調速機ロープは前記乗りかごに連結され、
    前記調速機ロープが巻き掛けられた前記調速機プーリーと、
    該調速機プーリーの回転速度に応じて遠心力により前記調速機プーリーの径方向外側に向って拡がる振子と、
    前記調速機ロープを把持する可動把持要素と、
    回動軸の周りに回動可能に構成され、前記可動把持要素と係合することにより該可動把持要素を支持し、前記回動軸の周りを回動することにより前記可動把持要素の支持を解除するフックとを有し、
    前記振子は前記調速機プーリーの径方向外側に向って拡がることによって、前記乗りかごの前記所定過速度においてフックに作動して該フックによる前記可動把持要素の支持を解除する、
    請求項1〜6の何れか1項に記載のエレベーター調速機。
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