JP2021065190A - 釣竿及び釣糸ガイド - Google Patents

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Abstract

【課題】繊維強化樹脂製の釣糸ガイドの固定部を竿杆に固定する際、全体の撓み性が阻害されることなく、固定部における固定強度が十分に確保された釣竿を提供する。【解決手段】本発明の釣竿は、成形された竿杆5に繊維強化樹脂製の釣糸ガイド10Aを載置し、釣糸ガイドの固定部11に対して熱硬化性樹脂製のシート部材20A,20Bを巻回し、これを加熱することで釣糸ガイドを竿杆に固定している。シート部材20A,20Bは、固定部11の少なくとも上面を覆うように竿杆5に巻回されており、釣糸ガイド10A及びシート部材20A,20Bのマトリックス樹脂は、同一種類であることを特徴とする。【選択図】 図2

Description

本発明は、釣糸ガイドやリールシートなどの取付部品を竿杆に対して固定する固定構造に特徴を有する釣竿、及び、前記取付部品を構成する釣糸ガイドに関する。
従来、リールを装着して使用される釣竿には、釣糸ガイドやリールシートなどの部品(以下、取付部品とも称する)が竿杆表面に固定されている。前記釣糸ガイドを竿杆に対して固定する場合、例えば、特許文献1に開示されているように、竿杆上に釣糸ガイドの足部(固定部)を載置した状態で足部と竿杆とに亘って巻き糸を巻き付けることで、先ず釣糸ガイドを竿杆に対して緊縛し、次に、その緊縛した状態で、接着性のある合成樹脂剤を巻き糸の巻き付け部分に塗布して固めている。この場合、足部の幅方向両側に、それぞれ外方に張り出す一対の張り出し部を設けることで、竿杆上に固定した固定部が軸方向に抜けない(ずれない)ようにすることが可能である。
また、上記した釣糸ガイドは、一般的に、金属材料によって形成されるが、例えば、特許文献2には、釣糸ガイドのフレームを繊維強化樹脂で一体形成することが開示されている。このような釣糸ガイドにおいても、上記したように、足部を竿杆上に載置して足部と竿杆とに亘って巻き糸を巻き付け、その状態で、接着性のある合成樹脂剤を巻き糸の巻き付け部分に塗布することで固定することが可能である。
特許第4722189号 特開2012−75347号
釣竿を構成する竿杆に、軸方向に亘って釣糸ガイドを所定間隔おいて固定する場合、元側に固定される釣糸ガイドは、高さが高いものが用いられる。また、各釣糸ガイドの足部の軸方向長さは、フレームに固定されるガイドリング部分に様々な方向のモーメントが作用することで足部に大きな力が作用するため、固定強度の維持、及び、抜けを防止するため一定の長さが確保されている。
ところが、足部の軸方向長さが長くなることで、竿杆上の剛直部分も長くなり、釣竿全体が撓んだ際に足部に作用する応力が大きくなって、撓み性が阻害されたり、釣竿が破損する要因になる。このため、釣糸ガイドを竿杆上に固定する際には、足部の軸方向長さはできるだけ短くした方が好ましいが、釣糸ガイドを繊維強化樹脂で形成した場合、足部から立ち上がる部分の立ち上げ基端部の強度が弱くなってしまい、破損し易くなると共に、足部の固定強度も十分確保できなくなってしまう。
本発明は、上記した問題に着目してなされたものであり、繊維強化樹脂製の取付部品(釣糸ガイド等)の固定部を竿杆に固定する際、全体の撓み性が阻害されることなく、固定部における固定強度が十分に確保された釣竿、及び、釣竿に固定される釣糸ガイドを提供することを目的とする。
上記した目的を達成するために、本発明に係る釣竿は、成形された竿杆に繊維強化樹脂製の取付部品を載置し、前記取付部品の固定部に対して熱硬化性樹脂製のシート部材を巻回し、これを加熱することで前記取付部品を竿杆に固定しており、前記シート部材は、前記固定部の少なくとも上面を覆うように前記竿杆に巻回されており、前記取付部品及びシート部材のマトリックス樹脂は、同一種類であることを特徴とする。
上記した繊維強化樹脂製の取付部品の固定部を竿杆に対して固定する際に用いられるシート部材は、固定部の少なくとも上面を覆うように竿杆に巻回されており、取付部品及びシート部材のマトリックス樹脂は同一種類であるため、加熱時に固定部の上面で接着性の向上(固定強度の向上)が図れるようになり、取付部品の固定強度を確保することができる。これにより、取付部品の固定部の長さを短くして竿杆の剛直性を低減することができ、釣竿の撓み性の向上及び破損を防止することが可能となる。なお、固定部は、シート部材によって上下面が挟持された状態で固定される構成であっても良く、シート部材については、1枚で構成されていても良いし、複数枚で構成されていても良い。
本発明によれば、繊維強化樹脂製の取付部品の固定部を竿杆に固定する際、全体の撓み性が阻害されることなく、固定部における固定強度が十分に確保された釣竿、及び、釣竿に固定される釣糸ガイドが得られる。
本発明に係る釣竿の一実施形態を示す図。 図1に示す釣竿の竿杆に固定される釣糸ガイドの構成を示す側面図。 図2に示す釣糸ガイドの正面図。 (a)は、図2のA−A線に沿った断面図、(b)は図2のB−B線に沿った断面図。 従来の釣糸ガイド及び本実施形態の釣糸ガイドにおいて、固定部の軸方向長さと釣糸ガイドの高さ関係を示したグラフ。 図5に示すグラフから、釣糸ガイドの固定部と高さの好ましい条件を示すグラフ。 釣糸ガイドの固定方法の変形例を示す図。 図7に示す釣糸ガイドの固定部の断面図。 釣糸ガイドの固定方法の別の変形例を示す図。
以下、本発明に係る釣竿の実施形態について、添付図面を参照しながら具体的に説明する。
図1は、本発明に係る釣竿の一実施形態を示す図である。本実施形態の釣竿1は、元竿3、中竿5及び穂先竿7(各竿を竿杆とも称する)を備えており、各竿杆は、並継ぎ式に継合されている(各竿杆の継合方式は、振出式、インロー継式等であっても良い)。また、本実施形態の釣竿1には、元竿3にリールシート9が設けられており、前記元竿3、中竿5及び穂先竿7には、リールシート9に装着されるリールRから繰り出される釣糸を案内する釣糸ガイドが適所に取着されている。図1では、元竿3に設けられる釣糸ガイドを10Aで示し、中竿5に設けられる釣糸ガイドを10Bで示し、穂先竿7に設けられる釣糸ガイドを10Cで示してある。また、穂先竿7の先端には、トップガイド10Dが取着されている。これらの釣糸ガイド10A〜10C及びリールシート9は、竿杆の表面(外周面)に固定される取付部品を構成する。
前記元竿3、中竿5及び穂先竿7は、好ましくは、繊維強化樹脂製の管状体で構成されており、強化繊維(主に炭素繊維やガラス繊維等)に、エポキシ樹脂等の熱硬化性の合成樹脂を含浸した繊維強化樹脂プリプレグ(プリプレグシート)を芯金に巻回し、加熱工程を経た後、脱芯する等、定法に従って所定寸法の管状に形成されている。なお、各竿杆については、中実状に構成したり、中実状の芯材(例えば、超弾性合金線材や、超弾性樹脂材料)に管状体を継合する等、様々な態様で成形することが可能である。
上記のように構成される竿杆は、その外表面が塗装など表面処理されており、表面処理された状態で、上記した取付部品が取り付けられている。以下、本実施形態の取付部品の固定構造について、前記中竿5に固定される釣糸ガイド10Bを例示して説明する。
図2及び図3は、釣糸ガイド10Bの構成を示す図であり、図2は側面図、図3は正面図である。
釣糸ガイド10Bは、強化繊維に合成樹脂を含浸した繊維強化樹脂材によって板状に形成されている。本実施形態において、繊維強化樹脂材を構成するマトリックス樹脂は、例えば、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂等のいずれかの熱硬化樹脂が用いられており、有機繊維や炭素繊維又はガラス繊維等、いずれかの強化繊維に前記熱硬化樹脂を含浸することで、前記繊維強化樹脂材が構成され、この繊維強化樹脂材を加熱成形することで釣糸ガイドの本体が形成されている。
前記釣糸ガイド10Bは、竿杆(中竿)5の表面に固定される固定部(足部)11と、釣糸が挿通されるガイドリング12aが取り付けられるリング保持部12と、リング保持部12と固定部11との間を連結する支脚部15とを具備している。
前記固定部11は、軸長方向に延びており、固定部11の上下面を覆うように竿杆5に巻回されるシート部材によって固定される(シート部材の構成については後述する)。なお、固定部11について、1本足や2本足など、様々な形状にすることができる。
前記リング保持部12は、竿杆の表面から離間した状態で釣糸を案内させるべく、ガイドリング12aを止着させる部位である。リング保持部12には、ガイドリング12aを嵌入、固定させるための開口12bが形成されており、全体として略円形(略楕円形状であっても良い)の外形状を備えている。なお、開口12bに嵌入されるガイドリング12aは、リング状に構成され、摺動抵抗が小さい部材、例えば、チタン、アルミ、SUS、セラミックス等によって形成されている。このガイドリング12aは、釣糸ガイドの本体が上記した繊維強化樹脂材によって形成された後、リング保持部の開口12baに対して嵌入、固定される。
前記支脚部15は、ガイドリング12aを竿杆の表面から離間させるように、固定部11とリング保持部12とを連結する部位であり、釣糸ガイドの高さHを規定する。釣糸ガイドの高さHは、図2及び図3に示すように、竿杆の表面(固定部11の裏面)からリング保持部12の上端まで長さで定義される。
前記固定部11は、支脚部15の下端位置で軸方向に向けて屈曲され、軸長方向に一定の長さLを有している。ここで、固定部の軸長方向の長さLは、固定部11から支脚部15が立ち上がる位置Pと、固定部の先端位置P1までの長さで定義される。
本発明では、固定部11の竿杆に対する固定構造によって、釣糸ガイドの高さHに対して固定部11の長さLを短くすることを可能とし、これにより、Hが高い(釣糸ガイドとしての形状が大きい)にもかかわらず、固定部11の長さを短く形成して、竿杆が撓んだ際にガイド固定部に加わる応力集中を低減するようにしている。
以下、本実施形態の固定構造について、図2〜図4を参照して説明する。
本実施形態では、釣糸ガイドの固定部11の固定を2枚のシート部材で行なうように構成している。具体的には、最初に竿杆5に対して熱硬化性樹脂製のシート部材(第1のシート部材)20Aを巻回しておき、その上に釣糸ガイドの固定部11を載置する。そして、その上から熱硬化性樹脂製のシート部材(第2のシート部材)20Bを巻回し、これを緊締テープ(図示せず)によって固定し、その状態で加熱炉に入れて加熱処理を行なう。
前記第1のシート部材20A及び第2のシート部材20Bは、共に強化繊維に熱硬化性樹脂をマトリックスとして含浸したプリプレグシートとして構成されており、各プリプレグシートは、釣糸ガイド10A(固定部11)を構成するマトリックス樹脂と同一種類の材料が用いられている。
前記第1のシート部材20Aは、図面では1巻回されているが、その巻回数や肉厚については限定されることはない。例えば、第1のシート部材20Aを、1プライ以下となるように裁断して竿杆5上に載置しても良いし、1プライ以上に裁断して竿杆5に巻回しても良い。この場合、竿杆に対して2プライ以上巻回すると、重量化したり巻回作業が容易でないことから、巻回数については2プライ以下にすることが好ましい。
前記第1のシート部材20A上に設置された固定部11に対して、更に、第2のシート部材20Bが巻回される。この第2のシート部材20Bについては、既に巻回(或いは載置)された第1のシート部材20Aを全て覆うように1プライ以上巻回される。このように、第2のシート部材20Bを、第1のシート部材20A全てを覆うことで、固定部11を第1のシート部材20Aと第2のシート部材20Bで安定して挟持することができ、固定強度の向上が図れるようになる。
なお、第2のシート部材20Bの巻回数や肉厚についても特に限定されることはないが、重量化、及び巻回作業の容易性を考慮して2プライ以下にすることが好ましい。また、シート部材については、固定部11の上面側のみを覆うように巻回する構成であっても良い。すなわち、固定部11の下面側(固定部11の下面と竿杆との間)に樹脂が流入する場合、第1のシート部材20Aについては配設しない構成であっても良い。
前記第1のシート部材20A及び第2のシート部材20Bは、上記した材料の熱硬化性樹脂を基材とした樹脂シートで構成しても良いが、固定強度、樹脂フローの安定性、耐久性の向上、作業性の向上(樹脂シートは作業中に変形、破損が生じ易い)を考慮すると、強化繊維に合成樹脂を含浸したプリプレグシートを用いることが好ましい。また、各シート部材20A,20Bをプリプレグシートで構成する場合、強化繊維の配向方向について特に限定されることはないが、固定強度、及び、巻き付け作業性等を考慮して、竿杆の軸長方向に対して斜向方向(例えば、軸長方向Xに対して45°傾けて引き揃えられたもの)に引き揃えた強化繊維を含んでいることが好ましい。すなわち、釣糸ガイドは、キャスティング時や魚が掛かった場合等、釣糸から様々な方向にモーメントが作用するが、斜向方向に強化繊維が引き揃えられていることで、様々な方向に応力が作用しても固定強度を向上することが可能となる。
なお、強化繊維については、一方向に引き揃えられたもの、平織状に編成されたものであっても良く、複数枚を積層した構造であっても良い。
以上のように、固定部11を、シート部材20A,20Bで挟持した状態(固定部の上下面を覆う状態)で安定して固定できれば、シート部材20A,20Bの構成については、適宜変形することが可能である。
上記したように、固定部11が固定された釣竿は加熱炉に入れられ、加熱処理が成される。この際、加熱炉の温度上昇に伴い、シート部材20A,20Bは、所定の硬化温度になると、それぞれの熱硬化性樹脂が一度液体化し、その後、硬化反応が進むことから、シート部材20A,20Bと固定部11が同じ樹脂材であれば、液体と固定部の濡れ性(親和性)が良く、固定部表面の凹凸に隙間なく液体が流れ込み易くなって、硬化後に物理的(表面積効果やアンカー効果)に接着性(固定力)が向上する。また、シート部材20A,20Bと固定部11は、マトリックス樹脂が同じであるため、分子間相互作用が高くなり、化学的な接着性が向上して固定強度が高くなる。
上記したような固定構造を用いたことで、釣竿全体に装着固定される釣糸ガイド10A〜10Dは、いずれも固定部での固定強度の向上が図れるようになり、固定部11の軸長方向の長さLを短く形成することが可能となる。具体的に、従来の固定構造で固定した釣糸ガイド(従来例1)と、上記した固定構造で固定した釣糸ガイド(実施例1,2)を比較した結果について説明する。
なお、以下の表1で示す実施例1,2の釣糸ガイドと、従来例1の釣糸ガイドは、同じ繊維強化樹脂材料で形成されたものであり、従来例1は、釣竿の竿杆に固定部を載置して糸巻し、合成樹脂剤を塗布して固めたもの(従来の固定構造)である。また、実施例1,2は、いずれも同じ構成の釣竿の竿杆に、釣糸ガイドと同じ材料の合成樹脂を含浸したプリプレグシートで固定部を覆うように固定したものである。具体的には、強化繊維を斜向方向に引き揃えた1枚のシート部材を固定部で2重になるように1.5巻回しており(図9参照)、従来例1の固定構造と同様、固定部を竿杆に載置して、その上面側を覆うように固定したものである。
従来例1は、出願人が製造、販売している繊維強化樹脂製の釣糸ガイドを釣竿に固定したものであり、穂先側から元側に移行するに従い、高さHが高くなり、それに応じて、必要な固定強度を得るために、固定部の長さLを、本発明の実施例1,2よりも長く形成したものである。実施例1は、同一の繊維強化樹脂製の釣糸ガイドで、同一位置に同一高さの釣糸ガイドを固定するにあたり、各釣糸ガイドの固定部で、抜けや破損等が生じないと思われる条件(限界条件とする)で取り付けた仕様であり、実施例2は、それよりもある程度の余力を持たせた条件(十分な固定強度が得られ、釣竿の撓み性を阻害しない程度の条件;ガイド使用条件とする)で取り付けた仕様である。
Figure 2021065190
この結果から明らかなように、繊維強化樹脂製の釣糸ガイドを竿杆に固定するに際し、同一の合成樹脂材料のプリプレグシートで固定部の上面を覆うように固定することで、加熱、硬化時に、固定部との間で親和性が良くなって固定力が向上し、釣糸ガイドの固定部11の長さLを短く形成することが可能となる。すなわち、大きなモーメントが作用する比較的大きい(Hが高い)釣糸ガイドであっても、その固定部の長さLを短く形成する(L/Hの比率を小さくする)ことができ、竿杆の曲がりが阻害されるのを緩和することが可能となる。具体的に、本実施形態の固定構造によれば、釣竿の竿杆に固定される複数の釣糸ガイドは、従来の固定構造と比較するとL/Hの比率を小さくすることができ、釣竿に固定される多数の釣糸ガイドの内、(L/H)が30%以下の釣糸ガイドが含まれていても、その釣糸ガイドは十分な固定強度を確保することが可能となる。これにより、固定部での応力集中を低減することができ、釣竿の破損を防止できると共に、釣竿の撓みをスムーズにすることが可能となる。
また、従来の一般的な金属製(チタン製)の糸巻固定式の釣糸ガイド(実施されている釣糸ガイド)の仕様例について以下の表2に示す。
表2に示される従来例2の釣糸ガイドは、高さHが比較的低く形成されたチタンフレームで構成されたものであり、従来例3の釣糸ガイドは、高さHが比較的高く形成されたチタンフレームで構成されたものである。一般的に市販されている金属製の釣糸ガイドは、固定強度を十分確保するように、いずれも固定部の軸方向長さLを長く形成しており、十分な固定強度を確保するためには、高さHが高くなると、ある程度の固定部の軸方向長さが必要とされる。
Figure 2021065190
図5は、上記した従来の釣糸ガイド(従来例1〜3)及び本実施形態の釣糸ガイド(実施例1,2)について、固定部の軸方向長さLと釣糸ガイドの高さHの関係を示したグラフである。
図5のグラフに示されるように、本発明の固定構造では、釣糸ガイドの高さHが高くなっても、固定部の軸方向長さLを短くする(L/Hの比率を抑える)ことができ、釣竿に装着、固定される全ての釣糸ガイドの固定強度を維持しつつ、釣竿の撓みをスムーズにすることができる。
この場合、穂先側に固定される釣糸ガイドを考慮すると、ガイド高さHは最低で5mm程度必要とされ、固定部の軸方向長さLについては、固定用のシート部材を巻回する際の作業性等を考慮して、最低でも3mm程度確保しておくことが好ましい。このため、本発明における固定構造を用いる場合、各竿杆に固定される釣糸ガイドの仕様については、図6のグラフに示すように、Hが5mm以上、Lが3mm以上の範囲において、いずれの位置に固定される釣糸ガイドも、撓み性に影響を与えない程度の条件(略上記した量産条件以下となる条件)であるL≦0.24H+2.12を満足したものを使用することが可能となり、このような条件を満たす繊維強化樹脂製の釣糸ガイドを固定した釣竿によれば、釣糸ガイドの固定強度を十分維持して、釣竿全体の撓みをスムーズにすることが可能となる。
上記した釣糸ガイドの固定部11については、適宜変形することが可能である。
図2に示すように、固定部11の先端側には、先端側に移行するに従って次第に薄肉厚化されるテーパ11aを形成しておくことが好ましい。このようなテーパ11aを形成することで、固定部による竿杆の剛性低下を抑制することができると共に、前記シート部材20A,20Bを固定部11の上下面に巻回することで、固定部に加わる力をシート部材で効果的に受けることができ、釣糸ガイドの破損を防止することができる。
この場合、テーパ11aの長さが長すぎると固定強度が弱くなり、短すぎると竿杆剛性低下を効果的に抑制できなくなるため、テーパ11aの軸方向の長さL1は、固定部11の長さLの25〜75%、更には、32〜65%の範囲で形成することが好ましい。
また、固定部11に、軸方向に対してアンカー効果を高める表面処理を施しておくことが好ましい。例えば、固定部11の表面を粗面化処理したり、凹凸を形成したり、幅方向に窪み(凹部)を形成する等、固定部が軸方向に抜け難くなるように構成することで、樹脂が入り込んでアンカー効果が高まり、釣糸ガイドを抜け難くすることができる。
なお、このような表面処理については、固定部の全面に形成しても良いが、固定部11の先端位置から固定部の長さLの25%の位置と40%の位置との間の範囲内に形成することで効率的に接着性の向上が図れ、抜け難くすることが可能となる。
また、上記した構成の釣糸ガイドでは、固定部11の基端領域(図2に示すように、支脚部の立ち上げ位置Pから先端位置に向けて、少なくとも1.8mmの位置P2までの範囲L2)に大きな曲げ応力が作用する。この曲げ応力は、ガイドリングに挿通する釣糸によってもたらされるものであり、この部分の強度が弱いと、支脚部15と固定部11との境界領域で折れや破損などが生じ易くなる。
したがって、上記した範囲L2については、固定部11の肉厚を厚く形成して強度を増すことが好ましい。ただし、この部分の肉厚を厚く形成すると、固定部の上面にシート部材20Bを巻回した際、その両側の隙間が大きくなって、樹脂が不安定となり十分な固定力が発揮されなくなってしまう(図4(a)参照;分かりやすくするため、デフォルメしてしましてある)。
本実施形態では、固定部11の上面の幅方向両側に、面取り11cを形成して隙間を小さくしており(図4(b)参照)、このような面取りを形成するに際して、基端側での強度が低下しないように、上記した範囲L2よりも先側に面取りを形成し、基端側での強度の低下を防止する(肉厚にする)ようにしている。すなわち、このような構成によれば、固定強度を低下させることなく、支脚部と固定部との間で破損や折れなどを効果的に防止することが可能となる。
図7及び図8は、釣糸ガイドの固定部を固定するシート部材の変形例を示す図である。
この実施形態では、繊維強化樹脂製の釣糸ガイドのマトリックス樹脂と同一のマトリックス樹脂を含浸した1枚のプリプレグシート20で、釣糸ガイド1の固定部11の上下面を覆うように構成している。
具体的には、竿杆5に対してプリプレグシート20を巻き付けて釣糸ガイドの固定部11を載置し、そのままプリプレグシート20を巻回して固定部11の上面に巻回し、この状態で、その上から緊締テープ(図示せず)によってプリプレグシート20を固定して加熱処理を行なう。この場合、1枚のプリプレグシートで固定部11の上下面を覆うように巻回できれば、プリプレグシートの巻回数や巻回開始位置は任意であり、このような固定方法によれば、1枚のプリプレグシートで良いため作業性の向上が図れる。
また、固定部11を1枚のシート部材(プリプレグシート20)で固定する場合、例えば、図9に示すように、竿杆5と固定部11との間にシート部材を介在させることなく巻回しても良い。このような構成では、固定部11の下面側に樹脂が流入し易いように、固定部11の上面が2重になるようにシート部材を巻回する(略1.5巻回)ことが好ましい。さらに、1枚のシート部材で巻回する場合、固定部が3重以上となるように巻回しても良い。図9に示すような固定方法によれば、固定部を竿杆に載置して巻回作業を行なうため、より作業性の向上が図れる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されることはなく、種々変形することが可能である。
上記した実施形態では、取付部品として釣糸ガイドを例示して説明したが、取付部品としては、図1に示すリールシート9を繊維強化樹脂で形成し、これを固定する際にも、上記した固定方法を適用することが可能である。また、固定部材を固定するシート部材については、固定部材の上下面を覆うように配設されれば、その巻回方法やシート部材の構成については限定されることはなく、更に、マトリックス樹脂については、取付部品のマトリックス樹脂と同一種類のものであれば材料については限定されることはない。
1 釣竿
3 竿杆(元竿)
5 竿杆(中竿)
7 竿杆(穂先竿)
9 リールシート(取付部品)
10A〜10C 釣糸ガイド(取付部品)
11 固定部
20,20A,20B シート部材(プリプレグシート)

Claims (9)

  1. 成形された竿杆に繊維強化樹脂製の取付部品を載置し、前記取付部品の固定部に対して熱硬化性樹脂製のシート部材を巻回し、これを加熱することで前記取付部品を竿杆に固定した釣竿であって、
    前記シート部材は、前記固定部の少なくとも上面を覆うように前記竿杆に巻回されており、
    前記取付部品及びシート部材のマトリックス樹脂は、同一種類であることを特徴とする釣竿。
  2. 前記シート部材は、前記固定部を載置する第1のシート部材と、前記固定部の上面を覆う第2のシート部材とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の釣竿。
  3. 前記固定部は、前記竿杆の表面に1つのシート部材が巻回された状態で固定され、前記1つのシート部材は、前記固定部の上面及び下面を覆うように巻回されていることを特徴とする請求項1に記載の釣竿。
  4. 前記シート部材は、前記竿杆の軸長方向に対して斜向方向に強化繊維を引き揃えた強化繊維を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の釣竿。
  5. 前記取付部品は、釣糸を挿通するガイドリングを保持するリング保持部と、前記竿杆に固定される固定部から立ち上がって前記リング保持部に連結される支脚部と、を具備した釣糸ガイドであり、
    前記固定部の支脚部の立ち上げ位置から先端位置までの長さをL、前記固定部の裏面からリング保持部の上端までの高さをHとした場合、
    前記竿杆に固定される複数の釣糸ガイドには、(L/H)が30%以下となる釣糸ガイドが含まれていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の釣竿。
  6. 請求項1から4のいずれか1項に記載の釣竿に固定される繊維強化樹脂製の釣糸ガイドであって、
    釣糸を挿通するガイドリングを保持するリング保持部と、前記竿杆に固定される固定部から立ち上がって前記リング保持部に連結される支脚部と、を具備しており、
    前記固定部の支脚部の立ち上げ位置から先端位置までの長さをL、前記固定部の裏面からリング保持部の上端までの高さをHとした場合、
    L≦0.24H+2.12の条件を満足したことを特徴とする釣糸ガイド。
  7. 前記固定部には、軸方向先端が次第に薄肉厚化されるテーパが形成されており、
    前記テーパの軸方向の長さL1は、前記固定部の長さLの25〜75%であることを特徴とする請求項6に記載の釣糸ガイド。
  8. 前記固定部には、先端位置から、固定部の長さLの25%の位置と40%の位置との間の範囲内に、軸方向に対してアンカー効果を高める表面処理が施されていることを特徴とする請求項6又は7に記載の釣糸ガイド。
  9. 前記固定部の上面の幅方向両側には、面取りが形成されており、
    前記面取りは、前記支脚部の立ち上げ位置から先端位置に向けて、少なくとも1.8mmよりも先側に形成されていることを特徴とする請求項6から8のいずれか1項に記載の釣糸ガイド。
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