JP2021063260A - 接合用金属ペースト、接合体の製造方法、及び接合体 - Google Patents

接合用金属ペースト、接合体の製造方法、及び接合体 Download PDF

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Abstract

【課題】充分に低い接合温度で接合することができるとともに、充分な接着強度を有し、かつ再溶融し難い接合部を形成することができる接合用金属ペーストを提供すること。【解決手段】マイクロ銅粒子と、マイクロSnInはんだ粒子と、分散媒とを含有し、マイクロ銅粒子の含有量が、マイクロ銅粒子及びマイクロSnInはんだ粒子の全質量を基準として、5〜54質量%である、接合用金属ペースト。【選択図】なし

Description

本発明は、接合用金属ペースト、接合体の製造方法、及び接合体に関する。
電子デバイスにおける電気的接合には、一般にはんだ接合が用いられる。例えば、マイクロデバイスのフリップチップ接合では、マイクロデバイスと基板上の電極パッドとの接合に、はんだボール又ははんだペースト等を用いている。近年、フリップチップ接合では端子の狭ピッチ化に伴い、マイクロデバイス上に金属ピラーを形成し、その金属ピラーと基板上の電極パッドをはんだ接合することも行われている。
ところで、一般に、部材同士を接合させる際の温度(接合温度)は低ければ低いほど、部材への熱の影響を小さくすることでき、接合体の信頼性を向上させることができる。また、接合温度が低い場合には、接合体の製造にかかるエネルギーの低減が可能となる。そのため、フリップチップ接合等においても接合温度は低ければ低いほど好ましい。
接合温度を低減する方法としては、特定のはんだ合金を用いる方法(特許文献1参照)が知られている。
特許第6060199号
しかしながら、従来の接合温度を低減する方法で使用される接合用金属ペーストは、接合強度の点で充分でなく、さらなる改善の余地がある。
そこで、本発明は、充分に低い接合温度で接合することができるとともに、充分な接着強度を有し、かつ再溶融し難い接合部を形成することができる接合用金属ペーストを提供することを主な目的とする。
本発明者らが上記課題を解決すべく検討したところ、特定の銅粒子及び特定のはんだ粒子を特定の割合で配合することによって得られる接合用金属ペーストを用いることによって、充分に低い接合温度で接合することができるとともに、充分な接着強度を有し、かつ再溶融し難い接合部を形成することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の一側面は、マイクロ銅粒子と、マイクロSnInはんだ粒子と、分散媒とを含有し、マイクロ銅粒子の含有量が、マイクロ銅粒子及びマイクロSnInはんだ粒子の全質量を基準として、5〜54質量%である、接合用金属ペーストに関する。
上記接合用金属ペーストによれば、充分に低い接合温度(例えば、160℃以下)で接合することができるとともに、充分な接着強度を有し、かつ再溶融し難い接合部を形成することができる。このような効果が得られる理由は明らかではないが、本発明者らは以下のように考えている。SnInの融点は、SnAg0.5Cu等の融点に比べて低いことから、接合温度を低くできたものと推察される。また、SnInは溶融することによって、マイクロ銅粒子の表面で遷移的液相焼結(TLPS)が進行し、SnCu合金、InCu合金等の金属間化合物が形成される。これらの金属間化合物は、SnInよりも融点が高いことから、結果として、充分な接着強度を有し、かつ再溶融し難い接合部が得られたものと推察される。このような接合用金属ペーストを用いることによって、接合する部材への熱の影響を小さくすることが可能となる。
マイクロ銅粒子の含有量は、マイクロ銅粒子及びマイクロSnInはんだ粒子の全質量を基準として、20〜54質量%であってよい。マイクロ銅粒子の体積平均粒径は、2.0〜20μmであってよい。マイクロSnInはんだ粒子の平均粒径は、1.0〜20μmであってよい。
接合用金属ペーストは、より高い接着強度が得られる観点から、マイクロ銅粒子の体積平均粒径、マイクロSnInはんだ粒子の平均粒径、及びマイクロ銅粒子の含有量が下記の条件(A)又は(B)を満たすことが好ましい。
条件(A):
・マイクロ銅粒子の体積平均粒径:7.0〜20μm
・マイクロSnInはんだ粒子の平均粒径:7.0〜20μm
・マイクロ銅粒子の含有量:マイクロ銅粒子及びマイクロSnInはんだ粒子の全質量を基準として、20〜54質量%、より好ましくは40〜54質量%
条件(B):
・マイクロ銅粒子の体積平均粒径:3.0〜7.0μm
・マイクロSnInはんだ粒子の平均粒径:1.0〜10μm
・マイクロ銅粒子の含有量:マイクロ銅粒子及びマイクロSnInはんだ粒子の全質量を基準として、20〜40質量%
接合用金属ペーストは、無加圧接合用であってよい。なお、本明細書において、「無加圧」とは、接合用金属ペーストが、接合する部材の重さのみ、又はその重さに加え、0.01MPa以下の微圧力を受けている状態を意味する。
本発明の他の側面は、第1の部材、上記接合用金属ペースト、及び第2の部材がこの順に積層されている積層体を用意する第1の工程と、積層体の接合用金属ペーストを焼結する第2の工程とを備える接合体の製造方法に関する。
上記第2の工程において、接合用金属ペーストを、第1の部材の重さを受けた状態、又は第1の部材の重さ及び0.01MPa以下の微圧力を受けた状態で加熱して焼結することができる。この場合、無加圧接合によって接合される部材へのダメージを低減できる。
上記の第1の部材及び第2の部材の少なくとも一方は半導体素子であってよい。この場合、接合体として半導体装置を得ることができる。
上記積層体において、上記第1の部材が第1の電極を有し、上記第2の部材が第1の電極と対向する第2の電極を有し、上記接合用金属ペーストが第1の電極と第2の電極との間に設けられていてもよい。この場合、第1の電極と第2の電極とが充分な接合強度で接合された接合体を得ることができる。
第1の電極及び第2の電極の少なくとも一方は金属ピラーであってもよい。この場合、ピラー接合された接合体を得ることができる。
第1の部材及び第2の部材がシリコン、窒化ガリウム、及び炭化ケイ素からなる群より選択される1種又は2種以上の半導体を含むウェハ又はチップであり、第1の電極及び第2の電極が貫通電極であってもよい。この方法によれば、貫通電極が設けられた複数の半導体ウェハ及び/又は半導体チップの積層体であって層間がマイクロバンプ接合された半導体装置を接合体として得ることができる。
本発明の他の側面は、第1の部材、第2の部材、及び、第1の部材と第2の部材とを接合する上記接合用金属ペーストの焼結体を備える接合体に関する。
上記の第1の部材及び第2の部材の少なくとも一方は半導体素子であってよい。すなわち、接合体は半導体装置であってよい。
接合体は、上記第1の部材が第1の電極を有し、上記第2の部材が第1の電極と対向する第2の電極を有し、上記接合用金属ペーストの焼結体が第1の電極と第2の電極とを接合していてもよい。
第1の電極及び第2の電極の少なくとも一方は金属ピラーであってもよい。
第1の部材及び第2の部材がシリコン、窒化ガリウム、及び炭化ケイ素からなる群より選択される1種又は2種以上の半導体を含むウェハ又はチップであり、第1の電極及び第2の電極が貫通電極であってもよい。
本発明によれば、充分に低い接合温度で接合することができるとともに、充分な接着強度を有し、かつ再溶融し難い接合部を形成することができる接合用金属ペースト、並びに、それを用いる接合体の製造方法及び接合体を提供することができる。
一実施形態の接合体の製造方法を示す模式断面図である。 接合体の製造方法における第1の工程を説明するための模式断面図である。 接合体の製造方法における第1の工程を説明するための模式断面図である。 本実施形態の接合用金属ペーストを用いて製造される接合体の一例を示す模式断面図である。 本実施形態の接合用金属ペーストを用いて製造される半導体装置の一例を示す 模式断面図である。 図4に示す接合体の製造方法を説明するための模式断面図である。 図5に示す半導体装置の製造方法を説明するための模式断面図である。 本実施形態の接合用金属ペーストを用いて製造される接合体の一例を示す模式断面図である。 図8に示す接合体の製造方法を説明するための模式断面図である。 本実施形態の接合用金属ペーストを用いて製造される接合体の一例を示す模式断面図である。 図10に示す接合体の製造方法を説明するための模式断面図である。 TSVのチップ層間がマイクロバンプ接合された接合体及びその製造方法を説明するための模式断面図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
まず、本実施形態の接合用金属ペーストの詳細について説明する。
<接合用金属ペースト>
本実施形態の接合用金属ペーストは、マイクロ銅粒子と、マイクロSnInはんだ粒子と、分散媒とを含有する。なお、本明細書では、便宜上、複数のマイクロ銅粒子の集合も「マイクロ銅粒子」と称する。マイクロ銅粒子以外のマイクロはんだ粒子についても同様である。
[マイクロ銅粒子]
マイクロ銅粒子は、1μm以上50μm未満の粒径を有する銅粒子である。マイクロ銅粒子は、粒径が2.0〜50μmの銅粒子を含むことが好ましい。マイクロ銅粒子は、粒径が2.0〜50μmの銅粒子を50質量%以上含んでいてよく、70質量%以上含んでいてもよく、80質量%以上含んでいてもよく、100質量%含んでいてもよい。
マイクロ銅粒子の体積平均粒径は、好ましくは2.0〜50μm、より好ましくは2.0〜30μm、さらに好ましくは2.0〜20μmである。マイクロ銅粒子の体積平均粒径が上記範囲内であれば、接合用金属ペーストを焼結した際の体積収縮、ボイドの発生等を低減でき、接合用金属ペーストを焼結させて製造される接合体の接合強度を確保することが容易となる。接合用金属ペーストをマイクロデバイスの接合に用いる場合は、マイクロデバイスが良好なダイシェア強度及び接続信頼性を示す傾向にある。上記効果がより一層奏される観点から、マイクロ銅粒子の体積平均粒径は、2.0〜10μm、3.0〜20μm、3.0〜10μm、3.0〜7.0μm、7.0〜20μm、7.0〜15μm、又は7.0〜12μmであってもよい。マイクロ銅粒子の体積平均粒径は、2.0μm以上、3.0μm以上、4.0μm以上、5.0μm以上、6.0μm以上、又は7.0μm以上であってよい。マイクロ銅粒子の体積平均粒径は、50μm以下、20μm以下、15μm以下、12μm以下、又は10μm以下であってよい。
本明細書において、体積平均粒径とは、50%体積平均粒径を意味する。金属粒子(例えば、銅粒子)の体積平均粒径は、例えば、以下の方法で測定することができる。まず、原料となる金属粒子、又は、金属ペーストから揮発成分を除去して得られる乾燥金属粒子を、分散剤を用いて分散媒に分散させる。次いで、得られた分散体の体積平均粒径を光散乱法粒度分布測定装置(例えば、島津ナノ粒子径分布測定装置(SALD−7500nano、(株)島津製作所製))で測定する。光散乱法粒度分布測定装置を用いる場合、分散媒としては、ヘキサン、トルエン、α−テルピネオール、4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン等を用いることができる。
マイクロ銅粒子の形状は、特に限定されるものではない。マイクロ銅粒子の形状としては、例えば、球状、塊状、針状、フレーク状、略球状、及びこれらの凝集体が挙げられる。これらの中でも、好ましいマイクロ銅粒子の形状は球状又は略球状である。マイクロ銅粒子は、球状又は略球状のマイクロ銅粒子を50質量%以上含んでいてよく、70質量%以上含んでいてもよく、80質量%以上含んでいてもよく、100質量%含んでいてもよい。
マイクロ銅粒子において、表面処理剤の処理の有無は特に限定されるものではない。分散安定性及び耐酸化性の観点から、マイクロ銅粒子は表面処理剤で処理されていてもよい。すなわち、マイクロ銅粒子が表面処理剤由来の化合物を有していてもよい。表面処理剤は、マイクロ銅粒子の表面に水素結合等によって吸着していてよく、マイクロ銅粒子と反応してマイクロ銅粒子の表面に結合していてもよい。
表面処理剤は、接合時の加熱により除去されるものであってもよい。このような表面処理剤としては、例えば、ドデカン酸、パルミチン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、リノール酸、リノレイン酸、オレイン酸等の脂肪族カルボン酸;テレフタル酸、ピロメリット酸、o−フェノキシ安息香酸等の芳香族カルボン酸;セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソボルニルシクロヘキサノール、テトラエチレングリコール等の脂肪族アルコール;p−フェニルフェノール等の芳香族アルコール;オクチルアミン、ドデシルアミン、ステアリルアミン等のアルキルアミン;ステアロニトリル、デカンニトリル等の脂肪族ニトリル;アルキルアルコキシシラン等のシランカップリング剤;ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、シリコーンオリゴマー等の高分子処理材などが挙げられる。表面処理剤は、一種を単独で使用してもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
マイクロ銅粒子としては、市販されているものを用いることができる。市販されているマイクロ銅粒子を含む材料としては、例えば、Cu HWQ5.0μm(福田金属箔粉工業(株)製、体積平均粒径:4.1μm)、Cu HWQ10.0μm(福田金属箔粉工業(株)製、体積平均粒径:9.4μm)、Cu HWQ3.0μm(福田金属箔粉工業(株)製、体積平均粒径:3.4μm)、Cu HWQ1.5μm(福田金属箔粉工業(株)製、体積平均粒径:1.5μm)、1100Y(三井金属鉱業(株)製、体積平均粒径:1.2μm)、1300Y(三井金属鉱業(株)製、体積平均粒径:4.6μm)、1400Y(三井金属鉱業(株)製、体積平均粒径:5.5μm)、1300YM(三井金属鉱業(株)製、体積平均粒径:3.4μm)、1400YM(三井金属鉱業(株)製、体積平均粒径:4.2μm)、1500YM(三井金属鉱業(株)製、体積平均粒径:5.3μm)、MA−C025K(三井金属鉱業(株)製、体積平均粒径:5.8μm)、CS−10(三井金属鉱業(株)製、体積平均粒径:1.2μm)、CS−20(三井金属鉱業(株)製、体積平均粒径:2.1μm)等が挙げられる。
マイクロ銅粒子の含有量は、マイクロ銅粒子及び下記のマイクロSnInはんだ粒子の全質量を基準として、5〜54質量%であり、好ましくは20〜54質量%である。マイクロ銅粒子の含有量は、マイクロ銅粒子及びマイクロSnInはんだ粒子の全質量を基準として、10質量%以上、15質量%以上、20質量%以上、25質量%以上、30質量%以上、35質量%以上、又は40質量%以上であってもよく、50質量%以下、45質量%以下、又は40質量%以下であってもよい。マイクロ銅粒子の含有量が、上記範囲内であれば、接合部の剥離、ボイド及びクラックの発生を抑制して接合強度を確保することができる。接合用金属ペーストをマイクロデバイスの接合に用いる場合は、マイクロデバイスが良好なダイシェア強度及び接続信頼性を示す傾向にある。球状又は略球状のマイクロ銅粒子の含有量は、上記のマイクロ銅粒子の含有量の範囲と同じであってよい。球状又は略球状のマイクロ銅粒子の含有量がこのような範囲にある場合、上記効果がより一層奏される傾向がある。
[マイクロSnInはんだ粒子]
SnInの融点は、約120℃であり、充分に低い接合温度(例えば、160℃以下)で溶融し得る。また、SnInは溶融することによって、マイクロ銅粒子の表面で遷移的液相焼結(TLPS)が進行し、SnCu合金、InCu合金等の金属間化合物を形成することが可能である。これらの金属間化合物は、SnInよりも融点が高いことから、上記のマイクロ銅粒子とマイクロSnInはんだ粒子とを組み合わせることによって、充分な接着強度を有し、かつ再溶融し難い接合部を形成することが可能となる。
マイクロSnInはんだ粒子は、1μm以上50μm未満の粒径を有するSnInはんだ(合金)粒子である。マイクロSnInはんだ粒子の平均粒径は、好ましくは1.0〜〜50μm、より好ましくは1.0〜30μm、さらに好ましくは1.0〜20μmである。マイクロSnInはんだ粒子の平均粒径は、1.0〜10μmであってもよく、この場合、1.5μm以上又は2.0μm以上であってもよく、8.0μm以下、7.0μm以下、又は5.0μm以下であってもよい。マイクロSnInはんだ粒子の平均粒径は、7.0〜20μmであってもよく、この場合、8.0μm以上又は9.0μm以上であってもよく、15μm以下又は12μm以下であってもよい。
マイクロSnInはんだ粒子の平均粒径は、例えば、以下の方法でSEM(走査型電子顕微鏡)像から算出することができる。SnInはんだ粒子の粉末を、スパチュラを用いてSEM用のカーボンテープ上に載せ、SEM用サンプルとする。SEM用サンプルを走査型電子顕微鏡で倍率1000〜5000倍で観察する。観察されたSEM像において、画像処理ソフトを用いて、1個のSnInはんだ粒子に外接する四角形(略正方形)を作成し、その一辺を当該SnInはんだ粒子の粒径として求める。マイクロSnInはんだ粒子の平均粒径は、このようにして求められる粒径の少なくとも20点の平均値であり得る。
マイクロSnInはんだ粒子の平均粒径に対するマイクロ銅粒子の体積平均粒径の比(マイクロ銅粒子の体積平均粒径/マイクロSnInはんだ粒子の平均粒径)は、0.4以上、0.5以上、又は0.8以上であってよく、10以下、5以下、又は3以下であってよい。
マイクロSnInはんだ粒子としては、市販されているものを用いることができる。市販されているマイクロSnInはんだ粒子を含む材料としては、例えば、SnIn solder(50/50)type5.5(Indium Corporation社製、平均粒径:10.6μm)、SnIn solder(50/50)type8(Indium Corporation社製、平均粒径:2.3μm)等が挙げられる。
マイクロSnInはんだ粒子の含有量は、上記のマイクロ銅粒子及びマイクロSnInはんだ粒子の全質量を基準として、46〜95質量%であり、好ましくは46〜80質量%である。マイクロ銅粒子の含有量は、マイクロ銅粒子及びマイクロSnInはんだ粒子の全質量を基準として、50質量%以上、55質量%以上、又は60質量%以上であってもよく、90質量%以下、85質量%以下、80質量%以下、75質量%以下、70質量%以下、65質量%以下、又は60質量%以下であってもよい。
接合用金属ペーストは、より高い接着強度が得られる観点から、マイクロ銅粒子の体積平均粒径、マイクロSnInはんだ粒子の平均粒径、及びマイクロ銅粒子の含有量が下記の条件(A)又は(B)を満たすことが好ましい。
条件(A):
・マイクロ銅粒子の体積平均粒径:7.0〜20μm
・マイクロSnInはんだ粒子の平均粒径:7.0〜20μm
・マイクロ銅粒子の含有量:マイクロ銅粒子及びマイクロSnInはんだ粒子の全質量を基準として、20〜54質量%、より好ましくは40〜54質量%
条件(B):
・マイクロ銅粒子の体積平均粒径:3.0〜7.0μm
・マイクロSnInはんだ粒子の平均粒径:1.0〜10μm
・マイクロ銅粒子の含有量:マイクロ銅粒子及びマイクロSnInはんだ粒子の全質量を基準として、20〜40質量%
[分散媒]
分散媒は、金属粒子を分散する機能を有するものであれば特に限定されるものではなく、揮発性のものであってもよい。揮発性の分散媒としては、例えば、1価アルコール、多価アルコール等のアルコール類、エーテル類、エステル類、酸アミド、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素等が挙げられる。具体的には、シクロヘキサノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、α−ターピネオール(α−テルピネオール)、ジヒドロターピネオール(ジヒドロテルピネオール)、ヘキシルカルビトール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のアルコール類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;エチレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(DPMA)、乳酸エチル、乳酸ブチル、γ−ブチロラクトン、炭酸プロピレン等のエステル類;N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等の酸アミド;シクロヘキサン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン等の脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素などが挙げられる。
分散媒の含有量は、接合用金属ペーストの全質量を基準として、2質量%以上又は5質量%以上であってよく、50質量%以下、30質量%以下、又は20質量%以下であってよい。例えば、分散媒の含有量は、接合用金属ペーストの全質量を基準として、2〜50質量%、5〜30質量%、又は5〜20質量%であってもよい。また、分散媒の含有量は、接合用金属ペーストに含まれるマイクロ銅粒子及びマイクロSnInはんだ粒子の全質量を100質量部として、5〜50質量部、5〜40質量部、又は7〜35質量部であってよい。分散媒の含有量が上記範囲内であれば、接合用金属ペーストをより適切な粘度に調整できる傾向にある。
[その他の成分]
接合用金属ペーストは、マイクロ銅粒子以外のその他の銅粒子として、サブマイクロ銅粒子又はナノ銅粒子を含有することができる。サブマイクロ銅粒子は、0.01μm以上1.00μm未満の粒径を有する銅粒子を意味し、ナノ銅粒子は、0.01μm未満の粒径を有する銅粒子を意味する。その他の銅粒子の含有量は、マイクロ銅粒子及びその他の銅粒子の全質量を基準として、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、含まないことがさらに好ましい。
接合用金属ペーストは、マイクロ銅粒子等の銅粒子及びマイクロSnInはんだ粒子以外のその他の金属粒子を含有することができる。その他の金属粒子としては、例えば、ニッケル、金、パラジウム、白金等の粒子が挙げられる。その他の金属粒子の含有量は、マイクロ銅粒子及びマイクロSnInはんだ粒子の全質量を基準として、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、含まないことがさらに好ましい。
接合用金属ペーストは、添加剤として、活性剤、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等の濡れ向上剤;表面張力調整剤;アルキルアミン、アルキルカルボン酸等の分散剤;シリコーン油等の消泡剤;無機イオン交換体等のイオントラップ剤などを含有することができる。添加剤の含有量は、本発明の効果を阻害しない範囲で適宜調整することができる。
活性剤としては、アミノデカン酸、ペンタン−1,5−ジカルボン酸、トリエタノールアミン、ジフェニル酢酸、セバシン酸、フタル酸、安息香酸、ジブロモサリチル酸、アニス酸、ヨードサリチル酸、ピコリン酸等が挙げられる。これらの中でも、活性剤としては、保存安定性の観点から、トリエタノールアミンを添加することができる。活性剤の含有量は、マイクロSnInはんだ粒子を基準として、1〜20質量%、2〜15質量%、又は3〜10質量%であってよい。
接合用金属ペーストは、その他の成分として、熱硬化性樹脂等の樹脂を含有していてもよいが、本実施形態の接合用金属ペーストは、樹脂を含有しないことが好ましい。
上述した接合用金属ペーストの粘度は特に限定されず、印刷等の手法で塗布する場合には、塗布方法に適した粘度に調整してよい。接合用金属ペーストの25℃におけるCasson粘度は、0.05Pa・s以上又は0.06Pa・s以上であってよく、2.0Pa・s以下又は1.0Pa・s以下であってよい。例えば、接合用金属ペーストの25℃におけるCasson粘度は、0.05〜2.0Pa・s又は0.06〜1.0Pa・sであってもよい。
本実施形態の接合用金属ペーストによれば、充分に低い接合温度で接合することができるとともに、充分な接着強度を有し、かつ再溶融し難い接合部を形成することができる。また、本実施形態の接合用金属ペーストは無加圧接合用であってもよい。
<接合用金属ペーストの調製>
接合用金属ペーストは、上記のマイクロ銅粒子と、上記のマイクロSnInはんだ粒子と、上記の分散媒と、場合により含有されるその他の成分とを混合して調製することができる。各成分の混合後に、撹拌処理を行ってもよい。接合材は、分級操作により分散液の最大粒径を調整してもよい。このとき、分散液の最大粒径は20μm以下とすることができる。上記のマイクロ銅粒子等の金属粒子は、表面処理剤で処理されたものを用いてよい。
分散処理は、分散機又は撹拌機を用いて行うことができる。分散機及び撹拌機としては、例えば、石川式撹拌機、シルバーソン撹拌機、キャビテーション撹拌機、自転公転型撹拌機装置、超薄膜高速回転式分散機、超音波分散機、ライカイ機、二軸混練機、ビーズミル、ボールミル、三本ロールミル、ホモミキサー、プラネタリーミキサー、超高圧型分散機、薄層せん断分散機等が挙げられる。
分級操作は、例えば、ろ過、自然沈降、遠心分離等により行うことができる。ろ過用のフィルタとしては、例えば、水櫛、金属メッシュ、メタルフィルター、ナイロンメッシュ等が挙げられる。
撹拌処理は、撹拌機を用いて行うことができる。撹拌機としては、例えば、石川式撹拌機、自転公転型撹拌装置、ライカイ機、二軸混練機、三本ロールミル、プラネタリーミキサー等が挙げられる。
<接合体の製造方法>
本実施形態の接合体の製造方法は、第1の部材、上記接合用金属ペースト、及び第2の部材がこの順に積層されている積層体を用意する第1の工程と、積層体の接合用金属ペーストを焼結する第2の工程とを備える。
以下、図面を参照して本実施形態の接合体の製造方法について説明する。
一実施形態に係る接合体の製造方法は、上記積層体として、第1の電極を有する第1の部材と、第2の電極を有し、第1の電極と第2の電極とが互いに対向するように配置された第2の部材と、第1の電極と第2の電極との間に設けられた上記接合用金属ペーストとを備える積層体を用意する。
図1は、一実施形態の接合体の製造方法を示す模式断面図である。図2及び図3は第1の工程の一例を示す模式断面図である。ここでは、第1の電極が金属ピラーであり、第2の電極が電極パッドである場合を示す。
(第1の工程)
第1の工程では、第1の部材10と、第2の部材20と、接合用金属ペースト(接合部)30とを備える積層体50を用意する(図1(a)参照。)。
第1の部材10は、金属ピラー11と、該金属ピラー11が一方面上に設けられた基板(第1の基板)12と、を備えている。第1の部材10は、例えば、ロジック、アナログIC、パワーIC等のマイクロデバイスである。
金属ピラー11は、例えば、第1の基板12の一方面上に複数設けられており、第1の部材10と第2の部材20とを対向配置した際に、複数の金属ピラー11のそれぞれが第2の部材20における電極パッド21と対向するように第1の基板12上に配置されている。
金属ピラー11の材質は特に限定されない。金属ピラー11の接合面(接合用金属ペースト30が配置される面、第1の基板12とは反対側の表面)に酸化被膜が形成されている場合に、第2の工程において該酸化被膜が除去され易い観点から、金属ピラー11は、少なくとも接合面が、金、白金、銀、パラジウム、銅、ニッケル、及び亜鉛からなる群より選択される少なくとも一種の金属で構成されていることが好ましい。また、接合後のカーケンダルボイドの抑制の観点及びインピーダンス不整合の抑制の観点から、金属ピラー11は、少なくとも接合面が、銅を含む材料で構成されていることが好ましく、銅を一定割合以上(例えば、90質量%以上)含む材料で構成されていることがより好ましい。
金属ピラー11の形状は特に限定されない。金属ピラー11が伸びる方向に垂直な断面の形状は、例えば、円形状、楕円形状、矩形状等であってよい。金属ピラー11の高さは、例えば、10μm以上であってよく、100μm以下であってよい。金属ピラー11のピラー径(上記断面が円形状以外の場合には最大径)は、例えば、10μm以上であってよく、300μm以下であってよい。
第2の部材20は、電極パッド21と、該電極パッド21が一方面上に設けられた基板(第2の基板)22と、を備えている。第2の部材20は、例えば、実装基板、リードフレーム、高放熱実装基板、シリコンインターポーザ、エポキシ配線板等の基板である。
電極パッド21の形状及び材質は特に限定されない。電極パッド21の接合面(接合用金属ペースト30が配置される面、第2の基板22とは反対側の表面)に酸化被膜が形成されている場合に、第2の工程において該酸化被膜が除去され易い観点から、電極パッド21は、少なくとも接合面が、金、白金、銀、パラジウム、銅、ニッケル、及び亜鉛からなる群より選択される少なくとも一種の金属で構成されていることが好ましい。また、接合後のカーケンダルボイドの抑制の観点及びインピーダンス不整合の抑制の観点から、電極パッド21は、少なくとも接合面が、銅を含む材料で構成されていることが好ましく、銅を一定割合以上(例えば、90質量%以上)含む材料で構成されていることがより好ましい。金属ピラー11及び電極パッド21を構成する材料(金属)は同一であっても異なっていてもよい。
接合用金属ペースト30は、金属ピラー11と電極パッド21との間において、接合部を形成している。図1では、接合用金属ペースト30は、金属ピラー11と電極パッド21との間にのみ存在しているが、接合用金属ペースト30の配置箇所はこれに限定されない。すなわち、接合用金属ペースト30は、少なくとも金属ピラー11と電極パッド21との間に存在していればよく、金属ピラー11と電極パッド21との間以外の領域にも存在していてよい。
積層体50における接合用金属ペーストの厚さ(金属ピラー11の接合面から電極パッド21の接合面までの距離)は、1〜1000μm、5〜500μm、10〜500μm、15〜500μm、20〜300μm、50〜200μm、10〜3000μm、10〜250μm又は15〜150μmであってよい。接合用金属ペーストの厚さは、1μm以上、5μm以上、10μm以上、15μm以上、20μm以上又は50μm以上であってよい。接合用金属ペーストの厚さは、3000μm以下、1000μm以下、500μm以下、300μm以下、250μm以下、200μm以下又は150μm以下であってよい。
積層体50は、例えば、第1の部材10における金属ピラー11及び第2の部材20における電極パッド21のうちの少なくとも一方の接合面に接合用金属ペースト30を配置した後、接合用金属ペースト30を介して、第1の部材10の金属ピラー11と第2の部材20の電極パッド21とを接続することにより得ることができる。例えば、図2に示すように、第2の部材20における電極パッド21の接合面に接合用金属ペースト30を配置した後(図2(a)参照。)、接合用金属ペースト30を介して金属ピラー11と電極パッド21とが互いに対向するように第2の部材20上に第1の部材10を配置し(図2(b)参照。)、接合用金属ペースト30を介して金属ピラー11と電極パッド21とを接続することにより積層体50を得てよい(図2(c)参照。)。図3に示すように、第1の部材10における金属ピラー11の接合面に接合用金属ペースト30を配置した後(図3(a)参照。)、接合用金属ペースト30を介して金属ピラー11と電極パッド21とが互いに対向するように第1の部材10上に第2の部材20を配置し(図3(b)参照。)、金属ピラー11と電極パッド21とを接続することにより積層体50を得てもよい(図3(c)参照。)。接合用金属ペースト30は、金属ピラー11及び電極パッド21の接合面の少なくとも一部に配置されればよく、接合面全体に配置されてもよい。
接合用金属ペースト30を金属ピラー11及び電極パッド21の接合面に配置する方法は、金属ピラー11の接合面(端面)及び電極パッド21の接合面に接合用金属ペーストを付着させることができる方法であればよく、公知の方法を採用することができる。
接合用金属ペーストを金属ピラー11の接合面に付着させる方法の具体例としては、スキージ等で薄く均一に引き延ばした接合用金属ペーストに金属ピラー11の接合面をディッピングする方法、接合用金属ペーストを薄く均一に塗布したローラによって、金属ピラー11の接合面へ接合用金属ペーストを転写する方法、ニードルディスペンサにより接合用金属ペーストを金属ピラー11の接合面に印刷する方法等が挙げられる。
接合用金属ペーストを電極パッド21の接合面に付着させる方法の具体例としては、スクリーン印刷、転写印刷、オフセット印刷、凸版印刷、凹版印刷、グラビア印刷、ステンシル印刷、ジェット印刷等の印刷による方法、ディスペンサ(例えば、ジェットディスペンサ、ニードルディスペンサ)、カンマコータ、スリットコータ、ダイコータ、グラビアコータ、スリットコータ、バーコータ、アプリケータ、スプレーコータ、スピンコータ、ディップコータ等を用いる方法、ソフトリソグラフィによる方法、粒子堆積法、電着塗装による方法などが挙げられる。
第1の部材(例えば、マイクロデバイス)と第2の部材(例えば、基板)とを積層する方法としては、例えば、チップマウンター、フリップチップボンダー、カーボン製又はセラミックス製の位置決め冶具等を用いる方法が挙げられる。
第1の部材と第2の部材との間(金属ピラー11と電極パッド21との間)に配置された接合用金属ペースト30は、焼結時の流動及びボイドの発生を抑制する観点から、乾燥させてもよい。すなわち、本実施形態の製造方法は、第1の工程後、第2の工程の前に、接合用金属ペースト30を乾燥させる乾燥工程をさらに備えていてもよい。
乾燥は、大気中で行ってよく、窒素、希ガス等の無酸素雰囲気中で行ってもよく、水素、ギ酸等の還元雰囲気中で行ってもよい。乾燥方法は、常温(例えば、25℃)に放置することによる乾燥であってよく、加熱乾燥であってもよく、減圧乾燥であってもよい。加熱乾燥又は減圧乾燥には、例えば、ホットプレート、温風乾燥機、温風加熱炉、窒素乾燥機、赤外線乾燥機、赤外線加熱炉、遠赤外線加熱炉、マイクロ波加熱装置、レーザー加熱装置、電磁加熱装置、ヒーター加熱装置、蒸気加熱炉、熱板プレス装置等を用いることができる。乾燥条件(乾燥の温度及び時間)は、接合用金属ペーストに使用した揮発成分(例えば、分散媒等の金属粒子以外の成分)の種類及び量に応じて適宜設定してよい。乾燥条件(乾燥の温度及び時間)としては、例えば、50℃以上150℃未満で1〜120分間乾燥させる条件であってよい。
(第2の工程)
第2の工程では、積層体50を、所定の接合温度(焼結温度)で接合用金属ペースト30を焼結させて焼結体31とする。これにより、第1の部材10と、第2の部材20と、金属ピラー11及び電極パッド21の間に設けられた、焼結体(接合部)31と、を備える接合体100を得る(図1(b)参照。)。接合体100において、金属ピラー11と電極パッド21とは、焼結体31によって電気的に接続されている。
加熱処理には、例えば、ホットプレート、温風乾燥機、温風加熱炉、窒素乾燥機、赤外線乾燥機、赤外線加熱炉、遠赤外線加熱炉、マイクロ波加熱装置、レーザー加熱装置、電磁加熱装置、ヒーター加熱装置、蒸気加熱炉等を用いることができる。
接合温度(焼結温度)(加熱処理時の到達最高温度)は、マイクロ銅粒子の表面で遷移的液相焼結(TLPS)を進行させ、第1の部材(例えば、マイクロデバイス)及び第2の部材(例えば、基板)への熱ダメージを低減する観点から、118〜160℃であってよい。接合温度は、120℃以上、125℃以上、130℃以上、135℃以上、又は140℃以上であってよい。接合温度は、155℃以下又は150℃以下であってよい。接合温度が、118℃以上であれば、SnInの共晶温度が118℃であることから、マイクロ銅粒子の表面で遷移的液相焼結(TLPS)が進行する傾向にある。接合温度が160℃以下であれば、第1の部材及び第2の部材への少ない熱ダメージで焼結を充分に進めることができ、充分な接合強度が得られる傾向がある。接合温度が低温であっても、接合時間を60分間超とすることで、焼結を充分に進行させることは可能である。
接合時間(焼結時間)(到達最高温度での保持時間)は、揮発性成分(例えば、分散媒等の金属粒子以外の成分)を充分に除去し、焼結を充分に進めることができる観点から、1分間以上、1.5分間以上、又は2分間以上であってよい。接合時間は、歩留まりを向上させる観点から、60分間以下、40分間未満、又は30分間未満であってよい。これらの観点から、接合時間は、1〜60分間、1分間以上40分間未満、又は1分間以上30分間未満であってもよい。特に、焼結温度が118〜160℃である場合には、接合時間が上記範囲であることが好ましい。
第2の工程における積層体50の加熱を行う雰囲気は、水素濃度が45%以下のガス雰囲気とすることができ、水素ガスの爆発性を考慮して、水素濃度が10%以下のガス雰囲気であってもよく、水素濃度が4.5%以下のガス雰囲気であってもよく、水素を含まないガス雰囲気であってもよい。
ガス雰囲気としては、水素と、希ガス及び/又は窒素とを含む混合ガス雰囲気、ギ酸ガスを含むガス雰囲気、ギ酸ガスと、希ガス及び/又は窒素とを含む混合ガス雰囲気、希ガス及び/又は窒素を含むガス雰囲気が挙げられる。水素を含まないガス雰囲気としては、不活性ガスの観点から、窒素ガス雰囲気、アルゴンガス雰囲気、又は窒素ガスとアルゴンガスの混合ガス雰囲気が好ましい。
第2の工程は、加圧下で実施してもよく、無加圧下(接合する部材の重さのみ、又はその重さに加え、0.01MPa以下の微圧力を接合用金属ペーストが受けている状態)で実施してもよい。接合用金属ペーストが0.01MPa以下の圧力を受ける方法としては、例えば、鉛直方向上側に配置される部材(例えば、第1の部材)上に重りを載せる方法、ばね冶具により加圧する方法等が挙げられる。
以上のように、本実施形態の接合体の製造方法は、本実施形態の接合用金属ペーストを用いることにより、充分に低い接合温度で接合することができるとともに、充分な接着強度を有し、かつ再溶融し難い接合部を形成することができる。本実施形態の接合体の製造方法は、さらには無加圧下であっても充分な接合強度を得ることができることから、工程の簡略化、接合装置の簡易化、製造歩留まりの向上等の効果を得ることができる。
接合体100のシェア強度は、第1の部材及び第2の部材を充分に接合する観点から、5MPa以上、10MPa以上、15MPa以上、20MPa以上、25MPa以上、30MPa以上、35MPa以上、40MPa以上、45MPa以上、50MPa以上、又は55MPa以上であってよい。ダイシェア強度は、ユニバーサルボンドテスタ(Royce 650,Royce Instruments社製)又は万能型ボンドテスタ(4000シリーズ、DAGE社製)等を用いて測定することができる。
本実施形態の接合体の製造方法は、マイクロデバイスのフリップチップ接合に適用することができる。
本実施形態の接合体の製造方法は、上記の一実施形態に限定されず、種々の変更が可能である。
例えば、第1の部材及び第2の部材がシリコン、窒化ガリウム、及び炭化ケイ素からなる群より選択される1種又は2種以上の半導体を含むウェハ又はチップであり、第1の電極及び第2の電極が貫通電極であってもよい。この方法によれば、貫通電極が設けられた複数の半導体ウェハ及び/又は半導体チップの積層体であって層間がマイクロバンプ接合された半導体装置を接合体として得ることができる。
上記ウェハ又はチップとしては、例えば、シリコンウェハ、窒化ガリウムウェハ、炭化ケイ素ウェハ、シリコンチップ、窒化ガリウムチップ、炭化ケイ素チップ等が挙げられる。また、2種以上の半導体を含むウェハ又はチップとしては、シリコンウェハ又はチップ上に窒化ガリウムが積層されたものが挙げられる。
さらに、本実施形態の接合体の製造方法について図面を参照しながら詳細に説明する。
図4は、本実施形態の接合体の製造方法によって製造される接合体の一例を示す模式断面図である。
図4に示す接合体125は、第1の部材102と、第2の部材103と、第1の部材102と第2の部材103とを接合する本実施形態の接合用金属ペーストの焼結体101とを備える。
第1の部材及び第2の部材は、例えば、半導体ウェハ、半導体チップ、IGBT、ダイオード、ショットキーバリヤダイオード、MOS−FET、サイリスタ、ロジック、センサー、アナログ集積回路(アナログIC)、パワーIC、LED、半導体レーザー、発信器等の半導体素子;リードフレーム;金属板貼付セラミックス基板(例えば、DBC);LEDパッケージ等の半導体素子搭載用基材;銅リボン、金属フレーム等の金属配線;金属ブロック等のブロック体;端子等の給電用部材;放熱板;水冷板などが挙げられる。
第1の部材102及び第2の部材103の接合用金属ペーストの焼結体と接する面102a及び103aは金属を含んでいてもよい。金属としては、例えば、銅、ニッケル、銀、金、パラジウム、白金、鉛、錫、コバルト等が挙げられる。金属は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、焼結体と接する面は、上記金属を含む合金であってもよい。合金に用いられる金属としては、上記金属の他に、亜鉛、マンガン、アルミニウム、ベリリウム、チタン、クロム、鉄、モリブデン等が挙げられる。焼結体と接する面に金属を含む部材としては、例えば、各種金属メッキを有する部材(金属メッキを有するチップ、各種金属メッキを有するリードフレーム等)、ワイヤ、ヒートスプレッダ、金属板が貼り付けられたセラミックス基板、各種金属からなるリードフレーム、銅板、銅箔などが挙げられる。
接合体125のシェア強度は、第1の部材102及び第2の部材103を充分に接合する観点から、5MPa以上、10MPa以上、15MPa以上、20MPa以上、25MPa以上、30MPa以上、35MPa以上、40MPa以上、45MPa以上、50MPa以上、又は55MPa以上であってよい。ダイシェア強度は、ユニバーサルボンドテスタ(Royce 650,Royce Instruments社製)又は万能型ボンドテスタ(4000シリーズ、DAGE社製)等を用いて測定することができる。
上記接合体125において、第1の部材が半導体素子である場合、上記接合体125は半導体装置となる。
図5は、本実施形態の接合体の製造方法によって製造される半導体装置の一例を示す模式断面図である。図5に示す半導体装置130は、本実施形態に係る接合用金属ペーストの焼結体111と、リードフレーム115aと、リードフレーム115bと、ワイヤ116と、焼結体111を介してリードフレーム115a上に接続された半導体素子118と、これらをモールドするモールドレジン117と、を備える。半導体素子118は、ワイヤ116を介してリードフレーム115bに接続されている。
半導体装置としては、例えば、ダイオード、整流器、サイリスタ、MOSゲートドライバ、パワースイッチ、パワーMOSFET、IGBT、ショットキーダイオード、ファーストリカバリダイオード等のパワーモジュール;発信機;増幅器;高輝度LEDモジュール;センサーなどが挙げられる。
図6(図6(a)及び図6(b))は、接合体125の製造方法を説明するための模式断面図である。本実施形態に係る接合体125の製造方法は、第1の部材102、該第1の部材102の重さが働く方向側に、上記接合用金属ペースト110、及び第2の部材103がこの順に積層された積層体60を用意し(図6(a))、水素濃度が45%以下のガス雰囲気下で積層体60を加熱して接合用金属ペースト110を焼結する工程を備える。これにより接合体125が得られる(図6(b))。なお、第1の部材102の重さが働く方向とは、重力が働く方向ということもできる。
上記工程において、接合用金属ペースト110を、第1の部材102の重さを受けた状態、又は第1の部材102の重さ及び0.01MPa以下の微圧力を受けた状態で、焼結してもよい。
上記積層体60は、上述した積層体50と同様の方法及び条件で用意することができる。接合用金属ペースト110の乾燥、焼結についても、上述した接合用金属ペースト30と同様に方法及び条件で行うことができる。
接合用金属ペースト110の厚さは、1μm以上、5μm以上、10μm以上、15μm以上、20μm以上又は50μm以上であってよく、3000μm以下、1000μm以下、500μm以下、300μm以下、250μm以下又は150μm以下であってよい。例えば、接合用金属ペースト110の厚さは、1〜1000μmであってよく、10〜500μmであってもよく、50〜200μmであってもよく、10〜3000μmであってもよく、15〜500μmであってもよく、20〜300μmであってもよく、5〜500μmであってもよく、10〜250μmであってもよく、15〜150μmであってもよい。
一方の部材を他方の部材上に配置する方法(例えば、接合用金属ペースト110が設けられた第2の部材103上に第1の部材102を配置する方法)としては、例えば、チップマウンター、フリップチップボンダー、カーボン製又はセラミックス製の位置決め冶具等を用いる方法が挙げられる。
本実施形態の接合用金属ペースト110を用いることにより、水素濃度が45%以下のガス雰囲気下で加熱しても、接合体は充分な接合強度を有することができる。また、無加圧での接合を行う場合であっても、接合体は充分な接合強度を有することができる。
本実施形態に係る半導体装置130は、上述した接合体125の製造方法と同様にして製造することができる。すなわち、半導体装置の製造方法は、第1の部材及び第2の部材の少なくとも一方に半導体素子を用い、第1の部材、該第1の部材の重さが働く方向側に、上記接合用金属ペースト、及び第2の部材がこの順に積層された積層体を用意し、水素濃度が45%以下のガス雰囲気下で積層体を加熱して接合用金属ペーストを焼結する工程を備える。例えば、図7(図7(a)〜図7(c))に示すように、リードフレーム115a上に接合用金属ペースト120を設け、半導体素子118を配置して積層体70を得た後(図7(a))、この積層体70を加熱し、接合用金属ペースト120を焼結させることにより接合体80を得る(図7(b))。次いで、得られた接合体80におけるリードフレーム115bと半導体素子118とをワイヤ116によって接続し、封止樹脂によりこれらを封止する。以上の工程により半導体装置130が得られる(図7(c))。得られる半導体装置130は、好ましくは無加圧での接合を行った場合であっても、充分なダイシェア強度及び接続信頼性を有することができる。本実施形態の半導体装置は、充分な接合力を有し、上記接合用金属ペーストの焼結体を備えることにより、充分な接着強度を有し、かつ再溶融し難いものになり得る。
図8に示す接合体140は、第1の部材102と、第2の部材103と、第3の部材104と、第4の部材105と、第1の部材102と第2の部材103とを接合する上記接合用金属ペーストの焼結体101aと、第1の部材102と第3の部材104とを接合する上記接合用金属ペーストの焼結体101bと、第3の部材104と第4の部材105とを接合する上記接合用金属ペーストの焼結体101cと、を備える。
このような接合体140は、例えば、図9(図9(a)及び図9(b))に示すように、第3の部材104、該第3の部材104の重さが働く方向側に、第2の接合用金属ペースト110b、第1の部材102、第1の接合用金属ペースト110a、及び第2の部材103がこの順に積層された積層部分と、第3の部材104、該第3の部材104の重さが働く方向側に、第3の接合用金属ペースト110c、及び第4の部材105がこの順に積層された積層部分とを有する積層体90を用意し(図9(a))、上記接合体125の製造方法と同様にして、第1の接合用金属ペースト110a、第2の接合用金属ペースト110b、及び第3の接合用金属ペースト110cを焼結する工程を備える方法で得ることができる(図9(b))。上記方法において、第1の接合用金属ペースト110a、第2の接合用金属ペースト110b、及び第3の接合用金属ペースト110cは本実施形態に係る接合用金属ペーストであり、第1の接合用金属ペースト110aが焼結することにより焼結体101aが得られ、第2の接合用金属ペースト110bが焼結することにより焼結体101bが得られ、第3の接合用金属ペースト110cが焼結することにより焼結体101cが得られる。
また、接合体140は、例えば、上記接合体125を得た後、第3の部材104、該第3の部材4の重さが働く方向側に、第2の接合用金属ペースト110b、及び第1の部材102がこの順に積層された積層部分と、第3の部材104、該第3の部材104の重さが働く方向側に、第3の接合用金属ペースト110c、及び第4の部材105がこの順に積層された積層部分とを形成し、上記接合体125の製造方法と同様にして、第2の接合用金属ペースト110b及び第3の接合用金属ペースト110cを焼結する工程を備える方法で得ることもできる。
図10に示す接合体150は、第1の部材102と、第2の部材103と、第3の部材104と、第4の部材105と、第5の部材106と、第1の部材102と第2の部材103とを接合する上記接合用金属ペーストの焼結体101aと、第3の部材104と第4の部材105とを接合する上記接合用金属ペーストの焼結体101cと、第1の部材102と第5の部材106とを接合する上記接合用金属ペーストの焼結体101dと、第3の部材104と第5の部材106とを接合する上記接合用金属ペーストの焼結体101eと、を備える。
このような接合体150は、例えば、図11(図11(a)及び図11(b))に示すように、第3の部材104、該第3の部材104の重さが働く方向側に、第5の接合用金属ペースト110e、第5の部材106、第4の接合用金属ペースト110d、第1の部材102、第1の接合用金属ペースト110a、及び第2の部材103がこの順に積層された積層部分と、第3の部材104、該第3の部材104の重さが働く方向側に、第3の接合用金属ペースト110c、及び第4の部材105がこの順に積層された積層部分とを有する積層体95を用意し(図11(a))、上記接合体125の製造方法と同様にして、第1の接合用金属ペースト110a、第3の接合用金属ペースト110c、第4の接合用金属ペースト110d、及び第5の接合用金属ペースト110eを焼結する工程を備える方法で得ることができる(図11(b))。上記方法において、第1の接合用金属ペースト110a、第3の接合用金属ペースト110c、第4の接合用金属ペースト110d及び第5の接合用金属ペースト110eは本実施形態に係る接合用金属ペーストであり、第1の接合用金属ペースト110aが焼結することにより焼結体101aが得られ、第3の接合用金属ペースト110cが焼結することにより焼結体101cが得られ、第4の接合用金属ペースト110dが焼結することにより焼結体101dが得られ、第5の接合用金属ペースト110eが焼結することにより焼結体101eが得られる。
また、接合体150は、第3の部材104、該第3の部材104の重さが働く方向側に、第5の接合用金属ペースト110e、第5の部材106、第4の接合用金属ペースト110d、第1の部材102、第1の接合用金属ペースト110a、及び第2の部材103がこの順に積層された積層体を用意し、上記接合体125の製造方法と同様にして、第1の接合用金属ペースト110a、第4の接合用金属ペースト110d及び第5の接合用金属ペースト110eを焼結した後、第3の部材104、該第3の部材104の重さが働く方向側に、第3の接合用金属ペースト110c、及び第4の部材105がこの順に積層された積層部分を形成し、上記接合体125の製造方法と同様にして、第3の接合用金属ペースト110cを焼結する工程を備える方法で得ることもできる。
また、接合体150は、上記接合体125を得た後、第3の部材104、該第3の部材104の重さが働く方向側に、第5の接合用金属ペースト110e、第5の部材106、第4の接合用金属ペースト110d、及び第1の部材102がこの順に積層された積層部分と、第3の部材104、該第3の部材104の重さが働く方向側に、第3の接合用金属ペースト110c、及び第4の部材105がこの順に積層された積層部分とを形成し、上記接合体125の製造方法と同様にして、第3の接合用金属ペースト110c、第4の接合用金属ペースト110d、及び第5の接合用金属ペースト110eを焼結する工程を備える方法で得ることもできる。
上記変形例において、第3の部材104、第4の部材105、及び第5の部材106の例としては、第2の部材103の例と同様であり、例えば、第3の部材104は銅リボン、金属フレーム等の金属配線であってもよく、第4の部材105は端子又はリードフレームであってもよく、第5の部材106は金属ブロック等のブロック体であってもよい。また、第3の部材104、第4の部材105、及び第5の部材106の接合用金属ペーストの焼結体と接する面は金属を含んでいていてもよい。含みうる金属の例は、第1の部材102及び第2の部材103が接合用金属ペーストの焼結体と接する面に含みうる金属の例と同様である。また、上記変形例において用いる第1の接合用金属ペースト110a、第2の接合用金属ペースト110b、第3の接合用金属ペースト110c、第4の接合用金属ペースト110d、第5の接合用金属ペースト110eは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
<接合体>
本実施形態の接合体は、第1の部材、第2の部材、及び、第1の部材と第2の部材とを接合する本実施形態の接合用金属ペーストの焼結体を備える。本実施形態の接合体は、上述した本実施形態の接合体の製造方法によって得ることができる。
上記の第1の部材及び第2の部材の少なくとも一方は半導体素子であってよい。すなわち、接合体は半導体装置であってよい。
本実施形態の接合体は、上記第1の部材が第1の電極を有し、上記第2の部材が第1の電極と対向する第2の電極を有し、焼結体が第1の電極と第2の電極とを接合していてもよい。
第1の電極及び第2の電極の少なくとも一方が金属ピラーであってもよい。
第1の部材及び第2の部材がシリコン、窒化ガリウム及び炭化ケイ素からなる群より選択される1種又は2種以上の半導体を含むウェハ又はチップであり、第1の電極及び第2の電極が半導体ウェハ及び/又は半導体チップに設けられた貫通電極であってもよい。この接合体は、TSV(Through Silicon Via)で接続する構造を有するLSIへの応用が可能である。
図12は、TSVのチップ層間がマイクロバンプ接合された接合体及びその製造方法を説明するための模式断面図である。図12の(a)に示される接合体52は、貫通電極14が設けられた複数の半導体チップ13が、マイクロバンプ15及び焼結体16を介して接合された構造を有する。焼結体16は、本実施形態の接合用金属ペーストの焼結体である。
接合体52は、上述した接合体の製造方法と同様にして製造することができる。例えば、図12の(b)に示すように、一方の半導体チップ13におけるマイクロバンプ15上に接合用金属ペースト17を配置した後、接合用金属ペースト17を介してマイクロバンプ15と他方の半導体チップ13’におけるマイクロバンプ15’とが互いに対向するように一方の半導体チップ13上に他方の半導体チップ13’を配置し、焼結させた接合用金属ペースト17を介してマイクロバンプ15とマイクロバンプ15’とを接続することにより接合体を得ることができる。この工程を繰り返す又は同時に行うことにより、接合体52が得られる。
以下、実施例及び比較例によって、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<接合用金属ペーストの調製>
(実施例1)
マイクロ銅粒子として、Cu HWQ5.0μm(福田金属箔粉工業(株)製、50%体積平均粒径:4.1μm)0.264g、活性剤として、トリエタノールアミン0.108g、及び分散媒として、ターピネオール(日本テルペン化学(株)製、製品名「ターピネオールC」、異性体混合物)0.252gを、2000rpm、1分間の条件で(株)シンキー製撹拌機(商品名:「あわとり練太郎 ARE−310」、以下同様。)にて混合した。その後、3本ロールミルで10回分散処理を行い、混合物を得た。
分散処理により得た混合物をポリエチレン製の容器に移した後、マイクロSnInはんだ粒子として、SnIn solder(50/50)type5.5(Indium Corporation社製、平均粒径:10.6μm)2.376gを秤量して容器に加え、2000rpm、1分間の条件で(株)シンキー製撹拌機にて混合した。その後、3本ロールミルで5回分散処理を行い、接合材として実施例1の接合用金属ペーストを得た。
(実施例2〜15及び比較例1〜6)
接合用金属ペーストの組成を表1〜3に示す組成(数値の単位はg)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして接合用金属ペーストを調製した。
上記で得られた接合用金属ペーストを用いて、下記の方法に従って、接合強度(シェア強度)及び再溶融性の評価を行った。結果を表1〜3に示す。
(接合強度)
接合強度はシェア強度により評価した。まず、無酸素銅板(19mm×25mm×厚さ3mm)に、厚さ100μmのステンシルマスクを用いて接合用金属ペーストをステンシル印刷し、下記の加熱条件1で加熱し、その後、下記の加熱条件2で加熱することにより、銅板上にバンプ径200μmのバンプが10本形成された測定用サンプルを作製した。
・加熱条件1:ギ酸を飽和させた窒素ガス雰囲気、加熱温度110℃、加熱時間60分
・加熱条件2:ギ酸を飽和させた窒素ガス雰囲気、加熱温度140℃、加熱時間60分
上記で得られた測定用サンプルのバンプを、ロードセル(BS−5KG、ノードソン・アドバンスト・テクノロジー(株)社製)を装着した万能型ボンドテスタDage4000(ノードソン・アドバンスト・テクノロジー(株)製、製品名)を用い、温度25℃、シェア速度100μm/秒、シェア高さ10μmの条件で水平方向に押し、シェア試験を行った。次いで、試験後のバンプの破断部をデジタルマイクロスコープVHX−5000((株)キーエンス製、製品名)で観察して破断面の総面積を算出した。得られたシェア強度を総面積で除した単位面積あたりのシェア強度を算出し、接合強度を評価した。
(再溶融性)
上記接合強度の評価と同様にして測定用サンプルを作製した。測定用サンプルを窒素雰囲気下、140℃で30分間再加熱した。このときのバンプの再溶融の有無を肉眼で観察し、下記の判定基準で再溶融性を評価した。
[判定基準]
A:バンプが溶融しなかった。
B:バンプのすべてが溶融した。
Figure 2021063260
Figure 2021063260
Figure 2021063260
表中の銅粒子、はんだ粒子、及び分散媒の詳細は下記のとおりである。
(銅粒子)
マイクロ銅粒子A:Cu HWQ5.0μm(福田金属箔粉工業(株)製、体積平均粒径:4.1μm)
マイクロ銅粒子B:Cu HWQ10.0μm(福田金属箔粉工業(株)製、体積平均粒径:9.4μm)
マイクロ銅粒子C:Cu HWQ3.0μm(福田金属箔粉工業(株)製、体積平均粒径:3.4μm)
マイクロ銅粒子D:Cu HWQ1.5μm(福田金属箔粉工業(株)製、体積平均粒径:1.5μm)
(はんだ粒子)
マイクロSnInはんだ粒子A:SnIn solder(50/50)type5.5(Indium Corporation社製、平均粒径:10.6μm)
マイクロSnInはんだ粒子B:SnIn solder(50/50)type8(Indium Corporation社製、平均粒径:2.3μm)
(分散媒)
ターピネオール:ターピネオールC(日本テルペン化学(株)製、製品名、異性体混合物)
(活性剤)
トリエタノールアミン(東京化成工業(株)製)
10,102…第1の部材、11…金属ピラー、12…第1の基板、13…半導体チップ、14…貫通電極、15…マイクロバンプ、16,31,101,101a,101b,101c,101d,101e,111…焼結体、17,30,110,110a,110b,110c,110d,110e,120…接合用金属ペースト、20,103…第2の部材、21…電極パッド、22…第2の基板、50,60,70,90,95…積層体、80,100…接合体、115a,115b…リードフレーム、116…ワイヤ、117…モールドレジン、118…半導体素子、125,140,150…接合体、130…半導体装置。

Claims (18)

  1. マイクロ銅粒子と、マイクロSnInはんだ粒子と、分散媒とを含有し、
    前記マイクロ銅粒子の含有量が、前記マイクロ銅粒子及び前記マイクロSnInはんだ粒子の全質量を基準として、5〜54質量%である、接合用金属ペースト。
  2. 前記マイクロ銅粒子の含有量が、前記マイクロ銅粒子及び前記マイクロSnInはんだ粒子の全質量を基準として、20〜54質量%である、請求項1に記載の接合用金属ペースト。
  3. 前記マイクロ銅粒子の体積平均粒径が2.0〜20μmである、請求項1又は2に記載の接合用金属ペースト。
  4. 前記マイクロSnInはんだ粒子の平均粒径が1.0〜20μmである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の接合用金属ペースト。
  5. 前記マイクロ銅粒子の体積平均粒径が7.0〜20μmであり、
    前記マイクロSnInはんだ粒子の平均粒径が7.0〜20μmであり、
    前記マイクロ銅粒子の含有量が、前記マイクロ銅粒子及び前記マイクロSnInはんだ粒子の全質量を基準として、20〜54質量%である、請求項1に記載の接合用金属ペースト。
  6. 前記マイクロ銅粒子の体積平均粒径が3.0〜7.0μmであり、
    前記マイクロSnInはんだ粒子の平均粒径が1.0〜10μmであり、
    前記マイクロ銅粒子の含有量が、前記マイクロ銅粒子及び前記マイクロSnInはんだ粒子の全質量を基準として、20〜40質量%である、請求項1に記載の接合用金属ペースト。
  7. 無加圧接合用である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の接合用金属ペースト。
  8. 第1の部材、請求項1〜6のいずれか一項に記載の接合用金属ペースト、及び第2の部材がこの順に積層されている積層体を用意する第1の工程と、前記積層体を加熱して前記接合用金属ペーストを焼結する第2の工程と、
    を備える、接合体の製造方法。
  9. 前記第2の工程において、前記接合用金属ペーストを、前記第1の部材の重さを受けた状態、又は前記第1の部材の重さ及び0.01MPa以下の微圧力を受けた状態で加熱して焼結する、請求項8に記載の接合体の製造方法。
  10. 前記第1の部材及び前記第2の部材の少なくとも一方が半導体素子である、請求項8又は9に記載の接合体の製造方法。
  11. 前記積層体において、前記第1の部材が第1の電極を有し、前記第2の部材が前記第1の電極と対向する第2の電極を有し、前記接合用金属ペーストが前記第1の電極と前記第2の電極との間に設けられている、請求項8〜10のいずれか一項に記載の接合体の製造方法。
  12. 前記第1の電極及び前記第2の電極の少なくとも一方が金属ピラーである、請求項11に記載の接合体の製造方法。
  13. 前記第1の部材及び前記第2の部材がシリコン、窒化ガリウム、及び炭化ケイ素からなる群より選択される1種又は2種以上の半導体を含むウェハ又はチップであり、前記第1の電極及び前記第2の電極が貫通電極である、請求項11に記載の接合体の製造方法。
  14. 第1の部材、第2の部材、及び、第1の部材と第2の部材とを接合する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の接合用金属ペーストの焼結体、を備える、接合体。
  15. 前記第1の部材及び前記第2の部材の少なくとも一方が半導体素子である、請求項14に記載の接合体。
  16. 前記第1の部材が第1の電極を有し、前記第2の部材が前記第1の電極と対向する第2の電極を有し、前記焼結体が前記第1の電極と前記第2の電極とを接合している、請求項14又は15に記載の接合体。
  17. 前記第1の電極及び前記第2の電極の少なくとも一方が金属ピラーである、請求項16に記載の接合体。
  18. 前記第1の部材及び前記第2の部材がシリコン、窒化ガリウム、及び炭化ケイ素からなる群より選択される1種又は2種以上の半導体を含むウェハ又はチップであり、前記第1の電極及び前記第2の電極が貫通電極である、請求項16に記載の接合体。
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