JP2021060328A - アナログbist回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】アナログBISTの実行時間を短縮する。【解決手段】個々のアナログ回路10−1〜NをアナログBISTが実行可能な状態に設定するアナログBIST制御回路90と、個々のアナログ回路10−1〜Nに入力させるテストパターン信号を生成する第1及び第2のテストパターン生成回路30及び40と、アナログBISTが実行可能な状態に設定された個々のアナログ回路10−1〜Nにテストパターン信号が並行して入力することで得られた個々の出力電圧の信号をまとめてシリアルデータに変換するパラレル/シリアル変換器50と、パラレル/シリアル変換器50から出力するシリアルデータをCRC演算するCRC演算回路60と、期待値を内蔵した記憶装置70と、CRC演算回路60の出力データに対して記憶装置70から読み出した期待値でCRC演算して個々のアナログ回路のテスト結果をまとめて全体としての故障判定を行う判定回路80を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、アナログ部とデジタル部が混在する半導体集積回路のアナログ部に含まれる個々のアナログ回路について、アナログBIST(Built-In Self Test)により故障判定を行うアナログBIST回路に関する。
半導体集積回路の自己テスト容易化設計技術として、BISTを挙げることができる。このBISTの種類には、メモリ用のBIST、デジタル回路用BIST、アナログ回路用BISTがある。パワーマネジメントIC(PMIC:Power Management Integrated Circuit)において、半導体集積回路の内部でアナログ回路を自己テストできるように回路を構成することは、アナログ回路のテスタビリティ向上に有効な手法である。
特許文献1に、入力電源の電圧から生成した複数の電源電圧を常時監視する電源監視回路についての記載がある。ここには、各電源電圧の監視を行う個々の電源監視コンパレータの自己テストを行うBISTが記載されている。複数の電源監視コンパレータの入力側にそれぞれマルチプレクサを接続し、テスト対象の電源監視コンパレータについては対応するマルチプレクサによって電源電圧の代わりにテスト電圧を入力して当該の電源監視コンパレータの出力を期待値と比較し、残りのコンパレータについては電源電圧を入力するものである。テスト電圧は当該の電源監視コンパレータが検出動作すべき電圧と検出動作すべきでない電圧としている。そして、テスト電圧を入力させる電源監視コンパレータをマルチプレクサによって順次切り替えて、各電源電圧の監視を継続しつつ電源監視コンパレータの自己テストを行わせている。
特開2016−134010号公報
ところが、特許文献1に記載の内容は、個々の電源監視コンパレータを順次テストする必要があり、テストに時間がかかる問題がある。
本発明の目的は、アナログBISTの実行時間を短縮できるようにしたアナログBIST回路を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1にかかる発明は、アナログ部とデジタル部が混在する半導体集積回路の前記アナログ部に含まれる個々のアナログ回路についてアナログBISTを行うアナログBIST回路において、前記個々のアナログ回路をアナログBISTが実行可能な状態に設定するアナログBIST制御回路と、前記個々のアナログ回路に入力させるテストパターン信号を生成するテストパターン生成回路と、アナログBISTが実行可能な状態に設定された前記個々のアナログ回路に前記テストパターン信号が並行して入力することで得られた前記個々のアナログ回路のテスト結果としての個々の出力電圧の信号をまとめてシリアルデータに変換するパラレル/シリアル変換器と、該パラレル/シリアル変換器から出力するシリアルデータをCRC演算するCRC演算回路と、期待値を内蔵した記憶装置と、前記CRC演算回路の出力データに対して前記記憶装置から読み出した前記期待値でCRC演算して前記個々のアナログ回路のテスト結果をまとめて全体としての故障判定を行う判定回路を備えることを特徴とする。
請求項2にかかる発明は、請求項1に記載のアナログBIST回路において、前記アナログ部に、第0の外部入力端子に入力する電圧を監視する第1のアナログ回路が含まれ、該第1のアナログ回路は、第1のコンパレータと、該第1のコンパレータの一方の入力端子を前記第0の外部入力端子に接続するための第0のスイッチと、前記第1のコンパレータの前記一方の入力端子を前記第1のコンパレータが検出動作すべきでない電圧に接続するための第1のスイッチと、前記第1のコンパレータの前記一方の入力端子を前記第1のコンパレータが検出動作すべき電圧に接続するための第2のスイッチと、前記第1のコンパレータの他方の入力端子に第1の参照電圧を印加するための第1の電圧源とを備え、前記アナログBISTが実行される際に、前記第0のスイッチがOFFし、前記テストパターン生成回路で生成された第1のテストパターン信号によって、前記第1のスイッチがONのときに前記第2のスイッチがOFFし、前記第1のスイッチがOFFのときに前記第2のスイッチがONし、前記第1のコンパレータの出力電圧をテスト結果とすることを特徴とする。
請求項3にかかる発明は、請求項1又は2に記載のアナログBIST回路において、
前記アナログ部に、前記半導体集積回路の内部で生成されるパルス信号により充電と放電を繰り返すキャパシタの電圧を監視する第2のアナログ回路が含まれ、該第2のアナログ回路は、一方の入力端子に前記キャパシタの電圧が印加する第2のコンパレータと、該第2のコンパレータの他方の入力端子に第2の参照電圧を印加する第2の電圧源と、前記キャパシタに電流を供給する電流源と、前記キャパシタに並列接続され前記パルス信号によってON/OFFを繰り返す第3のスイッチとを備え、前記アナログBISTが実行される際に、前記電流源の電流値が前記テストパターン生成回路で生成された第2のテストパターン信号によって、前記第2のコンパレータが検出動作すべき値と検出動作すべきでない値に切り替えられ、前記第2のコンパレータの出力電圧をテスト結果とすることを特徴とする。
請求項4にかかる発明は、請求項1、2又は3に記載のアナログBIST回路において、前記アナログ部に、前記半導体集積回路の内部の温度、電流、又は外部入力端子の短絡/オープンを検出する検出回路の出力を監視する第3のアナログ回路が含まれ、該第3のアナログ回路は、前記検出回路の出力電圧が一方の入力端子に印加する第3のコンパレータと、該第3のコンパレータの他方の入力端子に第3の参照電圧を印加する第3の電圧源とを備え、前記アナログBISTが実行される際に、前記第3の参照電圧の電圧値が前記テストパターン生成回路で生成された第3のテストパターン信号によって、前記第3のコンパレータが検出動作すべき値と検出動作すべきでない値に切り替えられ、前記第3のコンパレータの出力電圧をテスト結果とすることを特徴とする。
請求項5にかかる発明は、請求項1、2、3又は4に記載のアナログBIST回路において、前記アナログ部に、m個(mは2以上の任意の整数)の外部入力端子に入力する電圧を監視する第N(Nは2以上の任意の整数)のアナログ回路と、該第Nのアナログ回路にm個の参照電圧を供給するD/A変換器とが含まれ、該第Nのアナログ回路は、前記D/A変換器から出力するm個の参照電圧がそれぞれの一方の入力端子に入力するm個のコンパレータからなる第1のコンパレータ群と、前記m個のコンパレータのそれぞれの他方の入力端子を前記m個の外部入力端子に個々に接続するためのm個のスイッチからなる第1のスイッチ群と、前記m個のコンパレータのそれぞれの前記他方の入力端子にテスト電圧を個々に印加するためのm個のスイッチからなる第2のスイッチ群とを備え、前記アナログBISTが実行される際に、前記第1のスイッチ群の前記m個のスイッチがOFFするとともに前記第2のスイッチ群の前記m個のスイッチがONし、前記テストパターン生成回路で生成されたm個のテストパターン信号が前記D/A変換器に入力することで、前記D/A変換器から前記m個のコンパレータのそれぞれの前記一方の入力端子に入力するm個の参照電圧の電圧値が前記m個のコンパレータが検出動作すべき値と検出動作すべきでない値に切り替えられ、前記m個のコンパレータの出力電圧をテスト結果とすることを特徴とする。
請求項6にかかる発明は、請求項1、2、3、4又は5に記載のアナログBIST回路において、前記テストパターン生成回路は、疑似ランダムパターンを生成するLFSR、又は該LFSRとビット数拡張回路とを組み合わせた回路により構成されていることを特徴とする
本発明によれば、アナログBISTが実行可能な状態に設定された個々のアナログ回路にテストパターン信号が並行して入力することで得られた個々のアナログ回路のテスト結果としての個々の出力電圧の信号をまとめてシリアルデータに変換してCRC演算により一括して全体的な故障判定を行うようにしているので、アナログBISTの実行時間を短縮できる。また、アナログBISTで得られた個々のアナログ回路の出力信号を判定するための期待値は1個で済む。
本発明のアナログBIST回路の全体構成図である。 本発明のアナログBIST回路の実施例のブロック図である。 図1のアナログ回路10−1の具体的なテスト回路の回路図である。 図3のテスト回路の動作波形図である。 図1のアナログ回路10−2の具体的なテスト回路の回路図である。 図5のテスト回路の動作波形図である。 図1のアナログ回路10−3の具体的なテスト回路の回路図である。 図7のテスト回路の動作波形図である。 図1のアナログ回路10−Nの具体的なテスト回路の回路図である。 図9のテスト回路の動作波形図である。 (a)、(b)は図1のテストパターン生成回路の回路図である。 アナログBIST回路の全体の動作波形図である。
<アナログBIST回路の概略>
図1に本発明のアナログBIST回路の概略構成を示す。100は故障テストの対象としてのコンパレータを有する個々のアナログ回路が含まれるアナログ部である。200はこのアナログ部100の個々のアナログ回路のコンパレータに対してアナログBISTを実行しそのテスト結果の良否を判定するためのデジタル部である。
デジタル部200には、アナログ部100の個々のアナログ回路のコンパレータの故障テストのためのテストパターン信号を生成するテストパターン生成部210、個々のアナログ回路のコンパレータから並行して出力するテスト結果の信号をまとめて処理する信号処理部220、信号処理部220から出力するテスト結果の良否を判定するための期待値を格納した記憶部230、及び記憶部230から取り出された期待値と信号処理部220から出力したテスト結果を演算して、アナログ部100の個々のアナログ回路のコンパレータについての全体としての故障判定を行う判定部240を備える。
テストパターン生成部210では、アナログ部100の個々のアナログ回路のコンパレータの故障テストを行うために、リニアカウンタやLFSR(Linear Feedback Shift Resistor:線形帰還シフトレジスタ)を使用して、複数のテストパターン信号を生成する。LFSRを使用すると、疑似ランダムテストパターン信号を生成することができ、ランダムにアナログ回路の故障テストを行うことが可能となる。ランダムに故障テストを行うことは、配線のオープン(断線)、隣接ショート(短絡)、天絡・地絡の故障検出に有効である。リニアカウンタでも、パターンを工夫することで故障検出が可能となる。テストパターン生成部210で生成されたテストパターン信号はアナログ部100の個々のアナログ回路に入力する。この後のアナログBIST実行では、個々のアナログ回路においてBIST用に特別に配置した後記するスイッチ等をテストパターン信号によって動作させる。スイッチはアナログ回路を効果的にテストさせるために、適切な位置に配置される。スイッチとしては、たとえば、外部入力端子を切り離すスイッチ、切り離したあとに所定の電圧を入力するためのスイッチ、電圧や電流を変化させるためのスイッチ等がある。
アナログ部100の個々のアナログ回路のテスト結果の出力信号は、デジタル部200の信号処理部220に並行して入力する。信号処理部220では、個々のアナログ回路からのテスト結果の出力をまとめて処理する。信号処理部220のデータ処理には、一般的にデータ誤り検出に有効なCRC演算を用いる。
信号処理部220で処理したテスト結果と記憶部230から読み出した期待値を判定部240で演算して、アナログ部100の故障判定を行う。
<アナログBIST回路の全体>
図2にアナログBIST回路の全体構成を示す。アナログ部100には、N個のアナログ回路10−1、10−2、10−3、・・・、10−Nが含まれる。アナログ回路10−1には、入力信号input、BIST制御信号abist、1ビットのテストパターン信号test_patが入力し、出力信号outputが出力する。アナログ回路10−2と10−3は、2ビットのテストパターン信号test_pat[1:0]が入力し、出力信号outputが出力する。アナログ回路10−Nは、m個の入力信号input1、input2、・・・、inputm、m個の参照電圧Vref[m−1:0]、アナログBIST信号abistが入力し、m個の出力信号output[m−1:0]が出力する。20はD/A変換器であり、m個のnビットのテストパターン信号を入力してm個の参照電圧Vref[m−1:0]を生成し、アナログ回路10−Nに入力する。BIST制御信号abistはBISTのテスト期間の間だけイネーブルとなる。
なお、N個のアナログ回路10−1、10−2、10−3、・・・、10−Nには、その一部について共通のテストパターン信号を供給することができる。また、レイアウトパターンが近接している隣接アナログ回路には、相互影響を回避するために、異なったタイミングのテストパターン信号を供給することが望ましい。
デジタル部200は、テストパターン生成部210としての第1のテストパターン生成回路30及び第2のテストパターン生成回路40と、信号処理部220としてのパラレル/シリアル変換器50及びCRC演算回路60と、記憶部230としての記憶装置70と、判定部240としての判定回路80と、アナログBIST制御回路90を備える。
第1のテストパターン生成回路30はpビットのテストパターン信号test_pat[p−1:0]を生成する。ここでは、前記したように、リニアカウンタやLFSRを使用して、テストパターン信号を生成する。
第2のテストパターン生成回路40は第1のテストパターン生成回路30から出力するpビットのテストパターン信号test_pat[p−1:0]のうちからm(m<p)ビットのdac_pat[m−1:0]を取り込んで、アナログ回路N−1の参照電圧用のm個のnビットのテストパターン信号test_pat[m−1:0]を生成する。
パラレル/シリアル変換器50は、アナログ部100から並行して出力するM(M≧p)本のテスト結果の出力信号をまとめてシリアルのデジタル信号に変換する。
CRC演算回路60は、パラレル/シリアル変換器50から出力するシリアルデータに対してCRC演算を行なって生成したチェックサム値をシリアルデータに付加してテスト結果として出力する。記憶部230はレジスタやメモリなどで構成され、予めCRC演算で得られた期待値(チェックサム値)が格納されている。
判定回路80は、CRC演算回路60から出力する演算結果と記憶装置70から読み出した期待値をCRC演算した結果が“0”であれば「OK」でアナログ部100は全体として「故障無し」、それ以外であれば「NG」でアナログ部100に全体として「故障有り」とする判定を行う。
アナログBIST制御回路90は、テストタイミングを制御する有限ステートマシンを有し、電源投入(パワーオンリセット解除等によるトリガ)からBISTの初期化→アナログBIST実行→CRC演算→BIST判定までの状態を遷移させる。
<アナログ回路10−1>
図3にアナログ回路10−1の構成を示す。アナログ回路10−1は、外部入力端子Pin0の電圧を監視する回路であり、アナログBIST実行の際(abist=“H”)に外部入力端子Pin0を切り離すスイッチSW0と、検出されるべきでない非検出チェック電圧V1を入力するためのスイッチSW1と、検出されるべき検出チェック電圧V2を入力するためのSW2と、非反転入力端子の電圧V3を反転入力端子の電圧源B1の参照電圧Vref1によって監視するコンパレータCP1を備える。スイッチSW0はアナログBIST実行の際にOFFに制御され、このときスイッチSW1、SW2は1ビットのテストパターン信号test_patによって一方がONに、他方がOFFに制御される。
図4に図3のアナログ回路10−1の動作波形を示す。このアナログ回路10−1は、監視動作中(abist=“L”)は、外部入力端子Pin0の電圧が参照電圧Vref1より低いと、コンパレータCP1の出力outputが“L”になり、外部入力端子Pin0の電圧異常を検出する。
アナログBIST実行中(abist=“H”)は外部入力端子Pin0に接続されるスイッチSW0がONからOFFになる。そして、スイッチSW1、SW2がテストパターン信号test_patによりランダムにON/OFFが交互に切り替えられる。
スイッチSW1がONすると、参照電圧Vref1よりも低いチェック電圧V1がコンパレータCP1の非反転入力端子に電圧V3として印加され、コンパレータCP1が検出動作しないことを確認する。一方、スイッチSW2がONすると、参照電圧Vref1よりも高いチェック電圧V2が電圧V3として印加され、コンパレータCP1が検出動作することを確認する。
図4の動作波形図では、電圧V3がコンパレータCP1の非反転入力端子に入力されたとき、SW2=ONで出力信号outputが“H”、SW1=ONで出力信号outputが“L”となっている。このときはコンパレータCP1のテスト結果は「故障無し」である。
<アナログ回路10−2>
図5にアナログ回路10−2の構成を示す。このアナログ回路10−2は、電流源I1(または抵抗)とスイッチSW3によってコンデンサC1の充電/放電を繰り返す回路部分と、非反転入力端子に入力するキャパシタC1の電圧V4を反転入力端子の電圧源B2の参照電圧Vref2によって監視するコンパレータCP2を備える。
アナログBIST実行の際(abist=“H”)は、2ビットのテストパターン信号test_pat[1:0]によって電流源I1の電流(または抵抗の値)が切り替えられる。
このアナログ回路10−2は、外部入力端子を監視する図3のアナログ回路10−1と違い、半導体集積回路内部の状態を監視する回路である。たとえば、内部クロックを生成するための発振回路を内蔵する半導体集積回路においては、内部クロックに異常がないかを監視するために使用される。
図6に示すように、コンデンサC1を放電するスイッチSW3を動作させる信号として、内部クロックまたは内部クロックに関連する周期的なパルス信号を使用する。
監視動作中(abist=“L”)は、2ビットのテストパターン信号test_pat[1:0]が“0b00”に設定され、電流源I1の出力電流は小電流となる。そして、内部クロックやパルス信号に異常が生じて入力が停止し、スイッチSW3がOFFを継続して電圧V4が参照電圧Vref2を超えると、コンパレータCP2から出力する信号outputが“H”になり、パルス信号の異常を知らせる。
アナログBIST実行中(abist=“H”)は、電流源I1の出力電流I1は、テストパターン信号test_pat[1:0]が例えば “0b01”のとき電圧V4が参照電圧Vref2よりも小さくなるような中電流となり、“0b10”のとき電圧V4が参照電圧Vref2よりも大きくなるような大電流となる。この場合、“0b10”のときに出力信号outputが“H”になり、“0b01”のときに出力信号outputが“L”となると、コンパレータCP2のテスト結果は「故障無し」である。
<アナログ回路10−3>
図7にアナログ回路10−3の構成を示す。このアナログ回路10−3はアナログ回路10−2と異なり、検出回路11を有し、反転入力端子に入力する検出回路11の出力電圧V5を電圧源B3の参照電圧Vref3によって監視するためのコンパレータCP3を備える。検出回路11は、たとえば、半導体集積回路内部の温度、電流、電圧、又は外部入力端子のオープン/ショート等を検出する回路である。
監視動作中(abist=“L”)は、2ビットのテストパターン信号test_pat[1:0]が“0b00”に設定されて参照電圧Vref3が低電圧となり、検出電圧V5がVref3を超えると、検出回路11の異常を知らせる。
アナログBIST実行中(abist=“H”)は、テストパターン信号test_pat[1:0]によって参照電圧Vref3の値が切り替えられて、コンパレータCP3の出力が正しいか否がテストされる。
例えば、参照電圧Vref3が、test_pat[1:0]=“0b01”で電圧V5よりも低い電圧に変化してコンパレータCP3が検出動作しないことを確認し、test_pat[1:0]=“0b10”で電圧V5よりも高い電圧に変化してコンパレータが検出動作することを確認する。コンパレータCP3の出力電圧は、電圧Vref3が電圧V5より高ければ“H”、低ければ“L”となる。このときコンパレータCP3のテスト結果は「故障無し」である。
このアナログ回路10−3では、例えば、検出回路11を外部入力端子とし、その正常な出力電圧V5がV5=2.5Vであるとして、Vref3=1Vのときoutput=“L”且つVref3=3Vのときoutput=“H”であれば、コンパレータCP3のテスト結果は「故障無し」である。
しかし、Vref3=1Vのときoutput=“H”且つVref3=3Vのときoutput=“H”であれば、コンパレータCP3は天絡(又は低電圧側オープン)の故障が発生していることが判明する。また、Vref3=1Vのときoutput=“L”且つVref3=3Vのときoutput=“L”であれば、地絡(又は高電圧側オープン)の故障が発生していることが判明する。また、このアナログ回路10−3が2チャンネル設けられている際に、両チャンネルともにV5=2.5Vを入力させ、2チャンネルの一方の参照電圧Vref3を変化させた際に、他方のoutputが変化すれば、両チャンネル間でブリッジ故障が発生していることが判明する。
<アナログ回路10−N>
図9にアナログ回路10−Nと、そのアナログ回路10−Nの参照電圧を生成するD/A変換器20と、そのD/A変換器20の参照電圧用のテストパターン信号を生成する第2のテストパターン生成回路40を示す。アナログ回路10−Nはm個の外部入力端子Pin1〜Pinmの電圧を監視する回路である。アナログ回路10−3と異なり、m個の参照電圧Vref[m−1:0]はD/A変換器20から入力する。ここでは、D/A変換器20は8ビット(n=8)である。
また、アナログBISTのために、外部入力端子Pin1〜Pinmを切り離すm個のスイッチSW41〜SW4mからなるスイッチ群SW4と、電圧源B4の固定のテスト電圧V4を入力するためのm個のスイッチSW51〜SW5mからなるスイッチ群SW5とを有する。さらに、スイッチ群SW4から入力する外部入力端子Pin1〜Pinmの電圧や、スイッチ群SW5から入力するテスト電圧V41〜V4mを参照電圧Vref40〜Vref4m−1によって比較するm個のコンパレータCP41〜CP4mからなるコンパレータ群CP4を備える。スイッチ群SW4とSW5は、アナログ回路10−NのアナログBIST実行を知らせる信号abistで制御される。
アナログBISTでは、D/A変換器20の入力が、第2のテストパターン生成回路40から出力するm個の各8ビットのDAC_pat[7:0]により変化され、そのD/A変換器20から出力するm個の参照電圧Vref[m−1:0]が切り替えられる。第2のテストパターン生成回路40には、あらかじめ用意された複数のデジタル値が格納されている。
本例では、第2のテストパターン生成回路40に格納されたデジタル値は、“0x00”と“0xFF”の2個の値とする。そして、第1のテストパターン生成回路30により生成されたpビットのテストパターン信号の内のmビット分が、コンパレータ群CP4の参照電圧Vref[m−1:0]のための信号dac_pat[m−1:0]として使用される。dac_pat=“L”ならDAC_pat=“0x00”(最低値)のテストデータが、dac_pat=“H”ならDAC_pat=“0xFF”(最高値)のテストデータが、第2のテストパターン生成回路40から出力する。
図10にアナログ回路10−Nの動作波形を示す。監視動作中(abist=“L”)は、スイッチ群SW4のスイッチSW41〜SW4mがON、スイッチ群SW5のスイッチSW51〜SW5mがOFFに設定される。ここでは、図示しないメモリやレジスタにあらかじめ格納された監視用のデータが、D/A変換器20に入力される。そして、D/A変換器20から出力された監視用の参照電圧Vref[m−1:0]によって、外部入力端子Pin1〜Pinmに入力している電圧V41〜V4mが正常か否かの監視が行われる。
アナログBIST実行中(abist=“H”)は、スイッチ群SW4のスイッチSW41〜SW4mがOFF、スイッチ群SW5のスイッチSW51〜SW5mがONに設定される。これにより、コンパレータCP41〜CP4mの非反転入力端子の電圧V41〜V4mとして、電圧源B4の固定のテスト電圧V4が印加される。このテスト電圧V4は、前記した最高値と最低値の中間電圧である。
第1のテストパターン生成回路30から出力するpビットのテストパターン信号の内のmビットの信号dac_pat[m−1:0]により、各コンパレータCP41〜CP4mの参照電圧Vref40〜Vref4m−1を最低値と最高値に変化させて、コンパレータCP41〜CP4mの出力電圧output[m−1:0]が正しいか否かを確認する。
上記したように、本実施例ではDAC_pat[m−1:0]の値は、“0x00”(最低値)と“0xFF”(最高値)の2個の値である。隣接パターン間で影響がないように、“0xFF”はm本の参照電圧の間でタイミング的に重ならないように順次発生される。
dac_pat[m−1:0]=“L”のときは、D/A変換器20の入力データDAC_pat[m−1:0]が“0x00”になるので、参照電圧Vref40〜Vref4m−1が最低値(接地電圧)になる。この最低値は、テスト電圧V4よりも低い電圧であり、コンパレータCP41〜CP4mが検出動作することを確認する。
また、dac_pat[m−1:0]=“H”のときは、D/A変換器20の入力データDAC_pat[m−1:0]が “0xFF”となるので、参照電圧Vref40〜Vref4m−1が最高値(電源電圧)になる。この最高値はテスト電圧V4よりも高い電圧であり、コンパレータCP41〜CP4mが検出動作しないことを確認する。
コンパレータCP41〜CP4mの出力信号output[m−1:0]は、参照電圧Vref40〜Vref4m−1がテスト電圧V4より高いと“L”、低いと“H”となる。このときコンパレータCP41〜CP4mは「故障無し」である。
<第1のテストパターン生成回路30>
図11(a)に第1のテストパターン生成回路30を示す。ここでは、疑似ランダムパターンを生成するLFSR31でテストパターン信号test_pat[p−1:0]を生成している。しかし、図11(b)に示すように、pビットよりも少ないt(t<p)ビットのテストパターン信号test_pat[t−1:0]を生成するLFSR32、及び複数のアンドゲートGと1個のインバータINV2で構成したビット数拡張回路33を組み合わせた構成により、ビット数をtビットからpビットに拡張させたテストパターン信号test_pat[p−1:0]を生成してもよい。
<全体動作>
第1のテストパターン生成回路30として図11の(b)に示した6ビット(t=6)のLSFR32とビット数拡張回路33を使用し、10ビット(p=10)のランダム信号を生成して、これをテストパターン信号test_pat[9:0]とする。CRC演算回路60としては、8ビットのチェックサムビットを使用する。判定回路80での演算の結果が“0x00”になれば、全てのアナログ回路10−1〜10−NのアナログBISTのテスト結果が「OK」で「故障無し」と判定される。演算の結果が“0x00”にならなければテスト結果が「NG]で「故障有り」と判定される。
図12に全体の動作波形を示す。電源投入後にパワーオンリセット等が解除されると、半導体集積回路が初期状態となり、アナログBISTが初期化の状態(ステートマシン:ABIST_INIT)になる。しばらくすると、アナログBISTが実行可能な状態に設定される(ステートマシン:ABIST_RUN、abist=“H”)。アナログBISTが実行可能な状態に設定されると、第1のテストパターン生成回路30として上記した例の10ビットのものを使用する場合では、テストパターン信号test_pat[9:0]がランダムに変化する。このとき、外部入力端子Pin0〜Pinmに入力している信号は、各アナログ回路10−1〜10−Nの内部のスイッチで遮断される。
アナログBISTの実行中(abist=“H”)に、ランダムに変化するテストパターン信号test_pat[9:0]がアナログ回路10−1〜10−Nに入力されると、それらのアナログ回路10−1〜10−Nから出力信号output[M−1:0]がランダムに出力される。前記したように、複数のアナログ回路で共通のテストパターンを使用する場合もあるので、M≧pである。全部の出力信号output[M−1:0]がパラレル乃至並行して出力され、これらの信号がパラレル/シリアル変換器50でシリアルデータに変換され、そのシリアルデータに対してCRC演算回路60によりCRC演算が行われ、そのシリアルデータにチェックビットが付加される。
アナログBISTの実行が終了すると、アナログ回路10−1〜10−NのアナログBISTの判定を行う状態へ遷移する(ステートマシン:ABIST_CRC、abist=“L”)。この状態で、判定回路80において、記憶装置70に格納されていた期待値(例では8ビットのチェックサム値)とのCRC演算を追加で実行する。CRC演算が完了すると、その値が“0”か否かを判定する(例では、8ビットのデータ構成のため“0x00”であるか否かを判定する)。“0”であればアナログ回路10−1〜10−NのアナログBISTのテスト結果は「OK」であり、アナログ回路10−1〜10−Nの全てに「故障無し」である。「OK」の場合は、次の処理に移行する。
このように、本実施例では、アナログBISTが実行可能な状態に設定された個々のアナログ回路にテストパターン信号が並行して入力することで得られた個々のアナログ回路のコンパレータの個々のテスト結果としての個々の出力電圧の信号を、まとめてシリアルデータに変換してCRC演算を行うので、アナログBISTの実行時間を短縮できる。また、アナログBISTで得られた個々のアナログ回路の出力信号を判定するための期待値は1個で済む。
100:アナログ部、200:デジタル部
10−1、10−2、10−3、10−N:アナログ回路
20:D/A変換器
30:第1のテストパターン生成回路
40:第2のテストパターン生成回路
50:パラレル/シリアル変換器
60:CRC演算回路
70:記憶装置
80:判定回路
90:アナログBIST制御回路

Claims (6)

  1. アナログ部とデジタル部が混在する半導体集積回路の前記アナログ部に含まれる個々のアナログ回路についてアナログBISTを行うアナログBIST回路において、
    前記個々のアナログ回路をアナログBISTが実行可能な状態に設定するアナログBIST制御回路と、前記個々のアナログ回路に入力させるテストパターン信号を生成するテストパターン生成回路と、アナログBISTが実行可能な状態に設定された前記個々のアナログ回路に前記テストパターン信号が並行して入力することで得られた前記個々のアナログ回路のテスト結果としての個々の出力電圧の信号をまとめてシリアルデータに変換するパラレル/シリアル変換器と、該パラレル/シリアル変換器から出力するシリアルデータをCRC演算するCRC演算回路と、期待値を内蔵した記憶装置と、前記CRC演算回路の出力データに対して前記記憶装置から読み出した前記期待値でCRC演算して前記個々のアナログ回路のテスト結果をまとめて全体としての故障判定を行う判定回路を備えることを特徴とするアナログBIST回路。
  2. 請求項1に記載のアナログBIST回路において、
    前記アナログ部に、第0の外部入力端子に入力する電圧を監視する第1のアナログ回路が含まれ、
    該第1のアナログ回路は、第1のコンパレータと、該第1のコンパレータの一方の入力端子を前記第0の外部入力端子に接続するための第0のスイッチと、前記第1のコンパレータの前記一方の入力端子を前記第1のコンパレータが検出動作すべきでない電圧に接続するための第1のスイッチと、前記第1のコンパレータの前記一方の入力端子を前記第1のコンパレータが検出動作すべき電圧に接続するための第2のスイッチと、前記第1のコンパレータの他方の入力端子に第1の参照電圧を印加するための第1の電圧源とを備え、
    前記アナログBISTが実行される際に、前記第0のスイッチがOFFし、前記テストパターン生成回路で生成された第1のテストパターン信号によって、前記第1のスイッチがONのときに前記第2のスイッチがOFFし、前記第1のスイッチがOFFのときに前記第2のスイッチがONし、前記第1のコンパレータの出力電圧をテスト結果とすることを特徴とするアナログBIST回路。
  3. 請求項1又は2に記載のアナログBIST回路において、
    前記アナログ部に、前記半導体集積回路の内部で生成されるパルス信号により充電と放電を繰り返すキャパシタの電圧を監視する第2のアナログ回路が含まれ、
    該第2のアナログ回路は、一方の入力端子に前記キャパシタの電圧が印加する第2のコンパレータと、該第2のコンパレータの他方の入力端子に第2の参照電圧を印加する第2の電圧源と、前記キャパシタに電流を供給する電流源と、前記キャパシタに並列接続され前記パルス信号によってON/OFFを繰り返す第3のスイッチとを備え、
    前記アナログBISTが実行される際に、前記電流源の電流値が前記テストパターン生成回路で生成された第2のテストパターン信号によって、前記第2のコンパレータが検出動作すべき値と検出動作すべきでない値に切り替えられ、前記第2のコンパレータの出力電圧をテスト結果とすることを特徴とするアナログBIST回路。
  4. 請求項1、2又は3に記載のアナログBIST回路において、
    前記アナログ部に、前記半導体集積回路の内部の温度、電流、又は外部入力端子の短絡/オープンを検出する検出回路の出力を監視する第3のアナログ回路が含まれ、
    該第3のアナログ回路は、前記検出回路の出力電圧が一方の入力端子に印加する第3のコンパレータと、該第3のコンパレータの他方の入力端子に第3の参照電圧を印加する第3の電圧源とを備え、
    前記アナログBISTが実行される際に、前記第3の参照電圧の電圧値が前記テストパターン生成回路で生成された第3のテストパターン信号によって、前記第3のコンパレータが検出動作すべき値と検出動作すべきでない値に切り替えられ、前記第3のコンパレータの出力電圧をテスト結果とすることを特徴とするアナログBIST回路。
  5. 請求項1、2、3又は4に記載のアナログBIST回路において、
    前記アナログ部に、m個(mは2以上の任意の整数)の外部入力端子に入力する電圧を監視する第N(Nは2以上の任意の整数)のアナログ回路と、該第Nのアナログ回路にm個の参照電圧を供給するD/A変換器とが含まれ、
    該第Nのアナログ回路は、前記D/A変換器から出力するm個の参照電圧がそれぞれの一方の入力端子に入力するm個のコンパレータからなる第1のコンパレータ群と、前記m個のコンパレータのそれぞれの他方の入力端子を前記m個の外部入力端子に個々に接続するためのm個のスイッチからなる第1のスイッチ群と、前記m個のコンパレータのそれぞれの前記他方の入力端子にテスト電圧を個々に印加するためのm個のスイッチからなる第2のスイッチ群とを備え、
    前記アナログBISTが実行される際に、前記第1のスイッチ群の前記m個のスイッチがOFFするとともに前記第2のスイッチ群の前記m個のスイッチがONし、前記テストパターン生成回路で生成されたm個のテストパターン信号が前記D/A変換器に入力することで、前記D/A変換器から前記m個のコンパレータのそれぞれの前記一方の入力端子に入力するm個の参照電圧の電圧値が前記m個のコンパレータが検出動作すべき値と検出動作すべきでない値に切り替えられ、前記m個のコンパレータの出力電圧をテスト結果とすることを特徴とするアナログBIST回路。
  6. 請求項1、2、3、4又は5に記載のアナログBIST回路において、
    前記テストパターン生成回路は、疑似ランダムパターンを生成するLFSR、又は該LFSRとビット数拡張回路とを組み合わせた回路により構成されていることを特徴とするアナログBIST回路。
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