JP2021060107A - 車両用ブレーキ装置 - Google Patents

車両用ブレーキ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2021060107A
JP2021060107A JP2019185883A JP2019185883A JP2021060107A JP 2021060107 A JP2021060107 A JP 2021060107A JP 2019185883 A JP2019185883 A JP 2019185883A JP 2019185883 A JP2019185883 A JP 2019185883A JP 2021060107 A JP2021060107 A JP 2021060107A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dust cover
disc rotor
wheel
width direction
vehicle width
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019185883A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7316514B2 (ja
Inventor
なつみ 佐藤
Natsumi Sato
なつみ 佐藤
陽二 河本
Yoji Kawamoto
陽二 河本
俊作 柴田
Shunsaku Shibata
俊作 柴田
智紀 中山
Tomonori Nakayama
智紀 中山
祥治 後藤
Shoji Goto
祥治 後藤
真一 開原
Shinichi Kaibara
真一 開原
眞 江口
Makoto Eguchi
眞 江口
雄希 伊川
Yuki Ikawa
雄希 伊川
健太郎 太田
Kentaro Ota
健太郎 太田
直彦 笠木
Naohiko Kasagi
直彦 笠木
岡本 哲
Satoru Okamoto
哲 岡本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP2019185883A priority Critical patent/JP7316514B2/ja
Publication of JP2021060107A publication Critical patent/JP2021060107A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7316514B2 publication Critical patent/JP7316514B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Braking Arrangements (AREA)

Abstract

【課題】走行風の入口となる開口部を正圧領域とし、走行風の出口となるディスクロータ外周を負圧領域とし、正圧と負圧との圧力差により、空気流速を向上させ、これにより、ディスクロータの冷却効率向上を図ることができる車両用ブレーキ装置の提供を目的とする。【解決手段】ディスクロータ20の車幅方向内面側にダストカバー30を備え、上記ダストカバー30に、上記ディスクロータ20の内周面に走行風を取入れる開口部32が設けられた車両用ブレーキ装置であって、上記ダストカバー30の外周端を、ホイール5のリム部5Rの内周面に非接触状態で近接させたことを特徴とする。【選択図】図2

Description

この発明は、ディスクロータの車幅方向内面側にダストカバーを備え、上記ダストカバーに、上記ディスクロータの内周面に走行風を取入れる開口部が設けられた車両用ブレーキ装置に関する。
車両走行時にタイヤが巻き上げた泥水等によりディスクロータが錆びることが知られており、このような錆びを防止する目的で、ディスクロータの車幅方向内面側には、一般にダストカバーが取付けられている。
上述のダストカバーには、ディスクロータの内周側(詳しくは、インナ摺動面とアウタ摺動面との間)に走行風を取入れるための開口部が形成されている。
上述のディスクロータ冷却の観点からは、上記ダストカバーはない方がよく、また、軽量化の観点からも従来のダストカバーの外周端は、ディスクロータの外周位置までしか延びていなかった。
ところで、特許文献1には、ディスクロータの車幅方向内面側にダストカバーを備え、該ダストカバーに、ディスクロータの内周面に走行風を取入れるための開口部が設けられた構造が開示されている。
しかしながら、ディスクロータの錆防止の観点で上記ダストカバーを用いつつ、それでいて、冷却効率を如何にして向上させるかという観点で改善の余地があった。
特開2018−59572号公報
そこで、この発明は、走行風の入口となる開口部を正圧領域とし、走行風の出口となるディスクロータ外周を負圧領域とし、正圧と負圧との圧力差により、空気流速を向上させ、これにより、ディスクロータの冷却効率向上を図ることができる車両用ブレーキ装置の提供を目的とする。
この発明による車両用ブレーキ装置は、ディスクロータの車幅方向内面側にダストカバーを備え、上記ダストカバーに、上記ディスクロータの内周面に走行風を取入れる開口部が設けられた車両用ブレーキ装置であって、上記ダストカバーの外周端を、ホイールのリム部の内周面に非接触状態で近接させたものである。
上記構成によれば、次の如き効果がある。
すなわち、車両前方からバンパ下部を通ってホイール内側に入った走行風は、流速が速い車体側面流により吸収されてホイール外側から流出する。
上記ダストカバーの外周端をホイールのリム部の内周面に近接させることで、リム部内周とディスクロータ外周端との間を素通りする走行風の流れが抑制され、ダストカバーの車幅方向内側が正圧領域となり、ディスクロータ外周端側が負圧領域となる。
上述の開口部はディスクロータの車幅方向内面側のダストカバーに設けられているので、当該開口部を正圧領域に位置させることができ、ディスクロータの外周部を負圧領域に位置させることができる。
この正圧と負圧との圧力差により、空気流速を向上させ、これにより、ディスクロータの冷却効率向上を図ることができる。
この発明の一実施態様においては、上記ダストカバーのハブセンタ後方側を切欠いて切欠き部を形成し、該切欠き部にキャリパが配設されたものである。
上記構成によれば、開口部に対する走行風の流れがキャリパにより阻害されないので、ディスクロータに対して走行風(空気)がより一層導入しやすくなる。
この発明の一実施態様においては、上記開口部が上記ダストカバーの前部、上部、および下部に形成され、上記前部の開口部を最も大きく形成したものである。
上記構成によれば、正圧領域の前部の開口部を大きくすることで、ディスクロータ内周面に対する走行風をさらに導入しやすく成すことができる。
この発明の一実施態様においては、上記ダストカバーの外周部に、当該ダストカバーの外径よりもその外径が大きい第2ダストカバーを着脱可能に取付けたものである。
上記構成によれば、リム径が異なるタイヤを使用する際にも、上記第2ダストカバーの着脱により、ホイールのリム部の内周面との間の隙を詰めることができる。
すなわち、標準タイヤからリム径が大きいタイヤにインチアップする際には、第2ダストカバーを取付けることで、ホイールのリム部の内周面との間の隙を詰めることができる。
また、第2ダストカバーが取付けられた状態から、当該第2ダストカバーを取外すと、テンポラリ・タイヤ(応急タイヤ)を使用することができる。
この発明の一実施態様においては、上記第2ダストカバーの内径が上記ディスクロータの外径より大きく形成されており、上記ディスクロータの外径部より外周側に上記第2ダストカバーの取付け部が形成され、該第2ダストカバーは上記ダストカバーの車幅方向外面側に取付けられたものである。
上記構成によれば、タイヤおよびホイールを取外すと、上記第2ダストカバーを車幅方向外方側から上記ダストカバーに対して着脱可能に取付けることができる。
この発明の一実施態様においては、上記ダストカバーの外周端を、ホイールのリム部の内周面に8mm〜15mmの範囲で近接させたものである。
上記構成によれば、生産ばらつきによるダストカバーとホイールのリム部の内周面との干渉を防ぎつつ、従来のものに比較し、1%〜4%の冷却性能の向上を図ることができる。
この発明によれば、走行風の入口となる開口部を正圧領域とし、走行風の出口となるディスクロータ外周を負圧領域とし、正圧と負圧との圧力差により、空気流速を向上させ、これにより、ディスクロータの冷却効率向上を図ることができる効果がある。
本発明の車両用ブレーキ装置を備えた車両左側前部を示す概略平面図。 車両用ブレーキ装置を備えた車輪の断面図。 図2の要部拡大断面図。 車輪を車幅方向内側から見た状態で示す内側面図。 車両用ブレーキ装置を車幅方向外側から見た状態で示す外側面図。 ディスクロータおよびハブを取外した状態の外側面図。 図5の構成に対して第2ダストカバーを取付けて示す外側面図。 図7のA−A線に沿う要部の矢視断面図。 図8の要部拡大断面図。 ダストカバーとホイールとの間のクリアランスに対する冷却感度を示す特性図。
走行風の入口となる開口部を正圧領域とし、走行風の出口となるディスクロータ外周を負圧領域とし、正圧と負圧との圧力差により、空気流速を向上させ、これにより、ディスクロータの冷却効率向上を図るという目的を、ディスクロータの車幅方向内面側にダストカバーを備え、上記ダストカバーに、上記ディスクロータの内周面に走行風を取入れる開口部が設けられた車両用ブレーキ装置であって、上記ダストカバーの外周端を、ホイールのリム部の内周面に非接触状態で近接させるという構成にて実現した。
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は車両用ブレーキ装置を示し、図1は当該ブレーキ装置を備えた車両左側前部を示す概略平面図、図2は車両用ブレーキ装置を備えた車輪の断面図、図3は図2の要部拡大断面図である。また、図4は車輪を車幅方向内側から見た状態で示す内側面図、図5は車両用ブレーキ装置を車幅方向外側から見た状態で示す外側面図、図6はディスクロータおよびハブを取外した状態の外側面図である。
本発明の車両用ブレーキ装置は前輪および後輪の何れにも適用できるが、以下の実施例においては前輪側に適用した構造について説明する。
図1において、フロントバンパフェース1の車幅方向外端後部にはフロントフェンダパネル2を連設形成し、このフロントフェンダパネル2の車幅方向内側にはホイールハウス3を設けている。
ホイールハウス3には車輪4が配設されている。車輪4は、図2に拡大図で示すように、ディスク部5D、並びに、当該ディスク部5Dの外周に一体形成されたリム部5Rから成るホイール5(詳しくは、ディスク・ホイール)と、該ホイール5のリム部5Rに保持されたタイヤ6と、を備えている。
図2、図3に示すように、上記ホイール5のディスク部5D中心の車幅方向内側には、ハブ7が設けられている。このハブ7は、筒状の軸部7aと、該軸部7aの車幅方向外側寄りに一体形成されたフランジ部7bと、このフランジ部7bに対して車幅方向外側に位置し、かつ上記軸部7aよりも大径かつ、筒状の大径軸部7cと、を一体形成したものである。
図3に示すように、上述のハブ7の軸部7a外周には、ホイールベアリング8(詳しくは、外輪フランジ付き複列アンギュラ玉軸受)を配設している。ここで、アンギュラ玉軸受は、アンギュラ・コンタクト・ベアリングのことで、当該ベアリングは、軸方向と半径方向の双方から荷重を受けて回転する部位に用いられる斜接のボールベアリングである。同図に示すように、該ホイールベアリング8は、回転要素としてのインナレース9と、固定要素としてのアウタレース10との間に複数のボール11を介設したものである。図6に示すように、上述のアウタレース10外部には上下方向に延びるフランジ部12が一体形成されている。
図4、図6に示すように、上述のホイールベアリング8におけるアウタレース10のフランジ部12には、複数の締結部材13を用いて、ハブキャリア14を連結している。
このハブキャリア14は、図3、図4に示すように、ハブ7の上下方向中心部と対応する位置から車両前方に延びるタイロッド連結部14aと、ハブ7の中心部に対して上下方向に離間した位置から車両後方に膨出状に延びる上下のキャリパ連結部14b,14cとを備えている。
また、上述のハブキャリア14は、図3に示すように、ハブ7と対応する位置に開口形成された開口部14dと、図4に示すように、該開口部14dの上方部に形成された軽量化用の開口部14eとを備えている。
図3に示すように、上述のハブキャリア14のタイロッド連結部14aには、タイロッドエンド15を介してタイロッド16が連結される。また、図4に示すハブキャリア14の上部は、フロントサスペンション装置を構成するアッパアーム(図示せず)に連結されるものである。
図2、図3に示すように、ホイール5のディスク部5D中央と、ハブ7のフランジ部7bとの間には、図5に示す複数の締結部材19を用いて、鋳鉄製のディスクロータ20(ブレーキロータと同意)が締結固定されている。
すなわち、ホイール5のディスク部5Dと、ハブ7のフランジ部7bとディスクロータ20との三者は、図5の締結部材19により共締め固定されたものである。
詳しくは、上記締結部材19は、ボルトとナットから成り、ボルトをハブ7のフランジ部7bに立設して、該ボルトを車幅方向外側に向けて延ばしている。ディスクロータ20のハット部20a、ホイール5のディスク部5Dの各ボルト挿通孔(図示せず)から上記ボルトを外方へ突出させ、このボルトの突出部に対して車外側から上記ナットを締付けるように構成している。
図2、図3に示すように、上述のディスクロータ20は、当該ディスクロータ20の中心部に位置する有底円筒形状のハット部20aと、このハット部20aの外周側に位置するリング形状のアウタ摺動面部20bと、このアウタ摺動面部20bの車幅方向内側に位置するインナ摺動面部20cと、を備えている。
上述のハット部20aと、アウタ摺動面部20bと、インナ摺動面部20cとは、砂型鋳造により一体形成されている。そして、上述のアウタ摺動面部20bとインナ摺動面部20cとの両者により、ベンチレーテッドディスクを構成している。
図2、図4、図5に示すように、上述のディスクロータ20のハブセンタ(ハブ7の径方向中心)よりも後方側において、当該ディスクロータ20には鞍形のキャリパ21を配設している。
このキャリパ21は、図2に示すように、車幅方向内側に位置する内側部21aと、車幅方向外側に位置する外側部21bと、これら両者21a,21bを車幅方向に連結する連結部21cと、を備えている。該キャリパ21は制動時に後述するブレーキパッド23,24によりディスクロータ20を挟持するものである。
図6に示すように、上述のキャリパ21の内側部21aの上下には、ハブキャリア14のキャリパ連結部14b,14cと対応するように、車両前方に突出する突出部21d,21eが一体形成されている。
そして、図4、図6に示すように、ハブキャリア14のキャリパ連結部14b,14cと、キャリパ21の突出部21d,21eと、を締結部材22で連結することで、キャリパ21をハブキャリア14に固定している。
また、図2に示すように、キャリパ21の内側部21aと、ディスクロータ20のインナ摺動面部20cとの間には、インナ側ブレーキパッド23を配設している。同様に、キャリパ21の外側部21bと、ディスクロータ20のアウタ摺動面部20bとの間には、アウタ側ブレーキパッド24を配設している。
これらの各ブレーキパッド23,24は、制動時にディスクロータ20を両面から挟む制動用の摩擦部材であって、非スチール系のノンアスベスト摩擦材が用いられている。
図2、図3に示すように、上述のディスクロータ20の車幅方向内面側には、当該ディスクロータ20の外径よりも大径のダストカバー30が取付けられている。このダストカバー30はプレート状に形成されると共に、当該ダストカバー30はディスクロータ20と離間し、かつ当該ディスクロータ20の車幅方向内側に隣接して配置されている。
図4、図6に示すように、上述のダストカバー30の中心部は、締結部材13を兼用して、ホイールベアリング8のフランジ部12に締結固定されている。このダストカバー30は板金部材にて形成されており、ディスクロータ20の防錆を図るカバー部材である。
図6に示すように、上述のダストカバー30のハブセンタ(ハブ7の径方向中心)後方側を、キャリパ21の取付けに要する長さだけ上下方向に切欠いて、当該ダストカバー30の後部には切欠き部31が形成されている。上述のキャリパ21はこの切欠き部31に配設されている。つまり、当該切欠き部31はキャリパ21との干渉を防止するためのものである。
また、図6に示すように、上述のダストカバー30には、ホイールベアリング8のフランジ部12の外側と対応する前部、上部および下部に、前部開口部32、上部開口部33、下部開口部34がそれぞれ開口形成されている。
これらの各開口部32,33,34は、ディスクロータ20の内周面、詳しくは、インナ摺動面部20cとアウタ摺動面部20bとの間に走行風を取入れて、ディスクロータ20の冷却を図るための開口である。さらに、図6に示すように、前部開口部32、上部開口部33、下部開口部34のうちの上記前部開口部32の開口面積が他の開口部33,34の開口面積に対して、最も大きくなるように形成されている。
また、図6に示すように、上述のダストカバー30には、周方向に連続して延びる内周側のビード30aと、外周側のビード30bと、これら各ビード30a,30b間に位置して周方向に連続する中間ビード30cと、が一体形成されている。
さらに、同図に示すように、上述のダストカバー30には上記各ビード30b,30c,30aを径方向に連結し、内周側のビード30aよりもさらに径方向内方に向けて延びる放射状の複数のビード30d,30eが一体形成されている。この実施例では、放射状の2つのビード30d,30eの開角を110〜120度に設定しているが、上記各ビード30a,30b,30c,30d,30eの数量、および各ビード30d,30eの開角は、これに限定されるものではない。
上記各ビード30a,30b,30c,30d,30eは、ダストカバー30の剛性向上を図るものである。なお、図示の便宜上、図4、図5、図7においては、これら各ビード30a,30b,30c,30d,30eの図示を省略している。
図3に示すように、上述のダストカバー30の外周端は、ホイール5のリム部5Rの内周面に非接触状態で近接させており、ダストカバー30の外周端と、リム部5Rの内周面との間には、クリアランスCLが形成されている。
上述のクリアランスCLは8〜15mmの範囲に設定されている。
すなわち、図10にダストカバー30とホイール5のリム部5Rとの間のクリアランスCLを22mmとしたものと、クリアランスCLを10mmとしたものと、クリアランスCLを0mmとしたものと、についてCED解析(computational fluid dynamics、計算流体力学による解析)した結果を示す。ちなみに、従来車のダストカバーの外周端はディスクロータの外周端位置までしか延びてはおらず、そのクリアランスCLが22mm程度である。
CL=22mmのものの熱伝達率hを100%とすると、CL=10mmのものは、103%であり、CL=0mmのものは、110%であった。
つまり、クリアランスCLを22mmから10mmに縮小すると、熱伝達率は3%向上し、クリアランスCLを22mmから0mmに縮小すると、熱伝達率は10%向上する。
クリアランスCLの上限は熱伝達率hの性能から15mm以下とする。クリアランスCLの下限は生産性を考慮して8mmとする。クリアランスCLを8mm未満とすると、生産時のばらつきにより、ダストカバー30の外周端がリム部5Rと干渉する懸念がある。したがって、上記クリアランスCLは8〜15mmの範囲内に設定するものである。この場合、図10からわかるように従来車(クリアランスCLが22mm)に比較し、1〜4%熱伝達率が向上し、その分だけ冷却性能を向上させることができる。
図3に示すように、ダストカバー30の外周端をホイール5のリム部5Rの内周面に近接させることで、リム部5R内周をダストカバー30の車幅方向内側から車幅方向外側にかけて素通りする走行風の流れを抑制することができる。これにより、図3に示すように、ダストカバー30の車幅方向内側が正圧領域αとなり、ダストカバー30の車幅方向外側におけるディスクロータ20の外周端側が負圧領域βとなる。
上述の開口部32,33,34は、ディスクロータ20の車幅方向内面側に位置するダストカバー30に設けられているので、当該開口部32,33,34を正圧領域αに位置させ、ディスクロータ20の外周部を負圧領域βに位置させることができる。
上述の正圧と負圧との圧力差により、空気流速を向上させ、これにより、ディスクロータ20の冷却効率向上を図るよう構成したものである。
詳しくは、車両前方からバンパ下部を通ってホイール5内側のダストカバー30車幅方向内側に入った走行風は、図3に矢印で示すように、ダストカバー30の各開口部32,33,34(但し、図3では前部開口部32のみを示す)から、インナ摺動面部20cとアウタ摺動面部20bとの間に流入する。
これら両摺動面部20c,20b間に流入した走行風は、図3に矢印で示すように、正圧と負圧との圧力差と、ディスクロータ20回転時の遠心力との相乗効果にて、空気流速が向上し、両摺動面部20c,20b間の外周端から流出した後に、流速が速い車体側面流によりホイール5外側に吸出される。
図2、図3においてカバー部材35はハブキャリア14の開口部14dを閉塞するカバー部材、キャップ部材36はホイール5におけるディスク部5Dの中央開口部を閉塞するキャップ部材である。また、図3において、ロアアーム37は車輪4を懸架するところのサスペンション装置の一部を構成するサスペンションアームとしてのロアアームである。
図7は図5の構成に対して第2ダストカバー40を取付けて示す外側面図、図8は図7のA−A線に沿う要部の矢視断面図、図9は図8の要部拡大断面図である。
図7〜図9に示すように、上述のダストカバー30の外周部における車幅方向外側の面には、当該ダストカバー30の外径よりもその外径が大きい第2ダストカバー40を着脱可能に取付けている。
すなわち、図8、図9に示すように、ダストカバー30の車幅方向内側の面には、周方向に等間隔を隔てて複数のウエルドナット41を設け、これらの各ウエルドナット41に車幅方向外側から締付けるボルト42を用いて、第2ダストカバー40をダストカバー30の外周部で、かつ車幅方向外側面に取付けたものである。
これにより、リム径が異なるタイヤ6を使用する際にも、第2ダストカバー40の着脱により、ホイール5のリム部5Rの内周面との間の隙を詰めるように構成している。
図3と図8とにおいて同一部分には同一符号を付しているが、図3のリム径に対して、図8のリム径は大きく設定されている。
そして、標準タイヤ6(図3参照)からリム径が大きいタイヤ6(図8参照)にインチアプする際には、第2ダストカバー40を取付けることで、ホイール5のリム部5Rの内周面と第2ダストカバー40の外周端との間の隙を詰めるよう構成している。
また、第2ダストカバー40が取付けられた状態(図8参照)から、当該第2ダストカバー40を取外すと、タイヤ6がパンクした場合には、図示しないテンポラリ・タイヤ(応急タイヤ)を使用することができる。
さらに、図9に要部を拡大して示すように、第2ダストカバー40の内径は、ディスクロータ20の外径よりも大きく形成されている。また、ディスクロータ20の外径部よりも外周側に上述の第2ダストカバー40の取付け部(ウエルドナット41とボルト42とによる締結位置参照)が形成されている。さらに、該第2ダストカバー40は上記ダストカバー30の車幅方向外面側に取付けられている。
これにより、タイヤ6およびホイール5を一体的に車幅方向外側へ取外すと、第2ダストカバー40を車幅方向外方側から上述のダストカバー30に対して着脱可能に取付けることができ、第2ダストカバー40着脱の容易化を図るよう構成したものである。
なお、図中、矢印Fは車両前方を示し、矢印Rは車両後方を示し、矢印INは車幅方向の内方を示し、矢印OUTは車幅方向の外方を示す。
このように、上記実施例の車両用ブレーキ装置は、ディスクロータ20の車幅方向内面側にダストカバー30を備え、上記ダストカバー30に、上記ディスクロータ20の内周面に走行風を取入れる開口部32,33,34が設けられた車両用ブレーキ装置であって、上記ダストカバー30の外周端を、ホイール5のリム部5Rの内周面に非接触状態で近接させたものである(図2、図3参照)。
この構成によれば、次の如き効果がある。
すなわち、車両前方からバンパ下部を通ってホイール5内側に入った走行風は、流速が速い車体側面流により吸収されてホイール5外側から流出する。
上記ダストカバー30の外周端をホイール5のリム部5Rの内周面に近接させることで、リム部5R内周とディスクロータ20外周端との間を素通りする走行風の流れが抑制され、ダストカバー30の車幅方向内側が正圧領域αとなり、ディスクロータ20外周端側が負圧領域βとなる。
上述の開口部32,33,34はディスクロータ20の車幅方向内面側のダストカバー30に設けられているので、当該開口部32,33,34を正圧領域αに位置させることができ、ディスクロータ20の外周部を負圧領域βに位置させることができる。
この正圧と負圧との圧力差により、空気流速を向上させ、これにより、ディスクロータ20の冷却効率向上を図ることができる。
また、この発明の一実施形態においては、上記ダストカバー30のハブセンタ後方側を切欠いて切欠き部31を形成し、該切欠き部31にキャリパ21が配設されたものである(図5、図6、図7参照)。
この構成によれば、開口部32,33,34に対する走行風の流れがキャリパ21により阻害されないので、ディスクロータ20に対して走行風(空気)がより一層導入しやすくなる。
さらに、この発明の一実施形態においては、上記開口部32,33,34が上記ダストカバー30の前部、上部、および下部に形成され(前部開口部32、上部開口部33、下部開口部34参照)、上記前部開口部32を最も大きく形成したものである(図6参照)。
この構成によれば、正圧領域αの前部開口部32を大きくすることで、ディスクロータ20内周面に対する走行風をさらに導入しやすく成すことができる。
詳しくは、車両前方から流れてくる走行風が最も流入しやすい正圧領域αの前部開口部32を他の開口部33,34に対して大きく形成したので、ディスクロータ20の内周面に対して走行風をより一層導入しやすくなる。
さらにまた、この発明の一実施形態においては、上記ダストカバー30の外周部に、当該ダストカバー30の外径よりもその外径が大きい第2ダストカバー40を着脱可能に取付けたものである(図7、図8、図9参照)。
この構成によれば、リム径(リム部5Rの直径)が異なるタイヤ6を使用する際にも、上記第2ダストカバー40の着脱により、ホイール5のリム部5Rの内周面との間の隙を詰めることができる。
すなわち、標準タイヤ6(図3参照)からリム径が大きいタイヤ6(図8参照)にインチアップする際には、第2ダストカバー40を取付けることで、ホイール5のリム部5Rの内周面との間の隙を詰めることができる。
また、第2ダストカバー40が取付けられた状態から、当該第2ダストカバー40を取外すと、テンポラリ・タイヤ(応急タイヤ)を使用することができる。
加えて、この発明の一実施形態においては、上記第2ダストカバー40の内径が上記ディスクロータ20の外径より大きく形成されており、上記ディスクロータ20の外径部より外周側に上記第2ダストカバー40の取付け部(ウエルドナット41とボルト42とによる締結位置参照)が形成され、該第2ダストカバー40は上記ダストカバー30の車幅方向外面側に取付けられたものである(図9参照)。
この構成によれば、タイヤ6およびホイール5を取外すと、上記第2ダストカバー40を車幅方向外方側から上記ダストカバー30に対して着脱可能に取付けることができる。
この発明の一実施形態においては、上記ダストカバー30の外周端を、ホイール5のリム部5Rの内周面に8mm〜15mmの範囲で近接させたものである。
上記構成によれば、生産ばらつきによるダストカバー30とホイール5のリム部5Rの内周面との干渉を防ぎつつ、従来のものに比較し、1%〜4%の冷却性能の向上を図ることができる。
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明の開口部は、実施例の前部開口部32、上部開口部33、下部開口部34に対応し、
以下同様に、
第2ダストカバー40の取付け部は、ウエルドナット41とボルト42とによる締結位置に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
例えば、上記実施例においては、車両用ブレーキ装置として前輪側のブレーキ装置を例示したが、本発明の車両用ブレーキ装置は後輪側に適用してもよい。
以上説明したように、本発明は、ディスクロータの車幅方向内面側にダストカバーを備え、上記ダストカバーに、上記ディスクロータの内周面に走行風を取入れる開口部が設けられた車両用ブレーキ装置について有用である。
5…ホイール
5R…リム部
20…ディスクロータ
21…キャリパ
30…ダストカバー
32…前側開口部(開口部)
33…上部開口部(開口部)
34…下部開口部(開口部)
40…第2ダストカバー

Claims (6)

  1. ディスクロータの車幅方向内面側にダストカバーを備え、
    上記ダストカバーに、上記ディスクロータの内周面に走行風を取入れる開口部が設けられた車両用ブレーキ装置であって、
    上記ダストカバーの外周端を、ホイールのリム部の内周面に非接触状態で近接させた
    車両用ブレーキ装置。
  2. 上記ダストカバーのハブセンタ後方側を切欠いて切欠き部を形成し、
    該切欠き部にキャリパが配設された
    請求項1に記載の車両用ブレーキ装置。
  3. 上記開口部が上記ダストカバーの前部、上部、および下部に形成され、
    上記前部の開口部を最も大きく形成した
    請求項2に記載の車両用ブレーキ装置。
  4. 上記ダストカバーの外周部に、当該ダストカバーの外径よりもその外径が大きい第2ダストカバーを着脱可能に取付けた
    請求項1〜3の何れか一項に記載の車両用ブレーキ装置。
  5. 上記第2ダストカバーの内径が上記ディスクロータの外径より大きく形成されており、
    上記ディスクロータの外径部より外周側に上記第2ダストカバーの取付け部が形成され、該第2ダストカバーは上記ダストカバーの車幅方向外面側に取付けられた
    請求項4に記載の車両用ブレーキ装置。
  6. 上記ダストカバーの外周端を、ホイールのリム部の内周面に8mm〜15mmの範囲で近接させた
    請求項1〜5の何れか一項に記載の車両用ブレーキ装置。
JP2019185883A 2019-10-09 2019-10-09 車両用ブレーキ装置 Active JP7316514B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019185883A JP7316514B2 (ja) 2019-10-09 2019-10-09 車両用ブレーキ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019185883A JP7316514B2 (ja) 2019-10-09 2019-10-09 車両用ブレーキ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021060107A true JP2021060107A (ja) 2021-04-15
JP7316514B2 JP7316514B2 (ja) 2023-07-28

Family

ID=75379934

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019185883A Active JP7316514B2 (ja) 2019-10-09 2019-10-09 車両用ブレーキ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7316514B2 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5385482U (ja) * 1976-12-16 1978-07-14
JPH08177912A (ja) * 1994-12-26 1996-07-12 Nissan Motor Co Ltd 車両用ブレーキ冷却装置
JP2005273789A (ja) * 2004-03-25 2005-10-06 Toyota Motor Corp ブレーキ冷却構造及びブレーキダストカバー
JP2010159849A (ja) * 2009-01-09 2010-07-22 Toyota Motor Corp ブレーキダストカバー
JP2018059572A (ja) * 2016-10-05 2018-04-12 株式会社Subaru ブレーキダストカバー

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5385482U (ja) * 1976-12-16 1978-07-14
JPH08177912A (ja) * 1994-12-26 1996-07-12 Nissan Motor Co Ltd 車両用ブレーキ冷却装置
JP2005273789A (ja) * 2004-03-25 2005-10-06 Toyota Motor Corp ブレーキ冷却構造及びブレーキダストカバー
JP2010159849A (ja) * 2009-01-09 2010-07-22 Toyota Motor Corp ブレーキダストカバー
JP2018059572A (ja) * 2016-10-05 2018-04-12 株式会社Subaru ブレーキダストカバー

Also Published As

Publication number Publication date
JP7316514B2 (ja) 2023-07-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4005768A (en) Dust shield for disc brake
JP4225134B2 (ja) 車両用懸架装置
US2265938A (en) Cooling arrangement for brake drums
KR20150103742A (ko) 방향을 가지며 공기를 전달하도록 구성된 림, 에어레스 타이어 및 허브 캡 설계 및 이들을 이용하기 위한 방법
US11242903B2 (en) Brake dust cover
JP2017001549A (ja) 自動車用ホイール
JP6343664B2 (ja) スポーク領域のフェアリングを有する自動車のホイール
US20150003765A1 (en) Bearing unit
US11549561B2 (en) Disk rotor of vehicle brake
JP5157921B2 (ja) ブレーキダストカバー
JP7316514B2 (ja) 車両用ブレーキ装置
JP6214405B2 (ja) 車両用ホイール
JP5325080B2 (ja) 車両用ホイール
WO2021073427A1 (zh) 一种制动盘防护罩及制动盘组件
JP7401974B2 (ja) 車輪用軸受装置
JP2016007881A (ja) ハブユニット
CN210978292U (zh) 一种制动盘防护罩及制动盘组件
JP6927079B2 (ja) 車両用ホイール構造
JP2020117143A (ja) 車両用ホイールおよび車両用ホイールカバー
JP4901885B2 (ja) 自動車用ホイールセット
US2881875A (en) Wheel brake drum
JP2004237897A (ja) 自動車用ホイール
JP2024010689A (ja) 車両用ホイール、及び車両
CN220060322U (zh) 制动器防尘罩及车辆
JP2020133772A (ja) ブレーキダストカバー

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220419

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230119

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230131

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230330

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230613

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230626

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7316514

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150