JP2021056472A - 露光方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高精度に複数のショット領域を繋ぎ合わせると共に、用いる装置も小型化することができる露光方法を提供する。【解決手段】本発明に係る露光方法は、基板上の第1のショット領域に含まれる第1の繋ぎ領域が照明領域を通過する際の所定の時間における照明領域の照度が、第1のショット領域に含まれる第1の非繋ぎ領域が照明領域を通過する際の照度とは異なるように、第1のショット領域を露光する工程と、第1のショット領域に対して走査方向に配列される第2のショット領域に含まれると共に第1の繋ぎ領域に重なる第2の繋ぎ領域が照明領域を通過する際の所定の時間における照度が、第2のショット領域に含まれる第2の非繋ぎ領域が照明領域を通過する際の照度とは異なるように、第2のショット領域を露光する工程とを含むことを特徴とする。【選択図】 図3

Description

本発明は、露光方法に関する。
従来、半導体デバイスや液晶表示装置等の製造工程として、原版のパターンを投影光学系を介して感光性の基板に転写する露光方法(リソグラフィ工程)が知られている。
また近年、製造する物品の大型化に伴って露光領域を広げるために、基板上において複数のショット領域の各々の一部の領域を互いに重ね合わせるように露光を行うことによって、複数のショット領域を繋ぎ合わせる露光方法が用いられている。
特許文献1は、繋ぎ領域及びそれ以外の非繋ぎ領域それぞれの積算露光量を互いに等しくするために、繋ぎ領域を露光する際にメカブレードを移動させて露光光の幅を調整することによって積算露光量を制御する露光方法を開示している。
特開2017−32655号公報
特許文献1に開示されている露光方法では、メカブレードの移動精度が低いと、繋ぎ領域における積算露光量に誤差が生じ、非繋ぎ領域の積算露光量に対して異なってしまう虞がある。また、メカブレードを用いる場合には、メカブレード及びそれを駆動する機構を配置するスペースも必要となり、装置の大型化に繋がる。
そこで本発明は、高精度に複数のショット領域を繋ぎ合わせると共に、用いる装置も小型化することができる露光方法を提供することを目的とする。
本発明に係る露光方法は、原版及び基板を走査方向に走査しながら、原版に描画されたパターンを基板に転写するように基板を露光する露光方法であって、基板上の第1のショット領域に含まれる第1の繋ぎ領域が照明領域を通過する際の所定の時間における照明領域の照度が、第1のショット領域に含まれる第1の非繋ぎ領域が照明領域を通過する際の照度とは異なるように、第1のショット領域を露光する工程と、第1のショット領域に対して走査方向に配列される第2のショット領域に含まれると共に第1の繋ぎ領域に重なる第2の繋ぎ領域が照明領域を通過する際の所定の時間における照度が、第2のショット領域に含まれる第2の非繋ぎ領域が照明領域を通過する際の照度とは異なるように、第2のショット領域を露光する工程とを含むことを特徴とする。
本発明によれば、高精度に複数のショット領域を繋ぎ合わせると共に、用いる装置も小型化することができる露光方法を提供することができる。
第一実施形態に係る露光方法に用いられる露光装置の概略図。 第1のショット領域及び第2のショット領域の上面図。 第一実施形態に係る露光方法における第一走査露光の様子、その際の照度の時間変化及び積算露光量分布を示した図。 第一実施形態に係る露光方法における第二走査露光の様子及びその際の照度の時間変化を示した図。 第二実施形態に係る露光方法に用いられる露光装置の概略図。 第三実施形態に係る露光方法に用いられる露光装置の概略図。 第四実施形態に係る露光方法における第一走査露光の様子、その際の照度の時間変化及び積算露光量分布を示した図。 第四実施形態に係る露光方法における第二走査露光の様子及びその際の照度の時間変化を示した図。 第五実施形態に係る露光方法における第一走査露光の様子、その際の照度の時間変化及び積算露光量分布を示した図。 第五実施形態に係る露光方法における第二走査露光の様子及びその際の照度の時間変化を示した図。 第六実施形態に係る露光方法における第一走査露光の様子、その際の照度の時間変化及び積算露光量分布を示した図。 第六実施形態に係る露光方法における第二走査露光の様子及びその際の照度の時間変化を示した図。
以下に、本実施形態に係る露光方法を添付の図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に示す図面は、本実施形態を容易に理解できるようにするために、実際とは異なる縮尺で描かれている。
また、以下の説明では、マスクM及びプレートPそれぞれの表面に垂直な方向をz方向、マスクM及びプレートPそれぞれが走査される方向をy方向、そしてz方向及びy方向に垂直な方向をx方向としている。
[第一実施形態]
図1(a)、(b)及び(c)は、第一実施形態に係る露光方法に用いられる走査型露光装置である露光装置50の概略図を示している。
露光装置50では、照明ユニット100で形成された照明光束が、マスクM(原版)を照明する。そして、マスクMを照明した光束は、マスクMの下面に形成されたパターン(不図示)によって回折され、投影光学系200へ進行する。
投影光学系200には光束絞り10が設けられており、光束絞り10を通過した光束はプレートP(基板)上に集光される。
プレートP上には、感光剤(感光性レジスト)が塗布されており、プレートP上に光束が集光されることによって、マスクMに描画されたパターンの像が感光剤に形成(転写)される。
露光装置50では、マスクMが載置されるマスクステージ20(原版ステージ)とプレートPが載置されるプレートステージ30(基板ステージ)とがそれぞれ図1(a)中のsm方向及びsp方向に沿って、互いに同期して走査される。
その結果、x方向における所定の露光幅及びy方向における所定のスキャン長に応じたショットサイズのパネル(以下、ショット領域と称する。)がプレートP上に露光される。
また、露光装置50では、照明ユニット100、マスクステージ20及びプレートステージ30それぞれの駆動が制御部40によって制御される。
図1(a)に示されているように、照明ユニット100は、LED光源ユニット1、第一コンデンサーレンズ2、ハエの目ユニット3及び第二コンデンサーレンズ4を備えている。
また、照明ユニット100は、露光スリット6、第一マスキング結像レンズ7、折り曲げミラー8及び第二マスキング結像レンズ9を備えている。
露光装置50では、LED光源ユニット1は、マトリックス状に配列された複数のLED発光素子(固体発光素子)と、発する光束の発散角を押さえるためのマイクロレンズ群とを備えている。なお、光量的に余裕がある場合には、マイクロレンズ群を設けなくても構わない。
そして、LED光源ユニット1から出射した照明光束は、第一コンデンサーレンズ2の作用によって平行光束に変換された後、ハエの目ユニット3を照明する。
このため、LED光源ユニット1の出射面及びハエの目ユニット3の入射面はそれぞれ、第一コンデンサーレンズ2の前側焦点面近傍及び後側焦点面近傍に配置されている。
ハエの目ユニット3は、光束を均一化する手段としての代表的なインテグレーターである。なお、これに限らず、光ロッド等のインテグレーターを用いても構わない。
そして、ハエの目ユニット3を通過した光束は、第二コンデンサーレンズ4の作用によって平行光束に変換された後、露光スリット6を照明する。
このため、ハエの目ユニット3の出射面及び露光スリット6の露光スリット面5はそれぞれ、第二コンデンサーレンズ4の前側焦点面近傍及び後側焦点面近傍に配置されている。
上記のように、露光装置50では、いわゆるケーラー照明法の構成が採用されているため、ハエの目ユニット3の上流部(光源側)において変動が発生しても、照射面である露光スリット面5は、均一に照明されることになる。
そして、露光スリット6は、マスクM上の照明領域が後続する投影光学系200の良像域だけになるように、光束を制限する機能を有している。
露光スリット6を通過した光束は、第一マスキング結像レンズ7、折り曲げミラー8及び第二マスキング結像レンズ9の作用によって、所定の倍率で結像されるように、マスクM上に集光される。
露光装置50では、以上の構成により、マスクM上の露光に必要な領域だけが均一且つ選択的に照明される。
図1(b)は、露光装置50における投影光学系200の模式図を示している。図1(b)に示されているように、露光装置50における投影光学系200は、液晶製造装置に用いられるような大型のミラー系で構成されている。そして、照明ユニット100から出射し、マスクMを通過した光束は、台形鏡Tr、凹面鏡CC1、凸面鏡CV、凹面鏡CC2、そして台形鏡Trによって計5回反射される。
そして、反射した光束はプレートP上に到達し、マスクM上のパターンがプレートP上に結像される。
この場合、投影光学系200の良像域は、光軸外の輪帯領域に限られるため、露光スリット6としては、図1(c)に示されるような円弧状開口部を有する遮光板が用いられる。
また、マスクMからプレートPへの結像倍率は、等倍、拡大、縮小のいずれもが含まれる。
なお、投影光学系200としては、上記に限らず、半導体製造装置に用いられるような多数のレンズ群から構成されていてもよい。
また、露光装置50では、光源としてLED素子群からなるLED光源ユニット1を用いているが、これに限られず、同様な小型の半導体レーザー(LD)群からなる光源ユニットを用いても構わない。
また、光源として後述するような水銀ランプを用いて、その出力を直接変更させても構わない。しかしながら、光源として水銀ランプを用い、ランプ出力を短時間に変更する場合には、その電気特性や寿命の観点から実用性に課題が残ることに注意すべきである。
図2(a)は、本実施形態に係る露光方法における第1のショット領域80及び第2のショット領域90を示した上面図である。
また、図2(b)は、本実施形態に係る露光方法における第1のショット領域80及び第2のショット領域90を繋ぎ合わせて示した上面図である。
なおここで、ショット領域とは、露光装置50における1回の走査露光で露光されるプレートP上の領域のことを指す。
図2(a)及び(b)に示されているように、第1のショット領域80は、繋ぎ領域80a(第1の繋ぎ領域)とそれ以外の非繋ぎ領域80b(第1の非繋ぎ領域)からなる。そして、第2のショット領域90は、繋ぎ領域90a(第2の繋ぎ領域)とそれ以外の非繋ぎ領域90b(第2の非繋ぎ領域)とからなる。
そして、プレートP上において走査方向(y方向)に沿って配列されている第1のショット領域80及び第2のショット領域90は、繋ぎ領域80a及び繋ぎ領域90aが互いに重なるように繋ぎ合わされる。
このとき、本実施形態に係る露光方法では、非繋ぎ領域80bの積算露光量、非繋ぎ領域90bの積算露光量、及び繋ぎ領域80aの積算露光量と繋ぎ領域90aの積算露光量との和を互いに等しくする。これにより、第1のショット領域80及び第2のショット領域90からなる露光領域における積算露光量を均一にすることができる。
ここで、特許文献1に開示されているような従来の繋ぎ方式では、プレートPに略共役な位置に配置されたメカブレードが、例えば走行中に右端が所定の位置より前に進行したり、逆に左端が所定の位置より後退する等、走行精度が低い場合がある。
そのようにメカブレードの移動誤差が大きい場合には、露光光の幅の調整誤差が大きくなる。すなわち繋ぎ領域80aの積算露光量と繋ぎ領域90aの積算露光量との和が非繋ぎ領域80b又は90bの積算露光量とは異なるように露光が行われ、それにより露光線幅の異常が引き起こされる虞がある。
また、従来の繋ぎ方式のように、プレートPに略共役なマスクMの位置、若しくは照明ユニット100の露光スリット面5の位置に走行機構を有するメカブレードを配置する事は、設計において大きな制約となる。
これは、そのような位置には露光シャッターに加えて、露光領域を二次元的に設定するXYマスキング機構等も設けられているからである。
そして、それらの複数の機構を露光装置内の所定の箇所に集中して配置する事は、互いの空間的干渉や互いに対する発熱の影響等の問題を引き起こし、露光装置全体の性能低下に繋がる。
また、繋ぎ領域80a及び90aの走査方向における幅が長すぎると、マスクステージ20及びプレートステージ30の走査距離が増加するため、生産性が低下してしまう。
一方、繋ぎ領域80a及び90aの走査方向における幅が短すぎると、プロセスによっては積算露光量のむら等が発生しやすくなり、像性能が低下する虞がある。
このように、繋ぎ領域80a及び90aの走査方向における幅を可変にすることで最適化できる事が求められるが、メカブレードの機構や設定精度に限界があるため、従来の繋ぎ方式では困難である。
また、第1のショット領域80及び第2のショット領域90を繋ぎ合わせる際には、プロセスに対応することも重要となる。
すなわち、プレートP上に塗布される感光剤の感光特性が非線形である場合には、繋ぎ領域80aの積算露光量と繋ぎ領域90aの積算露光量との和が非繋ぎ領域80b又は90bの積算露光量に対して異なるように意図的に露光を行う。それにより、繋ぎ領域80a(90a)と非繋ぎ領域80b及び90bとで露光線幅を互いに等しくできる場合がある。
このとき、従来の繋ぎ方式では、繋ぎ領域80a及び90aを露光する際にメカブレードの走行速度を変更する必要が生じるが、それに伴って走行速度にむら等が発生し、それにより積算露光量の誤差が生じる虞がある。
一方、従来の露光装置の光源としては水銀ランプが多く用いられているが、近年は地球環境を考慮して、水銀ランプの代わりにLED光源を用いることによって省エネルギー化することが期待されている。
LEDは、発光を制御する基板回路に電流を流してから発光出力が安定するまでの時間が水銀ランプに比べて短く、また水銀ランプのように常時発光させる必要がないため、長寿命でもある。
また、LEDの1個当たりの発光出力は水銀ランプと比べて極めて小さいが、複数のLEDを配列させて総出力を十分に大きくすることもできる。
以上を鑑みて、本実施形態に係る露光方法では、以下に示すような繋ぎ方式を用いて、高精度に複数のショット領域を繋ぎ合わせることができる。
図3(a)及び(b)はそれぞれ、本実施形態に係る露光方法における第一走査露光の様子及びその際の照度(静止照度)の時間変化を示している。また、図3(c)は、本実施形態に係る露光方法の第一走査露光及び第二走査露光それぞれにおける積算露光量分布及びそれらの合算を示している。
図3(a)乃至(c)において、P1、P2、…、P15はそれぞれ、プレートP上のy方向(走査方向)における所定の位置を示しており、T1、T2、…、T9はそれぞれ、第一走査露光における所定の時刻を示している。
そして、図3(a)における矩形の網掛け領域は、露光スリット6によって決定されるプレートP上の照明領域Sを示しており、例えば時刻T1では、プレートP上の位置P10乃至P14が照明されることを意味している。
すなわち、図3(a)及び(b)は、本実施形態に係る露光方法での第一走査露光において時間が時刻T1から時刻T9に変化するにつれて、プレートP上の照明領域Sの照度が100から0に低下していく様子を示している。より具体的には、本実施形態に係る露光方法での第一走査露光では、時刻T1から時刻T5までプレートP上の照明領域Sの照度が100で維持された後、時刻T5から時刻T9にかけて、線形的に100から0に低下している(単調変化する、単調減少する)。
なおここで、照度とは単位時間、単位面積当たりの露光量ということもできる。また、プレートP上の照度は正規化されており、時刻T1より前の時刻では、プレートP上の照明領域Sの照度は100で固定されており、一方で時刻T9より後の時刻では、プレートP上の照明領域Sの照度は0で固定されているとする。
そして、本実施形態に係る露光方法では、第一走査露光として図3(a)に示されるようにプレートPを+y方向に走査することにより、プレートP上の位置P1乃至P15の少なくとも一部における積算露光量は、互いに異なることとなる。
例えば、位置P6に着目すると、位置P6は、時刻T5において露光スリット6による照明領域Sに進入し、時刻T9において露光スリット6による照明領域Sから退出する。
従って、時刻T1乃至T9それぞれでの位置P6における照度は、以下の表1のように表され、時刻T1から時刻T9までの位置P6における積算露光量は、100+75+50+25=250となる。
Figure 2021056472
一方、位置P10に着目すると、位置P10は、時刻T1には照明領域S内にあり、時刻T5において露光スリット6による照明領域Sから退出する。
従って、時刻T1乃至T9それぞれでの位置P10における照度は、上記の表1のように表され、時刻T1から時刻T9までの位置P10における積算露光量は、100+100+100+100+100=500となる。
また、位置P2に着目すると、時刻T9において露光スリット6による照明領域Sに進入するが、時刻T9では照明領域Sの照度が0まで減衰しているため、時刻T1から時刻T9までの位置P2における積算露光量は0となる。
上記の要領で、第一走査露光において時刻T1から時刻T9までの位置P1乃至P15それぞれにおける積算露光量を計算し、変化曲線として図示したものが図3(c)に示されている。
なお、図3(c)には、プレートP上における繋ぎ領域Cも示されている。すなわち、繋ぎ領域Cは、第1のショット領域80の繋ぎ領域80a及び第2のショット領域90の繋ぎ領域90aに対応する。
本実施形態に係る露光方法では、繋ぎ領域Cは、位置P2と位置P10との間であり、繋ぎ領域C内の位置では、第一走査露光及び第二走査露光それぞれにおいて、積算露光量は0より大きく500より小さい値となる。
本実施形態に係る露光方法では、繋ぎ領域Cの積算露光量を均一にするために、上記に示した第一走査露光に加えて、以下に示すような第二走査露光を行う。
図4(a)及び(b)はそれぞれ、本実施形態に係る露光方法における第二走査露光の様子及びその際の照度の時間変化を示している。
図4(a)及び(b)において、P1、P2、…、P15はそれぞれ、プレートP上のy方向(走査方向)における所定の位置を示しており、T1’、T2’、…、T9’はそれぞれ、第二走査露光における所定の時刻を示している。
そして、図4(a)における矩形の網掛け領域は、露光スリット6によって決定されるプレートP上の照明領域Sを示しており、例えば時刻T1’では、プレートP上の位置P1及びP2が照明されることを意味している。
すなわち、図4(a)及び(b)は、本実施形態に係る露光方法での第二走査露光において時間が時刻T1’から時刻T9’に変化するにつれて、プレートP上の照明領域Sの照度が100から0に低下していく様子を示している。より具体的には、本実施形態に係る露光方法での第二走査露光では、時刻T1’から時刻T5’までプレートP上の照明領域Sの照度が100で維持された後、時刻T5’から時刻T9’にかけて、線形的に100から0に低下している。
なおここで、プレートP上の照度は正規化されており、時刻T1’より前の時刻では、プレートP上の照明領域Sの照度は100で固定されている一方で、時刻T9’より後の時刻では、プレートP上の照明領域Sの照度は0で固定されているとする。
第二走査露光では、図4(a)に示されるように、時刻T1’から時刻T9’にかけてプレートPを第一走査露光とは逆の−y方向に走査する。
そのとき、位置P6に着目すると、位置P6は、時刻T5’において露光スリット6による照明領域Sに進入し、時刻T9’において露光スリット6による照明領域Sから退出する。
従って、時刻T1’乃至T9’それぞれでの位置P6における照度は、以下の表2のように表され、時刻T1’から時刻T9’までの位置P6における積算露光量は、100+75+50+25=250となる。
Figure 2021056472
一方、位置P10に着目すると、時刻T9’において露光スリット6による照明領域Sに進入するが、時刻T9’では照明領域Sの照度が0まで減衰しているため、時刻T1’から時刻T9’までの位置P10における積算露光量は0となる。
そして、位置P2に着目すると、位置P2は、時刻T1’には照明領域S内にあり、時刻T5’において露光スリット6による照明領域Sから退出する。
従って、時刻T1’乃至T9’それぞれでの位置P2における照度は、上記の表2のように表され、時刻T1’から時刻T9’までの位置P2における積算露光量は、100+100+100+100+100=500となる。
上記の要領で、第二走査露光において時刻T1’から時刻T9’までの位置P1乃至P15それぞれにおける積算露光量を計算し、変化曲線として図示したものが図3(c)に示されている。
そして、第一走査露光及び第二走査露光それぞれの積算露光量の合算も図3(c)に示されており、位置P1乃至P15のいずれにおいても積算露光量が500となっていることがわかる。
以上のように、本実施形態に係る露光方法では、上記の要領でプレートPを走査方向の第1の向きに移動させながら露光する第一走査露光とプレートPを第一走査露光とは逆向きに移動させながら露光する第二走査露光との往復2回の走査露光を行なっている。
そして第一走査露光の際には、繋ぎ領域80aが照明領域Sを通過する際の所定の時間における照明領域Sの照度が、非繋ぎ領域80bが照明領域Sを通過する際の照度とは異なるように、第1のショット領域80を露光する。
また第二走査露光の際には、繋ぎ領域80aに重なる繋ぎ領域90aが照明領域Sを通過する際の所定の時間における照度が、非繋ぎ領域90bが照明領域Sを通過する際の照度とは異なるように、第2のショット領域90を露光する。
このようにして、繋ぎ領域Cとそれ以外の非繋ぎ領域とで積算露光量を互いに等しくすることができる。
なお第二走査露光では、上記に限らず、照度を0から100まで増加させながらプレートPを第一走査露光と同じ+y方向に走査することによっても、同様の積算露光量分布を得ることができる。
また、本実施形態に係る露光方法では、プレートP上における照度は、LED光源ユニット1内に設けられている複数のLED素子の少なくとも一つ以上をON/OFFさせる事により、変更することができる。
また、それに限らず、LED光源ユニット1内に設けられている複数のLED素子の少なくとも一つ以上の電流値を変更する事により、プレートP上における照度を変更してもよい。
また、LED光源ユニット1の代わりにレーザーダイオード(LD)のような固体発光素子を有する光源を用いて、プレートP上における照度を変更してもよい。
また、本実施形態に係る露光方法では、照明ユニット100を簡略化するために、いわゆるクリチカル照明と呼ばれる、ハエの目ユニット3を用いずに露光スリット面5上に直接LED素子を置くこともできる。
その場合、露光スリット6の開口形状に対応した領域に複数のLED素子の発光面が配列される。例えば、図1(b)に示されるような投影光学系200を設けた場合には、図1(c)に示されるような露光スリット6の円弧状開口の開口面にLED素子群が配置されることになる。
また、上記の説明では、マスクステージ20及びプレートステージ30の移動速度(マスクM及びプレートPの走査速度)は一定としているが、これに限らず、移動速度(走査速度)を時間に応じて変化させてもよい。
従来の露光方法では、プレートP上における照度は時間変化させずに、走行ブレード等を用いてプレートP上の照明領域Sの大きさ(すなわち、図3(a)における照明領域Sの幅)を時間変化させることによって、繋ぎ領域Cの積算露光量を調整している。
一方、本実施形態に係る露光方法では、プレートP上の照明領域Sの幅は時間変化させずに、プレートP上における照度(すなわち、図3(a)における照明領域Sの高さ)を時間変化させることによって、繋ぎ領域Cの積算露光量を調整している。
以上のように、本実施形態に係る露光方法では、従来の露光装置に設けられているようなメカブレードが不要となるため、メカブレードの走行性能の誤差に伴う積算露光量の変動は生じず、また、他の部材の配置自由度が向上する。
そして、光源としてLED光源ユニット1を用いることによって、発光量を電気的に制御することができ、これにより、照度を高精度かつ自在に設定することが可能である。
さらに、本実施形態に係る露光方法では、インテグレーターであるハエの目ユニット3の上流部において発光量を変更することができるため、画面全体にわたって一様に照度を変更することができる。
これにより、従来の露光装置におけるメカブレードの駆動誤差に伴う像性能への影響と比べて、像性能も向上させることができる。
以上のように、本実施形態に係る露光方法では、高精度に複数のショット領域を繋ぎ合わせると共に、用いる装置も小型化することができる。
[第二実施形態]
図5は、第二実施形態に係る露光方法に用いられる露光装置60の概略図を示している。
なお、露光装置60は、LED光源ユニット1の代わりに水銀ランプユニット25を用いると共に、水銀ランプユニット25の焦点面s1の近傍に可変虹彩絞りVIを設けている以外は、露光装置50と同一の構成である。そのため、同一の部材には同一の符番を付して、説明を省略する。
露光装置60では、水銀ランプユニット25から出射した照明光束は、可変虹彩絞りVI(減光部材)を通過した後、第一コンデンサーレンズ2の作用によって平行光束に変換され、ハエの目ユニット3を照明する。
このとき、可変虹彩絞りVIの開口部を狭めていくと、可変虹彩絞りVIを通過する光束の光量が減少する。
これにより、ハエの目ユニット3を照明する光束の光量は減衰するが、ハエの目ユニット3は露光スリット面5を均一に照明する機能を有しているため、露光スリット面5の照度分布は均一に保たれたまま、露光スリット面5全体の照度が低下することになる。
その結果、マスクM上における照度を低下させる事ができ、ひいては第一実施形態に係る露光方法と同様に、プレートP上における照度を低下させることができる。
なお、可変虹彩絞りVIを配置する場所は、水銀ランプユニット25の焦点面s1に限らず、第一コンデンサーレンズ2の下流側の所定の位置s2でも構わない。
位置s2では、光束が広がっているため、可変虹彩絞りVIを絞っていく際の駆動量は大きくなるが、一方、その分駆動敏感度が低くなるため、光量の制御を高精度で行なうことができる。
さらに、可変虹彩絞りVIを位置s2に配置すると、水銀ランプユニット25の焦点面s1に配置した場合と比べて、可変虹彩絞りVIが水銀ランプユニット25から離れる分、水銀ランプユニット25の発熱の影響を受けにくくなるという利点もある。
さらに、可変虹彩絞りVIを配置する場所は、上述の位置に限らず、ハエの目ユニット3より上流側に設ければよい。このとき、ハエの目ユニット3の上記の機能により、露光スリット面5における照度の均一性を維持したまま、プレートP上における照度を変化させることができる。
また、可変虹彩絞りVIに用いられる遮光部材としては、メカブレードに限らず、誘電体反射膜が塗布された硝子部材でも構わない。そのような硝子部材を用いた場合には、熱の吸収が小さくなるため、耐久性が向上する。
以上のように、本実施形態に係る露光方法に用いられる露光装置60では、ハエの目ユニット3の上流部に減光機能を有する可変虹彩絞りVIを設けることによって、マスクM上の全体にわたって一様に照度を変化させることができる。従って、従来の露光装置と比べて、メカブレードの駆動誤差に伴う像性能の低下を抑制することができる。
これにより、本実施形態に係る露光方法においても、高精度に複数のショット領域を繋ぎ合わせると共に、用いる装置も小型化することができる。
[第三実施形態]
図6は、第三実施形態に係る露光方法に用いられる露光装置70の概略図を示している。
なお、露光装置70は、可変虹彩絞りVIの代わりに走行シャッター部材RSを用いている以外は、露光装置60と同一の構成であるため、同一の部材には同一の符番を付して、説明を省略する。
露光装置70では、水銀ランプユニット25から出射した照明光束は、走行シャッター部材RS(減光部材、遮光ブレード)を通過した後、第一コンデンサーレンズ2の作用によって平行光束に変換され、ハエの目ユニット3を照明する。
このとき、走行シャッター部材RSが直線移動することによって照明光束を部分的に遮蔽していくことで、走行シャッター部材RSを通過する光束の光量が減少する。
これにより、ハエの目ユニット3を照明する光束の光量は減衰するが、ハエの目ユニット3は露光スリット面5を均一に照明する機能を有しているため、露光スリット面5の照度分布は均一に保たれたまま、露光スリット面5全体の照度が低下することになる。
その結果、マスクM上における照度を低下させる事ができ、ひいては第一及び第二実施形態に係る露光方法と同様に、プレートP上における照度を低下させることができる。
なお、走行シャッター部材RSは、水銀ランプユニット25の焦点面s1、または第一コンデンサーレンズ2の下流側の所定の位置s2、若しくはハエの目ユニット3の上流側の位置に配置して構わない。
また、走行シャッター部材RSに用いられる遮光部材としては、メカブレードに限らず、誘電体反射膜が塗布された硝子部材でも構わない。そのような硝子部材を用いた場合には、熱の吸収が小さくなるため、耐久性が向上する。
これにより、本実施形態に係る露光方法においても、高精度に複数のショット領域を繋ぎ合わせると共に、用いる装置も小型化することができる。
[第四実施形態]
図7(a)及び(b)はそれぞれ、第四実施形態に係る露光方法における第一走査露光の様子及びその際の照度の時間変化を示している。また、図7(c)は、第四実施形態に係る露光方法の第一走査露光及び第二走査露光それぞれにおける積算露光量分布及びそれらの合算を示している。
なお、本実施形態に係る露光方法に用いられる露光装置は、第一乃至第三実施形態のいずれかに係る露光方法に用いられる露光装置と同一の構成であるため、同一の部材には同一の符番を付して、説明を省略する。
図7(a)乃至(c)において、P1、P2、…、P15はそれぞれ、プレートP上のy方向(走査方向)における所定の位置を示しており、T1、T2、…、T9はそれぞれ、第一走査露光における所定の時刻を示している。
そして、図7(a)における矩形の網掛け領域は、露光スリット6によって決定されるプレートP上の照明領域Sを示しており、例えば時刻T1では、プレートP上の位置P10乃至P14が照明されることを意味している。
すなわち、図7(a)及び(b)は、本実施形態に係る露光方法での第一走査露光において時間が時刻T1から時刻T9に変化するにつれて、プレートP上の照明領域Sの照度が100から0に低下していく様子を示している。より具体的には、本実施形態に係る露光方法での第一走査露光では、時刻T1から時刻T5までプレートP上の照明領域Sの照度が100で維持された後、時刻T5から時刻T9にかけて、非線形的に100から0に低下している(単調変化する、単調減少する)。
なおここで、プレートP上の照度は正規化されており、時刻T1より前の時刻では、プレートP上の照明領域Sの照度は100で固定されている一方で、時刻T9より後の時刻では、プレートP上の照明領域Sの照度は0で固定されているとする。
そして、本実施形態に係る露光方法では、第一走査露光として図7(a)に示されるようにプレートPを+y方向に走査することにより、プレートP上の位置P1乃至P15の少なくとも一部における積算露光量は、互いに異なることとなる。
例えば、位置P6に着目すると、位置P6は、時刻T5において露光スリット6による照明領域Sに進入し、時刻T9において露光スリット6による照明領域Sから退出する。
従って、時刻T1乃至T9それぞれでの位置P6における照度は、以下の表3のように表され、時刻T1から時刻T9までの位置P6における積算露光量は、100+85+35+5=225となる。
Figure 2021056472
一方、位置P10に着目すると、位置P10は、時刻T1には照明領域S内にあり、時刻T5において露光スリット6による照明領域Sから退出する。
従って、時刻T1乃至T9それぞれでの位置P10における照度は、上記の表3のように表され、時刻T1から時刻T9までの位置P10における積算露光量は、100+100+100+100+100=500となる。
また、位置P2に着目すると、時刻T9において露光スリット6による照明領域Sに進入するが、時刻T9では照明領域Sの照度が0まで減衰しているため、時刻T1から時刻T9までの位置P2における積算露光量は0となる。
上記の要領で、第一走査露光において時刻T1から時刻T9までの位置P1乃至P15それぞれにおける積算露光量を計算し、変化曲線として図示したものが図7(c)に示されている。
なお、図7(c)には、プレートP上における繋ぎ領域Cも示されている。すなわち、繋ぎ領域Cは、第1のショット領域80の繋ぎ領域80a及び第2のショット領域90の繋ぎ領域90aに対応する。
本実施形態に係る露光方法では、繋ぎ領域Cは、位置P2と位置P10との間であり、繋ぎ領域C内の位置では、第一走査露光及び第二走査露光それぞれにおいて、積算露光量は0より大きく500より小さい値となる。
本実施形態に係る露光方法では、上記に示した第一走査露光に加えて、以下に示すような第二走査露光を行う。
図8(a)及び(b)はそれぞれ、本実施形態に係る露光方法における第二走査露光の様子及びその際の照度の時間変化を示している。
図8(a)及び(b)において、P1、P2、…、P15はそれぞれ、プレートP上のy方向(走査方向)における所定の位置を示しており、T1’、T2’、…、T9’はそれぞれ、第二走査露光における所定の時刻を示している。
そして、図8(a)における矩形の網掛け領域は、露光スリット6によって決定されるプレートP上の照明領域Sを示しており、例えば時刻T1’では、プレートP上の位置P1及びP2が照明されることを意味している。
すなわち、図8(a)及び(b)は、本実施形態に係る露光方法での第二走査露光において時間が時刻T1’から時刻T9’に変化するにつれて、プレートP上の照明領域Sの照度が100から0に低下していく様子を示している。より具体的には、本実施形態に係る露光方法での第二走査露光では、時刻T1’から時刻T5’までプレートP上の照明領域Sの照度が100で維持された後、時刻T5’から時刻T9’にかけて、非線形的に100から0に低下している。
なおここで、プレートP上の照度は正規化されており、時刻T1’より前の時刻では、プレートP上の照明領域Sの照度は100で固定されている一方で、時刻T9’より後の時刻では、プレートP上の照明領域Sの照度は0で固定されているとする。
第二走査露光では、図8(a)に示されるように、時刻T1’から時刻T9’にかけてプレートPを第一走査露光とは逆の−y方向に走査する。
そのとき、位置P6に着目すると、位置P6は、時刻T5’において露光スリット6による照明領域Sに進入し、時刻T9’において露光スリット6による照明領域Sから退出する。
従って、時刻T1’乃至T9’それぞれでの位置P6における照度は、以下の表4のように表され、時刻T1’から時刻T9’までの位置P6における積算露光量は、100+85+35+5=225となる。
Figure 2021056472
一方、位置P10に着目すると、時刻T9’において露光スリット6による照明領域Sに進入するが、時刻T9’では照明領域Sの照度が0まで減衰しているため、時刻T1’から時刻T9’までの位置P10における積算露光量は0となる。
そして、位置P2に着目すると、位置P2は、時刻T1’には照明領域S内にあり、時刻T5’において露光スリット6による照明領域Sから退出する。
従って、時刻T1’乃至T9’それぞれでの位置P2における照度は、上記の表4のように表され、時刻T1’から時刻T9’までの位置P2における積算露光量は、100+100+100+100+100=500となる。
上記の要領で、第二走査露光において時刻T1’から時刻T9’までの位置P1乃至P15それぞれにおける積算露光量を計算し、変化曲線として図示したものが図7(c)に示されている。
そして、第一走査露光及び第二走査露光それぞれの積算露光量の合算も図7(c)に示されている。
第一乃至第三実施形態に係る露光方法では、プレートP上の照度を、直線状、すなわち線形的に100から0まで減少させていた。
その結果、第一走査露光及び第二走査露光の往復2回の走査露光による積算露光量は、繋ぎ領域Cとそれ以外の非繋ぎ領域とで互いに等しくしている。
これに対して、本実施形態に係る露光方法では、プレートP上の照度を、曲線状、すなわち非線形的に100から0まで減少させている。
例えば、照度が変化している間の時刻T7におけるプレートP上の照明領域Sの照度は、第一乃至第三実施形態に係る露光方法では50であったのに対し、本実施形態に係る露光方法では35と小さくなっている。
その結果、図7(c)に示されているように、本実施形態に係る露光方法による繋ぎ領域Cの積算露光量は、第一乃至第三実施形態に係る露光方法の場合と比べて減少している。
そのため、本実施形態に係る露光方法では、繋ぎ領域Cの積算露光量がそれ以外の非繋ぎ領域の積算露光量に比べて小さくなる。
これは、以下の理由によるためである。すなわち、マスクM上のパターンが転写されるプレートP上の感光性レジストには、複数回にわたって露光されると、後の各露光において積算露光量が一回露光と同じであっても、実際の感光量は大きくなる化学特性を有するものがある。
換言すると、マスクM上のパターンが転写されるプレートP上の感光性レジストには、一回露光されると、その後の露光に対する敏感度が大きくなる化学特性を有するものがある。
本実施形態に係る露光方法では、上記のように繋ぎ領域C以外の非繋ぎ領域では露光は1回のみ行われるのに対して、繋ぎ領域Cの露光は往復2回行われる。
そのため、そのような感光性レジストを用いた場合には、繋ぎ領域Cとそれ以外の非繋ぎ領域とで露光線幅が互いに異なってしまう。
そこで、本実施形態に係る露光方法では、図7(c)に示されているように、意図的に繋ぎ領域Cの積算露光量を非繋ぎ領域よりも小さくする事によって、繋ぎ領域と非繋ぎ領域とで露光線幅を互いに等しくする事ができる。
なお第二走査露光では、上記に限らず、照度を0から100まで非線形的に増加させながらプレートPを第一走査露光と同じ+y方向に走査することによっても、同様の積算露光量分布を得ることができる。
以上のように、本実施形態に係る露光方法においても、高精度に複数のショット領域を繋ぎ合わせると共に、用いる装置も小型化することができる。
[第五実施形態]
図9(a)及び(b)はそれぞれ、第五実施形態に係る露光方法における第一走査露光の様子及びその際の照度の時間変化を示している。また、図9(c)は、第五実施形態に係る露光方法の第一走査露光及び第二走査露光それぞれにおける積算露光量分布及びそれらの合算を示している。
なお、本実施形態に係る露光方法に用いられる露光装置は、第一乃至第三実施形態のいずれかに係る露光方法に用いられる露光装置と同一の構成であるため、同一の部材には同一の符番を付して、説明を省略する。
図9(a)乃至(c)において、P1、P2、…、P15はそれぞれ、プレートP上のy方向(走査方向)における所定の位置を示しており、T1、T2、…、T9はそれぞれ、第一走査露光における所定の時刻を示している。
そして、図9(a)における矩形の網掛け領域は、露光スリット6によって決定されるプレートP上の照明領域Sを示しており、例えば時刻T1では、プレートP上の位置P10乃至P14が照明されることを意味している。
すなわち、図9(a)及び(b)は、本実施形態に係る露光方法での第一走査露光において時間が時刻T1から時刻T9に変化するにつれて、プレートP上の照明領域Sの照度が100から0に低下していく様子を示している。より具体的には、本実施形態に係る露光方法での第一走査露光では、時刻T1から時刻T5までプレートP上の照明領域Sの照度が100で維持された後、時刻T5から時刻T9にかけて、非線形的に100から0に低下している(単調変化する、単調減少する)。
なおここで、プレートP上の照度は正規化されており、時刻T1より前の時刻では、プレートP上の照明領域Sの照度は100で固定されている一方で、時刻T9より後の時刻では、プレートP上の照明領域Sの照度は0で固定されているとする。
そして、本実施形態に係る露光方法では、第一走査露光として図9(a)に示されるようにプレートPを+y方向に走査することにより、プレートP上の位置P1乃至P15それぞれにおける積算露光量は、互いに異なることとなる。
例えば、位置P6に着目すると、位置P6は、時刻T5において露光スリット6による照明領域Sに進入し、時刻T9において露光スリット6による照明領域Sから退出する。
従って、時刻T1乃至T9それぞれでの位置P6における照度は、以下の表5のように表され、時刻T1から時刻T9までの位置P6における積算露光量は、100+95+60+20=275となる。
Figure 2021056472
一方、位置P10に着目すると、位置P10は、時刻T1には照明領域S内にあり、時刻T5において露光スリット6による照明領域Sから退出する。
従って、時刻T1乃至T9それぞれでの位置P10における照度は、上記の表5のように表され、時刻T1から時刻T9までの位置P10における積算露光量は、100+100+100+100+100=500となる。
また、位置P2に着目すると、時刻T9において露光スリット6による照明領域Sに進入するが、時刻T9では照明領域Sの照度が0まで減衰しているため、時刻T1から時刻T9までの位置P2における積算露光量は0となる。
上記の要領で、第一走査露光において時刻T1から時刻T9までの位置P1乃至P15それぞれにおける積算露光量を計算し、変化曲線として図示したものが図9(c)に示されている。
なお、図9(c)には、プレートP上における繋ぎ領域Cも示されている。すなわち、繋ぎ領域Cは、第1のショット領域80の繋ぎ領域80a及び第2のショット領域90の繋ぎ領域90aに対応する。
本実施形態に係る露光方法では、繋ぎ領域Cは、位置P2と位置P10との間であり、繋ぎ領域C内の位置では、第一走査露光及び第二走査露光それぞれにおいて、積算露光量は0より大きく500より小さい値となる。
本実施形態に係る露光方法では、上記に示した第一走査露光に加えて、以下に示すような第二走査露光を行う。
図10(a)及び(b)はそれぞれ、本実施形態に係る露光方法における第二走査露光の様子及びその際の照度の時間変化を示している。
図10(a)及び(b)において、P1、P2、…、P15はそれぞれ、プレートP上のy方向(走査方向)における所定の位置を示しており、T1’、T2’、…、T9’はそれぞれ、第二走査露光における所定の時刻を示している。
そして、図10(a)における矩形の網掛け領域は、露光スリット6によって決定されるプレートP上の照明領域Sを示しており、例えば時刻T1’では、プレートP上の位置P1及びP2が照明されることを意味している。
すなわち、図10(a)及び(b)は、本実施形態に係る露光方法での第二走査露光において時間が時刻T1’から時刻T9’に変化するにつれて、プレートP上の照明領域Sの照度が100から0に低下していく様子を示している。より具体的には、本実施形態に係る露光方法での第二走査露光では、時刻T1’から時刻T5’までプレートP上の照明領域Sの照度が100で維持された後、時刻T5’から時刻T9’にかけて、非線形的に100から0に低下している。
なおここで、プレートP上の照度は正規化されており、時刻T1’より前の時刻では、プレートP上の照明領域Sの照度は100で固定されている一方で、時刻T9’より後の時刻では、プレートP上の照明領域Sの照度は0で固定されているとする。
第二走査露光では、図10(a)に示されるように、時刻T1’から時刻T9’にかけてプレートPを第一走査露光とは逆の−y方向に走査する。
そのとき、位置P6に着目すると、位置P6は、時刻T5’において露光スリット6による照明領域Sに進入し、時刻T9’において露光スリット6による照明領域Sから退出する。
従って、時刻T1’乃至T9’それぞれでの位置P6における照度は、以下の表6のように表され、時刻T1’から時刻T9’までの位置P6における積算露光量は、100+95+60+20=275となる。
Figure 2021056472
一方、位置P10に着目すると、時刻T9’において露光スリット6による照明領域Sに進入するが、時刻T9’では照明領域Sの照度が0まで減衰しているため、時刻T1’から時刻T9’までの位置P10における積算露光量は0となる。
そして、位置P2に着目すると、位置P2は、時刻T1’には照明領域S内にあり、時刻T5’において露光スリット6による照明領域Sから退出する。
従って、時刻T1’乃至T9’それぞれでの位置P2における照度は、上記の表6のように表され、時刻T1’から時刻T9’までの位置P2における積算露光量は、100+100+100+100+100=500となる。
上記の要領で、第二走査露光において時刻T1’から時刻T9’までの位置P1乃至P15それぞれにおける積算露光量を計算し、変化曲線として図示したものが図9(c)に示されている。
そして、第一走査露光及び第二走査露光それぞれの積算露光量の合算も図9(c)に示されている。
第一乃至第三実施形態に係る露光方法では、プレートP上の照度を、直線状、すなわち線形的に100から0まで減少させていた。
その結果、第一走査露光及び第二走査露光の往復2回の走査露光による積算露光量は、繋ぎ領域Cとそれ以外の非繋ぎ領域とで互いに等しくしている。
これに対して、本実施形態に係る露光方法では、プレートP上の照度を、曲線状、すなわち非線形的に100から0まで減少させている。
例えば、照度が変化している間の時刻T7におけるプレートP上の照明領域Sの照度は、第一乃至第三実施形態に係る露光方法では50であったのに対し、本実施形態に係る露光方法では60と大きくなっている。
その結果、図9(c)に示されているように、本実施形態に係る露光方法による繋ぎ領域Cの積算露光量は、第一乃至第三実施形態に係る露光方法の場合と比べて増加している。
そのため、本実施形態に係る露光方法では、繋ぎ領域Cの積算露光量がそれ以外の非繋ぎ領域の積算露光量に比べて大きくなる。
これは、以下の理由によるためである。すなわち、マスクM上のパターンが転写されるプレートP上の感光性レジストには、複数回にわたって露光されると、後の各露光において積算露光量が一回露光と同じであっても、実際の感光量は小さくなる化学特性を有するものがある。
換言すると、マスクM上のパターンが転写されるプレートP上の感光性レジストには、一回露光されると、その後の露光に対する敏感度が小さくなる化学特性を有するものがある。
本実施形態に係る露光方法では、上記のように繋ぎ領域C以外の非繋ぎ領域では露光は1回のみ行われるのに対して、繋ぎ領域Cの露光は往復2回行われる。
そのため、そのような感光性レジストを用いた場合には、繋ぎ領域Cとそれ以外の非繋ぎ領域とで露光線幅が互いに異なってしまう。
そこで、本実施形態に係る露光方法では、図9(c)に示されているように、意図的に繋ぎ領域Cの積算露光量を非繋ぎ領域よりも大きくする事によって、繋ぎ領域と非繋ぎ領域とで露光線幅を互いに等しくする事ができる。
なお第二走査露光では、上記に限らず、照度を0から100まで非線形的に増加させながらプレートPを第一走査露光と同じ+y方向に走査することによっても、同様の積算露光量分布を得ることができる。
以上のように、本実施形態に係る露光方法においても、高精度に複数のショット領域を繋ぎ合わせると共に、用いる装置も小型化することができる。
[第六実施形態]
図11(a)及び(b)はそれぞれ、第六実施形態に係る露光方法における第一走査露光の様子及びその際の照度の時間変化を示している。また、図11(c)は、第六実施形態に係る露光方法の第一走査露光及び第二走査露光それぞれにおける積算露光量分布及びそれらの合算を示している。
なお、本実施形態に係る露光方法に用いられる露光装置は、第一乃至第三実施形態のいずれかに係る露光方法に用いられる露光装置と同一の構成であるため、同一の部材には同一の符番を付して、説明を省略する。
図11(a)乃至(c)において、P1、P2、…、P15はそれぞれ、プレートP上のy方向(走査方向)における所定の位置を示しており、T1、T2、…、T9はそれぞれ、第一走査露光における所定の時刻を示している。
そして、図11(a)における矩形の網掛け領域は、露光スリット6によって決定されるプレートP上の照明領域Sを示しており、例えば時刻T1では、プレートP上の位置P10乃至P14が照明されることを意味している。
すなわち、図11(a)及び(b)は、本実施形態に係る露光方法での第一走査露光において時間が時刻T1から時刻T9に変化するにつれて、プレートP上の照明領域Sの照度が100から0に低下していく様子を示している。より具体的には、本実施形態に係る露光方法での第一走査露光では、時刻T1から時刻T6までプレートP上の照明領域Sの照度が100で維持された後、時刻T6から時刻T8にかけて、線形的に100から0に低下している(単調変化する、単調減少する)。
なおここで、プレートP上の照度は正規化されており、時刻T1より前の時刻では、プレートP上の照明領域Sの照度は100で固定されている一方で、時刻T8より後の時刻では、プレートP上の照明領域Sの照度は0で固定されているとする。
そして、本実施形態に係る露光方法では、第一走査露光として図11(a)に示されるようにプレートPを+y方向に走査することにより、プレートP上の位置P1乃至P15の少なくとも一部における積算露光量は、互いに異なることとなる。
例えば、位置P6に着目すると、位置P6は、時刻T5において露光スリット6による照明領域Sに進入し、時刻T9において露光スリット6による照明領域Sから退出する。
従って、時刻T1乃至T9それぞれでの位置P6における照度は、以下の表7のように表され、時刻T1から時刻T9までの位置P6における積算露光量は、100+100+50=250となる。
Figure 2021056472
一方、位置P10に着目すると、位置P10は、時刻T1には照明領域S内にあり、時刻T5において露光スリット6による照明領域Sから退出する。
従って、時刻T1乃至T9それぞれでの位置P10における照度は、上記の表7のように表され、時刻T1から時刻T9までの位置P10における積算露光量は、100+100+100+100+100=500となる。
また、位置P2に着目すると、時刻T9において露光スリット6による照明領域Sに進入するが、時刻T9では照明領域Sの照度が0まで減衰しているため、時刻T1から時刻T9までの位置P2における積算露光量は0となる。
上記の要領で、第一走査露光において時刻T1から時刻T9までの位置P1乃至P15それぞれにおける積算露光量を計算し、変化曲線として図示したものが図11(c)に示されている。
なお、図11(c)には、プレートP上における繋ぎ領域Cも示されている。すなわち、繋ぎ領域Cは、第1のショット領域80の繋ぎ領域80a及び第2のショット領域90の繋ぎ領域90aに対応する。
本実施形態に係る露光方法では、繋ぎ領域Cは、位置P3と位置P9との間であり、繋ぎ領域C内の位置では、第一走査露光及び第二走査露光それぞれにおいて、積算露光量は0より大きく500より小さい値となる。
本実施形態に係る露光方法では、上記に示した第一走査露光に加えて、以下に示すような第二走査露光を行う。
図12(a)及び(b)はそれぞれ、本実施形態に係る露光方法における第二走査露光の様子及びその際の照度の時間変化を示している。
図12(a)及び(b)において、P1、P2、…、P15はそれぞれ、プレートP上のy方向(走査方向)における所定の位置を示しており、T1’、T2’、…、T9’はそれぞれ、第二走査露光における所定の時刻を示している。
そして、図12(a)における矩形の網掛け領域は、露光スリット6によって決定されるプレートP上の照明領域Sを示しており、例えば時刻T1’では、プレートP上の位置P1及びP2が照明されることを意味している。
すなわち、図12(a)及び(b)は、本実施形態に係る露光方法での第二走査露光において時間が時刻T1’から時刻T9’に変化するにつれて、プレートP上の照明領域Sの照度が100から0に低下していく様子を示している。より具体的には、本実施形態に係る露光方法での第二走査露光では、時刻T1’から時刻T6’までプレートP上の照明領域Sの照度が100で維持された後、時刻T6’から時刻T8’にかけて、線形的に100から0に低下している。
なおここで、プレートP上の照度は正規化されており、時刻T1’より前の時刻では、プレートP上の照明領域Sの照度は100で固定されている一方で、時刻T8’より後の時刻では、プレートP上の照明領域Sの照度は0で固定されているとする。
第二走査露光では、図12(a)に示されるように、時刻T1’から時刻T9’にかけてプレートPを第一走査露光とは逆の−y方向に走査する。
そのとき、位置P6に着目すると、位置P6は、時刻T5’において露光スリット6による照明領域Sに進入し、時刻T9’において露光スリット6による照明領域Sから退出する。
従って、時刻T1’乃至T9’それぞれでの位置P6における照度は、以下の表8のように表され、時刻T1’から時刻T9’までの位置P6における積算露光量は、100+100+50=250となる。
Figure 2021056472
一方、位置P10に着目すると、時刻T9’において露光スリット6による照明領域Sに進入するが、時刻T9’では照明領域Sの照度が0まで減衰しているため、時刻T1’から時刻T9’までの位置P10における積算露光量は0となる。
そして、位置P2に着目すると、位置P2は、時刻T1’には照明領域S内にあり、時刻T5’において露光スリット6による照明領域Sから退出する。
従って、時刻T1’乃至T9’それぞれでの位置P2における照度は、上記の表8のように表され、時刻T1’から時刻T9’までの位置P2における積算露光量は、100+100+100+100+100=500となる。
上記の要領で、第二走査露光において時刻T1’から時刻T9’までの位置P1乃至P15それぞれにおける積算露光量を計算し、変化曲線として図示したものが図11(c)に示されている。
そして、第一走査露光及び第二走査露光それぞれの積算露光量の合算も図11(c)に示されている。
第一乃至第三実施形態に係る露光方法での第一走査露光では、時刻T1から時刻T5までプレートP上の照明領域Sの照度が100で維持された後、時刻T5から時刻T9にかけて、100から0に低下させている。
その結果、第一乃至第三実施形態に係る露光方法では、走査方向においてプレートP上の位置P2と位置P10との間の領域を繋ぎ領域Cとして設ける必要があった。
これに対して、本実施形態に係る露光方法での第一走査露光では、時刻T1から時刻T6までプレートP上の照明領域Sの照度が100で維持された後、時刻T6から時刻T8にかけて、100から0に低下させている。
そのため、本実施形態に係る露光方法では、走査方向においてプレートP上の位置P3と位置P9との間の領域を繋ぎ領域Cとして設ければよい。
このように、本実施形態に係る露光方法では、繋ぎ領域Cの大きさ、具体的には走査方向における繋ぎ幅を短くすることができる。
もちろん、本実施形態に係る露光方法では、繋ぎ領域Cの走査方向における繋ぎ幅を長くすることもでき、すなわち所望に応じて変更することができる。
例えば、本実施形態に係る露光方法では、走査露光時に発生するステージの移動誤差等の影響を平均化して低減するために、繋ぎ幅を長くする事が可能である。
一方、本実施形態に係る露光方法では、繋ぎに要する露光時間を短縮するために、繋ぎ幅を短くすることによって、ステージが走行する全体距離を短縮する事も可能である。これにより、繋ぎ露光時のプレートの処理時間(タクト)を短縮することができ、製造工程の効率化、すなわち高スループット化をもたらすことができる。
以上のように、本実施形態に係る露光方法では、照度を減少させる工程の開始から終了までの所要時間を変更することによって繋ぎ領域Cの幅を変更することができる。それにより、高精度に複数のショット領域を繋ぎ合わせると共に、用いる装置も小型化することができる。
以上、好ましい実施形態について説明したが、これらの実施形態に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
[物品の製造方法]
次に、第一乃至第六実施形態のいずれかに係る露光方法を用いた物品の製造方法について説明する。
物品は、半導体デバイス、表示デバイス、カラーフィルタ、光学部品、MEMS等である。
例えば、半導体デバイスは、プレートに回路パターンを作るための前工程と、前工程で作られた回路チップを製品として完成させるための、加工工程を含む後工程とを経ることにより製造される。
前工程は、第一乃至第六実施形態のいずれかに係る露光方法を使用して感光剤が塗布されたプレートを露光する露光工程と、感光剤を現像する現像工程とを含む。
現像された感光剤のパターンをマスクとしてエッチング工程やイオン注入工程等が行われ、プレート上に回路パターンが形成される。
これらの露光、現像、エッチング等の工程を繰り返して、プレート上に複数の層からなる回路パターンが形成される。
後工程で、回路パターンが形成されたプレートに対してダイシングを行い、チップのマウンティング、ボンディング、検査工程を行う。
表示デバイスは、透明電極を形成する工程を経ることにより製造される。透明電極を形成する工程は、透明導電膜が蒸着されたガラスプレートに感光剤を塗布する工程と、第一乃至第六実施形態のいずれかに係る露光方法を使用して感光剤が塗布されたガラスプレートを露光する工程と、露光された感光剤を現像する工程とを含む。
本実施形態に係る物品の製造方法によれば、従来よりも高品位且つ高生産性の物品を製造することができる。
80 第1のショット領域
80a 繋ぎ領域(第1の繋ぎ領域)
80b 非繋ぎ領域(第1の非繋ぎ領域)
90 第2のショット領域
90a 繋ぎ領域(第2の繋ぎ領域)
90b 非繋ぎ領域(第2の非繋ぎ領域)
M マスク(原版)
P プレート(基板)

Claims (17)

  1. 原版及び基板を走査方向に走査しながら、前記原版に描画されたパターンを前記基板に転写するように前記基板を露光する露光方法であって、
    前記基板上の第1のショット領域に含まれる第1の繋ぎ領域が照明領域を通過する際の所定の時間における該照明領域の照度が、前記第1のショット領域に含まれる第1の非繋ぎ領域が前記照明領域を通過する際の前記照度とは異なるように、前記第1のショット領域を露光する工程と、
    前記第1のショット領域に対して前記走査方向に配列される第2のショット領域に含まれると共に前記第1の繋ぎ領域に重なる第2の繋ぎ領域が前記照明領域を通過する際の所定の時間における前記照度が、前記第2のショット領域に含まれる第2の非繋ぎ領域が前記照明領域を通過する際の前記照度とは異なるように、前記第2のショット領域を露光する工程と、
    を含むことを特徴とする露光方法。
  2. 前記第1のショット領域を露光する工程は、前記基板を前記走査方向の第1の向きに移動させながら前記第1の繋ぎ領域が前記照明領域を通過する際に、前記照度を単調変化させる工程を含み、
    前記第2のショット領域を露光する工程は、前記基板を前記第1の向きとは逆向きに移動させながら前記第2の繋ぎ領域が前記照明領域を通過する際に、前記照度を単調変化させる工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の露光方法。
  3. 前記照度を単調変化させる工程は、前記照度を線形的に単調減少させる工程を含むことを特徴とする請求項2に記載の露光方法。
  4. 前記第1の非繋ぎ領域及び前記第2の非繋ぎ領域それぞれの積算露光量と前記第1の繋ぎ領域及び前記第2の繋ぎ領域それぞれの積算露光量の和とは、互いに等しいことを特徴とする請求項3に記載の露光方法。
  5. 前記照度を単調変化させる工程は、前記照度を非線形的に単調減少させる工程を含むことを特徴とする請求項2に記載の露光方法。
  6. 前記第1の非繋ぎ領域及び前記第2の非繋ぎ領域それぞれの積算露光量と前記第1の繋ぎ領域及び前記第2の繋ぎ領域それぞれの積算露光量の和とは、互いに異なることを特徴とする請求項5に記載の露光方法。
  7. 前記照度を単調変化させる工程の開始から終了までの所要時間を変更することができることを特徴とする請求項2乃至6のいずれか一項に記載の露光方法。
  8. 前記第1の繋ぎ領域及び前記第2の繋ぎ領域の前記走査方向における幅を変更することができることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の露光方法。
  9. 前記第1のショット領域を露光する工程は、前記第1の繋ぎ領域が前記照明領域を通過する際に、光源の発光量を変化させる工程を含み、
    前記第2のショット領域を露光する工程は、前記第2の繋ぎ領域が前記照明領域を通過する際に、前記光源の発光量を変化させる工程を含むことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の露光方法。
  10. 前記光源は、複数の固体発光素子を備えることを特徴とする請求項9に記載の露光方法。
  11. 前記光源の発光量を変化させる工程は、前記複数の固体発光素子のうちの少なくとも一部の固体発光素子の発光量を変更する工程を含むことを特徴とする請求項10に記載の露光方法。
  12. 前記光源の発光量を変化させる工程は、前記複数の固体発光素子のうちの少なくとも一部の固体発光素子を発光させない工程を含むことを特徴とする請求項10または11に記載の露光方法。
  13. 前記第1のショット領域を露光する工程は、前記第1の繋ぎ領域が前記照明領域を通過する際に、光源とインテグレーターとの間に設けられる減光部材を駆動する工程を含み、
    前記第2のショット領域を露光する工程は、前記第2の繋ぎ領域が前記照明領域を通過する際に、前記減光部材を駆動する工程を含むことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の露光方法。
  14. 前記減光部材は、虹彩絞りであることを特徴とする請求項13に記載の露光方法。
  15. 前記減光部材は、遮光ブレードが直線移動する絞りであることを特徴とする請求項13に記載の露光方法。
  16. 請求項1乃至15のいずれか一項に記載の露光方法によって前記基板を露光する工程と、
    露光された前記基板を現像する工程と、
    現像された前記基板を加工して物品を得る工程と、
    を有することを特徴とする物品の製造方法。
  17. 原版及び基板を走査方向に走査しながら、前記原版に描画されたパターンを前記基板に転写するように前記基板を露光する露光装置であって、
    照明領域を照明する照明ユニットと、
    載置される前記原版を移動させる原版ステージと、
    載置される前記基板を移動させる基板ステージと、
    前記基板上の前記走査方向に沿って配列される第1のショット領域及び第2のショット領域を露光する際に、前記第1のショット領域に含まれる第1の繋ぎ領域が前記照明領域を通過する際の所定の時間における前記照明領域の照度が、前記第1のショット領域に含まれる第1の非繋ぎ領域が前記照明領域を通過する際の前記照度とは異なり、且つ、前記第2のショット領域に含まれると共に前記第1の繋ぎ領域に重なる第2の繋ぎ領域が前記照明領域を通過する際の所定の時間における前記照度が、前記第2のショット領域に含まれる第2の非繋ぎ領域が前記照明領域を通過する際の前記照度とは異なるように、前記照明ユニット、前記原版ステージ及び前記基板ステージを制御する制御部と、
    を備えることを特徴とする露光装置。
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