JP2021054172A - パワーユニットマウント装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来のパワーユニットマウント装置では、バネ定数kを電子制御することで、その制御が煩雑となり、製造コストが増大するという課題がある。【解決手段】本発明のパワーユニットマウント装置10は、その弾性部材として、ゴム等から形成される弾性部21と、温度に応じてその弾性係数を可変とする弾性プレート27と、を有している。この構造により、パワーユニットマウント装置10による仮想の弾性中心33を調整することで、車両11の振動等を抑え、車両11の乗員の快適性や車両11の操舵安定性等を実現できる。【選択図】図4

Description

本発明は、パワーユニットマウント装置に関し、特に、温度により弾性係数が可変する弾性プレートを弾性部内に配設し、仮想の弾性中心をパワーユニットの慣性主軸に対して所望の位置へと変化させることで、マウント特性を向上させるパワーユニットマウント装置に関する。
従来のパワーユニットマウント装置100として、図6に示す構造が知られている。図6は、従来におけるパワーユニットマウント装置100を説明する断面図である。
図6に示す如く、パワーユニットマウント装置100は、クロスメンバ101とパワーユニット109との間に配設されている。パワーユニットマウント装置100は、ゴム等からなる弾性部材102を有し、パワーユニット109を弾性的に支持している。そして、弾性部材102とクロスメンバ101との間には、弾性部材102を加熱若しくは冷却する熱電モジュール103が配設されている。
熱電モジュール103は、例えば、ペルチェ素子104から構成される略板状のサーモモジュールである。そして、熱電モジュール103は、主に、アルミニウム等の良熱伝導性の金属板等から構成される伝熱板105,106と、上記伝熱板105,106の間に挟まれるペルチェ素子104と、を有している。
図示したように、パワーユニットマウント装置100は、熱電モジュール103により弾性部材102を加熱若しくは冷却する制御手段としてのコントロールユニット107を有している。そして、コントロールユニット107は、弾性部材102に設置された温度センサ108からの測定値に応じて、弾性部材102の温度を高精度に制御し、弾性部材102のバネ定数kを好適に制御している(例えば、特許文献1参照。)。
特開2017−122484号公報
上述したように、弾性部材102を構成するゴムは、周囲から受熱することでの温度変化やエンジン等から振動が加わることで、バネ定数kが変化し、弾性部材102の仮想の弾性中心の位置が変化することで、防振効果が悪化し、あるいは、車両の走行性能や走行安定性に影響を与える。特に、パワーユニットマウント装置100が、液封マウントから構成される場合には、上記弾性中心の位置の変化が大きく、防振効果の悪化等を招いてしまう。
そこで、従来のパワーユニットマウント装置100では、上記バネ定数kの変化を抑制し、高精度に制御するため、熱電モジュール103により弾性部材102を加熱若しくは冷却する制御手段としてのコントロールユニット107を有している。
しかしながら、パワーユニットマウント装置100では、コントロールユニット107を用いて、弾性部材102の温度を高精度に制御するため、その制御方法が煩雑化するという課題がある。更には、パワーユニットマウント装置100の部品点数が増加することで、パワーユニットマウント装置100が大型化し、製造コストを低減し難いという課題がある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、温度により弾性係数が可変する弾性プレートを弾性部内に配設し、仮想の弾性中心をパワーユニットの慣性主軸に対して所望の位置へと変化させることで、マウント特性を向上させるパワーユニットマウント装置を提供することにある。
本発明の請求項1に記載のパワーユニットマウント装置では、車両の支持部材に取り付けられ、前記車両のパワーユニットを支持するパワーユニットマウント装置であって、前記支持部材と前記パワーユニットとの間に配設される一対の弾性部と、前記弾性部を前記パワーユニットに取り付ける第1の取り付け部と、前記弾性部を前記支持部材に取り付ける第2の取り付け部と、前記第1の取り付け部と前記第2の取り付け部との間の前記弾性部内に配設され、温度によりその弾性係数が可変する弾性プレートと、前記弾性プレートを加熱する加熱手段と、を有し、前記弾性プレートは、前記加熱手段を介して受熱し、前記弾性係数を可変することで、前記弾性部から形成される仮想の弾性中心は、前記パワーユニットの慣性主軸を通る中心線に沿って前記パワーユニットの上下方向に可変することを特徴とする。
また、本発明の請求項2に記載のパワーユニットマウント装置では、前記加熱手段は、前記弾性プレートと当接して配設される電熱線であることを特徴とする。
また、本発明の請求項3に記載のパワーユニットマウント装置では、前記加熱手段は、前記弾性プレートと直列接続する電流印加装置であることを特徴とする。
また、本発明の請求項4に記載のパワーユニットマウント装置では、車両の支持部材に取り付けられ、前記車両のパワーユニットを支持するパワーユニットマウント装置であって、前記支持部材と前記パワーユニットとの間に配設される一対の弾性部と、前記弾性部を前記パワーユニットに取り付ける第1の取り付け部と、前記弾性部を前記支持部材に取り付ける第2の取り付け部と、前記第1の取り付け部と前記第2の取り付け部との間の前記弾性部内に配設され、温度によりその弾性係数が可変する弾性プレートと、を有し、前記弾性部は、前記パワーユニットに配設されるエンジンの下方または前記エンジンの近傍に配設され、前記弾性プレートは、前記エンジンから発せられる熱を受熱し、前記弾性係数を可変することで、前記弾性部から形成される仮想の弾性中心は、前記パワーユニットの慣性主軸を通る中心線に沿って前記パワーユニットの上下方向に可変することを特徴とする。
また、本発明の請求項5に記載のパワーユニットマウント装置では、前記弾性部の周囲に延在する受熱用金属プレートと、を更に有し、前記受熱用金属プレートは、前記弾性部の周囲まで延在した前記弾性プレートまたは前記弾性プレートに連結する金属板であることを特徴とする。
また、本発明の請求項6に記載のパワーユニットマウント装置では、前記弾性プレートは、スリット状の開口部を有し、前記開口部では、前記弾性部が繋がっていることを特徴とする。
また、本発明の請求項7に記載のパワーユニットマウント装置では、前記弾性プレートは、形状記憶合金から形成されていることを特徴とする。
本発明の請求項1に記載のパワーユニットマウント装置は、その弾性部材として、ゴム等から形成される弾性部と、温度により弾性係数を可変とする弾性プレートと、を有している。そして、車両の状況に応じて、パワーユニットマウント装置全体のバネ定数を可変とし、パワーユニットマウント装置による仮想の弾性中心を調整することで、車両の振動等を抑え、車両の乗員の快適性や車両の操舵安定性等を実現できる。
また、本発明の請求項2に記載のパワーユニットマウント装置では、電熱線が、弾性プレートと当接して配設されることで、所望のタイミングにて、弾性プレートを加熱し、パワーユニットマウント装置全体のバネ定数を可変とすることができる。
また、本発明の請求項3に記載のパワーユニットマウント装置では、電流印加装置が、弾性プレートと直列接続することで、弾性プレートに電流を流し、所望のタイミングにて、弾性プレートを加熱し、パワーユニットマウント装置全体のバネ定数を可変とすることができる。
また、本発明の請求項4に記載のパワーユニットマウント装置は、その弾性部材として、ゴム等から形成される弾性部と、温度により弾性係数を可変とする弾性プレートと、を有している。そして、パワーユニットマウント装置が、熱源であるエンジンの下方またはその近傍に配設されることで、車両の状況に応じて、パワーユニットマウント装置全体のバネ定数を可変とし、パワーユニットマウント装置による仮想の弾性中心を調整することができる。
また、本発明の請求項5に記載のパワーユニットマウント装置では、受熱用金属プレートが、弾性プレートの周囲に配設されることで、弾性プレートの受熱効率が向上し、パワーユニットマウント装置全体のバネ定数を可変とすることができる。
また、本発明の請求項6に記載のパワーユニットマウント装置では、弾性プレートに開口部を形成することで、パワーユニットマウント装置全体のバネ定数を調整することができる。
また、本発明の請求項7に記載のパワーユニットマウント装置では、弾性プレートが、形状記憶合金から形成されることで、弾性プレートの受熱状況に応じて、パワーユニットマウント装置全体のバネ定数を可変とすることができる。
本発明の実施形態のパワーユニットマウント装置を備えた車両を説明する(A)正面図、(B)側面図である。 本発明の実施形態のパワーユニットマウント装置を説明する側面図である。 本発明の実施形態のパワーユニットマウント装置を説明する(A)断面図、(B)断面図、(C)上面図である。 本発明の実施形態のパワーユニットマウント装置を説明する模式図である。 本発明の実施形態のパワーユニットマウント装置を説明する(A)上面図、(B)上面図である。 従来におけるパワーユニットマウント装置を説明する断面図である。
以下、本発明の一実施形態に係るパワーユニットマウント装置10を図面に基づき詳細に説明する。尚、本実施形態の説明の際には、同一の部材には原則として同一の符番を用い、繰り返しの説明は省略する。また、以下の説明では、上下方向は車両11の高さ方向を示し、左右方向は車両11を前方から見た横幅方向を示し、前後方向は車両11の長さ方向を示している。
図1(A)は、本実施形態のパワーユニットマウント装置10を備える車両11を説明する正面図である。図1(B)は、本実施形態のパワーユニットマウント装置10を備える車両11を説明する側面図である。図2は、本実施形態のパワーユニットマウント装置10を説明する側面図である。図3(A)は、本実施形態のパワーユニットマウント装置10を説明する断面図であり、図2に示すパワーユニットマウント装置10のA−A線方向の断面を示している。図3(B)は、本実施形態のパワーユニットマウント装置10の受熱用金属プレート42を説明する断面図である。図3(C)は、本実施形態のパワーユニットマウント装置10の弾性プレート27を説明する上面図である。
図1(A)及び図1(B)に示す如く、車両11は、例えば、自動車であり、パワーユニット12は、車両11を走行させるための動力源である。そして、パワーユニット12は、内燃機関等であるエンジン13と、トランスミッション14と、を有し、車両11の前部のエンジンコンパートメント内に配置されている。尚、エンジン13は、例えば、水平対向エンジンであり、クランクシャフト(図示せず)が、車両11の進行方向に対して略平行となる、いわゆる縦置きに搭載されている。
図示したように、車両11の前部の底面近傍には、クロスメンバ15が、車幅方向に延在して配設されている。クロスメンバ15は、車両11の車体の一部を構成する補強部材であり、パワーユニット12を下方から支持する支持部材である。そして、クロスメンバ15の上部には、左右一対の2つのパワーユニットマウント装置10が配設されている。上記2つのパワーユニットマウント装置10は、主に、その上部に配設されるパワーユニット12内のエンジン13を弾性支持している。
つまり、パワーユニットマウント装置10は、クロスメンバ15とパワーユニット12との間に配設され、パワーユニット12を弾性的に支持している。尚、図示したように、パワーユニットマウント装置10は、パワーユニット12の車両11の後方側にも配設されている。そして、上記パワーユニットマウント装置10は、主に、パワーユニット12内のトランスミッション14を弾性支持している。
図2に示す如く、パワーユニットマウント装置10は、主に、ゴム等からなる弾性部21と、弾性部21の上部に接合するブラケット22と、弾性部21の下部に接合し、弾性部21を支持するブラケット23と、を有している。そして、ブラケット22,23は、鋼板等から形成され、ブラケット23は、ボルト24及びナット25を介してクロスメンバ15に締結固定されている。同様に、ブラケット22は、ボルト26及びナット(図示せず)を介してパワーユニット12に締結固定されている。尚、ブラケット22は、本発明の第1の取り付け部に対応し、ブラケット23は、本発明の第2の取り付け部に対応している。
また、弾性プレート27が、ブラケット22,23の中間部であり、ブラケット22,23と略平行となるように弾性部21内に配設されている。弾性プレート27は、例えば、チタンーニッケル系の合金等の形状記憶合金から形成され、弾性部21の周囲等から受熱することで、その弾性係数を可変する材料である。尚、弾性部21は、例えば、天然ゴムにスチレンブタジエンゴムやブチルゴム等の合成ゴムを所定の割合にて配合して形成されている。
上述したように、パワーユニットマウント装置10は、弾性部材として、弾性部21と弾性プレート27とを有し、クロスメンバ15とパワーユニット12との間に配設されている。そして、ブラケット22,23は、それぞれパワーユニット12またはクロスメンバ15と締結固定されている。この構造により、パワーユニット12からパワーユニットマウント装置10へと入力される振動は、弾性部21や弾性プレート27を介して防振されると共に減衰される。そして、上記振動が車体へと伝達され、車両11の乗員に不快感を与えることが防止されると共に、車両11の操舵安定性等の走行性能を向上させることができる。
図3(A)に示す如く、弾性プレート27は、弾性部21の高さ方向(紙面上下方向)の略中心部に配設され、弾性部21は、高さ方向に2等分されている。そして、弾性プレート27の大部分は、弾性部21内に配置され、弾性プレート27の表裏面は、弾性部21と当接している。この構造により、弾性プレート27の温度は、弾性部21の温度状態に依存し易くなる。
ここで、図1(A)及び図1(B)に示すように、車両11前方の左右一対のパワーユニットマウント装置10は、パワーユニット12内のエンジン13の下方またはその近傍に配設されている。そして、弾性部21は、ブラケット22と接続し、そのブラケット22はパワーユニット12と接続している。この構造により、エンジン13から発せられる熱は、鋼材から形成され熱伝導に優れたパワーユニット12及びブラケット22を介して弾性部21及び弾性プレート27へと伝熱され易くなる。
更には、図3(B)に示す如く、弾性プレート27の周縁部に対して接続される受熱用金属プレート42が形成される構造でも良い。受熱用金属プレート42は、例えば、アルミニウム等の良熱伝導性の金属板等から構成され、熱の発生源であるエンジン13やパワーユニット12と近づくように形成されている。そして、受熱用金属プレート42は、例えば、受信アンテナのように、パワーユニットマウント装置10の周囲に一環状に配設されることで、受熱効率が向上される。尚、受熱用金属プレート42は、パワーユニット12からの熱だけでなく、エンジンルーム(図示せず)内の熱も受熱することができる。また、受熱用金属プレート42は、弾性プレート42が延在し、一体構造として形成される場合でも良い。
上述したように、弾性プレート27は、形状記憶合金から形成されている。そして、車両11の始動開始前等、パワーユニット12内のエンジン13(図1(B)参照)の冷態時には、弾性プレート27は低温状態となることで、その弾性係数は小さくなり、弾性プレート27は柔らかい状態となる。一方、車両11の走行時等、パワーユニット12内のエンジン13の高温時には、弾性プレート27は高温状態となることで、その弾性係数は大きくなり、弾性プレート27は硬い状態となる。
この構造により、弾性プレート27が、エンジン13から発せられる熱を受熱することで、パワーユニットマウント装置10では、弾性部21及び弾性プレート27から構成される全体のバネ定数kが可変となる。そして、エンジン13の冷態時には、弾性プレート27のバネ定数kは小さくなるため、パワーユニットマウント装置10全体のバネ定数kは、主に、弾性部21により定まる。一方、エンジン13の高温時には、弾性プレート27のバネ定数kは大きくなり、パワーユニットマウント装置10全体のバネ定数kは、主に、弾性部21と弾性プレート27とを用いて算出される。
図3(C)に示す如く、弾性プレート27には、1枚の板状体として形成される場合に限定されるものではなく、複数のスリット状の開口部27Aが形成される場合でも良い。そして、開口部27Aの形成領域では、弾性プレート27の上面側の弾性部21と下面側の弾性部21とが繋がった状態となっている。この構造により、開口部27Aの総数や開口面積を調整することで、弾性プレート27のバネ定数kを調整することが可能となる。詳細は後述するが、弾性プレート27は、加熱されることで硬くなり、そのバネ定数kも大きくなるが、左右一対のパワーユニットマウント装置10の仮想の弾性中心33との兼ね合いから、種々の設計変更が可能である。
次に、図4を用いて、左右一対のパワーユニットマウント装置10の仮想の弾性中心33が、パワーユニット12の慣性主軸35に対して可変する状況を説明する。図4は、本実施形態のパワーユニットマウント装置10とパワーユニット12との位置関係を示す模式図である。
図4に示す如く、車両11の前方に位置する左右一対のパワーユニットマウント装置10は、エンジン13(図1(B)参照)の配設領域のパワーユニット12の下方に斜めに傾斜した状態にて配設されている。つまり、一点鎖線31,32にて示すパワーユニットマウント装置10のそれぞれの弾性中心線の交点となる仮想の弾性中心33が、一点鎖線34にて示すパワーユニット12の慣性主軸35を通る中心線上に位置するように、パワーユニットマウント装置10が、それぞれパワーユニット12の下面に対して傾斜する角度αが設計されている。
ここで、仮想の弾性中心33の位置は、主に、パワーユニットマウント装置10のバネ定数kの圧縮方向成分kp、そのせん断方向成分kq、上記角度α及び一点鎖線34にて示す慣性主軸35の中心線からパワーユニットマウント装置10の中心までの距離bを用いた公知の下記計算式から算出され、決定される。
〔式1〕 H=b(kp−kq)sinαcosα×(kpsin2α+kqcos2α
1/2
尚、距離hは、パワーユニットマウント装置10の中心から慣性主軸35までの距離であり、距離Hは、パワーユニットマウント装置10の中心から仮想の弾性中心33までの距離である。また、慣性主軸35とは、パワーユニット12の固有値である。
図3(A)を用いて上述したように、弾性プレート27は、弾性部21内にパワーユニットマウント装置10の厚み方向に積層して配設され、その温度状態に応じて弾性係数が可変となることで、上記バネ定数kの圧縮方向成分kpは可変となる。一方、上記バネ定数kのせん断方向成分kqは、弾性部21自体の総量は不変のため、若干変化するが、ほぼ一定値として考慮することができる。その結果、バネ定数比kp/kqが可変となることで、上記計算式に基づき、仮想の弾性中心33の位置を移動させることができる。
具体的には、弾性プレート27が低温状態の場合には、その弾性係数は非常に小さくなり、弾性プレート27は柔らかい状態となる。この場合には、パワーユニットマウント装置10全体のバネ定数kは、主に、弾性部21から定まり、その値は小さくなる。その結果、バネ定数比kp/kqが変動し、上記計算式により、仮想の弾性中心33の位置が下方へと移動し、パワーユニット12の慣性主軸35の位置と略一致(距離hと距離Hとが略一致)する。この状態では、パワーユニット12が横方向へと振れ回り難くなり、きれいにロールすることで、車両11の振動を抑えることができる。
上記状況は、例えば、車両11のクランキング時の状況であり、車両11の振動を抑えることで、車両11の乗員に不快感を与えることが防止される。特に、エンジン13の始動直後のアイドリング時には、排ガス対策として触媒を早期に活性化させるため、エンジン13の回転数が高くなり、その振動も大きくなる。このとき、上述したように、バネ定数比kp/kqが調整されることで、パワーユニット12のロールの固有値が調整され、アイドリング時におけるパワーユニット12がエンジン13と共振し難くなり、車両11の振動を抑えることができる。
一方、弾性プレート27が高温状態の場合には、その弾性係数は非常に大きくなり、弾性プレート27は硬い状態となる。この場合には、パワーユニットマウント装置10全体のバネ定数kは、主に、弾性部21と弾性プレート27から定まり、その値は大きくなる。その結果、上記バネ定数比kp/kqが変動し、上記計算式により、仮想の弾性中心33の位置が上方へと移動し、パワーユニット12の慣性主軸35の位置から離間する。この状態は、主に、車両11の走行時の状態であり、仮想の弾性中心33が、パワーユニット12のロールを抑える方向に働き、パワーユニット12のロールを減少させることで、車両11の操舵安定性を高めることができる。
最後に、図5を用いて、弾性プレート27を加熱する加熱手段41について説明する。図5(A)は、本実施形態のパワーユニットマウント装置10の加熱手段41を説明する上面図である。図5(B)は、本実施形態のパワーユニットマウント装置10の加熱手段41を説明する上面図である。
上述したように、パワーユニットマウント装置10は、パワーユニット12内のエンジン13の下方またはその近傍に配設されることで、エンジン13から発せられる熱は、熱伝導に優れたパワーユニット12及びブラケット22を介して弾性部21及び弾性プレート27へと伝熱される。そして、更に、図5(A)及び図5(B)に示す加熱手段41が、パワーユニットマウント装置10に配設されることで、車両11の走行状況等に応じて、積極的に弾性プレート27を加熱することができる。
図5(A)に示す如く、弾性プレート27が、例えば、2枚のプレートの積層構造からなり、その間に電熱線43が配設され、電熱線43が、加熱手段41として用いられる場合でも良い。図示したように、電熱線43が、例えば、弾性プレート27の略全面に均一に当接して配設されることで、弾性プレート27も略均一に加熱され、その弾性係数も略均一にすることができる。尚、電熱線43は、車両11のバッテリ(図示せず)から電力が供給されることで発熱する。
図5(B)に示す如く、弾性プレート27が、電流印加装置44と直列接続され、弾性プレート27に直接電流を流すことで、弾性プレート27を加熱する場合でも良い。この場合には、電流印加装置44が、加熱手段41として用いられる。
上述したように、パワーユニットマウント装置10では、車両11の状況に応じて、弾性プレート27が、エンジン13等の熱を受熱し、その弾性係数を可変とすることで、煩雑な電子制御システムが不要であり、パワーユニットマウント装置10の大型化や製造コストの増大を防止できる。また、加熱手段41を用いて弾性プレート27を加熱する際にも、複雑な制御方法は不要である。
尚、本実施形態では、パワーユニットマウント装置10が、パワーユニット12内のエンジン13の下方またはその近傍に配設される場合について説明したが、その場合に限定するものではない。例えば、車両のエンジンが、レシプロエンジンであり、その構造上、パワーユニットマウント装置10が、上記レシプロエンジンから少し離れた位置に配置される構造においても、パワーユニットマウント装置10に上記加熱手段41を配設することで、上述した効果と同様な効果を得ることができる。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲にて種々の変更が可能である。
10 パワーユニットマウント装置
11 車両
12 パワーユニット
13 エンジン
14 トランスミッション
15 クロスメンバ
21 弾性部
22,23 ブラケット
27 弾性プレート
33 仮想の弾性中心
35 慣性主軸
41 加熱手段
42 受熱用金属プレート
43 電熱線
44 電流印加装置

Claims (7)

  1. 車両の支持部材に取り付けられ、前記車両のパワーユニットを支持するパワーユニットマウント装置であって、
    前記支持部材と前記パワーユニットとの間に配設される一対の弾性部と、
    前記弾性部を前記パワーユニットに取り付ける第1の取り付け部と、
    前記弾性部を前記支持部材に取り付ける第2の取り付け部と、
    前記第1の取り付け部と前記第2の取り付け部との間の前記弾性部内に配設され、温度によりその弾性係数が可変する弾性プレートと、
    前記弾性プレートを加熱する加熱手段と、を有し、
    前記弾性プレートは、前記加熱手段を介して受熱し、前記弾性係数を可変することで、
    前記弾性部から形成される仮想の弾性中心は、前記パワーユニットの慣性主軸を通る中心線に沿って前記パワーユニットの上下方向に可変することを特徴とするパワーユニットマウント装置。
  2. 前記加熱手段は、前記弾性プレートと当接して配設される電熱線であることを特徴とする請求項1に記載のパワーユニットマウント装置。
  3. 前記加熱手段は、前記弾性プレートと直列接続する電流印加装置であることを特徴とする請求項1に記載のパワーユニットマウント装置。
  4. 車両の支持部材に取り付けられ、前記車両のパワーユニットを支持するパワーユニットマウント装置であって、
    前記支持部材と前記パワーユニットとの間に配設される一対の弾性部と、
    前記弾性部を前記パワーユニットに取り付ける第1の取り付け部と、
    前記弾性部を前記支持部材に取り付ける第2の取り付け部と、
    前記第1の取り付け部と前記第2の取り付け部との間の前記弾性部内に配設され、温度によりその弾性係数が可変する弾性プレートと、を有し、
    前記弾性部は、前記パワーユニットに配設されるエンジンの下方または前記エンジンの近傍に配設され、
    前記弾性プレートは、前記エンジンから発せられる熱を受熱し、前記弾性係数を可変することで、
    前記弾性部から形成される仮想の弾性中心は、前記パワーユニットの慣性主軸を通る中心線に沿って前記パワーユニットの上下方向に可変することを特徴とするパワーユニットマウント装置。
  5. 前記弾性部の周囲に延在する受熱用金属プレートと、を更に有し、
    前記受熱用金属プレートは、前記弾性部の周囲まで延在した前記弾性プレートまたは前記弾性プレートに連結する金属板であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のパワーユニットマウント装置。
  6. 前記弾性プレートは、スリット状の開口部を有し、前記開口部では、前記弾性部が繋がっていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のパワーユニットマウント装置。
  7. 前記弾性プレートは、形状記憶合金から形成されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のパワーユニットマウント装置。
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