JP2006283951A - ダイナミックダンパ - Google Patents

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Abstract

【課題】 第1方向における振動と、その第1方向に直交する第2方向における振動とを同時に低減することができるダイナミックダンパを提供すること。
【解決手段】 防振基体4が連結される受面7と支持面10cはX方向に平行なので、ブラケット3に対してマス部材2がX方向へ相対変位させられると、防振基体4には剪断変形が及ぼされる。一方、受面7と支持面10cはY方向に対し傾斜し、Y方向から見たときに受面7と支持面10cが重なり部分Lを有するように防振基体4が連結されるので、ブラケット3に対してマス部材2がY方向へ相対変位させられると、受面7と支持面10cとに連結された防振基体4には圧縮または引張り変形が及ぼされる。その結果、X方向の共振周波数を所定の周波数域にチューニングしつつ、Y方向の共振周波数を、X方向の周波数よりも大きな周波数域にチューニングすることが可能となる。
【選択図】 図2

Description

本発明はダイナミックダンパに関し、特に、第1方向における振動と、その第1方向に直交する第2方向における振動とを同時に低減することができるダイナミックダンパに関するものである。
従来より、車両においては、エンジンや回転軸等から発生する有害振動を低減するために、例えば特許文献1や特許文献2に開示されているように、種々のダイナミックダンパが使用されている。このダイナミックダンパは、問題となる有害振動のピーク周波数に合わせてその共振周波数(固有振動数)をチューニングしておくことにより、その有害振動を効果的に低減できるものである。
近年においては、車両に搭載されるシートは多様化し、また剛性不足等が原因となってシート振動の問題が発生していることから、シートバックにもダイナミックダンパが使用されつつある。
図5はその具体例を示したもので、車両のシート200と、シートバック201に取り付けられたダイナミックダンパ202とを示す図である。ダイナミックダンパ202は、図6に詳しく示しているように質量の大きい1つの塊であるマス部材204と、上下各一対のゴム状弾性体から構成される防振基体206とを有しており、上下各一対の取付部208を有するブラケット210を介して車両のシートバック201に取り付けられるようになっている。なお、マス部材204は、矩形ブロック状のマス金具に薄肉の被覆ゴム層が被着されて構成されている。
特開平11−94015号公報 特開平8−210441号公報
ところで、シートに発生する有害振動は、車両の左右方向(X方向)、前後方向(Y方向)のそれぞれにおいて異なる周波数の有害振動が発生する場合がある。よって、ダイナミックダンパは、車両の左右方向、前後方向のそれぞれについて、問題となる有害振動のピーク周波数に合わせてその共振周波数をチューニングしておくことが望ましい。
このダイナミックダンパの共振周波数fnは、防振基体206の振動方向のばね定数をkとし、マス部材204の質量をmとした場合に、下記の数1に示す数式により基本的に定まる。すなわち、車両の左右方向(X方向)、前後方向(Y方向)のそれぞれの方向における防振基体206のばね定数kを異ならしめることにより、それぞれの方向の共振周波数をチューニングすることができる。
Figure 2006283951
ここで、図5及び図6に示す従来のダイナミックダンパ202においては、マス部材204と取付部208との間におけるXY平面に平行な対向面に、防振基体206が配設されている。その結果、マス部材204がブラケット210に対しX方向に相対変位する場合、およびマス部材204がブラケット210に対しY方向に相対変位する場合、いずれも、防振基体206には剪断方向の弾性変形が及ぼされる。このように、X方向およびY方向が共に防振基体206の剪断方向である場合には、X方向のばね定数kxとY方向のばね定数kyとの間に大きな差を設けることが難しい。
通常、X方向のばね定数kxとY方向のばね定数kyとを異ならしめるために、防振基体206のX方向長さとY方向長さとの間に差を設けることが行われている。しかし、X方向とY方向とが共に剪断方向である場合には、長さに差を設けるだけでは、ばね定数kを大きく異ならしめることができない。その結果、X方向の共振周波数またはY方向の共振周波数のいずれか一方を望ましい周波数にチューニングすることにより、他方の共振周波数のチューニングの自由度が制約される。
また、図5及び図6に示す従来のダイナミックダンパ202において、XY平面に平行な対向面に配設されていた防振基体を、XZ平面に平行な対向面に配設することも考えられる。このようにすれば、マス部材204がブラケット210に対しX方向に相対変位する場合、防振基体206は剪断方向に弾性変形する。一方、マス部材204がブラケット210に対しY方向に相対変位する場合、防振基体206は圧縮または引張り方向に弾性変形するので、X方向のばね定数kxに対するY方向のばね定数kyの比を大きくすることができる。
しかしながら、このように構成すると、マス部材204の幅広面と、ブラケット210との間に、防振基体206の容積に合わせて間隙を設けなくてはならず、ダイナミックダンパ202が車両の前後方向(Y方向)に大型化するため、車両用シートのシートバックに取り付けるためのダイナミックダンパとして好ましくない。
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、第1方向における振動と、その第1方向に直交し、第1方向の振動とは周波数が異なる第2方向における振動とを同時に低減することができ、且つコンパクトなダイナミックダンパを提供することを目的としている。
この目的を達成するために、請求項1記載のダイナミックダンパは、質量体としてのマス部材と、車両用シートのシートバックに取り付けられるブラケットと、そのブラケットと前記マス部材とを連結すると共にゴム状弾性体から構成される防振基体とを備えるものであり、前記マス部材に設けられ前記防振基体の一端が連結される受面と、前記ブラケットに設けられ前記防振基体の他端が連結されると共に前記受面に対向する支持面とを有し、前記受面と前記支持面は、第1方向に対し傾斜し且つその第1方向に垂直な第2方向に対し平行であって、前記第1方向から見たときに重なり部分を有する。
請求項2記載のダイナミックダンパは、請求項1記載のダイナミックダンパにおいて、前記マス部材に設けられる受面と前記ブラケットに設けられる支持面とは互いに平行である。
請求項3記載のダイナミックダンパは、請求項1または2に記載のダイナミックダンパにおいて、前記マス部材は、一対の幅広面と、それら一対の幅広面間を接続する側面部とを有し、前記受面はその側面部に設けられるものであって、前記ブラケットは、第1方向における前記マス部材のブラケットに対する相対変位量を規制するためにそのマス部材の一方の幅広面に離隔して配置され、前記第1方向に対して垂直な板状の第1方向規制板と、その第1方向規制板の端部から前記マス部材の側面部に沿って立ち上がる立上部と、その立上部の前記第1方向規制板と反対側の端部から延出され、前記車両のシートバックに固定される取付部とが一体的に設けられたものであって、前記支持面は、前記立上部の前記第1方向規制板側の端部を、前記第1方向に対し傾斜させ且つ前記第2方向に平行とすることにより設けられている。
請求項4記載のダイナミックダンパは、請求項1から3のいずれかに記載のダイナミックダンパにおいて、前記マス部材は、マス本体と、前記受面を構成する受面部材とを有し、前記マス本体の外面に前記受面部材が別体に取り付られて構成されるものである。
請求項5記載のダイナミックダンパは、請求項4記載のダイナミックダンパにおいて、前記受面部材は、前記マス本体に取り付けられた際に、前記受面を構成する面が前記第1方向に対し傾斜し且つ前記第2方向に平行となるように、前記マス本体の外面に取り付けられる面に対し前記受面を構成する面が屈曲された金属板で構成されるものである。
請求項1記載のダイナミックダンパによれば、受面と支持面とは、第2方向に対し平行なので、ブラケットに対するマス部材の第2方向への相対変位により、受面と支持面とに連結された防振基体には剪断変形が及ぼされる。一方、受面と支持面は、第1方向に対し傾斜しその第1方向から見たときに重なり部分を有するので、ブラケットに対するマス部材の第1方向への相対変位により、受面と支持面とに連結された防振基体には圧縮または引張り変形が及ぼされる。したがって、第2方向における防振基体のばね定数に対する、第1方向における防振基体のばね定数の比を大きくすることができる。その結果、第2方向の共振周波数を所定の周波数域にチューニングしつつ、第1方向の共振周波数を、第1方向の共振周波数よりも大きな周波数域にチューニングすることが可能となる。よって、第1方向における振動と、その第1方向に直交し、第1方向の振動とは周波数が異なる第2方向における振動とを同時に低減することができるという効果がある。
請求項2記載のダイナミックダンパによれば、請求項1記載のダイナミックダンパの奏する効果に加え、前記マス部材に設けられる受面と前記ブラケットに設けられる支持面とは互いに平行であるので、ブラケットに対しマス部材が相対変位される際に、前記防振基体におけるひずみの分布が不均一となって、部分にひずみが集中することが抑制できるので、耐久性が確保されるという効果がある。
請求項3記載のダイナミックダンパによれば、請求項1または2に記載のダイナミックダンパの奏する効果に加え、前記受面はマス部材の側面部に設けられ、前記支持面は前記マス部材の側面部に向かって立ち上がる立上部の第1方向規制板側の端部に設けられているので、ダイナミックダンパが第1方向に大型化するのを抑制することができるという効果がある。
また、立上部の第1方向規制板側の端部を、第1方向に対し傾斜させ且つ第2方向に平行とすることにより支持面が設けられているので、支持面を設けるために新たなスペースや部材を要せず、ダイナミックダンパをコンパクト且つコスト的に有利とすることができる。
請求項4記載のダイナミックダンパによれば、請求項1から3のいずれかに記載のダイナミックダンパの奏する効果に加え、マス本体と受面部材とは別体であることから、マス本体には共通のものを用いることができる。よって、目的とする共振周波数に応じて、第1方向に対する前記受面の角度が所定の値に調整された複数種類のダイナミックダンパを、それぞれ少量生産する場合には、コスト的に有利となるという効果がある。
また、チューニングの際には、受面部材のみを取り替えることにより、第1方向に対する受面の角度を変更して、Y方向の共振周波数をチューニングできるので、マス本体としては、共通のものを用いることができ、コスト的に有利となるという効果がある。
請求項5記載のダイナミックダンパによれば、請求項4記載のダイナミックダンパの奏する効果に加え、前記受面部材は、前記マス本体に取り付けられた際に、前記受面を構成する面が前記第1方向に対し傾斜し且つ前記第2方向に平行となるように、前記マス本体の外面に取り付けられる面に対し前記受面を構成する面が屈曲された金属板で構成されるので、加工が容易であり、コスト的に有利となるという効果がある。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の1実施の形態におけるダイナミックダンパ1の底面図であり、図2はダイナミックダンパ1の側面図であり、図3はダイナミックダンパの上面図である。
このダイナミックダンパ1は、車両用シートのシートバックに取り付けられ、シートバックの振動を抑制するための防振装置であり、図1から図3に示すように、質量体としてのマス部材2と、車両用シートのシートバックに取り付けられるブラケット3と、これらを連結すると共にゴム状弾性体から構成される防振基体4とを主に備えている。なお、ダイナミックダンパ1のシートバックへの取り付け位置については、図5に示す従来のダイナミックダンパと同様であるため、図示を省略する。
マス部材2は、図1に示す平面視において長方形状の面を有する矩形ブロック状の金属製のマス本体2aと、マス本体2aの側面に溶接された金属製の受面部材2bと、このマス本体2aおよび受面部材2bの表面を被覆する被覆ゴム層14とからなり、所定の質量mを有する。
なお、以下、図1及び図3に示す平面視において、マス本体2aの長方形状の面の短手方向(図1左右方向)をX方向と称し、長手方向(図1上下方向)をZ方向と称する。またX方向およびZ方向に垂直な方向(図1の紙面垂直方向)をY方向と称する(図2参照)。ダイナミックダンパ1は、X方向が車両の左右方向に相当し、Y方向が車両の前後方向に相当し、Z方向が車両の上下方向に相当するように、車両のシートバックに取り付けられる。なお、X方向が請求項の第2方向に相当し、Y方向が請求項の第1方向に相当するものである。
また、マス部材2は、図2に示すように、Y方向に垂直な一対の幅広面5と、その一対の幅広面5間を接続する側面部6とを有する。側面部6は、一対の幅広面5に対して垂直な側面6aと、一方の幅広面5のZ方向における両端側から突出し、X方向に平行でY方向に対して傾斜する傾斜部6bとを有する。傾斜部6bには、防振基体4の一端が連結される受面7が設けられる。
ブラケット3は、図2に示すように、第1方向規制板9と、立上部10と、取付部11とを一体的に有するものであって、Z方向におけるマス部材2の両側にそれぞれ一つずつ設けられる。
第1方向規制板9は、マス部材2の一方の幅広面5におけるZ方向の両端部に離隔して対向配置されるY方向に垂直な板状の部材である。第1方向規制板9により、Y方向におけるマス部材2のブラケット3に対する相対変位量が規制される。
立上部10は、第1方向規制板9の端部からマス部材2の側面部6に沿って立ち上がる部材である。また、立上部10は、第1方向規制板9側の端部であって、X方向に平行且つY方向に対し傾斜する支持壁部10aと、第1方向規制板9と反対側の端部であってX方向およびY方向に平行な連結部10bとからなる。支持壁部10aには、防振基体4の他端が連結される支持面10cが設けられる(図2参照)。立上部10により、Z方向におけるマス部材2のブラケット3に対する相対変位量が規制される。
取付部11は、立上部10の第1方向規制板9とは反対側の端部から延出され、ボルト孔12と、回り止め防止孔13とが形成されている。ブラケット3の取付部11が車両のシートバックの取付面に重ね合わされて、ボルト孔12に挿通される固定ボルト(図示せず)と回り止め防止孔13に挿通される位置決めピン13aとで車両用シートのシートバックに固着されることにより、ダイナミックダンパ1がシートバックに取り付けられるようになっている。なお、これら2つの固定ボルト及び位置決めピン13aで固着されるので、ブラケット3の回動や揺動が防止される。
また、本実施形態では、薄肉の被覆ゴム層14がマス部材2とブラケット3とに被着されて、マス部材2の外周面の全体およびブラケット3の一部を被覆していると共に、この被覆ゴム層14と一体的に防振基体4が形成されている。すなわち、被覆ゴム層14と防振基体4とは、所定の成形金型の成形キャビティにマス部材2とブラケット3を位置決めセットした状態で該成形キャビティにゴム材料を射出充填し、加硫することによって成形されており、かかる加硫成形と同時にマス部材2とブラケット3とに対して加硫接着されている。
防振基体4は、マス部材2に設けられた受面7とブラケット3に設けられた支持面10cとの間を連結するものである。ダイナミックダンパ1は、マス部材2と防振基体4とからなる振動系の共振周波数を、シートバックに発生する有害振動のピーク周波数に合わせてチューニングしておくことにより、シートバックに発生する有害振動を効果的に低減できるものである。
振動系の共振周波数は、前記式1に基づいて決定される。より具体的には、X方向の共振周波数fxは、防振基体4のX方向のばね定数kxとマス部材2の質量mとに基づいてチューニングされ、Y方向の共振周波数fyは、防振基体4のY方向のばね定数kyとマス部材2の質量mとに基づいてチューニングされる。マス部材2の質量mは共通であるため、X方向の共振周波数fxに比較してY方向の共振周波数fyを大とするためには、防振基体4のX方向のばね定数kxに対するY方向のばね定数kyの比を高くする必要がある。
防振基体4が連結される受面7と支持面10cはX方向に平行なので、ブラケット3に対してマス部材2がX方向へ相対変位させられると、防振基体4には剪断変形が及ぼされる。一方、受面7と支持面10cはY方向に対し傾斜し、Y方向から見たときに受面7と支持面10cが重なり部分Lを有するように防振基体4が連結される。したがって、ブラケット3に対してマス部材2がY方向へ相対変位させられると、受面7と支持面10cとに連結された防振基体4には圧縮または引張り変形が及ぼされる。
よって、防振基体4のX方向のばね定数kxに対する、Y方向のばね定数kyの比が大となる。その結果、マス部材2と防振基体4とからなる振動系において、X方向の共振周波数を所定の周波数域にチューニングしつつ、そのX方向の共振周波数よりも大きな周波域にY方向の共振周波数をチューニングすることが可能となる。例えば、シートバックにおいてX方向に発生する有害振動のピーク周波数が19Hzであり、Y方向に発生する有害振動のピーク周波数が29Hzである場合、X方向に対するY方向のピーク周波数の比が約1.5倍なので、防振基体4のばね比(ky/kx)を約1.5とすることにより、マス部材2と防振基体4とからなる振動系の共振周波数を、X方向に19Hz、Y方向に29Hzとなるようにチューニングする。これにより、ダイナミックダンパ1は、X方向に発生する所定の周波数域の有害振動と、そのX方向の共振周波数よりも大きな周波数域のY方向に発生する有害振動とを同時に低減することができる。
また、マス部材2に設けられる受面7とブラケット3に設けられる支持面10cとは互いに平行に構成される。これにより、ブラケット3に対しマス部材2が相対変位される際に、防振基体4におけるひずみの分布が不均一となって部分にひずみが集中することが抑制できるので、耐久性が確保される。
また、受面7がマス部材2の側面部6(傾斜部6b)に設けられ、支持面10cはマス部材2の側面部6に向かって立ち上がる立上部10の第1方向規制板側9の端部に設けられているので、ダイナミックダンパ1がY方向に大型化するのを抑制することができる。
すなわち、本実施形態のダイナミックダンパ1のように、防振基体4のばね定数kxに対するY方向のばね定数kyの比を大きくするためには、例えば、マス部材2の幅広面5と、その幅広面5に対向しY方向に垂直な第1方向規制板9との間に防振基体4を連結することが考えられる。しかしながら、このように構成すると、マス部材2の幅広面5とブラケット3の第1方向規制板9との間に防振基体4を介在させるための大きな間隙を設ける必要があるため、ダイナミックダンパがY方向(車両の前後方向)に大型化することが避けられず、シートバックに取り付けるものとして好ましくない。
これに対し、本実施形態のダイナミックダンパ1によれば、マス部材2の側面部6に設けられた受面7と、その側面部6に向かって立ち上がる立上部10に設けられた支持面10cとの間に防振基体4を介在させているので、ダイナミックダンパ1がY方向(車両の前後方向)に大型化するのを抑制できるのである。
また、ブラケット3において、第1方向規制板9と取付部11との間に設けられる立上部10を有効に利用し、立上部10の第1方向規制板9側の端部を、Y方向に対し傾斜させ且つX方向に平行とすることにより支持面10c(支持壁部10b)が設けられているので、支持面10cを設けるために新たなスペースや部材を要せず、ダイナミックダンパ1をコンパクト且つコスト的に有利とすることができる。
次に、マス部材2を構成するマス本体2aと受面部材2bとについて、主に図2を参照しつつ詳細に説明する。マス本体2aは、矩形ブロック状に構成され、XY平面に平行な一対の側面に、受面部材2bが溶接されている。
受面部材2bは、マス本体2aの側面に取り付けられる外接面2cと、Y方向に対し所定の角度で傾斜し且つX方向に平行な受面構成面2dとを有する部材であって、外接面2cに対し受面構成面2dが屈曲された金属板で構成される。なお、受面部材2bによりマス部材2の側面部6に傾斜部6bが形成される。また、受面構成面2dにより、Y方向に対し所定の角度で傾斜し且つX方向に平行な受面7が構成される。
図4を参照して、Y方向に対する受面7の角度θと、防振基体4のばね定数kとの関係について説明する。図4(a)は、マス部材2の側面部6を拡大して示す図であって、受面7がY方向に対し角度θ1で傾斜する状態を示す図である。図4(b)は、マス部材2の側面部6を拡大して示す図であって、受面7がY方向に対し角度θ2(θ2>θ1)で傾斜する状態を示す図である。
図4に示すように、受面7および支持面10cのY方向に対する角度θが大となるほど、Y方向における防振基体4の弾性変形において、圧縮または引張り成分の割合が大となるので、Y方向のばね定数kyがX方向のばね定数kxに比して高くなる。すなわち、受面7と支持面10cをX方向に平行に保ちつつ、Y方向に対する角度θのみを調整することにより、X方向のばね定数kxは変えずに、Y方向のばね定数kyのみを可変とすることができる。
したがって、本実施形態のダイナミックダンパ1のチューニングに際しては、まず、X方向の共振周波数fxが所望の周波数となるように、防振基体4の容積や剛性が選択される。その後、受面7および支持面10cをX方向に平行に保ちつつ、Y方向に対する角度θのみを調整することで、X方向の共振周波数fxは変えずに、Y方向の共振周波数fyを所望の周波数にチューニングすることができる。
さらに、本実施形態のダイナミックダンパ1によれば、マス本体2aと受面部材2bとは別体であることから、チューニングの際には、受面部材2bのみを取り替えることにより、受面7のY方向に対する角度θを変更して、Y方向の共振周波数fyをチューニングできる。一方、マス本体2aとしては、入手が容易な矩形ブロック状のものを共通して用いることができるので、コスト的に有利である。受面部材2bを別体とせずにマス本体2aに一体的に設けられる場合には、受面7の角度を変えた複数種類のマス本体2aを準備しなければならないので、マス本体2aの準備にコストを要するのである。
また、マス本体2aとしては、入手が容易な矩形ブロック状のものを共通して用いることができるので、目的とする共振周波数に応じて、Y方向に対する受面7の角度が調整された複数種類のダイナミックダンパを、それぞれ少量生産する場合には、コスト的に有利となる。受面7を構成するための傾斜部6bを一体的に備えたマス本体2aを加工するためには、複数の鋳型を要したり、熱鍛や冷鍛などの別工程を要するからである。
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、本実施例では、マス部材2が、マス本体2aの側面に受面部材2bが別体に取り付けられて構成される場合を説明したが、受面7を構成するための傾斜部6bが一体的に設けられたマス本体2aを用いるものであってもよい。傾斜部6bを一体的に備えたマス本体2aを加工するためには、上述したように別工程を要するが、同一形状のマス本体2aを大量生産する場合には、コスト的に有利な場合があるからである。
本発明の1実施の形態におけるダイナミックダンパの底面図である。 図1に示すダイナミックダンパの側面図である。 図1に示すダイナミックダンパの上面図である。 (a)は、マス部材の側面部を拡大して示す図であって、受面がY方向に対し角度θ1で傾斜する状態を示す図であり、(b)は、マス部材の側面部を拡大して示す図であって、受面がY方向に対し角度θ2で傾斜する状態を示す図である。 従来のダイナミックダンパが車両用シートのシートバックに取り付けられた状態を示す図である。 従来のダイナミックダンパを示す図であり(a)はダイナミックダンパの底面図であり、(b)はダイナミックダンパの側面図である。
符号の説明
1 ダイナミックダンパ
2 マス部材
2b 受面部材
2c 外接面(マス本体の外面に取り付けられる面)
2d 受面構成面(受面を構成する面)
3 ブラケット
4 防振基体
5 幅広面
6 側面部
9 第1方向規制板
10 立上部
11 取付部
7 受面
10c 支持面
201 シートバック
L 重なり部分
X X方向(第2方向)
Y Y方向(第1方向)

Claims (5)

  1. 質量体としてのマス部材と、車両用シートのシートバックに取り付けられるブラケットと、そのブラケットと前記マス部材とを連結すると共にゴム状弾性体から構成される防振基体とを備えるダイナミックダンパにおいて、
    前記マス部材に設けられ前記防振基体の一端が連結される受面と、
    前記ブラケットに設けられ前記防振基体の他端が連結されると共に前記受面に対向する支持面とを有し、
    前記受面と前記支持面は、第1方向に対し傾斜し且つその第1方向に垂直な第2方向に対し平行であって、前記第1方向から見たときに重なり部分を有することを特徴とするダイナミックダンパ。
  2. 前記マス部材に設けられる受面と前記ブラケットに設けられる支持面とは互いに平行であることを特徴とする請求項1記載のダイナミックダンパ。
  3. 前記マス部材は、一対の幅広面と、それら一対の幅広面間を接続する側面部とを有し、前記受面はその側面部に設けられるものであって、
    前記ブラケットは、第1方向における前記マス部材のブラケットに対する相対変位量を規制するためにそのマス部材の一方の幅広面に離隔して配置され、前記第1方向に対して垂直な板状の第1方向規制板と、
    その第1方向規制板の端部から前記マス部材の側面部に沿って立ち上がる立上部と、
    その立上部の前記第1方向規制板と反対側の端部から延出され、前記車両のシートバックに固定される取付部とが一体的に設けられたものであって、
    前記支持面は、前記立上部の前記第1方向規制板側の端部を、前記第1方向に対し傾斜させ且つ前記第2方向に平行とすることにより設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のダイナミックダンパ。
  4. 前記マス部材は、マス本体と、前記受面を構成する受面部材とを有し、前記マス本体の外面に前記受面部材が別体に取り付られて構成されるものであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のダイナミックダンパ。
  5. 前記受面部材は、前記マス本体に取り付けられた際に、前記受面を構成する面が前記第1方向に対し傾斜し且つ前記第2方向に平行となるように、前記マス本体の外面に取り付けられる面に対し前記受面を構成する面が屈曲された金属板で構成されるものであることを特徴とする請求項4記載のダイナミックダンパ。
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