JP7348738B2 - エンジンマウント - Google Patents

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本発明は、エンジン等を車体に対して支持させるとともに、エンジン等の振動等を緩衝するためのマウントに関する。
従来、エンジン等を車体に対して支持させるとともに、エンジンの振動を緩衝するためのマウント(エンジンマウント)が提供されている。例えば、下記特許文献1には、エンジンを車体側部材に連結するためのエンジンマウント装置が開示されている。
実開昭61-202729号公報
エンジンマウントと、車体側部材(例えばサスペンションメンバやサイドメンバ、あるいはクロスメンバ等)などエンジンマウントの連結対象となる部品(以下、「連結対象部材」と称する場合がある)とは、一般的にはボルトなどの締結部材を介して締結されて連結されている。また、エンジンマウントと連結対象部材とをボルト締結する場合、これらの締結剛性を向上させるために、締結点数を増やしたり、ボルト締結トルクを増大させたりすることが行われている。
エンジンマウントはエンジンや変速機を懸架又は支持しているため、車両のアイドリング時や走行中にはこれらからの振動や慣性力を受け、エンジンマウントには大きな荷重が入力される。
一方、ボルトにより締結された締結部位に大きな荷重が入力されると、エンジンマウントのブラケットと連結対象部品(サスペンションメンバ等)との合わせ面において、これらの部材が弾性変形することがある。また、これらの部材(エンジンマウントのブラケットなど)が弾性変形することで、二つの金属部材の合わせ面の間で接触と離間を繰り返すメタルタッチが発生し、異音が発生することがある。
具体的に説明すると、例えば、縦置きエンジンで重心支持のエンジンマウントでは、エンジンマウントのブラケットと車体側(メンバやメンバに取り付けられるブラケット等)との当たり面(接触面)は、広い範囲で平面合わせ(ベタ当て)となっている。このため、ボルト等で締結された部分以外の面では、エンジンの振動等により、二つの部材の平面(接触面)が微妙に当たり離れを繰り返すこと(メタルタッチ)が生じ、異音が発生する。
このようなメタルタッチの発生を防止するためには、エンジンマウントと車体(例えばサスペンションメンバ)との締結部位における締結剛性が高いことが望ましい。エンジンマウントと連結対象部材との締結剛性を高める手法としては、例えば、(1)締結箇所を増加させる、(2)マウント側のブラケットに凸形状を設けて連結対象部材(例えば車体側のサスペンションメンバなど)に対して強干渉させる、(3)締結箇所以外の面を当たり面とならないようにする、等が考えられる。
しかしながら、車両のレイアウト等によっては、ブラケットと連結対象部材との締結面(接触面)に十分な座面を確保できず、締結点数(締結箇所)を増やすことが困難な場合がある。また、締結点数(締結箇所)を増やそうとすれば、ボルト本数が増えると共に、締結に必要な座面を確保するため、エンジンマウントの原価や質量が増加するといった問題がある。
また、凸形状を設定する場合、異音の発生を抑制するには強干渉させることが必要となる。その結果、エンジンマウント金具や車両側のブラケット等を変形させながら締結することを要し、耐久強度向上と背反して好ましくないという問題がある。
さらに、締結部分以外には当たり面とならないようにした場合には、1箇所又は2箇所の締結では剛性が確保できず、結局締結箇所を増やすこととなりかねない。そのため、コスト増加を抑制しつつメタルタッチの発生を抑制することができるエンジンマウントの提供が求められていた。
そこで本発明は、原価や質量の増加を抑制しつつ、メタルタッチに起因する異音の発生を抑制することができるエンジンマウントの提供を目的とした。
ここで、本発明の発明者は、現状用いられているエンジンマウントの原価や質量の増加を抑制しつつ、いかにすればメタルタッチの発生を抑制することができるかについて検討した。エンジンマウントは、金属の板材にボルト孔となる貫通孔を設ける等の加工が施されたブラケット(ブラケット体)に対して、加硫成型によりゴム本体部が形成されたものが用いられている。
本発明の発明者が検討したところ、ブラケット(ブラケット体)にボルト孔とは別に貫通孔を設け、エンジンマウントの取り付け対象となる連結対象部材(メンバ等)との合わせ面(締結面)に貫通孔を設け、貫通孔から締結面側にゴム材を露出させれば、締結面に局部的なゴム露出部を形成して、メタルタッチの発生を抑制することができるとの知見に至った。その結果、締結箇所の増加やコストの増加を抑制しつつ、メタルタッチに起因する異音の発生を抑制することができるとの知見に至った。
上述の知見に基づき提供される本発明のエンジンマウントは、一又は複数のブラケット体に対してゴム材により成型されるゴム本体部が加硫接着されたエンジンマウントであって、少なくとも一の前記ブラケット体は、締結部材を介して連結対象部材に取り付けられる連結面形成部を備えるものであり、前記連結面形成部の両面のうち、一方の面である接着面には、前記ゴム本体部が加硫接着されており、他方の面である締結面には、前記ゴム本体部と連続するように前記ゴム材が露出する一又は複数のゴム露出部が形成されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、締結箇所の増加を抑制しつつ、メタルタッチに起因する異音の発生を抑制することができる。また、ブラケット体とゴム本体部とを加硫接着により接着する加硫接着式エンジンマウントにおいて、ゴム本体部とブラケット体との加硫成型時に、締結面側へゴム材による突起(ゴム露出部)を同時に成型することができる。その結果、別体のゴム部材(例えば別体とされたシート状のゴム部材)を締結面に貼付する等する場合と比較して、安価に異音抑制効果が得られる。
また、本発明のエンジンマウントは、前記ゴム露出部が、前記接着面から前記締結面に至る貫通孔を介して、前記ゴム本体部と連続するように形成するとよい。
上述の構成によれば、柔軟にゴム露出部を設ける位置を設定することができる。
なお、本発明のエンジンマウントは、前記ゴム露出部が、前記接着面から前記ブラケット体の縁部を経由して前記締結面に至るように、前記ゴム本体部と連続するように形成されたものであってもよい。
上述の構成によれば、締結面形成部にゴム露出部を形成するための貫通孔を設けることを要さず、ゴム露出部を形成することができる。また、上述の構成によれば、エンジンマウントにブラケット体を二つ設ける場合において、ゴム露出部が設けられるブラケット体はゴム材が縁部を回り込むように形成する一方、他方のブラケット体は縁部のゴム被膜を省くことができる。
また、本発明のエンジンマウントは、前記ブラケット体には、前記接着面から前記締結面に至るボルト孔が二つ設けられており、前記ゴム露出部の少なくとも一部が、二つの前記ボルト孔を結ぶ締結ラインを外れた位置となるよう設けられているものであることが望ましい。
上述の構成によれば、より効率的にメタルタッチに起因する異音を抑制することができる。
本発明によれば、原価や質量の増加を抑制しつつ、メタルタッチに起因する異音の発生を抑制することができるエンジンマウントを提供することができる。
本発明のエンジンマウントが用いられる車両を示す模式図である。 図1のエンジンマウントを示す斜視図である。 図1のエンジンマウントの断面図である。(a)は図2のA1-A1’線断面図、(b)は図2のA2-A2’線断面図である。 図1のエンジンマウントのボルト孔及びゴム露出部の位置を示す平面図である。 図1のエンジンマウントが連結対象部材に取り付けられた状態を示す断面図である。 本発明のエンジンマウントの一例を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態に係るエンジンマウント10について、図面を参照しつつ説明する。図1に示すとおり、エンジンマウント10は、エンジンEを車体1に取り付けて支持するために用いられるものである。ない、図1には、縦置きのレイアウトとされた車両Vを一例として示している。
図1に示すとおり、車両Vの車体1側には、サスペンションメンバ2aやクロスメンバ2b、あるいはサイドメンバ2c等の複数のメンバ2が設けられている。エンジンEは、複数のエンジンマウント10を介してメンバ2に連結されて車体1に取り付けられている。言い方を換えれば、エンジンマウント10は、メンバ2等の隣接する部材(隣接部材)に対してボルト等の締結部材6を介して取り付けられる。
なお、本実施形態では、エンジンマウント10が隣接して連結される連結対象部材4を、サスペンションメンバ2aやクロスメンバ2bとした例を示したが、本発明のエンジンマウントの連結対象部材は本実施形態に限定されない。例えば、本発明のエンジンマウントは、サイドメンバ2c等、他の車体1を構成する部材としてもよい。
より具体的に説明すると、図1に示すとおり、エンジンEは、車両Vの左右両側がそれぞれエンジンマウント10を介してサスペンションメンバ2aに連結されている。また、エンジンEは、エンジンEと接続された変速機Mがエンジンマウント10を介してクロスメンバ2bに連結されている。このように、エンジンEは、三つのエンジンマウント10を介して車体1に連結されている。なお、図示を省略するが、サスペンションメンバ2aやクロスメンバ2b等のメンバ2は、略コの字の断面形状を有している。
図2に示すとおり、エンジンマウント10は、ゴム本体部40、車体側ブラケット部20(ブラケット体)、及びエンジン側ブラケット部30(ブラケット体)を備えている。エンジンマウント10は、車体側ブラケット部20とエンジン側ブラケット部30との間にゴム本体部40を挟むように成型されている。図2に示すとおり、ゴム本体部40は、略矩形の断面形状を有するもの(角ゴム)とされている。
なお、本実施形態のエンジンマウント10は、ゴム本体部40を角形のものとした例を示したが、本発明のエンジンマウントは本実施形態に限定されない。例えば、本発明のエンジンマウントは、略円形の断面形状を有するもの(丸ゴム)であってもよい。
車体側ブラケット部20及びエンジン側ブラケット部30は、金属の板材を加工することにより形成されている。また、ゴム本体部40は、型材に車体側ブラケット部20及びエンジン側ブラケット部30をセットし、ゴム素材を加硫成型することにより成型されている。すなわち、エンジンマウント10は、ゴム本体部40、車体側ブラケット部20、及びエンジン側ブラケット部30が、加硫接着により一体的に形成されている。
図3(a)に示すとおり、エンジン側ブラケット部30は、断面視において略コの字状の形状を有している。エンジン側ブラケット部30は、エンジンEに設けられた取り付け部(図示を省略)に取り付けられる。図3(a)に示すとおり、エンジン側ブラケット部30の縁部32には、ゴム本体部40と連続するようにゴム材が回り込んで形成されたゴム被膜部42が形成されている。
図2及び図3(a)に示すとおり、車体側ブラケット部20は、略十字状に加工された金属の板材の一部を屈曲させ、略中央の断面視において略コの字の形状を有している。車体側ブラケット部20は、サスペンションメンバ2a等の連結対象部材4に取り付けられる。
図3(a)に示すとおり、車体側ブラケット部20は、サスペンションメンバ2a等の連結対象部材4と面接触するように取り付けられる連結面形成部22と、連結面形成部22の両側に形成された屈曲部24とを備えている。言い方を換えれば、車体側ブラケット部20は、連結対象部材4と面合わせとなる連結面形成部22と、連結面形成部22に対して屈曲するように形成された屈曲部24とを有している。
図3(a)に示すとおり、連結面形成部22の両面のうち、一方の面にはゴム本体部40が接着されている。連結面形成部22の他方の面は、連結対象部材4と連結された状態において、面接触した状態(面合わせ)となる。
なお、以下の説明において、連結面形成部22(車体側ブラケット部20)のゴム本体部40が接着(接合)される面を、単に「接着面22b」と記載して説明する場合がある。また、連結面形成部22(車体側ブラケット部20)の連結対象部材4と面合わせとなる面(接着面22bの反対側の面)を、単に「締結面22a」又は「接触面F1」と記載して説明する場合がある。
図4に示すとおり、連結面形成部22には、複数(本実施形態では四つ)の貫通孔25が設けられている。具体的には、図3及び図4に示すとおり、連結面形成部22には、接着面22bから締結面22aに貫通するように形成された貫通孔25が複数設けられている。
図3(b)に示すとおり、四つの貫通孔25のうち、二つはボルト等の締結部材6が挿通されるボルト孔28とされている。ボルト孔28は、ボルト等の締結部材6を挿通させるために設けられている。本実施形態のエンジンマウント10には、二つのボルト孔28が設けられている。すなわち、本実施形態のエンジンマウント10は、サスペンションメンバ2a等の連結対象部材4に対して、二箇所で締結される(二点締結)。ボルト孔28は、車体側ブラケット部20の連結面形成部22の長手方向の両側に設けられている。
図3(a)及び図4(a)に示すとおり、四つの貫通孔25のうち、ボルト孔28以外の貫通孔25は、ゴム本体部40と隣接するように設けられている。より具体的には、貫通孔25のうち、ボルト孔28以外の貫通孔25は、ゴム本体部40と連通する位置に形成された連通孔26とされている。
図4(a)に示すとおり、本実施形態のエンジンマウント10の連通孔26は、略矩形の開口形状を有するものとされている。より具体的には、連通孔26は、連結面形成部22の長手方向に延びるような略長方形の開口形状を有している。また、連結面形成部22には、二つの連通孔26が設けられている。図4(a)に示すとおり、二つの連通孔26は、二つのボルト孔28を連結させた場合の仮想線である締結ラインL上を外れた位置となるように、かつ二つの連通孔26が締結ラインLを境界として両側となるように形成されている。
図3(a)に示すとおり、連結面形成部22の締結面22aには、連通孔26を通じてゴム本体部40からゴム材41が露出するゴム露出部44が形成されている。言い方を換えれば、連結面形成部22の締結面22aには、ゴム本体部40と通じるようにゴム材41の一部が締結面22aに突出して、ゴム材41に締結面22aの一部が覆われたゴム露出部44が形成されている。別の観点で説明すると、連通孔26の内部には、ゴム本体部40からゴム露出部44に至るようにゴム材41が充填されている。
ゴム露出部44は、締結面22aと連結対象部材4とが接触及び離間を繰り返すメタルタッチの発生を抑制するために設けられている。ゴム露出部44は、ゴム本体部40を加硫接着(加硫成型)する際に、ゴム本体部40を形成するゴム材41の一部を締結面22a側に露出させるように成型されている。
図4(a)に示すとおり、本実施形態では、ゴム露出部44は、平面視において略長方形の形状とされている。なお、本発明のマウントのゴム露出部44は本実施形態に限定されない。例えば、ゴム露出部44は、平面視において略円形、だ円形、矩形等、コの字状等、いかなる形状としてもよい。
また、本実施形態のゴム露出部44は、ゴム材41を連通孔26から締結面22a側に露出させ、ゴム材41が締結面22aの一部を覆うように形成したものを一例としているが、本発明のエンジンマウントのゴム露出部はこれに限定されない。例えば、本発明のエンジンマウントのゴム露出部は、連通孔26の開口形状と略一致させるように形成したものであってもよい。
本実施形態のエンジンマウント10では、二つの連通孔26に対応するように、二つのゴム露出部44が形成されている。より具体的に説明すると、図4(a)に示すとおり、ゴム露出部44は、二つのボルト孔28を結ぶ仮想ラインである締結ラインLから外れた位置となるよう二つ設けられている。さらに具体的には、二つのゴム露出部44は、締結ラインLを境界として両側となるよう設けられている。
ここで、ゴム露出部44は、外部からの荷重入力方向や締結部位の関係を考慮して、エンジンマウント10が回転モーメントを受ける際に、締結面22aのメタルタッチが懸念される位置であることが望ましい。例えば、ゴム露出部44は、二つのボルト孔28を結ぶ仮想ラインである締結ラインLに対して回転するように(例えばロール方向)、あるいは交差する方向に荷重が働く場合には、締結ラインLに対して荷重を受ける位置(図4(b)では、締結ラインLの両側)にゴム露出部44が設けられることが望ましい。なお、本発明のエンジンマウントは、締結ラインに沿って荷重が働く場合などは、締結ライン上にゴム露出部が設けられたものとしてもよい。
また、ゴム露出部44は、ゴム本体部40を形成するゴム材41と同じ素材により成型してもよいし(いわゆる一色成型)、あるいはゴム本体部40を形成するゴム材41とは硬度等が異なるゴム材を用いて成型してもよい(いわゆる二色成型)。
また、二色成型によりゴム本体部40及びゴム露出部44を形成する場合には、ゴム本体部40に働くせん断力や圧縮応力と、ゴム露出部44のゴム材41の劣化に起因する締結部材6の緩み等を考慮して素材が選択されることが望ましい。なお、ゴム本体部40のゴム材41とは硬度等が異なるゴム材41によりゴム露出部44を成型する場合(二色成型の場合)には、ゴム本体部40よりもゴム露出部44のほうを硬度が高いものにより形成されることが望ましい。
さらに、ゴム露出部44は、メタルタッチを抑制しつつ、ボルト締結への影響が低いことが望ましい。そのため、ゴム露出部44は、メタルタッチを抑制可能とすべく、かつ、締結部材6の緩みが発生しないように、厚みが大きくなく薄いもの(例えば、0.5~1.0mm程度の厚み)であることが望ましい。これにより、メタルタッチを抑制しつつ、ボルトの緩み等に繋がることを回避することができる。なお、ゴム露出部44の厚みは、締結部材6の締結力や締結面22aのベタ当てとなる範囲等を考慮して、適宜選択可能である。
次いで、エンジンマウント10を用いて連結対象部材4とエンジンE(図5では図示を省略)とを連結させた状態について、図5を参照しつつ説明する。以下では、サスペンションメンバ2aを連結対象部材4として、エンジンマウント10がサスペンションメンバ2aに取り付けられた状態を一例として説明する。
図5に示すとおり、エンジンマウント10は、車体側ブラケット部20の連結面形成部22がサスペンションメンバ2aと面合わせの状態でボルト等の締結部材6により締結される。エンジンマウント10がサスペンションメンバ2aに取り付けられた状態では、連結面形成部22の締結面22a(接触面F1)と、サスペンションメンバ2aの接触面F1とが、面合わせの状態となる。
ここで、図5に示すとおり、エンジンマウント10にはゴム露出部44が形成されている。そのため、連結面形成部22の接触面F1とサスペンションメンバ2aの接触面F2との間を緩衝して、メタルタッチの発生を抑制することができる。また、これにより、メタルタッチに起因する異音の発生を抑制することができる。
より具体的には、サスペンションメンバ2a等、メンバ2の多くは略コの字状の断面形状を備えており、締結部材6を締結させることができる座面(範囲)が自ずと限定される。そのため、サスペンションメンバ2a等のメンバ2に対してエンジンマウント10を締結させようとすると、ベタ当てさせる範囲やボルト等の締結部材6を挿通させることができる範囲が限定され、2点締結とならざるを得ない場合がある。
また、エンジンマウント10とサスペンションメンバ2a等(連結対象部材4)とが、「面合わせ」、かつ「二点締結」となると、締結ラインLの両側が固定されず、開放縁となる。また、連結面形成部22が弾性変形するなど合わせ面に歪みが生じると、エンジンEの振動などにより、締結面22aとサスペンションメンバ2aの接触面F2との間に歪みが生る場合がある。そのため、アイドリング時など、エンジンEの振動が締結ラインLに対して交差するように働く場合(例えば、ロール方向など)、面合わせ部に僅かな歪みがあると、エンジンマウント10の締結面22aとサスペンションメンバ2a等の連結対象部材4との間で、接触と離間を繰り返すメタルタッチが発生する。
エンジンマウント10は、ゴム露出部44が締結面22aと連結対象部材4の合わせ面との間を緩衝するように接触して、メタルタッチ(金属部材同士の接触)を抑制することができる。その結果、エンジンマウント10は、メタルタッチに起因する異音の発生を抑制することができる。
このように、エンジンマウント10は、ゴム露出部44を有することにより、メタルタッチに起因する異音の発生を抑制することができる。また、エンジンマウント10は、ゴム露出部44を加硫成型時にゴム本体部40と同時に形成しているため、別体のゴム素材を貼付する場合と比較して、コストを抑えることができる。
さらに、エンジンマウント10は、金属等の硬い素材により凸形状を形成するものではなく、ゴム素材によりゴム露出部を形成しているため、厚みの少ないもの(薄いゴム面)で足りる。そのため、エンジンマウントの締結面と隣接部材との間に凹凸形状による嵌合形状を設ける必要がなく、強度上有利となる(金具を変形させながら締結する必要が無く強度上有利となる)。
また、エンジンマウント10は、締結部材6の締結本数を増加させることなく異音を抑制することができることに加え、締結部分(締結部材6による締結範囲)以外の当たり面(接触範囲)を確保したままとすることができるため、剛性が低下する懸念も少なく、防振性能も維持することができる。
以上、本発明の実施形態に係るエンジンマウント10について説明したが、本発明のエンジンマウントは上述の実施形態に限定されない。
例えば、上述の実施形態では、エンジンマウント10を縦置きのレイアウトにおいて用いられるものとした例を示したが、本発明のエンジンマウントは、縦置きのレイアウトに用いられるものに限定されず、横置きのレイアウトに用いられるものであってもよい。
さらに、上述の実施形態のエンジンマウント10は、車体側ブラケット部20にゴム露出部44を設けた例を示したが、本発明のエンジンマウントは、ゴム露出部をエンジン側ブラケット部に設けてもよい。
さらに、上述の実施形態では、エンジンマウント10が連結対象部材4に対して二点締結されたものとした例を示したが、本発明のエンジンマウントは上述の実施形態に限定されない。例えば、本発明のエンジンマウントは、三点締結により連結対象部材4に対して締結されるものであってもよい。
さらに、上述の実施形態では、車体側ブラケット部20にゴム露出部44を設けた例を示したが、本発明のエンジンマウントはこれに限定されない。例えば、エンジン側の取り付け部材とエンジンマウントとの接触によりメタルタッチの発生が懸念される場合には、エンジン側ブラケット部にゴム露出部を形成してもよい。
また、上述の実施形態では、車体側ブラケット部20に貫通孔25(連通孔26)を設け、貫通孔25を介してゴム本体部40からゴム材41を締結面22aに露出させてゴム露出部44を形成した例を示したが、本発明のエンジンマウントはこれに限定されない。例えば、本発明のエンジンマウントは、図6に示すエンジンマウント100のように、ゴム露出部144が、車体側ブラケット部120の表面をゴム材41が回り込むように、接着面122bから車体側ブラケット部120の縁部(屈曲部124の縁部や締結面形成部122の縁部)を経由して締結面122aに至り、ゴム本体部140と連続するように形成されたものであってもよい。
図6に示すエンジンマウント100では、車体側ブラケット部20の屈曲部124にゴム被膜部142が形成されている。図6に示すエンジンマウント100では、屈曲部124に形成されたゴム被膜部142から、ゴム材41を締結面122aに到達させてゴム露出部144を形成している。言い方を換えれば、エンジンマウント100では、ゴム本体部140からゴム被膜部142を介してゴム材41を締結面122aに到達させて、ゴム露出部144を形成している。
エンジンマウント100によれば、締結面形成部122にゴム露出部144を形成するための貫通孔を設けることを要さず、ゴム露出部144を形成することができる。また、エンジンマウント100によれば、車体側ブラケット部120の屈曲部124にゴム被膜部142を設ける一方、エンジン側ブラケット部130のゴム被膜部を省くことができる。
本発明は、エンジン等を車体に取り付けるためのエンジンマウントとして、好適に採用することができる。
1 車体
2 メンバ(連結対象部材)
2a サスペンションメンバ(連結対象部材)
2b クロスメンバ(連結対象部材)
2c サイドメンバ(連結対象部材)
4 連結対象部材
6 締結部材
10 エンジンマウント
20 車体側ブラケット部(ブラケット体)
22 連結面形成部
22a 締結面
22b 接着面
25 貫通孔
26 連通孔
28 ボルト孔
30 エンジン側ブラケット部(ブラケット体)
40 ゴム本体部
41 ゴム材
44 ゴム露出部
100 エンジンマウント
120 車体側ブラケット部(ブラケット体)
122 連結面形成部
122a 締結面
122b 接着面
130 エンジン側ブラケット部(ブラケット体)
140 ゴム本体部
144 ゴム露出部
E エンジン

Claims (1)

  1. 一又は複数のブラケット体に対してゴム材により成型されるゴム本体部が加硫接着されたエンジンマウントであって、
    少なくとも一の前記ブラケット体は、締結部材を介して連結対象部材に取り付けられる連結面形成部を備えるものであり、
    前記連結面形成部の両面のうち、
    一方の面である接着面には、前記ゴム本体部が加硫接着されており、
    他方の面である締結面には、前記ゴム本体部と連続するように前記ゴム材が露出する複数のゴム露出部が形成されており、
    前記ブラケット体は、前記接着面から前記締結面に貫通するように形成された貫通孔を有し、
    前記ゴム材が、前記貫通孔を通じて前記締結面に露出するとともに、前記締結面において前記貫通孔周りを覆うように加硫接着されており、
    前記ゴム露出部が、前記締結部材により前記連結対象部材に対して締結される二点の締結点を結ぶ締結ラインを境界として両側において、前記締結ラインに沿う方向に延設されていることを特徴とするエンジンマウント。
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