JP2021052621A - コンバイン - Google Patents
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Abstract
Description
これによって、縦送りスクリューから横送りスクリューへの穀粒搬送を滞留させずに行うことは可能となるが、穀粒の流れが大きく変化する箇所で、中継用のスクリューや送り出し用の回転羽根による強制搬送を行うものであるため、構造の複雑化とともに、穀粒の流動抵抗による動力ロスを招き易く、また、流れが大きく変化する穀粒との接触で、縦送りスクリューを内装する縦送りケースと中継ケースとの接続箇所が摩耗し易く、耐久性の面で改善の余地があった。
したがって、縦筒部内から横筒部内への穀粒の流動方向の変更を、縦送りスクリューの軸心回りで回動する掻き出し羽根によって行う場合に比べて、穀粒が縦筒部の内部から外方へ向けて押し付けられながら内周面に沿って摺接移動する傾向を避けた状態で、横筒部内へ送り出すことができる。つまり、縦送りスクリューにおける搬送作用領域の上端を中継搬送ケースの内部にまで入り込ませることで、縦筒部の筒軸心に沿う方向で直線的に穀粒を押し上げながら横筒部の底面よりも高い位置にまで送り込むことができる。そして、送り込まれた穀粒は、先行する穀粒が横搬送ケース側へ移動した後の横筒部内へ向けて自然に流れ込み、横送りスクリューが内装された横搬送ケースに到達する。
これによって、縦筒部内から横筒部内へ移動する際の穀粒が、縦筒部の内周面に押し付けられながら摺接移動する傾向を低減して、穀粒の流動抵抗による動力ロスを軽減し得るとともに、穀粒の損傷や中継ケース耐久性の低下を避けやすい。また、中継搬送ケースの内部において穀粒を横搬送部へ向けて強制搬送するための構造も必要ないので、構造の簡素化を図り得る点でも有用である。
しかし、縦送りスクリューの搬送作用領域の上端よりも上方箇所に掻き出し羽根を設けて、前記間隔内に存在する穀粒群を積極的に掻き出すことによって、縦送りスクリュー側から横筒部側へ向かう穀粒の流れを良くするとともに、縦送りスクリューの押し上げ作用が穀粒の圧縮作用として働くことを避け易い。
このような籾切れの悪い排出状態は、穀粒貯留部の底部に備えた底スクリューに流入する穀粒の量が、底スクリューを挟んだ左右で異なり、左右何れか一方側からの流入穀粒が他方側からの流入穀粒よりも早く無くなって、他方側に残っている少量の穀粒が、穀粒排出装置による穀粒排出の終盤で少量ずつ排出されることによって生じる。このような排出量の左右差が生じる原因は、穀粒貯留部内において、底スクリューの回転軸心を通る鉛直線を挟んだ一方側と他方側とで、底スクリューの回転方向が下向きである側の穀粒の減り方が底スクリューの回転方向が上向きである側における穀粒の減り方よりも大きいためと考えられる。
そこで、上述のように、穀粒貯留部のうち、底スクリューの回転方向が下向きである側の容積が、鉛直線の他方側に相当する範囲で、かつ底スクリューの回転方向が上向きである側の容積よりも大であるようにして、鉛直線の一方側と他方側での穀粒量の減り方の差を少なくして、底スクリューによる穀粒の排出が左右で同時的に終了し易くしたものである。
尚、本実施形態での説明における前後方向及び左右方向は、特段の説明がない限り、次のように記載している。つまり、本発明を適用したコンバインにおいて、走行機体の作業走行時における前進側の進行方向(図1,2における矢印F参照)が「前」、後進側への進行方向(図1,2における矢印B参照)が「後」、その前後方向での前向き姿勢を基準としての右側に相当する方向(図2における矢印R参照)が「右」、同様に左側に相当する方向(図2における矢印L参照)が「左」である。
図1、図2に示される普通型コンバイン(「コンバイン」の一例)には、左右一対のクローラ走行装置1により自走可能な走行機体が備えられている。左右のクローラ走行装置1は、機体フレーム10を下方から支持している。左右のクローラ走行装置1は、エンジン11からトランスミッション12に伝達される駆動力によって駆動されるように構成されている。
走行機体には、運転操作が行われる運転部13、圃場に植立する穀稈を刈り取り処理する刈取搬送装置14、刈取穀稈の脱穀処理を行う脱穀装置15、脱穀処理後の穀粒を貯留する穀粒貯留タンクによって構成された穀粒貯留部2、穀粒貯留部2に貯留された穀粒を外部へ排出可能な穀粒排出装置3が備えられている。
図3に示されるように、穀粒排出装置3の下端部は、鋳物で構成された下部排出ケース22を介して、底スクリュー21の後端部に接続されている。
穀粒排出装置3は、上下方向に沿う穀粒移送部を備えるスクリューコンベアで構成された縦搬送部3Aと、水平方向に沿う穀粒移送部を備えるスクリューコンベアで構成された横搬送部3Bと、縦搬送部3Aの搬送終端部と横搬送部3Bの搬送始端部とに対して接続される中継搬送部3Cと、を備えている。
縦搬送部3Aには、縦送り用の縦送りスクリュー31と、その縦送りスクリュー31を内装する筒状の縦搬送ケース30と、が備えられている。
縦搬送部3Aは、搬送方向が走行機体の上方向きになる状態で穀粒貯留部2の後方に設けられている。縦搬送部3Aには、穀粒を上向きに搬送可能な縦送りスクリュー31と、縦送りスクリュー31を覆う円筒状の縦搬送ケース30と、が備えられている。
縦搬送ケース30は、穀粒貯留部2の後壁部23の上部側に取り付けられるブラケット24を介して、穀粒貯留部2に対して回動可能な状態で支持されている。縦送りスクリュー31には、円筒状のパイプ材により構成される上下方向に沿った縦スクリュー軸部31aと、この縦スクリュー軸部31aの縦向きの縦回動軸心Y1を中心に、縦スクリュー軸部31aの外周部に螺旋状に取り付けられる縦スクリュー羽根31bと、が備えられている。縦回動軸心Y1は、縦搬送ケース30の筒軸心と同心上にあり、縦搬送ケース30の筒軸心を兼ねるものである。つまり、縦搬送部3Aの全体が上下方向に沿う縦回動軸心Y1を備えている。
縦送りスクリュー31の下端部は、上方から下部排出ケース22の内部に入り込んでいる。下部排出ケース22の内部において、底スクリュー21の後端部と縦送りスクリュー31の下端部とは、ベベルギヤ機構32により連動連結されている。
横搬送部3Bには、横送り用の横送りスクリュー41と、その横送りスクリュー41を内装する筒状の横搬送ケース40と、が備えられている。
図1〜図5に示されるように、横搬送部3Bは、搬送方向が走行機体の横向きになる状態で、穀粒貯留部2の上側に設けられている。横搬送部3Bには、横向きに延出され、穀粒を横方向に搬送可能な横送りスクリュー41と、横送りスクリュー41を覆う円筒状の横搬送ケース40と、が備えられている。横搬送ケース40の搬送終端部には、穀粒を外部に排出可能な吐出筒40aが備えられている。
横送りスクリュー41には、横スクリュー軸部41aと、その横スクリュー軸部41aの横回動軸心X1を中心に、横スクリュー軸部41aの外周部に螺旋状に取り付けられる横スクリュー羽根41bと、が備えられている。この横回動軸心X1は、横搬送ケース40の筒軸心と同心上にあり、横搬送ケース40の筒軸心を兼ねるものである。つまり、横搬送部3Bの全体が水平方向に沿う横回動軸心X1を備えている。
中継搬送部3Cは、縦搬送ケース30の上端から横搬送ケース40の一端部にわたる筒状の中継搬送ケース50を備えている。
図3〜図5等に示されるように、中継搬送ケース50は、縦搬送部3Aの縦回動軸心Y1と同心状の筒軸心を有した縦筒部51と、横搬送部3Bの横回動軸心X1と交差する筒軸心Z1を有した横筒部52と、を備えている。そして縦筒部51が縦搬送ケース30の上端に接続され、横筒部52が横搬送ケース40の一端部に接続されている。
点検口53が設けられた縦筒部51内には、縦筒部51の下端よりも上側に延出された縦送りスクリュー31の上部が位置している。したがって、中継搬送ケース50内に穀粒の詰まりが生じた場合等に、蓋体54を取り外して点検口53を開放することにより、縦送りスクリュー31の上部付近における中継搬送ケース50内部箇所に詰まった穀粒を取り除く等のメンテナンス作業を行い易い。
この点検口53、及び蓋体54が設けられた箇所では、従来の技術で説明したような、縦送りスクリュー31の上部に横方向への送り出し用の回転羽根(図示せず)が設けられた構造であれば、次のような問題が生じていた。つまり、点検口53の周縁と、これに嵌り込む蓋体54の周縁との隙間に穀粒等が嵌り込む状態で回転することで、長期間の使用のうちには、点検口53の周縁と蓋体54の周縁が大きく削り取られた状態となる傾向があり、穀粒排出装置3の耐久性の低下に繋がる虞があったが、上述したように、送り出し用の回転羽根等を用いずに、縦送りスクリュー31から中継搬送ケース50や横送りスクリュー41への送り込みが可能となったことにより、メンテナンス用の点検口53や蓋体54を設けていても、そのような耐久性の低下に繋がる虞を解消し得る。
横スクリュー軸部41aのうち、吐出筒40aが存在する側とは反対側の端部には、第一ベベルギヤ38と咬み合う第二ベベルギヤ44が備えられている。このような第一,第二チェーン伝動機構35,36、伝動軸37、第一ベベルギヤ38、第二ベベルギヤ44により、縦送りスクリュー31の縦スクリュー軸部31aから横送りスクリュー41の横スクリュー軸部41aに駆動力が伝達される。
このように、縦送りスクリュー31の上端部を中継搬送ケース50の内部にまで入り込ませ、縦送りスクリュー31における搬送作用領域の上端H1が、横筒部52の底面52aよりも高い位置となるように位置設定されている。これにより、中継搬送ケース50内に送り込まれた穀粒が、中継搬送ケース50の横筒部52の底面52aに沿って横移動し、横搬送部3Bに受け継がれる。
具体的には、縦送りスクリュー31における搬送作用領域の上端H1は、横筒部52の筒軸心Z1と同程度に設定されている。このように、搬送作用領域の上端H1が横筒部52の底面52aと同程度にとどまらず、さらに高い位置に設定されていると、穀粒が、より一層、中継搬送ケース50の内奥上部に送り込まれ、横搬送部3B側に流れ込み易くなる。
したがって、縦搬送部3Aから中継搬送部3Cへ、及び中継搬送部3Cから横搬送部3Bへの穀粒の流れにおいて、中継搬送ケース50内の穀粒が、縦筒部51や横筒部52の内周に沿って周方向で旋回しながら流動する状態を避け得る。これにより、穀粒が中継搬送ケース50の内周に強く摺接して損傷したり、中継搬送ケース50や縦搬送ケース30の摩耗による耐久性低下を避け易い。
図3に示されるように、穀粒貯留部2内に備えられた底スクリュー21は、穀粒貯留部2内の底部で前後方向に沿って配置されている。
この底スクリュー21の、穀粒貯留部2内の底部における左右方向での配設位置は、次のようにして設定されている。
図7に示されるように、機体後方視において、底スクリュー21は回転軸心X2周りで反時計回りに回転駆動される。そして、底スクリュー21は回転軸心X2を通る鉛直線Y2を境にして、鉛直線Y2よりも機体内方側における穀粒貯留部2内の容積V2が、鉛直線Y2よりも機体外方側における穀粒貯留部2内の容積V1よりも大であるように、設定されている。
その結果、鉛直線Y2よりも機体内方側における穀粒貯留部2内の穀粒が、鉛直線Y2よりも機体外方側における穀粒貯留部2内の穀粒よりも、底スクリュー21の搬送経路内へ多く流れ込むのであるが、鉛直線Y2よりも機体内方側における穀粒貯留部2内に、機体外方側における穀粒貯留部2内よりも多くの穀粒を収容可能にしてあるので、鉛直線Y2の機体内方側と外方側に存在する穀粒の排出タイミングを、ほぼ同時であるように設定し易い。
この流下ガイド26は、山形の頂部に備えた軸心回りで微少範囲を揺動可能に支持されているが、完全に固定された状態で支持されたものであってもよい。
以下、別実施形態について説明する。下記の各別実施形態は、矛盾が生じない限り、複数組み合わせて上記実施形態に適用してもよい。なお、本発明の範囲は、これら実施形態の内容に限定されるものではない。
例えば、縦送りスクリュー31における搬送作用領域の上端H1が、横筒部52の筒軸心Z1よりも高い位置、あるいは、筒軸心Z1よりも低い位置、に設定されたものであってもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
例えば、図8に示すように、縦送りスクリュー31における搬送作用領域の上端H1よりも高い位置に、縦回動軸心Y1に沿って板状の掻き出し羽根39を備えたものであってもよい。この場合、掻き出し羽根39の上下方向幅は、横筒部52の径の半分以下であるのが望ましい。
このように縦送りスクリュー31における搬送作用領域の上端H1よりも高い位置に掻き出し羽根39を設けることにより、この搬送作用領域の上端H1よりも高い位置で、穀粒が上下方向での強い圧縮作用を受ける虞を回避できる。尚、この掻き出し羽根39は、径方向の寸法も横筒部52の内径よりも十分に小さくして、横筒部52の内周面との間に隙間が形成されるようにし、隙間内を穀粒が流動可能であるようにしてもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
例えば、機体後方視において、底スクリュー21が回転軸心X2周りで時計回りに回転駆動される構造のものであってもよい。この場合、底スクリュー21は回転軸心X2を通る鉛直線Y2を境にして、鉛直線Y2よりも機体内方側における穀粒貯留部2内の容積V2が、鉛直線Y2よりも機体外方側における穀粒貯留部2内の容積V1よりも小であるように、設定されているのが望ましい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
3 穀粒排出装置
3A 縦搬送部
3B 横搬送部
3C 中継搬送部
21 底スクリュー
30 縦搬送ケース
31 縦送りスクリュー
39 掻き出し羽根
40 横搬送ケース
41 横送りスクリュー
50 中継搬送ケース
51 縦筒部
52 横筒部
52a 底面
53 点検口
54 蓋体
H1 上端
X1 横回動軸心(筒軸心)
X2 回転軸心
Y1 縦回動軸心(筒軸心)
Y2 鉛直線
Z1 筒軸心
V1 容積
V2 容積
Claims (5)
- 穀粒を貯留可能な穀粒貯留部と、
前記穀粒貯留部に貯留された穀粒を外部へ排出可能な穀粒排出装置と、が備えられ、
前記穀粒排出装置に、上下方向に沿う穀粒移送部を備えた縦搬送部と、水平方向に沿う穀粒移送部を備えた横搬送部と、前記縦搬送部の搬送終端部と前記横搬送部の搬送始端部とに対して接続される中継搬送部と、が備えられ、
前記縦搬送部に、縦送り用の縦送りスクリューと、その縦送りスクリューを内装する筒状の縦搬送ケースと、が備えられ、
前記横搬送部に、横送り用の横送りスクリューと、その横送りスクリューを内装する筒状の横搬送ケースと、が備えられ、
前記中継搬送部に、前記縦搬送ケースの上端から前記横搬送ケースの一端部にわたる筒状の中継搬送ケース、が備えられ、
前記中継搬送ケースに、前記縦搬送ケースの筒軸心と同心状の筒軸心を有した縦筒部と、前記横搬送ケースの筒軸心と交差する筒軸心を有した横筒部と、が備えられ、
前記縦送りスクリューにおける搬送作用領域の上端が、前記中継搬送ケースにおける前記横筒部の底面よりも高い位置にまで延出されているコンバイン。 - 前記縦送りスクリューの上端は、前記横筒部の筒軸心よりも上方にまで延出されている請求項1記載のコンバイン。
- 前記中継搬送ケースの側面部のうち、前記縦送りスクリューの上端部と重複する高さ位置に点検口が設けられるとともに、前記点検口を開閉可能な蓋体が設けられている請求項1又は2記載のコンバイン。
- 前記縦送りスクリューの上端部で前記搬送作用領域の上端よりも上方箇所に、穀粒を前記縦筒部の放射方向へ送り出す掻き出し羽根が設けられている請求項1〜3のいずれか一項記載のコンバイン。
- 前記穀粒貯留部の底部に、貯留されている穀粒を前記底部に沿って搬送する底スクリューが備えられ、
前記底スクリューが、当該底スクリューの回転軸心回りにおける一方向回転に伴って前記縦搬送部の搬送始端部に向けて穀粒を搬送するように構成され、
前記穀粒貯留部のうち、前記底スクリューの回転軸心を通る鉛直線の一方側に相当する範囲で、かつ前記底スクリューの回転方向が下向きである側の容積が、前記鉛直線の他方側に相当する範囲で、かつ前記底スクリューの回転方向が上向きである側の容積よりも大である請求項1〜4のいずれか一項記載のコンバイン。
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- 2019-09-27 JP JP2019177153A patent/JP2021052621A/ja active Pending
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