JP2017035018A - コンバイン - Google Patents

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崇文 森脇
Takafumi Moriwaki
崇文 森脇
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Abstract

【課題】横送りスクリューと縦送りスクリューとの間における穀粒の受け継ぎ箇所において穀粒の滞留が発生しにくく、耐久性に優れたアンローダが備えられたコンバインを提供する。【解決手段】穀粒を貯留可能な穀粒タンク8と、穀粒タンク8に貯留された穀粒を外部へ排出可能なアンローダ9と、が備えられ、アンローダ9に、縦向きに延出される縦送りスクリュー27と、横向きに延出される横送りスクリュー36と、が備えられ、横送りスクリュー36において、始端側と終端側とで螺旋条数を異ならせてあり、始端側の螺旋条数を終端側の螺旋条数よりも多くしてある。【選択図】図4

Description

本発明は、穀粒を貯留可能な穀粒貯留部と、穀粒貯留部に貯留された穀粒を外部へ排出可能なアンローダと、が備えられているコンバインに関する。
従来のコンバインが、例えば、特許文献1に記載されている。このコンバインには、アンローダに、縦向きに延出される縦送りスクリューと、横向きに延出される横送りスクリューと、が備えられている。穀粒貯留部に貯留された穀粒は、縦送りスクリューにより縦向きに搬送されてから、縦送りスクリューの終端部から横送りスクリューの始端部に受け継がれ、横送りスクリューにより横向きに搬送されて、外部に排出されるようになっている。
特開2014−33655号公報
しかし、上記従来の技術では、アンローダにおける縦送りスクリューの終端部と横送りスクリューの始端部との間における穀粒の受け継ぎ箇所において、穀粒の搬送効率が低下するものとなっており、受け継ぎ箇所に穀粒が滞留し易くなっていた。このため、滞留した穀粒の摩擦により、縦送りスクリューの終端部と横送りスクリューの始端部を覆う中継ケース等の構成部材が摩耗し易く、耐久性の面において改善の余地があった。
このような実情に鑑み、横送りスクリューと縦送りスクリューとの間における穀粒の受け継ぎ箇所において穀粒の滞留が発生しにくく、耐久性に優れたアンローダが備えられたコンバインの提供が望まれていた。
本発明の第一発明に係るコンバインは、
穀粒を貯留可能な穀粒貯留部と、
前記穀粒貯留部に貯留された穀粒を外部へ排出可能なアンローダと、が備えられ、
前記アンローダに、縦向きに延出される縦送りスクリューと、横向きに延出される横送りスクリューと、が備えられ、
前記横送りスクリューにおいて、始端側と終端側とで螺旋条数を異ならせてあり、始端側の螺旋条数を終端側の螺旋条数よりも多くしてあるものである。
本第一発明によると、横送りスクリューにおいて、螺旋条数の多い始端側の方が、始端側よりも螺旋条数の少ない終端側に比べて、横送りスクリューの一回転あたりで穀粒に螺旋羽根が接触する回数が多くなるため、横送りスクリューにおける始端側において、横送りスクリューの終端側よりも、穀粒の送り出し量(搬送量)が多くなる。よって、縦送りスクリューの終端部と横送りスクリューの始端部との間の受け継ぎ箇所に搬送された穀粒は、横送りスクリューの始端部により迅速に送り出され、横送りスクリューと縦送りスクリューとの間における穀粒の受け継ぎ箇所において穀粒の滞留が発生しにくくなる。その結果、縦送りスクリューの終端部と横送りスクリューの始端部を覆う中継ケース等の構成部材に摩耗が生じにくくなり、耐久性の優れたアンローダにできる。
本発明の第二発明に係るコンバインは、
穀粒を貯留可能な穀粒貯留部と、
前記穀粒貯留部に貯留された穀粒を外部へ排出可能なアンローダと、が備えられ、
前記アンローダに、縦向きに延出される縦送りスクリューと、横向きに延出される横送りスクリューと、が備えられ、
前記横送りスクリューにおいて、始端側と終端側とで螺旋ピッチを異ならせてあり、始端側の螺旋ピッチを終端側の螺旋ピッチよりも小さく設定してあるものである。
本第二発明によると、横送りスクリューにおいて、螺旋ピッチの小さい始端側の方が、始端側よりも螺旋ピッチの大きな終端側に比べて、搬送時に螺旋羽根から穀粒が零れ落ちにくくなるため、横送りスクリューにおける始端側において、横送りスクリューの終端側よりも、穀粒の送り出し量(搬送量)が多くなる。よって、縦送りスクリューの終端部と横送りスクリューの始端部との間の受け継ぎ箇所に搬送された穀粒は、横送りスクリューの始端部により迅速に送り出され、横送りスクリューと縦送りスクリューとの間における穀粒の受け継ぎ箇所において穀粒の滞留が発生しにくくなる。その結果、縦送りスクリューの終端部と横送りスクリューの始端部を覆う中継ケース等の構成部材に摩耗が生じにくくなり、耐久性の優れたアンローダにできる。
なお、ここで、『螺旋ピッチ』とは、スクリューの軸心方向において螺旋羽根が1周する距離を意味している。
上記構成において、
前記横送りスクリューに、スクリュー軸部と、前記スクリュー軸部に取り付けられる螺旋羽根と、が備えられ、
前記スクリュー軸部は、始端側を終端側よりも厚肉に設定してあると好適である。
本構成によれば、横送りスクリューでは、終端側よりも穀粒の送り出し量の多くなる始端側において大きな負荷がかかるものとなることを考慮して、螺旋羽根が取り付けられるスクリュー軸部の始端側を、スクリュー軸部の終端側よりも厚肉にしている。これにより、スクリュー軸部の始端側の強度、及び、耐摩耗性が確保され、耐久性が良好な横送りスクリューを構成できる。
上記構成において、
前記横送りスクリューに、スクリュー軸部と、前記スクリュー軸部に取り付けられる螺旋羽根と、が備えられ、
前記スクリュー軸部は、始端側が中実の丸棒で構成されるとともに、終端側が中空のパイプで構成されていると好適である。
本構成によれば、横送りスクリューでは、終端側よりも穀粒の送り出し量の多くなる始端側において大きな負荷がかかるものとなることを考慮して、螺旋羽根が取り付けられるスクリュー軸部の始端側を中実の丸棒で構成し、スクリュー軸部の終端側を中空のパイプで構成している。これにより、スクリュー軸部の始端側の強度、及び、耐摩耗性が十分に確保され、耐久性に優れた横送りスクリューを構成できる。
普通型コンバインの全体を示す右側面図である。 普通型コンバインの全体を示す平面図である。 アンローダの後部を示す右側面図である。 横送りスクリューの始端部の近傍を示す平面図である。 横送りスクリューの始端部の近傍を示す背面図である。 横送りスクリューの始端部の近傍を示す断面図である。 リテーナの近傍を示す左側面図である。 リテーナの近傍を示す平面図である。 横送りスクリューの始端部の近傍を示す左側面図である。 別実施形態における横送りスクリューの始端部の近傍を示す左側面図である。 別実施形態における横送りスクリューの始端部の近傍を示す左側面図である。 別実施形態における横送りスクリューの始端部の近傍を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態の一例を図面に基づいて説明する。
図1、図2に示される普通型コンバイン(「コンバイン」の一例)は、普通型コンバイン(「コンバイン」の一例)には、左右一対のクローラ走行装置1により自走可能な走行機体が備えられている。左右のクローラ走行装置1は、機体フレーム2を下方から支持している。左右のクローラ走行装置1は、エンジン3からトランスミッション4に伝達される駆動力によって駆動されるように構成されている。
走行機体には、運転操作が行われる運転部5、圃場に植立する穀稈を刈り取り処理する刈取搬送装置6、刈取穀稈の脱穀処理を行う脱穀装置7、脱穀処理後の穀粒を貯留可能な穀粒タンク8(「穀粒貯留部」に相当)、穀粒タンク8に貯留された穀粒を外部へ排出可能なアンローダ9が備えられている。
運転部5は、走行機体の前部の右横側部分に位置している。運転部5には、操縦者が着座可能な運転座席10、各種操作入力を行うための操作レバー11、搭乗空間の上方を覆う庇状のキャノピ12が設けられている。運転座席10は、エンジン3の上方に配置されている。
刈取搬送装置6は、走行機体の前端部に位置している。刈取搬送装置6は、機体フレーム2に対して昇降シリンダ(図示せず)により下降作業位置と上昇非作業位置との間で横軸心回りに昇降可能に支持されている。刈取搬送装置6には、回転駆動により植立穀稈を掻き込む掻込リール13、掻込リール13により掻き込まれた植立穀稈の株元を切断する切断装置14、刈取穀稈を左右方向に寄せ集めながら後方に向けて搬送する横送りオーガ15、横送りオーガ15から搬送されてくる刈取穀稈を脱穀装置7の入口に向けて斜め後ろ上がりに搬送するフィーダ16が備えられている。
脱穀装置7は、走行機体の後部に位置している。脱穀装置7は、フィーダ16から送られてくる刈取穀稈の全稈を脱穀処理する。脱穀装置7により脱穀処理された穀粒は、穀粒を揚送搬送可能な揚穀装置17により、穀粒タンク8に搬送される。
穀粒タンク8は、走行機体の後部に位置している。穀粒タンク8は、脱穀装置7と左右横並びで配置されている。穀粒タンク8は、運転部5の後方で、脱穀装置7の右横側に位置している。脱穀装置7の前部からフィーダ16が前下方に向けて延出されている。
このように構成された普通型コンバインは、クローラ走行装置1により走行機体を走行させながら、圃場に植立する植立穀稈を下降作業位置となった刈取搬送装置6により刈り取り処理して、刈り取り処理された穀稈の全稈を脱穀装置7で脱穀処理し、脱穀装置7により得られた穀粒を穀粒タンク8に貯留してゆくようになっている。つまり、普通型コンバインは、圃場に植立するイネ、麦、大豆等の作物を刈り取って、作物の全稈を脱穀処理する全稈投入型コンバインとして構成されている。
図1〜図3に示されるように、穀粒タンク8内には、穀粒タンク8の前方に設けられる排出クラッチ20の入り切りにより、駆動状態と非駆動状態とを切り換え可能な底スクリュー21が備えられている。底スクリュー21は、穀粒タンク8内の底部に、前後方向に沿って配置されている。底スクリュー21の駆動、アンローダ9の穀粒の送り出し駆動が連動するようになっている。
〔アンローダについて〕
図3に示されるように、アンローダ9の下端部は、鋳物で構成された下側中継ケース22を介して、底スクリュー21の後端部に接続されている。アンローダ9には、縦向きに延出される縦スクリューコンベア23と、横向きに延出される横スクリューコンベア24と、が備えられている。縦スクリューコンベア23の上端部は、鋳物で構成された上側中継ケース25を介して、横スクリューコンベア24の後端部に接続されている。横スクリューコンベア24の先端には、穀粒を外部に排出可能な吐出筒26が備えられている。
縦スクリューコンベア23は、搬送方向が走行機体の上方向きになる状態で穀粒タンク8の後方に設けられている。縦スクリューコンベア23には、縦向きに延出され、穀粒を縦向きに搬送可能な縦送りスクリュー27と、縦送りスクリュー27を覆う円筒状の縦搬送筒28と、が備えられている。縦搬送筒28は、穀粒タンク8の後壁部32の上部側に取り付けられるブラケット29を介して、穀粒タンク8に対して回動可能な状態で支持されている。縦送りスクリュー27には、円筒状のパイプ材により構成される上下方向に沿った縦スクリュー軸部30と、縦送りスクリュー27の縦向きの縦回動軸心Xを中心に、縦スクリュー軸部30の外周部に螺旋状に取り付けられる縦スクリュー用螺旋羽根31と、が備えられている。
縦スクリューコンベア23の縦搬送筒28は、下側中継ケース22に対して、縦軸心周りに回動操作可能に構成されている。縦搬送筒28を回動操作することにより、横スクリューコンベア24を左右に旋回操作できる。
下側中継ケース22は、穀粒タンク8の後壁部32の外面側と、機体フレーム2側とに亘って支持されている。穀粒タンク8の後壁部32には、穀粒タンク8の外に穀粒を排出可能な排出口34が形成されている。底スクリュー21の後端側は、穀粒タンク8の排出口34、及び、下側中継ケース22の開口を挿通され、前方から下側中継ケース22の内部に入り込んでいる。
縦送りスクリュー27の下端部は、上方から下側中継ケース22の内部に入り込んでいる。下側中継ケース22の内部において、底スクリュー21の後端部と縦送りスクリュー27の後端部とは、ベベルギヤ機構35により連動連結されている。
図1〜図5に示されるように、横スクリューコンベア24は、搬送方向が走行機体の横向きになる状態で、穀粒タンク8の上側に設けられている。横スクリューコンベア24には、横向きに延出され、穀粒を横方向に搬送可能な横送りスクリュー36と、横送りスクリュー36を覆う円筒状の横搬送筒37と、が備えられている。
横スクリューコンベア24は、図3、図4に示される油圧シリンダ等の昇降用アクチュエータ38の作動により、縦スクリューコンベア23に対して上下に揺動操作可能に構成されている。昇降用アクチュエータ38は、一端が縦スクリューコンベア23側に連結され、他端が横スクリューコンベア24側に連結されている。横スクリューコンベア24を、昇降用アクチュエータ38の駆動により、縦スクリューコンベア23に対して上下に揺動操作することによって、横スクリューコンベア24の吐出筒26の位置を上下に変更できる。横送りスクリュー36には、横スクリュー軸部40(「スクリュー軸部」に相当)と、横送りスクリュー36の横向きの横回動軸心Yを中心に、横スクリュー軸部40の外周部に螺旋状に取り付けられる横スクリュー用螺旋羽根41と、が備えられている。
図3〜図5等に示される上側中継ケース25には、縦スクリューコンベア23に接続された縦コンベアケース部42と、横スクリューコンベア24に接続された横コンベアケース部43と、が備えられている。横コンベアケース部43は、縦コンベアケース部42に対して水平方向に延びる軸心周りに回転操作可能に接続されている。
図4に示されるように、上側中継ケース25における縦搬送筒28とは反対側の箇所には、メンテナンス用の蓋部44が備えられている。蓋部44は、ボルト連結等により着脱可能となっており、蓋部44を取り外すことにより、例えば、上側中継ケース25内に穀粒の詰まりが生じた場合等に、穀粒を簡単に取り除くことができる。
図4、図5に示されるように、縦スクリュー軸部30の回転動力は、チェーン伝動機構45を介して、伝動軸46に伝達される。伝動軸46におけるチェーン伝動機構45とは反対側の端部には、第一ベベルギヤ47が備えられている。横スクリュー軸部40の吐出筒26と反対側の端部には、第一ベベルギヤ47と咬み合う第二ベベルギヤ48が備えられている。このようなチェーン伝動機構45、伝動軸46、第一ベベルギヤ47、第二ベベルギヤ48により、縦送りスクリュー27の縦スクリュー軸部30から横送りスクリュー36の横スクリュー軸部40に駆動力が伝達される。
排出クラッチ20が入り状態に操作されると、穀粒タンク8内の穀粒は、エンジン3からの駆動力が、排出クラッチ20により、底スクリュー21に伝達され、底スクリュー21の駆動により、下側中継ケース22の内部に搬送される。そして、下側中継ケース22内の穀粒は、底スクリュー21に連動する縦送りスクリュー27の駆動により、縦搬送筒28内を上向きに搬送されてから、上側中継ケース25の内部に搬送される。そして、上側中継ケース25内の穀粒は、縦送りスクリュー27に連動する横送りスクリュー36の駆動により、横搬送筒37内を横向きに搬送されてから、吐出筒26を通じて外部に排出される。
一方、排出クラッチ20が切り状態に切り換え操作されると、エンジン3からの駆動力が、排出クラッチ20から底スクリュー21への駆動力の伝動が遮断され、底スクリュー21、縦送りスクリュー27、横送りスクリュー36が、いずれも非駆動状態となり、穀粒タンク8からの穀粒の取り出しが停止される。
〔横送りスクリューの具体構造について〕
図4〜図6等に示されるように、横送りスクリュー36は、先端側の第一横スクリュー部50と、第一横スクリュー部50に接合される縦スクリュー軸部30側の第二横スクリュー部51と、により構成されている。第一横スクリュー部50が横送りスクリュー36の中途部から終端側に相当し、第二横スクリュー部51が横送りスクリュー36の始端側に相当する。
第一横スクリュー部50には、第一スクリュー軸部52と、第一スクリュー軸部52に溶接して取り付けられる横スクリュー用螺旋羽根41の一部である第一螺旋羽根53と、第一接合部54と、が備えられている。第一スクリュー軸部52は、中空状の円筒パイプ部材により構成されている。第一スクリュー軸部52の前端部に、第一接合部54が形成されている。
第二横スクリュー部51には、第二スクリュー軸部55と、第二スクリュー軸部55に溶接して取り付けられる横スクリュー用螺旋羽根41の始端側の一部である2つの第二螺旋羽根56と、第二接合部57と、が備えられている。第二スクリュー軸部55は、中空状の円筒パイプ部材により構成されている。第二スクリュー軸部55の前端部に、第二接合部57が形成されている。第二接合部57の外径は、第二スクリュー軸部55の本体部の外径よりも小さくなっている。第二接合部57は、第一接合部54に内嵌されるように内径が設定されている。第二スクリュー軸部55の肉厚は、第一スクリュー軸部52の肉厚よりも大きくなっている。つまり、横スクリュー軸部40は、始端側が終端側よりも厚肉に設定されている。
2つの第二螺旋羽根56は、互いに180度位相を異ならせて第二スクリュー軸部55の外周部に取り付けられている。つまり、横送りスクリュー36においては、始端側の第二横スクリュー部51と終端側の第一横スクリュー部50とで螺旋条数を異ならせてあり、始端側の第二横スクリュー部51の螺旋条数を終端側の第一横スクリュー部50の螺旋条数よりも多くしてある。説明を加えると、始端側の第二横スクリュー部51の螺旋条数は2であり、終端側の第一横スクリュー部50の螺旋条数は1であり、横送りスクリュー36において始端側の螺旋条数が終端側の螺旋条数の2倍となっている。
2つの第二螺旋羽根56のうち一方の搬送終端側の終端部Aは、第一横スクリュー部50の外周面に滑らかに接続されるように収束している。また、2つの第二螺旋羽根56のうち他方の搬送終端側の終端部は、第一螺旋羽根53の始端側と位相が合致するように、互いの搬送面が面一状に滑らかに繋がる接続部Bを形成するようになっている。
そして、横送りスクリュー36においては、始端側と終端側とで螺旋ピッチを同じにしてある。説明を加えると、図9等に示されるように、第二横スクリュー部51の第二螺旋羽根56の螺旋ピッチは、第一横スクリュー部50の螺旋ピッチと同じにしてある。また、2つの第二螺旋羽根56のうち一方の螺旋羽根の螺旋ピッチと、2つの第二螺旋羽根56のうち他方の螺旋羽根の螺旋ピッチとを同じにしてある。ここで、2つの第二螺旋羽根56が互いに180度位相を異ならせて第二スクリュー軸部55に取り付けられているので、見かけ上は、第二横スクリュー部51の第二螺旋羽根56の螺旋ピッチは、第一横スクリュー部50の螺旋ピッチの約2分の1であるように見えるものとなっている。なお、図9等における符号Pは、螺旋ピッチの大きさを表している。
第二螺旋羽根56は、上側中継ケース25の横コンベアケース部43の内部と横搬送筒37の始端側の内部とに亘って位置している。第二螺旋羽根56は、平面視で、上側中継ケース25の縦コンベアケース部42よりも横搬送筒37側に螺旋ピッチの約1単位分が突出するように構成されている。これにより、縦コンベアケース部42から横コンベアケース部43の内部に搬送されてくる穀粒が、第二螺旋羽根56により横搬送筒37側へ迅速に搬送され、上側中継ケース25に穀粒の詰まりが生じにくくなる。
〔第一横スクリュー部と第二横スクリュー部との接合について〕
図6に示されるように、第一横スクリュー部50の第一スクリュー軸部52と、第二横スクリュー部51の第二スクリュー軸部55とは、第一溶接部58と、第二溶接部59と、により接合されている。第一溶接部58は、第一スクリュー軸部52の第一接合部54に形成される位置決め用孔部60を、第二スクリュー軸部55の第二接合部57の外周面のマーキング箇所(図示せず)に位置合わせして溶接する、いわゆるプラグ溶接により形成される。第一溶接部58により、第一スクリュー軸部52に対する第二スクリュー軸部55の位置決めが容易となる。これにより、第一螺旋羽根53の搬送面と第二螺旋羽根56の搬送面との位相合わせを容易に行うことができる。また、第二溶接部59は、第二接合部57の端部とは逆側の箇所の外周部と第一接合部54の端部の外周部を全周に亘って溶接することにより形成されている。このような第一溶接部58と第二溶接部59を形成することにより、第一スクリュー軸部52と第二スクリュー軸部55との接合強度を確保できる。なお、第一溶接部58と第二溶接部59とは、溶接バリが研磨加工により取り除かれ、横スクリュー軸部40の外周面の全体が滑らかにされている。
〔リテーナについて〕
図7、図8に示されるように、エンジン3の動力は、第一ベルト伝動機構100を介して、トランスミッション4の入力軸101に伝達されるように構成されている。第一ベルト伝動機構100には、ミッション側出力プーリ102、無端回動体である第一ベルト体103、ミッション側入力プーリ104が備えられている。第一ベルト体103は、ミッション側出力プーリ102とミッション側入力プーリ104とに亘って巻き回されている。
図7に示されるように、第一ベルト伝動機構100の近傍には、第一ベルト体103に張力を付与する第一テンション機構120が備えられている。第一テンション機構120には、第一テンションプーリ121、第一テンションプーリ121を回動可能に支持する第一アーム122、バネ材等を含む第一付勢機構123が備えられている。第一付勢機構123の付勢力により第一ベルト体103が張り方向に向けて付勢されている。
また、図7、図8に示されるように、エンジン3の動力は、第二ベルト伝動機構105を介して、唐箕(図示せず)を駆動する唐箕軸106に伝達されるように構成されている。第二ベルト伝動機構105には、唐箕側出力プーリ107、無端回動体である第二ベルト体108、唐箕側入力プーリ109が備えられている。第二ベルト体108は、唐箕側出力プーリ107と唐箕側入力プーリ109とに亘って巻き回されている。
ミッション側出力プーリ102、唐箕側出力プーリ107は、一体の部材として構成されている。第二ベルト体108は、第一ベルト体103よりも機体横内側に位置している。図7に矢印で示されているように、ミッション側出力プーリ102、唐箕側入力プーリ109、ミッション側入力プーリ104は、それぞれ、図7の紙面における反時計周りに回転するように構成されている。
第二ベルト伝動機構105の近傍には、第二ベルト体108に張力を付与する第二テンション機構110、第二ベルト体108の外れを防止するリテーナ111が備えられている。第二テンション機構110には、第二テンションプーリ112、第二テンションプーリ112を回動可能に支持する第二アーム113、バネ材等を含む第二付勢機構114が備えられている。第二付勢機構114の付勢力により第二ベルト体108が張り方向に向けて付勢されている。
リテーナ111には、板状のプレート部115、プレート部115の端部に形成される横方向に沿って延びる押さえ棒116、取付位置調整用の長孔117が備えられている。長孔117は、プレート部115に形成され、押さえ棒116を中心とする円弧状に形成されている。プレート部115は、第二テンション機構110とともに、機体フレーム2側に取り付けられる一対のプレート状の取付部材118に、支軸119を介して、ボルト等により連結支持されている。支軸119は、第二テンション機構110の揺動支軸として機能するとともに、リテーナ111の取付角度を調整する際の支点軸として機能する。プレート部115を取付部材118に連結しているボルトを緩めて、プレート部115を支軸119周りに揺動させて、長孔117内の所定の位置で再度ボルトを締結することにより、取付部材118に対するリテーナ111の取付位置を調整できる。これにより、リテーナ111による第二ベルト体108の押圧具合等の調整を行うことができる。
図8に示されるように、リテーナ111は、第二テンション機構110の第二アーム113よりも機体内側に配置されている。図7に示されるように、リテーナ111のプレート部115は、側面視で、第二テンション機構110の第二アーム113と重複している。リテーナ111をこのように配置しているので、リテーナ111や第二テンション機構110の下方に、油圧ホース等を通すスペースが生じ、レイアウトの自由度が向上されたものとなる。
〔別実施形態〕
以下、別実施形態について説明する。下記の各別実施形態は、矛盾が生じない限り、複数組み合わせて上記実施形態に適用してもよい。なお、本発明の範囲は、これら実施形態の内容に限定されるものではない。
(1)上記実施形態では、始端側と終端側とで螺旋条数を異ならせてあり、かつ、始端側と終端側とで螺旋ピッチを同じにしてある横送りスクリュー36が例示されているが、これに限られない。例えば、図10に示されるように、始端側と終端側とで螺旋条数を同じにしてあり、かつ、始端側と終端側とで螺旋ピッチを異ならせてあり、始端側の螺旋ピッチを終端側の螺旋ピッチよりも小さく設定してある横送りスクリュー136であってもよい。説明を加えると、この場合、横送りスクリュー136の第二螺旋羽根156の螺旋ピッチは、図10中の符号Pで示されるように、横送りスクリュー136の第一螺旋羽根53の螺旋ピッチの約2分の1の大きさになっている。
また、図11に示されるように、始端側と終端側とで螺旋条数を異ならせてあり、始端側の螺旋条数を終端側の螺旋条数よりも多くしてあり、かつ、始端側と終端側とで螺旋ピッチを異ならせてあり、始端側の螺旋ピッチを終端側の螺旋ピッチよりも小さく設定してある横送りスクリュー236であってもよい。説明を加えると、この場合、横送りスクリュー236において、2つの第二螺旋羽根56が、互いに180度位相を異ならせて第二スクリュー軸部55の外周部に取り付けられている。具体的には、横送りスクリュー236において、始端側の第二横スクリュー部51の螺旋条数は2であり、終端側の第一横スクリュー部50の螺旋条数は1であり、横送りスクリュー36において始端側の螺旋条数が終端側の螺旋条数の2倍となっている。そして、図11中の符号Pで示されるように、横送りスクリュー236の第二螺旋羽根256の螺旋ピッチは、横送りスクリュー236の第一螺旋羽根53の螺旋ピッチの約2分の1の大きさに設定されている。ここで、2つの第二螺旋羽根256が互いに180度位相を異ならせて第二スクリュー軸部55に取り付けられているので、見かけ上は、第二横スクリュー部51の第二螺旋羽根256の螺旋ピッチは、第一横スクリュー部50の螺旋ピッチの約4分の1であるように見えるものとなっている。
この他にも、始端側と終端側との間における螺旋条数の数や螺旋ピッチの大きさを種々に変更した横送りスクリューであってもよい。この場合、横送りスクリューの始端側の方が終端側よりも、穀粒の搬送量が多くなるように、螺旋条数や螺旋ピッチが設定される。
(2)上記実施形態では、第二螺旋羽根56が、平面視で、縦コンベアケース部42よりも横搬送筒37側に螺旋ピッチの約1単位分が突出するように構成されているものが例示されているが、これに限られない。第二螺旋羽根56が、縦搬送筒28よりも突出している長さは、螺旋ピッチの約0.5単位分や約1.5単位分等の異なる長さであってもよい。
(3)上記実施形態では、横スクリュー軸部40の始端側と終端側の両方が中空のパイプで構成されている横送りスクリュー36ものが例示されているが、これに限られない。例えば、図12に示されるように、始端側が中実の丸棒で構成されるとともに、終端側が中空のパイプで構成されている横スクリュー軸部340を備える横送りスクリュー336であってもよい。この場合、第二スクリュー軸部355が、中実の中空の丸棒で構成されるものとなる。
(4)上記実施形態では、横スクリューコンベア24を縦スクリューコンベア23に対して上下に揺動操作可能にするものとして昇降用アクチュエータ38が例示されているが、これに限られない。横スクリューコンベア24を縦スクリューコンベア23に対して上下に揺動操作可能にする機構は、どのようなものが採用されていてもよい。
(5)上記実施形態では、縦送りスクリュー27から横送りスクリュー36に動力を伝達する機構として、チェーン伝動機構45、伝動軸46、第一ベベルギヤ47、第二ベベルギヤ48が備えられているものが例示されているが、これに限られない。縦送りスクリュー27から横送りスクリュー36に動力を伝達する機構は、どのようなものが採用されていてもよい。
本発明は、上記のように運転部にキャノピが設けられているもの以外にも、運転部にキャビンが設けられているものや、運転部にキャノピやキャビンが設けられていないものにおいても利用可能である。また、本発明は、上記のように左右一対のクローラ走行装置が備えられているもの以外にも、左右一対の前輪と左右一対の後輪を有するホイール走行装置等の他の走行装置が備えられているものにおいても利用可能である。また、本発明は、上記普通型コンバインの他、穀稈の穂先のみを脱穀処理する自脱型コンバイン等の他のコンバインにおいても利用可能である。
8 :穀粒タンク(穀粒貯留部)
9 :アンローダ
27 :縦送りスクリュー
36 :横送りスクリュー
40 :横スクリュー軸部(スクリュー軸部)
41 :横スクリュー用螺旋羽根(螺旋羽根)

Claims (4)

  1. 穀粒を貯留可能な穀粒貯留部と、
    前記穀粒貯留部に貯留された穀粒を外部へ排出可能なアンローダと、が備えられ、
    前記アンローダに、縦向きに延出される縦送りスクリューと、横向きに延出される横送りスクリューと、が備えられ、
    前記横送りスクリューにおいて、始端側と終端側とで螺旋条数を異ならせてあり、始端側の螺旋条数を終端側の螺旋条数よりも多くしてあるコンバイン。
  2. 穀粒を貯留可能な穀粒貯留部と、
    前記穀粒貯留部に貯留された穀粒を外部へ排出可能なアンローダと、が備えられ、
    前記アンローダに、縦向きに延出される縦送りスクリューと、横向きに延出される横送りスクリューと、が備えられ、
    前記横送りスクリューにおいて、始端側と終端側とで螺旋ピッチを異ならせてあり、始端側の螺旋ピッチを終端側の螺旋ピッチよりも小さく設定してあるコンバイン。
  3. 前記横送りスクリューに、スクリュー軸部と、前記スクリュー軸部に取り付けられる螺旋羽根と、が備えられ、
    前記スクリュー軸部は、始端側を終端側よりも厚肉に設定してある請求項1または2に記載のコンバイン。
  4. 前記横送りスクリューに、スクリュー軸部と、前記スクリュー軸部に取り付けられる螺旋羽根と、が備えられ、
    前記スクリュー軸部は、始端側が中実の丸棒で構成されるとともに、終端側が中空のパイプで構成されている請求項1〜3のいずれか一項に記載のコンバイン。
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