JP2021052163A - 基板洗浄装置および基板洗浄方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】基板の下面の乾燥を効率的に行うことが可能な基板洗浄装置および基板洗浄方法を提供する。【解決手段】回転保持部は、基板の下面中央部を保持して回転する。第1および第2の直動保持部は、基板の下面周縁部の互いに対向する第1および第2の領域をそれぞれ保持して第1の方向に平行な方向に往復移動する。下面洗浄器は、第1および第2の直動保持部により基板が保持されているときに基板の下面中央部を洗浄し、回転保持部により基板が保持および回転されているときに基板の下面周縁部を洗浄する。気体噴出器は、回転保持部を取り囲むように気体を上方に噴出する。噴出器駆動部は、気体噴出器を昇降させる。【選択図】図1
Description
本発明は、基板を洗浄する基板洗浄装置および基板洗浄方法に関する。
半導体基板(ウエハ)、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板またはフォトマスク用基板等の各種基板に種々の処理を行うために、基板処理装置が用いられている。基板を洗浄するためには、基板洗浄装置が用いられる。
特許文献1〜4に記載された基板洗浄装置は、ウエハの裏面周縁部を保持する2つの吸着パッド、ウエハの裏面中央部を保持するスピンチャック、およびウエハの裏面を洗浄するブラシを備える。2つの吸着パッドがウエハを保持するとともに横方向に移動する。この状態で、ウエハの裏面中央部がブラシで洗浄される。その後、スピンチャックが吸着パッドからウエハを受け取り、スピンチャックがウエハの裏面中央部を保持しつつ回転する。この状態で、ウエハの裏面周縁部がブラシで洗浄される。また、スピンチャックの周囲に設けられたエアナイフから気体が噴出されることにより、スピンチャックの表面への洗浄液の付着が防止されるとともに、ウエハの裏面が乾燥される。
基板洗浄装置においては、基板の下面の乾燥をより効率的に行うことが望まれる。
本発明の目的は、基板の下面の乾燥を効率的に行うことが可能な基板洗浄装置および基板洗浄方法を提供することである。
(1)第1の発明に係る基板洗浄装置は、基板の下面中央部を保持して回転する回転保持部と、基板の下面周縁部の互いに対向する第1および第2の領域をそれぞれ保持して第1の方向に平行な方向に往復移動する第1および第2の直動保持部と、第1および第2の直動保持部により基板が保持されているときに基板の下面中央部を洗浄し、回転保持部により基板が保持および回転されているときに基板の下面周縁部を洗浄する下面洗浄器と、回転保持部を取り囲むように気体を上方に噴出する気体噴出器と、気体噴出器を昇降させる噴出器駆動部とを備える。
その基板洗浄装置においては、第1および第2の直動保持部により基板の下面周縁部の互いに対向する第1および第2の領域が保持される。この状態で、基板の下面中央部が下面洗浄器により洗浄される。また、回転保持部により基板が保持および回転されているときに基板の下面周縁部が下面洗浄器により洗浄される。
さらに、基板が回転保持部により保持されていないときに、気体噴出器により回転保持部を取り囲むように気体を上方に噴出することができる。それにより、回転保持部に液滴が付着することが防止される。また、基板が第1および第2の直動保持部により保持および移動されるときに、気体噴出器が基板の下面に近接した状態で気体を上方に噴出することができる。それにより、基板の下面を効率的に乾燥させることができる。
(2)気体噴出器は、回転保持部を取り囲む環状噴出部を含み、環状噴出部は、上方に気体を噴出するための環状スリットを有し、噴出器駆動部により駆動されてもよい。この場合、簡単な構成で、回転保持部を取り囲むように気体を上方に噴出させるとともに、気体噴出器昇降させることができる。
(3)環状噴出部は、環状スリットに連通する気体入口を有してもよい。この場合、環状スリットから容易に気体を噴出させることができる。
(4)基板洗浄装置は、下面中央部の洗浄時に第1の流量で気体噴出器から気体を噴出させ、下面中央部の洗浄後に第1の流量よりも大きな第2の流量で気体噴出器から気体を噴出させる噴出気体供給部をさらに備えてもよい。この場合、基板の下面に噴射させる気体の線速度が高くなる。それにより、基板の下面をより効率的に乾燥させることができる。
(5)気体噴出器は、回転保持部を取り囲む筒状の気体カーテンを形成してもよい。この場合、基板が回転保持部により保持されていないときに、回転保持部に液滴が付着することがより確実に防止される。また、基板が第1および第2の直動保持部により保持および移動されるときに、基板の下面をより効率的に乾燥させることができる。
(6)基板洗浄装置は、内部空間を形成する側壁部、上板部および底板部を有するケーシングをさらに備え、回転保持部、第1の直動保持部、第2の直動保持部、下面洗浄器および気体噴出器は、ケーシングの内部空間に設けられてもよい。
この場合、ケーシング内で第1および第2の直動保持部により基板が保持されているときに基板の下面中央部が下面洗浄器により洗浄される。また、ケーシング内で回転保持部により基板が保持および回転されているときに基板の下面周縁部が下面洗浄器により洗浄される。このとき、ケーシングは液体の飛散防止用の飛散防止部材として働く。ケーシングは移動しないため、飛散防止部材を移動させる機構が不要となる。
(7)側壁部は、第1の方向視において、互いに対向する第1および第2の壁部を含み、第1の直動保持部は、第1の方向視において、ケーシングの第1の壁部と回転保持部との間に設けられ、第2の直動保持部は、第1の方向視において、ケーシングの第2の壁部と回転保持部との間に設けられてもよい。
この場合、ケーシング内に第1および第2の直動保持部をコンパクトに配置することができる。それにより、ケーシングの小型化が可能となる。また、ケーシング内で回転保持部に関して第1および第2の直動保持部が対称的に配置される。それにより、第1および第2の直動保持部により基板を安定的に保持することができる。したがって、基板の下面を均一に洗浄することが可能となる。
(8)側壁部は、第1の方向に交差する第2の方向視において、互いに対向する第3および第4の壁部をさらに含み、回転保持部および気体噴出器は、第4の壁部よりも第3の壁部に近い位置に配置され、下面洗浄器は、回転保持部と第4の壁部との間に配置されてもよい。この場合、ケーシング内に回転保持部、気体噴出器および下面洗浄器をコンパクトに配置しつつ、第1および第2の直動保持部により保持された基板の下面を下面洗浄器により洗浄することが可能になる。
(9)基板洗浄装置は、回転保持部と気体噴出器との間の領域で上下動可能に設けられ、基板の下面を支持可能な3以上の複数の支持ピンをさらに備え、複数の支持ピンは、第1および第2の直動保持部に対して基板を受け渡し可能に構成されるとともに、回転保持部に対して基板を受け渡し可能に構成され、複数の支持ピンが基板を第1および第2の直動保持部に渡し、第1および第2の直動保持部が複数の支持ピンから受け取った基板を保持して第1の方向に移動しつつ下面洗浄器が第1および第2の直動保持部により保持された基板の下面を洗浄した後、複数の支持ピンが第1および第2の直動保持部から基板を受け取り、受け取った基板を回転保持部に渡し、回転保持部が複数の支持ピンから受け取った基板を保持して回転しつつ下面洗浄器が回転保持部により保持される基板の下面を洗浄し、複数の支持ピンが回転保持部から基板を受け取ってもよい。
この場合、複数の支持ピンと第1および第2の直動保持部との間で基板の受け渡しが行われ、複数の支持ピンと回転保持部との間で基板の受け渡しが行われる。それにより、回転保持部の保持面のサイズが小さい場合でも、基板の受け渡しを確実に行うことができる。したがって、回転保持部のサイズを縮小することにより、第1および第2の直動保持部により保持された基板の下面のうち洗浄されるべき下面中央部の面積を低減することができる。その結果、第1および第2の直動保持部により保持された基板の洗浄時間を短縮することができる。
(10)第2の発明に係る基板洗浄方法は、基板の下面周縁部の互いに対向する第1および第2の領域をそれぞれ保持する第1および第2の直動保持部を第1の方向に平行な方向に往復移動させるステップと、第1および第2の直動保持部により基板が保持されているときに回転保持部を取り囲むように気体噴出器により気体を上方に噴出させるステップと、第1および第2の直動保持部により基板が保持されているときに基板の下面中央部を洗浄するステップと、気体噴出器を上昇させるステップと、基板の下面中央部を保持する回転保持部を回転させるステップと、回転保持部により基板が保持および回転されているときに基板の下面周縁部を洗浄するステップとを含む。
その基板洗浄方法によれば、第1および第2の直動保持部により基板の下面周縁部の互いに対向する第1および第2の領域が保持される。この状態で、基板の下面中央部が下面洗浄器により洗浄される。また、回転保持部により基板が保持および回転されているときに基板の下面周縁部が下面洗浄器により洗浄される。
さらに、基板が回転保持部により保持されていないときに、気体噴出器により回転保持部を取り囲むように気体を上方に噴出することができる。それにより、回転保持部に液滴が付着することが防止される。また、基板が第1および第2の直動保持部により保持および移動されるときに、気体噴出器が基板の下面に近接した状態で気体を上方に噴出することができる。それにより、基板の下面を効率的に乾燥させることができる。
(11)基板を第1の方向に平行な方向に往復移動させるステップは、第1および第2の直動保持部により基板を第1の方向に平行な一方向に移動させることと、第1および第2の直動保持部により基板を一方向とは逆方向に移動させることとを含み、基板の下面中央部を洗浄するステップは、第1および第2の直動保持部により基板が一方向に移動されているときに基板の下面中央部を洗浄することを含んでもよい。
この場合、第1および第2の直動保持部により保持された基板が一方向に移動されるときに基板の下面中央部が洗浄される。一方、第1および第2の直動保持部により保持された基板が逆方向に移動されるときには基板の下面中央部は洗浄されない。そのため、基板の下面を効率的に乾燥させることができる。
(12)気体を上方に噴出させるステップは、第1および第2の直動保持部により基板が一方向に移動されているときに気体噴出器により第1の流量で気体を噴出させることと、第1および第2の直動保持部により基板が逆方向に移動されているときに気体噴出器により第1の流量よりも大きな第2の流量で気体を噴出させることとを含んでもよい。
この場合、基板の下面中央部の洗浄時に回転保持部に液滴が付着することが防止される。また、基板の下面中央部の洗浄後に基板の下面に噴射させる気体の線速度が高くなる。それにより、基板の下面をより効率的に乾燥させることができる。
(13)気体噴出器を上昇させるステップは、第1および第2の直動保持部により基板が逆方向に移動される前または逆方向に移動されているときに気体噴出器を上昇させることを含んでもよい。この場合、基板の下面中央部の洗浄後に気体噴出器が基板の下面により近接する。それにより、基板の下面をより効率的に乾燥させることができる。
(14)気体を上方に噴出させるステップは、回転保持部を取り囲む筒状の気体カーテンを形成することを含んでもよい。この場合、基板が回転保持部により保持されていないときに、回転保持部に液滴が付着することがより確実に防止される。また、基板が第1および第2の直動保持部により保持および移動されるときに、基板の下面をより効率的に乾燥させることができる。
(15)基板洗浄方法は、上下動可能かつ基板の下面を支持可能な3以上の複数の支持ピンにより第1および第2の直動保持部に対して基板を渡すステップと、基板の下面中央部の洗浄後に複数の支持ピンにより第1および第2の直動保持部から基板を受け取るステップと、複数の支持ピンにより受け取った基板を回転保持部に対して渡すステップと、基板の下面周縁部の洗浄後に複数の支持ピンにより回転保持部から基板を受け取るステップとをさらに含んでもよい。
この場合、複数の支持ピンと第1および第2の直動保持部との間で基板の受け渡しが行われ、複数の支持ピンと回転保持部との間で基板の受け渡しが行われる。それにより、回転保持部の保持面のサイズが小さい場合でも、基板の受け渡しを確実に行うことができる。したがって、回転保持部のサイズを縮小することにより、第1および第2の直動保持部により保持された基板の下面のうち洗浄されるべき下面中央部の面積を低減することができる。その結果、第1および第2の直動保持部により保持された基板の洗浄時間を短縮することができる。
本発明によれば、基板の下面を効率的に乾燥させることができる。
以下、本発明の実施の形態に係る基板洗浄装置について図面を用いて説明する。以下の説明において、基板とは、半導体基板(ウエハ)、液晶表示装置もしくは有機EL(Electro Luminescence)表示装置等のFPD(Flat Panel Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板または太陽電池用基板等をいう。また、本実施の形態では、基板の上面が回路形成面(表面)であり、基板の下面が回路形成面と反対側の面(裏面)である。また、本実施の形態では、基板は、ノッチを除いて円形状を有する。
[1]第1の実施の形態
(1)基板洗浄装置の全体の構成
図1は第1の実施の形態に係る基板洗浄装置の斜視図である。図2は図1の基板洗浄装置の平面図である。図3は図2の基板洗浄装置のA−A線断面図である。図4は図2の基板洗浄装置のB−B線断面図である。
(1)基板洗浄装置の全体の構成
図1は第1の実施の形態に係る基板洗浄装置の斜視図である。図2は図1の基板洗浄装置の平面図である。図3は図2の基板洗浄装置のA−A線断面図である。図4は図2の基板洗浄装置のB−B線断面図である。
図1および図2以降の所定の図には、位置関係を明確にするために互いに直交するX方向、Y方向およびZ方向を示す矢印が付されている。X方向およびY方向は水平面内で互いに直交し、Z方向は鉛直方向に相当する。
図1に示すように、基板洗浄装置1は、直方体形状のケーシング100、駆動ユニット200、スピンチャック300、気体噴出器400、複数のリフトピン500、1対の直動チャック600a,600bおよび下面洗浄器700を備える。図1の基板洗浄装置1は、一点鎖線で示すユニット筐体UC内に設けられる。
ケーシング100は、互いに対向する1対の側壁部101,102、互いに対向する他の1対の側壁部103,104、底板部105および上板部106により構成される。側壁部101,102はX方向に垂直に形成され、側壁部103,104はY方向に垂直に形成される。底板部105および上板部106はZ方向に垂直に形成される。それにより、側壁部101〜104、底板部105および上板部106により内部空間が形成される。
上板部106には、長円形状の上部開口110が形成されている。本実施の形態では、ケーシング100は、透明の樹脂で形成されている。透明の樹脂としては、例えばポリ塩化ビニルが用いられる。
ケーシング100内の底板部105上に駆動ユニット200が配置される。駆動ユニット200には、スピンチャック300が設けられる。スピンチャック300は、図2に示すように、基板Wの下面を吸着保持可能な円形の吸着面310を有し、鉛直軸(Z方向の軸)の周りで回転可能に構成される。吸着面310は、気体の吸引力により基板Wの下面を吸着する。
気体噴出器400は、スピンチャック300を取り囲むように円筒形状を有する。スピンチャック300と気体噴出器400との間の環状領域に3本以上のリフトピン500が垂直方向(Z方向)に延びるように設けられる。本実施の形態では、3本のリフトピン500が等角度間隔で設けられる。リフトピン500は、上下動可能に構成されている。
スピンチャック300および気体噴出器400は、側壁部104よりも側壁部103に近い位置に配置される。ケーシング100内で駆動ユニット200と側壁部101との間に直動チャック600aが配置される。また、ケーシング100内で駆動ユニット200と側壁部102との間に直動チャック600bが配置される。直動チャック600a,600bは、スピンチャック300を挟んで対向する。
図2に示すように、直動チャック600a,600bの各々は、吸着アーム610および1対の吸着パッド620を含む。各吸着アーム610は、Y方向に一定間隔で離間する1対のパッド取り付け部611,612、およびパッド取り付け部611,612間でY方向に延びる連結部613を有する。1対の吸着パッド620は、パッド取り付け部611,612の上面に取り付けられている。各吸着パッド620の中央部には、吸引孔621が形成されている。それにより、2対の吸着パッド620は、気体の吸引力により基板Wの下面周縁部の互いに対向する領域を吸着保持可能である。
下面洗浄器700は、ケーシング100内で駆動ユニット200と側壁部104との間に設けられる。下面洗浄器700は、固定部710、回転部720、ブラシアーム730、洗浄用のブラシ740、および1対のリンスノズル750を含む。固定部710は、底板部105に固定される。回転部720は、固定部710に対して鉛直方向の回転軸RCの周りで回転可能および鉛直方向に上下動可能に設けられる。ブラシアーム730は、回転部720から水平方向に突出するように形成される。ブラシアーム730は、回転部720とともに水平面内で旋回可能かつ上下動可能である。
ブラシアーム730の先端部の上面には、ブラシ740が鉛直方向の回転軸の周りで回転可能(自転可能)に設けられる。ブラシアーム730の先端部でかつブラシ740の両側に1対のリンスノズル750が設けられる。本実施の形態では、1対のリンスノズル750は、鉛直方向に延びる。
図1〜図3に示すように、ブラシアーム730の先端部がケーシング100の側壁部101を向く位置を待機位置と呼ぶ。図2および図3に示すように、ケーシング100の上板部106には、ブラシ洗浄ノズル760が取り付けられている。ブラシ洗浄ノズル760は、ブラシアーム730が待機位置にあるときにブラシ740の上方に位置する。それにより、ブラシ洗浄ノズル760から洗浄液としてリンス液を吐出することによりブラシ740を洗浄することができる。リンス液は、例えば純水である。リンス液が他の洗浄液であってもよい。
図2に示すように、ケーシング100内において、側壁部101に対向する駆動ユニット200の側面および側壁部102に対向する駆動ユニット200の側面にそれぞれパッドカバー800が取り付けられている。パッドカバー800の各々には、矩形切り欠き810が形成されている。
ケーシング100の外部には、上面洗浄乾燥器900が設けられる。上面洗浄乾燥器900は、アーム駆動部910、ノズルアーム920、リンスノズル930および乾燥用気体ノズル950を含む。アーム駆動部910は、ケーシング100の側壁部101の外面に設けられる。アーム駆動部910は、ノズルアーム920を水平面内で旋回させる。リンスノズル930は、水平面に対して傾斜する方向に洗浄液としてリンス液を吐出するようにノズルアーム920の先端に取り付けられている。リンス液は、例えば純水である。リンス液が他の洗浄液であってもよい。
ノズルアーム920には、乾燥用気体ノズル950が取り付けられている。乾燥用気体ノズル950は、水平面に対して傾斜する方向に乾燥用気体(例えば、N2ガス等の不活性ガス)を吐出する。乾燥用気体として、エア等の他の気体が用いられてもよい。
ケーシング100内の側壁部103に近い位置にラインセンサ23の発光部LEが配置されている。ケーシング100の側壁部104の上方の位置にラインセンサ23の受光部LRが取り付けられている。図1に示すように、ケーシング100の側壁部102の上端から上方に突出するようにシャッタSHが設けられる。シャッタSHは、上下動可能に構成される。それにより、ユニット筐体UCの開口OPが開閉される。
(2)気体噴出器400の構成
図5は気体噴出器400の断面図、図6は図5の気体噴出器400の平面図である。図5は図6の気体噴出器400のC−C線断面を示す。図5に示すように、気体噴出器400は、可動支持部410、環状噴出部420および上下動シリンダ460を含む。環状噴出部420は、可動支持部410上に取り付けられる。可動支持部410および環状噴出部420は、円柱状開口450を有する。環状噴出部420内には、円環状スリット430が形成されている。
図5は気体噴出器400の断面図、図6は図5の気体噴出器400の平面図である。図5は図6の気体噴出器400のC−C線断面を示す。図5に示すように、気体噴出器400は、可動支持部410、環状噴出部420および上下動シリンダ460を含む。環状噴出部420は、可動支持部410上に取り付けられる。可動支持部410および環状噴出部420は、円柱状開口450を有する。環状噴出部420内には、円環状スリット430が形成されている。
円環状スリット430は、上方に開口している。円環状スリット430の開口幅は、例えば0.1mmである。環状噴出部420には、円環状スリット430に連通する気体入口440が形成されている。矢印z1で示されるように、上下動シリンダ460により可動支持部410および環状噴出部420が上下動される。円柱状開口450内には、図1〜図3のスピンチャック300が配置される。可動支持部410が上方に移動すると、環状噴出部420の上端の位置がスピンチャック300の吸着面310の位置よりも高くなる。
図7は気体噴出器400による円筒状の気体カーテンの形成を示す模式図である。図5の気体入口440から円環状スリット430に気体が導入されると、円環状スリット430から上方に向かう円筒状の気体カーテンGC1が形成される。
(3)直動チャック600a,600bの構成
図8は吸着アーム610の1つの吸着パッド620を含む部分の拡大平面図である。図9は図8の吸着パッド620を含む部分の拡大斜視図である。図8および図9には、直動チャック600bの吸着アーム610の一部が示される。図8に示すように、吸着アーム610のパッド取り付け部611の上面に吸着パッド620が取り付けられている。吸着パッド620を取り囲む矩形の4辺のうち、スピンチャック300と反対側の一辺(側壁部102に対向する一辺)を除いて3辺に沿ってスリット630が形成されている。吸着アーム610内の流路に気体が導入されると、図9に示すように、スリット630から上方に向かう気体カーテンGC2が形成される。
図8は吸着アーム610の1つの吸着パッド620を含む部分の拡大平面図である。図9は図8の吸着パッド620を含む部分の拡大斜視図である。図8および図9には、直動チャック600bの吸着アーム610の一部が示される。図8に示すように、吸着アーム610のパッド取り付け部611の上面に吸着パッド620が取り付けられている。吸着パッド620を取り囲む矩形の4辺のうち、スピンチャック300と反対側の一辺(側壁部102に対向する一辺)を除いて3辺に沿ってスリット630が形成されている。吸着アーム610内の流路に気体が導入されると、図9に示すように、スリット630から上方に向かう気体カーテンGC2が形成される。
図10は吸着パッドの斜視図である。図11は吸着パッドの断面図である。吸着パッド620は、円形の中央部材622、円形の開口を有する板状の周辺部材623および円環状の連結部材624により構成される。中央部材622には、円形の吸引孔621が形成されている。また、中央部材622の外縁部には円環環状の凸部625が設けられている。周辺部材623には、複数のネジ孔626が形成されている。
中央部材622および周辺部材623は、例えば、ポリベンゾイミダゾール等の樹脂材料により形成される。中央部材622および周辺部材623がポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の他の樹脂材料により形成されてもよい。連結部材624は、パーフロロエラストマ等のゴム材料により形成される。連結部材624が他のゴム材料または樹脂材料により形成されてもよい。
連結部材624の外周部分は周辺部材623の開口の内周部分にはめ込まれる。また、連結部材624の内周部分は中央部材622の外周部分にはめ込まれる。それにより、中央部材622が周辺部材623の開口内で連結部材624により周辺部材623に連結される。周辺部材623は、吸着アーム610のパッド取り付け部611(または612)に取り付けられる。
中央部材622および周辺部材623は、連結部材624に比べて硬質である。連結部材624は、中央部材622および周辺部材623よりも高い弾力性を有する。それにより、中央部材622は、周辺部材623に対して上下に僅かに移動可能である。したがって、1対の吸着アーム610に取り付けられた4つの吸着パッド620の上面の高さが僅かに異なる場合でも、各吸着パッド620の中央部材622が僅かに上下に移動することにより基板Wの下面が4つの吸着パッド620で安定に支持される。
図12は直動チャック600a,600bの模式的断面図である。図13は直動チャック600aの模式的断面図である。図12はX方向における垂直断面を表し、図13はY方向における垂直断面を表す。ケーシング100の底板部105には、Y方向に延びる1対のストライプ状開口120が形成されている。底板部105の下面には、直動チャック駆動部13が設けられている。
1対の吸着アーム610は、1対のアーム取り付け部614にそれぞれ取り付けられている。1対のアーム支持部615が上下方向に延びるように1対のストライプ状開口120にそれぞれ挿入されている。1対の吸着アーム610および1対のアーム取り付け部614は、1対のアーム支持部615に対して上下動可能に取り付けられている。1対のアーム支持部615の下端はアーム連結部616により互いに連結されている。
直動チャック駆動部13内には、Y方向に延びる1対のリニアガイド640が固定されている。1対のアーム支持部615には、Y方向に延びるガイド部617が1対のリニアガイド640に対向するように設けられている。1対のアーム支持部615は、リニアガイド640に沿ってY方向に平行に移動可能である。したがって、1対の吸着アーム610は、Y方向に平行に一体的に移動可能かつ上下方向に一体的に移動可能である。
底板部105の上面上には、各ストライプ状開口120の両側辺に沿って1対の下カバー650が取り付けられている。各下カバー650は、底板部105に固定される水平部651と、水平部651から上方に屈曲した垂直縁652とを有する。1対の下カバー650の上方には、上カバー660が配置されている。上カバー660は、1対の下カバー650の垂直縁652間の距離よりも大きな幅を有する平板部661と、平板部661の両側辺から下方に屈曲する垂直縁662とを有する。上カバー660の垂直縁662の下端の位置が下カバー650の垂直縁652の上端の位置よりも低くなるように、上カバー660がアーム支持部615に固定されている。それにより、上カバー660は、アーム支持部615と一体的に+Y方向および−Y方向に移動する。
ケーシング100内で上方の位置から落下するリンス液等の液体がストライプ状開口120に浸入することが上カバー660により防止される。また、ケーシング100内の底部に溜まったリンス液等の液体がストライプ状開口120に浸入することが下カバー650により防止される。
(4)下面洗浄器700
図14は下面洗浄器700の主要部の構成を示す模式図である。図14に示すように、ブラシアーム730には、ブラシ圧シリンダ731、ブラシ回転モータ732および揺動部材733が設けられている。ブラシアーム730の先端部近傍にブラシ軸741が回転可能に取り付けられている。ブラシ軸741にブラシ740が固定されている。ブラシ軸741には、プーリ735が取り付けられている。ブラシ回転モータ732の回転力は、ベルト734によりプーリ735およびブラシ軸741に伝達される。それにより、ブラシ740が回転する。
図14は下面洗浄器700の主要部の構成を示す模式図である。図14に示すように、ブラシアーム730には、ブラシ圧シリンダ731、ブラシ回転モータ732および揺動部材733が設けられている。ブラシアーム730の先端部近傍にブラシ軸741が回転可能に取り付けられている。ブラシ軸741にブラシ740が固定されている。ブラシ軸741には、プーリ735が取り付けられている。ブラシ回転モータ732の回転力は、ベルト734によりプーリ735およびブラシ軸741に伝達される。それにより、ブラシ740が回転する。
揺動部材733は、軸A0を中心として揺動可能にブラシアーム730の下方に取り付けられている。ブラシ圧シリンダ731は、揺動部材733の一端の軸A1に取り付けられている。ブラシアーム730の先端部の下方の位置に可動部材736が上下動可能に取り付けられている。ブラシ軸741の下端部は、可動部材736に回転可能に取り付けられている。可動部材736は、揺動部材733の他端の軸A2に取り付けられている。
ブラシ圧シリンダ731が揺動部材733の軸A1を矢印z3で示すように下方に移動させると、揺動部材733の軸A2が矢印z4で示すように上方に移動する。それにより、可動部材736が上昇し、ブラシ軸741およびブラシ740が上昇する。逆に、ブラシ圧シリンダ731が揺動部材733の軸A1を上方に移動させると、揺動部材733の軸A2が下方に移動する。それにより、可動部材736が下降し、ブラシ軸741およびブラシ740が下降する。このように、ブラシ圧シリンダ731の動作によりブラシ740がブラシアーム730に対して上下動する。これにより、ブラシ740が基板Wの下面を押す圧力を調整することができる。
(5)制御系統
図15は本実施の形態に係る基板洗浄装置1の制御系統の構成を示すブロック図である。図15の制御部10は、CPU(中央演算処理装置)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM(リードオンリメモリ)および記憶装置を含む。RAMは、CPUの作業領域として用いられる。ROMは、システムプログラムを記憶する。記憶装置は、制御プログラムを記憶する。CPUが記憶装置に記憶された基板洗浄プログラムをRAM上で実行することにより基板洗浄装置1の各部の動作が制御される。
図15は本実施の形態に係る基板洗浄装置1の制御系統の構成を示すブロック図である。図15の制御部10は、CPU(中央演算処理装置)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM(リードオンリメモリ)および記憶装置を含む。RAMは、CPUの作業領域として用いられる。ROMは、システムプログラムを記憶する。記憶装置は、制御プログラムを記憶する。CPUが記憶装置に記憶された基板洗浄プログラムをRAM上で実行することにより基板洗浄装置1の各部の動作が制御される。
制御部10は、シャッタ開閉部11、リフトピン駆動部12、直動チャック駆動部13、直動チャック吸引部14および直動チャック気体供給部15を制御する。シャッタ開閉部11は、基板洗浄装置1への基板Wの搬入時および基板洗浄装置1からの基板Wの搬出時に図1のシャッタSHを開閉する。
リフトピン駆動部12は、リフトピン500を上下動させる。直動チャック駆動部13は、直動チャック600a,600bの吸着アーム610を+Y方向および−Y方向に移動させるとともに、吸着アーム610を上下動させる。直動チャック吸引部14は、吸着アーム610の吸着パッド620の吸引孔621を通して基板Wの下面を吸引することにより基板Wの下面を吸着パッド620により保持させる。直動チャック気体供給部15は、吸着アーム610に気体を供給することにより図8および図9のスリット630から気体を噴出させる。
制御部10は、スピンチャック駆動部16、スピンチャック吸引部17、気体噴出器駆動部18、噴出気体供給部19、ブラシアーム駆動部20、下面リンス液供給部21および上面リンス液供給部22を制御する。スピンチャック駆動部16は、スピンチャック300を回転させるスピンモータを含む。スピンチャック吸引部17は、スピンチャック300の吸着面310の吸引孔を通して基板Wの下面を吸引することにより基板Wの下面をスピンチャック300により保持させる。
気体噴出器駆動部18は、気体噴出器400を上下動させる。噴出気体供給部19は、気体噴出器400に気体を供給することにより図5〜図7の円環状スリット430から気体を噴出させる。
ブラシアーム駆動部20は、下面洗浄器700の回転部720を回転させることによりブラシアーム730を水平面内で旋回させ、回転部720を固定部710に対して上下動させることによりブラシアーム730を上下動させる。また、ブラシアーム駆動部20は、ブラシ740を回転させるとともに、ブラシ740をブラシアーム730に対して上下に移動させる。図14のブラシ圧シリンダ731およびブラシ回転モータ732は、ブラシアーム駆動部20に含まれる。下面リンス液供給部21は、ブラシアーム730に洗浄液としてリンス液を供給することによりリンスノズル750からリンス液を吐出させる。上面リンス液供給部22は、上面洗浄乾燥器900に洗浄液としてリンス液を供給することによりリンスノズル930からリンス液を吐出させる。
制御部10は、偏心検出部23aを含む。制御部10は、ラインセンサ23の発光部LEの発光を制御するとともに、ラインセンサ23の受光部LRから出力される受光信号を取得する。偏心検出部23aは、受光信号に基づいてスピンチャック300により保持された基板Wの偏心を検出し、検出結果を制御部10に与える。本例では、偏心検出部23aは、制御部10の一部として構成されているが、偏心検出部23aが制御部10とは独立に構成されてもよい。
制御部10は、乾燥用気体供給部24を制御する。乾燥用気体供給部24は、乾燥用気体を乾燥用気体ノズル950に供給する。上記のリフトピン駆動部12、スピンチャック駆動部16および気体噴出器駆動部18は、図1〜図4の駆動ユニット200内に設けられる。
(6)基板洗浄装置1の動作
図16〜図19は本実施の形態に係る基板洗浄装置1の動作の一例を示すフローチャートである。図20〜図31は基板洗浄装置1の動作を説明するための模式図である。図20、図22、図24および図30は基板洗浄装置1のY方向の縦断面図である。図21、図23、図25および図31は基板洗浄装置1の平面図である。図26〜図29は基板洗浄装置1のX方向の断面図である。図16〜図19の動作は、図15の制御部10が構成要素(11〜24)を制御することにより実行される。
図16〜図19は本実施の形態に係る基板洗浄装置1の動作の一例を示すフローチャートである。図20〜図31は基板洗浄装置1の動作を説明するための模式図である。図20、図22、図24および図30は基板洗浄装置1のY方向の縦断面図である。図21、図23、図25および図31は基板洗浄装置1の平面図である。図26〜図29は基板洗浄装置1のX方向の断面図である。図16〜図19の動作は、図15の制御部10が構成要素(11〜24)を制御することにより実行される。
初期状態では、ブラシアーム730は、図1および図2に示す待機位置にある。まず、図1のシャッタSHが開く(ステップS1)。次に、リフトピン500が上昇する(ステップS2)。この場合、リフトピン500の上端は、ケーシング100の上板部106よりも上方に位置する。その後、図示しない基板搬送ロボットのハンド(基板保持部)がユニット筐体UCの開口OPを通してケーシング100の上方の位置に基板Wを搬入する(ステップS3)。この状態で、基板搬送ロボットのハンドが下降する。それにより、図3および図4に示すように、上板部106よりも上方の位置でリフトピン500の上端に基板Wが支持される。基板搬送ロボットのハンドがユニット筐体UCから退出した後、図1のシャッタSHが閉じる(ステップS4)。
次に、リフトピン500が下降する(ステップS5)。それにより、図20に矢印a1で示すように、基板Wが上板部106の上部開口110を通して下降し、1対の吸着アーム610の吸着パッド620上に載置される。この状態で、図15の直動チャック吸引部14が基板Wを吸引する。それにより、1対の吸着アーム610の吸着パッド620が基板Wの下面周縁部を保持する(ステップS6)。
また、図21に矢印a2で示すように、ブラシアーム730が待機位置から90度旋回するとともに、図20に矢印a3で示すように、ブラシアーム730が上昇することにより、ブラシアーム730が洗浄位置に移動する(ステップS7)。それにより、ブラシ740の上面が基板Wの下面に接触する。ここで、洗浄位置とは、ブラシアーム730のブラシ740が基板Wに接触する位置である。
このとき、図15の直動チャック気体供給部15が吸着アーム610のスリット630に気体を供給する。それにより、吸着アーム610が吸着パッド620の周囲に気体カーテンGC2を形成する(ステップS8)。また、図15の噴出気体供給部19が気体噴出器400の円環状スリット430に気体を第1の流量で供給する。それにより、気体噴出器400が円筒状の気体カーテンGC1を形成する(ステップS9)。
次いで、図22および図23に矢印a4で示すように、1対の吸着アーム610が+Y方向に移動しながら、図23に矢印a5で示すように、ブラシアーム730が水平面内で一方向および逆方向に繰り返し揺動する(ステップS10)。このとき、リンスノズル750からリンス液が吐出される。それにより、ブラシアーム730がブラシ740で基板Wの下面中央部を洗浄する。1対の上カバー660は、吸着アーム610とともに+Y方向に移動する。このとき、気体噴出器400により形成される円筒状の気体カーテンGC1によりスピンチャック300の吸着面310にリンス液が付着することが防止される。吸着アーム610が+Y方向の限界位置に達すると、吸着アーム610は停止する。また、リンスノズル750からのリンス液の吐出が停止する。
その後、図24に矢印a6で示すように、気体噴出器400が基板Wの下面に近接するまで上昇する(ステップS11)。図15の噴出気体供給部19は、気体噴出器400の円環状スリット430に供給される気体の流量を第1の流量よりも大きな第2の流量に増加させる。それにより、基板Wの下面に噴射させる気体の線速度が高くなる。
この状態で、図25に矢印a7で示すように、吸着アーム610が−Y方向に移動する(ステップS12)。上カバー660は、吸着アーム610とともに−Y方向に移動する。このとき、気体噴出器400により形成される円筒状の気体カーテンGC1により基板Wの下面の主として中央部が乾燥される。本例では、気体噴出器400は、吸着アーム610が−Y方向に移動する前に上昇するが、吸着アーム610が−Y方向に移動しているときに上昇してもよい。したがって、ステップS11はステップS12と同時に実行されてもよい。
基板Wが初期位置に戻ると、図26に矢印a8で示すように、気体噴出器400が基板Wの下面から遠ざかるように下降する(ステップS13)。気体噴出器400が気体カーテンGC1の形成を終了する(ステップS14)。また、1対の吸着アーム610が気体カーテンGC2の形成を終了する(ステップS15)。また、直動チャック吸引部14が吸引を停止することにより吸着アーム610による基板Wの下面の保持が解除される。
この状態で、図27に矢印a9で示すように、リフトピン500が上昇する(ステップS16)。それにより、基板Wがリフトピン500の上端で支持される。次に、図28に矢印a10で示すように、吸着アーム610が下降する(ステップS17)。また、リフトピン500が下降する(ステップS18)。それにより、図29に矢印a11で示すように、基板Wが下降し、スピンチャック300の吸着面310上に載置される。スピンチャック吸引部17が基板Wの下面を吸引する。それにより、スピンチャック300が基板Wの下面中央部を保持する(ステップS19)。また、1対の吸着アーム610がさらに退避位置に移動する(ステップS20)。退避位置とは、各吸着パッド620がパッドカバー800により覆われるような1対の吸着アーム610の位置である。吸着アーム610が退避位置にあるときには、吸着パッド620とスピンチャック300との間にパッドカバー800が存在する。本例では、吸着アーム610は、下降後に−Y方向に移動することにより退避位置に移動することができる。なお、ステップS20において、吸着アーム610が下方にのみ移動し、退避位置に移動しなくてもよい。
次に、ラインセンサ23の発光部LEが帯状の光を出射する。ラインセンサ23の受光部LRは、発光部LEからの光を受け、受光量を示す受光信号を出力する。この状態で、スピンチャック300が360度回転する(ステップS21)。偏心検出部23aは、スピンチャック300が360度回転する期間にラインセンサ23の受光部LRから出力される受光信号を取得する。それにより、ラインセンサ23の受光量分布が得られる。偏心検出部23aは、スピンチャック300が360度回転する期間におけるラインセンサ23の受光量分布に基づいて基板Wの偏心方向および偏心量を検出する(ステップS22)。基板Wの偏心方向とは、基板Wの物理的中心とスピンチャック300の回転中心とを結ぶ方向をいう。本実施の形態では、基板Wの偏心方向は、基板Wの物理的中心とスピンチャック300の回転中心とを結ぶ線分がY方向に対してなす角度(以下、偏心角度と呼ぶ。)で表される。基板Wの偏心方向および偏心量の検出方法については後述する。
スピンチャック300は、回転することにより基板Wの偏心方向を補正する(ステップS23)。具体的には、基板Wの偏心方向が+Y方向に一致するようにスピンチャック300が偏心角度だけ回転する。その後、スピンチャック吸引部17が吸引を停止する。それにより、スピンチャック300による基板Wの保持が解除される。リフトピン500が上昇する(ステップS24)。それにより、リフトピン500の上端により支持された基板Wがスピンチャック300の上方の位置に上昇する。その後、1対の吸着アーム610が退避位置外に移動する(ステップS25)。さらに、1対の吸着アーム610が上昇する(ステップS26)。また、リフトピン500が下降する(ステップS27)。それにより、基板Wが吸着アーム610の吸着パッド620上に載置される。この状態で、直動チャック吸引部14が基板Wを吸引する。それにより、1対の吸着アーム610の吸着パッド620が基板Wの下面周縁部を保持する(ステップS28)。吸着アーム610が+Y方向または−Y方向に移動することにより基板Wの偏心量を補正する(ステップS29)。その後、吸着アーム610の吸着パッド620による基板Wの保持が解除される。
次いで、リフトピン500が上昇する(ステップS30)。また、1対の吸着アーム610が下降する(ステップS31)。それにより、リフトピン500の上端により基板Wが支持される。この状態で、リフトピン500が下降する(ステップS32)。それにより、基板Wがスピンチャック300の吸着面310上に載置される。スピンチャック吸引部17が基板Wの下面を吸引する。それにより、スピンチャック300が基板Wの下面中央部を保持する(ステップS33)。ステップS20〜S33の一例の動作を偏心補正動作と呼ぶ。偏心補正動作により、基板Wの物理的中心とスピンチャック300の回転中心とが一致する。
さらに、1対の吸着アーム610が退避位置に移動する(ステップS34)。それにより、図30および図31に示すように、吸着アーム610の各吸着パッド620がパッドカバー800により覆われる。この場合、スピンチャック300と各吸着パッド620との間にパッドカバー800が存在する。
図30および図31に矢印a12で示すように、スピンチャック300が回転するとともに、図30に矢印a13で示すように、ブラシアーム730が上昇することによりブラシ740が基板Wの下面周縁部に接触する。この状態で、スピンチャック300が回転しながらブラシ740が基板Wの下面周縁部を洗浄する(ステップS35)。
その後、ノズルアーム920が旋回することにより、リンスノズル930がスピンチャック300に保持された基板Wの上面周縁部の上方位置に移動する。この状態で、リンスノズル930が基板Wの外周端部(ベベル部)にリンス液を吐出する(ステップS36)。それにより、基板Wの外周端部が洗浄される。この場合、スピンチャック300により基板Wが回転しながらノズルアーム920が旋回することにより基板Wの上面の全体が洗浄されてもよい。
その後、スピンチャック300が回転することにより基板Wを乾燥させる(ステップS37)。スピンチャック300の回転による基板Wの乾燥をスピンドライと呼ぶ。このとき、乾燥用気体ノズル950が基板Wの内方かつ上方から基板Wの外方かつ下方に向かって乾燥用気体を基板Wの上面の外周縁部に吐出する(ステップS38)。基板Wの乾燥後、スピンチャック300による基板Wの保持が解除される。
次いで、リフトピン500が上昇する(ステップS39)。それにより、基板Wがリフトピン500の上端により支持され、ケーシング100の上部開口110を通してケーシング100の上方の位置まで上昇する。その後、シャッタSHが開く(ステップS40)。基板搬送ロボットが基板Wをユニット筐体UCの外部に搬出する(ステップS41)。その後、シャッタSHが閉じる(ステップS42)。
(7)偏心補正動作
次に、ステップS20〜S33により行われるスピンチャック300に対する基板Wの偏心補正動作を説明する。図32はラインセンサ23と基板Wとの位置関係を示す断面図である。図33はラインセンサ23と基板Wとの位置関係を示す平面図である。
次に、ステップS20〜S33により行われるスピンチャック300に対する基板Wの偏心補正動作を説明する。図32はラインセンサ23と基板Wとの位置関係を示す断面図である。図33はラインセンサ23と基板Wとの位置関係を示す平面図である。
図32に示すように、スピンチャック300に基板Wが保持される。ラインセンサ23の発光部LEは、ケーシング100内で基板Wよりも下方の位置に配置されている。ラインセンサ23の受光部LRは、ケーシング100の外部で基板Wよりも高い位置に配置されている。
図33に示すように、発光部LEは帯状の光SLを基板Wの外周部を通って受光部LRに向かって出射する。このとき、光SLの一部が基板Wの外周部により遮られる。図33の例では、基板Wの中心(以下、基板中心と呼ぶ。)Scがスピンチャック300の回転中心Rcからずれている。この場合、基板中心Scと回転中心Rcとのずれ量を偏心量dと定義する。また、回転中心Rcから基板中心Scへ向かう方向を偏心方向fと定義する。偏心方向がY方向に対してなす角度を偏心角度θと定義する。
スピンチャック300が回転すると、基板Wの偏心方向fが変化し、基板Wの外周部が遮る光量が変化する。図34はスピンチャック300が360度回転したときの受光部LRの受光量の変化を示す図である。図34の横軸はスピンチャック300の回転角度であり、縦軸は受光部LRの受光量である。受光量は、受光部LRの長さのうち光を受けた部分の長さに比例する。
図34に示すように、受光量はサインカーブを描く。受光量の最大値をMaとし、受光量の最小値をMiとする。また、最大値をMaと最小値Miとの平均値をM0とする。偏心量dは次式により算出される。Kは、受光部LRの受光量と受光部LRにおいて光を受けた長さとの関係を示す比例係数である。
d=K・{(Ma−Mi)/2}
また、受光量が最大値Maと最小値Miとの平均値M0となる回転角度が偏心角度θである。
また、受光量が最大値Maと最小値Miとの平均値M0となる回転角度が偏心角度θである。
図35および図36は基板Wの偏心方向の補正方法を示す平面図である。図37および図38は基板Wの偏心量の補正方法を示す平面図である。図35に矢印a14,a15で示すように、スピンチャック300を基板Wとともに偏心角度θだけ逆方向に回転させる。それにより、図36に示すように、基板Wの偏心方向fがY方向と一致する。
その後、スピンチャック300は、基板Wの保持を解除する。上記のように、リフトピン500が基板Wを受け取り、図37に示すように、その基板Wを1対の吸着アーム610上に載置する。吸着アーム610の吸着パッド620が基板Wを保持し、図37に矢印a16で示すように、偏心方向fと反対方向に偏心量dだけ移動する。それにより、図38に示すように、基板中心Scとスピンチャック300の回転中心Rcとが一致する。その結果、ステップS36において、基板Wの外周端部を正確にリンス液で洗浄することができる。
(8)開口カバー
図39はケーシング100に開口カバーが取り付けられた例を示す平面図である。図40はケーシング100に開口カバーが取り付けられた例を示す断面図である。
図39はケーシング100に開口カバーが取り付けられた例を示す平面図である。図40はケーシング100に開口カバーが取り付けられた例を示す断面図である。
図39および図40に示すように、ケーシング100の上部開口110の一部に開口カバー140が取り付けられてもよい。開口カバー140は、上部開口110を通しての基板Wの搬入および搬出の際に基板Wと干渉しないように上部開口110の一部の領域を覆う。この開口カバー140は、上部開口110の縁部に向かって傾斜する形状を有する。
ステップS36において基板Wの外周端部がリンス液で洗浄される際およびステップS37においてスピンドライが行われる際にリンス液が基板Wの外方に飛散する。この場合、リンス液の一部は基板Wから斜め上方に向かって飛散する可能性がある。基板Wから斜め上方に向かって飛散したリンス液が開口カバー140により受け止められる。それにより、一部のリンス液がケーシング100の外部に飛散しにくくなる。また、開口カバー140に付着した液滴は、開口カバー140の傾斜する下面に沿って上部開口110の縁部に導かれる。したがって、開口カバー140に付着した液滴が基板W上に再付着することが防止される。
(9)乾燥用気体ノズル
図41は乾燥用気体ノズルの機能を説明するための模式図である。図41に示すように、スピンドライ時に、乾燥用気体ノズル950により乾燥用気体GC3が基板Wの上面の外周縁部に基板Wの内方かつ上方から基板の外方かつ下方に向かって吐出される。それにより、基板Wの回転速度が比較的低い場合でも、基板Wの上面に付着した液滴Drを確実に除去することができる。したがって、基板Wを高速で回転させる必要がないので、スピンチャック300のサイズを小さくしても、基板Wを確実に保持することができる。そのため、スピンチャック300の吸着面310の直径を小さくすることができる。それにより、スピンチャック300により保持および回転される基板Wの下面のうち、下面洗浄器700により洗浄可能な下面周縁部の面積を大きくすることができる。
図41は乾燥用気体ノズルの機能を説明するための模式図である。図41に示すように、スピンドライ時に、乾燥用気体ノズル950により乾燥用気体GC3が基板Wの上面の外周縁部に基板Wの内方かつ上方から基板の外方かつ下方に向かって吐出される。それにより、基板Wの回転速度が比較的低い場合でも、基板Wの上面に付着した液滴Drを確実に除去することができる。したがって、基板Wを高速で回転させる必要がないので、スピンチャック300のサイズを小さくしても、基板Wを確実に保持することができる。そのため、スピンチャック300の吸着面310の直径を小さくすることができる。それにより、スピンチャック300により保持および回転される基板Wの下面のうち、下面洗浄器700により洗浄可能な下面周縁部の面積を大きくすることができる。
ここで、スピンチャック300により保持および回転される基板Wをブラシ740により洗浄するために要する時間は、直動チャック600a,600bにより保持された基板Wをブラシアーム730の往復旋回により洗浄するために要する時間より短い。したがって、スピンチャック300を小型化することにより基板Wの下面を洗浄するために要する全体的な時間を短縮することが可能となる。その結果、基板洗浄装置1のスループットを向上させることできる。
また、基板Wに付着した液滴が基板Wよりも下方に吹き飛ばされるので、液滴が上部開口110からケーシング100外に飛散することが防止される。
(10)排気系および廃液系
図42は基板洗浄装置1の排気系および廃液系を示す平面図である。図43は基板洗浄装置1の排気系および廃液系を示す断面図である。図44は基板洗浄装置1の排気系および廃液系を示す底面図である。
図42は基板洗浄装置1の排気系および廃液系を示す平面図である。図43は基板洗浄装置1の排気系および廃液系を示す断面図である。図44は基板洗浄装置1の排気系および廃液系を示す底面図である。
図42に示すように、ケーシング100内には、排気ダクト171,172,173が設けられている。排気ダクト171,172,173は、排気口171a,172a,173aをそれぞれ有する。排気ダクト171,172は、側壁部104に沿って配置されている。排気ダクト173は、側壁部103に沿って配置されている。排気ダクト173内には、排気量を調整するための排気ダンパおよび排気スリット等の排気量調整機構が設けられている。
図43および図44に示すように、ケーシング100の下面には、排気ダクト174,175,176が設けられている。排気ダクト174,175は、側壁部101,102に平行に延びるように配置されている。排気ダクト176は、側壁部103に沿って設けられている。排気ダクト174,175の一端は、それぞれ排気ダクト171,172に接続されている。排気ダクト174,175の他端は、排気ダクト176に接続されている。排気ダクト176は、基板洗浄装置1の外部の排気ダクトに接続される。
ケーシング100内の気体は、排気口171a,172aから排気ダクト171,172,174,175,176を通してケーシング100の外部に排出されるとともに、排気口173aから排気ダクト173,176を通して外部に排出される。
図42および図43に示すように、ケーシング100の底板部105には、ドレイン開口180が形成されている。図43および図44に示すように、ケーシング100の下面にドレインボックス181が設けられている。ドレインボックス181は、ドレイン開口180に連通する。ドレインボックス181にはドレイン配管が接続される。ケーシング100内のリンス液等の液体は、ドレイン開口180からドレインボックス181に導かれ、さらにドレイン配管を通して外部に排出される。
(11)実施の形態の効果
(a)本実施の形態に係る基板洗浄装置1においては、ケーシング100内で直動チャック600a,600bにより基板Wが保持されているときに基板Wの下面中央部が下面洗浄器700により洗浄される。また、ケーシング100内でスピンチャック300により基板Wが保持および回転されているときに基板Wの下面周縁部が下面洗浄器700により洗浄される。このとき、ケーシング100は液体の飛散防止用の飛散防止部材として働く。ケーシング100は移動しないため、飛散防止部材を移動させる機構が不要となる。
(a)本実施の形態に係る基板洗浄装置1においては、ケーシング100内で直動チャック600a,600bにより基板Wが保持されているときに基板Wの下面中央部が下面洗浄器700により洗浄される。また、ケーシング100内でスピンチャック300により基板Wが保持および回転されているときに基板Wの下面周縁部が下面洗浄器700により洗浄される。このとき、ケーシング100は液体の飛散防止用の飛散防止部材として働く。ケーシング100は移動しないため、飛散防止部材を移動させる機構が不要となる。
さらに、平面視で、スピンチャック300により保持される基板Wの上方の領域と直動チャック600a,600bにより移動される基板Wの上方の領域とを含むように上板部106に基板Wの移動方向に延びる上部開口110が形成されているので、上板部106に付着した液滴が基板W上に落下することが防止される。
(b)1対の直動チャック600a,600bの各々がY方向に並ぶ複数の吸着パッド620を有する。この場合、基板Wの下面の互いに対向する2つの領域の各々が複数の吸着パッド620により保持される。それにより、直動チャック600a,600bにより基板Wを+Y方向および−Y方向に安定的に往復移動させることができる。したがって、下面洗浄器700により基板Wの下面を均一に洗浄することができる。
(c)直動チャック600a,600bがアーム連結部616により互いに連結されるとともに、共通の直動チャック駆動部13により駆動される。それにより、直動チャック600a,600bは一体的に+Y方向および−Y方向に移動する。したがって、直動チャック600a,600bの吸着アーム610の上面の平行度が確保される。その結果、1対の直動チャック600a,600bにより基板Wが安定的に保持される。
(d)1対のリニアガイド640がケーシング100の底板部105の下方でかつ直動チャック600a,600bの下方にそれぞれ設けられるとともに、直動チャック駆動部13がケーシング100の底板部105の下方に設けられる。それにより、ケーシング100内の構造を複雑化することなく、直動チャック600a,600bを+Y方向および−Y方向に安定的かつ水平に移動させることができる。したがって、下面洗浄器700により基板Wの下面を均一に洗浄することができる。また、直動チャック駆動部13がケーシング100の下方に配置されているので、基板洗浄装置1がコンパクトに構成される。
(e)ケーシング100の底板部105のストライプ状開口120に沿って下カバー650および上カバー660が設けられている。また、上カバー660は直動チャック600a,600bと一体的に移動する。それにより、リンス液等の液体がストライプ状開口120を通して直動チャック駆動部13に流入することが防止される。
(f)直動チャック600a,600bの各吸着アーム610のスリット630により各吸着パッド620の少なくとも一部を取り囲むように気体カーテンGC2が形成される。それにより、各吸着パッド620に液滴が付着することが防止される。したがって、基板Wが各吸着パッド620上で滑ることが防止される。また、下面洗浄器700のブラシ740により基板Wの下面に比較的大きな荷重が加えられた場合でも、各吸着パッド620から基板Wが外れることが防止される。したがって、直動チャック600a,600bにより基板Wの下面を確実に保持することができる。
(g)基板Wがスピンチャック300により保持された状態での洗浄時には、直動チャック600a,600bの吸着アーム610が退避位置に移動することにより各吸着パッド620がパッドカバー800により覆われる。それにより、各吸着パッド620にリンス液等の液体が付着することが防止される。このとき、各吸着アーム610に気体カーテンGC2が形成されてもよい。それにより、パッドカバー800に付着した液滴が各吸着パッド620に付着することが防止される。
(h)基板Wがスピンチャック300により保持されていないときに、気体噴出器400によりスピンチャック300を取り囲む気体カーテンGC1が形成される。それにより、スピンチャック300の吸着面310に液滴が付着することが防止される。また、基板Wが直動チャック600a,600bにより保持および移動されるときに、気体噴出器400が基板Wの下面に近接した状態でスピンチャック300を取り囲む気体カーテンGC1が形成される。それにより、スピンチャック300により基板Wが保持される前に基板Wの下面を乾燥させることができる。したがって、スピンチャック300により基板Wが確実に保持される。
(i)直動チャック600a,600bにより基板Wが保持および移動されているときに、下面洗浄器700のブラシ740が基板Wの下面に接触した状態で回転するとともに、ブラシアーム730が一方向および逆方向に旋回することができる。それにより、基板Wの下面中央部を確実に洗浄することができる。また、ブラシアーム730の旋回方向においてブラシ740に隣り合う1対のリンスノズル750の少なくとも一方から基板Wの下面にリンス液を吐出することができる。それにより、基板Wの下面をより確実に洗浄することができる。
(j)基板Wを保持する直動チャック600a,600bが+Y方向に移動するときに基板Wの下面中央部が下面洗浄器700により洗浄される。その後、基板Wを保持する直動チャック600a,600bが−Y方向に移動するときに気体噴出器400により形成される気体カーテンGC1により基板Wの下面中央部が乾燥される。それにより、スピンチャック300が基板Wの下面中央部を確実に保持することができる。
(k)複数のリフトピン500と直動チャック600a,600bとの間で基板Wの受け渡しが行われ、複数のリフトピン500とスピンチャック300との間で基板Wの受け渡しが行われる。それにより、スピンチャック300の吸着面310のサイズが小さい場合でも、基板Wの受け渡しを確実に行うことができる。したがって、スピンチャック300のサイズを縮小することにより、直動チャック600a,600bにより保持された基板Wの下面のうち、洗浄されるべき下面中央部の面積を低減することができる。その結果、直動チャック600a,600bにより保持された基板Wの洗浄時間を短縮することができる。スピンチャック300により基板Wが保持された状態での洗浄時間は、直動チャック600a,600bにより基板Wが保持された状態での洗浄時間よりも短いので、基板Wの下面の全体的な洗浄時間を短縮することができる。
(l)スピンチャック300のサイズが小さい場合、基板Wを確実に保持するためには、基板Wの回転速度を低くすることが望ましい。本実施の形態では、基板Wの洗浄後に、スピンチャック300により基板Wが保持および回転されているときに基板Wの内方かつ上方から基板Wの外方かつ下方に向かう気体が基板Wの外周端部に吐出される。それにより、スピンチャック300が基板Wを比較的低速で回転させても、基板Wに付着する液滴を基板Wから短時間で除去することができる。したがって、スピンチャック300の小型化が可能となる。
[2]第2の実施の形態
(1)基板洗浄装置1の構成
図45は第2の実施の形態に係る基板洗浄装置の斜視図である。図46は図45の基板洗浄装置の平面図である。図47は第2の実施の形態に係る基板洗浄装置の洗浄動作を示す断面図である。
(1)基板洗浄装置1の構成
図45は第2の実施の形態に係る基板洗浄装置の斜視図である。図46は図45の基板洗浄装置の平面図である。図47は第2の実施の形態に係る基板洗浄装置の洗浄動作を示す断面図である。
第2の実施の形態に係る基板洗浄装置1の構成が第1の実施の形態に係る基板洗浄装置1の構成と異なるのは以下の点である。図45および図46に示すように、第2の実施の形態に係る基板洗浄装置1は、上面洗浄器960およびベベル洗浄器970をさらに備える。
上面洗浄器960は、アーム駆動部961、ノズルアーム962、スプレーノズル963およびリンスノズル964を含む。アーム駆動部961は、ケーシング100の側壁部101の外面に沿って、矢印a17で示すように、Y方向に平行に往復移動可能に設けられる。アーム駆動部961は、ノズルアーム962をZ方向に上下動させる。スプレーノズル963は、複数の液滴を下方に吐出するようにノズルアーム962に取り付けられる。スプレーノズル963は、例えば、液体と気体とを衝突させることにより複数の液滴を生成する二流体ノズルである。二流体ノズルには、液体として例えば純水が供給され、気体として窒素ガス等の不活性ガスが供給される。リンスノズル964は、洗浄液として純水等のリンス液を下方に吐出するようにノズルアーム962の下面に取り付けられる。
アーム駆動部961の往復移動およびノズルアーム962の上下動は、図15の制御部10により制御される。スプレーノズル963に液体を供給する液体供給部、スプレーノズル963に気体を供給する気体供給部、リンスノズル964にリンス液を供給するリンス液供給部は、図15の制御部10により制御される。
ベベル洗浄器970は、アーム駆動部971、ブラシアーム972およびベベルブラシ973を含む。アーム駆動部971は、ケーシング100の側壁部101の外面に設けられる。このアーム駆動部971は、ブラシアーム972をZ方向に上下動させるとともに、図46に矢印a18で示すように、水平面内で旋回させる。図47に示すように、ベベルブラシ973は、逆円錐台形状の上洗浄部973aおよび円錐台形状の下洗浄部973bを有する。このベベルブラシ973は、ブラシアーム972内のモータにより鉛直方向の軸の周りで回転可能(自転可能)にブラシアーム972の下方に設けられる。
アーム駆動部971によるブラシアーム972の上下動および旋回、ならびにベベルブラシ973の回転は、図15の制御部10により制御される。第2の実施の形態に係る基板洗浄装置1の他の部分の構成は、第1の実施の形態に係る基板洗浄装置1の対応する部分の構成と同様である。
(2)基板洗浄装置1の動作
第2の実施の形態に係る基板洗浄装置1の動作は、以下の点を除いて第1の実施の形態に係る基板洗浄装置1の動作と同様である。
第2の実施の形態に係る基板洗浄装置1の動作は、以下の点を除いて第1の実施の形態に係る基板洗浄装置1の動作と同様である。
基板Wが吸着アーム610により保持された状態で基板Wの下面中央部が洗浄されているときに(ステップS6〜S16)、図1のノズルアーム920が旋回するとともに、乾燥用気体ノズル950により基板Wの上面に不活性ガスが供給される。
図48は第2の実施の形態に係る基板洗浄装置の一部の動作の例を示すフローチャートである。本実施の形態に係る基板洗浄装置1では、スピンチャック300が回転しながらブラシ740が基板Wの下面周縁部を洗浄しているときに(ステップS35)、上面洗浄器960が基板Wの上面を洗浄し(ステップS35a)、ベベル洗浄器970が基板Wの外周端部を洗浄する(ステップS35b)。
詳細には、図47に示すように、ノズルアーム962が基板Wの上方まで移動した後、下降する。この状態で、矢印a17で示すように、ノズルアーム962が基板Wの半径方向に移動しつつ、リンスノズル964がリンス液を基板Wの上面に吐出し、スプレーノズル963が複数の液滴を基板Wの上面に吐出する。それにより、基板Wの上面が洗浄される。
また、ブラシアーム972が旋回するとともに下降することにより、ベベルブラシ973が基板Wの外周端部に接触する。基板Wの外周端部は、水平な上面から斜め下方かつ外方に傾斜する上面傾斜部、水平な下面から斜め上方かつ外方に傾斜する下面傾斜部、および上面傾斜部と下面傾斜部との境界である端面部を含む。ベベルブラシ973の上洗浄部973aにより基板Wの外周端部の上面傾斜部が洗浄され、ベベルブラシ973の下洗浄部973bにより基板Wの外周端部の下面洗浄部が洗浄される。また、上洗浄部973aと下洗浄部973bとの境界部により基板Wの外周端部の端面部が洗浄される。それにより、基板Wの外周端部が洗浄される。
基板Wの下面周縁部の洗浄(ステップS35)、基板Wの上面の洗浄(ステップS35a)、および基板Wの外周端部の洗浄(ステップS35b)は、同時に行われてもよく、同時に行われなくてもよい。例えば、基板Wの下面周縁部の洗浄の前または後に、基板Wの上面の洗浄および基板Wの外周端部の洗浄が行われてもよい。また、基板Wの上面の洗浄および基板Wの外周端部の洗浄は、同時に行われてもよく、同時に行われなくてもよい。例えば、基板Wの上面の洗浄の前または後に基板Wの外周端部の洗浄が行われてもよい。
(3)変形例
図45〜図47の上面洗浄器960におけるスプレーノズル963の代わりに、下面洗浄器700におけるブラシ740と同様のブラシが用いられてもよい。この場合、ノズルアーム962の下方にブラシが自転可能に設けられる。基板Wの回路形成面が保護膜で覆われている場合または基板Wの上面に回路が形成されていない場合には、ブラシにより基板Wの上面が洗浄されてもよい。
図45〜図47の上面洗浄器960におけるスプレーノズル963の代わりに、下面洗浄器700におけるブラシ740と同様のブラシが用いられてもよい。この場合、ノズルアーム962の下方にブラシが自転可能に設けられる。基板Wの回路形成面が保護膜で覆われている場合または基板Wの上面に回路が形成されていない場合には、ブラシにより基板Wの上面が洗浄されてもよい。
本実施の形態では、基板Wが1対の吸着アーム610により保持された状態で基板Wの下面中央部が洗浄されているときに、基板Wの上面に不活性ガスが供給されるが、基板Wの上面に不活性ガスが供給されなくてもよい。あるいは、基板Wの下面中央部が洗浄されているときに、ノズルアーム920が旋回することによりリンスノズル930により基板Wの上面にリンス液が供給されてもよい。また、図45〜図47のノズルアーム962が基板Wの上方の位置に移動することにより、リンスノズル964により基板Wの上面にリンス液が供給されてもよい。
下面洗浄器700におけるブラシ740の代わりに、上面洗浄器960におけるスプレーノズル963と同様のスプレーノズルが用いられてもよい。この場合、液滴を上方に吐出するようにスプレーノズルがブラシアーム730に設けられる。
基板Wの下面中央部の洗浄および乾燥のために、リンスノズル750により吐出されるリンス液、気体噴出器400により噴出される不活性ガス、スプレーノズルにより吐出される液滴、およびブラシ740から選択された1以上の洗浄媒体または乾燥媒体が用いられてもよい。
本実施の形態では、基板Wがスピンチャック300により保持された状態で基板Wの下面周縁部が洗浄されているときに、基板Wの上面がリンス液および液滴により洗浄されるが、上面の洗浄方法はこれに限定されない。基板Wの上面の洗浄および乾燥のために、スプレーノズル963により吐出される液滴、リンスノズル964により吐出されるリンス液、乾燥用気体ノズル950により吐出される不活性ガスおよびブラシから選択された1以上の洗浄媒体または乾燥媒体が用いられてもよい。
基板Wの下面周縁部の洗浄および乾燥のために、リンスノズル750により吐出されるリンス液、気体噴出器400により噴出される不活性ガス、スプレーノズルにより吐出される液滴およびブラシ740から選択された1以上の洗浄媒体または乾燥媒体が用いられてもよい。
本実施の形態では、スプレーノズル963およびリンスノズル964が同じノズルアーム962に設けられているが、スプレーノズル963およびリンスノズル964がそれぞれ別個のノズルアームに設けられ、それぞれ別個のアーム駆動部により移動されてもよい。
[3]他の実施の形態
(1)ケーシング100の形状は直方体形状に限定されず、内部空間を有する他の立体形状であってもよい。例えば、ケーシング100の側壁部101〜104、底板部105および上板部106が曲面で接続されていてもよい。また、側壁部101〜104、底板部105および上板部106が曲面形状を有してもよい。この場合、ケーシング100は、平面視で長円形状、楕円形状または多角形状等を有してもよい。
(1)ケーシング100の形状は直方体形状に限定されず、内部空間を有する他の立体形状であってもよい。例えば、ケーシング100の側壁部101〜104、底板部105および上板部106が曲面で接続されていてもよい。また、側壁部101〜104、底板部105および上板部106が曲面形状を有してもよい。この場合、ケーシング100は、平面視で長円形状、楕円形状または多角形状等を有してもよい。
(2)上板部106の上部開口110の形状は長円形状に限定されず、Y方向に平行に延びる楕円形状、長方形状、または多角形状等の他の形状であってもよい。
(3)上記実施の形態では、直動チャック600a,600bから複数のリフトピン500へ基板Wが渡された後にスピンチャック300の回転中心に対する基板Wの物理的中心の偏心を補正する偏心補正動作が行われるが、偏心補正動作が行われなくてもよい。この場合、ステップS20〜S33の処理は行われない。
あるいは、図示しない基板搬送ロボットのハンド(基板保持部)からリフトピン500およびスピンチャック300に基板Wが順次受け渡された後に、偏心補正動作が行われてもよい。その後、直動チャック600a,600bに保持された基板Wの下面中央部が洗浄され、スピンチャック300により保持された基板Wの下面周縁部が洗浄されてもよい。
(4)上記実施の形態では、気体噴出器400が円環状スリット430から鉛直上方に気体を噴出するが、気体噴出器400が斜め上方に気体を噴出してもよい。例えば、気体噴出器400の円環状スリット430の流路が+Y方向に対して鈍角をなすように形成されてもよい。この場合、基板Wの乾燥時(復路の移動時)に基板Wの進行方向(上記実施の形態では、−Y方向)と逆方向に液滴が吹き飛ばされる。それにより、基板Wの下面中央部の液滴を効率的に除去することができる。
(5)複数のリフトピン500の先端部(上端部)が軟質材料により形成されてもよい。例えば、複数のリフトピン500の先端部がゴム系材料により形成されてもよい。ゴム系材料は、表面に複数の微細な突起が規則的に形成された構造を有してもよい。このような構造により、ファンデルワールス力により基板Wの下面がリフトピン500の先端部に密着する。それにより、基板Wがリフトピン500上で移動することが防止される。
(6)上記実施の形態では、3本のリフトピン500が設けられるが、リフトピン500の数はこれに限定されず、4本以上のリフトピン500が設けられてもよい。例えば、6本のリフトピン500が設けられてもよい。この場合、1組の3本のリフトピン500が基板Wの洗浄前の基板Wの受け渡しに用いられ、他の組の3本のリフトピン500が基板Wの洗浄後の基板Wの受け渡しに用いられてもよい。また、1組の3本のリフトピン500が基板Wの搬入時の基板Wの受け渡しに用いられ、他の組の3本のリフトピン500が基板Wの搬出時の基板Wの受け渡しに用いられてもよい。
(7)下面洗浄器700のブラシアーム730の旋回方向においてブラシ740よりも先行するリンスノズル750からリンス液が吐出されるように下面リンス液供給部21が制御されてもよい。例えば、ブラシアーム730が側壁部101に近づく方向に旋回するときには、1対のリンスノズル750のうち側壁部101に近いリンスノズル750からリンス液が吐出され、ブラシアーム730が側壁部102に近づく方向に旋回するときには、1対のリンスノズル750のうち側壁部102に近いリンスノズル750からリンス液が吐出されてもよい。それにより、リンス液の消費量を低減しつつ基板Wの下面を効率的に洗浄することができる。
(8)下面洗浄器700のブラシアーム730の旋回方向に依存してブラシ740の回転方向(自転方向)が変更されてもよい。例えば、ブラシアーム730が平面視で時計回りに旋回するときには、ブラシ740が時計回りに自転し、ブラシアーム730が平面視で反時計回りに旋回するときには、ブラシ740が反時計回りに自転してもよい。
(9)上記実施の形態では、下面洗浄器700のブラシアーム730に洗浄用のブラシ740が設けられているが、ブラシアーム730に洗浄用のブラシ740の代わりに研磨用のブラシが設けられてもよく、ブラシアーム730に洗浄用のブラシ740および研磨用のブラシの両方が設けられてもよい。この場合、例えば、基板Wの往路で研磨用のブラシによる基板Wの下面の研磨を行い、基板Wの復路で洗浄用のブラシ740による基板Wの下面の洗浄を行うことができる。また、ブラシアーム730の洗浄用のブラシ740が研磨用のブラシと交換可能であってもよい。
(10)上記実施の形態では、基板洗浄装置1は各構成要素を制御する制御部10を含むが、実施の形態はこれに限定されない。基板洗浄装置1の各構成要素が基板洗浄装置1の外部の情報処理装置により制御可能に構成されている場合には、基板洗浄装置1は制御部10を含まなくてもよい。
[4]請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
上記実施の形態では、スピンチャック300が回転保持部の例であり、直動チャック600a,600bが第1および第2の直動保持部の例であり、気体噴出器駆動部18が噴出器駆動部の例であり、円環状スリット430が環状スリットの例である。気体カーテンGC1が気体カーテンの例であり、側壁部101,102が第1および第2の壁部の例であり、側壁部103,104が第3および第4の壁部の例であり、気体噴出器400が乾燥器の例であり、複数のリフトピン500が複数の支持ピンの例である。
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。
[5]参考形態
(1)第1の参考形態に係る基板洗浄装置は、内部空間を形成する側壁部、上板部および底板部を有するケーシングと、ケーシングの内部空間に設けられ、基板の下面中央部を保持して回転する回転保持部と、ケーシングの内部空間に設けられ、基板の下面周縁部の互いに対向する第1および第2の領域をそれぞれ保持して第1の方向に平行な方向に往復移動する第1および第2の直動保持部と、ケーシングの内部空間に設けられ、第1および第2の直動保持部により基板が保持されているときに基板の下面中央部を洗浄し、回転保持部により基板が保持および回転されているときに基板の下面周縁部を洗浄する下面洗浄器とを備え、上板部は、回転保持部により保持される基板の上方の領域と第1および第2の直動保持部により移動される基板の上方の領域とを含む上部開口を有する。
(1)第1の参考形態に係る基板洗浄装置は、内部空間を形成する側壁部、上板部および底板部を有するケーシングと、ケーシングの内部空間に設けられ、基板の下面中央部を保持して回転する回転保持部と、ケーシングの内部空間に設けられ、基板の下面周縁部の互いに対向する第1および第2の領域をそれぞれ保持して第1の方向に平行な方向に往復移動する第1および第2の直動保持部と、ケーシングの内部空間に設けられ、第1および第2の直動保持部により基板が保持されているときに基板の下面中央部を洗浄し、回転保持部により基板が保持および回転されているときに基板の下面周縁部を洗浄する下面洗浄器とを備え、上板部は、回転保持部により保持される基板の上方の領域と第1および第2の直動保持部により移動される基板の上方の領域とを含む上部開口を有する。
その基板洗浄装置においては、ケーシング内で第1および第2の直動保持部により基板が保持されているときに基板の下面中央部が下面洗浄器により洗浄される。また、ケーシング内で回転保持部により基板が保持および回転されているときに基板の下面周縁部が下面洗浄器により洗浄される。このとき、ケーシングは液体の飛散防止用の飛散防止部材として働く。ケーシングは移動しないため、飛散防止部材を移動させる機構が不要となる。
さらに、回転保持部により保持される基板の上方の領域と第1および第2の直動保持部により移動される基板の上方の領域とを含むように上板部に上部開口が形成されているので、上板部に付着した液滴が基板上に落下することが防止される。
(2)第2の参考形態に係る基板洗浄装置は、基板の下面中央部を保持して回転する回転保持部と、基板の下面周縁部の互いに対向する第1および第2の領域をそれぞれ保持して第1の方向に平行な方向に往復移動する第1および第2の直動保持部と、第1および第2の直動保持部により基板が保持されているときに基板の下面中央部を洗浄し、回転保持部により基板が保持および回転されているときに基板の下面周縁部を洗浄する下面洗浄器とを備え、第1の直動保持部は、基板の第1の領域を吸引により保持する複数の第1の吸着パッドを含み、第2の直動保持部は、基板の第2の領域を吸引により保持する複数の第2の吸着パッドを含む。
その基板洗浄装置においては、第1の直動保持部の複数の第1の吸着パッドが基板の下面周縁部の第1の領域を吸引するとともに、第2の直動保持部の複数の第2の吸着パッドが基板の下面周縁部の第2の領域を吸引する。それにより、基板の下面周縁部の互いに対向する第1および第2の領域が第1および第2の直動保持部により保持される。この状態で、基板の下面中央部が下面洗浄器により洗浄される。また、回転保持部により基板が保持および回転されているときに基板の下面周縁部が下面洗浄器により洗浄される。
上記の構成により、基板の下面周縁部が少なくとも4箇所で保持されるので、第1および第2の直動保持部により基板を安定的に往復移動させることができる。したがって、下面洗浄器により基板の下面を均一に洗浄することができる。
(3)第3の参考形態に係る基板洗浄装置は、内部空間を形成する側壁部、上板部および底板部を有するケーシングと、ケーシングの内部空間に設けられ、基板の下面中央部を保持して回転する回転保持部と、ケーシングの内部空間に設けられ、基板の下面周縁部の互いに対向する第1および第2の領域をそれぞれ保持して第1の方向に平行な方向に往復移動する第1および第2の直動保持部と、ケーシングの内部空間に設けられ、第1および第2の直動保持部により基板が保持されているときに基板の下面中央部を洗浄し、回転保持部により基板が保持および回転されているときに基板の下面周縁部を洗浄する下面洗浄器と、ケーシングの底板部の下方でかつ第1の直動保持部の下方に設けられ、第1の方向に延びる第1の案内部材と、ケーシングの底板部の下方でかつ第2の直動保持部の下方に設けられ、第1の方向に延びる第2の案内部材と、ケーシングの底板部の下方に設けられ、第1および第2の直動保持部をそれぞれ第1および第2の案内部材に沿って移動させる直動駆動部とを備える。
その基板洗浄装置においては、ケーシング内で第1および第2の直動保持部により基板が保持されているときに基板の下面中央部が下面洗浄器により洗浄される。また、ケーシング内で回転保持部により基板が保持および回転されているときに基板の下面周縁部が下面洗浄器により洗浄される。このとき、ケーシングは液体の飛散防止用の飛散防止部材として働く。ケーシングは移動しないため、飛散防止部材を移動させる機構が不要となる。
さらに、第1および第2の案内部材がケーシングの底板部の下方でかつ第1および第2の直動保持部の下方にそれぞれ設けられるとともに、直動駆動部がケーシングの底板部の下方に設けられる。それにより、ケーシング内の構造を複雑化することなく、第1および第2の直動保持部を第1の方向と平行な方向に安定的に移動させることができる。したがって、下面洗浄器により基板の下面を均一に洗浄することができる。
(4)第4の参考形態に係る基板洗浄装置は、基板の下面中央部を保持して回転する回転保持部と、基板の下面周縁部の互いに対向する第1および第2の領域をそれぞれ保持して第1の方向に平行な方向に往復移動する第1および第2の直動保持部と、第1および第2の直動保持部により基板が保持されているときに基板の下面中央部を洗浄し、回転保持部により基板が保持および回転されているときに基板の下面周縁部を洗浄する下面洗浄器とを備え、第1の直動保持部は、基板の第1の領域を吸引により保持する第1の吸着パッドと、第1の吸着パッドの少なくとも一部を取り囲むように気体を上方に噴出する第1の気体噴出部とを含み、第2の直動保持部は、基板の第2の領域を吸引により保持する第2の吸着パッドと、第2の吸着パッドの少なくとも一部を取り囲むように気体を上方に噴出する第2の気体噴出部とを含む。
その基板洗浄装置においては、第1の直動保持部の第1の吸着パッドが基板の下面周縁部の第1の領域を吸引するとともに、第2の直動保持部の第2の吸着パッドが基板の下面周縁部の第2の領域を吸引する。それにより、基板の下面周縁部の互いに対向する第1および第2の領域が第1および第2の直動保持部により保持される。この状態で、基板の下面中央部が下面洗浄器により洗浄される。また、回転保持部により基板が保持および回転されているときに基板の下面周縁部が下面洗浄器により洗浄される。
さらに、第1の気体噴出部により第1の吸着パッドの少なくとも一部を取り囲むように気体が上方に噴出される。また、第2の気体噴出部により第2の吸着パッドの少なくとも一部を取り囲むように気体が上方に噴出される。それにより、第1および第2の吸着パッドに液滴が付着することが防止される。したがって、第1および第2の直動保持部による基板の保持の際に、基板が第1および第2の吸着パッド上で滑ることが防止される。また、下面洗浄器により基板の下面に大きな荷重が加えられた場合でも、第1および第2の吸着パッドから基板が外れることが防止される。したがって、第1および第2の直動保持部により基板の下面を確実に保持することができる。
(5)第5の参考形態に係る基板洗浄装置は、基板の下面中央部を保持して回転する回転保持部と、基板の下面周縁部の互いに対向する第1および第2の領域をそれぞれ保持して第1の方向に平行な方向に往復移動する第1および第2の直動保持部と、第1および第2の直動保持部により基板が保持されているときに基板の下面中央部を洗浄し、回転保持部により基板が保持および回転されているときに基板の下面周縁部を洗浄する下面洗浄器と、回転保持部を取り囲むように気体を上方に噴出する気体噴出器と、気体噴出器を回転保持部に対して相対的に昇降させる噴出器駆動部とを備える。
その基板洗浄装置においては、第1および第2の直動保持部により基板の下面周縁部の互いに対向する第1および第2の領域が保持される。この状態で、基板の下面中央部が下面洗浄器により洗浄される。また、回転保持部により基板が保持および回転されているときに基板の下面周縁部が下面洗浄器により洗浄される。
さらに、基板が回転保持部により保持されていないときに、気体噴出器により回転保持部を取り囲むように気体を上方に噴出することができる。それにより、回転保持部に液滴が付着することが防止される。また、基板が第1および第2の直動保持部により保持および移動されるときに、気体噴出器が基板の下面に近接した状態で気体を上方に噴出することができる。それにより、基板の下面を乾燥させることができる。
(6)第6の参考形態に係る基板洗浄装置は、基板の下面中央部を保持して回転する回転保持部と、基板の下面周縁部の互いに対向する第1および第2の領域をそれぞれ保持して第1の方向に平行な方向に往復移動する第1および第2の直動保持部と、第1および第2の直動保持部により基板が保持されているときに基板の下面中央部を洗浄し、回転保持部により基板が保持および回転されているときに基板の下面周縁部を洗浄する下面洗浄器とを備え、下面洗浄器は、鉛直軸の周りで一方向および逆方向に旋回可能な洗浄具保持部と、鉛直軸の周りで回転可能かつ基板の下面に接触可能に洗浄具保持部に設けられた洗浄具と、洗浄具保持部に設けられ、洗浄液を上方へそれぞれ吐出可能な第1および第2の吐出ノズルとを含み、第1の吐出ノズルは、旋回の一方向において洗浄具に隣り合うように配置され、第2の吐出ノズルは、旋回の逆方向において洗浄具に隣り合うように配置される。
その基板洗浄装置においては、第1および第2の直動保持部により基板の下面周縁部の互いに対向する第1および第2の領域が保持される。この状態で、基板の下面中央部が下面洗浄器により洗浄される。このとき、洗浄具が基板の下面に接触した状態で回転するとともに、洗浄具保持部が一方向および逆方向に旋回することができる。それにより、基板の下面中央部を確実に洗浄することができる。また、洗浄具保持部の旋回方向において洗浄具に隣り合うように配置された第1および第2の吐出ノズルの少なくとも一方から基板の下面に洗浄液を吐出することができる。それにより、基板の下面をより確実に洗浄することができる。
(7)第7の参考形態に係る基板洗浄装置は、基板の下面中央部を保持して回転する回転保持部と、基板の下面周縁部の互いに対向する第1および第2の領域をそれぞれ保持して第1の方向に平行な方向に往復移動する第1および第2の直動保持部と、第1および第2の直動保持部により基板が保持されているときに基板の下面中央部を洗浄し、回転保持部により基板が保持および回転されているときに基板の下面周縁部を洗浄する下面洗浄器と、回転保持部、第1の直動保持部、第2の直動保持部および下面洗浄器の動作を制御する制御部とを備え、下面洗浄器は、鉛直軸の周りで一方向および逆方向に旋回可能な洗浄具保持部と、洗浄具保持部に設けられた洗浄具とを含み、制御部は、第1および第2の直動保持部により保持された基板の下面の予め定められた洗浄領域が洗浄具により洗浄されるように、洗浄具保持部の旋回動作ならびに第1および第2の直動保持部の移動を制御する。
その基板洗浄装置においては、第1および第2の直動保持部により基板の下面周縁部の互いに対向する第1および第2の領域が保持される。この状態で、基板の下面中央部が下面洗浄器により洗浄される。このとき、洗浄具が基板の下面に接触した状態で回転するとともに、洗浄具保持部が一方向および逆方向に旋回することができる。それにより、基板の下面中央部を確実に洗浄することができる。また、洗浄具保持部の旋回方向において洗浄具に隣り合うように配置された第1および第2の吐出ノズルの少なくとも一方から基板の下面に洗浄液を吐出することができる。それにより、基板の下面をより確実に洗浄することができる。
(8)第8の参考形態に係る基板洗浄装置は、基板の下面中央部を保持して回転する回転保持部と、基板の下面周縁部の互いに対向する第1および第2の領域をそれぞれ保持して第1の方向に平行な方向に往復移動する第1および第2の直動保持部と、第1および第2の直動保持部により基板が保持されているときに基板の下面中央部を洗浄し、回転保持部により基板が保持および回転されているときに基板の下面周縁部を洗浄する下面洗浄器と、第1および第2の直動保持部により保持された基板の下面を乾燥させる乾燥器と、第1および第2の直動保持部により基板が保持されて第1の方向に移動されつつ下面洗浄器により保持された基板の下面が洗浄され、第1および第2の直動保持部により基板が保持されて第1の方向と逆の方向に移動されつつ乾燥器により保持された基板の下面が乾燥されるように、第1の直動保持部、第2の直動保持部、下面洗浄器および乾燥器の動作を制御する制御部とを備える。
その基板洗浄装置においては、第1および第2の直動保持部により基板の下面周縁部の互いに対向する第1および第2の領域が保持される。この状態で、第1および第2の直動保持部が第1の方向に移動するときに基板の下面中央部が下面洗浄器により洗浄される。その後、第1および第2の直動保持部が第1の方向と逆の方向に移動するときに乾燥器により基板の下面が乾燥される。また、回転保持部により基板が保持および回転されているときに基板の下面周縁部が下面洗浄器により洗浄される。このような構成により、基板の下面中央部の洗浄後に基板の下面中央部が乾燥されるので、回転保持部により基板の下面中央部を確実に保持することができる。
(9)第9の参考形態に係る基板洗浄装置は、基板の下面中央部を保持して回転する回転保持部と、基板の下面周縁部の互いに対向する第1および第2の領域をそれぞれ保持して第1の方向に平行な方向に往復移動する第1および第2の直動保持部と、第1および第2の直動保持部により基板が保持されているときに基板の下面中央部を洗浄し、回転保持部により基板が保持および回転されているときに基板の下面周縁部を洗浄する下面洗浄器と、回転保持部の周囲の位置で上下動可能に設けられ、基板の下面を支持可能な3以上の複数の支持ピンとを備え、複数の支持ピンは、第1および第2の直動保持部に対して基板を受け渡し可能に構成されるとともに、回転保持部に対して基板を受け渡し可能に構成され、複数の支持ピンが基板を第1および第2の直動保持部に渡し、第1および第2の直動保持部が複数の支持ピンから受け取った基板を保持して第1の方向に移動しつつ下面洗浄器が第1および第2の直動保持部により保持された基板の下面を洗浄した後、複数の支持ピンが第1および第2の直動保持部から基板を受け取り、受け取った基板を回転保持部に渡し、回転保持部が複数の支持ピンから受け取った基板を保持して回転しつつ下面洗浄器が回転保持部により保持される基板の下面を洗浄し、複数の支持ピンが回転保持部から基板を受け取る。
その基板洗浄装置においては、第1および第2の直動保持部により基板が保持されているときに基板の下面中央部が下面洗浄器により洗浄される。また、回転保持部により基板が保持および回転されているときに基板の下面周縁部が下面洗浄器により洗浄される。上記の構成によれば、複数の支持ピンと第1および第2の直動保持部との間で基板の受け渡しが行われ、複数の支持ピンと回転保持部との間で基板の受け渡しが行われる。それにより、回転保持部の保持面のサイズが小さい場合でも、基板の受け渡しを確実に行うことができる。したがって、回転保持部のサイズを縮小することにより、第1および第2の直動保持部により保持された基板の下面のうち洗浄されるべき下面中央部の面積を低減することができる。その結果、第1および第2の直動保持部により保持された基板の洗浄時間を短縮することができる。回転保持部により基板が保持された状態での洗浄時間は、第1および第2の直動保持部により基板が保持された状態での洗浄時間よりも短いので、全体として基板の下面の洗浄時間を短縮することができる。
(10)第10の参考形態に係る基板洗浄装置は、基板の下面中央部を保持して回転する回転保持部と、基板の下面周縁部の互いに対向する第1および第2の領域をそれぞれ保持して第1の方向に平行な方向に往復移動する第1および第2の直動保持部と、第1および第2の直動保持部により基板が保持されているときに基板の下面中央部を洗浄し、回転保持部により基板が保持および回転されているときに基板の下面周縁部を洗浄する下面洗浄器と、基板の下面周縁部の洗浄後、回転保持部により基板が保持および回転されているときに基板の外周端部に外方に向かう気体を吐出する気体吐出ノズルとを備える。
その基板洗浄装置においては、第1および第2の直動保持部により基板が保持されているときに基板の下面中央部が下面洗浄器により洗浄される。また、回転保持部により基板が保持および回転されているときに基板の下面周縁部が下面洗浄器により洗浄される。回転保持部のサイズが小さい場合、基板を確実に保持するためには、基板の回転速度を低くすることが望ましい。上記の構成によれば、基板の洗浄後に、回転保持部により基板が保持および回転されているときに基板の外周端部に外方に向かう気体が吐出される。それにより、回転保持部が基板を比較的低速で回転させても、基板に付着する液滴を基板から除去することができる。したがって、回転保持部の小型化が可能となる。
1…基板洗浄装置,10…制御部,11…シャッタ開閉部,12…リフトピン駆動部,13…直動チャック駆動部,14…直動チャック吸引部,15…直動チャック気体供給部,16…スピンチャック駆動部,17…スピンチャック吸引部,18…気体噴出器駆動部,19…噴出気体供給部,20…ブラシアーム駆動部,21…下面リンス液供給部,22…上面リンス液供給部,23…ラインセンサ,23a…偏心検出部,24…乾燥用気体供給部,100…ケーシング,101〜104…側壁部,105…底板部,106…上板部,110…上部開口,120…ストライプ状開口,140…開口カバー,171,172,173,174,175,176…排気ダクト,171a,172a,173a…排気口,180…ドレイン開口,181…ドレインボックス,200…駆動ユニット,300…スピンチャック,310…吸着面,400…気体噴出器,410…可動支持部,420…環状噴出部,430…円環状スリット,440…気体入口,450…円柱状開口,460…上下動シリンダ,500…リフトピン,600a,600b…直動チャック,610…吸着アーム,611,612…パッド取り付け部,613…連結部,614…アーム取り付け部,615…アーム支持部,616…アーム連結部,617…ガイド部,620…吸着パッド,621…吸引孔,622…中央部材,623…周辺部材,624…連結部材,625…凸部,626…ネジ孔,630…スリット,640…リニアガイド,650…下カバー,651…水平部,652,662…垂直縁,660…上カバー,661…平板部,700…下面洗浄器,710…固定部,720…回転部,730,972…ブラシアーム,731…ブラシ圧シリンダ,732…ブラシ回転モータ,733…揺動部材,734…ベルト,735…プーリ,736…可動部材,740…ブラシ,741…ブラシ軸,750,930,964…リンスノズル,760…ブラシ洗浄ノズル,800…パッドカバー,810…矩形切り欠き,900…上面洗浄乾燥器,910…アーム駆動部,920,962…ノズルアーム,950…乾燥用気体ノズル,960…上面洗浄器,961,971…アーム駆動部,963…スプレーノズル,970…ベベル洗浄器,973…ベベルブラシ,973a…上洗浄部,973b…下洗浄部,GC1,GC2…気体カーテン,GC3…乾燥用気体,LE…発光部,LR…受光部,M0…平均値,OP…開口,RC…回転軸,Rc…回転中心,SH…シャッタ,SL…光,UC…ユニット筐体,W…基板
Claims (15)
- 基板の下面中央部を保持して回転する回転保持部と、
基板の下面周縁部の互いに対向する第1および第2の領域をそれぞれ保持して第1の方向に平行な方向に往復移動する第1および第2の直動保持部と、
前記第1および第2の直動保持部により基板が保持されているときに前記基板の下面中央部を洗浄し、前記回転保持部により基板が保持および回転されているときに前記基板の下面周縁部を洗浄する下面洗浄器と、
前記回転保持部を取り囲むように気体を上方に噴出する気体噴出器と、
前記気体噴出器を昇降させる噴出器駆動部とを備える、基板洗浄装置。 - 前記気体噴出器は、前記回転保持部を取り囲む環状噴出部を含み、
前記環状噴出部は、上方に気体を噴出するための環状スリットを有し、前記噴出器駆動部により駆動される、請求項1記載の基板洗浄装置。 - 前記環状噴出部は、前記環状スリットに連通する気体入口を有する、請求項2記載の基板洗浄装置。
- 下面中央部の洗浄時に第1の流量で前記気体噴出器から気体を噴出させ、下面中央部の洗浄後に前記第1の流量よりも大きな第2の流量で前記気体噴出器から気体を噴出させる噴出気体供給部をさらに備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載の基板洗浄装置。
- 前記気体噴出器は、前記回転保持部を取り囲む筒状の気体カーテンを形成する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の基板洗浄装置。
- 内部空間を形成する側壁部、上板部および底板部を有するケーシングをさらに備え、
前記回転保持部、前記第1の直動保持部、前記第2の直動保持部、前記下面洗浄器および前記気体噴出器は、前記ケーシングの前記内部空間に設けられる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の基板洗浄装置。 - 前記側壁部は、前記第1の方向視において、互いに対向する第1および第2の壁部を含み、
前記第1の直動保持部は、前記第1の方向視において、前記ケーシングの前記第1の壁部と前記回転保持部との間に設けられ、
前記第2の直動保持部は、前記第1の方向視において、前記ケーシングの前記第2の壁部と前記回転保持部との間に設けられる、請求項6記載の基板洗浄装置。 - 前記側壁部は、前記第1の方向に交差する第2の方向視において、互いに対向する第3および第4の壁部をさらに含み、
前記回転保持部および前記気体噴出器は、前記第4の壁部よりも前記第3の壁部に近い位置に配置され、
前記下面洗浄器は、前記回転保持部と前記第4の壁部との間に配置される、請求項7記載の基板洗浄装置。 - 前記回転保持部と前記気体噴出器との間の領域で上下動可能に設けられ、基板の下面を支持可能な3以上の複数の支持ピンをさらに備え、
前記複数の支持ピンは、前記第1および第2の直動保持部に対して基板を受け渡し可能に構成されるとともに、前記回転保持部に対して基板を受け渡し可能に構成され、
前記複数の支持ピンが基板を前記第1および第2の直動保持部に渡し、前記第1および第2の直動保持部が前記複数の支持ピンから受け取った基板を保持して前記第1の方向に移動しつつ前記下面洗浄器が前記第1および第2の直動保持部により保持された基板の下面を洗浄した後、前記複数の支持ピンが前記第1および第2の直動保持部から基板を受け取り、受け取った基板を前記回転保持部に渡し、前記回転保持部が前記複数の支持ピンから受け取った基板を保持して回転しつつ前記下面洗浄器が前記回転保持部により保持される基板の下面を洗浄し、前記複数の支持ピンが前記回転保持部から基板を受け取る、請求項1〜8のいずれか一項に記載の基板洗浄装置。 - 第1および第2の直動保持部により基板の下面周縁部の互いに対向する第1および第2の領域をそれぞれ保持して前記基板を第1の方向に平行な方向に往復移動させるステップと、
前記第1および第2の直動保持部により基板が保持されているときに回転保持部を取り囲むように気体噴出器により気体を上方に噴出させるステップと、
前記第1および第2の直動保持部により基板が保持されているときに前記基板の下面中央部を洗浄するステップと、
前記第1および第2の直動保持部により基板が保持されているときに前記気体噴出器を上昇させるステップと、
前記回転保持部により基板の下面中央部を保持して前記基板を回転させるステップと、
前記回転保持部により基板が保持および回転されているときに前記基板の下面周縁部を洗浄するステップとを含む、基板洗浄方法。 - 前記基板を第1の方向に平行な方向に往復移動させるステップは、
前記第1および第2の直動保持部により基板を前記第1の方向に平行な一方向に移動させることと、
前記第1および第2の直動保持部により基板を前記一方向とは逆方向に移動させることとを含み、
前記基板の下面中央部を洗浄するステップは、前記第1および第2の直動保持部により基板が前記一方向に移動されているときに前記基板の下面中央部を洗浄することを含む、請求項10記載の基板洗浄方法。 - 前記気体を上方に噴出させるステップは、
前記第1および第2の直動保持部により基板が前記一方向に移動されているときに前記気体噴出器により第1の流量で気体を噴出させることと、
前記第1および第2の直動保持部により基板が前記逆方向に移動されているときに前記気体噴出器により前記第1の流量よりも大きな第2の流量で気体を噴出させることとを含む、請求項11記載の基板洗浄方法。 - 前記気体噴出器を上昇させるステップは、前記第1および第2の直動保持部により基板が前記逆方向に移動される前または前記逆方向に移動されているときに前記気体噴出器を上昇させることを含む、請求項12記載の基板洗浄方法。
- 前記気体を上方に噴出させるステップは、前記回転保持部を取り囲む筒状の気体カーテンを形成することを含む、請求項10〜13のいずれか一項に記載の基板洗浄方法。
- 上下動可能かつ基板の下面を支持可能な3以上の複数の支持ピンにより前記第1および第2の直動保持部に対して基板を渡すステップと、
基板の下面中央部の洗浄後に前記複数の支持ピンにより前記第1および第2の直動保持部から前記基板を受け取るステップと、
前記複数の支持ピンにより受け取った基板を前記回転保持部に対して渡すステップと、
基板の下面周縁部の洗浄後に前記複数の支持ピンにより前記回転保持部から前記基板を受け取るステップとをさらに含む、請求項10〜14のいずれか一項に記載の基板洗浄方法。
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