JP2021052152A - 半導体基板、半導体基板の製造方法、液体吐出ヘッドおよび液体吐出ヘッドの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】半導体基板の大型化を抑え、金属層のサイドエッチングを抑制可能な半導体基板を提供する。【解決手段】半導体基板1は、第1の金属層6と、第1の金属層に接して設けられ、第1の金属層よりもイオン化傾向の高い第2の金属層であって、タングステンを主成分とする金属材料からなる第2の金属層5と、を有する。第2の金属層の露出する表面に二酸化タングステンを主とする酸化膜7が設けられている。【選択図】図1
Description
本発明は、半導体基板、半導体基板の製造方法、液体吐出ヘッドおよび液体吐出ヘッドの製造方法に関するものである。
半導体基板を微細加工した構造体はMEMS分野や電気機械の機能デバイスに幅広く用いられている。その一例として、吐出液滴を被記録媒体に着弾させて記録を行う液体吐出記録方式の液体吐出ヘッドがある。サーマル型の液体吐出ヘッドは、エネルギー発生素子に通電することで発生する熱エネルギーを用いてインクなどの液体を膜沸騰させ、これにより生じる圧力を用いて吐出口から液体を吐出して記録動作を行う。
このように用いられる液体吐出ヘッドは、エネルギー発生素子を備えた半導体基板と、吐出口や流路を形成するための部材とを有している。エネルギー発生素子は、半導体基板に設けられた電極パッドを介して記録装置から電気信号や電圧を供給されて駆動される。このような液体吐出ヘッドの電極パッドは、配線、電極層および電極層の金属が基板に拡散することを防止する拡散防止層といった複数の種類の金属が積層された構造を有している。拡散防止層は、配線と電極層とを電気的に接続する機能も有している。このような金属積層膜が半導体基板の製造工程中に電解質溶液と接触すると、金属層間で電位差が生じて局部電池(ガルバニ電池)が形成され、イオン化傾向の高い金属の溶解が促進される。通常、拡散防止層のイオン化傾向は、電極層のイオン化傾向より高いため、拡散防止層の横方向の溶解(サイドエッチング)が促進され、配線と電極層との電気的接続性が低下する可能性がある。また、配線へのダメージ、電極層の基板からの剥離などが生じやすくなり、信頼性の低下に繋がる懸念がある。
したがって、拡散防止層のサイドエッチングの抑制を目的とした対策が検討されている。特許文献1には、イオン化傾向の高い金属層と低い金属層が積層された金属積層膜をウェットエッチングによりエッチングする方法が開示されている。金属積層膜のエッチング対象領域の外側に上記イオン化傾向の高い金属層と同じ金属層を成膜して電喰抑制パターンを形成することで、イオン化傾向の高い金属層のサイドエッチングが抑制される。
特許文献1に記載の方法は金属積層膜のエッチング対象領域の外側に電喰抑制パターンを形成する必要がある。換言すれば、基板上に本来の機能に関連しない領域を確保する必要があり、基板が大型化する可能性がある。
そこで、本発明は、半導体基板の大型化を抑え、金属層のサイドエッチングを抑制することを目的とする。
本発明の半導体基板は、第1の金属層と、前記第1の金属層に接して設けられ、前記第1の金属層よりもイオン化傾向の高い第2の金属層であって、タングステンを主成分とする金属材料からなる前記第2の金属層と、を有する半導体基板において、前記第2の金属層の露出する表面に二酸化タングステンを主とする酸化膜が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、半導体基板の大型化を抑え、金属層のサイドエッチングを抑制することができる。
以下、本発明をいくつかの実施形態によって説明する。以下に説明する各実施形態は、インクジェット記録ヘッドなどの液体吐出ヘッドにおける半導体基板とその製造方法を対象とする。また、各実施形態における金属積層膜は基板に設けられた電極パッドである。したがって、本実施形態の半導体基板は金属積層膜を備える半導体基板の一例である。しかし、本発明はこれらの実施形態に限定されず、特に、金属積層膜を構成する各金属層が電解質溶液に浸漬される製造プロセスを含む、金属積層膜を有する半導体基板の製造方法に広く適用することができる。また、本実施形態の基板はインクを吐出する液体吐出ヘッドに適用されるが、基板はインク以外の液体を吐出する液体吐出ヘッドに用いられるものであってもよい。
(第1の実施形態)
図1は、本発明を適用可能な第1の実施形態に係る半導体基板1および半導体基板1に設けられた電極パッド2の構成を示す概略図である。図1(a)は吐出口11が形成された部材12が接合された半導体基板1の、電極パッド2の形成面に対して直交する方向からみた平面図、図1(b)は電極パッド2の拡大図、図1(c)は、図1(a)のA−A断面の概略断面図である。
図1は、本発明を適用可能な第1の実施形態に係る半導体基板1および半導体基板1に設けられた電極パッド2の構成を示す概略図である。図1(a)は吐出口11が形成された部材12が接合された半導体基板1の、電極パッド2の形成面に対して直交する方向からみた平面図、図1(b)は電極パッド2の拡大図、図1(c)は、図1(a)のA−A断面の概略断面図である。
本実施形態の半導体基板1は、液体を吐出する吐出口11を形成するための部材12と接合され、液体吐出ヘッドを構成する。半導体基板1には、液体を吐出するためのエネルギーを発生するエネルギー発生素子が設けられており、電極パッド2を介してエネルギー発生素子に対して半導体基板1の外部から電力が供給される。また、半導体基板1には、インク供給口9(図5(e))が設けられており、インク供給口9を介してエネルギー発生素子へインクが供給される。
図1において、半導体基板1の電極パッド2は金属積層膜で構成される。金属積層膜は、第1の金属層としての電極層6と、電極層6と接して設けられ、電極層6よりもイオン化傾向の高い第2の金属層としての拡散防止層5と、を少なくとも含む。基板1上に設けられた配線3の上には、絶縁層4が設けられている。さらに、絶縁層4には開口部13が設けられており、配線3と電極層6とが電気的に接続されている。電極層6には電気伝導性の良い、金などが用いられる。電極パッド2は、電極層6の表面にワイヤーなどの金属部材が接続されることで、半導体基板1と外部との電気接続を行う。配線3と電極層6との間には、基板に電極層6に用いられる金属が拡散することを防止する拡散防止層5が設けられており、配線3と電極層6とが拡散防止層5を介して電気的に接続されている。すなわち、拡散防止層5の電極層6と接する面とは反対側の面が配線3および絶縁層4と接している。金属積層膜はパターニングされた構造となっている。拡散防止層5には、配線3や電極層6との接着性に優れ、自身が温度に対しても安定で拡散を生じず、また、比抵抗があまり高くない金属材料やその化合物を用いる。このような金属材料として、チタンタングステンやタングステンなどの、タングステンを主成分とする材料が挙げられる。タングステンを主成分とする金属材料とは、拡散防止層5におけるタングステンの占める割合が90wt%以上である材料のことをいう。なお、拡散防止層5を金属の拡散を抑制する拡散抑制層とも称する。
本実施形態では、拡散防止層5の露出する表面に二酸化タングステンを主とする酸化層7が形成されている。そのため、半導体基板1を電解質溶液中に浸漬した場合においても、拡散防止層5が電解質溶液と接することはない。なお、本実施形態では、拡散防止層5の露出する表面とは、拡散防止層5のうちの、配線3(配線層)、絶縁層4、および電極層6と接していない部分である。
図2は、半導体基板1を電解質溶液14中に浸漬した様子を示す概略図である。図2(a)は、拡散防止層5の露出部に二酸化タングステンを主とする酸化層が形成されていない半導体基板1を電解質溶液14中に浸漬した時の電子の移動を図示した図である。この時、拡散防止層5と電極層6との金属間で局部電池が形成され、イオン化傾向の高い拡散防止層5から低い電極層6に電子が移動し、拡散防止層5と電解質溶液14との接触面からは拡散防止層5の金属が金属イオンとして溶け出す。
図2(b)は、拡散防止層5の露出部に二酸化タングステンを主とする酸化層7を形成した半導体基板1を電解質溶液14中に浸漬した時の電子の移動を示した図である。図2(b)の場合、拡散防止層5の露出部に二酸化タングステンを主とする酸化層7が形成されているため、拡散防止層5が電解質溶液14と接することがない。二酸化タングステンは化学的に安定であるため、図2(a)で示したような拡散防止層5と電極層6との間での電子の移動は生じず、拡散防止層5の金属が電解質溶液14中に溶け出すことがない。また、本実施形態の半導体基板1を用いて液体吐出ヘッドを形成した場合、電極パッド2をインクから守るために電極パッド2を覆うように封止材が配置される。仮に封止材を通って電解質溶液であるインクが浸入し、電極パッド2がインクに接液した場合においても、インクによる拡散防止層5の溶解を抑制できる。
ここで、二酸化タングステンを主とする酸化層7とは、二酸化タングステンの占める割合が半分以上である酸化層のことを言う。なお、酸化層7が三酸化タングステンを含む場合、電界質溶液への溶解性の観点から、酸化層7における三酸化タングステンに対する二酸化タングステンの構成比が2以上であることがより好ましく、酸化層7が二酸化タングステンからなることがさらに好ましい。
このように、本実施形態によると、拡散防止層5のサイドエッチングを抑制することができ、信頼性の高い半導体基板1を提供することができる。
(第2の実施形態)
図3は本発明を適用可能な第2の実施形態に係る半導体基板1および半導体基板1に設けられた電極パッド2の構成を示す概略図である。図3(a)は吐出口11が形成された部材12が接合された半導体基板1の、電極パッド2の形成面に対して直交する方向からみた平面図、図3(b)は電極パッド2の拡大図、図3(c)は、図3(b)のB−B断面の概略断面図である。本実施形態は、図3に示すように、拡散防止層5が電極層6よりも大きく形成されており、図3(b)に示す電極パッド2の平面図のように、電極層6の外縁の外側に拡散防止層5の外縁が位置している。また、拡散防止層5の露出部に二酸化タングステンを主とする酸化層7が形成されている。本実施形態は、拡散防止層5の露出部が電極層6の外側に張り出しているため、拡散防止層5の露出部に対して酸化層7を形成しやすい。
図3は本発明を適用可能な第2の実施形態に係る半導体基板1および半導体基板1に設けられた電極パッド2の構成を示す概略図である。図3(a)は吐出口11が形成された部材12が接合された半導体基板1の、電極パッド2の形成面に対して直交する方向からみた平面図、図3(b)は電極パッド2の拡大図、図3(c)は、図3(b)のB−B断面の概略断面図である。本実施形態は、図3に示すように、拡散防止層5が電極層6よりも大きく形成されており、図3(b)に示す電極パッド2の平面図のように、電極層6の外縁の外側に拡散防止層5の外縁が位置している。また、拡散防止層5の露出部に二酸化タングステンを主とする酸化層7が形成されている。本実施形態は、拡散防止層5の露出部が電極層6の外側に張り出しているため、拡散防止層5の露出部に対して酸化層7を形成しやすい。
(第3の実施形態)
図4は本発明を適用可能な第3の実施形態に係る半導体基板1および半導体基板1に設けられた電極パッド2の構成を示す概略図である。図4(a)は吐出口11が形成された部材12が接合された半導体基板1の、電極パッド2の形成面に対して直交する方向からみた平面図、図4(b)は電極パッド2の拡大図、図4(c)は、図4(b)のC−C断面の概略断面図である。本実施形態は、図4に示すように、拡散防止層5が電極層6よりも大きく形成され、さらに、拡散防止層5と電極層6との層間の一部にも二酸化タングステンを主とする酸化層7が形成されている。なお、拡散防止層5と電極層6との層間のうちの、電気接続をとるための領域(開口部13に対応する領域)には酸化層7は形成されていない。本実施形態においては、拡散防止層5と電極層6との層間にも酸化層7が形成されているため、拡散防止層5と電極層6との層間で生じる局部電池作用をより効果的に抑制することができる。
図4は本発明を適用可能な第3の実施形態に係る半導体基板1および半導体基板1に設けられた電極パッド2の構成を示す概略図である。図4(a)は吐出口11が形成された部材12が接合された半導体基板1の、電極パッド2の形成面に対して直交する方向からみた平面図、図4(b)は電極パッド2の拡大図、図4(c)は、図4(b)のC−C断面の概略断面図である。本実施形態は、図4に示すように、拡散防止層5が電極層6よりも大きく形成され、さらに、拡散防止層5と電極層6との層間の一部にも二酸化タングステンを主とする酸化層7が形成されている。なお、拡散防止層5と電極層6との層間のうちの、電気接続をとるための領域(開口部13に対応する領域)には酸化層7は形成されていない。本実施形態においては、拡散防止層5と電極層6との層間にも酸化層7が形成されているため、拡散防止層5と電極層6との層間で生じる局部電池作用をより効果的に抑制することができる。
(実施例1)
以下、実施例を用い、本発明をより具体的に説明する。第1の実施形態における半導体基板1の製造方法を実施例1によって説明する。
以下、実施例を用い、本発明をより具体的に説明する。第1の実施形態における半導体基板1の製造方法を実施例1によって説明する。
図5は、第1の実施形態に係る半導体基板1の製造方法を示した概略図である。まず、シリコンからなる基板1上に、フォトリソグラフィー法を用いてアルミニウムを主成分とする配線3を設けた。更に、配線3の上側に、真空成膜法を用いてSiNのシリコン化合物の絶縁材料からなる絶縁層4を積層した。そして、フォトリソグラフィー法を用いて、パターニングを行い、配線3と電極層6との間の電気的導通を得るための開口部13を形成した(図5(a))。
次に、電極層6が配線3に拡散することを防止する拡散防止層5となるチタンタングステンを真空成膜装置により、Ti10wt%、W90wt%のターゲットを用いて200nmの膜厚で成膜した。次に、電極層6となる金を、真空成膜装置を用いて成膜した。次に、フォトリソグラフィー法を用いて感光性レジストの塗布、露光、現像を行った後に、ウェットエッチング法を用いて金のエッチングを行い、電極層6を形成した。金のエッチングはヨウ素、ヨウ化カリウムを含むエッチング液を用いた(図5(b))。
次に、45℃に温調した30%濃度のH2O2から成るエッチング液(過酸化水素水)に浸漬し、拡散防止層5をエッチングした(図5(c))。
次に、25℃に温調した30%濃度のH2O2から成る溶液(過酸化水素水)に3分間浸漬し、拡散防止層5の露出部を酸化させ二酸化タングステンを数nm形成させ、酸化層7を形成した。ここで、酸化層7を形成する際に用いるH2O2から成る溶液の液温は30℃以下であることが以下の理由から望ましい。すなわち、液温が30℃以上になると、拡散防止層5の露出部に形成される酸化層のうちの三酸化タングステンが占める割合が大きくなり、アルカリ性の電解質溶液に対しては溶解しやすい酸化層7が形成されてしまう。このため、上述の溶液の液温で酸化層7を形成することで、酸化層7のうちの三酸化タングステンの割合が抑えられ、拡散防止層5のサイドエッチングの抑制効果を向上することができる。また、液温が20℃より低いとエッチング速度が遅くなり、生産効率が著しく低下する。このため、H2O2から成る溶液の液温は20℃以上であることが好ましい。
本実施例において、酸化層7における二酸化タングステンと三酸化タングステンの構成比率はおよそ3:1であった。また、酸化層7の形成方法として、H2O2から成る溶液に浸漬させたが、その浸漬時間は、拡散防止層5の表層に形成されている自然酸化膜を除去し、さらに酸化層7を形成する為に必要となる時間に設定した。次に、レジストマスクを剥離液に浸漬させて、レジストマスクを除去し半導体基板を作製した(図5(d))。
次に、以下の手順で半導体基板1にインク供給口9の形成を行った。半導体基板1上に感光性ポジ型レジスト8を全面に塗布した。塗布したポジ型レジスト8に対して、半導体露光装置を用いて4800J/m2の露光量でインク供給口9のパターンのマスクを通して露光を行った。次に、2.38%のテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液を用いて現像を行い、インク供給口9のパターン(貫通孔)を形成した。次に、C4F8、CF4、Arの混合ガスを用い、ポジ型レジスト8上から反応性イオンエッチングにより絶縁膜4を除去した。さらにSF6、C4F8のガスを交互に用い、エッチングとパッシベーションを繰り返すことで異方性エッチングが可能なボッシュプロセスの反応性イオンエッチングを、シリコン基板1が貫通するまで行った。これにより、レジスト8のインク供給口のパターンに対向する位置に半導体基板1を貫通するインク供給口9(貫通孔)を形成した。この時、インク供給口9の内壁にパッシベーション層のCF系ポリマー10が堆積した(図5(e))。
次に、エッチングマスクのレジスト8と、ボッシュプロセスによりインク供給口9の側壁に堆積したCF系ポリマー10を、60℃に温調したヒドロキシアミンを5%含むポリマー除去液に浸漬することによって同時に除去し、半導体基板1を作製した。この際、半導体基板1は、電極パッド2の部分が電解質溶液であるポリマー除去液に接液するように、ポリマー除去液に浸漬された。しかし、拡散防止層5の露出部に二酸化タングステンを主とする酸化層7が形成されており、拡散防止層5の表面はポリマー除去液と接液されないため、拡散防止層5のサイドエッチングが進行することはなかった(図5(f))。
(実施例2)
第2の実施形態における半導体基板1の製造方法を実施例2によって説明する。図6は、第2の実施形態に係る半導体基板1の電極パッド2の製造方法を示した概略図である。
第2の実施形態における半導体基板1の製造方法を実施例2によって説明する。図6は、第2の実施形態に係る半導体基板1の電極パッド2の製造方法を示した概略図である。
まず、シリコンからなる基板1上に、フォトリソグラフィー法を用いてアルミニウムを主成分とする配線3を設けた。更に、配線3の上側に、真空成膜法を用いてSiNのシリコン化合物の絶縁材料からなる絶縁層4を積層した。そして、フォトリソグラフィー法を用いて、パターニングを行い、配線3と電極層6との間の電気的導通を得るための開口部13を形成した(図6(a))。
次に、電極層6が配線3に拡散することを防止する拡散防止層5となるチタンタングステンを真空成膜装置により、Ti10wt%、W90wt%のターゲットを用いて200nmの膜厚で成膜した。次に、フォトリソグラフィー法を用いて感光性レジストの塗布、露光、現像を行った後に、ウェットエッチング法を用いてチタンタングステンのエッチングを行い、拡散防止層5を形成した。チタンタングステンのエッチングは45℃に温調した30%濃度のH2O2から成るエッチング液を用いた。次に、レジストマスクを剥離液に浸漬させて、レジストマスクを除去した(図6(b))。
次に、電極層6となる金を、真空成膜装置を用いて成膜した。次に、フォトリソグラフィー法を用いて感光性レジストの塗布、露光、現像を行った後に、ウェットエッチング法を用いて金のエッチングを行い、電極層6を形成した。金のエッチングはヨウ素、ヨウ化カリウムを含むエッチング液を用いた。次に、レジストマスクを剥離液に浸漬させて、レジストマスクを除去した(図6(c))。
次に、拡散防止層5の表面に形成されている自然酸化膜を、逆スパッタリング法を用いて除去した。次に、25℃に温調した30%濃度のH2O2から成る溶液に2分間浸漬し、拡散防止層5の露出部を酸化させ二酸化タングステンを数nm形成し、酸化層7を形成した。本実施例において、酸化層7における二酸化タングステンと三酸化タングステンの構成比率はおよそ3:1であった。本実施例は、拡散防止層5の露出部が電極層6の外側に張り出しており、H2O2から成る溶液の置換性が良いため、拡散防止層5の露出部に対して容易に酸化層7を形成することができた。次に、レジストマスクを剥離液に浸漬させて、レジストマスクを除去し、半導体基板を作製した(図6(d))。
その後のインク供給口9の形成は実施例1と同様に行った。半導体基板1は、実施例1と同様に、電極パッド2の部分が電解質溶液であるポリマー除去液に接液するように、ポリマー除去液に浸漬された。しかし、拡散防止層5の露出部に二酸化タングステンを主とする酸化層7が形成されているため、拡散防止層5のサイドエッチングが進行することはなかった。
(実施例3)
第3の実施形態における半導体基板1の製造方法を実施例3によって説明する。図7は、第3の実施形態に係る半導体基板の電極パッド2の製造方法を示した概略図である。
第3の実施形態における半導体基板1の製造方法を実施例3によって説明する。図7は、第3の実施形態に係る半導体基板の電極パッド2の製造方法を示した概略図である。
まず、シリコンからなる基板1上に、フォトリソグラフィー法を用いてアルミニウムを主成分とする配線3を設けた。さらに、配線3の上側に、真空成膜法を用いてSiNのシリコン化合物の絶縁材料からなる絶縁層4を積層した。そして、フォトリソグラフィー法を用いて、パターニングを行い、配線3と電極層6との間の電気的導通を得るための開口部13を形成した(図7(a))。
次に、電極層6が配線3に拡散することを防止する拡散防止層5となるチタンタングステンを真空成膜装置により、Ti10wt%、W90wt%のターゲットを用いて200nmの膜厚で成膜した。次に、フォトリソグラフィー法を用いて感光性レジストの塗布、露光、現像を行った後に、ウェットエッチング法を用いてチタンタングステンのエッチングを行い、拡散防止層5を形成した。チタンタングステンのエッチングは45℃に温調した30%濃度のH2O2から成るエッチング液を用いた。次に、レジストマスクを剥離液に浸漬させて、レジストマスクを除去した(図7(b))。
次に、拡散防止層5の表面に形成されている自然酸化膜を、逆スパッタリング法を用いて除去した。次に、25℃に温調した30%濃度のH2O2から成る溶液に2分間浸漬し、拡散防止層5の表面を酸化させ二酸化タングステンを数nm形成した。次に、フォトリソグラフィー法を用いて、パターニングを行い、絶縁層4の開口部13の直上部分の二酸化タングステンをドライエッチングにより除去し、酸化層7を形成した(図7(c))。本実施例において、二酸化タングステンと三酸化タングステンの構成比率はおよそ3:1であった。
次に、電極層6となる金を、真空成膜装置を用いて成膜した。次に、フォトリソグラフィー法を用いて感光性レジストの塗布、露光、現像を行った後に、ウェットエッチング法を用いて金のエッチングを行い、電極層6を形成した。金のエッチングはヨウ素、ヨウ化カリウムを含むエッチング液を用いた。次に、レジストマスクを剥離液に浸漬させて、レジストマスクを除去し、半導体基板1を作製した(図7(d))。
その後のインク供給口9の形成は実施例1と同様に行った。半導体基板1は、実施例1と同様に、電極パッド2の部分が電解質溶液であるポリマー除去液に接液するように、ポリマー除去液に浸漬された。しかし、拡散防止層5の露出部に二酸化タングステンを主とする酸化層7が形成されているため、拡散防止層5のサイドエッチングが進行することはなかった。また、本実施例においては、拡散防止層5と電極層6との層間にも酸化層7が形成されているため、拡散防止層5と電極層6との層間で生じる局部電池作用をより効果的に抑制することができた。
1 半導体基板
5 拡散防止層(第2の金属層)
6 電極層(第1の金属層)
7 酸化層
5 拡散防止層(第2の金属層)
6 電極層(第1の金属層)
7 酸化層
Claims (16)
- 第1の金属層と、前記第1の金属層に接して設けられ、前記第1の金属層よりもイオン化傾向の高い第2の金属層であって、タングステンを主成分とする金属材料からなる前記第2の金属層と、を有する半導体基板において、
前記第2の金属層の露出する表面に二酸化タングステンを主とする酸化膜が設けられていることを特徴とする半導体基板。 - 前記第2の金属層は、前記第2の金属層の外縁が前記第1の金属層の外縁よりも外側に位置するように設けられている、請求項1に記載の半導体基板。
- 前記第1の金属層と前記第2の金属層との間の一部に二酸化タングステンを主とする酸化膜が設けられている、請求項1または請求項2に記載の半導体基板。
- 前記半導体基板は、前記第2の金属層の、前記第1の金属層と接する面とは反対側の面と接して設けられた第3の金属層および絶縁層をさらに有し、
前記露出する表面は、前記第2の金属層のうちの、前記第1の金属層、前記第3の金属層、および前記絶縁層と接していない部分である、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の半導体基板。 - 前記第2の金属層は、前記第1の金属層の金属の拡散を抑制する拡散抑制層である、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の半導体基板。
- 前記第1の金属層は、金属部材と接続されて外部との電気接続が行われる電極パッドを構成する、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の半導体基板。
- 前記酸化膜は三酸化タングステンを含み、前記酸化膜において三酸化タングステンに対する二酸化タングステンの構成比が2以上である、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の半導体基板。
- 前記酸化膜は、二酸化タングステンからなる、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の半導体基板。
- 請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の半導体基板と、
前記半導体基板に接合され、液体を吐出する吐出口が形成された部材と、
を有する液体吐出ヘッド。 - 第1の金属層と、前記第1の金属層に接して設けられ、前記第1の金属層よりもイオン化傾向の高い第2の金属層であって、タングステンを主成分とする金属材料からなる前記第2の金属層と、を有する半導体基板の製造方法において、
前記第2の金属層の露出する表面に二酸化タングステンを主とする酸化膜を形成する工程と、
前記第1の金属層と前記酸化膜とが電解質溶液に接液するように前記半導体基板を前記電解質溶液に浸漬する工程と、
を有することを特徴とする半導体基板の製造方法。 - 前記酸化膜を形成する工程では、前記第2の金属層の前記露出する表面を過酸化水素水に接液させる、請求項10に記載の半導体基板の製造方法。
- 前記酸化膜を形成する工程では、前記過酸化水素水の液温を30℃以下とする、請求項11に記載の半導体基板の製造方法。
- 前記酸化膜を形成する工程では、前記過酸化水素水の液温を20℃以上とする、請求項11または請求項12に記載の半導体基板の製造方法。
- 前記酸化膜を形成する工程の後に、前記半導体基板に、前記第1の金属層および前記第2の金属層を覆い、前記半導体基板の一部を露出させる貫通孔が設けられたレジストを形成する工程と、前記レジストをマスクとして、エッチングにより前記貫通孔と対向する位置に前記半導体基板を貫通する貫通孔を形成する工程と、を有し、
前記電解質溶液に浸漬する工程は、前記レジストを前記電解質溶液で除去する工程である、請求項11乃至請求項13のいずれか一項に記載の半導体基板の製造方法。 - 前記第1の金属層は、金属部材と接続されて外部との電気接続が行われる電極パッドを構成する、請求項11乃至請求項14のいずれか一項に記載の半導体基板の製造方法。
- 請求項1乃至請求項15のいずれか一項に記載の半導体基板の製造方法を用いて製造された半導体基板と、液体を吐出する吐出口を形成するための部材と、を接合する工程を有する、液体吐出ヘッドの製造方法。
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