JP2021046749A - 防火戸 - Google Patents

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Abstract

【課題】遮熱性を向上させることが可能になる、防火戸を提供すること。【解決手段】防火戸は、第1開閉体20又は第2開閉体50に設けられた第1戸先側突出部43及び第2戸先側突出部73であり、全閉状態において開閉体側隙間25の見込方向の端部の少なくとも一部を塞ぐように構成された第1戸先側突出部43及び第2戸先側突出部73と、第1戸先側突出部43又は第2戸先側突出部73に設けられた第1突出部側遮熱材111及び第2突出部側遮熱材121であって、全閉状態において防火戸の周辺で火災が発生した際に、開閉体側隙間25を介して火災の熱が見込方向のいずれか一方から他方へ伝導することを抑制するための第1突出部側遮熱材111及び第2突出部側遮熱材121と、を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、防火戸に関する。
従来、建物の開口部に設けられる扉装置を対象として、両開き式の防火戸が提案されている。このような防火戸は、耐火性能を有する先閉め扉であって、当該先閉め扉の戸先端部に設けられた鋼製の目板を有する先閉め扉と、耐火性能を有する後閉め扉であって、当該後閉め扉の戸先端部に設けられた鋼製の目板を有する後閉め扉と、を備えている。このような構成により、先閉め扉及び後閉め扉によって開口部が全閉している状態において、先閉め扉の目板及び後閉め扉の目板によって、先閉め扉と後閉め扉との相互間に設けられた隙間を塞ぐことできるので、建物の周辺で火災が発生しても、当該火災の炎が隙間を介して見込方向の一方から他方に流入することを抑制できる。
特開2004−316251号公報
しかしながら、上記従来の防火戸においては、上述したように、先閉め扉の目板及び後閉め扉の目板が鋼製であるので、例えば、上記全閉している状態において、先閉め扉の目板及び後閉め扉の目板によって上記隙間が塞がれたとしても、上記火災が発生した際に当該火災の熱がこれら目板及び隙間を介して見込方向の一方から他方に伝えられることから、遮熱性を高める観点からは改善の余地があった。
本発明は、上記従来技術における課題を解決するためのものであって、遮熱性を向上させることが可能になる、防火戸を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の防火戸は、建物の開口部に設けられる防火戸であり、前記開口部の周縁に設けられた枠体と、前記開口部を開閉する少なくとも1つ以上の開閉体とを備える防火戸であって、前記開閉体又は前記枠体に設けられた突出部であり、前記少なくとも1つ以上の開閉体によって前記開口部を全閉した全閉状態において、前記開閉体同士の相互間又は前記開閉体と前記枠体との相互間に設けられた隙間の見込方向の端部の少なくとも一部を塞ぐように構成された突出部と、前記突出部に設けられた突出部側遮熱材であって、前記全閉状態において当該防火戸の周辺で火災が発生した際に、前記隙間を介して前記火災の熱が見込方向のいずれか一方から他方へ伝導することを抑制するための突出部側遮熱材と、を備える。
請求項2に記載の防火戸は、請求項1に記載の防火戸において、前記全閉状態において見込方向から見て前記突出部側遮熱材が少なくとも前記隙間全体と重複するように、前記突出部側遮熱材を構成した。
請求項3に記載の防火戸は、請求項2に記載の防火戸において、前記開閉体が、前記隙間の近傍に位置する骨材を含むフレームと、前記フレームを覆うための表面材と、前記骨材と前記表面材との相互間に設けられた開閉体側遮熱材であって、前記火災が発生した際に前記火災の熱が前記表面材を介して前記骨材へ伝導することを抑制するための開閉体側遮熱材と、を備え、前記全閉状態において見込方向から見て前記突出部側遮熱材が前記開閉体側遮熱材の少なくとも一部と重複するように、前記突出部側遮熱材を構成した。
請求項4に記載の防火戸は、請求項1から3のいずれか一項に記載の防火戸において、前記開口部を開閉する第1開閉体及び第2開閉体を備える防火戸であって、前記第1開閉体に設けられた前記突出部であって、前記第1開閉体と前記第2開閉体との相互間に設けられた前記隙間である開閉体側隙間の見込方向の端部の一方又はその近傍を覆うように配置された前記突出部である第1突出部と、前記第2開閉体に設けられた前記突出部であって、前記開閉体側隙間の見込方向の端部の他方又はその近傍を覆うように配置された前記突出部である第2突出部と、を備え、前記突出部側遮熱材を、前記第1突出部又は前記第2突出部の少なくともいずれか一方に設けた。
請求項5に記載の防火戸は、請求項1から4のいずれか一項に記載の防火戸において、前記突出部側遮熱材によって塞がれる前記隙間又はその近傍に設けられる熱膨張耐火部材であって、前記火災が発生した際に当該熱膨張耐火部材が前記火災の熱で膨張することにより、当該隙間を塞ぐための熱膨張耐火部材を備える。
請求項6に記載の防火戸は、請求項5に記載の防火戸において、前記突出部側遮熱材が設けられている前記突出部に、前記熱膨張耐火部材を設け、前記突出部側遮熱材によって前記熱膨張耐火部材の膨張が阻害されないように、前記熱膨張耐火部材を配置した。
請求項1に記載の防火戸によれば、開閉体又は枠体に設けられた突出部であり、全閉状態において、開閉体同士の相互間又は開閉体と枠体との相互間に設けられた隙間の見込方向の端部の少なくとも一部を塞ぐように構成された突出部と、突出部に設けられた突出部側遮熱材であって、全閉状態において当該防火戸の周辺で火災が発生した際に、隙間を介して火災の熱が見込方向のいずれか一方から他方へ伝導することを抑制するための突出部側遮熱材と、を備えるので、突出部に遮熱材を設けない場合に比べて、隙間を介して上記火災の熱が見込方向のいずれか一方から他方へ伝導することを抑制でき、防火戸の遮熱性能を高めることができる。
請求項2に記載の防火戸によれば、全閉状態において見込方向から見て突出部側遮熱材が少なくとも隙間全体と重複するように、突出部側遮熱材を構成したので、見込方向から見て突出部側遮熱材が隙間全体と重複しない場合に比べて、隙間を介して上記火災の熱が見込方向のいずれか一方から他方へ伝導することを抑制でき、防火戸の遮熱性能を高めやすくなる。
請求項3に記載の防火戸によれば、全閉状態において見込方向から見て突出部側遮熱材が開閉体側遮熱材の少なくとも一部と重複するように、突出部側遮熱材を構成したので、見込方向から見て突出部側遮熱材が開閉体側遮熱材と重複しない場合に比べて、開閉体のうち隙間の近傍部分を介して火災の熱が見込方向のいずれか一方から他方へ伝導することを抑制でき、防火戸の遮熱性能を一層高めやすくなる。
請求項4に記載の防火戸によれば、第1開閉体に設けられた突出部であって、開閉体側隙間の見込方向の端部の一方又はその近傍を覆うように配置された突出部である第1突出部と、第2開閉体に設けられた突出部であって、開閉体側隙間の見込方向の端部の他方又はその近傍を覆うように配置された突出部である第2突出部と、を備え、突出部側遮熱材を、第1突出部又は第2突出部の少なくともいずれか一方に設けたので、開閉体側隙間を介して火災の熱が見込方向のいずれか一方から他方へ伝導することを抑制でき、第1開閉体及び第2開閉体を備える防火戸の遮熱性能を高めることができる。
請求項5に記載の防火戸によれば、突出部側遮熱材によって塞がれる隙間又はその近傍に設けられる熱膨張耐火部材であって、火災が発生した際に当該熱膨張耐火部材が火災の熱で膨張することにより、当該隙間を塞ぐための熱膨張耐火部材を備えるので、熱膨張耐火部材によって当該隙間を介して上記火災の炎が見込方向のいずれか一方から他方へ流入することを抑制でき、防火戸の遮炎性能を高めることができる。
請求項6に記載の防火戸によれば、突出部側遮熱材が設けられている突出部に、熱膨張耐火部材を設け、突出部側遮熱材によって熱膨張耐火部材の膨張が阻害されないように、熱膨張耐火部材を配置したので、突出部側熱膨張耐火部材を当該突出部に設けた場合に、上記火災が発生した際に熱膨張耐火部材を確実に膨張させることができ、突出部側遮熱材によって塞がれる隙間を介して見込方向の一方側から他方側に向けて上記火災の炎が流入することを回避できる。
本発明の実施の形態に係る防火戸を示す図であって、全閉状態を示す正面図である。 図1の防火戸のA−A矢視断面図である。 図2の開閉体側隙間の周辺領域の拡大図である。 図1の防火戸のB−B矢視断面図である。 防火戸の変形例を示す図であって、図2に対応する領域を示す図である。 防火戸の変形例を示す図であって、図3に対応する領域を示す図である。 防火戸の変形例を示す図であって、図3に対応する領域を示す図である。 防火戸の変形例を示す図であって、図3に対応する領域を示す図である。
以下に添付図面を参照して、この発明に係る防火戸の実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念について説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について説明し、最後に、〔III〕実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、建物の開口部に設けられる防火戸であり、開口部の周縁に設けられた枠体と、開口部を開閉する少なくとも1つ以上の開閉体とを備える防火戸に関するものである。
ここで、「建物」とは、その具体的な構造や種類は任意であるが、例えば、オフィスビル又は工場施設等を含む概念である。また、「建物の開口部」とは、建物の躯体の一部分(例えば、壁、天井、又は床等)において窓や入り口を設置するために形成された開口部である。また、「防火戸」は、建物の開口部の出入り又は視界を抑制又は制限するための構造体であって、防火性能を有する扉を意味する。また、防火戸の取り付け位置や用途は任意であるが、例えば玄関に設置される「玄関扉」、勝手口や通用口に設置される「勝手口扉」、建物内部に設置される「室内扉」等を含む。また、防火戸の開閉構造は任意であり、例えば、片開式の開き戸、親子開き式の開き戸、両開式の開き戸、片開式の引き戸、又は両開式の引き戸として構成することができる。以下、実施の形態では、防火戸が、建物の玄関に配置された両開式の開き戸であって、この玄関の近傍で火災が発生した際に、火災の延焼を抑制するための防火戸である場合について説明する。
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
(構成)
最初に、実施の形態に係る防火戸の構成について説明する。以下の説明では、図1のX方向を防火戸の左右方向(−X方向を防火戸の左方向、+X方向を防火戸の右方向)、図2のY方向を防火戸の前後方向(+Y方向を防火戸の前方向(建物の屋外側の方向)、−Y方向を防火戸の後方向(建物の屋内側の方向))、図1のZ方向を防火戸の上下方向(+Z方向を防火戸の上方向、−Z方向を防火戸の下方向)と称する。
図1に示すように、防火戸1は、概略的に、枠体10、第1開閉体20、及び第2開閉体50、第1ヒンジ部81、及び第2ヒンジ部82を備えている。ただし、防火戸1に関する特記しない構成については、従来と同様であるものとして説明を省略する。なお、後述する防火戸1を構成する各種部材同士の取付方法(又は接続方法)については任意であるが、例えば、取付側の部材又は取付相手側の部材に形成された取付孔(例えば、リベット孔、ネジ孔、ビス孔等)を介して、取付側の部材を取付相手側の部材に対して固定具(例えば、リベット、取付ネジ、ビス等)、溶接、接着剤、両面テープ等によって取り付ける(又は接続する)方法が採用されている。
ここで、建物の躯体2(実施の形態では、壁)に形成された開口部3において、「第1開閉体20及び第2開閉体50の開閉状態」とは、「全閉状態」、「全開状態」、及び「半開状態」を含む概念である。このうち、「全閉状態」とは、第1開閉体20及び第2開閉体50によって開口部3を全閉した状態であり、実施の形態では、全閉状態における第1開閉体20及び第2開閉体50の位置を「全閉位置」と称する。また、「全開状態」とは、第1開閉体20及び第2開閉体50によって開口部3を全開した状態であり、実施の形態では、全開状態における第1開閉体20及び第2開閉体50の位置を「全開位置」と称する。また、「半開状態」とは、第1開閉体20又は第2開閉体50が全閉位置と全開位置との間に位置している状態である。
(構成−枠体)
枠体10は、開口部3の周縁に設置されるものであり、例えば耐火性材料(一例として、スチール材、ステンレス材の如き鋼材等)にて形成された左右一対の縦枠材11、12及び上下一対の横枠材13、14を備えている。これら縦枠材11、12及び横枠材13、14は、それぞれ躯体2に対して固定されており、相互に組み合わせられることによって、正面形状が略矩形環状となるように形成されている。以下では、必要に応じて、左右一対の縦枠材11、12のうち、左側に位置する縦枠材11を「左側縦枠材11」と称し、右側に位置する縦枠材12を「右側縦枠材12」と称する。また、上下一対の横枠材13、14のうち、上側に位置する横枠材13を「上側横枠材13」と称し、下側に位置する横枠材14を「くつずり側横枠材14」と称する。なお、この枠体10の構成の詳細については、後述する。
(構成−第1開閉体)
第1開閉体20は、開口部3の一部(実施の形態では、開口部3の右側部分)を開閉するための平板状の開閉体(いわゆる親扉体)である。この第1開閉体20は、図1、図2、図4に示すように、枠体10内において枠体10と隙間21(以下、「第1枠体側隙間21」と称する)を隔てて設けられていると共に、第2開閉体50と隙間25(以下、「開閉体側隙間25」と称する)を隔てて設けられており、第1開閉体フレーム30、第1屋外側表面材41、第1屋内側表面材42、及び第1芯材(図示省略)を備えている。なお、以下では、必要に応じて、第1枠体側隙間21のうち、戸尻側に位置する隙間21aを「第1戸尻側枠体側隙間21a」と称し、上側に位置する隙間21bを「第1上側枠体側隙間21b」と称し、下側に位置する隙間21cを「第1下側枠体側隙間21c」と称する。
(構成−第1開閉体−第1開閉体フレーム)
図2に戻り、第1開閉体フレーム30は、第1開閉体20の剛性を主として担うためのフレームである。この第1開閉体フレーム30は、例えば耐火性材料にて形成された長尺な骨材(いわゆる力骨)を複数組み合わせることによって、正面形状が矩形環状となるように形成されており、具体的には、図2、図4に示すように、左右一対の第1縦骨材31、32及び上下一対の第1横骨材33、34から構成されている。このうち、左右一対の第1縦骨材31、32は、長手方向の長さが相互に略同一となるように形成されており、上下方向に略沿うように配置されている。また、上下一対の第1横骨材33、34は、長手方向の長さが相互に略同一となるように形成されており、左右方向に略沿うように配置されている。以下では、必要に応じて、第1縦骨材31、32のうち、戸先側に位置する第1縦骨材31を「第1戸先側縦骨材31」と称し、戸尻側に位置する第1縦骨材32を「第1戸尻側縦骨材32」と称する。また、第1横骨材33、34のうち、上側に位置する第1横骨材33を「第1上側横骨材33」と称し、下側に位置する第1横骨材34を「第1下側横骨材34」と称する。
また、図2に示すように、第1戸先側縦骨材31と第1戸尻側縦骨材32との相互間には、第1中間縦骨材35が相互に間隔を隔てて左右方向に沿って複数並設されている。第1中間縦骨材35は、第1開閉体フレーム30を補強するものであり、長手方向(上下方向)の長さが第1戸先側縦骨材31(又は第1戸尻側縦骨材32)の長手方向(上下方向)の長さと略同一となるように形成され、上下方向に略沿うように設置されている。
また、第1戸先側縦骨材31、第1戸尻側縦骨材32、第1上側横骨材33、第1下側横骨材34、及び第1中間縦骨材35の具体的な構成については任意であるが、実施の形態では、自己の長手方向に直交する断面の断面形状がコ字状となるように形成されており、具体的には、図2に示すように、第1中央片36aと、第1中央片36aよりも建物の屋外側に位置する第1屋外側片36bと、第1中央片36aよりも建物の屋内側に位置する第1屋内側片36cとをそれぞれ有している。
(構成−第1開閉体−第1屋外側表面材、第1屋内側表面材)
第1屋外側表面材41及び第1屋内側表面材42は、第1開閉体フレーム30を覆うための表面材である。これら第1屋外側表面材41及び第1屋内側表面材42は、例えば耐火性材料にて形成された公知の薄厚な板材(一例として、化粧板)であり、第1開閉体フレーム30を建物の屋外側及び屋内側から間隔(以下、「第1表面材側間隔」と称する)を隔てて挟むように設けられている。具体的には、図2に示すように、第1屋外側表面材41は建物の屋外側に配置されると共に、第1屋内側表面材42は建物の屋内側に配置されており、第1開閉体フレーム30に対してそれぞれ固定されている。なお、実施の形態では、図2から図4に示すように、第1屋外側表面材41及び第1屋内側表面材42を第1開閉体フレーム30に対して取り付ける場合に生じる変形を抑制するために、第1屋外側表面材41及び第1屋内側表面材42の各々における見込面側の部分が1回折り畳まれているが、これに限らず、例えば、折り畳まれていなくてもよい(なお、後述する第2屋外側表面材71及び第2屋内側表面材72についても同様とする)。
また、図2から図4に示すように、第1屋外側表面材41には、第1戸先側突出部43及び第1上側突出部44が設けられている。
このうち、第1戸先側突出部43は、全閉状態において開閉体側隙間25の見込方向の端部(図3では、建物の屋外側の端部)の少なくとも一部を塞ぐ第1突出部である。この第1戸先側突出部43は、例えば耐火性材料にて形成され、且つX−Y平面に沿った断面形状が前後方向の内側に向けて開放された略U字状となるように形成された中空状体であり、具体的には、第1開閉体20の上下方向の略全長にわたって形成されており、且つ第1戸先側突出部43の左右方向の長さが開閉体側隙間25の左右方向の長さよりも長くなるように形成されている。そして、この第1戸先側突出部43は、第1屋外側表面材41の見付面側の部分に設けられており、具体的には、図3に示すように、全閉状態において開閉体側隙間25の建物の屋外側の端部の近傍を覆うように配置されており、第1開閉体フレーム30に対して固定具45(以下、「第1突出部側固定具45」と称する)によって固定されている。このような第1戸先側突出部43により、全閉状態において第1戸先側突出部43を介して建物の屋内側が見えないようにすることができ、防火戸1の意匠性及び防犯性を向上できる。
また、第1上側突出部44は、全閉状態において第1上側枠体側隙間21bの見込方向の端部(図4では、建物の屋外側の端部)の少なくとも一部を塞ぐ突出部である。この第1上側突出部44は、第1屋外側表面材41の一部を上側横枠材13に向けて突出させることにより形成されており、具体的には、第1開閉体20の左右方向の略全長にわたって形成されており、全閉状態において第1上側枠体側隙間21bの見込方向の端部を覆うように配置されている。このような第1上側突出部44により、全閉状態において第1上側枠体側隙間21bを介して建物の屋内側が見えないようにすることができ、防火戸1の意匠性及び防犯性を向上できる。
(構成−第1開閉体−第1芯材)
第1芯材は、第1開閉体20の内部に充填されるものであり、例えば公知の芯材(一例として、ロックウール材、ケイ酸カルシウム材)等を用いて構成され、第1開閉体フレーム30、第1屋外側表面材41、及び第1屋内側表面材42にて囲繞された空間内に充填されている。
(構成−第1開閉体−その他の構成)
図1に戻り、また、第1開閉体20には、把手部22、施錠装置23、ラッチ(図示省略)、及びドアクローザ(図示省略)が設けられている。
把手部22は、第1開閉体20の開閉操作を行うためのものであり、例えば公知の把手等を用いて構成され、図1に示すように、第1開閉体20の戸先側部分に設けられている。
施錠装置23は、第1開閉体20を施錠するためのものであり、例えば、図示しないデッドボルトを備える公知の施錠装置等を用いて構成され、図1に示すように、第1開閉体20の戸先側部分に設けられている。
ラッチは、全閉状態において第1開閉体20を保持するためのものであり、例えば公知のラッチを用いて構成され、第1開閉体20の戸先側部分に設けられている。
ドアクローザは、第1開閉体20が開かれた場合に、第1開閉体20を安全な速度で自動的に閉じるためのものであると共に、第1開閉体20の回動状態が全開状態以上の状態になることを規制するものであり、例えば公知のドアクローザ等を用いて構成されており、建物の屋内側に配置され、第1開閉体20及び上側横枠材13に対して接続されている。
(構成−第2開閉体)
第2開閉体50は、開口部3の他の一部(実施の形態では、開口部3の左側部分)を開閉するための平板状の開閉体(いわゆる子扉体)である。この第2開閉体50は、図1、図2に示すように、枠体10内において枠体10と隙間51(以下、「第2枠体側隙間51」と称する)を隔てて設けられており、第2開閉体フレーム60、第2屋外側表面材71、第2屋内側表面材72、及び第2芯材を備えている。なお、以下では、必要に応じて、第2枠体側隙間51のうち、戸尻側に位置する第2枠体側隙間51aを「第2戸尻側枠体側隙間51a」と称し、上側に位置する第2枠体側隙間(図示省略)を「第2上側枠体側隙間」と称し、下側に位置する第2枠体側隙間(図示省略)を「第2下側枠体側隙間」と称する。
(構成−第2開閉体−第2開閉体フレーム)
第2開閉体フレーム60は、第2開閉体50の剛性を主として担うためのフレームである。この第2開閉体フレーム60は、第1開閉体フレーム30と略同様に構成されており、具体的には、図2に示すように、左右一対の第2縦骨材61、62及び上下一対の第2横骨材(図示省略)から構成されている。以下では、必要に応じて、第2縦骨材61、62のうち、戸先側に位置する第2縦骨材61を「第2戸先側縦骨材61」と称し、戸尻側に位置する第2縦骨材62を「第2戸尻側縦骨材62」と称する。また、第2横骨材のうち、上側に位置する第2横骨材を「第2上側横骨材」と称し、下側に位置する第2横骨材を「第2下側横骨材」と称する。
また、図2に示すように、第2戸先側縦骨材61と第2戸尻側縦骨材62との相互間には、第1中間縦骨材35と略同様に構成された第2中間縦骨材65が相互に間隔を隔てて左右方向に沿って複数並設されている。
また、第2戸先側縦骨材61、第2戸尻側縦骨材62、第2上側横骨材、第2下側横骨材、及び第2中間縦骨材65の具体的な構成については任意であるが、実施の形態では、自己の長手方向に直交する断面の断面形状がコ字状となるように形成されており、具体的には、図2に示すように、第2中央片66aと、第2中央片66aよりも建物の屋外側に位置する第2屋外側片66bと、第2中央片66aよりも建物の屋内側に位置する第2屋内側片66cとをそれぞれ有している。
(構成−第2開閉体−第2屋外側表面材、第2屋内側表面材)
第2屋外側表面材71及び第2屋内側表面材72は、第2開閉体フレーム60を覆うための表面材である。これら第2屋外側表面材71及び第2屋内側表面材72は、第1屋外側表面材41(又は第1屋内側表面材42)と略同様に構成されており、第2開閉体フレーム60を建物の屋外側及び屋内側から間隔(以下、「第2表面材側間隔」と称する)を隔てて挟むように設けられている。具体的には、図2に示すように、第2屋外側表面材71は建物の屋外側に配置されると共に、第2屋内側表面材72は建物の屋内側に配置されており、第2開閉体フレーム60に対してそれぞれ固定されている。
また、図2、図3に示すように、第2屋内側表面材72に第2戸先側突出部73が設けられており、図1に示すように、第2屋外側表面材71に第2上側突出部74が設けられている。
このうち、第2戸先側突出部73は、全閉状態において開閉体側隙間25の見込方向の端部(図3では、建物の屋内側の端部)の少なくとも一部を塞ぐ第2突出部である。この第2戸先側突出部73は、例えば耐火性材料にて形成され、且つX−Y平面に沿った断面形状が前後方向の外側に向けて開放された略逆U字状となるように形成された中空状体であり、具体的には、第2開閉体50の上下方向の略全長(又は第2開閉体50における横側気密材13fよりも下方部分から下端部に至る部分)にわたって形成されており、且つ第2戸先側突出部73の左右方向の長さが開閉体側隙間25の左右方向の長さよりも長くなるように形成されている。そして、この第2戸先側突出部73は、全閉状態において第2屋内側表面材72の見付面側の部分に設けられており、具体的には、図3に示すように、全閉状態において開閉体側隙間25の建物の屋内側の端部の近傍を覆うように配置されており、第2開閉体フレーム60に対して固定具75(以下、「第2突出部側固定具75」と称する)によって固定されている。また、第2戸先側突出部73の内部には、気密材76(以下、「開閉体側気密材76」と称する)が設けられており、開閉体側気密材76は、全閉状態において当該開閉体側気密材76が第1開閉体20と当接可能な位置に配置されている。このような第2戸先側突出部73により、全閉状態において第2戸先側突出部73を介して建物の屋内側が見えないようにすることができ、防火戸1の意匠性及び防犯性を向上できる。
また、第2上側突出部74は、全閉状態において第2上側枠体側隙間の見込方向の端部(図1では、建物の屋外側の端部)の少なくとも一部を塞ぐ突出部である。この第2上側突出部74は、第2屋外側表面材71の一部を上側横枠材13に向けて突出させることにより形成されており、具体的には、第2開閉体50の左右方向の略全長にわたって形成されており、全閉状態において第2上側枠体側隙間の見込方向の端部を覆うように配置されている。このような第2上側突出部74により、全閉状態において第2上側枠体側隙間を介して建物の屋内側が見えないようにすることができ、防火戸1の意匠性及び防犯性を向上できる。
(構成−第2開閉体−第2芯材)
第2芯材は、第2開閉体50の内部に充填されるものであり、例えば公知の芯材等を用いて構成され、第2開閉体フレーム60、第2屋外側表面材71、及び第2屋内側表面材72にて囲繞された空間内に充填されている。
(構成−第2開閉体−その他の構成)
また、第2開閉体50には、デッドボルト受け部及びラッチ受け部が設けられている(いずれも図示省略)。
デッドボルト受け部は、全閉状態において、施錠装置23のデッドボルトを受けるためのデッドボルト受容手段であり、当該デッドボルトと対応する位置に配置されている。
ラッチ受け部は、ラッチを受けるためのラッチ受容手段であり、ラッチと対応する位置に配置されている。
(構成−第1ヒンジ部)
図1に戻り、第1ヒンジ部81は、第1開閉体20を右側縦枠材12に対して回動自在に軸支するためのものである。この第1ヒンジ部81は、公知の旗蝶番等を用いて構成されており、図1に示すように、第1開閉体20の戸尻側の端部(図1では、右端部)において、相互に間隔を隔てて上下方向に沿って複数並設されており、第1開閉体20及び右側縦枠材12に対して固定具等によって取り付けられている。
(構成−第2ヒンジ部)
第2ヒンジ部82は、第2開閉体50を左側縦枠材11に対して回動自在に軸支するためのものである。この第2ヒンジ部82は、公知の旗蝶番等を用いて構成されており、図1に示すように、第2開閉体50の戸尻側の端部(図1では、左端部)において、相互に間隔を隔てて上下方向に沿って複数並設されており、第2開閉体50及び左側縦枠材11に対して固定具等によって取り付けられている。
(構成−枠体−左側縦枠材及び右側縦枠材の構成の詳細)
次に、枠体10の左側縦枠材11及び右側縦枠材12の構成の詳細について説明する。ただし、左側縦枠材11及び右側縦枠材12は、特記する場合を除いて、任意の形状、方法、及び材質で製造することができる。実施の形態において、図2に示すように、左側縦枠材11及び右側縦枠材12の各々は、縦枠材本体11a、縦側固定材11b、及び縦側充填材11cを備えている。
(構成−枠体−左側縦枠材及び右側縦枠材の構成の詳細−縦枠材本体)
縦枠材本体11aは、左側縦枠材11(又は右側縦枠材12)の基本構造体である。この縦枠材本体11aは、開口部3の上下方向の全長にわたって形成された中空状体であり、X−Y平面に沿った断面形状が左右方向の外側に向けて開放された略コ字状となるように形成されている。
また、図2に示すように、縦枠材本体11aには、縦側凹部11d及び縦側気密凹部11eが設けられている。縦側凹部11dは、第1開閉体20又は第2開閉体50を収容しながら縦枠材本体11aと第1開閉体20又は第2開閉体50との干渉を回避するための凹部(いわゆる相じゃくり構造である凹部)であり、縦枠材本体11aにおける第1開閉体20(又は第2開閉体50)に対応する部分を左右方向の外側に向けて窪ませることにより形成されている。また、縦側気密凹部11eは、図2の気密材11f(以下、「縦側気密材11f」と称する)を収容するためのものであり、縦側凹部11dにおける建物の屋内側の部分を建物の屋内側に向けて窪ませることにより形成されている。なお、以下では、右側縦枠材12の縦側気密凹部11eの側壁のうち、第1戸尻側枠体側隙間21aにおける見込方向の端部(図2では、建物の屋内側の端部)の少なくとも一部を塞ぐように構成された側壁(突出部)を、第1縦側突出部11gと称する。また、左側縦枠材11の縦側気密凹部11eの側壁のうち、第2戸尻側枠体側隙間51aにおける見込方向の端部(図2では、建物の屋内側の端部)の少なくとも一部を塞ぐように構成された側壁(突出部)を、第2縦側突出部11hと称する。
(構成−枠体−左側縦枠材及び右側縦枠材の構成の詳細−縦側固定材)
縦側固定材11bは、縦枠材本体11aを躯体2に対して固定するためのものである。この縦側固定材11bは、略直線状の板状体にて形成されており、具体的には、当該縦側固定材11bの前後方向の長さが縦枠材本体11aのコ字状の開放端部における前後方向の長さと略同一(又はそれ以上の長さ)であり、当該縦側固定材11bの上下方向の長さが縦枠材本体11aの上下方向の長さよりも短くなるように形成されている。そして、この縦側固定材11bは、縦枠材本体11aのコ字状の開放端部側(縦枠材本体11aの左右方向の外側の端部側)において、所定間隔を隔てて上下方向に沿って複数並設配置されており、縦枠材本体11a及び躯体2に対して溶接等によって固定されている。
(構成−枠体−左側縦枠材及び右側縦枠材の構成の詳細−縦側充填材)
縦側充填材11cは、縦枠材本体11aを補強するためのものであり、例えば遮熱性を有する公知の充填材料(一例として、建築用のモルタル、石膏等)等を用いて構成されており、図2に示すように、縦枠材本体11a及び縦側固定材11bにて囲繞された空間内に充填されている。
(構成−上側横枠材及びくつずり側横枠材の構成の詳細)
次に、枠体10の上側横枠材13及びくつずり側横枠材14の構成の詳細について説明する。ただし、上側横枠材13及びくつずり側横枠材14は、特記する場合を除いて、任意の形状、方法、及び材質で製造することができる。実施の形態において、図4に示すように、上側横枠材13及びくつずり側横枠材14の各々は、横枠材本体13a、横側固定材13b、及び横側充填材13cを備えている。
(構成−上側横枠材及びくつずり側横枠材の構成の詳細−横枠材本体)
横枠材本体13aは、上側横枠材13(又はくつずり側横枠材14)の基本構造体である。この横枠材本体13aは、Y−Z平面に沿った断面形状が上下方向の外側に向けて開放された略コ字状となるように形成された中空状体であり、開口部3の左右方向の略全長にわたって形成されている。
また、図4に示すように、上側横枠材13の横枠材本体13aには、横側凹部13d及び横側気密凹部13eが設けられている。横側凹部13dは、第1開閉体20及び第2開閉体50を収容しながら横枠材本体13aと第1開閉体20及び第2開閉体50の各々との干渉を回避するためのものであり(いわゆる相じゃくり構造である凹部)、横枠材本体13aにおける第1開閉体20及び第2開閉体50に対応する部分を上下方向の外側に向けて窪ませることにより形成されている。また、横側気密凹部13eは、図4の気密材13f(以下、「横側気密材13f」と称する)を収容するためのものであり、横側凹部13dにおける建物の屋内側の部分を建物の屋内側に向けて窪ませることにより形成されている。なお、以下では、横側気密凹部13eの側壁のうち、第1上側枠体側隙間21bにおける見込方向の端部(図4では、建物の屋内側の端部)の少なくとも一部を塞ぐように構成された側壁(突出部)を、第1横側突出部13gと称すると共に、第2上側枠体側隙間における見込方向の端部(図4では、建物の屋内側の端部)の少なくとも一部を塞ぐように構成された側壁(突出部)を、第2横側突出部(図示省略)と称する。
(構成−上側横枠材及びくつずり側横枠材の構成の詳細−横側固定材)
横側固定材13bは、横枠材本体13aを躯体2に対して固定すると共に、横枠材本体13aを補強するためのものである。この横側固定材13bは、板状体にて形成されており、具体的には、当該横側固定材13bの前後方向の長さが横枠材本体13aのコ字状の開放端部における前後方向の長さと略同一(又はそれ以上の長さ)であり、当該横側固定材13bの左右方向の長さが横枠材本体13aの左右方向の長さよりも短くなるように形成されている。また、この横側固定材13bは、横枠材本体13aのコ字状の開放端部側(具体的には、横枠材本体13aの上下方向の外側の端部側)において、所定間隔を隔てて左右方向に沿って複数並設配置されており、横枠材本体13aに対して溶接によって固定されている。
(構成−枠体−上側横枠材及びくつずり側横枠材の構成の詳細−横側充填材)
横側充填材13cは、横枠材本体13aを補強するためのものであり、例えば遮熱性を有する公知の充填材料(一例として、建築用のモルタル、石膏等)等を用いて構成されており、図4に示すように、横枠材本体13a及び横側固定材13bにて囲繞された空間内に充填されている。
(構成−防火戸の防火構造)
次に、防火戸1の防火構造について説明する。この防火戸1は、当該防火戸1の防火性能を高めるための防火構造を備えており、この防火構造は、第1防火構造から第8防火構造を備えている。以下では、これら各防火構造について順次説明する。
(構成−防火戸の防火構造−第1防火構造、第2防火構造)
まず、第1防火構造及び第2防火構造について説明する。第1防火構造は、第1開閉体20の内部に設けられる防火構造であり、第2防火構造は、第2開閉体50の内部に設けられる防火構造である。ここで、第1防火構造及び第2防火構造の各々の構成はそれぞれ略同一であるので、以下では、第1防火構造の構成のみについて説明することとする。この第1防火構造は、図2、図4に示すように、開閉体側第1遮熱材101、開閉体側第2遮熱材102、及び開閉体側熱膨張耐火部材103を備えている。
(構成−防火戸の防火構造−第1防火構造、第2防火構造−開閉体側第1遮熱材)
開閉体側第1遮熱材101は、第1屋外側表面材41と第1開閉体フレーム30との相互間での熱伝導を抑制するための開閉体側遮熱材である。この開閉体側第1遮熱材101は、平坦な略板状体であり、図2、図4に示すように、第1屋外側表面材41と、第1戸先側縦骨材31、第1戸尻側縦骨材32、第1上側横骨材33、第1下側横骨材34、及び第1中間縦骨材35の各々の第1屋外側片36bとの相互間に設けられている。具体的には、上記相互間において第1屋外側表面材41及び上記第1屋外側片36bと当接するように配置され、第1屋外側表面材41及び上記第1屋外側片36bに対して接着剤等によって固定されている(又は接着剤等によって固定されていなくてもよい)。
また、開閉体側第1遮熱材101の具体的な形状及び大きさについては、第1屋外側表面材41と第1開閉体フレーム30との相互間での熱伝導を抑制できる限りに任意に設定することができるが、実施の形態では以下の通りに設定している(なお、開閉体側第2遮熱材102についても略同様とする)。すなわち、開閉体側第1遮熱材101の正面形状については、略長方形状に設定している。また、開閉体側第1遮熱材101の左右方向の長さについては、上記第1屋外側片36bの左右方向の長さと略同一に設定し(あるいは、それよりも長く又は短く設定してもよい)、開閉体側第1遮熱材101の前後方向の長さについては、上記第1屋外側片36bの前後方向の長さよりも長く設定し(あるいは、それよりも短く又は略同一に設定してもよい)、開閉体側第1遮熱材101の上下方向の長さについては、上記第1屋外側片36bの上下方向の長さと略同一に設定している(あるいは、それよりも長く又は短く設定してもよい)。
また、開閉体側第1遮熱材101の材質については、遮熱性を有する材質である限り任意に構成することができ、実施の形態では、ケイ酸カルシウム材で構成している。ただし、これに限らず、例えば、グラスウール材、ウレタン材などの他の遮熱材料で構成してもよい(なお、後述する各種の遮熱材の材質についても同様とする)。
(構成−防火戸の防火構造−第1防火構造、第2防火構造−開閉体側第2遮熱材)
開閉体側第2遮熱材102は、第1屋内側表面材42と第1開閉体フレーム30との相互間での熱伝導を抑制するための開閉体側遮熱材である。この開閉体側第2遮熱材102は、平坦な略板状体であり、図2、図4に示すように、第1屋内側表面材42と、第1戸先側縦骨材31、第1戸尻側縦骨材32、第1上側横骨材33、第1下側横骨材34、及び第1中間縦骨材35の各々の第1屋内側片36cとの相互間に設けられている。具体的には、上記相互間において第1屋内側表面材42及び上記第1屋内側片36cと当接するように配置され、第1屋内側表面材42及び上記第1屋内側片36cに対して接着剤等によって固定されている(又は接着剤等によって固定されていなくてもよい)。
(構成−防火戸の防火構造−第1防火構造、第2防火構造−開閉体側熱膨張耐火部材)
開閉体側熱膨張耐火部材103は、第1枠体側隙間21(具体的には、第1戸尻側枠体側隙間21a、第1上側枠体側隙間21b、及び第1下側枠体側隙間21c)及び開閉体側隙間25の各々を介して火災(具体的には、防火戸1の周辺で発生した火災)の炎が見込方向のいずれか一方から他方へ流入することを抑制するための熱膨張耐火部材である。この開閉体側熱膨張耐火部材103は、平坦な略板状体であり、図2、図4に示すように、第1屋外側表面材41及び第1屋内側表面材42の各々と、第1戸先側縦骨材31、第1戸尻側縦骨材32、第1上側横骨材33、及び第1下側横骨材34の各々の第1中央片36aとの相互間に設けられている。具体的には、上記相互間において第1屋外側表面材41及び第1屋内側表面材42の各々及び上記第1中央片36aと当接するように配置され、第1屋外側表面材41及び第1屋内側表面材42の各々及び上記第1中央片36aに対して固定具等によって固定されている。
また、開閉体側熱膨張耐火部材103の具体的な形状及び大きさについては、第1枠体側隙間21及び開閉体側隙間25の各々を介して上記火災の炎が見込方向のいずれか一方から他方へ流入することを抑制できる限り任意に設定することができるが、実施の形態では、以下の通りに設定している。すなわち、第1戸先側縦骨材31側又は第1戸尻側縦骨材32側に位置する開閉体側熱膨張耐火部材103の側面形状については、略長方形状に設定しており、第1上側横骨材33側又は第1下側横骨材34側に位置する開閉体側熱膨張耐火部材103の平面形状については、略長方形状に設定している。また、開閉体側熱膨張耐火部材103の左右方向の長さについては、上記第1中央片36aの左右方向の長さよりも短く設定し(あるいは、それよりも長く又は略同一に設定してもよい)、開閉体側熱膨張耐火部材103の前後方向の長さについては、上記第1中央片36aの前後方向の長さと略同一に設定し(あるいは、それよりも長く又は短く設定してもよい)、開閉体側熱膨張耐火部材103の上下方向の長さについては、上記第1中央片36aの上下方向の長さと略同一に設定している(あるいは、それよりも長く又は短く設定してもよい)。
また、開閉体側熱膨張耐火部材103の材質については、遮炎性を有する材質である限り任意に構成することができるが、実施の形態では、所定温度(具体的には、150℃〜250℃の温度)で加熱されることで発泡する熱膨張耐火部材(一例として、フィブロック(登録商標)等)で構成している(なお、後述する各種の熱膨張耐火部材の材質についても同様とする)。
このような第1防火構造及び第2防火構造により、全閉状態において上記火災が発生した際に、開閉体側第1遮熱材101及び開閉体側第2遮熱材102によって第1開閉体20又は第2開閉体50を介して当該火災の熱が見込方向のいずれか一方から他方へ伝導することを抑制できるので、第1開閉体20及び第2開閉体50の遮熱性能を高めることが可能となる。また、上記火災の熱で膨張した開閉体側熱膨張耐火部材103が第1表面材側間隔又は第2表面材側間隔を介して第1枠体側隙間21又は開閉体側隙間25に流入することにより、第1枠体側隙間21及び開閉体側隙間25を塞ぐことができ、防火戸1の遮炎性能を高めることができる。なお、上記開閉体側熱膨張耐火部材103のうち、第1戸先側縦骨材31及び第2戸先側縦骨材61に設けられた「開閉体側熱膨張耐火部材103」は、特許請求の範囲における「開閉体側熱膨張耐火部材」に対応する。
(構成−防火戸の防火構造−第3防火構造、第4防火構造)
次に、第3防火構造及び第4防火構造について説明する。第3防火構造は、第1戸先側突出部43に設けられる防火構造であり、第4防火構造は、第2戸先側突出部73に設けられる防火構造である。図2、図3に示すように、この第3防火構造は、第1突出部側遮熱材111及び第1突出部側熱膨張耐火部材112を備えており、この第4防火構造は、第2突出部側遮熱材121及び第2突出部側熱膨張耐火部材122を備えている。
(構成−防火戸の防火構造−第3防火構造−第1突出部側遮熱材)
第1突出部側遮熱材111は、開閉体側隙間25を介して上記火災の熱が見込方向のいずれか一方から他方へ伝導することを抑制するための突出部側遮熱材である。この第1突出部側遮熱材111は、平坦な略板状体であり、図3に示すように、第1戸先側突出部43に設けられており、具体的には、第1戸先側突出部43のU字状部分の底部と第1押圧部材113とによって挟持されるように配置され、第1突出部側固定具45が第1戸先側突出部43、第1突出部側遮熱材111、第1押圧部材113、及び第2押圧部材114に挿通されることで固定されている(ただし、これに限らず、例えば、第1押圧部材113を省略して設けられてもよい)。
また、第1突出部側遮熱材111の具体的な構成については任意であるが、実施の形態では、全閉状態において見込方向から見て第1突出部側遮熱材111が少なくとも開閉体側隙間25全体と重複するように構成されている。
具体的には、まず、第1突出部側遮熱材111の具体的な形状及び長さについては、以下の通りに設定している。すなわち、第1突出部側遮熱材111の正面形状については、略長方形状に設定している。また、第1突出部側遮熱材111の左右方向の長さについては、図3に示すように、開閉体側隙間25の左右方向の長さよりも長く設定し(あるいは、略同一に設定してもよい)、第1突出部側遮熱材111の前後方向の長さについては、開閉体側隙間25の前後方向の長さよりも短く設定し、第1突出部側遮熱材111の上下方向の長さについては、開閉体側隙間25の上下方向の長さよりも長く設定している(あるいは、略同一に設定してもよい)。
また、第1突出部側遮熱材111の設置方法については、全閉状態において見込方向から見て第1突出部側遮熱材111が開閉体側第1遮熱材101の少なくとも一部と重複するように設置しており、より具体的には、図3に示すように、見込方向から見て、第1突出部側遮熱材111が開閉体側隙間25全体と、第1戸先側縦骨材31に設けられた開閉体側第1遮熱材101と、第2戸先側縦骨材61に設けられた開閉体側第1遮熱材101とに重複するように設置している。ただし、これに限らず、例えば、第1戸先側縦骨材31又は第2戸先側縦骨材61に設けられた開閉体側第1遮熱材101のいずれか一方のみと重複するように設置してもよい。
このような構成により、全閉状態において見込方向から見て第1突出部側遮熱材111が開閉体側隙間25全体と重複しない場合に比べて、開閉体側隙間25を介して上記火災の熱が見込方向のいずれか一方から他方へ伝導することを抑制でき、防火戸1の遮熱性能を高めやすくなる。さらに、全閉状態において見込方向から見て第1突出部側遮熱材111が開閉体側第1遮熱材101と重複しない場合に比べて、第1開閉体20又は第2開閉体50のうち開閉体側隙間25の近傍部分を介して火災の熱が見込方向のいずれか一方から他方へ伝導することを抑制でき、防火戸1の遮熱性能を一層高めやすくなる。
(構成−防火戸の防火構造−第3防火構造−第1突出部側熱膨張耐火部材)
第1突出部側熱膨張耐火部材112は、開閉体側隙間25を介して上記火災の炎が見込方向のいずれか一方から他方へ流入することを抑制するための熱膨張耐火部材である。この第1突出部側熱膨張耐火部材112は、平坦な略板状体であり、第1戸先側突出部43に設けられている。
また、第1突出部側熱膨張耐火部材112の具体的な形状及び大きさについては、開閉体側隙間25を介して上記火災の炎が見込方向のいずれか一方から他方へ流入することを抑制できる限り任意に設定することができるが、実施の形態では、以下の通りに設定している。すなわち、第1突出部側熱膨張耐火部材112の正面形状については、略長方形状に設定している。また、第1突出部側熱膨張耐火部材112の左右方向の長さについては、図3に示すように、開閉体側隙間25の左右方向の長さよりも長く設定し(あるいは、それよりも短く又は略同一に設定してもよい)、第1突出部側熱膨張耐火部材112の前後方向の長さについては、開閉体側隙間25の前後方向の長さよりも短く設定し、第1突出部側熱膨張耐火部材112の上下方向の長さについては、開閉体側隙間25の上下方向の長さよりも長く設定している(あるいは、それよりも短く又は略同一に設定してもよい)。
また、第1突出部側熱膨張耐火部材112の設置方法については任意であるが、実施の形態では、第1突出部側遮熱材111によって第1突出部側熱膨張耐火部材112の膨張が阻害されないように設置(配置)している。具体的には、図3に示すように、第1突出部側遮熱材111よりも開閉体側隙間25側に設置しており、より具体的には、第1戸先側突出部43のU字状部分の左側側壁と第2押圧部材114との相互間に配置すると共に、第2押圧部材114によって覆われることなく、第1押圧部材113と当接するように配置し、第1押圧部材113に対して接着剤等によって接続している。このような設置により、第1突出部側遮熱材111及び第1突出部側熱膨張耐火部材112を第1戸先側突出部43に設けた場合に、上記火災が発生した際に第1突出部側熱膨張耐火部材112を確実に膨張させることができ、第1突出部側遮熱材111によって塞がれる開閉体側隙間25を介して見込方向の一方側から他方側に向けて上記火災の炎が流入することを回避できる。
(構成−防火戸の防火構造−第4防火構造−第2突出部側遮熱材)
第2突出部側遮熱材121は、開閉体側隙間25を介して上記火災の熱が見込方向のいずれか一方から他方へ伝導することを抑制するための突出部側遮熱材である。この第2突出部側遮熱材121は、平坦な略板状体であり、図3に示すように、第2戸先側突出部73に設けられており、具体的には、第2戸先側突出部73のU字状部分の底部と第3押圧部材123とによって挟持されるように配置され、第2突出部側固定具75が第2戸先側突出部73、第2突出部側遮熱材121、及び第3押圧部材123に挿通されることで固定されている。
また、第2突出部側遮熱材121の具体的な構成については任意であるが、実施の形態では、第1突出部側遮熱材111の構成と略同様に、全閉状態において見込方向から見て第2突出部側遮熱材121が少なくとも開閉体側隙間25全体と重複するように構成されている。ただし、第2突出部側遮熱材121の設置方法については、全閉状態において見込方向から見て第2突出部側遮熱材121が開閉体側第2遮熱材102の少なくとも一部と重複するように設置しており、より具体的には、図3に示すように、見込方向から見て、第2突出部側遮熱材121が開閉体側隙間25全体と、第1戸先側縦骨材31に設けられた開閉体側第2遮熱材102と、第2戸先側縦骨材61に設けられた開閉体側第2遮熱材102とに重複するように設置している。なお、これに限らず、例えば、第1戸先側縦骨材31又は第2戸先側縦骨材61に設けられた開閉体側第2遮熱材102のいずれか一方のみと重複するように設置してもよい。
このような構成により、全閉状態において見込方向から見て第2突出部側遮熱材121が開閉体側隙間25全体と重複しない場合に比べて、開閉体側隙間25を介して上記火災の熱が見込方向のいずれか一方から他方へ伝導することを抑制でき、防火戸1の遮熱性能を高めやすくなる。さらに、全閉状態において見込方向から見て第2突出部側遮熱材121が開閉体側第2遮熱材102と重複しない場合に比べて、第1開閉体20又は第2開閉体50のうち開閉体側隙間25の近傍部分を介して火災の熱が見込方向のいずれか一方から他方へ伝導することを抑制でき、防火戸1の遮熱性能を一層高めやすくなる。
(構成−防火戸の防火構造−第4防火構造−第2突出部側熱膨張耐火部材)
第2突出部側熱膨張耐火部材122は、開閉体側隙間25を介して上記火災の炎が見込方向のいずれか一方から他方へ流入することを抑制するための熱膨張耐火部材である。この第2突出部側熱膨張耐火部材122は、平坦な略板状体であり、第2戸先側突出部73に設けられている。
また、第2突出部側熱膨張耐火部材122の具体的な形状及び大きさについては、第1突出部側熱膨張耐火部材112と略同様に構成されている。ただし、第2突出部側熱膨張耐火部材122の左右方向の長さについては、図3に示すように、第1突出部側熱膨張耐火部材112の左右方向の長さよりも短く設定しているが、これに限らず、例えば、それよりも長く又は略同一に設定してもよい。
また、第2突出部側熱膨張耐火部材122の設置方法については任意であるが、実施の形態では、第2突出部側遮熱材121によって第2突出部側熱膨張耐火部材122の膨張が阻害されないように設置(配置)している。具体的には、図3に示すように、第2突出部側遮熱材121よりも開閉体側隙間25側に配置しており、より具体的には、第3押圧部材123のうち開閉体側隙間25に対応する部分に設けられた第1支持部材124の前面と当接するように配置し、第1支持部材124に対して接着剤等によって接続している。このような設置により、第2突出部側遮熱材121及び第2突出部側熱膨張耐火部材122を第2戸先側突出部73に設けた場合に、上記火災が発生した際に第2突出部側熱膨張耐火部材122を確実に膨張させることができ、第2突出部側遮熱材121によって塞がれる開閉体側隙間25を介して見込方向の一方側から他方側に向けて上記火災の炎が流入することを回避できる。
以上のような第3防火構造及び第4防火構造により、第1戸先側突出部43及び第2戸先側突出部73に遮熱材を設けない場合に比べて、開閉体側隙間25を介して上記火災の熱が見込方向のいずれか一方から他方へ伝導することを抑制でき、防火戸1の遮熱性能を高めることができる。特に、第1突出部側遮熱材111又は第2突出部側遮熱材121のいずれか一方のみを備える場合に比べて、開閉体側隙間25を介して火災の熱が見込方向のいずれか一方から他方へ伝導することを抑制でき、第1開閉体20及び第2開閉体50を備える防火戸1の遮熱性能を高めることができる。さらに、第1突出部側熱膨張耐火部材112及び第2突出部側熱膨張耐火部材122によって開閉体側隙間25を介して上記火災の炎が見込方向のいずれか一方から他方へ流入することを抑制でき、防火戸1の遮炎性能を高めることができる。
(構成−防火戸の防火構造−第5防火構造、第6防火構造)
図2戻り、次に、第5防火構造及び第6防火構造について説明する。第5防火構造は、第1戸尻側枠体側隙間21aに設けられる防火構造であり、第6防火構造は、第2戸尻側枠体側隙間51aに設けられる防火構造である。ここで、第5防火構造及び第6防火構造の各々の構成はそれぞれ略同一であるので、以下では、第5防火構造の構成のみについて説明することとする。この第5防火構造は、図2に示すように、縦枠材側熱膨張耐火部材130を備えている。
(構成−防火戸の防火構造−第5防火構造、第6防火構造−縦枠材側熱膨張耐火部材)
縦枠材側熱膨張耐火部材130は、第1戸尻側枠体側隙間21aを介して上記火災の炎が見込方向のいずれか一方から他方へ流入することを抑制するための熱膨張耐火部材である。この縦枠材側熱膨張耐火部材130は、平坦な略板状体であり、右側縦枠材12の縦側気密凹部11eに設けられており、具体的には、図2に示すように、第1縦側突出部11gと縦側気密材11fとの相互間に設けられた第2支持部材131の前面に当接するように設けられ、第2支持部材131に対して接着剤等によって固定されている。
また、縦枠材側熱膨張耐火部材130の具体的な形状及び大きさについては、第1戸尻側枠体側隙間21aを介して上記火災の炎が見込方向のいずれか一方から他方へ流入することを抑制できる限り任意に設定することができるが、実施の形態では、以下の通りに設定している。すなわち、縦枠材側熱膨張耐火部材130の正面形状については、略長方形状に設定している。また、縦枠材側熱膨張耐火部材130の左右方向の長さについては、第2支持部材131の左右方向の長さと略同一に設定し(あるいは、それよりも長く又は短く設定してもよい)、縦枠材側熱膨張耐火部材130の前後方向の長さについては、第2支持部材131の前後方向の長さよりも短く設定し、縦枠材側熱膨張耐火部材130の上下方向の長さについては、第2支持部材131の上下方向の長さと略同一に設定している(あるいは、それよりも長く又は短く設定してもよい)。
以上のような第5防火構造及び第6防火構造により、縦枠材側熱膨張耐火部材130によって第1戸尻側枠体側隙間21a(又は第2戸尻側枠体側隙間51a)を介して上記火災の炎が見込方向のいずれか一方から他方へ流入することを抑制でき、防火戸1の遮炎性能を高めることができる。
(構成−防火戸の防火構造−第7防火構造、第8防火構造)
続いて、第7防火構造及び第8防火構造について説明する。第7防火構造は、第1上側枠体側隙間21bに設けられる防火構造であり、第8防火構造は、第2上側枠体側隙間に設けられる防火構造である。ここで、第7防火構造及び第8防火構造の各々の構成はそれぞれ略同一であるので、以下では、第7防火構造の構成のみについて説明することとする。この第7防火構造は、図4に示すように、上側遮熱材141、第1横枠材側熱膨張耐火部材142、及び第2横枠材側熱膨張耐火部材143を備えている。
(構成−防火戸の防火構造−第7防火構造、第8防火構造−上側遮熱材)
上側遮熱材141は、上記火災の熱が上側横枠材13及び第1上側枠体側隙間21bを介して第1開閉体20に伝導することを抑制するための遮熱材である。この上側遮熱材141は、平坦な略板状体であり、図4に示すように、第1上側枠体側隙間21bに設けられており、具体的には、第1屋外側表面材41の上面及び第1屋内側表面材42の上面を覆うように配置され、第1屋外側表面材41及び第1屋内側表面材42に対して接着剤によって固定されている。
また、上側遮熱材141の具体的な形状及び大きさについては、上記火災の熱が上側横枠材13及び第1上側枠体側隙間21bを介して第1開閉体20に伝導することを抑制できる限りに任意に設定することができるが、実施の形態では以下の通りに設定している。すなわち、上側遮熱材141の平面形状については、略長方形状に設定している。また、上側遮熱材141の左右方向の長さについては、第1開閉体20の左右方向の長さと略同一に設定し(あるいは、それよりも長く又は短く設定してもよい)、上側遮熱材141の前後方向の長さについては、第1開閉体20の前後方向の長さよりも短く設定しており(あるいは、それよりも長く又は略同一に設定してもよい)、上側遮熱材141の上下方向の長さについては、第1開閉体20の上下方向の長さよりも短く設定している。
(構成−防火戸の防火構造−第7防火構造、第8防火構造−第1横枠材側熱膨張耐火部材)
第1横枠材側熱膨張耐火部材142は、第1上側枠体側隙間21bを介して上記火災の炎が見込方向のいずれか一方から他方へ流入することを抑制するための熱膨張耐火部材である。この第1横枠材側熱膨張耐火部材142は、平坦な略板状体であり、図4に示すように、第1上側枠体側隙間21bに設けられており、具体的には、上側遮熱材141の上面を覆うように配置され、上側遮熱材141に対して接着剤によって固定されている。
また、第1横枠材側熱膨張耐火部材142の具体的な形状及び大きさについては、第1上側枠体側隙間21bを介して上記火災の炎が見込方向のいずれか一方から他方へ流入することを抑制できる限り任意に設定することができるが、実施の形態では、以下の通りに設定している。すなわち、第1横枠材側熱膨張耐火部材142の平面形状については、略長方形状に設定している。また、第1横枠材側熱膨張耐火部材142の左右方向の長さについては、上側遮熱材141の左右方向の長さと略同一に設定し(あるいは、それよりも長く又は短く設定してもよい)、第1横枠材側熱膨張耐火部材142の前後方向の長さについては、上側遮熱材141の前後方向の長さと略同一に設定し(あるいは、それよりも長く又は短く設定してもよい)、第1横枠材側熱膨張耐火部材142の上下方向の長さについては、上側遮熱材141の上下方向の長さよりも短く設定している(あるいは、それよりも長く又は略同一に設定してもよい)。
(構成−防火戸の防火構造−第7防火構造、第8防火構造−第2横枠材側熱膨張耐火部材)
第2横枠材側熱膨張耐火部材143は、第1上側枠体側隙間21bを介して上記火災の炎が見込方向のいずれか一方から他方へ流入することを抑制するための熱膨張耐火部材である。この第2横枠材側熱膨張耐火部材143は、平坦な略板状体であり、図4に示すように、上側縦枠材の横側気密凹部13eに設けられており、具体的には、横側気密材13fよりも上方に設けられた第3支持部材144の前面に当接するように設けられ、第3支持部材144に対して接着剤等によって固定されている。
また、第2横枠材側熱膨張耐火部材143の具体的な形状及び大きさについては、第1上側枠体側隙間21bを介して上記火災の炎が見込方向のいずれか一方から他方へ流入することを抑制できる限り任意に設定することができるが、実施の形態では、以下の通りに設定している。すなわち、第2横枠材側熱膨張耐火部材143の正面形状については、略長方形状に設定している。また、第2横枠材側熱膨張耐火部材143の左右方向の長さについては、第3支持部材144の左右方向の長さと略同一に設定し(あるいは、それよりも長く又は短く設定してもよい)、第2横枠材側熱膨張耐火部材143の前後方向の長さについては、第3支持部材144の前後方向の長さよりも短く設定し、第2横枠材側熱膨張耐火部材143の上下方向の長さについては、第3支持部材144の上下方向の長さと略同一に設定している(あるいは、それよりも長く又は短く設定してもよい)。
以上のような第7防火構造及び第8防火構造により、上側横枠材13からの上記火災の熱が第1開閉体20及び第2開閉体50に伝導することを抑制でき、防火戸1の遮熱性能を高めることができる。また、第2横枠材側熱膨張耐火部材143によって第1上側枠体側隙間21bを介して上記火災の炎が見込方向のいずれか一方から他方へ流入することを抑制でき、防火戸1の遮炎性能を高めることができる。
(防火戸の作用)
このように構成された防火戸1の機能について説明する。防火戸1の作用は、建物の屋外側で火災が発生した場合の作用と、建物の屋内側で火災が発生した場合の作用とに大別されるが、これら作用はそれぞれ略同一であるので、以下では、建物の屋外側で火災が発生した場合の作用のみについて説明することとする。
例えば、全閉状態において建物の屋外側で火災が発生した場合に、当該火災の熱によって防火戸1が加熱される。この場合において、上記火災の熱の一部が、第1開閉体20の第1屋外側表面材41から第1開閉体フレーム30を介して第1屋内側表面材42に向けて伝導しようとすると、開閉体側第1遮熱材101によって第1屋外側表面材41から第1開閉体フレーム30への熱伝導が抑制されると共に、開閉体側第2遮熱材102によって第1開閉体フレーム30から第1屋内側表面材42への熱伝導が抑制される。また、上記火災の熱の他の一部が、第2開閉体50の第2屋外側表面材71から第2開閉体フレーム60を介して第2屋内側表面材72に向けて伝導しようとすると、開閉体側第1遮熱材101によって第2屋外側表面材71から第2開閉体フレーム60への熱伝導が抑制されると共に、開閉体側第2遮熱材102によって第2開閉体フレーム60から第2屋内側表面材72への熱伝導が抑制される。また、上記火災の熱の他の一部が、開閉体側隙間25を介して建物の屋外側から屋内側へ伝導しようとすると、第1突出部側遮熱材111によって建物の屋外から開閉体側隙間25への熱伝導が抑制されると共に、第2突出部側遮熱材121によって開閉体側隙間25から建物の屋内側への熱伝導が抑制される。また、上記火災の熱の他の一部が、上側横枠材13及び第1上側枠体側隙間21bを介して第1開閉体20へ伝導しようとし、又は上側横枠材13及び第2上側枠体側隙間を介して第2開閉体50へ伝導しようとすると、上側遮熱材141によって第1開閉体20又は第2開閉体50への熱伝導が抑制される。
また、上記火災の炎が、第1枠体側隙間21(具体的には、第1戸尻側枠体側隙間21a、第1上側枠体側隙間21b、第1下側枠体側隙間21c)、第2枠体側隙間51(具体的には、第2戸尻側枠体側隙間51a、第2上側枠体側隙間、第2下側枠体側隙間)、又は開閉体側隙間25を介して建物の屋外側から屋内側へ流入しようとすると、開閉体側熱膨張耐火部材103、第1突出部側熱膨張耐火部材112、第2突出部側熱膨張耐火部材122、縦枠材側熱膨張耐火部材130、第1横枠材側熱膨張耐火部材142、及び第2横枠材側熱膨張耐火部材143によって第1枠体側隙間21、第2枠体側隙間51、及び開閉体側隙間25が塞がれるため、上記火災の炎の流入が抑制される。
以上のことから、上記火災の熱が防火戸1を介して見込方向の一方から他方に伝導されることを抑制できると共に、上記火災の炎が防火戸1を介して見込方向の一方から他方に流入されることを抑制できるので、上記火災の延焼を回避することが可能となる。
(効果)
このように実施の形態によれば、開閉体に設けられた突出部であり、全閉状態において、開閉体同士の相互間に設けられた隙間の見込方向の端部の少なくとも一部を塞ぐように構成された突出部と、突出部に設けられた突出部側遮熱材であって、全閉状態において当該防火戸1の周辺で火災が発生した際に、隙間を介して火災の熱が見込方向のいずれか一方から他方へ伝導することを抑制するための突出部側遮熱材と、を備えるので、突出部に遮熱材を設けない場合に比べて、隙間を介して上記火災の熱が見込方向のいずれか一方から他方へ伝導することを抑制でき、防火戸1の遮熱性能を高めることができる。
また、全閉状態において見込方向から見て突出部側遮熱材が少なくとも隙間全体と重複するように、突出部側遮熱材を構成したので、見込方向から見て突出部側遮熱材が隙間全体と重複しない場合に比べて、隙間を介して上記火災の熱が見込方向のいずれか一方から他方へ伝導することを抑制でき、防火戸1の遮熱性能を高めやすくなる。
また、全閉状態において見込方向から見て突出部側遮熱材が開閉体側遮熱材の少なくとも一部と重複するように、突出部側遮熱材を構成したので、見込方向から見て突出部側遮熱材が開閉体側遮熱材と重複しない場合に比べて、開閉体のうち開閉体側隙間25の近傍部分を介して火災の熱が見込方向のいずれか一方から他方へ伝導することを抑制でき、防火戸1の遮熱性能を一層高めやすくなる。
また、第1開閉体20に設けられた突出部であって、開閉体側隙間25の見込方向の端部の一方又はその近傍を覆うように配置された突出部である第1戸先側突出部43と、第2開閉体50に設けられた突出部であって、開閉体側隙間25の見込方向の端部の他方又はその近傍を覆うように配置された突出部である第2戸先側突出部73と、を備え、突出部側遮熱材を、第1戸先側突出部43及び第2戸先側突出部73に設けたので、開閉体側隙間25を介して火災の熱が見込方向のいずれか一方から他方へ伝導することを抑制でき、第1開閉体20及び第2開閉体50を備える防火戸1の遮熱性能を高めることができる。
また、突出部側遮熱材によって塞がれる隙間又はその近傍に設けられる熱膨張耐火部材であって、火災が発生した際に当該熱膨張耐火部材が火災の熱で膨張することにより、当該隙間を塞ぐための熱膨張耐火部材を備えるので、熱膨張耐火部材によって当該隙間を介して上記火災の炎が見込方向のいずれか一方から他方へ流入することを抑制でき、防火戸1の遮炎性能を高めることができる。
また、突出部側遮熱材が設けられている突出部に、熱膨張耐火部材を設け、突出部側遮熱材によって熱膨張耐火部材の膨張が阻害されないように、熱膨張耐火部材を配置したので、突出部側熱膨張耐火部材を当該突出部に設けた場合に、上記火災が発生した際に熱膨張耐火部材を確実に膨張させることができ、突出部側遮熱材によって塞がれる隙間を介して見込方向の一方側から他方側に向けて上記火災の炎が流入することを回避できる。
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。例えば、本発明に係る防火戸1の気密性が従来と同程度であっても、従来と異なる構造により従来と同程度の気密性を確保できている場合には、本願の課題は解決している。
(開閉体の適用対象について)
上記実施の形態では、防火戸1が、第1開閉体20及び第2開閉体50を備える親子型の開き戸であると説明したが、これに限らない。例えば、図5に示すように、防火戸200が、実施の形態に係る第1開閉体20のみを備える片開式の開き戸であってもよい。この場合には、例えば、図5に示すように、第1開閉体20に開閉体側第1遮熱材101、開閉体側第2遮熱材102、及び開閉体側熱膨張耐火部材103が設けられてもよい。また、第1開閉体20における屋内側表面材の戸先側部分に取り付けられた第1戸先側突出部43には、第1突出部側遮熱材111及び第1突出部側熱膨張耐火部材112が設けられてもよい(ただし、これに限らず、例えば、第1突出部側遮熱材111に加えて(又は第1突出部側遮熱材111を省略して)、左側縦枠材11の第2縦側突出部11h(一例として、第2縦側突出部11hの縦側気密材11f側の側面等)に第2突出部側遮熱材121が設けられてもよい)。また、第1開閉体20と左側縦枠材11及び右側縦枠材12の各々の相互間の隙間には、縦枠材側熱膨張耐火部材130が設けられ、開閉体と上側横枠材13の相互間の隙間には、上側遮熱材141、第1横枠材側熱膨張耐火部材142、及び第2横枠材側熱膨張耐火部材143が設けられてもよい。
(第1戸先側突出部、第2戸先側突出部について)
上記実施の形態では、第1戸先側突出部43及び第2戸先側突出部73が、耐火性材料にて形成されていると説明したが、これに限らず、例えば、非耐火性材料(一例として、アルミニウム等)にて形成されてもよい。
また、上記実施の形態では、防火戸1に第1戸先側突出部43及び第2戸先側突出部73が設けられていると説明したが、これに限らず、例えば、第1戸先側突出部43又は第2戸先側突出部73のいずれか一方のみが設けられてもよい。
(防火構造について)
上記実施の形態では、防火構造が、第1防火構造、第2防火構造、及び第5防火構造から第8防火構造を備えていると説明したが、これに限らない。例えば、防火戸1が消耗の防火性能(具体的には、遮熱性能及び遮炎性能)を確保できる場合には、第1防火構造、第2防火構造、又は第5防火構造から第8防火構造の少なくとも1つ以上を省略してもよい。
また、上記実施の形態では、防火構造が第3防火構造及び第4防火構造を備えていると説明したが、これに限らず、例えば、第3防火構造又は第4防火構造のいずれか一方のみを省略してもよい。
(第3防火構造、第4防火構造について)
上記実施の形態では、第3防火構造が第1突出部側遮熱材111及び第1突出部側熱膨張耐火部材112を備え、第4防火構造が第2突出部側遮熱材121及び第2突出部側熱膨張耐火部材122を備えていると説明したが、これに限らない。例えば、図6に示すように、第3防火構造が第1突出部側熱膨張耐火部材112のみを備え、第4防火構造が第2突出部側遮熱材121及び第2突出部側熱膨張耐火部材122を備えてもよい。あるいは、図7に示すように、第3防火構造が第1突出部側遮熱材111及び第1突出部側熱膨張耐火部材112を備え、第4防火構造が第2突出部側熱膨張耐火部材122のみを備えてもよい。あるいは、第3防火構造が第1突出部側遮熱材111のみを備え、第4防火構造が第2突出部側遮熱材121のみを備えてもよい。
また、上記実施の形態では、第1突出部側熱膨張耐火部材112が、第1押圧部材113と当接するように配置していると説明したが、これに限らない。例えば、図8に示すように、第1戸先側突出部43に取り付けられた押圧部材163に設けられた第4支持部材161の後面と当接するように配置することにより、第1突出部側熱膨張耐火部材112を開閉体側隙間25の近傍に位置させてもよい。この場合には、第1戸先側突出部43に気密材162が設けられてもよい。
また、上記実施の形態では、全閉状態において見込方向から見て第1突出部側遮熱材111(又は第2突出部側遮熱材121)が少なくとも開閉体側隙間25全体と重複するように、第1突出部側遮熱材111(又は第2突出部側遮熱材121)が構成されていると説明したが、これに限らない。例えば、全閉状態において見込方向から見て第1突出部側遮熱材111(又は第2突出部側遮熱材121)が開閉体側隙間25の一部のみと重複するように、第1突出部側遮熱材111(又は第2突出部側遮熱材121)が構成されてもよい。
また、上記実施の形態では、全閉状態において見込方向から見て第1突出部側遮熱材111(又は第2突出部側遮熱材121)が開閉体側第1遮熱材101(又は開閉体側第2遮熱材102)と重複するように、第1突出部側遮熱材111(又は第2突出部側遮熱材121)が構成されていると説明したが、これに限らない。例えば、全閉状態において見込方向から見て第1突出部側遮熱材111(又は第2突出部側遮熱材121)が開閉体側第1遮熱材101及び開閉体側第2遮熱材102と重複しないように、第1突出部側遮熱材111(又は第2突出部側遮熱材121)が構成されてもよい。
(突出部側遮熱材について)
上記実施の形態では、突出部側遮熱材が、第1戸先側突出部43及び第2戸先側突出部73に設けられていると説明したが、これに限らず、例えば、これら以外の突出部(一例として、第1上側突出部44、第2上側突出部74、第1縦側突出部11g、第2縦側突出部11h、第1横側突出部13g)に設けられてもよい。
(付記)
付記1の防火戸は、建物の開口部に設けられる防火戸であり、前記開口部の周縁に設けられた枠体と、前記開口部を開閉する少なくとも1つ以上の開閉体とを備える防火戸であって、前記開閉体又は前記枠体に設けられた突出部であり、前記少なくとも1つ以上の開閉体によって前記開口部を全閉した全閉状態において、前記開閉体同士の相互間又は前記開閉体と前記枠体との相互間に設けられた隙間の見込方向の端部の少なくとも一部を塞ぐように構成された突出部と、前記突出部に設けられた突出部側遮熱材であって、前記全閉状態において当該防火戸の周辺で火災が発生した際に、前記隙間を介して前記火災の熱が見込方向のいずれか一方から他方へ伝導することを抑制するための突出部側遮熱材と、を備える。
付記2の防火戸は、付記1に記載の防火戸において、前記全閉状態において見込方向から見て前記突出部側遮熱材が少なくとも前記隙間全体と重複するように、前記突出部側遮熱材を構成した。
付記3に記載の防火戸は、付記2に記載の防火戸において、前記開閉体が、前記隙間の近傍に位置する骨材を含むフレームと、前記フレームを覆うための表面材と、前記骨材と前記表面材との相互間に設けられた開閉体側遮熱材であって、前記火災が発生した際に前記火災の熱が前記表面材を介して前記骨材へ伝導することを抑制するための開閉体側遮熱材と、を備え、前記全閉状態において見込方向から見て前記突出部側遮熱材が前記開閉体側遮熱材の少なくとも一部と重複するように、前記突出部側遮熱材を構成した。
付記4の防火戸は、付記1から3のいずれか一項に記載の防火戸において、前記開口部を開閉する第1開閉体及び第2開閉体を備える防火戸であって、前記第1開閉体に設けられた前記突出部であって、前記第1開閉体と前記第2開閉体との相互間に設けられた前記隙間である開閉体側隙間の見込方向の端部の一方又はその近傍を覆うように配置された前記突出部である第1突出部と、前記第2開閉体に設けられた前記突出部であって、前記開閉体側隙間の見込方向の端部の他方又はその近傍を覆うように配置された前記突出部である第2突出部と、を備え、前記突出部側遮熱材を、前記第1突出部又は前記第2突出部の少なくともいずれか一方に設けた。
付記5の防火戸は、付記1から4のいずれか一項に記載の防火戸において、前記突出部側遮熱材によって塞がれる前記隙間又はその近傍に設けられる熱膨張耐火部材であって、前記火災が発生した際に当該熱膨張耐火部材が前記火災の熱で膨張することにより、当該隙間を塞ぐための熱膨張耐火部材を備える。
付記6の防火戸は、付記5に記載の防火戸において、前記突出部側遮熱材が設けられている前記突出部に、前記熱膨張耐火部材を設け、前記突出部側遮熱材によって前記熱膨張耐火部材の膨張が阻害されないように、前記熱膨張耐火部材を配置した。
(付記の効果)
付記1に記載の防火戸によれば、開閉体又は枠体に設けられた突出部であり、全閉状態において、開閉体同士の相互間又は開閉体と枠体との相互間に設けられた隙間の見込方向の端部の少なくとも一部を塞ぐように構成された突出部と、突出部に設けられた突出部側遮熱材であって、全閉状態において当該防火戸の周辺で火災が発生した際に、隙間を介して火災の熱が見込方向のいずれか一方から他方へ伝導することを抑制するための突出部側遮熱材と、を備えるので、突出部に遮熱材を設けない場合に比べて、隙間を介して上記火災の熱が見込方向のいずれか一方から他方へ伝導することを抑制でき、防火戸の遮熱性能を高めることができる。
付記2に記載の防火戸によれば、全閉状態において見込方向から見て突出部側遮熱材が少なくとも隙間全体と重複するように、突出部側遮熱材を構成したので、見込方向から見て突出部側遮熱材が隙間全体と重複しない場合に比べて、隙間を介して上記火災の熱が見込方向のいずれか一方から他方へ伝導することを抑制でき、防火戸の遮熱性能を高めやすくなる。
付記3に記載の防火戸によれば、全閉状態において見込方向から見て突出部側遮熱材が開閉体側遮熱材の少なくとも一部と重複するように、突出部側遮熱材を構成したので、見込方向から見て突出部側遮熱材が開閉体側遮熱材と重複しない場合に比べて、開閉体のうち隙間の近傍部分を介して火災の熱が見込方向のいずれか一方から他方へ伝導することを抑制でき、防火戸の遮熱性能を一層高めやすくなる。
付記4に記載の防火戸によれば、第1開閉体に設けられた突出部であって、開閉体側隙間の見込方向の端部の一方又はその近傍を覆うように配置された突出部である第1突出部と、第2開閉体に設けられた突出部であって、開閉体側隙間の見込方向の端部の他方又はその近傍を覆うように配置された突出部である第2突出部と、を備え、突出部側遮熱材を、第1突出部又は第2突出部の少なくともいずれか一方に設けたので、開閉体側隙間を介して火災の熱が見込方向のいずれか一方から他方へ伝導することを抑制でき、第1開閉体及び第2開閉体を備える防火戸の遮熱性能を高めることができる。
付記5に記載の防火戸によれば、突出部側遮熱材によって塞がれる隙間又はその近傍に設けられる熱膨張耐火部材であって、火災が発生した際に当該熱膨張耐火部材が火災の熱で膨張することにより、当該隙間を塞ぐための熱膨張耐火部材を備えるので、熱膨張耐火部材によって当該隙間を介して上記火災の炎が見込方向のいずれか一方から他方へ流入することを抑制でき、防火戸の遮炎性能を高めることができる。
付記6に記載の防火戸によれば、突出部側遮熱材が設けられている突出部に、熱膨張耐火部材を設け、突出部側遮熱材によって熱膨張耐火部材の膨張が阻害されないように、熱膨張耐火部材を配置したので、突出部側熱膨張耐火部材を当該突出部に設けた場合に、上記火災が発生した際に熱膨張耐火部材を確実に膨張させることができ、突出部側遮熱材によって塞がれる隙間を介して見込方向の一方側から他方側に向けて上記火災の炎が流入することを回避できる。
1 防火戸
2 躯体
3 開口部
10 枠体
11 左側縦枠材
11a 縦枠材本体
11b 縦側固定材
11c 縦側充填材
11d 縦側凹部
11e 縦側気密凹部
11f 縦側気密材
11g 第1縦側突出部
11h 第2縦側突出部
12 右側縦枠材
13 上側横枠材
13a 横枠材本体
13b 横側固定材
13c 横側充填材
13d 横側凹部
13e 横側気密凹部
13f 横側気密材
13g 第1横側突出部
14 くつずり側横枠材
20 第1開閉体
21 第1枠体側隙間
21a 第1戸尻側枠体側隙間
21b 第1上側枠体側隙間
21c 第1下側枠体側隙間
22 把手部
23 施錠装置
25 開閉体側隙間
30 第1開閉体フレーム
31 第1戸先側縦骨材
32 第1戸尻側縦骨材
33 第1上側横骨材
34 第1下側横骨材
35 第1中間縦骨材
36a 第1中央片
36b 第1屋外側片
36c 第1屋内側片
41 第1屋外側表面材
42 第1屋内側表面材
43 第1戸先側突出部
44 第1上側突出部
45 第1突出部側固定具
50 第2開閉体
51 第2枠体側隙間
51a 第2戸尻側枠体側隙間
60 第2開閉体フレーム
61 第2戸先側縦骨材
62 第2戸尻側縦骨材
65 第2中間縦骨材
66a 第2中央片
66b 第2屋外側片
66c 第2屋内側片
71 第2屋外側表面材
72 第2屋内側表面材
73 第2戸先側突出部
74 第2上側突出部
75 第2突出部側固定具
76 開閉体側気密材
81 第1ヒンジ部
82 第2ヒンジ部
101 開閉体側第1遮熱材
102 開閉体側第2遮熱材
103 開閉体側熱膨張耐火部材
111 第1突出部側遮熱材
112 第1突出部側熱膨張耐火部材
113 第1押圧部材
114 第2押圧部材
121 第2突出部側遮熱材
122 第2突出部側熱膨張耐火部材
123 第3押圧部材
124 第1支持部材
130 縦枠材側熱膨張耐火部材
131 第2支持部材
141 上側遮熱材
142 第1横枠材側熱膨張耐火部材
143 第2横枠材側熱膨張耐火部材
144 第3支持部材
161 第4支持部材
162 気密材
163 押圧部材
200 防火戸

Claims (6)

  1. 建物の開口部に設けられる防火戸であり、前記開口部の周縁に設けられた枠体と、前記開口部を開閉する少なくとも1つ以上の開閉体とを備える防火戸であって、
    前記開閉体又は前記枠体に設けられた突出部であり、前記少なくとも1つ以上の開閉体によって前記開口部を全閉した全閉状態において、前記開閉体同士の相互間又は前記開閉体と前記枠体との相互間に設けられた隙間の見込方向の端部の少なくとも一部を塞ぐように構成された突出部と、
    前記突出部に設けられた突出部側遮熱材であって、前記全閉状態において当該防火戸の周辺で火災が発生した際に、前記隙間を介して前記火災の熱が見込方向のいずれか一方から他方へ伝導することを抑制するための突出部側遮熱材と、
    を備える防火戸。
  2. 前記全閉状態において見込方向から見て前記突出部側遮熱材が少なくとも前記隙間全体と重複するように、前記突出部側遮熱材を構成した、
    請求項1に記載の防火戸。
  3. 前記開閉体が、
    前記隙間の近傍に位置する骨材を含むフレームと、
    前記フレームを覆うための表面材と、
    前記骨材と前記表面材との相互間に設けられた開閉体側遮熱材であって、前記火災が発生した際に前記火災の熱が前記表面材を介して前記骨材へ伝導することを抑制するための開閉体側遮熱材と、を備え、
    前記全閉状態において見込方向から見て前記突出部側遮熱材が前記開閉体側遮熱材の少なくとも一部と重複するように、前記突出部側遮熱材を構成した、
    請求項2に記載の防火戸。
  4. 前記開口部を開閉する第1開閉体及び第2開閉体を備える防火戸であって、
    前記第1開閉体に設けられた前記突出部であって、前記第1開閉体と前記第2開閉体との相互間に設けられた前記隙間である開閉体側隙間の見込方向の端部の一方又はその近傍を覆うように配置された前記突出部である第1突出部と、
    前記第2開閉体に設けられた前記突出部であって、前記開閉体側隙間の見込方向の端部の他方又はその近傍を覆うように配置された前記突出部である第2突出部と、を備え、
    前記突出部側遮熱材を、前記第1突出部又は前記第2突出部の少なくともいずれか一方に設けた、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の防火戸。
  5. 前記突出部側遮熱材によって塞がれる前記隙間又はその近傍に設けられる熱膨張耐火部材であって、前記火災が発生した際に当該熱膨張耐火部材が前記火災の熱で膨張することにより、当該隙間を塞ぐための熱膨張耐火部材を備える、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の防火戸。
  6. 前記突出部側遮熱材が設けられている前記突出部に、前記熱膨張耐火部材を設け、
    前記突出部側遮熱材によって前記熱膨張耐火部材の膨張が阻害されないように、前記熱膨張耐火部材を配置した、
    請求項5に記載の防火戸。
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