JP2021041950A - オーガー式粉体充填装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】容器内に充填される粉体の充填密度を均一化し、充填効率を向上させる。【解決手段】粉体を貯留したホッパーと、ホッパー内からホッパー下方に延び、ホッパー内の粉体を定量的に切り出し、嵩比重を一定にした状態で、粉体充填容器内に充填する複数基のオーガー式充填機と、粉体充填容器を複数基のオーガー式充填機の粉体給出口に対して昇降制御する昇降制御手段と、粉体充填容器の重量により粉体の充填量を計量する計量手段とを備え、昇降制御手段により、複数基のオーガー式充填機の各粉体給出口が粉体充填容器内の底面に臨む位置まで粉体充填容器を上昇させた状態から粉体の充填を開始し、粉体充填容器内への粉体の充填量が増大するに従って粉体充填容器を下降させ、粉体充填容器内への粉体充填圧を一定に維持しながら粉体を充填するようにした。【選択図】 図23

Description

本願発明は、一定分量の粉体を底部がフラットで所定の深さを有する一定容積の充填容器内の全体に可能な限り均一な充填密度で充填することができるようにしたオーガー式粉体充填装置の構成に関するものである。
最近では、粉体(特に微粉体および超微粉体)を底部がフラットで所定の深さを有する一定容積の充填容器内の全体に、粉舞を生じさせることなく、可能な限り均一な嵩密度で、しかも効率良く充填することができる粉体充填装置の開発が求められている。
例えば、今後の需要増大が予想されているリチウムイオン電池などの二次電池の電極材には、正極材としてコバルト酸リチウムやニッケル酸リチウムなどのリチウム複合酸化物が、また負極材として炭素系の材料が使用されているが、それぞれその製造には、超微粉体状態でサヤと呼ばれる焼成容器内への充填、および同焼成容器内に充填された状態での焼成炉内での焼成が必要である。そして、電極材を充填する焼成容器(サヤ)には、焼成炉内への収納率が高く、かつ加熱時に作用する加熱量が均一になるように、全体が正方形の形状で底部がフラットな所定の深さを有する一定容積の耐熱性のある箱形の容器が使用されている。
この場合において、重要なことは、上記焼成容器内に充填されている超微粉体状態の電極材料の全てが均一に焼成され、焼きむらを生じないことである。もしも、焼きむらがあると、良好な品質の電極材料を得ることができず、ひいては電池自体の性能に影響を与えることになる。焼きむらは、上記焼成容器内に充填されている超微粉体の電極材料に充填密度(嵩密度)の相違(むら)がある場合に発生する。したがって、焼きむらを生じさせないためには、上記焼成容器内の全体に亘って可能な限り均一な充填密度(嵩密度)で充填することが必要となる。また、1容器あたりの充填密度(嵩密度)が高いほど充填効率、焼成効率が高くなる。
しかし、上記電極材料のような超微粉体は、重量が同じでも、圧縮されると容積が減少し、逆に篩などに掛けられると容積が増大する。したがって、このような性質を有する一定分量の粉体を、粉舞を生じさせることなく、上記焼成容器のような、全体として方形の形状をなし、底部がフラットで所定の深さを有する一定容積の充填容器内の全体に、高く、かつ均一な嵩密度で充填するのは容易ではない。そこで、そのような超微粉体の充填には、一般にスクリューフィーダ(オ―ガスクリュー)を備えたオーガー式の粉体充填装置が用いられている。
このようなオーガー式の粉体充填装置を用いて、粉体(微粉体、ないし超微粉体)を全体として方形の形状をなし、底部がフラットで所定の深さを有する一定容積の充填容器に充填する充填方法の一例を例えば図29〜図31に示す。
まず図29および図30は、同充填方法において使用されるオーガー式粉体充填装置の基本的な構成と使用されるオーガー式充填機の構成を示している。
図29および図30において、1は、粉体Pを貯留したホッパー(図29では上部側粉体貯留部を省略し、下部側の一部しか示していないが、上部側には十分な量の粉体Pを貯留している)、21は、ホッパー1の下部に設けられた粉体供給用のノズル部を形成している筒体部、22は、ホッパー1および筒体部21内に回転可能に軸装されていて、上端側で図示しないサーボモータにより回転制御されるスクリューフィーダ(オーガースクリュー)、25は、粉体供給用のノズル部を形成している筒体部21下端の粉体給出口であり、2Aは、それら各部によって構成されたオーガー式の粉体充填機(以下、単にオーガー充填機と略称する)である。9は、上述した焼成容器を形成している、全体として方形の形状をなし、底部がフラットで所定の深さを有する一定容積の充填容器である。
このオーガー式粉体充填装置では、ホッパー1内に貯留されている粉体Pをスクリューフィーダ22の切り出し羽根(フライト部)22aで周方向に均一に撹拌しながら定量的に切り出し、嵩比重を一定に保った状態で、ノズル部を形成している上記筒体部21下端側の粉体給出口(粉体切り出し口)25から、上述した焼成容器である充填容器9内に充填してゆく。
この場合、平面視正方形状の充填容器9は、例えば図30に示すように、オーガー充填機2Aの筒体部21下端の粉体給出口25に対し、同粉体給出口25部分がXY方向の中心に対応するように位置決めして配置され、同位置において台秤および昇降手段を介して昇降制御可能に支持される。この状態では、充填容器9内は未だ空であり、同充填容器9は充填機2Aの筒体部21の粉体給出口25から所定距離離れた下方位置にある。
この状態を示すのが図31の(a)であり、この状態から次に図31の(b)に示すように、充填容器9を上方に上げて、充填容器9内の底面と充填機2A側筒体部21下端の粉体給出口25開口面との間の距離(間隔)を粉体充填開始初期の最も小さい距離Gに設定した状態で停止する。この距離Gは、粉体充填開始状態において、図31の(c)に示すように、粉体Pを可能な限り充填容器9内の底部全体に押し出すことができ、かつ所定量押し出された状態において、底部の粉体Pに対してスクリューフィーダ22の切り出し羽根22aによる一定の充填圧(押し下げ圧)を作用させることができる寸法となっている。
したがって、図31(b)の充填スタンバイ状態からスクリューフィーダ22が回転制御されて、粉体Pの充填が始まり、図31(c)の所定充填状態になると、充填容器9内底部の粉体Pに対してスクリューフィーダ22のフライト22aによる一定の充填圧(押し下げ圧)が作用するようになり、その後は、例えば図31の(d)に示すように、充填容器9の深さに応じ、同充填容器9内の底面と充填機2A側筒体部21下端の粉体給出口25開口面との距離(間隔)Gを粉体Pの充填量(嵩)の増大に応じて適切に大きくして行く(充填容器9を下げて行く)ことにより、充填容器9内の全体に亘って一定の充填圧(押し下げ圧)を作用させながら充填して行くことができる。
この場合、スクリューフィーダ22によるホッパー1内の粉体Pの定量的な切り出しはスクリューフィーダ駆動モータのパルス制御によって行われ、充填容器9内への粉体の充填量の増大(容器重量の増加)は充填容器支持部に設けた台秤によって検出される。
この結果、例えば図31の(e)に示すように、最終的に充填容器9内の全体に亘って一定分量充填された粉体Pの下端から上端までの充填密度(嵩密度又は層密度)を一応一定にすることができる。
しかし、このオ―ガ式粉体充填装置の場合、図29および図30の構成から明らかなように、正方形状の充填容器9に対して、単一の充填機2Aで粉体Pを充填するために、仮に図30のように、その粉体給出口25部分を充填容器9の中心に対応させる形で充填を行ったとしても、実際に充填時において充填容器9の底面との間でスクリューフィーダ22のフライト部22aによる押し出し圧を作用させ得るのは、粉体給出口25の外周囲所定半径エリア内のみであり、とても充填容器9の底面部全体には及ばない。
特に、正方形状の充填容器9の場合、XY方向に比べて対角線方向の距離が大きいために、対角線方向の密度差が相当に大きくなる(4隅の嵩密度が低くなる)。したがって、上述の電極材の充填および焼成等に利用した場合、焼きむらが生じやすい。上記の説明で使用した図29〜図31の構成(表現)では、正方形状の充填容器9の寸法に対し、粉体給出口25部分の直径を相対的に大きく拡大して表現しているが、実際には、充填容器9の縦横および対角線方向の寸法の方が遥かに大きいので、以上の密度差問題はより顕著となる。
そこで、このような問題を解決するために、例えば図32〜図36に示すような構成のオ―ガ式の粉体充填装置も検討されている。
このオ―ガ式粉体充填装置の場合にも、充填機2B自体の構成は、上記図29〜図31の充填機2Aと同様のものであり、スクリューフィーダ22によるホッパー1内の粉体Pの定量的な切り出しはスクリューフィーダ駆動モータのパルス制御によって行われる。他方、充填容器9の支持部には台秤等の計量機能が設けられておらず、単純にシリンダにより、充填容器搬送ライン上の充填作業位置(移送位置)から充填容器9の開口面を充填機2Bの粉体給出口25に臨ませる充填位置(図32および図34(a)の状態)まで昇降するのみであり、上述のような充填容器9の深さおよび充填量(嵩)の増大に応じた充填圧維持制御を行えるようにはなっていない。
しかし、その代わりに、上記充填容器9の支持部は、例えば図32および図33の矢印に示すように、充填機2Bの粉体給出口25に対して水平方向にコの字形に(および元のスタート位置までに)スライド制御可能となっている。
そして、それによって、例えば図32および図34の(a)〜(d)に示すように、均等に4分割された正方形状の充填容器9内の粉体充填領域9a〜9d各々の中心部に順次充填機2Bの粉体給出口25を対応させて行って、同正方形状の充填容器9内の4つの充填領域9a〜9dの各々に同じ嵩密度での粉体の充填P1〜P4を行うようにしている。4つの充填領域9a〜9d各々における粉体P1〜P4の充填量は、充填容器9全体の充填量の1/4であり、スクリューフィーダ22駆動モータのパルス制御(回転数制御)のみによって行われる。
このようなオーガー式粉体充填装置によると、上記図29〜図31のような単一の充填機2Aを充填容器9の中心に対応させて充填作業を行う場合のような対角線方向4隅の嵩密度が低くなる問題は解消され、充填容器9内に充填された粉体P1〜P4(図35および図36参照)の嵩密度は全体に亘って略均等になる。
しかし、同構成の場合、まず充填容器9の支持部をコの字状(ないし方形状)にスライドさせるスライド機構、駆動機構、駆動スペースが必要となり、装置構成および製造ライン構成が非常に複雑になり、製品コスト、設備コストが高くなるだけでなく、ユーザーの既製の製造ラインに適用(設置)できないケースが発生する。また、充填容器9の支持部を経時的にコの字状にスライドさせて、順番に4つの充填領域9a〜9dに分割して充填して行くので、充填効率が悪く(移動中は充填できない)、非常に作業時間が長くなる。また、先に充填された粉体低部(周囲)の安息角の影響で、後から充填された粉体の嵩高が変わり、同一の条件での充填ができない問題がある。また、各充填領域9a〜9dの粉体P1〜P4の充填量は、スクリューフィーダ駆動モータのパルス数制御のみで行われており、計量されていないので、充填量にバラツキが生じやすい。
さらに、充填時に充填容器9底面との間で粉体P1〜P4に対してスクリューフィーダ22のフライト22aによる押し下げ圧を作用させることができず、充填容器9の深さおよび充填量(嵩)の増大に応じた充填圧維持制御ができないので、全体(4か所)の嵩密度が均一でも、その密度そのものを高くすることができず、充填効率が悪い。その結果、焼成効率も低下する。
一方、例えば図37(a)〜(c)に示すように、上記図29〜図31のものと同様の単一の充填機2Cを充填容器9の中心部に対応させて粉体Pを充填するようにしたものにおいて、充填機2Cの筒体21の下端に充填容器9の開口部の形状に対応した押さえ蓋21aを設けると共にスクリューフィーダ22の軸部22a下端を所定寸法だけ筒体21の給出口25より下方に伸ばし、同部分に拡散羽根22dを設けたものが提案されている(特許文献1)。
このような構成の場合、まず充填機2Cの粉体給出口25に対して、充填容器9を図29(a)のような対応状態(図37(a))に配置する。次に、この状態から、充填容器9を所定高さ上昇させて、拡散羽根22eが充填容器9内に挿入され、かつ押さえ蓋21aが充填容器9の開口部を閉じた状態において、スクリューフィーダ22駆動モータをパルス駆動し、充填容器9の底部側から開口部側まで、徐々に粉体Pを充填して行く。また、それと同時に拡散羽根22eを回転させることにより、充填された粉体Pを順次周方向に均等に拡散させる。この状態が図37の(b)である。
このような充填作用が所定時間継続されると、やがて充填容器9内に粉体Pが充満するようになるが、充填容器9の開口部は押さえ蓋21aにより閉じられているために、充填された粉体Pは外部に溢れ出ることなく、スクリューフィーダ22からの押し出し圧により全体に亘って充填密度が高められる。この結果、充填容器9内に充填された粉体Pの嵩密度は全体に亘って均等で、かつ密度自体も高いものとなる。また、押さえ蓋21aにより上面高さが規制されているので、充填された粉体Pの嵩も全体に亘って均一になる。
そして、このようにして、一定分量の粉体Pが充填され、充填容器9の重量が設定された値になると、それが検出されて充填を完了し、充填容器9は、図37(c)のように下降して、さらなる所望の工程(焼成工程等)に移送される。
特開2017−7717号公報
図37の(a)〜(c)のような構成によれば、確かに充填容器9内に充填された粉体Pの嵩密度(充填密度又は層密度)が高く、かつ充填容器9内全体に亘って均等化されるであろうことが推測される。
しかし、同構成の場合、充填容器9内に所定量以上の粉体Pが充填されてくると、拡散羽根22eによる粉体の拡散作用が容器内中央部のみでの拡散(回転)となり、必ずしも周方向の全体、および4隅方向には作用しなくなる。また、拡散羽根22eに作用する負荷が大きくなり、充てん量に変動をきたす。したがって、思ったほどの均一な充填密度の均一化は実現できない。また、充填機が単一であるから、充填効率の向上、充填速度のアップには限界がある。
さらに、スクリューフィーダと別に回転羽根、押さえ蓋が必要であり、構成が複雑になる。充填容器9の搬入位置の位置決め、充填容器9開口部内への押さえ蓋21aの嵌合精度を余程高精度に制御しないと、充填容器9開口部内へ押さえ蓋21aをスムーズに嵌合させることができず、効率的な充填作業は難しい。
本願発明は、このような事情に基づいてなされたもので、単一のホッパーに対して、充填容器の形状に応じた複数の充填機を組み合わせることによって、充填容器内全体に充填される粉体の充填密度の向上、および均一化を可能にすると共に、大きく充填速度を向上させたオ―ガ式粉体充填装置を提供することを目的とするものである。
本願発明は、上記の課題を解決するための手段として、次のような課題解決手段を備えて構成されている。
(1)請求項1の発明の課題解決手段
この発明の課題解決手段によるオ―ガ式粉体充填装置は、粉体を充填する粉体充填容器と、粉体充填容器内に充填すべき粉体を貯留したホッパーと、ホッパー内からホッパー下方に延びて設置され、ホッパー内の粉体を定量的に切り出し、嵩比重を一定にした状態で、粉体充填容器内に充填する複数基のオーガー式充填機と、粉体充填容器を複数基のオーガー式充填機の粉体給出口に対して昇降制御する昇降制御手段と、粉体充填容器の重量を計量することにより粉体の充填量を計量する計量手段とを備え、昇降制御手段により、複数基のオーガー式充填機の各粉体給出口が粉体充填容器内の底面に臨む位置まで粉体充填容器を上昇させた状態から粉体の充填を開始し、粉体充填容器内への粉体の充填量が増大するに従って粉体充填容器を下降させることにより、複数基のオーガー式充填機の各粉体給出口から粉体充填容器内への粉体充填圧を一定に維持しながら粉体充填容器内に粉体を充填するようにしたことを特徴としている。
このように、粉体を充填する粉体充填容器と、粉体充填容器内に充填すべき粉体を貯留したホッパーと、ホッパー内からホッパー下方に延びて設置され、ホッパー内の粉体を定量的に切り出し、嵩比重を一定にした状態で、粉体充填容器内に充填する複数基のオーガー式充填機と、粉体充填容器を複数基のオーガー式粉体充填機の粉体給出口に対して昇降制御する昇降制御手段と、粉体充填容器の重量を計量することにより粉体の充填量を計量する計量手段とを備え、昇降制御手段により、複数基のオーガー式充填機の各粉体給出口が粉体充填容器内の底面に臨む位置まで粉体充填容器を上昇させた状態から粉体の充填を開始し、粉体充填容器内への粉体の充填量(計量手段により計量される充填容器の重量)が増大するに従って粉体充填容器を下降させることにより、複数基のオーガー式充填機の各粉体給出口から粉体充填容器内への粉体充填圧を一定に維持しながら粉体充填容器内に粉体を充填するようにすると、複数基のオーガー式充填機により粉体充填容器内の全体に亘って均等に粉体充填容器底面との間で一定の充填圧を作用させながら充填することができるようになる。
したがって、粉体充填容器内に充填された粉体の嵩および嵩密度が全体に亘って均一になる。また、複数基のオーガー式充填機の各粉体給出口から粉体充填容器内各所に所定レベル以上の粉体充填圧を有効に作用させることができるから、従来のように1基のオーガー式充填機を使用して充填する場合に比べて、充填された粉体の嵩密度自体も高くなり、充填効率が向上する。
また、複数基のオーガー式充填機を用いて、それらの粉体給出口から複数の個所で同時に粉体を充填するので、単位時間当たりの粉体充填速度も大きく向上する。
(2)請求項2の発明の課題解決手段
この発明の課題解決手段によるオーガー式粉体充填装置は、上記請求項1の発明の課題解決手段によるオーガー式粉体充填装置の構成において、ホッパーの下部には、ホッパー内の粉体貯留室とは別のホッパーの下部側開口面を複数に分割したホッパー構造の複数の分割室と該複数の分割室各々の下部から下方に延びる複数の筒体部が設けられ、ホッパー内からホッパー下方に延びて設置された複数基のオーガー式充填機は、それぞれそれら複数の分割室および複数の筒体部に対応して設けられ、複数の筒体部下端が粉体給出口に形成されていることを特徴としている。
このような構成によると、粉体貯留容量の大きいホッパー(メインホッパー)の下部に、同ホッパー内の粉体貯留室とは別に同ホッパーの下部側開口面を複数に分割したホッパー構造の複数の分割室(サブホッパー)と該複数の分割室各々の下部から下方に延びる複数の筒体部が設けられており、それらによって複数基のオーガー式充填機に対応した複数本のファンネル部が形成される。
そして、ホッパー内からホッパー下方に延びて設置された複数基のオーガー式充填機は、それぞれそれら複数の分割室および複数の筒体部に対応して設けられ(そのスクリューフィーダ部をホッパー内から複数の分割室および複数の筒体部内に通す形で設けられ)、複数の筒体部下端が粉体給出口に形成されている。
したがって、複数基のオーガー式充填機が駆動されると、ホッパー内の粉体は、まず複数の分割室に均等に分配され、その後、スクリューフィーダにより複数の筒体部を介して均等に粉体充填容器内に充填されることになる。
このため、単一のホッパーを複数基のオーガー式充填機に供用することができ、複数基のオ―ガ式粉体充填機のそれぞれに専用の容量の大きいホッパーを設けて構成する場合に比べて、装置自体を遥かに小型化することができる。
また、複数基のオーガー式充填機(そのファンネル部)各々に対する粉体の供給条件が均等になり、充填容器内全体に均等な密度で充填できるようになる。
(3)請求項3の発明の課題解決手段
この発明の課題解決手段によるオーガー式粉体充填装置は、上記請求項2の発明の課題解決手段によるオーガー式粉体充填装置の構成において、粉体充填容器が平面視正方形状で所定の深さを有する粉体焼成用の耐熱性容器(例えば上述したサヤ)により構成され、サブホッパーである複数の分割室および複数の筒体部(複数本のファンネル部)は、それぞれ充填位置に位置決めされた粉体充填容器の容器開口面を均等な大きさに4分割した4つの充填領域の中心位置に対応するように設けられていることを特徴としている。
このような構成によると、粉体の充填時において、各々オーガー式充填機が設けられた複数の分割室および複数の筒体部が、それぞれ所定の充填位置に位置決めされた平面視正方形状で所定の深さを有する粉体焼成用の耐熱性容器よりなる粉体充填容器の容器開口部を均等な大きさに4分割した容器開口部内の4つの充填領域の中心に対応して、それぞれが均等に粉体の充填を行うようになる。
その結果、均等な大きさで4分割された容器開口部内の4つの充填領域のそれぞれは従来に比べて非常に狭いものとなり(1/4)、同分担領域に対して1基のオ―ガ式充填機で全体に亘って十分な充填圧を作用させながら有効に充填して行くことができるようになる。したがって、X−Y方向はもちろん、対角線方向の4隅にも均等な量、均等な密度で確実に充填することが可能となり、従来に比べて充填容器内全体の充填量および充填密度を遥かに均一なものとすることができる。また、充填機切り出し羽根の容器底面に対する押圧力も有効に作用するようになるので、充填密度自体も高いものとなり、充填効率が向上する。
さらに、4基のオーガー式充填機を均等な大きさで4分割された充填容器内の4つの充填領域のそれぞれに対応させて充填するようにした場合、オーガー式充填機同士の隣接部でのスクリューフィーダの回転方向(粉体拡散給出方向)は、それぞれ相互に逆の方向となるので、充填容器内での粉体の拡散性も良好となり、充填容器内での充填密度の均一化がより促進される。また、容器内全体の嵩もフラットになる。
したがって、平面視正方形状で底部がフラットな所定の深さを有する粉体焼成用の耐熱性容器が粉体充填容器として使用されるリチウムイオン電池の電極材(超微粉体)の充填に適したものとなる。
しかも、4基のオーガー式充填機が、単一の粉体充填容器の4分割された4つの充填領域に同時に同一の条件で充填を行うので、粉体充填容器内への充填密度が均一になることはもちろん、粉体充填容器の充填機に対する相対的な移動制御も必要ないので、充填容器に対する充填速度が大幅に向上し、充填効率が大きく向上する。また、充填容器支持部側の作動機構の構成も簡素化される。
以上の結果、本願発明によると、上述した従来のオーガー式粉体充填装置の技術的課題を確実に解決することができる。また、単位時間当たりの充填速度を大きく向上させ、非常に充填効率の高いものとすることができる。
また、同構成の場合、筒体部先端の粉体給出口の開口面が常に充填容器内にあって、充填容器内の底部ないし充填された粉体の上面に近接した隙間のない状態で、切り出し羽根による押圧力(充填圧)を作用させながら分割状態(複数組)で同時に充填して行くこと、また、その結果、それぞれの粉体給出口からの給出量を大きくしなくても良くなること、さらに複数組の筒体部先端の粉体給出口の開口面が充填容器開口面を広く覆い、蓋の役目を果たすことなどから、従来のような粉舞も生じにくい。したがって、粉体が人体に有害な成分を含むような場合にも有効になる。
さらに、それでいながら、全体として小型コンパクトに形成できるから、ユーザーの既設の粉体充填ラインに対しても容易、かつ低コストに設置することができる。
本願発明の実施の形態に係るオーガー式粉体充填装置の全体構成を示す正面図である。 同粉体充填装置の右側面図である。 同粉体充填装置の平面図である。 同粉体充填装置の図1のV−V矢視拡大図である。 同粉体充填装置の図1のVI−VI矢視拡大図である。 同粉体充填装置の要部である4軸構造のオーガー式粉体充填機構の構成を示す拡大縦断面図である。 同粉体充填装置の要部である4軸構造のオーガー式粉体充填機構におけるホッパーおよびホッパー下部の構成を示す側面図(図1の右側面図)である(ただし、この図では覗き窓を省略して示している)。 同粉体充填装置の要部である4軸構造のオーガー式粉体充填機構におけるホッパーおよびホッパー下部の構成を示す平面図(図7の上面図)である。 同粉体充填装置の要部である4軸構造のオーガー式粉体充填機構におけるホッパーおよびホッパー下部の構成を示す底面図(図7の下面図)である。 同粉体充填装置の要部である4軸構造のオーガー式粉体充填機構におけるホッパーおよびホッパー下部の構成を示す縦断面図である。 同粉体充填装置の要部である4軸構造のオーガー式粉体充填機構における取り外し可能な円筒ファンネル形成部材の構成を示す縦断面図である。 同粉体充填装置の要部である4軸構造のオーガー式粉体充填機構における取り外し可能な円筒ファンネル形成部材の構成を示す平面図(図11の上面図)である。 同粉体充填装置の要部である4軸構造のオーガー式粉体充填機構における取り外し可能な円筒ファンネル形成部材の構成を示す底面図(図11の下面図)である。 同粉体充填装置の図3のVII−VII矢視拡大断面図である。 同粉体充填装置の充填準備工程における充填容器の位置決め状態(台秤上昇前の状態)を示す図である。 同粉体充填装置の充填開始工程における充填容器の充填セット状態(台秤上昇後の状態)を示す図である。 図16からの充填工程進行図(充填開始状態)である。 図17からの充填工程進行図(充填中間状態)である。 図18からの充填工程進行図(充填完了状態)である。 同粉体充填装置の充填終了工程における充填容器の搬出準備状態(台秤下降後の状態)を示す図である。 同粉体充填装置の充填準備工程における充填容器の位置決め状態(台秤上昇前の状態)における充填容器とオ―ガ式粉体充填機の筒体および粉体給出口との対応関係を示す水平方向断面図である。 同粉体充填装置の充填準備工程における充填容器の位置決め状態(台秤上昇前の状態)における充填容器とオーガー式粉体充填機の筒体および粉体給出口との対応関係を示す垂直方向断面図である。 上記図15〜図20の各工程におけるオーガー式粉体充填機要部と充填容器との関係の変化を(a)〜(f)として整理した動作状態図(タイムチャート)である。 同粉体充填装置における運転準備段階での制御動作を示すフローチャートである。 同粉体充填装置における自動運転時の制御動作(自動運転開始〜ホッパー内原料レベル制御)を示すフローチャートである。 同粉体充填装置における自動運転時の制御動作(図25のホッパー内原料レベル制御に続く充填モード〜充填重量書き込み制御)を示すフローチャートである。 同粉体充填装置における自動運転時の制御動作(図26の充填重量書き込み制御に続く台秤上昇・容器受け渡し位置移動〜自動運転停止制御)を示すフローチャートである。 本願発明の実施の形態の変形例に係るオーガー式粉体充填装置の構成を示す図14と同様の断面図である。 従来のオーガー式粉体充填装置のオーガー式粉体充填機の構成と対応する粉体充填容器の構成を示す垂直方向の断面図である。 同従来のオーガー式粉体充填装置のオーガー式粉体充填機の構成と対応する粉体充填容器の構成を示す水平方向の断面図である。 (a)〜(e)は、同従来のオーガー式粉体充填装置におけるオーガー式粉体充填機を使用した粉体充填容器に対する粉体の充填工程を示す説明図である。 他の従来例に係るオーガー式粉体充填装置のオーガー式粉体充填機の構成と対応する粉体充填容器の構成を示す垂直方向の断面図である。 同他の従来例に係るオーガー式粉体充填装置のオーガー式粉体充填機の構成と対応する粉体充填容器の構成を示す水平方向の断面図である。 (a)〜(d)は、同他の従来例に係るオーガー式粉体充填装置におけるオーガー式粉体充填機を使用した粉体充填容器に対する粉体の充填工程を示す説明図である。 同他の従来例に係るオーガー式粉体充填装置のオーガー式粉体充填機によって対応する粉体充填容器内に充填された粉体の充填状態を示す垂直方向の断面図である。 同他の従来例に係るオ―ガ式粉体充填装置のオーガー式粉体充填機によって対応する粉体充填容器内に充填された粉体の充填状態を示す平面図である。 (a)〜(c)は、さらなる他の従来例に係るオーガー式粉体充填装置におけるオーガー式粉体充填機の構成と、同オーガー式粉体充填機を用いて対応する粉体充填容器内に粉体を充填する粉体充填工程を示す垂直方向の断面図である。
以下、添付の図1〜図27を参照して本願発明の実施の形態に係るオーガー式粉体充填装置の構成および作用について、詳細に説明する。この実施の形態において充填に使用される粉体は、一例として超微粉体であるリチウムイオン電池の電極材料(正極形成材料)が選ばれている。
図1〜図14は、同オーガー式粉体充填装置の基本的な構成、図15〜図20は、同オーガー式粉体充填装置の粉体充填時の充填動作(工程動作)、図21〜図23は、同オーガー式粉体充填装置の図15〜図20の粉体充填動作に対応した要部の動作形態、図24〜図27のフローチャートは、同オーガー式粉体充填装置の充填制御動作を示している。
<オーガー式粉体充填装置の全体的な構成>
図1〜図14は、本願発明の実施の形態に係るオーガー式粉体充填装置の基本的な構成を示している。
この実施の形態のオーガー式粉体充填装置は、例えばリチウムイオン電池の電極形成材料(例えばCo系、Ni系、Mn系などの正極形成材料)の焼成工場において、超微粉体である同電極材料をセラミック等耐熱性の焼成容器である粉体充填容器に充填し、同粉体充填容器(以下、単に充填容器と言う)を粉体焼成用の炉内に供給する充填容器搬送ライン途中の粉体充填ステーション部分に位置して設置されるようになっている。
図1〜図14において、符号5が充填容器搬送ライン、符号9,9・・が充填容器であり、充填容器搬送ライン5は、未充填の充填容器9,9・・を順次粉体充填ステーション部分に搬入する搬入コンベアローラ51,51・・と、未充填の充填容器9を昇降可能に支持し、粉体充填ステーションを構成する充填部コンベアローラ52,52・・と、充填完了後の充填容器9を順次粉体充填ステーションから搬出し、焼成炉に供給する搬送コンベアローラ53,53・・との相互に連接する3組のコンベアローラにより構成されている。
一方、オーガー式粉体充填装置は、装置ケーシング8と、該装置ケーシング8の上部に設置された粉体貯留用のホッパー(メインホッパー)1と、該ホッパー1内の粉体(ホッパー1内下部の粉体)を所定量ずつ下方に給出するための4基のオーガー式充填機2,2・・と、上記充填部コンベアローラ52,52・・部分に設置され、粉体を充填する充填容器(以下、単に充填容器という)9の重量と共に充填容器9内に充填された粉体の重量を計量するための台秤3と、該台秤3および充填部コンベアローラ52,52・・と共にそれらの上部に載置された充填容器9を鉛直方向に昇降させるための昇降装置4と、充填容器9を台秤3上に出し入れするための容器給排装置5と、上記4基のオーガー式充填機2,2・・、昇降装置4、容器給排装置5等を発停制御するための制御装置(制御ユニット)10とを基本構成としている。
ホッパー1は、図1〜図3に示すように、メインとなる上部側大径大容積の本体室(漏斗状大室)11と、その下部側に在って、さらに後述する4基のオーガー式充填機2,2・・の各々に個別に対応した4組のファンネル部を形成する漏斗形状の4組の分割室(漏斗状小室)12,12・・を一体に連結して構成されている。
すなわち、この実施の形態におけるホッパー1は、例えば図6〜図10に示されるように、全体として水平断面形状が少し左右方向(搬送ライン方向)に長い長方形状をなし、上方側から下方側にかけて次第に断面積が小さくなる角形の漏斗形状(より正確には水平断面がやや長方形の逆角錐台形状)のものに構成されているが、その下端側開口部の開口面は所定の大きさの正方形状に形成されている(図8および図9の構成を参照)。そして、同正方形状の開口面は、X−Y方向に均等に4分割されて4組1/4寸法の正方形状の開口部を形成しており、同正方形状の4組の開口部は、さらに下方に向けて次第に水平方向の断面積を小さくしながら所定の長さ延びる4組の漏斗形状の筒体部1b,1b・・に形成されている。
この4組の筒体部1b,1b・・は、上記ホッパー1の本体室側壁1aに一体に連続する形で設けられており、本体室側壁1aの下端側部分(筒体部1b,1b・・の上端部分)Aでは、その水平断面形状が略正方形状(角筒形状)をしているが、下方に行くに従って次第に円筒形状に絞り加工されて(図8および図10の絞り加工ラインLを参照)、下端側開口部B部分では正円形の開口面を形成している。そして、同下端側開口部B部分の外周には所定面積幅のフランジ部1c、1c・・が設けられ、またその外周囲には補強および支持用の筒状の側壁1d,1d・・が設けられている。なお、図9および図10における符号1g、1g・・は、上記フランジ部1c、1c・・をホッパー1に連結固定しているタッピンネジである。そして、同フランジ1c、1c・・の下面には環状の凹溝部が形成され(図9参照)、同凹溝部を利用して、その下面側に後述する4組のファンネル形成部材80,80・・がそれぞれ取り付けられる(図6参照)。
このファンネル形成部材80、80・・は、例えば図11〜図13に示すように、上部側に漏斗形状の筒体部1b,1b・・の下面側フランジ1c、1c・・に対応した大径のフランジ部80a、下部側に後述する脱気筒71,71・・を一体化した筒体部21,21・・に対応した小径のフランジ部80bを備え、それらの間に分割室12,12・・の一部(下部)を形成する断面逆円錐台形状の次第に断面積を小さくした所定の長さの円形の筒体部を形成している。この断面逆円錐台形状の円形の筒体部は、上記ホッパー1側4組の筒体部1b,1b・・の下端側の円形の開口部に対して、図6に示すように一体に連接され、同上記4組の筒体部1b,1b・・と合わせて、それらの内側に上端側が正方形で、中間部から下方が正円形となった、粉体分配用のサブホッパーとして機能する上述した粉体分配(4分配)および粉体切り出し用(図21の4充填領域9a〜9d対応)の分割室12,12・・を形成するようになっている(4組のオーガ式充填機2,2・・のファンネル部を形成)。
この場合、上記上方側大径のフランジ部80a部分には、180度位置を異にして、上記4組の筒体部1b,1b・・の下端側の開口部に対して(そのフランジ部1cの設けた図示しない係合部材に対して)ヘリコイド構造で係合するダルマ形状の係合孔82,82が180度位置を変えて設けられており、フランジ部1c側の係合部材に対して同2組の係合孔82,82の大径側の孔部を合わせて嵌合し、その後、所定角回転することにより、小径側の孔に係合部材を係合させて着脱可能に係合固定することができるようになっている。このファンネル形成部材80の取付、係合は、後述するように、同ファンネル形成部材80に脱気筒71,71・・および筒体部21,21・・を一体化した上で行われる。したがって、オーガー式充填機2,2・・ファンネル部の清掃等必要なメンテナンスは、当該脱気筒71,71・・および筒体部21,21・・を一体化したファンネル形成部材80のホッパー1下部との係合を解除するだけで容易に実現することができる。
すなわち、上記下方側小径のフランジ部80b部分には、周方向に粉体切り出し用のノズル部を形成する筒体部21、21・・および脱気用の脱気筒71,71・・を取り付けるためのボルト穴80c,80c・・が設けられている。そして、これらのボルト穴80c,80c・・を利用して、図6に示すように、上記分割室12,12・・部分から粉体を切り出すための筒体部21、21・・および脱気用の脱気筒71,71・・が連続したファンネル通路を形成するようにボルトを介して一体に取り付けられる。なお、そのためにファンネル形成部材80の筒体部下端側には、上下に所定の長さの等径部81bが設けられている。
このようにして、この実施の形態の構成では、上端側が正方形で、中間部から下方が円形となった粉体分配(4分配)および粉体切り出し用(4軸切り出し用)の有効な大きさの4組のホッパー構造の分割室(分配用サブホッパー)12,12・・が形成される(図6、図8、図9の構成を参照)。そして、同ファンネル形成部材80の下端側小径のフランジ部80bに対して、さらに外周側に脱気用の脱気筒71,71・・を一体化した水平断面が円形の筒体部(ノズル部)21,21・・が図6のように同軸構造で一体に連結され、小径短筒の漏斗形状の分割室(サブホッパー)12,12・・と筒体部(ノズル部)21,21・・とで、後述する4基のオーガー式充填機2,2・・のファンネル部が形成される。
これら4組のファンネル部は、それぞれ個別に独立した構造のものをホッパー1の下端側正方形状の開口部に組み付けるようにしても良いが、以上のように、メインホッパー1の下部に4組のものを一体に構成し、それらを絞り加工して最終的に円筒体形状の連結部を構成し、それにファンネル形成部材80,80・・を介して脱気筒71,71・・備えた筒体部21,21・・を着脱可能に係合固定できるようにすると、共通な大径大容積のメインホッパー1(本体室11)、その底部に一体化された4組の小径小容量の分配用サブホッパー(小容量の分割室12,12・・)および同4組のサブホッパー(小径ホッパーである分割室12,12・・)の底部に連接される4本の筒体部(ノズル部)21,21・・を有する4段構造(ホッパー1、サブホッパー上段(絞り加工した筒体部1b)、サブホッパー下段(ファンネル形成部材80)、筒体部21(および脱気筒71)の上下に4段)、水平方向に4組の複雑な装置構造であるにもかかわらず、相互の組み付けはファンネル部材80のホッパー1側への係合、ファンネル部材80への筒体部21の締結一体化だけで実現することができるので、組み付けは、正確、かつ容易で、4軸構造のオーガー式充填機2・2・・各々の心出しも容易になる。さらに、着脱が容易であるので、上記の如く清掃等のメンテナンス性にも優れたものとなる。
この場合、上記ホッパー1(本体室11)下端側の開口部の開口形状および大きさ、並びに4組のファンネル部(小径ホッパー構造の分割室12,12・・+筒体部21,21・・)各々の配設位置は、例えば図21および図22に示すように、この実施の形態において採用されている粉体充填容器(焼成容器)9全体の平面形状および寸法、およびそれを平面的に見て均等に4分割した正方形状の4組の充填領域(図21の符号9a〜9d部分を参照)に正確に対応したものとなっている。
一方、図1および図14に示すように、上記ホッパー1の上部には、充填すべき粉体を投入するための粉体投入口13が設けられている。そして、ホッパー1内への粉体の供給は、粉体搬入コンベア14(図1参照)により粉体投入口13を介してなされる。ホッパー1内に貯留される粉体の上限レベルは、粉体レベル検出器15によって常時検知されており、該粉体レベル検出器15のON・OFFに対応した制御装置10からの指令信号により粉体搬入コンベア14を発停制御(ON,OFF)するようになっている。
4基の各オーガー式充填機2,2・・は、それぞれスクリューフィーダ(オ―ガスクリュー)22と、スクリューフィーダ22を回転するモータ(サーボモータ)23と、スクリューフィーダ22を鉛直姿勢でホッパー上部に固定支持する軸受部24と、スクリューフィーダ22の下部が挿通される上記分割室(粉体分割分流用のサブホッパー)12および粉体給出用の筒体部(ノズル部)21を有している。
4基のオーガー式充填機2,2・・下部の筒体部21,21・・は、上記ホッパー1(本体室11)の底部の各分割室(粉体分割分流用のサブホッパー)12,12・・部分からそれぞれ下向きに所定の長さ延設され、その下端がそれぞれ充填容器9側への粉体給出口25となっている。つまり、この実施の形態の場合、上記ホッパー1底部の各分割室(粉体分割分流用のサブホッパー)12,12・・とこれらに続く筒体部21,21・・が、当該オーガー式充填機2,2・・の実質的なファンネル部を形成している。
スクリューフィーダ22には、その回転軸22aの中間高さ位置(ホッパー1の本体室11内下部位置)にホッパー1内の粉体を下方に供給する(本体室11内の上記4分割された4か所で、それぞれ粉体を下方に均等に押し下げて、上記下部側のサブホッパーである分割室12,12・・部分に均等に分割供給する)大径羽根(大径フライト)22bが設けられている一方、同回転軸22aの下部側分割室12,12・・内から筒体部21,21・・内位置には、上記分割室12,12・・内に均等に供給された粉体を筒体部21,21・・内の粉体切り出し通路を通して、均一に拡散しながら、一定の嵩比重で下方に定量的に切り出す小径羽根(筒体部21の内径に対応した小径のフライト)22cが設けられている。
上記各オーガー式充填機2,2・・の駆動モータ23,23・・は、例えばロータリーエンコ―ダを備え、その実際の回転数および回転速度を検出して高精度に目標回転数にフィードバック制御することができるパルス制御型のサーボモータが採用されており、後述する第1〜第3の充填制御モード(図26のフローチャートを参照)その他の制御に対応して、制御装置(CPU)10により回転数および回転速度の制御(正逆回転を含む)が行われるようになっている。
一方、各オーガー式充填機2,2・・の各粉体給出口25,25・・の直下には、充填容器9内に充填された粉体重量を計量する台秤3が設置されている。この台秤3には計量手段として、例えばロードセル31が用いられている。この台秤3では、充填容器9の重量込みでの粉体重量が計量されるが、制御装置10において充填容器9の重量を除いた(風袋引きした)実際に充填された粉体重量のみも算出することができるようになっている。
台秤3のロードセル31の上部には、台板32を介して容器給排装置5の一部となる充填部コンベアローラ52、52・・が設置されている。尚、この台秤3は、台板32と該台板32上に設置させる各種部材の合計重量を減算してゼロセットされる。
台秤3の上部(充填部コンベアローラ52,52・・の上部)には、充填容器9が載置されるが、この台秤3と充填部コンベアローラ52,52・・および充填容器9は、昇降装置4により鉛直方向に昇降するようになっている。昇降装置4は、図1、図2に示すように、サーボモータ41で伸縮筒42の可動部(軸部)43を上下動させる構成となっている。このサーボモータ41も上記サーボモータ23,23・・と同様に、ロータリーエンコ―ダを備え、その実際の回転数および回転速度を検出して高精度に目標回転数にフィードバック制御することができるパルス制御型の構成となっている。伸縮筒42の筒体部分はケーシング8内に固定状態で立設されており、可動部(伸縮部)43の上端に台秤3(計量センサとしてのロードセル31を具備)の下部を連結支持している。
そして、この昇降装置4は、後述するように作動状況に応じた制御装置(CPU)10からの制御信号により、上記サーボモータ41を所定の回転方向及び所定の回転速度で駆動することで、台秤3と共にその上に載置される充填容器9を制御プログラム(後述の図24〜図27のフローチャートを参照)に沿った方向と速度で昇降させることができる(充填容器9の昇降制御および粉体充填時の粉体充填状態の進行(充填量の増大)に応じた充填容器9の追従下降制御:図23の(a)〜(f)を参照)。
この実施の形態では、図1、図2、図14に示す台秤3の位置が、台秤3上に充填容器9を受け渡しすることができる受渡位置(充填部コンベアローラ52,52,52が搬入コンベアローラ51,51・・および搬出コンベアローラ53,53・・と同じ高さに連接する最下降位置)となる。充填容器9内へ粉体を充填する際には、昇降装置4によって、まず台秤3および充填容器9を充填部コンベアローラ52,52,52と共に図14(全体図位置)および図15(要部拡大図位置)の受渡位置から図16(要部拡大図位置)に示す充填準備位置(粉体充填機2,2・・の粉体給出口25,25・・に臨むアプローチ位置)まで速やかに上昇させる。
その後、さらに粉体充填機2,2・・の粉体給出口25,25・・が充填容器9内に侵入し、同粉体給出口25,25・・の開口面と充填容器9の底面91との距離が所定の接近距離T(例えばT=20mm程度)になる図15の充填開始位置まで、上記台秤3および充填容器9を充填部コンベアローラ52,52,52と共に上昇させる。そして、この状態から、図17のように粉体充填機2,2・・による充填容器9内への粉体の充填を開始する。
そして、その後、同充填容器9内における粉体の充填量が増えてくると、同充填量の増大に応じて、例えば図17〜図18〜図19のように、充填容器9(および台秤3、充填部コンベアローラ52,52,52、以下の説明では、充填容器9でそれらの全体を代表させる)を徐々に降下させていき、予め定められた一定分量(一定重量)の粉体の充填が完了すると、図20に示すように、元の受渡位置(充填部コンベアローラ52,52,52が、搬入コンベアローラ51,51・・および搬出コンベアローラ53,53・・に連接する位置)に降下させて、充填部コンベアローラ52,52,52側から、搬出コンベアローラ53,53・・側に搬出可能な状態とする(仮想線の状態を参照)。
そして、この状態で、充填部コンベアローラ52,52,52が搬出方向に駆動されると、充填容器9は搬送コンベアローラ53,53・・側に搬出され、同搬出状態で搬送コンベアローラ53,53・・が駆動されると、充填容器9が焼成炉内に搬送される。
この実施の形態では、台秤3の原点位置(待機位置)は、特に図示していないが、例えば図14の充填容器受渡位置より若干低い位置(最下降位置)に設定されていて、後述する自動運転準備工程(図24のフローチャート)において台秤3を同原点位置(待機位置)から上記充填容器受渡位置(図14)まで上昇させるようにしている。
上記充填容器受渡位置(図1及び図14)にある台秤3(および充填部コンベアローラ52,52,52)上には、容器給排装置5によって充填容器9が給拝される。容器給排装置5は、図1、図3、図4、図14に示すように、上記台秤3上に設置されている充填部コンベアローラ52,52,52と、上記充填容器9を充填部コンベアローラ52.52,52上に搬入するための搬入コンベアローラ51,51・・と、上記充填部コンベアローラ52,52,52上から搬出される充填容器9を焼成炉側に搬送する搬送コンベアローラ53,53・・を有して構成されている。
充填部コンベアローラ52,52,52は、台板32上に並列状態で3本設置されている。そして、この各充填部コンベアローラ52,52,52は、昇降装置4により台板32と共に上下に昇降せしめられる。一方、搬入コンベアローラ51,51・・および搬送コンベアローラ53,53・・は、それぞれ所望本数使用されていて、予めレイアウトされた搬入、搬送ラインに設けられている。
この容器給排装置5の各コンベアローラ51,51・・、52,52,52、53,53・・には、それぞれローラ筒回転駆動用のモータが内蔵されている。そして、作動状況に応じて制御装置10からの発停信号によって、それら所定のコンベアローラ51,51・・、52,52,52、53,53・・を発停制御することにより、充填容器9を自動搬入コンベアローラ51,51・・側から充填部コンベアローラ52,52,52上に搬入させ、また充填部コンベアローラ52,52,52上から搬送コンベアローラ53,53・・側に搬出させることができるようになっている。
台秤3の台板32上には、図1及び図4に示すように、充填容器9を搬入コンベアローラ51,51・・側から充填部コンベアローラ52,52,52上に搬入させる際に、充填容器9を充填部コンベアローラ52,52,52上の粉体充填位置(充填機2,2・・に対応した位置)で停止させるためのストッパー装置33が設けられている。このストッパー装置33は、充填容器9が搬入コンベアローラ51,51・・側から充填部コンベアローラ52,52,52上の正確な粉体充填位置(充填機2,2・・に対応した充填アプローチ位置)に搬入させた状態において、充填容器9の先行側端面に衝合する衝合ローラ34をソレノイド35で上方の衝合位置と下方の退避位置との間で上下動させるようにしている。
また、台秤3の台板32上には、図1、図2、図4に示すように、充填部コンベアローラ52,52,52上に受け入れた充填容器9を一方側の定位置に設けた複数個の位置決めローラ37に押し付けて保持するための容器クランパ36を設けている。この容器クランパ36は、図4に明示するように、押し部材36aをソレノイド36bで押し引きすることで、クランプ閉状態とクランプ開状態に変化させ得るようになっている。
さらに、台秤3の台板32上には、図4に示すように、充填容器9が充填部コンベアローラ52,52,52上の上記正確な粉体充填位置に位置していることを検知する充填位置検出器(光電センサ)38と、充填容器9が粉体充填位置から搬送コンベアローラ53,53・・側に移動開始したことを検出する搬出位置検出器(光電センサ)39とが設置されている。
オーガー式粉体充填機2,2・・の筒体21,21・・下端の粉体給出口25,25・・には、例えば図1、図2、図5に示すように、スクリューフィーダ22,22・・の停止状態で粉体給出口25,25・・から粉体(微粉体)が零れ落ちるのを受けるための粉受け(シャッター)26,26・・が設けられている。この粉受け26,26・・は、粉体給出口25,25・・の開口面積とほぼ同等の大きさを持つ円盤状のもので、粉体給出口25,25・・を開閉する蓋板として機能する。そして、この粉受け26,26・・は、例えば図5に明示するように、それぞれソレノイド27,27・・で粉体給出口25,25・・を閉塞する実線図示位置と粉体給出口25,25・・を開放する鎖線図示位置(符号26′参照)との間で水平揺動せしめられるようになっている。
なお、各粉受け26,26・・は、開放位置(図5の符号26′の位置)まで移動した状態では、台秤3上の充填容器9の外周面より外側に位置するようになっている。したがって、充填容器9の昇降の障害にはならない。
ところで、この実施の形態の構成では、例えば図1および図14に示すように、粉体投入口13が平面視若干長方形状のホッパー1上面(本体室11上部の開口部平面)一側の片寄った位置にある関係で、ホッパー1内に貯留される粉体の上面は、符号P1で示すように粉体投入口13直下が高く、粉体投入口13から遠い側が低くなるような傾斜面となりやすい。このように投入された粉体の上面P1が大きく傾斜すると、高所と低所で粉体重量による下向き押圧力が変化し、上記4基のオーガー式充填機2,2・・の各分配用サブホッパーである分割室12,12・・への分配量、分配密度に差が生じ、各オーガー式充填機2,2・・の筒体部21,21・・内における粉体Pの輸送密度、輸送量にバラツキ(差)が生じる。そして、各筒体部21,21・・内の輸送量、輸送密度にバラツキが生じると、それら各筒体部21,21・・の切り出し通路を通して切り出され、粉体給出口25,25・・から給出される粉体の嵩比重、嵩密度に差が出るので、充填容器9内の充填領域9a〜9dによって充填された粉体の層密度や充填厚さに差が生じ易くなる。そして、このように充填容器9内の充填領域9a〜9dによって粉体の層密度や充填厚さに差が生じると、以後の焼成工程において焼成ムラが生じ易くなり、結局最終的な電極材の品質が低下することになる。
このため、この実施の形態のオ―ガ式粉体充填装置では、上述した各オーガー式充填機2,2・・のスクリューフィーダ22,22・・の回転軸22a,22a・・を利用して、上記ホッパー1内に貯留される粉体の上面高さ(嵩)を全体に亘って均一化(フラット化)するための粉体貯留量均一化装置6を設けている。
この粉体貯留量均一化装置6は、例えば図1、図2、図14に示すように、上記オーガー式充填機2,2・・のスクリューフィーダ22,22・・の回転軸22a,22a・・上端部寄り位置(本体室11の上層部位置)に、上述した分割室12,12・・への粉体供給用の羽根(大径フライト)22b(本体室11側)および充填容器9内への粉体切り出し用の羽根(小径フライト)22c(筒体21側)とは別の逆向きの羽根(大径フライト)61を設けて構成されている。
そして、このスクリューフィーダ22において、その正回転時には、下部側の粉体供給用の羽根22b、粉体切り出し用の羽根22cが、それぞれホッパー1本体室11内の粉体を分割室(分配用サブホッパー部)12,12・・内に供給すると共に、同分割室12,12・・内の粉体をそれぞれそのピッチ間で定量的に切り出しながら下方に給送するが、他方、上記均一化装置6を形成する本体室11上部側の逆向きの羽根61,61・・は、ホッパー1本体室11内の上層部位置にある傾斜面状態の(層高さの異なる)粉体P1(図14参照)を連続して上向きに掬い上げる形で撹拌し、嵩高を平準化すると同時に本体室11内に貯留されている粉体の嵩密度の均一化を図る。
このように、逆向き羽根61によりホッパー1本体室11内の上層部位置にある傾斜状態の粉体を上向きに掬いあげながら常時撹拌するようにすると、ホッパー1本体室11内上面の片寄った位置にある粉体投入口13から粉体Pが投入される場合でも、ホッパー1の本体室11内において粉体上面を符号P2(同図14参照)で示すようにほぼ均一な嵩高に維持させ、かつ全体に亘って可能な限り嵩密度の均一化を図ることができる。従って、ホッパー1内本体室11の平面方向の全体に亘って粉体が均一に貯留されるようになり、その重量による下向き方向の押圧力も均一化するので、本体室11側から各分割室12,12・・側への粉体分配量、分配密度(嵩比重)もより均一になる。
その結果、同分割室12,12・・から各筒体部21,21・・内の切り出し通路(粉体輸送路)を経て定量的に切り出される粉体の嵩比重、嵩密度も均一になり、その後、最終的に粉体給出口25,25・・から充填容器9内に充填される粉体Pの充填量、同粉体Pの充填容器9内全体(9a〜9d)に亘る充填密度、充填厚さ(嵩)も一層均一になる。
また、この実施の形態の場合、上記各オーガー式粉体充填機2,2・・の各筒体部21,21・・は、上記分割室12,12・・の下端(底部)側円形開口の開口径およびスクリューフィーダ22の切り出し羽根22c,22c・・の外径に対応した直径のものとなっており、その半径方向外周側には所定の半径方向幅の脱気室(符号省略)を介して外套された筒体部21,21・・よりも大径の脱気筒71,71・・が設けられている。そして、この脱気筒71,71・・内側の脱気室に対応する筒体部21,21・・の略全周には内外方向に貫通した所定の大きさに複数個の脱気孔が形成されている。この脱気孔には、充填される粉体の粒径に対応した特殊な金属製のフィルタが設けられており、粉体成分は通さないが、空気は通すようになっている。
一方、脱気筒71,71・・内の脱気室には、脱気筒71,71・・の所定の位置において真空ポンプ7(図2参照)からの脱気管72,72・・が接続されている。なお、図2において、符号70は、真空ポンプ7と脱気筒71,71・・との間に介設された真空ポンプ7保護用のフィルタ装置である。
そして、この実施の形態では、オ―ガ式粉体充填装置運転中に真空ポンプ7で脱気管72,72・・を介して脱気室内の空気を吸引することにより、筒体部21,21・・内を移送される粉体中から高精度に空気成分を吸引して粉体を高密度に脱気させるようになっている。このように、筒体部21,21・・内を通過する粉体から脱気すると、粉体給出口25,25・・から給出される粉体を、粉舞を生じさせることなく、かつ高密度状態で充填容器9内各所(4カ所)に均一に充填することができる。
<制御装置10によるオ―ガ式粉体充填装置の制御方法>
上記制御装置10は、各種検出器や各種装置の作動状態に基いて、各作動部分に対して所定の制御を行わせるものであるが、この制御装置10による上記オ―ガ式粉体充填装置の制御方法について、例えば図15〜図20の粉体充填工程および同図15〜図20の粉体充填工程に対応した要部の粉体充填状態を1枚の図で経時的に示した図23(a)〜(f)を参照しながら、図24〜図27に示すフローチャートに基づいて詳細に説明する。
この実施の形態の場合、上述のように、当該オ―ガ式粉体充填装置をあくまで実施の一例ではあるが、リチウムイオン電池の電極形成原料である例えばニッケル酸リチウム、コバルト酸リチウムなどの超微粉体を対象として、耐熱性のある焼成容器である充填容器(サヤ)に均一に充填するのに適したものとして構成している。したがって、以下の制御方法では、特に充填対象である粉体を原料(電極形成原料)と表現している。充填容器については、そのまま充填容器なる用語を使用している。
<オ―ガ式粉体充填装置の自動運転準備工程>
まず図24のフローチャートは、上述のオ―ガ式粉体充填装置によって自動的に充填容器9内に電極形成原料(超微粉体)の充填を行う自動運転前の自動運転準備工程を示している。
この自動運転準備工程は、まずステップS1で自動運転準備を開始(自動運転準備開始スイッチをON操作)した後、続くステップS2においてホッパー1内の原料レベル制御を「入」にすると、ステップS3のように原料レベル検出器15が機能する。ここで、原料レベル検出器15は、ホッパー1内の原料が上限レベルに達したときにONになるが、上限レベル未満であればOFF状態を維持するものである。
そして、ステップS3において原料レベル検出器15がOFFであれば、所定タイマ時間経過後にステップS4において搬入コンベア14(図1)に対してホッパー1内への原料の搬入を要求し、ステップS5において搬入コンベア14によりホッパー1内への原料の投入が開始される。
続いて、ステップS6において、原料レベル検出器15がホッパー1内の原料の上限レベルを検知する(ONになる)と、所定タイマ時間経過後に、ステップS7においてホッパー1内への原料の要求をOFFにする(搬入コンベア14を停止させる)ことで、ホッパー1内への原料の投入作業が完了する(ステップS8参照)。
他方、上記ステップS1の自動運転準備を開始(スイッチON)すると、上記ステップS2〜S8の工程とは別に、ステップS9において昇降装置4を作動させて台秤3を原点位置(最下動位置)に移動させた後、ステップS10において粉体給出口25を粉受け26で閉じ、ステップS11において台秤3が充填容器9を含む実際重量を計測し得る状態(台秤風袋引きクリアという)にし、続いてステップS12において、昇降装置4を作動させて台秤3を充填容器受渡位置に移動させることで、ステップS13の自動運転準備が完了する。
<自動運転制御(自動充填制御)>
図25〜図27の一連のフローチャート(A〜Cは、相互のフローの接続部を示している)は、自動運転(充填)制御を行う各種の制御動作を示している。尚、図25〜図27に示す自動運転制御動作のフローチャートでは、上記図24の自動運転準備のフローチャートにおけるステップS2〜S8の操作を含んでおり、図25の自動運転制御でも、ホッパー1への原料投入工程(ステップS22〜S28)が実行される。
すなわち、ホッパー1への原料投入が完了していない状態では、図25のフローチャートにおいて、ステップS21で示す自動運転を開始(自動運転開始スイッチON)した後、ステップS22においてホッパー内原料のレベル制御を「入」にすると、ステップS23のように原料レベル検出器15が機能する。そして、ステップS23において、原料レベル検出器15がOFFであれば、所定タイマ時間経過後にステップS24において搬入コンベア14(図1)に対してホッパー1への原料搬入を要求し、ステップS25において搬入コンベア14によりホッパー1への原料投入が開始される。続いて、ステップS26において原料レベル検出器15がホッパー1内の原料の上限レベルを検知する(ONになる)と、所定タイマ時間経過後にステップS27においてホッパー1への原料要求をOFFにすることで、ホッパー1への原料投入作業が完了する(ステップS28参照)。尚、上記図24の自動運転準備段階において、ホッパー1への原料投入作業が完了(ステップS8が完了)していれば、図25におけるステップS22〜S28は実行されない。
他方、図25のフローチャートにおいて、ステップS21で示す自動運転を開始(運転開始スイッチON)すると、上記ステップS22〜S28の工程とは別に、ステップS29においてオーガー式粉体充填機2の筒体21内を通過する粉体中の空気を脱気するかどうか(脱気モードの「入」又は「切」)を選択することができる。そして、ステップS29において脱気モードを「入」にすると、ステップS30のように真空ポンプ7の運転が開始されて、筒体部21内を通過する粉体中の空気を脱気させることができる。
又、図25のフローチャートにおいて、ステップS21で示す自動運転を開始(運転開始スイッチON)すると、ステップS31以下の各工程が実行される。
まず、ステップS31において台秤3をゼロセットする(初回のみ実施される)と、台秤3(充填部コンベアローラ52,52・・)上に空容器(充填容器9)の受取が可能となり(ステップS32参照)、その後、台秤3上への空容器引渡要求を実行するかどうかを選択する(ステップS33参照)。
ステップS33において空容器引渡要求がONされると、ストッパー装置33が作動して容器ストッパー(ローラ34)が上昇し(ステップS34参照)、続いてステップS35において受入駆動ローラ(搬入コンベアローラ51及び充填部コンベアローラ52)が駆動し、ステップS36の空容器受取中となり、ステップS37において充填位置検出器38で空容器が台秤3上の所定位置(粉体充填位置)まで進入したかどうかを判定する。
ステップS37において充填位置検出器38がONになると、所定タイマ時間経過後に受入駆動ローラー(搬入コンベアローラ51,51・・及び充填部コンベアローラ52,52・・)が停止し(ステップS38参照)、台秤3上への空容器の受取が完了する(ステップS39参照)。その後、ステップS40において容器クランプ36が「閉」作動する。容器クランプ36が「閉」作動すると、充填容器9が台秤3上の正確な粉体充填位置に保持されるが、このとき充填容器9と4つの粉体給出口25,25・・との上下方向の位置関係(対応関係)は、図21および図22に示すように、各粉体給出口25,25・・が充填容器9の正方形の開口部(開口面)をX−Y方向に均等に4分割した各充填領域(図21の9a〜9d)の中心部分に対応するように位置合わせされている。
ステップS40のあと、所定タイマ時間が経過すると、次にステップS41において各粉受け26が「開」作動し(それにより粉体給出口25が開放される)、またステップS42において容器ストッパー(ローラ34)が降下する。
ステップS42のあと、ステップS43において台秤3の表示を風袋引き(充填容器9の重量を無視して疑似的にゼロにする)し、その後、ステップS44において台秤3を充填容器9とともに高速充填開始位置まで上昇させる。これにより、図16の状態となり、充填容器9内の底面91部分が4基のオーガー式充填機2,2・・の筒体部21下端の粉体給出口25の開口面に所定距離Tまで近接(例えば20mm程度の間隔まで近接)した状態となる。
次に、上記ステップS44の台秤上昇制御が終了すると、次にステップS45に進んで、上記ホッパー1内の原料のレベル制御に進む。この場合、ステップS46のように原料レベル検出器15が機能し、該原料レベル検出器15がONになると、図26のステップS47(充填モード選択)に進む。尚、ステップS45(図25)においてホッパー1内の原料のレベル制御が「切」の状態では、ステップS46をバイパスしてステップS47(図26)に進む。
この実施の形態の場合、図26のフローチャートのステップS47以下の制御では、その時の用途、粉体の特性、希望する充填作業速度(能率)に応じて、第1〜第3の3種類の充填制御モード(充填制御プログラム)の中から、ユーザーが希望する何れかの充填制御モードを任意に選択することができるようになっている。
ここで準備されている第1の充填制御モード(図26の左側のステップS48〜S54)は、上述した台秤3のロードセル31による計量機能を全く使用することなく、オーガー式粉体充填機2,2・・のサーボモータ23,23・・のパルス制御(目標回転数制御)のみで、最速で原料粉体の自動充填制御を行うものであり、また第2の充填制御モード(図26の右側のステップS56〜S66)は、オーガー式粉体充填機2,2・・のサーボモータ23,23・・をパルス制御で高速駆動制御する共に、同制御の最初から台秤3のロードセル31による計量値を基に高精度に充填制御を行うものであり、さらに第3の充填制御モード(図26の中央部のステップS67〜S77)は、所定目標重量までは、上記第1の充填制御モードと同様にサーボモータ23,23・・のパルス制御(目標回転数制御)のみによる高速充填を行い、同所定目標重量に対応した駆動パルス数に達すると、その後は台秤3のロードセル31による計量機能を利用した低速充填制御に切りかえて、最終的に上記第2の充填制御モードに近い高精度の充填制御を行うようにしたものである。
粉体の充填に必要な作業時間の短かさを比較すると、上記第1の充填制御モード>第2の充填制御モード>第3の充填制御モードとなり、充填精度の高さを比較すると、第3の充填制御モード>第2の充填制御モード>第1の充填制御モードとなる。
まず充填容器9内への原料粉体Pの充填は、充填容器9(および台秤3)が図15および図23(a)のようにオ―ガ式粉体充填機2,2・・の下方に対応せしめられた位置決め位置から、図16および図23(b)の粉体充填開始位置に上昇制御され、充填容器9内底面91と各オ―ガ式粉体充填機2,2・・下端の粉体給出口25,25・・が所定の距離(隙間)Tまで近接した状態から行われる。そして、以後の充填容器9内への原料粉体Pの充填は、言うまでもなく4基のオーガー式充填機2,2・・をそれぞれ同一の充填条件に設定して、上記第1〜第3の各充填制御モード何れかの制御内容に従って同時に充填制御(駆動制御)する形で行われる。
<第1の充填制御モードが選択された場合>
すなわち、ステップS47における充填制御モードの選択動作(操作判定)において、目標とする充填量に応じたサーボモータ23,23・・のパルス制御(回転数制御)のみによる第1の充填制御モード(台秤3のロードセル31の計量機能を使用しない最高速モード)が選択された場合には、まずステップS48において、オーガー式粉体充填機2,2・・が高速回転駆動されて、粉体給出口25,25・・から原料粉体Pが充填容器9内4か所に高速充填される。
この場合、充填当初は充填容器9が図16および図23(b)に示す充填開始位置で停止した状態(隙間Tを保持した状態)で行われる。そして、同状態から次の図17及び図23(c)に示すように、充填容器9内底部4か所に充填される原料粉体P、P・・の上面側が粉体給出口25,25・・の開口面に達し、相対的に原料粉体P,P・・にスクリューフィーダ22,22・・の羽根22c,22c・・による一定の押圧力が作用するようになるまでは、後述する昇降装置4の微速での充填容器下降制御(充填量の増大に応じた充填容器9の緩やかな下降制御)は行われない。この場合、充填容器9内の原料粉体P,P・・に上記一定の押圧力が作用するようになるまでのサーボモータ23,23・・の駆動パルス数は、予め行った実験結果の測定データに基づいて制御装置10内のメモリ部に微速下降開始パルス数(駆動目標回転数)として設定されている。
そして、続くステップS49において、それまでのサーボモータ23,23・・の駆動パルス数が上記メモリ部に設定されている微速下降開始パルス数に達したと判断されると(充填容器9底部の粉体Pが図17および図23(c)のような状態になると)、ステップS50に進んで、上記昇降装置4を作動させ、その後の原料粉体P,P・・の充填量の増大に応じて、台秤3と共に充填容器9を微速状態で徐々に降下させていく。
すなわち、この状態における粉体給出口25,25・・からの原料粉体給出量と充填容器9の降下速度の関係(粉体給出口25,25・・と充填容器9底面との距離Tの拡大割合)は、図17〜図18および図23(c)〜図23(e)に示すように充填量が増大してゆく各状態において、粉体給出口25,25・・から充填容器9内に給出される給出圧(4組のスクリューフィーダ22,22・・の羽根22c,22c・・による押し出し圧)が容器内全体の粉体P、P・・に対して常時一定の大きさで、均等かつ有効に作用する関係に設定されている。これにより、筒体部21,21・・内のスクリューフィーダ22,22・・により、撹拌・脱気されながら、嵩比重・嵩密度を一定にした状態で、定量的に切り出される原料粉体P,P・・が充填容器9内を均等に分割した4カ所(図21および図33の9a〜9d参照)で一定の押圧力で押圧されながら、均一、かつ高い密度で充填されて行くことになる。その結果、充填容器9内に充填される原料粉体Pの層密度は充填容器9内の全体に亘って均一なものとなり、また従来に比べて密度自体も高いものとなる。したがって、充填速度、充填効率も向上する。
また、筒体部21,21・・給出口25,25・・から給出される上記給出圧力により、4か所の粉体給出口25,25・・の近傍にある先に給出された原料粉体Pの安息角部分を押圧し合う作用が働くので、より均一な層密度で充填されるようになると共に、充填後の充填容器9内の粉体上面が平坦になる。
また、上記のように、4基のオ―ガ式粉体充填機2,2・・を均等な大きさで4分割された4組の分割室12,12・・、筒体部21,21・・を介して、充填容器9内の4つの充填領域9a〜9dのそれぞれに対応させて充填するようにした場合(図8、図9および図21を参照)、オ―ガ式粉体充填機2,2・・同士の隣接部でのスクリューフィーダ22,22・・の切り出し羽根22c,22c・・の回転方向(粉体の拡散切出し方向)は、相互に逆の方向となるので、充填容器9内での拡散性も良好となり、局部的な集中が生じなくなって、充填容器9内全体における充填密度の均一化がより促進される。
また、同構成の場合、複数基のオ―ガ式充填機2,2・・各々の筒体部21,21・・先端の粉体給出口25,25・・の開口面が常に充填容器9内にあって、充填容器9内の底部9aないし充填された粉体Pの上面に近接した隙間のない状態で、切り出し羽根22c,22c・・による押圧力(充填圧)を作用させながら分割状態(複数組)で同時に充填して行くこと、また、その結果、それぞれの粉体給出口25,25・・からの給出量を大きくしなくても良くなること、さらに複数組の筒体部21,21・・先端の粉体給出口25,25・・の開口面が充填容器9の開口面を広く覆い、蓋の役目を果たすことなどから、従来のような粉舞も生じにくい。したがって、粉体が人体に有害な成分を含むような場合にも有効になる。
また、筒体部21,21・・上流側のホッパー1の本体室11下部部分において、粉体供給羽根22b、22b・・により均等な大きさに4分割された4組の分割室(分配用サブホッパー)12,12・・部分に本体室11内の粉体が分配されるが、この本体室11下部部分においても粉体供給羽根22b,22b・・の回転方向は、相互に逆の方向となるので、同分配部での粉体の拡散性が良好となり(部分的に固まらない)、分割室(分配用サブホッパー)12,12・・への分配量、分配密度の均一化が図られる。したがって、その後の筒体部21,21・・内への粉体の供給量、供給密度も、より安定する。
しかも、上記本体室11下部の分割室12,12・・を形成するホッパー1下部の筒体部1b,1b・・は、上部側がホッパー1下端側の開口部を均等に4分割した断面正方形状であるが、その途中からファンネル形成部材80にかけて、次第に断面円形に絞り加工されて、最終的には円筒部を形成しており、極めてスムーズな状態で切り出し羽根22c、22c・・を有する円形の筒体部21,21・・内に粉体を供給するようになっている。
したがって、方形部での均等な分配性能と相乗し、以後の円筒部でホッパー1内の粉体が、より嵩密度、嵩比重の安定した状態で、スムーズに各筒体部21,21・・に供給されることになり、より充填容器9内への充填密度の均一化を図ることができる。これら各部の作用は、後述する第2、第3の充填制御モードの場合にも全く同様である。
そして、やがてステップS51において、サーボモータ23,23・・の実際の高速での駆動パルス数が目標とした高速充填パルス数(充填完了目標パルス数)に達したと判断されると(到達)、各オーガー式充填機2,2・・駆動を停止し、粉体給出口25,25・・からの粉体の給出を止める。そして、ステップS52で高速充填を完了させるとともに台秤3(および充填容器9)の位置移動を完了させる。
他方、ステップS51の判定において、サーボモータ23,23・・の実際の高速での駆動パルス数が目標とする高速充填パルス数(充填完了目標パルス数)に未だ達していないと判断された場合(未到達)には、上記高速での充填状態を継続する。
その後、ステップS53に進んで、昇降装置4を作動させて台秤3(および充填容器9)を元の位置決め位置に降下させる。この結果、図20および図23(f)に示すように、充填容器9の上面が、オ―ガ式粉体充填機2,2・・の粉体給出口25の所定距離下方に位置する離間状態となる。そして、その後、ステップS54に進み、最終的に台秤3のロードセル31で計量された重量(出力値)が安定しているか否かを判定し、安定していると判定されたYESの場合(安定状態となっている場合)には、それを条件(書き込みトリガ―)としてステップS55に進み、その時の台秤3で計測した充填重量をそのまま制御装置10の重量記憶手段部分(RAM)に書き込む。
つまり、この第1の充填制御モードでは、とにかく予め設定された所定充填量に対応した目標回転数(パルス数)だけサーボモータ23,23・・を高速で駆動し、同高速での駆動が終了すると、駆動終了時点で、充填完了と判断し、その時の台秤3のロードセル31による重量測定値をその値如何に関わらず、そのまま当該充填容器9の充填重量として記憶させるものである。したがって、常時台秤3のロードセル31により充填重量を計測しながら充填作業を行う次に述べる第2の充填制御モードに比べると、制御が非常にシンプルであり、より高速でのスクリューフィーダ22,22・・の駆動が可能であるので、充填速度が速く、充填作業能力の高いものとなる。
この場合、上記ホッパー1内の粉体の性状にバラツキ(比重差)があったりすると、充填容器9内への粉体充填重量が設定された目標重量に合致しない場合が生じる可能性があるが、それほど大きな誤差とはならないので、各充填容器間で高精度な充填容量値が要求されない場合(それよりも充填効率の高さが求められる場合)に適している。
もっとも、そのような上記充填容器9内への粉体充填重量が正確に目標重量に合致しない場合にも、一旦充填作業が終わった後に、その時の実際の計測重量と目標重量との差をパルス数に換算して、次回以降に行われるサーボモータ駆動パルス数を自動的に補正する(ステップS51における高速充填パルス数を増減する)ことが可能であるので、そのような構成(補正システム)を採用すれば、上記迅速な充填特性を犠牲にすることなく、より正確な充填をも可能とすることができる。
<第2の充填制御モードが選択された場合>
次に、上記ステップS47における充填制御モードの選択動作(操作)において、上記オーガー式粉体充填機2,2・・の高速での駆動と同時に台秤3のロードセル31で充填容器9内の原料粉体P,P・・の充填重量を計測しながら、サーボモータ23,23・・の回転数(パルス数)を制御することによって、充填容器9,9・・の各々に対して正確な目標充填量の充填(高速充填+低速充填)を行う第2の充填制御モード(高精度モード)が選択された場合の制御動作について説明する。
この場合にも、まずステップS67において、オーガー式粉体充填機2,2・・が高速駆動されて、それらの粉体給出口25,25・・から粉体が充填容器9内の4か所(図21および図21の9a〜9d参照)に高速充填されるが、充填当初は充填容器9が図16および図23(b)に示す充填開始位置で停止した状態(隙間Tを保持した状態)で行われる。そして、同状態から次の図17及び図23(c)に示すように、充填容器9内底部に充填される原料粉体P,P・・の上面側が粉体給出口25,25・・に達し、相対的に原料粉体P,P・・にスクリューフィーダ22,22・・の羽根22c,22c・・による一定の押圧力が作用するようになるまでは、上記同様の昇降装置4による充填容器9(および台秤3)の微速下降制御は行われない。
この原料粉体P,P・・に一定の押圧力が作用するようになるまでのサーボモータ23,23・・の駆動量(パルス数)は、上記第1の充填制御モードの場合と同様に、実験結果に基づいて予め制御装置10内に微速下降開始パルス数(目標回転数)として設定しておいて、同微速下降開始パルス数(目標回転数)に達した時点から台秤3のロードセル31を作動させて充填重量の増大を計測するようにしても良いが、この実施の形態の場合には、高速充填制御開始後、最初から台秤3のロードセル31を作動させておいて(その計量出力を入力するようにしておいて)、原料粉体P,P・・に一定の押圧力が作用するようになった時の充填重量を計測して充填容器9,9・・の微速下降制御(追従制御)を開始させるようにしている。
すなわち、ステップS56で、オ―ガ式粉体充填機2,2・・を高速駆動すると同時に台秤3のロードセル31を作動させて、その計測値を入力し、その後、ステップS57において、同計測値が充填容器9の微速下降制御を開始すべき重量値になったか否かを判定する。そして、その判定結果がYESになると(充填容器9底部の粉体Pが図17および図23(c)のような状態になると)、ステップS58に進んで、上述した昇降装置4を作動させ、その後の原料粉体P,P・・の充填量の増大に応じて、充填容器9(および台秤3)の微速下降制御・高速充填完了位置への移動制御を行う。
すなわち、この状態における粉体給出口25,25・・からの原料粉体給出量と充填容器9の降下速度の関係(粉体給出口25,25・・と充填容器9底面との距離Tの拡大割合)は、たとえば図17〜図19および図23(c)〜図23(e)に示すように充填量が増大してゆく各状態において、粉体給出口25,25・・から充填容器9内に給出される給出圧(4組のスクリューフィーダ22,22・・の羽根22c,22c・・による押し出し圧)が充填容器9内全体の粉体P、P・・に対して常時一定の大きさで、均等かつ有効に作用する関係に設定されている。これにより、筒体部21,21・・内のスクリューフィーダ22,22・・により、撹拌・脱気されながら、嵩比重・嵩密度を一定にした状態で、定量的に切り出される原料粉体P,P・・が充填容器9内を均等に分割した4カ所(図21および図33の9a〜9d参照)で一定の押圧力で押圧されながら、均一、かつ高い密度で充填されて行くことになる。その結果、充填容器9内に充填される原料粉体Pの層密度は充填容器9内の全体に亘って均一なものとなり、また従来に比べて密度自体も高いものとなる。したがって、充填速度、充填効率も向上する。
また、筒体部21,21・・給出口25,25・・から給出される上記給出圧力により、4か所の粉体給出口25,25・・の近傍にある先に給出された原料粉体Pの安息角部分を押圧し合う作用が働くので、より均一な層密度で充填されるようになると共に、充填後の充填容器9内の粉体上面が平坦になる。
また、上記のように、4基のオ―ガ式粉体充填機2,2・・を均等な大きさで4分割された充填容器9内の4つの充填領域のそれぞれに対応させて充填するようにした場合(図21を参照)、オ―ガ式粉体充填機2,2・・同士の隣接部でのスクリューフィーダ22,22・・の羽根22b、22b・・、22c,22c・・の回転方向(粉体の拡散切出し方向)は、相互に逆の方向となるので、充填容器9内での拡散性も良好となり、充填容器9内での充填密度の均一化がより促進される。
また、同構成の場合、複数基のオ―ガ式充填機2,2・・各々の筒体部21,21・・先端の粉体給出口25,25・・の開口面が常に充填容器9内にあって、充填容器9内の底部9aないし充填された粉体Pの上面に近接した隙間のない状態で、切り出し羽根22c,22c・・による押圧力(充填圧)を作用させながら分割状態(複数組)で同時に充填して行くこと、また、その結果、それぞれの粉体給出口25,25・・からの給出量を大きくしなくても良くなること、さらに複数組の筒体部21,21・・先端の粉体給出口25,25・・の開口面が充填容器9の開口面を広く覆い、蓋の役目を果たすことなどから、従来のような粉舞も生じにくい。したがって、粉体が人体に有害な成分を含むような場合にも有効になる。
なお、ホッパー1下部の筒体部1b、1b・・および分割室12,12・・等の構成に関連する作用については、先の第1の充填制御モードにおける説明を援用する。
その後、ステップS59に進んで、さらに台秤3のロードセル31による容器重量計測値を入力し、同計測値が充填容器9内に高速運転状態で充填すべき高速充填目標重量値(第1の目標重量値)になったか否かを判定する。この高速充填目標重量値は、オ―ガ式粉体充填機2,2・・を高速で駆動して、ほぼ最終的な目標重量値に近い状態まで速やかに充填するためのもので、後に述べる最終目標重量値(第2の目標重量値)より所定重量小さい値に設定されている。そして、その判定結果がYESになると、ステップS60に進んで、オーガー式粉体充填機2,2・・の高速運転(充填)制御を完了するとともに、充填容器9(および台秤3)の高速充填完了位置への移動(下降)も完了する。この時の状態が
図19および図23(e)の状態である。
その後、ステップS61に進んで、台秤3(および充填容器9)を低速充填位置まで降下させ、図20及び図23(f)に示すように充填容器9の上面が粉体給出口25,25・・の下端より所定寸法以上下方に位置する状態となる。そこで、次にステップS62において台秤3のロードセル31の計量値(出力)が安定していることを確認した後、ステップS63において、今度はオーガー式充填機2,2・・を低速で駆動することによって、低速での充填を行う(台秤3のロードセル31での計量値を入力し、最終目標重量と比較しながら不足重量分を低速充填で補充する)。その後、ステップS64において充填容器9内の原料粉体P,P・・が最終目標重量(落差重量)に達したかどうかを判断し、充填容器9内の原料粉体P,P・・が最終目標重量に達すると、ステップS65において、上記低速充填を完了する(オーガー式充填機2,2・・を停止する)。
その上で、続いて、ステップS66において台秤3のロードセル31の計量値(出力)が安定していることを確認した後、上述のステップS55に進んで、台秤3のロードセル31で計測した実際の充填重量値を制御装置10の記憶手段部分(RAM)に書き込む。
この結果、この第2の充填制御モードによる場合には、上述した第1の充填制御モードほどの高速での作業能率の高い充填は実現できないが、充填容器9内の充填量を計量しながら、正確な量の充填が図られる。
<第3の充填制御モードが選択された場合>
さらに、ステップS47における充填制御モードの選択動作(操作)において、サーボモータ23,23・・のパルス制御のみによる高速充填制御と同高速充填制御完了後の低速充填制御を組み合わせた第3の充填制御モード(第1の充填制御モードに第3の充填制御モード組み合わせたもの)が選択されたとすると、まずステップS67において、上述した第1の充填制御モードの場合と同様に、オーガー式粉体充填機2,2・・を高速で駆動する。そして、それにより粉体給出口25,25・・から粉体が充填容器9内に高速充填されるが、充填当初は充填容器9が図16および図23(b)に示す充填開始位置で停止した状態(隙間Tを保持した状態)で行われる。そして、同状態から次の図17及び図23(c)に示すように、充填容器9内底部に充填される原料粉体P,P・・の上面側が粉体給出口25,25・・に達し、相対的に原料粉体P,P・・にスクリューフィーダ22,22・・の羽根22c,22c・・による一定の押圧力が作用するようになるまでは、後述する昇降装置4の微速下降制御は行われない。この原料粉体P,P・・に一定の押圧力が作用するようになるまでのサーボモータ23,23・・の駆動量(パルス数)は、実験結果に基づいて予め制御装置10内に微速降下開始パルス数(目標回転数)として設定されている。
そして、ステップS68においてサーボモータ23,23・・の駆動パルス数が設定されている微速下降開始パルス数に達したと判断されると(充填容器9底部の粉体Pが図17および図23(c)の状態になると)、ステップS69に進んで、昇降装置4を作動させ、その後の原料粉体充填量の増大に応じて、台秤3と共に充填容器9を微速状態で徐々に高速充填完了位置まで下降させていく。
すなわち、この状態における粉体給出口25,25・・からの原料粉体給出量と充填容器9の下降速度の関係(粉体給出口25,25・・と充填容器9底面との距離Tの拡大割合)は、図17〜図19および図23(c)〜図23(e)に示すように充填量が増大してゆく各状態において、粉体給出口25,25・・から充填容器9内に給出される給出圧(4組のスクリューフィーダ22,22・・の羽根22c,22c・・による押し出し圧)が充填容器9内全体の原料粉体P,P・・に対して常時一定の大きさで、均等かつ有効に作用する関係に設定されている。これにより、筒体部21,21・・内のスクリューフィーダ22,22・・により、撹拌・脱気されながら、嵩比重・嵩密度を一定にした状態で、定量的に切り出される原料粉体Pが容器9内の4カ所で一定の押圧力で押圧されながら、均一、かつ高い密度で充填されて行くことになる。その結果、充填容器9内に充填される原料粉体Pの層密度は充填容器9内の全体に亘って均一なものとなり、また従来に比べて密度自体も高いものとなる。したがって、充填速度、充填効率も向上する。
また、筒体部21,21・・給出口25,25・・から給出される上記給出圧力により、4か所の粉体給出口25,25・・の近傍にある先に給出された原料粉体Pの安息角部分を押圧し合う作用が働くので、より均一な層密度で充填されるようになると共に、充填後の充填容器9内の粉体上面が平坦になる。
また、上記のように、4基のオ―ガ式粉体充填機2,2・・を均等な大きさで4分割された充填容器9内の4つの充填領域のそれぞれに対応させて充填するようにした場合(図21を参照)、オ―ガ式粉体充填機2,2・・同士の隣接部でのスクリューフィーダ22,22・・の羽根22b、22b・・、22c,22c・・の回転方向(粉体の拡散切出し方向)は、相互に逆の方向となるので、充填容器9内での拡散性も良好となり、充填容器9内での充填密度の均一化がより促進される。
また、同構成の場合、複数基のオ―ガ式充填機2,2・・各々の筒体部21,21・・先端の粉体給出口25,25・・の開口面が常に充填容器9内にあって、充填容器9内の底部9aないし充填された粉体Pの上面に近接した隙間のない状態で、切り出し羽根22c,22c・・による押圧力(充填圧)を作用させながら分割状態(複数組)で同時に充填して行くこと、また、その結果、それぞれの粉体給出口25,25・・からの給出量を大きくしなくても良くなること、さらに複数組の筒体部21,21・・先端の粉体給出口25,25・・の開口面が充填容器9の開口面を広く覆い、蓋の役目を果たすことなどから、従来のような粉舞も生じにくい。したがって、粉体が人体に有害な成分を含むような場合にも有効になる。
なお、ホッパー1下部の筒体部1b、1b・・および分割室12,12・・等の構成に関連する作用については、先の第1の充填制御モードにおける説明を援用する。
そして、やがてステップS70においてサーボモータ23,23・・の駆動パルス数が目標とする高速充填完了パルス数に達したことが判定されると、各オーガー式充填機2,2・・を停止し(粉体給出口25,25・・からの粉体の給出を停止する)、ステップS71で高速充填を完了させるとともに台秤3(充填容器9)の高速充填完了位置への位置移動制御を停止させる。これにより、第1の充填制御モードと同様のサーボモータ23,23・・高速駆動のパルス制御のみによる充填動作が終了する。
しかし、この第3の充填制御モードの場合、その後、さらにステップS72に進んで、昇降装置4を作動させて台秤3および充填容器9を下降させるが、下降位置が元の位置決め位置ではなく、上述した第2の充填制御モードと同様の低速での充填位置となる。
すなわち、ステップS72では、台秤3(および充填容器9)を低速充填位置まで降下させ、図20及び図23(f)に示すように充填容器9の上面が粉体給出口25,25・・の下端より所定寸法以上下方に位置する状態となる。そこで、次にステップS73において台秤3のロードセル31の計量値(出力)が安定していることを確認した後、ステップS74において、今度はオーガー式充填機2,2・・を低速で駆動することによって、低速での充填を行う(台秤3のロードセル31での計量値を入力し、最終目標重量と比較しながら不足重量分を低速充填で補充する)。その後、ステップS75において充填容器9内の原料粉体P,P・・が最終目標重量(落差重量)に達したかどうかを判断し、充填容器9内の原料粉体P,P・・が最終目標重量に達すると、ステップS76において、上記低速充填を完了する(オーガー式充填機2,2・・を停止する)。
その上で、続いて、ステップS77において台秤3のロードセル31の計量値(出力)が安定していることを確認した後、上述のステップS55に進んで、台秤3のロードセル31で計測した実際の充填重量値を制御装置10の記憶手段部分(RAM)に書き込む。
この結果、この第3の充填制御モードによる場合には、上述した第1の充填制御モードによる高速での作業能率の高い充填機能と第2の充填制御モードによる正確な量の充填機能との両立が図られる。
<充填容器に対する充填完了後の制御>
以上のようにして、第1〜第3の充填制御モード何れかでの充填制御が行われ、それぞれ制御装置メモリ部への対応する充填重量の書き込みが修了すると、その後、図27のフローチャートのステップS78に進み、上記昇降装置4を作動させて、上記各々粉体充填位置にあった充填部コンベアローラ52,52・・を下降させ、図20のように搬送コンベアローラ53,53・・の高さに揃える。なお、第1の充填制御モードのステップS53のように、低速充填位置が設定されておらず、既に容器離間位置まで下降している場合(台秤3の充填部コンベアローラ52,52・・の高さが図12に示す容器受渡高さにある場合)には、同ステップS78の台秤3の下降制御は単なる制御処理(無効処理)となる。
その後、続いて、ステップS79において、筒体部21,21・・下方側の粉受け26,26・・を閉作動させ(それぞれ図5の実線図示位置に戻す)、さらにステップS80において容器クランプ36を開作動させ(図4の押し部材36aを後退させる)、ステップS81において台秤3のロードセル31が充填容器9を含む実際重量を計測し得る状態(台秤風袋引きクリア)にする。
その後、ステップS82において、オーガー式充填機2,2・・を逆転させるかどうかを選択して、該オーガー式充填機2,2・・を逆転させる場合にはステップS83を実行する(逆転させない場合には、ステップS83をジャンプする)。
この状態では、実容器(粉体入り充填容器9)の引渡要求がなされ(ステップS84)、ステップS85において実容器の引渡が可能かどうかを判断し、引渡可能であればステップS86において充填部コンベアローラ52,52・および搬送コンベアローラ53,53・・を駆動させて、図20のように充填が完了した充填容器9を搬出する(矢印および仮想線容器を参照)。
そして、ステップS87において充填位置検出器38がOFF(充填容器9が通過)になり、続いてステップS88において搬出位置検出器39がOFFになると、所定タイマ時間経過後にステップS89において、充填完了容器9の引渡が完了したかどうかを判断し、引渡しが完了していれば、ステップS90において、充填部コンベアローラ52,52・・と搬送コンベアローラ53、53・・の駆動を停止させる。
上記の各工程が終了すれば自動運転の1サイクルが完了し(ステップS91)、ステップS92においてサイクル停止操作を行うかどうかを選択する。そして、ステップS92においてサイクル停止操作「無」の場合には、次の充填工程が継続される一方、ステップS92においてサイクル停止操作「有」の場合には、自動運転が停止される(ステップS93)。そして、それにより全ての制御が終了する。
以上の結果、上記本願発明の実施の形態のオーガー式粉体充填装置によると、従来のオーガー式粉体充填装置の技術的課題を確実に解決することができる。また、単位時間当たりの充填速度を大きく向上させて、非常に充填効率の高いものとすることができる。
また、同構成の場合、複数基のオ―ガ式充填機2,2・・各々の筒体部21,21・・先端の粉体給出口25,25・・の開口面が常に充填容器9内にあって、充填容器9内の底部9aないし充填された粉体Pの上面に近接した隙間のない状態で、切り出し羽根22c,22c・・による押圧力(充填圧)を作用させながら分割状態(複数組)で同時に充填して行くこと、また、その結果、それぞれの粉体給出口25,25・・からの給出量を大きくしなくても良くなること、さらに複数組の筒体部21,21・・先端の粉体給出口25,25・・の開口面が充填容器9の開口面を広く覆い、蓋の役目を果たすことなどから、従来のような粉舞も生じにくい。したがって、粉体が人体に有害な成分を含むような場合にも有効になる。
さらに、それでいながら、全体として小型コンパクトに形成することができるから、ユーザーの既設の粉体充填ラインに対しても容易、かつ低コストに設置することができるようになる。
<変形例>
図28には、上述した実施の形態(図1、図2、図14参照)に係るオ―ガ式粉体充填装置で採用されているホッパー1内に貯留された原料(粉体)の貯留状態を均一化する均一化装置6に変えて、他の構成の粉体均一化装置6Aを設けた同実施の形態の変形例に係るオ―ガ式粉体充填装置の構成を示している。
この図28のオ―ガ式粉体充填装置における粉体均一化装置6Aは、ホッパー1の原料投入口13から本体室11内に投入される原料粉体Pをホッパー1の本体室11内の中心方向に移動・撹拌させる相互に逆向きのスクリュー羽根62a,62bを備えた均一化スクリュー62を本体室11内の上部に位置して水平方向に設置し(複数本でも良い)、そのスクリュー軸(回転軸)部分を所望の駆動モータ63によって、所定の回転数で回転させるようにしたものである。
この均一化スクリュー62の上記相互に逆向きのスクリュー羽根62a,62bは、スクリュー軸(回転軸)の長さ方向中央部を境にして、少し間を開けた前後2箇所に位置するように設けている。
このような構成の場合、モータ63でスクリュー軸を所定方向に回転させると、投入口13側に位置するスクリュー羽根62aで投入口13側から投入された粉体を順次ホッパー本体室11の中心側に移送させる一方、投入口13から離れた位置に移送された粉体を他方側のスクリュー羽根62bでホッパー本体室11の中心側に戻すことができる。
したがって、ホッパー1の本体室11内の粉体を、符号P1で示すような傾斜状態に貯留させることなく、符号P2で示すようなフラットで均一な高さ状態に維持することができ、それによって本体室11内の粉体を下方側4箇所の分割室12,12・・に、より均一な状態で分配することができ、最終的に各粉体充填機2,2・・の筒体部21,21・・の粉体給出口25,25・・から給出される粉体給出量が均等になる。
その結果、充填容器9内全体に亘る粉体充填密度(嵩密度)や粉体厚さ(嵩)を均一にすることができる。
なお、図28において、図1、図2、図14と同じ符号を付しているものは同一の構成のものであるので、先の説明を援用し、その説明を省略する。
1はホッパー、2はオーガー式粉体充填機、3は台秤、4は昇降装置、5は容器給排装置、6,6Aは粉体均一化装置、9は粉体充填容器(充填容器)、10は制御装置(制御ユニット)、11は本体室、12は分割室、21は筒体部、22はスクリューフィーダ、22bは羽根、22cは羽根、23はサーボモータ、25は粉体給出口、31はロードセル、41はサーボモータ、42は伸縮筒、51は搬入コンベアローラ、52は充填部コンベアローラ、53は搬送コンベアローラである。

Claims (3)

  1. 粉体を充填する粉体充填容器と、粉体充填容器内に充填すべき粉体を貯留したホッパーと、ホッパー内からホッパー下方に延びて設置され、ホッパー内の粉体を定量的に切り出し、嵩比重を一定にした状態で、粉体充填容器内に充填する複数基のオーガー式充填機と、粉体充填容器を複数基のオーガー式粉体充填機の粉体給出口に対して昇降制御する昇降制御手段と、粉体充填容器の重量を計量することにより粉体の充填量を計量する計量手段とを備え、昇降制御手段により、複数基のオーガー式粉体充填機の各粉体給出口が粉体充填容器内の底面に臨む位置まで粉体充填容器を上昇させた状態から粉体の充填を開始し、粉体充填容器内への粉体の充填量が増大するに従って粉体充填容器を下降させることにより、複数基のオーガー式粉体充填機の各粉体給出口から粉体充填容器内への粉体充填圧を一定に維持しながら粉体充填容器内に粉体を充填するようにしたことを特徴とするオーガー式粉体充填装置。
  2. ホッパーの下部には、ホッパー内の粉体貯留室とは別のホッパーの下部側開口面を複数に分割したホッパー構造の複数の分割室と該複数の分割室各々の下部から下方に延びる複数の筒体部が設けられ、ホッパー内からホッパー下方に延びて設置された複数基のオーガー式充填機は、それぞれそれら複数の分割室および複数の筒体部に対応して設けられ、複数の筒体部下端が粉体給出口に形成されていることを特徴とする請求項1記載のオーガー式粉体充填装置。
  3. 粉体充填容器が平面視正方形状で所定の深さを有する粉体焼成用の耐熱性容器により構成され、複数の分割室および複数の筒体部は、それぞれ充填位置に位置決めされた粉体充填容器の容器開口面を均等な大きさに4分割した4つの充填領域の中心位置に対応するように設けられていることを特徴とする請求項2記載のオーガー式粉体充填装置。
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