JP2021041893A - 車両の暴走防止システム - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明では、高価な外界センサを用いることなく、ペダルの踏み間違いによる暴走事故をより高い確率で防止できる、車両の暴走防止装置を提供することを目的とする。【解決手段】アクセルペダル1が有効最大値範囲まで踏み込まれた場合に、ペダルアームと接触する位置に配置されたスイッチ2と、該スイッチの出力に基づいて、駆動力制御装置5とブレーキ制御装置6を制御する暴走防止装置と、を有する車両の暴走防止システムであって、前記暴走防止装置3は、前記スイッチが検出した前記アクセルペダルの異常踏込の継続時間が第一閾値を超えたときに、前記駆動力制御装置に駆動力抑制指令を送信する暴走防止システム。【選択図】図1
Description
本発明は、ペダルの踏み間違いによる暴走事故を防止する、車両の暴走防止システムに関する。
アクセルペダルの踏み間違いによる車両暴走事故を抑制するため、近年では、自動ブレーキ機能付きの車両が一般化しつつある。しかし、一般的な自動ブレーキ機能には、カメラやレーダーセンサ等の外界センサ、および、外界センサの出力信号を処理する専用のコントローラなどを必要とするため、高価なシステムとなってしまうという問題があった。
ペダルの踏み間違いによる暴走事故の抑制は喫緊の課題であるため、できるだけ安価な暴走防止装置が必要とされている。このため、例えば、特許文献1では、カメラやレーダーセンサなどの高価な外界センサを用いない方法として、急激にアクセルを踏み込んだ場合、エンジンへの供給燃料を制限してエンジン出力を抑えるものが提案されている。
また、特許文献2では、ブレーキペダルの操作時間やシフトチェンジからの経過時間およびペダルの踏込み踏力などから、エンジン出力を抑制することが提案されている。
ペダルの踏み間違いによる暴走事故は、運転者思い込みにより、ブレーキペダルをアクセルペダルと誤認して発生することが多い。この場合、運転者はブレーキを踏んでいるつもりなのに車両が加速していくという状態であり、正常な判断ができずパニック状態に陥っている状態と考えられる。
特許文献1、2では、アクセルペダルの意図した踏込みとパニック状態での踏み間違いを十分に区別できず、また、踏み間違いが発生した場合の安全側へのフェールセーフについても事故防止のためには十分ではない。例えば、特許文献1では段落0031等で説明されるように、エンジンの給油を制御するブレーキに制御信号を出して、通常加速を抑制するに留まっており、車両の停止まで実現できるわけではない。
更に、意図した踏込みと誤認による踏込みを判断する方法としては、低車速からのアクセル踏込みを条件としているが、例えば、通常速度での走行中に接触事故を起こしたときに、ブレーキと誤認識してアクセルを踏み込む場合もあり、低車速を条件にする場合は、通常速度での走行中の暴走を防ぐことができない。
以上を鑑み、本発明では、高価な外界センサを用いることなく、ペダルの踏み間違いによる暴走事故をより高い確率で防止できる、車両の暴走防止装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の暴走防止システムは、アクセルペダルが有効最大値範囲まで踏み込まれた場合に、ペダルアームと接触する位置に配置されたスイッチと、該スイッチの出力に基づいて、駆動力制御装置とブレーキ制御装置を制御する暴走防止装置と、を有するものであって、前記暴走防止装置は、前記スイッチが検出した前記アクセルペダルの異常踏込の継続時間が第一閾値を超えたときに、前記駆動力制御装置に駆動力抑制指令を送信するものとした。
本発明の暴走防止装置によれば、高価な外界センサを用いることなく、ペダルの踏み間違いによる暴走事故をより高い確率で防止することができる。上記した課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
以下、図面を用いて、本発明の一実施例に係る暴走防止装置を説明する。
図1は、本実施例の暴走防止システムの要部を示す概略図である。図1において、1はアクセルペダル、2はスイッチ、3は暴走防止装置、4は車内スピーカー、5は駆動力制御装置、6はブレーキ制御装置、7はクラクション、8は無線通信装置である。なお、ここでは、暴走防止装置3、駆動力制御装置5、ブレーキ制御装置6を個々に設けた構成を例示しているが、これらは何れもCPU等の演算装置により実現されるものであるため、一つの演算装置で各機能を実現しても良いし、個々に演算装置を用意して各機能を実現しても良い。
アクセルペダル1は、エンジンやモータ等の駆動力を調整するために運転者が操作するペダルである。駆動力制御装置5は、アクセルペダル1の踏込量に応じてエンジン等の駆動力を制御するので、運転者はアクセルペダル1の踏込量を調節することで自車速を所望の速度に調節することができる。
スイッチ2は、アクセルペダル1が有効最大値範囲まで踏み込まれた場合に、ペダルアームと接触する位置に配置されており、アクセルペダル1の超過踏込量を暴走防止装置3に送信する。
暴走防止装置3は、スイッチ2から送信された踏込量信号に基づいて、車内に設置された車内スピーカー4、駆動力制御装置5、ブレーキ制御装置6、クラクション7、無線通信装置8に制御指令を送信する。以下、図2のフローチャートを用いて、暴走防止装置3による具体的な制御内容を説明する。
まず、ステップS1では、暴走防止装置3は、スイッチ2から送信された踏込量信号に基づいて、アクセルペダル1の踏込量を監視する。
アクセルペダル1がスイッチ2に接触しておらず、スイッチ2が「通常範囲」を示す踏込量信号を出力しているときは、ステップS1からステップS2に移行する。ステップS2では、暴走防止装置3は、後述する継続時間のカウンタをゼロにリセットする。その後、ステップS3にて、運転が終了したかを判定し、終了していれば暴走防止装置3の処理を終了し、終了していなければステップS1に戻る。
また、アクセルペダル1がスイッチ2に接触しており、スイッチ2が「有効最大値範囲内」を示す踏込量信号を出力しているときは、ステップS1からステップS4に移行する。ステップS4では、スイッチ2は、アクセルペダル1に反力を付与する。これにより、運転手は、ペダルの踏込量が有効最大値に到達したことを知ることができる。その後、上記したステップS2に移行し、継続時間のカウンタがリセットされる。
さらに、アクセルペダル1がスイッチ2に接触しており、スイッチ2が「有効最大値範囲より大」を示す踏込量信号を出力しているときは、ステップS1からステップS5に移行する。なお、ステップS5からステップS9の処理は、運転者がペダルを踏み間違えても、車両の暴走を防止するための処理である。
まず、ステップS5では、暴走防止装置3は、アクセルペダル1の踏込量の異常を示す警告音を車内スピーカー4から発するとともに、異常踏込の継続時間のカウントを開始する。
ステップS6では、暴走防止装置3は、カウントされた継続時間が閾値T1以上となったかを判定する。なお、閾値T1は例えば0.5秒である。そして、継続時間が閾値T1以上となった場合には、ステップS7に移行する。
ステップS7では、暴走防止装置3は、駆動力制御装置5に駆動力抑制指令を送信して、エンジンやモータの駆動力を抑制するとともに、クラクション7を鳴動させたり、ハザードランプを点滅させたりする。これにより、暴走防止装置3は、車速を抑制すると同時に、車外の者に異常の発生を報知し、危険回避を促すことができる。
ステップS8では、暴走防止装置3は、カウントされた継続時間が閾値T2以上となったかを判定する。なお、閾値T2は例えば2秒である。そして、継続時間が閾値T2以上となった場合には、ステップS9に移行する。
ステップS9では、暴走防止装置3は、ブレーキ制御装置6にブレーキ指令を送信して、ブレーキ(油圧ブレーキ、電動制御ブレーキ等)をかけるとともに、無線通信装置8に携帯電話通信網や路車間通信を介して警察や消防等の外部機関に暴走発生の可能性を通報する。これにより、暴走防止装置3は、車両を速やかに停止させると同時に、警察等に事故発生や運転者自身の異常の可能性を連絡することができる。
なお、ステップS6で継続時間が閾値T1未満と判定されたとき、ステップS8で継続時間が閾値T2未満と判定されたとき、または、ステップS9を終了したときには、上記したステップS3に移行する。従って、ステップS7やステップS9の処理が実施された後であっても、ペダル踏込量が正常範囲に戻れば、ステップS2の処理が実行され、カウンタはリセットされる。なお、そのような場合には、ステップS7やステップS9の処理が取り消されても良い。
次に、図3から図5のタイムチャートを用いて、様々な状況下での、暴走防止装置3による制御を説明する。なお、図3から図5において、(a)はアクセルペダル1の踏込量、(b)はスイッチ2がアクセルペダル1に付与する反力、(c)は車内スピーカー4からの警告音、(d)はクラクション7の鳴動状況およびハザードランプの点滅状況、(e)は車両の駆動力の一例であるエンジンの回転数、(f)はブレーキの制動状況である。
図3は、(a)から明らかなように、運転者が有効最大値範囲を超えてアクセルペダル1を踏み込んだものの、異常踏込の継続時間が閾値T1を超える前に、踏込量を正常範囲(有効最大値範囲の上限値以下)に戻した状況を例示している。この場合、(b)に示すように、踏込量が有効最大値範囲下限を上回る期間中はアクセルペダル1に反力が付与され、(c)に示すように、踏込量が有効最大値範囲を上回る期間中は車内スピーカー4から警告音が発せられる。この例では、警告音を聞いた運転手が直ちに踏込量を正常範囲に戻しているため、(d)から(f)に示すように、暴走防止装置3がクラクション、ハザードランプ、エンジン回転数、ブレーキを制御することはなく、運転者による車両制御が継続される。
図4は、(a)から明らかなように、運転者が有効最大値範囲を超えてアクセルペダル1を踏み込み、異常踏込の継続時間が閾値T1を超えたものの、継続時間が閾値T2を超える前に、踏込量を正常範囲(有効最大値範囲の上限値以下)に戻した状況を例示している。この場合も、(b)に示すように、踏込量が有効最大値範囲下限を上回る期間中はアクセルペダル1に反力が付与され、(c)に示すように、踏込量が有効最大値範囲を上回る期間中は車内スピーカー4から警告音が発せられるが、図3とは異なり、警告音を聞いた運転手が踏込量を正常範囲に戻すのが遅れているため、(d)から(e)に示すように、異常踏込の継続時間が閾値T1を超えた時点から踏込量が正常範囲に戻るまでの期間、暴走防止装置3がクラクション7を鳴動させ、ハザードランプを点滅させ、エンジン回転数を抑制することで、車両の暴走を抑制するとともに、車外の者に異常の発生を報知する。なお、この例では、異常踏込の継続時間が閾値T2を超える前に、踏込量が正常範囲に戻り、車速は減速を始めているため、(f)に示すように、暴走防止装置3がブレーキを制御することはない。
図5は、(a)から明らかなように、運転者が有効最大値範囲を超えてアクセルペダル1を踏み込み、異常踏込の継続時間が閾値T2を超えた状況を例示している。この場合も、(b)に示すように、踏込量が有効最大値範囲下限を上回る期間中はアクセルペダル1に反力が付与され、(c)に示すように、踏込量が有効最大値範囲上限を上回る期間中は車内スピーカー4から警告音が発せられるが、図3や図4と異なり、警告音を聞いた運転手が踏込量を正常範囲に戻しておらず、パニックに陥っていたり、意識を失っていたりしていると考えられる状況である。この場合には、(d)から(e)に示すように、異常踏込の継続時間が閾値T1を超えた時点から、暴走防止装置3がクラクション7を鳴動させ、ハザードランプを点滅させ、エンジン回転数を抑制することで、車速を抑制するとともに、車外の者に異常の発生を報知する。また、異常踏込の継続時間が閾値T2を超えた時点から、暴走防止装置3がブレーキを制御し、車両が短時間で停止できるようにする。また、運転者自身に異常が発生していることも考えられることから、図示していないが、無線通信装置8を介して、警察や消防等の関係機関に異常の発生を通報する。
以上で説明したように、本実施例の暴走防止システムによれば、高価な外界センサを用いることなく、ペダルの踏み間違いによる暴走事故をより高い確率で防止することができる。具体的には、アクセルペダルを正常範囲内で意図的に踏み込んでいる場合は、エンジン等の最大出力を維持することができ、アクセルペダルの踏み間違いの場合は、エンジン等の出力抑制およびブレーキ作動を行うことにより、運転者がパニック状態等となっていても車両を停車させることができる。また、車両のクラクションや無線通信装置を使うことにより、車外に暴走状態を知らせることにより、危険回避、事故時の迅速な対応を期待することができる。
1 アクセルペダル
2 スイッチ
3 暴走防止装置
4 車内スピーカー
5 駆動力制御装置
6 ブレーキ制御装置
7 クラクション
8 無線通信装置
2 スイッチ
3 暴走防止装置
4 車内スピーカー
5 駆動力制御装置
6 ブレーキ制御装置
7 クラクション
8 無線通信装置
Claims (6)
- アクセルペダルが有効最大値範囲まで踏み込まれた場合に、ペダルアームと接触する位置に配置されたスイッチと、
該スイッチの出力に基づいて、駆動力制御装置とブレーキ制御装置を制御する暴走防止装置と、
を有する車両の暴走防止システムであって、
前記暴走防止装置は、前記スイッチが検出した前記アクセルペダルの異常踏込の継続時間が第一閾値を超えたときに、前記駆動力制御装置に駆動力抑制指令を送信することを特徴とする暴走防止システム。 - 請求項1に記載の暴走防止システムにおいて、
前記暴走防止装置は、さらにクラクションとハザードランプを制御するものであり、前記スイッチが検出した前記アクセルペダルの異常踏込の継続時間が前記第一閾値を超えたときに、前記クラクションに鳴動指令を送信し、前記ハザードランプに点滅指令を送信することを特徴とする暴走防止システム。 - 請求項1に記載の暴走防止システムにおいて、
前記暴走防止装置は、前記スイッチが検出した前記アクセルペダルの異常踏込の継続時間が前記第一閾値より大きい第二閾値を超えたときに、前記ブレーキ制御装置にブレーキ指令を送信することを特徴とする暴走防止システム。 - 請求項3に記載の暴走防止システムにおいて、
前記暴走防止装置は、さらに無線通信装置を制御するものであり、前記スイッチが検出した前記アクセルペダルの異常踏込の継続時間が前記第二閾値を超えたときに、前記無線通信装置に外部機関への通報指令を送信することを特徴とする暴走防止システム。 - 請求項1から請求項4の何れか一項に記載の暴走防止システムにおいて、
前記暴走防止装置は、さらに車内スピーカーを制御するものであり、前記スイッチが前記アクセルペダルの異常踏込を検出したときに、前記車内スピーカーに警告音の鳴動指令を送信することを特徴とする暴走防止システム。 - 請求項1から請求項4の何れか一項に記載の暴走防止システムにおいて、
前記スイッチは、前記アクセルペダルの踏込量が有効最大値範囲になったときに、前記アクセルペダルに反力を与えることを特徴とする暴走防止システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019167260A JP2021041893A (ja) | 2019-09-13 | 2019-09-13 | 車両の暴走防止システム |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR20220136710A (ko) * | 2021-04-01 | 2022-10-11 | 엘와이제이디 프렌즈십 인터내셔널 피티이. 리미티드 | 액셀러레이터 잘못 눌림 방지 가속기 및 이의 작동방법 |
WO2023112377A1 (ja) * | 2021-12-15 | 2023-06-22 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 路側機、車両、及び、制御装置 |
-
2019
- 2019-09-13 JP JP2019167260A patent/JP2021041893A/ja active Pending
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WO2023112377A1 (ja) * | 2021-12-15 | 2023-06-22 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 路側機、車両、及び、制御装置 |
JP2023088673A (ja) * | 2021-12-15 | 2023-06-27 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 路側機、及び、暴走車両被害軽減システム |
JP7316593B2 (ja) | 2021-12-15 | 2023-07-28 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 路側機、及び、暴走車両被害軽減システム |
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