(本発明の基礎となった知見)
本発明者らは、冷凍の調理物の調理時間を短縮するために鋭意検討した結果、以下の知見を得た。
従来の加熱調理器において冷凍の調理物を調理する場合、通常、調理物を加熱調理器に入れる前に、例えば自然解凍やマイクロ波加熱装置による解凍等によって事前に解凍した上で、加熱調理器による加熱調理が行われている。
しかしながら、従来の加熱調理器においては、調理物を加熱調理器に入れる前に解凍処理を要するため、冷凍の調理物の調理時間の短縮化(時短)の妨げとなり得る。
また、調理物を事前に解凍することなく従来の加熱調理器により加熱調理を行った場合、調理物の内部温度が表面温度と同様に上昇し得る。このため、内部温度が、調理物内の旨味成分が流出し始める温度に達した後、表面温度が、調理物の表面が焼き固まる温度に達する。これにより、焼き固まっていない表面へ当該旨味成分が流出して食味が落ちるおそれがある。
これに対して、本発明者らは、0℃未満の調理物を加熱調理器により加熱する場合において、0℃以上の調理物を加熱調理する場合よりも、加熱開始時から所定期間の加熱体の出力を大きくして加熱調理器を制御することを見出した。これにより、調理物の表面温度を内部温度よりも短時間で温度上昇させることができる。このため、調理物の表面を焼き固めた後に内部温度を上昇させて加熱調理することができ、調理物内の旨味成分の流出を抑制することができる。この結果、調理物の食味等を落とすことなく、0℃未満の調理物を事前解凍せずに加熱調理することができ、冷凍の調理物の調理時間を短縮できることを見出した。
これらの新規な知見に基づき、本発明者らは、以下の発明に至った。
本発明の第1態様によれば、調理物を載置する調理皿と、調理皿を収納する調理庫と、調理物を加熱する加熱体と、加熱体の出力を制御する制御部と、を備え、制御部は、0℃未満の調理物が調理皿に載置された場合、0℃以上の調理物が調理皿に載置された場合よりも、加熱開始時から所定期間において、加熱体の出力を大きくする加熱モードを有する加熱調理器を提供する。
本発明の第2態様によれば、加熱体は、調理庫において調理皿よりも上方に配置されて調理物を上方から加熱する上加熱体と、調理庫において調理皿よりも下方に配置されて調理物を下方から加熱する下加熱体と、を有し、制御部は、加熱モードにおいて、0℃未満の調理物が調理皿に載置された場合、0℃以上の調理物が調理皿に載置された場合よりも、加熱開始時から所定期間において、上加熱体及び下加熱体の合計の出力を大きくする、第1態様に記載の加熱調理器を提供する。
本発明の第3態様によれば、下加熱体は、誘導加熱により調理皿を加熱する加熱コイルを有する、第2態様に記載の加熱調理器を提供する。
本発明の第4態様によれば、制御部は、0℃未満の調理物が調理皿に載置された場合の第1の加熱モードと、0℃以上の調理物が調理皿に載置された場合の第2の加熱モードと、を有し、第1の加熱モードは、モード開始時から所定期間に加熱体の出力を第2の加熱モードの場合よりも大きくして調理物を加熱する高火力工程を含む、第1態様から第3態様のいずれか1つに記載の加熱調理器を提供する。
本発明の第5態様によれば、時間を計時する計時部をさらに備え、第1の加熱モードの高火力工程は、モード開始時から、計時部により計時される時間が調理物の種類に応じて予め決められた時間を経過するまでの期間に行われる、第4態様に記載の加熱調理器を提供する。
本発明の第6態様によれば、第1の加熱モードは、調理物の種類に応じて決められて高火力工程を含む複数の調理コースを有し、それぞれの調理コースの高火力工程は、モード開始時から、計時部により計時される時間が調理物の種類に応じて予め決められた時間を経過するまでの期間に行われる、第5態様に記載の加熱調理器を提供する。
本発明の第7態様によれば、調理庫内の温度を検知するサーミスタをさらに備え、第1の加熱モードは、高火力工程の後に行われて、サーミスタが予め決められた温度を検知するまでの時間に基づいて調理物の量を算出し、調理終了までの残時間を判定する判定工程をさらに含む、第4態様から第6態様のいずれか1つに記載の加熱調理器を提供する。
本発明の第8態様によれば、第1の加熱モードか第2の加熱モードかを選択する選択部をさらに備え、制御部は、ユーザによって選択部で選択された加熱モードに応じて加熱体の出力を制御する、第4態様から第7態様のいずれか1つに記載の加熱調理器を提供する。
本発明の第9態様によれば、高火力工程において、加熱体の出力を最大にして調理物を加熱する、第4態様から第8態様のいずれか1つに記載の加熱調理器を提供する。
(実施形態)
以下に、本発明の実施形態に係る加熱調理器D1を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によって本発明が限定されるものではない。
また、以下では、説明の便宜上、通常使用時の状態を想定して「上」、「下」、「前」、「後」等の方向を示す用語を用いている。しかしながら、これらの用語は、本実施形態の加熱調理器D1の使用状態等を限定することを意味するものではない。
図1を用いて、加熱調理器D1の全体構成について説明する。図1は、加熱調理器D1の概略構成図である。
図1に示すように、加熱調理器D1は、調理器本体1と、調理器本体1内に設けられる調理庫4と、調理物7を載置する調理皿8と、調理物7を加熱する加熱体H1と、操作部14と、制御部15とを備える。本実施形態の調理物7は、タンパク質を含む食材である。調理物7は、例えば、魚や鶏肉等の食材である。
本実施形態の調理器本体1の上面には、天板2が設けられる。天板2には、例えば鍋P1等の被加熱調理器具が載置される。当該被加熱調理器具は、例えば、天板2の下方に設けられた加熱コイル3によって誘導加熱方式で加熱される。加熱コイル3は、制御部15によって制御されて被加熱調理器具を誘導加熱する。
調理庫4は、前面が開口した略箱形状に形成される。調理庫4の後方には、調理庫4内で発生する煙等を排気する排気筒6が接続される。本実施形態では、排気筒6には、調理庫4内の温度を検知する温度検知部17が設けられる。温度検知部17は、例えばサーミスタである。なお、温度検知部17をサーミスタにすることにより、赤外線センサを用いる場合と比較して、後述のとおり、コストを削減できるが、温度検知部17はサーミスタに限定されない。すなわち、温度検知部17は赤外線センサなどの他の温度検知手段であってもよい。
調理皿8は、扉5に取り付けられて、扉5と共に前後移動する。調理皿8が調理庫4内に収納されているとき、扉5は調理庫4の前面の開口を覆う。本実施形態の調理皿8は、誘導加熱可能な磁性材料を含む。
加熱体H1は、調理皿8上の調理物7に対して加熱を行う。本実施形態の加熱体H1は、調理物7に対して複数方向から加熱する。加熱体H1は、例えば、上加熱体9及び下加熱体13を有する。加熱調理器D1は、上加熱体9及び下加熱体13によって、調理庫4内に収納された調理皿8上の調理物7を上下両面から加熱する。
上加熱体9は、調理庫4において調理皿8よりも上方に配置されて調理物7を上方から加熱する。上加熱体9は、輻射熱によって調理物7を加熱する。上加熱体9は、例えば、シーズヒータ、ミラクロンヒータ、コルチェヒータ等である。上加熱体9のオン時の出力は、例えば1150Wである。
下加熱体13は、調理庫4において調理皿8よりも下方に配置されて調理物7を下方から加熱する。本実施形態の下加熱体13は、誘導加熱で調理皿8を直接加熱することによって調理物7を加熱する加熱コイルである。下加熱体13のオン時の出力は、例えば、1000〜1500Wであって工程に応じて切り替わる。
操作部14は、加熱調理器D1の各種設定を行う部材である。操作部14は、後述の加熱モード及び調理コースをユーザによって選択可能に構成される。操作部14の具体的な構成については、後述する。
制御部15は、メモリ等の記憶部19に記憶されたプログラムを実行することによって所定の機能を実現するCPU又はMPU等の汎用プロセッサを含む。制御部15は、例えば、マイコンにより構成される。
制御部15は、上加熱体9及び下加熱体13の出力を制御する。本実施形態の制御部15は、上加熱体9及び下加熱体13のそれぞれの出力を個別に制御する。制御部15は、例えば商用電源と加熱体H1間に接続されたリレーによって、加熱体H1をオン/オフ制御する。具体的には、制御部15は、一定周期(例えば16秒周期)内のデューティ比(オン/オフ比率)を変更することで、加熱体H1の出力を制御する。このとき、制御部15は、計時部21により計時される間を用いて加熱体H1の出力を制御する。ここで、デューティ比は、例えば8秒オンの場合、8/16と表される。
記憶部19には、第1の加熱モード及び第2の加熱モードが記憶されている。第1の加熱モードは、0℃未満の調理物7(冷凍食材等)が調理皿8に載置された場合の加熱モードである。第2の加熱モードは、0℃以上の調理物7(冷蔵食材や常温食材等)が調理皿8に載置された場合の加熱モードである。本実施形態では、第1の加熱モード又は第2の加熱モードのいずれの加熱モードで加熱調理するかは、ユーザによって操作部14で選択される。
ここで、0℃未満の調理物7とは、室内温度が0℃未満の収容室に収容されていた調理物(冷凍調理物)であって、0℃以上の調理物7とは、室内温度が0℃以上の収容室に収容されていた調理物(冷蔵調理物)である。0℃未満の収容室は、例えば、室内温度が約−20℃〜約−18℃の収容室(冷凍室)や、室内温度が約−3℃〜約−1℃の収容室(パーシャルフリージング室)等である。0℃以上の収容室は、例えば、室内温度が約3℃〜約6℃の収容室(冷蔵室)や、室内温度が約0℃〜約2℃の収容室(チルド室)等である。
次に、図2〜図7を用いて、第1の加熱モード及び第2の加熱モードについて説明する。図2は、加熱調理器D1におけるフローチャートの一例である。図3は、第1の加熱モードにおける、調理庫4内の温度、調理物7の表面温度及び内部温度、並びに加熱体H1の出力(上加熱体9及び下加熱体13の合計の出力)の変化図の一例である。図4は、第1の加熱モードにおけるシーケンス図の一例である。図5は、0℃未満の調理物7を第2の加熱モードで加熱調理した場合における、調理庫4内の温度、調理物7の表面温度及び内部温度、並びに加熱体H1の出力の変化図の一例である。図6は、第2の加熱モードにおける、調理庫4内の温度、調理物7の表面温度及び内部温度、並びに加熱体H1の出力の変化図の一例である。図7は、第2の加熱モードにおけるシーケンス図の一例である。
図3〜図7は、調理物7として塩鮭の切身を4切用いて加熱を行った結果である。図3、図5、及び図6において、実線は上加熱体9及び下加熱体13の合計の出力の時間変化を示し、破線は調理物7の内部温度の時間変化を示し、一点鎖線は調理物7の表面温度の時間変化を示し、二点鎖線は調理庫4内の温度の時間変化を示す。調理庫4内の温度は、温度検知部17によって検知される温度を示す。調理物7の内部温度及び表面温度は、あらかじめ調理物7の外部と内部とに取り付けられた熱電対によって検知される温度を示す。さらに、調理仕上がり後の調理物7の内部温度は、料理用温度計を調理物7に差し込み測定した温度を示す。
図4及び図7において、実線は上加熱体9及び下加熱体13の合計の平均出力の時間変化を示し、破線は上加熱体9の平均出力の時間変化を示し、一点鎖線は下加熱体13の平均出力の時間変化を示す。ここで、平均出力は、連続オンの出力に対してデューティ比を乗じた出力である。
まず、図2〜図5を用いて、第1の加熱モードについて詳細に説明する。図2に示すように、第1の加熱モードが選択された場合、高火力工程ST10と、第1の判定工程ST20と、第1の加熱工程ST30と、第1の焼上工程ST40とを含む第1の加熱モードが行われる。第1の加熱モードは、0℃未満の調理物7に対して、調理開始から調理終了まで自動で火力調整が行われるモード(自動調理モード)である。本実施形態では、第1の加熱モードは、「凍ったままIHグリルモード」と称される。
本実施形態の第1の加熱モードは、調理物7の種類に応じて決められる複数の調理コースを有する。それぞれの調理コースは、高火力工程ST10、第1の判定工程ST20、第1の加熱工程ST30、及び第1の焼上工程ST40を含む。調理コースは、ユーザによって操作部14で選択される。調理コースとして、例えば、魚等の切身を調理する「切身コース」、魚等の干物を調理する「干物コース」、調味料につけた魚の切身等を調理する「つけ焼きコース」等のコースが挙げられる。
図3に示すように、高火力工程ST10は、第1の加熱モードのモード(調理コース)開始時から所定期間t1に調理物7を加熱する工程である。後述の第2の加熱モードにおいては、高火力工程ST10が行われない。高火力工程ST10における上加熱体9及び下加熱体13の合計の平均出力W1(図4)は、高火力工程ST10の次工程(後述の第1の判定工程ST20)の上加熱体9及び下加熱体13の合計の平均出力W2よりも大きく設定される。また、平均出力W1は、第2の加熱モードの場合のモード開始時から所定期間t1における上加熱体9及び下加熱体13の合計の平均出力W2’(図7)よりも大きく設定される。
所定期間t1は、例えば、調理物7の種類及び調理コース等に応じて決められる。高火力工程ST10は、モード開始時から、計時部21により計時される時間が所定期間t1を経過するまでの期間に行われる。所定期間t1は、調理物7の種類及び量などの食材の特性によって任意だが、切身、干物、つけ焼きコースの少なくとも一つにおいて、本実施形態では、加熱開始から加熱終了までの全期間の5%以上10%以下程度の期間である。所定期間t1は、調理庫4内の温度に依らず一定である。所定期間t1は、本実施形態では、調理物7の特性に応じて設定され、5秒以上120秒以下である。所定期間t1は、調理コースが切身コースの場合、例えば2分間に設定される。
高火力工程ST10における上加熱体9の平均出力WU1は、例えば、第1の判定工程ST20における上加熱体9の平均出力WU2と同じ出力に設定される。高火力工程ST10における下加熱体13の平均出力WL1は、第1の判定工程ST20における下加熱体13の平均出力WL2よりも大きくなるように設定される。
本実施形態における高火力工程ST10において、上加熱体9のみを通電して商用電源の電圧を検知する数秒間の検知期間を含む。当該検知期間において、例えば、上加熱体9のデューティ比は16/16に、下加熱体13のデューティ比は0/16に設定される。このとき、上加熱体9及び下加熱体13の合計の平均出力は、1150Wとなる。
当該検知期間の後の高火力工程ST10において、上加熱体9及び下加熱体13を最大出力にして調理物7を加熱する。ここで、上加熱体9及び下加熱体13の最大出力とは、上加熱体9及び下加熱体13の連続オン時の出力である。上加熱体9及び下加熱体13の出力は、例えばデューティ比が16/16に設定される出力であって、上加熱体9及び下加熱体13の合計の平均出力W1は、2650Wとなる。
図3に示すように、高火力工程ST10を行うことによって、調理物7の表面温度を内部温度よりも短時間で温度上昇させることができる。具体的には、調理物7の内部温度は、緩やかな温度上昇で高火力工程ST10終了時において0℃を超えていないのに対して、調理物7の表面温度は、内部温度よりも温度上昇が大きく高火力工程ST10終了時には0℃を超えている(図3では6℃)。
この結果、高火力工程ST10以降においても、調理物7の表面温度と内部温度との間に温度差を付けた状態、すなわち表面温度が内部温度よりも高い状態を維持しながら、調理物7を加熱調理することができる。加熱開始から約7分経過後において、調理物7の表面温度は、アミノ酸等の旨味成分が焼き固まり始める温度(約60℃以上)に達している。調理物7の内部温度は、当該旨味成分が熱変性で動き始める温度(約40℃以上)よりも低い温度(図3の例では約16℃)となっている。これにより、調理物7の表面を焼き固めた後、旨味成分を調理物7内に閉じ込めた状態で調理物7を加熱調理することができ、旨味成分の流出を抑制することができる。
一方、図5に示すように、第2の加熱モードで0℃未満の調理物7を加熱調理した場合、調理物7の表面温度及び内部温度は、概ね同様に温度上昇する。加熱開始から約7分経過後(Q1時点)において、調理物7の表面温度及び内部温度が共に、旨味成分が熱変性で動き始める温度(約40℃以上)に達している。このため、調理物7の表面が焼き固まる前に、調理物7内の旨味成分が表面へ流出し得る。この結果、高火力工程ST10を含まない第2の加熱モードにおいて、0℃未満の調理物7を加熱調理した場合、調理物7の食味を落とす結果となり得る。
図2に示すように、第1の加熱モードにおいて、高火力工程ST10の後に第1の判定工程ST20が行われる。第1の判定工程ST20は、負荷量(調理皿8に載置される調理物7の量)を算出して、調理終了までの残時間(第1の加熱工程ST30及び第1の焼上工程ST40の合計時間)rt1を判定する工程である。
第1の判定工程ST20における負荷量の算出は、例えば、温度検知部17が予め決められた温度(例えば100℃)を検知するまでの経過時間t2に基づいて行われる。当該温度は、例えば調理コース等に応じて設定される。経過時間と負荷量との関係は、例えば記憶部19に予め記憶されている。経過時間と負荷量との関係は、経過時間が長くなるほど負荷量が大きくなっており、例えばリニアの関係となる。制御部15の判定部22は、当該関係を用いて、計時部21によって計時された経過時間t2から負荷量を算出する。本実施形態では、負荷量の算出は、高火力工程ST10ではなく第1の判定工程ST20において行われる。これにより、高火力工程ST10における負荷量を判定する工程を省くことができ、調理時間をより一層短縮することができる。
さらに、判定部22は、算出された負荷量に基づいて残時間rt1を判定する。負荷量と残時間rt1との関係は、例えば記憶部19に予め記憶されている。負荷量と残時間rt1との関係は、負荷量が大きくなるほど残時間rt1が長くなっており、例えばリニアの関係となる。制御部15の判定部22は、当該関係を用いて、算出された負荷量から残時間rt1を判定する。さらに、本実施形態の判定部22は、次工程(第1の加熱工程ST30及び第1の焼上工程ST40)の加熱体H1の出力を判定する。
第1の判定工程ST20における加熱体H1の出力は、例えば、調理コースに応じて設定される。本実施形態の第1の判定工程ST20では、上加熱体9の出力を最大にして下加熱体13の出力を調整することで、加熱調理が行われる。これにより、負荷量を算出しつつ、調理皿8を通じた部分的な加熱ではなく調理物7の外表面全体を加熱して調理物7の表面温度を内部温度よりも短時間で温度上昇させることができる。このため、調理物7の内部温度が調理物7内の旨味成分が流出する温度に達しないようにしつつ、調理物7の表面を焼き固めることができる。
第1の判定工程ST20において、上加熱体9の平均出力WU2は、第2の加熱モードの第2の判定工程ST50における上加熱体9の平均出力WU2’よりも大きい。平均出力WU2は、例えば、高火力工程ST10の上加熱体9の平均出力WU1と同じである。下加熱体13の平均出力WL2は、高火力工程ST10の下加熱体13の平均出力WL1よりも小さい。
第1の判定工程ST20において、例えば、上加熱体9のオン時の出力は1150Wで、下加熱体13のオン時の出力は、1300Wに設定される。上加熱体9のデューティ比は16/16で平均出力WU2は1150W、下加熱体13のデューティ比は2/16で平均出力WL2は163Wに設定される。
第1の判定工程ST20の後、第1の加熱工程ST30が行われる。第1の加熱工程ST30では、第1の判定工程ST20で算出された負荷量に基づいて上加熱体9及び下加熱体13の出力が制御される。第1の加熱工程ST30は、温度検知部17によって検知される温度が例えば調理コース等に応じて予め決められた所定の温度に達するまで行われる。
第1の加熱工程ST30において、例えば単位時間当たりの上昇温度に応じて、上加熱体9及び下加熱体13の出力が調整される。本実施形態では、上加熱体9の出力は一定で、下加熱体13の出力が変更される。第1の加熱工程ST30において、例えば、上加熱体9のオン時の出力は1150Wで、下加熱体13のオン時の出力は、1000W〜1300Wに設定される。上加熱体9のデューティ比は11/16で平均出力は790W、下加熱体13のデューティ比は4/16で平均出力は250W〜325Wに設定される。
第1の加熱工程ST30の後、第1の焼上工程ST40が行われる。第1の焼上工程ST40は、調理物7の加熱調理の仕上げ工程である。第1の焼上工程ST40は、第1の判定工程ST20で算出された調理残時間rt1のうち、第1の加熱工程ST30の時間t3を差し引いた時間で行われる。
本実施形態の第1の焼上工程ST40において、上加熱体9及び下加熱体13の出力は、一定に保たれる。例えば、上加熱体9のオン時の出力は1150Wで、下加熱体13のオン時の出力は、1000Wに設定される。上加熱体9のデューティ比は12.5/16で平均出力は898W、下加熱体13のデューティ比は6/16で平均出力は375Wに設定される。例えば、第1の加熱工程ST30の時間t3が調理残時間rt1よりも長い場合等には、調理庫4内の温度が所定の温度に達するまで第1の焼上工程ST40が行われる。
第1の焼上工程ST40の終了後、制御部15は加熱体H1による加熱を停止し、第1の加熱モードによる加熱調理が終了する。このとき、例えば、報知手段等によって調理終了の旨をユーザに報知してもよい。
次に、図2、図6、及び図7を用いて、第2の加熱モードについて詳細に説明する。ユーザによって第2の加熱モードが選択された場合、第2の判定工程ST50と、第2の加熱工程ST60と、第2の焼上工程ST70とを含む第2の加熱モードが行われる。第2の加熱モードについては、第1の加熱モードと異なる部分を主に説明し、同様の説明については適宜省略する。
第2の加熱モードは、第1の加熱モードの高火力工程ST10に相当する工程を有しない。すなわち、第2の加熱モードでは、モード開始時から所定期間t1に上加熱体9及び下加熱体13を最大出力にする工程を含まない。具体的には、第2の加熱モードのモード開始時から所定期間t1において、上加熱体9及び下加熱体13の少なくとも一方は、連続オンの出力が行われない。すなわち、モード開始時から所定期間において、上加熱体9及び下加熱体13の少なくとも一方のデューティ比は、16秒中、オンの時間が16秒よりも少なくなるように設定される。第2の加熱モードは、0℃以上の調理物7に対して、調理開始から調理終了まで自動で火力調整が行われるモード(自動調理モード)である。
上加熱体9のみを通電して商用電源の電圧を検知する数秒間の検知期間の後、第2の判定工程ST50が行われる。本実施形態の第2の判定工程ST50は、予熱工程ST52と、負荷量算出工程ST54とを含む。
予熱工程ST52は、負荷量算出工程ST54の前に、調理庫4内の温度を所定の予熱温度(例えば60℃)まで予熱する工程である。当該予熱温度は、例えば調理コース等に応じて予め決められる。
本実施形態の予熱工程ST52において、上加熱体9及び下加熱体13の平均出力は、第1の加熱モードの高火力工程ST10の場合よりも小さく設定される。例えば、上加熱体9のオン時の出力は1150Wで、下加熱体13のオン時の出力は、1300Wに設定される。上加熱体9のデューティ比は14.5/16で平均出力は1042W、下加熱体13のデューティ比は8/16で平均出力は650Wに設定される。
予熱工程ST52の後、負荷量算出工程ST54が行われる。負荷量算出工程ST54において、判定部22によって、調理庫4内の温度が所定の温度(例えば100℃)に達するまでの経過時間に基づいて負荷量が算出される。さらに、判定部22は、算出された負荷量に基づいて、調理終了までの残時間(第2の加熱工程ST60及び第2の焼上工程ST70の合計時間)rt2を判定する。本実施形態では、判定部22は、次工程(第2の加熱工程ST60及び第2の焼上工程ST70)の加熱体H1の出力を判定する。
本実施形態の負荷量算出工程ST54において、上加熱体9の平均出力は予熱工程ST52の場合と同じに設定され、下加熱体13の平均出力は予熱工程ST52の場合よりも小さく設定される。負荷量算出工程ST54において、例えば、上加熱体9のオン時の出力は1150Wで、下加熱体13のオン時の出力は、1000Wに設定される。上加熱体9のデューティ比は14.5/16で平均出力は1042W、下加熱体13のデューティ比は3/16で平均出力は188Wに設定される。
第2の判定工程ST50の後、第2の加熱工程ST60が行われる。第2の加熱工程ST60では、第2の判定工程ST50で算出された負荷量に基づいて上加熱体9及び下加熱体13の出力が制御される。第2の加熱工程ST60は、温度検知部17によって検知される温度が例えば調理コース等に応じて予め決められた所定の温度に達するまで行われる。
第2の加熱工程ST60において、例えば単位時間当たりの上昇温度に応じて、上加熱体9及び下加熱体13の出力が調整される。本実施形態では、上加熱体9の出力は一定で、下加熱体13の出力が変更される。第2の加熱工程ST60において、例えば、上加熱体9のオン時の出力は1150Wで、下加熱体13のオン時の出力は、1000Wに設定される。上加熱体9のデューティ比は14.5/16で平均出力は1042W、下加熱体13のデューティ比は6/16で平均出力は375Wに設定される。
第2の加熱工程ST60の後、第2の焼上工程ST70が行われる。第2の焼上工程ST70は、調理物7の加熱調理の仕上げ工程である。第2の焼上工程ST70は、第2の判定工程ST50で算出された調理残時間rt2のうち、第2の加熱工程ST60の時間t6を差し引いた時間で行われる。
本実施形態の第2の焼上工程ST70において、上加熱体9及び下加熱体13の出力は、一定に保たれる。例えば、上加熱体9のオン時の出力は、1150Wで、下加熱体13のオン時の出力は、1000Wに設定される。上加熱体9のデューティ比は14.3/16で平均出力は1028W、下加熱体13のデューティ比は1.9/16で平均出力は119Wに設定される。例えば、第2の加熱工程ST60の時間t6が調理残時間rt2よりも長い場合等には、調理庫4内の温度が所定の温度に達するまで第2の焼上工程ST70が行われる。
第2の焼上工程ST70の終了後、制御部15は加熱体H1による加熱を停止し、第2の加熱モードによる加熱調理が終了する。このとき、例えば、報知手段等によって調理終了の旨をユーザに報知してもよい。
次に、図8〜図10を用いて操作部14の説明を行う。図8は、第1の加熱モードが選択された場合の操作部14を示す平面図である。図9は、図8の後に調理コースが選択された場合の操作部14を示す平面図である。図10は、第2の加熱モードが選択された場合の操作部14を示す平面図である。
図8〜図10に示すように、操作部14は、各種設定を選択可能な選択部14aと、選択部14aで選択された情報等の各種情報を表示する表示部14bとを備える。
選択部14aは、電源スイッチ(図示略)と、モード(メニュー)選択スイッチ23と、調理コース選択スイッチ25と、スタートスイッチ27とを備える。電源スイッチは、加熱調理器D1の電源のオン・オフを行うスイッチである。モード選択スイッチ23は、第1の加熱モード(「凍ったままIHグリルモード」)や第2の加熱モード(「自動モード」)等のモードの選択を行うスイッチである。調理コース選択スイッチ25は、各加熱モードにおける調理コースの選択を行うスイッチである。スタートスイッチ27は、調理コースの調理を開始(又は停止)するスイッチである。
電源スイッチによって加熱調理器D1の電源をオンにした状態で、モード選択スイッチ23を押すことで各モードが選択される。このとき、モード選択スイッチ23が押される毎に、図8に示すポインタ30が表示部14bで移動して選択中のモードが示される。
図8に示すように、モード選択スイッチ23によって第1の加熱モード(「凍ったままIHグリルモード」)が選択されているとき、第1の加熱モードにおける各調理コース名(本実施形態では、「切身コース」、「干物コース」、「つけ焼きコース」)が点灯する。このとき、選択中の調理コースは、例えば点滅して表示される。
調理したい調理コースが点滅している状態でスタートスイッチ27を押すことで、当該調理コース(図8では切身コース)による加熱調理がスタートする。図9に示すように、スタートスイッチ27が押された後は、表示部14bにおいて、各調理コースの目安となる標準的な調理残時間が表示される。第1の判定工程ST20が終了するまでは、当該調理残時間は点滅して表示されており、第1の判定工程ST20によって、調理残時間rt1が判定された後は、調理残時間rt1は点灯して表示される。調理残時間rt1が0分になると、第1の加熱モードによる加熱調理は終了する。
図10に示すように、モード選択スイッチ23によって第2の加熱モード(「自動モード」)が選択された場合、表示部14bには、「切身コース」、「干物コース」、「つけ焼きコース」等の複数の調理コースが表示される。第1の加熱モードでの操作と同様の操作を行うことで、加熱調理がスタートする。
表示部14bに表示される調理残時間は、第2の判定工程ST50が終了するまでは点滅して表示されており、第2の判定工程ST50によって調理残時間rt2が判定された後は、調理残時間rt2が点灯して表示される。調理残時間rt2が0分になると、第2の加熱モードによる加熱調理は終了する。
本実施形態に係る加熱調理器D1によれば、以下の効果を奏することができる。
本実施形態に係る加熱調理器D1において、調理物7を載置する調理皿8と、調理皿8を収納する調理庫4と、調理物7を加熱する加熱体H1と、加熱体H1の出力を制御する制御部15とを備える。制御部15は、0℃未満の調理物7が調理皿8に載置された場合、0℃以上の調理物7が調理皿8に載置された場合よりも、加熱開始時から所定期間において、加熱体H1の出力を大きくする加熱モードを有する。
この構成によれば、0℃以上の調理物7の場合よりも、0℃未満の調理物7の場合の加熱体H1の出力を大きくすることで、0℃未満の調理物7の加熱調理の際、表面温度を内部温度よりも短時間で温度上昇させることができる。このため、調理物7の表面が焼き固まる前に、調理物7の内部温度が調理物7内の旨味成分の流出温度に達することを防ぐことができ、調理物7の表面への旨味成分の流出を抑制できる。
これにより、0℃未満の調理物7を美味しく仕上げることができる。さらに、調理物7の表面への旨味成分の流出を抑制することで、調理物7の出来栄えを向上させることができる。この結果、調理物7の食味等を落とすことなく、0℃未満の調理物7を事前解凍せずに加熱調理することができる。このため、事前解凍の工程を省略することができ、冷凍の調理物7の調理時間を短縮することができる。
また、本実施形態に係る加熱調理器D1において、加熱体H1は、上加熱体9及び下加熱体13を有する。上加熱体9は、調理庫4において調理皿8よりも上方に配置されて調理物7を上方から加熱する。下加熱体13は、調理庫4において調理皿8よりも下方に配置されて調理物7を下方から加熱する。制御部15は、加熱モードにおいて、0℃未満の調理物7が調理皿8に載置された場合、0℃以上の調理物7が調理皿8に載置された場合よりも、加熱開始時から所定期間t1において、上加熱体9及び下加熱体13の合計の出力(平均出力W1)を大きくする。
これにより、調理物7を上下方向から加熱することによって、より効率よく調理物7を加熱することができる。
また、本実施形態に係る加熱調理器D1において、下加熱体13は、誘導加熱により調理皿8を加熱する加熱コイルを有する。
これにより、誘導加熱で調理皿8を直接加熱することで、シーズヒータ等によって輻射熱で調理皿8を加熱する場合よりも、温度制御を容易に行うことができる。
また、本実施形態に係る加熱調理器D1において、制御部15は、0℃未満の調理物が調理皿8に載置された場合の第1の加熱モードと、0℃以上の調理物7が調理皿8に載置された場合の第2の加熱モードとを有する。第1の加熱モードは、モード開始時から所定期間t1に加熱体H1の出力を第2の加熱モードの場合よりも大きくして調理物7を加熱する高火力工程ST10を含む。
これにより、第1の加熱モードにおいて、モード開始時から所定期間t1に加熱体H1の出力を第2の加熱モードの場合よりも大きくすることで、第2の加熱モードの場合と比較して、調理物7の表面温度を内部温度よりも短時間で温度上昇させることができる。
また、本実施形態に係る加熱調理器D1において、時間を計時する計時部21をさらに備える。第1の加熱モードの高火力工程ST10は、モード開始時から、計時部21により計時される時間が調理物7の種類に応じて予め決められた時間を経過するまでの期間に行われる。
これにより、調理物7の種類に応じて予め決められた時間を経過するまで高火力工程ST10を行うことで、調理物7の温度が所定の温度に上昇するまで高火力工程ST10を行うよりも、アルゴリズムを簡易にすることができる。
また、本実施形態に係る加熱調理器D1において、第1の加熱モードは、調理物7の種類に応じて決められて高火力工程ST10を含む複数の調理コースを有する。それぞれの調理コースの高火力工程ST10は、モード開始時から、計時部21により計時される時間が調理物7の種類に応じて予め決められた時間を経過するまでの期間に行われる。
これにより、調理物7の種類に応じて予め決められた時間を経過するまでそれぞれの調理コースの高火力工程ST10を行うことで、調理物7の種類の判定工程を省くことができるため、調理時間をより一層短縮することができる。
また、本実施形態に係る加熱調理器D1において、調理庫4内の温度を検知するサーミスタ17をさらに備える。第1の加熱モードは、高火力工程ST10の後に行われて、サーミスタ17が予め決められた温度を検知するまでの時間に基づいて調理物7の量を算出し、調理終了までの残時間rt1を判定する判定工程ST20をさらに含む。
これにより、サーミスタ17を用いて残時間rt1を判定することで、赤外線センサ等を用いる場合よりも加熱調理器D1のコストを低減することができる。また、高火力工程ST10が温度によってではなく所定期間t1経過後に終了する場合、リアルタイムに温度検知を行う必要がないため、赤外線センサ等を用いる必要がないためコストを低減することができる。
また、本実施形態に係る加熱調理器D1において、第1の加熱モードか第2の加熱モードかを選択する選択部14aをさらに備える。制御部15は、ユーザによって選択部14aで選択された加熱モードに応じて加熱体H1の出力を制御する。
これにより、ユーザによって選択された加熱モードに応じて加熱体H1の出力を制御することで、加熱モードの判定工程を省くことができるため、冷凍の調理物7の調理時間をより一層短縮することができる。
また、本実施形態に係る加熱調理器D1において、高火力工程ST10において、加熱体H1の出力を最大にして調理物7を加熱する。
これにより、冷凍の調理物7の表面温度を内部温度よりも、より短時間で温度上昇させることができる。
なお、本発明は実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施できる。例えば、制御部15は、0℃未満の調理物が調理皿に載置された場合の第1の加熱モードと、0℃以上の調理物が調理皿に載置された場合の第2の加熱モードとを有するとしたが、これに限定されない。制御部15は、例えば第2の加熱モードを有していなくてもよく、加熱調理器D1は、0℃未満の調理物7の加熱調理専用の調理器であってもよい。
また、第1の加熱モード又は第2の加熱モードのいずれの加熱モードで加熱調理するかは、ユーザによって操作部14で選択されるとしたが、自動で加熱モードを選択してもよい。いずれの加熱モードで加熱調理するか、すなわち調理皿8に0℃未満の調理物7が載置されたかどうかは、例えば赤外線センサや温度検知部17(サーミスタ)によって検知されてもよい。
サーミスタによって検知する場合、調理物7の温度検知にタイムラグが生じるため、高火力工程ST10に入る前に、加熱体H1を間欠駆動させて調理庫4内の温度上昇に基づいて調理物7の温度を判定する判定工程が行われる。当該判定工程において、例えば、所定期間経過後の調理庫4内の温度が所定の閾値よりも低い場合、調理物7が冷凍調理物であると判定し、所定の閾値よりも高い場合、調理物7が冷蔵調理物であると判定する。
赤外線センサによって検知する場合、調理物7の温度をリアルタイムに検知できるため、加熱開始直後に高火力工程ST10が行われる。これにより、調理物7の表面温度を内部温度よりもより短期間で上昇させることができる。
また、高火力工程ST10において、上加熱体9及び下加熱体13を最大出力にして調理物7を加熱するとしたが、0℃以上の調理物7が調理皿8に載置された場合よりも、加熱体H1の出力を大きくすればこれに限定されない。
また、加熱体H1は、上加熱体9及び下加熱体13を有するとしたが、調理物7を加熱することができれば、他の構成であってもよい。加熱体H1は、例えば、上加熱体9又は下加熱体13のいずれか一方であってもよい。また、例えば、加熱体H1は、調理皿8の側方に配置された加熱体を有していてもよい。
また、下加熱体13は、誘導加熱で調理皿8を直接加熱することによって調理物7を加熱する加熱コイルであるとしたが、下加熱体13は、輻射熱によって調理物7を加熱する加熱体であってもよい。
また、負荷量の算出は、調理庫4内の温度が所定の温度に達するまでの経過時間に基づいて行われるとしたが、これに限定されない。負荷量の算出は、例えば、所定時間の加熱によって加熱開始温度と加熱終了温度との温度差によって行われてもよい。
また、天板2の下方に設けられた加熱コイル3によって被加熱調理器具を誘導加熱方式で加熱するとしたが、加熱調理器D1は、加熱コイル3を有しない構成であってもよい。すなわち、加熱調理器D1は、調理庫4内での加熱調理のみを行うグリル装置であってもよい。また、加熱調理器D1は、据え置き型又はビルトイン型のいずれの構成であってもよい。
また、第1の加熱モード及び第2の加熱モードにおいて、電圧を検知する検知期間を含むとしたが、当該検知期間は含まれなくてもよい。
本発明は、添付図面を参照しながら好ましい実施形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した特許請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。また、実施形態における要素の組み合わせや順序の変化は、本発明の範囲および思想を逸脱することなく実現し得るものである。