JP2013096688A - 加熱調理器 - Google Patents
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Abstract
【課題】仕上がり時間の手動設定および仕上がり時間の手動変更の煩雑さを解消する。
【解決手段】調理室内の被加熱物を加熱する高周波加熱手段と、熱風対流加熱手段と、調理室内の雰囲気温度を検出する温度センサと、温度センサ13からの出力により加熱手段制御する加熱制御器14と、各調理メニューに対して調理シーケンスを記憶した調理手順記憶器と、各加熱手段の運転時間を演算する高周波加熱手段時間演算器および熱風対流加熱時間演算器と、加熱開始から経過した時間を計測する加熱時間計測器と、調理室内の雰囲気温度の温度を経時的に記憶する温度経時変化記憶器と、温度変化の特性を表す数値を演算する温度変化特性演算器と、仕上がり時間を演算する仕上がり時間演算器とを備え、各加熱手段を組み合わせた各調理メニューに適した調理シーケンスおよび仕上がり時間の算出を可能とし、算出された調理シーケンスおよび仕上がり時間を自動的に設定する。
【選択図】図1
【解決手段】調理室内の被加熱物を加熱する高周波加熱手段と、熱風対流加熱手段と、調理室内の雰囲気温度を検出する温度センサと、温度センサ13からの出力により加熱手段制御する加熱制御器14と、各調理メニューに対して調理シーケンスを記憶した調理手順記憶器と、各加熱手段の運転時間を演算する高周波加熱手段時間演算器および熱風対流加熱時間演算器と、加熱開始から経過した時間を計測する加熱時間計測器と、調理室内の雰囲気温度の温度を経時的に記憶する温度経時変化記憶器と、温度変化の特性を表す数値を演算する温度変化特性演算器と、仕上がり時間を演算する仕上がり時間演算器とを備え、各加熱手段を組み合わせた各調理メニューに適した調理シーケンスおよび仕上がり時間の算出を可能とし、算出された調理シーケンスおよび仕上がり時間を自動的に設定する。
【選択図】図1
Description
本発明は、加熱調理器に関し、特に高周波加熱と熱風対流加熱とを併用した自動調理を行なうものに関する。
従来、この種の調理器には再加熱および解凍などの調理を行なうためのマグネトロンと、肉類、パン類、ケーキ類などを焼成するためのヒータとを1台の機器に搭載し、多くのメニューの調理ができるオーブンレンジがある。
図14は従来のオーブンレンジの構成を示す断面図である。図14に示すように、高周波を発生するマグネトロン1と、熱風対流加熱を行なうヒータ2および送風ファン3が設けられ、被加熱物4を調理室5に入れて載置台6に載せ加熱調理する。
メニュー選択キー7を操作することで再加熱および解凍などのレンジメニューであればマグネトロン1で被加熱物4を加熱調理し、肉類、パン類、ケーキ類などのオーブンメニューであればヒータ2で被加熱物4を加熱調理する。
調理開始キー9でこのキーを押し、一般的には調理時間を手動で設定して調理を開始する。または重量センサ8、赤外線温度センサ32等から調理の仕上がり情報を得て自動的に調理を完了させる。
従来のオーブンレンジを用いて、例えばケーキを焼く場合はヒータ2のみを使用する。ロールケーキのように生地の薄いメニューは約200℃の高温で15分ぐらいの短時間で調理するのであるが、スポンジケーキのように生地に厚みのあるメニューは約150℃のやや低い温度でじっくり40分ぐらいかけて調理しており、肉類やパン類においても同様の調理方法が用いられる。
例えば、スポンジケーキを従来の調理方法よりも短時間で調理するためにはマグネトロン1で高周波を発生し、厚みのある生地を内部から加熱し、ヒータ2を用いて表面に焼き色を付ければ良いのであるが、高周波で生地を加熱する時間の管理は難しく、誤ると生焼けになることや乾燥状態になることがある。
この高周波による加熱時間管理を重量センサ8により行おうとすると容器の重量が特定できないという問題や、重量センサ8と載置台6を連接する構造上の規制の問題があり、赤外線温度センサ32により行おうとすると、食器などの影響で被加熱物表面温度を正確に検出できないという問題や、赤外線温度センサ32自体の耐熱温度が低いためオーブン調理時のような高温下では使用できないという問題などがある。
そのため、実用化には至っておらず、被加熱物4が乾燥状態にならないように十分に余裕をもってごくわずかな時間だけ高周波を発生させる例があるにすぎない。
このように、従来の加熱調理器では高周波加熱手段であるマグネトロン1と熱風対流加熱手段であるヒータ2を搭載しているにも拘らず、双方の利点を適切に組み合わせることができておらず、調理に長時間を要するメニューがある。
また、調理本に記載されている人数分量の調理とは異なる人数分量の調理を行なう場合には、被加熱物4の重量が増減するため、仕上がり時間を手動で変更する必要があり、調理が複雑になるという課題を有していた。
更には、ケーキと言ってもスポンジケーキのような厚みのあるメニューとロールケーキのような生地の薄いメニューではその調理シーケンスおよび形状が異なるため、調理する人数分量の増減に伴う、手動による仕上がり時間の増減率は同一ではない。
このように、被加熱物4の重量と仕上がり時間の関係は複雑であるので、仕上がり時間の手動設定および仕上がり時間の変更は複雑となるという課題を有していた。上記の課題については、肉類やパン類においても同様のことが言える。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、調理時間の短縮、消費電力量の低減、仕上がり時間の設定、変更による調理の煩雑さの解消を可能とした加熱調理器を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の加熱調理器は、温度センサで検出する調理室内の雰囲気温度の変化情報に基づいて、高周波加熱、熱風対流加熱、過熱水蒸気加熱、輻射加熱を制限電力下で組み合わせた調理シーケンスにより被加熱物4を加熱調理するものである。
例えば、マグネトロン1で発生させた高周波による厚みのある被加熱物4の内部からの加熱、ヒータ2による被加熱物表面からの加熱および焦げ目付けが可能となる。このようにして、調理時間の短縮と調理で使用する消費電力量の低減が可能となる。
本発明の加熱調理器は、被加熱物4の初期温度、比熱、熱伝達率、熱伝導率などの熱物性値から影響を受ける加熱初期段階での調理室内の雰囲気温度の変化に基づいた情報である調理室内の雰囲気温度の温度上昇速度、温度上昇加速度などにより、被加熱物4の仕上がり時間を算出し、調理の仕上がり精度を良くすることが可能である。
また、予め調理手順記憶器12に記憶させている高周波加熱手段、熱風対流加熱手段、過熱水蒸気加熱手段、輻射加熱手段を組み合わせた各調理メニューに対する調理シーケンスと、加熱調理時の調理室内の雰囲気温度の変化より算出した仕上がり時間を用いることで、調理メニューのみを選択するだけで調理が完了する。
即ち、被加熱物4の仕上がり時間の手動設定および仕上がり時間の手動変更により生じる調理の煩雑さを解消することが可能となる。
さらに、被加熱物の熱特性を推定することで、調理性能に顕著に影響を及ぼす各加熱手段の切換るタイミングおよびその出力を最適化することで、予め調理手順記憶器12に記憶させている調理シーケンスおよび仕上がり時間を補正することができ、さらなる調理時間の短縮と調理で使用する消費電力量の低減が可能となる。
本発明の加熱調理器は、調理時間の短縮、消費電力量の低減、仕上がり時間の手動設定
、手動変更による調理の煩雑さを解消することができる。
、手動変更による調理の煩雑さを解消することができる。
第1の発明は、被加熱物を格納する調理室と、調理室内の被加熱物を高周波加熱する高周波加熱手段と、調理室内の被加熱物を熱風対流加熱する熱風対流加熱手段と、調理室内の雰囲気温度を検出する温度センサと、前記温度センサからの出力により前記高周波加熱手段と前記熱風対流加熱手段の駆動を制御する加熱制御器と、高周波加熱手段と熱風対流加熱手段とを組み合わせた各調理メニューに適した調理手順を記憶した調理手順記憶器と、前記加熱制御器の出力より高周波加熱手段または熱風対流加熱手段の運転時間を演算する高周波加熱時間演算器または熱風対流加熱時間演算器と、加熱開始から経過した時間を計測する加熱時間計測器と、調理室内の雰囲気温度の温度を経時的に記憶する温度経時変化記憶器と、上述の温度経時変化に関する情報を用いて温度変化の特性を表す数値を演算する温度変化特性演算器と、上述の温度変化特性を基に調理室に格納された被加熱物の仕上がり時間を演算する仕上がり時間演算器と、上述の仕上がり時間演算器より算出する仕上がり時間と上述の加熱時間計測器が測定する加熱開始から経過した時間を比較することで調理の完了を判定する調理完了判定器とを設けたものである。
本発明によれば、被加熱物の初期温度、比熱、熱伝達率、熱伝導率などの熱物性および体積、表面積、重量など物性を複合した被加熱物の熱特性が、前記温度センサにより検出される調理室内の雰囲気温度に及ぼす温度変化に関する情報に基づいて、高周波加熱手段の駆動制御と熱風対流加熱手段の駆動制御を切替えて、マグネトロンによる被加熱物内部からの高周波加熱およびヒータによる被加熱物外部からの熱風対流加熱を併用する。
これにより、調理時間の短縮と消費電力量の低減が可能となると共に、調理メニューの選択によって、調理手順つまり調理シーケンスおよび仕上がり時間を呼び出すことで、被加熱物を調理室内に投入するだけで仕上がり時間を精度良く自動的に算出することが可能となり、従来の加熱調理器が有していた被加熱物の仕上がり時間の手動設定および被加熱物の重量変更に伴う仕上がり時間の手動変更による煩雑さを解消することが可能となる。
第2の発明は、第1の発明において、家庭電源における制限電力下で各調理メニューに対して、上述の高周波加熱手段および熱風対流加熱手段に加え、輻射加熱手段および過熱水蒸気加熱手段を用いた調理シーケンスを記憶しており、その調理シーケンス通りに加熱調理を行なえる構成とするものである。
本発明によれば、高周波加熱手段と熱風対流加熱手段を併用した調理時間の短縮と消費電力の低減を図る加熱調理の付加機能に加え、輻射加熱手段による焼き色加減の調節、過熱水蒸気加熱手段による被加熱物の水分を保持できる加熱および減塩、減脂などの加熱調理に付加機能を持たせることが可能となる。
第3の発明は、第1または第2の発明において、予熱なしで被加熱物を加熱室に投入した場合と、予熱後に被加熱物を加熱室に投入した場合とで、調理メニューが同一であっても、異なった仕上がり時間算出方法を用いて仕上がり時間を算出するとともに、予熱なしの加熱調理と予熱後の加熱調理とでは異なった調理シーケンスにより調理を完了する構成とするものである。
本発明によれば、 予熱が必要でないメニューと予熱が必要なメニューの双方に適した調理シーケンスを選択することができるため、より多くの調理メニューに対応した加熱調理が可能となる。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における加熱調理器の断面図を示したものであり、図2は本発明の第1の実施の形態における加熱調理器の構成ブロック図を示したものである。
図1は、本発明の第1の実施の形態における加熱調理器の断面図を示したものであり、図2は本発明の第1の実施の形態における加熱調理器の構成ブロック図を示したものである。
図1および図2において、温度センサ13はサーミスタで構成され、調理室5内の雰囲気温度を検出する。加熱制御器14は、メニュー選択キー7、調理開始キー9、温度センサ13から検出された出力情報を基に高周波加熱手段であるマグネトロン1と熱風対流加熱手段であるヒータ2および送風ファン3を制御するもので、内部には加熱手段選択部23と高周波加熱制御部24と熱風対流加熱制御部25を有する。
さらに温度センサ13により検出された調理室内の雰囲気温度を経時的に記憶する温度経時変化記憶器19を備えている。
上述の温度経時変化に関する情報を用いて温度変化の特性を表す数値、例えば温度上昇速度や温度上昇加速度などを演算する温度変化特性演算器20および上述の温度変化特性を基に、調理室に格納された被加熱物4の仕上がり時間を演算する仕上がり時間演算器21、高周波加熱手段と熱風対流加熱手段とを組み合わせた各調理メニューに適した調理手順を記憶した調理手順記憶器12、高周波加熱の時間を演算する高周波加熱時間演算器16、熱風対流加熱の時間を演算する熱風対流加熱時間演算器17、加熱開始からの経過時間を計測する加熱時間計測器18を有している。
調理室内に被加熱物4を収納後に、熱風対流加熱手段または高周波加熱手段を用いて加熱調理を開始すると、被加熱物4の初期温度、比熱、熱伝達率、熱伝導率などの熱物性および体積、表面積、重量などの物性を複合した被加熱物4の熱特性の影響により、温度センサ13により検出される調理室内の雰囲気温度は被加熱物4の熱特性に応じた変化をする。
この調理室内の雰囲気温度の変化は被加熱物の熱特性や調理室の熱容量など様々な要因を反映しているため、調理室内の雰囲気温度変化情報に基づいて温度変化特性演算器20および仕上がり時間演算器21により被加熱物4の仕上がり時間を算出し、自動的に設定することが可能となる。
ここでの被加熱物4の熱特性に応じた調理室内の雰囲気温度変化とは、調理室内の雰囲
気温度の最大温度上昇速度、最低温度上昇速度、平均温度上昇速度、最大温度上昇加速度、最低温度上昇加速度、平均温度上昇加速度、ある任意の温度からある異なる任意の温度に上昇するまでの経過時間などが挙げられる。
気温度の最大温度上昇速度、最低温度上昇速度、平均温度上昇速度、最大温度上昇加速度、最低温度上昇加速度、平均温度上昇加速度、ある任意の温度からある異なる任意の温度に上昇するまでの経過時間などが挙げられる。
雰囲気温度変化の特性を表す種々の数値の選択方法に関しては、被加熱物4の熱特性において被加熱物4の初期温度、比熱、熱伝達率、熱伝導率、体積、表面積、重量などの中でどの物性が支配的であるかによって、雰囲気温度変化のどの数値に特徴的な変化が現れるかが違ってくるので、被加熱物4の熱特性を最も良く表している数値を使用する。
例えば、比熱が高く熱伝導率の低い被加熱物4を調理室内に収納し熱風対流加熱手段または高周波加熱手段により加熱した場合と、他の物性が同一の被加熱物4を同様の手順で加熱した場合とを比較すると、比熱が低く熱伝導率の低い被加熱物4を加熱した場合の方が調理室内の雰囲気温度変化は、加熱初期段階の最大温度上昇速度および最大温度上昇加速度が大きい。
よって、このような比熱が低く熱伝導率の低い被加熱物4の加熱調理においては熱風対流加熱手段によって被加熱物表面の焼き色が濃くなり過ぎないように調理室内の雰囲気温度を低く設定し、高周波加熱手段に重点を置いた調理シーケンスが適しているということが分かる。
また、被加熱物4の初期温度、比熱、熱伝達率、熱伝導率、体積、表面積などは同じであるが重量のみ異なる2種類、ここでは一方は通常の調理で用いられる重量として、もう一方は通常の調理で用いられる重量より少ないとする。
この場合、この被加熱物4をそれぞれ調理室内に収納し熱風対流加熱手段または高周波加熱手段により加熱した場合の調理室内の雰囲気温度変化を比較すると、ある任意の温度からある異なる任意の温度に上昇するまでの経過時間は、重量の少ない被加熱物4を加熱した場合の方が短くなり、この情報を基に被加熱物4の仕上がり時間を短く設定した調理シーケンスが適していることが分かる。
上述のように調理室内に被加熱物4を収納後に、熱風対流加熱手段または高周波加熱手段を用いて加熱調理を開始し、調理室内の雰囲気温度変化を経時的に検出して、調理室内の雰囲気温度の最大温度上昇速度、最低温度上昇速度、平均温度上昇速度、最大温度上昇加速度、最低温度上昇加速度、平均温度上昇加速度、ある任意の温度からある異なる任意の温度に上昇するまでの経過時間を算出することで、被加熱物4の熱特性を推定することが可能となり、調理手順記憶器12から被加熱物4に適した調理シーケンスを選択することが可能となる。
さらに、被加熱物4の仕上がり時間に関して延長または短縮するなどの補正をすることが可能となる。
また、調理手順記憶器12は上記で説明した雰囲気温度変化情報に基づいて、マグネトロン1による高周波加熱手段とヒータ2による熱風対流加熱手段を組み合わせた調理シーケンスを選択し実行する。
このために、調理手順記憶器12によって選択された調理シーケンス通りに加熱手段選択部23は高周波加熱制御部24と熱風対流加熱制御部25に駆動許可信号または駆動禁止信号を出力する。
高周波加熱制御部24および熱風対流加熱制御部25は、駆動許可信号を受信中は温度
センサ13より検出できる調理室5内の雰囲気温度情報よりマグネトロン1およびヒータ2の入切制御や能力制御等駆動を制御する。
センサ13より検出できる調理室5内の雰囲気温度情報よりマグネトロン1およびヒータ2の入切制御や能力制御等駆動を制御する。
以上のように構成された加熱調理器について、以下その動作、作用を説明する。図3は実施の形態1のフローチャートを表しており、図4は、調理室内の雰囲気温度と熱風対流加熱制御部25および高周波加熱制御部24へ出力される制御信号との関係を示している。
具体的な動作として、調理室内を予熱した後に無負荷で熱風対流加熱手段を用いて加熱調理を開始した場合と、被加熱物4として食品1000g、食品500gを調理室内に収納し熱風対流加熱手段を用いて加熱調理を開始した場合との調理室内の雰囲気温度の変化を比較する。
なお、図5は無負荷の場合と被加熱物4として食品1000g、食品500gを記調理室内に収納した各場合における調理室内の雰囲気温度の経時的な変化を表している。
また、本加熱調理器を用いた調理の一例として調理室5を予熱した後に肉料理の一種であるチャーシューを調理する場合について説明する。
図3に示されるように、第1の過程として、使用者は調理室5を予熱するためにメニュー選択キー7を使って所望のメニューを設定し、調理開始キー9を押すと加熱調理が始まり(S301)、調理手順記憶器12より選択された調理シーケンス通りに加熱手段選択部23は熱風対流加熱制御部25に駆動許可信号を出力し、高周波加熱制御部24には駆動禁止信号を出力して、熱風対流加熱制御部25がヒータ2を駆動して熱風対流加熱を行なう(S302)。
ここでは、予熱をした後に加熱調理を開始する場合について述べる。調理室内を予熱している間、Tpfまでは調理室内の雰囲気温度は上昇し続け、調理室内の雰囲気温度が予熱設定温度Tpfまで上昇する。
第2の過程として、使用者は加熱調理器の扉31を開け、調理室内に被加熱物4を収納し加熱調理器の扉31を閉める。なお、無負荷の場合においては加熱調理器の扉31を開け調理室内に被加熱物4を収納せずに加熱調理器の扉31を閉めるという動作を行なう。
この調理室内に被加熱物4を収納する過程において、扉31を開けることによって調理室内の熱が調理室外に放出されるため、調理室内の雰囲気温度はTbまで下降する。この被加熱物4収納後の調理室内の雰囲気温度Tbは予熱設定温度Tpf、扉31を開けている時間および室温によって変化する。
第3の過程として、使用者が調理開始キー9を再度押し調理メニューごとに調理手順記憶器12に記憶されている調理シーケンス通りに調理加熱を開始する。
図5に示す加熱調理に関しては、熱風対流加熱手段を用いて加熱を開始しており、加熱開始時間tsから時間が経過するにしたがって調理室内の雰囲気温度は上昇する。
ここで、加熱開始時間tsからの任意の経過時間をteとし、この時の調理室内の雰囲気温度をTeとし、調理室内に被加熱物4を収納していない場合、つまり無負荷の場合においてteだけ経過した時の調理室内の雰囲気温度をTe0とし、食品500gを収納している場合において、teだけ経過している時の調理室内の雰囲気温度をTe500とし、食品1000gを収納している場合において、teだけ経過している時の調理室内の雰
囲気温度をTe1000とし、加熱開始時の調理室内の雰囲気温度Tbと加熱開始から任意の経過時間teだけ経過した時の各調理室内の雰囲気温度Te0、Te500、Te1000との差をそれぞれΔTe0、ΔTe500、ΔTe1000とする。
囲気温度をTe1000とし、加熱開始時の調理室内の雰囲気温度Tbと加熱開始から任意の経過時間teだけ経過した時の各調理室内の雰囲気温度Te0、Te500、Te1000との差をそれぞれΔTe0、ΔTe500、ΔTe1000とする。
これらを比較すると、teだけ経過している時の調理室内の雰囲気温度はTe0>Te500>Te1000となり、この時の調理室内の雰囲気温度の加熱開始時の調理室内の雰囲気温度Tbに対する相対温度はΔTe0>ΔTe500>ΔTe1000となり、被加熱物4の重量によって調理室内の雰囲気温度変化に違いがあり、重量が大きいほどteだけ経過している時の調理室内の雰囲気温度は低く、重量が大きいほど加熱開始時の調理室内の雰囲気温度Tbに対する相対温度は小さいことが分かる。
また、調理室内の任意の雰囲気温度をTeとし、無負荷の場合における調理室内の雰囲気温度がTeとなる加熱開始からの経過時間をte0とし、食品500gを収納している場合における調理室内の雰囲気温度がTeとなる加熱開始からの経過時間をte500とし、食品1000gを収納している場合における調理室内の雰囲気温度がTeとなる加熱開始からの経過時間をte1000とする。これらを比較すると、調理室内の雰囲気温度がTeとなるまでの加熱開始からの経過時間はte0<te500<te1000となり、被加熱物4の重量によって調理室内の雰囲気温度がTeとなるまでの加熱開始からの経過時間に違いがあり、重量が大きいほど調理室内の雰囲気温度がTeとなるまでの加熱開始からの経過時間は短くなることが分かる。
なお、調理室内の雰囲気温度の最大温度上昇速度、最低温度上昇速度、平均温度上昇速度、最大温度上昇加速度、最低温度上昇加速度、平均温度上昇加速度についても違いが生じる。
以上のように、被加熱物4の熱特性を推定することが可能となり被加熱物4に適した調理シーケンスを選択することが可能となり、また仕上がり時間を延長または短縮するなどの補正が可能となる。このことは、予熱なしの状態で記調理室内に重量の異なる被加熱物4を収納した場合でも同様のことが言える。
次に、本加熱調理器を用いた調理の一例として調理室5を予熱した後に肉料理の一種であるチャーシューを調理する場合について説明する。なお、チャーシューが皿26に載せられた状態のものとして説明する。
第1の過程として、使用者はメニュー選択キー7を使って所望のメニューである肉料理であるチャーシューを選択し、調理開始キー9を押すと調理手順記憶器12に記憶されている調理シーケンス通りに加熱調理が開始する。メニュー選択キー7には肉料理のメニューとしてチャーシューの他にもハンバーグ、とんかつ、唐揚げなどがある。
チャーシューにおいては、予熱が必要なメニューであるので、加熱手段選択部23は熱風対流加熱制御部25に駆動許可信号を出力し、高周波加熱制御部24には駆動禁止信号を出力して、熱風対流加熱制御部25がヒータ2を駆動して熱風対流加熱を行なう。温度センサ13で調理室5内の雰囲気温度Tを連続的に検出し、T>Tpとなるまではヒータ2を常時最大能力で駆動する。
ここでTpは予め定め、調理手順記憶器12に記憶させている所定温度で、肉料理においては通常200〜230℃である。
第2の過程として、使用者は予熱完了後に被加熱対象物であるチャーシューを皿26に載せ調理室5内に収納し、調理開始キー9を再度押すとチャーシューの加熱調理が始まり
、調理手順記憶器12に記憶されている調理シーケンスに基づいて加熱手段選択部23は被加熱物4の表面全体を焼き固めるために熱風対流加熱制御部25に駆動許可信号を出力し、高周波加熱制御部24には駆動禁止信号を出力して、熱風対流加熱制御部25がヒータ2を駆動して熱風対流加熱を行なう。
、調理手順記憶器12に記憶されている調理シーケンスに基づいて加熱手段選択部23は被加熱物4の表面全体を焼き固めるために熱風対流加熱制御部25に駆動許可信号を出力し、高周波加熱制御部24には駆動禁止信号を出力して、熱風対流加熱制御部25がヒータ2を駆動して熱風対流加熱を行なう。
温度センサ13で調理室5内の雰囲気温度Tを連続的に検出し、T>Thとなるまではヒータ2を常時最大能力で駆動する。ここでThは予め定め、調理手順記憶器12に記憶している所定温度で、肉料理においては通常200〜230℃である。
なお、所定温度TpとThはそれぞれ独立した温度であって構わず、さらにメニューごとに違った温度であっても構わない。ここで、上述の説明のように調理室内の雰囲気温度変化に基づいた情報により推定した被加熱物4の熱特性に応じて調理シーケンスおよび仕上がり時間などの補正を行なう。
第3の過程として、調理室5内の雰囲気温度がT>Thになると熱風対流加熱制御部25はヒータ2の能力を落として低能力で駆動するまたは駆動を停止する。
これは調理室内の雰囲気温度がThより高い状態でヒータ2による加熱調理を継続すると、被加熱物4の中心温度が十分な温度に到達する前に被加熱物4の表面が過熱され、焼き色が濃く付き過ぎることを防止するためおよびヒータ2自身を熱から保護するためであり、被加熱物4内部の中心温度を熱伝導のみによって上昇させることとなる。
しかしながら、本過程において熱伝導のみによって被加熱物4内部の温度を上昇させる加熱調理方法では、調理時間が長くなってしまう。
そこで、加熱時間計測器18によって計測される加熱調理開始からの経過時間tと被加熱物4であるチャーシューの表面が十分に焼き固められる加熱調理開始からの経過時間tmwとの関係がt>tmwとなる場合においては、高周波加熱手段を用いることで被加熱物表面の焼き色を促進させることなく被加熱物4内部の温度を上昇させる。
そこで、加熱手段選択部23は高周波加熱制御部24に駆動許可信号を出力し、熱風対流加熱制御部25には駆動禁止信号を出力して、高周波加熱制御部24がマグネトロン1を駆動して高周波加熱を行なう。
この高周波加熱はマグネトロン1を複数使用したり、羽根車等で電波を拡散させたり、チャーシューを回動させるなどしても構わない。また、高周波加熱の能力制御はインバータ電源で行っても良いし、例えば3秒駆動、7秒停止のようなデューティー制御で行なっても構わず、調理室5内の雰囲気温度TがT<Tlとなるまで高周波加熱を行なう。
ここで、Tlは予め定め、調理手順記憶器12に記憶している所定温度で、肉料理においては通常200〜230℃が適切であり、またtmwは予め定め、熱風対流加熱制御部25に記憶している所定時間である。
なお、加熱調理開始から経過時間tと被加熱物4であるチャーシューの表面が十分に焼き固められる加熱調理開始からの経過時間tmwとの関係がt>tmwとなる場合においては、調理室5内の雰囲気温度TがT<Tlとなるまで、熱風対流加熱制御部25はヒータ2の能力を落として低能力で駆動するまたは駆動を停止させ、高周波加熱制御部24はマグネトロン1の駆動を停止させる。
以後、上記第2の過程と第3の過程とを交互に繰り返すことによって、所定時間t2ま
で被加熱物4を加熱調理することによって、従来の熱風対流加熱のみによる加熱調理と比較して、熱風対流加熱手段による外部からの加熱と高周波加熱手段による内部からの加熱との併用により、調理時間の短縮および加熱調理で使用する消費電力量の低減が可能となる。
で被加熱物4を加熱調理することによって、従来の熱風対流加熱のみによる加熱調理と比較して、熱風対流加熱手段による外部からの加熱と高周波加熱手段による内部からの加熱との併用により、調理時間の短縮および加熱調理で使用する消費電力量の低減が可能となる。
ここでt2は各調理メニューに対して予め定め、調理手順記憶器12に記憶している所定時間である。
なお、以上は従来特に調理時間の長かった肉料理の調理で説明したが、グラタン、茶碗蒸し、焼き魚などの惣菜の調理でも同様の効果が得られる。
ここで、調理メニューが異なれば上記のTl、T2、tmw、t2が異なるだけではなく、熱風対流加熱手段と高周波加熱手段の選択順序つまり調理シーケンスが異なる。例えば、上記のチャーシューとは異なり、高周波加熱手段により被加熱物4全体の温度を上昇させた後に、熱風対流加熱手段により焼き色を付けた方が良い調理メニューもあり、さらには高周波加熱手加熱の出力の選択においても同様のことが言える。
このことは、調理科学分野の研究によって明らかにされている。このことを踏まえて本発明による加熱調理器は、最適な値を各制御部が記憶しており、多くの調理メニューに対応しているものである。
(実施の形態2)
図6は、本発明の第2の実施の形態における加熱調理器の断面図を示したものであり、図7は本発明の第2の実施の形態における加熱調理器の構成ブロック図を示したものである。
図6は、本発明の第2の実施の形態における加熱調理器の断面図を示したものであり、図7は本発明の第2の実施の形態における加熱調理器の構成ブロック図を示したものである。
図6および図7において、温度センサ13はサーミスタで調理室5内の雰囲気温度を検出する。加熱制御器14は、メニュー選択キー7、調理開始キー9、温度センサ13(サーミスタ)からの出力情報を基に高周波加熱手段であるマグネトロン1と熱風対流加熱手段であるヒータ2および送風ファン3を制御するもので、内部には加熱手段選択部23と高周波加熱制御部24と熱風対流加熱制御部25を有する。
さらに加熱制御器14は、温度センサ13からの出力情報を基に輻射加熱手段であるヒータ27と過熱水蒸気加熱手段であるヒータ28および送風ファン3を制御するもので、内部には輻射加熱制御部29と過熱水蒸気加熱制御部30を有する。
加熱手段選択部23は温度センサ13より得られる調理室5内の雰囲気温度情報に基づいて、マグネトロン1による高周波加熱手段とヒータ2による熱風対流加熱手段とヒータ27による輻射加熱手段とヒータ28による過熱水蒸気加熱手段とを家庭電源における制限電力下で組み合わせた加熱調理を行なうために、高周波加熱制御部24と熱風対流加熱制御部25と輻射加熱制御部29と過熱水蒸気加熱制御部30に駆動許可信号または駆動禁止信号を出力する。
高周波加熱制御部24、熱風対流加熱制御部25、輻射加熱制御部29、過熱水蒸気加熱制御部30は、加熱手段選択部23より駆動許可信号を受信中は温度センサ13より検出できる調理室5内の雰囲気温度情報より家庭電源における制限電力下でそれぞれマグネトロン1、ヒータ2、ヒータ27、ヒータ28の入切制御や能力制御等駆動を制御する。
以上のように構成された加熱調理器について、以下その動作、作用を説明する。
具体的な動作として、調理室5を予熱した後に肉料理の一種であるチャーシューを焼成する場合を図8のフローチャートと図9のタイミングチャートを用いて説明する。また図8の被加熱物4はチャーシューが皿26に載せられた状態のものとして説明する。
第1の過程として、使用者は調理室5を予熱するためにメニュー選択キー7を使って所望のメニューである肉料理のチャーシューを選択し、調理開始キー9を押すと予熱が始まる。
なお、メニュー選択キー7には肉料理のメニューとしてチャーシューの他にもハンバーグ、とんかつ、唐揚げなどがある。調理開始キー9を押した後に加熱手段選択部23は熱風対流加熱制御部25に駆動許可信号を出力し、高周波加熱制御部24、輻射加熱制御部29、過熱水蒸気加熱制御部30には駆動禁止信号を出力して、熱風対流加熱制御部25がヒータ2を駆動して熱風対流加熱を行なう。
温度センサ13で調理室5内の雰囲気温度Tを連続的に検出し、T>Tpとなるまではヒータ2を常時最大能力で駆動する。ここでTpは予め定め、熱風対流加熱制御部25に記憶させている所定温度で、肉料理においては通常200〜230℃ぐらいが適切である。
第2の過程として、使用者は予熱完了後に被加熱対象物であるシャーシューを皿26に載せ調理室5内に収納し、再度、調理開始キー9を押すとチャーシューの加熱調理が始まり、まず加熱手段選択部23は被加熱物4の表面全体を焼き固めることを目的として、熱風対流加熱制御部25に駆動許可信号を出力し、高周波加熱制御部24、輻射加熱制御部29、過熱水蒸気加熱制御部30には駆動禁止信号を出力して、熱風対流加熱制御部25がヒータ2を駆動して熱風対流加熱を行なう。
温度センサ13で調理室5内の雰囲気温度Tを連続的に検出し、T>Thとなるまではヒータ2を常時最大能力で駆動する。ここでThは予め定め、熱風対流加熱制御部25に記憶させている所定温度で、肉料理においては通常200〜230℃ぐらいが適切である。なお、所定温度TpとThはそれぞれ独立した温度であって構わず、さらに各メニューによって違った温度であって構わない。
第3の過程として、調理室5内の雰囲気温度がT>Thになると熱風対流加熱制御部25はヒータ2の能力を落として低能力で駆動するまたは駆動を停止する。
これは調理室5内の雰囲気温度がThより高い状態でヒータ2による加熱調理を継続すると、被加熱物4の中心温度が十分な温度に到達する前に被加熱物4の表面が過熱され、焼き色が濃く付き過ぎることを防止するためと、ヒータ2自身を熱から保護するためであり、被加熱物内部の中心温度を熱伝導のみによって上昇することとなる。
しかしながら、本過程において熱伝導のみによって被加熱物内部の温度を上昇させる加熱調理方法では、調理時間が長くなってしまう。
そこで、加熱調理開始から経過時間tと被加熱物4であるチャーシューの表面が焼き固まる加熱調理開始からの経過時間tmwとの関係がt>tmwとなる場合かつ雰囲気温度がT>Thとなる場合に、高周波加熱手段を用いることで被加熱物表面の焼き色を促進させることなく被加熱物内部の温度を上昇させる。
また、必要以上の被加熱物内の水分減少を防ぐことを目的として、加熱調理開始から経過時間tと過熱水蒸気加熱が有効となる加熱調理開始からの経過時間tstとの関係がt
>tstとなった場合かつ雰囲気温度がT>Thとなる場合に、過熱水蒸気加熱を開始する。
>tstとなった場合かつ雰囲気温度がT>Thとなる場合に、過熱水蒸気加熱を開始する。
そこで、T>Th、t<tmwかつt<tstの場合は、加熱手段選択部23は高周波加熱制御部24、熱風対流加熱制御部25、輻射加熱制御部29、過熱水蒸気加熱制御部30に駆動禁止信号を出力する。T>Th、t>tmwかつt<tstの場合は、加熱手段選択部23は高周波加熱制御部24のみに駆動許可信号を出力し、熱風対流加熱制御部25、輻射加熱制御部29、過熱水蒸気加熱制御部30に駆動禁止信号を出力する。
T>Th、t<tmwかつt>tstの場合は、加熱手段選択部23は過熱水蒸気加熱制御部30のみに駆動許可信号を出力し、高周波加熱制御部24、熱風対流加熱制御部25、輻射加熱制御部29に駆動禁止信号を出力する。
T>Th、t>tmwかつt>tstの場合は、加熱手段選択部23は高周波加熱制御部24および過熱水蒸気加熱制御部30に駆動許可信号を出力し、熱風対流加熱制御部25、輻射加熱制御部29に駆動禁止信号を出力する。
なお、高周波加熱制御部24はマグネトロン1を駆動して高周波加熱を行ない、過熱水蒸気加熱制御部30はヒータ28を駆動して過熱水蒸気加熱を行なう。ここで、高周波加熱はマグネトロン1を複数使用したり、羽根車等で電波を拡散させたり、チャーシューを回動させるなどしても構わない。
また、高周波加熱の能力制御はインバータ電源で行っても良いし、例えば3秒駆動、7秒停止のようなデューティー制御で行っても構わない。調理室5内の雰囲気温度TがT<Tlとなるまで本過程を継続する。
ここで、Tlは予め定め、高周波加熱制御部24または過熱水蒸気加熱制御部30に記憶させている所定温度で、肉料理においては通常200〜230℃ぐらいが適切であり、またtmwおよびtstは予め定め、それぞれ高周波加熱制御部24および過熱水蒸気加熱制御部30に記憶させている所定時間である。
以後、上記第2の過程と第3の過程とを交互に繰り返すことによって、所定時間t2まで被加熱物4を加熱調理することによって、従来の熱風対流加熱のみによる加熱調理と比較して、調理時間の短縮および加熱調理で使用する消費電力量の低減が可能となる。
ここで、t2は各調理メニューに予め定め、高周波加熱制御部24または熱風対流加熱制御部25記憶させている所定時間である。
以上は従来特に調理時間の長かった肉料理の調理で説明したが、グラタン、茶碗蒸し、焼き魚などの惣菜の調理でも同様の効果が得られる。ここで、調理メニューが異なれば上記のTl、T2、tmw、tst、t2が異なるだけではなく、熱風対流加熱手段、高周波加熱手段、輻射加熱手段、過熱水蒸気加熱手段の選択順序つまり調理シーケンスが異なる。
例えば、上記のチャーシューとは異なり、高周波加熱手段および過熱水蒸気加熱手段により被加熱物4全体の温度を上昇させた後に、輻射加熱手段により焼き色を付けた方が良い調理メニューもあり、さらには高周波加熱手段および過熱水蒸気加熱手段の出力の選択においても同様のことが言える。
このことは、調理科学分野の研究によって明らかにされている。このことを踏まえて本
発明による加熱調理器は、最適な値を各制御部が記憶しており、多くの調理メニューに対応しているものである。
発明による加熱調理器は、最適な値を各制御部が記憶しており、多くの調理メニューに対応しているものである。
(実施の形態3)
図10は、本発明の第3の実施の形態における加熱調理器の断面図を示したものであり、図11は本発明の第1の実施の形態における加熱調理器の構成ブロック図を示したものである。
図10は、本発明の第3の実施の形態における加熱調理器の断面図を示したものであり、図11は本発明の第1の実施の形態における加熱調理器の構成ブロック図を示したものである。
図10および図11において、温度センサ13はサーミスタを用いており調理室5内の雰囲気温度を検出する。加熱制御器14でメニュー選択キー7、調理開始キー9、温度センサ13からの出力情報を基に高周波加熱手段であるマグネトロン1と熱風対流加熱手段であるヒータ2および送風ファン3を制御するもので、内部には加熱手段選択部23と高周波加熱制御部24と熱風対流加熱制御部25を有する。
さらに、温度センサ13により検出された調理室内の雰囲気温度を経時的に記憶する温度経時変化記憶器19を備えており、上述の温度経時変化に関する情報を用いて温度変化の特性を表す数値、例えば温度上昇速度、温度上昇加速度、任意の温度に達するまでの加熱時間などを演算する温度変化特性演算器20および上述の温度変化特性を基に調理室に格納された被加熱物4の仕上がり時間を演算する仕上がり時間演算器21を有している。
調理室内に被加熱物4を収納後に、熱風対流加熱手段または高周波加熱手段を用いて加熱調理を開始すると、被加熱物4の初期温度、比熱、熱伝達率、熱伝導率などの熱物性および体積、表面積、重量などの物性を複合した被加熱物4の熱特性の影響により、温度センサ13により検出され温度経時変化記憶器19に経時的に記憶される調理室内の雰囲気温度変化は被加熱物4の物性を複合した熱特性に応じた変化をする。
この調理室内の雰囲気温度の変化は被加熱物の熱特性を複合的に反映しているため、調理室内の雰囲気温度変化情報に基づいて温度変化特性演算器20および仕上がり時間演算器21により被加熱物4の仕上がり時間を精度良く算出することができ、算出された被加熱物4の仕上がり時間を自動設定することが可能となる。
上述の被加熱物4の熱特性に応じた調理室内の雰囲気温度変化とは、調理室内の雰囲気温度の最大温度上昇速度、最低温度上昇速度、平均温度上昇速度、最大温度上昇加速度、最低温度上昇加速度、平均温度上昇加速度、ある任意の温度からある異なる任意の温度に上昇するまでの経過時間などが挙げられる。
これらの調理室内の雰囲気温度変化の特性を表す種々の数値の選択方法に関しては、被加熱物4の熱特性において初期温度、比熱、熱伝達率、熱伝導率、体積、表面積、重量などの中でどの物性が支配的であるかによって、雰囲気温度変化におけるどの数値に特徴が現れるかが変わってくるので、被加熱物4の熱特性を最も良く表している数値を使用する。
例えば、熱伝導率の低い被加熱物4を調理室内に収納し熱風対流加熱手段または高周波加熱手段により加熱した場合と、他の物性は同一であるが前者と比較して熱伝導率の高い被加熱物4を同様の手順で加熱した場合とを比べると、前者の方が調理室内の雰囲気温度変化は、加熱初期段階の最大温度上昇速度および最大温度上昇加速度が大きい。
よって、このような熱伝導率の高い被加熱物4の加熱調理においては熱風対流加熱手段によって被加熱物表面の焼き色が濃くなり過ぎないように調理室内の雰囲気温度を低く設定し、高周波加熱手段に重点を置いた調理シーケンスが適しているということが分かる。
また、被加熱物4の初期温度、比熱、熱伝達率、熱伝導率、体積、表面積などは同じであるが重量のみ異なる2種類、ここでは一方は通常の調理で用いられる重量として、もう一方は通常の調理で用いられる重量より少ないとすると、これらの被加熱物4をそれぞれ調理室内に収納し、熱風対流加熱手段または高周波加熱手段により加熱した場合の調理室内の雰囲気温度変化を比較すると、ある任意の温度からある異なる任意の温度に上昇するまでの経過時間は、重量の少ない被加熱物4を加熱した場合の方が短くなり、この情報を基に被加熱物4の仕上がり時間を短く設定した調理シーケンスが適していることが分かる。
上述のように調理室内に被加熱物4を収納後に、熱風対流加熱手段または高周波加熱手段を用いて加熱調理を開始し、調理室内の雰囲気温度変化を経時的に検出して、調理室内の雰囲気温度の最大温度上昇速度、最低温度上昇速度、平均温度上昇速度、最大温度上昇加速度、最低温度上昇加速度、平均温度上昇加速度、ある任意の温度からある異なる任意の温度に上昇するまでの経過時間などの被加熱物4の熱特性の特徴を表す数値を算出して被加熱物4の熱特性を推定することで、被加熱物4に適した調理シーケンスを選択することが可能となる。
また、被加熱物4の仕上がり時間に関して延長または短縮するなどの補正をすることが可能となる。
以上のように構成された加熱調理器について、以下その動作、作用を説明する。具体的な動作として、調理室内を予熱しない状態で常温の食品500gを調理室内に収納し熱風対流加熱手段を用いて加熱調理を開始した場合と、調理室内を予熱した状態で常温の食品500gを調理室内に収納し熱風対流加熱手段を用いて加熱調理を開始した場合との調理室内の雰囲気温度の変化を比較する。
なお、図12は実施の形態3のフローチャートであり、図13は調理室内を予熱しない状態で常温の食品500gを調理室内に収納し熱風対流加熱手段を用いて加熱調理を開始した場合(図13(A))と、調理室内を予熱した状態で常温の食品500gを調理室内に収納し熱風対流加熱手段を用いて加熱調理を開始した場合(図13(B))における調理室内の雰囲気温度の経時的な変化を表している。
第1の過程として、使用者は加熱調理器の扉31を開け、調理室内に被加熱物4を収納し加熱調理器の扉31を閉める。次に、メニュー選択キー7を使って所望の調理メニューを設定し、調理開始キー9を押すと各調理メニューに対応した加熱調理が始まり、加熱手段選択部23は熱風対流加熱制御部25に駆動許可信号を出力し、高周波加熱制御部24には駆動禁止信号を出力して、熱風対流加熱制御部25がヒータ2を駆動して熱風対流加熱を行なう。
加熱を開始すると調理室内の雰囲気温度は上昇し始める。ここで、加熱調理開始時の調理室内の雰囲気温度を予熱なしの場合はTs1とし、予熱ありの場合はTs2とする。
なお、このTs1は室温および事前の加熱調理器の使用状態によって変化し、Ts2は予熱設定温度Tpf、調理室内に被加熱物4を収納するために扉31を開けている時間および室温によって変化するものである。
第2の過程として、図13に示すように熱風対流加熱手段を用いて加熱を開始すると、加熱開始時間tsから時間が経過するにしたがって調理室内の雰囲気温度は上昇する。
ここで、加熱開始時間tsからの任意の経過時間をteとし、予熱せずに調理室内に被加熱物4として常温の食品500gを収納した場合における加熱開始から任意の経過時間teだけ経過した時点の調理室内の雰囲気温度をTe1とし、予熱後に調理室内に常温の食品500gを収納した場合における加熱開始から任意の経過時間teだけ経過した時点の調理室内の雰囲気温度をTe2とし、Ts1、Ts2とTe1、Te2との差をそれぞれΔTe1、ΔTe2とする。
これらを加熱初期段階において比較すると、加熱開始から任意の経過時間teだけ経過した時の調理室内の雰囲気温度はTe1<Te2となり、ΔTe1とΔTe2との関係は、加熱開始時の各調理室内の雰囲気温度、加熱開始から任意の経過時間teを何秒に設定するかによって違いが生じる。
また、加熱開始時の記調理室内の雰囲気温度からの任意の温度変化をΔTeとして、予熱せずに記調理室内に被加熱物4として食品500gを収納している場合において加熱開始時の記調理室内の雰囲気温度Ts1からΔTeだけ上昇させるのに必要な加熱開始からの経過時間をte1とし、予熱後に記調理室内に被加熱物4として食品500gを収納している場合において加熱開始時の記調理室内の雰囲気温度Ts2からΔTeだけ上昇させるのに必要な加熱開始からの経過時間をte2とすると、te1とte2との関係は加熱開始時の各調理室内の雰囲気温度、加熱開始時の記調理室内の雰囲気温度からの任意の温度変化ΔTeを何度に設定するかによって違いが生じる。
このように、被加熱物4の初期温度、比熱、熱伝達率、熱伝導率などの熱物性および体積、表面積、重量などの物性を複合した被加熱物4の熱特性が同一であっても、調理室内の環境が異なれば加熱調理時の被加熱物4の温度変化、表面の焼き色、含水率の変化などは異なり、よって同一の調理メニューであっても予熱ありと予熱なしの場合では、異なった調理シーケンスを用いて加熱調理する必要があり、仕上がり時間も異なる。
以上のように、予熱をした後に加熱調理を開始する場合および予熱をせずに加熱調理を開始する場合の双方においてそれぞれ被加熱物4の熱特性を推定することで、予熱をした後に加熱調理を開始する場合および予熱をせずに加熱調理を開始する場合の各場合に適した調理シーケンスをそれぞれ選択することおよび仕上がり時間を推定することが可能となる。
さらに、従来は予熱せず調理室内に被加熱物4を収納する加熱調理が適していないと思われている調理メニューであっても、調理室内の雰囲気温度の変化を経時的に検出して、温度上昇速度、温度上昇加速度、ある任意の温度からある異なる任意の温度に上昇するまでの経過時間など算出し、被加熱物の熱特性を把握することで予熱なしでの加熱調理が可能となる。
以上のように、本発明にかかる加熱調理器は、加熱初期段階での調理室内の雰囲気温度の変化情報より、被加熱物の最適な仕上がり時間を算出し、高周波、熱風対流、輻射、過熱水蒸気を用いた加熱手段を組み合わせ、各調理メニューに最適な調理手順を自動的に選択するものである。
本発明によれば、仕上がり時間の手動変更により生じる調理の煩雑さの解消、調理時間の短縮、消費電力量の低減が可能となるので、食品および工業材料の自動加熱や自動解凍等の用途にも適用できる。
4 被加熱物
5 調理室
12 調理手順記憶器
13 温度センサ
14 加熱制御器
16 高周波加熱時間演算器
17 熱風対流加熱時間演算器
18 加熱時間計測器
19 温度経時変化記憶器
20 温度変化特性演算器
21 仕上がり時間演算器
5 調理室
12 調理手順記憶器
13 温度センサ
14 加熱制御器
16 高周波加熱時間演算器
17 熱風対流加熱時間演算器
18 加熱時間計測器
19 温度経時変化記憶器
20 温度変化特性演算器
21 仕上がり時間演算器
Claims (3)
- 被加熱物を格納する調理室と、調理室内の被加熱物を高周波加熱する高周波加熱手段と、調理室内の被加熱物を熱風対流加熱する熱風対流加熱手段と、調理室内の雰囲気温度を検出する温度センサと、前記温度センサからの出力により前記高周波加熱手段と前記熱風対流加熱手段の駆動を制御する加熱制御器と、各調理メニューに対して高周波加熱手段と熱風対流加熱手段とを組み合わせた調理シーケンスを記憶した調理手順記憶器と、前記加熱制御器の出力より高周波加熱手段または熱風対流加熱手段の運転時間を演算する高周波加熱手段時間演算器または熱風対流加熱時間演算器と、加熱開始から経過した時間を計測する加熱時間計測器と、調理室内の雰囲気温度の温度を経時的に記憶する温度経時変化記憶器と、上述の温度経時変化に関する情報を用いて温度変化の特性を表す数値を演算する温度変化特性演算器と、上述の温度変化特性を基に調理室に格納された被加熱物の仕上がり時間を演算する仕上がり時間演算器とを設けた構成とした加熱調理器。
- 上述の高周波加熱手段および熱風対流加熱手段に加え、輻射加熱手段および過熱水蒸気加熱手段を、家庭電源における制限電力下で各調理メニューに対して、上述の高周波加熱手段および熱風対流加熱手段に加え、輻射加熱手段および過熱水蒸気加熱手段を用いた調理シーケンスを記憶しており、その調理シーケンス通りに加熱調理を行なえる構成とした請求項1に記載の加熱調理器。
- 予熱なしで被加熱物を加熱室に投入した場合と、予熱後に被加熱物を加熱室に投入した場合とで、調理メニューが同一であっても、異なった仕上がり時間算出方法を用いて仕上がり時間を算出するとともに、予熱なしの加熱調理と予熱後の加熱調理とでは異なった調理シーケンスにより調理を完了する構成とした請求項1または2に記載の加熱調理器。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014194325A (ja) * | 2013-03-29 | 2014-10-09 | Mitsubishi Electric Corp | 加熱調理器 |
WO2018155523A1 (ja) * | 2017-02-24 | 2018-08-30 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 加熱調理器および加熱調理器における再加熱方法 |
-
2011
- 2011-11-07 JP JP2011243288A patent/JP2013096688A/ja active Pending
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CN110199155B (zh) * | 2017-02-24 | 2020-10-30 | 松下知识产权经营株式会社 | 加热烹调器和加热烹调器中的再加热方法 |
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