JP2021038553A - ガイド器具 - Google Patents

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Abstract

【課題】地盤改良体を高精度且つ効率的に形成することが可能となる、ガイド器具を提供する。【解決手段】ガイド器具60は、地盤Gを改良するための地盤改良体を形成する地盤改良形成装置50を構成する攪拌ロッド55であり、地盤Gの土壌を攪拌する攪拌ロッド55をガイドするためのガイド器具であって、攪拌ロッド55を挿通可能に形成された管状の揺れ抑制部70であって、当該揺れ抑制部70に挿通された攪拌ロッド55の水平方向の揺れを抑制するための揺れ抑制部70を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、ガイド器具に関する。
従来、固化材と土砂とを現位置で攪拌・混合することで地盤改良体を形成するための技術の一つとして、攪拌翼が先端付近に形成された外管と、外管に内設されるとともに、外管の先端よりも突出した部分に掘削刃が形成された内管とを有する二重管構造の攪拌ロッドを備え、外管と内管とを互いに逆回転させることが可能な装置を用いて地盤改良体を形成する技術が提案されている。
特開2008−057254号公報
ここで、上記従来の技術においては、上述したように、攪拌翼及び掘削刃を備える攪拌ロッドを回転させて固化材と土砂とを現位置で攪拌・混合することにより、地盤改良体を形成するものの、攪拌翼及び掘削刃に不均一な負荷が比較的かかりやすいため、攪拌ロッドが比較的長い場合には攪拌ロッドが水平方向に非常に揺れやすくなる。これにより、例えば、既存躯体に隣接する場所で地盤改良体を形成する場合には、攪拌ロッドと既存躯体とが干渉・接触することで、既存躯体を損傷させたり、当該形成の効率が低下してしまうおそれがあることから、地盤改良体の形成精度及び作業効率の観点からは改善の余地があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、地盤改良体を高精度且つ効率的に形成することが可能となる、ガイド器具を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載のガイド器具は、地盤を改良するための地盤改良体を形成する地盤改良形成装置を構成する攪拌ロッドであり、前記地盤の土壌を攪拌する攪拌ロッドをガイドするためのガイド器具であって、前記攪拌ロッドを挿通可能に形成された管状の揺れ抑制手段であって、当該揺れ抑制手段に挿通された前記攪拌ロッドの水平方向の揺れを抑制するための揺れ抑制手段を備える。
請求項2に記載のガイド器具は、請求項1に記載のガイド器具において、前記揺れ抑制手段の内径を、前記攪拌ロッドの外径と略同一にした。
請求項3に記載のガイド器具は、請求項1又は2に記載のガイド器具において、前記揺れ抑制手段を、水平方向に略沿って並設された複数の前記攪拌ロッドを挿通可能に形成し、前記揺れ抑制手段の側部のうち前記複数の攪拌ロッドの並設方向の側部を、略アール状に形成した。
請求項4に記載のガイド器具は、請求項1から3のいずれか一項に記載のガイド器具において、前記揺れ抑制手段の上下方向の長さを、前記攪拌ロッドの上下方向の長さよりも短くし、前記揺れ抑制手段によって前記攪拌ロッドの先端側の部分が覆われるように、前記揺れ抑制手段を設けた。
請求項5に記載のガイド器具は、請求項1から4のいずれか一項に記載のガイド器具において、前記地盤の領域のうち前記地盤改良体を形成する対象となる対象領域に前記揺れ抑制手段をガイドするためのガイド手段を備える。
請求項6に記載のガイド器具は、請求項5に記載のガイド器具において、前記揺れ抑制手段を、前記ガイド手段に対して着脱自在とした。
請求項7に記載のガイド器具は、請求項5又は6に記載のガイド器具において、前記攪拌ロッド及び前記揺れ抑制手段が前記ガイド手段を構成する複数の枠材内において水平移動可能となるように、前記ガイド手段を形成した。
請求項1に記載のガイド器具によれば、攪拌ロッドを挿通可能に形成された管状の揺れ抑制手段であって、当該揺れ抑制手段に挿通された攪拌ロッドの水平方向の揺れを抑制するための揺れ抑制手段を備えるので、攪拌ロッドを所望の方向に正確にガイドすることができる。特に、揺れ抑制手段を備えない場合に比べて、攪拌ロッドの水平方向の揺れを抑制でき(攪拌ロッドが比較的長い場合には効果的に揺れを抑制でき)、地盤改良体の形成精度及び作業効率を高めることが可能となる。よって、例えば、既存躯体に隣接する場所で地盤改良体を形成する場合に、攪拌ロッドと既存躯体との干渉・接触を回避しやすくなることから、既存躯体を損傷させることなく、地盤改良体を高精度且つ効率的に形成できる。
請求項2に記載のガイド器具によれば、揺れ抑制手段の内径を、攪拌ロッドの外径と略同一にしたので、揺れ抑制手段の内径が攪拌ロッドの外径よりも比較的大きい場合に比べて、作動時における当該攪拌ロッドの水平方向の揺れを抑制でき、当該攪拌ロッドを効率的に作動させることができる。
請求項3に記載のガイド器具によれば、揺れ抑制手段の側部のうち複数の攪拌ロッドの並設方向の側部を、略アール状に形成したので、揺れ抑制手段における攪拌ロッドの並設方向の側部を角状に形成する場合に比べて、当該側部の特定部分のみが当接することを回避でき、当該側部の損傷等を抑制しやすくなる。
請求項4に記載のガイド器具によれば、揺れ抑制手段の上下方向の長さを、攪拌ロッドの上下方向の長さよりも短くし、揺れ抑制手段によって攪拌ロッドの先端側の部分が覆われるように、揺れ抑制手段を設けたので、揺れ抑制手段の上下方向の長さが攪拌ロッドの上下方向の長さよりも短い場合でも、攪拌ロッドの水平方向の揺れを効果的に抑制でき、揺れ抑制手段のコンパクト化を図ることが可能となる。
請求項5に記載のガイド器具によれば、地盤の対象領域に揺れ抑制手段をガイドするためのガイド手段を備えるので、攪拌ロッド及び揺れ抑制手段を対象領域に容易且つ迅速に設置することができ、これら攪拌ロッド及び揺れ抑制手段の設置作業を効率的に行うことができる。
請求項6に記載のガイド器具によれば、揺れ抑制手段を、ガイド手段に対して着脱自在としたので、揺れ抑制手段をガイド手段に対して着脱自在にできる。よって、状況に応じて、揺れ抑制手段を移動させることが可能になると共に、揺れ抑制手段をガイド手段に対して固定することが可能になる。
請求項7に記載のガイド器具によれば、攪拌ロッド及び揺れ抑制手段がガイド手段を構成する複数の枠材内において水平移動可能となるように、ガイド手段を形成したので、上記枠材内において、攪拌ロッドと揺れ抑制手段とを水平移動させることができ、複数の地盤改良体を正確且つ迅速に形成することが可能となる。
本発明の実施の形態に係るガイド器具及の使用状況を示す側面図である。 図1におけるガイド器具の周辺領域を示す拡大図であり、(a)は側面図、(b)は(a)のA−A矢視図である。 ガイド器具の設置状況を示す斜視図である。
以下に添付図面を参照して、この発明に係るガイド器具の実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念を説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について説明し、最後に、〔III〕実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、地盤改良形成装置を構成する攪拌ロッドであり、地盤の土壌を攪拌する攪拌ロッドをガイドするためのガイド器具に関する。ここで、「地盤改良形成装置」とは、地盤改良体を形成するための装置であり、例えば、建築用地盤改良機、又は土木用地盤改良機等が該当する。また、「地盤改良体」とは、地盤を改良するためのものであり、例えば、構造物(具体的には、建築構造物、土木構造物)の基礎用の地盤改良体(一例として、山留壁用の地盤改良体)、液状化防止用の地盤改良体等が該当する。また、「攪拌ロッドをガイドする」とは、例えば、攪拌ロッドの長手方向が所望の方向に略沿うように、攪拌ロッドを据えることを意味する。
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
(構成)
最初に、実施の形態に係るガイド器具60と、ガイド器具60が適用される地盤改良形成装置50と、地盤改良形成装置50が設置される建物1の構成とについて説明する。
(構成−建物)
まず、建物1の構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るガイド器具60の使用状況を概念的に示す側面図である。以下の説明では、図1のX方向を建物1の左右方向(−X方向を建物1の左方向、+X方向を建物1の右方向)、後述の図2(b)のY方向を建物1の前後方向(+Y方向を建物1の前方向、−Y方向を建物1の後方向)、図1のZ方向を建物1の上下方向(+Z方向を建物1の上方向、−Z方向を建物1の下方向)と称する。
建物1は、実施の形態では鉄筋コンクリート造の建物(例えば、地上6階地下2階の建物)であり、所定の敷地内に設けられており、図1に示すように、床部10、柱部20、梁部30、及び壁部(図示省略)を備えている。
(構成−建物−床部)
床部10は、建物1の階層を構成するものであり、図1に示すように、相互に間隔を隔てて上下方向に向けて複数並設されている。また、複数の床部10は、少なくとも、地上1階1aに設けられ、且つ地盤改良形成装置50が設置されている地上1階側床部11と、地下1階1bに設けられた地下1階側床部12と、地下2階1cに設けられる地下2階側床部13と、地下2階側床部13よりも下方に位置する基礎床部14(いわゆる耐圧盤)とを含んで構成されている。
また、図1に示すように、地上1階側床部11の上面には、支持構造体40が設けられている。この支持構造体40は、地盤改良形成装置50を支持するための構造体であり、例えば公知の建築用の構台(一例として、複数の補強柱41で支持される構台42等)を用いて構成され、地上1階側床部11の縁端部分に配置されている。
(構成−建物−柱部、梁部、壁部)
柱部20は、床部10を支持するものであり、床部10同士の相互間(すなわち、建物1の各階層の空間)に複数設けられている。また、梁部30は、床部10を支持するものであり、各床部10の下面と当接するように複数設けられ、又は同一階の床部10同士の相互間に設けられている。また、壁部は、床部10同士の相互間を仕切るためのものであり、床部10同士の相互間に複数設けられている。
なお、実施の形態では、図1に示すように、床部10、柱部20、梁部30、及び壁部の各々の一部は、解体されて撤去されているものとする。特に、実施の形態では、建物1の縁端部分に後述する地盤改良体が形成可能となるように、地上1階側床部11から地下2階側床部13の各々の縁端部分と、当該縁端部分に対応する壁部とが解体されていると共に、基礎床部14に図示しない障害削孔が形成されている。
(構成−地盤改良形成装置)
次に、地盤改良形成装置50の構成について説明する。地盤改良形成装置50は、図示しない地盤改良体を形成するための装置である。この地盤改良形成装置50は、例えば、公知の建築用地盤改良機等を用いて構成されており、図1に示すように、地上1階側床部11に設けられた支持構造体40の上面に載置されており、本体部51、リーダ部52、シリンダ部53、第1攪拌部54a、第2攪拌部54b、第3攪拌部54c、及び搬送部(図示省略)を備えている。ここで、「地盤改良体」とは、例えば、固化材(一例として、セメント系固化材等)と地盤Gの土壌とからなるもの等が該当する。また、実施の形態では、地盤改良体は、建物1の縁端部分に形成されるものであって、前後方向の長さが左右方向の長さよりも長い平面形状を有するものとして説明する。
(構成−地盤改良形成装置−本体部)
本体部51は、地盤改良形成装置50の基本構造体であり、図1に示すように、走行機能を有する走行体51aと、走行体上において旋回可能に取り付けられた旋回体51bとを備えて構成されている。
(構成−地盤改良形成装置−リーダ部)
リーダ部52は、攪拌部を支持するものであり、図1に示すように、本体部51に対して前方側(図1では、左側)に位置するように設けられている。
(構成−地盤改良形成装置−シリンダ部)
シリンダ部53は、リーダ部52と本体部51とを接続するものであり、且つリーダ部52の姿勢を調整するものであり、図1に示すように、本体部51とリーダ部52との相互間に設けられ、本体部51とリーダ部52とに対して接続されている。
(構成−地盤改良形成装置−第1攪拌部、第2攪拌部、第3攪拌部)
第1攪拌部54a、第2攪拌部54b、及び第3攪拌部54cは、地盤Gの土壌を攪拌するためのものである。これら第1攪拌部54a、第2攪拌部54b、及び第3攪拌部54cは、例えば公知の攪拌手段を用いてそれぞれ構成されており、図1に示すように、長尺な攪拌ロッド55(例えば、円筒状の攪拌ロッド等)と、攪拌ロッド55の先端部(図で1は、攪拌ロッド55の下端部)に取り付けられた図示しない攪拌ヘッド(例えば、攪拌翼や複数のビットを有する攪拌ヘッド等)とをそれぞれ備えて構成されている。なお、実施の形態では、第1攪拌部54a、第2攪拌部54b、及び第3攪拌部54cは、同一の形状及び同一のサイズでそれぞれ構成されているものとして説明するが、これに限らず、異なる形状又は異なるサイズでそれぞれ構成されてもよい。
また、第1攪拌部54a、第2攪拌部54b、及び第3攪拌部54cは、リーダ部52に隣接するように設けられており、具体的には、後述する図2(b)に示すように、前後方向に沿って相互に間隔を隔てて配置され(例えば、前方から後方に向けて第1攪拌部54a、第2攪拌部54b、及び第3攪拌部54cの順に配置される等)、リーダ部52の上端部に対して連結部材56を介してそれぞれ吊り下げられている。
(構成−地盤改良形成装置−搬送部)
搬送部は、固化材を第1攪拌部54a、第2攪拌部54b、及び第3攪拌部54cまで搬送するためのものである。この搬送部は、例えば公知の搬送手段(一例として搬送用ホース)等を用いて構成されており、本体部51の近傍に設けられた図示しない供給部であって固化材を供給する供給部から第1攪拌部54a、第2攪拌部54b、及び第3攪拌部54cの各々の攪拌ヘッドにわたって複数設けられている。
(構成−ガイド器具)
次に、ガイド器具60の構成について説明する。図2は、図1のガイド器具60に対応する領域の拡大図を示す図であり、(a)は側面図、(b)は(a)のA−A矢視図である。図3は、ガイド器具の設置状況を示す斜視図である。ガイド器具60は、第1攪拌部54a、第2攪拌部54b、及び第3攪拌部54cをガイドするためのものであり、図2、図3に示すように、揺れ抑制部70、ガイド部80、及び滑落防止部90を備えている。
(構成−ガイド器具−揺れ抑制部)
図2に戻り、揺れ抑制部70は、当該揺れ抑制部70に挿通された第1攪拌部54a、第2攪拌部54b、及び第3攪拌部54cの各々の攪拌ヘッドの水平方向の揺れを抑制するための揺れ抑制手段である。この揺れ抑制部70は、図2に示すように、建物1内において、第1攪拌部54a、第2攪拌部54b、及び第3攪拌部54cの各々の攪拌ヘッドが挿通可能な位置に設けられ、当該攪拌ヘッドを挿通可能な管状体(例えば、鋼製の管状体)にて構成されている。具体的には、上面及び下面が開放された管状体である揺れ抑制部本体71と、揺れ抑制部本体71の上端部に設けられた環状の鍔部72を備えている。
また、揺れ抑制部70の具体的な形状及び大きさについては、第1攪拌部54a、第2攪拌部54b、及び第3攪拌部54cの各々の攪拌ヘッドの水平方向の揺れを抑制できる限り任意に設定できるが、実施の形態では以下の通りに設定している。
すなわち、まず、揺れ抑制部70の平面形状については、略矩形環状に設定している。より具体的には、図2、図3に示すように、揺れ抑制部70の側部のうち第1攪拌部54a、第2攪拌部54b、及び第3攪拌部54cの各々の攪拌ロッド55の並設方向の側部(図2では、揺れ抑制部70の前側側部及び後側側部)が略アール状になるように設定している。このような設定により、揺れ抑制部70における第1攪拌部54a、第2攪拌部54b、及び第3攪拌部54cの各々の攪拌ロッド55の並設方向の側部を角状に形成する場合に比べて、当該側部の特定部分のみが当接することを回避でき、当該側部の損傷等を抑制しやすくなる。ただし、これに限らず、例えば、上記第1攪拌部54a、第2攪拌部54b、及び第3攪拌部54cの並設方向の側部が非アール状(一例として、角状等)に設定してもよい。
また、揺れ抑制部70(具体的には、揺れ抑制部本体71)の内径については、第1攪拌部54a、第2攪拌部54b、及び第3攪拌部54cの各々の攪拌ロッド55の外径と略同一に設定している。より具体的には、図2に示すように、揺れ抑制部本体71の内径のうち左右方向の長さについては、攪拌ヘッドの外径と略同一に設定している。また、揺れ抑制部本体71の内径のうち前後方向の長さについては、第1攪拌部54aの攪拌ロッド55の外径、第2攪拌部54bの攪拌ロッド55の外径、及び第3攪拌部54cの攪拌ロッド55の外径の合計長さと略同一に設定している。これらの設定により、揺れ抑制部70の内径が第1攪拌部54a、第2攪拌部54b、及び第3攪拌部54cの各々の攪拌ロッド55の外径よりも比較的大きい場合に比べて、作動時における当該攪拌ロッド55の水平方向の揺れを抑制でき、当該攪拌ヘッドを効率的に作動させることができる。ただし、上記設定に限らず、例えば、上記攪拌ロッド55の外径よりも若干大きく設定してもよい。なお、揺れ抑制部70の鍔部72の内径については、第1攪拌部54a、第2攪拌部54b、及び第3攪拌部54cの各々の攪拌ロッド55を揺れ抑制部本体71に対して容易に挿通可能となるように、揺れ抑制部本体71の内径よりも大きく設定することが好ましく、一例として、上方に向かうにつれて大きくなるように設定してもよい。
また、揺れ抑制部70の上下方向の長さについては、攪拌ロッド55の上下方向の長さよりも短く設定しており、例えば、攪拌ロッド55の外径よりも長く(又は、略同一に)設定してもよい。このような設定により、揺れ抑制部70の上下方向の長さを攪拌ロッド55の上下方向の長さと略同一に設定する場合に比べて、揺れ抑制部70の製造コストを低減することができる。ただし、上記設定に限らず、例えば、攪拌ロッド55の上下方向の長さと略同一に設定してもよい。
また、揺れ抑制部70の設置方法については任意であるが、実施の形態では、揺れ抑制部70によって第1攪拌部54a、第2攪拌部54b、及び第3攪拌部54cの各々の攪拌ロッド55の先端側の部分が覆われるように、揺れ抑制部70を設けている。具体的には、図1、図2に示すように、地盤Gの直上の位置であって、後述する対象領域TGの近傍位置に設けている。ここで、「攪拌ロッド55の先端側の部分」とは、実施の形態では、攪拌ロッド55の部分のうち、攪拌ロッド55の上下方向の中央部から下端部に至る部分を意味する。このような設置方法により、揺れ抑制部70の上下方向の長さが攪拌ロッド55の上下方向の長さよりも短い場合でも、第1攪拌部54a、第2攪拌部54b、及び第3攪拌部54cの各々の攪拌ロッド55の水平方向の揺れを効果的に抑制でき、揺れ抑制部70のコンパクト化を図ることが可能となる。
(構成−ガイド器具−ガイド部)
ガイド部80は、地盤Gの領域のうち地盤改良体を形成する対象となる領域(以下、「対象領域TG」と称する)に揺れ抑制部70をガイドするためのガイド手段であり、図2、図3に示すように、対象領域TGの上面又は若干上方の位置に設けられている。
また、図2、図3に示すように、このガイド部80は、複数の長尺な枠材81(例えば、鋼製のアングル材)を組み合わせることにより構成されている。具体的には、ガイド部80は、相互に間隔(以下、「第1間隔」と称する)を隔てて左右方向に並設された第1枠材81a、81bと、第1枠材81a、81bの上面に載置され、且つ相互に間隔(以下、「第2間隔」と称する)を隔てて前後方向に並設された第2枠材81c、81dと、第2枠材81c、81dの上面に載置され、且つ相互に間隔(以下、「第3間隔」と称する)を隔てて左右方向に並設された第3枠材81e、81fとを備えて構成されている。この場合において、第1枠材81a、81b、第2枠材81c、81d、及び第3枠材81e、81fの固定方法については任意であるが、実施の形態では、第1枠材81a、81bを地盤G又は壁部等の建物1の躯体に対して着脱自在な固定具等によって固定し、第2枠材81c、81dを第1枠材81a、81bに対して着脱自在な固定具等によって固定し、第3枠材81e、81fを第2枠材81c、81dに対して着脱自在な固定具等によって固定している。
また、ガイド部80の具体的な構成については任意であるが、実施の形態では、第1攪拌部54a、第2攪拌部54b、及び第3攪拌部54cの各々の攪拌ロッド55と揺れ抑制部70とがガイド部80を構成する複数の枠材81内において水平移動可能となるように形成されている。具体的には、第1間隔の長さ及び第3間隔の長さについては、揺れ抑制部70の左右方向の長さと略同一又は若干長く設定している。また、第2間隔の長さについては、揺れ抑制部70の前後方向の長さよりも長く設定している。さらに、第3枠材81eが平面方向から見て第1枠材81aと略重なり、且つ第3枠材81fが平面方向から見て第1枠材81bと略重なるように、第3枠材81e、81fが配置されている。このような構成により、第1枠材81a、81b、第2枠材81c、81d、及び第3枠材81e、81fによって囲繞される空間82(以下、「囲繞空間82」と称する)内において、第1攪拌部54a、第2攪拌部54b、及び第3攪拌部54cの各々の攪拌ロッド55と揺れ抑制部70とを水平移動(図2、図3では、前後方向への移動)させることができ、複数の地盤改良体を正確且つ迅速に形成することが可能となる。
ここで、上述したガイド部80の構成の場合において、揺れ抑制部70をガイド部80に対して設置する方法については任意であるが、実施の形態では、揺れ抑制部70をガイド部80に対して着脱自在に設置している。具体的には、揺れ抑制部70の揺れ抑制部本体71の外縁部を覆うように取り付けられた環状の連結部材73を第3枠材81e、81fの上面に載置し、且つ連結部材73を第3枠材81e、81fに対して着脱自在な固定具によって取り付けることにより、設置している。このような設置により、揺れ抑制部70をガイド部80に対して着脱自在にできる。よって、状況に応じて、揺れ抑制部70を移動させることが可能になると共に、揺れ抑制部70をガイド部80に対して固定することが可能になる。
(構成−ガイド器具−滑落防止部)
滑落防止部90は、ガイド部80の囲繞空間82を介して作業者等が滑落することを防止するための滑落防止手段である。この滑落防止部90は、例えば、公知の滑落防止器具(一例として、エキスパンドメタル、ネット等)を用いて構成され、ガイド部80の第3枠材81e、81fに設けられている。具体的には、滑落防止部90によってガイド部80の囲繞空間82のうち第1攪拌部54a、第2攪拌部54b、及び第3攪拌部54cの各々の攪拌ロッド55と揺れ抑制部70とが挿通されていない部分が塞がれるように配置され、第3枠材81e、81fに対して着脱自在な固定具等によって固定されている。
以上のようなガイド器具60の構成により、第1攪拌部54a、第2攪拌部54b、及び第3攪拌部54cの各々の攪拌ロッド55を所望の方向(具体的には、上下方向)に正確にガイドすることができる。特に、揺れ抑制部70を備えない場合に比べて、第1攪拌部54a、第2攪拌部54b、及び第3攪拌部54cの各々の攪拌ロッド55の水平方向の揺れを抑制でき(攪拌ロッド55が比較的長い場合には効果的に揺れを抑制でき)、地盤改良体の形成精度及び作業効率を高めることが可能となる。よって、例えば、既存躯体に隣接する場所で地盤改良体を形成する場合に、第1攪拌部54a、第2攪拌部54b、及び第3攪拌部54cの各々の攪拌ロッド55と既存躯体との干渉・接触を回避しやすくなることから、既存躯体を損傷させることなく、地盤改良体を高精度且つ効率的に形成できる。また、ガイド器具60がガイド部80を備えるので、第1攪拌部54a、第2攪拌部54b、及び第3攪拌部54cの各々の攪拌ロッド55及び揺れ抑制部70を対象領域TGに容易且つ迅速に設置することができ、これら攪拌ロッド55及び揺れ抑制部70の設置作業を効率的に行うことができる。
(地盤改良体の形成方法)
続いて、上述した地盤改良形成装置50及びガイド器具60を用いて地盤改良体を形成する形成方法について説明する。実施の形態に係る地盤改良体の形成方法は、準備工程、混練工程、芯材挿入工程、及び撤去工程を含んでいる。
(地盤改良体の形成方法−準備工程)
準備工程は、地盤改良体の形成の準備を行うための工程である。
具体的には、地盤Gの対象領域TGに存在する障害物(一例として、瓦礫、廃管等)を撤去する。例えば、地盤改良形成装置50を地上1階側床部11に設置する。また、図3に示すように、所定深さの溝部Cを対象領域TGに形成することにより、当該溝部Cの範囲内で障害物を撤去する。また、対象領域TG(具体的には、溝部Cの近傍位置)にガイド部80を設置する。より具体的には、ガイド器具60のガイド部80を対象領域TGに対して固定した後に、ガイド器具60の揺れ抑制部70及び滑落防止部90をガイド部80に対して固定する。また、対象領域TGの周辺において、作業者の墜落事故等を防止するための養生作業(例えば、図3の親網、スタンション、幅木等を設置する作業等)を行うと共に、混練工程で土壌等が飛散することを防止するための図示しない飛散防止手段(例えば、風管)を地盤改良形成装置50に取り付ける。
(地盤改良体の形成方法−混練工程)
混練工程は、準備工程の後に固化材と地盤Gの土壌とを混練するための工程である。
具体的には、まず、地盤改良形成装置50の第1攪拌部54a、第2攪拌部54b、及び第3攪拌部54cを揺れ抑制部70に挿通する。次に、第1攪拌部54a、第2攪拌部54b、及び第3攪拌部54cの各々の攪拌ヘッドから固化材を吐出しながら、第1攪拌部54a、第2攪拌部54b、及び第3攪拌部54cを用いて所定深度まで対象領域TGを削孔し、且つ地盤Gの土壌と固化材とを攪拌する(いわゆる、削孔混練作業を行う)。次いで、第1攪拌部54a、第2攪拌部54b、及び第3攪拌部54cを所定深度の範囲内で所定回数反復移動させながら、上記固化材の吐出と上記土壌及び固化材の攪拌を行う(いわゆる、反復混練作業を行う)。次に、第1攪拌部54a、第2攪拌部54b、及び第3攪拌部54cを上方移動させながら、上記固化材の吐出と上記土壌及び固化材の攪拌を行う(いわゆる、引上げ混練作業を行う)。次いで、第1攪拌部54a、第2攪拌部54b、及び第3攪拌部54cを地盤Gから引き上げた後、揺れ抑制部70をガイド部80から取り外す。また、対象領域TGにおいて複数の地盤改良体が形成される場合には、ガイド器具60の囲繞空間82内で揺れ抑制部70を水平移動させてガイド部80に対して固定した後に、上述した一連の作業(具体的には、削孔混練作業、反復混練作業、引上げ混練作業、及び揺れ抑制部70を取り外す作業)を行うことを繰り返す。なお、実施の形態では、削孔混練作業、反復混練作業、及び引上げ混練作業を行う際に、第1攪拌部54a、第2攪拌部54b、又は第3攪拌部54cの各々の攪拌ロッド55が揺れようとしても、揺れ抑制部70によって当該揺れを抑制できることから、地盤改良体を形成精度及び作業効率を高めることが可能となる。また、囲繞空間82内で揺れ抑制部70を水平移動させることができ、複数の地盤改良体を容易且つ迅速に形成することが可能となる。
(地盤改良体の形成方法−芯材挿入工程)
芯材挿入工程は、混練工程の後に対象領域TGに図示しない芯材(例えば、H形鋼等)を挿入する工程である。
具体的には、まず、地盤改良形成装置50を撤去した後に、図示しない公知のクレーン装置を用いて、芯材を対象領域TGに所定位置まで挿入し(地盤改良体を複数形成する場合には、複数の芯材を挿入する)、当該挿入した芯材を図示しない公知の固定具を用いて固定する。そして、芯材が地盤改良体に対して固定されるまで養生し、その後芯材から固定具を取り外す。
(地盤改良体の形成方法−撤去工程)
撤去工程は、芯材挿入工程の後に、混練工程及び芯材挿入工程で発生した泥土等を撤去する工程である。
具体的には、ガイド部80を撤去した後に、上記泥土を所定期間(例えば、1日等)仮置きする。その後、公知の運搬装置(例えば、ダンプトラック等)を用いて上記泥土を所定の撤去位置まで搬送する。
以上のようなガイド器具60を用いた形成方法により、混練工程を効率的に行うことが可能となる。
(実施の形態の効果)
このように実施の形態によれば、攪拌ロッド55を挿通可能に形成された管状の揺れ抑制部70であって、当該揺れ抑制部70に挿通された攪拌ロッド55の水平方向の揺れを抑制するための揺れ抑制部70を備えるので、攪拌ロッド55を所望の方向に正確にガイドすることができる。特に、揺れ抑制部70を備えない場合に比べて、攪拌ロッド55の水平方向の揺れを抑制でき(攪拌ロッド55が比較的長い場合には効果的に揺れを抑制でき)、地盤改良体の形成精度及び作業効率を高めることが可能となる。よって、例えば、既存躯体に隣接する場所で地盤改良体を形成する場合に、攪拌ロッド55と既存躯体との干渉・接触を回避しやすくなることから、既存躯体を損傷させることなく、地盤改良体を高精度且つ効率的に形成できる。
また、揺れ抑制部70の内径を、攪拌ロッド55の外径と略同一にしたので、揺れ抑制部70の内径が攪拌ロッド55の外径よりも比較的大きい場合に比べて、作動時における当該攪拌ロッド55の水平方向の揺れを抑制でき、当該攪拌ロッド55を効率的に作動させることができる。
また、揺れ抑制部70の側部のうち複数の攪拌ロッド55の並設方向の側部を、略アール状に形成したので、揺れ抑制部70における攪拌ロッド55の並設方向の側部を角状に形成する場合に比べて、当該側部の特定部分のみが当接することを回避でき、当該側部の損傷等を抑制しやすくなる。
また、揺れ抑制部70の上下方向の長さを、攪拌ロッド55の上下方向の長さよりも短くし、揺れ抑制部70によって攪拌ロッド55の先端側の部分が覆われるように、揺れ抑制部70を設けたので、揺れ抑制部70の上下方向の長さが攪拌ロッド55の上下方向の長さよりも短い場合でも、攪拌ロッド55の水平方向の揺れを効果的に抑制でき、揺れ抑制部70のコンパクト化を図ることが可能となる。
また、地盤Gの対象領域TGに揺れ抑制部70をガイドするためのガイド部80を備えるので、攪拌ロッド55及び揺れ抑制部70を対象領域TGに容易且つ迅速に設置することができ、これら攪拌ロッド55及び揺れ抑制部70の設置作業を効率的に行うことができる。
また、揺れ抑制部70を、ガイド部80に対して着脱自在としたので、揺れ抑制部70をガイド部80に対して着脱自在にできる。よって、状況に応じて、揺れ抑制部70を移動させることが可能になると共に、揺れ抑制部70をガイド部80に対して固定することが可能になる。
また、攪拌ロッド55及び揺れ抑制部70がガイド部80を構成する複数の枠材81内において水平移動可能となるように、ガイド部80を形成したので、上記枠材81内において、攪拌ロッド55と揺れ抑制部70とを水平移動させることができ、複数の地盤改良体を正確且つ迅速に形成することが可能となる。
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
(形状、数値、構造、時系列について)
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
(地盤改良形成装置について)
上記実施の形態では、地盤改良形成装置50が地上1階側床部11に設けられると説明したが、これに限らず、例えば、他の床部(一例として、地下1階側床部12等)に設けられてもよい。この場合において、地盤改良形成装置50が設置される位置に応じて、ガイド器具60の揺れ抑制部70又はガイド部80の大きさ(特に、揺れ抑制部70の上下方向の長さ)が設定されてもよい。
また、上記実施の形態では、地盤改良形成装置50が支持構造体40の上面に載置されていると説明したが、これに限らず、例えば、地盤改良形成装置50が地上1階側床部11の上面に載置されてもよい。
(攪拌部について)
上記実施の形態では、第1攪拌部54aの如き攪拌部の設置数が3つであると説明したが、これに限らず、例えば、3つ未満であってもよく、又は4つ以上であってもよい。この場合において、攪拌部の設置数に応じて、揺れ抑制部70又はガイド部80の形状(特に、平面形状)や大きさ(特に、前後方向の長さ、左右方向の長さ)が設定されてもよい。一例として、攪拌部の設置数が1つである場合には、揺れ抑制部70の大きさは1つの攪拌部を挿通可能な形状又は大きさに設定されてもよい。
また、上記実施の形態では、第1攪拌部54a、第2攪拌部54b、第3攪拌部54cが前後方向に沿って並設されていると説明したが、これに限らない。例えば、左右方向に並設されてもよく、前後方向及び左右方向に並設されてもよい。この場合において、攪拌部の設置数に応じて、揺れ抑制部70又はガイド部80の形状(特に、平面形状)や大きさ(特に、前後方向の長さ、左右方向の長さ)が設定されてもよい。
(ガイド器具について)
上記実施の形態では、ガイド器具60が、ガイド部80及び滑落防止部90を備えていると説明したが、これに限らず、例えば、ガイド部80又は滑落防止部90を省略してもよい。
また、上記実施の形態では、ガイド器具60が、1つの揺れ抑制部70のみを備えていると説明したが、これに限らない。例えば、揺れ抑制部70がガイド部80に対して着脱自在に形成されている場合には、揺れ抑制部70を複数備えてもよい。
(揺れ抑制部について)
上記実施の形態では、揺れ抑制部70が鍔部72を備えていると説明したが、例えば、鍔部72を省略してもよい。
また、上記実施の形態では、揺れ抑制部70によって第1攪拌部54a、第2攪拌部54b、及び第3攪拌部54cの各々の攪拌ロッド55の先端側の部分が覆われるように、揺れ抑制部70を設けていると説明したが、これに限らない。例えば、揺れ抑制部70によって第1攪拌部54a、第2攪拌部54b、及び第3攪拌部54cの各々の攪拌ロッド55の基端側の部分(具体的には、攪拌ロッド55の上端側の部分)が覆われるように、揺れ抑制部70を設けてもよい。
(ガイド部について)
上記実施の形態では、ガイド部80が、複数の長尺な枠材81を組み合わせることにより構成されていると説明したが、これに限らない。例えば、鋼製又はコンクリート製の環状体又は筒状体等を用いて構成されてもよい。
また、上記実施の形態では、ガイド部80が第3枠材81e、81fを備えていると説明したが、これに限らず、例えば、第3枠材81e、81fを省略してもよい。
また、上記実施の形態では、第1攪拌部54a、第2攪拌部54b、及び第3攪拌部54cの各々の攪拌ロッド55と揺れ抑制部70とがガイド部80を構成する複数の枠材81内において水平移動可能となるように、ガイド部80が形成されていると説明したが、これに限らない。例えば、第1攪拌部54a、第2攪拌部54b、及び第3攪拌部54cの各々の攪拌ロッド55と揺れ抑制部70とが上記枠材81内において水平移動できないように、ガイド部80が形成されてもよい。
(地盤改良体の形成方法について)
上記実施の形態では、地盤改良体の形成方法が、撤去工程を含むと説明したが、これに限らず、例えば、泥土の撤去等が不要である場合には、撤去工程を省略してもよい。
(付記)
付記1のガイド器具は、地盤を改良するための地盤改良体を形成する地盤改良形成装置を構成する攪拌ロッドであり、前記地盤の土壌を攪拌する攪拌ロッドをガイドするためのガイド器具であって、前記攪拌ロッドを挿通可能に形成された管状の揺れ抑制手段であって、当該揺れ抑制手段に挿通された前記攪拌ロッドの水平方向の揺れを抑制するための揺れ抑制手段を備える。
付記2のガイド器具は、付記1に記載のガイド器具において、前記揺れ抑制手段の内径を、前記攪拌ロッドの外径と略同一にした。
付記3のガイド器具は、付記1又は2に記載のガイド器具において、前記揺れ抑制手段を、水平方向に略沿って並設された複数の前記攪拌ロッドを挿通可能に形成し、前記揺れ抑制手段の側部のうち前記複数の攪拌ロッドの並設方向の側部を、略アール状に形成した。
付記4のガイド器具は、付記1から3のいずれか一項に記載のガイド器具において、前記揺れ抑制手段の上下方向の長さを、前記攪拌ロッドの上下方向の長さよりも短くし、前記揺れ抑制手段によって前記攪拌ロッドの先端側の部分が覆われるように、前記揺れ抑制手段を設けた。
付記5のガイド器具は、付記1から4のいずれか一項に記載のガイド器具において、前記地盤の領域のうち前記地盤改良体を形成する対象となる対象領域に前記揺れ抑制手段をガイドするためのガイド手段を備える。
付記6のガイド器具は、付記5に記載のガイド器具において、前記揺れ抑制手段を、前記ガイド手段に対して着脱自在とした。
付記7のガイド器具は、付記5又は6に記載のガイド器具において、前記攪拌ロッド及び前記揺れ抑制手段が前記ガイド手段を構成する複数の枠材内において水平移動可能となるように、前記ガイド手段を形成した。
(付記の効果)
付記1に記載のガイド器具によれば、攪拌ロッドを挿通可能に形成された管状の揺れ抑制手段であって、当該揺れ抑制手段に挿通された攪拌ロッドの水平方向の揺れを抑制するための揺れ抑制手段を備えるので、攪拌ロッドを所望の方向に正確にガイドすることができる。特に、揺れ抑制手段を備えない場合に比べて、攪拌ロッドの水平方向の揺れを抑制でき(攪拌ロッドが比較的長い場合には効果的に揺れを抑制でき)、地盤改良体の形成精度及び作業効率を高めることが可能となる。よって、例えば、既存躯体に隣接する場所で地盤改良体を形成する場合に、攪拌ロッドと既存躯体との干渉・接触を回避しやすくなることから、既存躯体を損傷させることなく、地盤改良体を高精度且つ効率的に形成できる。
付記2に記載のガイド器具によれば、揺れ抑制手段の内径を、攪拌ロッドの外径と略同一にしたので、揺れ抑制手段の内径が攪拌ロッドの外径よりも比較的大きい場合に比べて、作動時における当該攪拌ロッドの水平方向の揺れを抑制でき、当該攪拌ロッドを効率的に作動させることができる。
付記3に記載のガイド器具によれば、揺れ抑制手段の側部のうち複数の攪拌ロッドの並設方向の側部を、略アール状に形成したので、揺れ抑制手段における攪拌ロッドの並設方向の側部を角状に形成する場合に比べて、当該側部の特定部分のみが当接することを回避でき、当該側部の損傷等を抑制しやすくなる。
付記4に記載のガイド器具によれば、揺れ抑制手段の上下方向の長さを、攪拌ロッドの上下方向の長さよりも短くし、揺れ抑制手段によって攪拌ロッドの先端側の部分が覆われるように、揺れ抑制手段を設けたので、揺れ抑制手段の上下方向の長さが攪拌ロッドの上下方向の長さよりも短い場合でも、攪拌ロッドの水平方向の揺れを効果的に抑制でき、揺れ抑制手段のコンパクト化を図ることが可能となる。
付記5に記載のガイド器具によれば、地盤の対象領域に揺れ抑制手段をガイドするためのガイド手段を備えるので、攪拌ロッド及び揺れ抑制手段を対象領域に容易且つ迅速に設置することができ、これら攪拌ロッド及び揺れ抑制手段の設置作業を効率的に行うことができる。
付記6に記載のガイド器具によれば、揺れ抑制手段を、ガイド手段に対して着脱自在としたので、揺れ抑制手段をガイド手段に対して着脱自在にできる。よって、状況に応じて、揺れ抑制手段を移動させることが可能になると共に、揺れ抑制手段をガイド手段に対して固定することが可能になる。
付記7に記載のガイド器具によれば、攪拌ロッド及び揺れ抑制手段がガイド手段を構成する複数の枠材内において水平移動可能となるように、ガイド手段を形成したので、上記枠材内において、攪拌ロッドと揺れ抑制手段とを水平移動させることができ、複数の地盤改良体を正確且つ迅速に形成することが可能となる。
1 建物
1a 地上1階
1b 地下1階
1c 地下2階
10 床部
11 地上1階側床部
12 地下1階側床部
13 地下2階側床部
14 基礎床部
20 柱部
30 梁部
40 支持構造体
41 補強柱
42 構台
50 地盤改良形成装置
51 本体部
51a 走行体
51b 旋回体
52 リーダ部
53 シリンダ部
54a 第1攪拌部
54b 第2攪拌部
54c 第3攪拌部
55 攪拌ロッド
56 連結部材
60 ガイド器具
70 揺れ抑制部
71 揺れ抑制部本体
72 鍔部
73 連結部材
80 ガイド部
81 枠材
81a、81b 第1枠材
81c、81d 第2枠材
81e、81f 第3枠材
82 囲繞空間
90 滑落防止部
91 親網
C 溝部
G 地盤
TG 対象領域

Claims (7)

  1. 地盤を改良するための地盤改良体を形成する地盤改良形成装置を構成する攪拌ロッドであり、前記地盤の土壌を攪拌する攪拌ロッドをガイドするためのガイド器具であって、
    前記攪拌ロッドを挿通可能に形成された管状の揺れ抑制手段であって、当該揺れ抑制手段に挿通された前記攪拌ロッドの水平方向の揺れを抑制するための揺れ抑制手段を備える、
    ガイド器具。
  2. 前記揺れ抑制手段の内径を、前記攪拌ロッドの外径と略同一にした、
    請求項1に記載のガイド器具。
  3. 前記揺れ抑制手段を、水平方向に略沿って並設された複数の前記攪拌ロッドを挿通可能に形成し、
    前記揺れ抑制手段の側部のうち前記複数の攪拌ロッドの並設方向の側部を、略アール状に形成した、
    請求項1又は2に記載のガイド器具。
  4. 前記揺れ抑制手段の上下方向の長さを、前記攪拌ロッドの上下方向の長さよりも短くし、
    前記揺れ抑制手段によって前記攪拌ロッドの先端側の部分が覆われるように、前記揺れ抑制手段を設けた、
    請求項1から3のいずれか一項に記載のガイド器具。
  5. 前記地盤の領域のうち前記地盤改良体を形成する対象となる対象領域に前記揺れ抑制手段をガイドするためのガイド手段を備える、
    請求項1から4のいずれか一項に記載のガイド器具。
  6. 前記揺れ抑制手段を、前記ガイド手段に対して着脱自在とした、
    請求項5に記載のガイド器具。
  7. 前記攪拌ロッド及び前記揺れ抑制手段が前記ガイド手段を構成する複数の枠材内において水平移動可能となるように、前記ガイド手段を形成した、
    請求項5又は6に記載のガイド器具。
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